説明

車両座席のアジャスタの駆動装置

1つ以上の電子整流モーター(12)と該モーター(12)の出力側に設けられた1つ以上のギア段(14)を有する車両座席、特に自動車座席のアジャスタ(80)の駆動装置(10)において、前記ギア段(14)が、2つの異なった回転速度及び/又はその方向を利用することにより軸(A)の周りで出力装置(54)の運動を引き起こすディファレンシャルギアとして設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提項の特徴を有する車両座席のアジャスタの駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような駆動装置は、個々の構成部品を互いに調整することにより占有者の最適な座席位置を得るためにモーター調整可能な車両座席に使用される。
ブラシ整流及び電子整流の双方が現技術水準である。
ギア段によって回転速度を下げ、同時に送出トルクを増大することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明の目的は、上記タイプの駆動装置を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本発明によれば請求項1の特徴を備えた駆動装置により解決される。
有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
2つの異なった回転の速度及び/又は方向を利用することでシャフトの周囲で出力運動を引き起こすディファレンシャルギアとしてギア段を設計すると、出力において低回転速度を可能にする小さな相対運動を発生することが可能である。
2つの異なった回転速度及び/又は方向は、モーターでギア段に入力できるか、またはギア段それ自体で生成でき、そして、そのような回転速度で1つの構成要素を阻止することにより他の構成要素において出力として選び出されることができる。
【0006】
このギア段は、好適には電子整流モーターに接続されるが、ブラシ整流モーターに接続することも可能である。
【0007】
電気的に整流されたブラシ不要のモーターが、高度の電気機械的効率をもたらすと同時にわずかなスペースしかとらず、非常に小さなノイズしか発生しない。
幾つかのモーターは、大きな余分な力を出さずに、関連する電子装置を使用して回転速度あるいは位置に関して互いに同期させることができる。
整流の方法は、阻止状態を検出し、可能な最大の阻止力を電気的に規定し、温度をモニターし、従って、ブラシモーターと比べて高エネルギー密度の電磁コンバーターを達成する可能性をもたらし、これにより設置スペースと重量をかなり減少させることができる。
電子機器のモーターへの一体化が、阻止状況を認識したり、既設センサーを評価したり、電子機能と駆動されている装置との間で、例えばモーター機能のパラメーターを記録しプログラムする場合に、調和を達成したりする利点をもたらす。
【0008】
出力側のトルクを上げるために、異なった回転速度で及び/又は異なった方向に回転する2つのローターを使用して、回転速度の絶対値と比較して低く、ギア段で更に下げることができる相対運動を発生させることが可能である。
このローターの異なった回転速度及び/又は異なった方向は、単純な方法で設計面から、好適にはローターが異なったポール数を有し、そのポール数がステーターポール数と異なり、それによってローターの回転速度がステーターの磁界の回転速度から外れることを確保することで、達成される。
2:3及び3:2とは異なるステーターポール数対ローターのポール数の比率が回転速度及び/又は方向の違いを可能にし、その結果として、例えば2つのローターを使用する場合に小さな相対運動を発生させることができ、それにより回転速度が低下し、一方で同時に出力トルクが増大する。
【0009】
低摩擦、低発熱及び低エネルギー消費でのモーターの低ノイズ又は静音運転を確保するため、ステーターが好適に電子的に整流され、一方ローターがポールとして永久磁石を好適に保持する。
ステーターの円周方向において、正確に全ての第2ステーターポールが、隣接ステーターポールに対し磁束回路を完成するためコイルを好適に保持している。
このステーターとローターを、中心軸に対して半径方向シーケンスであるいは軸方向シーケンス(ディスクアーマチュア)に配置することができる。
異なった回転速度を発生させるため、ステーターとローターのポール数を例えば2ずつ異ならせてもよい。
特に希土類族から採取した金属から製造された永久磁石を使用して、低電流でも比較的大きなトルクを生じる巻線タイプと、各ケースで極数の比率の組み合わせが、必要な設置スペースの量を更に縮小させる。
【0010】
出力側で導入されたトルク力を阻止するために、例えばモーターがモーターピニオンを介して中間ギアを駆動できるようにすることが可能であり、この中間ギアを確実にあるいは摩擦で阻止することができる。
【0011】
幾つかのモーターを状況に合わせて種々の性能要件に合わせることができ、同時にコンパクトで人間工学的に有利な多重モーターを形成するように好適に組み合わされる。
例えば、複数モーターが構造的に単純に共通のモーターキャリヤーの平行なスロット内に配置され、1つの共通な中間ギアホイールが多重モーターの出力を形成する。
モジュール出力定義の可能性により、極端な高出力が短期間で呼び出せる。
例えば、多重モーターの中の複数のモーターは、普通直列に接続されるが、それらモーターは、特殊な状況で並列に接続されて高圧をベースにして高性能を発揮する。
そのような状況とは、例えば、車両の衝突あるいは差し迫った衝突であろう。
【0012】
このモーターは、幾つかの変形モーターから、例えば、半径方向形状で内部ローターモーター、外部ローターモーターあるいは二重ローターモーターから好適に選択することができる。
幾つかのタイプのギア段から選択でき、それにより幾つかのギア段を次々に後方に接続可能となるギア段との組み合わせで、正に数モジュールで種々の要件に合致させるために多数の駆動装置を作り出すモジュールシステムが提供できる。
【0013】
ギア段は、中空及び/又は中実ローラーを備えたフリクションホイール形態として設計することができ、あるいはギアホイールの形態とすることも可能であり、前者の形態が、製造するのにより簡単であるが、中空ローラーを備えると、重量を減らすこともでき、モーターのローター用のベアリングを形成することができる。
モーターの電気機械的効率に加えて、ギア段の効率も、駆動装置の全体の効率に、特にフリクションホイールの形態で、何ら別のベアリングもなく、それら自体のベアリング機能を有する代わりに、できる限り最小数の個々のベアリングを有する同軸で完全に対称的なギア構造に選択権がある理由から、重要でもある。
【0014】
ギア段は、中心(太陽)ギア、1組の遊星ローラーあるいはギア、及び中空ギアを有する単一段遊星ディファレンシャルギアとして設計することができ、この中心ギア及び中空ギアは、各々、モーター内のローターに回転可能にしっかりと接続されており、一方で、この遊星ローラーあるいはギアを支持している遊星キャリヤーが出力装置として作用する。
しかし、ギア段は、中心軸に同心円状に配置された、1つ以上の中心ギア、1組以上の内部遊星ローラー、1組以上の外部遊星ローラー及び1つ以上の外部リングを有する多段(すなわち少なくとも2段)遊星ディファレンシャルギアとして設計することもでき、この場合、前記中心ギア又は外部リングが軸に対して軸方向に隣接配置されている。
異なった外径の2つの中心ギア又は異なった内径の2つの外部リング(あるいはそれぞれ異なった弾性率)が、結果として回転速度の僅かな違いを招く。
【0015】
ギア段は、また中心軸に同心円状に配置された、1つ以上の中心ギア、1組以上の好適に段から外れた遊星ローラー及び1つ以上の中空ギアを有する単一段遊星ディファレンシャルギアとしても設計することもでき、この場合、前記中心ギア又は中空ギアが軸に対して軸方向に隣接配置されている。
異なった弾性率及び異なった外径の2つの中心ギア又は異なった内径の2つの中空ギアが、結果として回転速度の僅かな違いを招く。
例えば、異なる直径の2つの前記隣接ギア要素の一方がハウジングに取り付けられ、残りの一方が前記出力装置に接続されていれば、前記回転速度の違いを取り除くことができる。
2つの外部リングを有する構成では、ハウジングに取り付けられている一方の要素がステーターに接続され、駆動要素として作用する中心ギアはモーター内のローターに回転可能にしっかりと接続されている。
【0016】
一方で付勢をかけてギア段を保持して心合わせするため、他方で許容公差を補償するため、中空ギア又は外部リングは好適に弾性金属リングと、該金属リングが設置されるエラストマーベッドを好適に有する。
金属リングと共にエラストマーベッドを収容するとともにそれらを軸方向に固定する支持体が、中空シャフトとして設計される出力装置のベル状部品に好適に接合されている。
前記出力装置の回転方向は、モーターの回転方向を変える必要もなくスイッチギアにより任意に選択することができる。
これにより、モーターに要する電子機器をかなり単純化できる。
切換えは、スイッチコイルで規定される電磁石を好適に設けることによって容易な製造設計で行われる。
前記電磁石は、摩擦あるいは確実な手段でロックするために、2つの隣接する同様のギア要素と幾何学的に連結される2つの相互反発永久保持磁石と相互作用する。
スイッチギアを使用すれば、2つの異なったギア比を選択することも可能である。
【0017】
ギア段は幾つかのタイプのギア段から好適に選択することができる。
幾つかの変形モーターから選択可能なモーターと組み合わせると、種々の要件を満たすために正に数モジュールを使用する多数の駆動装置を作製するモジュールシステムができあがる。
【0018】
この駆動装置は、アジャスタを車両座席内で好適に駆動させる。
それにより、駆動装置は、好適にはローターを直接支持するアジャスタの負荷支持ギアに好適に一体化されている。
このように設計されたアジャスタは、別個の伝達要素、例えば低効率ウォームギアなど、また別個のローター用ベアリング要素を、駆動装置と負荷支持ギアとの間に必要としないという利点を有する。
加えて、ローターが、負荷支持ギアへのギア段を介して、いかなる遊びも無しに連続的に支持されるならば、ランニングノイズがかなり軽減されるだろう。
相互に接続された、複数の単一アジャスタ用の2つの駆動装置を使用すると、空間的にずらすためにいかなる伝動要素も又はいかなる別の段も設けることが必要ない。
さらに、各アジャスタの負荷支持ギアは、伝動要素が不要であることに加え、この要件を満たすために各負荷支持ギアに必要な設計の手間をかなり減らす阻止力として全体の力の半分に耐える必要があるに過ぎない。
【0019】
この発明を、幾つかの変形モーターとギア段タイプとそれぞれの改良品を用いて図面に示した典型的な実施形態に基づいて、以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
駆動装置10は、モーター12とそのモーター12の出力側に設けられているギア段14から構成されている。
モーター12は、ステーター16を有する電気的に整流されたモーターであり、そのステーターポール18が軸Aの周りに星形に配置されている。
図2Aないし図2Cの面に垂直に走る軸Aは円筒座標で以下の方向性データを規定する。
コイル20が全部で12本あるステーターポール18の全ての第2のポールに巻き付けられており、このコイル20は、空間的回転磁界を発生させるために、モーター12に一体化されるここでは詳細に図示されていないDC供給電子回路で互いに一定間隔で交互に励磁される。
【0021】
3つの異なった変形モーターがあり、内部ローターモーターであるモーター12にはステーター16内側に半径方向に配置された内部ローター22が設けられているか(第1変形モーター)、外部ローターモーターであるモーター12にはステーター16外側に半径方向に配置された外部ローター24が設けられているか(第2変形モーター)、あるいは省略された二重ローターモーターであるモーター12には内部ローター22と外部ローター24が設けられている(第3変形モーター)。
3つの全ての変形モーターでは、内部ローター22あるいは外部ローター24が軸Aの周りを回転し、ステーター16に面する円周面に沿って永久磁石26を保持しており、前記永久磁石26は円周方向に交互にポールで支持されている。
本願に使用される永久磁石26の全てが、例えば希土類族から選択される金属を含有することで、高度の透磁率を好適に示す。
第1変形モーターと第3変形モーターでは内部ローター22に割り当てられ、第2変形モーターではステーター16に割り当てられる内部磁束リング28と、第1変形モーターではステーター16に割り当てられ、第2変形モーター及び第3変形モーターでは外部ローター24に割り当てられる外部磁束リング30が磁束回路を完成する。
この2つの磁束リング28、30は、必要であれば、永久磁石26のキャリヤーとして同時に作用することもできる。
外部ローター24は、(内部ローター22と比較して)大きな半径に作用する磁力により多量のトルクをもたらす。
3つの変形モーターの全てが、好適には中空シャフト設計であり、すなわち軸Aの周りの領域が空いたままである。
【0022】
永久磁石26の数は、ステーターポール18の数に対するそれらの比率が2:3又は3:2に等しくないように選択され、その結果として内部ローター22又は外部ローター24の回転がステーター16での磁界の回転からずれる。
この場合では、内部ローター22が10個の永久磁石26を備え、外部ローター24が14個の永久磁石26を備えている。
永久磁石26の異なった数で維持する際に、第3の変形モーター(二重モーター)では、内部ローター22と外部ローター24がこの場合では異なった回転速度(5:7)で、また図に矢印で示したように反対の回転方向に回転する。
半径方向構造を有する代わりに、モーターが軸方向形状を有することもできる、すなわちローター(ディスクアーマチュア)とステーターが軸方向に一方がその後方に配置される。
【0023】
ギア段の目的は、モーター12の回転速度を下げ、同時にモーターが出したトルクを伝達することである。
ギア段14は、ディファレンシャルギアシステムとして設計され、その種々のタイプを以下に説明する。
各タイプは、平らな歯付き遊星ギアを有する歯車遊星ディファレンシャルギアとしてか、丁度中心車のような中空又は中実でもよい円筒状の滑らかなローラーを有するフリクションホイール遊星ディファレンシャルギアの形態の好ましい形状としても存在する。
中心軸の周りの領域が空間ままになっているギア段14の中空シャフト設計が好ましい。
【0024】
第1のタイプのギア段が単一段遊星ディファレンシャルギアであり、このギアをフリクションホイールの形態で最初に説明する。
ギア段14がモーター12の中心軸に合わされる。
中心ギア32が軸Aの周りに配置され、中空ギア36で囲まれている3つの遊星ローラー34がこの中心ギア32の円周面に沿って走行する。
中空ギア36は半径方向付勢がかけられており、そのために何らスリップを発生せずに遊星ローラー34に良好な回転がなされる。
環状遊星キャリヤー38が遊星ローラー34を軸方向ピンに保持している。
【0025】
この最初のタイプのギア段14の好ましい組み合わせは第3の変形モーター、二重モーターで達成されるが、ブラシ整流モーターを含む他の変形モーターでも達成することができる。
内部ローター22が中心ギア32に回転可能にしっかりと接続されており、一方、外部ローター24が中空ギア36に回転可能にしっかりと接続されている。
遊星キャリヤー38は駆動装置10の出力装置として機能する。
それぞれの直径の寸法はローター22、24の回転速度、トルク力及び回転方向に合わされている。
中心ギア32、遊星ローラー34及び中空ギア36の軸方向長さは、内部ローター22及び外部ローター24がギア段14によってステーター16に対して十分保持され程長いように好適に選択される。
【0026】
構成部品の表面の特徴を除いて、ギアホイールの形態はフリクションホイールの形態と同じであり、その理由から対応する構成部品の参照番号に省略符号を付した。
中心ギア32’、遊星ギア34’及び中空ギア36’は、各々の場合、歯が付いているが、同様にモーター12と連結されており、同じ相対運動を行い、この場合も遊星キャリヤー38が出力装置として使用される。
【0027】
ギア段の第2のタイプは、多段遊星ディファレンシャルギアであり、このギアもその半径方向階層フリクションホイールの形態で説明されており、このタイプもギアホイールの形態として存在することができる。
また、中実及び/中空構成部品も使用することができる。
中心ギア32も軸Aの周りに配置され、この中心ギア32の円周面には1組の内部遊星ローラー34が配置されている。
軸方向に一方が他方の後方に配置された第1外部遊星ローラー40と第2外部遊星ローラー42は、これら遊星ローラーの各々が軸方向に内部遊星ローラー34の約半分の長さの各隙間に挿入され、第2外部遊星ローラー42は第1外部遊星ローラー40と比較して直径が僅かに小さく、それは、例えば、一方でメートル寸法を、他方でインチベースの寸法を有する円筒ローラーを使用することで達成されるものである。
円筒形状の代わりに、他の形状もロール本体に使用することができる。
【0028】
各々が中空ギアとして機能する、第1外部遊星ローラー40を半径方向外部に囲む第1外部リング44と第2外部遊星ローラー42を半径方向外部に囲む第2外部リング46が前記遊星ローラー40、42、34を中心ギア32に向け同時に全ての接点で付勢する。
2つの半径方向階層列のローラーをこのように付勢すると、ローラー全てが互いに保持し、同心の半径方向に対称的な無スリップ配置が確実に得られ、それが結果としてギア段14の高度の効率化につながる。
遊星キャリヤー、従って遊星ローラーの内部ベアリングは必要ではないが、排除もされない。
その端面では中心ギア32には、軸方向の所定位置に遊星ローラーを保持するために半径方向外部に突出するリムを設けることができる。
これは他のタイプのギア段の場合にも行える。
【0029】
この2つの外部リング44,46は、原則的に同様に構成されているので、以下第1外部リング44が説明される。
第1外部リング44は鋼製の弾性金属リング48を備え、その金属リング48は、その半径方向内側に面する表面で第1外部遊星ローラー40と接触しており、付勢力を適用するために、囲まれたローラーの幾何学的配置で必要とされる直径より小さな内径を有している。
半径方向外側に面する側で、且つ双方の軸方向面において、金属リング48が第1外部リング44のエラストマーベッド50内に配置されている。
金属リング48とプラスチック製のエラストマーベット50が共に、非常に均一圧力付加を実現している。
さらに、エラストマーベッド50が運転ノイズを遮断し、一瞬の衝撃を軽減する。
ここで説明された第1外部リング44の2部品設計を、第1タイプのギア段の中空ギア36、36’に採り入れることができる。
第1外部リング44を半径方向に固定するために、支持体52には金属リング48とエラストマーベッド50が設けられ、組立ての目的で、前記支持体52は2部品構造であり、半径方向外側でエラストマーベッド50に、そして面の両端部では2つのフランジに係合しており、その構成も他の2つのタイプのギア段に採り入れることができる。
【0030】
運転ノイズを回避させる回転対称のために、金属リング48とエラストマーベッド50は円周方向に好適に連続的設計になっているが、それらはスロットが付けられたり分割されたりしてもよく、特に、例えば回転固定状態で支持体52に接続されるようになっていれば矢印状スロットを有することができる。
ギア段14で発生する熱を放散するため、好ましくはエラストマーベッド50が良好な熱伝導率を有し、該熱伝導率は、例えば埋め込み用金属あるいは他の熱伝導性ファイバーにより、あるいは中空スペース及び窪みに熱伝導性材料を充填することで達成される。
熱伝導性ペーストは金属リング48とエラストマーベッド50との間に設けることもできる。
【0031】
第1外部遊星ローラー40と第2外部遊星ローラー42との直径間、そして結果として第1外部リング44と第2外部リング46の内径間の小さな違いにより、2つの外部リング44及び46が異なった速度で回転する。
この回転速度の小さな違いを利用して、ギア段14がモーター12に接続された場合にギア段14での大きな減速(例えば200)が実現される。
【0032】
この第2タイプのギア段は、第1あるいは第2変形モーターと好適に組み合わされるが、ブラシ整流モーターを含む他の変形モーターと組み合わせることもできる。
第1外部リング44、より正確にはその支持体52が、例えば、ハウジングに、すなわちステーター16に取り付けられている。
駆動車として作用する中心(太陽)ギア32は、内部ローター22(あるいは外部ローター24又は遊星キャリヤー38)に接続されるが、第2外部リング46は、出力装置54として作用する。
この場合、例えば、中空シャフトとすることができる外部シャフトが、ベル状末端片により第2外部リング46に、より正確にはその支持体52に取り付けられている。
この場合には、第2外部リング46が、中心ギア32と同じ方向に回転する。
第2タイプのギア段用に選択される形状により、別個のベアリングを中心ギア32に、従って内部ローター22(又は外部ローター24)に、そして第2外部リング46に、すなわち出力装置54に設けることは不要になるが、その可能性を排除しない。
しかし、ギア段14の内部ローター22(又は外部ローター24)のベアリングが、遊びがなく、従って内部ローター22(又は外部ローター24)をノイズを出さずに作動する利点がある。
【0033】
第2タイプのギア段の変形設計では、(小さな)第2外部リング46がハウジングに取り付けられ、(大きな)第1外部リング44が出力装置であり、その結果、中心ギア32と第1外部リング44が逆回転となる。
必要なら外部リング44、46をハウジングに取り付け、結果として以下さらに詳細に説明される例えば2つのポールシステム又は回路により、出力に変化を来たすことで、出力装置の回転方向を逆にすることが可能であり、一方中心ギア32の回転方向は同じままである。
それでモーター12に必要な電子システムの設計を非常に単純化することができ、このことがモーター12の製造も単純化する。
【0034】
第2タイプのギア段を、異なったローラーセット数を設けることで更に改良することができる。
一般に、互いに軸方向後方に配置された1つ以上の中心ギアと、同数の適切に軸方向に配置された内部遊星ローラーと、出来れば同期目的の1組の中間遊星ローラーと、互いに軸方向後方に配置された1組以上の外部ローラーと、同数の適切に軸方向に配置された外部リングを設けることが可能である。
回転速度の小さな違いは、2つの隣接するギア要素間で上記方法により取り去られる。
中心ギアと1組の遊星ローラーの代わりに、次の外側の遊星ローラー組上で直接回転する適度に大きい直径の正に中心ギアを使用することも考えられ、及び/又は1組の外部遊星ローラーと外部リングの代わりに、次の内側の遊星ローラー組上で直接回転する適度に小さい直径の正に外部リングを使用することが考えられる。
【0035】
第3タイプのギア段も、ギアホイールの形態も可能であるが半径方向階層フリクションホイールの形態としても説明されている単一段の遊星ディファレンシャルギアである。
ギア段14はモーター12の中心軸Aと合致している。
中心ギア32は軸Aの周りに配置されており、3つの遊星ローラー34は中心ギア32の円周面に沿って回転する。
それらの軸方向長さのほぼ中程まで、段から外れた遊星ローラー34が、低弾性率を有する、すなわち比較的硬い環状第1中空ギア36により囲まれている。
これら3つの遊星ローラー34の軸方向長さの残りの半分では、第1中空ギア36より高い弾性率と小さな内周を有する第2中空ギア56で囲まれている。
2つの要因により、遊星ローラー34との接触により生じた円形から外れた三角形気味の形状を第2中空ギア56が示しており、この三角形状は図では僅かに誇張されており、作動時には動的に変化する。
弾性率の違いは、適切な材料を選択することで達成される。
【0036】
双方の中空ギア36、56は、半径方向付勢力に高圧力を付与して何らスリップ無しで遊星ローラー34の良好な回転を保証し、中心ギア32が半径方向力を補償している。
遊星キャリヤーを介する代わりに中心ギア32を介して投入された推力で、双方中空ギアの内周比率が、変速比200に対して200/199である必要はないが、その代わり、より大きい比率、従って許容公差に殆ど影響されない比率を選択することができる。
さらに、中心ギア32の代わりに、遊星ローラーを支持する遊星キャリヤーを第1タイプのギア段の設計と同様に入力駆動装置として使用することができ、又は遊星ローラーを配置しているベアリングケージを備えてもよい。
変形実施形態では、一方が他方の後方に軸方向に配置された異なった弾性率の2つの中心ギアを中空ギアと組み合わせて設けることもでき、あるいは異なった弾性率の連続又は分離した中心ギアと中空ギアの他の組み合わせも可能である。
この遊星ローラーも段付けすることができる。
【0037】
第2中空ギア56の変形を出力装置54の剛性シャフトに伝えるため、又は、その変形をハウジングで支えるために、第2中空ギア56を、外側で半径方向に包囲するエラストマーベッド50、例えばゴムリング内に取り付け、このゴムリングが支持体52内に半径方向に配置されている。
このエラストマーベッド50を、金属リングからなる中空ギア56の別の構成部品と見なしてもよい。
このエラストマーベッド50の代わりに、第2中空ギア56の弾性スポークあるいは軸方向又は半径方向出力ピックオフを、可能なら変形可能な壁を備えたカップやダンパー要素を備えた穴あきディスクを挿入して設けることができる。
中空ギア56の僅かな不均一運動は、好適に補償されないか、あるいは少しも補償されない。
【0038】
この第3タイプのギア段が第1変形モーター又は第2変形モーターと好適に組み合わされるが、前記ギア段は、ブラシ整流モーターを含む他の変形モーターと組み合わせることができる。
第1中空ギア36は、例えばハウジング、すなわちステーター16に取り付けられている。
駆動装置として作用する中心ギア32が内部ローター22(又は外部ローター24)に接続され、一方で、第2中空ギア56が出力装置54として作用する。
この場合、例えば中空シャフトでもよい出力シャフトがベル状端部片により第2中空ギア56に、より正確にはその支持体52に取り付けられている。
それぞれの直径は、直径の選択によって別の比率が可能なように、常時同じ大きさのオーダーとする必要がある。
中心ギア32、遊星ローラー34及び中空ギア36の軸方向長さは、内部ローター22と外部ローター24がギア段14によってステーター16に対して位置決めできるように十分長くするのが好ましい。
第3タイプのギア段用に選択される形状により、中心ギア32の、従って内部ローター22(又は外部ローター24)の、また第2中空ギア56の、すなわち出力装置54の、個別ベアリングを設けることが不要となるが、その形状はその可能性を排除しない。
【0039】
ギア段14はスイッチギアとして設計可能で、そのスイッチギアにより出力装置54の2つの異なった回転方向を、モーター12の唯一の永久回転方向を保持しながら選択することが可能であり、このギア段14を第2タイプのギア段に基づいて以下に詳細に説明する。
第2タイプのギア段に関して説明されているように、1組の内部遊星ローラー34が中心ギア32上にあり、また、1組の第1遊星ローラー40が遊星ローラー34の上面に配置され、軸方向にここからオフセットされた第1外部リング44により付勢されて所定位置に保持され、1組の第2遊星ローラー42が第2外部リング46により付勢されて所定位置に保持されている。
第2外部リング46は、出力装置54の一部を構成している。
内部遊星ローラー34の軸方向長さは、第3外部リング58が第2外部リング46の反対側で第1外部リング44のそばに軸方向に配置され、付勢を受けて前記第3外部リング58が内部遊星ローラー34を取り囲むように、選択される。
第1外部リング44及び第3外部リング58の外径は、少なくともほぼ一致する。
【0040】
巻線スプリング60がハウジングにその中間で取り付けられ、あるいはその幾つかの巻線が第1外部リング44に巻き付けられ、その残りの巻線が第3外部リング58に巻き付けられている。
各々の場合、永久磁石が保持磁石61として巻線スプリング60の両自由端に配置され、2つの保持磁石61の相互の対面極が互いに反発し合う。
この保持磁石61は、例えば希土類族から選択される金属を含有するため、高い透磁率を好適に保有している。
任意の極を励磁できる切換えコイル63が巻付かれている軟鉄コア62が2つの保持磁石61間に配置されている。
【0041】
非励磁状態での切換えコイル63について、双方の保持磁石61が、磁束回路を局部的に完成するコア62と接触状態にある。
双方の外部リング44、58、従ってギア段14が結果として所定位置に保持される。
ステーター16のコイルを励磁すれば、切換えコイル63も励磁される。
電流方向により、2つの保持磁石61の1つが引き付けられ、一方、他方が反発される。
その結果、後者が巻線スプリング60の側を開き、これにより対応外部リング44、58を解除する。
通常、回転速度の違いを引き起こす外部リング44、58の小さな違いのため、第2外部リング46、従って、出力装置54の回転方向が規定され、それに従って、外部リング44又は58が阻止され、一方、モーター12従って中心ギア32の回転方向が一定ままであり、出力の2つの可能な回転方向が互いに対向している(一方向モーター)。
【0042】
摩擦タイプのロック装置を有する上記スイッチギアは別として、設計の改良では確実に作用するロック解決策を備えたスイッチギアを使用することも考えられる。
例えば、図12示されたように、保持磁石61が、それぞれ切換え可能に歯付き外部リングをロックする歯付き爪64に配置できる。
この機能は上記と同じである。
ロック装置は、休止状態の出力装置54により導入されるトルク力を阻止するためにも使用できる。
そのような阻止作用は、ギア段14内で発生する必要はないが、モーター12とギア段14との間で適用することもできる。
【0043】
図13Aに示したように、モーター12の出力シャフトには、例えば、一方で中心ギア32に接続された中間ギア67に係合するモーターピニオン66が設けられており、他方では、前記出力シャフトは、2つのカム突起68’を有するディスクカム68と摩擦接続されている。
休止状態では、2つスプリング歯付き爪64が中間ギア67で少なくともほぼ確実に係合し、特に出力側で導入されたトルク力に対して中間ギア67を阻止する。
一旦モーター12が回転し始めたら、ディスクカム68がそれと共に回転し、カム突起68’が歯付き爪64の制御外周部64’に接触し、それにより図13Bに示したように歯付き爪64を上げて中間ギア67との係合を解除する。
このとき、中間ギア67は何ら邪魔されずに駆動され、ディスクカム68との摩擦接触が好適に解消される。
好ましい実施形態の変形において、ディスクカム68は回転軸との摩擦接触で支持されないが、モーターの非回転部に回転可能にしっかりと接続されており、このモーターは、ハウジングに対し小さな角度範囲により回転可能に支持されている。
このように支持されたモーターピニオン66とディスクカム68との間に生じるトルクのために、モーター12をオンにし、それにより歯付き爪64が自動的に係合解除すると、ディスクカム68が直ちに自動的に回転する。
このタイプのモーター整流はこのロック装置には重要でない。
ロック作用は、摩擦で発生することもできる。
【0044】
ある特殊な状況では、駆動装置10が高回転速度及び/又は高トルクを出力することが好ましい。
駆動装置10が車両に使用されている場合、そのような状況は衝突であろう。
駆動装置10で駆動される装置は、車両占有者の保護を増すために、特定の設定をできるだけ素早く取るように意図されている。
この場合、駆動装置10が続いて使用できないことが容認されている。
他の特別な状況が、広い範囲に対して車両座席の1つ以上のアジャスタの迅速な設定、例えば後部座席にアクセスを容易にするする(容易な進入)ための長手方向調整と組み合わせて背もたれを前方に折り畳むこと(旋回自在)であろう。
【0045】
この迅速な調整の機械的な解決策は、外部リング44、46の形状寸法あるいは中空ギア36、56の弾性率の違いが十分に大きければ、選択可能なギア比(変速比)を備えたスイッチギア装置として構成された第2及び第3タイプのギア段を使用して達成することができよう。
交互に高精度に切換えられる場合に外部リング44又は46か中空ギア36又は56をロックする、スイッチギア装置内に設けられたロック装置を使用して、異なった速度、従って異なったギア比を出力部で発生させることは可能である。
モーター12の回転方向が一定のままであれば、出力装置の回転方向が、一方向モーターの場合上記状況に対応する状態を変える。
出力の一定の回転方向は、ロック装置の切換え以外では、モーター12の回転方向を変えることによっても、発生させることができる。
【0046】
モーター12が、星形接続回路のコイル20で作動すれば、図17に示したように、特殊な状況で、短時間で有効抵抗を下げまた性能を上げるために、中心タップを備えた星形接続システムに操作を切り替えることが可能である。
モーターを励磁させるための星形接続回路の使用も、第3変形モーターとロック装置を伴う組み合わせには良好な解決策である。
特殊な状況が発生した場合、第3変形モーターの2つのローターのうちの1つがロック装置により機械的に阻止される。
下流ギア段14が、高いギア比(低減速)のディファレンシャルギアとして作用する。
スイッチが中間タップに作られた後、他方のローターが低抵抗により高い出力消費で作動し、これが究極的には出力装置54で好ましい出力の増大を生む。
【0047】
この発明により提供される駆動装置10は、他にも使用できるが、このケースでは車両内のアジャスタ80を駆動させるために使用される。
一般的に、アジャスタ80は、互いに移動し、間で駆動装置10がその出力装置54で作動する2つの構成部品から構成されている。
出力装置54の低回転速度は大量のトルクを生じる。
出力装置54の回転運動をアジャスタ80の直線運動に変える手段を設けることができる。
アジャスタ80の各調整方向のために別個の駆動装置も設けることができる。
アジャスタ80の使用法の例は、車両座席の場合には、背もたれ傾斜アジャスタ、特に自己ロックギア取り付け具の形態の該傾斜アジャスタや、4つのバー機構の2つのギア要素間で作用する座席高さアジャスタや、座席クッションの先端を回動させる座席傾斜アジャスタや、あるいはレール上の車両座席を長手方向に動かす長手方向座席アジャスタである。
アジャスタ80は、窓リフターとしてあるいは外部ミラーアジャスタとしても使用してもよい。
【0048】
幾つかの用途では、2つの同様の単一アジャスタ80が1つの構成部品を一緒に動かすために共に作用する。
例えば、一般に、車両座席では、同じ単一アジャスタ80が座席の両側にあり、公知方法では、それらのアジャスタ80は回転可能な伝動ロッドによって対に連結され、同期がとられている。
非常に狭いスペースしか取らない、この発明による駆動装置を使用すれば、対の各単一アジャスタ80にそれ自体の駆動装置10を設けることが可能である。
これらの駆動装置10は、例えばモーター12の電子整流に使用される電子装置により、あるいは車両座席の場合、車両座席の構造物の剛性を介して同期がとられる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】典型的な実施形態の原理レイアウトである。
【図2A】第1変形モーターである。
【図2B】第2変形モーターである。
【図2C】第3変形モーターである。
【図3A】フリクションホイールを組み込んだ第1ギア段タイプである。
【図3B】ギアを組み込んだ第1ギア段タイプである。
【図4】図5の矢印IVの方向で見た第2ギア段タイプの部分概略図である。
【図5】図4のV−V線に沿った断面図である。
【図6】図5の拡大図である。
【図7】第3ギア段タイプの概略図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った断面図である。
【図9】切換え可能なギア段の正面図である。
【図10】図9に示されたギア段の側面図である。
【図11】図9のXI−XI線に沿った断面図である。
【図12】図9に示されたギア段の改良図である。
【図13A】阻止状態で出力側に導入されたトルク力を阻止するモーター用ロック装置である。
【図13B】モーターが開始した図13Aに示したロック装置である。
【符号の説明】
【0050】
10 駆動装置
12 モーター
14 ギア段
16 ステーター
18 ステーターポール
20 コイル
22 内部ローター
24 外部ローター
26 永久磁石
28 内部磁束リング
30 外部磁束リング
32,32’ 中心(太陽)ギア
34 (内部)遊星ローラー
34’ 遊星ギア
36,36’ (第1)中空ギア
38 遊星キャリヤー
40 第1外部遊星ローラー
42 第2外部遊星ローラー
44 第1外部リング
46 第2外部リング
48 金属リング
50 エラストマーベッド
52 支持体
54 出力装置
56 第2中空ギア
58 第3外部リング
60 ラップスプリング
61 保持磁石
62 コア
63 切換えコイル
64 歯付き爪
64’ 制御外周部
66 モーターピニオン
67 中間ギア
68 ディスクカム
68’ カム突起
80 アジャスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の電子整流モーター(12)と該モーター(12)の出力側に設けられた1つ以上のギア段(14)を有する車両座席、特に自動車座席のアジャスタ(80)の駆動装置(10)において、
前記ギア段(14)が、2つの異なった回転速度及び/又はその方向を利用することにより軸(A)の周りで出力装置(54)の運動を引き起こすディファレンシャルギアとして設計されていることを特徴とする車両座席のアジャスタの駆動装置(10)。
【請求項2】
前記ギア段(14)が、ステーター(16)と、前記軸(A)の周りで回転してステーター(16)と磁気的に相互作用する1つ以上のローター(22,24)とを備えている前記モーター(12)に接続されており、前記ギア段(14)が、前記ローター(22,24)を特に支持していることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置(10)。
【請求項3】
前記ギア段(14)が、中空及び/中実ローラーを備えたフリクションホイールの形態としてあるいはギアホイールの形態として設計されていることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項4】
前記ギア段(14)が、1つ以上の中心ギア(32;32’)と1組以上の遊星ローラー(34)又はギア(34’)と1つ以上の中空ギア(36,36’,56)あるいは外部リング(44,46)とを有する少なくとも単一段の遊星ディファレンシャルギアとして設計されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項5】
前記中心ギア(32;32’)と前記中空ギア(36,36’)が、前記モーター(12)の1つのローター(22,24)に各々回転可能にしっかりと接続されていることを特徴とする請求項2及び請求項4に記載の駆動装置(10)。
【請求項6】
前記遊星ローラー(34)又はギア(34’)が、遊星キャリヤー(38)に保持され、前記遊星キャリヤー(38)が、前記出力装置(54)又は入力装置として機能していることを特徴とする請求項5に記載の駆動装置(10)。
【請求項7】
前記2つの中心ギア(32)又は前記2つの外部リング(44,46)又は前記2つの中空ギア(36,56)が、前記軸(A)に対して軸方向に隣接して配置されていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項8】
前記2つの中心ギア(32)が、異なる外径又は外周及び/又は弾性を有し、及び/又は前記2つの外部リング(44,46)が、異なる内径を有し、及び/又は前記2つの中空ギア(36,56)が、異なる内周又は弾性を有していることを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項9】
異なる直径又は弾性又は内周を有する前記2つの隣接ギア要素の1つが、ハウジングに取り付けられ、それらの1つが、出力装置(54)に接続され又は該出力装置(54)を形成していることを特徴とする請求項8に記載の駆動装置(10)。
【請求項10】
前記中心ギア(32)が、前記モーター(12)の1つのローター(22,24)にしっかりと接続され、前記1つの外部リング(44)又は前記1つの中空ギア(36)が、前記ステーター(16)に接続され、前記1つの外部リング(46)又は前記中空ギア(56)が、前記出力装置(54)に接続され又は該出力装置(54)を形成していることを特徴とする請求項2及び請求項9に記載の駆動装置(10)。
【請求項11】
前記中空ギア(36,36’)又は前記外部リング(44,46)が、弾性金属リング(48)と該金属リング(48)を収容するエラストマーベッド(50)とを備え、あるいは前記中空ギア(56)それ自体が、前記金属リング(48)を形成して前記エラストマーベッド(50)に収容されていることを特徴とする請求項4ないし請求項10のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項12】
前記遊星ローラー(34)又はギア(34’)が、段から外れていることを特徴とする請求項4ないし請求項11のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項13】
前記ギア段(14)が、2つ以上の異なった外部リング(44,46)及び/又は中空ギア(36,56)及び/又は中心ギア(32)を切り換え可能にロックできるスイッチギアとして設計されていることを特徴とする請求項4ないし請求項12のいずれか1項に記載の駆動装置(10)。
【請求項14】
前記ギア比が、前記ロックにより選択可能であることを特徴とする請求項13に記載の駆動装置(10)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公表番号】特表2007−532386(P2007−532386A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507657(P2007−507657)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000632
【国際公開番号】WO2005/100081
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(500010945)カイペル ゲーエムベーハー アンド カンパニー カーゲー (90)
【住所又は居所原語表記】Hertelsbrunnenring 2, 67657 Kaiserslautern, Germany
【Fターム(参考)】