説明

車体前部構造

【課題】ダンパーを支持するホイールハウスの上下方向荷重に対する剛性を高めることができ、かつ、車体設計の自由度を高めることができる車体前部構造を提供する。
【解決手段】車体前部構造10は、ダッシュボード13から立ち上げられ、左フロントピラー23を補強する左上補強チューブ部38と、左上補強チューブ部38および左ホイールハウス12の頂部12aを連結する上下のダンパー補強チューブ51,52とを備えている。そして、上下のダンパー補強チューブ51,52が、左ホイールハウス12の頂部12aから左上補強チューブ部38に向けて上下方向に徐々に広がるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロントピラーの車体前方にダッシュボードが設けられ、ダッシュボードの車体前方にダンパーが設けられた車体前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体前部構造のなかには、ダンパーを支持するダンパー支持部材(以下、「ホイールハウス」という)を備え、このホイールハウスの後部に一対の補強部材を平面視で略V字状に設けたものがある。
この車体前部構造によれば、一対の補強部材を平面視で略V字状に設けることで、車体幅方向の荷重に対するホイールハウスの剛性を高めることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】DE10236980A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、特許文献1の車体前部構造は、一対の補強部材が平面視で略V字状に設けられているため、一対の補強部材でダンパーに作用する上下方向の荷重に対する剛性を高めることは難しい。
そこで、特許文献1の車体前部構造では、一対の補強部材に加えて、ホイールハウスの前部および側部に前部補強部材および側部補強部材をそれぞれ設けている。
このように、ダンパーの周囲に補強部材を設けることで、ダンパーに作用する上下方向の荷重に対する剛性を高めることを可能にしている。
【0004】
しかし、ダンパーを支持するホイールハウスに前部補強部材および側部補強部材を設けるためには、前部補強部材および側部補強部材を設ける空間をエンジンルーム内に確保する必要がある。
エンジンルーム内は比較的空間を確保することが難しい領域であり、そのことが車体設計の自由度を高める妨げになっていた。
【0005】
本発明は、ダンパーを支持するホイールハウスの上下方向荷重に対する剛性を高めることができ、かつ、車体設計の自由度を高めることができる車体前部構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、フロントピラーの車体前方にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードの車体前方にダンパーが設けられた車体前部構造において、前記ダッシュボードから立ち上げられ、前記フロントピラーを補強するフロントピラー補強部材と、前記フロントピラー補強部材および前記ダンパーを連結する上下のダンパー補強部材と、を備え、前記上下のダンパー補強部材は、前記ダンパーから前記フロントピラー補強部材に向けて上下方向に徐々に広がるように設けられたことを特徴とする。
【0007】
請求項2は、前記ダッシュボードは、車体前方側に設けられた前ボードパネルと、車体後方側に設けられた後ボードパネルとを備え、前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記フロントピラー補強部材が挟持され、前記ダッシュボードから上方に露出した上部に前記上下のダンパー補強部材が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、ダッシュボードからフロントピラー補強部材を立ち上げ、立ち上げたフロントピラー補強部材でフロントピラーを補強した。また、フロントピラー補強部材およびダンパーを連結する上下のダンパー補強部材を備えた。
【0009】
そして、上下のダンパー補強部材をダンパーからフロントピラー補強部材に向けて上下方向に徐々に広がるように設けた。
このように、上下のダンパー補強部材を上下方向に広がるように設けることで、ダンパーを支持するホイールハウスの上下方向荷重に対する剛性を高めることができる。
【0010】
さらに、上下のダンパー補強部材のみで上下方向荷重に対する剛性を高めることができるので、従来必要とされていた前部補強部材や側部補強部材を不要にできる。
これにより、ダンパーに前部補強部材や側部補強部材を設ける空間を確保する必要がなく設計の自由度を高めることができる。
【0011】
請求項2に係る発明では、ダッシュボードの前ボードパネルおよび後ボードパネル間にフロントピラー補強部材を挟持した。そして、ダッシュボードから上方に露出した上部に上下のダンパー補強部材を設けた。
これにより、上下のダンパー補強部材を設ける部位を新たに用意する必要がなく、設計の自由度を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【0013】
図1は本発明に係る車体前部構造を示す斜視図である。
車体前部構造10は、車体前後方向に延出された左右のフロントサイドフレーム(フロントサイドフレーム)11と、左右のフロントサイドフレーム11の後端部11a上方に設けられた左右のホイールハウス12と、左右のホイールハウス12の車体後方に設けられたダッシュボード13と、ダッシュボード13に設けられたボード補強部材14(図2も参照)と、ボード補強部材14で補強された左右のフロントピラー(フロントピラー)23と、ボード補強部材14に設けられた左右のダンパー補強部材18とを備えている。
【0014】
なお、左右のフロントサイドフレーム11、左右のホイールハウス12、左右のフロントピラー23および左右のダンパー補強部材18はそれぞれ左右対称の部材である。
よって、左フロントサイドフレーム11、左ホイールハウス12、左フロントピラー23および左ダンパー補強部材18について説明して、右フロントサイドフレーム11、右ホイールハウス12、右フロントピラー23および右ダンパー補強部材18についての説明を省略する。
【0015】
左右のフロントサイドフレーム11は、車体幅方向に所定間隔をおいて配置され、それぞれのフレームが車体前後方向に延出されている。
左フロントサイドフレーム11の後端部11aおよび左アッパメンバー(図示せず)に左ホイールハウス12が設けられている。
左ホイールハウス12の頂部12aに左ダンパー(ダンパー)16の頂部16aが支持されている。
【0016】
左ダンパー16は、通常コイルスプリングやショックアブソーバで構成され、上下方向や前後左右方向に作用する荷重を吸収する部材である。
左アッパメンバーは、後端部が左フロントピラー23の前端部23aに連結されている。
【0017】
右ホイールハウス12は、左ホイールハウス12と同様に、右フロントサイドフレーム11の後端部11aおよび右アッパメンバー19に設けられている。
右ホイールハウス12の頂部12aに右ダンパー(ダンパー)16の頂部16aが支持されている。
右アッパメンバー19は、後端部が右フロントピラー23の前端部23aに連結されている。なお、左右のアッパメンバー19は左右対称の部材である。
【0018】
左右のフロントサイドフレーム11のそれぞれの後端部11aにダッシュボード13が設けられている。
ダッシュボード13の車体後方に左右のフロントピラー23がそれぞれ設けられている。
【0019】
図2は本発明に係る車体前部構造を示す分解斜視図、図3は図1の3−3線断面図である。
ダッシュボード13は、エンジンルーム21の後部と車室22の前部とを仕切る略矩形状のパネル部材である。
このダッシュボード13は、車室22の前部を仕切るボード本体24と、ボード本体24の左右の側部24aに設けられた左右のアーチ部25とを備えている。
なお、左右のアーチ部25は左右対称の部材である。
【0020】
ボード本体24は、車室22の前部を仕切る中央パネル部27と、中央パネル部27の左右の側部に設けられた左右の下サイドパネル部(下サイドパネル部)28とを有している。
なお、左右の下サイドパネル部28は左右対称の部材である。
【0021】
中央パネル部27は、車体前方側の前ボードパネル31と、前ボードパネル31の後方に設けられた後ボードパネル32とを有している。
前ボードパネル31は、車体幅方向に水平に延出され、断面形状が車体前方に向けて略U字状に折り曲げられた部位である。
【0022】
前ボードパネル31の左右の端部31aから車体前方に向けて左右のフロントサイドフレーム11がそれぞれ延出されている。
また、前ボードパネル31の左右の端部31aから左右のアーチ部25がそれぞれ車体後方に向けて車体外側に徐々に広がるように張り出されている。
左下サイドパネル部28は、左アーチ部25の下部25aに設けられ、左サイドシルに連結されている。
【0023】
左アーチ部25は、略扇形に形成され、かつ車体後方に向けて湾曲状に膨出することで左ホイールハウスの後部(一部)が形成されている。
この左アーチ部25は、外縁25bが湾曲状に形成されることで左ホイールアーチの後部(一部)が形成されている。
【0024】
このように構成されたダッシュボード13の内部に、車体前部構造10を補強するボード補強部材14が挟持されている。
よって、ダッシュボード13にボード補強部材14が強固に取り付けられ、ボード補強部材14の剛性が高められる。
ボード補強部材14は、一例として、ダッシュボード13に沿うように管状のチューブで形成されている。
【0025】
図4は図2のボード補強部材を拡大して示す斜視図である。
ボード補強部材14は、車幅方向に水平に延出された中央補強チューブ部35と、中央補強チューブ部35の左右の端部近傍にそれぞれ設けられた左右のトンネル補強チューブ部36と、中央補強チューブ部35の左右の端部から車体後方に向けてそれぞれ下り勾配に延出された左右の下補強チューブ部37と、左右の下補強チューブ部37の前端部から車体後方に向けてそれぞれ上り勾配に延出された左右の上補強チューブ部(フロントピラー補強部材)38とを備えている。
【0026】
なお、左右のトンネル補強チューブ部36、左右の下補強チューブ部37および左右の上補強チューブ部38はそれぞれ左右対称の部材である。
【0027】
中央補強チューブ部35は、図2、図3に示すように、前ボードパネル31の折曲部31bに車体後方側から設けられた円筒状の部材で、支持部材41を介して後ボードパネル32で覆われている。
すなわち、中央補強チューブ部35は、前ボードパネル31および後ボードパネル32間に挟持され、前ボードパネル31を介して左フロントサイドフレーム11の後端部11aに設けられている。
【0028】
図4に示す左トンネル補強チューブ部36は、後ボードパネル32(図2参照)に前半部位36aが設けられた円筒状の部材で、フロアトンネル(図示せず)に後半部位36bが設けられている。
フロアトンネルは、プロペラシャフト(図示しない)を収容する空間を形成するためにフロアパネルから上方に隆起された部位である。
【0029】
左下補強チューブ部37は、左アーチ部25の下部25a(図2参照)に車体後方側から設けられた円筒状の部材である。
この左下補強チューブ部37は、後端部37aが左アーチ部25の下部25aから車体後方に向けて延出されている(図1参照)。
【0030】
左上補強チューブ部38は、左アーチ部25の上部25c(図2参照)に車体後方側から設けられた円筒状の部材で、上部38aが左アーチ部25の上部(ダッシュボード13の左端部)25cから車体後方に向けて上り勾配に延出され(立ち上げられ)ている(図1参照)。
すなわち、左上補強チューブ部38の上部38aは、ダッシュボード13から上方に露出されている。
図1に示すように、上部38aの上端部で左フロントピラー23の前端部23aが補強されている。
【0031】
左上補強チューブ部38の上部38aに、左右のダンパー16(図1参照)をそれぞれ補強する左ダンパー補強部材18が設けられている。
【0032】
図5は図1の5−5線断面図である。
左ダンパー補強部材18は、左上補強チューブ部38の上取付部38bに設けられた上ダンパー補強チューブ(上ダンパー補強部材)51と、左上補強チューブ部38の下取付部38cに設けられた下ダンパー補強チューブ(下ダンパー補強部材)52とを備えている。
【0033】
上ダンパー補強チューブ51は、後端部51aが左上補強チューブ部38の上取付部38bに溶接で設けられ、前端部51bが左ホイールハウス12の頂部12aに溶接で設けられることで、左上補強チューブ部38の上取付部38bおよび左ホイールハウス12の頂部12aを連結する円筒状の補強部材である。
ここで、上ダンパー補強チューブ51の前端部51bは、左ホイールハウス12の頂部12aのうち、左ダンパー16の頂部16a近傍の部位に設けられている。
【0034】
上取付部38bは、上部38aの上端部近傍の部位であり、頂部12aの上方に位置している。
よって、上ダンパー補強チューブ51は、左上補強チューブ部38の上取付部38bから左ホイールハウス12の頂部12aに向けて(すなわち、車体前方に向けて)下り勾配に取り付けられている。
【0035】
下ダンパー補強チューブ52は、後端部52aが左上補強チューブ部38の下取付部38cに溶接で設けられ、前端部52bが左ホイールハウス12の頂部12aに溶接で設けられることで、左上補強チューブ部38の下取付部38cおよび左ホイールハウス12の頂部12aを連結する円筒状の補強部材である。
【0036】
下ダンパー補強チューブ52の前端部52bは、一例として、上ダンパー補強チューブ51の前端部51b近傍や上ダンパー補強チューブ51の前端部51bに重ね合わされた状態に設けられている。
よって、下ダンパー補強チューブ52の前端部52bは、上ダンパー補強チューブ51の前端部51bと同様に、左ホイールハウス12の頂部12aのうち、左ダンパー16の頂部16a近傍の部位に設けられている。
【0037】
下取付部38cは、上部38aにおいて上取付部38bに対して所定間隔Lだけ下方に離れた部位であり、頂部12aの下方に位置している。
よって、下ダンパー補強チューブ52は、左上補強チューブ部38の下取付部38cから左ホイールハウス12の頂部12aに向けて(すなわち、車体前方に向けて)上り勾配に取り付けられている。
【0038】
このように、上ダンパー補強チューブ51が下り勾配に設けられるとともに下ダンパー補強チューブ52が上り勾配に設けられている。
よって、上下のダンパー補強チューブ51,52は、頂部12aから左上補強チューブ部38の上部38aに向けて上下方向に徐々に広がるように設けられている。
【0039】
これにより、上下のダンパー補強チューブ51,52および左上補強チューブ部38の上部38aで側面視略三角形に形成されている。
そして、上ダンパー補強チューブ51の前端部51bおよび下ダンパー補強チューブ52の前端部52bで略三角形の前頂点を構成する。
ここで、前述したように、上ダンパー補強チューブ51の前端部51bおよび下ダンパー補強チューブ52の前端部52bは、左ダンパー16の頂部16a近傍の部位に設けられている。
【0040】
このように、上下のダンパー補強チューブ51,52を上下方向に広がるように設け、かつ、上下のダンパー補強チューブ51,52の前端部51b,52bを左ホイールハウス12(左ダンパー16の頂部16a近傍)に設けることで、左ホイールハウス12の上下方向荷重に対する剛性を高めることができる。
【0041】
ここで、左ホイールハウス12の頂部12aに左ダンパー16の頂部16aが設けられている。
よって、左ダンパー16に作用する上下方向の荷重を、左ホイールハウス12を経て上下のダンパー補強チューブ51,52で支えることができる。
【0042】
さらに、上下のダンパー補強チューブ51,52のみで上下方向荷重に対する剛性を高めることができるので、左ホイールハウス12に前部補強部材や側部補強部材を設けることを不要にできる。
これにより、左ホイールハウス12に前部補強部材や側部補強部材を設ける空間を確保する必要がなく設計の自由度を高めることができる。
【0043】
加えて、ダッシュボード13の前ボードパネル31(図2参照)および後ボードパネル32間にボート補強部材14を挟持した。そして、ダッシュボード13から上方に露出した左上補強チューブ部38の上部38aに上下のダンパー補強チューブ51,52を設けた(図1も参照)。
これにより、上下のダンパー補強チューブ51,52を設ける部位を新たに用意する必要がなく、設計の自由度を一層高めることができる。
【0044】
つぎに、左ダンパー補強部材18で左ダンパー16を支える例を図5に基づいて説明する。
左ダンパー16に荷重F1が矢印(白抜き)の如く上向きに作用した場合に、上ダンパー補強チューブ51に圧縮荷重F2が矢印(白抜き)の如く作用するとともに、下ダンパー補強チューブ52に引張荷重F3が矢印(白抜き)の如く作用する。
【0045】
ここで、上下のダンパー補強チューブ51,52および左上補強チューブ部38の上部38aで側面視略三角形に形成されている。
よって、上ダンパー補強チューブ51に作用する圧縮荷重F2に対する剛性や、下ダンパー補強チューブ52に作用する引張荷重F3に対する剛性を高めることができる。
これにより、上下のダンパー補強チューブ51,52に作用した圧縮荷重F2や引張荷重F3をそれぞれの補強チューブ51,52で支えることができる。
【0046】
一方、左ダンパー16に荷重F4が矢印(黒色)の如く下向きに作用した場合に、下ダンパー補強チューブ52に圧縮荷重F5が矢印(黒色)の如く作用するとともに、上ダンパー補強チューブ51に引張荷重F6が矢印(黒色)の如く作用する。
【0047】
前述したように、上下のダンパー補強チューブ51,52および左上補強チューブ部38の上部38aで側面視略三角形に形成されている。
よって、下ダンパー補強チューブ52に作用する圧縮荷重F5に対する剛性や、上ダンパー補強チューブ51に作用する引張荷重F6に対する剛性を高めることができる。
これにより、上下のダンパー補強チューブ51,52に作用した引張荷重F6や圧縮荷重F5をそれぞれの補強チューブ51,52で支えることができる。
【0048】
なお、前記実施の形態では、ボード補強部材14および左右のダンパー補強部材18を円筒状の部材で形成した例について説明したが、これに限らないで、補強部材14,18を角形の筒状部材やロッドなどの他の部材で形成することも可能である。
【0049】
また、前記実施の形態では、左ダンパー補強部材18の上ダンパー補強チューブ51および下ダンパー補強チューブ52を溶接で設けた例について説明したが、これに限らないで、上ダンパー補強チューブ51および下ダンパー補強チューブ52をボルトやリベットなどの他の締結手段で設けることも可能である。
さらに、前記実施の形態では、左右のホイールハウス12の頂部12aに左右のダンパー補強部材18を設けた例について説明したが、これに限らないで、左右のダンパー16の頂部16aや左右のダンパー16の他の部位に左右のダンパー補強部材18を設けることも可能である。
【0050】
また、前記実施の形態では、左右のダンパー16を左右のホイールハウス12に設けた車両に本発明を適用した例について説明したが、これに限らないで、左右のダンパー16を他のダンパー支持部材に設けた車両に本発明を適用することも可能である。
【0051】
さらに、前記実施の形態で示した左右のホイールハウス12、ダッシュボード13、ボード補強部材14、左右のダンパー16、左右のフロントピラー23、左右のダンパー補強部材18、前ボードパネル31および後ボードパネル32などの形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、フロントピラーの車体前方にダッシュボードが設けられ、ダッシュボードの車体前方にダンパーが設けられた車体前部構造を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る車体前部構造を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図3】図1の3−3線断面図である。
【図4】図2のボード補強部材を拡大して示す斜視図である。
【図5】図1の5−5線断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10…車体前部構造、12…左右のホイールハウス、12a…ホイールハウスの頂部、13…ダッシュボード、14…ボード補強部材、16…左右のダンパー(ダンパー)、18…左右のダンパー補強部材、23…左右のフロントピラー(フロントピラー)、31…前ボードパネル、32…後ボードパネル、38…左右の上補強チューブ部(フロントピラー補強部材)、38a…ダッシュボードから上方に露出した上部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントピラーの車体前方にダッシュボードが設けられ、前記ダッシュボードの車体前方にダンパーが設けられた車体前部構造において、
前記ダッシュボードから立ち上げられ、前記フロントピラーを補強するフロントピラー補強部材と、
前記フロントピラー補強部材および前記ダンパーを連結する上下のダンパー補強部材と、を備え、
前記上下のダンパー補強部材は、前記ダンパーから前記フロントピラー補強部材に向けて上下方向に徐々に広がるように設けられたことを特徴とする車体前部構造。
【請求項2】
前記ダッシュボードは、車体前方側に設けられた前ボードパネルと、車体後方側に設けられた後ボードパネルとを備え、
前記前ボードパネルおよび前記後ボードパネル間に前記フロントピラー補強部材が挟持され、
前記ダッシュボードから上方に露出した上部に前記上下のダンパー補強部材が設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−105541(P2010−105541A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279720(P2008−279720)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】