説明

車両用緊急通報装置、車両用中継装置、車両用緊急通報システム、緊急通報制御用プログラム、および中継制御用プログラム

【課題】サービスセンター200に何度も同じ警報が受信されることを抑制する。
【解決手段】電子制御装置30は、警報の送信に先だって、複数の停車車両からの経路情報を車車間通信装置41によりそれぞれ受信したと判定したとき、それぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する。前記選択された1つの経路情報に示される経路を経由して警報を自車両からサービスセンター200に送信する経路を設定する。電子制御装置30は、緊急事態が生じた場合には、前記設定された経路に沿って警報をサービスセンター200に送信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に緊急事態が生じたときに警報をサービスセンターに送信する車両用緊急通報装置、車両用中継装置、車両用緊急通報システム、緊急通報制御用プログラム、および中継制御用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用緊急通報システムでは、自車両に緊急事態が生じたとき、車載電話装置および車車間通信を用いて警報をサービスセンターに送信するものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
具体的には、自車両が車載電話装置の通信圏に位置するときには、車載電話装置を用いて自動的に警報をサービスセンターに送信する。自車両が地下駐車場等に入り、車載電話装置の通信圏から外れているときには、停車中の複数の他車両に車車間通信を用いて自動的に警報を送信する。
【0004】
そして、この送信された警報を受信された複数の他車両は、それぞれ、車両自体が車載電話装置の通信圏内に位置するときには、車載電話装置を用いて自動的に警報をサービスセンターに送信し、車両自体が車載電話装置の通信圏から外れているときには、複数の他車両に車車間通信により自動的に警報を送信する。
【0005】
このように、車両は、車車間通信により警報を受信すると、サービスセンターに対する車載電話装置による警報の送信と、複数の他車両に対する車車間通信により警報の送信とのうち一方を行うことになる。したがって、緊急事態が生じた自車両が車載電話装置の通信圏から外れていても、他車両との間の車車間通信を介してサービスセンターに送信することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−37414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の車両用緊急通報システムでは、緊急事態が生じた自車両が車載電話装置の通信圏から外れていている場合には、警報を受信した複数の停車車両は、それぞれ、自車両からの警報を受信すると、サービスセンターへの携帯電話による警報の送信と、複数の停車車両への車車間通信により警報の送信とのうち一方を行うことになる。
【0008】
したがって、緊急事態が生じた自車両とサービスセンターとの間で、警報を受信した複数の他車両がそれぞれ警報を送信する。この送信された警報がそれぞれサービスセンターに送信される。これに伴い、緊急事態が生じた自車両から警報がサービスセンターに送信される経路が複数形成されることになる。このため、サービスセンターには、何度も同じ警報が受信されることになる。
【0009】
本発明は上記点に鑑みて、サービスセンターには何度も同じ警報が受信されることを抑制する車両用緊急通報装置、車両用中継装置、車両用緊急通報システム、緊急通報制御用プログラム、および中継制御用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、警報の送信に先だって、警報を通信圏内に停車中の他車両を介してサービスセンターに送信する経路を示す経路情報を、停車中の複数の停車車両から車車間通信により受信したか否かを判定する経路受信判定手段(S300)を備え、
経路情報は、停車車両毎にこの停車車両から警報をサービスセンターに送信する経路を示すものであり、
複数の停車車両から経路情報をそれぞれ受信したと経路受信判定手段が判定したとき、複数の停車車両から受信したそれぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する選択手段(S310)と、
選択された1つの経路情報に示される経路を経由して警報を自車両からサービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)と、を備え、送信手段は、設定手段により設定された経路を示す経路情報を含む警報を送信することを特徴とする。
【0011】
以上により、警報が、警報自身に含まれる経路情報に基づいて、設定手段により設定された経路に沿ってサービスセンターに送信されることが可能になる。したがって、サービスセンターには何度も同じ警報が受信されることを抑制することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、停車車両が移動体通信機の通信圏内から外れている場合には、自車両と通信圏内に停車中の他車両との間で車車間通信により警報の中継を行う1台以上の車両が介在することを示す経路情報が受信されるようになっており、
停車車両が移動体通信機の通信圏内に入っている場合には、通信圏内に停車中の他車両としての当該停車車両に対して自車両が警報を車車間通信により送信することを示す経路情報が受信されるようになっており、
複数の経路情報のそれぞれは、自車両からの警報をサービスセンターに送信する際に警報を車車間通信により中継する車両の台数を含む情報であり、
選択手段は、受信手段により受信されたそれぞれの経路情報のうち、中継する車両の台数が少ない経路情報を1つの経路情報として選択することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、複数の停車車両のうち、それぞれの経路情報から、設定手段より設定された経路を経由して警報をサービスセンターに送信することを示す経路情報に変えることにより、警報の中継を行う車両の台数を減らすことが可能な停車車両があるか否かを判定する経路変更可能判定手段(S500)と、
複数の停車車両のうち、ある停車車両が警報の中継を行う車両の台数を減らすことが可能であると経路変更可能判定手段が判定したときに、ある停車車両に対して設定手段により設定された経路を示す経路情報を車車間通信により送信する送信手段(S510)と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、他車両からの経路情報を受信したか否かを判定する他車経路受信手段(S140)を備え、
他車両からの経路情報は、他車両から警報をサービスセンターに送信する経路を示すものであり、
設定手段より設定された経路に沿って自車両からサービスセンターに警報を送信する場合に比べて、他車両からの経路情報に示される経路を経由して自車両からサービスセンターに警報を送信する場合には、自車両とサービスセンターとの間で警報を中継する車両の台数を減らすことが可能であるか否かを判定する中継台数判定手段(S150)と、
他車両からの経路情報を受信したと他車経路受信手段が判定し、かつ警報を中継する車両の台数を減らすことが可能であると中継台数判定手段が判定したときには、他車両からの経路情報に示される経路を経由して自車両からサービスセンターに警報を送信する経路を設定し、この設定された経路を送信手段により警報をサービスセンターに送信する経路とする経路更新手段(S160)と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明では、自車両とサービスセンターとの間における移動体通信機の通信状態と車車間通信の通信状態とを示す通信情報が経路毎に経路情報とともに受信されるようになっており、
選択手段は、経路毎の通信情報に基づいて、それぞれの経路情報のうちサービスセンターと自車両との間における通信状態が最も良い経路情報を1つの経路情報として選択することを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明では、複数の停車車両のうち、それぞれの経路情報から、設定手段より設定された経路を経由して警報をサービスセンターに送信することを示す経路情報に変えることにより、警報をサービスセンターに送信する際に通信状態を改善することが可能な停車車両があるか否かを判定する経路変更可能判定手段(S500)と、
複数の停車車両のうち、ある停車車両が通信状態を改善することが可能であると経路変更可能判定手段が判定したときに、ある停車車両に対して設定手段により設定された経路を示す経路情報を車車間通信により送信する送信手段(S510)と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明では、警報の送信に先だって、停車中の複数の停車車両に対して経路情報を要求する要求信号を車車間通信により送信する要求手段(S290)と、
要求信号に応えた複数の停車車両から経路情報を車車間通信により受信する経路情報受信手段(41)と、を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明では、自車両が停車したときに、複数の停車車両を呼び出す呼出信号を送信する呼出手段(S270)と、
呼出手段による送信された呼出信号に応じた複数の停車車両からの応答信号を車車間通信により受信する応答受信手段(41)と、を備え、
要求手段は、応答信号を送信した複数の停車車両に対して要求信号を車車間通信により送信することを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明では、要求手段が要求信号を送信した後の一定期間の間で応答信号を自車両に送信してくる停車車両があるか否かを判定する応答受信判定手段(S280)と、
応答信号を自車両に送信してくる停車車両が無いと応答受信判定手段が判定したときには、応答信号を自車両に送信してくる停車車両があると応答受信判定手段が判定する迄、呼出手段は、繰り返し、呼出信号を送信するものであり、
今回、呼出手段は、前回に要求信号を送信したときに比べて大きな送信電力で、要求信号を送信することを特徴とする。
【0020】
請求項10に係る発明では、設定手段により設定された経路を示す経路情報を記憶する記憶手段(32)を備え、
送信手段は、記憶手段に記憶された経路情報に示される経路に沿ってサービスセンターに送信させるようになっており、
選択手段により選択された1つの経路情報を送信した停車車両から、設定手段により設定された経路を示す経路情報を記憶手段から削除することを要求する削除要求信号を車車間通信により受信したか否かを判定する削除要求受信判定手段(S250)と、
削除要求信号を受信したと削除要求受信判定手段が判定したときには、設定手段により設定された経路を示す経路情報を記憶手段から削除する記憶削除手段(S260)と、を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項11に係る発明では、自車両が停車中に、停車中の他車両に緊急事態が生じた旨を示す警報が他車両からサービスセンターに送信される際に警報の送信の中継を行う車両用中継装置であって、
警報を自車両からサービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)と、
警報を自車両に車車間通信により送信してくる相手車両の識別コードを記憶手段(32)に記憶させる記憶制御手段(S130)と、を備え、
警報には、設定手段により設定された経路を経由して他車両からサービスセンターに送信する経路を示す経路情報と相手車両の識別コードとが含まれており、
設定手段により設定された経路を示す経路情報、記憶手段に記憶された相手車両の識別コード、警報に含まれる経路情報、および警報に含まれる相手車両の識別コードに基づいて、他車両からの警報を受信したか否かを判定する警報判定手段(S190)と、
自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)と、
警報を受信したと警報判定手段が判定し、かつ自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると通信圏判定手段が判定したときには、設定手段により設定された経路に沿って停車中の停車車両に警報を車車間通信により送信することにより、警報の送信の中継を行う第1の送信手段(S240)と、
警報を受信したと警報判定手段が判定し、かつ自車両が通信圏内に入っていると通信圏判定手段が判定したときには、設定手段により設定された経路に沿って警報をサービスセンターに移動体通信機により送信することにより、警報の送信の中継を行う第2の送信手段(S230)と、を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項12に係る発明では、警報の受信に先だって、設定手段により設定された経路を示す経路情報を要求する要求信号を車車間通信により受信したか否かを判定する要求受信判定手段(S100)と、
相手車両からの要求信号を受信したと要求受信判定手段が判定したときに、設定手段により設定された経路を示す経路情報を車車間通信により相手車両に送信する経路送信手段(S110)と、
相手車両が警報をサービスセンターに送信する経路情報を設定する際に経路送信手段により送信された経路情報を採用することを決定した採用通知と相手車両の識別コードとを車車間通信により受信したか否かを判定する通知受信判定手段(S120)と、を備え、
採用通知と識別コードとを受信したと通知受信判定手段が判定したときに、前記記憶制御手段(S130)は、識別コードを記憶手段に記憶させることを特徴とする。
【0023】
請求項13に係る発明では、採用通知と識別コードとを受信したと通知受信判定手段が判定する毎に、記憶制御手段は、繰り返し、識別コードを記憶手段に記憶させるものであり、
記憶手段に記憶されている識別コードの個数が一定個数以下であるか否かを判定するコード個数判定手段(S105)を備え
記憶手段に記憶されている識別コードの個数が一定個数以下であるとコード個数判定手段が判定し、かつ相手車両からの要求信号を受信したと要求受信判定手段が判定したときに、経路送信手段が設定手段により設定された経路を示す経路情報を車車間通信により相手車両に送信するものであり、
記憶手段に記憶されている識別コードの個数が一定個数より大きいとコード個数判定手段が判定し、かつ相手車両からの要求信号を受信したと要求受信判定手段が判定したときに、経路送信手段が経路情報を車車間通信により相手車両に送信することを禁止することを特徴とする。
【0024】
請求項14に係る発明では、第1の通信装置は、第1車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると判定し、かつ第1車両に緊急事態が生じたと判定したときに、車車間通信により警報を送信し、
第2の通信装置は、第2車両が移動体通信機の通信圏内に位置すると判定したとき、第1の通信装置から送信された警報をサービスセンターに移動体通信機により送信し、
第2の通信装置は、第2車両が移動体通信機の通信圏から外れていると判定したとき、第1の通信装置から送信された警報を車車間通信により移動体通信機の通信圏内の他車両に送信して他車両から移動体通信機により警報をサービスセンターに送信させるようになっており、
第1の通信装置は、
警報の送信に先だって、警報をサービスセンターに送信する経路を示す経路情報を、停車中の複数の停車車両から車車間通信により受信したか否かを判定する経路受信判定手段(S300)を備え、
複数の経路情報は、停車車両毎に、移動体通信機の通信圏内に停車中の車両とサービスセンターとの間の移動体通信機による通信を介して、停車車両から警報をサービスセンターに送信する経路を示すものであり、
複数の停車車両から経路情報をそれぞれ受信したと経路受信判定手段が判定したとき、それぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する選択手段(S310)と、
選択された1つの経路情報に示される経路を経由して警報をサービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)と、を備え、
送信手段は、設定手段により設定された経路を示す経路情報を含む警報を送信することを特徴とする車両用緊急通報システム。
【0025】
以上により、請求項1に係る発明と同様、警報が、警報自身に含まれる経路情報に基づいて、設定手段により設定された経路に沿ってサービスセンターに送信されることが可能になる。したがって、サービスセンターには何度も同じ警報が受信されることを抑制することができる。
【0026】
請求項15に係る発明では、自車両が停車中に自車両に緊急事態が生じたか否かを判定する緊急判定手段(S210)、
自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)、
自車両が停車中に自車両に緊急事態が生じたと緊急判定手段が判定し、かつ自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると通信圏判定手段が判定したときに、通信可能圏内に停車中の他車両に対して車車間通信により警報を送信する送信手段(S240)として車両用緊急通報装置のコンピュータに機能させ、送信手段により送信された警報を他車両の移動体通信機からサービスセンター(200)に送信させる緊急通報制御用プログラムであって、
警報の送信に先だって、警報を通信圏内に停車中の他車両を介してサービスセンターに送信する経路を示す経路情報を、停車中の複数の停車車両から車車間通信により受信したか否かを判定する経路受信判定手段(S300)として車両用緊急通報装置のコンピュータに機能させ、
経路情報は、停車車両毎にこの停車車両から警報をサービスセンターに送信する経路を示すものであり、
さらに複数の停車車両から経路情報をそれぞれ受信したと経路受信判定手段が判定したとき、複数の停車車両から受信したそれぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する選択手段(S310)、
選択された1つの経路情報に示される経路を経由して警報を自車両からサービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)として車両用緊急通報装置のコンピュータに機能させ、送信手段は、設定手段により設定された経路を示す経路情報を含む警報を送信することを特徴とする緊急通報制御用プログラム。
【0027】
請求項16に係る発明では、自車両が停車中に、停車中の他車両に緊急事態が生じた旨を示す警報が他車両からサービスセンターに送信される際に警報の送信の中継を行う車両用中継装置のコンピュータを
警報を自車両からサービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)、
警報を自車両に車車間通信により送信してくる相手車両の識別コードを記憶手段(32)に記憶させる記憶制御手段(S130)として機能させる中継制御用プログラムであって、
警報には、設定手段により設定された経路を経由して他車両からサービスセンターに送信する経路を示す経路情報と相手車両の識別コードとが含まれており、
さらに車両用中継装置のコンピュータを
設定手段により設定された経路を示す経路情報、記憶手段に記憶された相手車両の識別コード、警報に含まれる経路情報、および警報に含まれる相手車両の識別コードに基づいて、他車両からの警報を受信したか否かを判定する警報判定手段(S190)、
自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)、
警報を受信したと警報判定手段が判定し、かつ自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると通信圏判定手段が判定したときには、設定手段により設定された経路に沿って停車中の停車車両に警報を車車間通信により送信することにより、警報の送信の中継を行う第1の送信手段(S240)、
警報を受信したと警報判定手段が判定し、かつ自車両が通信圏内に入っていると通信圏判定手段が判定したときには、設定手段により設定された経路に沿って警報をサービスセンターに移動体通信機により送信することにより、警報の送信の中継を行う第2の送信手段(S230)として機能させることを特徴とする中継制御用プログラム。
【0028】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る車両用緊急通報システムの第1実施形態の概略を示す模式図である。
【図2】第1実施形態で用いられる警報のフォーマットを示す図である。
【図3】第1実施形態の全体構成を示す図である。
【図4】図3中の電子制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】図3中の電子制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図6】図3中の電子制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図7】図3中の電子制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図8】図3中の電子制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図9】図3中の電子制御装置の制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態において車両が携帯電話の通信圏内に停車するときの具体例を示す模式図である。
【図11】第1実施形態において車両が携帯電話の通信圏の外側に停車するときの具体例を示す模式図である。
【図12】第1実施形態において車両が経路情報を選択する具体例を示す模式図である。
【図13】第1実施形態において車両が経路情報を選択する具体例を示す模式図である。
【図14】第1実施形態において車両のエンジン始動時の具体例を示す模式図である。
【図15】本発明に係る第2実施形態で用いられるフローチャートである。
【図16】本発明に係る第3実施形態で用いられるフローチャートである。
【図17】本発明に係る車両用緊急通報システムの第4実施形態の具体例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1実施形態)
図1に、本発明に係る車両用緊急通報システムの第1実施形態を示す。
【0031】
以下、本実施形態の車両用緊急通報システムの概略について、図1に示すように、3台の車両10a、10b、10cが停車中である場合を例にとり、説明する。
【0032】
まず、車両10cの電子制御装置は、緊急事態の発生時の警報の送信を行う処理を実行し、車両10a、10bの電子制御装置が、警報をサービスセンターに対して中継する処理を実行する。
【0033】
具体的には、車両10cが携帯電話の通信圏100から外れた位置に停車中である場合に、車両10cに緊急事態が生じたとき、車両10cの電子制御装置は、警報を車車間通信により送信する。
【0034】
ここで、携帯電話の通信圏100とは、車載電話装置(自動車電話)、携帯電話等の無線電話装置が無線通信可能である範囲のことである。警報には、当該警報を通信圏100の基地局101を介してサービスセンター200に送信する経路を示す経路情報が含まれている。当該経路は、車両10cとサービスセンターとの間で何れの車両を介して警報を送信するかを示している。
【0035】
例えば、経路情報には、図2において警報のフォーマットに示すように、警報を車両10c→車両10b→車両10a→サービスセンター200の順に送信する経路が設定されている。経路は、後述するように、車両10cとサービスセンター200との間で警報を中継する車両の台数に基づいて複数の経路のうち1つの経路が選ばれたものである。
【0036】
車両10bの電子制御装置は、当該車両10b自身に警報を送信してくる相手車両10cの識別コードCが登録されている相手車両リストを有する。相手車両リストに登録されている識別コードCは、後述するように、車両10bの電子制御装置が、警報の受信に先立って、車両10cの電子制御装置から受信したものである。車両10bの電子制御装置には、警報を車両10bから車両10aを介してサービスセンター200に送信する経路(以下、車両10bの経路という)を示す経路情報が記憶されている。
【0037】
次に、車両10bの電子制御装置は、車両10cからの警報を受信したか否かを判定する。
【0038】
具体的には、警報に含まれる経路情報に、警報を車両10bの経路を経由してサービスセンター200に送信する経路が設定され、かつ警報は、相手車両10cから直接送信されたものであると判定したときには、車両10cからの警報を受信したと判定する。
【0039】
ここで、車両10bは、携帯電話の通信圏100から外れた位置に停車中である。このため、車両10bの電子制御装置は、警報を車車間通信により送信する。
【0040】
車両10aの電子制御装置の相手車両リストには、相手車両としての車両10bの識別コードBが登録されている。相手車両リストに登録されている識別コードBは、後述するように、車両10aの電子制御装置が、警報の受信に先だって、車両10bの電子制御装置から受信したものである。車両10aの電子制御装置には、警報をサービスセンター200に送信する経路(以下、車両10aの経路という。)を示す経路情報が記憶されている。
【0041】
次に、車両10aの電子制御装置は、車両10bからの警報を受信したか否かを判定する。
【0042】
具体的には、警報に含まれる経路情報に、警報を車両10aの経路を経由してサービスセンター200に送信する経路が設定され、かつ警報は、相手車両10bから直接送信されたものであると判定したときには、車両10bからの警報を受信したと判定する。車両10aは、携帯電話の通信圏100内に停車中である。このため、車両10aの電子制御装置は、警報を電話装置により基地局101を介してサービスセンター200に送信する。
【0043】
以上により、車両10cが警報を送信することに先だって、車両10a、10bの相手車両リストには、該当する車両の識別コードが登録される。車両10a、10bの電子制御装置にはそれぞれ経路情報が記憶されている。そして、相手車両リストの識別コード、車両10a、10bの経路情報、および警報に含まれる経路情報により、車両10cに緊急事態が生じたとき、警報が車両10cからサービスセンター200に送信される経路が1つだけ形成されることになる。
【0044】
次に、本実施形態の車両10a、10b、10cに搭載される、電子制御装置を含めた全体の車載システムについて図3を参照して説明する。
【0045】
図3には、車両10a、10bの車載システム20だけが示されており、車両10cの車載システム20が省略されている。
【0046】
車両10aの車載システム20は、電子制御装置30、電話装置40、車車間通信装置41、自車位置センサ50、異常検出装置51、および表示パネル62を備える。
【0047】
電子制御装置30は、マイクロコンピュータ31、およびメモリ32から構成され、コンピュータプログラムの実行に伴って、自車位置センサ50の出力信号に基づいて位置情報を繰り返し算出する位置算出処理、緊急事態の発生時の警報の発令および警報の中継を行うために警報送信処理を実行する。
【0048】
メモリ32には、マイクロコンピュータ31により実行されるコンピュータプログラム以外に、相手車両リストと自車両の経路情報とが記憶されている。相手車両リストには、自車両(車両10a)が警報を中継する際に当該警報を自車両に直接送信してくる相手車両の識別コードが登録されている。自車両の経路情報とは、後述するように、自車両に緊急事態が生じたときに警報をサービスセンター200に送信する経路を示す情報である。
【0049】
電話装置40は、自動車電話(移動体電話)を構成するもので、携帯電話網の基地局101との間の無線通信を介してサービスセンター200に対して警報を送信する。サービスセンター200は、車両から送信される警報に応じて、車両に異常が生じた旨および自車両の位置情報を当該車両のユーザおよび警察に連絡する。
【0050】
車車間通信装置41は、他車両(図3中では車両10bを示す)の車車間通信装置41との間で電波を媒体として通信を行う。自車位置センサ50は、GPS衛星、或いは携帯電話網の基地局等から送信される電波信号に基づいて自車両(車両10a)の位置を検出するものである。
【0051】
異常検出装置51は、車両の停車時に異常が生じたことを検出する。車両の異常とは、例えば、窓ガラスが割られたり、車室内に人が侵入したり、車両が発火したり、車両が異常に傾いたり、ドアがこじ開けられたりすることである。表示パネル62は、乗員(ユーザ)に情報を通知するヒューマンマシンインタフェース(HMI)を構成するもので、車室内の乗員に向けて情報を表示する。
【0052】
車両10b、10cの車載システム20は、車両10aの車載システム20と同様である。このため、車両10b、10cの車載システム20の構成の説明を省略する。
【0053】
次に、本実施形態の電子制御装置30の警報送信処理について説明する。
【0054】
電子制御装置30は、図4〜図9のフローチャートにしたがって、警報送信処理を実行する。警報送信処理は、停車中処理、停車時処理、および始動時処理から構成されている。
【0055】
本実施形態において、停車時とは、イグニッションスイッチIGをオフしてから所定期間が経過する前の期間のことである。停車中とは、イグニッションスイッチIGのオフ後前記所定期間を経過してからイグニッションスイッチIGがオンするまでの期間である。
【0056】
以下、停車中処理、停車時処理、および始動時処理を別々に説明する。
(停車中処理)
電子制御装置30は、図4、図5、図6のフローチャートにしたがって、停車中処理を実行する。停車中処理は、イグニッションスイッチIGがオフされた後、所定期間経過後に開始される。停車中処理の実行は、所定周期毎に、繰り返し、行われる。
【0057】
まず、ステップS100において、自車両の経路情報を要求する要求信号を車車間通信装置41により受信したか否かを判定する。自車両の経路情報とは、図1中の車両10cの場合には、車両10c→車両10b→車両10a→サービスセンター200の順に送信する経路を示す情報のことである。
【0058】
ここで、要求信号を受信すると、ステップS100でYESと判定して、次のステップS110において、前記要求信号を送信した相手車両に自車両の経路情報を車車間通信装置41により送信する。
【0059】
次のステップS120において、相手車両から自車両の経路情報を採用した旨を示す採用通知を受信したか否かを判定する。採用通知は、相手車両自身が警報をサービスセンター200に送信する経路を設定する際に自車両の経路情報を採用した旨を示す通知である。なお、ステップS120の処理の具体例については、後述する。
【0060】
ここで、採用通知を受信したときには、ステップS120においてYESと判定する。採用通知には、相手車両自身の識別コードが含まれている。そして、次のステップS130において、メモリ32における相手車両リストに相手車両の識別コードを登録する。
【0061】
次のステップS140において、他車両の経路情報を受信したか否かを判定する。他車両の経路情報とは、他車両が警報をサービスセンター200に送信する経路(以下、他車両の経路という)を示す情報である。その後、他車両の経路情報を受信したときには、ステップS140においてYESと判定する。
【0062】
ここで、仮に、他車両の経路情報を用いて経路情報を更新した場合、この更新後の経路情報の方が、自車両の経路情報よりも経路が短くなる場合がある。言い換えれば、更新後の経路情報の方が、自車両の経路情報よりも自車両とサービスセンター200との間で中継する車両の台数が少なくなる場合がある。
【0063】
そこで、次のステップS150において、他車両の経路情報を用いた更新の経路情報の方が、自車両の経路情報に比べて短いか否かを判定する。
【0064】
ここで、他車両の経路情報を用いた更新の経路情報の方が、自車両の経路情報に比べて、自車両とサービスセンター200との間で中継する車両の台数が少ない場合には、ステップS150でYESと判定する。
【0065】
すると、次のステップS160において、他車両の経路情報を用いて自車両の経路を更新する。更新後の自車両の経路とは、自車両から他車両の経路を経由して警報をサービスセンター200に送信する経路である。なお、ステップS140、S150、S160の処理の具体例については、後述する。
【0066】
次のステップS170において、自車両の経路を更新する際に他車両の経路を採用した採用通知を車車間通信装置41により他車両に対して送信する。
【0067】
次に、図5のステップS190において、緊急事態が生じた車両(以下、事故車両という)からの警報を受信したか否かを判定する。ステップS190の処理の具体例については、後述する。
【0068】
ここで、事故車両からの警報を受信したときには、ステップS190においてYESと判定する。これに伴い、ステップS200において、自車両が携帯電話の通信圏100内に位置するか否かを判定する。
【0069】
具体的には、電話装置40により基地局101から送信される送信信号を受信した際の受信電力を算出する。そして、この算出した受信電力が一定以上であるか否かを判定することにより、自車両が携帯電話の通信圏100内に位置するか否かを判定する。
【0070】
ここで、自車両が携帯電話の通信圏100内に位置するとしてステップS200においてYESと判定したときには、警報を電話装置40により基地局101を介してサービスセンター200に送信する。
【0071】
ステップS200において、自車両が携帯電話の通信圏から外れているときには、NOと判定する。すると、次のステップS240において、車車間通信装置41により自車両の経路情報に沿って停車中の停車車両に警報を送信する。
【0072】
また、上述のステップS190において、事故車両からの警報を受信していないときには、NOと判定する。これに伴い、次のステップS210において、自車両に緊急事態が生じたか否かを判定する。
【0073】
ここで、異常検出装置51により自車両に異常が生じたことが検出されたときには、自車両に緊急事態が生じたとして、ステップS210においてYESとする。これに伴い、ステップS200において、自車両が携帯電話の通信圏内に位置するか否かを判定する。
【0074】
ここで、自車両が携帯電話の通信圏内に位置するときには、ステップS200においてYESと判定して、警報を電話装置40により基地局101を介してサービスセンター200に送信する。ステップS200において、自車両が携帯電話の通信圏から外れているときには、NOと判定して、次のステップS240において、車車間通信装置41により自車両の経路情報に沿って停車中の停車車両に警報を送信する。
【0075】
ここで、警報としては、図2に示すように、警報識別情報、位置情報、および経路情報から構成されている。警報識別情報は、車両に緊急事態が生じた旨を示す識別情報である。
【0076】
経路情報は、自車両の経路情報、および車両毎の識別コードから構成されている。車両毎の識別コードは、自車両とサービスセンター200との間で警報を中継する車両の識別コードと自車両の識別コードとから構成されている。前記中継する車両とは、図1に示す例では、車両10b、10cに相当する。
【0077】
位置情報として、上述した位置算出処理により繰り返し算出された位置情報のうち最後に算出された位置情報が用いられる。これは、携帯電話の通信圏から外れている箇所(例えば、地下駐車場)では、GPS衛星からの電波信号が到達しなく、緊急事態が生じた自車両の停車位置を示す位置情報を正確に求めることができない可能性が高いからである。上述の最後に算出された位置情報は、実際に停車している位置情報に近い位置を示す情報であると考えられる。
【0078】
次に、ステップS250において、メモリ32から自車両の経路情報を削除することを要求する削除要求信号を他車両から受信したか否かを判定する。削除要求信号は、後述するように、他車両のエンジン始動時に他車両から送信されるものである。
【0079】
ここで、削除要求信号を受信したときには、ステップS250においてYESと判定して、次のステップS260においてメモリ32から自車両の経路情報を削除する。このため、自車両から警報をサービスセンター200に送信することができなくなる。
【0080】
そこで、次の図6のステップS270〜S330において、自車両の経路情報を設定する。
【0081】
まず、ステップS270において、通信相手としての車両を検索する。具体的には、複数の停車車両を呼び出す呼出信号を車車間通信装置41による同報通信により送信する。
【0082】
次のステップS280において、呼出信号に応えた他車両から応答信号を受信したか否かを判定する。他車両から応答信号を受信したときには、ステップS280において、YESと判定する。これに伴い、次のステップS290において、車車間通信装置41により、応答信号を送信してきた他車両毎に、経路情報要求信号を送信する。
【0083】
次のステップS300において、他車両から経路情報を車車間通信装置41により受信しかた否かを判定する。他車両から経路情報を受信したときには、ステップS300でYESと判定する。
【0084】
ここで、複数の他車両から経路情報をそれぞれ受信した場合には、次のステップS310において、それぞれの経路情報のうち、最も短い経路を示す経路情報を1つ選択する。
【0085】
具体的には、複数の経路情報のうち、自車両とサービスセンター200との間で警報を送信する際に中継する車両の台数が最も少ない経路を示す情報を1つ選択する。1台の他車両だけから経路情報を受信して、上述のステップS300でYESと判定した場合には、次のステップS310において、1台の他車両から受信した経路情報を1つの経路情報と決める。
【0086】
このように1つの経路情報を選択すると、次のステップS320において、当該1つの経路情報を経由して自車両の経路情報を設定する。自車両の経路情報は、当該1つの経路情報を用いて自車両からの警報をサービスセンター200に送信する経路を示す情報である。
【0087】
次に、ステップS330において、前記1つの経路情報を送信してきた停車車両に対して採用通知を車車間通信装置41により送信する。採用通知は、前記1つの経路情報を送信してきた停車車両に対して停車車両の経路情報を採用して自車両の経路情報を設定した旨を示す通知である。
(停車時処理)
電子制御装置30は、図7、図8のフローチャートにしたがって、停車時処理を実行する。停車時処理は、イグニッションスイッチIGがオフされた後で、停車中処理の実行の開始前に、繰り返し、実行される。なお、図7、図8において、図4、図5、図6中の同一ステップには、同一符号を付している。
【0088】
まず、ステップS200において、自車両が携帯電話の通信圏100内に位置するか否かを判定する。自車両が携帯電話の通信圏100内に位置するときには、ステップS200においてYESと判定してステップS480に進む。ここで、自車両の経路情報として、自車両から電話装置40によりサービスセンター200に警報を送信する経路を示す情報を設定する。その後、ステップS490において、自車両の経路情報を車車間通信装置41による同報通信により送信する。
【0089】
次の図8のステップS120において、相手車両から自車両の経路情報を採用した旨を示す採用通知を受信したか否かを判定する。ここで、採用通知を受信したときには、ステップS120においてYESと判定する。これに伴い、次のステップS130において、メモリ32における相手車両リストに相手車両の識別コードを登録する。
【0090】
また、上述のステップS200(図7参照)において、自車両が携帯電話の通信圏100から外れているときには、NOと判定する。その後、ステップS270、ステップS280のYES判定、ステップS290、ステップS300のYES判定、およびステップS310、S320、S320のそれぞれの処理を行うことにより、自車両の経路情報を設定する。自車両の経路情報の設定処理は、図6のステップS270〜S330における処理と同一であるため、処理の説明を省略する。
【0091】
その後、図8のステップS500において、上述のステップS290における応答信号に応えて他車両から受信された経路情報に基づいて、経路情報を改善可能な他車両があるか否かを判定する。なお、ステップS500の判定処理の詳細については、後述する。
【0092】
そして、ステップS500において、経路情報を改善可能な他車両があるとしてYESと判定したときには、経路情報を改善可能であると判定した他車両に対して自車両の経路情報を車車間通信装置41により送信する。
【0093】
また、ステップS280において、他車両から応答信号を受信しないときには、NOと判定する。ステップS300において、他車両から経路情報を受信しないときには、NOと判定する。
【0094】
このように、ステップS280、S300のうち一方のステップにおいてNOと判定した場合には、自車両の経路情報の設定が行われない。これに加えて、相手車両リストに対する相手車両の識別コードの登録が行われない。このため、ステップS560において、緊急通報システムが作動しない旨を表示パネル62により文字表示する。すなわち、自車両に緊急事態が生じても警報を送信しなく、他車両から警報は送信されても、この警報をサービスセンター200に中継しない旨を車室内の乗員に通知することになる。
(始動時処理)
電子制御装置30は、図9のフローチャートにしたがって、始動時処理を実行する。始動時処理は、イグニッションスイッチIGがオンされた後で、実行される。
【0095】
まず、ステップS600において、相手車両リストに登録されている相手車両に対して、経路情報をメモリ32から削除することを要求する経路削除要求信号を車車間通信装置41により送信する。
【0096】
次に、本実施形態において警報送信処理の具体例1〜6について別々に説明する。
(具体例1)
車両10aが携帯電話の通信圏100内に停車するときの例について図10を参照して説明する。
【0097】
車両10aが携帯電話の通信圏100内に停車するとき、車両10aの電子制御装置30は、停車時処理を実行する。この場合、自車両の経路情報には、図7のステップS480の処理により、車両10aからサービスセンター200に警報を送信する経路(車両10a→サービスセンター200)が設定される。
【0098】
ここで、車両10aにより車車間通信により通信可能な範囲内に他車両が存在しない場合には、相手車両から自車両の経路情報を採用した旨を示す採用通知を受信することはない。図8のステップS120でNOと判定する。したがって、相手車両リストには、相手車両の識別コードが登録されない。
(具体例2)
車両10aが携帯電話の通信圏100内に停車中に車両10bが携帯電話の通信圏100から外れた場所に停車するときの例について図11を参照して説明する。
【0099】
この場合、車両10aの電子制御装置30は、停車中処理を実行する。車両10bの電子制御装置30は、停車時処理を実行する。
【0100】
車両10bの電子制御装置30は、図7中のステップS290において、車両10aの電子制御装置30に対して経路情報要求信号を送信する。これに伴い、車両10aの電子制御装置30は、経路情報要求信号を受信すると、図4のステップS100でYESと判定して、次のステップS110で経路情報を送信する。
【0101】
車両10bの電子制御装置30は、車両10aからの経路情報を受信すると、図7のステップS300でYESと判定する。その後、ステップS310において、車両10aからの経路情報を、自車両の経路情報を設定するための1つの経路情報と決める。これに伴い、ステップ320で、車両10aからの経路情報に基づいて自車両の経路情報を設定する。自車両の経路情報は、車両10bから車両10aを経てサービスセンター200に警報を送信する経路を示す情報である。次のステップS330において、車両10b自身の識別コードを含む採用通知を車両10aの電子制御装置30に送信する。
【0102】
車両10aの電子制御装置30は、車両10bからの採用通知を受信すると、図4のステップ120でYESと判定する。これに伴い、次のステップS130において、当該採用通知に含まれる車両10bの識別コードBを相手車両リストに登録する。
(具体例3)
車両10a、10b、10dが停車中に車両10cが携帯電話の通信圏100から外れた場所に停車するときの例について図12を参照して説明する。
【0103】
この場合、車両10b、10dの電子制御装置30は、停車中処理を実行する。車両10cの電子制御装置30は、停車時処理を実行する。
【0104】
車両10cの電子制御装置30は、図7中のステップS290において、車両10b、10dの電子制御装置30に対して経路情報要求信号を送信する。これに伴い、車両10b、10dの電子制御装置30は、それぞれ、次のステップS110(図4参照)で経路情報を送信する。
【0105】
次に、車両10cの電子制御装置30は、車両10b、10dからの経路情報を受信すると、図7のステップS300でYESと判定する。ここで、車両10bの経路情報には、車両10bとサービスセンター200との間で1台の車両(車両10a)が中継して警報を送信する経路が設定されている。
【0106】
これに対し、車両10dの経路情報には、車両10dとサービスセンター200との間で例えば5台の車両(図示省略)が中継して警報を送信する経路が設定されている。なお、以下、車両10bとサービスセンター200との間で中継する車両の台数を中継台数という。
【0107】
車両10cの電子制御装置30は、図7のステップS310において、車両10bの経路情報と車両10dの経路情報とのうち中継台数が少ない車両10bの経路情報を選択する。
【0108】
すると、ステップS320において、車両10bの経路情報(他車経路)を用いて自車両の経路情報を設定する。自車両の経路情報には、車両10c→車両10b→車両10a→サービスセンター200の順に警報を送信する経路が設定されている。その後、ステップS330において、経路採用通知を車両10bに送信する。経路採用通知には、車両10cの識別コードCが含まれている。
【0109】
これに伴い、車両10bの電子制御装置30は、経路採用通知を受信すると図4のステップS120でYESと判定して、次のステップS130で相手車両リストに識別コードCを登録する。
【0110】
なお、車両10bの経路情報と車両10dの経路情報とは、それぞれ中継台数が同じである場合に、ランダムに、1つの経路情報を選択する。
(具体例4)
車両10a、10b、10c、10dが停車中である場合に、車両10dの電子制御装置30が、他車両10cの経路情報を用いて自車両の経路情報を更新する例について図13を参照して説明する。
【0111】
まず、車両10cの電子制御装置30は、図7のステップS300において、車両10dの経路情報を受信したとき、YESと判定する。
【0112】
車両10dの経路情報には、車両10dとサービスセンター200との間で例えば5台の車両(図示省略)が中継して警報を送信する経路が設定されている。
【0113】
ここで、車両10dの電子制御装置30が、仮に、車両10cの経路情報を用いて車両10dの経路情報を更新すると、更新後の車両10dの経路情報には、車両10d→車両10c→車両10b→車両10a→サービスセンター200の順に警報を送信する経路が設定される。このため、車両10dとサービスセンター200との間で警報を中継する中継台数は3台となる。
【0114】
そこで、車両10cの電子制御装置30は、図8のステップS500において、経路情報を改善可能な他車両10dがあるとして、YESと判定する。これに伴い、車両10dに車両10cの経路情報を送信する。
【0115】
車両10dの電子制御装置30は、車両10cの経路情報として他車両の経路情報を受信すると、図4のステップS140でYESと判定する。
【0116】
これに伴い、車両10cの経路情報を用いた更新後の車両10dの経路情報の方が、上述の如く、自車両の経路情報に比べて、中継台数が少ないとして(換言すれば、経路が短いとして)、ステップS150でYESと判定する。そして、ステップS160において、車両10cの経路情報を用いて車両10dの経路情報を更新する。これに伴い、ステップS170で、採用通知を車車間通信装置41により車両10cに送信する。採用通知には、車両10dの識別コードDが含まれている。
【0117】
次に、車両10cの電子制御装置30は、採用通知を受信すると、図4のステップ120でYESと判定する。これに伴い、次のステップS130において、当該採用通知に含まれる車両10dの識別コードDを相手車両リストに登録する。
(具体例5)
車両10a、10cが停車中である場合に、車両10bがエンジンを始動する例について図14を参照して説明する。
【0118】
車両10bの電子制御装置30は、始動時処理の実行に伴って、相手車両リストに登録されている相手車両10cに対して、経路情報をメモリ32から削除することを要求する経路削除要求信号を車車間通信装置41により送信する。
【0119】
車両10cの電子制御装置30は、経路削除要求信号を受信すると、図5のステップS250においてYESと判定する。これに伴い、ステップS260においてメモリ32から自車両の経路情報を削除する。
【0120】
以上、具体例1〜具体例5で説明したように、車両毎の経路情報の記憶、経路情報の削除、および相手車両リストに対する識別コードの登録が行われる。そして、下記の具体例6に示すように、車両に緊急事態が生じた場合には、車両毎の経路情報、および相手車両リストに登録された識別コードに基づいて警報がサービスセンター200に送信される。
(具体例6)
車両10aが携帯電話の通信圏100内に停車中で、車両10b、10cが通信圏100から外れた位置に停車中である場合に、車両10cに緊急事態が生じた例について図1を参照して説明する。
【0121】
まず、車両10cの電子制御装置30は、車両10cに緊急事態が生じたときには、図5のステップS210でYESと判定する。その後、車両10cが通信圏100から外れた位置に停車中であるため、ステップS240でNOと判定する。これに伴い、警報を車車間通信装置41により車両10bに送信する。
【0122】
次に、車両10bの電子制御装置30は、車両用中継装置として作動し、車両10cからの警報を受信すると、ステップS190においてYESと判定する。車両10cからの警報を受信したか否かを判定に際しては、次のように行われる。
【0123】
まず、警報には、車両10c→車両10b→車両10a→サービスセンター200の順に警報を送信する経路を示す経路情報、および車両10a、10b、10cの各識別コードが含まれている。
【0124】
車両10bの電子制御装置30には、車両10b→車両10c→サービスセンター200の順に警報を送信する経路(以下、車両10bの経路という)を示す経路情報が記憶されている。車両10bの電子制御装置30の相手車両リストには、車両10cの識別コードCが登録されている。
【0125】
ここで、警報に含まれる経路情報に、車両10bの経路を経由して車両10cからサービスセンター200に警報を送信する経路が設定され、かつ警報は、相手車両リストに登録された車両10cから直接送信されたものであると判定したとき、車両10cからの警報を受信したとしてステップS190でYESと判定することになる。
【0126】
例えば、警報に含まれる経路情報に、車両10bの経路以外の他の経路を経由して、車両10cからサービスセンター200に警報を送信する経路が設定されているときには、受信した警報は、車両10cからの警報ではないとして、ステップS190でNOと判定する。
【0127】
或いは、警報に含まれる車両毎の識別コードと相手車両リストに登録されている識別コードとに基づいて、受信した警報が、相手車両リストに登録された車両10c以外の他の車両から直接送信されたものであると判定したとき、受信した警報が、車両10cからの警報ではないとして、ステップS190でNOと判定する。
【0128】
このような判定によりステップS190でYESと判定し、次のステップS200において車両10bが携帯電話の通信圏100から外れているとしてNOと判定すると、ステップS240に進む。これに伴い、車車間通信装置41により車両10aに対して送信する。
【0129】
次に、車両10aの電子制御装置30は、車両用中継装置として作動し、車両10bからの警報を車車間通信装置41により受信すると、ステップS190でYESと判定する。
【0130】
ここで、車両10bからの警報を受信したか否かを判定に際しては、上述した車両10aの電子制御装置30が車両10bからの警報を受信したか否かの判定と実質的同様である。このため、車両10bからの警報を受信したか否かの判定については説明を省略する。
【0131】
次のステップS200において車両10bが携帯電話の通信圏100内に位置するとしてYESと判定すると、ステップS230に進む。これに伴い、電話装置40により警報をサービスセンター200に対して送信する。
【0132】
以上説明した本実施形態によれば、電子制御装置30は、警報の送信に先だって、複数の停車車両からの経路情報を車車間通信装置41によりそれぞれ受信したと判定したとき、それぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する。前記選択された1つの経路情報に示される経路を経由して警報を自車両からサービスセンター200に送信する経路を設定する。よって、電子制御装置30は、緊急事態が生じた場合には、前記設定された経路に沿って警報をサービスセンター200に送信させる。したがって、自車両からサービスセンター200迄に警報を送信する経路が1つだけ設定される。このため、サービスセンター200には何度も同じ警報が受信されることを抑制することができる。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、停車中処理の実行に伴い、他車両から経路情報要求信号を受信すると、必ず、自車両の経路情報を他車両に送信させる例を示したが、これに代えて、相手車両リストに登録される車両の台数が一定以下であるときにだけ、自車両の経路情報を他車両に送信させる本第2実施形態を示す。
【0133】
図15は、本実施形態における停車中処理の一部を示すフローチャートである。図15のフローチャートは、図4においてステップS100とステップS110との間にステップS105を追加したものである。
【0134】
以下、本実施形態の電子制御装置30の制御処理について、上述の第1実施形態との相違点について説明する。
【0135】
本実施形態の電子制御装置30は、自車両の経路情報を要求する要求信号を車車間通信装置41により受信したときに、ステップS100において、YESと判定する。
【0136】
次に、ステップS105において、相手車両リストに登録されている車両台数(すなわち、識別コードの登録数)が一定値以下であるか否かを判定する。相手車両リストに登録されている車両台数が一定値以下であるとき、ステップS105においてYESと判定する。このとき、ステップS110において、前記要求信号を送信した相手車両に自車両の経路情報を車車間通信装置41により送信する。
【0137】
また、相手車両リストに登録されている車両台数が一定値より大きいときには、ステップS105において、NOと判定して図4のステップS140に移行する。これにより、他車両からの要求信号を受信しても、他車両に対して自車両の経路情報を送信しない。
【0138】
以上説明した本実施形態によれば、相手車両リストに登録されている車両台数が一定値より大きいときには、他車両に対して自車両の経路情報を送信しない。このため、相手車両リストに登録されている車両台数が一定値以下に制限することができる。
【0139】
ここで、自車両のエンジン始動時には、相手車両リストに登録されている車両に対して経路削除要求信号を送信する。このため、相手車両リストの登録車両台数が多くなると、自車両のエンジン始動時には、沢山の車両に対して経路削除要求信号を送信することになる。したがって、一台の自車両のエンジン始動時により、沢山の車両に影響を与えることになる。
【0140】
これに対して、本実施形態では、上述の如く、相手車両リストに登録されている車両台数が一定値以下に制限するので、自車両のエンジン始動時に影響を与える車両台数を制限することができる。
(第3実施形態)
次に、停車中処理の実行に伴って、通信相手としての車両を検索する際に
他車両から応答信号を受信する迄、呼出信号を送信する送信電力を徐々に大きくする本第3実施形態を示す。
【0141】
図16は、本実施形態における停車中処理の一部を示すフローチャートである。図16のフローチャートは、図6においてステップS281、S282を追加したものである。
【0142】
以下、本実施形態の電子制御装置30の停車中処理について、上述の第1実施形態との相違点について説明する。
【0143】
まず、ステップS270において、呼出信号を車車間通信装置41による同報通信により送信する。
【0144】
その後、一定期間の間で、前記呼出信号に応えた他車両から応答信号を受信しないときには、ステップS280においてNOと判定する。
【0145】
次に、ステップS281において、前回に呼出信号を送信したときの送信電力(以下、前回の送信電力という)は、一定値PW以下であるか否かを判定する。前回の送信電力が一定値PW以下であるときには、YESと判定する。
【0146】
これに伴い、ステップS282において、次に呼出信号を送信するための送信電力(以下、今回の送信電力という)を求める。今回の送信電力は、前回の送信電力に一定値Δtを加えて今回の送信電力とする。すなわち、送信電力を一定値Δt分、増加させることになる。
【0147】
次に、ステップ270において、上述した今回の送信電力で、再び、車車間通信装置41による同報通信により送信する。
【0148】
その後、次のステップS280において、一定期間の間に、呼出信号に応えた他車両から応答信号を受信しなく、かつステップS282で求められる今回の送信電力が一定値PW以下である限り、ステップS270、ステップS280のNO判定、ステップS281のYES判定、およびステップS282を繰り返す。
【0149】
これにより、ステップS281でYESと判定する毎に、呼出信号を送信する送信電力を一定値Δt毎に増加させる。その後、他車両から応答信号を受信したときには、ステップS280において、YESと判定して、図6中のステップS290に進む。
【0150】
なお、他車両から応答信号を受信しなく、ステップS280においてNOと判定し、かつ送信電力が一定値PWより大きくなると、ステップS281において、NOと判定して、図8のステップS560に進む。
【0151】
以上説明した本実施形態によれば、送信電力が一定値を越えるまでは、他車両から応答信号を受信する迄、送信電力を徐々に大きくすることができる。このため、自車両に近い距離に位置する他車両から応答信号を受信することができる。したがって、自車両に近い距離に位置する他車両の経路情報を用いて自車両の経路情報を設定することができる。
(第4実施形態)
上述の第1〜3実施形態では、自車両の経路情報を設定する際に複数の他車両から受信された複数の経路情報うち、中継する車両台数の少ない1つ経路情報を選択した例を示したが、これに代えて、携帯電話の通信網の基地局101と車両との間の通信状態と車車間通信の通信状態とに基づいて、複数の経路情報のうち1つの経路情報を選択する本第4実施形態を示す。
【0152】
本実施形態の電子制御装置は、車車間通信装置41により受信される受信電力と電話装置40により受信される受信電力のうちいずれか一方の受信電力を求める。
【0153】
ここで、車車間通信装置41により受信される受信電力は、他車両の車車間通信装置41から送信される送信信号の受信電力である。電話装置40により受信される受信電力は、基地局101から送信される送信信号の受信電力である。電子制御装置30は、他車両から経路情報を要求する経路情報要求信号を受信すると(図4ステップS100参照)、自車両の経路情報とともに、前記一方の受信電力を示す通信情報を送信する。
【0154】
以下、本実施形態の具体例について図17を用いて説明する。
【0155】
図17は、車両10a、車両10d、車両10e、車両10f、車両10gがそれぞれ停車中である場合に、車両10bが停車するときの状況を示している。
【0156】
車両10aの電子制御装置30には、自車両の経路情報として、車両10aからサービスセンター200に警報を送信する経路(以下、第1の経路という)が設定されている。
【0157】
車両10gの電子制御装置30には、自車両の経路情報として、車両10gから車両10f、10e、10dを経由してサービスセンター200に警報を送信する経路(以下、第2の経路という)が設定されている。
【0158】
また、車両10dの電子制御装置30は、基地局101から送信される送信信号の受信電力Wdを求めるとともに、車両10eの電子制御装置30からの経路情報要求信号に応えて受信電力Wdを示す通信情報を自車両の経路情報とともに車両10eの電子制御装置30に送信する。
【0159】
車両10eの電子制御装置30は、車両10dの車車間通信装置41から送信される送信信号の受信電力Weを求めるとともに、車両10fの電子制御装置30からの経路情報要求信号に応えて受信電力Wd、Weを示す通信情報を自車両の経路情報とともに車両10fの電子制御装置30に送信する。
【0160】
車両10fの電子制御装置30は、車両10eの車車間通信装置41から送信される送信信号の受信電力Wfを求めるとともに、車両10gの電子制御装置30からの経路情報要求信号に応えて受信電力Wd、We、Wfを示す通信情報を自車両の経路情報とともに車両10gの電子制御装置30に送信する。
【0161】
車両10gの電子制御装置30は、車両10fの車車間通信装置41から送信される送信信号の受信電力Wgを求めるとともに、車両10bの電子制御装置30からの経路情報要求信号に応えて受信電力Wd、We、Wf、Wgを示す通信情報を自車両の経路情報とともに車両10bの電子制御装置30に送信する。
【0162】
車両10aの電子制御装置30は、基地局101から送信される送信信号の受信電力Waを求めるとともに、車両10bの電子制御装置30からの経路情報要求信号に応えて受信電力Waを示す通信情報と自車両の経路情報とを車両10bの電子制御装置30に送信する。
【0163】
車両10bの電子制御装置30は、車両10aの車車間通信装置41から送信される送信信号の受信電力Wb1と、車両10gの車車間通信装置41から送信される送信信号の受信電力Wb2とを求める。
【0164】
以上のように、車両10bの電子制御装置30は、受信電力Wa、Wb1と受信電力Wd、We、Wf、Wg、Wb2とを求めることができる。これに加えて、車両10bの電子制御装置30は、受信電力Wa、Wb1、Wb2、Wd、We、Wf、Wgに基づいて、車両10aの電子制御装置30からの経路情報と車両10gの電子制御装置30からの経路情報とのうち1つの経路情報を選択する。
【0165】
具体的には、受信電力Waが第1の所定値以上であるか否かを判定する。第1の所定値は、他車両の電子制御装置30(或いは基地局101)との間で確実に通信可能であるか否かを判定するための閾値である。第1の所定値として、他車両の電子制御装置30(或いは基地局101)との間で通信可能であるか否かを判定するための閾値に比べて大きな値が設定されている。
【0166】
受信電力Waの場合と同様に、受信電力Wb1、Wb2、Wd、We、Wf、Wgについて第1の所定値以上であるか否かを判定する。
【0167】
ここで、受信電力Wa、Wb1は第1の経路に対応し、受信電力Wd、We、Wf、Wg、Wb2は、第2の経路に対応している。
【0168】
例えば、受信電力Wa、Wb1のうち少なくとも一方の受信電力が第1の所定値未満で、かつ受信電力Wd、We、Wf、Wg、Wb2の全てが第1の所定値以上である場合には、第1の経路に比べて第2の経路の方が、通信状態が良いと判定する。これに伴い、第2の経路を示す経路情報を1つの経路情報として選択する。
【0169】
受信電力Wa、Wb1の全てが第1の所定値以上で、かつ受信電力Wd、We、Wf、Wg、Wb2のうち少なくとも1つの受信電力が第1の所定値未満である場合には、第2の経路に比べて第1の経路の方が、通信状態が良いと判定する。これに伴い、第1の経路を示す経路情報を1つの経路情報として選択する。
【0170】
以上のように1つの経路情報を選択すると、上述の第1実施形態と同様に、この選択された1つの経路情報に基づいて自車両の経路情報を設定する。
【0171】
なお、第1、第2の経路について、それぞれ通信状態が良いと判定したときには、第1、第2の経路のうち一方の経路をランダムに選択し、この選択された経路を示す1つの経路情報に基づいて自車両の経路情報を設定する。
【0172】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、移動体通信機として車載電話装置を用いた例を示したが、これに代えて、ビーコン等の路上機と無線通信する無線装置などを用いてもよい。移動体通信機としては、光、超音波などを媒体として通信を行う装置を用いてもよい。
【0173】
上述の各実施形態では、車車間通信装置41として、電波を媒体として通信を行う装置を示したが、これに代えて、車車間通信装置41として、光、超音波などを媒体として通信を行う装置を用いてもよい。
【0174】
上述の第1実施形態では、警報に含まれる位置情報として、上述した位置算出処理により繰り返し算出された位置情報のうち最後に算出された位置情報を用いる例を示したが、これに限らず、自車両とサービスセンター200との間で警報を中継する車両のうち、携帯電話の通信圏100内に位置する車両の位置情報を用いてもよい。
【0175】
上述の第1実施形態では、経路において自車両とサービスセンター200との間で警報を中継する車両の中継台数を用いて、複数の経路情報のうち1つの経路情報を選択した例を示したが、これに代えて、受信電力と中継台数とを組み合わせて、経路情報を選択してもよい。
【0176】
例えば、2つの経路情報では、それぞれ中継台数が同一である場合には、上述の第4実施形態の如く受信電力を用いて1つ経路情報を選択してもよい。
【0177】
また、上述の第4実施形態において、2つの経路情報について、受信電力を用いて通信状態を判定したものの、2つの経路情報についてそれぞれ通信状態が良いと判定した場合には、中継台数を用いて、2つの経路情報のうち1つ経路情報を選択してもよい。
【0178】
上述の第1実施形態では、ヒューマンマシンインタフェースとして、表示パネルを用いた例を示したが、これに限らず、乗員(ユーザ)に情報を通知するものであれば、音声情報を出力するスピーカなどの各種のものを用いてもよい。
【符号の説明】
【0179】
10a 車両
10b 車両
10c 車両
20 車載システム
30 電子制御装置
31 マイクロコンピュータ
32 メモリ
40 電話装置
41 車車間通信装置
50 自車位置センサ
51 異常検出装置
62 表示パネル
100 携帯電話の通信圏
200 サービスセンター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が停車中に前記自車両に緊急事態が生じたか否かを判定する緊急判定手段(S210)と、
前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)と、
前記自車両が停車中に前記自車両に緊急事態が生じたと前記緊急判定手段が判定し、かつ前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると前記通信圏判定手段が判定したときに、前記通信可能圏内に停車中の他車両に対して車車間通信により警報を送信する送信手段(S240)と、を備え、前記送信手段により送信された警報を前記他車両の移動体通信機からサービスセンター(200)に送信させる車両用緊急通報装置であって、
前記警報の送信に先だって、前記警報を前記通信圏内に停車中の他車両を介して前記サービスセンターに送信する経路を示す経路情報を、停車中の複数の停車車両から車車間通信により受信したか否かを判定する経路受信判定手段(S300)を備え、
前記経路情報は、前記停車車両毎にこの停車車両から前記警報を前記サービスセンターに送信する経路を示すものであり、
前記複数の停車車両から経路情報をそれぞれ受信したと前記経路受信判定手段が判定したとき、前記複数の停車車両から受信したそれぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する選択手段(S310)と、
前記選択された1つの経路情報に示される経路を経由して前記警報を前記自車両から前記サービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)と、を備え、
前記送信手段は、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を含む前記警報を送信することを特徴とする車両用緊急通報装置。
【請求項2】
前記停車車両が前記移動体通信機の通信圏内から外れている場合には、前記自車両と前記通信圏内に停車中の他車両との間で前記車車間通信により前記警報の中継を行う1台以上の車両が介在することを示す前記経路情報が受信されるようになっており、
前記停車車両が前記移動体通信機の通信圏内に入っている場合には、前記通信圏内に停車中の他車両としての当該停車車両に対して前記自車両が前記警報を前記車車間通信により送信することを示す前記経路情報が受信されるようになっており、
前記複数の経路情報のそれぞれは、前記自車両からの前記警報を前記サービスセンターに送信する際に前記警報を前記車車間通信により中継する車両の台数を含む情報であり、
前記選択手段は、前記受信手段により受信されたそれぞれの経路情報のうち、前記中継する車両の台数が少ない経路情報を前記1つの経路情報として選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項3】
前記複数の停車車両のうち、前記それぞれの経路情報から、前記設定手段より設定された経路を経由して前記警報を前記サービスセンターに送信することを示す経路情報に変えることにより、前記警報の中継を行う車両の台数を減らすことが可能な停車車両があるか否かを判定する経路変更可能判定手段(S500)と、
前記複数の停車車両のうち、ある停車車両が前記警報の中継を行う車両の台数を減らすことが可能であると前記経路変更可能判定手段が判定したときに、前記ある停車車両に対して前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を前記車車間通信により送信する送信手段(S510)と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項4】
他車両からの経路情報を受信したか否かを判定する他車経路受信手段(S140)を備え、
前記他車両からの経路情報は、前記他車両から前記警報を前記サービスセンターに送信する経路を示すものであり、
前記設定手段より設定された経路に沿って前記自車両から前記サービスセンターに前記警報を送信する場合に比べて、前記他車両からの経路情報に示される経路を経由して前記自車両から前記サービスセンターに前記警報を送信する場合には、前記自車両と前記サービスセンターとの間で前記警報を中継する車両の台数を減らすことが可能であるか否かを判定する中継台数判定手段(S150)と、
前記他車両からの経路情報を受信したと前記他車経路受信手段が判定し、かつ前記警報を中継する車両の台数を減らすことが可能であると前記中継台数判定手段が判定したときには、前記他車両からの経路情報に示される経路を経由して前記自車両から前記サービスセンターに前記警報を送信する経路を設定し、この設定された経路を前記送信手段により前記警報を前記サービスセンターに送信する経路とする経路更新手段(S160)と、
を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項5】
前記自車両と前記サービスセンターとの間における前記移動体通信機の通信状態と前記車車間通信の通信状態とを示す通信情報が前記経路毎に前記経路情報とともに受信されるようになっており、
前記選択手段は、前記経路毎の通信情報に基づいて、前記それぞれの経路情報のうち前記サービスセンターと前記自車両との間における通信状態が最も良い経路情報を前記1つの経路情報として選択することを特徴とする請求項1に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項6】
前記複数の停車車両のうち、前記それぞれの経路情報から、前記設定手段より設定された経路を経由して前記警報を前記サービスセンターに送信することを示す経路情報に変えることにより、前記警報を前記サービスセンターに送信する際に前記通信状態を改善することが可能な停車車両があるか否かを判定する経路変更可能判定手段(S500)と、
前記複数の停車車両のうち、ある停車車両が前記通信状態を改善することが可能であると前記経路変更可能判定手段が判定したときに、前記ある停車車両に対して前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を前記車車間通信により送信する送信手段(S510)と、
を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項7】
前記警報の送信に先だって、前記停車中の複数の停車車両に対して前記経路情報を要求する要求信号を前記車車間通信により送信する要求手段(S290)と、
前記要求信号に応えた前記複数の停車車両から経路情報を前記車車間通信により受信する経路情報受信手段(41)と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1つに記載の車両用緊急通報装置。
【請求項8】
前記自車両が停車したときに、前記複数の停車車両を呼び出す呼出信号を送信する呼出手段(S270)と、
前記呼出手段による送信された呼出信号に応じた前記複数の停車車両からの応答信号を前記車車間通信により受信する応答受信手段(41)と、を備え、
前記要求手段は、前記応答信号を送信した前記複数の停車車両に対して前記要求信号を前記車車間通信により送信することを特徴とする請求項7に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項9】
前記要求手段が前記要求信号を送信した後の一定期間の間で前記応答信号を前記自車両に送信してくる前記停車車両があるか否かを判定する応答受信判定手段(S280)と、
前記応答信号を前記自車両に送信してくる前記停車車両が無いと前記応答受信判定手段が判定したときには、前記応答信号を前記自車両に送信してくる前記停車車両があると前記応答受信判定手段が判定する迄、前記呼出手段は、繰り返し、前記呼出信号を送信するものであり、
今回、前記呼出手段は、前回に前記要求信号を送信したときに比べて大きな送信電力で、前記要求信号を送信することを特徴とする請求項8に記載の車両用緊急通報装置。
【請求項10】
前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を記憶する記憶手段(32)を備え、
前記送信手段は、前記記憶手段に記憶された経路情報に示される経路に沿って前記サービスセンターに送信させるようになっており、
前記選択手段により選択された1つの経路情報を送信した前記停車車両から、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を前記記憶手段から削除することを要求する削除要求信号を前記車車間通信により受信したか否かを判定する削除要求受信判定手段(S250)と、
前記削除要求信号を受信したと前記削除要求受信判定手段が判定したときには、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を前記記憶手段から削除する記憶削除手段(S260)と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の車両用緊急通報装置。
【請求項11】
自車両が停車中に、停車中の他車両に緊急事態が生じた旨を示す警報が前記他車両からサービスセンターに送信される際に前記警報の送信の中継を行う車両用中継装置であって、
前記警報を前記自車両から前記サービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)と、
前記警報を前記自車両に車車間通信により送信してくる相手車両の識別コードを記憶手段(32)に記憶させる記憶制御手段(S130)と、を備え、
前記警報には、前記設定手段により設定された経路を経由して前記他車両から前記サービスセンターに送信する経路を示す経路情報と前記相手車両の識別コードとが含まれており、
前記設定手段により設定された経路を示す経路情報、前記記憶手段に記憶された相手車両の識別コード、前記警報に含まれる経路情報、および前記警報に含まれる前記相手車両の識別コードに基づいて、前記他車両からの警報を受信したか否かを判定する警報判定手段(S190)と、
前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)と、
前記警報を受信したと前記警報判定手段が判定し、かつ前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると前記通信圏判定手段が判定したときには、前記設定手段により設定された経路に沿って停車中の停車車両に前記警報を前記車車間通信により送信することにより、前記警報の送信の中継を行う第1の送信手段(S240)と、
前記警報を受信したと前記警報判定手段が判定し、かつ前記自車両が前記通信圏内に入っていると前記通信圏判定手段が判定したときには、前記設定手段により設定された経路に沿って前記警報を前記サービスセンターに移動体通信機により送信することにより、前記警報の送信の中継を行う第2の送信手段(S230)と、
を備えることを特徴とする車両用中継装置。
【請求項12】
前記警報の受信に先だって、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を要求する要求信号を車車間通信により受信したか否かを判定する要求受信判定手段(S100)と、
前記相手車両からの前記要求信号を受信したと前記要求受信判定手段が判定したときに、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を前記車車間通信により前記相手車両に送信する経路送信手段(S110)と、
前記相手車両が前記警報を前記サービスセンターに送信する経路情報を設定する際に前記経路送信手段により送信された経路情報を採用することを決定した採用通知と前記相手車両の識別コードとを前記車車間通信により受信したか否かを判定する通知受信判定手段(S120)と、を備え
前記採用通知と前記識別コードとを受信したと前記通知受信判定手段が判定したときに、前記記憶制御手段(S130)は、前記識別コードを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項11に記載の車両用中継装置。
【請求項13】
前記採用通知と前記識別コードとを受信したと前記通知受信判定手段が判定する毎に、前記記憶制御手段は、繰り返し、前記識別コードを前記記憶手段に記憶させるものであり、
前記記憶手段に記憶されている前記識別コードの個数が一定個数以下であるか否かを判定するコード個数判定手段(S105)を備え
前記記憶手段に記憶されている前記識別コードの個数が一定個数以下であると前記コード個数判定手段が判定し、かつ前記相手車両からの前記要求信号を受信したと前記要求受信判定手段が判定したときに、前記経路送信手段が前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を前記車車間通信により前記相手車両に送信するものであり、
前記記憶手段に記憶されている前記識別コードの個数が一定個数より大きいと前記コード個数判定手段が判定し、かつ前記相手車両からの前記要求信号を受信したと前記要求受信判定手段が判定したときに、前記経路送信手段が前記経路情報を前記車車間通信により前記相手車両に送信することを禁止することを特徴とする請求項12に記載の車両用中継装置。
【請求項14】
第1車両に搭載されて、前記第1車両の停車中に、車車間通信を行う第1の通信装置(20)と、
第2車両に搭載されて、前記第2車両の停車中に、サービスセンターとの間の移動体通信機による通信と車車間通信とのうちいずれか一方を行う第2の通信装置(20)と、を備え、
前記第1の通信装置は、前記第1車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると判定し、かつ前記第1車両に緊急事態が生じたと判定したときに、車車間通信により警報を送信し、
前記第2の通信装置は、前記第2車両が前記移動体通信機の通信圏内に位置すると判定したとき、前記第1の通信装置から送信された警報を前記サービスセンターに前記移動体通信機により送信し、
前記第2の通信装置は、前記第2車両が前記移動体通信機の通信圏から外れていると判定したとき、前記第1の通信装置から送信された警報を前記車車間通信により前記移動体通信機の通信圏内の他車両に送信して前記他車両から前記移動体通信機により前記警報を前記サービスセンターに送信させるようになっており、
前記第1の通信装置は、
前記警報の送信に先だって、前記警報を前記サービスセンターに送信する経路を示す経路情報を、停車中の複数の停車車両から車車間通信により受信したか否かを判定する経路受信判定手段(S300)を備え、
前記複数の経路情報は、前記停車車両毎に、前記移動体通信機の通信圏内に停車中の車両と前記サービスセンターとの間の前記移動体通信機による通信を介して、前記停車車両から前記警報を前記サービスセンターに送信する経路を示すものであり、
前記複数の停車車両から経路情報をそれぞれ受信したと前記経路受信判定手段が判定したとき、前記それぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する選択手段(S310)と、
前記選択された1つの経路情報に示される経路を経由して前記警報を前記サービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)と、を備え、
前記送信手段は、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を含む前記警報を送信することを特徴とする車両用緊急通報システム。
【請求項15】
自車両が停車中に前記自車両に緊急事態が生じたか否かを判定する緊急判定手段(S210)、
前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)、
前記自車両が停車中に前記自車両に緊急事態が生じたと前記緊急判定手段が判定し、かつ前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると前記通信圏判定手段が判定したときに、前記通信可能圏内に停車中の他車両に対して車車間通信により警報を送信する送信手段(S240)として車両用緊急通報装置のコンピュータに機能させ、前記送信手段により送信された警報を前記他車両の移動体通信機からサービスセンター(200)に送信させる緊急通報制御用プログラムであって、
前記警報の送信に先だって、前記警報を前記通信圏内に停車中の他車両を介して前記サービスセンターに送信する経路を示す経路情報を、停車中の複数の停車車両から車車間通信により受信したか否かを判定する経路受信判定手段(S300)として前記車両用緊急通報装置のコンピュータに機能させ、
前記経路情報は、前記停車車両毎にこの停車車両から前記警報を前記サービスセンターに送信する経路を示すものであり、
さらに前記複数の停車車両から経路情報をそれぞれ受信したと前記経路受信判定手段が判定したとき、前記複数の停車車両から受信したそれぞれの経路情報のうち1つの経路情報を選択する選択手段(S310)、
前記選択された1つの経路情報に示される経路を経由して前記警報を前記自車両から前記サービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)として前記車両用緊急通報装置のコンピュータに機能させ、前記送信手段は、前記設定手段により設定された経路を示す経路情報を含む前記警報を送信することを特徴とする緊急通報制御用プログラム。
【請求項16】
自車両が停車中に、停車中の他車両に緊急事態が生じた旨を示す警報が前記他車両からサービスセンターに送信される際に前記警報の送信の中継を行う車両用中継装置のコンピュータを
前記警報を前記自車両から前記サービスセンターに送信する経路を設定する設定手段(S320)、
前記警報を前記自車両に車車間通信により送信してくる相手車両の識別コードを記憶手段(32)に記憶させる記憶制御手段(S130)として機能させる中継制御用プログラムであって、
前記警報には、前記設定手段により設定された経路を経由して前記他車両から前記サービスセンターに送信する経路を示す経路情報と前記相手車両の識別コードとが含まれており、
さらに前記車両用中継装置のコンピュータを
前記設定手段により設定された経路を示す経路情報、前記記憶手段に記憶された相手車両の識別コード、前記警報に含まれる経路情報、および前記警報に含まれる前記相手車両の識別コードに基づいて、前記他車両からの警報を受信したか否かを判定する警報判定手段(S190)、
前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れているか否かを判定する通信圏判定手段(S200)、
前記警報を受信したと前記警報判定手段が判定し、かつ前記自車両が移動体通信機の通信圏内から外れていると前記通信圏判定手段が判定したときには、前記設定手段により設定された経路に沿って停車中の停車車両に前記警報を前記車車間通信により送信することにより、前記警報の送信の中継を行う第1の送信手段(S240)、
前記警報を受信したと前記警報判定手段が判定し、かつ前記自車両が前記通信圏内に入っていると前記通信圏判定手段が判定したときには、前記設定手段により設定された経路に沿って前記警報を前記サービスセンターに移動体通信機により送信することにより、前記警報の送信の中継を行う第2の送信手段(S230)として機能させることを特徴とする中継制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−198574(P2010−198574A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−46007(P2009−46007)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】