説明

軸受

【課題】軸受における良好な密封性を確保しながら、内輪の軸方向長さを短くする。
【解決手段】先ず、内輪24と、外輪26と、内輪24と外輪26との間に配設される玉30と、外輪26に取り付けられ内輪24に摺接するシール部材40とを備える。そして、シール部材40が配設される位置側における内輪26の肩部26bが当該内輪の軌道面26aより径方向外方位置の構成とされている。かかる構成において、内輪24には、シール部材40が配設される位置側における内輪24の肩部24bより軸方向外側に該肩部外径より小径の段部42を備えている。この段部42は前記肩部24bの径方向内方位置に喰い込む肉抜き形状として形成されており、前記シール部材40は該肉抜き形状箇所44に入り込んで配設されており、内輪24との摺接は該肉抜き形状箇所44又は段部42の円筒外周面46で行われる構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軸受に関する。特に、自動車の回転駆動源からの駆動トルクを伝達するピニオン軸を支持するピニオン軸支持用軸受装置に好適に用いることのできる軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のピニオン軸支持用軸受装置は下記特許文献1に示されている。特許文献1に開示されているピニオン軸支持用軸受装置を図3に示す。
図3に基づいてピニオン軸支持用軸受装置110を説明すると、ピニオンギア112を備えたピニオン軸114は転がり軸受120としての複列アンギュラー玉軸受を介してケーシング116に回転可能に支持されている。複列アンギュラー玉軸受の転がり軸受120は、左右一対の内輪122,124と、1つの外輪126と、この内輪122,124と外輪126との間に配された2列の転動体としての玉128、130とで構成されている。なお、玉128、130は保持器132,134に保持されて周方向に複数個配されている。潤滑油は2列の玉128,130の間の箇所の室152に導入されている。アンギュラー玉軸受120はこの導入された潤滑油が転がり軸受120の回転によりそれぞれの玉128,130の箇所を潤滑して転がり軸受120の左右外方に排出されるように配置されている。すなわち、内輪122、124の転がり軸受120の外方側となる位置の肩部122b,124bの外径は玉128,130の転動面122a,124aより径方向外方位置となる構成として配置されている。これにより、転がり軸受120は回転により潤滑油に径方向内方から外方へ移動する遠心力の作用力が生じ、この遠心力の作用力が内輪122,124の傾斜面に沿って働き潤滑油を順次軸方向へ移送する。
【0003】
ところで、図3で見て、ピニオンギア112が位置する左側は潤滑油室160となっているので、転がり軸受120から左方向に排出される潤滑油は、この潤滑油室160に排出されて戻される。しかし、反対側の右側はケーシング116の外部となることから、右方向に排出される潤滑油はオイルシール等のシール部材140によりシールされる構成となっている。すなわち、玉130の右側の室162に排出された潤滑油はこの室162から通路154を通って潤滑油室160に戻されるようになっている。
シール部材140は外輪126と内輪124との間に配設されている。より詳細には、ケーシング116に固定状態に取付けられた外輪126にシール部材140であるオイルシールの径方向外方部位が一体的に取付けられており、オイルシールの径方向内方部位のリップ176が内輪124の肩部124bの外周面に摺接して配設されている。これにより、転がり軸受120の右方向に排出される潤滑油のケーシング116外への漏出防止を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−9930号公報
【特許文献2】特開2006−97851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したオイルシール等のシール部材140を配置する転がり軸受120は内輪124の軸方向長さが長くなるという問題がある。
すなわち、シール部材140であるオイルシールは、その径方向内方部位のリップ176が内輪124の肩部124b外周面に摺接する構成となっている。この摺接する箇所の位置が玉130の配置位置から接近した位置にあると玉130から排出された潤滑油の流れが直接にそのままオイルシールのリップ176の摺接箇所に飛散し、密封性上、好ましくない。この状態は、軸受がポンプ作用を有する場合には、玉130から排出される潤滑油の飛散が顕著に摺接箇所に直接かかりやすいため、特に問題となる。
このため、良好な密封性を確保するためにはシール部材140のリップ176の摺接箇所と玉130との距離を確保することが必要となり、内輪124の軸方向長さが必然的に長くなっていた。
そして、発明者は、この様な問題が生じるのは、転動体としての玉から潤滑油が排出される流れの径方向位置と、オイルシール等のシール部材の摺接箇所の径方向位置とが同じ位置関係にあることによるものであることに気付いた。
【0006】
而して、本発明は上記した問題点を解消するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、玉等の転動体から排出されてくる潤滑油の径方向位置と、シール部材の摺接箇所の径方向位置とを径方向で異ならせた位置とすることにより、良好な密封性を確保しながら、内輪の軸方向長さを短く構成することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の軸受は次の手段をとる。
すなわち、本発明に係る軸受は、先ず、内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に配設される転動体と、外輪又はこの外輪を固定するケーシングに取り付けられ内輪に摺接するシール部材とを備える。そして、シール部材が配設される位置側における内輪の肩部が当該内輪の軌道面より径方向外方位置の構成とされている。
かかる構成において、内輪には、シール部材が配設される位置側における内輪の肩部より軸方向外側に該肩部外径より小径の段部を備えている。この段部は前記肩部の径方向内方位置に喰い込む肉抜き形状として形成されており、前記シール部材は該肉抜き形状箇所に入り込んで配設されており、内輪との摺接は該肉抜き形状箇所又は段部の円筒外周面で行われる構成となっている。
【0008】
本発明は、上記手段とすることにより玉等の転動体から排出されてくる潤滑油の径方向位置と、シール部材の摺接箇所の径方向位置とが径方向で異なった位置となるため、玉等の転動体から排出された潤滑油の流れがそのままシール部材の摺接箇所に直接に飛散することがなく、シール部材の摺接箇所の良好な密封性を確保することができる。
また、本発明によれば、シール部材は小径の段部に形成された肉抜き形状箇所に入り込んで配設される。このため、この肉抜き形状箇所に入り込んで配設された軸方向長さ分だけは内輪の軸方向長さを短く形成することが可能となる。
【0009】
なお、本発明の軸受は、回転により潤滑油を軸方向に移送するポンプ作用をなす構成であり、このポンプ作用によって潤滑油が排出移送される側に前記シール部材が配設されていることが好ましい。この様なポンプ作用を有する軸受の場合には、排出される潤滑油の流れが比較的勢い良いことから問題が顕著に生じるものであったが、本発明の手段をとることにより、上述した良好な密封性の確保と、内輪の軸方向長さを短くすることが効果的に行うことができるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記した手段をとることにより、玉等の転動体から排出されてくる潤滑油の径方向位置と、シール部材の摺接箇所の径方向位置とが径方向で異なった位置となり、良好な密封性を確保しながら、シール部材を小径の段部の肉抜き形状箇所に入り込んで配設することにより内輪の軸方向長さを短く構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る軸受を適用した一実施例であるピニオン軸支持用軸受装置を示す縦断面図である。
【図2】図1のシール部材を配設した箇所の詳細を示す拡大縦断面図である。
【図3】従来のピニオン軸支持用軸受装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明に係る軸受を自動車のピニオン軸支持用軸受装置に適用した実施の形態の一実施例を示す。このピニオン軸支持用軸受装置は四輪駆動車用のトランスファ装置に装備したものである。以下の説明において、左右・上下は、図の左右・上下をいうものとする。なお、左が自動車のフロント側、右が自動車のリア側となっている。
【0013】
図1に示すように、ピニオン軸支持用軸受装置10は、左端部にピニオンギア12が配設されたピニオン軸14と、このピニオン軸14をケーシング16に回転自在に支持する転がり軸受20とを備えている。そして、ピニオンギア12が後輪駆動用リングギア(不図示)に噛み合わされると共に、ピニオン軸14がプロペラシャフト(不図示)に接続されることで、自動車前側に配置されたエンジンから後輪に動力が伝達される。
転がり軸受20は、複列アンギュラー玉軸受であり、左右一対の内輪22,24と、これらに共通の一つの外輪26と、左の内輪22と外輪26の左半分との間に配された左側の列の玉28と、右の内輪24と外輪26の右半分との間に配された右側の列の玉30と、各列の玉28,30を保持する左右一対の保持器32,34と、右列の玉30の右側位置の右の内輪24と外輪26との間に配されたシール部材40とから構成されている。そして、外輪26がケーシング16に嵌合して固定されて、ピニオン軸14を支持する転がり軸受20がケーシング16に対して取付けられる。なお、玉28、30が本発明の転動体に相当し、この転動体は円錐ころとされる場合もある。
【0014】
この実施例の転がり軸受20はアンギュラー玉軸受であることから、転動体としての玉28、30が配設される内輪22,24と外輪26の軌道面は角度を持って傾斜して形成されている。この実施例では二列の玉28,30の軌道面の傾斜は対称形とされており、中心から軸方向外方に向けて径が大きくなる形態として配置されている。したがって、左側の列の玉28の内輪22の軌道面22aの径方向位置より左側の肩部22bの径方向位置の方が径方向で見て大径位置となっている。同様に、右側の列の玉30の内輪24の軌道面24aの径方向位置より右側の肩部24bの径方向位置の方が径方向で見て大径位置となっている。外輪26の2列の軌道面もこの内輪22、24の軌道面22a,24aに対応した形態として形成されている。このアンギュラー玉軸受の構成は、内輪22,24の回転により潤滑油に径方向内方から外方に向けた遠心力の作用力が生じ、この作用力が傾斜に沿って潤滑油を軸方向に移送させるポンプ作用として機能する構成となっている。
ピニオン軸14の右端部には、転がり軸受20の内輪22,24を固定するための段付き状の抜け止め部材18がねじ止めされており、抜け止め部材18の小径部の外径には、スリンガ38が嵌め合わされている。スリンガ38は、外輪26の右端部に若干の隙間をおいて対向する折り曲げ部38aを有しており、これにより、外輪26とスリンガ38によるラビリンスシールが形成されている。
【0015】
転がり軸受20の潤滑は、ケーシング16内を循環する潤滑油によって行われている。詳しくは、ピニオンギア12が位置する箇所がケーシング16内の潤滑油室60とされており、この潤滑油室60から転がり軸受20へ潤滑油が循環されて潤滑が行われる。外輪26には、二列の玉28,30の軸方向中央に相当する部分に、潤滑油供給用の供給通路50が設けられ、潤滑油がこの供給通路50を通じて二列の玉28,30の間の室52に供給されるようになっている。また、外輪26の右端部すなわちピニオンギア12から遠い方の端部には潤滑油出口用の排出通路54が斜め方向に形成されて設けられている。ケーシング16の内周には、軸方向に延びる2本の潤滑油通路56、58が形成されている。1本の潤滑油通路56は供給通路50と接続され、他の1本58は排出通路54と接続されている。これら潤滑油通路56,58の他端は、ピニオンギヤ12が位置する潤滑油室60に開口されており、これにより、これら各通路を通じて潤滑油室60から転がり軸受20に潤滑油の供給・排出が行われ、2列の玉28,30の箇所の潤滑が行われる。
より詳しくは、室52に供給された潤滑油は転がり軸受20がポンプ作用を有るアンギュラー玉軸であることから、そのポンプ作用により、左側の玉28列の場合は左方向に、右側の玉30列に対しては右方向に移送しながらそれぞれの玉28,30を潤滑する。そして、左側の玉28を潤滑して排出された潤滑油はそのまま潤滑油室60に戻る。右側の玉30を潤滑してこの玉30の右側の室62に排出された潤滑油はこの室62から排出通路54及び潤滑油通路58を通じて潤滑油室60に戻される。この潤滑により、焼き付きが起こりやすい右側(リア側)の軸受部分における潤滑油の循環が促進させられ、耐焼付き性能が向上すると共に、シール部材40へのスラッジの付着も防止される。
【0016】
図2はシール部材40が配設されるピニオン軸支持用軸受装置10の右側部分の箇所を拡大して示したものである。外輪26は右端部にフランジ26aを有しており、このフランジ26aの左側根元部は、外輪26とケーシング16との間からの潤滑油の漏れを防止するためのOリング36が配置されている。ケーシング16のOリング36に接触する角部16aはフランジ26aの左側根元部とによって断面三角形状のOリング収納溝48を形成するように面取りされており、Oリング36はこのOリング収納溝48内に配置されている。Oリング収納溝48を形成するための外輪26の外径およびフランジ26a根元部に対する加工は、従来から行われている研摩により行うことができる。また、面取りは、従来から行われている面取りの大きさをOリング36の径に応じて調整するだけでよい。これにより、Oリング収納溝48を切削加工により外輪26外径に設ける場合に比べて、工数を削減することができる。また、Oリング収納溝48を研摩によって形成することで、切削に比べて溝精度が向上し、潤滑油密封性も向上する。
【0017】
シール部材40は、図2に詳細に示されるように、オイルシールとして形成されており、環状の芯金64及びゴムシール70を有している。芯金64は、外輪26の右端部内径部位に圧入されている大径部66aおよびこれの軸方向外側(右側)に連なる小径部66bからなる円筒部66と、小径部66bの右端部に設けられた内向きフランジ部68とからなっている。ゴムシール70は、芯金64の小径部66b及び内向きフランジ部68に接着されている。
シール部材40のゴムシール70における径方向内方部位のシールリップ部76は、環状のばね72によって径方向内向きに付勢されて、後で詳述する右側の内輪24の段部42に形成された肉抜き形状箇所44に入り込んで配設されている。なお、ゴムシール70の径方向中間部の右方向にはラジアルリップ部74が形成されている。このラジアルリップ部74は外輪26との間にラビリンスシールを形成しているスリンガ38に接触するように配設されている。
【0018】
上述した右側の内輪24に形成される肉抜き形状箇所44は、内輪24の右側の側面から軸方向左方向に入り込んだ形態として形成される。先ず、右側の内輪24の肩部24bは、図3に示される従来の形態と異なり、この箇所でシールリップ部によりシール機能を行うものではないため、軌道面24a等の強度上必要とされる軸方向幅だけの長さで形成される。したがって、右側の内輪24の肩部24bの形態と左側の内輪22の肩部22bの形態は対称形態として形成することができる。
そして、右側の内輪24の右側には、肩部24bが形成される径位置より小径の段部42が軸方向に延在して形成されている。上記肉抜き形状箇所44は、この段部42により形成される円筒外周面46が左方向に延長して形成されるように、上記肩部24bの径方向内方位置に入り込んだ形態として形成されている。したがって、肉抜き形状箇所44は全周に亘って円環状に形成されている。
上記段部42と肉抜き形状箇所44により連続して形成される円筒外周面46にシール部材40のシールリップ部76が摺接して配設されている。シールリップ部76の主リップ部76aは肉抜き形状箇所44に入り込んだ位置の円筒外周面46の箇所に環状のばね72により内方に付勢された付勢力で以って摺接した形態として配設されている。シールリップ部76の副リップ部76bは段部42の位置の円筒外周面46の箇所にゴム弾性力自体の付勢力で以って摺接した形態として配設されている。
【0019】
上述したように、シール部材40のシールリップ部76が肉抜き形状箇所44に入り込んで配設されていることにより、この肉抜き形状箇所44に入り込んだ軸方向長さだけ従来のシール部材40の配置位置に比べ左方向位置とすることができ、それだけ内輪22,24のトータル軸方向長さを短くすることができる。これによりピニオン軸支持用軸受装置10の軸方向長さのコンパクト化を図る事ができる。
また、上述した実施例によれば、潤滑油が内輪24を潤滑してポンプ作用を伴って排出されてくる流れの位置の肩部24bの位置と、シール部材40のシールリップ部76がシール機能を果たすために配設される段部42や肉抜き形状箇所44の円筒外周面46の位置は径方向に異なった位置とされているため、右側の内輪24から排出された潤滑油の流れがそのままシール部材40のシールリップ部76に直接に飛散することがなく、シール部材40の良好な密封性を確保することができる。
【0020】
以上、本発明の一実施例の実施形態について説明したが、本発明はその他各種の実施形態として実施できるものである。
例えば、上記実施例では、本発明に係る軸受を四輪駆動車用のトランスファ装置として装備されるピニオン軸支持用軸受装置に適用した場合について説明したが、本発明の軸受は、潤滑油によって潤滑され、潤滑油が一方から他方に流れ、この他方側にシール部材が配設される構成の形態には幅広く適用することができるものである。
また、上記実施例は、ポンプ作用を有するアンギュラー玉軸受の場合であったが、ポンプ作用を有しない軸受であっても、上記したように潤滑油が軸受の一方側から他方側に流れる形態のものであれば良い。
また、上記実施例は、シール部材40がケーシング16に固定された外輪26に取付けられ内輪24に摺接する形態の場合であったが、シール部材40はケーシング16に取付けられ内輪24に摺接する形態でもよい。
また、上記実施例は、玉軸受の場合であったが、円錐ころ等各種転動体の軸受に適用可能なものである。
【符号の説明】
【0021】
10 ピニオン軸支持用軸受装置
12 ピニオンギア
14 ピニオン軸
16 ケーシング
16a 角部
18 抜け止め部材
20 転がり軸受
22 左側の内輪
22a 軌道面
22b 肩部
24 右側の内輪
24a 軌道面
24b 肩部
26 外輪
26a フランジ
28 左側の玉(転動体)
30 右側の玉(転動体)
32 左側の保持器
34 右側の保持器
36 Oリング
38 スリンガ
38a 折り曲げ部
40 シール部材
42 段部
44 肉抜き形状箇所
46 円筒外周面
48 Oリング収納溝
50 供給通路
52 室
54 排出通路
56 潤滑油通路
58 潤滑油通路
60 潤滑油室
62 室
64 芯金
66 円筒部
66a 大径部
66b 小径部
68 フランジ部
70 ゴムシール
72 ばね
74 ラジアルリップ部
76 シールリップ部
76a 主リップ部
76b 副リップ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪と、外輪と、該内輪と外輪との間に配設される転動体と、外輪又は該外輪を固定するケーシングに取り付けられ内輪に摺接するシール部材と、を備え、該シール部材が配設される位置側における内輪の肩部が当該内輪の軌道面より径方向外方位置の構成とされている軸受であって、
前記内輪には、前記シール部材が配設される位置側における内輪の肩部より軸方向外側に該肩部外径より小径の段部を備え、
前記段部は前記肩部の径方向内方位置に喰い込む肉抜き形状として形成されており、前記シール部材は該肉抜き形状箇所に入り込んで配設されており、内輪との摺接は該肉抜き形状箇所又は段部の円筒外周面で行われる構成となっていることを特徴とする軸受。
【請求項2】
請求項1に記載の軸受であって、
該軸受は回転により潤滑油を軸方向に移送するポンプ作用をなす構成であり、該ポンプ作用によって潤滑油が排出移送される側に前記シール部材が配設されていることを特徴とする軸受。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−174566(P2011−174566A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39821(P2010−39821)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】