説明

車載ナビゲーション装置

【課題】案内経路沿いにおける、ユーザの所望するジャンルの施設の位置関係をユーザに伝えることができること。
【解決手段】車両の現在位置に対応する自車位置マーク、及び、デジタル道路地図データベース20より入力された地図データによって生成される車両周辺の道路地図を表示することができる表示部40が設けられている。案内経路沿いのユーザの所望する施設を検索し、出発地から当該検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間の少なくとも一方を算出する。そして、検索された施設と、算出された距離及び/又は通過時間とが表示部40に表示される。これにより、案内経路沿いにおける、ユーザの所望するジャンルの施設の位置関係をユーザに伝えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、案内経路沿いの所望とする最後の施設を確実に報知できるようにする車載ナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている車載ナビゲーション装置によれば、例えば、ユーザが目的地を設定すると、現在位置から目的地までの経路を計算して設定する。この後、コンビニとか道の駅とか、あるいはガソリンスタンドといった特定ジャンルの入力指示があると、目的地に対して最後となる特定ジャンルの施設の位置を検索する。さらに、設定された経路が特定の種別の道路(例えば、高速道路)を通る場合には、その「高速道路」の入り口に対して最後となる特定のジャンルに係る固有施設、例えば「ガソリンスタンド」の位置を検索する。経路案内が開始されると、通常の経路案内をするとともに、最後の施設に関する位置情報報知を行なう。
【特許文献1】特開2002−340582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した車載ナビゲーション装置では、ユーザの所望する施設が「ガソリンスタンド」であった場合、経路案内をするとともに、案内経路沿いにある最後のガソリンスタンドに関する位置をユーザに伝えた。しかしながら、ユーザの車両のガソリンの残量が少なく、車両の現在位置から最後のガソリンスタンドの位置まで、車両が走行することができない場合が考えられる。この場合、ユーザは、案内経路沿いに、このガソリンの残量で走行できる距離内にガソリンスタンドが存在するならば、このガソリンスタンドにて、ガソリンの給油を所望することが考えられる。
【0004】
しかしながら、従来の装置では、案内経路沿いにおける、ユーザの所望するジャンルの最後の施設以外の施設の位置をユーザに伝えることができなかった。このため、従来の装置は利便性の面で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、案内経路沿いにおける、ユーザの所望するジャンルの施設の位置関係をユーザに伝えることが可能な車載ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車載ナビゲーション装置は、
道路形状を含む地図データ、及びその地図データにおける各種の施設の施設データを地図データに関連付けて記憶するデータ記憶手段と、
地図データを用いて、出発地から目的地までの案内経路を探索する案内経路探索手段と、
案内経路沿いにおいて、検索すべき施設のジャンルを指定する指定手段と、
指定手段によって指定されたジャンルに基づいて、案内経路探索手段によって探索された案内経路に沿って、該当する施設を検索する施設検索手段と、
出発地から施設検索手段によって検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間との少なくとも一方を算出する算出手段と、
算出手段によって算出された、施設までの距離とその施設の通過時間との少なくとも一方を、検索した施設とともに表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
上述したように、請求項1に記載の車載ナビゲーション装置は、案内経路沿いのユーザの所望する施設を検索し、出発地から当該検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間の少なくとも一方を算出する。そして、当該装置は、検索された施設と、算出された距離及び/又は通過時間とを表示する。例えば、ユーザが12:00頃に食事をすることを所望する場合、ユーザが案内経路沿いのレストランを検索し、表示画面を見ることによって、この案内経路沿いのレストランで通過時間が12:00頃のレストランがあるか否かをユーザは知ることができる。これにより、案内経路沿いにおける、ユーザの所望するジャンルの施設の位置関係をユーザに伝えることができる。
【0008】
請求項2に記載したように、表示制御手段は、施設検索手段によって複数の施設が検索された場合、出発地から近い順に、複数の施設を表示することが好ましい。これにより、ユーザは、出発地から近い順に、施設を把握することができる。
【0009】
請求項3に記載したように、案内経路沿いの施設の所望する件数を設定する第1の設定手段を備え、案内経路探索手段は、第1の設定手段によって設定された件数以上の施設を通過できるように、出発地から目的地までの案内経路を探索することが好ましい。これにより、探索された案内経路沿いにユーザの所望する施設が少ない場合には、ユーザは所望する施設の件数を設定することによって、当該装置は、設定された件数以上の施設を通過できるように案内経路を再探索する。この結果、ユーザの所望する案内経路が探索される。
【0010】
請求項4に記載したように、出発地から施設までの距離と、その施設の通過時間との少なくとも一方を設定する第2の設定手段を備え、案内経路探索手段は、第2の設定手段によって設定された距離及び/又は通過時間にて、検索された施設を通過できるように、出発地から目的地までの案内経路を探索することが好ましい。例えば、案内経路沿いのレストランの通過時間は11:30である。しかしながら、ユーザが、レストランで12:00に食事をしたいと所望する場合に、レストランの通過時間を12:00に設定する。当該装置は、設定された通過時間「12:00」に、同じもしくは別のレストランを通過できるように案内経路を再探索する。これにより、ユーザの所望する案内経路が探索される。
【0011】
請求項5に記載したように、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、案内経路沿いの第1の施設から、次に通過する第2の施設までの間隔が所定間隔以上であるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって所定間隔以上であると判定された場合、当該2つの施設間の間隔が離れている旨を警告する第1の警告手段とを備え、第1の警告手段は、現在位置が第1の施設を通過する前に、警告を行なうことが好ましい。例えば、ユーザの所望する施設がガソリンスタンドであり、車両が第1のガソリンスタンドに接近したとき、第1のガソリンスタンドから第2のガソリンスタンドまでの間隔が所定間隔以上離れているという旨の警告がされる場合がある。この場合、自車両のガソリンの残量が少なければ、ユーザは、第1のガソリンスタンドに立ち寄り、自車両にガソリンを補給することができる。このように、ユーザは、第1の施設と第2の施設との間隔が所定間隔以上離れていることを把握し、第1の施設に立ち寄るかどうかを判断することができる。
【0012】
請求項6に記載したように、所定間隔を設定する第3の設定手段を備えることもできる。例えば、ユーザの所望する施設がコンビニであり、所定間隔を「10km」と設定した場合、車両が第1のコンビニを通過する前に、第1のコンビニから第2のコンビニまでの間隔が設定した間隔「10km」以上離れているという旨の警告がなされる場合がある。この場合、ユーザは、ジュースなどを購入したいと考えていれば、第1のコンビニに立ち寄り、ジュースなどを購入することができる。このように、警告を行う所定間隔をユーザが設定できるようにすれば、運転計画を立て易くなる。
【0013】
請求項7に記載したように、施設が案内経路沿いにある最後の施設である場合、施設が案内経路沿いにある最後の施設である旨を警告する第2の警告手段を備え、第2の警告手段は、現在位置が最後の施設を通過する前に、警告を行なうこともできる。これにより、ユーザは、案内経路沿いの最後の所望する施設であることを把握し、当該施設に立ち寄るかどうかを判断することができる。
【0014】
請求項8に記載したように、施設に関する案内を行なう施設案内手段を備え、施設案内手段は、現在位置が施設を通過する前に、施設に関する案内を行なうことが好ましい。これにより、例えば、ユーザは、所望する施設に車両が接近したことを把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。以下、本実施形態による車載ナビゲーション装置について詳細に説明する。
【0016】
ナビゲーション装置100は、位置検出器10、デジタル道路地図データベース20、コンピュータ30、表示部40、操作スイッチ群50、音声出力部60、音声入力部70、外部メモリ80、及びVICS受信機90を備えている。
【0017】
コンピュータ30は、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインを備えている。ROMには、コンピュータ30が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0018】
位置検出器10は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機11,車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ12、車両の相対方位を検出するためのステアリングセンサ13を有している。さらに、位置検出器10は、車両の走行速度から走行距離を検出するために車速センサ14を備えている。
【0019】
このように、位置検出器10は、電波航法による車両位置測定のためにGPS受信機11を有するとともに、自立航法による車両位置推定のために地磁気センサ12、ステアリングセンサ13及び車速センサ14を有している。また、電波航法としては、GPSに限らず、例えばVICSの光ビーコンを利用しても良い。また、自立航法における車両の相対方位を検出するために、ステアリングセンサ13に代えて、ジャイロセンサや車両の左右輪に設けられた車輪速センサを用いても良い。
【0020】
デジタル道路地図データベース20は、道路データ、背景データ、文字データ及び施設データなどを含むデジタル地図データをコンピュータ30に入力するための装置である。デジタル道路地図データベース20は、デジタル地図データを記憶する情報記憶媒体21を有し、情報記憶媒体21としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク等を用いてもよい。
【0021】
ここで、道路データの構成について説明する。道路データは、道路毎に固有の番号を付したリンクID、リンク座標データ、ノード座標データ、高速道路や国道等の道路種別を示す道路種別データ、道路幅員データ等の各データから構成されている。道路データにおけるリンクとは、地図上の各道路を、交差点、分岐点などを示すノードにより複数に分割し、そして2つのノード間をリンクとして規定したものである。そして、リンク座標データには、このリンクの始端と終端の座標が記述される。なお、リンクの途中にノードが含まれる場合には、ノード座標データにノード座標が記述される。この道路データは、地図を表示する以外に、マップマッチング処理を行なう際の道路の形状を与えるために用いられたり、目的地までの案内経路を検索する際に用いられる。
【0022】
背景データは、道路地図を表示部40に表示する際に、道路以外の表示対象となる施設形状、自然地形等を表示するためのデータである。文字データは、地名、施設名、道路名等を道路地図上に表示するためのものであり、表示位置に対応する地図上の座標を関連付けたデータとして構成している。
【0023】
表示部40は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、表示部40の画面には車両の現在位置に対応する自車位置マーク、及び、デジタル道路地図データベース20より入力された地図データによって生成される車両周辺の道路地図を表示することができる。また、目的地が設定された場合、道路地図上には、現在位置から目的地までの案内経路が重ねて表示される。また、本実施形態では、案内経路沿いにおける、検索するべき施設のジャンルが指定されると、出発地から当該検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間の一方が算出され、検索された施設と、算出された距離及び/又は通過時間とが表示される。
【0024】
操作スイッチ群50は、例えば、表示部40と一体になったタッチパネルスイッチもしくは表示部40の周辺に設けられるメカニカルなスイッチ等からなり、各種入力に使用される。
【0025】
音声出力部60はスピーカ等からなり、経路案内が行なわれている場合に、案内音声を出力したり、音声認識時に、入力音声に関するガイダンスを出力したりするものである。また、音声入力部70は、マイク等からなり、ユーザによって発せられた音声を取り込んで、コンピュータ30に入力する。コンピュータ30は、入力された音声の認識処理を行い、その認識結果に基づいて、各種の制御を実行する。
【0026】
外部メモリ80は、例えば、メモリカードやハードディスク等の記憶媒体からなる。この外部メモリ80には、ユーザによって記憶されたテキストデータ、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。
【0027】
VICS受信機90は、道路に敷設されたビーコンや各地のFM放送局を介して、VICSセンタから配信される道路交通情報等の情報を受信したり、必要に応じて車両側から外部へ情報を送信したりする装置である。受信した情報は、コンピュータ30で処理され、例えば、渋滞情報や制限速度情報等は表示部40に表示される道路地図上に重ねて表示される。
【0028】
また、本実施形態の車載ナビゲーション装置100は、操作スイッチ群50もしくは音声認識によって目的地の位置が入力されると、現在位置からその目的地までの最適な経路を自動的に選択して案内経路を形成し表示する、いわゆる経路案内機能も備えている。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。また、ユーザによって入力された、例えば、住所、施設名称、電話番号等から施設等の位置を検索する検索機能も備えている。
【0029】
これらの機能は、主にコンピュータ30によって各種の演算処理がなされることによって実行される。すなわち、コンピュータ30は目的地が入力されるとデジタル道路地図データベース20の地図データを用いて経路を計算し、その経路を表示するとともに、分岐地点や右左折すべき交差点において道路地図の拡大や音声案内を行なう。この他、コンピュータ30は、車両の位置を示す自車位置マークとその周辺の道路地図を表示部40に表示させたり、道路地図の縮尺を変更したりする。
【0030】
次に、本実施形態における経路探索処理について、図2乃至図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図2は、経路探索処理の第1部分を示すフローチャートであり、図3は、経路探索処理の第2部分を示すフローチャートである。また、図4は、経路探索処理の第3部分を示すフローチャートである。
【0031】
まず、図2のステップS10では、車両の現在位置を検出する。このとき、GPS受信機11による位置データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度)と同じ形態で取得される。また、地磁気センサ12、ステアリングセンサ13、車速センサ14によって自車両の進行方向及び走行距離に関するデータが取得され、過去に算出、もしくは確定された車両位置を基準として、現在位置の座標データの算出を行なう(自立航法による座標データの算出)。なお、現在位置は、基本的には、自立航法により算出された座標データに基づいて求められる。ただし、GPS受信機11による位置データが取得されている場合には、両者を比較し、その差が所定距離以上である場合には、現在位置として、GPS受信機11による位置データを採用する。
【0032】
ステップS20では、車両の現在位置を含む、周辺地図の地図データがデジタル道路地図データベース20から読み込まれ、道路地図が表示部40に表示される。ステップS30では、目的地が設定されるか否かを判定する。目的地が設定されないと判定された場合、ステップS10に戻る。一方、目的地が設定されると判定された場合、ステップS40に進む。
【0033】
ステップS40では、例えば、図5に示すような目的地設定メニュー画面210が表示部40に表示される。図5の例では、「50音」、「施設名」、「住所」などの項目がある。この目的地設定メニューのいずれかを選択し、選択した項目に応じた検索条件が入力される。例えば、ユーザが「住所」を選択し、ユーザの所望する施設の住所「A県B市C町1−2」が検索条件として入力される。この検索条件を満たす施設が検索され、この施設が目的地として設定される。
【0034】
ステップS50では、例えば、図6に示すような周辺施設設定選択メニュー画面220が表示部40に表示され、「はい」項目が選択されたか否かを判定する。「はい」項目が選択されなかった、すなわち、「いいえ」項目が選択されたと判定された場合、ステップS60に進む。ここで、周辺施設について説明する。周辺施設とは、出発地から目的地までの(ステップS60にて探索される)案内経路沿いにおける、ユーザの所望する施設(例えば、コンビニ)のことである。
【0035】
ステップS60では、特に指示がない限り、ステップS10にて検出された現在位置を出発地とし、ステップS40にて設定された目的地までの案内経路をダイクストラ法等の手法で探索し、この探索された案内経路を表示する。具体的には、表示制御部(図示せず)が、探索された経路を道路データに重ねて強調表示し、表示部40へ表示する。ステップS70では、ステップS60にて探索された案内経路に基づいて、経路案内が行われる。
【0036】
ステップS80では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS40にて設定された目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS70に戻る。一方、到着したと判定された場合、処理が終了される。
【0037】
ステップS50にて、「はい」項目が選択されたと判定された場合、ステップS90に進む。ステップS90では、例えば、図7に示すような周辺施設設定メニュー画面230が表示部40に表示される。図7の例では、「コンビニ」、「G.S.」などの項目がある。この周辺施設設定メニューのいずれかを選択し、「決定」項目を選択することによって、周辺施設のジャンルが設定される。
【0038】
ステップS100では、特に指示がない限り、ステップS10にて検出された現在位置を出発地とし、ステップS40にて設定された目的地までの経路をダイクストラ法等の手法で探索する。そして、案内経路沿いにおける、ステップS90にて設定されたジャンルの周辺施設を検索する。
【0039】
ステップS110では、例えば、図8に示すような案内経路情報画面240が表示部40に表示される。図8の例では、ステップS100にて探索された案内経路と、案内経路沿いにおける、設定されたジャンル(コンビニ)の周辺施設が表示される。また、現在位置から周辺施設までの通過予定時間及び距離が表示される。現在位置から周辺施設までの距離は、デジタル道路地図データベース20にて算出される。通過予定時間は、上述の距離を所定の車速度で除算することによって得られた周辺施設までの所定時間を現在時刻に加算する事によって算出される。図8のように、複数の周辺施設が検索された場合、出発地から近い順に、複数の周辺施設を表示することできる。これにより、ユーザは、出発地から近い順に、周辺施設を把握することができる。
【0040】
ステップS120では、周辺施設の通過予定時間又は距離が設定されるか否かを判定する。具体的には、図8の案内経路情報画面240中の「通過設定SW」項目が選択されたか否かを判定する。「通過設定SW」項目が選択されたと判定された場合、ステップS130に進む。
【0041】
ステップS130では、例えば、図9に示すような通過設定画面250が表示部40に表示される。通過設定画面250の上側には、「時間」及び「距離」項目があり、どちらかの項目が選択される。また、右側には、0〜9までの数字が表示されており、この数字を介して、選択された項目に応じた数値が入力される。図9の例では、「時間」項目が選択され、入力された時間は「12:00」である。
【0042】
ステップS140では、ステップS130にて設定された通過予定時間または距離にて、周辺施設を通過できるように、出発地から目的地までの案内経路を再探索する。具体的には、図8の例に従って、案内経路沿いののコンビニSを11:30に通過予定である。しかしながら、ユーザが、コンビニで12:00に弁当を購入したいと所望する場合に、コンビニの通過予定時間が12:00に設定される。コンピュータ30は、設定された通過予定時間「12:00」に同じもしくは別のコンビニを通過できるように、案内経路を再探索する。これにより、ユーザの所望する案内経路が探索される。ステップS150では、ステップS140にて探索された案内経路に基づいて、経路案内が行なわれる。
【0043】
ステップS160では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS90にて設定された周辺施設に接近したか否かを判定する。接近したと判定された場合、ステップS170に進む。ステップS170では、施設案内が行なわれる。具体的には、例えば、周辺施設「コンビニS」に接近したと判定された場合、音声出力部60を介して、メッセージ「あと300mで、コンビニSを通過します。」が音声で出力される。これにより、ユーザは、所望する施設に車両が接近したことを把握することができる。
【0044】
ステップS160にて、接近していないと判定された場合、ステップS180に進む。ステップS180では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS40にて設定された目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS150に戻る。一方、到着したと判定された場合、処理が終了される。
【0045】
ステップS120にて、「通過設定SW」項目が選択されなかったと判定された場合、ステップS190に進む。ステップS190では、2つの施設間の間隔が離れている旨の警告をするか否かを判定する。具体的には、図8の案内経路情報画面240中の「警告設定SW」項目が選択されたか否かを判定する。「警告設定SW」項目が選択されなかったと判定された場合、ステップS150に進む。一方、「警告設定SW」項目が選択されたと判定された場合、ステップS200に進む。
【0046】
ステップS200では、例えば、図10に示すような警告設定画面260が表示部40に表示される。警告設定画面260の上側には、「時間」及び「距離」項目があり、どちらかの項目が選択される。また、右側には、0〜9までの数字が表示されており、この数字を介して、選択された項目に応じた数値が入力される。図10の例では、「距離」項目が選択され、入力された距離は「10」である。このように、警告を行う間隔をユーザが設定できるようにすれば、運転計画を立て易くなる。
【0047】
ステップS210では、ステップS100にて探索された案内経路に基づいて、経路案内が行なわれる。ステップS220では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS90にて設定された周辺施設に接近したか否かを判定する。接近したと判定された場合、ステップS230に進む。ステップS230では、接近した周辺施設と、次に通過する周辺施設との間隔がステップS200にて設定された間隔以上であるか否かを判定する。設定された間隔以上でないと判定された場合、ステップS240に進む。ステップS240では、施設案内が行なわれる。
【0048】
ステップS230にて、設定された間隔以上であると判定された場合、ステップS250に進む。ステップS250では、警告が発生される。具体的には、図8の例に従って、周辺施設「コンビニF」に接近したと判定された場合、音声出力部60を介して、警告メッセージ「あと700mで、コンビニFを通過します。この先、しばらくコンビニがありません。」が音声で出力される。
【0049】
ステップS260では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS40にて設定された目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS210に戻る。一方、到着したと判定された場合、処理が終了される。
【0050】
以上、説明したように本実施形態によれば、案内経路沿いのユーザの所望する施設を検索し、出発地から当該検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間の少なくとも一方を算出する。そして、当該装置は、検索された施設と、算出された距離及び/又は通過時間とを表示することができるようにした。これにより、案内経路沿いにおける、ユーザの所望するジャンルの施設の位置関係をユーザに伝えることができる。
【0051】
なお、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0052】
例えば、上述した実施形態では、案内経路沿いの周辺施設の所望する件数を設定しない例について説明した。しかしながら、案内経路沿いの周辺施設の所望する件数を設定し、設定された件数以上の周辺施設を通過できるように、案内経路を探索するようにしても良い。例えば、探索された案内経路沿いに周辺施設が少ない場合には、ユーザは周辺施設の件数を設定することによって、コンピュータ30は、設定された件数以上の周辺施設を通過できるように案内経路を再探索する。これにより、ユーザの所望する案内経路が探索される。
【0053】
また、上述した実施形態では、警告をする周辺施設間の間隔を設定し、当該周辺施設間の間隔が設定した間隔以上の場合に、警告をする例について説明した。しかしながら、周辺施設間の間隔が所定間隔以上の場合に、警告をするようにしても良い。例えば、周辺施設がガソリンスタンドであり、車両が第1のガソリンスタンドに接近したとき、第1のガソリンスタンドから第2のガソリンスタンドまでの間隔が所定間隔以上離れているという旨の警告がされる場合がある。この場合、自車両のガソリンの残量が少なければ、ユーザは、第1のガソリンスタンドに立ち寄り、自車両にガソリンを補給することができる。このように、ユーザは、第1の施設と第2の施設との間隔が所定間隔以上離れていることを把握し、第1の施設に立ち寄るかどうかを判断することができる。
【0054】
さらに、上述した実施形態では、周辺施設間の間隔が設定した間隔以上の場合に、警告をする例について説明した。しかしながら、案内経路沿いの最後の施設である場合に、警告をするようにしても良い。これにより、ユーザは、案内経路沿いの最後の所望する施設であることを把握し、当該施設に立ち寄るかどうか判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における、経路探索処理の第1部分を示すフローチャートである。
【図3】本実施形態における、経路探索処理の第2部分を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における、経路探索処理の第3部分を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態における、目的地設定メニュー画面210の表示例を示すイメージ図である。
【図6】本実施形態における、周辺施設設定選択メニュー画面220の表示例を示すイメージ図である。
【図7】本実施形態における、周辺施設設定メニュー画面230の表示例を示すイメージ図である。
【図8】本実施形態における、案内経路情報画面240の表示例を示すイメージ図である。
【図9】本実施形態における、通過設定画面250の表示例を示すイメージ図である。
【図10】本実施形態における、警告設定画面260の表示例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0056】
10…位置検出器
11…GPS受信機
12…地磁気センサ
13…ステアリングセンサ
14…車速センサ
20…デジタル道路地図データベース
21…情報記録媒体
30…コンピュータ
40…表示部
50…操作スイッチ群
60…音声出力部
70…音声入力部
80…外部メモリ
90…VICS受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路形状を含む地図データ、及びその地図データにおける各種の施設の施設データを地図データに関連付けて記憶するデータ記憶手段と、
前記地図データを用いて、出発地から目的地までの案内経路を探索する案内経路探索手段と、
案内経路沿いにおいて、検索すべき施設のジャンルを指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定されたジャンルに基づいて、前記案内経路探索手段によって探索された案内経路に沿って、該当する施設を検索する施設検索手段と、
前記出発地から前記施設検索手段によって検索された施設までの距離と、その施設を通過する通過時間との少なくとも一方を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された、施設までの距離とその施設の通過時間との少なくとも一方を、検索した施設とともに表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする車載ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記施設検索手段によって複数の施設が検索された場合、前記出発地から近い順に、前記複数の施設を表示することを特徴とする請求項1に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記案内経路沿いの施設の所望する件数を設定する第1の設定手段を備え、
前記案内経路探索手段は、前記第1の設定手段によって設定された件数以上の前記施設を通過できるように、前記出発地から前記目的地までの案内経路を探索することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記出発地から施設までの距離と、その施設の通過時間との少なくとも一方を設定する第2の設定手段を備え、
前記案内経路探索手段は、前記第2の設定手段によって設定された距離及び/又は通過時間にて、前記検索された施設を通過できるように、前記出発地から前記目的地までの案内経路を探索することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項5】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記案内経路沿いの第1の施設から、次に通過する第2の施設までの間隔が所定間隔以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって所定間隔以上であると判定された場合、当該2つの施設間の間隔が離れている旨を警告する第1の警告手段とを備え、
前記第1の警告手段は、前記現在位置が前記第1の施設を通過する前に、警告を行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記所定間隔を設定する第3の設定手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記施設が前記案内経路沿いにある最後の施設である場合、当該施設が前記案内経路沿いにある最後の施設である旨を警告する第2の警告手段を備え、
前記第2の警告手段は、前記現在位置が当該最後の施設を通過する前に、警告を行なうことを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記施設に関する案内を行なう施設案内手段を備え、
前記施設案内手段は、前記現在位置が当該施設を通過する前に、当該施設に関する案内を行なうことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の車載ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−29811(P2006−29811A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204949(P2004−204949)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】