説明

車両用制御装置

【課題】車室内での携帯機の探索において、当該携帯機を直感的にかつ容易に発見することが可能な車両用制御装置を提供する。
【解決手段】扉22a〜22dを施錠する操作が行われたときに、車室内における携帯機300の探索が開始される。携帯機300の探索時には、車内信号送受信部6a〜6dから探索信号を送信して、車室内を各領域に分けて探索する。そして、携帯機300からの応答に基づいて携帯機300の位置が特定された場合は、当該携帯機300の位置に近い室内灯25a,26a,27aを点灯させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機と通信を行い、当該携帯機の遠隔操作により所定の制御を行う車両用制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に搭載されているECU(Electronic Control Unit)やBCM(Body Control Module)等の車両制御装置と、運転者が所有する携帯型無線送信機(以下、「携帯機」と記載)との間で通信を行い、当該通信が成立した場合に乗降用扉等の施錠や解錠を行ったり、エンジンの始動や停止を行ったりする電子キーシステムが実用化されている。
【0003】
しかしながら、この種の電子キーシステムにおいては、車室内で携帯機を紛失した場合に、当該携帯機がある場所を探し出すことが困難であるという問題点を有していた。この問題を解決するべく、後掲の特許文献1には、電子キー(携帯機)を車内に残したまま利用者(乗員)が降車して施錠操作を行った場合、電子キーを識別するための信号を、ECU(Electronic Control Unit)から当該電子キーへ送信し、車室内において、電子キーの存在が判明すると、車両に設けられた警報手段を作動させることで、当該電子キーの置き忘れを乗員に知らせる電子キーシステムが開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の電子キーシステムでは、スピーカから吹鳴する警報音によって、利用者が、車内に携帯機を置き忘れていることに気付いたとしても、車内のどこに置き忘れているかについては、警報音に基づいて特定できない。そのため、当該携帯機の発見に時間を要してしまう。特に、夜間や車両の周囲が暗い場合には、車両内が見えづらく、携帯機の探索は困難となる。したがって、上記電子キーシステムでは、携帯機を容易に発見することが困難である。
【0005】
また、後掲の特許文献2に開示されている電子キーシステムでは、携帯機を車内に残したまま利用者が降車して施錠操作を行った場合、携帯機を探索するための信号を、車載装置から当該携帯機へ送信する。そして、車室内において、携帯機の存在が判明すると、携帯機に設けられた報知手段を作動させることで、当該携帯機の位置を周囲に報知させる。
【0006】
これにより、例えば、携帯機に設けられた報知手段が、スピーカ等の放音手段である場合、上述した探索信号に基づいて、当該放音手段が作動(吹鳴)するため、紛失した携帯機を探し出す時に、音源を探ることで、当該携帯機を発見することが出来る。
【0007】
上記報知手段が、LED(Light Emitting Diode)等の発光手段である場合は、上述した探索信号に基づいて、当該発光手段が点滅または点灯するため、夜間や暗い場所にて、紛失した携帯機を探し出す時に、当該携帯機を容易に発見することが出来る。
【0008】
上記報知手段が、バイブレーター等の振動手段である場合は、上述した探索信号に基づいて、当該振動手段が振動するため、紛失した携帯機を探し出す時に、振動源を探ることで、当該携帯機を発見することが出来る。
【0009】
しかしながら、特許文献2の電子キーシステムでは、携帯機に内蔵された電源装置(例えば、電池)を用いて報知手段が作動されるため、携帯機の電源装置の電力が消耗してしまう。車両に搭載されている電源装置(例えば、車載バッテリ)に比べ、携帯機の電源装置は電力量が少ない。そのため、なるべく携帯機での電力の消耗は抑えなければならない。
【0010】
また、後掲の特許文献3に開示されている車両用電子キー装置では、車両内に複数の発信機を配置し、これらの発信機から、携帯機を探索するための信号を一斉に送信することで、車室内にある携帯機の位置を特定する。
【0011】
これにより、例えば、車室内にある携帯機の位置が特定された場合、メーター用ディスプレイに設けられた所定の表示エリアに、携帯機の位置を示す文字案内が表示される。また、ナビゲーション装置が搭載されている車両では、ナビゲーション装置の画像案内や音声案内機能を利用して、ディスプレイに携帯機の位置を示す画像が表示されたり、スピーカから携帯機の位置を示す音声が流れたりする。
【0012】
しかしながら、特許文献3の車両用電子キー装置では、携帯機の位置を示す文字案内や画像案内、音声案内を利用するには、プッシュ式のエンジンスイッチを押して、電源の状態を「ACC(アクセサリ)」または「ON」にし、メーター用ディスプレイや、ナビゲーション装置を使用できる状態にする必要がある。また、携帯機を発見した後は、電源状態を「OFF」にする必要がある。このため、上記車両用電子キー装置では、利用者の使い勝手が良くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−203701号公報
【特許文献2】特開2008−163633号公報
【特許文献3】特開2002−201838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、車室内での携帯機の探索において、当該携帯機を直感的にかつ容易に発見することが可能な車両用制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る車両用制御装置は、車両に搭載され、携帯機と通信を行い、当該携帯機との通信内容に応じて所定の制御を行う車両用制御装置であり、車両の扉の施錠または解錠を行うための操作手段と、操作手段により施錠操作が行われた場合に、車両の室内に置き忘れた携帯機の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、車両の室内に設けられた複数の室内灯の内、携帯機の位置に近い室内灯を点灯させる室内灯制御手段とを備えている。
【0016】
なお、本発明における「点灯」とは、連続的な点灯だけでなく、間欠的な点灯、すなわち「点滅」も含む概念である。
【0017】
このように、本発明では、携帯機が室内にある状態で、扉の施錠を行うための操作が行われたときに、携帯機の位置に近い室内灯を点灯させる。このため、利用者は、室内灯の点灯状態および点灯位置を確認することで、携帯機の置き忘れの有無および当該携帯機の置き忘れ位置を容易に確認することが出来る。特に、車両の車外が暗い状態である時、つまり、携帯機の発見が困難な車外環境である時は、室内灯により携帯機が置かれた位置に近いところが明るくなるため、当該携帯機をより発見しやすくなる。また、車両の電源状態が「OFF」の状態でも、室内灯は点灯するため、利用者の使い勝手が良い。さらに、携帯機側で、当該携帯機の位置を報知するための放音や発光等の動作を行わないため、携帯機での電力の消費量を抑制することが出来る。
【0018】
本発明の車両用制御装置において、室内灯制御手段は、前述の複数の室内灯の内、携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させるようにしてもよい。
【0019】
このようにすることで、車室内で唯一点灯する室内灯の位置を確認することにより、携帯機が置かれた位置を、より特定しやすくなるため、当該携帯機を容易に発見することが出来る。
【0020】
また、本発明の車両用制御装置において、室内灯制御手段は、前述の複数の室内灯の内、携帯機の位置に近い室内灯を複数点灯させるようにしてもよい。
【0021】
このようにすることで、携帯機が置かれた位置に近いところが、点灯する複数の室内灯により明るくなるため、車両の車外が暗い状態である時、つまり、携帯機の発見が困難な車外環境である時は、当該携帯機をより発見しやすくなる。
【0022】
また、本発明の車両用制御装置において、前述の複数の室内灯は、車両の室内に配置された複数の座席の各列に対応して、当該各列の上方に設けられてもよい。そして、室内灯制御手段は、位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、各列の上方に設けられた複数の室内灯の内、携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させるようにしてもよい。
【0023】
このようにすることで、点灯中の室内灯に対応する座席の列に基づいて、携帯機が置かれた場所(領域)を特定することが出来るため、当該携帯機をより簡単に発見することが出来る。また、室内灯を各座席の列の上方に設けることで、車外から車内を確認したときに、室内灯の点灯状態を確認しやすくなる。
【0024】
また、本発明の車両用制御装置において、前述の複数の室内灯は、車両の室内に配置された複数の座席のそれぞれに対応して、当該各座席の上方に設けられてもよい。そして、室内灯制御手段は、位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、各座席の上方に設けられた複数の室内灯の内、携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させるようにしてもよい。
【0025】
このようにすることで、点灯中の室内灯に対応する座席に基づいて、携帯機が置かれた場所(領域)を、より狭い範囲で特定することが出来るため、当該携帯機をより簡単に発見することが出来る。また、室内灯を各座席の上方に設けることで、車外から車内を確認したときに、室内灯の点灯状態を確認しやすくなる。
【0026】
また、本発明の車両用制御装置において、前述の複数の室内灯は、車両の室内に配置された複数の座席のそれぞれに対応して、当該各座席の側方に設けられてもよい。そして、室内灯制御手段は、位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、各座席の側方に設けられた複数の室内灯の内、携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させるようにしてもよい。
【0027】
このようにすることで、点灯中の室内灯に対応する座席に基づいて、携帯機が置かれた場所(領域)を、より狭い範囲で特定することが出来るため、当該携帯機をより簡単に発見することが出来る。また、室内灯を各座席の側方に設けることで、当該室内灯の灯りが、探索者(利用者)の体で遮られることを予防することも出来る。
【0028】
また、本発明の車両用制御装置において、前述の複数の室内灯は、車両の室内に配置された複数の座席のそれぞれに対応して、当該各座席の下方に設けられてもよい。そして、室内灯制御手段は、位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、各座席の下方に設けられた複数の室内灯の内、携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させるようにしてもよい。
【0029】
このようにすることで、点灯中の室内灯に対応する座席に基づいて、携帯機が置かれた場所(領域)を、より狭い範囲で特定することが出来るため、当該携帯機をより簡単に発見することが出来る。また、携帯機が置かれた位置が、座席の下方である場合に、座席下をより明るくすることが出来るため、車両の車外が暗い状態である時、つまり、携帯機の発見が困難な車外環境である時は、当該携帯機をより発見しやすくなる。
【0030】
また、本発明の車両用制御装置において、計時手段をさらに設けてもよい。そして、計時手段は、室内灯制御手段による室内灯の点灯に基づいて計時を開始し、室内灯制御手段は、計時手段による計時時間が、所定の時間を経過した場合に、点灯中の室内灯を消灯させるようにしてもよい。
【0031】
このようにすることで、利用者が、携帯機の置き忘れに気付かないまま車両から離れてしまった場合でも、点灯した室内灯を、所定時間後に消灯することで、携帯機の置き忘れを外部から察知されることを防止することが出来る。つまり、車両の盗難防止につながる。また、点灯した室内灯を所定時間後に消灯することにより、電力の無駄な消費(バッテリ上がり)を防止することが出来る。
【0032】
また、本発明の車両用制御装置において、室内灯制御手段は、位置検出手段が携帯機の位置を検出した後に、操作手段の操作が行われた場合にのみ、携帯機の位置に近い室内灯を点灯させるようにしてもよい。
【0033】
このようにすることで、利用者が、携帯機の置き忘れに気付かないまま車両から離れてしまった場合に、室内灯の点灯により携帯機の置き忘れを外部から察知されることを防止することが出来る。つまり、車両の盗難防止につながる。また、利用者が車両に戻り、操作手段を操作した場合は、携帯機の位置に近い室内灯が点灯されるため、当該携帯機の置き忘れを利用者に報知することが出来る。
【0034】
また、本発明の車両用制御装置において、車両の扉の開閉を検出する開閉検出手段をさらに備え、室内灯制御手段は、位置検出手段が携帯機の位置を検出した後に、開閉検出手段により車両の扉が開いたことが検出された場合にのみ、室内灯を点灯させるようにしてもよい。
【0035】
このようにすることで、利用者が、携帯機の置き忘れに気付かないまま車両から離れてしまった場合に、室内灯の点灯により携帯機の置き忘れを外部から察知されることを防止することが出来る。つまり、車両の盗難防止につながる。また、利用者が車両に戻り、車両の扉を開けた場合は、携帯機の位置に近い室内灯が点灯されるため、当該携帯機の置き忘れを利用者に報知することが出来る。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、車室内での携帯機の探索において、当該携帯機を容易に発見することが出来るとともに、利用者の使い勝手が良く、携帯機の電力の消費量を抑制することが可能な車両用制御装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態である車両用制御装置と、当該車両用制御装置を遠隔操作する携帯機を示したブロック図である。
【図2】図1の車両用制御装置を適用した車両の室内を上方から示した図である。
【図3】図1の車両用制御装置を適用した車両の室内を右側方および左側方から示した図である。
【図4】図1の車両用制御装置を適用した車両の室内を前方から示した図である。
【図5】扉の詳細を示した図である。
【図6】携帯機の詳細を示した図である。
【図7】携帯機の探索範囲を示した図である。
【図8】携帯機の探索範囲を示した図である。
【図9】携帯機の探索範囲を示した図である。
【図10】携帯機の探索範囲を示した図である。
【図11】携帯機の探索範囲を示した図である。
【図12】携帯機の探索範囲を示した図である。
【図13】携帯機探索時の動作を示したフローチャートである。
【図14】携帯機探索時の動作を示したフローチャートである。
【図15】携帯機探索時の動作を示したフローチャートである。
【図16】携帯機の位置に対応する室内灯が点灯した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の図では、同一部分または対応する部分に同一符号を付してある。
【0039】
図1は、本発明の一実施形態である車両用制御装置100を示したブロック図である。また、図1には、車両用制御装置100による各種制御の実行に必要な操作を遠隔から行う場合に使用される携帯型無線送受信機(以下、「携帯機」と記載)300を示したブロック図も併せて図示する。
【0040】
車両用制御装置100は、例えば、図2等に示す車両200に搭載される。また、車両用制御装置100は、座席21a〜21d(図2)に対して乗降するための扉22a〜22dや、車両200を駆動させるためのエンジン23、車両200の室内(以下、「車室内R」と記載)に設けられた室内灯24等の制御を行う。
【0041】
携帯機300では、例えば、扉22a〜22dの施錠や解錠に係る操作が実行される。つまり、携帯機300は、電子キーとしての機能を有している。
【0042】
図1に示すように、車両用制御装置100は、制御部1、施錠操作部2a〜2d、施錠駆動部3a〜3d、施錠検出部4a〜4d、開閉検出部5a〜5d、車内信号送受信部6a〜6d、車外信号送受信部7、エンジン始動操作部8、エンジン駆動制御部9、計時部10、記憶部11、室内灯駆動制御部12を有している。
【0043】
ここで、車両用制御装置100は、上述した以外にも様々な装置(例えば、バッテリ)等から構成されているが、それらは本発明においては直接関係が無いため、図示および説明を省略する。
【0044】
図1に示すように、携帯機300は、制御部31、信号送受信部32、施錠操作部33、記憶部34、電源部35を有している。
【0045】
ここで、携帯機300は、上述した以外にも様々な装置(例えば、機械式の鍵)等から構成されているが、それらは本発明においては直接関係が無いため、図示および説明を省略する。
【0046】
上述した車両用制御装置100と携帯機300とにより、携帯機探索システムが構成される。
【0047】
以下においては、まず、車両用制御装置100の各部について説明する。制御部1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等から構成されており、車両用制御装置100の各部を制御する。
【0048】
施錠操作部2a,2bは、例えば、押圧式のボタン等から構成されている。詳しくは、施錠操作部2aは、図5(a)に示すとおり、扉22aの外側にあるノブKaの表側に設けられた施錠ボタンLaと、ノブKaの裏側に設けられた解錠センサULaと、扉22aの内側に設けられた施錠/解錠スイッチ(図示省略)から構成される。
【0049】
また、施錠操作部2bは、図5(b)に示すとおり、扉22bの外側にあるノブKbの表側に設けられた施錠ボタンLbと、ノブKbの裏側に設けられた解錠センサULbと、扉22bの内側に設けられた施錠/解錠スイッチ(図示省略)から構成される。
【0050】
施錠操作部2a,2bが操作されると、当該操作に対応する操作信号(施錠操作信号または解錠操作信号)が制御部1に入力される。
【0051】
例えば、施錠ボタンLaまたは扉22aの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて施錠操作が行われると、扉22a〜22dを施錠するための施錠操作信号が、制御部1に入力される。
【0052】
解錠センサULaまたは扉22aの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて解錠操作が行われると、扉22a〜22dを解錠するため解錠操作信号が、制御部1に入力される。
【0053】
また、施錠ボタンLbにおいて施錠操作が行われると、扉22a〜22dを施錠するための施錠操作信号が、制御部1に入力される。解錠センサULbにおいて解錠操作が行われると、扉22a〜22dを解錠するための解錠操作信号が、制御部11に入力される。
【0054】
さらに、扉22bの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて施錠操作が行われると、扉22bのみを施錠するための施錠操作信号が、制御部1に入力される。扉22bの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて解錠操作が行われると、扉22bのみを解錠するための解錠操作信号が、制御部1に入力される。
【0055】
施錠操作部2c,2dは、例えば、押圧式のボタン等から構成されている。詳しくは、施錠操作部2cは、扉22cの内側に設けられた施錠/解錠スイッチ(図示省略)から構成される。同じく、施錠操作部2dは、扉22dの内側に設けられた施錠/解錠スイッチ(図示省略)から構成される。
【0056】
例えば、扉22cの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて施錠操作が行われると、扉22cのみを施錠するための施錠操作信号が、制御部1に入力される。扉22cの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて解錠操作が行われると、扉22cのみを解錠するための解錠操作信号が、制御部1に入力される。
【0057】
また、扉22dの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて施錠操作が行われると、扉22dのみを施錠するための施錠操作信号が、制御部1に入力される。扉22dの内側に設けられた施錠/解錠スイッチにおいて解錠操作が行われると、扉22dのみを解錠するための解錠操作信号が、制御部1に入力される。
【0058】
施錠駆動部3a〜3dは、例えば、扉22a〜22dの施錠/解錠を行う錠機構や、当該錠機構を駆動させるモータ等から構成されている。施錠駆動部3a〜3dは、制御部1の制御の下、施錠操作部2a〜2dや、後述する携帯機300の施錠操作部33における操作内容に従って、扉22a〜22dの施錠/解錠を行う。
【0059】
施錠検出部4a〜4dは、例えば、スイッチ等から構成されている。施錠検出部4aは、扉22aが施錠された状態であるか否かを検出し、施錠検出部4bは、扉22bが施錠された状態であるか否かを検出する。同じく、施錠検出部4cは、扉22cが施錠された状態であるか否かを検出し、施錠検出部4dは、扉22dが施錠された状態であるか否かを検出する。
【0060】
開閉検出部5a〜5dは、例えば、開閉センサ等から構成されている。開閉検出部5aは、扉22aが閉じられた状態であるか否かを検出し、開閉検出部5bは、扉22bが閉じられた状態であるか否かを検出する。同じく、開閉検出部5cは、扉22cが閉じられた状態であるか否かを検出し、開閉検出部5dは、扉22dが閉じられた状態であるか否かを検出する。
【0061】
車内信号送受信部6a〜6dは、例えば、アンテナ等から構成されている。図2に示すように、車内信号送受信部6aは、車室内Rの前方部に設けられており、車内信号送受信部6bは、車室内Rの後方部に設けられている。車内信号送受信部6cは、車室内Rの中央部の右側に設けられており、車内信号送受信部6dは、車室内Rの中央部の左側に設けられている。
【0062】
車内信号送受信部6aの通信範囲は、車室内Rの前方に限定されており、当該通信範囲は、図2に示す一点鎖線Vで囲まれた領域内である。詳しくは、車内信号送受信部6aの通信範囲は、一列目の座席(座席21a,21b)を含む車室内Rの前方の隅々にまで及ぶ。
【0063】
車内信号送受信部6bの通信範囲は、車室内Rの後方に限定されており、当該通信範囲は、図2に示す二点鎖線Wで囲まれた領域内である。詳しくは、車内信号送受信部6bの通信範囲は、三列目の座席(座席21e,21f)を含む車室内Rの後方の隅々にまで及ぶ。
【0064】
車内信号送受信部6cの通信範囲は、車室内Rの右側方に限定されており、当該通信範囲は、図2に示す破線Xで囲まれた領域内である。詳しくは、車内信号送受信部6cの通信範囲は、車室内Rの右側の座席(座席21a,21c,21e)を含む車室内Rの右側の隅々にまで及ぶ。
【0065】
車内信号送受信部6dの通信範囲は、車室内Rの左側方に限定されており、当該通信範囲は、図2に示す点線Yで囲まれた領域内である。詳しくは、車内信号送受信部6dの通信範囲は、車室内Rの左側の座席(座席21b,21d,21f)を含む車室内Rの左側の隅々にまで及ぶ。
【0066】
上述のとおり、車内信号送受信部6a〜6dの通信範囲は、車室内Rの隅々にまで及ぶ。このため、携帯機300が車室内Rにある時は、車内信号送受信部6a〜6dと携帯機300との通信が可能となる。
【0067】
以上のような構成の車内信号送受信部6a〜6dは、制御部1の制御の下、それぞれの通信範囲内に携帯機300があるか否かを探索するための探索信号を送信する。また、車内信号送受信部6a〜6dは、携帯機300から送信された所定の信号を受信する。尚、携帯機300から車内信号送受信部6a〜6dへ送信される信号の詳細については、後述する。
【0068】
車外信号送受信部7は、例えば、アンテナ等から構成されている。車外信号送受信部7は、例えば、車両200の屋根RF(図3)に設けられている。
【0069】
車外信号送受信部7の通信範囲は、車両200の車外に限定されており、当該通信範囲は、図3に示す点線Zで囲まれた領域内である。このため、携帯機300が、車両200の車外にあり、且つ、点線Zで囲まれた領域内にある時は、車外信号送受信部7と携帯機300との通信が可能となる。
【0070】
以上のような構成の車外信号送受信部7は、制御部1の制御の下、上述の通信範囲内に携帯機300があるか否かを探索するための探索信号を送信する。また、車外信号送受信部7は、携帯機300から送信された所定の信号を受信する。尚、携帯機300から車外信号送受信部7へ送信される信号の詳細については、後述する。
【0071】
エンジン始動操作部8は、例えば、押圧式のボタン等から構成されている。エンジン始動操作部8が操作されると、当該操作に対応する操作信号(エンジン始動信号またはエンジン停止信号)が制御部1に入力される。
【0072】
エンジン駆動制御部9は、例えば、演算回路や制御回路等から構成されている。エンジン駆動制御部9は、エンジン23の回転数や当該エンジン23にかかる負荷等から、燃料供給量、燃料噴射時期、点火時期等を演算し、演算結果に基づいてエンジン23を駆動制御する。
【0073】
計時部10は、例えば、現在時刻を計時する時計や、経過時間を計測するタイマ等から構成されている。
【0074】
記憶部11は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等から構成されている。記憶部11には、車両用制御装置100の各部を制御するための制御プログラムや、各種アプリケーションソフトウェア、後述する携帯機300を認識する為の固有のID(Identification)情報等が、予め記憶されている。
【0075】
室内灯駆動制御部12は、例えば、室内灯24用のECU(Electronic Control Unit)やスイッチ等から構成されている。
【0076】
ここで、室内灯24は、ルームライト25a〜25c、サイドライト26a〜26f、フットライト27a〜27fから構成される。
【0077】
また、ルームライト25a〜25cは、車両200の長さ方向に配列された座席の列にそれぞれ対応して、各座席列の上方に設けられている。例えば、ルームライト25aは、図3(a),(b)や図4(a)に示すとおり、一番目の座席列(座席21a,21bの列)の真上の天井Cに設けられている。ルームライト25bは、図3(a),(b)や図4(b)に示すとおり、二番目の座席列(座席21c,21dの列)の真上の天井Cに設けられている。ルームライト25cは、図3(a),(b)や図4(c)に示すとおり、三番目の座席列(座席21e,21fの列)の真上の天井Cに設けられている。
【0078】
サイドライト26a〜26fは、車両200の幅方向に配列された複数の座席(座席21a〜21f)にそれぞれ対応して、各座席の側方に設けられている。例えば、サイドライト26aは、図2や図4(a)に示すとおり、座席21aに対して乗降するための扉22aの内側に設けられている。サイドライト26bは、座席21bに対して乗降するための扉22bの内側に設けられている。
【0079】
サイドライト26cは、図2や図4(b)に示すとおり、座席21cに対して乗降するための扉22cの内側に設けられている。サイドライト26dは、座席21dに対して乗降するための扉22dの内側に設けられている。
【0080】
サイドライト26e,26fは、図2や図4(c)に示すとおり、座席21e,21fに面した車両200の内側部分に設けられている。
【0081】
フットライト27a〜27fは、車両200の幅方向に配列された複数の座席(座席21a〜21f)にそれぞれ対応して、各座席の下方(足元)に設けられている。例えば、フットライト27aは、図3(a)や図4(a)に示すとおり、座席21aの真下の床Fに設けられている。フットライト27bは、図3(b)や図4(a)に示すとおり、座席21bの真下の床Fに設けられている。
【0082】
フットライト27cは、図3(a)や図4(b)に示すとおり、座席21cの真下の床Fに設けられている。フットライト27dは、図3(b)や図4(b)に示すとおり、座席21dの真下の床Fに設けられている。
【0083】
フットライト27eは、図3(a)や図4(c)に示すとおり、座席21eの真下の床Fに設けられている。フットライト27fは、図3(b)や図4(c)に示すとおり、座席21fの真下の床Fに設けられている。尚、フットライト27a〜27fは、対応する座席の下面にそれぞれ設けてもよい。
【0084】
室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5aでの扉22aの開状態検出に基づいて、ルームライト25a〜25cを全点灯させる。これとは反対に、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5aでの扉22aの閉状態検出に基づいて、ルームライト25a〜25cを全消灯させる。
【0085】
尚、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5b〜5dのいずれかにおいて、検出対象の扉の開状態が検出された場合も、ルームライト25a〜25cを全点灯させる。そして、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5b〜5dのいずれかにおいて、検出対象の扉の閉状態が検出された場合、ルームライト25a〜25cを全消灯させる。
【0086】
また、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5aでの扉22aの開状態検出に基づいて、当該扉22aから乗降する座席21aの側方および下方に設けられたサイドライト26a、フットライト27aを点灯させる。これとは反対に、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5aでの扉22aの閉状態検出に基づいて、サイドライト26a、フットライト27aを消灯させる。
【0087】
同じく、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5bでの扉22bの開状態検出に基づいて、当該扉22bから乗降する座席21bの側方および下方に設けられたサイドライト26b、フットライト27bを点灯させる。これとは反対に、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5bでの扉22bの閉状態検出に基づいて、サイドライト26b、フットライト27bを消灯させる。
【0088】
さらに、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5cでの扉22cの開状態検出に基づいて、当該扉22cから乗降する座席21c,21eの側方および下方に設けられたサイドライト26c,26eと、フットライト27c,27eを点灯させる。これとは反対に、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5cでの扉22cの閉状態検出に基づいて、サイドライト26c,26eと、フットライト27c,27eを消灯させる。
【0089】
同じく、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5dでの扉22dの開状態検出に基づいて、当該扉22dから乗降する座席21d,21fの側方および下方に設けられたサイドライト26d,26fと、フットライト27d,27fを点灯させる。これとは反対に、室内灯駆動制御部12は、開閉検出部5dでの扉22dの閉状態検出に基づいて、サイドライト26d,26fと、フットライト27d,27fを消灯させる。
【0090】
以上において、施錠操作部2a〜2dは、本発明における操作手段の一実施形態である。開閉検出部5a〜5dは、本発明における開閉検出手段の一実施形態である。車内信号送受信部6a〜6dは、本発明における位置検出手段の一実施形態である。室内灯駆動制御部12は、本発明における室内灯制御手段の一実施形態である。計時部10は、本発明における計時手段の一実施形態である。
【0091】
続いて、携帯機300の各部について説明する。
【0092】
制御部31は、例えば、CPU等から構成されており、携帯機300の各部を制御する。
【0093】
信号送受信部32は、例えば、アンテナ等から構成されている。信号送受信部32は、車両用制御装置100側から送信された探索信号を受信した場合に、当該探索信号に対する応答信号を車両用制御装置100に向けて送信する。また、信号送受信部32は、後述する施錠操作部33での操作に対応する操作信号を車両用制御装置100に向けて送信する。尚、施錠操作部33での操作に対応する操作信号の詳細については、後述する。
【0094】
信号送受信部32から送信された応答信号は、携帯機300が車室内R(図2)にある時は、車内信号送受信部6a〜6dの内のいずれか1つで受信される。
【0095】
施錠操作部33は、例えば、押圧式のボタン等から構成されている。詳しくは、施錠操作部33は、携帯機300(図6)の表側に設けられた施錠ボタン33aと、解錠ボタン33bから構成される。
【0096】
例えば、車両200の車外にいる利用者によって施錠ボタン33aが操作されると、扉22a〜22dを一斉に施錠するための施錠操作信号が、制御部31に入力される。制御部31に入力された施錠操作信号は、信号送受信部32から送信されて、車外信号送受信部7で受信される。
【0097】
また、例えば、車両200の車外にいる利用者によって解錠ボタン33bが操作されると、扉22a〜22dを一斉に解錠するための解錠操作信号が、制御部31に入力される。制御部31に入力された解錠操作信号は、信号送受信部32から送信されて、車外信号送受信部7で受信される。
【0098】
記憶部34は、例えば、EEPROMから構成されている。記憶部34には、携帯機300の固有のID情報が記憶されている。このID情報が車両用制御装置100に伝送されることで、携帯機300は、当該車両用制御装置100に認識される。
【0099】
電源部35は、例えば、ボタン型の電池であり、携帯機300の各部に電力を供給する。
【0100】
以上のような車両用制御装置100(図1)と携帯機300(図1)とからなる携帯機探索システムにおいて、車両用制御装置100によって携帯機300の探索が行われる場合の一連の動作について、図13〜図15のフローチャートを用いて説明する。
【0101】
図13のステップS1において、車両200(図2)側で施錠操作が行われた場合(ステップS1:YES)は、ステップS2へ進み、車両200側で施錠操作が行われていない場合(ステップS1:NO)は、本フローチャートは終了する。
【0102】
ステップS1において、「YES」となる場合とは、扉22aのノブKa(図5(a)参照)に設けられた施錠ボタンLa、または、扉22bのノブKb(図5(b)参照)に設けられた施錠ボタンLbが、利用者によって操作された場合である。
【0103】
なお、ステップS1で施錠操作が行われた時点では、扉22a〜22dはまだ施錠されておらず、後述する車室内Rの探索によって、携帯機300の置き忘れがないと判断された場合に、扉22a〜22dが一斉に施錠される。携帯機300の置き忘れがあると判断された場合は、扉22a〜22dの施錠が禁止される。
【0104】
ステップS2では、車室内Rの前方に対する探索が開始される。この探索では、車室内Rの前方における携帯機300の有無、つまり、携帯機300の置き忘れがあるか否かについての確認作業が行われる。
【0105】
この場合、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車室内Rの前方部に設けられた車内信号送受信部6aから送信される。
【0106】
ステップS3では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS3:YES)は、ステップS4へ進み、応答がなかった場合(ステップS3:NO)は、図14のステップS12へ進む。
【0107】
ここで、ステップS3において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの前方(図2の一点鎖線Vの領域内)にある場合であり、「NO」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの前方にない場合である。
【0108】
また、ステップS3において「YES」になる場合、車内信号送受信部6aから送信された探索信号が、携帯機300の信号送受信部32(図1)で受信される。携帯機300では、制御部31の制御の下、信号送受信部32で受信した探索信号に含まれているID情報と、当該携帯機300側の記憶部34に予め記憶されているID情報とが一致するか否かが検証される。
【0109】
そして、当該検証の結果、一致する場合は、上述の探索信号に対する応答信号が、信号送受信部32から車内信号送受信部6aに向けて送信される。車両用制御装置100側においては、この応答信号を受信することにより、車室内Rの前方に携帯機300があることを認識することが出来る。
【0110】
ステップS4では、携帯機300が車室内Rの前方の内、右側の領域にあるか否かの探索が開始される。
【0111】
この場合、前述のステップS2と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車内信号送受信部6aから送信される。
【0112】
また、車室内Rの左側方に設けられた車内信号送受信部6dからは、車内信号送受信部6aから送信される探索信号を妨害する電波が送信される。この場合の妨害電波とは、例えば、車内信号送受信部6aから送信される探索信号の電波と同じ周波数の逆位相の電波である(後述する他の領域の探索における妨害電波についても同様)。
【0113】
したがって、車室内Rの前方の内、右側の領域は、車内信号送受信部6dから送信される妨害電波の影響を受けないが、左側の領域は、車内信号送受信部6dから送信される妨害電波の影響を受けるため、ステップS4における携帯機300の探索範囲は、図7中の斜線部で示されるような、車室内Rの前方右側の領域に限定される。
【0114】
ステップS5では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS5:YES)は、ステップS6へ進み、応答がなかった場合(ステップS5:NO)は、ステップS8へ進む。
【0115】
ここで、ステップS5において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの前方右側の領域(図7の斜線内領域)にある場合であり、「NO」になる場合とは、車室内Rの前方右側の領域にない場合である。
【0116】
ステップS6では、ステップS3における携帯機300からの応答(ステップS3:YES)と、ステップS5における携帯機300からの応答(ステップS5:YES)とに基づいて、車室内Rに携帯機300の置き忘れがあると判断するとともに、当該携帯機300の位置を、車室内Rの前方右側と特定する。
【0117】
ここで、携帯機300の置き忘れがあると判断されることにより、前述したように、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠は禁止される。つまり、扉22a〜22dは、施錠されないままとなる。これにより、利用者は、室内灯24の点灯に気付いた場合に、直ちに車室内Rに戻って、携帯機300の探索を行うことが出来る。
【0118】
ステップS7では、室内灯24(図1)のうち、ステップS6で特定された携帯機300の位置(前方右側)に近い室内灯を点灯させる。なお、ここでいう「点灯」には、「点滅」も含まれる(以下同様)。
【0119】
この場合、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して、携帯機300の位置情報に基づく所定の信号が出力される。
【0120】
ここで、図2に示すように、車室内Rの前方の右側領域内には、一列目の座席21aがあり、車室内Rの前方左側の領域内には、一列目の座席21bがある。また、車室内Rの中央右側の領域内には、二列目の座席21cがあり、車室内Rの中央左側の領域内には、二列目の座席21dがある。さらに、車室内Rの後方右側の領域内には、三列目の座席21eがあり、車室内Rの後方左側の領域内には、三列目の座席21fがある。
【0121】
このため、携帯機300の位置に近い室内灯24を点灯させる場合は、まず、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して、携帯機300の位置に近い座席の情報を含む信号が出力される。次に、室内灯駆動制御部12は、受信した信号に基づいて、携帯機300の位置に近い座席のある列の上方に設けられた室内灯24と、当該座席の側方および下方に設けられた室内灯24を点灯させる駆動制御を行う。
【0122】
よって、ステップS7では、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して、携帯機300の位置(前方右側)に近い座席21aの情報を含む信号が出力される。室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、座席21aのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25a(図4(a)参照)と、当該座席21aの側方(扉22aの内側)に設けられたサイドライト26a、および、下方(床F)に設けられたフットライト27aを点灯させる駆動制御を行い、これらの室内灯24を点灯させる。そして、上述の室内灯24が点灯することにより、本フローチャートは終了する。
【0123】
図16は、上記のように、座席21aに携帯機300の置き忘れがある場合に、座席上方のルームライト25aと、座席側方のサイドライト26aと、座席下方のフットライト27aがそれぞれ点灯している状態を示している。(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
【0124】
なお、ここでは、3つのライト25a,26a,27aの全てを点灯させているが、これらのライトの内の1つまたは2つを点灯させるようにしてもよい。
【0125】
ステップS5に戻って、携帯機300からの応答がない場合(ステップS5:NO)は、ステップS8へ進み、当該携帯機300が車室内Rの前方の内、左側の領域にあるか否かの探索が開始される。
【0126】
この場合、前述のステップS2と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車内信号送受信部6aから送信される。
【0127】
また、車室内Rの右側方に設けられた車内信号送受信部6cからは、車内信号送受信部6aから送信される探索信号を妨害する電波が送信される。
【0128】
したがって、車室内Rの前方の内、左側の領域は、車内信号送受信部6cから送信される妨害電波の影響を受けないが、右側の領域は、車内信号送受信部6cから送信される妨害電波の影響を受けるため、ステップS8における携帯機300の探索範囲は、図8中の斜線部で示されるような、車室内Rの前方左側の領域に限定される。
【0129】
ステップS9では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS9:YES)は、ステップS10へ進み、応答がなかった場合(ステップS9:NO)は、図14のステップS12へ進む。
【0130】
ここで、ステップS9において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの前方左側の領域(図8の斜線内領域)にある場合であり、「NO」になる場合とは、車室内Rの前方左側の領域にない場合である。
【0131】
しかしながら、ステップS5において、携帯機300が車室内Rの前方右側にないことが確認されている(ステップS5:NO)。このため、ステップS9において「NO」になること、つまり、携帯機300が、車室内Rの前方の右側にも左側にもないということが確認されることは、通常起こり得ない。
【0132】
よって、上記のような結果となった場合は、ステップS3において「YES」となった原因として、携帯機300が、車室内Rの前方部と車室内Rの中央部との境界付近にあり、偶然にも、車内信号送受信部6aから送信された探索信号を携帯機300が受信して、当該携帯機300が応答したことによるものと判断する。そして、引き続き携帯機300の探索を行うべく、図14のステップS12へ進む。
【0133】
ステップS10では、ステップS3における携帯機300からの応答(ステップS3:YES)と、ステップS9における携帯機300からの応答(ステップS9:YES)とに基づいて、車室内Rに携帯機300の置き忘れがあると判断するとともに、当該携帯機300の位置を、車室内Rの前方左側と特定する。
【0134】
ここでも、携帯機300の置き忘れがあると判断されることにより、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠は禁止される。
【0135】
ステップS11では、室内灯24(図1)のうち、ステップS10で特定された携帯機300の位置(前方左側)に近い室内灯を点灯させる。
【0136】
この場合、ステップS10において、携帯機300の位置は、車室内Rの前方左側と特定されているため、当該領域内ある一列目の座席21bの情報を含む信号が、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して出力される。
【0137】
そして、室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、座席21bのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25a(図4(a)参照)と、当該座席21bの側方(扉22bの内側)に設けられたサイドライト26b、および、下方(床F)に設けられたフットライト27bを点灯させる駆動制御を行い、これらの室内灯24を点灯させる。そして、上述の室内灯24が点灯することにより、本フローチャートは終了する。
【0138】
車室内Rの前方の探索において、携帯機300からの応答がない場合(ステップS3:NO、ステップS5:NOおよびステップS9:NO)は、図14のステップS12へ進む。そして、ステップS12では、車室内Rの後方に対する携帯機300の探索が開始される。
【0139】
この場合、前述のステップS2等と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車室内Rの後方部に設けられた車内信号送受信部6bから送信される。
【0140】
ステップS13では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS13:YES)は、ステップS14へ進み、応答がなかった場合(ステップS13:NO)は、図15のステップS22へ進む。
【0141】
ここで、ステップS13において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの後方(図2の二点鎖線Wの領域内)にある場合であり、「NO」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの後方にない場合である。
【0142】
また、ステップS13において「YES」になる場合、車内信号送受信部6bから送信された探索信号が、携帯機300の信号送受信部32(図2)で受信される。携帯機300では、制御部31の制御の下、信号送受信部32で受信した探索信号に含まれているID情報と、当該携帯機300側の記憶部34に予め記憶されているID情報とが一致するか否かが検証される。
【0143】
そして、当該検証の結果、一致する場合は、上述の探索信号に対する応答信号が、信号送受信部32から車内信号送受信部6bに向けて送信される。車両用制御装置100側においては、この応答信号を受信することにより、車室内Rの後方に携帯機300があることを認識することが出来る。
【0144】
ステップS14では、携帯機300が車室内Rの後方の内、右側の領域にあるか否かの探索が開始される。
【0145】
この場合、前述のステップS12と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車内信号送受信部6bから送信される。
【0146】
また、車室内Rの左側方に設けられた車内信号送受信部6dからは、車内信号送受信部6bから送信される探索信号を妨害する電波が送信される。
【0147】
したがって、車室内Rの後方の内、右側の領域は、車内信号送受信部6dから送信される妨害電波の影響を受けないが、左側の領域は、車内信号送受信部6dから送信される妨害電波の影響を受けるため、ステップS14における携帯機300の探索範囲は、図9中の斜線部で示されるような、車室内Rの後方右側の領域に限定される。
【0148】
ステップS15では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS15:YES)は、ステップS16へ進み、応答がなかった場合(ステップS15:NO)は、ステップS18へ進む。
【0149】
ここで、ステップS15において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの後方右側の領域(図9の斜線内領域)にある場合であり、「NO」になる場合とは、車室内Rの後方右側の領域にない場合である。
【0150】
ステップS16では、ステップS13における携帯機300からの応答(ステップS13:YES)と、ステップS15における携帯機300からの応答(ステップS15:YES)とに基づいて、車室内Rに携帯機300の置き忘れがあると判断するとともに、当該携帯機300の位置を、車室内Rの後方右側と特定する。
【0151】
ここでも、携帯機300の置き忘れがあると判断されることにより、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠は禁止される。
【0152】
ステップS17では、室内灯24(図1)のうち、ステップS16で特定された携帯機300(後方右側)の位置に近い室内灯を点灯させる。
【0153】
この場合、ステップS16において、携帯機300の位置は、車室内Rの後方右側と特定されているため、当該領域内ある三列目の座席21eの情報を含む信号が、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して出力される。
【0154】
そして、室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、座席21eのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25c(図4(c)参照)と、当該座席21eの側方(車両200の内側)に設けられたサイドライト26e、および、下方(床F)に設けられたフットライト27eを点灯させる駆動制御を行い、これらの室内灯24を点灯させる。そして、上述の室内灯24が点灯することにより、本フローチャートは終了する。
【0155】
ステップS15に戻って、携帯機300からの応答がない場合(ステップS15:NO)は、ステップS18へ進み、当該携帯機300が車室内Rの後方の内、左側の領域にあるか否かの探索が開始される。
【0156】
この場合、前述のステップS12と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車内信号送受信部6bから送信される。
【0157】
また、車室内Rの右側方に設けられた車内信号送受信部6cからは、車内信号送受信部6bから送信される探索信号を妨害する電波が送信される。
【0158】
したがって、車室内Rの後方の内、左側の領域は、車内信号送受信部6cから送信される妨害電波の影響を受けないが、右側の領域は、車内信号送受信部6cから送信される妨害電波の影響を受けるため、ステップS18における携帯機300の探索範囲は、図10中の斜線部で示されるような、車室内Rの後方の左側の領域に限定される。
【0159】
ステップS19では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS19:YES)は、ステップS20へ進み、応答がなかった場合(ステップS19:NO)は、図15のステップS22へ進む。
【0160】
ここで、ステップS19において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの後方左側の領域(図10の斜線内領域)にある場合であり、「NO」になる場合とは、車室内Rの後方左側の領域にない場合である。
【0161】
しかしながら、ステップS15において、携帯機300が車室内Rの後方右側にないことが確認されている(ステップS15:NO)。このため、ステップS19において「NO」になること、つまり、携帯機300が、車室内Rの後方の右側にも左側にもないということが確認されることは、通常起こり得ない。
【0162】
よって、上記のような結果となった場合は、ステップS13において「YES」となった原因として、携帯機300が、車室内Rの後方部と車室内Rの中央部との境界付近にあり、偶然にも、車内信号送受信部6bから送信された探索信号を携帯機300が受信して、当該携帯機300が応答したことによるものと判断する。そして、引き続き携帯機300の探索を行うべく、図15のステップS22へ進む。
【0163】
ステップS20では、ステップS13における携帯機300からの応答(ステップS13:YES)と、ステップS19における携帯機300からの応答(ステップS19:YES)とに基づいて、車室内Rに携帯機300の置き忘れがあると判断するとともに、当該携帯機300の位置を、車室内Rの後方左側と特定する。
【0164】
ここでも、携帯機300の置き忘れがあると判断されることにより、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠は禁止される。
【0165】
ステップS21では、室内灯24(図1)のうち、ステップS20で特定された携帯機300の位置(後方左側)に近い室内灯を点灯させる。
【0166】
この場合、ステップS20において、携帯機300の位置は、車室内Rの後方左側と特定されているため、当該領域内ある三列目の座席21fの情報を含む信号が、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して出力される。
【0167】
そして、室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、座席21fのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25c(図4(c)参照)と、当該座席21fの側方(車両200の内側)に設けられたサイドライト26f、および、下方(床F)に設けられたフットライト27fを点灯させる駆動制御を行い、これらの室内灯24を点灯させる。そして、上述の室内灯24が点灯することにより、本フローチャートは終了する。
【0168】
車室内Rの前方の探索において、携帯機300からの応答がない場合(ステップS3:NO、ステップS5:NOおよびステップS9:NO)であり、かつ、車室内Rの後方の探索において、携帯機300からの応答がない場合(ステップS13:NO、ステップS15:NOおよびステップS19:NO)は、図15のステップS22へ進む。そして、当該ステップS22では、車室内Rの中央に対する携帯機300の探索が開始される。
【0169】
この場合、前述のステップS2等と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車室内Rの中央部の右側に設けられた車内信号送受信部6cから送信される。
【0170】
また、車室内Rの前方部に設けられた車内信号送受信部6aと、後方部に設けられた車内信号送受信部6bとからは、車内信号送受信部6cから送信される探索信号を妨害する電波が送信される。
【0171】
したがって、車室内Rの右側の領域の内、中央は、車内信号送受信部6aおよび車内信号送受信部6bから送信される妨害電波の影響を受けないが、前方は、車内信号送受信部6aから送信される妨害電波の影響を受け、また、後方は、車内信号送受信部6bから送信される妨害電波の影響を受ける。このため、ステップS22における携帯機300の探索範囲は、図11中の斜線部で示されるような、車室内Rの中央右側の領域に限定される。
【0172】
ステップS23では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS23:YES)は、ステップS24へ進み、応答がなかった場合(ステップS23:NO)は、ステップS26へ進む。
【0173】
ここで、ステップS23において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの中央右側の領域内(図11の斜線内領域)にある場合であり、「NO」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの中央右側の領域内にない場合である。
【0174】
ステップS24では、ステップS23における携帯機300からの応答(ステップS23:YES)に基づいて、車室内Rに携帯機300の置き忘れがあると判断するとともに、当該携帯機300の位置を、車室内Rの中央右側と特定する。
【0175】
ここでも、携帯機300の置き忘れがあると判断されることにより、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠は禁止される。
【0176】
ステップS25では、室内灯24(図1)のうち、ステップS24で特定された携帯機300の位置(中央右側)に近い室内灯を点灯させる。
【0177】
この場合、ステップS24において、携帯機300の位置は、車室内Rの中央右側と特定されているため、当該領域内ある二列目の座席21cの情報を含む信号が、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して出力される。
【0178】
そして、室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、座席21cのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25b(図4(b)参照)と、当該座席21cの側方(扉22cの内側)に設けられたサイドライト26c、および、下方(床F)に設けられたフットライト27cを点灯させる駆動制御を行い、これらの室内灯24を点灯させる。そして、上述の室内灯24が点灯することにより、本フローチャートは終了する。
【0179】
ステップS23に戻って、携帯機300からの応答がない場合(ステップS23:NO)は、ステップS26へ進み、当該携帯機300が車室内Rの中央の内、左側の領域にあるか否かの探索が開始される。
【0180】
この場合、前述のステップS22等と同様に、制御部1の制御の下、記憶部11に記憶されている携帯機300を認識する為の固有のID情報が抽出される。そして、当該ID情報を含む探索信号が、車室内Rの中央部の左側に設けられた車内信号送受信部6dから送信される。
【0181】
また、車室内Rの前方部に設けられた車内信号送受信部6aと、後方部に設けられた車内信号送受信部6bとからは、車内信号送受信部6dから送信される探索信号を妨害する電波が送信される。
【0182】
したがって、車室内Rの左側の領域の内、中央は、車内信号送受信部6aおよび車内信号送受信部6bから送信される妨害電波の影響を受けないが、前方は、車内信号送受信部6aから送信される妨害電波の影響を受け、また、後方は、車内信号送受信部6bから送信される妨害電波の影響を受ける。このため、ステップS26における携帯機300の探索範囲は、図12中の斜線部で示されるような、車室内Rの中央左側の領域に限定される。
【0183】
ステップS27では、車両用制御装置100に対して、携帯機300からの応答があった場合(ステップS27:YES)は、ステップS28へ進み、応答がなかった場合(ステップS27:NO)は、本フローチャートは終了する。
【0184】
ここで、ステップS27において「YES」になる場合とは、携帯機300が車室内Rの中央左側の領域(図12の斜線内領域)にある場合であり、「NO」になる場合とは、車室内Rの中央左側の領域にない場合である。
【0185】
しかしながら、ステップS23において、携帯機300が車室内Rの中央右側にないことが確認されている(ステップS23:NO)。
【0186】
また、図13のステップS5において、携帯機300が車室内Rの前方右側にないことが確認されている(ステップS5:NO)とともに、ステップS9において、携帯機300が車室内Rの前方左側にないことが確認されている(ステップS9:NO)。
【0187】
さらに、図14のステップS15において、携帯機300が車室内Rの後方右側にないことが確認されている(ステップS15:NO)とともに、ステップS19において、携帯機300が車室内Rの後方左側にないことが確認されている(ステップS19:NO)。
【0188】
そこで、車室内Rの前方の探索において、携帯機300からの応答がなく(図13のステップS3:NO)、車室内Rの後方の探索において、携帯機300からの応答がなく(図14のステップS13:NO)、車室内Rの中央の探索において、携帯機300からの応答がない(図15のステップS23:NO、かつステップS27:NO)場合は、車室内Rには、携帯機300がないものと判断して、本フローチャートは終了する。また、車室内Rにおける携帯機300の置き忘れが無いため、前述したように、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠が行われる。
【0189】
しかしながら、上記の場合以外でステップS27において「NO」になること、つまり、携帯機300からの応答が少なくとも1回はあったにも関わらず、当該携帯機300が、車室内Rのどこにもないということが確認されることは、通常起こり得ない。
【0190】
よって、上記のような結果となった場合は、車両用制御装置100側において何らかのエラー(誤作動)が生じたものと判断する。そして、携帯機300の探索を終了すべく、本フローチャートは終了する。
【0191】
ステップS28では、ステップS27における携帯機300からの応答(ステップS27:YES)に基づいて、車室内Rに携帯機300の置き忘れがあると判断するとともに、当該携帯機300の位置を、車室内Rの中央左側と特定する。
【0192】
ここでも、携帯機300の置き忘れがあると判断されることにより、ステップS1での施錠操作に基づく、扉22a〜22dの一斉施錠は禁止される。
【0193】
ステップS29では、室内灯24(図1)のうち、ステップS28で特定された携帯機300の位置(中央左側)に近い室内灯を点灯させる。
【0194】
この場合、ステップS28において、携帯機300の位置は、車室内Rの中央左側と特定されているため、当該領域内ある二列目の座席21dの情報を含む信号が、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して出力される。
【0195】
そして、室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、座席21dのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25b(図4(b)参照)と、当該座席21dの側方(扉22dの内側)に設けられたサイドライト26d、および、下方(床F)に設けられたフットライト27dを点灯させる駆動制御を行い、これらの室内灯24を点灯させる。そして、上述の室内灯24が点灯することにより、本フローチャートは終了する。
【0196】
以上述べたように、上記実施形態によれば、扉22a〜22d(図1)を施錠する操作が行われたときに、車室内Rにおける携帯機300の探索が開始される。携帯機300の探索時には、車内信号送受信部6a〜6dから探索信号や妨害電波を送信して、車室内Rを各領域(図7〜図12の斜線内領域)に分けて探索する(図13のステップS4,S8、図14のS14,S18、図15のS22,S26)。そして、置き忘れた携帯機300の位置が特定された場合は、図16で示したように、当該携帯機300の位置に近い室内灯24を点灯させる(図13のステップS7,S11、図14のS17,S21、図15のS25,S29)。
【0197】
これにより、利用者は、施錠操作後に、室内灯24の点灯状態を確認することで、携帯機300の置き忘れの有無を容易に確認することが出来る。また、利用者は、室内灯24が点灯している場合は、当該室内灯24の点灯位置を確認することで、携帯機300の置き忘れ位置を直感的にかつ容易に確認することが出来る。特に、車両200の車外が暗い状態である時、つまり、携帯機300の発見が困難な車外環境である時は、室内灯24により携帯機300が置かれた位置に近いところが明るくなるため、当該携帯機300をより発見しやすくなる。
【0198】
また、利用者の降車後、つまり、車両200の電源状態が「OFF」の状態においても、携帯機300が車室内Rにあるときは、室内灯駆動制御部12が作動するため、エンジン始動操作部8を再操作して、車両200の電源状態を「ACC(アクセサリ)」または「ON」にする必要がない。よって、利用者の使い勝手が良い。
【0199】
さらに、携帯機300側で、当該携帯機300の位置を報知するための放音や発光等の動作を行わないため、携帯機300での電力の消費量を抑制することが出来、電源部35(電池)の寿命が短くなることを抑制することが出来る。
【0200】
また、上記実施形態によれば、例えば、携帯機300の位置が、車室内Rの前方右側と特定されると、制御部1から室内灯駆動制御部12に対して、携帯機300の位置に近い座席21aの情報を含む信号が出力される。そして、室内灯駆動制御部12は、この信号に基づいて、天井Cに設けられた複数のルームライト25a〜25cの内、座席21aのある列の上方(天井C)に設けられたルームライト25aを点灯させる駆動制御を行い、当該ルームライト25aを点灯させる(図16参照)。
【0201】
これにより、利用者は、天井Cに設けられた複数のルームライト25a〜25cの内で唯一点灯するルームライト25aの位置を確認することにより、携帯機300が置かれた位置を、より特定しやすくなるため、当該携帯機300を容易に発見することが出来る。
【0202】
また、上記実施形態によれば、例えば、携帯機300の位置が、車室内Rの前方右側と特定されると、上述のルームライト25aに加えて、各座席(座席21a〜21f)の側方に設けられた複数のサイドライト26a〜26fの内、座席21aの側方(扉22aの内側)に設けられたサイドライト26aを点灯させるとともに、各座席(座席21a〜21f)の下方に設けられた複数のフットライト27a〜27fの内、座席21aの下方(床F)に設けられたフットライト27aを点灯させる(図16参照)。
【0203】
これにより、携帯機300が置かれた位置に近いところが、点灯する複数の室内灯24(ルームライト25a、サイドライト26a、フットライト27a)により明るくなるため、車両200の車外が暗い状態である時、つまり、携帯機300の発見が困難な車外環境である時は、当該携帯機300をより発見しやすくなる。
【0204】
また、点灯中のサイドライト26a、フットライト27aに対応する座席が、座席21aであることから、携帯機300が置かれた場所(領域)が、車室内Rの右側前方の領域(図7の斜線内領域)であることがすぐにわかる。このため、当該携帯機300を、より狭い範囲から、より簡単に発見することが出来る。
【0205】
また、サイドライト26aを座席21aの側方(扉22aの内側)に設けることで、当該サイドライト26aの灯りが、探索者(利用者)の体で遮られることを予防することも出来る。
【0206】
さらに、携帯機300が置かれた位置が、座席21aの下方である場合に、当該座席21aの下を、床Fに設けられたフットライト27aによって、より明るくすることが出来る。このため、車両200の車外が暗い状態である時、つまり、携帯機300の発見が困難な車外環境である時は、当該携帯機300をより発見しやすくなる。
【0207】
ここで、上記実施形態の第1の変形例として、例えば、各座席(座席21a〜21f)ごとに対応して、室内灯24を、天井Cに設けてもよい。そして、これらのルームライトの中から、携帯機300の位置に最も近いルームライトのみを、室内灯駆動制御部12により点灯させるようにしてもよい。
【0208】
これにより、点灯中のルームライトに対応する座席の位置を確認することで、携帯機300が置かれた場所(領域)を、より狭い範囲で特定することが出来るため、当該携帯機300をより簡単に発見することが出来る。
【0209】
また、上記実施形態の第2の変形例として、例えば、携帯機300の位置に近い室内灯24の点灯(図13のステップS7,S11、図14のS17,S21、図15のS25,S29)の時点から、計時部10による計時を開始し、室内灯駆動制御部12は、計時部10による計時時間が所定の時間を経過した場合に、点灯中の室内灯24を消灯させるようにしてもよい。
【0210】
これにより、利用者が、携帯機300の置き忘れに気付かないまま車両200から離れてしまった場合でも、点灯した室内灯24を、所定時間後に消灯することで、車室内Rにおける携帯機300の置き忘れを外部から察知されることを防止することが出来る。つまり、車両200の盗難防止につながる。また、点灯した室内灯24を所定時間後に消灯することにより、電力の無駄な消費(バッテリ上がり)を防止することが出来る。
【0211】
また、上記実施形態の第3の変形例として、例えば、携帯機300の位置を、車室内Rの各領域の中から特定した後、利用者によって、施錠操作部2aまたは施錠操作部2bが操作された場合にのみ、携帯機300の位置に近い室内灯24を点灯させるようにしてもよい。
【0212】
これにより、利用者が、携帯機300の置き忘れに気付かないまま車両200から離れてしまった場合に、室内灯24の点灯により携帯機300の置き忘れを外部から察知されることを防止することが出来る。つまり、車両200の盗難防止につながる。また、利用者が車両200に戻り、再び、施錠操作部2aまたは施錠操作部2bを操作した場合は、携帯機300の位置に近い室内灯24が点灯されるため、当該携帯機300の置き忘れを利用者に報知することが出来る。
【0213】
さらに、上記実施形態の第4の変形例として、例えば、携帯機300の位置を、車室内Rの各領域の中から特定した後、開閉検出部5a〜5dの内の少なくとも1つで、対応する扉(扉22a〜22d)が開かれたことが検出された場合にのみ、携帯機300の位置に近い室内灯24を点灯させるようにしてもよい。
【0214】
これにより、利用者が、携帯機300の置き忘れに気付かないまま車両200から離れてしまった場合に、室内灯24の点灯により携帯機300の置き忘れを外部から察知されることを防止することが出来る。つまり、車両200の盗難防止につながる。また、利用者が車両200に戻り、再び、扉22a〜22dの内の少なくとも1つを開けた場合は、携帯機300の位置に近い室内灯24が点灯されるため、当該携帯機300の置き忘れを利用者に報知することが出来る。
【0215】
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することが出来る。例えば、上記実施形態においては、車両用制御装置100を、3列6座席の車両200に適用したが、これに限られず、2列4座席の車両や、4列8座席の車両など、1列あたりの座席数や、1車両あたりの座席列を問わず適用することが出来る。
【0216】
また、上記実施形態では、最初から車両内の領域ごとに携帯機の探索を実施したが、まず車両内全体で携帯機の置き忘れの有無を探索し、携帯機が検知された場合に、車両内の領域ごとに携帯機の探索を行うようにしてもよい。
【0217】
また、上記実施形態では、車内信号送受信部6a〜6dから探索信号と妨害電波を送信して、車室内Rを各領域に分けて探索したが(図7〜図12)、車内信号送受信部6a〜6dのアンテナの指向性を、各領域に合わせて設定することにより、妨害電波を送信せずに、探索信号のみによって携帯機300の探索を行ってもよい。
【0218】
さらに、上記実施形態では、車内信号送受信部6a〜6dから探索信号を送信して、車室内Rに置き忘れた携帯機300の位置を検出したが、当該携帯機300の位置の検出手段は、上記に限定されない。例えば、車内信号送受信部6a〜6dに代えて、携帯機300にGPS(Global Positioning System)発信機を備えるとともに、車両用制御装置100にGPS発信機およびGPS受信機を備えてもよい。そして、車両用制御装置100側で、当該車両用制御装置100の位置情報と、携帯機300の位置情報を受信するとともに、受信した2つの位置情報に基づいて、車室内Rにおける携帯機300の位置を検出してもよい。
【符号の説明】
【0219】
1 制御部
2a〜2d 施錠操作部
6a〜6d 車内信号送受信部
10 計時部
12 室内灯駆動制御部
21a〜21f 座席
22a〜22d 扉
24 室内灯
100 車両用制御装置
200 車両
300 携帯機
R 車両の室内
C 天井
F 床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される制御装置であって、携帯機と通信を行い、当該携帯機との通信内容に応じて所定の制御を行う車両用制御装置において、
前記車両の扉の施錠または解錠を行うための操作手段と、
前記操作手段により施錠操作が行われた場合に、前記車両の室内に置き忘れた前記携帯機の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、前記車両の室内に設けられた複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に近い室内灯を点灯させる室内灯制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記室内灯制御手段は、前記複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記室内灯制御手段は、
前記複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に近い室内灯を複数点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記複数の室内灯は、前記車両の室内に配置された複数の座席の各列に対応して、当該各列の上方に設けられ、
前記室内灯制御手段は、前記位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、前記各列の上方に設けられた前記複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記複数の室内灯は、前記車両の室内に配置された複数の座席のそれぞれに対応して、当該各座席の上方に設けられ、
前記室内灯制御手段は、前記位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、前記各座席の上方に設けられた前記複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記複数の室内灯は、前記車両の室内に配置された複数の座席のそれぞれに対応して、当該各座席の側方に設けられ、
前記室内灯制御手段は、前記位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、前記各座席の側方に設けられた前記複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の車両用制御装置において、
前記複数の室内灯は、前記車両の室内に配置された複数の座席のそれぞれに対応して、当該各座席の下方に設けられ、
前記室内灯制御手段は、前記位置検出手段が検出した位置の情報に基づいて、前記各座席の下方に設けられた前記複数の室内灯の内、前記携帯機の位置に最も近い室内灯のみを点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の車両用制御装置において、
計時手段をさらに設け、
前記計時手段は、
前記室内灯制御手段による前記室内灯の点灯に基づいて計時を開始し、
前記室内灯制御手段は、前記計時手段による計時時間が、所定の時間を経過した場合に、点灯中の前記室内灯を消灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記室内灯制御手段は、前記位置検出手段が前記携帯機の位置を検出した後に、前記操作手段の操作が行われた場合にのみ、前記室内灯を点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の車両用制御装置において、
前記車両の扉の開閉を検出する開閉検出手段をさらに備え、
前記室内灯制御手段は、前記位置検出手段が前記携帯機の位置を検出した後に、前記開閉検出手段により車両の扉が開いたことが検出された場合にのみ、前記室内灯を点灯させる、
ことを特徴とする車両用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−215036(P2012−215036A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81612(P2011−81612)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(510123839)オムロンオートモーティブエレクトロニクス株式会社 (110)
【Fターム(参考)】