車体前部構造
【課題】懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の軽量化を図り、強度の向上を図った車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造11は、車室13とエンジンルーム21を仕切るダッシュパネル22の上部にダッシュボードアッパ16が配置され、ショックアブソーバー23,23を取付ける左右のダンパハウジング25,26が形成されている。ダッシュボードアッパは、左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長されている前部66と、前部に重なってダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部58が形成される補強ビーム部材17と、を備える。
【解決手段】車体前部構造11は、車室13とエンジンルーム21を仕切るダッシュパネル22の上部にダッシュボードアッパ16が配置され、ショックアブソーバー23,23を取付ける左右のダンパハウジング25,26が形成されている。ダッシュボードアッパは、左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長されている前部66と、前部に重なってダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部58が形成される補強ビーム部材17と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸架装置が取付けられたダンパハウジングに補強部材を結合する車体前部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、懸架装置が取付けられたダンパハウジングを補強部材で支持する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−308149公報(第8頁、図1)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の車両用ストラットタワーバー201は、タワーバー本体202とタワーバー取付部材203,204とで構成され、タワーバー本体202は金属のパイプであり、金属板を用いたタワーバー取付部材203,204がストラットタワー205,206にボルト207で取付けられている。
【0004】
しかし、特許文献1の車両用ストラットタワーバー201では、タワーバー本体202は金属製のパイプを採用する必要があり、パイプの肉厚が厚くなりがちで重量を低減し難い。また、タワーバー本体202の両端に同一材料のブラケットが固定されているから、さらに重量を低減し難いという問題がある。
その上、より大きな負荷が加わる車両に採用する場合、パイプを用いたタワーバー本体202は大型になり、且つ、タワーバー取付部材203,204は強度を高め難いという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の軽量化を図り、強度の向上を図った車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルの上部にダッシュボードアッパが配置され、エンジンルームの側壁を兼ね、懸架装置のショックアブソーバーの上部が取付けられる左右のダンパハウジングが形成されている車体前部構造において、ダッシュボードアッパは、左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長している前部と、前部に重なってダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、ダンパハウジングとダッシュボードアッパとの間に塗布された接着剤を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、拘束ビーム部は、左右間の中央とダンパハウジングに取付けられる端との間に仕切り壁を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、ダッシュボードアッパは、左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長している前部と、前部に重なってダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えているので、前部はダッシュボードアッパに一体に成形されることで、ダッシュボードアッパの薄い板厚となり、また、補強ビーム部材も同様の薄板であるから、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の軽量化を図ることができるという利点がある。
【0010】
また、ダッシュボードアッパは、前部と、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えているので、拘束ビーム部によって、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の強度を高めることができる。
【0011】
さらに、拘束ビーム部の左右端にショックアブソーバーの取付けに必要な孔を形成することで、左右のダンパハウジングに取付けるので、閉断面形状とほぼ同様の拘束ビーム部の左右端を締結することができ、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の強度を高めることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、ダンパハウジングとダッシュボードアッパとの間に塗布された接着剤を備えているので、ダッシュボードアッパを流れる雨水がダッシュボードアッパの前部に開けたショックアブソーバー用の孔に達した場合に、接着剤によって、エンジンルーム内への雨水の浸入を防止することができるという利点がある。
【0013】
請求項3に係る発明では、拘束ビーム部は、横長に対する中央とダンパハウジングに取付けられる端との間に仕切り壁を備えているので、仕切り壁によって、端の強さが増し、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の強度をより高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明の車体前部構造を説明する図である。
車体前部構造11は、車両12の車室13の前部で、車両12の懸架装置であるところの前懸架装置14を支持するとともに、左右のフロントピラー15,15と接続され、ダッシュボードアッパ16と、補強ビーム部材17と、を備える。具体的には後で述べる。
【0015】
車両12は、ボデー18を有し、ボデー18は、車室13とエンジンルーム21を仕切るダッシュパネル22と、車体前部構造11に含まれるダッシュボードアッパ16と、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23の上部24,24が取付けられている左右のダンパハウジング25,26と、ダンパハウジング25,26に連なるホイールハウス27,27と、ホイールハウス27,27に接続されたフェンダパネル28,28と、を備える。31はダッシュパネル22にダッシュボードアッパ16が接続される吊下げ部材である。
【0016】
エンジンルーム21は、左右のダンパハウジング25,26とホイールハウス27,27で形成された左右の側壁33,33を有する。
【0017】
図2は、本発明の車体前部構造と懸架装置との関係を説明する図である。
懸架装置(前懸架装置)14は、車輪41,41を車体に支持して、車輪41,41に加わる衝撃を吸収するショックアブソーバー23,23とスプリング42,42とを備える。
ショックアブソーバー23は、上部24に配置された取付けフランジ部43と、取付けフランジ部43に所定のピッチで一体的に取付けられた5本のボルト44と、ボルト44にねじ込まれるナット45と、を備え、ダンパハウジング25,26に固定される。
【0018】
ダンパハウジング25は、ショックアブソーバー23の取付けフランジ部43が固定される天板部47を有し、天板部47には、ショックアブソーバー23の5本のボルト44に嵌合するダンパ孔48が開けられ、中央に仮組み孔51が開けられている。53は仮組み孔51の縁から外方に所定の範囲に塗布された接着剤である。
【0019】
ここで、車体前部構造11の取付け要領を簡単に説明する。図1を併用して説明する。
まず、ダッシュボードアッパ16を取付ける。車室13とエンジンルーム21を仕切るダッシュパネル22の上部や左右のダンパハウジング25,26に、補強ビーム部材17を取付けたダッシュボードアッパ16をスポット溶接で取付ける。その際、ダンパハウジング25,26に接着剤53を塗布して、接着剤53を塗布したダンパハウジング25,26にダッシュボードアッパ16の左右端のダンパ締結部55,56をセットし、ダンパハウジング25,26にスポット溶接を実施してスポット溶接部57(図1参照)で固定する。
【0020】
その次に、ダンパハウジング25,26に向けて前懸架装置14を下から上昇(矢印a1の方向)させ、ダンパハウジング25,26にショックアブソーバー23,23をボルト・ナット44,45で締結する。
【0021】
図3は、本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの説明図であり、車室13側から見た状態で、ダッシュボードアッパ16に補強ビーム部材17が取付けられている図である。図2を併用して説明する。
【0022】
車体前部構造11は、具体的には、左右端にダンパ締結部55,56がショックアブソーバー23,23のボルト・ナット44,45に対応するように形成され、ダンパ締結部55,56間に閉断面形状の拘束ビーム部58が形成されている。これらのダンパ締結部55,56及び拘束ビーム部58はダッシュボードアッパ16と補強ビーム部材17とをスポット溶接部61で結合することで形成される。
【0023】
拘束ビーム部58は、左右端のダンパ締結部55,56に連なり、左右方向に延びた横長で、中央とダンパ締結部55,56との間に形成された仕切り壁62を備えている。Lは拘束ビーム部58の全長である。
【0024】
図4は、本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの分解図である。
図5は、本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパから補強ビーム部材を取外した状態を示す図であり、車室13側から見た状態を示している。図2を併用して説明する。
【0025】
仕切り壁62は、具体的には、ダンパハウジング25の上方に配置されている。仕切り壁62の高さはHs(図6も参照)である。
ダッシュボードアッパ16は、本体65のエンジンルーム21側に前部66が成形され、前部66に連ねて車室13側に後部67が成形され、これら前・後部66,67の左右端にサイド結合端71,72が成形されている。つまり、後部67に一体に前部66が成形されている。
後部67は主に既存の機能を有する。Td(図8も参照)はダッシュボードアッパ16の板厚である。
【0026】
前部66は、一端(左端)にダンパ締結部55の下層をなす下層部74がショックアブソーバー23の中心軸線Cs(図2参照)に直交するように成形され、他端(右端)にダンパ締結部56の下層をなす下層部75がショックアブソーバー23の中心軸線Cs(図2参照)に直交するように成形され、これらの下層部74,75間に第1半割部76が成形されたものである。
第1半割部76は、前立てリブ部77を有し、前立てリブ部77が最大高さHr(図10も参照)で成形されている。
【0027】
下層部74は、中央にショックアブソーバー23に対応する第1仮組み孔81が開けられ、第1仮組み孔81の半径方向の外方に5本のボルト44(図2参照)のうち車幅方向(矢印a2の方向)の外側(矢印a3の方向)に配置された3本に嵌合する孔82が3個開けられ、車幅方向の内側(矢印a4の方向)に配置された2本に嵌合する孔83が2個開けられ、第1仮組み孔81外方でエンジンルーム21側にダンパ溶接代部84が成形されている。
下層部75は、対称軸線Cmを基準に下層部74と対称であり、第1仮組み孔81、孔82,83、ダンパ溶接代部84が形成されている。
【0028】
下層部74,75及び第1半割部76の周囲に補強ビーム部材17の周囲をスポット溶接部61(図3参照)で結合することで、全長L(図4参照)の閉断面形状の拘束ビーム部58が形成される。
補強ビーム部材17は、ビーム中央部材86と、ビーム中央部材86の両端に取付けられるビームサイド部材87,88とからなる。
【0029】
図6は、本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材のビーム中央部材の斜視図であり、車室13側から見た状態を示している。図4及び図5を併用して説明する。
ビーム中央部材86は、第1半割部76とで閉断面形状の拘束ビーム部58(長さLの範囲)を形成している断面L字形の第2半割部91が成形され、第2半割部91の一端(左端)に仕切り壁62が成形され、仕切り壁62に連ねて下層部74の面に密着する内締結部兼溶接代部93が成形されている。Tb(図10も参照)はビーム中央部材86の板厚である。
【0030】
また、第2半割部91の他端(右端)に仕切り壁62が成形され、仕切り壁62に連ねて下層部75の面に密着する内締結部兼溶接代部95が成形され、第2半割部91の前後縁に前部66に密着する溶接代縁96,96が成形されている。97,97は一端及び他端に成形され、図4のビームサイド部材87,88が溶接されるビームサイド溶接部である。
【0031】
内締結部兼溶接代部93には、下層部74の2個の孔83に同心に孔98が2個開けられている。
内締結部兼溶接代部95には、下層部75の2個の孔83に同心に孔98が2個開けられている。
【0032】
図7は、本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材の斜視図である。図4を併用して説明する。
ビームサイド部材87は、ビーム中央部材86の一端(左端)のビームサイド溶接部97に重ねられて接続される積層接合部101が成形され、積層接合部101に連ねてダンパハウジング25の天板部47(図2参照)に略平行にダンパ締結部55の上層をなす上層部102が所定の高さH(仕切り壁62の高さHsとほぼ同じ)で成形され、上層部102に連ねて外締結部兼溶接代部103が成形されている。104(図8も参照)は高さHの側壁部、Ts(図8参照)はビームサイド部材87の板厚である。
【0033】
上層部102は、中央にダンパハウジング25の仮組み孔51に同心に第2仮組み孔106が形成され、第2仮組み孔106と積層接合部101との間にショックアブソーバー23のナット45に使用する工具を通す工具逃がし孔107,107が2個開けられ、第2仮組み孔106の外方でエンジンルーム21側に下層部74のダンパ溶接代部84を溶接するために用いるスポット溶接装置のチップが干渉しないチップ逃がし孔108が開けられている。
【0034】
外締結部兼溶接代部103には、下層部74の外側(図5の矢印a3の方向)に配置された3個の孔82に同心に孔111が開けられている。
ビームサイド部材88は、対称軸線Cmを基準にビームサイド部材87と略対称である。
【0035】
ここで、補強ビーム部材17の組立て要領を簡単に図4及び図6を併用して説明する。
まず、組立て治具(図に示していない)にビーム中央部材86をセットし、組立て治具にビームサイド部材87,88をセットする。
引き続き、ビームサイド部材87を溶接する。ビーム中央部材86のビームサイド溶接部97にビームサイド部材87の積層接合部101をスポット溶接することで、溶接部113を3点形成し、溶接部113で結合する。
同様に、ビームサイド部材88を溶接する。ビームサイド溶接部97に積層接合部101をスポット溶接することで、溶接部114を3点形成し、溶接部114で結合する。これで補強ビーム部材17の組立が完了する。
【0036】
図8は、図1の8−8線断面図であり、ショックアブソーバー23の上部24と車体前部構造11とを結合した状態を示している。
ダンパ締結部55は、既に説明したように、ダンパハウジング25の天板部47との間に接着剤53を挟み、5本のボルト44にナット45をねじ込み(例えば、トルク管理)、5本のボルト44に所定の軸力を付与することでショックアブソーバー23の上部24に締結されている。
【0037】
なお、図8の接着剤53は、理解を容易にするために均一の厚で示されているが、接着剤53の厚さは変化し、ダンパハウジング25にダッシュボードアッパ16の前部66が直接接触している。
ダンパ締結部56(図4参照)は、図8のダンパ締結部55と同様である。
【0038】
図9は、図2の9−9線断面図である。
ビームサイド部材87とダッシュボードアッパ16の前部66とでダンパ締結部55が形成されるとともに、ダッシュボードアッパ16の前部66とビーム中央部材86とで閉断面形状の拘束ビーム部58が形成されている。
【0039】
図10は、図2の10−10線断面図である。
ダッシュボードアッパ16の前部66と補強ビーム部材17のビーム中央部材86とで閉断面形状の拘束ビーム部58が形成される。
【0040】
次に、本発明の車体前部構造11の作用を説明する。
図1、図8及び図9に示しているように、車体前部構造11では、ダッシュボードアッパ16の板厚Tdで前部66を成形し、板厚Tdと同様の板厚Tm、Tsで補強ビーム部材17を成形し、これらの前部66と補強ビーム部材17とで、前懸架装置14のショックアブソーバー23を支持するので、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の軽量化を図ることができる。
【0041】
車体前部構造11では、ダンパ締結部55は、高さHの側壁部104を有する上層部102が形成されているので、強さ(断面係数)が増し、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の強度を高めることができる。
【0042】
図2及び図10に示しているように、車体前部構造11では、左右のダンパハウジング25,26間までダッシュボードアッパ16を延ばして形成された前部66と補強ビーム部材17とで閉断面形状の拘束ビーム部58を左右のダンパハウジング25,26間に配置したので、拘束ビーム部58によって、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の強度を高めることができる。
【0043】
図2及び図8に示すように、車体前部構造11では、ダンパハウジング25の天板部47とダッシュボードアッパ16の前部66との間に接着剤53を挟めたので、ダッシュボードアッパ16からエンジンルーム21内への雨水の浸入を防止することができる。
【0044】
図9に示すように、拘束ビーム部58は、中央(約L×50%)と左右端の間で且つ、左右のダンパハウジング25,26の上方に形成された、高さHsの仕切り壁62を備えているので、強さ(断面係数)がより増し、ショックアブソーバー23,23からダンパハウジング25を介してダンパ締結部55に加わる負荷に対する強度をより高めることができる。
【0045】
また、図1、図5及び図10に示されているように、車体前部構造11では、左右のダンパハウジング25,26間に渡している前部66の中央に最大高さHrの前立てリブ部77が形成されているので、前部66の強度をより高めることができ、結果的に、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の強度を高めることができる。
【0046】
図1及び図5のように、車体前部構造11では、左右のダンパハウジング25,26に前部66のダンパ溶接代部84をスポット溶接部57で結合したので、ボルトを省くことができ、軽量化を図ることができるとともに、生産コストを削減することができる。
【0047】
車体前部構造11では、ボデー18に含まれるダッシュボードアッパ16に一体に左右端のダンパ締結部55,56及び閉断面形状の拘束ビーム部58を形成するので、エンジンルーム21の狭い空間でも配置できるように閉断面形状を任意に形成することができる。
【0048】
車体前部構造11では、ボデー18に含まれるダッシュボードアッパ16に一体に左右端のダンパ締結部55,56及び閉断面形状の拘束ビーム部58を形成するので、別体のもの、例えば、パイプを用いた車両用ストラットタワーバーに比べ、左右のダンパハウジング25,26に取付ける際に、手間がかからない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の車体前部構造は、四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の車体前部構造を説明する図
【図2】本発明の車体前部構造と懸架装置との関係を説明する図
【図3】本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの説明図
【図4】本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの分解図
【図5】本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパから補強ビーム部材を取外した状態を示す図
【図6】本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材のビーム中央部材の斜視図
【図7】本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材の斜視図
【図8】図1の8−8線断面図
【図9】図2の9−9線断面図
【図10】図2の10−10線断面図
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0051】
11…車体前部構造、12…車両、13…車室、14…懸架装置(前懸架装置)、16…ダッシュボードアッパ、17…補強ビーム部材、21…エンジンルーム、22…ダッシュパネル、23…ショックアブソーバー、25,26…ダンパハウジング、53…接着剤、61…拘束ビーム部、62…仕切り壁、66…前部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、懸架装置が取付けられたダンパハウジングに補強部材を結合する車体前部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、懸架装置が取付けられたダンパハウジングを補強部材で支持する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−308149公報(第8頁、図1)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図11は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来の車両用ストラットタワーバー201は、タワーバー本体202とタワーバー取付部材203,204とで構成され、タワーバー本体202は金属のパイプであり、金属板を用いたタワーバー取付部材203,204がストラットタワー205,206にボルト207で取付けられている。
【0004】
しかし、特許文献1の車両用ストラットタワーバー201では、タワーバー本体202は金属製のパイプを採用する必要があり、パイプの肉厚が厚くなりがちで重量を低減し難い。また、タワーバー本体202の両端に同一材料のブラケットが固定されているから、さらに重量を低減し難いという問題がある。
その上、より大きな負荷が加わる車両に採用する場合、パイプを用いたタワーバー本体202は大型になり、且つ、タワーバー取付部材203,204は強度を高め難いという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の軽量化を図り、強度の向上を図った車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルの上部にダッシュボードアッパが配置され、エンジンルームの側壁を兼ね、懸架装置のショックアブソーバーの上部が取付けられる左右のダンパハウジングが形成されている車体前部構造において、ダッシュボードアッパは、左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長している前部と、前部に重なってダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、ダンパハウジングとダッシュボードアッパとの間に塗布された接着剤を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、拘束ビーム部は、左右間の中央とダンパハウジングに取付けられる端との間に仕切り壁を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明では、ダッシュボードアッパは、左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長している前部と、前部に重なってダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えているので、前部はダッシュボードアッパに一体に成形されることで、ダッシュボードアッパの薄い板厚となり、また、補強ビーム部材も同様の薄板であるから、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の軽量化を図ることができるという利点がある。
【0010】
また、ダッシュボードアッパは、前部と、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えているので、拘束ビーム部によって、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の強度を高めることができる。
【0011】
さらに、拘束ビーム部の左右端にショックアブソーバーの取付けに必要な孔を形成することで、左右のダンパハウジングに取付けるので、閉断面形状とほぼ同様の拘束ビーム部の左右端を締結することができ、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の強度を高めることができる。
【0012】
請求項2に係る発明では、ダンパハウジングとダッシュボードアッパとの間に塗布された接着剤を備えているので、ダッシュボードアッパを流れる雨水がダッシュボードアッパの前部に開けたショックアブソーバー用の孔に達した場合に、接着剤によって、エンジンルーム内への雨水の浸入を防止することができるという利点がある。
【0013】
請求項3に係る発明では、拘束ビーム部は、横長に対する中央とダンパハウジングに取付けられる端との間に仕切り壁を備えているので、仕切り壁によって、端の強さが増し、懸架装置のショックアブソーバーを支持する構成の強度をより高めることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明の車体前部構造を説明する図である。
車体前部構造11は、車両12の車室13の前部で、車両12の懸架装置であるところの前懸架装置14を支持するとともに、左右のフロントピラー15,15と接続され、ダッシュボードアッパ16と、補強ビーム部材17と、を備える。具体的には後で述べる。
【0015】
車両12は、ボデー18を有し、ボデー18は、車室13とエンジンルーム21を仕切るダッシュパネル22と、車体前部構造11に含まれるダッシュボードアッパ16と、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23の上部24,24が取付けられている左右のダンパハウジング25,26と、ダンパハウジング25,26に連なるホイールハウス27,27と、ホイールハウス27,27に接続されたフェンダパネル28,28と、を備える。31はダッシュパネル22にダッシュボードアッパ16が接続される吊下げ部材である。
【0016】
エンジンルーム21は、左右のダンパハウジング25,26とホイールハウス27,27で形成された左右の側壁33,33を有する。
【0017】
図2は、本発明の車体前部構造と懸架装置との関係を説明する図である。
懸架装置(前懸架装置)14は、車輪41,41を車体に支持して、車輪41,41に加わる衝撃を吸収するショックアブソーバー23,23とスプリング42,42とを備える。
ショックアブソーバー23は、上部24に配置された取付けフランジ部43と、取付けフランジ部43に所定のピッチで一体的に取付けられた5本のボルト44と、ボルト44にねじ込まれるナット45と、を備え、ダンパハウジング25,26に固定される。
【0018】
ダンパハウジング25は、ショックアブソーバー23の取付けフランジ部43が固定される天板部47を有し、天板部47には、ショックアブソーバー23の5本のボルト44に嵌合するダンパ孔48が開けられ、中央に仮組み孔51が開けられている。53は仮組み孔51の縁から外方に所定の範囲に塗布された接着剤である。
【0019】
ここで、車体前部構造11の取付け要領を簡単に説明する。図1を併用して説明する。
まず、ダッシュボードアッパ16を取付ける。車室13とエンジンルーム21を仕切るダッシュパネル22の上部や左右のダンパハウジング25,26に、補強ビーム部材17を取付けたダッシュボードアッパ16をスポット溶接で取付ける。その際、ダンパハウジング25,26に接着剤53を塗布して、接着剤53を塗布したダンパハウジング25,26にダッシュボードアッパ16の左右端のダンパ締結部55,56をセットし、ダンパハウジング25,26にスポット溶接を実施してスポット溶接部57(図1参照)で固定する。
【0020】
その次に、ダンパハウジング25,26に向けて前懸架装置14を下から上昇(矢印a1の方向)させ、ダンパハウジング25,26にショックアブソーバー23,23をボルト・ナット44,45で締結する。
【0021】
図3は、本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの説明図であり、車室13側から見た状態で、ダッシュボードアッパ16に補強ビーム部材17が取付けられている図である。図2を併用して説明する。
【0022】
車体前部構造11は、具体的には、左右端にダンパ締結部55,56がショックアブソーバー23,23のボルト・ナット44,45に対応するように形成され、ダンパ締結部55,56間に閉断面形状の拘束ビーム部58が形成されている。これらのダンパ締結部55,56及び拘束ビーム部58はダッシュボードアッパ16と補強ビーム部材17とをスポット溶接部61で結合することで形成される。
【0023】
拘束ビーム部58は、左右端のダンパ締結部55,56に連なり、左右方向に延びた横長で、中央とダンパ締結部55,56との間に形成された仕切り壁62を備えている。Lは拘束ビーム部58の全長である。
【0024】
図4は、本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの分解図である。
図5は、本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパから補強ビーム部材を取外した状態を示す図であり、車室13側から見た状態を示している。図2を併用して説明する。
【0025】
仕切り壁62は、具体的には、ダンパハウジング25の上方に配置されている。仕切り壁62の高さはHs(図6も参照)である。
ダッシュボードアッパ16は、本体65のエンジンルーム21側に前部66が成形され、前部66に連ねて車室13側に後部67が成形され、これら前・後部66,67の左右端にサイド結合端71,72が成形されている。つまり、後部67に一体に前部66が成形されている。
後部67は主に既存の機能を有する。Td(図8も参照)はダッシュボードアッパ16の板厚である。
【0026】
前部66は、一端(左端)にダンパ締結部55の下層をなす下層部74がショックアブソーバー23の中心軸線Cs(図2参照)に直交するように成形され、他端(右端)にダンパ締結部56の下層をなす下層部75がショックアブソーバー23の中心軸線Cs(図2参照)に直交するように成形され、これらの下層部74,75間に第1半割部76が成形されたものである。
第1半割部76は、前立てリブ部77を有し、前立てリブ部77が最大高さHr(図10も参照)で成形されている。
【0027】
下層部74は、中央にショックアブソーバー23に対応する第1仮組み孔81が開けられ、第1仮組み孔81の半径方向の外方に5本のボルト44(図2参照)のうち車幅方向(矢印a2の方向)の外側(矢印a3の方向)に配置された3本に嵌合する孔82が3個開けられ、車幅方向の内側(矢印a4の方向)に配置された2本に嵌合する孔83が2個開けられ、第1仮組み孔81外方でエンジンルーム21側にダンパ溶接代部84が成形されている。
下層部75は、対称軸線Cmを基準に下層部74と対称であり、第1仮組み孔81、孔82,83、ダンパ溶接代部84が形成されている。
【0028】
下層部74,75及び第1半割部76の周囲に補強ビーム部材17の周囲をスポット溶接部61(図3参照)で結合することで、全長L(図4参照)の閉断面形状の拘束ビーム部58が形成される。
補強ビーム部材17は、ビーム中央部材86と、ビーム中央部材86の両端に取付けられるビームサイド部材87,88とからなる。
【0029】
図6は、本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材のビーム中央部材の斜視図であり、車室13側から見た状態を示している。図4及び図5を併用して説明する。
ビーム中央部材86は、第1半割部76とで閉断面形状の拘束ビーム部58(長さLの範囲)を形成している断面L字形の第2半割部91が成形され、第2半割部91の一端(左端)に仕切り壁62が成形され、仕切り壁62に連ねて下層部74の面に密着する内締結部兼溶接代部93が成形されている。Tb(図10も参照)はビーム中央部材86の板厚である。
【0030】
また、第2半割部91の他端(右端)に仕切り壁62が成形され、仕切り壁62に連ねて下層部75の面に密着する内締結部兼溶接代部95が成形され、第2半割部91の前後縁に前部66に密着する溶接代縁96,96が成形されている。97,97は一端及び他端に成形され、図4のビームサイド部材87,88が溶接されるビームサイド溶接部である。
【0031】
内締結部兼溶接代部93には、下層部74の2個の孔83に同心に孔98が2個開けられている。
内締結部兼溶接代部95には、下層部75の2個の孔83に同心に孔98が2個開けられている。
【0032】
図7は、本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材の斜視図である。図4を併用して説明する。
ビームサイド部材87は、ビーム中央部材86の一端(左端)のビームサイド溶接部97に重ねられて接続される積層接合部101が成形され、積層接合部101に連ねてダンパハウジング25の天板部47(図2参照)に略平行にダンパ締結部55の上層をなす上層部102が所定の高さH(仕切り壁62の高さHsとほぼ同じ)で成形され、上層部102に連ねて外締結部兼溶接代部103が成形されている。104(図8も参照)は高さHの側壁部、Ts(図8参照)はビームサイド部材87の板厚である。
【0033】
上層部102は、中央にダンパハウジング25の仮組み孔51に同心に第2仮組み孔106が形成され、第2仮組み孔106と積層接合部101との間にショックアブソーバー23のナット45に使用する工具を通す工具逃がし孔107,107が2個開けられ、第2仮組み孔106の外方でエンジンルーム21側に下層部74のダンパ溶接代部84を溶接するために用いるスポット溶接装置のチップが干渉しないチップ逃がし孔108が開けられている。
【0034】
外締結部兼溶接代部103には、下層部74の外側(図5の矢印a3の方向)に配置された3個の孔82に同心に孔111が開けられている。
ビームサイド部材88は、対称軸線Cmを基準にビームサイド部材87と略対称である。
【0035】
ここで、補強ビーム部材17の組立て要領を簡単に図4及び図6を併用して説明する。
まず、組立て治具(図に示していない)にビーム中央部材86をセットし、組立て治具にビームサイド部材87,88をセットする。
引き続き、ビームサイド部材87を溶接する。ビーム中央部材86のビームサイド溶接部97にビームサイド部材87の積層接合部101をスポット溶接することで、溶接部113を3点形成し、溶接部113で結合する。
同様に、ビームサイド部材88を溶接する。ビームサイド溶接部97に積層接合部101をスポット溶接することで、溶接部114を3点形成し、溶接部114で結合する。これで補強ビーム部材17の組立が完了する。
【0036】
図8は、図1の8−8線断面図であり、ショックアブソーバー23の上部24と車体前部構造11とを結合した状態を示している。
ダンパ締結部55は、既に説明したように、ダンパハウジング25の天板部47との間に接着剤53を挟み、5本のボルト44にナット45をねじ込み(例えば、トルク管理)、5本のボルト44に所定の軸力を付与することでショックアブソーバー23の上部24に締結されている。
【0037】
なお、図8の接着剤53は、理解を容易にするために均一の厚で示されているが、接着剤53の厚さは変化し、ダンパハウジング25にダッシュボードアッパ16の前部66が直接接触している。
ダンパ締結部56(図4参照)は、図8のダンパ締結部55と同様である。
【0038】
図9は、図2の9−9線断面図である。
ビームサイド部材87とダッシュボードアッパ16の前部66とでダンパ締結部55が形成されるとともに、ダッシュボードアッパ16の前部66とビーム中央部材86とで閉断面形状の拘束ビーム部58が形成されている。
【0039】
図10は、図2の10−10線断面図である。
ダッシュボードアッパ16の前部66と補強ビーム部材17のビーム中央部材86とで閉断面形状の拘束ビーム部58が形成される。
【0040】
次に、本発明の車体前部構造11の作用を説明する。
図1、図8及び図9に示しているように、車体前部構造11では、ダッシュボードアッパ16の板厚Tdで前部66を成形し、板厚Tdと同様の板厚Tm、Tsで補強ビーム部材17を成形し、これらの前部66と補強ビーム部材17とで、前懸架装置14のショックアブソーバー23を支持するので、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の軽量化を図ることができる。
【0041】
車体前部構造11では、ダンパ締結部55は、高さHの側壁部104を有する上層部102が形成されているので、強さ(断面係数)が増し、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の強度を高めることができる。
【0042】
図2及び図10に示しているように、車体前部構造11では、左右のダンパハウジング25,26間までダッシュボードアッパ16を延ばして形成された前部66と補強ビーム部材17とで閉断面形状の拘束ビーム部58を左右のダンパハウジング25,26間に配置したので、拘束ビーム部58によって、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の強度を高めることができる。
【0043】
図2及び図8に示すように、車体前部構造11では、ダンパハウジング25の天板部47とダッシュボードアッパ16の前部66との間に接着剤53を挟めたので、ダッシュボードアッパ16からエンジンルーム21内への雨水の浸入を防止することができる。
【0044】
図9に示すように、拘束ビーム部58は、中央(約L×50%)と左右端の間で且つ、左右のダンパハウジング25,26の上方に形成された、高さHsの仕切り壁62を備えているので、強さ(断面係数)がより増し、ショックアブソーバー23,23からダンパハウジング25を介してダンパ締結部55に加わる負荷に対する強度をより高めることができる。
【0045】
また、図1、図5及び図10に示されているように、車体前部構造11では、左右のダンパハウジング25,26間に渡している前部66の中央に最大高さHrの前立てリブ部77が形成されているので、前部66の強度をより高めることができ、結果的に、前懸架装置14のショックアブソーバー23,23を支持する構成の強度を高めることができる。
【0046】
図1及び図5のように、車体前部構造11では、左右のダンパハウジング25,26に前部66のダンパ溶接代部84をスポット溶接部57で結合したので、ボルトを省くことができ、軽量化を図ることができるとともに、生産コストを削減することができる。
【0047】
車体前部構造11では、ボデー18に含まれるダッシュボードアッパ16に一体に左右端のダンパ締結部55,56及び閉断面形状の拘束ビーム部58を形成するので、エンジンルーム21の狭い空間でも配置できるように閉断面形状を任意に形成することができる。
【0048】
車体前部構造11では、ボデー18に含まれるダッシュボードアッパ16に一体に左右端のダンパ締結部55,56及び閉断面形状の拘束ビーム部58を形成するので、別体のもの、例えば、パイプを用いた車両用ストラットタワーバーに比べ、左右のダンパハウジング25,26に取付ける際に、手間がかからない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の車体前部構造は、四輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の車体前部構造を説明する図
【図2】本発明の車体前部構造と懸架装置との関係を説明する図
【図3】本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの説明図
【図4】本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパの分解図
【図5】本発明の車体前部構造が備えるダッシュボードアッパから補強ビーム部材を取外した状態を示す図
【図6】本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材のビーム中央部材の斜視図
【図7】本発明の車体前部構造が備える補強ビーム部材の斜視図
【図8】図1の8−8線断面図
【図9】図2の9−9線断面図
【図10】図2の10−10線断面図
【図11】従来の技術の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0051】
11…車体前部構造、12…車両、13…車室、14…懸架装置(前懸架装置)、16…ダッシュボードアッパ、17…補強ビーム部材、21…エンジンルーム、22…ダッシュパネル、23…ショックアブソーバー、25,26…ダンパハウジング、53…接着剤、61…拘束ビーム部、62…仕切り壁、66…前部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルの上部にダッシュボードアッパが配置され、前記エンジンルームの側壁を兼ね、懸架装置のショックアブソーバーの上部が取付けられる左右のダンパハウジングが形成されている車体前部構造において、
前記ダッシュボードアッパは、前記左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長している前部と、前記前部に重なって前記ダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えていることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記ダンパハウジングと前記ダッシュボードアッパとの間に塗布された接着剤を備えていることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記拘束ビーム部は、左右間の中央とダンパハウジングに取付けられる端との間に仕切り壁を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
【請求項1】
車室とエンジンルームを仕切るダッシュパネルの上部にダッシュボードアッパが配置され、前記エンジンルームの側壁を兼ね、懸架装置のショックアブソーバーの上部が取付けられる左右のダンパハウジングが形成されている車体前部構造において、
前記ダッシュボードアッパは、前記左右のダンパハウジングまで車両前方へ延長している前部と、前記前部に重なって前記ダンパハウジングに取付けられ、前部とで、左右のダンパハウジング間に渡っている横長の閉断面形状の拘束ビーム部を形成している補強ビーム部材と、を備えていることを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記ダンパハウジングと前記ダッシュボードアッパとの間に塗布された接着剤を備えていることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
【請求項3】
前記拘束ビーム部は、左右間の中央とダンパハウジングに取付けられる端との間に仕切り壁を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車体前部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−284008(P2007−284008A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116562(P2006−116562)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]