説明

車載用電子機器

【課題】 経路案内情報を取得し、シートベルトの着用忘れを報知することで、使い勝手や操作性を良くすること。
【解決手段】 車両情報を取得する車両通信部9、およびナビゲーション部13との通信を行う通信部10と、この通信部10に接続された制御部12と、この制御部12に接続されたユーザへ報知を行う報知部11とを備え、制御部12は、通信部10から車両通信部9を介して、シートベルト非着用状態を取得し、かつナビゲーション部13から経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことを取得すれば、制御部12は、報知部11にシートベルトに関する報知をさせる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートベルトの着用忘れを報知する車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種車載用電子機器の構成は以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、車両情報を取得する車両通信部、およびナビゲーション部との通信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ報知を行う報知部とを備え、制御部は、通信部から車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得し、高速道路へ進行する際に報知部にシートベルトに関する報知をさせる構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−221806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、シートベルトを自身で着用可能な乗員を想定しているため、使い勝手が良くなかった。
【0006】
すなわち、後席に座る子供などシートベルトを1人で着用できない乗員の場合、高速道路へ進行する直前にシートベルト着用の警告がなされたとしても運転者以外に補助する乗員がいなければ、その子供にシートベルトの着用をさせることができず、使い勝手が良くなかった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、使い勝手を良くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、車両情報を取得する車両通信部、およびナビゲーション部との通信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ報知を行う報知部とを備え、制御部は、通信部から車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得し、かつナビゲーション部から経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことを取得すれば、制御部は、報知部にシートベルトに関する報知をさせる構成とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両情報を取得する車両通信部、およびナビゲーション部との通信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ報知を行う報知部とを備え、制御部は、通信部から車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得し、かつナビゲーション部から経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことを取得すれば、制御部は、報知部にシートベルトに関する報知をさせる構成としたので、使い勝手や操作性を良くすることができる。
【0010】
すなわち、高速道路入口から予め設定した距離手前において、シートベルト着用を促す報知を行うので、運転者は、その近辺において停車する場所を探すことができる。したが
って、高速道路に進行する前に運転者がその他の乗員のシートベルト着用の補助をすることができ、非常に使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態にかかる自動車の車内を模式的に示した図
【図2】同車載用電子機器の正面図
【図3】同車載用電子機器の構成を示すブロック図
【図4】同車載用電子機器の処理フローを説明するフローチャート
【図5】同車載用電子機器の報知例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態における車載用電子機器について図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態を説明するための自動車のコクピットを、図2は車載用電子機器2の正面図を、図3は車載用電子機器2の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1において、ステアリング1の左側にある車載用電子機器2は、操作パネル部3を前面に設け、自動車のコンソール部4に対して固定設置されている。
【0015】
図2に示すように、車載用電子機器2は、本体ケース5と、この本体ケース5の表面側に設けたディスプレイ6と、このディスプレイ6の下方にボタン類で構成される操作部7とを有する。なお、ディスプレイ6は、液晶パネルを用いることが好ましく、このディスプレイ6が報知部の一例である。
【0016】
図3は、車載用電子機器2の構成を示すブロック図である。
【0017】
車載用電子機器2は、車両8の車両通信部9を介して、シートベルトの着用状態などの各種情報を取得する通信部10と、ディスプレイ6に代表されるユーザへ情報を報知する報知部11と、通信部10および報知部11に接続された制御部12を有する。
【0018】
また、通信部10は、出発地から目的地への経路案内を行うナビゲーション部13とも接続され、このナビゲーション部13から経路案内に関する情報を取得する。
【0019】
また、車両通信部9は、車両8のECU14を介して、シートベルト15の着用状態やドア16の開閉情報など各種車両情報を通信部10へと送る。
【0020】
以上の構成において、図4のフローチャートを用いて、シートベルト15の着用を促す報知を行う処理手順について説明する。
【0021】
まず、ステアリング1近傍などに設けられたシートベルト15の着用を促す機能を働かせるスイッチを操作すると、処理を開始する。
【0022】
次に、制御部12は、ナビゲーション部13に経路案内中であるかを確認する(ステップS1)。経路案内を実施していなければ処理を終了する。一方、経路案内を実施していれば、ステップS2へ進む。
【0023】
ステップS2では、制御部12は、経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことをナビゲーション部13から取得すると、ステップS3へ進む。
【0024】
なお、一般道路から高速道路料金所へと繋がる分岐を通過すると、停車する場所がないことが多い。したがって、運転者がその他の乗員のシートベルト着用の補助をするためには、停車する場所が必要であるので、一般道路から高速道路料金所へと繋がる分岐より手前の地点となるように設定することが好ましい。
【0025】
ステップS3では、制御部12は、車両通信部9を介して通信部10がシートベルト15の非着用状態を取得すると(ステップS3:No)、シートベルト15の着用を促す報知を報知部11へ指示する(ステップS4)。この時の具体的な報知状態を図5に示す。図5では、ディスプレイ6にテキストを表示することで報知を行う様子を示しているが、音声、光などでもよいことは言うまでも無い。また、シートベルト15を着用していれば(ステップS3:Yse)、処理を終了する。なお、シートベルト15の着用の有無確認をフローの最初に行い、シートベルト15を着用していれば、処理を終了するフローとしてもよい。
【0026】
次に、制御部12は、ナビゲーション部13にシートベルト15が非着用状態であることを通知する(ステップS5)。そして、ナビゲーション部13は、経路案内の経路探索条件を一般道路優先に変更する。
【0027】
また、ナビゲーション部13は、安全に停車可能な地点が現在地周辺に存在しないか探索を行い、近くに存在すれば、制御部12へその情報を伝える。制御部12は、その情報を報知部11からユーザへ伝える。
【0028】
以上のように、本実施形態によれば、車両情報を取得する車両通信部、およびナビゲーション部との通信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ報知を行う報知部とを備え、制御部は、通信部から車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得し、かつナビゲーション部から経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことを取得すれば、制御部は、報知部にシートベルトに関する報知をさせる構成としたので、使い勝手や操作性を良くすることができる。
【0029】
すなわち、高速道路入口から予め設定した距離手前において、シートベルト着用を促す報知を行うので、運転者は、その近辺において停車する場所を探すことができる。したがって、高速道路に進行する前に運転者がその他の乗員のシートベルト着用の補助をすることができ、非常に使い勝手の良いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、車両情報を取得する車両通信部、およびナビゲーション部との通信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ報知を行う報知部とを備え、制御部は、通信部から車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得し、かつナビゲーション部から経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことを取得すれば、制御部は、報知部にシートベルトに関する報知をさせる構成としたので、使い勝手や操作性を良くすることができる。
【0031】
したがって、車載用として広く活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0032】
1 ステアリング
2 車載用電子機器
3 操作パネル部
4 コンソール部
5 本体ケース
6 ディスプレイ
7 操作部
8 車両
9 車両通信部
10 通信部
11 報知部
12 制御部
13 ナビゲーション部
14 ECU
15 シートベルト
16 ドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報を取得する車両通信部、およびナビゲーション部との通信を行う通信部と、この通信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたユーザへ報知を行う報知部とを備え、
前記制御部は、前記通信部から前記車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得し、かつ前記ナビゲーション部から経路上の高速道路入口から予め設定した距離手前に現在位置が到達したことを取得すれば、前記制御部は、前記報知部にシートベルトに関する報知をさせる車載用電子機器。
【請求項2】
前記シートベルト非着用状態は、後部座席に関する内容である請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記ナビゲーション部から一般道路から高速道路料金所へと繋がる分岐より手前に現在位置が到達したことを取得すれば、前記報知部にシートベルトに関する報知をさせる請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記報知部による報知後においても、前記通信部から前記車両通信部を介して、シートベルト非着用状態を取得すれば、前記ナビゲーション部に一般道路優先で経路案内をするよう指示する請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記ナビゲーション部から取得した安全に停車可能な地点を、前記報知部から報知する請求項1に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−208056(P2012−208056A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75052(P2011−75052)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】