説明

車体側部構造

【課題】軽量化に伴う剛性低下をより小さくして、より高い車体性能の確保が可能な車体側部構造を提供することにある。
【解決手段】自動車のフロントフロアパネルの両端部にそれぞれ前後に延びるサイドシルが設けられた車体側部構造において、サイドシルを補強するサイドシル補強材32が、車室側に開口するハット状断面であって、少なくとも、そのハット状断面の各稜線32g,32h,32j,32k、周辺の部品との接合部を除いた部分に複数の微細穴61が開けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体側部構造の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車体側部構造として、サイドシルの内側面に補強材を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第3381675号公報
【0003】
特許文献1の図15の一部及び図16を以下の図8で説明する。なお、符号は振り直した。
図8は従来の車体側部構造を示す斜視図であり、サイドシル101のインナー部102の内側面103に補強材104が設けられている。
【0004】
補強材104は、フロア本体107の車体前後方向中央からセンターピラー108の下端部111の前方まで部分的に設けられたもので、補強材104の強度調整用の穴113〜115が開けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の穴113〜115は、補強材104を所定の強度に調整する部分であり、軽量化のためのものではないから、穴113〜115を開けることにより軽量化された重量は十分ではない。
【0006】
また、軽量化される重量が十分であっても、曲げ剛性の低下量が大きければ、外力が作用したときに変形量が大きくなり、車体性能上問題がある。例えば、剛性低下に伴い振動が増加することによって乗り心地の悪化を招いたり、操縦安定性の低下、車室内騒音の増加等に繋がる。
【0007】
本発明の目的は、軽量化に伴う剛性低下をより小さくして、より高い車体性能の確保が可能な車体側部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、自動車のフロアパネルの両端部にそれぞれ前後に延びるサイドシルが設けられた車体側部構造において、サイドシルを補強するサイドシル補強材が、車室側に開口するハット状断面であって、少なくとも、そのハット状断面の各稜線、周辺の部品との接合部を除いた部分に複数の微細穴が開けられていることを特徴とする。
【0009】
ベース部材に対して単に板厚を薄くして軽量化を行ったサイドシル補強材に比べて、ベース部材に対して板厚を同一にするとともに複数の微細穴を開けて軽量化を行ったサイドシル補強材では、軽量化された重量の変化量に対して剛性低下の変化量がより小さくなる。
【0010】
また、少なくとも、サイドシル補強材の各稜線、周辺の部品との接合部を除いて複数の微細穴を開けることで、サイドシル補強材の各稜線、周辺の部品との接合部で変形が抑えられ、サイドシル補強材全体として所定の剛性が確保される。
【0011】
請求項2に係る発明は、シートを固定するクロスメンバをサイドシルに接合するために、サイドシル補強材に微細穴の開いていない非穴開け部が設けられることを特徴とする。
非穴開け部を設けることで非穴開け部の剛性が確保されるため、クロスメンバをサイドシルに接合したときに、クロスメンバの振動が抑えられる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、サイドシルを補強するサイドシル補強材が、車室側に開口するハット状断面であって、少なくとも、そのハット状断面の各稜線、周辺の部品との接合部を除いた部分に複数の微細穴が開けられているので、サイドシル補強材の軽量化された重量の変化量に対する剛性低下の変化量をより小さくすることができ、例えば、板厚を薄くしたサイドシル補強材と同等の軽量化を行った場合よりもサイドシル補強材の剛性を高めることができる。つまり、所定の剛性が必要な場合に、より軽量な構造を提供することができると言える。
【0013】
また、サイドシル補強材における周辺の部品との接合部に微細穴が開けられていないので、例えば、サイドシルにセンタピラー下端が接合される場合に、剛性が確保されたサイドシル補強材によって、車両が側面衝突されたときに十分な衝突反力を発生させることができ、より大きな衝突エネルギーを吸収することができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、シートを固定するクロスメンバをサイドシルに接合するために、サイドシル補強材に微細穴の開いていない非穴開け部が設けられるので、非穴開け部の剛性を確保することができ、クロスメンバの振動を抑えることができて、シートに着座した乗員の乗り心地を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体側部構造を示すアンダボディの斜視図であり、図中の矢印(FRONT)はアンダボディを備える自動車の前方を示している(以下同じ。)。
アンダボディ10は、フロントフロアパネル11と、このフロントフロアパネル11の両端部に車体前後方向に延びるように取付けられたサイドシル12,13と、フロントフロアパネル11の車幅方向中央部に前後方向に延びるように形成されたトンネル部11a及びサイドシル12,13のそれぞれを左右に連結する一対の第1クロスメンバ14,16、一対の第2クロスメンバ17,18と、左右のサイドシル12,13を連結するとともにフロントフロアパネル11の後端に取付けられたミドルフロアクロスメンバ21と、フロントフロアパネル11におけるトンネル部11aよりもサイドシル12側の上面に前後に延びるように取付けられたフロントフロアメンバ22とからなり、サイドシル12,13にそれぞれセンタピラー24,26の下端が取付けられている。
【0016】
フロントフロアパネル11は、トンネル部11aと、このトンネル部11aの左右に設けられたフロア本体11b,11cとからなる。
【0017】
サイドシル12は、フロントフロアパネル11に取付けられたサイドシルインナ31と、このサイドシルインナ31に取付けられたサイドシル補強材32と、このサイドシル補強材32の外側に取付けられるサイドシルアウタ(不図示)とからなり、サイドシルインナ31及びサイドシルアウタにセンタピラー24が取付けられている。
【0018】
同様に、サイドシル13は、サイドシルインナ36と、サイドシル補強材37と、サイドシルアウタ(不図示)とからなり、サイドシルインナ36及びサイドシルアウタにセンタピラー26が取付けられている。
【0019】
第1クロスメンバ14は、トンネル部11aに一端が連結されたインナクロスメンバ41と、このインナクロスメンバ41の他端に一端が取付けられるとともに他端がサイドシル12のサイドシルインナ31に連結されたアウタクロスメンバ42とからなり、シート(不図示)の下部に設けられた左右一対のレール(不図示)の前端部を取付けるために、インナクロスメンバ41のトンネル部11a寄りの斜面にシート取付穴41aが開けられ、アウタクロスメンバ42の斜面にシート取付穴42aが開けられている。
【0020】
同様に、第1クロスメンバ16は、インナクロスメンバ43と、アウタクロスメンバ44とからなり、インナクロスメンバ43にシート取付穴43a(不図示)、アウタクロスメンバ42にシート取付穴44aが開けられている。
【0021】
第2クロスメンバ17は、トンネル部11aに一端が連結されたインナクロスメンバ46と、このインナクロスメンバ46の他端に一端が取付けられるとともに他端がサイドシル12のサイドシルインナ31に連結されたアウタクロスメンバ47とからなり、シート(不図示)の下部に設けられた左右一対のレール(不図示)の後端部を取付けるために、インナクロスメンバ46のトンネル部11a寄りの上面にシート取付穴46aが開けられ、アウタクロスメンバ47の上面にシート取付穴47a(不図示)が開けられている。
【0022】
同様に、第2クロスメンバ18は、インナクロスメンバ48と、アウタクロスメンバ49とからなり、インナクロスメンバ48にシート取付穴48a(不図示)、アウタクロスメンバ49にシート取付穴49aが開けられている。
【0023】
上記のサイドシルインナ31及びサイドシル補強材32の内側には、センタピラー24の前方及び後方に且つ第1クロスメンバ14及びミドルフロアクロスメンバ21の側方にそれぞれバルクヘッド51,52が取付けられている。
【0024】
このように第1クロスメンバ14及びミドルフロアクロスメンバ21の側方にバルクヘッド51,52を設けることで、例えば、センタピラー24に側方から荷重が入力した際に、その荷重をサイドシル12からバルクヘッド51,52を介して第1クロスメンバ14及びミドルフロアクロスメンバ21に効果的に伝達することができる。
同様に、サイドシルインナ37及びサイドシル補強材38の内側にも、バルクヘッド51,52(不図示)が取付けられている。
【0025】
図2は本発明に係る車体側部構造を構成するサイドシル補強材を示す斜視図であり、以下ではサイドシル補強材32について説明するが、サイドシル補強材37(図1参照)については、サイドシル補強材32に対して左右対称な形状であり、基本構造は同一であるため、説明は省略する。
サイドシル補強材32は、ハット状断面の鋼板製部材であり、側壁32aと、この側壁32aの上端から一体に車室側へ延びる上壁32bと、側壁32aの下端から一体に車室側へ延びる下壁32cと、上壁32bの内縁から一体に上方に延びる上フランジ32dと、下壁32cの内縁から一体に下方に延びる下フランジ32eとからなる。
【0026】
側壁32aは、軽量化のための微細穴61が密集した穴密集部63〜67と、微細穴61が開けられていない非穴開け部68とを備える。
穴密集部63〜67は、複数の微細穴61を開けても強度・剛性の低下に対して影響が小さい箇所に設けられた部分である(他の穴密集部についても同様である。)。
非穴開け部68は、例えば、車両が側面衝突されたときに、高い負荷が作用する部分であり、微細穴61が開けられていないために剛性が確保され、変形が抑えられる。
【0027】
上壁32bは、微細穴61が密集した穴密集部75〜78と、非穴開け部81,82とを備える。
非穴開け部81は、第1クロスメンバ14(図1参照)に接近する部分に設けられた部分であり、非穴開け部81の剛性が確保されて振動が発生しにくくなるため、第1クロスメンバで支持するシートも振動しにくくなり、シートに着座した乗員の乗り心地を向上させることができる。
非穴開け部82は、他部品と接合される部分であり、剛性及び溶接強度が確保されている。
【0028】
下壁32cは、全体に微細穴61(不図示)が密集して開けられているため、サイドシル補強材32をより一層軽量にすることができる。
上フランジ32d及び下フランジ32eは、サイドシルインナ31(図1参照)及びサイドシルアウタ(不図示)に取付けられる部分であり、これらのサイドシルインナ31及びサイドシルアウタとの接合部の剛性を確保するために微細穴61は開けられていない。
【0029】
図中の符号32gは側壁32aと上壁32bとの境に形成された稜線、32hは側壁32aと下壁32cとの境に形成された稜線、32jは上壁32bと上フランジ32dとの境に形成された稜線、32kは下壁32cと下フランジ32eとの境に形成された稜線であり、これらの稜線32g,32h,32j,32kには、剛性を確保するために微細穴61が開けられていない。
【0030】
以上のように、サイドシル補強材32の側壁32a及び上壁32bに部分的に穴密集部63〜67,75〜78を設けるとともに下壁32cの全体に微細穴61を密集させることで、サイドシル補強材32の全体として軽量化を図るとともに所定の剛性を確保することができる。
【0031】
図3(a),(b)は本発明に係るサイドシル補強材の微細穴を説明する説明図である。
(a)は図2の要部拡大図であり、サイドシル補強材32の穴密集部64の一部、穴密集部65、及び穴密集部76の一部を示している。
【0032】
(b)は穴密集部65の正面図であり、微細穴61が縦横に並列に開けられている。
微細穴61の内径をD1、各微細穴61のピッチをP1とすると、例えば、D1=3mm、P1=5mmである。他の穴密集部についても、穴密集部65と同様に微細穴61が開けられている。
【0033】
図4は本発明に係るサイドシル補強材の微細穴の配置の別実施形態を示す説明図であり、穴密集部65Aは、微細穴61が千鳥状に開けられている。即ち、3つの微細穴61の各中心を結んだ三角形が正三角形になる。
【0034】
微細穴61の内径をD2、隣り合う微細穴61の中心間距離をP3、縦に並んだ微細穴61同士のピッチをP4とすると、例えば、D2=3mm、P3=5mm、P4=√3xP3である。
この場合、サイドシル補強材32(図2参照)の他の穴密集部についても、穴密集部65Aと同様に微細穴61が開けられている。
【0035】
仮に、上記(a),(b)に示した穴密集部65,65Aを、穴密集部65,65Aの微細穴61の全開口面積と同じ面積の一つの穴に置き換えた場合には、穴密集部65,65Aを設けた場合に比べて剛性の低下がより大きくなる。
これは、穴密集部65,65Aを設けた場合には、各微細穴61間が連結されているので、剛性の低下が抑えられるからである。
【0036】
図5は図1の5−5線断面図であり、フロントフロアパネル11の端部に設けられたフランジ11eにサイドシル12、詳しくは、サイドシルインナ31の側壁31aが取付けられるとともにサイドシルインナ31の上壁31bに第1クロスメンバ14におけるアウタクロスメンバ42の上壁42cが取付けられ、サイドシルインナ31の上フランジ31c及び下フランジ31dにそれぞれサイドシル補強材32の上フランジ32d及び下フランジ32eが取付けられ、これらの上フランジ32d及び下フランジ32eにサイドシルアウタ33の上フランジ33a及び下フランジ33bがそれぞれ取付けられている。
【0037】
サイドシル補強材32の上壁32bに設けられた非穴開け部81は、第1クロスメンバ14を構成するアウタクロスメンバ42のサイドシルインナ31の上壁31bへの接合部に接近する部分に設けられ、サイドシルインナ31の上壁31bの振動低減による第1クロスメンバ14の振動低減の役目をする。
【0038】
図6は図1の6−6線断面図(但し、以下に示すレール92、ボルト94及び取付用ブラケット96は追加されている。)であり、第1クロスメンバ14のアウタクロスメンバ42は、前壁42eと、この前壁42eの上縁から一体に後方斜め上方に延びる傾斜壁42fと、この傾斜壁42fの後縁から一体に後方に延びる上壁42cと、この上壁42cの後縁から一体に下方に延びる後壁42hと、前壁42eの下縁に一体に設けられた前フランジ42jと、後壁42hの下縁に一体に設けられた後フランジ42kとからなり、傾斜壁42fに、シート、詳しくは、シートの左右のレール91,92(一方の符号92のみ示す。)を取付けるためにボルト94を通すシート取付穴42aと、ボルト94をねじ込むナット95とが設けられ、前フランジ42j及び後フランジ42kがフロントフロアパネル11に取付けられている。なお、符号96はレール92に設けられた取付用ブラケットであり、傾斜壁42fにボルト94で締結される。
【0039】
以上の図1、図4、図5に示したように、第1クロスメンバ14(詳しくは、インナクロスメンバ41及びアウタクロスメンバ42)にシートの取付部を設け、サイドシル補強材32の第1クロスメンバ14に接近した位置に非穴開け部81を設けることで、第1クロスメンバ14にシート下部に設けられた左右のレールを取付けたときに、非穴開け部81によって第1クロスメンバ14を振動しにくくすることができ、これによって、シートを振動しにくくすることができて、乗員の乗り心地を向上させることができる。また、第1クロスメンバ16に取付けられたシートについても同様である。
【0040】
図7は本発明に係るサイドシル補強材の剛性検証結果を示す説明図であり、図中には検証結果の表と、この表に基づいて作成されたグラフを示している。
試料としては、(1)ベース材料、(2)実施例(本実施形態の微細穴を開けたもの)、(3)比較例(ベース材料に対して微細穴を開けずに単に板厚を小さくしたもの)であり、グラフでは、実施例及び比較例において、サイドシル補強材のベース材料に対する軽量化率と、サイドシル補強材の剛性変化率、即ち、静的な曲げ剛性(静曲げ剛性)及び静的なねじり剛性(静ねじり剛性)のベース材料に対する変化率との関係を示している。
【0041】
グラフの縦軸は剛性変化率(単位は%)、横軸は軽量化率(単位は%)を表している。
ここで剛性とは、所定荷重をサイドシル補強材に加えたときの変形量であり、剛性変化率が大きいとは、ベース材料に対する変形量の変化(増加)が大きいということである。
【0042】
静曲げ剛性の変化率については、例えば、比較例の剛性変化率が軽量化率が大きくなるにつれて直線的に増加すると仮定した場合に、実施例と比較例とが同じ軽量化率のときには、剛性変化率は、実施例の方が比較例よりも小さくなる。即ち、軽量化された重量が同一でも、実施例の方が剛性変化(即ち、剛性低下)は小さく、所定の剛性を確保しやすくなる。
静ねじり剛性の変化率についても、静曲げ剛性と同様な傾向が見られ、実施例の剛性変化が比較例の剛性変化よりも小さい。
【0043】
上記の図1、図2、図5に示したように、自動車のフロントフロアパネル11の両端部にそれぞれ前後に延びるサイドシル12,13が設けられた車体側部構造において、サイドシル12,13を補強するサイドシル補強材32が、車室側に開口するハット状断面であって、少なくとも、そのハット状断面の各稜線32g,32h,32j,32k、周辺の部品としてのサイドシルインナ31,36、サイドシルアウタ33等との接合部を除いた部分に複数の微細穴61が開けられているので、サイドシル補強材32の軽量化された重量の変化量に対する剛性低下の変化量をより小さくすることができ、例えば、板厚を薄くしたサイドシル補強材32と同等の軽量化を行った場合よりもサイドシル補強材32の剛性を高めることができる。つまり、所定の剛性が必要な場合に、より軽量な構造を提供することができると言える。
【0044】
また、サイドシル補強材32における周辺の部品、例えば、サイドシルインナ31,36、サイドシルアウタ33等との接合部に微細穴61が開けられていないので、例えば、サイドシル12,13にセンタピラー24,26の下端が接合される場合に、剛性が確保されたサイドシル補強材によって、車両が側面衝突されたときに十分な衝突反力を発生させることができ、より大きな衝突エネルギーを吸収することができる。
【0045】
また、シートを固定する第1クロスメンバ14,16をサイドシル12,13に接合するために、サイドシル補強材32に微細穴61の開いていない非穴開け部81が設けられるので、非穴開け部81の剛性を確保することができ、第1クロスメンバ14,16の振動を抑えることができて、シートに着座した乗員の乗り心地を向上させることができる。
【0046】
尚、本実施形態では、図2、図3(a),(b)に示したように、穴密集部63〜67,75〜78,65Aの輪郭を矩形としたが、これに限らず、輪郭を三角形、台形、円形、楕円形、長穴、多角形やこれらに類似する図形にしてもよく、要は剛性低下に影響の少ない部分を選んで微細穴61を開けて形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の車体側部構造は、四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る車体側部構造を示すアンダボディの斜視図である。
【図2】本発明に係る車体側部構造を構成するサイドシル補強材を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るサイドシル補強材の微細穴を説明する説明図である。
【図4】本発明に係るサイドシル補強材の微細穴の配置の別実施形態を示す説明図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【図6】図1の6−6線断面図である。
【図7】本発明に係るサイドシル補強材の剛性検証結果を示す説明図である。
【図8】従来の車体側部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
11…フロアパネル(フロントフロアパネル)、12,13…サイドシル、14,16…クロスメンバ(第1クロスメンバ)、24,26…センタピラー、32,37…サイドシル補強材、32d,32e…接合部(上フランジ、下フランジ)、32g,32h,32j,32k…稜線、31,33,36,…周辺の部品(サイドシルインナ、サイドシルアウタ、サイドシルインナ)、61…微細穴、81…非穴開け部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のフロアパネルの両端部にそれぞれ前後に延びるサイドシルが設けられた車体側部構造において、
前記サイドシルを補強するサイドシル補強材は、車室側に開口するハット状断面であって、少なくとも、そのハット状断面の各稜線、周辺の部品との接合部を除いた部分に複数の微細穴が開けられていることを特徴とする車体側部構造。
【請求項2】
シートを固定するクロスメンバを前記サイドシルに接合するために、前記サイドシル補強材に前記微細穴の開いていない非穴開け部が設けられることを特徴とする請求項1記載の車体側部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−137599(P2010−137599A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313249(P2008−313249)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】