説明

車載情報システム、及びその制御方法

【課題】異常事態発生時において、異常事態の記録情報を複製し、複製された記録情報を車外へ容易に持ち出し可能な車載情報システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る車載情報システム1F00は、システム制御部1000と、データバッファ部1200と、車両の操縦情報、車両の運動状態、及び車両の位置情報の少なくとも1つと、車両の前方及び後方の少なくとも一方の映像を含む映像情報とを含む運転情報を取得し、データバッファ部1200に記録する運転情報取得部1350と、映像情報を所定のビットレートでエンコードするビデオエンコード部1300と、映像及び音声のうち少なくとも一方を含むAV情報を再生するAV処理部1100とを備え、システム制御部は、ビデオエンコード部によってエンコードされ、データバッファ部に記録された運転情報の少なくとも一部をAV処理部にメディアへ記録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載する車載AV再生システムと運転情報を記録するドライブレコードシステムとを含む車載情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、自動車に搭載される車載の電子機器として、ナビゲーション装置、車内で映像及び音声を再生するAV再生装置、ドライブレコーダ装置などが用いられている。
【0003】
車載のAV再生装置は、TVのデジタル放送受信、光ディスクメディア、USB機器、及びSDカードなどの様々なメディア再生機能がサポートされる。
【0004】
ドライブレコーダとは、交通事故などの異常事態発生時において、事故時の客観的な証拠を残すことを目的とする車載機器である。したがって、事故時、及びその前後の車両の運転情報及び周囲の映像情報を記録し、その記録データの残存可能性を高めることが重要である。そのためには、(1)情報の複製の機能と、(2)事故車両から容易に持ち出せる可搬性の向上とが必要である。
【0005】
特許文献1には、ドライブレコーダシステムにおいて、主に運転情報を記録するリングバッファのほかに別付けの保存用メモリへの情報の退避や、ネットワークを用いた情報システムにより、複数のソースからなる事故時の情報をサーバに複製し収集する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2007/080921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のドライブレコーダにおいて、ネットワークを経由して情報を複製するシステムとして構成する場合には、ネットワークのインフラ整備の行き届かない箇所においては情報の複製の手段が機能しない。また、事故時のデータ退避用の保存用メモリを備える場合、ユーザにとって保存メモリの取り扱いは日常の操作ではなく、事故時に固有の操作となるため、実際に事故が発生したときに即座に保存メモリを持ち出すアクションを起こすことが困難である。
【0008】
そこで、本発明は、異常事態発生時において、異常事態の記録情報を複製し、複製された記録情報を車外へ容易に持ち出し可能な車載情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある局面に係る車載情報システムは、車両に搭載する車載情報システムであって、システム制御部と、データバッファ部と、前記車両の操縦情報、当該車両の運動状態、及び当該車両の位置情報の少なくとも1つと、当該車両の前方及び後方の少なくとも一方の映像を含む映像情報とを含む運転情報を取得し、前記データバッファ部に記録する運転情報取得部と、前記映像情報を事前に定められたビットレートでエンコードするビデオエンコード部と、映像及び音声のうち少なくとも一方を含むAV情報を再生するAV処理部とを備え、前記AV処理部は、前記AV情報を記録するための少なくとも1つの着脱可能なメディアと当該AV処理部とを接続するメディアインタフェース部と、前記AV情報に含まれる、映像及び音声の少なくとも一方を再生するAV再生部とを有し、前記システム制御部は、前記ビデオエンコード部によってエンコードされ、前記データバッファ部に記録された前記運転情報の少なくとも一部を前記AV処理部に前記メディアインタフェース部を介して前記メディアへ記録させる。
【0010】
この構成によると、運転情報は車載情報システムが備えるデータバッファ部に加え、車載情報システムの外部記録媒体であり、脱着が可能なメディアにも記録される。また、AV情報を再生するために使用されるメディアの挿抜操作は、ユーザにとって、例えば車載音楽プレーヤ等に対する日常的な操作であるため、異常事態発生時において運転情報が記録されたメディアを持ち出すにあたり、ユーザにとって不慣れな操作を要請しない。従って、ユーザは異常事態発生時において、AV情報を再生するために使用しているメディアを車載情報システムから抜き取ることで、異常事態の記録情報が複製された記録情報を容易に車外へ持ち出すことができる。
【0011】
また、前記車両の運動状態の異常、又は当該車両の運転者による運転操作の異常である異常事態の発生を、前記運転情報に基づいて検出する異常検出部をさらに備え、前記システム制御部は、前記異常検出部が前記異常事態の発生を検出すると、前記データバッファ部に記録された前記運転情報の少なくとも一部を前記AV処理部に前記メディアへ記録させるとしてもよい。
【0012】
これによると、異常検出部が異常事態を検出した後に、データバッファ部に記録されている運転情報の少なくとも一部をメディアに記録させる構成とすることで、メディアの持つデータ転送速度が、AV情報の再生と、運転情報の記録との両立に対して不十分なメディアであっても、異常事態発生時にメディアの再生を停止し、運転情報の記録を優先する制御を行うことができる。これにより、異常事態発生時の運転情報を優先的に保持することが可能である。このため、より安価なメディアを使用することが可能となる。
【0013】
より詳細には、前記異常検出部は、前記運転情報に含まれる情報によって示される値が、事前に定められた正常範囲に含まれていない場合には、前記異常事態の発生を検出するとしてもよい。
【0014】
また、前記運転情報の前記メディアへの書き込みの許可又は禁止を示す書き込みフラグを保持する書き込みフラグ保持部をさらに備え、前記システム制御部は、前記書き込みフラグが書き込みの禁止を示す場合は、前記AV処理部に当該メディアへ前記運転情報を記録させないとしてもよい。
【0015】
この構成によると、ユーザに対して運転情報の保存用に使うべきメディアを指定する自由度を提供することができる。
【0016】
また、前記メディアに記録されている前記AV情報への上書きの許可又は禁止を示す上書きフラグを保持する上書きフラグ保持部をさらに備え、前記システム制御部は、(1)前記書き込みフラグが書き込みの許可を示し、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示す場合は、前記AV処理部に、前記メディアの空き領域へ前記運転情報の少なくとも一部を記録させ、(2)前記書き込みフラグが書き込みの許可を示し、かつ、前記上書きフラグが上書きの許可を示す場合は、前記AV処理部に、前記運転情報の少なくとも一部で前記AV情報を上書きして記録させるとしてもよい。
【0017】
この構成によると、ユーザにとって上書きされたくない情報を含むメディアを用いてシステムを構築することが可能である。
【0018】
また、前記メディアの空き領域を示す情報を記録するための空き領域情報レジスタをさらに備え、前記システム制御部は、(1)前記メディアインタフェース部が前記メディアの存在を認識したときに、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、当該メディアの空き領域のアドレスを取得し、当該アドレスを前記空き領域情報レジスタに記録し、(2)前記異常検出部が前記異常事態の発生を検出した場合には、前記空き領域情報レジスタを参照し、前記AV処理部に、前記データバッファ部に記録されている前記運転情報の少なくとも一部を前記メディアの空き領域へ記録させるとしてもよい。
【0019】
この構成によると、異常事態発生時にメディアへ運転情報を複製するにあたって、空き領域情報を取得する時間を省略し、より早期に複製動作を開始できる。
【0020】
また、前記メディアの空き領域を示す情報を記録するための空き領域情報レジスタをさらに備え、前記システム制御部は、前記メディアインタフェース部が前記メディアの存在を認識したときに、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、当該メディアの空き領域を示す空き領域情報を取得し、前記空き領域が小さいほど、より小さなビットレートでエンコードするように前記ビデオエンコード部のビットレートを設定するとしてもよい。
【0021】
この構成によると、メディアの空き領域に応じて、記録時間を優先した適切なビットレートを設定することができる。
【0022】
また、前記メディアインタフェース部は、複数の前記メディアと前記AV処理部とを接続しており、前記システム制御部は、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの許可を示している場合には、前記複数のメディアの各々の総容量のうち最も小さい総容量を取得し、前記最も小さい総容量を、事前に定められた確保時間で除算して得られるビットレート以下でエンコードするように前記ビデオエンコード部のビットレートを設定するとしてもよい。
【0023】
この構成によると、複数のメディアが接続されている場合にも、いずれのメディアに対しても、ユーザが所望する確保時間以上の長さで記録することができる。
【0024】
具体的には、前記システム制御部は、前記最も小さい総容量が大きいほど、前記確保時間をより長く設定するとしてもよい。
【0025】
また、前記メディアインタフェース部は、複数の前記メディアと前記AV処理部とを接続しており、前記システム制御部は、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、前記複数のメディアの各々の空き容量のうち最も小さい空き容量を取得し、前記最も小さい空き容量を、事前に定められた確保時間で除算して得られるビットレート以下でエンコードするように前記ビデオエンコード部のビットレートを設定するとしてもよい。
【0026】
この構成によると、既に記録されているAV情報を保存しつつ、複数のメディアのいずれに対しても、ユーザが所望する確保時間以上の長さで記録することができる。
【0027】
具体的には、前記システム制御部は、前記最も小さい空き容量が大きいほど、前記確保時間をより長く設定するとしてもよい。
【0028】
また、前記メディアインタフェース部は、複数の前記メディアと前記AV処理部とを接続しており、前記システム制御部は前記複数のメディアの各々の空き容量を取得し、空き容量がより大きいメディアに記録される前記運転情報に含まれる前記映像情報ほど、より高画質となるように、前記AV処理部に前記運転情報を記録させるとしてもよい。
【0029】
また、前記AV処理部は、前記メディアのデータ転送能力を示す帯域であるメディア帯域を取得するメディア帯域取得部と、前記AV情報を前記メディアから読み出す際に必要な帯域であるAV帯域を取得するAV帯域取得部と、再生停止判定部とをさらに有し、前記再生停止判定部は、前記AV情報を再生中に、前記異常検出部が前記異常事態の発生を検出した場合であって、前記メディア帯域と前記AV帯域との差の絶対値が事前に定められた値よりも小さい場合には、前記AV情報の再生を停止するとしてもよい。
【0030】
この構成によると、メディアの転送能力によらず、確実に記録を行うことができる。
【0031】
また、前記AV処理部は、前記メディアへの前記運転情報の記録が完了した場合には、映像及び音声の少なくとも一方を用いてユーザに通知するとしてもよい。
【0032】
この構成によると、ユーザが車両から離れた間に生じた異常事態を容易に知ることができる。
【発明の効果】
【0033】
異常事態発生時において、異常事態の記録情報を複製し、複製された記録情報を車外へ容易に持ち出し可能な車載情報システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1に係る車載情報システム1F00の機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る車載情報システム1F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例2に係る車載情報システム2F00の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施例2に係る車載情報システム2F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例3に係る車載情報システム3F00の機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施例3に係る車載情報システム3F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例4に係る車載情報システム4F00の機能ブロック図である。
【図8】本発明の実施例4に係る車載情報システム4F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例5に係る車載情報システム5F00の機能ブロック図である。
【図10】本発明の実施例5に係る車載情報システム5F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例1〜5及びその変形例に係る車載情報システムを実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る車載情報システムの実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
本発明の実施例1に係る車載情報システムとして、図1に示す車載情報システム1F00の例を説明する。車載情報システム1F00は、車両に搭載する車載情報システムである。
【0037】
図1に示されるように、車載情報システム1F00は、システム制御部1000、AV処理部1100、データバッファ部1200、ビデオエンコード部1300、及び運転情報取得部1350から構成される。
【0038】
運転情報取得部1350は、車両の操縦情報、車両の運動状態、及び車両の位置情報の少なくとも1つと、車両の前方及び後方の少なくとも一方の映像を含む映像情報とを含む運転情報を取得し、データバッファ部1200に記録する。
【0039】
具体的には、運転情報取得部1350は、車内に設置されたカメラ1400から入力され、ビデオエンコード部1300でエンコードされた映像情報を取得する。また、運転情報取得部1350は、車両のECU(Electronic Control Unit)1450から、車速、ステアリングの操舵角及び角加速度、車両の加速度、ブレーキ及びアクセルの操作量等を示す操縦情報を取得する。また、運転情報取得部1350は、例えばGPS(Global Positioning System)又は無線LAN(Local Area Network)等から、車両の現在位置、向き等の位置情報を取得する。
【0040】
データバッファ部1200は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などである。取得した運転情報をFIFO(First In First Out)で記録する、いわゆるリングバッファとして機能する。
【0041】
ビデオエンコード部1300は、映像情報を事前に定められたビットレートでエンコードする。なお、ビデオエンコード部1300は、ビットレートの変更以外にも、動画像のフォーマットを変換する符号化及び復号処理、及び解像度を小さくするサンプリング処理等を同時に行ってもよい。
【0042】
AV処理部1100は、映像及び音声のうち少なくとも一方を含むAV情報を再生する。すなわち、AV処理部1100は、例えば、カーナビゲーションシステム又は車載音楽プレーヤ等である。AV情報とは、例えば、MPEG Audio Layer−3形式、又はAdvanced Audio Coding形式などで符号化された音声情報、及びMPEG−2、又はMPEG−4形式などで符号化された動画像情報などである。なお、符号化形式はその他任意のものが使用できる。
【0043】
AV処理部1100は、AV情報を記録するための少なくとも1つの着脱可能なメディア1550とAV処理部1100とを接続するメディアインタフェース部1110と、AV情報に含まれる、映像及び音声の少なくとも一方を再生するAV再生部1120とを有する。
【0044】
メディア1550は、例えばSDカード1600、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ1500などの、可搬性の高い外部記録媒体である。メディアインタフェース部1110は、1つの外部記録媒体をメディア1550としてAV処理部1100に接続してもよく、複数の外部記録媒体をメディア1550としてAV処理部1100に接続してもよい。
【0045】
システム制御部1000は、ビデオエンコード部1300によってエンコードされ、データバッファ部1200に記録された運転情報の少なくとも一部をAV処理部1100にメディアへ記録させる。ここで、運転情報の少なくとも一部とは、例えば車両の前方及び後方の少なくとも一方の映像を含む映像情報である。
【0046】
以下、より詳細に説明する。
【0047】
システム制御部1000、AV処理部1100、データバッファ部1200、及び運転情報取得部1350は、システム制御部1000をマスタとするATAPI(AT Attachment Packet Interface)バスで接続される。
【0048】
AV処理部1100は、メディアインタフェース部1110を介して、ユーザの再生用データであるAV情報を記録するためのUSBメモリ1500と、同じくAV情報を記録するためのSDカード1600とに接続される。
【0049】
AV処理部1100は、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500、SDカード1600、及びデータバッファ部1200から取得したAV情報を、AV再生部1120に再生させ、スピーカ1700及びモニタ1800に出力する。また、USBメモリ1500、及びSDカード1600からデータバッファ部1200へ、再生を行うAV情報のコピーを行ってもよい。
【0050】
ビデオエンコード部1300は、カメラ1400から運転時の映像情報の入力を受け、MPEG4などの圧縮動画形式の映像情報に変換する。映像情報は運転情報取得部1350によって取得され、データバッファ部1200に記録される。
【0051】
システム制御部1000は、AV処理部1100に、例えば30分ごとなどの一定の間隔でデータバッファ部1200に記録されている運転情報の一部を読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してメディア1550に記録させる。なお、図1では、メディア1550として、USBメモリ1500とSDカード1600との2つのメディアが接続されているが、このようにメディア1550として複数のメディアがAV処理部1100に接続されている場合には、システム制御部1000は、AV処理部1100に、両方のメディアに対して運転情報を書き込ませる。
【0052】
図2は、本発明の実施例1に係る車載情報システム1F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
車載情報システム1F00は、所定のタイミングでデータバッファ部1200に記録されている運転情報の少なくとも一部をメディア1550へ記録する(S150)。所定のタイミングとは、例えば30分ごとなど事前に定められた周期を使用してもよく、ユーザによって明示的な操作が行われた時刻を使用してもよい。
【0054】
以上の構成によると、本実施例に係る車載情報システム1F00は、運転情報は車載情報システム1F00が備えるデータバッファ部1200に加え、車載情報システム1F00の外部記録媒体であり、脱着が可能なメディアにも記録される。また、AV情報を再生するために使用されるメディアの挿抜操作は、ユーザにとって、例えば車載音楽プレーヤ等に対する日常的な操作であるため、異常事態発生時において運転情報が記録されたメディアを持ち出すにあたり、ユーザにとって不慣れな操作を要請しない。従って、ユーザは異常事態発生時において、AV情報を再生するために使用しているメディアを車載情報システム1F00から抜き取ることで、異常事態の記録情報を複製し、複製された記録情報を容易に車外へ持ち出すことができる。
【0055】
また、メディアは既にユーザがAV情報の再生用に使用しているものを使用することができるため、ユーザは運転情報の保存用メモリのコストを負担することなく、映像や音声の再生用のメディアで保存用メモリを兼用することが可能となる。
【0056】
また、関連技術に係るドライブレコードシステムに外部記録媒体と運転情報の読み書きを行うためのインタフェースを増設すると製造コスト等が増加してしまう。しかし、本実施例に係る車載情報システム1F00では、AV処理部1100に必須の構成要素であるAV情報の入出力を目的としたメディアインタフェース部1110を運転情報の記録に利用することで、システム全体のコストを低減することができる。
【0057】
さらにまた、関連技術に係るドライブレコードシステムにおいて、複製先である外部記録媒体の数を複数に拡張するためにも、インタフェースをドライブレコーダへ新たに追加する必要が生じ、やはり製造コストが大幅に増加してしまう。しかし、本実施例に係る車載情報システム1F00では、例えばUSBメモリ1500及びSDカード1600など、複数の再生メディアをメディアインタフェース部1110と接続しておくことにより、運転情報の複製先を複数確保することがユーザの意思において選択することができる。したがって、データの残存性を高めることができる。
【0058】
(実施例2)
次に、本発明の実施例2に係る車載情報システムとして、図3に示す車載情報システム2F00の例を説明する。
【0059】
図3に示されるように、車載情報システム2F00は、システム制御部2000、AV処理部1100、データバッファ部1200、ビデオエンコード部1300、運転情報取得部1350、及び異常検出部2900から構成される。また、AV処理部1100は、メディアインタフェース部1110及びAV再生部1120から構成される。
【0060】
なお、車載情報システム1F00と同じ構成要素については同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
【0061】
車載情報システム2F00は、車両の運動状態の異常、又は車両運転者による運転操作の異常である異常事態の発生を、運転情報に基づいて検出する異常検出部2900をさらに備える。
【0062】
具体的には、異常検出部2900は、運転情報に含まれる情報によって示される値が、事前に定められた正常範囲に含まれていない場合には、異常事態の発生を検出する。
【0063】
より具体的には、例えばECU1450から取得したステアリングの操舵角速度が事前に定められた閾値を超えた場合には、異常検出部2900は運転操作の異常の一例として急ハンドル操作を検出してもよい。また、ECU1450から取得したブレーキ操作の操作量が事前に定められた閾値を超えた場合には、異常検出部2900は運転操作の異常の一例として急ブレーキ操作を検出してもよい。
【0064】
また、ECU1450から車両の進行方向又は回転方向の加速度を取得し、加速度の時間変化が事前に定められた閾値を超えた場合には、異常検出部2900は車両状態の異常の一例として車両の衝突を検出してもよい。
【0065】
さらにまた、カメラ1400から取得される映像情報から、映像のブレの大きさを算出し、単位時間当たりのブレの大きさが事前に定められた閾値を超えた場合には、異常検出部2900は車両状態の異常の一例として車両の衝突を検出してもよい。
【0066】
システム制御部2000は、異常検出部2900が異常事態の発生を検出すると、データバッファ部1200に記録された運転情報の少なくとも一部をAV処理部1100にメディア1550へ記録させる。
【0067】
以下、より詳細に説明する。
【0068】
システム制御部2000、AV処理部1100、データバッファ部1200、及び運転情報取得部1350は、システム制御部2000をマスタとするATAPIバスで接続される。
【0069】
AV処理部1100は、メディアインタフェース部1110を介して、ユーザの再生用データであるAV情報を記録するためのUSBメモリ1500と、同じくAV情報を記録するためのSDカード1600とに接続される。
【0070】
AV処理部1100は、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500、SDカード1600、及びデータバッファ部1200から取得したAV情報を、AV再生部1120に再生させ、スピーカ1700及びモニタ1800に出力する。また、USBメモリ1500、SDカード1600からデータバッファ部1200へ、再生を行うAV情報のコピーを行う。
【0071】
ビデオエンコード部1300は、カメラ1400から運転時の映像情報の入力を受け、MPEG4などの圧縮動画形式の映像情報に変換する。映像情報は運転情報取得部1350によって取得され、データバッファ部1200に記録される。
【0072】
異常検出部2900は、例えばブレーキの操作における急制動を検出したらシステム制御部2000に通知する。
【0073】
システム制御部2000は、異常検出部2900からの通知を受けると、データバッファ部1200へ記録されている運転情報の一部を、AV処理部1100に読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してメディア1550に書き込ませる。例えば、メディア1550としてUSBメモリ1500とSDカード1600との2つが接続されている場合には、その両方に書き込ませる。
【0074】
なお、システム制御部2000は、異常検出部2900が異常事態を検出した場合、AV処理部1100に運転情報の少なくとも一部をメディア1550へ記録させる前に、AV再生部1120によるAV情報の再生を停止させてもよい。これによると、メディア1550からAV情報を読み出しながら、運転情報を書き込むよりも、より高速にメディア1550への運転情報の書き込みを完了できる。特に、メディア1550のデータ転送能力が小さい場合に効果的である。
【0075】
図4は、本実施例に係る車載情報システム2F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
まず、異常検出部2900が異常事態を検出すると(S148)、これをきっかけとして、システム制御部2000は、AV再生部1120に運転情報の少なくとも一部をメディア1550へ記録させる(S150)。
【0077】
以上述べた実施例1及び2に係る車載情報システムの関連技術に係るドライブレコーダシステムに対する優位性は次の通りである。
【0078】
例えば事故発生後、ユーザは、USBメモリ1500と、SDカード1600とのいずれかを携行して車外へ離脱すれば、その後、車内のデータバッファ部1200が熱等の要因で破損しても、運転異常発生時に記録した運転情報のデータを確保することができる。USBメモリ1500やSDカード1600は、ユーザの持つ再生用の音声や映像データを保持するメディアで、ユーザにとってこれらの挿抜操作は日常の慣れた所作であることが期待できる。
【0079】
これに対し、運転異常検出時に運転情報を退避するための専用のメモリを実装させる方式は、該メモリが異常事態発生時以外に有効に利用できない。また、該メモリの操作が日常において発生しないことから、異常事態発生時の緊急の状況において、ユーザがその取り出しに対して不慣れであり、持ち出しを断念せざるを得ない、あるいは、持ち出しに気づかない可能性が高くなる。また、退避先が該メモリに限られるため、より多く複製するためには、該メモリと同様の保存用メモリを複数持つ構成にしなければならない。
【0080】
また、車載情報システム2F00のように、異常検出部2900が異常事態を検出した後に、データバッファ部1200に記録されている運転情報の少なくとも一部をメディア1550に記録させる構成とすることで、メディア1550の持つデータ転送速度が、AV情報の再生と、運転情報の記録との両立に対して不十分なメディアであっても、異常事態発生時にメディアの再生を停止し、運転情報の記録を優先する制御を行うことができる。これにより、異常事態発生時の運転情報を優先的に保持することが可能である。このため、より安価なメディアを使用することが可能となる。
【0081】
(実施例3)
次に、本発明の実施例3として、図5に示す車載情報システム3F00の例を説明する。車載情報システム3F00は、図3の車載情報システム2F00におけるシステム制御部2000を、システム制御部2000とは異なるシステム制御部3000に置き換えた構成である。なお、車載情報システム2F00と同一の構成要素については同一の符号をつけ、詳細な説明は省略する。
【0082】
車載情報システム3F00は、データバッファ部1200へ転送された運転情報のメディア1550への書き込みの許可又は禁止を示す書き込みフラグを保持する書き込みフラグ保持部3010をさらに備える。書き込みフラグ保持部3010は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等により実装される。
【0083】
本実施例に係るシステム制御部3000は、書き込みフラグが書き込みの禁止を示す場合は、AV処理部1100にメディア1550へ運転情報を記録させない。
【0084】
以下、より詳細に説明する。
【0085】
システム制御部3000は、例えば、車載情報システム3F00の初期設定時において、GUI(Graphical User Interface)等をモニタ1800に表示し、メディア1550への運転情報の書き込みを許可するか否かの指示を、ユーザから取得する。さらに、取得した結果示す書き込みフラグを、書き込みフラグ保持部3010に保持させる。
【0086】
システム制御部3000は、異常事態が発生したことを知らせる通知を異常検出部2900から受けると、書き込みフラグ保持部3010に保持されている書き込みフラグを確認する。書き込みフラグが書き込みの許可を示している場合には、ビデオエンコード部1300が記録したデータバッファ部1200上の、運転情報の一部をAV処理部1100に読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500とSDカード1600との両方に書き込ませる。一方、書き込みフラグが書き込みの不許可を示している場合には、システム制御部3000は運転情報の書き込みを行わない。
【0087】
図6は、本発明の実施例3に係る車載情報システム3F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【0088】
まず、異常検出部2900による異常事態の検出をきっかけとして(S148でYes)、システム制御部3000は、書き込みフラグ保持部3010を参照して、運転情報を記録しようとするメディア1550に対応する書き込みフラグの設定を確認する(S146)。ここで、書き込みフラグが書き込み許可を示す場合には(S146でYes)、システム制御部3000は、運転情報の少なくとも一部をAV処理部1100にメディア1550へ記録させる(S150)。
【0089】
一方、書き込みフラグが書き込みの禁止を示す場合には(S146でNo)、システム制御部3000は、対応するメディア1550への運転情報の記録を行わない。
【0090】
なお、システム制御部3000は、USBメモリ1500及びSDカード1600などのメディア1550がメディアインタフェース部1110に認識されるごとに、ユーザに対して書き込みフラグの設定を問い合わせてもよい。
【0091】
また、書き込みフラグ保持部3010は、USBメモリ1500とSDカード1600との各々についての書き込みフラグを個別に記録できる構成にしてもよい。その場合、システム制御部3000は、異常発生時には、書き込みフラグに書き込みの許可が示されているメディアにのみ、運転情報の書き込みを行わせる。
【0092】
本実施例に係る車載情報システム3F00は、実施例2に係る車載情報システム2F00が有する、関連技術に対する優位性に加え、ユーザがデータの書き込みを許容しないメモリを保護することができる点で、さらにユーザに提供する利便性を向上させている。
【0093】
(実施例4)
次に、本発明の実施例4に係る車載情報システムとして、図7に示す車載情報システム4F00の例を説明する。
【0094】
車載情報システム4F00は、図5に示される車載情報システム3F00におけるシステム制御部3000を、システム制御部3000とは異なるシステム制御部4000に置き換えた構成である。なお、車載情報システム3F00と同一の構成要素については同一の符号をつけ、詳細な説明は省略する。
【0095】
システム制御部4000は、書き込みフラグ保持部3010に加えて、さらに、メディア1550に記録されているAV情報への上書きの許可又は禁止を示す上書きフラグを保持する上書きフラグ保持部4020を備える。
【0096】
例えばシステム制御部は、(1)書き込みフラグが書き込みの許可を示し、かつ、上書き許可設定フラグが上書きの禁止を示す場合は、AV処理部1100に、メディアの空き領域へ運転情報の少なくとも一部を記録させ、(2)書き込みフラグが書き込みの許可を示し、かつ、上書きフラグが上書きの許可を示す場合は、AV処理部1100に、運転情報の少なくとも一部でAV情報を上書きして記録させる。
【0097】
以下、より詳細に説明する。
【0098】
本実施例に係るシステム制御部4000は、例えば前述のように、初期設定の操作時において、書き込みフラグの設定をユーザから取得し、書き込みフラグ保持部3010に保持させる。さらに、システム制御部4000は、書き込みフラグが許可に設定された場合は、運転情報をメディア1550に既に記録されているAV情報に上書きして書き込むことを許可するか否かを示す上書きフラグの設定をユーザから取得し、上書きフラグ保持部4020に保持する。
【0099】
システム制御部4000は、異常検出部2900から異常事態が発生したことを通知されると、書き込みフラグを確認する。書き込みフラグの設定がメディア1550への書き込みの許可を示す場合には、システム制御部4000は、上書きフラグの設定を確認する。システム制御部4000は、上書きフラグが上書きを許可することを示す場合には、データバッファ部1200に記録されている運転情報の一部を、AV処理部1100に読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500とSDカード1600の両方の、AV情報が記録されている領域を含む任意の領域に書き込ませる。
【0100】
上書きフラグが上書きの不許可を示す場合、システム制御部4000は、USBメモリ1500とSDカード1600とのそれぞれの空き領域アドレスを取得する。また、システム制御部4000は、データバッファ部1200に記録されている運転情報の一部をAV処理部1100に読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500とSDカード1600との両方の、空き領域に書き込ませる。
【0101】
一方、書き込みフラグの設定が書き込みの不許可を示している場合には、システム制御部4000は運転情報をメディア1550へ記録させない。
【0102】
図8は、本発明の実施例4に係る車載情報システム4F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
まず、異常検出部2900によって異常事態の発生が検出されたこと(S148でYes)をきっかけとして、システム制御部4000は、書き込みフラグ保持部3010に保持されている書き込みフラグを参照する(S146)。
【0104】
その結果、書き込みフラグがメディア1550への書き込みの許可を示している場合には(S146でYes)、システム制御部4000は、次に、上書きフラグ保持部4020に保持されている上書きフラグを参照する(S242)。ここで、上書きフラグが上書きの許可を示している場合には(S242でYes)、システム制御部4000は、メディア1550にAV情報が既に記録されている場合であっても、AV情報を上書きするように運転情報をメディア1550に記録する(S220)。
【0105】
一方、上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には(S242でNo)、システム制御部4000は、運転情報の記録を行うメディア1550の空き領域情報を取得する(S244)。その後、システム制御部4000は、運転情報をメディア1550の空き領域へ記録する(S250)。
【0106】
また、書き込みフラグが書き込みの禁止を示している場合には(S146でNo)、システム制御部4000は運転情報をメディア1550へ記録しない。
【0107】
なお、システム制御部4000は、メディアインタフェース部1110がUSBメモリ1500及びSDカード1600などのメディア1550を認識するたびに、ユーザに対して書き込みフラグ及び上書きフラグを設定するよう要求してもよい。
【0108】
また、書き込みフラグ保持部3010と上書きフラグ保持部4020とは、それぞれ、メディアごとに設定を保持できる構成としてもよい。例えば、書き込みフラグ保持部3010が、USBメモリとSDカードとの各々についての設定を保持し、上書きフラグ保持部4020が、USBメモリとSDカードとの各々についての設定を保持できる構成にしてもよい。この場合、システム制御部4000は、異常発生時には、書き込みフラグの設定が書き込みの許可を示すメディアにのみ運転情報の書き込みを行わせる。
【0109】
また、運転情報の書き込みを行うそれぞれのメディアについて、上書きフラグにAV情報の上書きの許可が示されているメディアに対しては任意の領域に運転情報の書き込みを行わせ、不許可が示されているメディアに対しては空き領域アドレスを取得して空き領域に運転情報の書き込みを行わせてもよい。
【0110】
以上述べた本実施例に係る車載情報システム4F00は、さらに、以下の選択肢をユーザに許容している点でユーザに提供する利便性を向上させている。すなわち、メディア1550内の再生コンテンツであるAV情報を保持しつつ、異常事態の発生時に運転情報を複製したいユーザは、メディア1550に対して運転情報の書き込みを許可し、上書きを不許可とするよう設定することにより、メディアの空き領域の分だけ運転情報の記録を許可することができる。
【0111】
一方、再生コンテンツの保持よりも異常事態が発生した時の運転情報の保持を優先して考えるユーザは、メディア1550に対して運転情報の上書きを許可する設定を行うことで、メディア1550へのより多くの運転情報の複製が可能となり、かつ、運転情報の複製を開始できるまでの即応性を高めることができる。
【0112】
(実施例5)
次に、本発明の第5の実施形態に係る車載情報システムとして、図9に示す車載情報システム5F00の例を説明する。
【0113】
車載情報システム5F00は、図7の車載情報システム4F00におけるシステム制御部4000を、他の構成を有するシステム制御部5000に置き換えた構成である。なお、車載情報システム4F00と同一の構成要素については同一の符号をつけ、詳細な説明は省略する。
【0114】
システム制御部5000は、書き込みフラグ保持部3010と、上書きフラグ保持部4020と、空き領域情報レジスタ5035とを備える。なお、空き領域情報レジスタ5035は、複数のメディアのそれぞれに対応して複数のレジスタを有してもよい。例えば、本実施例に係る空き領域情報レジスタ5035は、USBメモリ1500に対応するUSB情報レジスタ5030と、SDカード1600に対応するSDカード情報レジスタ5040とを備えている。
【0115】
システム制御部5000は、メディアインタフェース部1110がメディア1550の存在を認識したときに、書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、メディア1550の空き領域のアドレスを取得し、当該アドレスを空き領域情報レジスタ5035に記録する。その後、異常検出部2900が異常事態の発生を検出した場合には、システム制御部5000は、空き領域情報レジスタ5035を参照して、メディア1550の空き領域のアドレスを取得し、AV処理部1100に、データバッファ部1200に記録されている運転情報の少なくとも一部をメディア1550の空き領域へ記録させる。
【0116】
また、システム制御部5000は、メディアインタフェース部1110がメディア1550の存在を認識したときに、書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、当該メディアの空き領域を示す空き領域情報を取得し、取得した空き領域が小さいほど、より小さなビットレートでエンコードするようにビデオエンコード部1300のビットレートを設定してもよい。
【0117】
また、メディアインタフェース部1110が複数のメディア1550をAV処理部1100に接続している場合には、システム制御部5000は、書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、上書きフラグが上書きの許可を示している場合には、複数のメディアの各々の総容量のうち最も小さい総容量を取得し、この最も小さい総容量を、事前に定められた確保時間で除算して得られるビットレート以下でエンコードするようにビデオエンコード部1300のビットレートを設定してもよい。例えば、USBメモリ1500の総容量が128MBであり、SDカード1600の総容量が256MBであり、ユーザによって確保時間が60分と事前に定められている場合には、システム制御部5000は、ビデオエンコード部1300が使用するビットレートを、約568kbps以下に設定する。
【0118】
また、システム制御部5000は、書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、上書きフラグが上書きの禁止を示している場合に、複数のメディア1550の各々の空き容量のうち最も小さい空き容量を取得し、この最も小さい空き容量を、事前に定められた確保時間で除算して得られるビットレート以下でエンコードするようにビデオエンコード部1300のビットレートを設定してもよい。
【0119】
図10は、本実施例に係る車載情報システム5F00の処理の流れを示すフローチャートである。
【0120】
まず、システム制御部5000は、メディア1550の存在を認識すると、認識したメディアに対応する書き込みフラグを参照する(S146)。ここで、参照した書き込みフラグが書き込みの許可を示す場合には(S146でYes)、システム制御部5000は認識したメディアに対応する上書きフラグを参照する(S242)。ここで、参照した上書きフラグが上書きの許可を示す場合には(S242でYes)、システム制御部5000は、現在認識しているメディア1550の中で、最も総容量が小さいメディアの総容量を取得する(S318)。
【0121】
次にシステム制御部5000は、事前に定められた確保時間分の運転情報が、ステップS318で取得した総容量以下となるように、ビデオエンコード部1300のビットレートを設定する(S320)。
【0122】
その後、異常検出部2900が異常事態を検出した場合(S148でYes)、システム制御部5000は、AV処理部1100に対して、各メディアに記録されているAV情報を運転情報で上書きさせる(S220)。
【0123】
一方、上書きフラグが上書きの禁止を示している場合(S242でNo)には、システム制御部5000は、認識したメディアの空き領域情報を取得し(S244)、これを対応する空き領域情報レジスタ5035へ記録する(S246)。
【0124】
次に、システム制御部5000は、認識しているメディア1550の中で、最も空き容量が小さいメディアの空き容量を取得する(S348)。
【0125】
次にシステム制御部5000は、事前に定められた確保時間分の運転情報が、ステップS348で取得した空き容量以下となるように、ビデオエンコード部1300のビットレートを設定する(S350)。
【0126】
その後、異常検出部2900が異常事態を検出した場合(S148でYes)、システム制御部5000は、空き領域情報レジスタ5035を参照して(S248)、AV処理部1100に各メディアの空き領域へ運転情報を記録させる(S250)。
【0127】
以下、より詳細に述べる。
【0128】
システム制御部5000は、システム制御部4000と同様に、例えば車載情報システム5F00の初期設定時に、ユーザから書き込みフラグ及び上書きフラグの設定の設定を取得し、それぞれ書き込みフラグ保持部3010及び上書きフラグ保持部4020に保持する。
【0129】
次に、システム制御部5000は、USBメモリ1500の接続を検出したとき、書き込みフラグが許可に設定され、上書きフラグが不許可に設定されているならば、接続を検出したメディアに対して空き領域情報の取得を行い、最大容量の連続空き領域のアドレスと容量の情報とを、空き領域情報として取得し、USB情報レジスタ5030上に保持する。
【0130】
システム制御部5000は、SDカード1600の接続を検出したとき、書き込みフラグが許可に設定され、上書きフラグが不許可に設定されているならば、接続を検出したメディアに対して空き領域情報の取得を行い、最大容量の連続空き領域のアドレスと容量の情報とを、SDカード情報レジスタ5040上に保持する。
【0131】
システム制御部5000は、書き込みフラグが許可に設定され、かつ、上書きフラグが許可に設定されている場合、USBメモリの総容量とSDカードの総容量とを比較してより小さい側の総容量値から、ビデオエンコード部1300の動画圧縮のビットレートを決めてビデオエンコード部1300に設定する。具体的には、該ビットレートは次のように決定する。すなわち、該小さい側の総容量値を事前に与えられた確保時間で割って得られるビットレートを下回るように、ビデオエンコード部1300の圧縮のビットレートを設定する。
【0132】
システム制御部5000は、書き込みフラグが許可に設定され、かつ、上書きフラグが不許可に設定されている場合、USB情報レジスタ5030及びSDカード情報レジスタ5040の空き容量の情報を比較し、より小さい側の空き容量値に基づいて、ビデオエンコード部1300の動画圧縮のビットレートを決めてビデオエンコード部1300に設定する。該ビットレートは次のように決定する。すなわち、該小さい側の空き領域容量値を事前に与えられた該確保時間で割って得られるビットレートを下回るようにビデオエンコード部1300の圧縮のビットレートを設定する。
【0133】
システム制御部5000は、異常検出部2900からの通知を受けると、書き込みフラグを確認する。書き込みフラグの設定が許可の設定のとき、上書きフラグの設定を確認する。上書きフラグが許可の設定であれば、ビデオエンコード部1300が記録したデータバッファ部1200上の運転情報のうち確保時間分を、AV処理部1100に読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500とSDカード1600の両方の、先頭の領域に書き込ませる。上書きフラグが不許可の設定の場合、USB情報レジスタ5030とSDカード情報レジスタ5040とを確認してアドレスと容量の情報を取得する。また、ビデオエンコード部1300が記録した、データバッファ部1200上の運転情報のうち確保時間分を、AV処理部1100に読み出させ、メディアインタフェース部1110を介してUSBメモリ1500とSDカード1600の両方の、該空き領域に書き込ませる。一方、メディア書き込み許容フラグの設定が、不許可の設定であれば、システム制御部5000は、運転情報の記録処理を行わない。
【0134】
なお、システム制御部5000は、複数のメディア1550のなかで最も小さい総容量が、大きいほど、確保時間をより長く設定してもよい。
【0135】
また、システム制御部5000は、複数のメディア1550のなかで最も小さい空き容量が、大きいほど、確保時間をより長く設定してもよい。
【0136】
また、システム制御部は複数のメディア1550の各々の空き容量を取得し、空き容量がより大きいメディアに記録される運転情報に含まれる映像情報ほど、より高画質となるように、AV処理部に運転情報を記録させてもよい。例えば、カメラ1400から入力された映像情報を、ビデオエンコード部1300は低画質用と高画質用の2つのビットレートでエンコードし、それぞれをデータバッファ部1200に記録してもよい。この場合、システム制御部5000は、高画質用のビットレートでエンコードされた運転情報を空き容量が大きいメディアへ記録させ、低画質用のビットレートでエンコードされた運転情報を空き容量が小さいメディアへ記録させてもよい。
【0137】
なお、AV処理部1100は、メディアのデータ転送能力を示す帯域であるメディア帯域を取得するメディア帯域取得部と、AV情報をメディアから読み出す際に必要な帯域であるAV帯域を取得するAV帯域取得部と、再生停止判定部とをさらに有し、再生停止判定部は、AV情報を再生中に、異常検出部2900が異常事態の発生を検出した場合であって、メディア帯域とAV帯域との差の絶対値が事前に定められた値よりも小さい場合には、AV情報の再生を停止させてもよい。
【0138】
なお、AV処理部1100は、メディアへの運転情報の記録が完了した場合には、映像及び音声の少なくとも一方を用いてユーザに通知してもよい。
【0139】
また、本実施例における確保時間は、システムに対して事前に設計者が与えてもよいし、車載情報システム5F00の初期設定としてユーザが設定してもよい。
【0140】
また、書き込みフラグの設定及び上書きフラグの設定は、USBメモリ1500やSDカード1600の接続時に都度確認してもよい。
【0141】
また、書き込みフラグと上書きフラグは、USBメモリとSDカードなど、メディア1550に接続されうる複数のメディア各々についての設定を保持できる構成にしてもよい。その場合、システム制御部5000は、異常発生時に書き込みフラグに許可の設定がなされているメディアにのみ運転情報の書き込みを行わせる。また、運転情報の書き込みを行うそれぞれのメディアについて、上書きフラグに再生コンテンツの上書きが許可されているメディアに対しては任意の領域に運転情報の書き込みを行わせ、不許可のメディアに対しては、USB情報レジスタ5030とSDカード情報レジスタ5040のうち、不許可のメディアに対応した空き領域情報に基づいて運転情報の書き込みを行わせる。
【0142】
本実施例に係る車載情報システム5F00は、実施例4に係る車載情報システム4F00に比べて、さらに、メディア内の再生コンテンツを保持しつつ異常事態発生時に運転情報を複製したいユーザに対して以下の優位な利便性を提供している。すなわち、車載情報システム5F00では、異常事態発生時に空き領域アドレスをサーチしてからの複製であったのに対し、本実施例は事前に空き領域情報を取得しているため、複製開始の即応性に優れている。また、実施例4に係る車載情報システム4F00において、メディアの空き容量が複製される運転情報の時間的長さを制約するのに対して、本実施例に係る車載情報システム5F00はメディアの空き容量に応じたビットレートの調整により、複製される運転情報は必ず一定以上の時間的長さを確保できる。これによって、再生コンテンツの保持よりも異常事態が発生した時の運転情報の保持を優先して考えるユーザには、運転情報の記録時間を一定以上の時間的長さで複製しつつ、可能な限り高い品質で運転情報をメディア1550へ複製することができる。
【0143】
なお、実施例1〜5及びその変形例として説明した車載情報システムは、コンピュータにより実現することも可能である。図11は、車載情報システムを実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0144】
車載情報システムは、コンピュータ34と、コンピュータ34に指示を与えるためのキーボード36及びマウス38と、コンピュータ34の演算結果等の情報を提示するためのディスプレイ32と、コンピュータ34で実行されるプログラムを読み取るためのCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)装置40及び通信モデム(図示せず)とを含む。
【0145】
車載情報システムが行う処理であるプログラムは、コンピュータで読取可能な媒体であるCD−ROM42に記憶され、CD−ROM装置40で読み取られる。又は、コンピュータネットワークを通じて通信モデム52で読み取られる。
【0146】
コンピュータ34は、CPU(Central Processing Unit)44と、ROM(Read Only Memory)46と、RAM(Random Access Memory)48と、ハードディスク50と、通信モデム52と、バス54とを含む。
【0147】
CPU44は、CD−ROM装置40又は通信モデム52を介して読み取られたプログラムを実行する。ROM46は、コンピュータ34の動作に必要なプログラムやデータを記憶する。RAM48は、プログラム実行時のパラメタなどのデータを記憶する。ハードディスク50は、プログラムやデータなどを記憶する。通信モデム52は、コンピュータネットワークを介して他のコンピュータとの通信を行う。バス54は、CPU44、ROM46、RAM48、ハードディスク50、通信モデム52、ディスプレイ32、キーボード36、マウス38及びCD−ROM装置40を相互に接続する。
【0148】
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integrated Circuit:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0149】
さらにまた、上記の各装置を構成する構成要素の一部又は全部は、各装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0150】
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0151】
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、USBメモリ、SDカードなどのメモリカード、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしてもよい。
【0152】
また、本発明は、上記コンピュータプログラム又は上記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0153】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0154】
また、上記プログラム又は上記デジタル信号を上記記録媒体に記録して移送することにより、又は上記プログラム又は上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【0155】
さらに、上記実施例及びその変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【0156】
今回開示された実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明に係る車載情報システムは、カーナビゲーションシステムとドライブレコーダシステムと車載AVシステムとを統合する情報システムにおいて、特にドライブレコーダの情報に対する可搬性の向上や残存可能性の向上を低コストに実現する上で有用な構成を提供する。
【符号の説明】
【0158】
32 ディスプレイ
34 コンピュータ
36 キーボード
38 マウス
40 CD−ROM装置
42 CD−ROM
44 CPU
46 ROM
48 RAM
50 ハードディスク
52 通信モデム
54 バス
1000、2000、3000、4000、5000 システム制御部
1100 AV処理部
1110 メディアインタフェース部
1120 AV再生部
1200 データバッファ部
1300 ビデオエンコード部
1350 運転情報取得部
1400 カメラ
1450 ECU
1500 USBメモリ
1550 メディア
1600 SDカード
1700 スピーカ
1800 モニタ
1F00、2F00、3F00、4F00、5F00 車載情報システム
2900 異常検出部
3010 書き込みフラグ保持部
4020 上書きフラグ保持部
5030 USB情報レジスタ
5035 空き領域情報レジスタ
5040 SDカード情報レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載する車載情報システムであって、
システム制御部と、
データバッファ部と、
前記車両の操縦情報、当該車両の運動状態、及び当該車両の位置情報の少なくとも1つと、当該車両の前方及び後方の少なくとも一方の映像を含む映像情報とを含む運転情報を取得し、前記データバッファ部に記録する運転情報取得部と、
前記映像情報を事前に定められたビットレートでエンコードするビデオエンコード部と、
映像及び音声のうち少なくとも一方を含むAV情報を再生するAV処理部とを備え、
前記AV処理部は、前記AV情報を記録するための少なくとも1つの着脱可能なメディアと当該AV処理部とを接続するメディアインタフェース部と、
前記AV情報に含まれる、映像及び音声の少なくとも一方を再生するAV再生部とを有し、
前記システム制御部は、前記ビデオエンコード部によってエンコードされ、前記データバッファ部に記録された前記運転情報の少なくとも一部を前記AV処理部に前記メディアインタフェース部を介して前記メディアへ記録させる
車載情報システム。
【請求項2】
さらに、前記車両の運動状態の異常、又は当該車両の運転者による運転操作の異常である異常事態の発生を、前記運転情報に基づいて検出する異常検出部を備え、
前記システム制御部は、前記異常検出部が前記異常事態の発生を検出すると、前記データバッファ部に記録された前記運転情報の少なくとも一部を前記AV処理部に前記メディアへ記録させる
請求項1に記載の車載情報システム。
【請求項3】
前記異常検出部は、前記運転情報に含まれる情報によって示される値が、事前に定められた正常範囲に含まれていない場合には、前記異常事態の発生を検出する
請求項2に記載の車載情報システム。
【請求項4】
さらに、前記運転情報の前記メディアへの書き込みの許可又は禁止を示す書き込みフラグを保持する書き込みフラグ保持部を備え、
前記システム制御部は、前記書き込みフラグが書き込みの禁止を示す場合は、前記AV処理部に当該メディアへ前記運転情報を記録させない
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載情報システム。
【請求項5】
さらに、前記メディアに記録されている前記AV情報への上書きの許可又は禁止を示す上書きフラグを保持する上書きフラグ保持部を備え、
前記システム制御部は、(1)前記書き込みフラグが書き込みの許可を示し、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示す場合は、前記AV処理部に、前記メディアの空き領域へ前記運転情報の少なくとも一部を記録させ、(2)前記書き込みフラグが書き込みの許可を示し、かつ、前記上書きフラグが上書きの許可を示す場合は、前記AV処理部に、前記運転情報の少なくとも一部で前記AV情報を上書きして記録させる
請求項4に記載の車載情報システム。
【請求項6】
さらに、前記メディアの空き領域を示す情報を記録するための空き領域情報レジスタを備え、
前記システム制御部は、(1)前記メディアインタフェース部が前記メディアの存在を認識したときに、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、当該メディアの空き領域のアドレスを取得し、当該アドレスを前記空き領域情報レジスタに記録し、(2)前記異常検出部が前記異常事態の発生を検出した場合には、前記空き領域情報レジスタを参照し、前記AV処理部に、前記データバッファ部に記録されている前記運転情報の少なくとも一部を前記メディアの空き領域へ記録させる
請求項5に記載の車載情報システム。
【請求項7】
さらに、前記メディアの空き領域を示す情報を記録するための空き領域情報レジスタを備え、
前記システム制御部は、前記メディアインタフェース部が前記メディアの存在を認識したときに、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、当該メディアの空き領域を示す空き領域情報を取得し、前記空き領域が小さいほど、より小さなビットレートでエンコードするように前記ビデオエンコード部のビットレートを設定する
請求項5に記載の車載情報システム。
【請求項8】
前記メディアインタフェース部は、複数の前記メディアと前記AV処理部とを接続しており、
前記システム制御部は、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの許可を示している場合には、前記複数のメディアの各々の総容量のうち最も小さい総容量を取得し、前記最も小さい総容量を、事前に定められた確保時間で除算して得られるビットレート以下でエンコードするように前記ビデオエンコード部のビットレートを設定する
請求項5に記載の車載情報システム。
【請求項9】
前記システム制御部は、前記最も小さい総容量が大きいほど、前記確保時間をより長く設定する
請求項8に記載の車載情報システム。
【請求項10】
前記メディアインタフェース部は、複数の前記メディアと前記AV処理部とを接続しており、
前記システム制御部は、前記書き込みフラグが書き込みの許可を示しており、かつ、前記上書きフラグが上書きの禁止を示している場合には、前記複数のメディアの各々の空き容量のうち最も小さい空き容量を取得し、前記最も小さい空き容量を、事前に定められた確保時間で除算して得られるビットレート以下でエンコードするように前記ビデオエンコード部のビットレートを設定する
請求項5に記載の車載情報システム。
【請求項11】
前記システム制御部は、前記最も小さい空き容量が大きいほど、前記確保時間をより長く設定する
請求項10に記載の車載情報システム。
【請求項12】
前記メディアインタフェース部は、複数の前記メディアと前記AV処理部とを接続しており、
前記システム制御部は前記複数のメディアの各々の空き容量を取得し、空き容量がより大きいメディアに記録される前記運転情報に含まれる前記映像情報ほど、より高画質となるように、前記AV処理部に前記運転情報を記録させる
請求項1に記載の車載情報システム。
【請求項13】
前記AV処理部は、前記メディアのデータ転送能力を示す帯域であるメディア帯域を取得するメディア帯域取得部と、
前記AV情報を前記メディアから読み出す際に必要な帯域であるAV帯域を取得するAV帯域取得部と、
再生停止判定部とをさらに有し、
前記再生停止判定部は、前記AV情報を再生中に、前記異常検出部が前記異常事態の発生を検出した場合であって、前記メディア帯域と前記AV帯域との差の絶対値が事前に定められた値よりも小さい場合には、前記AV情報の再生を停止する
請求項1に記載の車載情報システム。
【請求項14】
前記AV処理部は、前記メディアへの前記運転情報の記録が完了した場合には、映像及び音声の少なくとも一方を用いてユーザに通知する
請求項1に記載の車載情報システム。
【請求項15】
車両に搭載する車載情報システムの制御方法であって、
前記車両の操縦情報、当該車両の運動状態、及び当該車両の位置情報の少なくとも1つと、当該車両の前方及び後方の少なくとも一方の映像を含む映像情報とを含む運転情報を取得し、データバッファ部に記録する運転情報取得ステップと、
前記データバッファ部に記録された前記運転情報の少なくとも一部を、映像及び音声のうち少なくとも一方を記録するための少なくとも1つの着脱可能なメディアに記録させる記録ステップとを含む
車載情報システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−226701(P2012−226701A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96256(P2011−96256)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】