説明

車両用センターコンソール

【課題】センターコンソールを有効利用して後席乗員の収納スペース拡大を図るとともに、吹出口からの空調風の風量等の調節、更には、収納ボックへの空調風の風量等の調節を、後席乗員が開閉部材を操作することで簡単に確実に行い、これにより利便性を高め、コスト的にも有利な、車両用センターコンソールを提供する。
【解決手段】センターコンソール9は、後席用の収納ボックス、収納ボックスを後方へ開口する収納ボックス開口26、空調ダクトで案内された空調風を後方へ吹出す吹出口31を備えるとともに、収納ボックス開口26と吹出口31が並設され、収納ボックス開口26及び吹出口31に対して共通のシャッターリッド28を有し、このシャッターリッド28が収納ボックス開口26を開閉するとともに収納ボックス開口26を完全に閉じた状態で吹出口31を開閉可能にする開閉機構27を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の後席前方に位置するセンターコンソールに関し、特に、空調ダクトが内部に配設されるとともに、その空調ダクト内の空調風を後方へ吹出す吹出口、後席乗員用の収納ボックス、その収納ボックスを後方へ開口する収納ボックス開口、その収納ボックス開口と吹出口を開閉する共通の開閉部材を設けたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両の車内構造において、車室フロア上の運転席と助手席との間に、飲料水容器を載置するカップホルダ等の他に小物類の物品を収納する収納ボックスを設けたセンターコンソールを装備したものが存在する。このセンターコンソールの収納ボックスは、基本的に、1列目シートの前席乗員が使用可能に設けられたものであり、センターコンソールには、この前席用の収納ボックスを上方へ開口する収納ボックス開口が設けられ、この収納ボックス開口を開閉する開閉リッドを設けたものもある。
【0003】
このセンターコンソールの前席用の収納ボックスは、2列目シートの後席乗員が使用可能に設けられたものでないため、後席乗員はこの収納ボックスを使用できない訳ではないが、その使い勝手は非常に悪いものとなる。そこで、後席前方に位置するセンターコンソールに、後席乗員が使用可能な収納ボックスと、この収納ボックスを後方へ開口する収納ボックス開口とを設けたものが知られている。
【0004】
一方、自動車等の車両の車内構造において、車室前端側に配置された空調ユニットから後席の方(後方)へ延びて空調風を案内する空調ダクトを内部に配設するとともに、その空調ダクトで案内された空調風を後方へ吹出す吹出口を設けたセンターコンソールが公知である(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
この種の空調ユニットと空調ダクトと吹出口とを備えた後席空調装置としては、吹出口からの空調風の風量等の調節を空調ユニット(ブロアファン)を制御することで行い、その調節を後席乗員が操作して行うことができる操作パネルを設けたもの、更に、その操作パネルをセンターコンソールに取付けたものがある。
【0006】
ここで、特許文献1には、後席がセンターコンソールに接近するとオンするセンサをセンターコンソールの後面部に設け、このセンサがオンすると吹出口を自動的に閉じる後席空調装置が開示され、特許文献2には、空調ダクトで案内された空調風を分岐ダクトから前席用のアームレストや収納ボックに導入して、アームレストや収納ボック内を冷気で冷やしたり暖気で暖めたりすることができるセンターコンソールが開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開昭62−168742号公報
【特許文献2】特開2007−69646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
車両の車内構造において、後席前方のセンターコンソールに、後席乗員が使用可能な収納ボックスと、この収納ボックスを後方へ開口する収納ボックス開口とを設けたものでは、収納ボックスを密閉するために、収納ボックス開口を開閉する開閉部材を設けることが望ましく、更に、吹出口からの空調風の風量等の調節を後席乗員が自ら行えるようにすることが望まれる。そこで、吹出口からの空調風の調節を空調ユニットを制御することで行い、その調節を後席乗員が操作して行うことができる操作パネルを設けることが考えられるが、コスト的に不利になり、前記開閉部材と吹出口を設けたセンターコンソールには、この操作パネルを後席乗員が使い勝手が良いように取付けることも難しい。
【0009】
特許文献2に記載の後席空調装置のように、センターコンソールの後面部にセンサを設けることも、センターコンソールの後面側に吹出口と共に収納ボックス開口(開閉部材)を設ける場合には制約を受けるため困難である。しかも、所謂ミニバンと呼ばれる自動車等では、前席の後方を荷室等とて使用する場合、シートバックを起立姿勢から前伏姿勢に切換えて、更に、シートクッションを前方へスライドさせて、前伏姿勢のシートバックの前端部を前席に接近させた状態にすることがあるが、こうなると、乗員の意思に反して吹出口が自動的に閉じられ空調機能が停止してしまうことがある。
【0010】
また、特許文献1に記載のセンターコンソールでは、空調ダクトで案内された空調風は常に分岐ダクトから前席用のアームレストや収納ボックに導入されるため、乗員が望まないのにアームレストや収納ボック内を冷気で冷やしたり暖気で暖めたりする場合があり、また、吹出口からの空調風の風量を望むように大きくすることができず、こうした点で利便性が向上したものとはいいがたい。
【0011】
本発明の目的は、空調ダクトを内部に配設するとともに、その空調ダクト内の空調風を後方へ吹出す吹出口、後席乗員用の収納ボックス、その収納ボックスを後方へ開口する収納ボックス開口、その収納ボックス開口と吹出口を開閉する共通の開閉部材を有する開閉機構を設けて、センターコンソールを有効利用して後席乗員の収納スペース拡大を図るとともに、吹出口からの空調風の風量等の調節、更には、収納ボックへの空調風の風量等の調節を、後席乗員が開閉部材を操作することで簡単に確実に行い、これにより利便性を高め、コスト的にも有利な、車両用センターコンソールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の車両用センターコンソールは、車両の車室フロア上に後席の前方に位置するように装備され、後席の方へ空調風を案内する空調ダクトが内部に配設される車両用センターコンソールにおいて、前記後席に着座した後席乗員が使用可能な収納ボックスと、前記収納ボックスに後席乗員がアクセス可能に後方へ開口する収納ボックス開口と、前記収納ボックス開口と並設され、前記空調ダクトで案内された空調風を後方へ吹出す吹出口と、前記収納ボックス開口及び吹出口に対して共通の開閉部材を有し、この開閉部材が収納ボックス開口と吹出口とを開閉可能にする開閉機構とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このセンターコンソールは、後席の前方に位置し、前席の運転席と助手席の間に配置される。センターコンソールの内部には空調ダクトが配設され、この空調ダクトで案内された空調風がセンターコンソールに設けられた吹出口から後方へ吹出される。
【0014】
センターコンソールには、後席に着座した後席乗員が使用可能な収納ボックスが設けられ、この収納ボックスには小物類の物品が収納される。この収納ボックスを後方へ開口する収納ボックス開口が開閉部材で開けられると、この収納ボックス開口から後席乗員が収納ボックスにアクセスして、物品を収納ボックスに収納したり収納ボックスから取出したりすることができ、また、収納ボックス開口が開閉部材で閉じられると、収納ボックスに収納された物品が開閉部材で隠蔽され、物品が収納ボックスから飛出すことも防止される。つまり、センターコンソールを有効利用して後席乗員の収納スペース拡大が図られる。
【0015】
空調ダクトの吹出口は収納ボックス開口と並設され、開閉部材はこの収納ボックス開口及び吹出口に対して共通に設けられ、開閉機構により、開閉部材が収納ボックス開口と吹出口とを開閉可能になる。故に、吹出口からの空調風の風量等の調節が、開閉部材を操作し吹出口の開度を調節することで簡単に確実に行われ、前記のセンターコンソールを有効利用して後席乗員の収納スペース拡大が図られることと合わせて、利便性が高められる。
【0016】
ここで、請求項1の発明に次の構成を採用可能である。
前記開閉機構は、前記開閉部材を収納ボックス開口及び吹出口の両端縁に沿って移動自在に案内する案内部材と、前記開閉部材が吹出口の少なくとも一部を閉じる任意の位置に、開閉部材を解除可能に保持する保持手段とを有する(請求項2)。前記開閉部材が蛇腹状に形成されたシャッターリッドからなり、前記案内部材は、シャッターリッドが収納ボックスと吹出口を完全に開放するまでシャッターリッドを移動自在に案内するように、前記収納ボックスの形状に沿ってセンターコンソールの内部に延在した内部案内部材を備える(請求項3)。前記開閉部材が吹出口の少なくとも一部を閉じた状態で、前記空調ダクトで案内された空調風を前記収納ボックスに導入する空調風導入路を備える(請求項4)。前記空調風導入路は、吹出口の少なくとも一部を閉じた開閉部材の先端側部分を介して成形される(請求項5)。
【0017】
前記収納ボックス内の空気を排出する為の排出通路と、前記開閉部材の開閉動作に連動し、開閉部材が吹出口を閉じることで排出通路を開放し、開閉部材が吹出口を開けることで排出通路を閉塞する排出通路開閉機構とを備える(請求項6)。前記排出通路開閉機構は、開閉部材の基端側部分に一体的に設けられた開閉板を有し、吹出口の開度が小さくなる程、排出通路の開度が大きくなるように構成する(請求項7)。前記後席のシートバックが起立姿勢から前伏姿勢に切換わる動作に連動してシートクッションが下降し、そのシートクッション上にシートバックが前伏姿勢で折畳まれた状態で、このシートバックの上面よりも前記吹出口が上方に位置する(請求項8)。前記吹出口の近傍に空調風の吹出方向を調節するルーバを設ける(請求項9)。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の車両用センターコンソールによれば、車室フロア上に後席の前方に位置するように装備され、後席の方へ空調風を案内する空調ダクトが内部に配設されるとともに、後席に着座した後席乗員が使用可能な収納ボックスと、収納ボックスに後席乗員がアクセス可能に後方へ開口する収納ボックス開口と、収納ボックス開口と並設され、空調ダクトで案内された空調風を後方へ吹出す吹出口と、収納ボックス開口及び吹出口に対して共通の開閉部材を有し、この開閉部材が収納ボックス開口と吹出口とを開閉可能にする開閉機構とを備えた。つまり、センターコンソールを有効利用して後席乗員の収納スペース拡大を図るとともに、吹出口からの空調風の風量等の調節を、後席乗員が開閉部材を操作して吹出口の開度を調節することで簡単に確実に行うことができるので、利便性を高めることができ、この吹出口からの空調風の調節の為の複雑で高価な構造も不要になるため、コスト的にも有利になる。
【0019】
請求項2の車両用センターコンソールによれば、開閉機構は、開閉部材を収納ボックス開口及び吹出口の両端縁に沿って移動自在に案内する案内部材と、開閉部材が吹出口の少なくとも一部を閉じる任意の位置に、開閉部材を解除可能に保持する保持手段とを有するので、この開閉部材によって、収納ボックス開口を開閉するとともに収納ボックス開口を完全に閉じた状態で吹出口を確実に開閉できるとともに、吹出口の開度を調節した位置で開閉部材を確実に保持できる。
【0020】
請求項3の車両用センターコンソールによれば、開閉部材が蛇腹状に形成されたシャッターリッドからなり、案内部材は、シャッターリッドが収納ボックスと吹出口を完全に開放するまでシャッターリッドを移動自在に案内するように、収納ボックスの形状に沿ってセンターコンソールの内部に延在した内部案内部材を備えたので、このセンターコンソール内のスペースを損なうことなくシャッターリッドをセンターコンソール外へ出さずに開閉することができ、しかも、収納ボックスの形状変更にも適宜対応することができる。
【0021】
請求項4の車両用センターコンソールによれば、開閉部材が吹出口の少なくとも一部を閉じた状態で、空調ダクトで案内された空調風を収納ボックスに導入する空調風導入路を備えたので、吹出口の少なくとも一部を閉じると、吹出口からの空調風の風量を、吹出口を完全に開けたときの風量よりも小さくすることができ、特に空調風が冷気の場合には、収納ボックスに導入された空調風(冷気)によって、収納ボックスに収納した飲料水等を冷やすことができる。
【0022】
請求項5の車両用センターコンソールによれば、空調風導入路は、吹出口の少なくとも一部を閉じた開閉部材の先端側部分を介して成形されるので、開閉部材の先端側部分を利用して空調風導入路を容易に形成することができる。
【0023】
請求項6の車両用センターコンソールによれば、収納ボックス内の空気を排出する為の排出通路と、開閉部材の開閉動作に連動し、開閉部材が吹出口を閉じることで排出通路を開放し、開閉部材が吹出口を開けることで排出通路を閉塞する排出通路開閉機構とを備えたので、開閉部材を操作するだけで、収納ボックスに空調風を導入しない場合には、排出通路から収納ボックス内に埃等の侵入を防止するように、排出通路を閉塞することができ、収納ボックスに空調風を導入する場合には、排出通路を開放し、収納ボックス内の空気を排出することで、空調風を収納ボックスに確実に導入することができる。
【0024】
請求項7の車両用センターコンソールによれば、排出通路開閉機構は、開閉部材の基端側部分に一体的に設けられた開閉板を有し、吹出口の開度が小さくなる程、排出通路の開度が大きくなるように構成したので、この開閉板が開閉部材と一体的に移動して排出通路を開閉し、吹出口の開度が小さくなるにつれて、排出通路の開度が大きくなって、空調風の吹出口からの風量を小さくして収納ボックスに導入する空調風の風量を大きくすることができ、吹出口の開度が大きくなるにつれて、排出通路の開度が小さくなって、空調風の吹出口からの風量を大きくして収納ボックスに導入する空調風の風量を小さくすることができる。
【0025】
請求項8の車両用センターコンソールによれば、後席のシートバックが起立姿勢から前伏姿勢に切換わる動作に連動してシートクッションが下降し、そのシートクッション上にシートバックが前伏姿勢で折畳まれた状態で、このシートバックの上面よりも吹出口が上方に位置するので、シートバックが前伏姿勢に折畳まれても、吹出口からの空調風は、前伏姿勢のシートバックに阻害されず後席の方へ変わりなく吹出すように構成できる。
【0026】
請求項9の車両用センターコンソールによれば、吹出口の近傍に空調風の吹出方向を調節するルーバを設けたので、このルーバを操作して空調風の吹出方向を自由に調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の車両用センターコンソールは、車両の車室フロア上に後席の前方に位置するように装備され、その内部に後席の方へ空調風を案内する空調ダクトが配設され、後席に着座した後席乗員が使用可能な収納ボックスと、この収納ボックスに後席乗員がアクセス可能に後方へ開口する収納ボックス開口と、この収納ボックス開口と並設され、空調ダクトで案内された空調風を後方へ吹出す吹出口と、収納ボックス開口及び吹出口に対して共通の開閉部材を有し、この開閉部材が収納ボックス開口と吹出口とを開閉可能にする開閉機構とを備えている。
【実施例1】
【0028】
図1〜図3に示すように、車両1(自動車1)の車内構造2は、ダッシュボード3、ステアリングホイール4等を備え、車室フロア5上に、1列目シート6、2列目シート7(後席シート装置7)、3列目シート8、センターコンソール9が装備されている。
【0029】
1列目シート6は、車幅方向に間隔を空けて並設された運転席6aと助手席6bからなり、この運転席6aと助手席6bとの間にセンターコンソール9が配置されている。尚、運転席6aと助手席6bは、夫々、シートクッションを車両前後方向にスライドさせ所望の前後方向位置に切換えて保持可能に、また、シートクッションに対してシートバックを車幅方向に向く軸回りに回動させ所望の姿勢に切換えて保持可能に構成されている。
【0030】
図1〜図4に示すように、後席シート装置7(2列目シート7)は、3組のシート10,11,10が車幅方向に略隙間なく並設された3分割シートからなり、この後席シート装置7の前方にセンターコンソール9が位置する。車幅方向両側のシート10は左右対称であり、車幅方向中央のシート11がセンターコンソール9に後側から対向している。各シート10,11は、シートバック10b,11bを起立姿勢とシートクッション10a,11a上に前伏させた前伏姿勢とに亙って切換え可能に構成されている。
【0031】
後席シート装置7の車幅方向中央のシート11は、シートクッション11aを車両前後方向にスライドさせるシートスライド機構12と、シートバック11bを起立姿勢(図4に実線で示す姿勢)と前伏姿勢(図4に仮想線で示す姿勢)とに亙って回動させるシートバック回動機構13と、シートバック回動機構13の動作(シートバック11bの姿勢切換え動作)に連動して、シートクッション11aを通常位置(図4に実線で示す位置)と通常位置よりも下側の収納位置(図4に仮想線で示す位置)とに亙って昇降させるシートクッション昇降機構14とを有する。
【0032】
シートクッション11aとシートバック11bは、シートバック回動機構13とシートクッション昇降機構14を介してシートベース11cに連結支持されている。シートスライド機構12は、車室フロア5上に固定された1対の下側スライドレール12aと、この1対の下側スライドレール12aに摺動自在に係合支持され且つシートベース11cに固定された1対の上側スライドレール12bとを有し、このシートスライド機構12により、シートクッション11a、シートバック11b、シートベース11cが一体的に車両前後方向にスライドされ、所望の前後方向位置に切換えられ保持される。
【0033】
シートバック回動機構13は、シートバック11bとシートベース11cに両端部が車幅方向に向く軸13b,13cを介して回動可能に連結された連結部材13aを有する。連結部材13a又は軸13bがシートベース11cに保持されることで、シートバック11bが起立姿勢に保持される。連結部材13a又は軸13bがシートベース11cから保持解除され、シートベース11cに対して連結部材13aが回動され、連結部材13aに対してシートバック11bが回動されて、シートバック11bが起立姿勢から通常位置のシートクッション11aと略同じ高さ位置となる前伏姿勢に切換えられる。尚、連結部材13a又は軸13bがシートベース11cに保持された状態で、シートバック11bを軸13a回りに回動させ所望の姿勢に切換えて保持可能に構成されている。
【0034】
シートクッション昇降機構14は、シートクッション11aとシートベース11cに両端部がピン結合されたリンク部材14a、シートクッション11aとシートバック11bに両端部がピン結合されたリンク部材14bを有する。シートバック11bが起立姿勢から前伏姿勢に切換えられると、リンク部材14a,14bによって、シートクッション11aは、通常位置の姿勢を略保持して通常位置から下方且つ前方へ平行的に移動して収納位置に切換えられる。この収納位置のシートクッション11a上にシートバック11bが前伏され、その前伏姿勢のシートバック11b(ヘッドレスト)は収納位置のシートクッション11aよりも前方へ突出する。
【0035】
尚、後席シート装置7の車幅方両側の各シート10についても、車幅方向中央のシート11に設けられた前記機構12,13,14と同様の機構が設けられている。
【0036】
次に、センターコンソール9について詳細に説明する。
図1〜図11に示すように、センターコンソール9は、その前端がダッシュボード3の車幅方向中央部分に繋がっており、このダッシュボード3から後方へ延び、例えば、2列目シート7の車幅方向中央のシート11の1/2程度の車幅方向幅を有し、前半部よりも後半部が一段高くなるように形成されている。センターコンソール9の後半部は運転席6aと助手席6bのシートバック間に位置し、その上端部が運転席6a又は助手席6bに着座した前席乗員のアームレストになる。
【0037】
センターコンソール9は、前半部に前後2つのカップホルダ20を備え、後半部の上部に配置された前席用の収納ボックス21と、この前席用の収納ボックス21を上方へ開口する前席用の収納ボックス開口22と、この前席用の収納ボックス開口22を開閉する開閉リッド23とを備えている。収納ボックス21は横断面が上方程大きくなるように形成され、収納ボックス開口22は矩形の開口に形成されている。
【0038】
また、センターコンソール9は、後半部の下部及び高さ方向中段部に亙って配置されて前席用の収納ボックス21の下側に設けられ且つ後席シート装置7に着座した後席乗員が使用可能な後席用の収納ボックス25と、この後席用の収納ボックス25に後席乗員がアクセス可能に収納ボックス25を後方へ開口する後席用の収納ボックス開口26と、この後席用の収納ボックス開口26を開閉する開閉部材28を含む開閉機構27とを備えている。収納ボックス25はその上壁が後方程高くなる傾斜状に形成され、収納ボックス開口26はその下端がセンターコンソール9の下端よりも少し高い位置となる矩形の開口に形成されている。
【0039】
ここで、センターコンソール9は、その主要部となる合成樹脂製のコンソール本体9aを有し、このコンソール本体9aに、カップホルダ20が一体的に形成されるとともに、収納ボックス開口22,26が形成され、コンソール本体9aの内部に合成樹脂製の収納ボックス21,25が収容されて、それらの開放端が収納ボックス開口22,26に臨むように取付けられ、また、コンソール本体9aに開閉リッド23がヒンジ結合され、開閉リッド23の上面部がアームレストに構成されている。
【0040】
センターコンソール9の内部に後席シート装置7の方へ空調風を案内する空調ダクト30が配設され、この空調ダクト30で案内された空調風を吹出す吹出口31がセンターコンソール9の上部の後端部に、即ち収納ボックス開口26の上側に収納ボックス開口26と並設されている。ダッシュボード3の内部には空調ユニットのブロアファン35が配設され、空調ダクト30は、その前端側がブロアファン35に接続されて、センターコンソール9内を後方へ徐々に高さが高くなるように、且つ、収納ボックス21,25の間を通るように延びて、コンソール本体9aに形成された吹出口31に接続されている。
【0041】
コンソール本体9aの収納ボックス開口26の上部の直ぐ前側に、吹出口31と収納ボックス25内とを接続する空調風通路50aが形成され、この空調風通路50aの上端よりも少し前側において、吹出口31の近傍には空調風の吹出方向を調節するルーバ32が設けられている。
【0042】
センターコンソール9の後端上側部分は、その下側部分よりも後方へ膨出しており、ここに吹出口31が形成されている。前記のように、シート11のシートバック11bが起立姿勢から前伏姿勢に切換わる動作に連動してシートクッション11aが下降し、そのシートクッション11a上にシートバック11bが前伏姿勢で折畳まれた状態で、このシートバック11bの上面よりも吹出口31が上方に位置している。
【0043】
開閉機構27は、収納ボックス開口26及び吹出口31に対して共通の開閉部材28を有し、この開閉部材28が収納ボックス開口26と吹出口31とを開閉可能に構成されている。
【0044】
開閉部材28が蛇腹状に形成されたシャッターリッド28からなり、開閉機構27は、シャッターリッド28を収納ボックス開口26及び吹出口31の車幅方向両端縁に沿って移動自在に案内する案内部材40と、シャッターリッド28が吹出口31の少なくとも一部を閉じる任意の位置または吹出口31を完全に開け且つ収納ボックス開口26の少なくとも一部を閉じる任意の位置に、シャッターリッド28を解除可能に保持する保持機構45とを有する。
【0045】
シャッターリッド28は、合成樹脂材料で構成され、常に収納ボックス開口26又は吹出口31に臨むように位置するシャッター先端操作部28aと、このシャッター先端操作部28aに折れ曲がり可能に連結されたシャッター本体部28cとを有する。シャッター先端操作部28aの後面には、シャッターリッド28を開閉操作するために把持する把持部28bが設けられている。シャッター先端操作部28aには、その前側から後方へ凹むように切欠かれた切欠凹部28a1が形成されている。
【0046】
シャッター本体部28cは複数の帯板片を互いに折れ曲がり可能に連結して構成され、シャッター本体部28cのうち収納ボックス開口26と吹出口31に臨まない部分は、収納ボックス25の壁外面に前側へ沿って延び、シャッターリッド28が収納ボックス開口26と共に吹出口31を完全に閉じた状態で、シャッター本体部28cの基端部が収納ボックス25の底壁の前端付近に位置し(図8参照)、シャッターリッド28が吹出口31と共に収納ボックス開口26を最大限開けた状態で、シャッター本体部28cの基端部が収納ボックス25の上壁の前後方向中央付近に位置する(図10参照)。
【0047】
案内部材40は、例えば、シャッターリッド28の車幅方向両端縁部が摺動自在に係合する1対の断面コ字状のガイドレールからなる。また、案内部材40は、シャッターリッド28が収納ボックス25と吹出口31を完全に開放するまでシャッターリッド28を移動自在に案内するように、収納ボックス25の形状に沿ってセンターコンソール9の内部に延在した内部案内部材41を備えている。内部案内部材41は、シャッターリッド28のうち収納ボックス開口26と吹出口31に臨まない部分を収納ボックス25の底壁及び前壁及び上壁の車幅方向両端縁付近に沿って案内するように、例えば、案内部材40のうちシャッターリッド28を収納ボックス開口26及び吹出口31の車幅方向両端縁に沿って案内する1対のガイドレールの下端部に一体的に接続され、シャッターリッド28の車幅方向両端縁部が摺動自在に係合する1対の断面コ字状のガイドレールからなる。
【0048】
保持機構45は、シャッター先端操作部28aに車幅方向両側へ出没自在に装着された左右1対のピン46、シャッター先端操作部28aに装着されて1対のピン46を突出側へ付勢する圧縮コイルバネ47、案内部材40の例えば1対のガイドレールの内面に設けられ1対のピン46が解除可能に係合する複数の係合部40a等で構成されている。
【0049】
シャッター先端操作部28aに上下方向の力を加えない状態で、1対のピン46が夫々複数の係合部40aの何れかに係合して、その位置でシャッター先端操作部28aが保持される。シャッター先端操作部28aに適当な上下方向の力を加えると、1対のピン46は圧縮コイルバネ47によって案内部材40に圧接した状態は維持されるが、それらの間に働く摩擦力に抗してシャッター先端操作部28aが上下に移動し、シャッター先端操作部28aに上下方向の力を加えなくなった位置に対応する係合部40aに1対のピン46が係合してシャッター先端操作部28aが保持される。
【0050】
さて、センターコンソール9は、シャッターリッド28が吹出口31の少なくとも一部を閉じた状態で、空調ダクト30で案内された空調風を収納ボックス25に導入する空調風導入路50を備えている(図8、図9参照)。この空調風導入路50は、吹出口31の少なくとも一部を閉じたシャッターリッド28の先端側部分と空調風通路50aを介して成形される。
【0051】
ブロアファン35が作動して、空調風が空調ダクト30で吹出口31の方へ案内されている場合、シャッターリッド28が吹出口31の少なくとも一部を閉じた状態では、吹出口31付近の空調風の圧力が高くなり、これにより、空調ダクト30で案内された空調風が空調風導入路50を通って収納ボックス25に導入される。
【0052】
ここで、センターコンソール9は、収納ボックス25内の空気を排出する為の排出通路55と、シャッターリッド28の開閉動作に連動し、シャッターリッド28が吹出口31を閉じることで排出通路55を開放し、シャッターリッド28が吹出口31を開けることで排出通路55を閉塞する排出通路開閉機構56とを備え、この排出通路開閉機構56は、シャッターリッド28の基端側部分に一体的に設けられた開閉板57を有し、吹出口31の開度が小さくなる程、排出通路55の開度が大きくなるように構成されている。
【0053】
排出通路55は、収納ボックス25内の前壁下部近傍に連通して前方へ延びる第1通路部55aと、この第1通路部55aから車幅方向両側へ延びる第2通路部55bとを有し、第1通路部55aを開閉板57が遮蔽することで、排出通路55が閉じられる。排出通路55が開いた状態で、空調風が収納ボックス25に導入され、収納ボックス25内の空気は排出通路55からセンターコンソール9の車幅方向両外側へ車室内に排出される。
【0054】
ここで、シートスライド機構12、シートバック回動機構13、シートクッション昇降機構14により後席シート装置7の一部がセンターコンソール9に当接又は接近した状態で後席シート装置7が開閉部材28を押圧しないように前記移動を規制する移動規制構造が設けられている。この移動規制構造は、後席シート装置7の車幅方向中央のシート11(シートクッション11a及びシートバック11b)に対して設けられ、前伏姿勢のシートバック11bの前端部がセンターコンソール9の上部に当接した状態でシート11の移動を規制し、このシートバック11bが収納ボックス開口26及び開閉部材28を上側から隠蔽する。
【0055】
具体的に説明すると、前伏姿勢のシートバック11bの前端部は、センターコンソール9の上部のシャッターリッド28以外の吹出口31の下側部分に後側から当接し、この状態で、シャッターリッド28の開閉位置に関係なく、収納位置のシートクッション11aの前端部や前伏姿勢のシートバック11bの前端部がシャッターリッド28に接触しないようになり、また、前記当接によりこれ以上はシート11が前方へスライドしないようになる。
【0056】
このように、前記移動規制構造が、シートバック回動機構13とシートクッション昇降機構14を介して、また、センターコンソール9及び前伏姿勢のシートバック11bの前端部によって構成されている。尚、前記移動規制構造におけるシートクッション11aのスライド移動の規制については、前伏姿勢のシートバック11bの前端部がセンターコンソール9に当接又は接近した状態で、これ以上シート11が前方へスライドしないようにシートスライド機構12にストッパ機構を設けることで実現させてもよい。
【0057】
以上説明した車両1の車内構造2によれば次の作用・効果を奏する。
通常は、後席シート装置7において、後席乗員が着座可能に、シートバック10b,11bを起立姿勢にして、シートクッション10a,11aを1列目シート6から後方へ適度に離間した状態にする。後席乗員が、シャッターリッド28を開閉し、収納ボックス開口26を開けると、収納ボックス開口26から収納ボックス25にアクセスして、飲料水容器等の小物類の物品を収納ボックス25に収納したり収納ボックス25から取出したりすることができ、また、収納ボックス開口26を閉じると、収納ボックス25に収納された物品を開閉部材28で隠蔽し、物品が不意に収納ボックス25から飛出すことも防止できる。
【0058】
1列目シート6の後方を荷室とて使用する場合等、後席シート装置7において、シートバック10b,11bを起立姿勢から前伏姿勢に切換えて、更に、シートクッション10a,11aを前方へスライドさせて、前伏姿勢のシートバック10b,11bの前端部を1列目シート6に接近させた状態にすることができる。ここで、車幅方向中央のシート11において、前伏姿勢のシートバック11bの前端部がセンターコンソール9に当接した状態で、収納位置のシートクッション11aの前端部や前伏姿勢のシートバック11bの前端部がシャッターリッド28を押圧しないように、シート11の移動が規制される。
【0059】
このように、センターコンソール9に、後席シート装置7に着座した後席乗員が使用可能な収納ボックス25と、この収納ボックス25に後席乗員がアクセス可能に後方へ開口する収納ボックス開口26と、この収納ボックス開口26を開閉する開閉部材28とを設けたので、センターコンソール9を有効利用して後席乗員の収納スペース拡大を図って利便性を高めることができ、更に、後席シート装置7のシート11に、シートスライド機構12、シートバック回動機構13、シートクッション昇降機構14を設け、これらの機構12,13,14によるシート11の移動により、シート11の一部がセンターコンソール9に当接又は接近した状態でシート11が開閉部材28を押圧しないようにシート11の移動を規制するので、シート11の移動のヒューマンエラーにより開閉部材28が損傷するのを確実に防止するとともに、後席シート装置7のシートアレンジによる利便性を高める(維持する)ことができる。
【0060】
しかも、センターコンソール9によれば、後席シート装置7の方へ空調風を案内する空調ダクト30が内部に配設されて、空調ダクト30で案内された空調風を後方へ吹出す吹出口31と収納ボックス開口26とが並設され、開閉機構27は、収納ボックス開口26及び吹出口31に対して共通の開閉部材28を有し、この開閉部材28が収納ボックス開口26を開閉するとともに収納ボックス開口26を完全に閉じた状態で吹出口31を開閉可能にするので、吹出口31からの空調風の風量等の調節を、後席乗員が開閉部材28を操作して吹出口31の開度を調節することで簡単に確実に行うことができるので、一層利便性を高めることができ、この吹出口31からの空調風の調節の為の複雑で高価な構造も不要になるため、コスト的にも有利になる。
【0061】
開閉部材28がシャッターリッド28からなり、開閉機構27は、シャッターリッド28を収納ボックス開口26及び吹出口31の両端縁に沿って移動自在に案内する案内部材40と、シャッターリッド28が吹出口31の少なくとも一部を閉じる任意の位置に、シャッターリッド28を解除可能に保持する保持機構45とを有するので、このシャッターリッド28によって、収納ボックス開口26を開閉するとともに収納ボックス開口26を完全に閉じた状態で吹出口31を確実に開閉できるとともに、吹出口31の開度を調節した位置でシャッターリッド28を確実に保持できる。
【0062】
シャッターリッド28が吹出口31の少なくとも一部を閉じた状態で、空調ダクト30で案内された空調風を収納ボックス25に導入する空調風導入路50を備えたので、吹出口31の少なくとも一部を閉じると、吹出口31からの空調風の風量を、吹出口31を完全に開けたときの風量よりも小さくすることができ、特に空調風が冷気の場合には、収納ボックス25に導入された空調風(冷気)によって、収納ボックス25に収納した飲料水等を冷やすことができる。この空調風導入路50は、吹出口31の少なくとも一部を閉じたシャッターリッド28の先端側部分を介して成形されるので、シャッターリッド28の先端側部分を利用して空調風導入路50を容易に形成することができる。ここで、特に、シャッター先端操作部28aには切欠凹部28a1が形成されているため、シャッターリッド28が吹出口31の一部しか閉じていない場合でも、この切欠凹部28a1の傾斜部によって、空調ダクト30から導出された空調風を空調風導入路50内に積極的に案内して導入することができる。
【0063】
収納ボックス25内の空気を排出する為の排出通路55と、シャッターリッド28の開閉動作に連動し、シャッターリッド28が吹出口31を閉じることで排出通路55を開放し、シャッターリッド28が吹出口31を開けることで排出通路55を閉塞する排出通路開閉機構27とを備えたので、シャッターリッド28を操作するだけで、収納ボックス25に空調風を導入しない場合には、排出通路55から収納ボックス25内に埃等の侵入を防止するように、排出通路55を閉塞することができ、収納ボックス25に空調風を導入する場合には、排出通路55を開放し、収納ボックス25内の空気を排出することで、空調風を収納ボックス25に確実に導入することができる。
【0064】
排出通路開閉機構56は、シャッターリッド28の基端側部分に一体的に設けられた開閉板57を有し、吹出口31の開度が小さくなる程、排出通路55の開度が大きくなるように構成したので、この開閉板57がシャッターリッド28と一体的に移動して排出通路55を開閉し、吹出口31の開度が小さくなるにつれて、排出通路55の開度が大きくなって、空調風の吹出口31からの風量を小さくして収納ボックス25に導入する空調風の風量を大きくすることができ、吹出口31の開度が大きくなるにつれて、排出通路55の開度が小さくなって、空調風の吹出口31からの風量を大きくして収納ボックス25に導入する空調風の風量を小さくすることができる。
【0065】
後席シート装置7のシートバック11bが起立姿勢から前伏姿勢に切換わる動作に連動してシートクッション11aが下降し、そのシートクッション11a上にシートバック11bが前伏姿勢で折畳まれた状態で、このシートバック11bの上面よりも吹出口31が上方に位置するので、シートバック11bが前伏姿勢に折畳まれても、吹出口31からの空調風は、前伏姿勢のシートバック11bに阻害されず後席の方へ変わりなく吹出すように構成できる。吹出口31の近傍に空調風の吹出方向を調節するルーバ32を設けたので、このルーバ32を操作して空調風の吹出方向を自由に調節することができる。
【実施例2】
【0066】
図12に示すように、実施例2の車両1の車内構造2Aは、実施例1の車内構造2において、後席シート装置7を変更したものである。実施例2の後席シート装置7Aでは、車幅方向中央のシート11Aが、シートクッション11Aaを車両前後方向にスライドさせるシートスライド機構12Aと、シートバック11Abを起立姿勢(図に実線で示す姿勢)と前伏姿勢(図に仮想線で示す姿勢)とに亙って回動させるシートバック回動機構13Aとを有し、実施例1のようなシートクッション昇降機構14は省略されている。尚、後席シート装置7Aの車幅方両側の各シートについても、車幅方向中央のシート11Aに設けられた前記機構12A,13Aと同様の機構が設けられている。
【0067】
シートバック11Abが前伏姿勢のときに、そのシートバック11Abの上面とセンターコンソール9の上面とが略同じ高さに位置する。故に、長物の荷物を前伏姿勢のシートバック11Abの上面とセンターコンソール9の上面とに亙って載置することができ、つまり、この長物荷物の搭載性を向上させることができる。
【0068】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を付加して実施してもよい。また、本発明については、実施例1、2のような3列のシートを備えた車両に限らず、2列のシートを備えた車両等、種々の車両に適用可能である。また、3列のシートを備えた場合に、2列目シートの間にセンターコンソールを設け、このセンターコンソールに、3列目シートに着座した乗員に対して、前記同様の構造の収納ボックス、収納ボックス開口、開閉部材を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施例1の車両の内部構造の平面図である。
【図2】車両の内部構造の開閉部材が開でシートバックが前伏姿勢の平面図である。
【図3】車両の内部構造の縦断面図である。
【図4】後席シート装置の側面図である。
【図5】センターコンソールの後側からの斜視図である。
【図6】センターコンソールの後面図である。
【図7】センターコンソールの保持機構を示す拡大図である。
【図8】センターコンソールの吹出口が完全閉状態の図6のA−A線断面図である。
【図9】センターコンソールの吹出口の一部が開状態の図8相当図である。
【図10】センターコンソールの収納ボックス開口が完全開状態の図8相当図である。
【図11】図6、図8のB−B線断面図である。
【図12】実施例2の車両の内部構造の縦断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 車両
5 車室フロア
7,7A 後席シート装置
9 センターコンソール
11a,11Aa シートクッション
11b,11Ab シートバック
25 収納ボックス
26 収納ボックス開口
27 開閉機構
28 シャッターリッド(開閉部材)
30 空調ダクト
31 吹出口
32 ルーバ
40 案内部材
41 内部案内部材
45 保持機構
50 空調風導入路
55 排出通路
56 排出通路開閉機構
57 開閉板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車室フロア上に後席の前方に位置するように装備され、後席の方へ空調風を案内する空調ダクトが内部に配設される車両用センターコンソールにおいて、
前記後席に着座した後席乗員が使用可能な収納ボックスと、
前記収納ボックスに後席乗員がアクセス可能に後方へ開口する収納ボックス開口と、
前記収納ボックス開口と並設され、前記空調ダクトで案内された空調風を後方へ吹出す吹出口と、
前記収納ボックス開口及び吹出口に対して共通の開閉部材を有し、この開閉部材が収納ボックス開口と吹出口とを開閉可能にする開閉機構と、
を備えたことを特徴とする車両用センターコンソール。
【請求項2】
前記開閉機構は、前記開閉部材を収納ボックス開口及び吹出口の両端縁に沿って移動自在に案内する案内部材と、前記開閉部材が吹出口の少なくとも一部を閉じる任意の位置に、開閉部材を解除可能に保持する保持手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用センターコンソール。
【請求項3】
前記開閉部材が蛇腹状に形成されたシャッターリッドからなり、
前記案内部材は、シャッターリッドが収納ボックスと吹出口を完全に開放するまでシャッターリッドを移動自在に案内するように、前記収納ボックスの形状に沿ってセンターコンソールの内部に延在した内部案内部材を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両用センターコンソール。
【請求項4】
前記開閉部材が吹出口の少なくとも一部を閉じた状態で、前記空調ダクトで案内された空調風を前記収納ボックスに導入する空調風導入路を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両用センターコンソール。
【請求項5】
前記空調風導入路は、吹出口の少なくとも一部を閉じた開閉部材の先端側部分を介して成形されることを特徴とする請求項4に記載の車両用センターコンソール。
【請求項6】
前記収納ボックス内の空気を排出する為の排出通路と、
前記開閉部材の開閉動作に連動し、開閉部材が吹出口を閉じることで排出通路を開放し、開閉部材が吹出口を開けることで排出通路を閉塞する排出通路開閉機構と、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載の車両用センターコンソール。
【請求項7】
前記排出通路開閉機構は、開閉部材の基端側部分に一体的に設けられた開閉板を有し、吹出口の開度が小さくなる程、排出通路の開度が大きくなるように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の車両用センターコンソール。
【請求項8】
前記後席のシートバックが起立姿勢から前伏姿勢に切換わる動作に連動してシートクッションが下降し、そのシートクッション上にシートバックが前伏姿勢で折畳まれた状態で、このシートバックの上面よりも前記吹出口が上方に位置することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の車両用センターコンソール。
【請求項9】
前記吹出口の近傍に空調風の吹出方向を調節するルーバを設けたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の車両用センターコンソール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2010−30346(P2010−30346A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192126(P2008−192126)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】