説明

車両用情報提供装置

【課題】 利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置を提供する。
【解決手段】 複数の指針式表示部D1と、各指針式表示部D1の前方に配設され各指針式表示部D1を区分けして露出する第1,第2,第3の開口部105a,105b,105cが形成された被覆部材105と、各開口部105a,105b,105cをそれぞれ覆う第1,第2,第3の透視パネル106,107,108と、利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段220とを備え、聴覚情報提供手段220は第2の透視パネル107と当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて第2の透視パネル107を駆動させる第1のエキサイタ223aと、第3の透視パネル108と当接するように配設され、前記聴覚情報とは異なる他の聴覚情報に応じて第3の透視パネル108を駆動させる第2のエキサイタ223bと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、聴覚情報提供手段を用いて利用者に各種情報を提供する車両用情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の聴覚情報提供手段を備えた車両用情報提供装置にあっては、例えば車両用計器内に搭載された指針式表示部からなる表示手段の背後に位置する回路基板の裏面に聴覚情報提供手段である警報用のブザーを取り付け、ドライバー(利用者)がシートベルトを装着していない場合には前記ブザーを鳴らし、前記ブザーの警報(吹鳴)音は前記回路基板の背後を覆うカバーに設けた複数のスリット(孔)を通って前記車両用計器の背後へ伝えられ、その後、前記車両用計器を収納するインパネ内部で反射を繰り返して前記利用者側に伝わるようになっていた。具体的には、前記警報音は前記車両用計器と前記インパネとの隙間から漏れた音あるいは前記インパネ内部に設けられた別の隙間を通り前記利用者の足下等から漏れた音として前記利用者に伝わる構成であった(例えば下記特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第3094073号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用情報提供装置の場合、車両用計器の背後へ伝えられるブザー音(警報音)は、前記車両用計器と前記インパネの隙間で反射を繰り返すため、前記車両用計器と前記インパネの形状に応じて前記ブザー音の伝わり方が変わっていた。この結果、前記車両用計器から同じブザー音を発しても、前記利用者には車種により異なる音圧、音質として聞こえていた。また、前記利用者には、元来、前記ブザーが持っている音に対して劣化(変質)した音(前記警報音)が必然的に伝わることから、前記警報音の音圧が不足してしまう、もしくは前記警報音の音質が悪化してしまう。さらに前記車種によって音圧、音質等の音響特性が異なるという問題があり、車両用情報提供装置における聴覚情報提供手段の更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に前記所定情報を表示するための複数の表示部を有する表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記複数の表示部を区分けして露出する複数の開口部が形成された被覆部材と、前記複数の開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記複数の開口部をそれぞれ覆う複数の透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は前記複数の透視パネルのうち少なくとも2つの透視パネルとそれぞれ当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記少なくとも2つの透視パネルを同時に駆動させる複数の駆動手段を備えてなることを特徴とする。
【0005】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に前記所定情報を表示するための複数の表示部を有する表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記複数の表示部を区分けして露出する複数の開口部が形成された被覆部材と、前記複数の開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記複数の開口部をそれぞれ覆う複数の透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は前記複数の透視パネルのうち所定の透視パネルと当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記所定の透視パネルを駆動させる第1の駆動手段と、前記所定の透視パネルとは異なる他の透視パネルと当接するように配設され、前記聴覚情報とは異なる他の聴覚情報に応じて前記他の透視パネルを駆動させる第2の駆動手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0006】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記表示手段を露出する開口部が形成された被覆部材と、前記開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記開口部を覆う透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は前記透視パネルとそれぞれ当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記透視パネルを同時に駆動させる複数の駆動手段を備えてなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記表示手段を露出する開口部が形成された被覆部材と、前記開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記開口部を覆う透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記聴覚情報提供手段は前記透視パネルの所定箇所と当接するように配設され、前記透視パネルを駆動させる第1の駆動手段と、前記所定箇所とは異なる前記透視パネルの他の箇所と当接するように配設され、前記透視パネルを駆動させる第2の駆動手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記表示手段を露出する開口部が形成された被覆部材と、前記開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記開口部を覆う透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、前記透視パネルが少なくとも1つの所定の肉薄部を境界として複数の透視部を有するように区画されており、前記聴覚情報提供手段は前記複数の透視部のうち所定の透視部と当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記所定の透視部を駆動させる第1の駆動手段と、前記所定の透視部とは異なる他の透視部と当接するように配設され、前記聴覚情報とは異なる他の聴覚情報に応じて前記他の透視部を駆動させる第2の駆動手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記複数の表示部は、背後からの光により発光表示される少なくとも1つの発光表示部をそれぞれ備えており、前記聴覚情報提供手段は前記聴覚情報に応じて前記複数の発光表示部のうち所定の発光表示部が発光した際、前記所定の発光表示部に対応する前記透視パネルを前記駆動手段により駆動させてなることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記表示手段は、背後からの光により発光表示される複数の発光表示部を備えており、前記聴覚情報提供手段は前記聴覚情報に応じて前記複数の発光表示部のうち所定の発光表示部が発光した際、前記所定の発光表示部に対応する前記透視部を前記駆動手段により駆動させてなることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記駆動手段は、前記透視パネルの前面または背面に当接するエキサイタからなることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記駆動手段は、前記透視部の前面または背面に当接するエキサイタからなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記表示部または前記表示手段は、線状に延びる指示部を有する指針と前記指示部によって指示される指標部を有する指標板とを備えた指針式表示部からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、利用者に対する聴覚情報提供手段の音響特性を良好にすることが可能な車両用情報提供装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1実施形態)以下、添付図面に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。
【0016】
図1は、本第1実施形態における車両用情報提供装置の一例の概観図を示すもので、車両用情報提供装置100は、第1,第2の表示手段D1,D2、並びに報知部(発光表示部)D3を備えた車両用メータからなる。
【0017】
第1の表示手段(表示手段)D1は、例えば後述する指針と指標板とを備えた指針式表示部(表示部)からなり、図1中、車両用情報提供装置100の中央に配設された速度計からなる第1の指針式表示部101と、この第1の指針式表示部101の左方に配設された回転計からなる第2の指針式表示部102と、第1の指針式表示部101の右方に配設された燃料計からなる第3の指針式表示部103並びに温度計からなる第4の指針式表示部104とから構成される。なお、第1の表示手段D1は、指針式表示部ではなく、デジタル表示部であってもよく、この場合、後述する第2の表示手段D2は不要である。
【0018】
なお、105は、各指針式表示部101,102,103,104を区分けするように各指針式表示部101,102,103,104上に載置された見返し部材(被覆部材)であり、この見返し部材105は、第1の指針式表示部101の可視領域を定める略円形の窓部からなる第1の開口部105aと、第2の指針式表示部102の可視領域を定める略円形の窓部からなる第2の開口部105bと、第3,第4の指針式表示部103,104の可視領域を定める略円形の窓部からなる第3の開口部105cとを備えている。そして、各開口部105a,105b,105cには、略円板状の第1,第2,第3の透視パネル106,107,108がそれぞれ嵌め込まれている。
【0019】
第2の表示手段D2は、TFT等の液晶表示パネルや有機ELパネル等のマルチディスプレイからなり、この場合、第1の指針式表示部101(第1の指針式表示部101における前記指標板)の中央下方に形成された矩形状の開口窓部109から臨むように配設され、各種情報の表示を行うものである。
【0020】
また報知部D3は、車両の運転状態を報知するハイビーム表示110やシートベルト未着用警告表示120、残燃料警告表示130からなり、各指針式表示部101,102,103における前記指標板の所定箇所に各々形成され、具体的には、ハイビーム表示110が、第1の指針式表示部101における前記指標板の所定箇所に設けられ、シートベルト未着用警報表示120が、第2の指針式表示部102における前記指標板の所定箇所に設けられ、残燃料警告表示130が、第3の指針式表示部103における前記指標板の所定箇所に設けられている。つまり、各報知部D3は、各透視パネル106,107,108の背後にそれぞれ位置している構成であるため、運転者(利用者)は、後述する各報知用光源(各光源)の点灯時に発光表示される各報知部D3を各透視パネル106,107,108を通じて視認することができる。なお、この場合、異種の複数個の報知部D3が、透視パネル106,107,108のうち少なくとも1つの透視パネルを通じて各々視認される構成としてもよい。。
【0021】
ハイビーム表示110は、図示しない操作レバーの所定操作入力によって、ハイビーム表示110の直下に位置するチップ型発光ダイオード(LED)からなる図示しない第1の報知用光源が点灯することで発光表示される発光表示体であり、前記利用者に対して車両のフロントライトが上向き発光状態であることを報知するものである。
【0022】
シートベルト未着用警報表示120は、シートベルトバックルにシートベルトの固定金具が着用されていない場合、シートベルト未着用警報表示120の直下に位置するチップ型発光ダイオードからなる図示しない第2の報知用光源が点灯することで発光表示される発光表示体であり、前記利用者に対して前記シートベルトバックルに前記シートベルトの固定金具が着用されていない状態、つまり前記シートベルトが未着用(未装着)状態であることを報知するものである。
【0023】
また残燃料警告表示130は、図示しない燃料タンク内の燃料残量が所定値(所定量)以下となることで、残燃料警告表示130の直下に位置するチップ型発光ダイオードからなる図示しない第3の報知用光源が点灯することで発光表示される発光表示体であり、前記利用者に対して燃料残量が所定量以下であることを報知し、燃料の給油を警告するものである。なお、本実施形態の場合、各表示手段D1における前記指標板の表面は、第2の表示手段D2並びに報知部D3の表示面と略同一面となるように設定されている。
【0024】
図2は、図1の車両用情報提供装置100のブロック図である。その構成としては、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211と、車両インターフェース(車両I/F)手段201と、車両用情報提供装置100の制御を行う制御手段202と、処理プログラムを格納するROM等からなる記憶手段203と、第2の表示手段D2や報知部D3の表示制御及び各指針式表示部101,102,103の駆動制御を行う駆動部204と、前記各種情報の聴覚的表示を行う聴覚情報提供手段220とを有している。
【0025】
また、聴覚情報提供手段220の構成としては、音/音声を再生する音/音声合成手段221と、この音/音声合成手段221からの出力信号(音/音声出力信号)を増幅するアンプ222と、このアンプ222からの増幅信号を出力するエキサイタ(駆動手段)223とを有している。この場合、エキサイタ223は、2個用いられ、第1のエキサイタ(第1の駆動手段)223aと第2のエキサイタ(第2の駆動手段)223bとを備え、第1のエキサイタ223aは、第2の指針式表示部102の中央下方に配設され、第2のエキサイタ223bは、第3の指針式表示部103の中央下方に配設されている(図1参照)。
【0026】
アンプ222と第1のエキサイタ223a並びにアンプ222と第2のエキサイタ223bとは、第1,第2の接続部材224,225を通じて各々接続される。第1の接続部材224は、アンプ222側となる雌型コネクタ224aと、第1のエキサイタ223aの末端部に設けた雄型コネクタ224bとで構成され、雄型コネクタ224bを雌型コネクタ224aに装着することで第1のエキサイタ223aが第1の接続部材224を介してアンプ222と接続される。また、第2の接続部材225は、アンプ222側となる雌型コネクタ225aと、第2のエキサイタ223bの末端部に設けた雄型コネクタ225bとで構成され、雄型コネクタ225bを雌型コネクタ225aに装着することで第2のエキサイタ223bが第2の接続部材225を介してアンプ222と接続される。
【0027】
また、エキサイタ223は、本実施形態の場合、後述するマグネット及び内部ヨークを収納する収納部を有する略円筒カップ型の外部ヨークと前記収納部内における底部側内壁面に順次載置される円板状のマグネット及び内部ヨークとを備え前記内部,外部ヨーク間に磁気ギャップを形成する磁気回路と、この磁気回路の前記磁気ギャップ内を振動するボイスコイルと、前記磁気回路上に配設され前記ボイスコイルに生じる駆動力によって上下に振動する振動体と、これら各部を収納する枠体とから主に構成されている。そして、かかるエキサイタ223は、前記ボイスコイルに印加される聴覚情報である電気信号の振幅と位相に応じて前記振動体が上下に振動し、この振動により後述する透視パネルを撓み振動させる駆動部としての機能を有している。
【0028】
図3は、図1中、A−A線に沿った車両用情報提供装置100(第2の指針式表示部102)の断面図を示しており、かかる第2の指針式表示部102は、回路基板301と、この回路基板301に導通装着され回転軸302が前方に延びる駆動装置303と、回転軸302にて回転駆動される指針304と、この指針304の背後に位置して回路基板301上に配設される指標板305と、この指標板305の可視領域を定める見返し部材105と、この見返し部材105の前方側に配置される第2の透視パネル107とから構成される。
【0029】
回路基板301は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質回路基板からなり、聴覚情報提供手段220を制御する制御手段202と、駆動装置303を駆動・制御する駆動部204と、音/音声合成手段221と、アンプ222と、第1のエキサイタ223aと接続されることで第1のエキサイタ223aに駆動用信号を供給するための雌型コネクタ224aと、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)とが前記配線パターンに導通接続されている。なお、雌型コネクタ224aは、回路基板301の背面に搭載されている。
【0030】
駆動装置303は、可動磁石式計器またはステッピングモータからなり、回転軸302が回路基板301を貫通するように、その主要部が回路基板301の背後に装着され、且つ半田付け等の適宜導通手段により前記配線パターン(駆動部204)に電気接続される。
【0031】
指針304は、合成樹脂からなり、指標板305の後述する指標部を指示するように線状に延びる指示部304aと、この指示部304aの回転中心部を覆うカバー(指針キャップ)304bとを備えている。
【0032】
指標板305は、PC等の合成樹脂からなり、略薄板状に形成され、その表面には指示部304aの指示する目盛,数字等からなる指標部305aが形成され、この場合、指標部305aは指針304の回転軌道に沿って略円弧状に配列されている。なお、指標板305の所定箇所には、車両の利用者がシートベルトを装着していないときに発光表示されるシートベルト未着用警報表示120が施されている。
【0033】
見返し部材105は、例えば黒色の合成樹脂からなり、指標板305の前方に配設され、指針304、指標板305の指標部305aを前記利用者に露出する第2の開口部105bと、この第2の開口部105bを取り巻くように第2の透視パネル107側に延びる壁部105dとを備えている。
【0034】
そして、この壁部105dの上端部側(第2の透視パネル107側)には、第2の透視パネル107の外縁部を覆い隠すような略円環状の鍔部105eが内側に延設され、この鍔部105e背面と第2の透視パネル107の前記外縁部との間に、クッション材やスペーサ等をはじめとする弾性変形可能な(つまり柔軟性を有する)材料からなる略円環状の緩衝部材400を介在させている。この場合、緩衝部材400は、鍔部105eの背面に沿うように配設されることから、前記利用者からは緩衝部材400が直接、視認されないようになっている。なお、緩衝部材400と鍔部105e、緩衝部材400と前記外縁部は、ともに両面テープ等の貼付手段により固着されている。
【0035】
第2の透視パネル107は、略平板状の透光性合成樹脂からなり、その前記外縁部が、見返し部材105における鍔部105eの背面に沿うように配設される緩衝部材400と固着されることで、見返し部材105の第2の開口部105bを塞ぐように見返し部材105の壁部105dによって保持されている。これにより前記利用者は、第2の透視パネル107を通じて、指針304並びに指標部305aやシートベルト未着用警報表示120(前記第2の報知用光源点灯時のみ)を含む指標板305を視認(透視)することができる。
【0036】
そして、かかる第2の透視パネル107の背面、すなわち、図1中、第2の指針式表示部102の中央下方側に対応する第2の透視パネル107の背面箇所に第1のエキサイタ223aが固定されている。ここでは、第1のエキサイタ223a(前記振動体表面)と第2の透視パネル107背面とが、両面テープ等の貼付手段を用いて固着(固定)されているため、前記電気信号の振幅と位相に応じた前記振動体の上下振動が、第2の透視パネル107に対し撓み振動として直接、伝達される。なお、401,402は、第1のエキサイタ223aの前記ボイスコイル両端部にそれぞれ電気的に接続された一対の電気コード(信号線)であり、各電気コード401,402の末端部は、雄型コネクタ224bに挿入固定されている。
【0037】
また本実施形態では、第2の透視パネル107と見返し部材105の鍔部105eとの間に緩衝部材400を介在させたことにより、前記振動体の上下振動に伴う透視パネル307の撓み振動量が制約されるのを防止できるようになっている。つまり、第2の透視パネル107と見返し部材105(鍔部105e)とが、弾性変形可能な緩衝部材400を介して間接的に接合されていることで、第2の透視パネル107の撓み振動に連動して緩衝部材400が変形(弾性変形)するので、第2の透視パネル107の前記撓み振動量が見返し部材105によって制約されない構成となり、これにより第2の透視パネル107の前記撓み振動量に遊び(余裕)を持たせることができる。
【0038】
以上の各部により、車両用情報提供装置100における第2の指針式表示部102が構成されている。なお、第2のエキサイタ223bが配設される第3の指針式表示部103の構成は、前述した第2の指針式表示部102の構成と略同一であり、かかる第3の指針式表示部103では、図1に示すように第2のエキサイタ223bが第3の透視パネル108の背面に固定され、さらに第3の透視パネル108の背後に残燃料警告表示130が位置している構成となっている。また、かかる車両用情報提供装置100は、図2に示すように多重通信ライン230を介して走行制御装置231と操作手段232とに接続される。
【0039】
次に、車両用情報提供装置100の動作について説明する。制御手段202は、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211から、走行制御(オートクルーズ、レーンキープ)に関する車両状態、アラーム情報、及びオートクルーズ、レーンキープの操作に関する情報を入手し、この情報に基づいてオートクルーズ、レーンキープに関する車両状態報知、アラーム出力、及びオートクルーズ、レーンキープの操作に関するガイダンス、アンサーバックを、聴覚情報提供手段220の各エキサイタ223a,223bを介して効果音と音声(と第2の表示手段D2並びに報知部D3の表示)で行う。
【0040】
ここで、前記アラーム情報を例に挙げて制御手段202の入力時の動作について説明する。制御手段202は、車両情報の入出力を行う車両情報端子210及び多重通信入出力端子211から車両に関する情報を入手し、この情報に基づいて警告の発生条件があるか否か判定する。ここで警告の発生条件を検出すると警告情報を聴覚情報提供手段220で効果音と音声とで報知するとともに、前記警告情報に関係する表示形態を報知部D3、あるいは報知部D3と第2の表示手段D2によって表示する。
【0041】
図4は、その具体例を示すものであり、制御手段202は、前記シートベルトが未着用であることを示す検出信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して入力されると、効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」を出力するように聴覚情報提供手段220を制御する。このとき、聴覚情報提供手段220の第1のエキサイタ223aにおける前記振動体の上下振動が第2の透視パネル107に直接、伝達される構成となるため、前記利用者は、第2の透視パネル107の撓み振動により生じる音(前記効果音及び前記音声)を、あたかも第2の透視パネル107全体から発せられる音(聴覚情報)のように感じ取ることができる。
【0042】
これと同時に、制御手段202は、前記検出信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して入力されると、前記第2の報知用光源を点灯させるための制御信号を出力する。この制御信号を受信した駆動部204が、前記第2の報知用光源を点灯動作させる駆動信号を出力し、これにより前記第2の報知用光源が点灯し、シートベルト未着用警報表示120が第2の透視パネル107のエリア内で発光表示される。従って、前記エリア内におけるシートベルト未着用警報表示120の発光表示状態(つまり、視覚情報)が、第2の透視パネル107における前記撓み振動により生じる前記効果音及び前記音声(つまり、聴覚情報)によって強調されて、前記利用者に報知されることから、前記利用者は、シートベルト未着用警報表示120の発光表示状態を容易に認識することができる。さらに、シンボルマークであるシートベルト未着用警報表示120の発光表示と、前記効果音及び前記音声に加えて、例えば「シートベルトを着用してください」なる警告表示を第2の表示手段D2に表示させることで、前記利用者は、シートベルト未着用警報表示120の発光表示状態をより確実に認識することができる。なお、場合によっては、第2の表示手段D2の表示と第1のエキサイタ223aの駆動、あるいは第1のエキサイタ223aの駆動のみでシートベルト未着用警報を前記利用者に報知してもよい。
【0043】
また図5は、他の具体例を示すものであり、制御手段202は、前記燃料残量が所定量以下であることを示す検出信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して入力されると、効果音「ポンポーン」の後、音声にて「燃料を給油してください」を出力するように聴覚情報提供手段220を制御する。このとき、聴覚情報提供手段220の第2のエキサイタ223bにおける前記振動体の上下振動が第3の透視パネル108に直接、伝達される構成となるため、前記利用者は、第3の透視パネル108の撓み振動により生じる音(前記効果音及び前記音声)を、あたかも第3の透視パネル108全体から発せられる音(聴覚情報)のように感じ取ることができる。
【0044】
これと同時に、制御手段202は、前記検出信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して入力されると、前記第3の報知用光源を点灯させるための制御信号を出力する。この制御信号を受信した駆動部204が、前記第3の報知用光源を点灯動作させる駆動信号を出力し、これにより前記第3の報知用光源が点灯し、残燃料警告表示130が第3の透視パネル108の領域内で発光表示される。従って、前記領域内における残燃料警告表示130の発光表示状態(つまり、視覚情報)が、第3の透視パネル108における前記撓み振動により生じる前記効果音及び前記音声(つまり、聴覚情報)によって強調されて、前記利用者に報知されることから、前記利用者は、残燃料警告表示130の発光表示状態を容易に認識することができる。さらに、シンボルマークである残燃料警告表示130の発光表示と、前記効果音及び前記音声に加えて、例えば「燃料を給油してください」なる警告表示を第2の表示手段D2に表示させることで、前記利用者は、残燃料警告表示130の発光表示状態をより確実に認識することができる。なお、場合によっては、第2の表示手段D2の表示(「燃料を給油してください」なる表示)と第2のエキサイタ223bの駆動、あるいは第2のエキサイタ223bの駆動のみで燃料給油警告を前記利用者に報知してもよい。
【0045】
なお、制御手段202は、シートベルトの未着用に伴う検出信号並びに燃料残量の微量に伴う検出信号が車両情報端子210または多重通信入出力端子211を介して同時に入力された場合、第2の透視パネル107の撓み振動により生じる音(つまり、効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」なる聴覚情報)と、第3の透視パネル108の撓み振動により生じる音(つまり、効果音「ポンポーン」の後、音声にて「燃料を給油してください」なる聴覚情報)とを交互に出力するような制御を行う。この際、シートベルト未着用警報表示120並びに残燃料警告表示130は、ともに発光状態が維持されているものとする。
【0046】
以上のように本実施形態では、前記利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置100であって、複数の指針式表示部D1と、各指針式表示部D1の前方に配設され各指針式表示部D1を区分けして露出する第1,第2,第3の開口部105a,105b,105cが形成された被覆部材105と、各開口部105a,105b,105cをそれぞれ覆う第1,第2,第3の透視パネル106,107,108と、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段220とを備え、聴覚情報提供手段220は第2の透視パネル107と当接するように配設され、前記聴覚情報(例えば警告情報)に応じて第2の透視パネル107を駆動させる第1のエキサイタ223aと、第3の透視パネル108と当接するように配設され、前記聴覚情報とは異なる他の聴覚情報(他の警告情報)に応じて第3の透視パネル108を駆動させる第2のエキサイタ223bと、を備えてなるものである。
【0047】
従って、第2の透視パネル107を通じて視認可能なシートベルト未着用警報表示120の発光表示状態(警告表示)が、第2の透視パネル107から発せられる音によって強調されて、前記利用者に報知されることから、前記利用者は、シートベルト未着用警報表示120の点灯による警告表示を瞬時に認識することができる。また、第3の透視パネル108を通じて視認可能な残燃料警告表示130の発光表示状態(警告表示)が、第3の透視パネル108から発せられる音によって強調されて、前記利用者に報知されることから、前記利用者は、残燃料警告表示130の点灯による警告表示を瞬時に認識することができる。また、この場合、第1,第2のエキサイタ223a,223bにおける前記振動体の上下振動がダイレクトに各透視パネル107,108に伝達するので、各透視パネル107,108の発する音が劣化することなく前記利用者に聴覚情報として与えられ、これにより音響特性の良好な車両用情報提供装置を提供することができる。
【0048】
また本実施形態では、車両用情報提供装置100の両側に配設される第2,第3の指針式表示部102,103に対し、第2の指針式表示部102にシートベルト未着用警報表示120を配設するとともに第2の指針式表示部102を覆う第2の透視パネル107背面に第1のエキサイタ223aを固定し、第1のエキサイタ223aの駆動によりシートベルト未着用に関する警報音を出力する構成とし、さらに第3の指針式表示部103に残燃料警告表示130を配設するとともに第3の指針式表示部103を覆う第3の透視パネル108背面に第2のエキサイタ223bを固定し、第2のエキサイタ223bの駆動により燃料給油に関する警報音を出力する構成としたことで、各透視パネル107,108から個別に発せられる音(例えば警告情報)の分離特性を向上させることができる。なお本実施形態の変形例として、車両用情報提供装置100の左右に位置する各透視パネル107,108から同一の前記効果音及び前記音声(例えば、効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」なる聴覚情報)を出力すると同時に、「シートベルトを着用してください」なる警告表示を第2の表示手段D2に表示させるように構成してもよく、このように構成することで、前記利用者は、前記効果音及び前記音声があたかも車両用情報提供装置100の中央部に位置する第2の表示手段D2から発せられているかのように感じるため、第2の表示手段D2の表示内容を容易に把握することができる。
【0049】
また本実施形態では、略環状の緩衝部材400の表裏に両面テープ等を貼り付けて、この両面テープ付きの緩衝部材400を見返し部材105と第2の透視パネル107との間に介在させた例について説明したが、例えば緩衝部材400に両面テープを施すのではなく、略環状からなる緩衝部材400の内壁面に略円板状の第2の透視パネル107の外縁部を固定するための環状溝部を施し、かかる環状溝部に第2の透視パネル107を固定した緩衝部材400を、鍔部105eと鍔部105eとは所定間隔を隔てて壁部105dの内壁面から内側に延設される3つ以上の突起部(例えば前記内壁面に沿って等間隔に形成される4つの突起片)とで狭持する構成を採用してもよい。
【0050】
なお本実施形態では、シートベルト未着用警報表示120、残燃料警告表示130が配設される第2,第3の指針式表示部102,103に第1,第2のエキサイタ223a,223bを各々固定した場合について説明したが、例えば第2,第3の指針式表示部102,103に加えて、ハイビーム表示110が配設される第1の指針式表示部101の構成部品である第1の透視パネル106の背面にもエキサイタを固定してもよい。この場合、第1の透視パネル106と見返し部材105との間には、緩衝部材が配設されることになる。
【0051】
(第2実施形態)次に、図6,図7を用いて、本発明の第2実施形態を説明するが、前述した第1実施形態と同一もしくは相当個所には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。図6は、本第2実施形態における車両用情報提供装置500の一例の概観図を示し、図7は図6中、B−B断面図を示している。
【0052】
この第2実施形態が前記第1実施形態と比べて異なる点は、第1の指針式表示部101の可視領域を定める第1の開口部105aと、第2の指針式表示部102の可視領域を定める第2の開口部105bと、第3,第4の指針式表示部103,104の可視領域を定める第3の開口部105cとを有する見返し部材105上に単一の透視パネル510を載置し、この単一の透視パネル510の背面略中央部において、図6中、縦方向(透視パネル510の長手方向とは直交する方向)に沿ってライン状の溝部(凹部)からなる肉薄部511を設け、透視パネル510が、肉薄部511を境界として肉薄部511の左側に位置する第1の透視部512と肉薄部511の右側に位置する第2の透視部513とを備えるように区画され、このように均等に区画された第1,第2の透視部512,513に対し、第1の透視部512に前記第1実施形態にて採用した第1のエキサイタ223aを当接させ、第2の透視部513に前記第1実施形態にて採用した第2のエキサイタ223bを当接させた点である。
【0053】
この場合、透視パネル510は、見返し部材105の各開口部105a,105b,105cを覆うように見返し部材105の外縁部に設けた略枠状の支持部105fによって支持(保持)されており、第1,第2の表示手段D1,D2、並びに表示手段D1に備えられた報知部D3を前記利用者に透視(視認)可能に構成されている。そして、かかる透視パネル510における第1の透視部512の背面に第1のエキサイタ223aを固着し、第2の透視部513の背面に第2のエキサイタ223bを固着している。具体的には、第1のエキサイタ223aは、その前記振動体表面が、図6,図7において、第1の透視部512の上方側における透視パネル510の背面適宜箇所と両面テープ等の貼付手段を介して固定され、また第2のエキサイタ223bは、その前記振動体表面が、第2の透視部513の上方側における透視パネル510の背面箇所に両面テープ等の貼付手段を介して固定されている。
【0054】
従って、シートベルトが非着用であるときには、前記第1実施形態と同様に、シートベルト未着用警報表示120の点灯と同時に、第1のエキサイタ223aの駆動により第1の透視部512全体から例えば効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」なる警告音が出力され、さらに前記燃料残量が所定量以下であるときには、残燃料警告表示130の点灯と同時に、第2の透視部513に固定された第2のエキサイタ223bの駆動により第2の透視部513全体から例えば効果音「ポンポーン」の後、音声にて「燃料を給油してください」なる警告音が出力されるため、前記利用者は、シートベルト未着用警報表示120または残燃料警告表示130の点灯に伴う各種警告表示を瞬時に認識することができ、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
また本第2実施形態では、第1の透視部512と第2の透視部513とが、肉薄部511を介して連結される構成となっているため、第1のエキサイタ223aにおける振動体の上下振動により撓み振動する第1の透視部512の振動が、隣接する第2の透視部513側に伝わりにくくなっているとともに、同様に第2のエキサイタ223bにおける振動体の上下振動により撓み振動する第2の透視部513の振動が、第1の透視部512側に伝わりにくくなっており、これにより利用者はこれらの効果音や音声を個々の透視部を通じて独立した音として聞き取ることができるため、音の分離特性の良好な車両用情報提供装置を提供することができる。なお本第2実施形態の変形例として、車両用情報提供装置500(透視パネル510)の左右に位置する各透視部512,513から同一の前記効果音及び前記音声(例えば、効果音「ポーン」の後、音声にて「シートベルトを着用してください」なる聴覚情報)を出力すると同時に、「シートベルトを着用してください」なる警告表示を第2の表示手段D2に表示させるように構成してもよく、このように構成することで、前記利用者は、前記効果音及び前記音声があたかも車両用情報提供装置500の中央部に位置する第2の表示手段D2から発せられているかのように感じるため、第2の表示手段D2の表示内容を容易に把握することができる。この場合、肉薄部511は廃止してもよいし、廃止しなくてもよい。
【0056】
また、かかる第2実施形態においても、単一の透視パネル510が略枠状の緩衝部材520を介して見返し部材105の支持部105fと接合されていることで、各透視部512,513の撓み振動に十分な遊び(余裕)を持たせることができる。すなわち、通常、単一の透視パネル510と単一の見返し部材105とは、透視パネル510の適宜箇所に設けられたフック等の複数の爪部と、見返し部材105の適宜箇所に設けられ前記各爪部を係止する複数の係止部とで嵌合固定する構成が多く採用されている。ところが、かかる爪部と係止部とで嵌合する構成では、前記振動体の上下振動によって透視パネル510を撓み振動させる場合に、その撓み振動量が前記嵌合(つまり見返し部材105)によって制約されてしまうため、本実施形態では、前記嵌合ではなく緩衝部材520を介して間接的に透視パネル510と見返し部材105とを接合する構成を適用している。従って、かかる間接接合構成では、透視パネル510における各透視部512,513の撓み振動に連動して緩衝部材520が(弾性)変形するので、各透視部512,513の前記撓み振動量が見返し部材105によって制約されない構成となり、これにより各透視部512,513の前記撓み振動量に遊びを持たせることができる。
【0057】
また本第2実施形態では、ライン状の溝部からなる肉薄部511によって単一の透視パネル510が2つの透視部512,513を有するように区画されている例について説明したが、肉薄部511は、透視パネル510の背面に複数個設けてもよく、例えば透視パネル510の背面に略十字形状の肉薄部(つまり、2個の肉薄部)を形成して、透視パネル510が4つの透視部を有するように区画してもよく、この場合、エキサイタは4つの透視部のうち必要な透視部に固定すればよい。このことは、前記4つの透視部のうちエキサイタの固定されない透視部が存在してもよいことを意味している。
【0058】
また前記各実施形態では、エキサイタ(前記振動体表面)を透視パネルの背面に当接させ透視パネル(透視部を含む)を振動させる場合について説明したが、エキサイタ(前記振動体表面)は透視パネルを振動させることが可能であればその前記振動体表面を透視パネルまたは透視部の任意の部分に当接させることができ、例えば前記振動体表面を透視パネルまたは透視部の表面(前面)、もしくは表面,背面以外の部分(例えば側面)に当接させる構成としてもよい。なお、この場合、透視パネルや透視部(つまり、前記表面、前記背面、前記側面等)と前記振動体表面とは、少なくとも一部が接触(当接)していればよい。
【0059】
なお前記各実施形態では、第1のエキサイタ223aとアンプ222とを接続するための一対のコネクタからなる第1の接続部材224(雌型コネクタ224aと雄型コネクタ224b)、並びに第2のエキサイタ223bとアンプ222とを接続するための一対のコネクタからなる第2の接続部材225(雌型コネクタ225aと雄型コネクタ225b)が回路基板301の背面側に搭載された場合について説明したが、例えば回路基板301における長手方向形状を、図3,図7に記載された形状に対し長手方向に沿ってさらに大きくさせたときには、一対のコネクタからなる各接続部材224,225のうちどちらか一方または両方を回路基板301の表面側に搭載することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、聴覚情報提供手段を利用した車両用情報提供装置に関し、車両情報を提供する車両用計器のみならず、車両に搭載されるマルチディスプレイ装置等の車両用情報提供装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態による車両用情報提供装置の概観図である。
【図2】同実施形態による車両用情報提供装置のブロック図である。
【図3】図1中、A−A断面図である。
【図4】同実施形態による警告情報の一例を示す図である。
【図5】同実施形態による警告情報の他の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態による車両用情報提供装置の概観図である。
【図7】図6中、B−B断面図である。
【符号の説明】
【0062】
100 車両用情報提供装置
105 見返し部材(被覆部材)
105a 第1の開口部
105b 第2の開口部
105c 第3の開口部
106 第1の透視パネル
107 第2の透視パネル
108 第3の透視パネル
202 制御手段
220 聴覚情報提供手段
223 エキサイタ(駆動手段)
223a 第1のエキサイタ(第1の駆動手段)
223b 第2のエキサイタ(第2の駆動手段)
D1 第1の表示手段(表示手段)
D2 第2の表示手段
D3 報知部(発光表示部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に前記所定情報を表示するための複数の表示部を有する表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記複数の表示部を区分けして露出する複数の開口部が形成された被覆部材と、前記複数の開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記複数の開口部をそれぞれ覆う複数の透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は前記複数の透視パネルのうち少なくとも2つの透視パネルとそれぞれ当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記少なくとも2つの透視パネルを同時に駆動させる複数の駆動手段を備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に前記所定情報を表示するための複数の表示部を有する表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記複数の表示部を区分けして露出する複数の開口部が形成された被覆部材と、前記複数の開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記複数の開口部をそれぞれ覆う複数の透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は前記複数の透視パネルのうち所定の透視パネルと当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記所定の透視パネルを駆動させる第1の駆動手段と、前記所定の透視パネルとは異なる他の透視パネルと当接するように配設され、前記聴覚情報とは異なる他の聴覚情報に応じて前記他の透視パネルを駆動させる第2の駆動手段と、を備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項3】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記表示手段を露出する開口部が形成された被覆部材と、前記開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記開口部を覆う透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は前記透視パネルとそれぞれ当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記透視パネルを同時に駆動させる複数の駆動手段を備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項4】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記表示手段を露出する開口部が形成された被覆部材と、前記開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記開口部を覆う透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記聴覚情報提供手段は前記透視パネルの所定箇所と当接するように配設され、前記透視パネルを駆動させる第1の駆動手段と、前記所定箇所とは異なる前記透視パネルの他の箇所と当接するように配設され、前記透視パネルを駆動させる第2の駆動手段と、を備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項5】
利用者に所定情報を報知する車両用情報提供装置であって、
前記利用者に前記所定情報を表示するための表示手段と、この表示手段の前方に配設され前記表示手段を露出する開口部が形成された被覆部材と、前記開口部を通じて前記所定情報を前記利用者に透視可能とするように前記開口部を覆う透視パネルと、前記利用者に車両の各種状態に応じた聴覚情報を提供する聴覚情報提供手段とを少なくとも備え、
前記透視パネルが少なくとも1つの所定の肉薄部を境界として複数の透視部を有するように区画されており、
前記聴覚情報提供手段は前記複数の透視部のうち所定の透視部と当接するように配設され、前記聴覚情報に応じて前記所定の透視部を駆動させる第1の駆動手段と、前記所定の透視部とは異なる他の透視部と当接するように配設され、前記聴覚情報とは異なる他の聴覚情報に応じて前記他の透視部を駆動させる第2の駆動手段と、を備えてなることを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項6】
前記複数の表示部は、背後からの光により発光表示される少なくとも1つの発光表示部をそれぞれ備えており、
前記聴覚情報提供手段は前記聴覚情報に応じて前記複数の発光表示部のうち所定の発光表示部が発光した際、前記所定の発光表示部に対応する前記透視パネルを前記駆動手段により駆動させてなることを特徴とする請求項2記載の車両用情報提供装置。
【請求項7】
前記表示手段は、背後からの光により発光表示される複数の発光表示部を備えており、
前記聴覚情報提供手段は前記聴覚情報に応じて前記複数の発光表示部のうち所定の発光表示部が発光した際、前記所定の発光表示部に対応する前記透視部を前記駆動手段により駆動させてなることを特徴とする請求項5記載の車両用情報提供装置。
【請求項8】
前記駆動手段は、前記透視パネルの前面または背面に当接するエキサイタからなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1つに記載の車両用情報提供装置。
【請求項9】
前記駆動手段は、前記透視部の前面または背面に当接するエキサイタからなることを特徴とする請求項5記載の車両用情報提供装置。
【請求項10】
前記表示部または前記表示手段は、線状に延びる指示部を有する指針と前記指示部によって指示される指標部を有する指標板とを備えた指針式表示部からなることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1つに記載の車両用情報提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−205893(P2007−205893A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−25216(P2006−25216)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】