説明

車両用燃料タンクの残燃料量検出装置

【課題】フロート式残量センサで検出し得ない部分を2つのサーミスタの検出値で補うようにして燃料タンクの形状の自由度を高めつつ正確な残燃料量検出を可能とし、しかもイグニッションスイッチのオン直後でも残燃料量の検出値にばらつきが生じないようにする。
【解決手段】燃料タンク33内に、フロート式残量センサ41と、該フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の上限位置よりも上方に固定配置される第1サーミスタ42と、フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の下限位置よりも下方に固定配置される第2サーミスタ43とが配設され、フロート式残量センサ41、第1サーミスタ42および第2サーミスタ43で検出される液面レベルに基づいて燃料タンク33内の残燃料量を演算する演算手段が、イグニッションスイッチのオン直後はフロート式残量センサ41で検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される燃料タンク内の残燃料量を検出すべく、フロート式残量センサと、該フロート式残量センサのフロート可動範囲を外れる領域の液面レベルを検出するためのサーミスタとが前記燃料タンク内に配設される車両用燃料タンクの残燃料量検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンク内の残燃料量を検出するために、フロート式残量センサと、該フロート式残量センサのフロート可動範囲を下方に外れる領域の液面レベルを検出すべくフロート式残量センサの下方に配置されるサーミスタとが、燃料タンク内に配設されるようにしたものが、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−125517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、燃料タンクの形状によってはフロート式残量センサのフロート可動範囲に制限が加わる場合があり、フロート式残量センサのフロート可動範囲の上限位置よりも上方に満タン位置があるときには正確な残燃料量を把握し難くなる。この場合、フロート式残量センサのフロート可動範囲の上限位置を上方に外れる領域の残燃料量と、フロート式残量センサのフロート可動範囲の下限位置を下方に外れる領域の残燃料量とをそれぞれサーミスタで検出することが考えられるが、複数のサーミスタを用いる場合、イグニッションスイッチのオン直後はサーミスタの抵抗値がばらつき、残燃料量の検出値もばらついてしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、フロート式残量センサで検出し得ない部分を2つのサーミスタの検出値で補うようにして燃料タンクの形状の自由度を高めつつ正確な残燃料量検出を可能とし、しかもイグニッションスイッチのオン直後でも残燃料量の検出値にばらつきが生じないようにした車両用燃料タンクの残燃料量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、車両に搭載される燃料タンク内の残燃料量を検出すべく、フロート式残量センサと、該フロート式残量センサのフロート可動範囲を外れる領域の液面レベルを検出するためのサーミスタとが前記燃料タンク内に配設される車両用燃料タンクの残燃料量検出装置において、前記燃料タンク内に、前記フロート式残量センサと、該フロート式残量センサのフロート可動範囲の上限位置よりも上方に固定配置される第1サーミスタと、前記フロート式残量センサのフロート可動範囲の下限位置よりも下方に固定配置される第2サーミスタとが配設され、前記フロート式残量センサ、第1サーミスタおよび第2サーミスタで検出される液面レベルに基づいて前記燃料タンク内の残燃料量を演算する演算手段が、イグニッションスイッチのオン直後は前記フロート式残量センサで検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出することを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記演算手段は、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過したときの第1および第2サーミスタの検出値を正規の検出値とし、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後には、前記フロート式残量センサ、第1サーミスタおよび第2サーミスタで検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出することを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記演算手段の演算結果に基づいて残燃料量を表示する残量計は、前記演算結果に応じて作動する指針を備え、該指針の下限値から上限値までの作動時間が前記所定時間以上に設定されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記イグニッションスイッチの前回のオフ時の残燃料量を記憶する記憶手段を含み、前記演算手段は、前記イグニッションスイッチが今回オンとなった直後に前記フロート式残量センサがフロート可動範囲の下限位置を検出したときには前記記憶手段が記憶していている残燃料量を今回の残燃料量として算出することを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記燃料タンクからの燃料が供給される燃料噴射弁への燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段を含み、前記演算手段は、前記第1サーミスタで検出される第1液面レベルならびに前記フロート可動範囲の上限位置に対応して前記フロート式残量センサで検出される第2液面レベル間の残燃料量と、前記フロート可動範囲の下限位置に対応して前記フロート式残量センサで検出される第3液面レベルならびに第2サーミスタで検出される第4液面レベル間の残燃料量とを、前記燃料噴射量制御手段で制御される燃料噴射量に基づいて算出することを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記燃料タンクは、下方に凹んだ凹部を上面に有するメインタンクと、該メインタンクよりも容量を小さくしてメインタンクとは別体に形成されるとともにメインタンクの下部に接続されるサブタンクとから成り、第1サーミスタと、前記凹部よりも下方に配置される前記フロート式残量センサとが前記メインタンク内に配設され、前記第2サーミスタが前記サブタンク内に配設されることを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記燃料タンク内に、前記第1サーミスタで検出される第1液面レベルよりも上方の第1のゾーンと、前記フロート可動範囲の上限位置に対応して前記フロート式残量センサで検出される第2液面レベルおよび前記第1液面レベル間の第2のゾーンとを含む複数のゾーンが残燃料量の範囲毎に区分けされて設定され、前記演算手段は、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後には、前記フロート式残量センサで検出される液面レベルと、第1および第2サーミスタで検出される液面レベルとに基づいて、複数の前記ゾーンの1つを選択することを第7の特徴とする。
【0013】
本発明は、第7の特徴の構成に加えて、前記演算手段は、現在のゾーンと、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンとに基づいて残燃料量演算の基準となる基準残燃料量を設定し、該基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出することを第8の特徴とする。
【0014】
本発明は、第7の特徴の構成に加えて、前記演算手段は、現在のゾーンと、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンと、前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に選択されていたゾーンとに基づいて、残燃料量演算の基準となる基準残燃料量を設定し、該基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出することを第9の特徴とする。
【0015】
本発明は、第8の特徴の構成に加えて、前記演算手段は、現在のゾーンが第2のゾーンであるときは、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンであるか否かの一次判断をし、当該一次判断の結果が第1のゾーンである場合は、前記基準残燃料量を前記第1液面レベルに対応した値に設定することを第10の特徴とする。
【0016】
本発明は、第9の特徴の構成に加えて、前記演算手段は、現在のゾーンが第2のゾーンであるときは、前記イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンであるか否かの一次判断をし、当該一次判断の結果が第1のゾーン以外であるときには前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に選択されていたゾーンを判断し、前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に第1のゾーンが選択されていた場合は、前記基準残燃料量を前記第1液面レベルに対応した値に設定することを第11の特徴とする。
【0017】
本発明は、第11の特徴の構成に加えて、前記イグニッションスイッチの前回のオフ時の残燃料量を記憶する記憶手段を含み、前記演算手段は、前記一次判断の結果が第1のゾーン以外であるときには前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に選択されていたゾーンを判断し、前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に第2のゾーンが選択されていた場合は、前記基準残燃料量を前記記憶手段で記憶されていた残燃料量の値に設定することを第12の特徴とする。
【0018】
本発明は、第11の特徴の構成に加えて、前記演算手段は、前記一次判断の結果が第1のゾーン以外であるときには前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に選択されていたゾーンを判断し、前記イグニッションスイッチの前回のオフ時に第1および第2のゾーンのいずれもが選択されていなかった場合は、前記基準残燃料量を第2液面レベルに対応した値に設定することを第13の特徴とする。
【0019】
さらに本発明は、第7〜第13の特徴の構成のいずれかに加えて、前記演算手段は、前記ゾーンの確定不能のときに、残燃料量を「0」と設定することを第14の特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1の特徴によれば、フロート式残量センサのフロート可動範囲の上限位置よりも上方に第1サーミスタが固定配置され、フロート式残量センサのフロート可動範囲の下限位置よりも下方に第2サーミスタが固定配置されるので、前記フロート式残量センサで検出し得ない領域を第1および第2サーミスタで補うようにして、燃料タンクの満タン位置ならびに残燃料量が少ない位置を検出することができるので、燃料タンクの形状の自由度を増大しつつ正確な残燃料量検出が可能となる。しかもイグニッションスイッチのオン直後のサーミスタ検出値の不安定なときには、サーミスタによる残燃料量検出を行わず、フロート式残量センサで検出される液面レベルに基づいて残燃料量を検出するので、残燃料量検出のばらつきを抑えることができる。
【0021】
また第2の特徴によれば、イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後、すなわち第1サーミスタおよび第2サーミスタの検出値が安定した後には、フロート式残量センサ、第1サーミスタおよび第2サーミスタで検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出するので、残燃料量の検出値のばらつきを抑えて精度良く残燃料量を検出することができる。
【0022】
第3の特徴によれば、残燃料量を表示する残量計が備える指針の下限値から上限値までの作動時間が、イグニッションスイッチがオン状態となってから第1サーミスタおよび第2サーミスタの検出値を正規の検出値と判断するまでの所定時間以上に設定されるので、イグニッションスイッチのオン直後に、燃料タンク内の液面レベルがフロート式残量センサで検出される最上方の液面レベルよりも上方にあった場合に、第1サーミスタによる正規の検出値が得られるまで指針を作動し続けることができ、第1サーミスタによる正規の検出値に基づく正確な残燃料量表示に達するまで指針を動かすようにして違和感を無くすことができる。
【0023】
第4の特徴によれば、イグニッションスイッチが今回オンとなった直後に前記フロート式残量センサがフロート可動範囲の下限位置を検出したときには、イグニッションスイッチの前回のオフ時の残燃料量を今回の残燃料量とするので、実際の残燃料量がフロート可動範囲の下限位置に対応した残燃料量よりも少ないときに、算出する残燃料量が実際の残燃料量よりも大きくならないようにすることができる。
【0024】
第5の特徴によれば、第1サーミスタで検出される液面レベルならびにフロート式残量センサで検出される上限の液面検出レベル間の残燃料量と、フロート式残量センサで検出される下限の液面検出レベルならびに第2サーミスタで検出される液面レベル間の残燃料量とを、燃料噴射弁に供給される燃料量に基づいて算出することにより、2つのサーミスタおよびフロート式残量センサ間の残燃料量をリニアに算出することができる。
【0025】
第6の特徴によれば、燃料タンクは、下方に凹んだ凹部を上面に有するメインタンクと、メインタンクの下部に接続されるサブタンクとから成り、第1サーミスタと、凹部よりも下方に配置されるフロート式残量センサとがメインタンク内に配設され、第2サーミスタがサブタンク内に配設されるので、フロート式残量センサのフロート可動範囲を大きく設定することができる。
【0026】
第7の特徴によれば、イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後には、フロート式残量センサの検出値と、第1および第2サーミスタの検出値とに基づいて、第1サーミスタで検出される第1液面レベルよりも上方の第1のゾーンと、第1液面レベルからフロート式残量センサで検出される上限の第2液面レベルまでの間の第2のゾーンとを含んで燃料タンク内に設定された複数のゾーンの1つを選択するので、残燃料の液面がどのゾーンに位置するのかを定めて、残燃料量の算出を速やかに行うことができる。
【0027】
第8の特徴によれば、現在のゾーンと、イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンとに基づいて設定した基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出するようにしているので、燃料消費に応じて変化する残燃料量を速やかに算出することができる。
【0028】
第9の特徴によれば、現在のゾーンと、イグニッションスイッチがオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンと、イグニッションスイッチの前回のオフ時に選択されていたゾーンとに基づいて設定した基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出するようにしているので、イグニッションスイッチの前回のオフ時からの変化をも勘案して残燃料量を速やかに算出することができる。
【0029】
第10の特徴によれば、現在のゾーンが第2のゾーンであるときにイグニッションスイッチのオン後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンである場合は、第2のゾーンでの残燃料量算出の基準値となる基準残燃料量を第1液面レベルに対応した値として設定するので、車両の走行中に残燃料量が第1のゾーンから第2のゾーンに移行したときの残燃料量を精度良く算出することができる。
【0030】
第11の特徴によれば、現在のゾーンが第2のゾーンであってイグニッションスイッチのオン後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーン以外であるときに、イグニッションスイッチの前回のオフ時に第1のゾーンが選択されていた場合は、第2のゾーンでの残燃料量算出の基準値となる基準残燃料量を第1液面レベルに対応した値として設定するので、残燃料量が第1および第2のゾーンの境界付近にある場合に残燃料量を精度良く算出することができる。
【0031】
第12の特徴によれば、現在のゾーンが第2のゾーンであってイグニッションスイッチのオン後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーン以外であるときにイグニッションスイッチの前回のオフ時に第2のゾーンが選択されていた場合は、イグニッションスイッチの前回のオフ時の残燃料量を第2のゾーンでの残燃料量算出の基準値となる基準残燃料量として設定するので、残燃料量が第2のゾーンから変化していない場合に残燃料量を精度良く算出することができる。
【0032】
第13の特徴によれば、現在のゾーンが第2のゾーンであってイグニッションスイッチのオン後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーン以外であるときにイグニッションスイッチの前回のオフ時に第1および第2のゾーンのいずれもが選択されていなかった場合は、第2のゾーンでの残燃料量算出の基準値となる基準残燃料量を第2液面レベルに対応した値として設定するので、残燃料量が少ない状態から給油を行った場合に精度良く残燃料量を算出することができる。
【0033】
さらに第14の特徴によれば、ゾーンの確定不能時には残燃料量を「0」と設定するので、ゾーンの確定が不能であって故障の可能性がある場合に残燃料量を「0」とし、それにより車両運転者が異常を認知し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】自動二輪車の要部側面図である。
【図2】燃料タンクの構成ならびに燃料タンク内のフロート式残量センサ、第1および第2サーミスタの配置を示す図である。
【図3】残燃料の演算および表示を行うための構成を示すブロック図である。
【図4】メータユニットの正面図である。
【図5】イグニッションスイッチのオン直後での処理手順を示すフローチャートである。
【図6】燃料タンク内の液面がどのゾーンにあるかを判定するための手順を示すフローチャートである。
【図7】燃料タンク内の液面レベルが第2のゾーンにあるときの残燃料演算処理手順を示すフローチャートである。
【図8】燃料タンク内の液面レベルが第4のゾーンにあるときの残燃料演算処理手順を示すフローチャートである。
【図9】燃料タンク内の液面レベルが第5のゾーンにあるときの残燃料演算処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0036】
図1〜図9を参照しながら本発明の実施例1について説明すると、先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFには、たとえば4気筒のV型である水冷式のエンジンEを有するパワーユニットPが搭載されており、車体フレームFに上下揺動可能に支承されたスイングアーム11の後部に軸支される後輪WRに、前後に延びるドライブシャフト12を介して前記パワーユニットPの出力が伝達される。
【0037】
前記車体フレームFは、ヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム14…と、それらのメインフレーム14…の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットプレート15…と、ピボットプレート15…の上部に前端部が連結されて後上がりに延びる左右一対のシートレール16…とを有しており、ピボットプレート15…にスイングアーム11の前端部が揺動可能に支承される。しかも両ピボットプレート15…の一方の下部および前記スイングアーム11の前部間にはリンク機構17が設けられ、リンク機構17の一部を構成するリンク部材18および車体フレームF間にリヤクッションユニット19が設けられる。
【0038】
前記メインフレーム14には、該メインフレーム14の中間部から下方に垂下するエンジンハンガ25…が一体に設けられており、エンジンEのエンジン本体20が、前記エンジンハンガ25…および前記ピボットプレート15…に懸架、搭載される。すなわちエンジンハンガ25…の最下部と、エンジンハンガ15…の後側上部とに第1および第2のエンジン支持部26…,27…が一体に設けられ、ピボットプレート15…の上部および下部に第3および第4のエンジン支持部28…,29…が一体に設けられており、エンジン本体20は、それらのエンジン支持部26…,27…,28…,29…で支持される。
【0039】
エンジンEのエンジン本体20は、自動二輪車への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有してV型の水冷式に構成されるものであり、両バンクBF,BRに共通なクランクケース21に、自動二輪車の左右方向に沿う軸線を有するクランクシャフト23が回転自在に支承される。
【0040】
エンジン本体20における前部バンクおよび後部バンクBF,BR間の上部には、エアクリーナ30が固定配置されており、前部バンクBFにおけるシリンダヘッド22Fの後部側壁は、スロットルボディ31F…を介してエアクリーナ30に接続され、後部バンクBRにおけるシリンダヘッド22Rの前部側壁は、スロットルボディ31R…を介してエアクリーナ30に接続され、各スロットルボディ31F…,31R…には燃料噴射弁32F…,32R…が付設される。
【0041】
図2を併せて参照して、前記車体フレームFには、燃料タンク33が搭載されるものであり、この燃料タンク33は、前記エアクリーナ30を上方から覆うようにしてメインフレーム14…に支持されるメインタンク34と、該メインタンク34よりも容量を小さくしてメインタンク34とは別体に形成されるサブタンク35とから成り、サブタンク35はメインタンク34よりも下方に配置され、サブタンク35の下部はメインタンク34の下部に接続ホース36を介して接続される。またメインタンク34の上面には、下方に凹んだ凹部34aが設けられるものであり、この凹部34aには、図1で示すように、たとえばエアバッグ58が収容、配置され、メインタンク34および前記エアバッグ58はタンクカバー59で覆われる。
【0042】
前記サブタンク35内には、ポンプユニット37が収納されており、このポンプユニット37に連なる供給ホース38が2つの分岐ホース39F,39Rに接続され、両分岐ホース39F,39Rは、スロットルボディ31F…,31R…に付設された燃料噴射弁32F…,32R…に接続される。すなわち燃料タンク33からの燃料はポンプユニット37から燃料噴射弁32F…,32R…に供給されることになる。
【0043】
前記燃料タンク33内の残燃料量を検出するために、前記燃料タンク33内には、フロート式残量センサ41、第1サーミスタおよび第2サーミスタ42,43が配設されるものであり、フロート式残量センサ41は凹部34aよりも下方に配置されるようにしてメインタンク34内に配設され、該フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の上限位置よりも上方に固定配置されるようにして第1サーミスタ42がメインタンク34内に配設され、前記フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の下限位置よりも下方に固定配置されるようにして第2サーミスタ43がサブタンク35内に配設される。
【0044】
ところで第1および第2サーミスタ42,43は、その雰囲気温度によって電気抵抗値を変化させるものであり、液面レベル下にある場合と、液面レベルから上方に突出した場合との雰囲気温度の変化に伴う電気抵抗値の変化に基づいて液面レベルを検出することが可能であり、第1サーミスタ42によりフロート式残量センサ41のフロート可動範囲の上限値よりも上方の第1液面レベルL1が検出される。またフロート式残量検出センサ41は、そのフロート41aの上下動によって電気抵抗値Rを変化させるものであり、フロート41aが上限位置にあるときのフロート式残量検出センサ41の電気抵抗値RUはたとえば6Ωであり、フロート41aが下限位置にあるときのフロート式残量検出センサ41の電気抵抗値RDはたとえば213Ωであり、フロート式残量検出センサ41の電気抵抗値Rの値が高くなるほど液面レベルが下方位置となるものであり、RU,RD間の電気抵抗値Rを検出することでフロート41aの可動範囲内での液面レベルを検出することができ、フロート可動範囲の上限位置に対応した第2液面レベルL2と、前記フロート可動範囲の下限位置に対応した第3液面レベルL3との間の液面レベルがフロート式残量検出センサ41で検出される。さらに第2サーミスタ43により、フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の下限値すなわち第3液面レベルL3よりも下方の第4液面レベルL4が検出される。
【0045】
ところで燃料タンク33内には、残燃料量の範囲毎に区分けされた複数のゾーンZ1〜Z5が設定されるものであり、この実施例1では、図2で示すように、第1サーミスタ42で検出される第1液面レベルL1よりも上方の第1のゾーンZ1と、第1液面レベルL1からフロート式残量センサ41で検出される上限の液面レベルである第2液面レベルL2までの第2のゾーンZ2と、フロート式残量センサ41のフロート41aの可動範囲に対応した第3のゾーンZ3すなわち第2液面レベルL2からフロート式残量センサ41で検出される下限の液面レベルである第3液面レベルL3までの第3のゾーンZ3と、第3液面レベルL3から第2サーミスタ43で検出される第4液面レベルL4までの第4のゾーンZ4と、第4液面レベルL4よりも下方の第5のゾーンZ5とが,燃料タンク33内に設定される。
【0046】
図3において、前記燃料タンク33内の残燃料量は、前記フロート式残量センサ41、第1サーミスタ42および第2サーミスタ43の検出値に基づいて演算手段44で演算されるものであり、演算手段44で演算された残燃料量は、ローパスフィルタ45を経て駆動手段46に入力され、この駆動手段46によって残料計47が駆動される。
【0047】
図4において、自動二輪車がその前部に備えるメータユニット49は、たとえば速度メータ50と、該速度メータ50の左側に並ぶタコメータ51と、タコメータ51の左側に配置される前記残料計47と、前記速度メータ50の右側に配置される水温計52と、速度メータ50およびタコメータ51間に配置されるデジタル表示部53とを備える。前記残量計47が備える指針48は、イグニッションスイッチ55がオフのときに下限値を指し、イグニッションスイッチ55がオンとなるのに応じて残量燃料量を示すべく上限値方向に向かって前記駆動手段46により駆動される。
【0048】
前記デジタル表示部53は、メータユニット49に設けられた切換ノブ54を、たとえば2秒未満だけ押す毎に表示を切換えるものであり、たとえば「残距離」、「残燃料量」、「区間燃費」、「積算燃費」、「表示なし」が、燃料タンク33内の残燃料量に応じて順次切換えられてデジタル表示部53に表示される。但し、燃料タンク33内の液面レベルが第1のゾーンZ1にあって残燃料量が満タン状態たとえば24Lのときには、「区間燃費」、「積算燃費」、「表示なし」を切換ノブ54で切換可能であり、燃料タンク33内の液面レベルが第2〜第4のゾーンZ2〜Z4にあって残燃料量がたとえば24L未満かつ5L以上であるときには、「残距離」、「残燃料量」、「区間燃費」、「積算燃費」、「表示なし」を切換ノブ54で切換可能であり、さらに燃料タンク33内の液面レベルが第5のゾーンに入った瞬間すなわち残燃料量がたとえば5L未満となったときには、切換ノブ54で「表示なし」を選択していない限りデジタル表示部53は自動的に「残距離」を表示することになる。
【0049】
再び図3において、前記演算手段44には、フロート式残量センサ41、第1サーミスタ42および第2サーミスタ43の検出値に加えてイグニッションスイッチ55からの信号も入力されるものであり、前記デジタル表示部53は、イグニッションスイッチ55をオフした後にイグニッションスイッチ55をオンしたときには、前回の表示モードを維持し、維持できない場合には「区間燃費」を表示する。
【0050】
またイグニッションスイッチ55の前回のオフ時に前記演算手段44で演算された残燃料量は記憶手段56で記憶されるものであり、この記憶手段56で記憶された残燃料量は演算手段44に入力される。さらに燃料噴射弁32F…,32R…からの燃料噴射量は燃料噴射量制御手段57で制御されるものであり、この燃料噴射量制御手段57からは燃料噴射弁32F…,32R…からの燃料噴射量が所定量たとえば10ccとなる毎に1つのパルス信号が演算手段44に入力される。すなわち燃料噴射量制御手段57からは燃料消費の経時変化を示す信号が演算手段44に入力される。
【0051】
演算手段44は、イグニッションスイッチ55のオン直後には、図5で示す手順に従う処理を実行するものであり、ステップS1では、フロート式残量計41の検出電気抵抗値Rが、フロート41aの下限位置での電気抵抗値RDよりも低い状態、すなわち燃料タンク33内の残燃料の液面が第1〜第3のゾーンZ1〜Z3のいずれかにある状態か否かを判断し、R<RDであると判断したときにはステップS2に進み、このステップS2では、第3のゾーンZ3を仮選択し、フロート式残量センサ41で検出される液面レベルによる残燃料を設定する。次のステップS3では、イグニッションスイッチ55がオンした後に所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過したと判断したときには図6のステップS5に進む。またステップS1においてRD≦Rであると判断したとき、すなわちフロート式残量センサ41がフロート可動範囲の下限位置を検出することで燃料タンク33内の残燃料の液面が第4のゾーンZ4および第5のゾーンZ5のいずれかにあると判断したときには、ステップS1からステップS4に進み、記憶手段56が記憶している残燃料すなわち前回のイグニッションスイッチ55のオフ時の残燃料を今回の残燃料としてセットする。
【0052】
ところで演算手段44は、イグニッションスイッチ55がオン状態となってから所定時間たとえば60秒が経過してから第1および第2サーミスタ42,43の検出値を正規の検出値とするものであり、所定時間が経過するまでは、図5で示す処理を繰り返すことになる。
【0053】
イグニッションスイッチ55がオン状態となってから前記所定時間が経過した後には、前記フロート式残量センサ41、第1サーミスタ42および第2サーミスタ43で検出される液面レベルに基づいて残燃料を算出することになる。
【0054】
しかも前記残量計47の指針48がその下限値から上限値まで作動する作動時間は前記ローパスフィルタ45によって前記所定時間以上に設定されており、イグニッションスイッチ55のオン直後に、実際の液面レベルが第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2のいずれかにあった場合に、図5のステップS2においてフロート式残量センサ41で検出される液面レベルによる残燃料を設定したとしても、前記指針48が静止する前に実際の残燃料量が確定することで指針48は連続して駆動されて実際の残燃料量を示すようになるので、違和感が生じることはない。
【0055】
また演算手段44は、イグニッションスイッチ55がオン状態となってから所定時間が経過した後には、図6で示す手順に従って燃料タンク33内で設定された第1〜第5のゾーンZ1,Z2,Z3,Z4,Z5のいずれに液面レベルがあるかを判断するものであり、図6のステップS5では、フロート式残量センサ41、第1および第2サーミスタ42,43の出力を読み取り、ステップS6では、フロート式残量センサ41で検出される液面レベルと、第1および第2サーミスタ42,43で検出される液面レベルとに基づいて、第1〜第5のゾーンZ1〜Z5の1つを選択する。
【0056】
ステップS6で第1のゾーンZ1を選択したときには、ステップS7を経てステップS8に進み、残燃料量が満タン状態にあると設定し、第3のゾーンZ3を選択したときは、ステップS7,S9,S10を経てステップS11に進み、フロート式残量センサ41によって検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出し、第1〜第5のゾーンZ1〜Z5のいずれでもなかったとき、すなわち選択不能であったときには、ステップS7,S9,S10,S12,S13を経てステップS14に進み、残燃料量として「0」を設定する。
【0057】
またステップS6で第2のゾーンZ2を選択したときには、ステップS7,S9を経て図7の図S15に進み、ステップS6で第4のゾーンZ4を選択したときには、ステップS7,S9,S10,S12を経て図8のステップS23に進み、第5のゾーンZ5を選択したときには、ステップS7,S9,S10,S12,S13を経て図9のステップS31に進む。
【0058】
図7において、現在のゾーンが第2のゾーンZ2であると判断したときには、ステップS15でイグニッションスイッチ55のオンから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1であるか否かの一次判断をし、その一次判断の結果が第1のゾーンZ1であったときにはステップS16に進み、第2のゾーンZ2での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として第1液面レベルL1に対応した値である24L(満タン)を設定し、その後、ステップ17において燃料噴射量制御手段57からのパルス信号が出力される毎に所定量たとえば10ccずつ減算して、図6のステップS5に戻る。而してステップ17では、基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出することになる。
【0059】
またステップS15における一次判断の結果が第1のゾーンZ1ではなかったときには、ステップS18で前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第1のゾーンZ1であったか否かを判断し、第1のゾーンZ1であったと判断したときには、ステップS16に進む。
【0060】
すなわち自動二輪車の走行中に燃料タンク33内の液面レベルが第1のゾーンZ1から第2のゾーンZ2に移行したときには、ステップS15〜ステップS17の演算処理を実行することになり、燃料タンク33内の液面レベルが第1のゾーンZ1および第2のゾーンZ2の境界付近にある場合には、ステップS15,S18,S16,S17を順次経過する演算処理を実行することになる。
【0061】
ステップS18において前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第1のゾーンZ1ではなかったと判断したときには、ステップS19において前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第2のゾーンZ2であったか否かを判断し、前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第2のゾーンZ2であったと判断したときには、ステップS19からステップS20に進み、第2のゾーンZ2での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として記憶手段56で記憶している残燃料すなわちイグニッションスイッチ55の前回のオフ時の残燃料量を設定し、次のステップS21では、燃料噴射量制御手段57から1のパルス信号が出力される毎に所定量たとえば10ccずつ減算し、ステップS5に戻る。
【0062】
さらにステップS19において、前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第2のゾーンZ2ではなかったと判断したときには、ステップS19からステップS22に進み、第2のゾーンZ2での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として第2液面レベルL2に対応した値たとえば20Lを設定した後、ステップS5に戻る。
【0063】
すなわち燃料タンク33内の液面レベルが変化していない場合には、ステップS15,S18,S19〜S21の演算処理を実行することになり、給油を行うことで燃料タンク33内の残燃料量が増加したときにはステップS15,S18,S19,S20の演算処理を実行することになる。
【0064】
図8において、現在のゾーンが第4のゾーンZ4であると判断したときには、ステップS23でイグニッションスイッチ55のオンから所定時間経過後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1,第2のゾーンZ2、第3のゾーンZ3のいずれかであるか否かを判断し、第1のゾーンZ1,第2のゾーンZ2、第3のゾーンZ3のいずれかであったときにはステップS24に進み、第4のゾーンZ4での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として第3液面レベルL3に対応した残燃料量たとえば13Lを設定し、その後のステップS25で燃料噴射量制御手段57から1のパルス信号が出力される毎に所定量たとえば10ccずつ減算し、ステップS5に戻る。
【0065】
またステップS23において、イグニッションスイッチ55のオンから所定時間経過後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1〜第3のゾーンZ3のいずれでもないと判断したときには、ステップS26で前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第3のゾーンZ3であったか否かを判断し、第3のゾーンZ3であったと判断したときには、ステップS24に進む。
【0066】
すなわち自動二輪車の走行中に燃料タンク33内の液面レベルが第1〜第3のゾーンZ1〜Z3のいずれかから第4のゾーンZ4に移行したときには、ステップS23〜ステップS25の演算処理を実行することになり、燃料タンク33内の液面レベルが第3のゾーンZ3および第4のゾーンZ4の境界付近にある場合には、ステップS23,S26,S24,S25を順次経過する演算処理を実行することになる。
【0067】
ステップS26において前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第3のゾーンZ3ではなかったと判断したときには、ステップS27において前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第4のゾーンZ4であったか否かを判断し、前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第4のゾーンZ4であったと判断したときには、ステップS27からステップS28に進み、第4のゾーンZ4での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として記憶手段56で記憶している残燃料量すなわちイグニッションスイッチ55の前回のオフ時の残燃料量をセットし、次のステップS29では、燃料噴射量制御手段57から1のパルス信号が出力される毎に所定量たとえば10ccずつ減算し、ステップS5に戻る。
【0068】
さらにステップS27において、前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第4のゾーンZ4ではなかったと判断したときには、ステップS27からステップS30に進み、第4のゾーンZ4での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として第4液面レベルL4に対応した値たとえば5Lを設定して、ステップS5に戻る。
【0069】
すなわち燃料タンク33内の液面レベルが変化していない場合には、ステップS23,S26,S27〜S29の演算処理を実行することになり、第5のゾーンZ5の状態から給油を行って燃料タンク33内の残燃料が増加したか、第1のゾーンZ1もしくは第2のゾーンZ2の状態から燃料が抜かれたとしてステップS23,S26,S27,S30の演算処理を実行することになる。
【0070】
図9において、現在のゾーンが第5のゾーンZ5であると判断したときには、ステップS31でイグニッションスイッチ55のオンから所定時間経過後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1,第2のゾーンZ2、第3のゾーンZ3、第4のゾーンZ4のいずれかであるか否かを判断し、第1のゾーンZ1,第2のゾーンZ2、第3のゾーンZ3、第4のゾーンZ4のいずれかであったときにはステップS32に進み、第5のゾーンZ5での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として第4液面レベルL4に対応した残燃料量たとえば5Lを設定し、その後のステップS33で燃料噴射量制御手段57から1のパルス信号が出力される毎に所定量たとえば10ccずつ減算し、ステップS5に戻る。
【0071】
またステップS31において、イグニッションスイッチ55のオンから所定時間経過後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1〜第4のゾーンZ4のいずれでもないと判断したとき、すなわちイグニッションスイッチ55のオンから所定時間経過後に最初に選択されたゾーンが第5のゾーンZ5であると判断したときには、ステップS34で前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第4のゾーンZ4であったか否かを判断し、第4のゾーンZ4であったと判断したときには、ステップS32に進む。
【0072】
すなわち自動二輪車の走行中に燃料タンク33内の液面レベルが第1〜第4のゾーンZ1〜Z4のいずれかから第5のゾーンZ5に移行したときには、ステップS31〜ステップS33の演算処理を実行することになり、燃料タンク33内の液面レベルが第4のゾーンZ4および第5のゾーンZ5の境界付近にある場合には、ステップS31,S34,S32,S33を順次経過する演算処理を実行することになる。
【0073】
ステップS34において前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第4のゾーンZ4ではなかったと判断したときには、ステップS35において前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第5のゾーンZ5であったか否かを判断し、前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第5のゾーンZ5であったと判断したときには、ステップS35からステップS36に進み、第5のゾーンZ5での残燃料量の演算の基準値となる基準残燃料量として記憶手段56で記憶している残燃料量すなわちイグニッションスイッチ55の前回のオフ時の残燃料量をセットし、次のステップS37では、燃料噴射量制御手段57から1のパルス信号が出力される毎に所定量たとえば10ccずつ減算し、ステップS5に戻る。
【0074】
さらにステップS35において、前回のイグニッションスイッチ55のオフ時に第5のゾーンZ5ではなかったと判断したときには、ステップS35からステップS38に進み、第5のゾーンZ5であると判断したときの最初の残燃料を「0」に設定する。
【0075】
すなわち燃料タンク33内の液面レベルが変化していない場合には、ステップS31,S34,S35〜S37の演算処理を実行することになり、演算手段44が第1のゾーンZ1〜第5のゾーンZ5のいずれとも確定できないとして残燃料量を「0」と設定することになる。
【0076】
上述のように、第2のゾーンZ2、第4のゾーンZ4および第5のゾーンZ5での演算手段44による残燃料量演算において、基準残燃料量は、イグニッションスイッチ55のオンから所定時間経過後に最初に選択されたゾーン、ならびに前回のイグニッションスイッチ55のオフ時のゾーンに応じて設定するのであるが、そのような第2のゾーンZ2、第4のゾーンZ4および第5のゾーンZ5での基準残燃料量を纏めると表1で示すようになる。
【0077】
【表1】

【0078】
次にこの実施例1の作用について説明すると、フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の上限位置よりも上方に第1サーミスタ42が固定配置され、フロート式残量センサ41のフロート可動範囲の下限位置よりも下方に第2サーミスタ43が固定配置されるので、フロート式残量センサ41で検出し得ない領域を第1および第2サーミスタ42,43で補うようにして、燃料タンク33の満タン位置ならびに残燃料量が少ない位置を検出することができるので、燃料タンク33の形状の自由度を増大しつつ正確な残燃料量検出が可能となる。
【0079】
しかも燃料タンク33は、下方に凹んだ凹部34aを上面に有するメインタンク34と、メインタンク34の下部に接続されるサブタンク35とから成り、第1サーミスタ42と、凹部34aよりも下方に配置されるフロート式残量センサ41とがメインタンク34内に配設され、第2サーミスタ43がサブタンク35内に配設されるので、フロート式残量センサ41のフロート可動範囲を大きく設定することができる。
【0080】
またイグニッションスイッチ55のオン直後はフロート式残量センサ41で検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出するので、イグニッションスイッチ55のオン直後のサーミスタ検出値の不安定なときには、第1および第2サーミスタ42,43による残燃料検出を行わず、フロート式残量センサ41で検出される液面レベルに基づいて残燃料量を検出するので、残燃料量検出のばらつきを抑えることができる。
【0081】
またイグニッションスイッチ55がオン状態となってから所定時間が経過した後には、第1サーミスタ42および第2サーミスタ43の検出値が安定したものとして第1および第2サーミスタ42,43の検出値を正規の検出値とし、フロート式残量センサ41、第1サーミスタ42および第2サーミスタ43で検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出するので、残燃料量の検出値のばらつきを抑えて精度良く残燃料量を検出することができる。
【0082】
また残燃料量を表示する残量計47が備える指針48の下限値から上限値までの作動時間が、イグニッションスイッチ55がオン状態となってから第1サーミスタ42および第2サーミスタ43の検出値を正規の検出値と判断するまでの所定時間以上に設定されるので、イグニッションスイッチ55のオン直後に、燃料タンク33内の液面レベルがフロート式残量センサ41で検出される最上方の液面レベルよりも上方にあった場合に、第1サーミスタ42による正規の検出値が得られるまで指針48を作動し続けることができ、第1サーミスタ42による正規の検出値に基づく正確な残燃料量表示に達するまで指針48を動かすようにして違和感を無くすことができる。
【0083】
またイグニッションスイッチ55が今回オンとなった直後に前記フロート式残量センサ41がフロート可動範囲の下限位置を検出したときには、イグニッションスイッチ55の前回のオフ時の残燃料量を今回の残燃料量とするので、実際の残燃料量がフロート可動範囲の下限位置に対応した残燃料量よりも少ないときに、算出する残燃料量が実際の残燃料量よりも大きくならないようにすることができる。
【0084】
また演算手段44は、第1サーミスタ42で検出される第1液面レベルL1ならびにフロート式残量センサ41で検出される上限の液面検出レベルすなわち第2液面レベルL2間の残燃料量と、フロート式残量センサ41で検出される下限の液面検出レベルすなわち第3液面レベルL3ならびに第2サーミスタ43で検出される第4液面レベルL4間の残燃料量とを、燃料噴射弁32F…,32R…から噴射される燃料噴射量に基づいて算出するので、2つのサーミスタ42,43およびフロート式残量センサ41間の残燃料量をリニアに算出することができる。
【0085】
ところで燃料タンク33内には、残燃料の液面の範囲毎に区分けされた第1〜第5のゾーンZ1〜Z5が設定され、演算手段44は、イグニッションスイッチ55がオン状態となってから所定時間が経過した後には、フロート式残量センサ41で検出される液面レベルと、第1および第2サーミスタ42,43で検出される液面レベルとに基づいて、第1〜第5のゾーンZ1〜Z5の1つを選択するので、残燃料量がどのゾーンに位置するのかを定めて、残燃料量の算出を速やかに行うことができる。
【0086】
しかも燃料タンク33内に、第1サーミスタ42で検出される第1液面レベルL1よりも上方の第1のゾーンZ1と、第1液面レベルL1からフロート式残量センサ41で検出される上限の第2液面レベルL2までの間の第2のゾーンZ2とが設定されており、現在のゾーンが第2のゾーンZ2であるときにイグニッションスイッチ55のオンから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1であるときには、第2のゾーンZ2での残燃料量演算の基準値となる基準残燃料量として第1液面レベルに対応した値(たとえば24L)を設定するので、車両の走行中に残燃料量が第1のゾーンZ1から第2のゾーンZ2に移行したときの残燃料量を精度良く算出することができる。
【0087】
また現在のゾーンが第2のゾーンZ2であってイグニッションスイッチ55のオンから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1以外であるときには、イグニッションスイッチ55の前回のオフ時に第1のゾーンZ1が選択されていたと判断するのに応じて、第2のゾーンZ2での残燃料量演算の基準値となる基準残燃料量として第1液面レベルに対応した値(たとえば24L)を設定するので、残燃料量が第1および第2のゾーンZ1,Z2の境界付近にある場合に残燃料量を精度良く算出することができる。
【0088】
また現在のゾーンが第2のゾーンZ2であってイグニッションスイッチ55のオンから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーンZ1以外であるときに、イグニッションスイッチ55の前回のオフ時に第2のゾーンZ2が選択されていたと判断したときには、第2のゾーンZ2での残燃料量演算の基準値となる基準残燃料量としてイグニッションスイッチ55の前回のオフ時の残燃料量を設定するので、残燃料量が第2のゾーンZ2から変化していない場合に残燃料量を精度良く算出することができる。
【0089】
また現在のゾーンが第2のゾーンZ2であってイグニッションスイッチ55のオンから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーン以外であるときに、イグニッションスイッチ55の前回のオフ時に第1および第2のゾーンZ1,Z2のいずれもが選択されていなかったときには、第2のゾーンZ2での残燃料量演算の基準値となる基準残燃料量として、フロート式残量センサ41で検出される上限の液面レベルである第2液面レベルL2に対応した値(たとえば20L)を設定するので、残燃料量が少ない状態から給油を行った場合に精度良く残燃料を算出することができる。
【0090】
さらにゾーンの確定不能時には残燃料量を「0」と設定するので、ゾーンの確定が不能であって故障の可能性がある場合に残燃料量を「0」とし、それにより車両運転者が異常を認知し易くなる。
【0091】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0092】
32F,32R・・・燃料噴射弁
33・・・燃料タンク
34・・・メインタンク
34a・・・凹部
35・・・サブタンク
41・・・フロート式残量センサ
42・・・第1サーミスタ
43・・・第2サーミスタ
44・・・演算手段
47・・・残量計
48・・・指針
55・・・イグニッションスイッチ
56・・・記憶手段
57・・・燃料噴射量制御手段
L1・・・第1液面レベル
L2・・・第2液面レベル
L3・・・第3液面レベル
L4・・・第4液面レベル
Z1,Z2,Z3,Z4,Z5・・・ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される燃料タンク(33)内の残燃料量を検出すべく、フロート式残量センサ(41)と、該フロート式残量センサ(41)のフロート可動範囲を外れる領域の液面レベルを検出するためのサーミスタ(42,43)とが前記燃料タンク(33)内に配設される車両用燃料タンク(33)の残燃料量検出装置において、前記燃料タンク(33)内に、前記フロート式残量センサ(41)と、該フロート式残量センサ(41)のフロート可動範囲の上限位置よりも上方に固定配置される第1サーミスタ(42)と、前記フロート式残量センサ(41)のフロート可動範囲の下限位置よりも下方に固定配置される第2サーミスタ(43)とが配設され、前記フロート式残量センサ(41)、第1サーミスタ(42)および第2サーミスタ(43)で検出される液面レベルに基づいて前記燃料タンク(33)内の残燃料量を演算する演算手段(44)が、イグニッションスイッチ(55)のオン直後は前記フロート式残量センサ(41)で検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出することを特徴とする車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項2】
前記演算手段(44)は、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過したときの第1および第2サーミスタ(42,43)の検出値を正規の検出値とし、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過した後には、前記フロート式残量センサ(41)、第1サーミスタ(42)および第2サーミスタ(43)で検出される液面レベルに基づいて残燃料量を算出することを特徴とする請求項1記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項3】
前記演算手段(44)の演算結果に基づいて残燃料量を表示する残量計(47)は、前記演算結果に応じて作動する指針(48)を備え、該指針(48)の下限値から上限値までの作動時間が前記所定時間以上に設定されることを特徴とする請求項2記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項4】
前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時の残燃料量を記憶する記憶手段(56)を含み、前記演算手段(44)は、前記イグニッションスイッチ(55)が今回オンとなった直後に前記フロート式残量センサ(41)がフロート可動範囲の下限位置を検出したときには前記記憶手段(56)が記憶していている残燃料量を今回の残燃料量として算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項5】
前記燃料タンク(33)からの燃料が供給される燃料噴射弁(32F,32R)からの燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段(57)を含み、前記演算手段(44)は、前記第1サーミスタ(42)で検出される第1液面レベル(L1)ならびに前記フロート可動範囲の上限位置に対応して前記フロート式残量センサ(41)で検出される第2液面レベル(L2)間の残燃料量と、前記フロート可動範囲の下限位置に対応して前記フロート式残量センサ(41)で検出される第3液面レベル(L3)ならびに第2サーミスタ(43)で検出される第4液面レベル(L4)間の残燃料量とを、前記燃料噴射量制御手段(57)で制御される燃料噴射量に基づいて算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項6】
前記燃料タンク(33)は、下方に凹んだ凹部(34a)を上面に有するメインタンク(34)と、該メインタンク(34)よりも容量を小さくしてメインタンク(34)とは別体に形成されるとともにメインタンク(34)の下部に接続されるサブタンク(35)とから成り、第1サーミスタ(42)と、前記凹部(34a)よりも下方に配置される前記フロート式残量センサ(41)とが前記メインタンク(34)内に配設され、前記第2サーミスタ(43)が前記サブタンク(35)内に配設されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項7】
前記燃料タンク(33)内に、前記第1サーミスタ(42)で検出される第1液面レベル(L1)よりも上方の第1のゾーン(Z1)と、前記フロート可動範囲の上限位置に対応して前記フロート式残量センサ(41)で検出される第2液面レベル(L2)および前記第1液面レベル(L1)間の第2のゾーン(Z2)とを含む複数のゾーン(Z1,Z2,Z3,Z4,Z5)が残燃料量の範囲毎に区分けされて設定され、前記演算手段(44)は、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過した後には、前記フロート式残量センサ(41)で検出される液面レベルと、第1および第2サーミスタ(42,43)で検出される液面レベルとに基づいて、複数の前記ゾーン(Z1〜Z5)の1つを選択することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項8】
前記演算手段(44)は、現在のゾーンと、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンとに基づいて残燃料量演算の基準となる基準残燃料量を設定し、該基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出することを特徴とする請求項7記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項9】
前記演算手段(44)は、現在のゾーンと、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンと、前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に選択されていたゾーンとに基づいて、残燃料量演算の基準となる基準残燃料量を設定し、該基準残燃料量および燃料消費の経時変化に基づいて残燃料量を算出することを特徴とする請求項7記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項10】
前記演算手段(44)は、現在のゾーンが第2のゾーン(Z2)であるときは、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーン(Z1)であるか否かの一次判断をし、当該一次判断の結果が第1のゾーン(Z1)である場合は、前記基準残燃料量を前記第1液面レベル(L1)に対応した値に設定することを特徴とする請求項8記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項11】
前記演算手段(44)は、現在のゾーンが第2のゾーン(Z2)であるときは、前記イグニッションスイッチ(55)がオン状態となってから所定時間が経過した後に最初に選択されたゾーンが第1のゾーン(Z1)であるか否かの一次判断をし、当該一次判断の結果が第1のゾーン(Z1)以外であるときには前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に選択されていたゾーンを判断し、前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に第1のゾーン(Z1)が選択されていた場合は、前記基準残燃料量を前記第1液面レベル(L1)に対応した値に設定することを特徴とする請求項9記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項12】
前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時の残燃料量を記憶する記憶手段(56)を含み、前記演算手段(44)は、前記一次判断の結果が第1のゾーン(Z1)以外であるときには前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に選択されていたゾーンを判断し、前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に第2のゾーン(Z2)が選択されていた場合は、前記基準残燃料量を前記記憶手段(56)で記憶されていた残燃料量の値に設定することを特徴とする請求項11記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項13】
前記演算手段(44)は、前記一次判断の結果が第1のゾーン(Z1)以外であるときには前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に選択されていたゾーンを判断し、前記イグニッションスイッチ(55)の前回のオフ時に第1および第2のゾーン(Z1,Z2)のいずれもが選択されていなかった場合は、前記基準残燃料量を第2液面レベル(L2)に対応した値に設定することを特徴とする請求項11記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。
【請求項14】
前記演算手段(44)は、前記ゾーン(Z1〜Z5)の確定不能のときに、残燃料量を「0」と設定することを特徴とする請求項7〜13のいずれかに記載の車両用燃料タンクの残燃料量検出装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−174730(P2010−174730A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17968(P2009−17968)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】