説明

車両運行管理システム

【課題】 車両の速度及び走行ルートを監視して適切な安全運行管理を行う。
【解決手段】 車両に搭載された位置情報取得手段11と、予め定められた車両の走行ルート情報を記憶した走行ルート記憶手段12と、予め定められた車両の走行ルートに対応した設定速度情報を記憶した設定速度記憶手段13と、位置情報取得手段11で取得した位置情報に基づいて当該車両の走行速度を演算する速度演算手段14と、速度演算手段14における演算結果と設定速度記憶手段13に記憶された設定速度情報とを比較する速度比較手段15と、位置情報取得手段11で取得した位置情報と走行ルート記憶手段12に記憶された走行ルート情報とを比較する走行ルート比較手段16と、位置情報、速度比較手段及び走行ルート比較手段における比較結果を表示手段18に表示させる表示制御手段17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運行管理システムに関するものであり、特に、車両の速度及び走行ルートを監視して適切な運行管理を行うようにした車両運行管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工事用車両や、定期運行を行う路線バス等は、予め許可された走行ルートを走行しなければならない。また、走行ルートには法定速度が設定されており、工事車両や路線バス等は法定速度を遵守して走行しなければならない。
【0003】
そこで、従来、車両の運行を監視して安全性を向上させるための技術が種々開発されている。例えば、車両の速度を監視して速度超過を防止するための車両運転支援システムが開示されている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された車両運転支援システムは、GPSを用いて車両の位置情報を取得すると共に運行速度を演算し、予め設定された設定速度と運行速度とを比較して、運行速度が設定速度を超えた場合に警告を発生するようにしたものである。
【0004】
また、工事車両の運行に際しては、特に安全運行が重視される重要監視地点にガードマン等の監視員を配置して、目視による監視を行っていた。
【0005】
【特許文献1】特開2004−287856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、工事車両や路線バスは予め許可された走行ルートを法定速度以下の速度で走行しなければならない。特に、工事車両を運行する場合には、工期の遅れを防止しようとして、予め許可されたルートを外れて走行したり、法定速度を超過したりするおそれがある。このため、工事監督者は工事車両の運行状況に十分な注意を払い、安全運行が行われるような管理を行っている。
【0007】
しかしながら、工事車両が走行する全ルートにおいて常時監視を行うことは現実的に不可能である。また、厳重な運行管理を行っているにもかかわらず、運転者の不注意により走行ルートを外れて走行したり、法定速度を超過したりする場合も想定される。そこで、より一層、安全な車両運行管理を行うことができる技術の開発が望まれていた。
この点、上述した特許文献1に記載された車両運転支援システムでは、速度超過に関する警告を行うことはできるが、走行ルートを外れて運行している車両に対する警告を行うことはできなかった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、車両の速度及び走行ルートを監視して適切な安全運行管理を行うことが可能な車両運行管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の車両運行管理システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。
すなわち、本発明の車両運行管理システムは、車両に搭載された位置情報取得手段と、予め定められた車両の走行ルート情報を記憶した走行ルート記憶手段と、予め定められた車両の走行ルートに対応した設定速度情報を記憶した設定速度記憶手段と、前記位置情報取得手段で取得した位置情報に基づいて当該車両の走行速度を演算する速度演算手段と、前記速度演算手段における演算結果と前記設定速度記憶手段に記憶された設定速度情報とを比較する速度比較手段と、前記位置情報取得手段で取得した位置情報と前記走行ルート記憶手段に記憶された走行ルート情報とを比較する走行ルート比較手段と、前記位置情報取得手段で取得した位置情報、前記速度比較手段における比較結果、及び前記走行ルート比較手段における比較結果を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
このような構成からなる車両運行管理システムでは、GPS等からなる位置情報取得手段により車両の現在位置に関する情報を取得し、時間の経過に伴って移動する位置情報に基づいて当該車両の走行ルートを把握すると共に、走行速度を演算する。そして、予め設定された走行ルート及び走行速度と、実際の走行ルート及び走行速度とを比較して、比較結果を表示する。なお、位置情報取得手段は、複数の車両に搭載することが可能であり、複数の車両の運行状況をリアルタイムに監視することができる。
【0011】
また、本発明の車両の運行システムは、上述した構成に加えて、前記速度比較手段において設定速度を超えていると判断された場合に、その旨の警告を行う速度警告手段と、前記走行ルート比較手段において走行ルートを外れていると判断された場合に、その旨の警告を行う走行ルート警告手段と、を備えたことを特徴とするものである。
このような構成からなる車両運行管理システムでは、予め設定された走行ルートを外れて走行した場合、あるいは設定速度を超えて走行した場合に警告を行う。
【0012】
また、本発明の車両の運行システムは、上述した構成に加えて、前記表示制御手段は、車両の位置情報を地図情報に重畳して表示させる制御を行うことを特徴とするものである。
このような構成からなる車両運行管理システムでは、車両の現在位置が地図情報として表示される。
【0013】
また、本発明の車両の運行システムは、上述した構成に加えて、前記表示制御手段は、操作者の指示に基づいて車両毎の詳細情報を表示させる制御を行うことを特徴とするものである。
このような構成からなる車両運行管理システムでは、複数の車両が運行されている場合に、操作者が詳細情報を知りたい車両を指示すると、当該車両の詳細情報が表示される。
【0014】
また、本発明の車両の運行システムは、上述した構成に加えて、前記位置情報取得手段で取得した位置情報、前記速度比較手段における比較結果、及び前記走行ルート比較手段における比較結果を、履歴情報として格納する履歴格納手段を備えたことを特徴とするものである。
このような構成からなる車両運行管理システムでは、車両の運行状況に関する履歴がデータベースとして構築される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両運行管理システムによれば、予め設定された走行ルート及び走行速度と、実際の走行ルート及び走行速度とを比較して表示することにより、車両の運行状況をリアルタイムに監視して、適切な安全運行管理を行うことが可能となる。
【0016】
特に、走行ルートや走行速度に関する警告を行う構成とした場合には、走行ルート違反や速度違反を見落とすことがなくなり、より一層適切な安全運行管理を行うことが可能となる。
【0017】
また、車両の位置情報を地図情報に重畳して表示させる構成とした場合には、車両の現在位置の把握が容易となり、より一層適切な安全運行管理を行うことが可能となる。
【0018】
また、車両毎の詳細情報を表示させる構成とした場合には、走行ルート違反や速度違反を行った車両の特定が容易となり、より一層適切な安全運行管理を行うことが可能となる。
【0019】
また、車両の運行状況に関する履歴を蓄積する構成とした場合には、運行状況の履歴を再確認することができるので、より一層適切な安全運行管理を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両運行管理システムの実施形態を説明する。
ダンプカーやコンクリートミキサー車等の工事車両は、予め定めたズリ捨て場やコンクリート工場等と、工事現場との間を往来する。この際、走行ルートが規制されるのが一般的であり、また、工事車両が走行する道路には法定速度が設定されている。したがって、工事車両を運行する際には、予め許可された走行ルートを外れずに、法定速度内で走行する必要があるため、適切な運行管理を行うことが求められる。
【0021】
本発明の実施形態に係る車両運行管理システムは、例えば、予め許可された走行ルートを、法定速度で走行することが義務付けられている工事車両の運行管理を行う場合に適用されるシステムである。
【0022】
<第1の実施形態>
図1〜図4は、本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システムを示すもので、図1は車両運行管理システムの構成を示す機能ブロック図、図2は車両運行管理システムの構成を示す模式図、図3及び図4は表示手段における表示例を示す説明図である。
【0023】
本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システム10は、図1に示すように、位置情報取得手段11、走行ルート記憶手段12、設定速度記憶手段13、速度演算手段14、速度比較手段15、走行ルート比較手段16、表示制御手段17、及び表示手段18を備えている。
【0024】
各手段は、CPU、ROM、RAM等の機能を有するコンピュータシステム及びその周辺機器により構成されるもので、CPU等がROM等に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより各手段としての機能を発揮するようになっている(第2の実施形態、第3の実施形態において同様)。
【0025】
次に、本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システム10を模式的に説明する。図2に示すように、各車両50にはそれぞれGPSレシーバ51及び携帯電話端末52を備えた位置情報取得手段が搭載されている。GPSレシーバ51はGPS衛星40から発信された電波信号を受信して、車両50の位置情報を取得する。また、携帯電話端末52は、基地局60及びインターネット70を介して、管理センター80等に設置されたコンピュータ81に接続され、データの送受信を行うことができる。
【0026】
コンピュータ81は、走行ルート記憶手段12、設定速度記憶手段13、速度演算手段14、速度比較手段15、走行ルート比較手段16、及び表示制御手段17として機能する機器である。また、コンピュータ81には、表示手段18として機能するディスプレイ82が接続されている。
【0027】
<位置情報取得手段>
位置情報取得手段11は、車両に搭載されて、当該車両の位置情報を取得するための手段である。この位置情報取得手段11は、例えば、GPSレシーバ及び携帯電話端末により構成される。GPSレシーバは複数のGPS衛星から電波信号を受信して、車両の位置情報を取得する。GPSレシーバと携帯電話端末とは、近距離無線通信によりデータの送受信が可能となっている。また、携帯電話端末は、基地局を介してインターネットに接続されている。
【0028】
なお、位置情報取得手段11は、GPS機能付きのカーナビゲーションシステムや、GPS機能付きの携帯電話端末を用いて構成することもできる。また、基地局及びインターネットを介さずに、位置情報取得手段と管理センターに設置されたコンピュータとの間で、直接、データの送受信を行うような構成としてもよい。
【0029】
<走行ルート記憶手段>
走行ルート記憶手段12は、予め定められた車両の走行ルート情報を記憶するための手段である。この走行ルート記憶手段12は、例えば、ハードディスク記憶装置により構成される。車両の走行ルート情報は、例えば、予め許可された走行ルートの経度及び緯度データからなり、ハードディスク記憶装置にデータベースとして格納される。
【0030】
<設定速度記憶手段>
設定速度記憶手段13は、予め定められた車両の走行ルートに対応した設定速度情報を記憶するための手段である。この設定速度記憶手段13は、例えば、ハードディスク記憶装置により構成される。設定速度は、例えば、予め許可された走行ルートにおける制限速度データからなり、ハードディスク記憶装置にデータベースとして格納される。
【0031】
<速度演算手段>
速度演算手段14は、位置情報取得手段11で取得した位置情報に基づいて当該車両の走行速度を演算するための手段である。この速度演算手段14では、時間経過と共に移動する車両の位置情報に基づいて、車両の走行速度が演算される。
【0032】
なお、速度演算手段14は、管理センターに設置されたコンピュータの一機能として構成しているが、位置情報取得手段11の一機能として構成することもできる。この場合には、携帯電話端末のアプリケーション機能として速度演算を行わせることができる。
【0033】
<速度比較手段>
速度比較手段15は、速度演算手段14における演算結果と設定速度記憶手段13に記憶された設定速度情報とを比較するための手段である。この速度比較手段15は、管理センターに設置されたコンピュータの一機能として構成される手段であり、例えば、ハードディスク記憶装置に記憶された設定速度情報と、速度演算手段14により演算された実際の速度情報とを比較して、実際の走行速度が設定速度を超えているか否かを判断する。
【0034】
<走行ルート比較手段>
走行ルート比較手段16は、位置情報取得手段11で取得した位置情報と走行ルート記憶手段12に記憶された走行ルート情報とを比較するための手段である。この走行ルート比較手段16は、管理センターに設置されたコンピュータの一機能として構成される手段であり、例えば、ハードディスク記憶装置に記憶された走行ルート情報と、位置情報取得手段11により取得された実際の走行ルート情報とを比較して、実際の走行ルートが規定された走行ルートと一致しているか否かを判断する。
【0035】
<表示制御手段>
表示制御手段17は、位置情報取得手段11で取得した位置情報、速度比較手段15における比較結果、及び走行ルート比較手段16における比較結果を、表示手段18に表示させるための手段である。この走行ルート比較手段16は、管理センターに設置されたコンピュータの一機能として構成される手段である。
【0036】
<表示手段>
表示手段18は、車両の運行状況を表示するための手段であり、例えば、コンピュータに接続されたディスプレイにより構成される。図3及び図4を参照して、表示手段18の表示画面における表示例を説明する。
【0037】
表示手段18の表示画面90には、図3に示すように、数値データと地図データとが表示される。図3に示す例では、表示画面90の左側に数値データ画面91が表示され、表示画面90の右側に地図データ画面92が表示されている。数値データ画面91には、各車両に搭載された位置情報取得手段の識別情報(端末No.)、各車両の速度、位置情報を取得した時刻等が表示される。地図データ画面92には、予め設定された走行ルート及びその周辺の道路や目標物等と共に、各車両の現在位置が表示される。
【0038】
図3に示す例では、予め設定された走行ルートが太線で示されており、識別情報「1」、「2」、「4」、「5」の車両は走行ルート上を走行しているが、識別情報「3」の車両は走行ルートを外れて走行していることが認識できる。また、数値データ画面91の表示により、識別情報「3」の車両は速度違反を犯していることも認識できる。
【0039】
また、第1の実施形態では、各車両の詳細情報を表示することができる。特に、違反を犯している識別情報「3」の車両に関する詳細情報を表示することにより、違反車両を特定して適切な運行管理を行うことができる。具体的には、数値データ画面91又は地図データ画面92において、識別情報「3」の位置にマウスカーソルを一致させて、マウスの左ボタンをクリックする等の操作を行うと、地図データ画面92における表示が切り替わり、図4に示すように、識別情報「3」の車両に関する詳細情報が表示される。図4に示す例では、識別情報「3」の車両に関する詳細情報として、速度、時刻、現在位置、車両管理者、及び運転者に関する情報が表示されると共に、速度超過及びルート外走行に関する警告が表示されている。
【0040】
なお、表示手段18における表示は、図3及び図4に示すものに限定されるものではなく、管理対象となる車両の種類、設定された走行ルート等に応じて、必要な情報を表示することができる。また、図3に示すような地図データ画面92において、拡大縮小表示を行うことができる構成とすることにより、各車両の運行状況を的確に把握することができる。
【0041】
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る車両運行管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
【0042】
本発明の第2の実施形態に係る車両運行管理システム20は、上述した第1の実施形態に係る車両運行管理システム10の構成要素に加えて、速度警告手段及び走行ルート警告手段を備えている。以下、第1の実施形態に係る車両運行管理システム10の構成要素と同様の機能を有する手段には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0043】
本発明の第2の実施形態に係る車両運行管理システム10は、図5に示すように、位置情報取得手段11、走行ルート記憶手段12、設定速度記憶手段13、速度演算手段14、速度比較手段15、走行ルート比較手段16、表示制御手段17、表示手段18、速度警告手段21、及び走行ルート警告手段22を備えている。
【0044】
<速度警告手段>
速度警告手段21は、速度比較手段15において設定速度を超えていると判断された場合に、その旨の警告を行うための手段である。この速度警告手段21は、管理センターに設置されたコンピュータの一機能として構成される手段である。具体的には、表示手段の表示画面において、設定速度を超えている車両を特定することにより、警告を行うようになっている。
【0045】
すなわち、図3に示すように、識別情報「3」の車両について、数値データ画面91及び地図データ画面92の該当位置において表示色や表示態様を変更する(例えば、赤色表示やブリンク表示を行う)ことにより、速度違反を犯している旨の警告を行っている。
また、図4に示すように、識別情報「3」の車両に関する詳細情報として、速度超過に関する警告表示を行うことにより、識別情報「3」の車両が速度違反を犯している旨の警告を行っている。
【0046】
<走行ルート警告手段>
走行ルート警告手段22は、走行ルート比較手段16において走行ルートを外れていると判断された場合に、その旨の警告を行うための手段である。この走行ルート警告手段22は、管理センターに設置されたコンピュータの一機能として構成される手段である。具体的には、表示手段の表示画面において、走行ルートを外れている車両を特定することにより、警告を行うようになっている。
【0047】
すなわち、図3に示すように、識別情報「3」の車両について、数値データ画面91及び地図データ画面92の該当位置において表示色や表示態様を変更する(例えば、赤色表示やブリンク表示を行う)ことにより、走行ルートを外れている旨の警告を行っている。
また、図4に示すように、識別情報「3」の車両に関する詳細情報として、ルート外走行に関する警告表示を行うことにより、識別情報「3」の車両が予め設定された走行ルートを外れている旨の警告を行っている。
【0048】
<運転者に対する警告>
管理センターで表示画面の監視を行っているオペレータは、速度警告又は走行ルート警告がなされると、工事車両の運転者に対して警告を行うことが好ましい。この際、車両に搭載されている無線機や携帯電話端末等を用いて、運転者に警告が発せられる。なお、安全走行を行う上で、運転中に無線機や携帯電話端末を操作できないため、管理センターのオペレータが所定の操作を行うと、無線機や携帯電話端末から警報音が発生するような構成とすることが好ましい。
【0049】
また、速度比較手段15において設定速度を超えていると判断された場合、あるいは走行ルート比較手段16において走行ルートを外れていると判断された場合に、車両に搭載された無線機や携帯電話端末に対して自動的に信号を送信し、無線機や携帯電話端末から警報音が発生するような構成としてもよい。
【0050】
<第3の実施形態>
図6は、本発明の第3の実施形態に係る車両運行管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
【0051】
本発明の第3の実施形態に係る車両運行管理システム30は、上述した第1の実施形態に係る車両運行管理システム10の構成要素に加えて、履歴格納手段を備えている。以下、第1の実施形態に係る車両運行管理システム10の構成要素と同様の機能を有する手段には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0052】
本発明の第3の実施形態に係る車両運行管理システム30は、図6に示すように、位置情報取得手段11、走行ルート記憶手段12、設定速度記憶手段13、速度演算手段14、速度比較手段15、走行ルート比較手段16、表示制御手段17、表示手段18、及び履歴格納手段31を備えている。
【0053】
<履歴格納手段>
履歴格納手段31は、位置情報取得手段11で取得した位置情報、速度比較手段15における比較結果、及び走行ルート比較手段16における比較結果を、履歴情報として格納するための手段である。この履歴格納手段31は、例えば、ハードディスク記憶装置により構成される。
車両の運行管理者は、履歴情報を参照することにより、速度違反を犯した車両や走行ルートを外れて走行した車両を確認して、運転者や工事車両の管理者に注意を促すことができる。
【0054】
<他の実施形態>
本発明の車両運行管理システムは、上述した各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の構成要素を適宜組み合わせて実施することができる。また、上述した各実施形態では、工事車両を例にとって説明を行ったが、路線バスのように予め許可された走行ルートを法定速度以下の速度で走行しなければならない車両を管理する際にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システムの構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システムの構成を示す模式図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システムの表示手段における表示例を示す説明図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る車両運行管理システムの表示手段における表示例を示す説明図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る車両運行管理システムの構成を示す機能ブロック図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る車両運行管理システムの構成を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
【0056】
10、20、30 車両運行管理システム
11 位置情報取得手段
12 走行ルート記憶手段
13 設定速度記憶手段
14 速度演算手段
15 速度比較手段
16 走行ルート比較手段
17 表示制御手段
18 表示手段
21 速度警告手段
22 走行ルート警告手段
31 履歴格納手段
40 GPS衛星
50 車両
51 GPSレシーバ
52 携帯電話端末
60 基地局
70 インターネット
80 管理センター
81 コンピュータ
82 ディスプレイ
90 表示画面
91 数値データ画面
92 地図データ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された位置情報取得手段と、
予め定められた車両の走行ルート情報を記憶した走行ルート記憶手段と、
予め定められた車両の走行ルートに対応した設定速度情報を記憶した設定速度記憶手段と、
前記位置情報取得手段で取得した位置情報に基づいて当該車両の走行速度を演算する速度演算手段と、
前記速度演算手段における演算結果と前記設定速度記憶手段に記憶された設定速度情報とを比較する速度比較手段と、
前記位置情報取得手段で取得した位置情報と前記走行ルート記憶手段に記憶された走行ルート情報とを比較する走行ルート比較手段と、
前記位置情報取得手段で取得した位置情報、前記速度比較手段における比較結果、及び前記走行ルート比較手段における比較結果を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする車両運行管理システム。
【請求項2】
前記速度比較手段において設定速度を超えていると判断された場合に、その旨の警告を行う速度警告手段と、
前記走行ルート比較手段において走行ルートを外れていると判断された場合に、その旨の警告を行う走行ルート警告手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両運行管理システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、車両の位置情報を地図情報に重畳して表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両運行管理システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、操作者の指示に基づいて車両毎の詳細情報を表示させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両運行管理システム。
【請求項5】
前記位置情報取得手段で取得した位置情報、前記速度比較手段における比較結果、及び前記走行ルート比較手段における比較結果を、履歴情報として格納する履歴格納手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両運行管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−197860(P2008−197860A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31497(P2007−31497)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【Fターム(参考)】