説明

車輌用空調システム、およびこのシステムの運転モードに応じた実行プロセス

【課題】 電気自動車やハイブリッド自動車に装備する空調システムにおいて、車両前方のフロントガラスや窓枠を曇らせることなく、空調システムが他のモードへ切り替わることができるようにすることができる空調システムを提供する。
【解決手段】 車輌用の空調システム(1)は、空気流(2)の循環を導く換気・暖房・空調装置(3)と、内部に冷媒(FR)循環させる空調ループ(7)と、内部に熱媒(FC)循環させる第2の空調ループ(13)とを有し、第2のループ(13)および空調ループ(7)はともに、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器(12)を有しており、第2のループ(13)は、前記装置(3)の内部に配置されるラジエータ(29)を備え、空調ループ(7)は、少なくとも、減圧器(15,16)と、コンプレッサ(8)と、四方弁(9)と、冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器(14)と、前記装置(3)の内部に配置された熱交換器(11)とを備え、四方弁(19)は、第1のチャネル(24)と、第2のチャネル(25)と、第3のチャネル(26)と、第4のチャネル(27)とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気車輌またはハイブリッド車輌用の換気・暖房・空調装置の分野に関する。また本発明は、前記換気・暖房・空調装置と協働する空調システムを提供することを目的とする。さらに本発明は、運転モードに応じて、上記システムを実施するためのプロセスを提供することを目的としている。
【背景技術】
【0002】
電気車輌、または推進力の少なくとも一部が、電気モーターにより分担されるハイブリッド車輌は、通常、換気空調装置や空調システムを備えており、これにより、車輌の乗員室内の空気の流動・熱状態を変化させるようになっている。この流動・熱状態の変化は、空気流を乗員室内に送出することにより開始される。
【0003】
空調システムは、換気・暖房・空調装置を有し、この装置は、主としてプラスチック製のハウジング内に配置され、車輌の計器パネルの下に設置される。このハウジングは、空気流の循環を、乗員室内部に向けて供給されるように導くことになる。この目的のため、ハウジングは、少なくともデフロスタ排気口を備え、曇り・霜などを除去するため、空気流を車輌のフロントガラスや前パネルの方に供給するようになっている。
【0004】
この空調システムは、その内部に、冷媒を循環させる空調ループと、その内部に熱媒を循環させる第2のループとを有している。冷媒/熱媒間の第1の熱交換器は、空調ループ内および第2のループ内に同時に構成され、冷媒と熱媒との間で熱を交換することができる。例えば、特許文献1(米国特許出願公開公報2002/0036080(イトウら))には、このタイプのシステムが記載されている。
【0005】
空調ループは、流体冷却を圧縮するためのコンプレッサと、四方弁と、熱を冷媒に移動することにより比較的安定な圧力で冷媒の冷却を可能にする冷媒/熱媒間の第1の熱交換器と、冷媒の減圧を可能にするための、少なくとも1つの減圧器と、冷媒と車輌内の周囲の空気等の雰囲気との間の熱移動を可能にする冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器とを備えている。また、空調ループは、ハウジング内に配置される熱交換器を有することにより、熱交換器内を流れる空気流とアキュムレータ内の冷媒との間の熱移動を行わせ、コンプレッサー内に流動状態の中に冷媒が侵入することが防止される。
【0006】
第2のループは、熱媒を循環させるポンプと、熱媒が冷媒から熱を回復できるようにする冷媒/熱媒間の第1の熱交換器と、熱媒が熱を空気流へ移動するよう装置内部に配置されるラジエータとを備えている
ラジエータは、ラジエータを通る空気流の通行遮断の切り替えを行うためのシャッターを備えている。
【0007】
この空調システムは、熱媒/雰囲気用の第2の熱交換器のデフロストを行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開2002/0036080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されている空調システムにおいては、乗員室内部へ空気を供給する前に空気を加熱・冷却するために、それぞれ必要な加熱モード・空調モードにおいて、この空調システムは効率よく機能しないという問題がある。
より詳しくは、この空調システムは、効率よく、加熱モードと空調モードとを交互に繰り返すことに対応していないという問題があった。
さらに詳しくは、この空調システムは、例えば空調システムが別のモードへ切り替わるプロセスの時点で、フロントガラスや窓枠を曇らせることなく、空気流を供給することができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、電気自動車やハイブリッド自動車に装備される空調システムを提案することにあり、特に、少なくとも加熱モードおよび空調モードにおいて、車両前方のフロントガラスや窓枠を曇らせることなく、空調システムが他のモードへ切り替わることができるようにすることができる空調システムを提供することにある。本発明の他の目的は、可能な限り、最も効率よく空気流を加熱することができる空調システムを提案することにある。
【0011】
本発明の空調のシステムは、換気・暖房・空調装置を有し、空気の流動の循環を導く、車輌用の空調のシステムである。この空調システムは、内部に冷媒FRが循環する空調ループを有し、この空調ループは、熱力学サイクルを実現する閉路を形成する。また、この空調のシステムは、内部に熱媒FCが循環する第2のループを有している。第2のループおよび空調ループは、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器を共有している。第2のループは、前記換気・暖房・空調装置内に配置されたラジエータを備えている。空調ループは少なくとも、減圧器と、コンプレッサーと、四方弁と冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器と、前記換気・暖房・空調装置内に配置された熱交換器とを有している。四方弁は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器から、コンプレッサーの方へ冷媒FRを循環させる第1のチャネルを有している。四方弁は、空気流に対する第1の加熱モードにおいて、コンプレッサーから熱交換器の方へ冷媒FRを循環させる第2のチャネルを有している。四方弁は、コンプレッサーから冷媒/熱媒間の第1の熱交換器の方へ冷媒FRを循環させる第3のチャネルを有し、また、四方弁は、空気流加熱の第2のモードにおいて、熱冷却/雰囲気の第2の熱交換器からコンプレッサーの方へ冷媒FRを循環させる、第4のチャネルを有している。
【0012】
第1,第2,第3,および第4の各チャネルは、四方弁内における流体冷却の循環の流路である。
【0013】
第1の減圧器を、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器と、冷媒/雰囲気の第2の熱交換器との間に介在させることが好ましい。
【0014】
冷媒−熱媒間の第1の熱交換器と、第1の減圧器と、冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器とは、直接に空調ループ上に直列に配置され、すなわち、これらを接続するダクト以外の他の中間部品の必要が無い。したがって、第1の迂回装置の入口は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器と第1の減圧器との間に接続され、第1の迂回装置の出口は、この減圧器と冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器との間に接続される。
【0015】
第1の減圧器は、第1の迂回装置と対応していることが好ましい。
【0016】
第2の減圧器は、冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器と熱交換器の間に配置されていることが好ましい。
【0017】
第2の迂回装置は、第2の減圧器とおよび熱交換器と並列に配置され、これらに直接に並列に接続されていることが好ましい。したがって、第2の迂回装置の入口は、(図2の冷媒の循環の方向を基準に)第2の減圧器のすぐ上流に配置され、第2の迂回装置の出口は、換気・暖房・空調装置の内部に配置される熱交換器の出口のすぐ下流に配置される。
【0018】
コンプレッサーは、空調のループの上の、四方弁の冷媒FRの出口と、四方弁の冷媒FRの入口との間で配置されることが好ましい。
【0019】
コンプレッサーは、空調のループ上のコンプレッサと冷媒FRの出口との間に配置されるアキュムレーターに関連していることが好ましい。
【0020】
第2のループは、ポンプと、熱媒の交換部/補助的電気手段を有していることが好ましい。
【0021】
補助的電気手段は、例えば電気モーターや電源ボックス、バッテリー等である。
【0022】
ラジエータは、少なくとも、前述の装置内部で循環する空気流の混合シャッターを備えていることが好ましい。
【0023】
前記のシステムは、第1のチャネル、第2のチャネル、第3のチャネル、第4のチャネル、第1の迂回装置、第2の迂回装置、ポンプおよび混合手段に対する実行命令を行う手段を備えていることが好ましい。
【0024】
この実行命令を行う手段は、雰囲気Aの測定温度Taと第1の閾値温度Ts1との差Dという相対的な情報に依存して動作することが好ましい。
【0025】
この空調システムを実行するためのプロセスは、主に、次の工程を有している。差異Dが負またはゼロの場合に動作する、空気流の加熱の第1のモード、および、差異Dが正の場合に動作する、空気流の加熱の第2のモード。
【0026】
より詳細には、加熱の第1のモードは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを開ける工程と、第3のチャネルおよび第4のチャネルを閉じる工程と、第1の迂回装置を開ける工程と、第2の迂回装置を閉じる工程と、混合器のシャッターを閉じた位置に置く工程と、ポンプを停止する工程とを有している。
【0027】
また、より詳細には、加熱の第2のモードは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを閉じる工程と、第3のチャネルおよび第4のチャネルを開ける工程と、第1の迂回装置を閉じる工程と、第2の迂回装置を開ける工程と、混合器のシャッターを開いた位置にする工程と、ポンプを作動させる工程とを有している。
【0028】
また、より詳しくは、このプロセスは第1の除湿モードを有し、この第1の除湿モードは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを閉じる工程と、第3のチャネルおよび第4のチャネルを開ける工程と、第1の迂回装置を開ける工程と、第2の迂回装置を閉じる工程と、混合器のシャッターを開いた位置にする工程と、ポンプを動作させる工程とを有している。
【0029】
また、より詳細には、このプロセスは第2の除湿モードを有し、この第2の除湿モードは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを閉じる工程と、第3のチャネルおよび第4のチャネルを開ける工程と、第1の迂回装置を閉じる工程と、第2の迂回装置を開ける工程と、混合器のシャッターを開いた位置にする工程と、ポンプを動作させる工程とを有している。
【0030】
また、より詳細には、このプロセスは空調モードを有し、この空調モードは、第1のチャネルおよび第2のチャネルを閉じる工程と、第3のチャネルおよび第4のチャネルを開ける工程と、第1の迂回装置を開ける工程と、第2の迂回装置を閉じる工程と、混合器のシャッターを閉じた位置にする工程と、ポンプを停止する工程とを有している。
【0031】
空調モードで空調システムを運転する設定の後、プロセスは、時間Tの間に、第1の加熱モードに従った空調システムの運転の設定が禁止され、かつ第2の加熱モードに従った空調システムの運転の設定が許可されることが好ましい。
【0032】
本発明は、添付の図面を参照して説明する好適な具体例により、より良く理解しうると思う。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に従ったそれぞれのモードにおける空調のシステムの構成図である。
【図2】本発明に従ったそれぞれのモードにおける空調のシステムの構成図である。
【図3】本発明に従ったそれぞれのモードにおける空調のシステムの構成図である。
【図4】本発明に従ったそれぞれのモードにおける空調のシステムの構成図である。
【図5】本発明に従ったそれぞれのモードにおける空調のシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
各図に示す通り、車輌は、車輌の乗員室内の空気の流動・熱状態を変化させる空調システム1を備えている。この状態の変化は、少なくとも、空気流2が乗員室の内部へ供給されることにより開始される。この目的のため、空調システム1は、主にプラスチック製であるハウジング内に格納される換気・暖房・空調装置3を有している。換気・暖房・空調装置3は、車輌の計器パネルの下に配置され、空気流2の循環を導く。この装置3は、少なくとも吸気口5から、少なくともハウジングの空気供給口6の方へ空気流2を循環させるブロア4を有している。この空気供給口6は特に、デフロスタ空気口であり、車輌の前方のフロントガラスや枠の方へ空気流2を供給する。
【0035】
空調システム1は、その内部に、R744として知られる二酸化炭素等の冷媒FRを循環させる空調ループ7を有している。空調7のループは、ガス状態の冷媒FRを圧縮するためのコンプレッサー8を備え、また、流動状態の冷媒FRのコンプレッサー8内部への侵入を防止するアキュムレーター9を有している。アキュムレーター9は、空調7のループ上の、冷媒FRのコンプレッサー8およびアキュムレーター9の内部における循環10の方向を基準とした場合の、コンプレッサー8の上流側に、配置されている。また、空調ループ7は、装置3の内部に配置される熱交換器11を有している。熱交換器11は、装置3の内部を循環し熱交換器11とクロスする空気流2の温度を変化させる。また、空調ループ7は、冷媒FRが、第2のループ13の内部を循環する熱媒FCと熱交換できるようにする冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12を有している。そして、空調ループ7は、空調ループ7を加熱モードまたは空調モードに設定するための、四方弁19を有している。加熱モードでは、熱交換器11は、コンデンサのように機能し、クロスする空気流2を加熱するようにする。空調モードでは、熱交換器11は、蒸発器のように機能し、クロスする空気流2を冷却するようにする。
【0036】
また、空調システム1は、その内部に水とグリコールの混合物等の冷媒FCを循環させる第2のループ13を有している。第2のループ13は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12と、ポンプ28と、ラジエータ29とを有している。このラジエータは、装置3の内部における、装置3内部の空気流2の流れ30の方向を基準とした場合の熱交換器11の下流に配置されている。
【0037】
車輌を一日使用する間、例えば車輌の周囲の空気等の雰囲気の温度Taにおいて、暖房モードになり、次いで空調モードになり、再び暖房モードになるようなことが、空調システム1には頻繁に起こりうる。実際に、一日の初めに、雰囲気の温度が低い場合、すなわち、第1の閾値温度Ts1、例えば約5℃よりも低い場合、空調システム1を暖房モードにすることが望ましい。次いで、雰囲気の温度が上昇して、第2の閾値温度Ts2、例えば約20℃まで上昇した場合、空調システム1を空調モードにすることが望ましい。次いで、一日の終わりに、第1の温度Ts1閾値より低くなるまで、雰囲気の温度が降下した場合、空調システム1を暖房モードにすることが望ましい。
【0038】
空調モードでは、熱交換器11は蒸発器のように機能し、空気流2によって運ばれる水蒸気は、熱交換器11の外面S上に凝結するようになる。暖房モードに切り替えた時点で、次いで、熱交換器11はコンデンサのように機能し、熱交換器11の外面S上の凝結水が蒸発し、車輌の前方のフロントガラスや枠上で凝結するようになってしまう。本発明は、従来技術の空調システムにおけるこのような不利益に対して、熱交換器11により、および/またはラジエータ29により、空気流2を加熱し、次いで熱交換器11により空気流2を冷却し、次いでラジエータ29により空気流2を加熱し、熱交換器11により空気流2を加熱するよう構成される空調システム1を提案することにより、上記の問題を解決しようとするものである。したがって、本発明では、空調モードから暖房モードへの移行の時点で、時間Tの間、ラジエータ29により空気流2を加熱して、熱交換器11を乾燥させるよう、すなわち空気流2からその外部面S上にゆっくり水を凝縮させることを、優先して行い、次いで、時間Tが経過後、外面Sが凝縮水の無い熱交換器11により空気流2を加熱する。
【0039】
本発明の目的は、以下に記載する空調システム1により達成される。
【0040】
空調システム1の空調ループ7は、冷媒FRと雰囲気のAとの間での熱移動を可能にする冷媒/雰囲気の第2の熱交換器14を有している。冷媒/雰囲気の第2の熱交換器14は、車輌の前方に配置され、この熱移動を容易にする。また、空調ループ7は、2つの減圧器15,16を備え、これらの減圧器は、それぞれ、迂回装置または迂回弁17,18に関連している。迂回装置17,18は、関連する減圧器15,16内の冷媒FRの循環を、停止または開始させる。第1の迂回装置17に関連する第1の減圧器15は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12と冷媒/雰囲気の第2の熱交換器14との間に配置されている。第2の減圧器16は、冷媒/雰囲気14の第2の熱交換器と熱交換器11の間に配置されている。第2の迂回装置18は、第2の減圧器16と熱交換器と並列に配置されている。
【0041】
四方弁19は、冷媒FRを四方弁19内に導入するための冷媒FRの入口20と、冷媒FRを四方弁19から排出するための冷媒FRの出口21とを備えている。入口20は、コンプレッサー8に直接に接続された専用の入口であり、出口21は、アキュムレーター9直接に接続された専用の出口である。したがって、コンプレッサー8の出口では、全ての冷媒FRが、直接かつ必然的に入口20の方へ移動する。同様に、出口21への中間地点を通って四方弁19の外へ排出する際、全ての冷媒FRは、直接かつ必然的にアキュムレータ9の方へ移動する。
【0042】
また、四方弁19は、冷媒FRの第1の循環開口22と、冷媒FRの第2の循環開口23とを備えている。冷媒FRの第1の循環開口22は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12に直接に接続された専用の開口であり、冷媒FRの第2の循環開口23は、熱交換器11に直接に接続された専用の開口である。したがって、冷媒FRは、直接的に、かつ、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12と冷媒FRの第1の循環開口22との間を、全体的に循環している。冷媒FRは、直接的に、かつ、熱交換器11と冷媒FRの第2の循環開口23との間を、全体的に循環している。換言すれば、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12と冷媒FRの第1の循環開口22との間にも、熱交換器11と冷媒FRの第2の循環開口23との間にも、分枝は存在しない。
【0043】
図1に示すように、四方弁19は、第1の循環開口22から出口21の方へ冷媒FRを循環させる第1のチャネル24と、入口20から第2の循環開口23の方へ冷媒FRを循環させる第2のチャネル25とを備えている。
【0044】
図2および図5に示すように、四方弁19は、入口20から第1の循環開口22の方へ冷媒FRを循環させる第3のチャネル26と、第2の循環開口23から出口21の方へ冷媒FRを循環させる第4のチャネル27とを備えている。
【0045】
第2のループ13のラジエータ29は、図1および図5に図示され、空気流2がラジエータ29を通過させない閉の位置と、図2および図4に図示され、これを通過させる開の位置との間での操作が可能な少なくとも1つの空気混合シャッター31を備えている。また、第2のループ13は、冷媒/補助電気機器間の熱交換器を少なくとも有している。符号32は、冷媒/駆動系(すなわち例えば、電気車輌やハイブリッド車輌の、車輌を移動させる準備ができたエンジン等)間の熱交換器32を示している。他の電気補助機器としては、例えば、車輌のエンジンに関連するバッテリーや電気モータ33を挙げることができる。
【0046】
空調システム1は、冷媒/雰囲気の第2の熱交換器14を通過する雰囲気の空気Aの温度Taを計る温度ゲージ34を有している。センサー34は、ブロア4、第1の迂回装置17、第2の迂回装置18、第1のチャネル24、第2のチャネル25、第3のチャネル26、第4のチャネル27、ポンプ28および混合シャッター31のそれぞれに命令を行うための命令手段35に接続されている。命令手段35は、例えば、空調システム1の電子コントロールユニットにより構成されている。命令手段35は、特に、測定した雰囲気Aの温度Taを、第1の閾値温度Ts1および第2の閾値温度Ts2と比較するようになっている。より正確には、命令手段35は、雰囲気Aの測定温度Taと第1の閾値温度Ts1との間の差Dを計算することが可能である。この差Dの性質により、命令手段35は、空調システム1の制御下にある各要素を作動させるか否かを指示する。したがって、センサー34と命令手段35とは、協働して、空調システム1の運転の設定の制御手段36を構成し、この制御手段36は、図では点線で示されている。
【0047】
図1〜図5は、実線により、運転中、すなわち、その内部を冷媒FRが循環している状態での、空調システム1の各要素を示し、他方、点線により、運転していない状態、すなわち冷却流体FRが内部を循環していない状態での空調システム1の各要素を示している。
【0048】
図1は、雰囲気空気Aの温度Taが、温度Ts以下である場合に、第1の暖房モードで操作中の空調システム1を示す。この場合、差D=Ta−Tsは、負かゼロである。この構成により、本発明では、空気流2の加熱は、熱交換器11のみにより行い、ラジエータ29は、空気流2の熱にはかかわらないようにすることを提案する。第1の暖房モードは、空気流2が空調ループ7の要素、すなわち熱交換器によって直接加熱される暖房モードであり、したがって、<空気を>暖房するモードの第1の暖房モードということができる。
【0049】
この第1の暖房モードに従えば、第1のチャネル24および第2のチャネル25を用いて、四方弁19の内部に冷媒FRを循環させ、他方、第3のチャネル26および第4のチャネル27は作動させない。第1の迂回装置17を開けて、冷却流体FRが第1の減圧器15を迂回するようにし、他方で、第2の迂回装置18を閉じ、冷却流体FRが第2の減圧器16および熱交換器11を循環するようにする。混合シャッター31が閉の位置にありポンプ28は作動していないため、第2のループ13の内部では、冷媒FCは循環していない。ブロア4を作動させて、前述の装置3の内部に空気流2を循環させる。空調ループ7内では、冷媒FRは、コンプレッサ8から入口20の方へ循環し、次いで、第2のチャネル25を通り、第2の循環開口23の方へ循環し、熱交換器11に達する。この熱交換器11は、ガスのクーラーの作用をし、向流する空気流2を再加熱する。この方策では、例えば、空気流2が乗員室内に供給される前に加熱されると、空調ループ7は有益である。次いで、冷媒FRは熱交換器内を離れて、第2の減圧器16に達して、減圧される。そして、冷媒FRは、蒸発器として作用する冷媒/雰囲気の第2の熱交換器14の方へと進行する。冷媒FRは次いで、第1の迂回装置17により第1の減圧器15を迂回し、その後、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12を循環する。ポンプ28が作動していないため、冷媒FRと熱媒FCとの間の熱交換は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12では行われない。次いで冷媒FRは、第1の循環開口22の方へ循環し、第1のチャネル24を通過し、出口21に到る。そして、冷媒FRは、アキュムレータ9を通過して、コンプレッサ8に戻る。
【0050】
図2は、温度TaがTs温度より高い第2の暖房モードで運転される場合の空調システム1を示している。この場合、差D=Ta−Tsは、正である。この構成において、本発明では、空気流2の加熱は、ラジエータ29のみにより行い、熱交換器11は、空気流2の熱にはかかわらないようにすることを提案する。第2の暖房モードは、空気流2が空調ループ7の要素、すなわちラジエータ29によって直接加熱される暖房モードであり、したがって、<液体を>、すなわち主として水から成る熱媒FCを加熱するモードの第2の暖房モードということができる。
【0051】
第2の暖房モードによれば、第1のチャネル24および第2のチャネル25は動作せず、第3のチャネル26および第4のチャネル27は、四方弁19内部での冷媒FRの循環のために用いられる。第1の迂回装置17は閉じられ、冷媒FRは第1の減圧器15内部を循環し、他方、第2の迂回装置18が開き、冷媒FRは、第2の減圧器16および熱交換器11を迂回する。混合シャッター31が開の位置にあり、ポンプ28が作動することにより、熱媒FCが第2のループ13内を循環する。ブロア4が作動して、前述の装置3の内部で空気流2を循環させる。空調ループ7の内部では、冷媒FRは、コンプレッサ8から入口20の方へ循環し、次いで、第3のチャネル26を通って第1の循環開口22の方へと循環し、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12に到る。この第1の熱交換器は、ガスクーラーとして機能し、熱媒FCを加熱する。したがって、第2のループ13は、空調ループ7の近傍の熱を、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12によって移動させ、ラジエータ29により空気流2の方へ与える。さらに、冷媒/駆動系間の熱交換器32の近傍の熱を再生するよう、第2のループ13が配置される。次いで冷媒FRは、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12を離れ、第1の減圧器15に達して減圧される。そして、冷媒FRは、蒸発器として機能する冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器14の方へ進行する。次いで冷媒FRは、第2の迂回装置18により第2の減圧器16および熱交換器11を迂回し、次いで第2の循環開口23に至り、第4のチャネル27を通過し、出口21に到る。そして、冷媒FRは、アキュムレータ9を通り、コンプレッサ8に戻る。
【0052】
図3は、第1の除湿モードに従って運転される空調システム1を示す。この構成では、第1のチャネル24および第2のチャネル25は作動せず、第3のチャネル26および第4のチャネル27は、冷媒FRを四方弁19内で循環させるために用いられる。第1の迂回装置17を開けて、冷媒FRが第1の減圧器15を迂回するようにし、第2の迂回装置18を閉じて、冷媒FRが第2の減圧器16および熱交換器1の内部を循環するようにする。混合シャッター31を開の位置として、ポンプ28を作動させることにより、熱媒FCが、第2のループ13内を循環するようになる。ブロア4を作動させて、前述の装置3の内部で空気流2を循環させる。空調ループ7の内部では、冷媒FRは、コンプレッサ8から入口20の方へ循環し、次いで第3のチャネル26を通り、第1の循環開口22の方へ循環し、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12に到る。第1の熱交換器12は、熱媒FCを加熱するガスクーラーとして機能する。図2に示されている構成と同様に、空調ループ7が、乗員室内への空気流2の供給の前にこれを加熱することは有益であり、また、第2のループ13は、流体冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12および冷媒/駆動系間の熱交換器32の近傍の熱を回収することにより、ラジエータ29が空気流2を加熱するのに貢献している。次いで冷媒FRは、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12を離れ、第1の減圧器15を迂回することにより、第1の迂回装置17内を循環する。そして、冷媒FRは、雰囲気空気Aの加熱により、ガスクーラーとして機能する冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器14の方へ進行する。次いで冷媒FRは、第2の減圧器16に至り、そこで減圧され、蒸発器として機能する熱交換器11に到る。これらの工程では、熱交換器11によって、空気流2を先に冷却および除湿し、ラジエータ29での空気流2を加熱する。次いで、冷媒FRは、第2の循環開口23に至り、第4のチャネル27を通って、出口21に到る。そして、冷媒FRは、アキュムレータ9を通り、コンプレッサ8に戻る。
【0053】
図4は、第2の除湿モードに従って運転される空調システム1を示す。この構成では、第1のチャネル24および第2のチャネル25は作動せず、第3のチャネル26および第4のチャネル27は、冷媒FRを四方弁19内で循環させるために用いられる。第1の迂回装置17を閉じて、冷媒FRが第1の減圧器15内を循環するようにし、第2の迂回装置18も閉じて、冷媒FRが第2の減圧器16および熱交換器11の内部を循環するようにする。混合シャッター31を開の位置にして、ポンプ28を作動させることにより、熱媒FCが、第2のループ13内を循環するようになる。ブロア4を作動させて、前述の装置3の内部で空気流2を循環させる。空調ループ7内では、冷媒FRは、コンプレッサ8から入口20の方へ循環し、次いで第3のチャネル26を通って第1の循環開口22の方へ循環し、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12に到る。第1の熱交換器12は、熱媒FCを加熱するガスクーラーとして機能する。図2および図3に示されている構成と同様に、空調ループ7が、乗員室内への空気流2の供給の前にこれを加熱することは有益であり、また、第2のループ13は、冷媒/駆動系間の熱交換器32および冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12の近傍の熱を回収することにより、ラジエータ29が空気流2を加熱するように貢献している。次いで冷媒FRは、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12を離れ、第1の減圧器15内を通り、そこで第1の減圧がなされる。そして、冷媒FRは、雰囲気空気Aを冷却することにより、蒸発器として機能する冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器14の方へ進行する。次いで冷媒FRは、第2の減圧器16に至り、そこで第2の減圧がなされ、蒸発器として機能する熱交換器11に到る。したがって、第1の減圧と第2の減圧との一方と他方とを関連付けて制御することが可能である。これらの工程では、ラジエータ29で空気流2を暖める前に、空気流2を熱交換器11の中で冷却および除湿する。その後、冷媒FRは第2の循環開口23に至り、第4のチャネル27を通過して、出口21に到る。そして、冷媒FRは、アキュムレータ9を通り、コンプレッサ8に戻る。
【0054】
図5は、空調モードに従って運転される空調システム1を示す。この構成では、第1のチャネル24および第2のチャネル25は作動せず、第3のチャネル26および第4のチャネル27は、冷媒FRを四方弁19内で循環させるために用いられる。第1の迂回装置17を開けて、冷媒FRが第1の減圧器15を迂回するようにし、第2の迂回装置18を閉じて、冷媒FRが第2の減圧器16および熱交換器11の内部を循環するようにする。混合シャッター31を閉の位置にして、ポンプ28を作動させないことにより、熱媒FCを第2のループ13内を循環させない。ブロア4を作動させて、前述の装置3の内部で空気流2を循環させる。空調ループ7内では、冷媒FRは、コンプレッサ8から入口20の方へ循環し、次いで第3のチャネル26を通って第1の循環開口22の方へ循環し、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12に到る。ポンプ28を停止している設定であるため、第1の熱交換器12はほぼ停止している。次いで冷媒FRは、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器12を離れ、第1の減圧器15を迂回し、第1の迂回装置17内を循環する。そして、冷媒FRは、雰囲気空気Aを加熱することにより、ガスクーラーとして機能する冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器14の方へ進行する。次いで冷媒FRは、第2の減圧器16に至り、そこで減圧され、蒸発器として機能する熱交換器11に到る。これらの工程では、熱交換器11の中で、空気流2は冷却および除湿される。その後、冷媒FRは第2の循環開口23に至り、第4のチャネル27を通過して、出口21に到る。そして、冷媒FRは、アキュムレータ9を通り、コンプレッサ8に戻る。
【0055】
総括すれば、本発明の空調システム1は、最も満足と思われる方法で、暖房モード、除湿モードおよび空調モードで運転することが可能であり、とりわけ、雰囲気空気Aの温度Taを第1の温度Ts1閾値と比較して、第1の暖房モードおよび第2の暖房モードを区別することによって実現される。
【0056】
また、上記で説明したように、空調システム1を空調モードで運転する設定の後、空調システムの運転において、空気を加熱する第1の暖房モードの操作の設定を禁止し、水を加熱する第2の暖房モードに特権を与えるようにすることができる。また、上記で説明したように、経過時間T、たとえば15分〜45分、好ましくは30分間、車輌の前方のフロントガラスや枠に、くもりが形成するのを防止することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 空調システム
2 空気流
3 換気・暖房・空調装置
4 ブロア
5 吸気口
6 空気供給口
7 空調ループ
8 コンプレッサ
9 アキュムレータ
10 循環方向
11 熱交換器
12 第1の熱交換器
13 第2のループ
14 第2の熱交換器
15 減圧器
16 減圧器
17 迂回装置
18 迂回装置
19 四方弁
20 冷媒入口
21 冷媒出口
22 第1の循環開口
23 第2の循環開口
24 第1のチャネル
25 第2のチャネル
26 第3のチャネル
27 第4のチャネル
28 ポンプ
29 ラジエータ
30 流れ方向
31 混合シャッター
32 冷媒/駆動系間の熱交換器
33 電気モータ
34 温度センサ
35 命令手段
FC 熱媒
FR 冷媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輌用の空調システム(1)であって、
空気流(2)の循環を導く換気・暖房・空調装置(3)と、
内部に冷媒(FR)循環させる空調ループ(7)と、
内部に熱媒(FC)循環させる第2の空調ループ(13)とを有し、
第2のループ(13)および空調ループ(7)は、ともに、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器(12)を有し、
第2のループ(13)は、前記装置(3)の内部に配置されるラジエータ(29)を備え、
空調ループ(7)は、少なくとも、減圧器(15,16)と、コンプレッサ(8)と、四方弁(9)と、冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器(14)と、前記装置(3)の内部に配置される熱交換器(11)とを備え、
四方弁(19)は、冷媒/熱媒間の第1の熱交換器(12)からコンプレッサ(8)の方へ冷媒(FR)を循環させる第1のチャネル(24)と、空気流(2)の第1の暖房モードでは、コンプレッサ(8)から熱交換器(1)の方へ冷媒(FR)を循環させる第2のチャネル(25)とを有し、
四方弁(19)は、コンプレッサ(8)から冷媒/熱媒間の第1の熱交換器(12)の方へ冷媒(FR)を循環させる第3のチャネル(26)と、空気流(2)の第2の暖房モードで、冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器(14)からコンプレッサ(8)の方へ冷媒(FR)を循環させる第4のチャネル(27)とを有していることを特徴とする空調システム(1)。
【請求項2】
冷媒/熱媒間の第1の熱交換器(12)と冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器(14)との間に、第1の減圧器(15)が配置されている請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
冷媒/熱媒間の第1の熱交換器(12)と、第1の減圧器(15)と、冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器(14)とが、空調ループ(7)内で直接に直列に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
【請求項4】
第1の減圧器(15)は、第1の迂回装置(17)と関連していることを特徴とする請求項2または3に記載の空調システム(1)。
【請求項5】
冷媒/雰囲気間の第2の熱交換器(14)と熱交換器(11)との間に、第2の減圧器(15)が配置されている請求項1〜4のいずれかに記載の空調システム(1)。
【請求項6】
第2の迂回装置(18)は、第2の減圧器(16)および熱交換器(11)に並列に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の空調システム(1)。
【請求項7】
コンプレッサ(8)は、空調ループ(7)上の四方弁(19)を備える冷媒(FR)の出口(21)と四方弁(19)を備える冷媒(FR)の入口(20)との間に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空調システム(1)。
【請求項8】
第2のループ(13)は、ポンプ(28)および冷媒/補助電気機器間の熱交換器(32)を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空調システム(1)。
【請求項9】
補助電気機器は、バッテリーまたは電気モータ(33)であることを特徴とする請求項8に記載の空調システム(1)。
【請求項10】
前記システム(1)は、第1のチャネル(24)と第2のチャネル(25)と第3のチャネル(26)と第4のチャネル(27)と第1の迂回装置(17)と第2の迂回装置(18)とポンプ(28)と混合シャッター(31)とに対して、運転の設定の命令を行う命令手段(35)を備えていることを特徴とする請求項3または5または8に記載の空調システム(1)。
【請求項11】
命令手段(35)の設定は、雰囲気空気「A」の測定温度「Ta」と第1の閾値温度Ts1との間の差Dの相対的な情報に基づいて行われることを特徴とする請求項10に記載の空調システム(1)。
【請求項12】
請求項11に従う空調システム(1)の運転の設定プロセスであって、
前記差Dが負またはゼロであるときの運転である空気流(2)の第1の暖房モードと、
前記差Dが正であるときの運転である空気流(2)の第2の暖房モードとを有することを特徴とする設定プロセス。
【請求項13】
前記第1の暖房モードは、第1のチャネル(24)および第2のチャネル(25)を開き、第3のチャネル(26)および第4のチャネル(27)を閉じ、第1の迂回装置(17)を開け、第2の迂回装置(18)を閉じ、ポンプ(28)を停止させることからなることを特徴とする請求項12に記載の設定プロセス。
【請求項14】
前記第2の暖房モードは、第1のチャネル(24)および第2のチャネル(25)を閉じ、第3のチャネル(26)および第4のチャネル(27)を開け、第1の迂回装置(17)を閉じ、第2の迂回装置(18)を開け、ポンプ(28)を作動させることからなることを特徴とする請求項12に記載の設定プロセス。
【請求項15】
前記プロセスは、第1の除湿モードを備え、前記第1の除湿モードは、第1のチャネル(24)および第2のチャネル(25)を閉じ、第3のチャネル(26)および第4のチャネル(27)を開け、第1の迂回装置(17)を開け、第2の迂回装置(18)を閉じ、ポンプ(28)を作動させることからなることを特徴とする請求項12に記載の設定プロセス。
【請求項16】
前記プロセスは第2の除湿モードを備え、前記第2の除湿モードは、第1のチャネル(24)および第2のチャネル(25)を閉じ、第3のチャネル(26)および第4のチャネル(27)を開け、第1の迂回装置(17)を閉じ、第2の迂回装置(18)を閉じ、ポンプ(28)を作動させることからなることを特徴とする請求項12に記載の設定プロセス。
【請求項17】
前記プロセスは、空調モードを備え、この空調モードは、第1のチャネル(24)および第2のチャネル(25)を閉じ、第3のチャネル(26)および第4のチャネル(27)を開け、第1の迂回装置(17)を開け、第2の迂回装置(18)を閉じ、混合シャッター(31)を閉の位置とし、ポンプ(28)を停止することからなることを特徴とする請求項12に記載の設定プロセス。
【請求項18】
前記空調システム(1)の運転を空調モードに設定の後、前記プロセスは、時間Tの間、第1の暖房モードに従った空調システム(1)の運転が禁止され、第2の暖房モードに従った空調システム(1)の運転が許可されることを特徴とする請求項17に記載の設定プロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−506590(P2013−506590A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531417(P2012−531417)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064491
【国際公開番号】WO2011/039275
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(505113632)ヴァレオ システム テルミク (81)
【Fターム(参考)】