車載接続装置、車載接続装置と携帯機器とを接続するコネクタ装置及び車両
【課題】車両に搭載された車載情報装置と携帯機器のアプリケーション機能とを簡単に連動可能とする仕組みを提供する。
【解決手段】複数の車載情報装置を複数の第1のインターフェースに接続すると共に、複数の機能を起動可能な携帯機器を直接又はコネクタ装置を介して第2のインターフェースに接続する。また、複数の第1のインターフェースと第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替え可能な複数のスイッチで接続する。これらの接続構造を有する車載接続装置に、第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じて複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御機能を搭載する。
【解決手段】複数の車載情報装置を複数の第1のインターフェースに接続すると共に、複数の機能を起動可能な携帯機器を直接又はコネクタ装置を介して第2のインターフェースに接続する。また、複数の第1のインターフェースと第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替え可能な複数のスイッチで接続する。これらの接続構造を有する車載接続装置に、第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じて複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御機能を搭載する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器で起動されているアプリケーション機能に応じて複数の車載情報装置と携帯機器との接続を適切な接続関係に自動的に切り替え又は複数の携帯機器で起動されている複数のアプリケーション機能の組み合わせに応じて複数の車載情報装置と携帯機器との接続を適切な接続関係に自動的に切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高解像度LCD(Liquid Crystal Display)その他の高機能電子機器の低価格化が進んでいる。これに伴い、自動車においては、カー・ナビゲーションシステム(以下、「カーナビ」という。)やカー・オーディオシステム(以下、「カーオーディオ」という。)等の走行には直接関係しない車載アクセサリの高機能化や車両への標準装備化が進んでいる。
【0003】
一方で、携帯電話機、PND(Personal Navigation Device)、携帯音楽プレーヤ、携帯ゲーム機等のように、カーナビやカーオーディオその他の車載情報装置と重複する機能を有する携帯機器が増えている。また、これらの携帯機器を車両内でも利用したいというニーズが増している。
【0004】
実際、携帯音楽プレーヤに蓄積した音楽データを車載情報装置側に移し変える手間を嫌い、携帯音楽プレーヤで再生した音楽をFMトランスミッタによって電波として飛ばし、車載のFMラジオで聞く使用態様が一般化しつつある。
【0005】
例えば特許文献1では、車載テレビジョン放送受信システム(以下、「車載TV」という。)、車載ラジオ放送受信システム(以下、「車載ラジオ」という。)と別体のナビゲーション機能を有する装置とを接続することにより、音楽再生中でもナビゲーション音声を聞くことができる仕組みが考案されている。
【0006】
また、特許文献2には、主従2つの入力接続端子を有するアダプタ装置において、従接続端子からの信号の入力が検出されると、出力端子との接続を主接続端子から従接続端子に自動的に切り替える機能が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開番号WO98/20303号公報
【特許文献2】特開2007−62408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に示す装置の場合、例えば使用中のナビゲーションシステムからの画像と後付けされた他のAV機器からの画像のいずれをモニタに出力するか、いずれの装置から出力された音声又は楽音をスピーカに出力するかを手動により又はリモコン操作を通じて切り替える必要がある。しかも、切替対象は、映像又は音声に限られている。また、特許文献2に示す装置は、単に入力の有無によって接続を切り換えているだけに過ぎない。
【0009】
本発明は、以上の課題を考慮してなされたものであり、簡易な操作により複数の車載情報装置と携帯機器との協働動作を実現できる仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、接続された携帯機器で起動されているアプリケーション機能に応じて、複数の車載情報装置と携帯機器の信号線間の各接続を自動的に変更する車載接続装置を提供する。また、本発明は、車載接続装置による接続の変更や携帯機器におけるアプリケーションの起動や操作入力を補助するコネクタ装置を提供する。また、本発明は、前述した車載接続装置を搭載する車両を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ユーザーは、携帯機器を車載接続装置に接続するだけで、携帯機器側で起動されているアプリケーション機能に適した複数の車載情報装置と協働させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態による車載システムのハードウェア構成例を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態による車載接続装置の車両への搭載例を示す概略図。
【図3】車載接続装置と携帯機器とをコネクタ装置を介して接続する形態例を示す概略図。
【図4】携帯機器識別信号発生部のハードウェア構成例を示す概略図。
【図5】ケーブルスイッチ付きコネクタ装置の概略構造を説明する図。
【図6】ケーブルスイッチ付きコネクタ装置の使用態様例を説明する概略図。
【図7】関節機構付きコネクタ装置を示す概略図。
【図8】操作内容とアプリケーション機能との割り当て関係を説明する図表。
【図9】関節機構付きコネクタ装置の使用態様例を説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、後述する装置構成や処理動作の内容は一例であり、実施の形態と既知の技術との組み合わせや置換により他の実施の形態を実現することもできる。
【0014】
(A)概略構成
以下の実施の形態では、車両に対して後付される携帯機器に搭載されているナビゲーション機能や音楽再生機能等のうち実際に起動されている機能に応じて車載情報装置との間で信号線の接続を自動的に最適化できる車載接続装置について説明する。この車載接続装置を用いれば、携帯機器の映像信号や音声信号を車載情報装置としてのモニタやスピーカに出力できるだけでなく、車載情報装置としてのGPSアンテナから出力される信号や車速パルス等の信号を携帯機器に送ることができる。この結果、複数の車載情報装置と携帯機器との間での協働動作が実現される。
【0015】
なお、後述する車載接続装置の一つでは、例えば車載接続装置に後付された携帯機器の種類と携帯機器で起動しているアプリケーション機能に基づいて複数の車載情報装置と携帯機器との信号線間の接続を変更する手法を採用する。この場合、車載接続装置は、これらの信号と内部に保存されているデータパターンとを比較し、比較結果に基づいて予め定められた規則に従い内部スイッチをそれぞれ適切な接続経路に変更する。
【0016】
また、後述する車載接続装置の一つでは、例えば携帯機器を識別することはできないが、接続すべき経路を具体的に示す信号に基づいて車載情報装置と携帯機器との接続を変更する手法を採用する。
【0017】
また、以下の実施の形態では、車載接続装置と携帯機器とをコネクタ装置を通じて間接的に接続する手法を採用する。ここでのコネクタ装置には、接続された携帯機器に対してユーザーが指定したアプリケーション機能の起動を指示する起動信号を発生する機能を搭載する。この機能により、ユーザーは携帯機器をコネクタ装置と接続するだけで特定の機能を起動することができる。なお、コネクタ装置は、携帯機器で起動するアプリケーション機能を設定するスイッチやボタンを搭載し、複数のアプリケーション機能のうちから任意のアプリケーション機能を選択できるものとする。
【0018】
また、以下の実施の形態では、コネクタ装置について複数の形態例を説明する。一つの形態は、車載接続装置との接続に用いる接続端子と携帯機器との接続に用いる接続端子とがコネクタ装置の筐体に対して固定的に取り付けられている場合である。他の一つの形態は、携帯機器との接続に用いる接続端子が巻き取り式の信号線ケーブルの先端に接続されており、しかも信号線ケーブルの引き出し方向を判別するセンサがコネクタ装置に取り付けられている場合である。また、一つの形態は、コネクタ装置が2つの可動ブロックと、それらを可動自在に接続する関節機構を有し、しかも関節機構に対する曲げ、ねじり、押し込み、引っ張り操作を検出するセンサがコネクタ装置に取り付けられている場合である。
【0019】
以下、それぞれの形態の組み合わせ例について説明する。
(A)実施の形態1
(A−1)システム構成
図1に、本発明の実施の形態に係る車載システムのハードウェア構成例を示す。この車載システムは、車載情報装置と、車載接続装置100と、コネクタ装置200と、携帯機器とで構成される。
【0020】
図1の場合、車載情報装置の一例として、外部カメラ601、モニタ602、スピーカ603、車速・停止信号等の車体信号604、GPSアンテナ605、FM・AM・ワンセグアンテナ606、リモコン入力装置607を示す。図1に示すように、この実施の形態における車両は、ナビゲーション機能、ラジオ放送波の受信・復調機能、テレビジョン放送波の受信・復調機能等に伴う信号処理機能は、後付される携帯機器側で実行することを前提とする。
【0021】
車載接続装置100側には、これら車載情報装置と対応する端子群が用意される。例えばビデオ入力端子101、ビデオ出力端子102、オーディオ端子103、車体信号端子104、GPS端子105、アンテナ端子106、入力装置端子107、電源端子108が用意される。また、車載接続装置100には、携帯機器との接続用に2つの接続端子109と110を用意する。勿論、携帯機器用の接続端子の数は2つに限定されない。この実施の形態の場合、携帯機器の一つは音楽プレーヤ1であり、携帯機器の他の一つは携帯ゲーム機2である。この実施の形態の場合、音楽プレーヤ1は、車載情報装置との関係において音楽再生機能を提供し、同じく携帯ゲーム機2はナビゲーション機能を提供するものとする。
【0022】
また、車載接続装置100は、車載情報装置と携帯機器の対応する信号線同士の接続を切り替えることができるリレースイッチ111〜116を有する。リレースイッチ111〜116は、信号の種類や用途に合わせ、機械接点式、半導体式、光学式の中から選択する。
【0023】
因みに、リレースイッチ111は、ビデオ入力端子101からの入力信号を分岐し、接続端子109、接続端子110、リレースイッチ112に出力するスイッチである。リレースイッチ112は、接続端子109から入力されたビデオ信号と、接続端子110から入力されたビデオ信号と、リレースイッチ111から入力されるビデオ信号のいずれか1つを選択的にビデオ出力端子102に出力するスイッチである。リレースイッチ113は、接続端子109から入力されたオーディオ信号と、接続端子110から入力されたオーディオ信号のいずれか一方又は両方をオーディオ端子103に出力するスイッチである。リレースイッチ114は、車体信号端子104から入力された車体信号604を接続端子109又は接続端子110に出力するスイッチである。リレースイッチ115は、GPS端子105から入力されたGPS信号を接続端子109又は接続端子110に出力するスイッチである。リレースイッチ116は、アンテナ端子から入力された放送信号を接続端子109又は接続端子110に出力するスイッチである。
【0024】
車載接続装置100は、これらリレースイッチ112〜116の各接続を設定する処理装置(PU:Processing Unit)121、その作業領域であるRAM122、後述する諸機能に対応するプログラムを格納するflashメモリ123やROM124を実装する。ここで、処理装置121は、コントロール信号線131を通じて接続端子109及び110の両方と接続されている。コントロール信号線131は、例えば携帯機器との制御信号や通信信号の送受信に使用される。
【0025】
この他、車載接続装置100には、プッシュスイッチ125、USBHOSTチップ126及び電源127が実装される。プッシュスイッチ125は、接続端子109及び110に接続された2つの携帯機器間で同じアプリケーション機能が起動されている場合にアプリケーション機能の選択に使用する押しボタン式のスイッチである。プッシュスイッチ125に対するユーザーの操作内容は、コントロール信号線131を通じて処理装置121に通知される。USBHOSTチップ126は、車載接続装置100と携帯機器との接続がUSB接続の場合に対応するために設けられている。USBHOSTチップ126はデータ線132を通じて接続端子109及び110と接続される。また、USBHOSTチップ126は、コントロール信号線131とも接続される。
【0026】
なお、図1では、音楽プレーヤ1用と携帯ゲーム機2用とで、内部配線構造が異なるコネクタ装置200が用いられている。例えば携帯ゲーム機用のコネクタ装置200には、車載接続装置100とコネクタ装置200の処理装置との間で入出力を行うために必要な全ての信号線と電力供給に必要な電力線が備わっている。一方、音楽プレーヤ1は、GPSアンテナの入力や車体信号604を必要としないので、音楽プレーヤ用のコネクタ装置200には、これらの信号線と結線を有しない内部配線構造を有している。このように、コネクタ装置200の内部配線は、接続される携帯機器が特定されている場合には、携帯機器が必要とする信号線についてのみ結線が生じるように配線されているものとする。
【0027】
図2に、車載接続装置100の車両への搭載例を示す。図2の場合、車載接続装置100は、運転席と助手席の間のコンソールユニットに実装されている。この位置は、運転者と同乗者との双方が携帯機器を車載接続装置に接続するのに、また操作するのに便利な位置だからである。なお、図2のモニタ602にはナビゲーション画面610が表示されている。また、図2にはハンドル301、ブレーキペダル302、アクセルペダル303、運転者の右手400も描いている。
【0028】
車載接続装置100の表面には、接続端子109と110にそれぞれ対応するスロット151と152が配置されている。接続端子109と110は、スロット151と152の底部に配置されているものとする。なお、図2には表されていないが、スロット151と152の内部には、音楽プレーヤ1と携帯ゲーム機2のそれぞれに接続されたコネクタ200が存在している。
【0029】
コネクタ装置200は、実質的に携帯機器毎に専用の装置が用意される。一般に、接続端子の形状や規格は、携帯機器毎に異なるためである。図3に、コネクタ装置200の構造例を示す。図3に示すコネクタ装置200は、起動切替信号発生部201と携帯機器識別信号発生部203とを内蔵し、携帯機器との接続用に接続端子204を有する。因みに、起動切替信号発生部201は、携帯機器に内蔵されている特定のアプリケーション機能を起動させるための制御信号を発生する回路デバイスである。この制御信号は、コネクタ装置200に携帯機器が接続された場合に発生されるように構成されている。なお、起動機能切替スイッチ202は、携帯機器に複数のアプリケーション機能が内蔵されている場合に、起動したいアプリケーション機能を選択的に特定するために用いられる。起動機能切替スイッチ202は、例えばロータリースイッチ、押しボタンその他で構成される。
【0030】
一方、携帯機器識別信号発生部203は、接続された携帯機器が何であるかを示す携帯機器識別信号を車載接続装置100に送信する回路デバイスである。携帯機器識別信号は、パラレル信号として送信する場合とシリアル信号として送信する方法が考えられる。前述したように、コネクタ装置200は、携帯機器毎の専用装置であるため、信号パターンは固定信号で良い。図4では、携帯機器識別信号をパラレル信号の形式で送信する携帯機器識別信号発生部203の回路例を500で示す。この回路は、プルアップとGND直結とで作成できる。一方、携帯機器識別信号をシリアル信号の形式で送信する携帯機器識別信号発生部203の回路例を501で示す。この回路は、シフトレジスタに入力したパラレル信号をクロック入力に従って順次出力することによって作成できる。
【0031】
携帯機器識別信号をパラレル信号で入力する方式を採用した車載接続装置100は、携帯機器識別信号を一度に入力できることで、接続された携帯機器の識別に要する処理時間を短くできる。ただし、結線数はパラレル信号を構成するデータの桁数だけ必要になる。一方、携帯機器識別信号をシリアル信号で入力する方式を採用した車載接続装置100は、結線数が1本で済むので装置の接続端子の小型化に有利である。ただし、接続された携帯機器の識別は、順次送られてくるデータの最終桁が入力されるまでは少なくとも完了できないので、識別までに要する時間が相対的に長くなるのを避け得ない。ただし、識別が開始されるまでの時間は、伝送速度によるので一方的にシリアル信号による伝送が不利になるわけではない。
【0032】
(A−2)処理動作
ここでは、ナビゲーション機能を利用する目的で携帯ゲーム機2を車載接続装置100に接続する場合について説明する。この場合、ユーザーは、コネクタ装置200の起動機能切替スイッチ202をナビゲーション機能の位置に合わせた後、コネクタ装置200に形成された携帯機器側の接続端子204を矢印Bの方向に移動させて携帯ゲーム機2に接続する。
【0033】
すると、機能起動信号発生部201から携帯ゲーム機2に対してナビゲーション機能の起動信号が自動的に送信される。一方、携帯ゲーム機2では、受信された起動信号に従ってナビゲーション機能を起動する。
【0034】
携帯ゲーム機2のナビゲーション機能が自動的に起動すると、ユーザーは、ナビゲーション機能の利用に必要な設定を携帯ゲーム機2の操作画面上で行う。この後、ユーザーは、コネクタ装置200に携帯ゲーム機2が接続された状態のまま矢印Aの方向に移動させ、車載接続装置100の接続端子110にコネクタ装置200の接続端子を接続する。
【0035】
この接続により、車載接続装置100と携帯ゲーム機2は相互に接続された状態になる。この状態になると、コネクタ装置200は、接続された携帯機器が携帯ゲーム機2であることを特定する携帯機器識別信号と、携帯ゲーム機2で現在使用されている機能(ナビゲーション機能)を示す信号とを車載接続装置100に送信する。
【0036】
車載接続装置100は、コネクタ装置200から受信した信号を、コントロール信号線131を通じて処理装置121に与える。処理装置121は、受信した信号(データ)と予め記憶されているデータとを比較し、携帯ゲーム機2で起動しているアプリケーション機能がナビゲーション機能であると判定する。
【0037】
この判定結果が得られると、処理装置121は、ナビゲーション機能の実行に必要な情報処理装置(例えばモニタ602、スピーカ603、車体信号604、GPSアンテナ605)と携帯ゲーム機2の信号線同士が接続されるように内部のリレースイッチ112、113、114、115の接続状態を自動的に切り替える。
【0038】
この結果、携帯ゲーム機2上で動作しているナビゲーション機能が、複数の車載情報装置との協働により提供される。また、携帯ゲーム機2と車載情報装置との接続は一方向ではなく、双方向であることも実施の形態による特徴的な動作である。例えば車両に搭載されているGPSアンテナ605のGPS信号や車体信号605が携帯ゲーム機2に与えられるので、携帯ゲーム機2の内部だけで完結する位置予測に比して予測精度の向上が期待される。
【0039】
ところで、この実施の形態の場合、車載接続装置100に接続した後の携帯ゲーム機2は、図2に示したように筐体の一部がスロット152に埋まったような状態になる。このため、携帯ゲーム機2の筐体本体に配置されたスイッチが使い難くなる。このため、携帯ゲーム機2を車載接続装置100に接続した後は、表示地図の拡大縮小といった簡単なナビゲーション機能の制御は、リモコン入力装置607を通じて行う。
【0040】
すなわち、車載情報装置の側から携帯ゲーム機2を操作する。なお、リモコン入力装置607から送信された赤外線その他の制御信号は、入力装置端子107を通じて処理装置121に入力される。処理装置121では、先に受信している携帯機器識別信号と機能起動信号に基づいて携帯ゲーム機2に対して適切な制御信号を作成し、コントロール信号線131、コネクタ装置200を介して携帯ゲーム機2に送信する。
【0041】
以上が、複数のアプリケーション機能を搭載する携帯ゲーム機2が車載接続装置100に接続される場合における、車載情報装置、車載接続装置100、コネクタ装置200の間で実行される処理動作である。
【0042】
なお、車載接続装置100に接続される携帯機器が音楽再生機能のみを搭載する音楽プレーヤ1の場合には、コネクタ装置200に起動機能切替スイッチ202を搭載する必要はない。
【0043】
また、実際の使用状況では、携帯ゲーム機2のナビゲーション機能から音声ナビゲーション出力が車載接続装置100に出力されている状態で、携帯音楽プレーヤ1の音楽再生機能から音声出力が車載接続装置100に出力されている場合も考えられる。このような使用態様の場合、スピーカ603と接続する携帯機器を携帯音楽プレーヤ1又は携帯ゲーム機2のいずれか一方に限定することは好ましくない。従って、スピーカ603の信号線については、2つの携帯機器の音声出力が同時に入力されるように、リレースイッチ113の接続を切り替えるものとする。
【0044】
(A−3)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ装置200を用いれば、ユーザーは、携帯機器をコネクタ装置200に接続するだけで予め定めておいた携帯機器が実装する所望のアプリケーション機能を自動的に起動することができる。特に、携帯機器はユーザーが常に持ち運ぶもので、車両内だけで使用されるものでないため、事前に設定しておくだけで車両内での使用に望むアプリケーション機能が常に自動的に起動される機能は、ユーザーの使い勝手を向上する上で非常に効果的である。さらに、複数のアプリケーション機能を実行可能な例えば携帯電話機が車載接続装置100に接続された場合でも、所望のアプリケーション機能を携帯電話機で起動するのに必要なユーザーによる複数回の入力操作を不要にできる。
【0045】
また、本実施の形態に係る車載接続装置100を用いれば、接続された携帯機器と起動されたアプリケーション機能を自動的に識別して複数のリレースイッチの接続を最適な接続状態に切り替えることができる。しかも、その接続は、複数の車載情報装置と携帯機器との接続が自動的に最適化されることで、同様の接続を個別に設定する場合に比して設定に要する時間を短縮できる。しかも、ユーザーは、基本的に携帯機器を車載接続装置100やコネクタ装置200に接続する操作と、使用したいアプリケーション機能に対する操作だけで良いので、携帯機器を車両で簡単に使用したいとするユーザーのニーズを満たすことができる。
【0046】
また、ユーザーが所持する携帯機器を車載情報装置と協働して動作させることが簡単になることで、重複する機能を車両側から省くことも可能になる。
【0047】
(B)実施の形態2
この実施の形態においても、車載情報装置と車載接続装置100との接続構成や内部構成は実施の形態1と同じであるものとする。この実施の形態では、ケーブルスイッチ付きコネクタ装置210について説明する。
【0048】
(B−1)システム構成
図5に、この実施の形態で使用するケーブルスイッチ付きコネクタ装置210の概略構成を示す。なお、図5においては、実施の形態1に係るコネクタ200に内蔵されていた起動切替信号発生部201、起動機能切替スイッチ202、携帯機器識別信号発生部203の表記を省略しているが、これらのデバイスもケーブルスイッチ付きコネクタ装置210に内蔵されている。以下では、この実施の形態に係るコネクタ装置210に特有の構造と機能についてのみ説明する。
【0049】
図5に示すように、この実施の形態に係るコネクタ装置210は、携帯電話機3の信号端子と接続される接続端子220と、接続端子220が先端に取り付けられた引き出し式の信号線ケーブル211と、信号線ケーブル211を筐体内に収容するケーブル巻き取りリール214と、信号線ケーブル211のガイドとしてのパイプ212と、パイプ211を筐体に対して回転軸213を中心に左右両方向に回動自在に取り付ける取り付け機構と、パイプ212のうちケーブル巻取りリール214側の可動範囲内の両側に配置され、ユーザーによる携帯電話機3の引っ張りによって回動したパイプ212との接触を検出する一対の接触スイッチ215と、車載接続装置100の信号端子と接続される接続端子とで構成される。なお、接触スイッチ215の動作に必要な電力は、例えばコネクタ装置210の接続端子を通じて車載接続装置100から供給される。
【0050】
なお、信号線ケーブル211の一端は、ケーブル巻き取りリール214に固定されている。一方、信号線ケーブル211の他端は、接続端子220に固定されている。信号線ケーブル211は、接続端子220に接続された携帯電話機3をユーザーが引っ張ると、回転軸213により筐体に対して回動自在に取り付けられたパイプ212の内側を沿って引き出される。
【0051】
ただし、信号線ケーブル211は、適度なテンションによってケーブル巻き取りリール214側に引っ張られているので、ユーザーが携帯電話機1を引っ張る力を弱めると、信号線ケーブル211は、パイプ212の内側に沿うように移動してケーブル巻き取りリール214内に巻き取られている。
【0052】
(B−2)処理動作
初期位置において、信号線ケーブル211は、そのほとんどがケーブル巻き取りリール214内に巻き取られている。このとき、パイプ212は、図5に示すように、2つある接触スイッチ215のいずれか一方に傾くこともなく、それぞれとの距離がほぼ等しくなるように配置される。この初期位置は、一対の接触スイッチ215の両方でパイプ212の接触を検出しない状態として車載接続装置100の処理装置121に通知される。
【0053】
次に、操作例を説明する。図6は、ユーザーが携帯電話機3を初期位置よりも右側に引き出した場合の操作例である。例えば車両の運転者が左手401で携帯電話機3を掴んで引き寄せた場合に当たる。運転者による操作によって信号線ケーブル211が引き出されると、パイプ212は回転軸213を中心に時計回りに回転する。回転量が一定量を超えると、図6に示すように、パイプ212の筐体奥側の左側面は、図中左側に配置された接触スイッチ215に接触する。左側の接触スイッチ215は、この接触を通知する接触検知信号を発生する。
【0054】
車載接続装置100の処理装置121は、この接触検知信号に基づいて、携帯電話機3のユーザーが現在、どちらの座席に位置しているかを判定することができる。なお、実施の形態の場合には、この接触検知信号と車載情報装置から与えられる走行状態(走行、停止)の信号の組み合わせに基づいて、携帯電話機3と車載情報装置との協働動作の実行を制御する。例えば走行中の場合、処理装置121は、運転者からの携帯電話機3の操作入力を許可せず、助手席の同乗者からの携帯電話機3の操作入力だけを受け付ける。また例えば停止中の場合には、座席位置によらず、ユーザーによる携帯電話機3の操作入力を許可する。この制御の実行により、運転中のカーナビ操作を無効にすることができる。
【0055】
(B−3)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ装置210を用いれば、携帯機器の操作者が車両内の運転席側に位置するか助手席側に位置するかを車載接続装置100側で判定することが可能になる。この効果は、実施の形態1では得られなかった効果である。そして、車載情報装置から得られる車速情報等との組み合わせにより、運転者による走行中の携帯機器に対する操作入力を無効化することができる。
【0056】
また、一般に携帯機器はサイズが小さく、搭載されるディスプレイの面積も小さい。従って、巻き取り式の信号線ケーブル211を用いてコネクタ装置200側から携帯機器を引き出してから操作できることで、ユーザーの使い勝手が格段に向上する。例えば実施の形態1の場合であれば、小画面を確認しながらの操作が必要な場合、携帯機器とコネクタ装置200を一緒に又は携帯機器だけを取り外してから操作入力し、その後、接続し直す必要があった。一方、実施の形態2の場合には、操作のための着脱の必要もなく、操作入力の内容を即座に車両側に伝えることが可能になる。
【0057】
(C)実施の形態3
この実施の形態においても、車載情報装置と車載接続装置100との接続構成や内部構成は実施の形態1と同じであるものとする。この実施の形態では、関節機構付きコネクタ装置230について説明する。
【0058】
(C−1)システム構成
図7に、この実施の形態で使用する関節機構付きコネクタ装置230の概略構成を示す。なお、図7においては、実施の形態1に係るコネクタ200に内蔵されていた起動切替信号発生部201、起動機能切替スイッチ202、携帯機器識別信号発生部203の表記を省略しているが、これらのデバイスも関節機構付きコネクタ装置230に内蔵されている。以下では、この実施の形態に係るコネクタ装置230に特有の構造と機能についてのみ説明する。
【0059】
図7に示すように、この実施の形態に係るコネクタ装置230は、関節機構233によって回動自在、傾斜自在、押し込み動作可能に接続された2つの可動ブロック231、232で構成される。図7では、矢印によって関節機構233に対する回転(ねじり)と前後左右への傾け動作を表している。この実施の形態の場合、可動ブロック231に内蔵されたセンサ234が、関節機構233に加えられた回転方向、傾斜方向、それらの量、押し込み操作の有無などを検出する。なお、図7では、関節機構233とセンサ234を別々に表しているが、これらは一体構造であっても良い。なお、関節の姿勢情報は、操作情報としてセンサ234から不図示の接続端子を通じて車載接続装置100に通知される。なお、姿勢情報は、回転、傾き、押し込みの有無について個別の出力でも良いし、全ての可動要素の複合情報を出力しても良い。なお、可動ブロック231には接続端子235が配置される。
【0060】
(C−2)処理動作
まず、携帯ゲーム機2が初期位置にある場合の処理動作を説明する。このとき、携帯ゲーム機2は、コネクタ装置230を介して車載接続装置100に接続されている。車載接続装置100は車両に固定されている。同様に、可動ブロック232は、車載接続装置100に対して固定的に接続されている。従って、携帯ゲーム機2と接続された可動ブロック231側だけが関節機構233を介して可動できる状態にある。
【0061】
次に、携帯ゲーム機2をジョイスティックやシフトレバーのような操作子として使用し、その姿勢制御を通じて操作入力を行う場合について説明する。図8に、携帯ゲーム機2で起動されているアプリケーション機能と、回転等による姿勢制御に対応付ける動作との関係を示す。
【0062】
図8では、携帯ゲーム機2に搭載されるアプリケーション機能のうち車載情報装置との協働が考えられる3つのアプリケーション機能について例示している。すなわち、ナビゲーション機能、音楽再生機能、ラジオ機能の3つを例示している。これらアプリケーション機能を車両内で使用する場合に必要になる機能は、おおよそ図表右側に対応付けた動作であると考えられる。従って、これらの動作を、センサ234の検出結果に適当に割り振れば良い。
【0063】
図9には、実施の形態に係るコネクタ装置230を車両に搭載した状態での使用例を示す。この実施の形態の場合、リモートコントローラその他の別体の入力装置を用意しなくても、操作したいアプリケーション機能が起動している携帯ゲーム機2の姿勢を変えるという直感的な操作によって所望の操作を実現できる。また、図8に示した各アプリケーション機能に対し、相互に似通った制御には同じ姿勢変化を割り当てることでより、アプリケーション機能の切替に伴う戸惑いも少なくなり、ユーザーの使い勝手を高めることができる。
【0064】
(C−3)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ装置230を用いれば、回転(曲げ)、傾斜(ねじり)、押し込み等の操作入力が可能な関節型のスイッチ機構を操作の入力子として使用できる。結果的に、ユーザーは、シフトレバーを操作するのと同様の感覚で、操作したいアプリケーション機能が起動している携帯機器を掴んで動かすだけで、アプリケーション機能や車載情報装置に対する必要な指示を入力することができる。
【0065】
このことは、車載接続装置に接続された複数の携帯機器毎に個別の入力装置を用意する必要性や1つの入力機器を切り替えて使用する必要性を無くせることを意味する。また、操作入力の方法も、携帯機器の本体の姿勢を変更するという、大きな動きによって実現でき、誰にとっても分かり易い直感的な操作が可能である。特に車両の運転中においては、運転以外の操作に多くの注意を割くことができない。このため、操作画面やボタン類に注意しなくても操作できるコネクタ装置230は、ユーザーへの負担も少なく、使い勝手を向上させることができる。
【0066】
さらに、音量調節や地図の拡大縮小といった簡単な制御に対応する携帯機器の姿勢変更の動作を統一しておくことにより、携帯機器の変更のたびに異なる操作を覚える必要が少なくなる。結果的に、ユーザーの負担を減らし、使い勝手を向上させることができる。
【0067】
(D)その他
前述した実施の形態例の場合には、車載接続装置100と携帯機器との間にコネクタ装置200を挿入する場合を例示した。しかしながら、コネクタ装置200、210、230を使用せずに、車載接続装置100と携帯機器とを直接接続しても良い。また、コネクタ装置200、210、230を車載接続装置100内に一体的に配置しても良い。
【符号の説明】
【0068】
1…音楽プレーヤ、2…携帯ゲーム機、3…携帯電話機、100…車載接続装置、109、110…接続端子、125…プッシュスイッチ、131…コントロール信号線、132…データ線、151、152…スロット、200…コネクタ装置、201…起動切替信号発生部、202…起動機能切替スイッチ、203…携帯機器識別信号発生部、210…コネクタ装置、211…信号線ケーブル、212…パイプ、213…回転軸、214…信号線ケーブル巻き取りリール、215…接触スイッチ、230…コネクタ装置、231、232…ケース、233…関節機構、234…センサ、235…接続端子。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器で起動されているアプリケーション機能に応じて複数の車載情報装置と携帯機器との接続を適切な接続関係に自動的に切り替え又は複数の携帯機器で起動されている複数のアプリケーション機能の組み合わせに応じて複数の車載情報装置と携帯機器との接続を適切な接続関係に自動的に切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高解像度LCD(Liquid Crystal Display)その他の高機能電子機器の低価格化が進んでいる。これに伴い、自動車においては、カー・ナビゲーションシステム(以下、「カーナビ」という。)やカー・オーディオシステム(以下、「カーオーディオ」という。)等の走行には直接関係しない車載アクセサリの高機能化や車両への標準装備化が進んでいる。
【0003】
一方で、携帯電話機、PND(Personal Navigation Device)、携帯音楽プレーヤ、携帯ゲーム機等のように、カーナビやカーオーディオその他の車載情報装置と重複する機能を有する携帯機器が増えている。また、これらの携帯機器を車両内でも利用したいというニーズが増している。
【0004】
実際、携帯音楽プレーヤに蓄積した音楽データを車載情報装置側に移し変える手間を嫌い、携帯音楽プレーヤで再生した音楽をFMトランスミッタによって電波として飛ばし、車載のFMラジオで聞く使用態様が一般化しつつある。
【0005】
例えば特許文献1では、車載テレビジョン放送受信システム(以下、「車載TV」という。)、車載ラジオ放送受信システム(以下、「車載ラジオ」という。)と別体のナビゲーション機能を有する装置とを接続することにより、音楽再生中でもナビゲーション音声を聞くことができる仕組みが考案されている。
【0006】
また、特許文献2には、主従2つの入力接続端子を有するアダプタ装置において、従接続端子からの信号の入力が検出されると、出力端子との接続を主接続端子から従接続端子に自動的に切り替える機能が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開番号WO98/20303号公報
【特許文献2】特開2007−62408号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に示す装置の場合、例えば使用中のナビゲーションシステムからの画像と後付けされた他のAV機器からの画像のいずれをモニタに出力するか、いずれの装置から出力された音声又は楽音をスピーカに出力するかを手動により又はリモコン操作を通じて切り替える必要がある。しかも、切替対象は、映像又は音声に限られている。また、特許文献2に示す装置は、単に入力の有無によって接続を切り換えているだけに過ぎない。
【0009】
本発明は、以上の課題を考慮してなされたものであり、簡易な操作により複数の車載情報装置と携帯機器との協働動作を実現できる仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、接続された携帯機器で起動されているアプリケーション機能に応じて、複数の車載情報装置と携帯機器の信号線間の各接続を自動的に変更する車載接続装置を提供する。また、本発明は、車載接続装置による接続の変更や携帯機器におけるアプリケーションの起動や操作入力を補助するコネクタ装置を提供する。また、本発明は、前述した車載接続装置を搭載する車両を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、ユーザーは、携帯機器を車載接続装置に接続するだけで、携帯機器側で起動されているアプリケーション機能に適した複数の車載情報装置と協働させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態による車載システムのハードウェア構成例を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態による車載接続装置の車両への搭載例を示す概略図。
【図3】車載接続装置と携帯機器とをコネクタ装置を介して接続する形態例を示す概略図。
【図4】携帯機器識別信号発生部のハードウェア構成例を示す概略図。
【図5】ケーブルスイッチ付きコネクタ装置の概略構造を説明する図。
【図6】ケーブルスイッチ付きコネクタ装置の使用態様例を説明する概略図。
【図7】関節機構付きコネクタ装置を示す概略図。
【図8】操作内容とアプリケーション機能との割り当て関係を説明する図表。
【図9】関節機構付きコネクタ装置の使用態様例を説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、後述する装置構成や処理動作の内容は一例であり、実施の形態と既知の技術との組み合わせや置換により他の実施の形態を実現することもできる。
【0014】
(A)概略構成
以下の実施の形態では、車両に対して後付される携帯機器に搭載されているナビゲーション機能や音楽再生機能等のうち実際に起動されている機能に応じて車載情報装置との間で信号線の接続を自動的に最適化できる車載接続装置について説明する。この車載接続装置を用いれば、携帯機器の映像信号や音声信号を車載情報装置としてのモニタやスピーカに出力できるだけでなく、車載情報装置としてのGPSアンテナから出力される信号や車速パルス等の信号を携帯機器に送ることができる。この結果、複数の車載情報装置と携帯機器との間での協働動作が実現される。
【0015】
なお、後述する車載接続装置の一つでは、例えば車載接続装置に後付された携帯機器の種類と携帯機器で起動しているアプリケーション機能に基づいて複数の車載情報装置と携帯機器との信号線間の接続を変更する手法を採用する。この場合、車載接続装置は、これらの信号と内部に保存されているデータパターンとを比較し、比較結果に基づいて予め定められた規則に従い内部スイッチをそれぞれ適切な接続経路に変更する。
【0016】
また、後述する車載接続装置の一つでは、例えば携帯機器を識別することはできないが、接続すべき経路を具体的に示す信号に基づいて車載情報装置と携帯機器との接続を変更する手法を採用する。
【0017】
また、以下の実施の形態では、車載接続装置と携帯機器とをコネクタ装置を通じて間接的に接続する手法を採用する。ここでのコネクタ装置には、接続された携帯機器に対してユーザーが指定したアプリケーション機能の起動を指示する起動信号を発生する機能を搭載する。この機能により、ユーザーは携帯機器をコネクタ装置と接続するだけで特定の機能を起動することができる。なお、コネクタ装置は、携帯機器で起動するアプリケーション機能を設定するスイッチやボタンを搭載し、複数のアプリケーション機能のうちから任意のアプリケーション機能を選択できるものとする。
【0018】
また、以下の実施の形態では、コネクタ装置について複数の形態例を説明する。一つの形態は、車載接続装置との接続に用いる接続端子と携帯機器との接続に用いる接続端子とがコネクタ装置の筐体に対して固定的に取り付けられている場合である。他の一つの形態は、携帯機器との接続に用いる接続端子が巻き取り式の信号線ケーブルの先端に接続されており、しかも信号線ケーブルの引き出し方向を判別するセンサがコネクタ装置に取り付けられている場合である。また、一つの形態は、コネクタ装置が2つの可動ブロックと、それらを可動自在に接続する関節機構を有し、しかも関節機構に対する曲げ、ねじり、押し込み、引っ張り操作を検出するセンサがコネクタ装置に取り付けられている場合である。
【0019】
以下、それぞれの形態の組み合わせ例について説明する。
(A)実施の形態1
(A−1)システム構成
図1に、本発明の実施の形態に係る車載システムのハードウェア構成例を示す。この車載システムは、車載情報装置と、車載接続装置100と、コネクタ装置200と、携帯機器とで構成される。
【0020】
図1の場合、車載情報装置の一例として、外部カメラ601、モニタ602、スピーカ603、車速・停止信号等の車体信号604、GPSアンテナ605、FM・AM・ワンセグアンテナ606、リモコン入力装置607を示す。図1に示すように、この実施の形態における車両は、ナビゲーション機能、ラジオ放送波の受信・復調機能、テレビジョン放送波の受信・復調機能等に伴う信号処理機能は、後付される携帯機器側で実行することを前提とする。
【0021】
車載接続装置100側には、これら車載情報装置と対応する端子群が用意される。例えばビデオ入力端子101、ビデオ出力端子102、オーディオ端子103、車体信号端子104、GPS端子105、アンテナ端子106、入力装置端子107、電源端子108が用意される。また、車載接続装置100には、携帯機器との接続用に2つの接続端子109と110を用意する。勿論、携帯機器用の接続端子の数は2つに限定されない。この実施の形態の場合、携帯機器の一つは音楽プレーヤ1であり、携帯機器の他の一つは携帯ゲーム機2である。この実施の形態の場合、音楽プレーヤ1は、車載情報装置との関係において音楽再生機能を提供し、同じく携帯ゲーム機2はナビゲーション機能を提供するものとする。
【0022】
また、車載接続装置100は、車載情報装置と携帯機器の対応する信号線同士の接続を切り替えることができるリレースイッチ111〜116を有する。リレースイッチ111〜116は、信号の種類や用途に合わせ、機械接点式、半導体式、光学式の中から選択する。
【0023】
因みに、リレースイッチ111は、ビデオ入力端子101からの入力信号を分岐し、接続端子109、接続端子110、リレースイッチ112に出力するスイッチである。リレースイッチ112は、接続端子109から入力されたビデオ信号と、接続端子110から入力されたビデオ信号と、リレースイッチ111から入力されるビデオ信号のいずれか1つを選択的にビデオ出力端子102に出力するスイッチである。リレースイッチ113は、接続端子109から入力されたオーディオ信号と、接続端子110から入力されたオーディオ信号のいずれか一方又は両方をオーディオ端子103に出力するスイッチである。リレースイッチ114は、車体信号端子104から入力された車体信号604を接続端子109又は接続端子110に出力するスイッチである。リレースイッチ115は、GPS端子105から入力されたGPS信号を接続端子109又は接続端子110に出力するスイッチである。リレースイッチ116は、アンテナ端子から入力された放送信号を接続端子109又は接続端子110に出力するスイッチである。
【0024】
車載接続装置100は、これらリレースイッチ112〜116の各接続を設定する処理装置(PU:Processing Unit)121、その作業領域であるRAM122、後述する諸機能に対応するプログラムを格納するflashメモリ123やROM124を実装する。ここで、処理装置121は、コントロール信号線131を通じて接続端子109及び110の両方と接続されている。コントロール信号線131は、例えば携帯機器との制御信号や通信信号の送受信に使用される。
【0025】
この他、車載接続装置100には、プッシュスイッチ125、USBHOSTチップ126及び電源127が実装される。プッシュスイッチ125は、接続端子109及び110に接続された2つの携帯機器間で同じアプリケーション機能が起動されている場合にアプリケーション機能の選択に使用する押しボタン式のスイッチである。プッシュスイッチ125に対するユーザーの操作内容は、コントロール信号線131を通じて処理装置121に通知される。USBHOSTチップ126は、車載接続装置100と携帯機器との接続がUSB接続の場合に対応するために設けられている。USBHOSTチップ126はデータ線132を通じて接続端子109及び110と接続される。また、USBHOSTチップ126は、コントロール信号線131とも接続される。
【0026】
なお、図1では、音楽プレーヤ1用と携帯ゲーム機2用とで、内部配線構造が異なるコネクタ装置200が用いられている。例えば携帯ゲーム機用のコネクタ装置200には、車載接続装置100とコネクタ装置200の処理装置との間で入出力を行うために必要な全ての信号線と電力供給に必要な電力線が備わっている。一方、音楽プレーヤ1は、GPSアンテナの入力や車体信号604を必要としないので、音楽プレーヤ用のコネクタ装置200には、これらの信号線と結線を有しない内部配線構造を有している。このように、コネクタ装置200の内部配線は、接続される携帯機器が特定されている場合には、携帯機器が必要とする信号線についてのみ結線が生じるように配線されているものとする。
【0027】
図2に、車載接続装置100の車両への搭載例を示す。図2の場合、車載接続装置100は、運転席と助手席の間のコンソールユニットに実装されている。この位置は、運転者と同乗者との双方が携帯機器を車載接続装置に接続するのに、また操作するのに便利な位置だからである。なお、図2のモニタ602にはナビゲーション画面610が表示されている。また、図2にはハンドル301、ブレーキペダル302、アクセルペダル303、運転者の右手400も描いている。
【0028】
車載接続装置100の表面には、接続端子109と110にそれぞれ対応するスロット151と152が配置されている。接続端子109と110は、スロット151と152の底部に配置されているものとする。なお、図2には表されていないが、スロット151と152の内部には、音楽プレーヤ1と携帯ゲーム機2のそれぞれに接続されたコネクタ200が存在している。
【0029】
コネクタ装置200は、実質的に携帯機器毎に専用の装置が用意される。一般に、接続端子の形状や規格は、携帯機器毎に異なるためである。図3に、コネクタ装置200の構造例を示す。図3に示すコネクタ装置200は、起動切替信号発生部201と携帯機器識別信号発生部203とを内蔵し、携帯機器との接続用に接続端子204を有する。因みに、起動切替信号発生部201は、携帯機器に内蔵されている特定のアプリケーション機能を起動させるための制御信号を発生する回路デバイスである。この制御信号は、コネクタ装置200に携帯機器が接続された場合に発生されるように構成されている。なお、起動機能切替スイッチ202は、携帯機器に複数のアプリケーション機能が内蔵されている場合に、起動したいアプリケーション機能を選択的に特定するために用いられる。起動機能切替スイッチ202は、例えばロータリースイッチ、押しボタンその他で構成される。
【0030】
一方、携帯機器識別信号発生部203は、接続された携帯機器が何であるかを示す携帯機器識別信号を車載接続装置100に送信する回路デバイスである。携帯機器識別信号は、パラレル信号として送信する場合とシリアル信号として送信する方法が考えられる。前述したように、コネクタ装置200は、携帯機器毎の専用装置であるため、信号パターンは固定信号で良い。図4では、携帯機器識別信号をパラレル信号の形式で送信する携帯機器識別信号発生部203の回路例を500で示す。この回路は、プルアップとGND直結とで作成できる。一方、携帯機器識別信号をシリアル信号の形式で送信する携帯機器識別信号発生部203の回路例を501で示す。この回路は、シフトレジスタに入力したパラレル信号をクロック入力に従って順次出力することによって作成できる。
【0031】
携帯機器識別信号をパラレル信号で入力する方式を採用した車載接続装置100は、携帯機器識別信号を一度に入力できることで、接続された携帯機器の識別に要する処理時間を短くできる。ただし、結線数はパラレル信号を構成するデータの桁数だけ必要になる。一方、携帯機器識別信号をシリアル信号で入力する方式を採用した車載接続装置100は、結線数が1本で済むので装置の接続端子の小型化に有利である。ただし、接続された携帯機器の識別は、順次送られてくるデータの最終桁が入力されるまでは少なくとも完了できないので、識別までに要する時間が相対的に長くなるのを避け得ない。ただし、識別が開始されるまでの時間は、伝送速度によるので一方的にシリアル信号による伝送が不利になるわけではない。
【0032】
(A−2)処理動作
ここでは、ナビゲーション機能を利用する目的で携帯ゲーム機2を車載接続装置100に接続する場合について説明する。この場合、ユーザーは、コネクタ装置200の起動機能切替スイッチ202をナビゲーション機能の位置に合わせた後、コネクタ装置200に形成された携帯機器側の接続端子204を矢印Bの方向に移動させて携帯ゲーム機2に接続する。
【0033】
すると、機能起動信号発生部201から携帯ゲーム機2に対してナビゲーション機能の起動信号が自動的に送信される。一方、携帯ゲーム機2では、受信された起動信号に従ってナビゲーション機能を起動する。
【0034】
携帯ゲーム機2のナビゲーション機能が自動的に起動すると、ユーザーは、ナビゲーション機能の利用に必要な設定を携帯ゲーム機2の操作画面上で行う。この後、ユーザーは、コネクタ装置200に携帯ゲーム機2が接続された状態のまま矢印Aの方向に移動させ、車載接続装置100の接続端子110にコネクタ装置200の接続端子を接続する。
【0035】
この接続により、車載接続装置100と携帯ゲーム機2は相互に接続された状態になる。この状態になると、コネクタ装置200は、接続された携帯機器が携帯ゲーム機2であることを特定する携帯機器識別信号と、携帯ゲーム機2で現在使用されている機能(ナビゲーション機能)を示す信号とを車載接続装置100に送信する。
【0036】
車載接続装置100は、コネクタ装置200から受信した信号を、コントロール信号線131を通じて処理装置121に与える。処理装置121は、受信した信号(データ)と予め記憶されているデータとを比較し、携帯ゲーム機2で起動しているアプリケーション機能がナビゲーション機能であると判定する。
【0037】
この判定結果が得られると、処理装置121は、ナビゲーション機能の実行に必要な情報処理装置(例えばモニタ602、スピーカ603、車体信号604、GPSアンテナ605)と携帯ゲーム機2の信号線同士が接続されるように内部のリレースイッチ112、113、114、115の接続状態を自動的に切り替える。
【0038】
この結果、携帯ゲーム機2上で動作しているナビゲーション機能が、複数の車載情報装置との協働により提供される。また、携帯ゲーム機2と車載情報装置との接続は一方向ではなく、双方向であることも実施の形態による特徴的な動作である。例えば車両に搭載されているGPSアンテナ605のGPS信号や車体信号605が携帯ゲーム機2に与えられるので、携帯ゲーム機2の内部だけで完結する位置予測に比して予測精度の向上が期待される。
【0039】
ところで、この実施の形態の場合、車載接続装置100に接続した後の携帯ゲーム機2は、図2に示したように筐体の一部がスロット152に埋まったような状態になる。このため、携帯ゲーム機2の筐体本体に配置されたスイッチが使い難くなる。このため、携帯ゲーム機2を車載接続装置100に接続した後は、表示地図の拡大縮小といった簡単なナビゲーション機能の制御は、リモコン入力装置607を通じて行う。
【0040】
すなわち、車載情報装置の側から携帯ゲーム機2を操作する。なお、リモコン入力装置607から送信された赤外線その他の制御信号は、入力装置端子107を通じて処理装置121に入力される。処理装置121では、先に受信している携帯機器識別信号と機能起動信号に基づいて携帯ゲーム機2に対して適切な制御信号を作成し、コントロール信号線131、コネクタ装置200を介して携帯ゲーム機2に送信する。
【0041】
以上が、複数のアプリケーション機能を搭載する携帯ゲーム機2が車載接続装置100に接続される場合における、車載情報装置、車載接続装置100、コネクタ装置200の間で実行される処理動作である。
【0042】
なお、車載接続装置100に接続される携帯機器が音楽再生機能のみを搭載する音楽プレーヤ1の場合には、コネクタ装置200に起動機能切替スイッチ202を搭載する必要はない。
【0043】
また、実際の使用状況では、携帯ゲーム機2のナビゲーション機能から音声ナビゲーション出力が車載接続装置100に出力されている状態で、携帯音楽プレーヤ1の音楽再生機能から音声出力が車載接続装置100に出力されている場合も考えられる。このような使用態様の場合、スピーカ603と接続する携帯機器を携帯音楽プレーヤ1又は携帯ゲーム機2のいずれか一方に限定することは好ましくない。従って、スピーカ603の信号線については、2つの携帯機器の音声出力が同時に入力されるように、リレースイッチ113の接続を切り替えるものとする。
【0044】
(A−3)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ装置200を用いれば、ユーザーは、携帯機器をコネクタ装置200に接続するだけで予め定めておいた携帯機器が実装する所望のアプリケーション機能を自動的に起動することができる。特に、携帯機器はユーザーが常に持ち運ぶもので、車両内だけで使用されるものでないため、事前に設定しておくだけで車両内での使用に望むアプリケーション機能が常に自動的に起動される機能は、ユーザーの使い勝手を向上する上で非常に効果的である。さらに、複数のアプリケーション機能を実行可能な例えば携帯電話機が車載接続装置100に接続された場合でも、所望のアプリケーション機能を携帯電話機で起動するのに必要なユーザーによる複数回の入力操作を不要にできる。
【0045】
また、本実施の形態に係る車載接続装置100を用いれば、接続された携帯機器と起動されたアプリケーション機能を自動的に識別して複数のリレースイッチの接続を最適な接続状態に切り替えることができる。しかも、その接続は、複数の車載情報装置と携帯機器との接続が自動的に最適化されることで、同様の接続を個別に設定する場合に比して設定に要する時間を短縮できる。しかも、ユーザーは、基本的に携帯機器を車載接続装置100やコネクタ装置200に接続する操作と、使用したいアプリケーション機能に対する操作だけで良いので、携帯機器を車両で簡単に使用したいとするユーザーのニーズを満たすことができる。
【0046】
また、ユーザーが所持する携帯機器を車載情報装置と協働して動作させることが簡単になることで、重複する機能を車両側から省くことも可能になる。
【0047】
(B)実施の形態2
この実施の形態においても、車載情報装置と車載接続装置100との接続構成や内部構成は実施の形態1と同じであるものとする。この実施の形態では、ケーブルスイッチ付きコネクタ装置210について説明する。
【0048】
(B−1)システム構成
図5に、この実施の形態で使用するケーブルスイッチ付きコネクタ装置210の概略構成を示す。なお、図5においては、実施の形態1に係るコネクタ200に内蔵されていた起動切替信号発生部201、起動機能切替スイッチ202、携帯機器識別信号発生部203の表記を省略しているが、これらのデバイスもケーブルスイッチ付きコネクタ装置210に内蔵されている。以下では、この実施の形態に係るコネクタ装置210に特有の構造と機能についてのみ説明する。
【0049】
図5に示すように、この実施の形態に係るコネクタ装置210は、携帯電話機3の信号端子と接続される接続端子220と、接続端子220が先端に取り付けられた引き出し式の信号線ケーブル211と、信号線ケーブル211を筐体内に収容するケーブル巻き取りリール214と、信号線ケーブル211のガイドとしてのパイプ212と、パイプ211を筐体に対して回転軸213を中心に左右両方向に回動自在に取り付ける取り付け機構と、パイプ212のうちケーブル巻取りリール214側の可動範囲内の両側に配置され、ユーザーによる携帯電話機3の引っ張りによって回動したパイプ212との接触を検出する一対の接触スイッチ215と、車載接続装置100の信号端子と接続される接続端子とで構成される。なお、接触スイッチ215の動作に必要な電力は、例えばコネクタ装置210の接続端子を通じて車載接続装置100から供給される。
【0050】
なお、信号線ケーブル211の一端は、ケーブル巻き取りリール214に固定されている。一方、信号線ケーブル211の他端は、接続端子220に固定されている。信号線ケーブル211は、接続端子220に接続された携帯電話機3をユーザーが引っ張ると、回転軸213により筐体に対して回動自在に取り付けられたパイプ212の内側を沿って引き出される。
【0051】
ただし、信号線ケーブル211は、適度なテンションによってケーブル巻き取りリール214側に引っ張られているので、ユーザーが携帯電話機1を引っ張る力を弱めると、信号線ケーブル211は、パイプ212の内側に沿うように移動してケーブル巻き取りリール214内に巻き取られている。
【0052】
(B−2)処理動作
初期位置において、信号線ケーブル211は、そのほとんどがケーブル巻き取りリール214内に巻き取られている。このとき、パイプ212は、図5に示すように、2つある接触スイッチ215のいずれか一方に傾くこともなく、それぞれとの距離がほぼ等しくなるように配置される。この初期位置は、一対の接触スイッチ215の両方でパイプ212の接触を検出しない状態として車載接続装置100の処理装置121に通知される。
【0053】
次に、操作例を説明する。図6は、ユーザーが携帯電話機3を初期位置よりも右側に引き出した場合の操作例である。例えば車両の運転者が左手401で携帯電話機3を掴んで引き寄せた場合に当たる。運転者による操作によって信号線ケーブル211が引き出されると、パイプ212は回転軸213を中心に時計回りに回転する。回転量が一定量を超えると、図6に示すように、パイプ212の筐体奥側の左側面は、図中左側に配置された接触スイッチ215に接触する。左側の接触スイッチ215は、この接触を通知する接触検知信号を発生する。
【0054】
車載接続装置100の処理装置121は、この接触検知信号に基づいて、携帯電話機3のユーザーが現在、どちらの座席に位置しているかを判定することができる。なお、実施の形態の場合には、この接触検知信号と車載情報装置から与えられる走行状態(走行、停止)の信号の組み合わせに基づいて、携帯電話機3と車載情報装置との協働動作の実行を制御する。例えば走行中の場合、処理装置121は、運転者からの携帯電話機3の操作入力を許可せず、助手席の同乗者からの携帯電話機3の操作入力だけを受け付ける。また例えば停止中の場合には、座席位置によらず、ユーザーによる携帯電話機3の操作入力を許可する。この制御の実行により、運転中のカーナビ操作を無効にすることができる。
【0055】
(B−3)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ装置210を用いれば、携帯機器の操作者が車両内の運転席側に位置するか助手席側に位置するかを車載接続装置100側で判定することが可能になる。この効果は、実施の形態1では得られなかった効果である。そして、車載情報装置から得られる車速情報等との組み合わせにより、運転者による走行中の携帯機器に対する操作入力を無効化することができる。
【0056】
また、一般に携帯機器はサイズが小さく、搭載されるディスプレイの面積も小さい。従って、巻き取り式の信号線ケーブル211を用いてコネクタ装置200側から携帯機器を引き出してから操作できることで、ユーザーの使い勝手が格段に向上する。例えば実施の形態1の場合であれば、小画面を確認しながらの操作が必要な場合、携帯機器とコネクタ装置200を一緒に又は携帯機器だけを取り外してから操作入力し、その後、接続し直す必要があった。一方、実施の形態2の場合には、操作のための着脱の必要もなく、操作入力の内容を即座に車両側に伝えることが可能になる。
【0057】
(C)実施の形態3
この実施の形態においても、車載情報装置と車載接続装置100との接続構成や内部構成は実施の形態1と同じであるものとする。この実施の形態では、関節機構付きコネクタ装置230について説明する。
【0058】
(C−1)システム構成
図7に、この実施の形態で使用する関節機構付きコネクタ装置230の概略構成を示す。なお、図7においては、実施の形態1に係るコネクタ200に内蔵されていた起動切替信号発生部201、起動機能切替スイッチ202、携帯機器識別信号発生部203の表記を省略しているが、これらのデバイスも関節機構付きコネクタ装置230に内蔵されている。以下では、この実施の形態に係るコネクタ装置230に特有の構造と機能についてのみ説明する。
【0059】
図7に示すように、この実施の形態に係るコネクタ装置230は、関節機構233によって回動自在、傾斜自在、押し込み動作可能に接続された2つの可動ブロック231、232で構成される。図7では、矢印によって関節機構233に対する回転(ねじり)と前後左右への傾け動作を表している。この実施の形態の場合、可動ブロック231に内蔵されたセンサ234が、関節機構233に加えられた回転方向、傾斜方向、それらの量、押し込み操作の有無などを検出する。なお、図7では、関節機構233とセンサ234を別々に表しているが、これらは一体構造であっても良い。なお、関節の姿勢情報は、操作情報としてセンサ234から不図示の接続端子を通じて車載接続装置100に通知される。なお、姿勢情報は、回転、傾き、押し込みの有無について個別の出力でも良いし、全ての可動要素の複合情報を出力しても良い。なお、可動ブロック231には接続端子235が配置される。
【0060】
(C−2)処理動作
まず、携帯ゲーム機2が初期位置にある場合の処理動作を説明する。このとき、携帯ゲーム機2は、コネクタ装置230を介して車載接続装置100に接続されている。車載接続装置100は車両に固定されている。同様に、可動ブロック232は、車載接続装置100に対して固定的に接続されている。従って、携帯ゲーム機2と接続された可動ブロック231側だけが関節機構233を介して可動できる状態にある。
【0061】
次に、携帯ゲーム機2をジョイスティックやシフトレバーのような操作子として使用し、その姿勢制御を通じて操作入力を行う場合について説明する。図8に、携帯ゲーム機2で起動されているアプリケーション機能と、回転等による姿勢制御に対応付ける動作との関係を示す。
【0062】
図8では、携帯ゲーム機2に搭載されるアプリケーション機能のうち車載情報装置との協働が考えられる3つのアプリケーション機能について例示している。すなわち、ナビゲーション機能、音楽再生機能、ラジオ機能の3つを例示している。これらアプリケーション機能を車両内で使用する場合に必要になる機能は、おおよそ図表右側に対応付けた動作であると考えられる。従って、これらの動作を、センサ234の検出結果に適当に割り振れば良い。
【0063】
図9には、実施の形態に係るコネクタ装置230を車両に搭載した状態での使用例を示す。この実施の形態の場合、リモートコントローラその他の別体の入力装置を用意しなくても、操作したいアプリケーション機能が起動している携帯ゲーム機2の姿勢を変えるという直感的な操作によって所望の操作を実現できる。また、図8に示した各アプリケーション機能に対し、相互に似通った制御には同じ姿勢変化を割り当てることでより、アプリケーション機能の切替に伴う戸惑いも少なくなり、ユーザーの使い勝手を高めることができる。
【0064】
(C−3)実施の形態の効果
以上説明したように、本実施の形態に係るコネクタ装置230を用いれば、回転(曲げ)、傾斜(ねじり)、押し込み等の操作入力が可能な関節型のスイッチ機構を操作の入力子として使用できる。結果的に、ユーザーは、シフトレバーを操作するのと同様の感覚で、操作したいアプリケーション機能が起動している携帯機器を掴んで動かすだけで、アプリケーション機能や車載情報装置に対する必要な指示を入力することができる。
【0065】
このことは、車載接続装置に接続された複数の携帯機器毎に個別の入力装置を用意する必要性や1つの入力機器を切り替えて使用する必要性を無くせることを意味する。また、操作入力の方法も、携帯機器の本体の姿勢を変更するという、大きな動きによって実現でき、誰にとっても分かり易い直感的な操作が可能である。特に車両の運転中においては、運転以外の操作に多くの注意を割くことができない。このため、操作画面やボタン類に注意しなくても操作できるコネクタ装置230は、ユーザーへの負担も少なく、使い勝手を向上させることができる。
【0066】
さらに、音量調節や地図の拡大縮小といった簡単な制御に対応する携帯機器の姿勢変更の動作を統一しておくことにより、携帯機器の変更のたびに異なる操作を覚える必要が少なくなる。結果的に、ユーザーの負担を減らし、使い勝手を向上させることができる。
【0067】
(D)その他
前述した実施の形態例の場合には、車載接続装置100と携帯機器との間にコネクタ装置200を挿入する場合を例示した。しかしながら、コネクタ装置200、210、230を使用せずに、車載接続装置100と携帯機器とを直接接続しても良い。また、コネクタ装置200、210、230を車載接続装置100内に一体的に配置しても良い。
【符号の説明】
【0068】
1…音楽プレーヤ、2…携帯ゲーム機、3…携帯電話機、100…車載接続装置、109、110…接続端子、125…プッシュスイッチ、131…コントロール信号線、132…データ線、151、152…スロット、200…コネクタ装置、201…起動切替信号発生部、202…起動機能切替スイッチ、203…携帯機器識別信号発生部、210…コネクタ装置、211…信号線ケーブル、212…パイプ、213…回転軸、214…信号線ケーブル巻き取りリール、215…接触スイッチ、230…コネクタ装置、231、232…ケース、233…関節機構、234…センサ、235…接続端子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載接続装置において、
複数の車載情報装置と接続される複数の第1のインターフェースと、
複数のアプリケーション機能を起動可能な携帯機器と直接又はコネクタ装置を介して接続される第2のインターフェースと、
前記複数の第1のインターフェースと前記第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替える複数のスイッチと、
前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御部と
を有する車載接続装置。
【請求項2】
複数の前記第2のインターフェースにそれぞれ携帯機器が接続されている場合、
前記制御部は、複数の携帯機器で起動されているアプリケーション機能の組み合わせに応じて、又は前記複数のスイッチの各接続を指定する信号に応じて、
前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載接続装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記携帯機器に対する制御信号を発生する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載接続装置。
【請求項4】
前記第2のインターフェースと携帯機器とがコネクタ装置を介して接続されている場合に、
前記制御部は、前記コネクタに接続された携帯機器を特定する情報又は前記コネクタに接続された携帯機器において起動されたアプリケーション機能を特定する情報を前記コネクタ装置より通知を受ける
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項5】
前記第2のインターフェースと携帯機器とがコネクタ装置を介して接続されている場合に、
前記コネクタ装置は、接続された携帯機器が有する複数のアプリケーション機能のうち起動させるアプリケーション機能を決定する機能選択入力部を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項6】
前記第2のインターフェースと携帯機器とがコネクタ装置を介して接続されており、かつ、前記コネクタ装置が関節機構を通じて可動可能に接続された複数の可動ブロックで構成される場合、
前記制御部は、利用者による前記携帯機器に対する姿勢の変更操作よる前記関節機構の姿勢変化に基づいて制御信号を発生する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項7】
前記携帯機器とコネクタ装置とが信号線ケーブルを介して接続されている場合、
前記制御部は、利用者の操作による前記信号線ケーブルの操作方向に応じた制御信号を発生する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項8】
車載接続装置と携帯機器とを接続するコネクタ装置において、
前記車載接続装置が、複数の車載情報装置と接続される複数の第1のインターフェース、複数のアプリケーション機能を起動可能な携帯機器と接続される第2のインターフェース、前記複数の第1のインターフェースと前記第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替える複数のスイッチ、前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御部を有する場合に、
携帯機器の接続時に、接続された携帯機器における特定のアプリケーション機能を起動させる制御信号を発生する起動切替信号発生部
を有するコネクタ装置。
【請求項9】
接続された携帯機器を特定する情報又は接続された携帯機器において起動されたアプリケーション機能を特定する情報を前記車載接続装置の前記制御部に対して通知する
ことを特徴とする請求項8に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
接続された携帯機器が有する複数のアプリケーション機能のうち起動させるアプリケーション機能を決定する起動機能切替スイッチを有する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
関節機構と、
前記関節機構を通じて可動可能に接続される複数の可動ブロックと、
ユーザーによる前記携帯機器の姿勢変更操作に起因した前記関節機構の姿勢変化を検出し、検出信号として出力するセンサと
を有することを特徴とする請求項8〜10に記載のコネクタ装置。
【請求項12】
前記第2のインターフェースが先端に取り付けられた信号線ケーブルと、
前記信号線ケーブルの筐体側の取り付け付近に配置され、ユーザーによる前記携帯機器の引っ張り方向を前記信号線ケーブルの張り出し方向を通じて検出するセンサと
を有することを特徴とする請求項8〜10に記載のコネクタ装置。
【請求項13】
複数の車載情報装置が搭載される車両において、
複数の車載情報装置と接続される複数の第1のインターフェースと、複数のアプリケーション機能を起動可能な携帯機器と接続される第2のインターフェースと、前記複数の第1のインターフェースと前記第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替える複数のスイッチと、前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御部とを有する車載接続装置
を有する車両。
【請求項14】
前記車載接続装置は、運転席と助手席との間に配置される
ことを特徴とする請求項13に記載の車両。
【請求項1】
車両に搭載される車載接続装置において、
複数の車載情報装置と接続される複数の第1のインターフェースと、
複数のアプリケーション機能を起動可能な携帯機器と直接又はコネクタ装置を介して接続される第2のインターフェースと、
前記複数の第1のインターフェースと前記第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替える複数のスイッチと、
前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御部と
を有する車載接続装置。
【請求項2】
複数の前記第2のインターフェースにそれぞれ携帯機器が接続されている場合、
前記制御部は、複数の携帯機器で起動されているアプリケーション機能の組み合わせに応じて、又は前記複数のスイッチの各接続を指定する信号に応じて、
前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の車載接続装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記携帯機器に対する制御信号を発生する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載接続装置。
【請求項4】
前記第2のインターフェースと携帯機器とがコネクタ装置を介して接続されている場合に、
前記制御部は、前記コネクタに接続された携帯機器を特定する情報又は前記コネクタに接続された携帯機器において起動されたアプリケーション機能を特定する情報を前記コネクタ装置より通知を受ける
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項5】
前記第2のインターフェースと携帯機器とがコネクタ装置を介して接続されている場合に、
前記コネクタ装置は、接続された携帯機器が有する複数のアプリケーション機能のうち起動させるアプリケーション機能を決定する機能選択入力部を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項6】
前記第2のインターフェースと携帯機器とがコネクタ装置を介して接続されており、かつ、前記コネクタ装置が関節機構を通じて可動可能に接続された複数の可動ブロックで構成される場合、
前記制御部は、利用者による前記携帯機器に対する姿勢の変更操作よる前記関節機構の姿勢変化に基づいて制御信号を発生する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項7】
前記携帯機器とコネクタ装置とが信号線ケーブルを介して接続されている場合、
前記制御部は、利用者の操作による前記信号線ケーブルの操作方向に応じた制御信号を発生する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載接続装置。
【請求項8】
車載接続装置と携帯機器とを接続するコネクタ装置において、
前記車載接続装置が、複数の車載情報装置と接続される複数の第1のインターフェース、複数のアプリケーション機能を起動可能な携帯機器と接続される第2のインターフェース、前記複数の第1のインターフェースと前記第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替える複数のスイッチ、前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御部を有する場合に、
携帯機器の接続時に、接続された携帯機器における特定のアプリケーション機能を起動させる制御信号を発生する起動切替信号発生部
を有するコネクタ装置。
【請求項9】
接続された携帯機器を特定する情報又は接続された携帯機器において起動されたアプリケーション機能を特定する情報を前記車載接続装置の前記制御部に対して通知する
ことを特徴とする請求項8に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
接続された携帯機器が有する複数のアプリケーション機能のうち起動させるアプリケーション機能を決定する起動機能切替スイッチを有する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
関節機構と、
前記関節機構を通じて可動可能に接続される複数の可動ブロックと、
ユーザーによる前記携帯機器の姿勢変更操作に起因した前記関節機構の姿勢変化を検出し、検出信号として出力するセンサと
を有することを特徴とする請求項8〜10に記載のコネクタ装置。
【請求項12】
前記第2のインターフェースが先端に取り付けられた信号線ケーブルと、
前記信号線ケーブルの筐体側の取り付け付近に配置され、ユーザーによる前記携帯機器の引っ張り方向を前記信号線ケーブルの張り出し方向を通じて検出するセンサと
を有することを特徴とする請求項8〜10に記載のコネクタ装置。
【請求項13】
複数の車載情報装置が搭載される車両において、
複数の車載情報装置と接続される複数の第1のインターフェースと、複数のアプリケーション機能を起動可能な携帯機器と接続される第2のインターフェースと、前記複数の第1のインターフェースと前記第2のインターフェースの対応する信号線間の接続を切り替える複数のスイッチと、前記第2のインターフェースに接続された携帯機器において起動されているアプリケーション機能に応じ、前記複数のスイッチの各接続を自動的に変更する制御部とを有する車載接続装置
を有する車両。
【請求項14】
前記車載接続装置は、運転席と助手席との間に配置される
ことを特徴とする請求項13に記載の車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−29906(P2011−29906A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173276(P2009−173276)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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