説明

車両用バッテリユニットの支持構造

【課題】 バッテリを搭載したトレーを車両の衝突時だけに確実に車体から切り離せるようにする。
【解決手段】 ダッシュボードロアパネル60の後部に接続されて車幅方向に延びるクロスメンバ15に設けた取付ブラケット14は、バッテリ12を搭載したトレー11の前部フレーム31にボルト59およびナット58で締結される。前部フレーム31の前壁31aには、前記締結部分が他の部分よりも厚くなるように段差部31cが形成されるので、車両の前面衝突時にトレー11が慣性で車体前方に移動しようとし、衝突の衝撃でダッシュボードロアパネル60およびクロスメンバ15と共に取付ブラケット14が上方に移動しようとすると、締結部に曲げモーメントMが作用することで段差部31cの部分に応力が集中して破断する。これにより、トレー11の前部がクロスメンバ15から切り離され、バッテリ12自身やバッテリ12の近傍の高圧配電系が車体部材に押し付けられて地絡などの電気安全上の不具合事象が発生するのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを搭載したバッテリ搭載部材と、車両のフレームに設けた取付ブラケットとを締結部材で締結した車両用バッテリユニットの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のバッテリよりなるバッテリユニットを備えた車両が衝突した場合に、そのバッテリユニットを衝突荷重の伝達経路から切り離すことで、バッテリユニットの破壊を防止するものが下記特許文献1〜3により公知である。
【0003】
特許文献1に記載された発明は、プラスチックで一体成形した電池収納ボックスと衝撃吸収ボックスとの境界に衝撃破壊薄肉部を形成し、車両の衝突の衝撃で前記衝撃破壊薄肉部が破断することで、衝撃吸収ボックスを電池収納ボックスの下に押し込んで衝撃を吸収するようになっている。
【0004】
また特許文献2に記載された発明は、車両用電源装置のケースを衝撃破壊リベットで相互に結合された第1のケースおよび第2のケースで構成し、車両の衝突の衝撃で前記衝撃破壊リベットが破断することで、第2のケースを第1のケースの下に押し込んで衝撃を吸収するようになっている。
【0005】
また特許文献3に記載された発明は、バッテリを搭載する四角枠状のバッテリフレームの左右両側部を、車幅方向に延びるボルトを介して車体の左右のサイドメンバに締結し、車両の衝突時に前記ボルトが剪断力で破断することで、バッテリフレームを左右のサイドメンバに対して慣性で前方に移動させて衝撃を吸収するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−306249号公報
【特許文献2】特開2006−35925号公報
【特許文献3】特開平6−108956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記特許文献1〜3に記載された発明は、車両の衝突時に衝撃破壊薄肉部、衝撃破壊リベットあるいはボルト等の破断部を的確に破断する設定が難しく、その破断部が衝突時に破断しなかったり、車両の加減速による慣性力や路面の凹凸により発生する慣性力で破断してしまう可能性がある。
【0008】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、バッテリを搭載したバッテリ搭載フレームを車両の衝突時だけに確実に車体から切り離せるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、バッテリを搭載したバッテリ搭載部材と、車両のフレームに設けた取付ブラケットとを締結部材で締結した車両用バッテリユニットの支持構造であって、前記バッテリ搭載部材および前記取付ブラケットの少なくとも一方には、前記締結部材により締結される部分が他の部分よりも厚くなるように段差部が形成されることを特徴とする車両用バッテリユニットの支持構造が提案される。
【0010】
尚、実施の形態のバッテリモジュール12およびバッテリセル13は本発明のバッテリに対応し、実施の形態のトレー11は本発明のバッテリ搭載部材に対応し、実施の形態のクロスメンバ15は本発明の車両のフレームに対応し、実施の形態のナット58およびボルト59は本発明の締結部材に対応する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の構成によれば、バッテリを搭載したバッテリ搭載部材と車両のフレームに設けた取付ブラケットとの少なくとも一方には、それらが締結部材により相互に締結される部分が他の部分よりも厚くなるように段差部が形成されるので、車両の前面衝突時にバッテリ搭載部材が慣性で車体前方に移動しようとし、衝突の衝撃で車両のフレームが上方に移動しようとすると、締結部材により締結部に曲げモーメントが作用することで段差部の部分に応力が集中して破断する。これにより、バッテリ搭載部材が車両のフレームから切り離されるため、衝突時の車体の変形によるバッテリ自身またはバッテリの近傍の高圧配電系の変形を防止できるだけでなく、バッテリ搭載部材が車体部材に押し付けられて地絡などの電気安全上の不具合事象が発生するのを防止することができる。またバッテリ搭載部材には急制動や急発進によって前後方向の荷重が加わったり、路面の凹凸によって上下方向の荷重が加わったりするが、この場合には締結部材による締結部に大きな曲げモーメントが作用することがなく、これらの入力荷重に対する充分な疲労強度を確保することが可能であるため、バッテリ搭載部材の周辺が破断する虞はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電気自動車のバッテリユニットの斜視図。(第1の実施の形態)
【図2】図1からバッテリジュールを取り外した状態を示す図。(第1の実施の形態)
【図3】図2の3方向矢視図。(第1の実施の形態)
【図4】図3の4A−4A線断面図および4B−4B線断面図。(第1の実施の形態)
【図5】図3の5−5線断面図。(第1の実施の形態)
【図6】図2の4部拡大図。(第1の実施の形態)
【図7】バッテリモジュール支持台および電源スイッチ支持台の斜視図。(第1の実施の形態)
【図8】図2の8−8線断面図。(第1の実施の形態)
【図9】図3の9−9線断面図。(第1の実施の形態)
【図10】図3の10−10線断面図。(第1の実施の形態)
【図11】図10に対応する作用説明図。(第1の実施の形態)
【図12】冷却用空気の流通経路を説明する模式図。(第1の実施の形態)
【図13】冷却用空気の流れ方向とバッテリセルの積層方向との関係を示す図。(第1の実施の形態)
【図14】図10に対応する図。(第2の実施の形態)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図13に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0014】
図1〜図3に示すように、電気自動車の走行用動力源であるモータ・ジェネレータに電力を供給するバッテリユニットは、平板状のトレー11と、トレー11の床面に載置された複数のバッテリジュール12…とを備える。各バッテリジュール12の形状は直方体であり、その内部に電気的に直列に接続された複数のバッテリセル13…(図2参照)が収納される。バッテリジュール12の長手方向両端面には、それをトレー11に固定するための各2個のブラケット12a,12aが突設される。
【0015】
トレー11の前部に設けた取付ブラケット14を車体のクロスメンバ15に結合し、トレー11の左後部に設けた2個の取付ブラケット16L,17Lを左側のサイドフレーム18Lに結合し、トレー11の右後部に設けた2個の取付ブラケット16R,17Rを右側のサイドフレーム18Rに結合することで、バッテリユニットが車体に吊り下げ支持される。トレー11の後端部には、内部に電動ファン(不図示)を収納したファンユニット19が設けられており、このファンユニット19で吸引した外気がトレー11の内部を流れるときに、その床面に載置したバッテリジュール12…との間で熱交換して該バッテリジュール12…を冷却する。
【0016】
トレー11は、車体前後方向に沿って相互に平行に延びる第1縦フレーム部材21、第2縦フレーム部材22、第3縦フレーム部材23および第4縦フレーム部材24を備える。第1縦フレーム部材21は車幅方向右側に配置され、第2縦フレーム部材22は車幅方向左側に配置され、第3縦フレーム部材23は第1縦フレーム部材21の車幅方向内側に配置され、第4縦フレーム部材24は第2縦フレーム部材22の車幅方向内側に配置される。
【0017】
トレー11は、前記第1〜第4縦フレーム部材21〜24の後方において車体前後方向に沿って相互に平行に延びる第5縦フレーム部材25、第6縦フレーム部材26および第7縦フレーム部材27を備える。第5縦フレーム部材25は車幅方向右側に配置され、第6縦フレーム部材26は車幅方向左側に配置され、第7縦フレーム部材27は車体中央に配置される。第5縦フレーム部材25の車幅方向外側には第8縦フレーム部材28が平行に接続され、第7縦フレーム部材27の車幅方向外側には第9縦フレーム部材29が平行に接続される。
【0018】
第3、第4縦フレーム部材23,24の前端間に車幅方向に延びる第1横フレーム部材31が接続される。第1、第2縦フレーム部材21,22の前端間に3分割されて車幅方向に延びる第2横フレーム部材32L,32M,32Rが接続される。左側および中央の第2横フレーム部材32L,32Mの間に第4縦フレーム部材24が挟まれ、中央および右側の第2横フレーム部材32M,32Rの間に第3縦フレーム部材23が挟まれる。第1、第2縦フレーム部材21,22の前後方向中間部間に3分割されて車幅方向に延びる第3横フレーム部材33L,33M,33Rが接続される。左側および中央の第3横フレーム部材33L,33Mの間に第4縦フレーム部材24が挟まれ、中央および右側の第3横フレーム部材33M,33Rの間に第3縦フレーム部材23が挟まれる。
【0019】
第1〜第4縦フレーム部材21〜24の後端に車幅方向に延びる第4横フレーム部材34が接続される。第4横フレーム部材34には第5〜第7縦フレーム部材25〜27の前端が接続され、第5〜第7縦フレーム部材25〜27の後端には2分割されて車幅方向に延びる第5横フレーム部材35L,35Rが接続される。
【0020】
第8縦フレーム部材28および第9縦フレーム部材29の前端にそれぞれ入口側脚部42iおよび出口側脚部42oが立設されており、入口側脚部42iおよび出口側脚部42oの上端間に車幅方向に延びる矩形板状の熱交換パネル43が架設される。
【0021】
前記取付ブラケット14は第1横フレーム部材31の前面に固定され、前記取付ブラケット16L,16Rはそれぞれ第1、第2縦フレーム部材21,22の外面に固定され、前記取付ブラケット17L,17Rはそれぞれ第8、第9縦フレーム部材28,29の上面に固定される。
【0022】
第9縦フレーム部材29の後部上面に形成された開口29cに、ファンユニット19の入口ダクト19aが固定され、ファンユニット19の2個の排出口19b,19bは車体左右後方を向いて開口する。
【0023】
次に、トレー11の内部を流れる冷媒としての空気の流路を説明する。空気の流路の全体的な構成は、図12に模式的に示される。
【0024】
図3および図12に示すように、第1縦フレーム部材21、第2縦フレーム部材22、第5縦フレーム部材25および第6縦フレーム部材26は、全て同一の断面形状を有する押し出し材で構成される。図4(A)に示すように、第1縦フレーム部材21の断面は「L」字形状であって、上側の中空フレームFと、下側の第1ダクトD1とが一体に形成される。これと同一の断面形状を有する第2縦フレーム部材22、第5縦フレーム部材25および第6縦フレーム部材26は、中空フレームFの下方に、それぞれ第2ダクトD2、第8ダクトD8および第9ダクトD9を備える。また第9縦フレーム部材29の内部には第11ダクトD11が形成される。
【0025】
図3および図12に示すように、第3縦フレーム部材23、第4縦フレーム部材24および第7縦フレーム部材27は、全て同一の断面形状を有する押し出し材で構成される。図4(B)に示すように、第3縦フレーム部材23の断面は「凸」字形状であって、上側に中空フレームFと、その下側に車幅方向の連設された一対の第3ダクトD3,D3とが一体に形成される。これと同一の断面形状を有する第4縦フレーム部材24は、中空フレームFの下方に、車幅方向左側の第4ダクトD4と車幅方向右側の第5ダクトD5とを一体に備える。これと同一の断面形状を有する第7縦フレーム部材27は、中空フレームFの下方に左右一対の第7ダクトD7,D7を一体に備える。
【0026】
図3、図5および図12に示すように、第1横フレーム部材31、第2横フレーム部材32L,32M,32R、第4横フレーム部材34および第5横フレーム部材35L,35Rは、全て「口」字状断面を有する押し出し材で構成される。左側の第2横フレーム部材32LがバイパスダクトDb(図6参照)を構成しており、バイパスダクトDbの左端は第2ダクトD2の前端に接続されるとともに、バイパスダクトDbの右端は第4縦フレーム部材24の上面を覆う流路形成部材44を介して第5ダクトD5の上面の開口24d(図6参照)に接続される。
【0027】
尚、流路形成部材44と第4ダクトD4との間に発泡材などの断熱材を設けても良く、その断熱材には上面の開口24dからバイパスダクトDbに向かって延びる凹凸などの整流機能を付与しても良い。これにより、第4ダクトD4を流れる低温の空気とバイパスダクトDbに排出される高温の空気との間の熱交換を防止することができる。
【0028】
また第4横フレーム部材34の内部は第6ダクトD6を構成し、そこに第1、第2ダクトD1,D2の後端、第5ダクトD5の後端、第8、第9ダクトD8,D9の前端および第11ダクトD11の前端が接続される。尚、中央の第2横フレーム部材32Mおよび右側の第2横フレーム部材32R、第3横フレーム部材33L,33M,33Rおよび第5横フレーム部材35L,35Rは空気の流路としては機能しない。
【0029】
第1ダクトD1の後端、第8ダクトD8の前端および第6ダクトD6の右端が第8縦フレーム部材28の前部の第1集合部A(図12参照)において集合し、第2ダクトD2の後端、第9ダクトD9の前端、第11ダクトD11の前端および第6ダクトD6の左端が第9縦フレーム部材29の前部の第2集合部B(図12参照)において集合する。図2および図3に示すように、第1集合部Aの上方の開口29aにバッテリモジュール支持台41の入口側脚部42iが接続され、第2集合部Bの上方の開口28aにバッテリモジュール支持台41の出口側脚部42oが接続される。入口側脚部42iおよび出口側脚部42oの上端間に車幅方向に延びる矩形板状の熱交換パネル43が架設されており、熱交換パネル43の内部には第10ダクトD10…が形成される。
【0030】
第3縦フレーム部材23の一対の第3ダクトD3,D3の前端に吸入口23a,23aが形成され、第4縦フレーム部材24の第4ダクトD4の前端に吸入口24aが形成され、第7縦フレーム部材27の一対の第7ダクトD7,D7の後端に吸入口27a,27aが形成される。
【0031】
第3縦フレーム部材23および第1縦フレーム部材21が2枚の熱交換パネル45,45で接続され、第4縦フレーム部材24および第2縦フレーム部材22が2枚の熱交換パネル45,45で接続され、第3縦フレーム部材23および第4縦フレーム部材24が3枚の熱交換パネル45…で接続され、第7縦フレーム部材27および第5縦フレーム部材25が熱交換パネル45で接続され、第7縦フレーム部材27および第6縦フレーム部材26が熱交換パネル45で接続される。
【0032】
図5に示すように、各熱交換パネル45の内部に、空気の流れ方向に沿って延びる多数の隔壁45a…によって多数の連結ダクトDc…が形成される。第1〜第7縦フレーム部材21〜27の側面には多数の連通孔21b…〜27b…が形成されており、これら第1〜第7縦フレーム部材21〜27の内部空間が連通孔21b…〜27b…を介して連結ダクトDc…の内部空間に連通する。
【0033】
図1および図4に示すように、各熱交換パネル45の上面に、2個あるいは4個のバッテリジュール12…が支持され、各バッテリジュール12の4個のブラケット12a…がボルト46…およびナット47…で第1〜第7縦フレーム部材21〜27および第1、第2横フレーム部材31,32Mに固定される。このとき、図4および図5に示すように、バッテリジュール12の下面と熱交換パネル45の上面との間に伝熱性が高いシリコンシート48が挟まれるとともに、熱交換パネル45の上面に相互に平行に延びる多数の空気抜き溝45b…が形成される。
【0034】
図1および図12に示すように、第1、第3縦フレーム部材21,23間に配置された8個のバッテリジュール12…は第1バッテリ群B1を構成し、第2、第4縦フレーム部材22,24間に配置された8個のバッテリジュール12…は第2バッテリ群B2を構成し、第3、第4縦フレーム部材23,24間に配置された10個のバッテリジュール12…は第3バッテリ群B3を構成し、第5、第7縦フレーム部材25,27間に配置された3個のバッテリジュール12…は第4バッテリ群B4を構成し、第6、第7縦フレーム部材26,27間に配置された3個のバッテリジュール12…は第5バッテリ群B5を構成し、バッテリモジュール支持台41上に配置された2個のバッテリジュール12,12は第6バッテリ群B6を構成する。
【0035】
図2、図7および図8に示すように、バッテリモジュール支持台41は、中空に構成された入口側脚部42iおよび出口側脚部42oと、入口側脚部42iおよび出口側脚部42o間に架設された板状の熱交換パネル43とを備える。入口側脚部42iは、第8縦フレーム部材28の前部上面に形成された開口28a(図3参照)を覆うようにボルト49…で固定され、また出口側脚部42oは、第9縦フレーム部材29の前部上面に形成された開口29a(図3参照)を覆うようにボルト50…で固定される。熱交換パネル43の内部には、空気の流れ方向に延びる複数の隔壁43a…によって複数の第10ダクトD10…が区画される。熱交換パネル43の上面には空気抜き溝43b…が形成されており、その上面にシリコンシート48を挟んで、第6バッテリ群B6を構成する2個のバッテリジュール12,12が載置される。
【0036】
バッテリモジュール支持台41の後方に屈曲した金属パイプで構成された電源スイッチ支持台51が設けられる。電源スイッチ支持台51は、電源スイッチ52を支持する矩形状の支持枠51aと、その左右後端から下方に延びる左右一対の支持脚51b,51cとを備える。支持枠51aの前縁に設けた複数のブラケット51d…がボルト53…で熱交換パネル43の後縁に固定され、左側の支持脚51bの下端に設けた取付ブラケット51eがボルト54で第9縦フレーム部材29の上面に固定され、右側の支持脚51cの下端に設けた取付ブラケット51fがボルト55で第8縦フレーム部材28の上面に固定される。尚、取付ブラケット51fは、バッテリモジュール12を保持するボルト46にバッテリモジュール12と共締めにより固定されても良い。
【0037】
下向きに直線状に延びる左側の支持脚51bの下端の取付ブラケット51eは、車体後方に向けて直角に屈曲する。一方、車体前方に向けて湾曲しながら下向きに延びる右側の支持脚51cの下端の取付ブラケット51fは、車体前方に向けて直角に屈曲する。
【0038】
図9に示すように、第3、第4縦フレーム部材23,24の中空フレームF,Fの左右両側面には、伝熱パネル45…の上面に臨む水抜き孔23c…,24c…が形成される。水抜き孔23c…,24c…は第3、第4縦フレーム部材23,24の長手方向に沿って所定間隔で複数個が形成されており、これらの水抜き孔23c…,24c…によって第3、第4縦フレーム部材23,24の中空フレームF,Fの内外が連通する。
【0039】
また第3縦フレーム部材23の後端部には第3ダクトD3を上下に貫通する水抜きパイプ57が設けられるとともに、第4縦フレーム部材24の後端部には第4ダクトD4を上下に貫通する水抜きパイプ57が設けられる。水抜きパイプ57,57の上端は第3、第4ダクトD3,D4の上壁に圧入され、下端は第3、第4ダクトD3,D4の下壁に溶接される。これらの水抜きパイプ57,57により、第3、第4縦フレーム部材23,24の中空フレームF,Fの内部空間が第3、第4ダクトD3,D4の下方の外部空間に連通する。
【0040】
図6および図10に示すように、トレー11の前縁を構成する第1横フレーム部材31は「口」字状断面を有しており、その前壁31aに形成された3個の開口31b…に予め3個のナット58…が固定される。前上方から後下方に向かって斜めに延びる取付ブラケット14の下端の下フランジ部14aが第1横フレーム部材31の前面に当接し、下フランジ部14aを貫通する3本のボルト59…がナット58…に締結される。車体前部に配置されたダッシュボードロアパネル60は前上方から後下方に延び、その下端に車幅方向に延びるクロスメンバ15が結合される。取付ブラケット14の上端の上フランジ部14bはクロスメンバ15の下面に当接し、2本のボルト61,61および2個のナット62,62で締結される。
【0041】
第1横フレーム部材31の前壁31aは開口31b…の上部に水平方向に延びる段差部31cを備えており、前壁31aの肉厚は段差部31cの下方で厚く、段差部31cの上方で薄くなっている。
【0042】
図1、図4(B)および図10に示すように、電気自動車のバッテリユニットの上面を覆うバッテリカバー63は、その外周部がボルト64…およびナット65…でトレー11の外周に固定される。またトレー11の下面はアンダーカバー66によって覆われる。
【0043】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0044】
車両の走行用の駆動源であるモータ・ジェネレータを駆動・回生すると、その電源であるバッテリジュール12…が発熱するため、トレー11の内部を流れる空気(外気)によってバッテリジュール12…を冷却することで耐久性を確保する必要がある。バッテリセル13…やバッテリジュール12…は冷却用の外気に直接接触せず、第1〜第7ダクトD1〜D7を流れる外気によって間接的に冷却されるので、外気に含まれる塵や水分でバッテリセル13…やバッテリジュール12…が汚れることがない。
【0045】
空気の流通経路の下流端にあるファンユニット19を駆動すると、図12に示すように、第3、第4縦フレーム部材23,24の前端の吸入口23a,23a;24aから空気が吸入される。第3縦フレーム部材23の右側の吸入口23aから第3ダクトD3内に吸入された空気は、第3ダクトD3の右側面から第1バッテリ群B1の下方の熱交換パネル45,45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第1バッテリ群B1を冷却した後、第1縦フレーム部材21の第1ダクトD1に流入して後方の第1集合部Aに集合する。
【0046】
第4縦フレーム部材24の吸入口24aから第4ダクトD4内に吸入された空気は、第4ダクトD4の左側面から第2バッテリ群B2の下方の熱交換パネル45,45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第2バッテリ群B2を冷却した後、第2縦フレーム部材22の第2ダクトD2に流入して後方の第2集合部Bに集合する。
【0047】
第3縦フレーム部材23の左側の吸入口23aから第3ダクトD3内に吸入された空気は、第3ダクトD3の左側面から第3バッテリ群B3の下方の熱交換パネル45…の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第3バッテリ群B3を冷却した後、第4縦フレーム部材24の第5ダクトD5に流入して前後に分流する。第5ダクトD5の空気の一部は第5ダクトD5の上面の開口24dおよび流路形成部材44の内部を通過して左側の第2横フレーム部材32Lの内部のバイパスダクトDbに流入し、そこから第2縦フレーム部材22の第2ダクトD2の前端に流入して後方の第1集合部Aに集合する。また第5ダクトD5の空気の残部は後方に流れて第4横フレーム部材34の第6ダクトD6に流入し、そこで左右に分流して第1集合部Aおよび第2集合部Bに集合する。
【0048】
第7縦フレーム部材27の後端の吸入口27a,27aから第7ダクトD7,D7内に吸入された空気は、右側の第7ダクトD7の右側面から第4バッテリ群B4の下方の熱交換パネル45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第4バッテリ群B4を冷却した後、第5縦フレーム部材25の第8ダクトD8に流入して前方に流れ、第1集合部Aに集合するとともに、左側の第7ダクトD7の左側面から第5バッテリ群B5の下方の熱交換パネル45の連結ダクトDcに流入し、そこを流れる間に熱交換して第5バッテリ群B5を冷却した後、第6縦フレーム部材26の第9ダクトD9に流入して前方に流れ、第2集合部Bに集合する。
【0049】
第1集合部Aに集合した空気は第8縦フレーム部材28の上面の開口28aを通過し、入口側脚部42iの内部を上方に流れて熱交換パネル43の内部の第10ダクトD10…に流入し、そこを流れる間に熱交換して第6バッテリ群B6を冷却した後、出口側脚部42oの内部を下向きに流れてれて第9縦フレーム部材29の上面の開口29aを通過し、第2集合部Bに集合する。熱交換パネル43の内部の第10ダクトD10…を流れる空気は既に第1、第5バッテリ群B1〜B5との間で熱交換してある程度温度上昇しているが、その第10ダクトD10…には第1集合部Aに集合した全ての空気が流れるため、充分な流量の空気で第6バッテリ群B6の冷却性能を確保することができる。
【0050】
バッテリジュール12と熱交換パネル45との間に挟まれたシリコンシート48はバッテリジュール12および熱交換パネル45よりも柔らかいため、バッテリジュール12の重量で変形してバッテリジュール12および熱交換パネル45の両方に密着し、バッテリジュール12から熱交換パネル45への熱交換効率を高める機能を発揮する。また熱交換パネル45の上面には相互に平行に延びる多数の空気抜き溝45b…が形成されており、この空気抜き溝45b…により、熱交換パネル45とシリコンシート48との間に空気が挟まれて熱交換効率が低下するのを防止することができる。
【0051】
バッテリモジュール支持台41の熱交換パネル43およびバッテリジュール12,12間に挟まれたシリコンシート48の作用効果と、バッテリモジュール支持台41の熱交換パネル43の上面の空気抜き溝43b…の作用効果とは、上述したものと同じである。
【0052】
ところで、第3縦フレーム部材23に相互に接するように形成された一対の第3ダクトD3,D3の内部を流れる空気は共に熱交換前の低温のものであるが、第4縦フレーム部材24に相互に接するように形成された第4ダクトD4および第5ダクトD5のうち、第4ダクトD4には熱交換前の低温の空気が流れ、第5ダクトD5には熱交換後の高温の空気が流れるため、温度差のある空気間で熱交換が行われて第2バッテリ群B2のバッテリジュール12…の冷却効果が低下する可能性がある。
【0053】
しかしながら本実施の形態によれば、第5ダクトD5がバイパスダクトDbを介して第2ダクトD2に連通しているため、熱交換後の高温の空気が第5ダクトD5の内部に滞在する時間を短縮して第4ダクトD4内の低温の空気との間で熱交換し難くすることで、第4ダクトD4内の空気の温度上昇を最小限に抑えて第2バッテリ群B2の冷却効果の低下を最小限に抑えることができる。
【0054】
またトレー11の前端に支持された第3バッテリ群の2個のバッテリモジュール12,12を除く他の全てのバッテリモジュール12…は、その長手方向に沿って冷却用の空気が流れるように配置される。言い換えると、各バッテリモジュール12におけるバッテリセル13…に積層方向と平行に冷却用の空気が流れるように配置される。
【0055】
図13(A)は比較例を示すもので、各バッテリモジュール12のバッテリセル13…の積層方向が、上述とは逆に空気の流れ方向と直交する場合に対応する。この場合、縦フレーム部材から熱交換パネルに空気が流入する位置に応じて空気の温度が異なり、上流側で方向変換して熱交換パネルに流入する空気Aは低温であるが、下流側で方向変換して熱交換パネルに流入する空気Cは高温になるため、空気Aと熱交換するバッテリセル13…と、空気Bと熱交換するバッテリセル13…と、空気Cと熱交換するバッテリセル13…とで、冷却空気の温度が異なってバッテリセル13…間で温度のバラツキが生じてしまい、上流側のバッテリセルに対して下流側のバッテリセルが冷え難くなる問題がある。
【0056】
一方、図13(B)は本実施の形態を示すもので、各バッテリモジュール12のバッテリセル13…の積層方向が、空気の流れ方向と平行である場合に対応する。この場合、各々のバッテリセル13…に上流側の低温の空気A、中流側の中温の空気Bおよび下流側の高温の空気Cの全てが接触して熱交換するため、空気A、B、Cの温度のバラツキが各々のバッテリセル13…内で均一化され、全てのバッテリセル13…を均一に冷却して温度差を均一化することで耐久性を高めることができる。
【0057】
またバッテリモジュール支持台41は入口側脚部42iおよび出口側脚部42oによって支持された熱交換パネル43の上面に重量の大きい2個のバッテリジュール12…を載置しているため、車両が急発進、急制動あるいは急旋回したときにバッテリジュール12…に作用する慣性力によってバッテリモジュール支持台41を倒そうとするモーメントが発生する。特に、入口側脚部42iおよび出口側脚部42oは車幅方向に離間して配置されており、かつ前後方向の幅も小さいため、車両が急発進、急制動したときにバッテリモジュール支持台41が前後方向に倒れ易くなる。
【0058】
しかしながら本実施の形態によれば、バッテリモジュール支持台41の後部に電源スイッチ支持台51が接続されているので、この電源スイッチ支持台51でバッテリモジュール支持台41の倒れ剛性を高めて急発進時および急制動時の安定性を高めることができる。特に、電源スイッチ支持台51は。その左側の支持脚51bの取付ブラケット51eが車体後方に延び、その右側の支持脚51cが車体前方に屈曲するとともに取付ブラケット51fが車体前方に延びるので、電源スイッチ支持台51自体の前後方向の倒れ剛性を高め、ひいてはバッテリモジュール支持台41の前後方向の倒れ剛性を高めることができる。しかも電源スイッチ支持台51を利用してバッテリモジュール支持台41の倒れ剛性を高めるので、特別の補強部材が不要になって部品点数やコストの削減が可能になる。
【0059】
また下層の第4、第5バッテリ群B4,B5の上方に配置されて上面に上層の第6バッテリ群B6を支持するバッテリモジュール支持台41の熱交換パネル43が中空に構成されており、その内部の第10ダクトD10…を流通する空気により上層の第6バッテリ群B6が冷却されるので、熱交換パネル43に第6バッテリ群B6の支持および第6バッテリ群B6の冷却の二つの機能を持たせることで、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0060】
しかも熱交換パネル43の内部が空気の流通方向に延びる複数の隔壁43a…によって複数の第10ダクトD10…に分割されているので、第6バッテリ群B6の重量によって熱交換パネル43が潰れるのを防止して空気の流路を確保することができるだけでなく、熱交換パネル43の内部を流れる空気を隔壁43a…で整流して流通抵抗を低減することができる。尚、第1〜第5バッテリ群B1〜B5を支持する熱交換パネル45…も、上述した第6バッテリ群B6を支持する熱交換パネル43と同様に、その隔壁45a…によって上記作用効果を達成することができる。
【0061】
また結露や浸水によってトレー11の床面に水が溜まると、その水でバッテリモジュール12…が濡れて耐久性が低下する可能性があるが、トレー11の床面を構成する熱交換パネル45…の上面に溜まった水は第3、第4縦フレーム部材23,24に形成した水抜き孔23c…,24c…(図9参照)から中空フレームF,Fの内部に流入し、そこから第3、第4ダクトD3,D4を上下に貫通する水抜きパイプ57,57を経てトレー11の下面に排出されるため、水分の付着によるバッテリモジュール12…の劣化を防止することができる。更に、水抜きパイプ57,57、中空フレームF,Fおよび水抜き孔23c…,24c…によってラビリンスが構成されるため、水抜きパイプ57,57側からトレー11側に水が浸入するのを阻止することができるだけでなく、第3、第4縦フレーム部材23,24を排水に利用するので部品点数の増加や構造の複雑化を防止することができる。
【0062】
しかも第3、第4縦フレーム部材23,24の中空フレームF,Fの下面に第3〜第5ダクトD3〜D5が一体に形成されるので、第3〜第5ダクトD3〜D5によって中空フレームF,Fを補強してトレー11の剛性を更に高めることができるだけでなく、水抜きパイプ57,57が第3、第4ダクトD3,D4を上から下に貫通するので、水抜きパイプ57,57によって第3、第4ダクトD3,D4の上下方向の荷重に対する剛性を高めることができる。
【0063】
更に、水抜きパイプ57,57は第3、第4ダクトD3,D4における空気の流れ方向の下流側の端部に位置するので、第3、第4ダクトD3,D4内の空気の流れが水抜きパイプ57,57によって妨げられるのを最小限に抑えることができる。尚、水抜きパイプ57,57が第3、第4ダクトD3,D4の後端だけに設けられていても、第3、第4ダクトD3,D4内の水は車両の発進時や加速時に慣性で後方に流れるため、その排出は支障なく行われる。
【0064】
更にまた、水抜きパイプ57,57の下端がトレー11の下面を覆うアンダーカバー66の上面に対向するように開口するので、車両の走行に伴って車輪が撥ね上げた泥水等をアンダカバー65で遮り、水抜きパイプ57,57を通して第3、第4ダクトD3,D4内に浸入するのを防止することができる。
【0065】
以上、第1〜第3バッテリ群B1〜B3の水濡れを防止するために第3、第4縦フレーム部材23,24に設けた水抜き構造について説明したが、第4,第5バッテリ群B4,B5の水濡れを防止するために第7縦フレーム部材27の同様の水抜き構造を設けても良い。
【0066】
図11に示すように、車両が前面衝突すると、大重量のバッテリユニットには慣性力で前方に移動するとともに(矢印A1参照)、車体前部の圧壊によってダッシュボードロアパネル60、クロスメンバ15および取付ブラケット14は上方に引き上げられるように変形するため(矢印A2参照)、上端をクロスメンバ15に固定され下端をトレー11の第1横フレーム部材31に固定された取付ブラケット14に大きな曲げモーメントMが作用する。このとき、取付ブラケット14の下フランジ部14aがボルト59…およびナット58…で結合された第1横フレーム部材31の前壁31aには、強度が急変する段差部31cが形成されているので、前記曲げモーメントMによって段差部31cの部分が破断することで、ナット58…が第1横フレーム部材31から分離してトレー11の前端が取付ブラケット14から切り離される。
【0067】
このようにしてトレー11の前端が取付ブラケット14から切り離されると、その後部を取付ブラケット16L,16R;17L,17Rでサイドフレーム18L,18Rに吊り下げ支持されたトレー11の変位と車体部材の変形とを分離することができる。その結果、車体前部の変形に引っ張られてバッテリユニットやその周りの高圧配電系に応力が加わって変形することや、上方に位置する車体部材に押し付けられて地絡等の電気安全上の不具合事象が発生するのを防止することができる。
【0068】
車両の通常の運転時であっても、急発進、急制動、急旋回、路面の凹凸の乗り越え等によってバッテリユニットには前後左右方向あるいは上下方向の慣性力が作用するが、その場合はダッシュボードロアパネル60の後上方(矢印A2参照)への変形を伴わないために前記曲げモーメントMは発生せず、従って前記段差部31cが破断することはない。
【0069】
次に、図14に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0070】
第1の実施の形態では、車両の正面衝突時に応力が集中して破断する段差部31cを第1横フレーム部材31の前壁21aに設けているが、第2の実施の形態では、その段差部14cを取付ブラケット14の下フランジ14aの付け根部に設けており、ボルト59…およびナット58…で締結される下フランジ14aの厚さが、その他の部分よりも厚く形成される。
【0071】
この第2の実施の形態によっても、車両の正面衝突時に発生する曲げモーメントMで取付ブラケット14の段差部14cに応力を集中させて確実に破断し、トレー11の前部をクロスメンバ15から切り離すことができる。
【0072】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0073】
例えば、実施の形態では第1横フレーム部材31と取付ブラケット14とを締結手段としてのボルト59…およびナット58…で締結しているが、その締結手段として他の任意のものを採用することができる。
【符号の説明】
【0074】
11 トレー(バッテリ搭載部材)
12 バッテリモジュール(バッテリ)
13 バッテリセル(バッテリ)
14 取付ブラケット
14c 段差部
15 クロスメンバ(車両のフレーム)
31c 段差部
58 ナット(締結部材)
59 ボルト(締結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリを搭載したバッテリ搭載部材と、車両のフレームに設けた取付ブラケットとを締結部材で締結した車両用バッテリユニットの支持構造であって、
前記バッテリ搭載部材および前記取付ブラケットの少なくとも一方には、前記締結部材により締結される部分が他の部分よりも厚くなるように段差部が形成されることを特徴とする車両用バッテリユニットの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−106558(P2012−106558A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255879(P2010−255879)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】