説明

車両用照明装置

【課題】 乗降時における足元照明として利用でき、しかも防犯警告用としても兼用できる車両用照明装置を得る。
【解決手段】 ドア107が開いたことをドアスイッチ133が検知すると、サイド照明ユニット109A,109Bに内蔵するLED3が点灯し、乗降部108を照明する。また、被対象物Oが接近したことをコーナセンサ102A〜102Dが検知すると、同じサイド照明ユニット109A,109Bに内蔵するLED3が防犯警告のために点灯する。照明光源がLED3であることから消費電流を小さくできるので、ドア107を開けて頻繁に乗り降りを行なってもバッテリの負担が少なく、また防犯警告としての信頼性も向上する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に利用される車両用照明装置に関し、特に消費電流の低減化を図った車両用照明装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、自動車の車内や車外の各種照明に際しては、必要な光量を確保するためにバルブ(電球)タイプの照明光源とを用いるのが一般的であった。しかし、こうしたバルブタイプの照明光源は消費電流が大きいので、特にドアの乗降部に設置した照明ユニットに組み込んだ場合には、ドアを開けて乗り降りを行なうたびに足元が照明され、電源であるバッテリが放電すなわちバッテリ上りを起こす懸念を生じていた。
【0003】他方、このようなバルブタイプの照明光源を車両の防犯警告のために利用することも考えられているが、前述のようなバッテリ上りを起こすと、その機能を全く発揮しなくなることから、信頼性の面でも商品化に至っていないのが現状であった。
【0004】本発明は、このような問題点を解決しようとするもので、照明光源の消費電流を小さくすることで、乗降時における足元照明として利用でき、しかも防犯警告用としても兼用できる車両用照明装置を得ることをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用照明ユニットは、前記目的を達成するために、ドアの開閉を検知する開閉検知手段と、車両本体の乗降部に設置され、光源として内部に発光ダイオードを有する照明ユニットと、車両本体に対し被対象物が接近状態にあるか否かを検知する接近検知手段と、前記開閉検知手段により前記ドアが開いたことを検知したとき、若しくは前記接近検知手段が前記被対象物の接近状態を検知したときに、前記発光ダイオードを点灯させる制御手段とにより構成されるものである。
【0006】ドアが開いたことを開閉検知手段が検知すると、照明ユニットに内蔵する発光ダイオードが点灯して車両本体の乗降部を照明する。また、車両本体に対し被対象物が所定距離以内に接近したことを接近検知手段が検知すると、同じ照明ユニットに内蔵する発光ダイオードが防犯警告のために点灯して、被対象物に対する注意を促す。このように、照明光源がバルブではなく発光ダイオードであることから、消費電流を小さくすることができるので、ドアを開けて頻繁に乗り降りを行なってもバッテリの負担が少なく、また防犯警告としての信頼性も向上する。よって、この照明ユニットを乗降時における足元照明としてだけでなく、防犯警告用としても兼用することが可能になる。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明の車両照明装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1において装置の全体構成を説明すると、101は車両本体、102A〜102Dはこの車両本体101のコーナ部毎に配置される例えば超音波センサなどのコーナセンサであり、これは車両本体101と対向する被対象物Oとの距離関係を検知する接近検知手段に相当するものである。車両本体101の前方コーナ部に配置されるコーナセンサ102A,102Cは、電線やコネクタなどで構成される配線ユニットたるハーネス103により、車両本体101内のインストルメントパネル(図示せず)の下部に設けたコーナセンサユニット104に接続される。また、車両本体101の後方コーナ部に配置されるコーナセンサ102B,102Dも、別のハーネス105によりコーナセンサユニット104に接続される。より詳細には、コーナセンサユニット104は同一構成のものが2つ設けられ(図9参照)、一方のコーナセンサユニット104Aは、車両本体101の前方から見て左側(運転席側)にあるコーナセンサ102A,102Bからの各センサ信号を監視し、他方のコーナセンサユニット104Bは、車両本体1の前方から見て右側(助手席側)にあるコーナセンサ102C,102Dらの各センサ信号を監視する構成となっている。
【0008】106A,106Bは、運転席および助手席の前方足元部に各々設けられたフットライトである。また、107は運転席およびその後部座席の側方に設けられたドアであり、これらの各ドア107の下方に位置して、車両本体101の乗降部108にはサイド照明ユニット109A,109Bが設けられる。なお、ここには図示していないが、助手席およびその後部座席にもドアが設けられており、このドアの下部に位置する車両本体101の乗降部に同様のサイド照明ユニットが設けられる。運転席側にあるフットライト106Aとサイド照明ユニット109A,109Bは、前記ハーネス105により残光ユニット112に接続される。また、助手席側にあるフットライト106Bも、ここでは図示していない別のサイド照明ユニットとともに、ハーネス111により残光ユニット112に接続される。残光ユニット112はいわゆるタイマ機能を有しており、運転席側のドア107を開けると、サイド照明ユニット109A,109Bとフットライト106A,106Bが、その後のドア107の開閉およびロック動作に拘らず一定時間(例えば10秒)点灯するようになっている。
【0009】115A,115Bは、車両本体101のルーフ116に貼り着くようにして格納されるサンバイザー(図示せず)に装着したサンバイザー照明ユニットである。これらのサンバイザー照明ユニット115A,115Bは、ハーネス117により前記コーナセンサユニット104A,104Bにそれぞれ接続される。サンバイザーは周知のように、フロントウインド118側に回動可能で、しかもその位置からドア107上部のサイドウィンド側に旋回することも可能である。
【0010】次に、図2〜図8に基づいて、本実施例で採用する前記サイド照明ユニット109A,109Bおよびサンバイザー照明ユニット115A,115Bの構成を説明する。これらのサイド照明ユニット109A,109Bおよびサンバイザー照明ユニット115A,115Bは、ベース体2と、このベース体2に取り付けられ発光素子に相当する発光ダイオードすなわちLED3を搭載した配線基板4と、LED3を覆ってベース体2に取り付けられる透光性カバー5とによりいずれも構成される。但し、サイド照明ユニット109A,109Bに内蔵する光源としてのLED3は、緑色の発光色を有し、サンバイザー照明ユニット115A,115Bに内蔵する光源としてのLED3は、赤色の発光色を有する。
【0011】前記ベース体2は、合成樹脂の一体成形品であり、ほぼ細長い箱状になっている。つまり、ベース体2は、底面部11とこの底面部11の周辺部からほぼ垂直に立ち上がる一対の長側面部12および一対の短側面部13とを有しているとともに、底板部11と反対側の上部に開口部14を有している。
【0012】前記両長側面部12の上端縁には、それぞれ切欠き部16が中央部に形成されているとともに、この切欠き部16を挟んで両端部に突起状基板保持部17,18が一体に突出形成されている。特に、ベース体2の一端側の突起状基板保持部17は、厚さが側面部12,13と同じになっており、比較的容易に弾性的に変位可能になっている。一方、ベース体2の他端側の突起状基板保持部18は、長側面部12から内方へ若干突出している。そして、突起状基板保持部17,18の先端部で相互に対向する内面には係合爪19,20がそれぞれ一体に突出形成されている。ベース体2の一端側の突起状基板保持部17の係合爪19は、突出量が比較的小さくなっているとともにほぼ三角形状になっており、ベース体2の他端側の突起状基板保持部18の係合爪20は、突出量が比較的大きくなっている。なお、ベース体2の底面部11には、この底面部11と直交する方向における前記係合爪19,20の投影形状を包含する通孔21あるいは切欠き部22が形成されている。さらに、突起状基板保持部17,18の外面には、ほぼ三角形状のカバー保持爪23がそれぞれ突出形成されている。
【0013】また、前記ベース体2の底面部11には、突起状基板保持部18側の端部にほぼ矩形状のボルト通孔26が形成されている。このボルト通孔26は、底面部11の長手方向中央部側が幅広部26aになっており、反対側がより幅の狭い幅狭部26bになっている。なお、前記切欠き部22は、幅狭部26bに臨んでいる。また、両長側面部12間には、前記幅広部26aに対向する上遮蔽壁27と、この上遮蔽壁27の一側縁から底面部11まで垂下する側遮蔽壁28とが一体に形成されている。この遮蔽壁27,28は、ボルト通孔26をベース体2の内部から遮蔽するものである。さらに、前記幅広部26aに連続するとともに底面部11から遮蔽壁27,28を貫通してハーネス通孔29が形成されている。
【0014】また、前記両短側面部13の上部には、ほぼ半円形状のボルト通孔31がそれぞれ形成されている。また、ベース体2内における突起状基板保持部17側の端部には、前記ボルト通孔31と同軸的に位置する半円形状の切欠き部32を有する押え壁33が底面部11および両短側面部13に沿わせて一体に形成されている。これにより、一方の短側面部13と押え壁33との間および他方の短側面部13と突起状基板保持部18との間に固定具組み込み部34がそれぞれ形成されている。さらに、両短側面部13の外面には固定突起35,36がそれぞれ形成されている。
【0015】さらに、前記ベース体2の底面部11の内面には、電線保持部としての一対のハーネス保持突起37,38が垂直に一体に形成されている。
【0016】前記ベース体2を射出成形などの手段により成形するときには、底面部11と直交する方向に開閉する固定型および可動型を備えた金型が利用されるが、型抜きに際してアンダーカット形状になるおそれのある係合爪19,20などに対しては、底面部11の対応する位置に通孔21、切欠き部22を形成するなどして、アンダーカット形状にならないようにしている。ボルト通孔26や遮蔽壁27,28やハーネス通孔29も同様である。すなわち、ベース体2は、固定型および可動型のパーティングラインを適当に設定すれば、スライドコアなどを用いることなく、固定型および可動型のみで成形が可能な形状になっている。
【0017】前記配線基板4はほぼ矩形状で、前記ベース体2の両長側面部12の先端縁上にちょうど被さる程度の幅になっている。また、配線基板4の四隅部には、前記ベース体2の突起状基板保持部17,18にそれぞれ嵌合する固定用切欠き部41,42が形成されている。ベース体2の両端部の突起状基板保持部17,18は幅が相互に異なっているので、配線基板4の両端部の固定用切欠き部41,42も幅が相互に異なっている。したがって、配線基板4は、ベース体2に所定の向きでしか取り付けられないようになっている。さらに、配線基板4の両側中央部には、ハーネス通し用切欠き部43がそれぞれ形成されている。
【0018】51は電線51a,51bを有するハーネスであって、電線51a,51bは上側から配線基板4に接続されている。また、52は抵抗、53は逆接防止用のダイオードであり、これらの電線51a,51b、抵抗52およびダイオード53は、前記一対のLED3とともに、全て配線基板4にその下側(裏側)で半田付けされており、これにより、コストダウンできる。特に、電線51a,51bを下側で半田付けすることは、これら電線51a,51bをハーネス通し用切欠き部43に通すことにより可能になったものである。なお、図6において、54はハーネス51の先端部に接続されたカプラーである。
【0019】図8は、前記配線基板4の回路図を示している。電気的には、正極55と負極56との間に前記一対のダイオード3、抵抗52およびダイオード53が直列に接続される。なお、本実施例では、1つの配線基板4に2つのLED3を搭載するようにしているが、LED3の搭載数は適宜設定できる。
【0020】前記透光性カバー5は、合成樹脂の一体成形品からなり、乳白色などで透光性を有している。そして、透光性カバー5は、一面を開口したほぼ箱状になっており、この透光性カバー5の開口部側は、前記ベース体2の長側面部12の外側に嵌合する嵌合部61になっている。また、この嵌合部61の両端面部には、ベース体2の両短側面部13が内側に嵌合する凹部62がそれぞれ形成されている。さらに、これら凹部62には、ほぼ半円形状のボルト通孔63がそれぞれ形成されている。また、嵌合部61の両側面部には、前記ベース体2のカバー保持爪23がそれぞれ係合される係合孔部64が形成されている。また、透光性カバー5内の端部の側面には押えリブ65がそれぞれ形成されている。さらに、透光性カバー5の先端部には、複数のR状凹部からなるレンズ部66が形成されている。
【0021】前記サイド照明ユニット109A,109Bおよびサンバイザー照明ユニット115A,115Bは、ボルト71により車両本体101内の任意の被取り付け部に取り付けられる。ベース体2には、ボルト71を底面部11から裏側(下側)へ突出するように組み付けることもできるし、ボルト71を短側面部13から突出するように組み付けることもできる。そして、これらボルト71は、ベース体2に配線基板4を取り付けた後に適宜取り付けることができる。ボルト71は、頭部71aが四角形状になった四角ボルトである。
【0022】ベース体2の側面部にボルト71を組み込むには、このボルト71の頭部71aを一方の短側面部13と押え壁33との間の固定具組み込み部34あるいは他方の側面部13と突起状基板保持部18との間の固定具組み込み部34に真っ直ぐ挿入する。ボルト71は、その頭部71aが短側面部13と押え壁33あるいは突起状基板保持部18との間に挟まれることにより仮保持され、ベース体2の長手方向に沿ってねじ部71bがボルト通孔31から外方へ突出する。
【0023】透光性カバー5は、その嵌合部61をベース体2に嵌合することにより、このベース体2に取り付ける。このとき、透光性カバー5自体が弾性変形することにより、透光性カバー5がベース体2のカバー保持爪23を乗り越え、最終的にこれらカバー保持爪23が透光性カバー5の係合孔部64にそれぞれ係合する。これにより、透光性カバー5がベース体2に固定されるとともに、透光性カバー5のボルト通孔63がボルト71のねじ部71bに被さる。また、図6に示すように、透光性カバー5の押えリブ65がボルト71の頭部71aを上から押え、これにより、ボルト71がサイド照明ユニット109A,109B若しくはサンバイザー照明ユニット115A,115Bに確実に固定された状態になる。
【0024】図9に基づいて、本実施例における電気的構成を説明する。同図において、前記一方のコーナセンサユニット104Aには、車両本体101に対し被対象物Oが所定距離以内に接近したことを、コーナセンサ102A,102Bの一方または両方が検知すると、このコーナセンサ102A,102Bからのセンサ信号に基づき、運転席側にあるサンバイザー照明ユニット115Aの各LED3および鳴動手段たるブザー121Aを所定のタイミングで駆動させる制御手段としての制御回路122Aが内蔵される。また、他方のコーナセンサユニット104Bにも、車両本体101に対し被対象物Oが所定距離以内に接近したことを、コーナセンサ102C,102Dの一方または両方が検知すると、このコーナセンサ102C,102Dからのセンサ信号に基づき、助手席側にあるサンバイザー照明ユニット115Bの各LED3および鳴動手段たるブザー121Bを所定のタイミングで駆動させる制御手段としての制御回路122Bが内蔵される。LED3とブザー121A(またはLED3とブザー121B)は、並列接続されており、制御回路122Aまたは制御回路122Bにより同時に駆動制御されるようになっている。また、各制御回路122A,122Bは、前記コーナセンサ102A〜102Dのいずれかが被対象物Oの接近状態を検知したときに、その電圧レベルをL(低)からH(高)に切換える外部制御端子123A,123Bを各々備えている。なお、124は電源電圧を供給するバッテリライン+Bに接続する電源端子である。
【0025】一方、131は例えばトランジスタや抵抗及びダイオードなどで構成された作動ユニットで、これは前記外部制御端子123A,123Bに接続する入力端子132の電圧レベルがHになったとき、あるいはドア107が開くことにより、このドア107の開閉を検知するドアスイッチ133が閉じ、別の入力端子134の電圧レベルがLすなわち入力端子134がアースに落ちたときに、出力端子135から残光ユニット112の端子Bに残光ユニット作動信号を出力する(本実施例では、出力端子135の電圧レベルをHからLに切換える)ものである。なお、この作動ユニット131内部の回路構成は特に限定されず、要はコーナセンサ102A〜102Dが被対象物Oの接近状態を検知したとき、またはドア107が開いたときに、残光ユニット112を作動させる構成であればよい。
【0026】前記残光ユニット112は、出力端子135に直接接続する端子Bの他に、作動ユニット131のアース端子136と共に接地される端子Cと、バッテリライン+Bからの電源電圧が供給される端子Aおよび端子Eと、端子Bの電圧レベルがLになるとその電圧レベルがLになり、その後、端子Bの電圧レベルがLからHに切換わると、そこから一定時間後にその電圧レベルがHになる端子Dとを備えている。そして、この図9では便宜上一つのサイド照明ユニット109だけが示されているが、実際には各サイド照明ユニット109A,109Bとフットライト106Aが、電源電圧を供給するバッテリライン+Bと残光ユニット112の端子Dとの間に並列接続される。なお、ここでの残光ユニット112内部の回路構成も特に限定されないが、要は作動ユニット131からの作動信号を受けて、各サイド照明ユニット109A,109Bやフットライト106Aが一定時間点灯するように構成すればよい。
【0027】次に上記構成につきその作用を説明すると、車両本体101の全てのドア107を閉じ、ドアロックをした状態で、例えば図1に示すように運転者若しくは運転者以外の被対象物Oが車両本体101に接近し、車両本体101との距離が予め決められた所定距離以内に達すると、例えば車両本体101の運転席側前方にあるコーナセンサ102Aがこれを検知して、コーナセンサユニット104Aにセンサ信号を出力する。コーナセンサユニット104Aを構成する制御回路122Aは、このセンサ信号を受けて直ちに運転席側にあるサンバイザー照明ユニット115Aの各LED3を点滅させると共に、このLED3の点滅と同じタイミングでブザー121Aを鳴動させ、外部の被対象物Oに対し防犯警告のための注意を促す。この動作は、車両本体101の運転席側後方にあるコーナセンサ102Bが被対象物Oの接近状態を検知したときにも同様に行なわれるが、助手席側のコーナセンサ102Cまたは102Dが検知したときには、別のコーナセンサユニット104Bにより、助手席側のサンバイザー照明ユニット115Bの各LED3が点滅し、このLED3の点滅と同じタイミングでブザー121Bが鳴動する。つまり、被対象物Oが接近した側のサンバイザー照明ユニット115A,115Bの各LED3を点滅させ、ブザー121A,121Bを鳴動させることで、被対象物Oへの注意を喚起しやすいようにしている。
【0028】また、コーナセンサ102Aまたは102Bにより被対象物Oの接近状態を検知すると、コーナセンサユニット104Aは外部制御端子123Aの電圧レベルをそれまでのLレベルからHレベルに切換える。これにより、作動ユニット131の入力端子132がHレベルになり、出力端子135ひいては残光ユニット112の端子Bの電圧レベルをLすなわちアースに落とす。残光ユニット112は、端子Dの電圧レベルをLにし、各サイド照明ユニット109A,109BのLED3とフットライト106Aを連続点灯させる。この動作は、別のコーナセンサ102Cまたは102Dにより被対象物Oの接近状態を検知したときに、コーナセンサユニット104Aがその外部制御端子123Aの電圧レベルをLレベルからHレベルに切換えたときにも同様に行なわれる。こうして、被対象物Oの接近時には、各サイド照明ユニット109A,109BのLED3およびフットライト106も同時に点灯して、外にいる被対象物Oへの一層の注意を促す。
【0029】一方、被対象物Oが車両本体101から遠ざかり、被対象物Oに対向する例えばコーナセンサ102Aがこの状態を検知すると、コーナセンサユニット104Aの制御回路122Aは、サンバイザー照明ユニット115Aの各LED3を消灯し、ブザー121Aの鳴動も停止させる。さらに、被対象物Oが接近状態にいる間は、各サイド照明ユニット109A,109BのLED3およびフットライト106Aは連続点灯するが、被対象物Oが車両本体101から遠ざかって、作動ユニット132の入力端知132の電圧レベルHからLに切換わると、出力端子132ひいては残光ユニット112の端子Bの電圧レベルがLからHに切換わり、残光ユニット112にて決められた10秒経過後に各サイド照明ユニット109A,109BのLED3およびフットライト106Aが消灯する。
【0030】またこのような防犯警告機能とは別に、車両本体101のドア107を開けると、ドア開閉検知手段としてのドアスイッチ133が閉じ、作動ユニット131の入力端子134の電圧レベルがLすなわちアースに落ちる。すると、作動ユニット131の出力端子135ひいては残光ユニット112の端子Bの電圧レベルがHからLに切換わり、残光ユニット112の端子Dの電圧レベルがLになる。これにより、各サイド照明ユニット109A,109BのLED3とフットライト106Aが連続点灯し、乗降りの際の足元部を照明する。その後、車両本体101のドア107を閉じて、ドアスイッチ133が開いたことを作動ユニット131が検知すると、出力端子132ひいては残光ユニット112の端子Bの電圧レベルがLからHに切換わり、残光ユニット112にて決められた10秒経過後に各サイド照明ユニット109A,109BのLED3およびフットライト106Aが消灯する。
【0031】以上のように、本実施例によれば、ドア107の開閉を検知する開閉検知手段たるドアスイッチ133と、車両本体101の乗降部108に設置され、光源として内部に発光ダイオードたるLED3を有する照明ユニットとしてのサイド照明ユニット109A,109Bと、車両本体101に対し被対象物Oが接近状態にあるか否かを検知する接近検知手段としてのコーナセンサ102A〜102Dと、ドアスイッチ133によりドア107が開いたことを検知したとき、若しくはコーナセンサ102A〜102Dが被対象物Oの接近状態を検知したときに、前記LED3を点灯させる制御手段としての残光ユニット112とにより構成されるものである。
【0032】この場合、ドア107が開いたことをドアスイッチ133が検知すると、サイド照明ユニット109A,109Bに内蔵するLED3が点灯して車両本体101の乗降部108を照明する。また、車両本体101に対し被対象物Oが所定距離以内に接近したことをコーナセンサ102A〜102Dが検知すると、同じサイド照明ユニット109A,109Bに内蔵するLED3が防犯警告のために点灯して、被対象物Oに対する注意を促す。このように、照明光源がバルブではなくLED3であることから、消費電流を小さくすることができるので、ドア107を開けて頻繁に乗り降りを行なってもバッテリの負担が少なく、また防犯警告としての信頼性も向上する。よって、このサイド照明ユニット109A,109Bを乗降時における足元照明としてだけでなく、防犯警告用としても兼用することが可能になる。
【0033】また特に本実施例では、車両本体101に対し被対象物Oが所定距離以内に接近したことをコーナセンサ102A〜102Dが検知すると、サンバイザーに取付けたサンバイザー照明ユニット115A,115Bの各LED3が点滅するようになっている。この場合、サンバイザーをフロントウインド118側に回動させ、サンバイザー照明ユニット115A,115Bをこのフロントウインド118側に向けておくと、被対象物Oが車両本体101の前方から近づいたときに、フロントウィンド118を通してサンバイザー照明ユニット115A,115Bの各LED3の点滅状態を直ちに視認できる。また、サンバイザーをサイドウィンド側に旋回させて使用した場合は、特に前部座席側のドア107から侵入しようとする被対象物Oに対し、サイドウィンドを通してサンバイザー照明ユニット115A,115Bの各LED3の点滅状態を直ちに視認でき、前記サイド照明ユニット109A,109BのLED3が点灯することと相俟って、いずれの場合も効果的な防犯警告を行なうことが可能になる。なお、本実施例ではサンバイザー照明ユニット115A,115Bの各LED3を点滅させているが、これを連続点灯させてもよい。そしてこのサンバイザー照明ユニット115A,115Bも、照明光源がバルブではなくLED3であることから、消費電流を小さくできる。
【0034】また、本実施例では制御手段として、コーナセンサ102A〜102Dが被対象物Oの接近状態を検知すると、サイド照明ユニット109A,109BのLED3を連続点灯させ、その後被対象物Oが車両本体101から離れても、サイド照明ユニット109A,109BのLED3を一定時間点灯させる残光ユニット112を用いていることから、被対象物Oが車両本体101から離れた後も、一定時間サイド照明ユニット109A,109BのLED3が点灯し、防犯警告としての機能を一層高めることができる。
【0035】なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば各LED3の色などは、実施例中のものに限定されない。
【0036】
【発明の効果】本発明の車両用照明装置は、ドアの開閉を検知する開閉検知手段と、車両本体の乗降部に設置され、光源として内部に発光ダイオードを有する照明ユニットと、車両本体に対し被対象物が接近状態にあるか否かを検知する接近検知手段と、前記開閉検知手段により前記ドアが開いたことを検知したとき、若しくは前記接近検知手段が前記被対象物の接近状態を検知したときに、前記発光ダイオードを点灯させる制御手段とにより構成されるものであり、照明光源の消費電流を小さくすることで、乗降時における足元照明として利用でき、しかも防犯警告用としても兼用できる車両用照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す車両全体の概略斜視図である。
【図2】同上照明ユニットの分解右斜視図である。
【図3】同上分解左斜視図である。
【図4】同上分解下斜視図である。
【図5】同上分解下斜視図であり、図3とは視方向を変えてある。
【図6】同上組立状態の正面図である。
【図7】同上組立状態の断面図である。
【図8】同上配線基板の回路図である。
【図9】同上装置全体の回路構成図である。
【符号の説明】
3 LED(発光ダイオード)
101 車両本体
102A〜102D コーナセンサ(接近検知手段)
107 ドア
108 乗降部
109A,109B サイド照明ユニット(照明ユニット)
112 残光ユニット(制御手段)
133 ドアスイッチ(開閉検知手段)
O 被対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ドアの開閉を検知する開閉検知手段と、車両本体の乗降部に設置され、光源として内部に発光ダイオードを有する照明ユニットと、車両本体に対し被対象物が接近状態にあるか否かを検知する接近検知手段と、前記開閉検知手段により前記ドアが開いたことを検知したとき、若しくは前記接近検知手段が前記被対象物の接近状態を検知したときに、前記発光ダイオードを点灯させる制御手段とからなることを特徴とする車両用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2001−158283(P2001−158283A)
【公開日】平成13年6月12日(2001.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−344062
【出願日】平成11年12月3日(1999.12.3)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】