説明

車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造

【課題】組付作業性を改善することができる車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造を提供する。
【解決手段】シフトノブ23の内挿穴28a内にシフトレバー20の先端部を押込む際に、補助レバー34がプルロッド22先端に当接して回動することで、補助レバー34と連係するリンク体33が回動して、リンクレバー35先端が連係孔24に挿入され、その後、補助レバー34の係合部34dがリンク体33から離脱し、補助レバー34が操作部材22先端から離間する補助レバー34をシフトノブ23内に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シフトレバー装置のシフトノブをシフトレバー先端に装着するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の車両用シフトレバー装置としては、シフトレバーの先端にシフトノブを装着する際の工程を簡潔にすることで、作業効率の向上を図ることが行なわれている。特許文献1に開示されたシフトレバー装置101は、図8及び図9に示すように、シフトレバー120の基端側が揺動自在に支承され、先端側にシフトノブ123が配置される。シフトレバー120は筒状に形成され、内部にプルロッド122が軸方向に移動可能に挿嵌されている。通常は、プルロッド122が基端側に向かって付勢保持されており、ロッド基端部(図示せず)がディテント山(図示せず)に係合し、シフトレバー120の揺動が規制されている。
【0003】
また、シフトノブ123に設けられたノブボタン127を操作することで、シフトノブ123内部のリンク機構130を介して、プルロッド122を先端側へ引上げ、ロッド基端部のディテント山との係合を解除し、シフトレバー120が自在に揺動するように構成されている。そして、ノブボタン127をノブ本体126に向けて押込み操作すると、リンク機構130によって、リンク体133が軸支部Oを中心に回転し、リンクレバー135が係合している連係孔124を介してプルロッド122を引上げる構造になっている。
【0004】
シフトノブ123に延設される係止筒部128の側面には、略U字形状の固定バネ114が係止筒部128を横切るように配置され、先端側114aの一部が係止筒部128内部に貫通している。そして、ノブ本体126の係止筒部128内にプルロッド122先端を挿入した際に、シフトレバー120の側面に形成される固定溝121bに先端側114aが係合することで、シフトノブ123はシフトレバー120に固定される。
【0005】
シフトノブ123をシフトレバー120の先端に装着する際には、ノブボタン127を押さない状態で、ノブ本体126の係止筒部128内にプルロッド122先端を挿入する。なお、ノブボタン127を押さない状態では、戻バネ(図示せず)の付勢力によってリンクレバー135先端がプルロッド122の取付穴129から外れた位置に保持されている。
【0006】
そして、係止筒部128内に貫通した固定バネ114の一部がシフトレバー120の先端側側面に形成された段部141に突き当たる。突き当たったところで、ノブボタン127を押操作し、プルロッド122先端の側面にリンクレバー135を押付けしつつ、さらにシフトレバー120を係止筒部128内に押込む。
【0007】
すると、固定バネ114が僅かに押広げられて、段部141との係合が解除されて、シフトレバー120が係止筒部128の奥まで挿入され、この過程でリンクレバー135が連係孔124に挿入され、そして固定バネ114が、シフトレバー120の側面に形成される固定溝121bに係合することで、シフトノブ123はシフトレバー120に固定される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−1470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記特許文献1に記載されているものでは、シフトノブ123をシフトレバー120に組付ける際に、ノブ本体126の係止筒部128内にプルロッド122先端を挿入し、固定バネ114を段部141が突き当たることで挿入荷重が重くなった位置で、一旦停止させ、ノブボタン127を押操作しつつ、再度挿入するという2工程が必要であり、作業者の感覚による作業になるため、車両組立ラインで他の組付作業と合わせて行なう際には、作業性が悪いという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、作業工程をさらに簡素化し、組付作業性を改善することができる車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、ハウジングに回動可能に取り付けられる筒状のシフトレバーと、前記シフトレバー内に軸線方向に沿って移動可能に配置される操作部材と、前記シフトレバーの先端部を内挿穴内に内挿しつつ、配置されるシフトノブと、該シフトノブに押圧操作可能に取付けられたノブボタンと、該シフトノブ内に配置され、該ノブボタンと該操作部材とを連係し、該ノブボタンが押圧操作された際に、該操作部材を該シフトレバー内の基端側から先端側へ移動させるリンク機構と、を備えたシフトレバー装置であって、前記操作部材の先端には、前記軸線方向に交差するように貫通する連係孔を備え、前記リンク機構は、前記シフトノブ内に回転面が該軸線方向に沿うように回動可能に配置されたリンク体と、該リンク体に設けられて該連係孔に挿脱可能に配置されたリンクレバーと、該リンク体とは別に、該シフトノブ内に回転面が該軸線方向に沿うように回動可能に配置され、且つ該操作部材の先端及び前記リンクレバーと連係される補助レバーとを備え、該シフトノブの前記内挿穴内に前記シフトレバーの先端部を押込む際に、該操作部材先端に当接して該補助レバーが回動し、回動する該補助レバーに連係して該リンク体が回動し、該リンクレバー先端が該連係孔に挿入されることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造において、前記補助レバーは、弾性を有する係合片を備え、前記シフトノブの前記内挿穴内に前記シフトレバーの先端部を押込み、前記操作部材先端に当接して該補助レバーが回動した際に、該係合片が前記リンク体と係合、連係して該リンク体が回動し、前記リンクレバー先端が前記連係孔に挿入された後、該係合片が撓み変形し、該係合片と該リンク体との係合が解除されることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1、または請求項2に記載の車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造において、前記補助レバーに係止部と、前記シフトノブ内に該係止部と係合可能に形成された係止受部とを備え、前記補助レバーが前記操作部材先端に当接しつつ、回動した際に、該係止部が該係止受部に係止され、該補助レバーが保持されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明において、シフトノブの内挿穴内にシフトレバーの先端部を押込む際に、補助レバーが操作部材先端に当接して回動することで、該補助レバーと当接するリンク体が回動して、リンクレバー先端が連係孔に挿入される構成としたことで、シフトノブをシフトレバーに装着する作業工程が、シフトレバーの先端をシフトノブの内挿穴に押込む工程1つで完了するため、組付作業性を改善することができる。
【0015】
請求項2の発明において、リンクレバーを操作部材の連係孔に装着した後、補助レバーの係合部が離脱手段によりリンク体から離脱し、補助レバーが操作部材先端から離間される構成としたことで、ノブボタンを押圧操作して操作部材を上下動する際に、操作部材が補助レバーに影響されずに、リンクレバーによって確実に操作される。
【0016】
請求項3の発明において、リンクレバーを操作部材の連係孔に装着した後、操作部材先端によって補助レバーが回動端部まで回動した際に、補助レバーの軸支部近傍に設けられた係止部がシフトノブ内の係止受部に係止されることによって、補助レバーが操作部材先端から離間した状態を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態を示し、自動変速機のシフトレバー装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、シフトノブの分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、シフトノブをシフトレバーに装着する初期状態を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、補助レバーがプルロッド先端面に当接し、リンク体が回動を開始した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、リンク体が補助レバーから外れる前の状態を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、シフトノブの装着によって補助レバーが固定された状態を示す断面図である。
【図7】本発明の一実施形態を示し、補助レバーの固定後、ノブボタンの押圧操作を停止した状態を示す断面図である。
【図8】従来のシフトレバー装置を示す要部断面図である。
【図9】従来のシフトレバー装置を示す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
シフトレバー装置1は、図1に示すように、車体側に固定されるハウジング10と、ハウジング10に基端側Bが回動可能に支持されるシフトレバー20とを備えている。また、ハウジング10の表面には、セレクトカバー11が装着されている。セレクトカバー11には、シフトレバー20が挿通され、且つシフトレバー20の回動方向に沿って延びる長孔からなるセレクト孔12が設けられている。
【0020】
シフトレバー20は、筒状のレバー本体21と、レバー本体21の筒内に配置されるプルロッド(操作部材)22と、レバー本体21の先端に配置されるシフトノブ23とを備えている。
【0021】
レバー本体21は、基端側Bに基部21aを備え、基部21aがハウジング10の軸支部13に軸支され、回動可能に配置されている。
【0022】
プルロッド22は、レバー本体21の筒内を貫通しつつ、軸線方向Lに沿って移動可能に配置されている。また、プルロッド22は、基端側端部にディテント係合部(図示せず)を備えており、軸線方向に移動することで、ハウジング10に設けられたディテント部(図示せず)とディテント係合部とが係合、離脱し、シフトレバー20の位置、移動を規制する構成となっている。プルロッド22の先端側端部には、軸線方向Lに交差するように側面を貫通する連係孔24が設けられている。なお、プルロッド22は、付勢バネ(図示せず)によって基端側Bに、つまりディテント係合部とディテント部との係合を保持する方向に付勢保持されている。
【0023】
連係孔24は、孔の正面から見て略矩形状に開口しており、基端側Bの壁面に誘導壁24aと、先端側Tの壁面に連係壁24bとが設定されている。誘導壁24aは、孔入口24inから孔出口24outに向かって、基端側Bから先端側Tへ傾斜する傾斜面に設定され、連係壁24bは、中央部分が基端側に向かって突出する山形状に形成されている。
【0024】
シフトノブ23は、ノブ本体26の側面に配置されるノブボタン27と、ノブ本体26の内部に配置されるリンク機構30と、を備えており、ノブボタン27とリンク機構30は、ともに枠体状のリンクケース31を介して配置されている。このリンクケース31には、後述する補助レバー34の係止部34eが係止される係止受部36が設けられている。
【0025】
ノブ本体26は、略紡錘形状を備え、本体部分26aの基端側Bにシフトレバー20の先端側を挿入可能な内挿穴28aを具備する筒状の係止筒部28を備えている。また、ノブ本体26の側面には、後述するノブボタン27とリンク機構30とが組込まれたリンクケース31が収容されるケース収容室29が形成されている。
【0026】
ノブボタン27は、先端側の縁部をボタンピン27aで揺動可能に軸支され、リンクケース31とノブボタン27との間に挟持される戻バネ27bの反発力によってケース収容室29から外側へ突出する方向に付勢されている。そして、ノブボタン27の基端側を内部側に押込むことで押圧操作するように構成されている。
【0027】
リンク機構30は、主として、シフトノブ23内にそれぞれ回動可能に設けられるリンク体33及び補助レバー34から構成されている。リンク体33は、リンクケース31内部に配置され、リンクケース31の一端側(ノブボタン27側)で軸支されるリンク体ピン33bによってリンクケース31に揺動自在に配置されている。また、リンク体33は、リンクレバー35を備えている。
【0028】
連係ピン32は、リンク体33に設けられた丸孔33aに中央部分が挿嵌されつつ、両端部分がノブボタン27の側面に形成された長孔部27cを摺動可能に挿入されており、連係ピン32を介して、ノブボタン27とリンク体33とが連係されている。
【0029】
リンクレバー35は、図3に示す操作初期状態で斜め下方向に延設されるようにリンク体33に形成されている。また、リンクレバー35は、先端側に向かって円弧状に湾曲した形状に形成されている。これにより、リンクレバー35が連係孔24に挿入され、プルロッド22を引上げる際に、リンクレバー35が連係孔24の連係壁24bに引っ掛かったり、操作中の負荷が急激に変化しないように設定されている。
【0030】
補助レバー34は、リンクケース31の他端側(ノブボタン27から離隔する端部側)に設けた軸穴31aにて軸支される軸支部34aを有するとともに、プルロッド22の先端が当接可能な基部34bと、この基部34bより回動方向に屈曲し、弾性を有する一対の係合片34cと、この一対の係合片34cよりそれぞれ内側に突出し、リンクレバー35と係合、連係する係合部34dと、基部34bに突設され、弾性腕の先端に設けられた鉤状の係止部34eとから構成されている。係合部34dと係合部34dとの間には、リンクレバー35の径より小さな幅寸法のスリット34fが形成されている。すなわち、補助レバー34には、一対の係合部34dと、スリット34fとから離脱手段34gが構成され、この離脱手段34gによって、リンクレバー35先端が連係孔24に挿入された後、補助レバー34のリンク体33からの離脱を可能としている。
【0031】
次に、シフトノブ23をシフトレバー20先端に組付ける手順を説明する。まず、シフトノブ23を組付ける前の準備として、筒内にプルロッド22を配設したシフトレバー20をハウジング10に支承した状態で、ハウジング10を車体(図示せず)に固定する。そして、セレクトカバー11をハウジング10に固定し、シフトレバー装置1周辺を覆い隠すカバー部材(図示せず)等を車体に装着するとともに、セレクトカバー11のセレクト孔12にシフトレバー20を挿通した後に、ノブカバー40とシフトノブ23をシフトレバー20に組付ける。
【0032】
また、シフトノブ23には、ノブボタン27とリンク体33と補助レバー34をリンクケース31に組付け、このリンクケース31をケース収容室29内に装着する。このとき、戻バネ27bの反発力によって、図3中反時計方向に回動する方向に付勢されるが、リンクレバー35が補助レバー34の係合部34dに当接して回動が阻止されている。この位置が組付位置で、図3に示すように、リンクレバー35の先端が内挿穴28aの延長方向から外れた位置にある。また、補助レバー34の基部34bが内挿穴28aの延長方向に位置するとともに、基部34bより斜め下方に一対の係合片34cが傾斜して、係合部34d,34dは、内挿穴28aの延長方向から外れた位置にある。
【0033】
シフトノブ23をシフトレバー20に組付けるには、まず、図3に示すように、連係孔24の孔入口24inが開口する入口側側面側にノブボタン27が位置するように、シフトノブ23の向きを合わせつつ、シフトノブ23の内挿穴28aにシフトレバー20の先端部を挿入する。次いで、シフトノブ23内の補助レバー34の基部34bにプルロッド22の先端が触れたところで、さらにシフトノブ23の内挿穴28aにシフトレバー20を挿入すると、図4に示すように、プルロッド22の先端により補助レバー34が図の反時計方向へ回動され、補助レバー34の係合部34dがリンクレバー35上を摺接することにより、リンク体33が図の時計方向へ回動するので、リンクレバー35先端が連係孔24に挿入されるとともに、連係孔24の誘導壁24aによって、リンクレバー35が連係孔24深部へ誘導されて引き込まれる。
【0034】
シフトノブ23の内挿穴28aにシフトレバー20をさらに押し込むことで、図5に示すように、補助レバー34が図の反時計方向へ回動する際に、係合片34cが撓み変形してスリット34fが拡がり、スリット34fをリンク体33が通過して、係合部34dがリンク体33から離脱する。
【0035】
そして、シフトノブ23を所定の位置まで押し込むことにより、レバー本体21に形成された固定溝21bとシフトノブ23の係止筒部28に形成された係止孔28bとが重なるので、係止孔28bにあらかじめ装着されていた固定バネ14が固定溝21bに係合し、固定バネ14を介して、シフトレバー20にシフトノブ23を係合させ、固定する。なお、ノブカバー40のシフトレバー20への装着前に係止筒部28を覆い隠すように、係止筒部28にあらかじめ係止する。
【0036】
最後にノブボタン27を押し込むことで、図6に示すように、リンク体33から離脱した補助レバー34は、プルロッド22先端によって回動端部まで回動し、基部34bに設けられた係止部34eがシフトノブ23内の係止受部36に係止される。係止部34eが係止受部36に係止されることにより、補助レバー34がプルロッド22先端から離間された状態が保持される。
【0037】
上記構成により、図6に示すように、操作者がノブボタン27を押圧操作すると、ノブボタン27がボタンピン27aを中心に回動し、ノブボタン27側面の長孔部27c内を連係ピン32が摺動し、連係ピン32が移動することによって、リンク体33が図の時計方向に回動する。リンク体33が図の時計方向に回動することによって、連係孔24内に挿入されたリンクレバー35がプルロッド22を先端側Tに引き上げ、ディテント部からディテント係合部が離間し、シフトレバー20の移動規制が解除される。
【0038】
また、図7に示すように、操作者がノブボタン27の押圧操作を止めると、ノブボタン27は、戻バネ27bによって操作初期位置に戻されて、リンク体33が図の反時計方向に回動して操作初期位置に戻るとともに、プルロッド22が付勢バネによってディテント係合部がディテント部と係合する位置へ戻される。
【0039】
以上、上記本実施形態では、シフトノブ23の内挿穴28a内にシフトレバー20の先端部を押込む際に、補助レバー34がプルロッド22先端に当接して回動し、補助レバー34と当接するリンク体33が回動してリンクレバー35先端が連係孔24に挿入される構成としたことで、シフトノブ23をシフトレバー20に装着する作業工程が、シフトレバー20の先端をシフトノブ23の内挿穴28aに押込む工程1つで完了するため、組付作業性を改善することができるとともに、組付手順を誤って、部品を破損するなどの不具合の発生を防止することができる。
【0040】
また、リンクレバー35をプルロッド22の連係孔24に装着した後、係合部34dが弾性変形して係合部34dのスリット34fをリンク体33が通過して係合部34dがリンク体33から離脱し、補助レバー34がプルロッド22から離間される構成としたことで、ノブボタン27を押圧操作してプルロッド22を上下動する際に、プルロッド22が補助レバー34に影響されることなく、リンクレバー33によって確実に操作される。
【0041】
また、リンクレバー35をプルロッド22の連係孔24に装着した後、プルロッド22先端によって補助レバー34が回動端部まで回動した際に、補助レバー34の軸支部34a近傍に設けられた係止部34eがシフトノブ23内の係止受部36に係止されることによって、補助レバー34がプルロッド22先端から離間される状態を確実に保持することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 シフトレバー装置
10 ハウジング
20 シフトレバー
22 プルロッド(操作部材)
23 シフトノブ
24 連係孔
27 ノブボタン
28b 内挿穴
30 リンク機構
33 リンク体
34 補助レバー
34a 回動軸
34d 係合部
34e 係止部
34g 離脱手段
35 リンクレバー
36 係止受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに回動可能に取り付けられる筒状のシフトレバーと、
前記シフトレバー内に軸線方向に沿って移動可能に配置される操作部材と、
前記シフトレバーの先端部を内挿穴内に内挿しつつ、配置されるシフトノブと、
該シフトノブに押圧操作可能に取付けられたノブボタンと、
該シフトノブ内に配置され、該ノブボタンと該操作部材とを連係し、該ノブボタンが押圧操作された際に、該操作部材を該シフトレバー内の基端側から先端側へ移動させるリンク機構と、を備えたシフトレバー装置であって、
前記操作部材の先端には、前記軸線方向に交差するように貫通する連係孔を備え、
前記リンク機構は、
前記シフトノブ内に回転面が該軸線方向に沿うように回動可能に配置されたリンク体と、
該リンク体に設けられて該連係孔に挿脱可能に配置されたリンクレバーと、
該リンク体とは別に、該シフトノブ内に回転面が該軸線方向に沿うように回動可能に配置され、且つ該操作部材の先端及び前記リンクレバーと連係される補助レバーとを備え、
該シフトノブの前記内挿穴内に前記シフトレバーの先端部を押込む際に、該操作部材先端に当接して該補助レバーが回動し、回動する該補助レバーに連係して該リンク体が回動し、該リンクレバー先端が該連係孔に挿入されることを特徴とする車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造において、
前記補助レバーは、弾性を有する係合片を備え、
前記シフトノブの前記内挿穴内に前記シフトレバーの先端部を押込み、前記操作部材先端に当接して該補助レバーが回動した際に、該係合片が前記リンク体と係合、連係して該リンク体が回動し、
前記リンクレバー先端が前記連係孔に挿入された後、該係合片が撓み変形し、該係合片と該リンク体との係合が解除されることを特徴とする車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造。
【請求項3】
請求項1、または請求項2に記載の車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造において、
前記補助レバーに係止部と、
前記シフトノブ内に該係止部と係合可能に形成された係止受部とを備え、
前記補助レバーが前記操作部材先端に当接しつつ、回動した際に、該係止部が該係止受部に係止され、該補助レバーが保持されることを特徴とする車両用シフトレバー装置のシフトノブ装着構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−71720(P2012−71720A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218664(P2010−218664)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000237307)富士機工株式会社 (392)
【Fターム(参考)】