説明

車両用走行制御装置および車両用走行制御方法

【課題】先行車両への追従性や先行車両の追越し性を向上させることができると共に、燃費向上を図る。
【解決手段】車両用走行制御装置10のMG/BATECU36は、少なくともアクセル開度と車速と車間距離とからなる走行状態の履歴情報から各車速および車間距離毎の移動標準偏差を算出し、各移動標準偏差に応じて、少なくとも車速維持モードと車間距離維持モードと駆動力維持モードとのうちの何れの維持モードを選択するかを判定し、該判定の結果による維持モードから内燃機関11の運転点として定点運転または出力追従運転を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用走行制御装置および車両用走行制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、先行車両の捕捉時に、設定された自車両と先行車両との車間距離を維持するように制駆動力を制御する車間制御システムと、車間制御システムから出力された車間距離情報からモータと内燃機関との駆動分配比を設定するモータ内燃機関駆動力配分比設定手段とを設け、車間制御による走行時に、車間距離情報から応答性の高い駆動力を要求する場合、あるいは、自車両と先行車両との車間距離が短くなる場合は、要求駆動力に対しモータにより分担する駆動力配分比を高くしてモータの駆動出力の割合を増加させる制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−168502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る制御装置によれば、車間制御による走行時、車間距離情報に反映される加速意図に応じて高い加速応答性を発揮することにより、先行車両への追従性や先行車両の追越し性を高めることができると共に、燃費向上にも寄与することができる。
しかしながら、渋滞時に車間距離が増加した場合に、単に内燃機関の駆動頻度を増加させているため、運転者が本当に先行車両に対して追従する意図を持っているかどうかを判定することはできない。これにより、自車両が先行車両を捕捉した時に、より燃費を向上させる可能性がある場合にもかかわらずに、追従を前提とした制御に切り替わることで燃費が悪化してしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、先行車両への追従性や先行車両の追越し性を向上させることができると共に、燃費向上を図ることが可能な車両用走行制御装置および車両用走行制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両用走行制御装置は、内燃機関(例えば、実施の形態での内燃機関11)の動力によって発電する発電手段(例えば、実施の形態での発電用モータ12およびPDU14)と、少なくとも前記発電手段の発電電力によって走行する車両(例えば、実施の形態でのハイブリッド車両1)の走行状態を検出する走行状態検出手段(例えば、実施の形態でのミリ波レーダ37、アクセルペダル開度センサ41、車速センサ42)と、前記走行状態検出手段により検出された前記走行状態の履歴情報を記憶する記憶手段(例えば、実施の形態でのMG/BATECU36が兼ねる)と、前記履歴情報に応じた運転点で前記内燃機関を制御する制御手段(例えば、実施の形態でのFIECU31、MG/BATECU36)とを備え、前記走行状態検出部は、前記走行状態として、少なくともアクセル開度と車速と車間距離とを検出し、前記制御手段は、前記履歴情報から各前記車速および前記車間距離毎の移動標準偏差(例えば、実施の形態での車速移動標準偏差VPSDおよび車間距離移動標準偏差DSD)を算出し、前記移動標準偏差に応じて、少なくとも車速維持モードと車間距離維持モードと駆動力維持モードとのうちの何れの維持モードを選択するかを判定し、該判定の結果による前記維持モードから前記運転点として定点運転または出力追従運転を導出する。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用走行制御装置では、前記制御手段は、前記車速維持モードまたは前記駆動力維持モードを選択しているときは前記運転点を前記出力追従運転とし、前記車間距離維持モードを選択しているときは前記運転点を前記定点運転とする。
【0008】
さらに、本発明の第3態様に係る車両用走行制御装置では、前記制御手段は、前記車間距離の移動標準偏差が所定の車間距離標準偏差判定値(例えば、実施の形態での車間距離維持優先判別車間距離移動標準偏差DSDJUD)未満の場合に前記アクセル開度と前記車間距離の安定度との関係から前記車間距離維持モードを選択するか否かを判定し、前記車間距離の移動標準偏差が前記車間距離標準偏差判定値以上かつ前記車速の移動標準偏差が所定の車速標準偏差判定値(例えば、実施の形態での車速維持優先判別移動標準偏差VPSDJUD)未満の場合に前記アクセル開度と前記車速の安定度との関係から前記車速維持モードを選択するか否かを判定し、前記車間距離の移動標準偏差が前記車間距離標準偏差判定値以上かつ前記車速の移動標準偏差が前記車速標準偏差判定値以上の場合に前記アクセル開度と前記駆動力の安定度との関係から前記駆動力維持モードを選択するか否かを判定する。
【0009】
さらに、本発明の第4態様に係る車両用走行制御装置では、前記車間距離の安定度は、前記アクセル開度の移動平均に前記車間距離維持モードに応じた第1所定値(例えば、実施の形態での第1所定値DAPD)を加減して得られる第1アクセル開度範囲(例えば、実施の形態での車間距離一定型判断下限AP開度APDL〜車間距離一定型判断上限AP開度APDH)に関連し、前記制御手段は、前記アクセル開度が、少なくとも前記第1アクセル開度範囲内に含まれる場合に、前記車間距離維持モードを選択する。
【0010】
さらに、本発明の第5態様に係る車両用走行制御装置では、前記車速の安定度は、前記アクセル開度の移動平均に前記車速維持モードに応じた第2所定値(例えば、実施の形態での第2所定値DAPV)を加減して得られる第2アクセル開度範囲(例えば、実施の形態での車速一定型判断下限AP開度APVL〜車速一定型判断上限AP開度APVH)に関連し、前記制御手段は、前記アクセル開度が、少なくとも前記第2アクセル開度範囲内に含まれる場合に、前記車速維持モードを選択する。
【0011】
さらに、本発明の第6態様に係る車両用走行制御装置では、前記駆動力の安定度は、前記アクセル開度の移動平均に前記駆動力維持モードに応じた第3所定値(例えば、実施の形態での第3所定値DAPF)を加減して得られる第3アクセル開度範囲(例えば、実施の形態での駆動力一定型判断下限AP開度APFL〜駆動力一定型判断上限AP開度APFH)に関連し、前記制御手段は、前記アクセル開度が、少なくとも前記第3アクセル開度範囲内に含まれる場合に、前記駆動力維持モードを選択する。
【0012】
さらに、本発明の第7態様に係る車両用走行制御装置では、前記制御手段は、前記アクセル開度が所定の下限閾値(例えば、実施の形態での安定度推定判断実施下限AP開度APLJUD)より大きいときに前記何れの維持モードを選択するかを判定する。
【0013】
さらに、本発明の第8態様に係る車両用走行制御装置では、前記制御手段は、前記車速が所定の安定車速範囲(例えば、実施の形態での安定度推定判断実施下限車速VPSTBL〜安定度推定判断実施上限車速VPSTBH)内かつ車両の走行を停止させるブレーキ操作が実行されていないときに前記何れの維持モードを選択するかを判定する。
【0014】
さらに、本発明の第9態様に係る車両用走行制御装置では、前記制御手段は、前記移動標準偏差に応じて前記維持モードを選択可能になってから第1所定時間(例えば、実施の形態での維持制御実施遅延時間TSTB1)が継続した場合に前記維持モードを選択する。
【0015】
さらに、本発明の第10態様に係る車両用走行制御装置では、前記制御手段は、前記移動標準偏差に応じて前記維持モードを選択可能にならずに第2所定時間(例えば、実施の形態での維持制御解除遅延時間TSTB2)が継続した場合に前記維持モードの選択を解除する。
【0016】
また、本発明の第11態様に係る車両用走行制御方法では、内燃機関の動力によって発電し、少なくとも発電電力によって走行する車両の走行状態として、少なくともアクセル開度と車速と車間距離とを検出し、検出した前記走行状態の履歴情報を記憶し、前記履歴情報に応じた運転点で前記内燃機関を制御する際に、前記履歴情報から各前記車速および前記車間距離毎の移動標準偏差(例えば、実施の形態での車速移動標準偏差VPSDおよび車間距離移動標準偏差DSD)を算出し、前記移動標準偏差に応じて、少なくとも車速維持モードと車間距離維持モードと駆動力維持モードとのうちの何れの維持モードを選択するかを判定し、該判定の結果よる前記維持モードから前記運転点として定点運転または出力追従運転を導出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1態様に係る車両用走行制御装置、及び本発明の第11態様に係る車両用走行制御方法によれば、運転者毎に異なる走行状態の履歴情報から算出した各車速および車間距離毎の移動標準偏差に応じて、維持モードの選択および運転点の導出を行なうことから、車両の走行制御に運転者の運転意思を適正に反映させつつ運転効率を向上させることができる。
【0018】
本発明の第2態様に係る車両用走行制御装置によれば、運転者が車速維持や駆動力維持の運転操作を行なっている場合には、比較的に車速や要求駆動力が安定しているため、この運転操作に応じた要求出力に追従する発電手段の出力追従運転であっても、内燃機関のEGR(排気再循環)導入量などは急変せずに、安定した高効率運転を維持することができる。
また、運転者が車間距離維持の運転操作を行なっている場合には、比較的に車速や駆動力が変動するため、この運転操作に応じた要求出力に追従する発電手段の出力追従運転を停止し、内燃機関の最も運転効率の良い運転点での運転を基本とする定点運転に切り替える。これにより、車速や駆動力が変化しても発電手段を駆動する内燃機関は安定した状態で運転されるため、高効率での運転を維持することができる。
【0019】
本発明の第3態様に係る車両用走行制御装置によれば、運転者毎に異なる走行状態の履歴情報から算出した各車速および車間距離毎の移動標準偏差に応じて、各維持モードを選択するか否かの判定を行なうことから、車両の走行制御に運転者の運転意思を適正に反映させる。
【0020】
本発明の第4態様から第6態様に係る車両用走行制御装置によれば、各維持モードに応じた各アクセル開度範囲に関連する各車間距離および車速および駆動力の安定度と、アクセル開度とに基づいて、各維持モードを選択するか否かの判定を行なうことから、各維持モードおよび運転点の適切な選択を精度良く行なうことができる。
【0021】
本発明の第7態様および第8態様に係る車両用走行制御装置によれば、アクセル開度が所定の下限閾値より大きいときに、アクセル開度の変化量が少ない各維持モードを選択する頻度を高めることができ、燃費向上に寄与することができる。
また、アクセル開度の変化をもたらす運転操作が、駆動力維持と車速維持と車間距離維持との何れに起因するものであるかを明確に判別することができるため、運転者の運転意図を的確に把握することができる。
【0022】
本発明の第8態様に係る車両用走行制御装置によれば、何れの維持モードを選択するかを判定する際の判定精度を向上させることができる。
【0023】
本発明の第9態様または第10態様に係る車両用走行制御装置によれば、維持モードの選択と選択解除との切り換えが頻繁に行なわれてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用走行制御装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るアクセル開度APに対する第1〜第3アクセル開度範囲の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車速VPおよびアクセル開度APの変化の例と、AP所定範囲内判定フラグおよび安定度判別フラグF_STBのフラグ値の変化の例とを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用走行制御装置の動作つまり車両用走行制御方法の処理を示すフローチャートである。
【図5】図4に示す制御目標推定および操作安定度推定の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係る車間距離移動標準偏差DSDおよび車速移動標準偏差VPSDと、車速維持モードおよび車間距離維持モードとの対応関係の一例を示す図である。
【図7】図4に示すオペレーション決定の処理を示すフローチャートである。
【図8】図7に示す発電オペレーション決定の処理を示すフローチャートである。
【図9】図7に示す発電オペレーション決定の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態に係る車両用走行制御装置および車両用走行制御方法について添付図面を参照しながら説明する。
【0026】
本実施の形態による車両用走行制御装置10は、例えば図1に示すハイブリッド車両1に搭載されており、このハイブリッド車両1は、例えば2気筒の内燃機関(ENG)11のクランクシャフト(図示略)に発電用モータ(GEN)12が連結され、走行用モータ(MOT)13が駆動輪Wに連結されたシリーズ型のハイブリッド車両である。
【0027】
各モータ12,13は、例えば3相のDCブラシレスモータなどであって、各モータ12,13を制御する各パワードライブユニット(PDU)14,15に接続されている。
各PDU14,15は、例えばトランジスタなどのスイッチング素子を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路を具備するパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータを備えて構成されている。
【0028】
そして、各PDU14,15は、高圧系のリチウムイオン(Li−ion)型などのバッテリ(BATT)16に接続されている。
なお、バッテリ16は、例えば外部の充電装置(図示略)などに接続可能な外部充電プラグ16aを備え、この外部充電プラグ16aを介して外部の充電装置により充電可能とされている。
【0029】
例えば内燃機関11の動力により発電用モータ12が発電する場合には、PDU14は発電用モータ12から出力される交流の発電電力を直流電力に変換して、バッテリ16を充電または走行用モータ13のPDU15に電力供給する。
また、例えば走行用モータ13の駆動時には、PDU15はバッテリ16または発電用モータ12のPDU14から供給される直流電力を交流電力に変換して、走行用モータ13に供給する。
【0030】
一方、例えばハイブリッド車両1の減速時などにおいて駆動輪W側から走行用モータ13側に駆動力が伝達されると、走行用モータ13は発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。この走行用モータ13の発電時には、PDU15は走行用モータ13から出力される交流の発電(回生)電力を直流電力に変換して、バッテリ16を充電する。
【0031】
また、各種補機類からなる電気負荷を駆動するための低圧の12Vバッテリ(12V−BATT)17はDC/DCコンバータ18に接続され、DC/DCコンバータ18は各PDU14,15およびバッテリ16に接続されている。
DC/DCコンバータ18は、バッテリ16の端子間電圧あるいは各PDU14,15の端子間電圧を所定の電圧値まで降圧して12Vバッテリ17を充電可能である。
なお、例えばバッテリ16の残容量(SOC:State Of Charge)が低下している場合などにおいては、12Vバッテリ17の端子間電圧を昇圧してバッテリ16を充電可能にしてもよい。
【0032】
また、電動コンプレッサ(E−COMP)19を駆動制御する空調装置用インバータ(ACINV)20は、各PDU14,15およびバッテリ16に接続されている。
電動コンプレッサ(E−COMP)19は、空調装置用インバータ20から出力される交流電力によって駆動され、空調装置用インバータ20は、各PDU14,15あるいはバッテリ16から出力される直流電力を交流電力に変換して電動コンプレッサ19に供給する。
【0033】
さらに、車両用走行制御装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの電子回路により構成される各種のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)として、FIECU31と、GENECU32と、MOTECU33と、IHCCECU34と、BRAKEECU35と、MG/BATECU36とを備えている。
【0034】
FIECU31は、例えば内燃機関11への燃料供給や点火タイミングなどを制御する。例えば、EV走行時或いは運転者からの要求出力に対して一定回転数で制御する場合、FIECU31は、スロットルバルブ(図示略)を駆動する電磁アクチュエータ(図示略)に制御電流を通電して、MG/BATECU36の指示に応じたバルブ開度となるようにスロットルバルブを電子制御する。
また、運転者からの要求出力に対して追従して制御する場合、FIECU31は、アクセルペダル開度センサ41により検出されるアクセルペダル(図示略)のストローク量に応じて、スロットルバルブ(図示略)を駆動する電磁アクチュエータ(図示略)に制御電流を通電して、アクセルペダルのストローク量に応じたバルブ開度となるようにスロットルバルブを電子制御する。
【0035】
GENECU32は、PDU14の電力変換動作を制御することで内燃機関11の動力による発電用モータ12の発電を制御する。
MOTECU33は、PDU15の電力変換動作を制御することで走行用モータ13の駆動および発電を制御する。
【0036】
各PDU14,15の電力変換動作は、例えばパルス幅変調(PWM)などにより各PDU14,15のトランジスタをオン/オフ駆動させるためのパルスに応じて制御され、このパルスのデューティ、つまりオン/オフの比率によって、各モータ12,13の作動量が制御される。
【0037】
IHCCECU34は、自車両の外界を検知範囲とするミリ波レーダ37を制御し、ミリ波レーダ37から出力される検知結果の信号を送信する。
BRAKEECU35は、駆動輪Wなどに設けられたブレーキデバイス35aを駆動制御して、走行用モータ13の回生と駆動輪Wのブレーキとの協調を行う。
【0038】
MG/BATECU36は、例えばバッテリ16を含む高圧電装系の監視および保護などの制御と、DC−DCコンバータ18の電力変換動作の制御とを行なう。
例えば、MG/BATECU36は、バッテリ16の端子間電圧と電流と温度との各検出信号に基づき、残容量(SOC:State Of Charge)などの各種の状態量を算出する。
【0039】
さらに、MG/BATECU36は、他の全てのECU31〜35の管理および制御を行なう。
このため、MG/BATECU36には、ハイブリッド車両1の状態量を検出する各種のセンサから出力される検出信号と、IHCCECU34から送信されるミリ波レーダ37の検知結果の信号とが入力されている。
各種のセンサは、例えば、運転者のアクセルペダルの踏み込みによるアクセルペダルのストローク量(アクセル開度)を検出するアクセルペダル開度センサ41と、ハイブリッド車両1の速度(車速)を検出する車速センサ42などである。
【0040】
そして、MG/BATECU36は、ミリ波レーダ37の検知結果の信号に基づいて先行車両と自車両との間の車間距離を算出し、ハイブリッド車両1の走行状態として、少なくともアクセル開度と車速と車間距離との履歴情報を記憶する。
そして、この履歴情報に基づき、各ECU31〜35と協調して、後述するように、内燃機関11および各モータ12,13の運転状態とハイブリッド車両1の走行状態とを制御する。
【0041】
なお、各ECU31〜35は、ハイブリッド車両1の各種の状態を検出するセンサ類と共に、車両のCAN(Controller Area Network)通信第1ラインCL1に接続されている。
【0042】
また、電動コンプレッサ(E−COMP)19を用いて車室内の温度の状態を調節する空調装置ユニット(A/CUNIT)39は、ハイブリッド車両1の各種の状態を表示する計器類からなるメータ38と共に、CAN(Controller Area Network)通信第1ラインCL1よりも通信速度の遅いCAN(Controller Area Network)通信第2ラインCL2に接続されている。
【0043】
本実施の形態による車両用走行制御装置10は上記構成を備えており、次に、車両用走行制御装置10の動作つまり車両用走行制御方法の処理、特に、MG/BATECU36の制御動作について説明する。
【0044】
MG/BATECU36は、ミリ波レーダ37から逐次出力される検知結果の信号と、アクセルペダル開度センサ41および車速センサ42から逐次出力される検出結果の信号とに基づき、例えば、ハイブリッド車両1の走行状態として、少なくともアクセル開度APと車速VPと車間距離Dとの履歴情報を記憶し、この履歴情報から各車速VPおよび車間距離D毎の移動標準偏差を算出する。
【0045】
なお、車速VPの移動標準偏差(車速移動標準偏差VPSD)は、車速VPのサンプル数nによって、例えば下記数式(1)に示すように記述される。
また、車間距離Dの移動標準偏差(車間距離移動標準偏差DSD)は、車間距離Dのサンプル数nによって、例えば下記数式(2)に示すように記述される。
【0046】
【数1】

【0047】
【数2】

【0048】
そして、MG/BATECU36は、車速移動標準偏差VPSDおよび車間距離移動標準偏差DSDに応じて、少なくとも車速維持モードと車間距離維持モードと駆動力維持モードとのうちの何れの維持モードを選択するかを判定し、該判定の結果による維持モードから内燃機関11の運転点として定点運転または出力追従運転を導出する。
【0049】
なお、車速維持モード、車間距離維持モード、駆動力維持モードと言ったこれらのモードは、運転者がどのように運転しようとしているかを推定し、それらを分類したモードの一例である。
例えば、車速維持モードとは、車速を所定の固定値に維持あるいは車速の変化が所定の一定範囲内に収まるように運転をしようとしている状態である。車間距離維持モードとは、先行車両と自車両との車間距離を所定の固定値に維持あるいは車間距離の変化が所定の一定範囲内に収まるように運転をしようとしている状態である。駆動力維持モードとは、走行駆動力を所定の固定値に維持あるいはアクセル開度の変化が所定の一定範囲内に収まるように運転をしようとしている状態である。
【0050】
また、内燃機関11の定点運転は、例えば内燃機関11のBSFC(正味燃料消費率:Brake Specific Fuel Consumption)が最良となる状態や、例えば内燃機関11の出力が最大となる状態などの所定の状態で内燃機関11を運転するものであって、この内燃機関11の運転は、連続的または間欠的に行なわれる。
また、内燃機関11の出力追従運転は、例えば運転者のアクセルペダルの踏み込み操作に応じた要求出力に対して、発電用モータ12の発電電力で駆動される走行用モータ13の出力を追従させるようにして、内燃機関11を運転するものである。
【0051】
MG/BATECU36は、例えば、車速維持モードまたは駆動力維持モードを選択しているときは、運転点を出力追従運転とし、車間距離維持モードを選択しているときは運転点を定点運転とする。
【0052】
また、MG/BATECU36は、例えば、車間距離移動標準偏差DSDが所定の車間距離維持優先判別車間距離移動標準偏差DSDJUD未満の場合に、アクセル開度APと車間距離Dの安定度との関係から車間距離維持モードを選択するか否かを判定する。
なお、車間距離Dの安定度は、例えば図2に示すように、アクセル開度APの移動平均(AP開度移動平均値APAVE)に車間距離維持モードに応じた所定値α(=第1所定値DAPD)を加減して得られる第1アクセル開度範囲(APDL〜APDH)に関連している。
そして、MG/BATECU36は、アクセル開度APが、少なくとも第1アクセル開度範囲内に含まれる場合に、車間距離維持モードを選択する。
なお、車間距離一定型判断上限AP開度APDH=APAVE+DAPD、かつ
車間距離一定型判断下限AP開度APDL=APAVE−DAPDである。
【0053】
また、MG/BATECU36は、例えば、車間距離移動標準偏差DSDが所定の車間距離維持優先判別車間距離移動標準偏差DSDJUD以上、かつ、車速移動標準偏差VPSDが所定の車速維持優先判別移動標準偏差VPSDJUD未満の場合に、アクセル開度APと車速VPの安定度との関係から車速維持モードを選択するか否かを判定する。
なお、車速VPの安定度は、例えば図2に示すように、アクセル開度APの移動平均(AP開度移動平均値APAVE)に車速維持モードに応じた所定値α(=第2所定値DAPV)を加減して得られる第2アクセル開度範囲(APVL〜APVH)に関連している。
そして、MG/BATECU36は、アクセル開度APが、少なくとも第2アクセル開度範囲内に含まれる場合に、車速維持モードを選択する。
なお、車速一定型判断上限AP開度APVH=APAVE+DAPV、かつ
車速一定型判断下限AP開度APVL=APAVE−DAPVである。
また、第2所定値DAPVは第1所定値DAPDよりも小さい値である。
【0054】
また、MG/BATECU36は、例えば、車間距離移動標準偏差DSDが所定の車間距離維持優先判別車間距離移動標準偏差DSDJUD以上、かつ、車速移動標準偏差VPSDが所定の車速維持優先判別移動標準偏差VPSDJUD以上の場合に、アクセル開度APと駆動力の安定度との関係から駆動力維持モードを選択するか否かを判定する。
なお、駆動力の安定度は、例えば図2に示すように、アクセル開度APの移動平均(AP開度移動平均値APAVE)に駆動力維持モードに応じた所定値α(=第3所定値DAPF)を加減して得られる第3アクセル開度範囲(APFL〜APFH)に関連している。
そして、MG/BATECU36は、アクセル開度APが、少なくとも第3アクセル開度範囲内に含まれる場合に、駆動力維持モードを選択する。
なお、駆動力一定型判断上限AP開度APFH=APAVE+DAPF、かつ
駆動力一定型判断下限AP開度APFL=APAVE−DAPFである。
また、第3所定値DAPFは第2所定値DAPVよりも小さい値である。
【0055】
なお、アクセル開度APが各アクセル開度範囲に含まれる場合とは、例えば図3に示す時刻ta〜tb間および時刻tc〜td間のように、アクセル開度APが各アクセル開度範囲に含まれていることを示すAP所定範囲内判定フラグのフラグ値が「1」となる継続時間が、所定の維持制御実施遅延時間tSTB1に到達することで、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値が「1」になる状態である。
この安定度判別フラグF_STBのフラグ値が「1」となる状態は、例えばAP所定範囲内判定フラグのフラグ値が「0」となる継続時間が所定の維持制御解除遅延時間tSTB2に到達する場合と、例えば図3に示す時刻teのように、アクセル開度APが所定の安定度推定判断実施下限AP開度APLJUD未満になる場合となどである。
【0056】
すなわち、MG/BATECU36は、例えば、アクセル開度APが所定の下限閾値(安定度推定判断実施下限AP開度APLJUD)より大きいときに何れの維持モードを選択するかを判定する。
また、MG/BATECU36は、例えば、車速VPが所定の安定車速範囲(安定度推定判断実施下限車速VPSTBL〜安定度推定判断実施上限車速VPSTBH)内かつハイブリッド車両1の走行を停止させるブレーキ操作が実行されていないときに何れの維持モードを選択するかを判定する。
【0057】
また、MG/BATECU36は、例えば、車速移動標準偏差VPSDおよび車間距離移動標準偏差DSDに応じて、何れかの維持モードを選択可能になってから第1所定時間(維持制御実施遅延時間TSTB1)が継続した場合に何れかの維持モードを選択する。
また、MG/BATECU36は、例えば、車速移動標準偏差VPSDおよび車間距離移動標準偏差DSDに応じて、何れかの維持モードを選択可能にならずに第2所定時間(維持制御解除遅延時間TSTB2)が継続した場合に維持モードの選択を解除する。
【0058】
以下に、車両用走行制御装置10の動作つまり車両用走行制御方法の処理について、フローチャートを参照して説明する。
先ず、例えば図4に示すステップS01においては、車間距離Dの履歴情報から車間距離移動標準偏差DSDを算出する。
次に、ステップS02においては、車速VPの履歴情報から車速移動標準偏差VPSDを算出する。
次に、ステップS03においては、アクセル開度APの履歴情報からAP開度移動平均値APAVEを算出する。
【0059】
次に、ステップS04においては、後述する制御目標推定および操作安定度推定の処理を実行する。
次に、ステップS05においては、後述するオペレーション決定の処理を実行し、エンドに進む。
【0060】
以下に、上述したステップS04での制御目標推定および操作安定度推定の処理について説明する。
先ず、例えば図5に示すステップS11においては、AP開度移動平均値APAVEに駆動力維持モードに応じた第3所定値DAPFを加減して得られる第3アクセル開度範囲(APFL〜APFH)を設定する。
次に、ステップS12においては、AP開度移動平均値APAVEに車速維持モードに応じた第2所定値DAPVを加減して得られる第2アクセル開度範囲(APVL〜APVH)を設定する。
次に、ステップS13においては、AP開度移動平均値APAVEに車間距離維持モードに応じた第1所定値DAPDを加減して得られる第1アクセル開度範囲(APDL〜APDH)を設定する。
【0061】
次に、ステップS14においては、車速VPは所定の安定車速範囲(安定度推定判断実施下限車速VPSTBL〜安定度推定判断実施上限車速VPSTBH)内であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS18に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS15に進む。
【0062】
そして、ステップS15においては、減算タイマーである維持制御実施遅延時間タイマーのタイマー値tSTB1に所定の維持制御実施遅延時間TSTB1を設定し、減算を開始する。
次に、ステップS16においては、ハイブリッド車両1の走行制御状態を示すオペレーションモードOPMODEに、各種の維持モードの実行を行なわない状態、つまり維持制御なしの状態を示す「0」を設定する。
次に、ステップS17においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値に「0」を設定して、リターンに進む。
【0063】
また、ステップS18においては、ハイブリッド車両1の走行を停止させるブレーキ操作が実行されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS15に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS19に進む。
【0064】
次に、ステップS19においては、アクセル開度APは安定度推定判断実施下限AP開度APLJUD未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS15に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS20に進む。
【0065】
次に、ステップS20においては、車間距離移動標準偏差DSDは所定の車間距離維持優先判別車間距離移動標準偏差DSDJUD未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS28に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS21に進む。
【0066】
そして、ステップS21においては、アクセル開度APが第1アクセル開度範囲(APDL〜APDH)内に含まれるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS24に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS22に進む。
【0067】
そして、ステップS22においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS15に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS23に進む。
そして、ステップS23においては、減算タイマーである維持制御解除遅延時間タイマーのタイマー値tSTB2はゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、リターンに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS15に進む。
【0068】
そして、ステップS24においては、減算タイマーである維持制御実施遅延時間タイマーのタイマー値tSTB1はゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS15に進む、
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS25に進む。
【0069】
そして、ステップS25においては、減算タイマーである維持制御解除遅延時間タイマーのタイマー値tSTB2に所定の維持制御解除遅延時間TSTB2を設定し、減算を開始する。
次に、ステップS26においては、ハイブリッド車両1の走行制御状態を示すオペレーションモードOPMODEに、車間距離維持モードの実行を行なう状態、つまり車間維持の状態を示す「3」を設定する。
次に、ステップS27においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値に「1」を設定して、リターンに進む。
【0070】
また、ステップS28においては、車速移動標準偏差VPSDは所定の車速維持優先判別移動標準偏差VPSDJUD未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS34に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS29に進む。
【0071】
そして、ステップS29においては、アクセル開度APが第2アクセル開度範囲(APVL〜APVH)内に含まれるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS39に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS30に進む。
【0072】
そして、ステップS30においては、減算タイマーである維持制御実施遅延時間タイマーのタイマー値tSTB1はゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS41に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS31に進む。
【0073】
そして、ステップS31においては、減算タイマーである維持制御解除遅延時間タイマーのタイマー値tSTB2に所定の維持制御解除遅延時間TSTB2を設定し、減算を開始する。
次に、ステップS32においては、ハイブリッド車両1の走行制御状態を示すオペレーションモードOPMODEに、車速維持モードの実行を行なう状態、つまり車速維持の状態を示す「2」を設定する。
次に、ステップS33においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値に「1」を設定して、リターンに進む。
【0074】
また、ステップS34においては、アクセル開度APが第3アクセル開度範囲(APFL〜APFH)内に含まれるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS39に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS35に進む。
【0075】
そして、ステップS35においては、減算タイマーである維持制御実施遅延時間タイマーのタイマー値tSTB1はゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS41に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS36に進む。
【0076】
そして、ステップS36においては、減算タイマーである維持制御解除遅延時間タイマーのタイマー値tSTB2に所定の維持制御解除遅延時間TSTB2を設定し、減算を開始する。
次に、ステップS37においては、ハイブリッド車両1の走行制御状態を示すオペレーションモードOPMODEに、駆動力維持モードの実行を行なう状態、つまり駆動力維持の状態を示す「1」を設定する。
次に、ステップS38においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値に「1」を設定して、リターンに進む。
【0077】
また、ステップS39においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値が「1」であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS41に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS40に進む。
そして、ステップS40においては、減算タイマーである維持制御解除遅延時間タイマーのタイマー値tSTB2はゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、リターンに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS41に進む。
【0078】
そして、ステップS41においては、減算タイマーである維持制御実施遅延時間タイマーのタイマー値tSTB1に所定の維持制御実施遅延時間TSTB1を設定し、減算を開始する。
次に、ステップS42においては、ハイブリッド車両1の走行制御状態を示すオペレーションモードOPMODEに、各種の維持モードの実行を行なわない状態、つまり維持制御なしの状態を示す「0」を設定する。
次に、ステップS43においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値に「0」を設定して、リターンに進む。
【0079】
なお、例えば下記表1には、駆動力維持モードと車速維持モードと車間距離維持モードとからなる各維持モードと、加速要求と減速要求とからなる維持制御なしの状態とに対して、アクセル開度APおよび車速VPおよび車間距離Dの時間変化の例と、走行状態の安定度の大小と、走行状態と、制御動作の内容との一覧を示した。
なお、アクセル開度APの駆動力不感帯とは、各維持モードの実行継続を許可する各第1〜第3アクセル開度範囲である。
【0080】
【表1】

【0081】
また、例えば図6には、上述したステップS20およびステップS28での判定処理に関して、車間距離移動標準偏差DSDおよび車速移動標準偏差VPSDと、車速維持モードおよび車間距離維持モードとの対応関係の一例を示した。
【0082】
以下に、上述したステップS05でのオペレーション決定の処理について説明する。
先ず、例えば図7に示すステップS51においては、シフト操作の位置が後退Rポジションであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS60に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS52に進む。
【0083】
そして、ステップS52においては、車速VPおよびアクセル開度APに応じた所定マップのマップ検索により要求駆動力(後進側)FREQRを算出する。
なお、この所定マップは、車速VPおよびアクセル開度APと要求駆動力(後進側)FREQRとの対応関係を示すマップであって、予め作成されている。
【0084】
次に、ステップS53においては、車速VPおよび要求駆動力(後進側)FREQRに基づき、要求駆動用出力PREQを算出する。
次に、ステップS54においては、バッテリ16の残容量SOCに応じた所定テーブルのテーブル検索によりEVモード許容上限駆動出力PREQLMTを算出する。
なお、この所定テーブルは、バッテリ16の残容量SOCと許容上限駆動出力PREQLMTとの対応関係を示すテーブルであって、予め作成されている。
また、EVモード許容上限駆動出力PREQLMTは、バッテリ16の出力のみで走行用モータ13を駆動する場合の駆動出力の上限値であり、バッテリ16の残容量SOCに依存した値となる。
【0085】
次に、ステップS55においては、要求駆動用出力PREQは許容上限駆動出力PREQLMTよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS56に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS57に進む。
そして、ステップS56においては、内燃機関11の運転点として後進時の出力追従運転を設定し、リターンに進む。
【0086】
また、ステップS57においては、内燃機関11の冷却水の温度(エンジン水温)TWは、所定のEV走行&アイドル停止実施下限水温TWEVよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS56に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS58に進む。
なお、所定のEV走行&アイドル停止実施下限水温TWEVは、バッテリ16の出力のみで走行用モータ13を駆動して走行するEV走行およびアイドル停止の実行を許可するエンジン水温TWの下限値である。
【0087】
そして、ステップS58においては、排ガス浄化用の触媒の温度(CAT温)は所定のEV走行&アイドル停止実施下限触媒温度TCATEVよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS56に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS59に進む。
なお、所定のEV走行&アイドル停止実施下限触媒温度TCATEVは、バッテリ16の出力のみで走行用モータ13を駆動して走行するEV走行およびアイドル停止の実行を許可する触媒の温度(CAT温)の下限値である。
【0088】
そして、ステップS59においては、後進時の運転モードとして、内燃機関11の運転を停止して、バッテリ16の出力のみで走行用モータ13を駆動して走行するEV走行を設定し、リターンに進む。
【0089】
また、ステップS60においては、シフト操作の位置がパーキングPポジションまたはニュートラルNポジションであるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS66に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS61に進む。
【0090】
そして、ステップS61においては、バッテリ16の残容量SOCは所定のアイドル停止実施下限SOCIDLEよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS62に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS63に進む。
なお、所定のアイドル停止実施下限SOCIDLEは、アイドル停止の実行を許可するバッテリ16の残容量SOCの下限値である。
そして、ステップS62においては、内燃機関11の運転モードとして、内燃機関11のアイドル運転を設定し、リターンに進む。
【0091】
また、ステップS63においては、内燃機関11の冷却水の温度(エンジン水温)TWは、所定のEV走行&アイドル停止実施下限水温TWEVよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS62に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS64に進む。
【0092】
そして、ステップS64においては、排ガス浄化用の触媒の温度(CAT温)は所定のEV走行&アイドル停止実施下限触媒温度TCATEVよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS62に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS65に進む。
そして、ステップS65においては、内燃機関11の運転モードとして、内燃機関11のアイドル停止を設定して、リターンに進む。
【0093】
また、ステップS66においては、ハイブリッド車両1の走行を停止させるブレーキ操作が実行されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS68に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS67に進む。
そして、ステップS67においては、車速VPはゼロであるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS61に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS68に進む。
【0094】
そして、ステップS68においては、車速VPおよびアクセル開度APに応じた所定マップのマップ検索により要求駆動力(前進側)FREQFを算出する。
なお、この所定マップは、車速VPおよびアクセル開度APと要求駆動力(前進側)FREQFとの対応関係を示すマップであって、予め作成されている。
【0095】
次に、ステップS69においては、車速VPおよび要求駆動力(前進側)FREQFに基づき、要求駆動用出力PREQを算出する。
次に、ステップS70においては、要求駆動力(前進側)FREQFは負であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS71に進み、このステップS71においては、前進時の運転モードとして、内燃機関11の運転を停止して、走行用モータ13の回生制動によって発生する回生電力によりバッテリ16を充電する回生を設定し、リターンに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS72に進む。
【0096】
そして、ステップS72においては、バッテリ16の残容量SOCに応じた所定テーブルのテーブル検索によりEVモード許容上限駆動出力PREQLMTを算出する。
次に、ステップS73においては、要求駆動用出力PREQは許容上限駆動出力PREQLMTよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS74に進み、このステップS74においては、後述する発電オペレーション決定の処理を実行し、発電オペレーションを決定した後、リターンに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS75に進む。
【0097】
そして、ステップS75においては、内燃機関11の冷却水の温度(エンジン水温)TWは、所定のEV走行&アイドル停止実施下限水温TWEVよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS74に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS76に進む。
【0098】
そして、ステップS76においては、排ガス浄化用の触媒の温度(CAT温)は所定のEV走行&アイドル停止実施下限触媒温度TCATEVよりも高いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS74に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS77に進む。
そして、ステップS77においては、前進時の運転モードとして、内燃機関11の運転を停止して、バッテリ16の出力のみで走行用モータ13を駆動して走行するEV走行を設定し、リターンに進む。
【0099】
以下に、上述したステップS74での発電オペレーション決定の処理について説明する。
先ず、例えば図8に示すステップS81においては、バッテリ16の残容量SOCは強制充電実施残容量SOCCHG未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS82に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS83に進む。
なお、強制充電実施残容量SOCCHGは、発電用モータ12の発電電力により強制的にバッテリ16を充電する必要があるバッテリ16の残容量SOCの上限値である。
そして、ステップS82においては、内燃機関11の運転モードとして、内燃機関11の出力を最大とする連続的な定点運転を設定して、リターンに進む。
【0100】
また、ステップS83においては、アクセル開度APの安定度判別フラグF_STBのフラグ値は「1」であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS85に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS84に進む。
そして、ステップS84においては、内燃機関11の運転モードとして、BSFC(正味燃料消費率:Brake Specific Fuel Consumption)を最良とする連続的あるいは間欠的な定点運転を設定して、リターンに進む。
なお、間欠的な定点運転では、例えば、BSFC(正味燃料消費率:Brake Specific Fuel Consumption)を最良とする内燃機関11の運転(つまり、発電用モータ12の発電電力によるバッテリ16の充電)と、バッテリ16の出力のみで走行用モータ13を駆動するEV走行(つまり、バッテリ16の放電)とが交互に実行される。
【0101】
また、ステップS85においては、オペレーションモードOPMODEに「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合、つまり駆動力維持モードの実行を行なう状態である場合には、ステップS86に進み、このステップS86においては、内燃機関11の運転モードとして、出力追従運転を設定して、リターンに進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS87に進む。
【0102】
そして、ステップS87においては、オペレーションモードOPMODEに「2」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合、つまり車速維持モードの実行を行なう状態である場合には、上述したステップS86に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合、つまり車間距離維持モードの実行を行なう状態である場合には、上述したステップS84に進む。
【0103】
上述したように、本実施の形態による車両用走行制御装置10および車両用走行制御方法によれば、運転者毎に異なる走行状態の履歴情報から算出した各車速VPおよび車間距離D毎の移動標準偏差(例えば、車速移動標準偏差VPSDおよび車間距離移動標準偏差DSD)に応じて、維持モードの選択および運転点の導出を行なうことから、ハイブリッド車両1の走行制御に運転者の運転意思を適正に反映させつつ運転効率を向上させることができる。
【0104】
さらに、例えばクルーズ走行などの走行状態で実行されるシリーズ運転(内燃機関11の動力による発電かつ走行用モータ13の動力による走行)中に、運転者が車速維持やアクセル開度一定(つまり駆動力維持)などの実行を意図している場合には、比較的に車速VPや要求駆動力が安定しているため、要求出力に対して発電用モータ12の出力を追従させる内燃機関11の出力追従運転であっても、内燃機関11のEGR(排気再循環)導入量などは急変せずに、安定した高効率運転を維持することができると共に、バッテリ16での不要な入出力損失の発生を防止することができる。
【0105】
一方、運転者が車間距離維持の実行を意図している場合には、比較的に車速VPや要求駆動力も変動するため、例えば内燃機関11の出力追従運転では、内燃機関11のEGR(排気再循環)導入量などが不安定になり、内燃機関11の運転効率が低下してしまうという問題が生じる。
このような問題が生じることに対して、本願発明では、運転者が車間距離維持の実行を意図している場合には、内燃機関11の出力追従運転を停止し、内燃機関11のBSFC(正味燃料消費率:Brake Specific Fuel Consumption)が最良となる運転点での運転を基本とする定点運転(例えば、EV走行との間欠運転など)に切り替える。
これにより、車速VPや駆動力が変化しても発電用モータ12を駆動する内燃機関11は安定した状態で運転されるため、高効率での運転を維持することができる。
【0106】
さらに、各維持モードに応じた各アクセル開度範囲に関連する各車間距離Dおよび車速VPおよび駆動力の安定度と、アクセル開度APとに基づいて、各維持モードを選択するか否かの判定を行なうことから、各維持モードおよび運転点の適切な選択を精度良く行なうことができる。
さらに、アクセル開度APが所定の安定度推定判断実施下限AP開度APLJUDより大きいときに、アクセル開度APの変化量が少ない各維持モードを選択する頻度を高めることができ、燃費向上に寄与することができる。
【0107】
また、アクセル開度APの変化をもたらす運転操作が、駆動力維持と車速維持と車間距離維持との何れに起因するものであるかを明確に判別することができるため、運転者の運転意図を的確に把握することができ、運転者の操作目標の判別を明確に行なうことができることから、単純な車間距離に応じた制御に対して、より適正な運転モードの選択精度を向上させることができる。
【0108】
さらに、車速VPが所定の安定車速範囲内かつブレーキ操作が実行されていないときに何れの維持モードを選択するかを判定することから、判定精度を向上させることができる。
さらに、維持制御実施遅延時間TSTB1および維持制御解除遅延時間TSTB2を用いることにより、維持モードの選択と選択解除との切り換えが頻繁に行なわれてしまうことを防止することができる。
【0109】
なお、上述した実施の形態での発電オペレーション決定の処理では、オペレーションモードOPMODEに応じて内燃機関11の運転モードを設定したが、これに限定されず、例えば図9に示す変形例のように、車速維持や車間距離維持などのクルーズコントロールの実行有無などに応じて内燃機関11の運転モードを設定してもよい。
【0110】
先ず、例えば図9に示すステップS91においては、バッテリ16の残容量SOCは強制充電実施残容量SOCCHG未満であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS92に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS93に進む。
そして、ステップS92においては、内燃機関11の運転モードとして、内燃機関11の出力を最大とする連続的な定点運転を設定して、リターンに進む。
【0111】
また、ステップS93においては、クルーズコントロールの実行中であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、後述するステップS95に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS94に進む。
そして、ステップS94においては、内燃機関11の運転モードとして、出力追従運転を設定して、リターンに進む。
【0112】
また、ステップS95においては、アクセル開度APは所定アクセル開度APCCLよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS94に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS96に進む。
なお、所定アクセル開度APCCLは、例えばクルーズコントロールの実行継続を許容するアクセル開度APの下限値である。
【0113】
そして、ステップS96においては、クルーズコントロールにおいて車間距離の維持を優先させる状態であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、上述したステップS94に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS97に進む。
そして、ステップS97においては、内燃機関11の運転モードとして、BSFC(正味燃料消費率:Brake Specific Fuel Consumption)を最良とする連続的あるいは間欠的な定点運転を設定して、リターンに進む。
【0114】
なお、上述した実施の形態において、走行用モータ13は前輪または後輪の何れに連結されてもよい。
また、上述した実施の形態において、走行用モータ13として、前輪に連結された走行用モータ13および後輪に連結された走行用モータ13の2つの走行用モータ13を備えていてもよい。
また、上述した実施の形態において、ハイブリッド車両1はシリーズ型に限定されず、例えばシリーズ型およびパラレル型の両方の機能を有するハイブリッド車両1であってもよい。
【0115】
なお、上述した実施の形態において、ミリ波レーダ37および車間距離に係る処理を省略してもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 ハイブリッド車両
10 車両用走行制御装置
11 内燃機関
12 発電用モータ(発電手段)
13 走行用モータ
14 PDU(発電手段)
15 PDU
16 バッテリ
31 FIECU(制御手段)
32 GENECU
33 MOTECU
34 IHCCECU
35 BRAKEECU
36 MG/BATECU(記憶手段、制御手段)
37 ミリ波レーダ(走行状態検出手段)
41 アクセルペダル開度センサ(走行状態検出手段)
42 車速センサ(走行状態検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の動力によって発電する発電手段と、
少なくとも前記発電手段の発電電力によって走行する車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
前記走行状態検出手段により検出された前記走行状態の履歴情報を記憶する記憶手段と、
前記履歴情報に応じた運転点で前記内燃機関を制御する制御手段とを備え、
前記走行状態検出部は、前記走行状態として、少なくともアクセル開度と車速と車間距離とを検出し、
前記制御手段は、前記履歴情報から各前記車速および前記車間距離毎の移動標準偏差を算出し、前記移動標準偏差に応じて、少なくとも車速維持モードと車間距離維持モードと駆動力維持モードとのうちの何れの維持モードを選択するかを判定し、該判定の結果による前記維持モードから前記運転点として定点運転または出力追従運転を導出することを特徴とする車両用走行制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記車速維持モードまたは前記駆動力維持モードを選択しているときは前記運転点を前記出力追従運転とし、前記車間距離維持モードを選択しているときは前記運転点を前記定点運転とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記車間距離の移動標準偏差が所定の車間距離標準偏差判定値未満の場合に前記アクセル開度と前記車間距離の安定度との関係から前記車間距離維持モードを選択するか否かを判定し、
前記車間距離の移動標準偏差が前記車間距離標準偏差判定値以上かつ前記車速の移動標準偏差が所定の車速標準偏差判定値未満の場合に前記アクセル開度と前記車速の安定度との関係から前記車速維持モードを選択するか否かを判定し、
前記車間距離の移動標準偏差が前記車間距離標準偏差判定値以上かつ前記車速の移動標準偏差が前記車速標準偏差判定値以上の場合に前記アクセル開度と前記駆動力の安定度との関係から前記駆動力維持モードを選択するか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用走行制御装置。
【請求項4】
前記車間距離の安定度は、前記アクセル開度の移動平均に前記車間距離維持モードに応じた第1所定値を加減して得られる第1アクセル開度範囲に関連し、
前記制御手段は、前記アクセル開度が、少なくとも前記第1アクセル開度範囲内に含まれる場合に、前記車間距離維持モードを選択することを特徴とする請求項3に記載の車両用走行制御装置。
【請求項5】
前記車速の安定度は、前記アクセル開度の移動平均に前記車速維持モードに応じた第2所定値を加減して得られる第2アクセル開度範囲に関連し、
前記制御手段は、前記アクセル開度が、少なくとも前記第2アクセル開度範囲内に含まれる場合に、前記車速維持モードを選択することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の車両用走行制御装置。
【請求項6】
前記駆動力の安定度は、前記アクセル開度の移動平均に前記駆動力維持モードに応じた第3所定値を加減して得られる第3アクセル開度範囲に関連し、
前記制御手段は、前記アクセル開度が、少なくとも前記第3アクセル開度範囲内に含まれる場合に、前記駆動力維持モードを選択することを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記アクセル開度が所定の下限閾値より大きいときに前記何れの維持モードを選択するかを判定することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記車速が所定の安定車速範囲内かつ車両の走行を停止させるブレーキ操作が実行されていないときに前記何れの維持モードを選択するかを判定することを特徴とする請求項7に記載の車両用走行制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記移動標準偏差に応じて前記維持モードを選択可能になってから第1所定時間が継続した場合に前記維持モードを選択することを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記移動標準偏差に応じて前記維持モードを選択可能にならずに第2所定時間が継続した場合に前記維持モードの選択を解除することを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1つに記載の車両用走行制御装置。
【請求項11】
内燃機関の動力によって発電し、少なくとも発電電力によって走行する車両の走行状態として、少なくともアクセル開度と車速と車間距離とを検出し、
検出した前記走行状態の履歴情報を記憶し、
前記履歴情報に応じた運転点で前記内燃機関を制御する際に、前記履歴情報から各前記車速および前記車間距離毎の移動標準偏差を算出し、前記移動標準偏差に応じて、少なくとも車速維持モードと車間距離維持モードと駆動力維持モードとのうちの何れの維持モードを選択するかを判定し、該判定の結果よる前記維持モードから前記運転点として定点運転または出力追従運転を導出することを特徴とする車両用走行制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−121556(P2012−121556A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241463(P2011−241463)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】