説明

車両用制御装置

【課題】携帯型送信機と、この携帯型送信機から送信された送信情報を受信し、この受信した送信情報と予め登録された登録情報とを照合し、この照合結果に応じて車両機能を制御する車両に搭載された制御装置とを備えた車両用制御装置において、登録装置から送信された登録用送付情報を、そのまま車両制御に使用される登録情報として用いないようにし、セキュリティを高くすることにある。
【解決手段】制御装置は、登録情報を登録する場合の機能として、登録装置から送信された登録対象となる制御装置に対応した登録用送付情報を受信する受信手段と、この受信した登録用送付情報を送信情報と照合可能な登録情報に変換する情報変換手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用制御装置に係り、特に運転者が携帯する携帯型送信機と車両に搭載された制御装置との間で無線通信を行い、識別データを照合して、ドアの解錠・施錠、ステアリングの解錠・施錠、エンジン始動等を行う車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用制御装置には、携帯型送信機(電子キー、リモコン等)と、この携帯型送信機から送信された送信情報を受信し、この受信した送信情報と予め登録された登録情報とを照合し、この照合結果に応じて車両機能を制御する車両に搭載された制御装置(ECM)とを備えたものがある。
即ち、図9に示すように、車両用制御装置102において、車両101に搭載された制御装置103と車両101外の登録装置(外部書き込み装置)114とは、登録装置114に連絡した外部側コネクタ116と制御装置103の車両側コネクタ109とを接続することで通信可能になっている。
制御装置103には、カギ(キー)をドア穴に挿すことなくドアを開閉できるキーレスエントリ(KLE)制御装置(ECU1)104A、カギ無しでステアリングのロックを解除できるキーレススタート(KLS)制御装置(ECU2)104B、ボタンスイッチを押すだけでエンジンスタータを始動するプッシュエンジンスタート(PSS)制御装置(ECU3)104C、携帯型送信機の一つのリモコンに電池が無くても識別できるイモビライザ(IMB)制御装置(ECU4)104Dが設けられている。
また、車両用制御装置102には、KLE制御装置(ECU1)104Aに連絡したKLEアンテナ110と、IMB制御装置(ECU4)104Dに連絡したIMBアンテナ111と、KLS制御装置(ECU2)104Bに連絡したステアリングロック制御装置108とが設けられている。
車両側の各制御装置(104A〜104D)は、複数の機能を1つの携帯型送信機(電子キー、リモコン等)で実施するため、内部に幾つかの識別番号(ID)を持っている。つまり、KLE制御装置(ECU1)104AのKLE用ID記憶装置106AにKLE用IDを記憶し、KLS制御装置(ECU2)104BのKLS用ID記憶装置106BにKLS用IDを記憶し、PSS制御装置(ECU3)104CのPSS用ID記憶装置106CにPSS用IDを記憶し、そして、IMB制御装置(ECU4)104DのIMB用ID記憶装置106DにIMB用IDを記憶する。これにより、車両用制御装置102においては、カギをドア穴に挿すことなくドアを開閉する機能、カギ無しでステアリングのロックを解除する機能、ボタンスイッチを押すだけでエンジンスタータを始動する機能、そして、携帯型送信機のリモコンに電池が無くても識別できる機能がある特定の車両に対してのみ、実施可能となる。
【0003】
従来、キーの固有情報登録方法には、複数の固有情報を集約した1つの集約情報を取得し、この取得された集約情報に含まれる固有情報をキー対応作動装置に送信し、この送信された固有情報をキー対応作動装置に登録するものがある。
自動車のドアの解錠・施錠を行う遠隔制御装置には、第1〜3の送信機を設け、受信機が登録モード確認用コードを受信した時、登録モード用コードの記憶を確認して、出力部から所定の信号を出力させるものがある。
【特許文献1】特開2006−207191号公報
【特許文献2】特開2002−320286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、車両用制御装置においては、図9に示すように、識別番号(ID)を機能毎に無線電波を利用した方式で、携帯型送信機(電子キー、リモコン等)から各制御装置へ登録したり、上記の特許文献1のように、バーコード印刷されたタグ等から有線通信を利用した方式で制御装置へ登録したりしていた。
しかしながら、機能が増えて、上記の各機能の登録の必要な車種が増えてくると、車両生産工場での登録に工数、工程が増加するようになってきた。また、上記の特許文献1における2次元バーコードはコンパクトに多量データを扱える特徴があるが、登録に必要な登録用送付情報(データ)が増えれば、その分コード印刷面積を広くするか、印刷ミスを補正する機能を低く設定する必要があった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、識別番号(ID)の登録等を簡便で且つ高いセキュリティで行わせる車両用制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、携帯型送信機と、この携帯型送信機から送信された送信情報を受信し、この受信した送信情報と予め登録された登録情報とを照合し、この照合結果に応じて車両機能を制御する車両に搭載された制御装置とを備えた車両用制御装置において、前記制御装置は、前記登録情報を登録する場合の機能として、登録装置から送信された前記登録対象となる制御装置に対応した登録用送付情報を受信する受信手段と、この受信した登録用送付情報を前記送信情報と照合可能な登録情報に変換する情報変換手段とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明の車両用制御装置は、制御装置において、登録対象となる制御装置に対応した登録用送付情報を受信し、この受信した登録用送付情報を送信情報と照合可能な登録情報に変換し、これにより、識別番号(ID)の登録等を簡便で且つ高いセキュリティで行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明は、識別番号(ID)の登録等を簡便で且つ高いセキュリティで行わせる目的を、制御装置において、登録対象となる制御装置に対応した登録用送付情報を受信し、この受信した登録用送付情報を送信情報と照合可能な登録情報に変換して実現するものである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施例を詳細且つ具体的に説明する。
【実施例】
【0009】
図1〜図8は、この発明の実施例を示すものである。
図1において、1は車両、2は車両用制御装置である。車両1は、車両用制御装置2を構成する制御装置(ボディコントロールモジュール:BCM)3を搭載している。この制御装置3には、展開式制御装置(ECM)4と機種番号記憶装置5と識別番号(ID)記憶装置6と種コード記憶装置7とが設けられている。
【0010】
展開式制御装置4は、例えば、第1〜4展開式制御装置(「展開式1〜4」と記す)4A〜4Dからなる。この展開式制御装置4では、機種番号毎に「種」データから各識別番号(ID)を生成する展開式が設定される。
機種番号記憶装置5は、第1〜4展開式制御装置4A〜4Dの夫々に接続している。
識別番号(ID)記憶装置6は、不揮発性メモリからなり、例えば、第1展開式制御装置4Aに接続されてカギ(キー)をドア穴に挿すことなくドアを開閉できるキーレスエントリ(KLE)のための第1のKLE用ID記憶装置6Aと、第2展開式制御装置4Bに接続されてカギ無しでステアリングロックを解除できるキーレススタート(KLS)のためのKLS用ID記憶装置6Bと、第3展開式制御装置4Cに接続されて後述のボタンスイッチ22を押すだけでエンジンスタータを始動するプッシュエンジンスタート(PSS)のための第1のPSS用ID記憶装置6Cと、第4展開式制御装置4Dに接続されて後述する携帯型送信機19の一つであるリモコンに電池が無くても識別できるイモビライザ(IMB)のための第1のIMB用ID記憶装置6Dと、第1展開式制御装置4Aに接続された第2のKLE用ID記憶装置6Eと、第3展開式制御装置4Cに接続された第2のPSS用ID記憶装置6Fと、第4展開式制御装置4Dに接続された第2のIMB用ID記憶装置6Gとからなる。
種コード記憶装置7は、例えば、第1〜4展開式制御装置4A〜4Dに夫々接続された第1種コード(S1:種1コード)記憶装置7Aと、第2種コード(S1:種2コード)記憶装置7Bとからなる。
【0011】
従って、車両用制御装置2において、従来では、図9に示すように、複数の制御装置(ECM)が夫々分かれて設けられていたが、この実施例では、図1に示すように、複数の制御装置(4A〜4D)が1つの制御装置(BCM)3に集約される。これにより、ID登録作業は、制御装置(BCM)3だけとなる。
また、車両用制御装置2には、KLS用ID記憶装置6Bを備えたステアリングロック制御装置8と、車両側コネクタ9とが設けられている。
更に、制御装置3には、キーレスエントリ情報を受信するKLEアンテナ10と、「イモビ情報(IMB用ID)」を受信するIMBアンテナ11と、電源としてのイグニションスイッチ12とが接続している。この場合、「種」をKLEアンテナ10やIMBアンテナ11を使った無線通信の利用により書き込み登録しても可能である。これは、車両販売店のディーラでは、後述の登録用タグ17が無いので、登録用、追加用の携帯型送信機(電子キー、リモコン等)19内に記憶した「種」を制御装置3に直接無線送信することで対応可能となる。
【0012】
車両用制御装置2において、制御装置3と車両側コネクタ9とは、車両側シリアル通信CAN(Contro11er Area Network)13Aで連絡している。制御装置3とステアリングロック制御装置8とは、車両側シリアル通信UART(Univuersal Asynchronous Receiver Transmitter)13Bで連絡している。
【0013】
一方、車両1の外では、登録装置(外部書き込み装置)14とバーコードリーダー15と外部側コネクタ16と登録用タグ17とが設けられる。
登録装置14とバーコードリーダー15と外部側コネクタ16とは、外部側シリアル通信CAN(Contro11er Area Network)18で連絡している。登録装置14とバーコードリーダー15とは、第1の外部側シリアル通信線18Aで連絡している。登録装置14と外部側コネクタ16とは、第2の外部側シリアル通信線18Bで連絡している。バーコードリーダー15は、登録用タグ17の登録用送付情報(データ)を取り込むものである。外部側コネクタ16は、車両側コネクタ9に接続され、制御装置3と登録装置14とを通信可能とする。
【0014】
制御装置3は、携帯型送信機(電子キー、リモコン等)19から送信された送信情報を受信し、この受信した送信情報と予め登録された登録情報とを照合し、この照合結果に応じて車両機能を制御する。
また、制御装置3は、前記登録情報を制御装置(4A〜4D)に登録する場合の機能として、登録装置14から送信された前記登録対象となる制御装置(4A〜4D)に対応した登録用送付情報を受信する受信手段20と、この受信した登録用送付情報を前記送信情報と照合可能な登録情報に変換する情報変換手段21とを備え、また、ボタンスイッチ22に連絡している。
前記情報変換手段21は、機能毎に異なった手法により構成されている。
また、前記登録用送付情報は、全て一つのタグに保存されている。
前記登録情報を制御装置(4A〜4D)に登録する場合の機能は、キーレスエントリ機能、キー無しでステアリングロックを解除できる機能、ボタンスイッチ22を押すだけでエンジンが始動できる機能、イモビライザ機能の少なくとも一つから構成されている。
【0015】
即ち、この実施例においては、図2に示すように、車両生産工場では、複数種類のキー(カギー)を、例えば、タイプ1〜タイプ4で1個づつ車両1に設置するといった設定が、車両1の種類毎に成されている。タイプ1では、携帯型送信機19としてのカギ付きリモコン(リモートコントローラ)であり、「S1:種コード」と「第1のKLE用ID」と「第1のIMB用ID」とが登録されている。タイプ2では、携帯型送信機19としてのイモビライザ付きカギであり、「S1:種コード」と「第1のIMB用ID」とが登録されている。タイプ3では、携帯型送信機19としてのリモコンであり、「S1:種コード」と「第1のKLE用ID」と「第1のPSS用ID」と「第1のIMB用ID」とが登録されている。タイプ4では、電子情報を備えていないカギであり、制御装置3への登録が必要ない。よって、製造ラインでは、登録用タグ17が流動しないので、登録する必要がない。
【0016】
このため、図3に示すように、タイプ1〜タイプ4に対して機種番号(♯1〜♯8)を所定に規定し、これら機種番号(♯1〜♯8)に対して、どのタイプのキーが、どういった組み合せで車両1に設置されるかを規定する。この図3においては、例えば、機種番号(♯3)とすると、タイプ1では、1個(種1)となり、また、タイプ2では、2個(種1、種2)となる。機種番号は、機種毎に必要となるIDの種類と数とを規定したものである。これにより、車種番号と「種」データだけを制御装置3に登録するだけで、複数のIDを登録することができる。
【0017】
そして、図4に示すように、例えば、(a)〜(c)のような各展開式を組み合わせることにより、最初の元データ(種)から全く異なった登録情報(データ)を、以下のように生成することができる。
例えば、KLE用IDを生成する場合は、(a)のビット循環4回右シフトする。そして、IMB用IDはビット循環4回右シフト後に(b)の固定データ(KEYデータ)との排他的ORを実施するといったルールを、予め設定する。
電子キー、リモコン等の携帯型送信機18の製造メーカーは、規定された生成ルールで予め内部に、「KLE用ID」、「IMB用ID」、「PSS用ID」といったIDを展開式通りに登録しておき、その時に使用した「種」を、図5に示すような内容の登録用タグ(a)〜(c)に印刷し、また、図6に示すような形態の登録用タグ(a)〜(c)に記載し、これらを携帯型送信機18の本体とセットにして車両生産工場に納品する。
なお、図5に示す登録用タグ17は、通常、登録する電子キー、リモコン等の携帯型送信機18の数だけQRコードを読み込むため、(a)、(b)のような書式になる。しかし、「種」→「種1」、「種2」という展開式を準備することで、1つのQRコード(c)でも、同じような効果が得られる。
そして、「種」を6〜8バイト以上に設定することで、車両1台毎に固有の値を設定できる。生成ルールを機種毎や製造メーカー毎に変化させることで、セキュリティを高めることができる。
【0018】
図7は、車両生産工場での登録作業のフローチャートを示す。
図7に示すように、登録作業を開始すると(ステップA01)、先ず、作業者は、登録装置(外部側書き込み装置)14の外部側コネクタ16と制御装置3の車両側コネクタ9とを接続する(ステップA02)。
次に、イグニションスイッチ22をオンにすると(ステップA03)、シリアル通信CAN13、18による通信が開始され、登録装置14と制御装置3との通信が第1の車両側シリアル通信線13A経由で可能になり、通信初期化(書き込み認証)が行われる(ステップA04)。
そして、登録装置14は、作業者に登録用タグ17に記載された機種番号と、登録する数だけの「種」データの取り込みを要求表示し、そして、作業者は、その表示に従ってバーコードリーダー15を登録用タグ17にかざすことで、登録用送付情報(データ)の取り込みを実施する(ステップA05)。
登録装置14に取り込まれた登録用送付情報(データ)は第1の車両側シリアル通信線13A経由で制御装置3に書き込まれ、登録する「種」の数だけ、機種番号に見合った展開処理を実施する(ステップA06)。
そして、この書き込みが正常か否かを判断し(ステップA07)、このステップA07がNOの場合には、前記ステップA06に戻す。
このステップA07がYESの場合には、生成1回目か否かを判断する(ステップA08)。この生成1回目とは、登録する「種」の数が何個であっても、最初に「ID」の生成する場合を指している。
このステップA08がYESの場合には、機種番号から1回目だけしか実行しない展開式を選択し(ステップA09)、「種」と限定展開式から規定のID番号を生成する(ステップA10)。
このステップA10の処理後又は前記ステップA08がNOの場合には、機種番号と生成回数、生成済みIDから展開式を選択し(ステップA11)、そして、「種」と展開式から規定のID番号を生成する(ステップA12)。
そして、未処理の「種」が有るか否かを判断し(ステップA13)、このステップA13がYESの場合には、前記ステップA08に戻り、一方、このステップA13がNOの場合には、生成されたID番号を内部の所定のID記憶装置に保存し(ステップA14)、処理を終了を終了する(ステップA15)。
【0019】
図8は、ディーラでの登録作業のフローチャートを示す。
図8に示すように、登録作業を開始すると(ステップB01)、先ず、登録装置14の外部側コネクタ16と制御装置3の車両側コネクタ9とを接続する(ステップB02)。
そして、イグニションスイッチ22をオンとし(ステップB03)、通信初期化(書き込み認証)を行い(ステップB04)、そして、登録装置14のキーボード等から機種番号を入力し(ステップB05)、電子キー、リモコン等の携帯型送信機19をIMBアンテナ11に近付けるか、あるいは、KLEアンテナ10に登録用送付情報(データ)を送信し(ステップB06)、そして、その所定のアンテナから「種」データを受信する(ステップB07)。
そして、データの取り込み終了か否かを判断し(ステップB08)、このステップB08がNOの場合には、前記ステップB06に戻す。
このステップB08がYESの場合には、生成1回目か否かを判断する(ステップB09)。この生成1回目とは、登録する「種」の数が何個であっても、最初に「ID」の生成する場合を指している。
このステップB09がYESの場合には、機種番号から1回目だけしか実行しない展開式を選択し(ステップB10)、「種」と限定展開式から規定のID番号を生成する(ステップB11)。
このステップB11の処理後又は前記ステップB09がNOの場合には、機種番号と生成回数、生成済みIDから展開式を選択し(ステップB12)、そして、「種」と展開式から規定のID番号を生成する(ステップB13)。
そして、未処理の「種」が有るか否かを判断し(ステップB14)、このステップB14がYESの場合には、前記ステップB09に戻り、一方、このステップB14がNOの場合には、生成されたID番号を内部の所定のID記憶装置に保存し(ステップB15)、処理を終了を終了する(ステップB16)。
【0020】
以上この発明の実施例について説明してきたが、上述の実施例の構成を請求項毎に当てはめて説明する。
先ず、請求項1に係る発明において、制御装置3は、登録情報を制御装置(4A〜4D)に登録する場合の機能として、登録装置14から送信された前記登録対象となる制御装置(4A〜4D)に対応した登録用送付情報を受信する受信手段20と、この受信した登録用送付情報を前記送信情報と照合可能な登録情報に変換する情報変換手段21とを備えている。
これにより、登録装置14から送信されたコード(登録用送付情報)が、そのまま車両制御に使用されるコード(登録情報)ではないため、セキュリティを高くすることができる。
請求項2に係る発明において、情報変換手段21は、機能毎に異なった手法により構成されている。
これにより、機能毎に異なった製造メーカーである場合においても、情報変換ルールが同じでないため、セキュリティを高める上で好都合である。
請求項3に係る発明において、前記登録用送付情報は、全て一つの登録用タグ17に保存されている。
これにより、電子キー、リモコン等の携帯型送信機19の数に関係なく、一台の車両1に対して登録用タグ17は一つであるため、車両製造ラインでの書き込みのように、十分な時間が確保できない状態では有効である。
請求項4に係る発明において、前記登録情報を制御装置(4A〜4D)に登録する場合の機能は、キーレスエントリ機能、キー無しでステアリングロックを解除できる機能、ボタンスイッチ22を押すだけでエンジンが始動できる機能、イモビライザ機能の少なくとも一つから構成されている。
これにより、全てがエンジンを含むパワートレイン系制御ではない車両制御に関する機能であるため、同一制御装置内で制御内容を集約することができ、よって、工場等でのID登録作業の工数削減に貢献できる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
登録対象となる制御装置に対応した登録用送付情報を受信し、この受信した登録用送付情報を送信情報と照合可能な登録情報に変換する制御装置を、他の装置にも適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】車両用制御装置のシステム構成図である。
【図2】キータイプ番号と内蔵IDの例を示す図である。
【図3】機種番号を示す図である。
【図4】ID生成の展開式の例を示す図である。
【図5】登録用タグの内容例を示す図である。
【図6】登録用タグの形態例を示す図である。
【図7】車両工場での登録作業のフローチャートである。
【図8】ディーラでの登録作業のフローチャートである。
【図9】従来において車両用制御装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
【0023】
1 車両
2 車両用制御装置
3 制御装置
4 展開式制御装置
5 機種番号記憶装置
6 ID登録記憶装置
7 種コード記憶装置
8 ステアリングロック制御装置
9 車両側コネクタ
10 KLEアンテナ
11 IMBアンテナ
12 イグニションスイッチ
13 車両側シリアル通信CAN
14 登録装置
15 バーコードリーダー
16 外部側コネクタ
17 登録用タグ
18 外部側シリアル通信CAN
19 携帯型送信機
20 受信手段
21 情報交換手段
22 ボタンスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型送信機と、この携帯型送信機から送信された送信情報を受信し、この受信した送信情報と予め登録された登録情報とを照合し、この照合結果に応じて車両機能を制御する車両に搭載された制御装置とを備えた車両用制御装置において、前記制御装置は、前記登録情報を登録する場合の機能として、登録装置から送信された前記登録対象となる制御装置に対応した登録用送付情報を受信する受信手段と、この受信した登録用送付情報を前記送信情報と照合可能な登録情報に変換する情報変換手段とを備えていることを特徴とする車両用制御装置。
【請求項2】
前記情報変換手段は、機能毎に異なった手法により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項3】
前記登録用送付情報は、全て一つのタグに保存されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
【請求項4】
前記登録情報を制御装置に登録する場合の機能は、キーレスエントリ機能、キー無しでステアリングロックを解除できる機能、ボタンスイッチを押すだけでエンジンが始動できる機能、イモビライザ機能の少なくとも一つから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−297798(P2008−297798A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144850(P2007−144850)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】