説明

軸受異常診断システム、軸受異常診断装置及び軸受異常診断方法

【課題】 診断を行う場合に回転機の回転数が変動する場合でも、適切な診断しきい値を迅速に設定することができる軸受異常診断システムを提供する。
【解決手段】 軸受異常診断システム20を構成する設備保全コンピュータ17は、加速度ピックアップ15によって測定された軸受13の振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、軸受13の型式データ及びPLC3より取得した回転速度情報に基づいて、データベース19より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と診断しきい値とを比較することで軸受13の異常診断を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常判定を行う回転機の軸受異常診断システム、軸受異常診断装置及び軸受異常診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機の軸受について異常診断を行う場合、従来は、軸受の温度を測定したり、軸受の振動状態を測定することで行なっている。後者については、振動源付近に振動検出用のピックアップを設置して、測定された振動データを、ピックアップ用インターフェイスのハードウエアを介して分析診断を行うコンピュータなどに転送する。すると、診断コンピュータは、振動データより診断用の代表値を求め、その代表値と予め用意されている診断しきい値とを比較した結果に基づいて、軸受に損傷等が発生しているか否かを診断するようになっている。ここで、前記代表値としては、例えば振動加速度の実効値やピーク値、振動変位のピーク値等の兆候パラメータや、振動データにおける特定周波数成分のパワースペクトルなどである。斯様な診断システムの一例は、特許文献1などに開示されている。
【特許文献1】特開2003−149090号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、軸受において測定される振動加速度は、回転数の変動に応じて変化する。例えばポンプなどは負荷に応じて回転数が常に変動するため、上記のように診断を行う場合には、その変動に合せて診断しきい値も変更しなければ正確な診断を行うことはできない。しかしながら、従来はそのような問題を考慮して診断を行うものは存在しなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、診断を行う場合に回転機の回転数が変動する場合でも、適切な診断しきい値を迅速に設定することができる軸受異常診断システム、軸受異常診断装置及び軸受異常診断方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の軸受異常診断システムは、回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行うものにおいて、
前記軸受に発生する振動を測定する振動測定手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0005】
また、本発明の軸受異常診断装置は、回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行うものにおいて、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記軸受に発生する振動を測定する前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
斯様に構成すれば、作業者は、診断対象となる軸受若しくはその軸受が組み付けられている回転機の型式を入力指定すれば、診断手段は、その型式情報と速度情報取得手段により取得された回転機の回転速度情報とに対応する診断しきい値を、診断しきい値記憶手段より読み出して設定する。そして、振動測定手段によって測定された振動データの代表値を求め、前記診断しきい値と比較することで軸受の異常診断を行う。従って、回転機の回転速度が頻繁に変動するような場合でも、その変動に応じた適切な診断しきい値が自動的に読み出されて設定されるので、作業者が、診断しきい値を一々選択して設定する必要がなくなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、軸受異常診断の作業効率が向上すると共に、診断の精度も向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1は、回転機の制御システム、及びそのシステムに付随して構成されている軸受異常診断システムの構成を示すものである。制御システム1は、システム制御コンピュータ2が複数のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)3を統括的に制御するようになっており、各PLC3は、インバータ4を介して例えば誘導モータなどの電動機(回転機)5を駆動制御する。
電動機5の回転軸6の先端部と、例えばファンやポンプなどである負荷装置7の回転軸8の先端部とには、夫々円柱状の接合板9,10が固定装着されており、両者がボルトにより固定されることで双方の回転軸6及び8が連結されている。また、電動機フレーム11の両端には、回転軸6を支えるためのころがり軸受(以下、単に軸受と称す)13が装着されており、この軸受13は電動機フレーム12のハウジング14内に収容されている。
【0009】
軸受13を収容するハウジング14において、外周面の上側部には、振動測定手段たる圧電素子製の加速度ピックアップ15が取り付けられている。加速度ピックアップ15は、電動機5の回転軸6が回転することで振動を受けると、圧電素子によってその振動がアナログの電気信号(振動信号)に変換される。そして、この振動信号が信号線16を介してPLC3に入力されると、A/D変換されたデータが設備保全コンピュータ(型式入力手段,速度情報取得手段,診断手段,診断装置)17に送信される。
また、システム制御コンピュータ2,PLC3,設備保全コンピュータ17は、例えばLANなどの通信ネットワーク18を介して相互に接続されている。そして、システム制御コンピュータ2がPLC3を介してインバータ4に出力する回転周波数指令は、設備保全コンピュータ17にも送信されるようになっている。
【0010】
設備保全コンピュータ17は、軸受の異常診断を行うための診断しきい値が記憶されているデータベース(サーバ)19を備えており、入力された診断対象の条件に応じた診断しきい値をデータベース(診断しきい値記憶手段)19より読み出す。そして、加速度ピックアップ15によって測定される振動加速度データと診断しきい値とを比較することで、軸受13の異常診断を行うようになっている。
尚、以上の構成において、加速度ピックアップ15、データベース19を含む設備保全コンピュータ17は、軸受異常診断システム20を構成している。
【0011】
次に、本実施例の作用について図2乃至図6も参照して説明する。
<診断しきい値の設定登録>
図2は、後に診断対象となる電動機5及び軸受13について、予め診断しきい値を設定し、データベース19に登録するための手順を示すフローチャートである。尚、このフローに従う測定は、電動機5及び軸受13を最初に設置した時点、若しくは、それらの保守点検を行なった後や軸受13を交換した後に行なうようにする。
【0012】
先ず、システム制御コンピュータ2が、PLC3を介して電動機5を所定回転数で駆動する(ステップS1)。そして、設備保全コンピュータ17は、その時点における電動機5の回転数を、PLC3がインバータ4に出力している回転数指令値より取得する(ステップS2)。尚、回転数は、PLC3より取得することに替えて、回転速度計等により実測しても良いことは勿論である。続いて、設備保全コンピュータ17は、加速度ピックアップ15によって測定される軸受13の振動加速度を測定し、その代表値(例えばオーバーオール(OA)値等)を計測(算出)する(ステップS3)。
次に、システム制御コンピュータ2−PLC3による電動機5の駆動回転数を変更する(ステップS4)。そして、所定の測定ポイント(例えば、7ポイント)を得るまで(ステップS5,「NO」)、ステップS1〜S4を繰り返し実行する。尚、図3は、測定ポイントA1〜A7の一例を示すもので、横軸は電動機5の回転数、縦は加速度G(の代表値)である。
【0013】
測定を終了すると(ステップS5,「YES」)、測定ポイントA1〜A7より診断しきい値の近似曲線C1を算出する(ステップS6)。それから、近似曲線C1のデータをn倍することで上限曲線C2を算出する(ステップS7)。すると、図3に示すように、
診断時における測定結果が、診断しきい値の曲線C1以下の領域にあれば「良好」と判定され、曲線C2と曲線C1との間の領域にあれば「注意」と判定される。そして、診断時における測定結果が曲線C2を超える領域にあれば「危険」と判定されるようになっている。
ここで、曲線C1のデータに乗じて曲線C2を算出するための係数「n」は、電動機5や軸受13の使用経年数に応じて設定する。例えば、設置直後又は交換直後の場合は、測定される振動、即ち加速度の代表値は小さいので「3」などに設定する。そして、経年数が増えると加速度の代表値も大きくなるので、例えば、設置又は交換の時点から数年(設定されている交換周期の1/2程度)が経過していれば「2」などに設定する。
【0014】
最後に、設備保全コンピュータ17は、電動機5及び軸受13の型式と共に、診断しきい値曲線C1,C2のデータをデータベース19に登録する(ステップS8)。そして、測定を終了する。
また、例えば軸受の型式に応じてロータ径Dが異なる場合は、図4に示すように夫々の、ロータ径D1〜D3に応じて異なるしきい値曲線が得られる。通常、ロータ径Dが大きくなるにつれて、診断しきい値も大きくなる傾向を示す。
【0015】
<軸受診断測定>
次に、図5は、以上のようにして図2の手順に従い、診断対象として想定される電動機5及び軸受13について診断しきい値データを得た後、実際に診断測定を行う場合の手順を示すフローチャートである、この場合も、システム制御コンピュータ2−PLC3によって電動機5が駆動制御されている状態を前提とする。作業者は、先ず、設備保全コンピュータ17に、軸受13の型式を入力する(ステップS11)。すると、設備保全コンピュータ17は、その時点でPLC3がインバータ4に出力している回転数指令値を取得し(ステップS12)、データベース19より、上記型式及び回転数に対応する診断しきい値を読み出す(ステップS13)。尚、ステップS12で取得する回転数を実測しても良いことは、図2に示すステップS2と同様である。
続いて、設備保全コンピュータ17は、加速度ピックアップ15によって測定される軸受13の振動加速度を取得し(ステップS14)、その加速度の代表値を算出する(ステップS15)。尚、ここでは、データベース19に登録されている診断しきい値の種類に応じて、上記加速度に基づく速度或いは加速度の変位について代表値を算出しても良い。
【0016】
次に、設備保全コンピュータ17は、ステップS13で読み出した診断しきい値と、ステップS15で算出した加速度の代表値とを比較し、「良好」、「注意」、「危険」の判定を行う(ステップS16)。この場合、図6に示すように、図2の処理結果によって得られた近似曲線C1,C2が診断しきい値たる判定カーブ1,2となり、ステップS12で取得された回転数に応じた値がデータベース19より読み出される。そして、例えば回転数がN1の場合、対応する判定カーブ1,2の値はX1,Y1となり、回転数がN2の場合、判定カーブ1,2の値はX2,Y2となる。
【0017】
判定結果が「良好」であれば軸受13に問題はなく、「注意」であれば短期間内に保守点検を行なうようにする。そして、「危険」であれば軸受13に損傷が発生しているものと推定されるので、直ちに電動機5の運転を停止して状態の確認や軸受13の交換等を行う必要がある。それから、設備保全コンピュータ17は、上記判定結果をディスプレイに表示させたり、或いは図示しないプリンタ等に印字出力したり、通信ネットワーク18を介して他の端末(パソコン等)に電子メールとして送信する(ステップS17)。
尚、上記の診断に関するより詳細な説明については、特許文献1に開示されている。
【0018】
以上のように本実施例によれば、軸受異常診断システム20を構成する設備保全コンピュータ17は、加速度ピックアップ15によって測定された軸受13の振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、軸受13の型式データ及びPLC3より取得した回転速度情報に基づいて、データベース19より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と診断しきい値とを比較することで軸受13の異常診断を行うようにした。
従って、電動機5の回転速度が頻繁に変動する場合でも、その変動に応じた適切な診断しきい値が自動的に読み出されて設定されるので、作業者が、診断しきい値を一々選択して設定する必要がなくなり、診断作業の効率を大幅に向上させることができる。また、診断精度も向上させることができる。更に、電動機5はファン若しくはポンプを負荷装置7として回転駆動するので、負荷変動、即ち回転数の変動が比較的大きくなるものに本発明を有効に適用して異常診断を正確に行うことができる。
【0019】
そして、設備保全コンピュータ17は、診断対象となる電動機5について、その回転速度を変化させた場合に軸受13に発生する振動を加速度ピックアップ15により順次測定し、測定された振動データについて代表値を算出することで、電動機5又は軸受13の回転速度に応じた診断しきい値データを生成し、データベース19に記憶させるので、事前に診断対象に応じたしきい値データを用意しておくことで、異常診断を一層正確に行うことができる。
【0020】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
最初にデータベース19より読み出す診断しきい値については、作業者が回転数を設定入力しても良い。若しくは、デフォルト値を設定しておき、最初は常にそのデフォルト地に対応する診断しきい値を読み出すようにしても良い。そして、実際に電動機5が運転された場合の回転数が、上記設定値と異なっている場合は、実際の回転数に応じた診断しきい値を読み出して更新するようにしても良い。
軸受は、ころがり軸受13に限ることなく、どのようなタイプの軸受を診断対象としても良い。
軸受13の型式を指定することに替えて、電動機5の型式を指定しても良い。
設備保全コンピュータ17が有している機能を、パーソナルコンピュータや、特許文献1に開示されているような携帯可能なPDA(Personal Digital Assistants)等の情報端末に搭載することで、診断装置を構成しても良い。
例えば、電動機5が設置されている環境、例えば床の剛性等が異なると、測定される診断加速度も異なることが考えられる。従って、そのように剛性が異なる床との組み合わせについても予め診断しきい値を測定しておき、診断測定を行う場合に床の剛性を示すパラメータも指定して、対応する診断しきい値を読み出すようにしても良い。
【0021】
設備保全コンピュータ17は、必ずしも図2のフローチャートを実行して予め診断しきい値データを生成し、データベース19に登録させておく必要はない。診断しきい値データについては、別のしきい値データ設定用のコンピュータで生成して登録させるようにしたり、或いは、別の現場において、同じ形式の電動機5及び軸受13の型式について既に生成されているものや、標準的な診断しきい値としてメーカにより用意されているものを読み出して流用しても良い。
負荷装置7は、ファンやポンプに限ることなく、その他例えばコンプレッサなどであっても良い。
振動測定手段は、加速度ピックアップ15に限らず、マイクロフォンにより振動を音声信号として測定するものであっても良い。
通信ネットワーク18は、無線LANであっても良い。
電動機5に限ることなく、発電機に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例であり、回転機の制御システム、及びそのシステムに付随して構成されている軸受異常診断システムの構成を示す図
【図2】診断対象となる電動機及び軸受について、予め診断しきい値を設定するための手順を示すフローチャート
【図3】図2のフローチャートに従って、得られる測定ポイントの一例を示す図
【図4】電動機のロータ径が異なる場合について、夫々得られる診断しきい値曲線の一例を示す図
【図5】電動機及び軸受について診断測定を行う場合の手順を示すフローチャート
【図6】図5のフローチャート中で読み出される診断しきい値データの一例を示す図
【符号の説明】
【0023】
図面中、5は電動機(回転機)、7は負荷装置、13はころがり軸受、15は加速度ピックアップ(振動測定手段)、17は設備保全コンピュータ(型式入力手段,速度情報取得手段、診断手段、診断装置)、19はデータベース(診断しきい値記憶手段)、20は軸受異常診断システムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行う回転機の軸受異常診断システムにおいて、
前記軸受に発生する振動を測定する振動測定手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする軸受異常診断システム。
【請求項2】
前記回転機は、ファン若しくはポンプを回転駆動するものであることを特徴とする請求項1記載の軸受異常診断システム。
【請求項3】
診断対象となる回転機について、その回転速度を変化させた場合に前記軸受に発生する振動を前記振動測定手段により順次測定し、測定された振動データについて代表値を算出することで、前記回転機又は前記軸受の回転速度に応じた診断しきい値データを生成し、前記診断しきい値記憶手段に記憶させる診断しきい値生成手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の軸受異常診断システム。
【請求項4】
回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行う回転機の軸受異常診断装置において、
前記回転機又は前記軸受の型式と、前記回転機の回転速度とに応じて設定される診断しきい値が記憶されている診断しきい値記憶手段と、
前記回転機又は前記軸受の型式データを入力する型式入力手段と、
前記回転機の回転速度情報を取得する速度情報取得手段と、
前記軸受に発生する振動を測定する前記振動測定手段によって測定された振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて前記診断しきい値記憶手段より対応する診断しきい値を読み出して、前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行う診断手段とを備えたことを特徴とする軸受異常診断装置。
【請求項5】
回転機の軸受部分に発生する振動を測定し、測定した振動データから算出した代表値と事前に登録してある診断しきい値とを比較することで、前記軸受の異常診断を行う回転機の軸受異常診断方法において、
前記回転機又は前記軸受の型式データが与えられると、
前記回転機の回転速度情報を取得し
前記軸受に発生する振動を測定して得られた振動データが与えられると当該振動データの代表値を算出し、
前記型式データ及び前記回転速度情報に基づいて、それらのパラメータに対応する診断しきい値を記憶手段より読み出し
前記代表値と前記診断しきい値とを比較することで前記軸受の異常診断を行うことを特徴とする軸受異常診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−10415(P2007−10415A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189885(P2005−189885)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】