説明

輸送用コンテナの荷役装置の在庫管理のためのシステム

コンテナ保管施設においてコンテナを荷役装置(HE)に関連付けするためのシステムが提供される。本システムでは、コンテナを持ち上げることができるコンテナ荷役装置(CHE)の一部である第1のHEに、作業検出器が取り付けられる。コンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有するトラクタである第2のHEに、イベント検出器がさらに取り付けられる。イベント検出器は、コンテナのピックアップ又はドロップオフといったコンテナ作業関連イベントがトラクタのシャーシに対して発生した場合を示す。2つの検出器(作業及びイベント)がプロセッサによって、コンテナをCHE又はトラクタのどちらかに関連付けするために用いられる。作業検出器及びイベント検出器をGPSセンサのような位置センサと組み合わせて用いて、コンテナ・ヤード内でのトラクタ及びCHEの位置を正確に判定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸送用コンテナのストレージ・ヤードで用いられる在庫追跡システムに関する。より具体的には、本発明は、輸送用コンテナのストレージ・ヤードにおいてコンテナを移動するのに用いられる在庫荷役装置(HE)を、在庫追跡システムによる位置決めに従って、HEにより移動されるコンテナに関連付けすることに関する。
【0002】
(優先権の主張)
2009年7月9日付で出願された、Han−Shue Tan他による「System for Associating Inventory with handling equipment in Shipping Container Yard Transactions」という名称の米国特許出願番号第12/500,478号。
【背景技術】
【0003】
ここ十年ほどで、コンテナ・ヤードで取り扱われる輸送用コンテナの数は劇的に増加した。コンテナ・ターミナルのマテリアルハンドリング・プロセスの効率を改善するために、ヤード内で実際に起きていることを追跡し、かつ監視するための在庫追跡システムが開発されてきた。そのような在庫追跡システムは、コンテナをピックアップし、移動し、下ろすコンテナ荷役装置(HE)の移動及び位置を、リアルタイム測位技術(全地球測位システム(GPS)及びリアルタイム位置情報システム(RTLS)など)及び無線通信を利用して能動的に追跡することにより、コンテナの位置を追跡することができる。在庫追跡システムは次に、追跡情報を在庫追跡データベースに記録し、ターミナル・オペレーティング・システム(TOS)とインターフェースして、HEがコンテナをピックアップするたび又は下ろすたびにコンテナ位置を更新する。このような在庫追跡システムは、コンテナ・ヤードの在庫管理の精度を向上させ、そのことにより、コンテナの遺失を減らし、TOSの性能を最大限にし、かつHEの効率を高めるように設計されている。
【0004】
HEは2つの大まかなタイプに分類することができる。すなわち(1)リフト装置−コンテナを持ち上げ、地面の上、別のコンテナの上、又は運搬用の別のHEの上に下ろすことができるいずれかのタイプのHE、及び(2)運搬装置−コンテナを1つの位置から別の位置へ移動することができるが、コンテナを持ち上げること、及び下ろすことはできないいずれかのタイプのHEである。典型的なリフト装置は、トップ・ピック(トップ・リフト又はトップ・ローダとも呼ばれる)、サイド・ピック(サイド・リフト、サイド・ローダ、又はエンプティ・ハンドラとも呼ばれる)、リーチ・スタッカ、ストラドル・キャリア、ゴムタイヤ式ガントリ(RTG)、レール式ガントリ(RMG)、及び岸壁クレーンを含む。典型的な運搬装置は、長距離(OTR)トラック及びトラクタ(ヤード・トラクタ、タグ、UTR(Universal Tractor Ross)、ジョッキー・トラック、ハスラー、ヤード・ハスラーなどとも呼ばれる)を含む。OTRトラック及びトラクタは両方とも、1つ又はそれ以上のコンテナを運ぶことができる付属のシャーシ(ストリート・シャーシ、トレーラ、ボム・カート、ヤード・シャーシ、ターミナル・トレーラなどとも呼ばれる)を有することができる。
【0005】
本説明において、リフト装置は、コンテナ荷役装置(CHE)と呼ばれ、運搬装置は、トラクタ型HE又は単にトラクタと呼ばれる。そしてHEは、CHEとトラクタの両方に対して用いられる。
【0006】
在庫追跡システムは、1つ1つのHEを追跡することによってコンテナを追跡するので、コンテナとそれを移動させるHEとの間の関連付けが正確であることを保証することが重要である。例えば、CHE、又はリフト装置の1ユニットが、考察目的でコンテナC1と名付けられたコンテナをシッピング・ヤード内のそのコンテナの位置からピックアップし、本考察に関してトラクタ1と名付けられたトラクタのシャーシ上に下ろすと仮定する。そのとき、システムは、コンテナC1をトラクタ1に関連付け、コンテナC1に対する次回の業務(transaction)まで、トラクタ1の位置をコンテナC1の位置として識別する。
【0007】
次に、CHEはコンテナC1をトラクタ1のシャーシ上に下ろすが、トラクタ1のすぐ後ろにコンテナを受け取る順番を待つ別のトラクタであるトラクタ2が偶然存在するという状況を検討する。さらに、測位センサの誤差、したがって2台のトラクタの位置推定における誤差に起因して、トラクタ1の位置推定よりもトラクタ2の位置推定の方がCHEの位置推定に近いようにみえると仮定する。システムは、トラクタ2をCHEからコンテナC1を受け取るトラクタとして識別し、コンテナC1をトラクタ2に関連付ける。その結果として、システムは、トラクタ2の位置をコンテナC1の位置として割り当てるが、実際にはコンテナC1はトラクタ1の上にある。さらに、そのような誤った関連付けは、コンテナC1に対するその後の業務における誤った関連付けをもたらすので、誤りは伝播する。こうして、コンテナとHEの間の不正確な関連付けのせいで、誤った追跡及び位置情報が生成されることになる。
【0008】
コンテナとHEとの間の正確な関連付けを保証するためには、在庫追跡システムは、各コンテナ在庫業務に関与するHEを正確に識別する必要がある。典型的には、在庫追跡システムは、ツイストロック・センサ/スイッチのようなセンサからの情報に基づいてコンテナ業務を認識する。ツイストロックは、CHE上で運送中のコンテナを固定するために、CHEのスプレッダ・バーの四隅に取り付けられた機構である。ツイストロック・システムは、機械部品の遠隔操作を可能にするための電子部品(例えば、モータ、制御回路、及びセンサ/スイッチ)を含む。電子式ツイストロックの操作を容易にするために、典型的には2つのタイプのセンサ/スイッチが用いられる。説明の便宜上、ここでは、これらの2つのタイプのセンサ/スイッチを、ツイストロック接触センサ及びツイストロック係合スイッチと呼ぶ。CHEがコンテナをピックアップしたとき又は下ろしたときに、これらのツイストロック・センサ/スイッチは、その出力又は状態表示を変更する。例えば、CHEがコンテナをピックアップする前に、CHEのスプレッダ・バーの四隅にある4つのツイストロックのすべてが、持ち上げに備えてコンテナをスプレッダ・バーに固定するために係合している必要がある。ツイストロックが係合すると、それらの対応するツイストロック係合スイッチは、その状態を「解放」(又は「ロック解除」)から「係合」(又は「ロック」)に変更して、ツイストロックの係合を示す。この変更に基づいて、CHEは、コンテナのピックアップ作業の発生を検出し、在庫追跡システムに対して、自身のIDと、ピックアップ作業と、作業が発生した時刻とを報告することができる。同様に、CHEがコンテナを下ろすときには、ツイストロックは、スプレッダ・バーからコンテナを取り外すために解放され、それにより、ツイストロック係合スイッチの状態が「係合」(又は「ロック」)から「解放」(又は「ロック解除」)へと変更される。したがって、在庫追跡システムはこのようにして、作業(ピックアップ又はドロップオフ)及びその作業を行ったCHEに関する情報を得る。このとき、コンテナとHEの間の正確な関連付けは、コンテナを受け取る又は提供するトラクタを正確に認識することにかかっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
コンテナとHEの間の正確な関連付けを保証するために、幾つかの従来技術の在庫追跡システムは、HE上に取り付けられたトランスポンダ及びリーダを有する。1つの従来技術のシステムでは、トランスポンダはトラクタに取り付けられ、一方、リーダはCHEに取り付けられる。CHEがトラクタのシャーシからコンテナをピックアップ(又はトラクタのシャーシにコンテナをドロップオフ)するたびに、CHE上のリーダが、トラクタ上のトランスポンダを読み取り、トランスポンダからの情報(例えばトラクタID)に基づいてトラクタを識別する。しかしながら、そのようなトランスポンダ−リーダに基づく機構は、リーダがトランスポンダを読み取るために、見通し線又はごく近くへ近接を必要とする。見通し線/近接の可能性を最大化するように典型的には多重のリーダ/トランスポンダが各HE上に取り付けられているという事実(その結果、コストが高くなる)にもかかわらず、リーダはそれでもなお、トラクタ上のトランスポンダの検出にしばしば失敗する。しかも、トランスポンダ−リーダに基づく機構は、干渉に対して脆弱であり、比較的高レベルのメンテナンスを必要とする。
【0010】
他の従来技術の在庫追跡システムは、トラクタにバーコードを取り付け、CHEにスキャナ(又はカメラ)を取り付けている。トランスポンダ−リーダに基づく機構と同様に、CHE上のスキャナ(又はカメラ)はトラクタ上のバーコードを読み取り、バーコードに基づいてトラクタが識別される。このような機構の欠点は、見通し線を必要とすること、悪天候による性能の低下(特にカメラが用いられる場合)、並びにバーコードの損傷又は汚れ(バーコードを読み取ることができなくなる)を含む。さらに、バーコードの位置が問題になることもある。例えば、トラクタの側面にあるバーコードは、トラクタよりも遥かに高さのあるクレーンにとっては読み取りが困難な場合がある。また、トラクタの上部にあるバーコードについても、トラクタよりそれほど高くないトップ・ピックには読み取りが困難である。この問題を解決するために、トラクタよりも遙かに高くなり得るトップ・ピックのスプレッダ・バーにスキャナ又はカメラを取り付けることはできるが、スプレッダ・バーに取り付けられたスキャナ又はカメラは損傷を受けやすい。
【0011】
幾つかの他の在庫追跡システムは、測位精度を改善するために、単にGPSセンサのようなより高精度の測位センサを使用するが、この解決策は、(著しく)より高いコストにつながる。さらに、測位センサにとっては苛酷な環境なので、精度の改善はそれでもなお限定される。GPSに基づく測位システムの場合、積み上げられたコンテナがトラクタを取り囲んで形成する峡谷のような環境内では多重通路伝送及び長期にわたるGPS遮断が一般的に生じ、このことが、より高精度のGPS(又はDGPS)の場合であっても、達成可能な精度を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態によれば、運搬装置(すなわち、トラクタ)と共に用いるように構成された、コンテナ・ヤードにおいてトラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントを検出するためのイベント検出装置が提供される。1つの実施形態において、イベント検出装置は、トラクタの振動を測定するための振動検出器と、振動検出器からの情報を受け取り、トラクタに対して発生したコンテナ作業関連イベントを検出するためのプロセッサとを含む。
【0013】
イベント検出装置のプロセッサにより検出されるコンテナ作業関連イベントは、トラクタに取り付けられたシャーシからのコンテナのピックアップと、トラクタのシャーシ上へのコンテナのドロップオフという、2つのタイプのイベントを含み得る。より詳細には、コンテナ作業関連イベントは、以下の8つのタイプのイベントのうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、(1)トラクタに取り付けられたシャーシの中央におけるコンテナのドロップオフ、(2)シャーシの前部におけるコンテナのドロップオフ、(3)シャーシの後部におけるコンテナのドロップオフ、(4)シャーシの中央におけるコンテナのピックアップ、(5)シャーシの前部におけるコンテナのピックアップ、(6)シャーシの後部におけるコンテナのピックアップ、(7)シャーシの係合(すなわち、トラクタへのシャーシの取り付け)、及び(8)シャーシの解放(すなわち、トラクタとシャーシとの分離)である。
【0014】
1つの実施形態において、プロセッサは、振動測定値が比較的大きい(コンテナ作業関連イベント発生の可能性を示す)ときに振動検出器から振動測定値を収集することにより、コンテナ作業関連イベントの発生を検出する。プロセッサは、さらに、コンテナ作業関連イベントの検出に基づくトラクタの荷積み状態の感知を維持する。更なる実施形態において、イベント検出装置は、トラクタが、速度ゼロを含むゼロに近い速度であるかどうかに関する情報を提供するための速度検出器も含む。トラクタが停止しているか又はほとんど停止している場合を除いて、コンテナ作業関連イベントは発生しないので、イベント検出装置は、トラクタが速度ゼロを含むゼロに近い速度であるときにのみ、振動測定値を収集する。
【0015】
1つの別の実施形態において、イベント検出装置は、コンテナ存在検出器又は位置検出器と、プロセッサとを含む。コンテナ存在検出器は、トラクタの運転台からシャーシ上のコンテナの位置までの距離を判定することなく、トラクタのシャーシ上の少なくとも1つのコンテナの存在を検出する。あるいは、レーダ・システム、LIDAR又はその他の距離測定デバイスといった位置検出器を用いて、トラクタの運転台とコンテナとの間の距離の測定値が与えられ、シャーシ上に置かれた1つ又はそれ以上のコンテナの位置を判定することができる。カメラ又は短距離レーダ・デバイスのような存在検出器も、やはり距離を測定することなくシャーシ上のコンテナの位置を判定することができる。カメラは、コンテナがシャーシの後方部分ではなく前方部分にあるときにのみ存在を検出するような角度とすることができる。同様に、短距離レーダ・デバイスは、コンテナがシャーシの前部にあって後方にはない場合を判定することが可能であり、振動検出器との組み合わせにより、コンテナがシャーシ上のどこに位置するかを判定することができる。プロセッサは、存在の状態と、場合によっては距離とを受信し、存在の状態の変化、並びに変化の前及び後での距離に基づいて、トラクタに対して発生したコンテナ作業関連イベントを検出する。
【0016】
本発明の更なる実施形態は、コンテナ保管施設においてコンテナをHEに関連付けするための在庫関連付け方法を含む。在庫関連付けシステムは、CHE(これは、コンテナを持ち上げかつ運搬することができる)に取り付けられた作業検出器(例えば、コンテナがピックアップ又はドロップオフされたときにそれを示すツイストロック・センサなど)と、トラクタ(これは、コンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有することができる)に取り付けられたイベント検出器(例えば振動検出センサなど)と、通信リンクと、コンテナをHEに関連付けるためのプロセッサとを含む。作業検出器は、CHEにより行われたコンテナ作業の発生を示す情報を提供し、コンテナ作業は、コンテナのピックアップ作業と、コンテナのドロップオフ作業という、少なくとも2つのタイプを含む。イベント検出器は、トラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントの発生を示す情報を提供し、コンテナ作業関連イベントは、シャーシからのコンテナのピックアップと、シャーシへのコンテナのドロップオフという、少なくとも2つのタイプを含む。これら2つの検出器からの情報をプロセッサに送信するために、通信リンクは、作業検出器及びイベント検出器をプロセッサに接続する。
【0017】
作業検出器及びイベント検出器を用いた方法ステップにおいて、プロセッサは、作業検出器からの情報に基づいて、コンテナ作業の発生、並びに作業タイプ及び発生時刻を含む関連情報を検出する。プロセッサはまた、イベント検出器からの情報に基づいて、コンテナ作業関連イベントの発生、並びにイベント・タイプ及び発生時刻を含む関連情報を検出する。引き続き、プロセッサは、イベント・タイプを作業タイプと比較すること、及びイベントについての発生時刻を作業についての発生時刻と比較することにより、コンテナ作業関連イベントがコンテナ作業に一致するかどうかを判定する。一致が見出された場合には、プロセッサはさらに、元は2つのHEのうちの一方に関連付けられていたコンテナを、2つのタイプ、すなわち作業タイプ又はイベント・タイプのうちの少なくとも1つに基づき、もう一方に関連付けする。
【0018】
イベント検出器と関連して又はそれとは独立に提供されるCHEの位置に依拠する別の実施形態において、在庫関連付けシステムは、CHEの位置及びCHEにより行われるコンテナ作業の発生を判定するための、CHE上の第1の移動ユニットと、トラクタの位置及び運動(例えば速度)を判定するための、トラクタ上の第2の移動ユニットとを含む。このシステムは、コンテナをHEに関連付けするためのプロセッサと、情報交換を可能にするための、第1及び第2の移動ユニットとプロセッサとの間の通信リンクとをさらに含む。
【0019】
この実施形態において、第1の移動ユニットは、CHEの第1の位置を提供するための第1の測位ユニットと、CHEによって行われたるコンテナ作業の発生を示す情報を提供するための作業検出器とを含むことができる。第2の移動ユニットは、トラクタの第2の位置並びに第2の位置の信頼水準を提供するための第2の測位ユニットと、トラクタの運動に関する情報を提供するための運動検出器とを含むことができる。第1及び第2の測位ユニットは、GPSセンサ、トランスポンダ、又はHE位置を識別するための同様のデバイスのといったデバイスを含むことができる。第2の移動ユニットにおける運動検出器は、トラクタの運動を判定するための速度センサ又は加速度計とすることができ、これを用いて、第2の位置の信頼水準が比較的低い場合に信頼できる最後の位置からの距離を判定することができる。在庫関連付けシステムのプロセッサは次に、作業検出器からの情報に基づいてコンテナ作業の発生を検出し、第1の位置に基づいてコンテナ作業の位置を判定する。プロセッサはさらに、トラクタがそのコンテナ作業に関与しているかどうかを、作業の位置、作業タイプ、第2の位置、及びトラクタの信頼できる最後の位置からの距離に基づいて判定する。そのトラクタがコンテナ作業に関与していると判定された場合、プロセッサはさらに、コンテナ作業中のコンテナを、作業タイプに基づいてCHE又はトラクタに関連付ける。
【0020】
本発明の更なる詳細は、添付の図面の補助のもとに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】コンテナ在庫業務を示し、CHEは、トラクタのシャーシからコンテナをまさにピックアップしたところ、又はそこにドロップオフしようとしているところである。図中には、GPSに基づく在庫追跡システムも示される。
【図1B】コンテナ在庫業務を示し、CHEは、トラクタのシャーシからコンテナをまさにピックアップしたところ、又はそこにドロップオフしようとしているところである。図中には、GPSに基づく在庫追跡システムも示される。
【図2】トラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントをトラクタの振動パターンに基づいて検出することができる、トラクタに取り付けられたイベント検出装置の第1の実施形態を示す。
【図3】トラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントをトラクタの振動パターンに基づいて検出するためのイベント検出装置の1つの実施形態に伴うプロセスを示すフローチャートである。
【図4A】(1)40ft又は45ftのコンテナがトラクタのシャーシ上にドロップオフされた場合に対応するコンテナ作業関連イベントを示す。
【図4B】(2)20ftのコンテナがシャーシの前部部分にドロップオフされた場合に対応するコンテナ作業関連イベントを示す。
【図4C】(3)20ftのコンテナがシャーシの後部部分にドロップオフされた場合に対応するコンテナ作業関連イベントを示す。
【図5A】トラクタのシャーシの上にコンテナが載せられた後のトラクタのピッチ角の定常状態の変化を示す。
【図5B】トラクタのシャーシの上にコンテナが載せられた後のおけるトラクタのピッチ角の定常状態の変化を示す。
【図6A】トラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントを、1つのコンテナ(又は複数のコンテナ)の存在、及びコンテナとトラクタとの間の距離に基づいて検出する、トラクタに取り付けられたイベント検出装置の別の実施形態を示す。
【図6B】ラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントを、1つのコンテナ(又は複数のコンテナ)の存在、及びコンテナとトラクタとの間の距離に基づいて検出する、トラクタに取り付けられたイベント検出装置の別の実施形態を示す。
【図6C】ラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントを、1つのコンテナ(又は複数のコンテナ)の存在、及びコンテナとトラクタとの間の距離に基づいて検出する、トラクタに取り付けられたイベント検出装置の別の実施形態を示す。
【図7】コンテナをHEに関連付けするための在庫関連付けシステム及び方法の1つの実施形態を示す。
【図8】コンテナとHEとの関連付けがイベント検出器からの情報に基づく、在庫関連付けシステム及び方法の1つの実施形態に伴うプロセスを示すフローチャートである。
【図9A】位置推定における誤差が、コンテナとHEとの関連付けに問題を生じさせ得ることを示す。
【図9B】位置推定における誤差が、コンテナとHEとの関連付けに問題を生じさせ得ることを示す。
【図10】信頼できる最後の位置からのトラクタの距離を組み入れることにより、コンテナとHEとの関連付けが判定される、在庫関連付けシステム及び方法の別の実施形態を示す。この距離は、ここでは、信頼できる最後の位置までの距離と呼ばれる。
【図11】信頼できる最後の位置までの距離を組み入れることによりコンテナをHEに関連付けするためのプロセスを示す高レベルのブロック図である。
【図12】信頼できる最後の位置までの距離とコンテナ・シッピング・ヤードのプロファイルの両方をコンテナとHEとの関連付けに組み入れた、在庫関連付けシステムの別の実施形態による、コンテナ作業の発生時にトラクタが存在する可能性が高い位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
A.システムの概要
図1A及び図1Bは、コンテナ在庫業務の2つの図を提供し、ここでコンテナ荷役装置(CHE)102は、コンテナ118をトラクタ116のシャーシ114(すなわちターミナル・トレーラ又はボム・カート)からまさに持ち上げたところ、又はコンテナ118をシャーシ114に下ろすところである。ここで、CHE102(この例ではトップ・ピック102)はコンテナ118をまさに持ち上げたところであると仮定しよう。このコンテナのピックアップ作業中に、CHE102の操作者は、最初にスプレッダ・バー120をコンテナ118の長さに基づく適正な長さ(10、20、30、又は40フィート)まで伸ばし又は縮める。操作者は次に、スプレッダ・バー120の四隅の4つのツイストロック124の全てがコンテナのツイストロック受け穴に挿入され、スプレッダ・バー120がコンテナの上にしっかりと着座するように、スプレッダ・バー120をコンテナ118上に下ろす。この時点で、スプレッダ・バーの四隅に取り付けられたツイストロック接触センサは、ツイストロックの適正な着座を検出し、ツイストロックが正しい位置にあることを示すようにその出力を(例えば「脱離」から「接触」に)変更する。ツイストロックはまだ係合していないのでツイストロック機構にはまだ重量はかかっていないが、ツイストロックは、ロックの係合が発生することが可能な位置に配置されている。ツイストロック接触センサからの接触情報に基づき、ツイストロックが正しい位置にあることが(例えば電球又はLEDの点灯といった視覚表示により)CHE操作者に通知され、それで、CHE操作者は、典型的には運転台の中にあるボタン又はスイッチによって、電子式ツイストロックを遠隔操作で係合させることができる。この時点で、電子式ツイストロック・システムに組み込まれた型式のスイッチであるツイストロック係合スイッチが、その状態を(例えば、「解放」から「係合」に)変更する。4つのツイストロックの全ての係合が成功した(すなわち、4つのツイストロック係合スイッチの全てがその状態を「係合」に変更した)後で、いまやコンテナを持ち上げても安全になったことが(例えば視覚表示により)操作者に通知される。CHE102がトラクタ116のシャーシ114からコンテナを持ち上げると、コンテナ118はツイストロックにより吊り下げられて、スプレッダ・バー120とコンテナ118の上部との間に僅かな隙間ができる。したがって、ツイストロック接触センサはその値を元の「脱離」に戻し、一方、ツイストロック係合スイッチは「係合」のままである。
【0023】
CHE102がコンテナ118をその行き先に移動して下ろすと、スプレッダ・バー120は再びコンテナ118の上にしっかりと着座し、それが引き金となってツイストロック接触センサが「脱離」から「接触」に変わる。CHEの操作者は、(例えば視覚表示により)この情報を受け取ると、その後、典型的には運転台の中にあるボタン又はスイッチにより、ツイストロックを解放することができる。引き続き、ツイストロック係合スイッチの全てがその状態を「解放」に変更し、その後、CHEの操作者は、コンテナを取り外すためにスプレッダ・バー120を持ち上げ、それが引き金となってツイストロック接触センサはその状態を元の「脱離」に変更する。CHEの操作者はその後、スプレッダ・バー120を動かして離し、この時点で、ツイストロック接触センサはその状態を「脱離」のままに保持し、一方、ツイストロック係合スイッチは次の作業があるまで「解放」のままである。
【0024】
図1Aは、GPSに基づく在庫追跡システムも示し、そこでCHEは、GPSレシーバ108と、通信ユニット106と、プロセッサ104とを備える。CHE102は、ツイストロック・センサ(スプレッダ・バー120上に取り付けられ、又はツイストロック124に内蔵される)と、高さセンサ112とをさらに備える。CHE102は、慣性測定ユニット(IMU)110を備えることもできる。プロセッサ104は、GPS108及びIMU110からの測定値を処理して、CHE102の位置推定を提供する。プロセッサ104は、さらに、位置推定並びに他の情報(例えばツイストロック・センサ及び高さセンサ112の出力)を通信ユニット106を介して中央プロセッサ(図1Aでは図示せず)に通信し、中央プロセッサは、関連情報をさらに処理して在庫追跡データベース(同じく図1Aでは図示せず)に格納する。同様に、図1Bに示されるように、トラクタ116は、GPSレシーバ126と、IMU132と、通信ユニット134と、プロセッサ122とを備え、プロセッサ122は、GPS126及びIMU132からの測定値に基づいてトラクタ116の位置推定を提供する。プロセッサ122は、さらに、位置推定並びに他の情報を中央プロセッサ(図1Bでは図示せず)に通信する。
【0025】
また、図1Aに示され、かつそれを回転させた図である図1Bに詳細に示されているのは、シャーシ114を有するトラクタ116と、コンテナ118を保持するトップ・ピック102との概略的な構造である。シャーシ114は、典型的には、シャーシ前部の連結ピン(又はキング・ピン)と、トラクタ116の後部の第五輪128と呼ばれる馬蹄形の連結装置(図1Bのみに示される)とを含む第五輪連結機構(図示せず)を通じてトラクタ116に取り付けられる。第五輪センサ130(図1Bに示される)は、第五輪連結の状態(連結しているか否か)を提供し、また、連結部の高さ、キング・ピンの位置、及びキング・ピン上のロックの状態といった情報も提供することができる。
【0026】
輸送用コンテナは通常(コンテナが空のときでさえ)比較的重いので、CHE102がコンテナ118をシャーシ114から持ち上げ、又はシャーシ114の上にコンテナを下ろすときに、シャーシ114に比較的大きな衝撃が与えられることになる。シャーシ114は、第五輪を介してトラクタ116に取り付けられているが、第五輪は衝撃をわずかしか緩衝しないので、そのような衝撃は、トラクタ116を短時間(垂直方向とピッチ運動の両方で)振動させる。さらに、振動パターンは、作業のタイプ(コンテナ118のピックアップ又はドロップオフ)、コンテナの重量、及びシャーシ上のコンテナの位置に依存する。例えば、標準的なシャーシは典型的には長さ40ftであり、これは1つの長いコンテナ(典型的には40ft又は45ft)、又は2つの短いコンテナ(典型的には長さ20ft)にとって十分な大きさである。20ftのコンテナをシャーシの前部に下ろすことは、20ftのコンテナをシャーシの後部に下ろすことによって生じる振動パターンとは異なる振動パターンを生じさせる。したがって、トラクタ116の振動パターンを用いて、コンテナ関連作業の発生、作業のタイプ、及び、その作業が、長いコンテナ、シャーシ114の前部における短いコンテナ、又はシャーシ114の後部における短いコンテナにのいずれに関するものであるかを検出することができる。
【0027】
B.イベント検出システム
B1.振動に基づくイベント検出システム
図2は、トラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントをトラクタの振動パターンに基づいて検出することができる、トラクタに取り付けられたイベント検出装置の第1の実施形態を示す。この実施形態において、イベント検出装置は、振動(コンテナ作業関連イベントにより引き起こされた可能性がある)を検出及び測定するための振動検出器202と、振動検出器202からの情報を受け取るため、及びイベントの発生を判定するためのプロセッサ204とを含む。作業関連イベントは、シャーシからのコンテナのピックアップ及びシャーシへのコンテナのドロップオフといった少なくとも2つのタイプのイベントを含むことができる。より詳細には、コンテナ作業関連イベントは、以下の、(1)シャーシの中央におけるコンテナのドロップオフ、(2)シャーシの前部における(短い)コンテナのドロップオフ、(3)シャーシの後部における(短い)コンテナのドロップオフ、(4)シャーシの中央におけるコンテナのピックアップ、(5)シャーシの前部における(短い)コンテナのピックアップ、及び(6)シャーシの後部における(短い)コンテナのピックアップ、という6つのタイプを含むことができる。別の実施形態において、イベントのタイプは、シャーシがトラクタに取り付けられていること、及びシャーシがトラクタから分離されていることをそれぞれ示す、シャーシの係合及びシャーシの解放をさらに含むことができる。
【0028】
トラクタの振動を検出及び測定するための振動検出器202は、コンテナ作業の衝撃によって生じた音を検出する音響検出器、トラクタの垂直運動を検出する加速度計、取り付け位置から地面までの高さを測定することによりトラクタの垂直運動を検出する高さセンサ、トラクタのピッチ運動を検出する角運動センサ、又は加速度計及び/若しくは角運動センサを含むIMUとすることができる。トラクタ上のプロセッサ204は次に、コンテナ作業関連イベントが生じたかどうかを、振動検出器202により測定された(垂直又は角)振動に基づいて判定する。
【0029】
図3は、トラクタ上のプロセッサ204により用いられる、コンテナ作業関連イベントの発生を検出するためのプロセスを示すフローチャートである。プロセスは、ステップ302において振動検出器202から振動測定値を読み出し、ステップ304においてプロセスが記録モードにあるかどうかを判定することにより、開始する。
【0030】
コンテナ作業に起因する衝撃によって生じる振動は通常、短時間続くので、分析のために期間全体にわたって振動測定値を収集することが望ましい場合がある。あるいは、振動測定値のリアルタイム処理を設計して、振動測定値を記録せずに各処理サイクル内で各振動測定値を処理するようにすることができる。図3に示されるプロセスにおいては、振動測定値は記録され、その後で処理される。記録モードはこの目的のために考案されたものであり、ブール変数、例えばrecording_modeを用いて、記録モードがアクティブであるか否かを示すことができる。このブール変数は、システムが最初に開始するときに0(記録モードではないことを意味する)に初期化される。
【0031】
ステップ304を参照すると、ブール変数が0である(例えばrecording_mode=0)場合、プロセスは記録モードにはなく、プロセッサは次にステップ306に進み、そこで、プロセスは、現在の振動測定値の大きさに基づき、記録モードを開始すべきかどうかを判定する。現在の振動測定値が比較的小さい(例えばコンテナ作業の最小衝撃に基づいて選択された事前設定閾値であるthreshold_startよりも小さい)場合、何もイベントは発生していないと判定され、プロセスは終了し、次の処理サイクルが再びステップ302から開始するのを待機する。処理サイクルは、振動の検出を確実にする頻度で生じるように設定される。処理サイクルは、振動検出器からの測定値のレートと同じに(又はそれより長く)設定することができる。例えば、測定値のレートが0.1sであれば、プロセッサは0.1s毎、又はそれより少し長い間隔で、図3に示されるプロセスを実行する。
【0032】
現在の振動測定値が比較的大きく(例えば事前設定閾値より大きい)、コンテナ作業関連イベントが確からしいことを示す場合には、プロセスは、記録モードを開始すべきであると判定し、ステップ308に進んで、ブール変数を1に設定する(例えば、recording_mode=1に設定する)。次いでステップ310において、プロセスは、現在の振動測定値を、現在の速度測定値及び現在時刻を含むその他の情報と共に格納する。引き続き、プロセスは現在のサイクルを終了し、次の処理サイクルが再びステップ302において開始するのを待機する。
【0033】
ステップ304において、プロセスが記録モードにあると認識した(例えば、recording_mode=1)場合には、プロセスは、ステップ312において、現在の振動測定値を、現在の速度(入手可能な場合)及び現在時刻を含むその他の情報と共に格納する。プロセスは、ステップ314において、振動が収まったかどうか、及び記録モードを終了すべきかどうかをさらに判定する。1つの実施形態において、判定は、事前定義された持続時間、例えば時刻(t−T)から時刻tまでの期間の振動測定値に基づくものであり、ここで、時刻tは現在時刻であり、Tは事前定義された持続時間である。すなわち、時刻t−Tと時刻tとの間に収集された全ての振動測定値が全て、事前定義された閾値(例えば、threshold_end)よりも小さい場合には、プロセスは、振動が収まったとみなし、ステップ316に進んで、ブール変数を0にリセット(すなわち、recording_mode=0)することにより記録モードを終了する。振動がまだ収まっていない場合には、プロセスは記録モードを終了せずに、単にサイクルを抜けて、次の処理サイクルが再びステップ302において開始するのを待機する。
【0034】
一旦、振動が収まり(ステップ314において判定される)、記録モードがリセットされると(ステップ316において)、プロセスは次に、ステップ318において、コンテナ作業関連イベントが発生したかどうかを収集した振動測定値に基づいて判定する。判定の更なる詳細は後で図4を用いて説明される。ステップ318においてイベントが検出された場合には、プロセスは、ステップ320を通ってステップ322へと続き、イベントを、イベントのタイプ及びイベントの発生時刻を含むその他の関係情報と共に報告する。1つの実施形態において、プロセスは、このような情報を記録するためのイベント表を作成し、そしてステップ322において、プロセスは次に、新たに検出されたイベントを記録するために、ライン・エントリをイベント表に追加する。プロセスが、振動はコンテナ作業によって生じたものではないと判定した場合には、プロセスはステップ324へと続き、収集した測定値を破棄し、その後、サイクルを抜けて次の処理サイクルを待機する。
【0035】
プロセスが、コンテナ作業関連イベントが発生したかどうかを判定するステップ318を、再び参照する。1つの実施形態においては、少なくとも6つのタイプのイベントが存在する。図4A−図4Cは、これらの6つのタイプのイベント(1)シャーシの中央におけるコンテナのドロップオフ(図4A)、(2)シャーシの前部における(短い)コンテナのドロップオフ(図4B)、(3)シャーシの後部における(短い)コンテナのドロップオフ(図4C)、(4)シャーシの中央におけるコンテナのピックアップ、(5)シャーシの前部における(短い)コンテナのピックアップ、及び(6)シャーシの後部における(短い)コンテナのピックアップ、のうちの最初の3つを示す。別の実施形態において、イベント・タイプは、シャーシの係合及びシャーシの解放をさらに含むことができる。
【0036】
異なるイベント・タイプのイベントは、トラクタを違った様式で振動させ、その結果として、イベントの発生のみならずイベント・タイプを判定するために用いることが可能な異なる振動パターンをもたらす。ピックアップ作業とドロップオフ作業とでは異なる作業プロセスを経るという事実に起因して、ピックアップ作業により引き起こされる振動は、ドロップオフ作業により引き起こされる振動とは明確に異なる。より詳細には、ピックアップ作業は、CHEが、最初にスプレッダ・バーをコンテナ上に降ろし、次いでツイストロックを係合させ、最後にコンテナを持ち上げることを要するのに対し、ドロップオフ作業は、CHEが、最初にコンテナをシャーシ上に下ろし、ツイストロックを解放し、その後スプレッダ・バーを引き上げて離れさせることを要する。結果として、動作シーケンスにおける違いが、振動パターン内に異なるシグネチャを作り出す。さらに、振動の大きさ、周波数、及び減衰は、コンテナの重量及び寸法と、コンテナの位置(すなわち、シャーシの中央、前部、又は後部)とに依存する。したがって、振動パターン(これは記録モード中に収集される)のシーケンス内のシグネチャ、大きさ、周波数、減衰率、及び持続時間を調べることにより、トラクタ上のプロセッサは、イベントが発生したかどうかを検出することができ、かつ6つのイベントのうちのどれが発生したかを判定することができる。
【0037】
1つの実施形態において、ステップ318におけるイベントの検出は、2段階プロセスを経るパターン認識技術を使用する。第1の段階において、1回の記録モード中に収集された振動測定値を処理して、振動を表すシグネチャ(又は特徴)が抽出される。時間領域分析及び周波数領域分析の両方が適用され、これは、モデルに基づく時系列分析、主成分分析(PCA)、特異スペクトル解析、連続ウェーブレット変換、非整数次フーリエ変換、並びに線形及び非線形統計的回帰技術を含むがこれらに限定されない。
【0038】
第2の段階において、抽出された特徴は、予め設計された分類器(又は一組の分類器)に入力され、分類器は、振動パターン(抽出された特徴によって表される)を、6つのイベント・タイプに対応する6つのクラスと、イベントが発生しなかったことを表す第7のクラスと、「判断不能」決定を表す第8のクラスとを含む、8つのクラスのうちの1つに分類する。別の実施形態において、分類器は、振動パターンを、上記の8つのクラスと、シャーシの係合及びシャーシの解放という2つのイベント・タイプにあたる2つのクラスとを含む10個のクラスのうちの1つに分類することができる。代替的な実施形態では、振動パターンを最終的なクラスに分類する代わりに、分類器は、振動パターンが各々のクラスに属する尤度を含む尤度ベクトルを求める。さらに別の実施形態において、「判断不能」クラスは棄却することができ、残りの7つのクラスのみが用いられる。分類器の設計は、関連付けられたイベントが既知である実験において収集された振動データに基づく。分類器の設計には、ファジィ論理、クラスタ化、ニューラル・ネットワーク(NN)、自己組織化マップ(SOM)及び単なる閾値に基づく論理のような種々の分類技術を用いることができる。分類器の設計のためのこれらの技術及びプロセスは当業者には周知であるので、したがってこの説明には含めない。
【0039】
別の実施形態において、ステップ318におけるイベントの検出は、コンテナ作業関連イベントに関連付けられた振動を表すために動的モデルを用いることができる。1つの非限定的な例において、モデルは、y(t−tevent)=f(Fimpact,Limpact,t−tevent,nnoise)の形であり、ここで、yは測定された振動信号であり、tは現在時刻であり、teventはイベントが最初に開始した時刻(すなわち、記録モードが開始した時刻)であり、Fimpactはコンテナ作業(又はシャーシ係合/解放)に起因する衝撃力であり、Limpactは衝撃力の(等価)位置であり、nnoiseは測定ノイズを表す。このような動的モデルの設計は、トラクタ−シャーシ系の物理学に基づいてモデル構造を開発することと、イベント・タイプが既知の実験において収集されたデータに基づいてモデル・パラメータを同定することとを含む。動的モデルの設計プロセスは、当業者には周知であり、ここでは詳述しない。
【0040】
所定のモデルを用いると、ステップ318におけるイベント検出は次に、振動測定値をモデルに当てはめ、以下の式を解くことによってFimpact及びLimpactを同定する。
【数1】

ここで、ym(ti−tevent)は、時刻tiにおける振動測定値である。引き続き、ステップ318におけるイベント検出は、衝撃力Fimpactが所定の閾値よりも大きければ、コンテナ作業関連イベントが発生したものと判定し、さらに、Fimpactの符号と、衝撃の位置Limpactとに基づいて、イベント・タイプが判定される。例えば、衝撃力Fimpactが重力の方向であり、かつ衝撃の位置Limpactがほぼシャーシの中央である場合、イベント・タイプは、「シャーシの中央へのコンテナのドロップオフ」と判定される。
【0041】
動的モデル並びに動的モデルに基づくイベント検出に対する変形は、当業者であれば決定することができる。例えば、個別のイベント・タイプの各々について1つずつ、複数の動的モデルを構築することが可能であり、ステップ318におけるイベント検出は、振動測定値を動的モデルの各々に対して当てはめ、残差を比較することができる。残差が最も小さくなるモデルが、検出された振動を表すモデルとして同定される。要するに、このモデルに対応する衝撃力Fimpactが比較的大きい(すなわち、所定の閾値よりも大きい)場合に、ステップ318においてコンテナ作業関連イベントが検出され、かつ、イベント・タイプは、この特定のモデルに対応するタイプとして判定される。振動を分析し、コンテナ作業関連イベントを検出するために、パターン認識及びモデル・マッチング技術に加えて、情報に基づくアルゴリズム、認知に基づくアルゴリズム、及び規則に基づく論理といったその他の方法を利用することができる。
【0042】
1つの実施形態において、ステップ318におけるイベント検出及びイベント・タイプ判定は、イベント表に格納された、以前のイベント履歴をチェックすることにより、イベント検出を確認することを伴うこともできる。例えば、イベント情報に加えて、イベント表はさらに、コンテナ非積載、中央に1つのコンテナ積載、前部に1つのコンテナ積載、後部に1つのコンテナ積載、2つのコンテナ積載(1つは前部、もう1つは後部)等を含む、トラクタの荷積み状態を含むことができる。現在のイベントが、(例えば、上記の2段階プロセスに基づいて)シャーシの中央におけるコンテナのドロップオフとして検出されたならば、プロセスは次に、現在のイベントの直前の状態である、イベント表に記録されたトラクタの状態をチェックする。状態が空である場合には、イベント検出はさらに裏付けられ、プロセスは、現在のイベントをイベント表に追加し、トラクタの状態を「中央に1つのコンテナ積載」に更新することができる。他方、イベント表におけるトラクタの状態が「前部に1つのコンテナあり」であった場合、シャーシの中央におけるコンテナのドロップオフとして検出された現在のイベントは起こるはずがない。このような競合は、以前のイベント又は現在のイベントのどちらかが間違って検出されたことを示す。その場合、プロセスはこれらの2つのイベントに対応する振動パターンを比較し、それらのタイプを再評価することができる。プロセスが、検出決定を調整することに失敗した場合、プロセスは、両方のイベントを「判断不能」としてマークを付けるか若しくはその両方に競合フラグを付加することができ、又は、競合を解決するようにイベント・タイプを特定するためにトラクタの操作者又は他の観察者からの入力を要求することができる。
【0043】
更なる実施形態において、図2に示されたイベント検出装置は、トラクタが速度ゼロを含むゼロに近い速度であるかどうかに関する情報を提供するための速度検出器を含むこともできる。コンテナ作業関連イベントは、典型的にはトラクタが停止しているか又はほとんど停止しているときにのみ発生するので、プロセッサ204は、トラクタが速度ゼロを含むゼロに近い速度であることを速度検出器が示しているときにイベント検出のための振動測定値を収集することができる。そうすることで、トラクタが移動しているときに生じる振動、例えばトラクタの移動及び路上の障害物によって生じる振動は排除され、そのことによりプロセッサ204の処理量が低減され、イベント検出精度がさらに高められる。
【0044】
速度検出器は、トラクタの速度を直接測定する速度センサとすることができ、プロセッサ204は、速度測定値がゼロであるか又はゼロに近い(すなわち、0.1m/sといった閾値よりも小さい)場合に、そのトラクタが停止しているか又はほとんど停止していると判断する。あるいは、事前定義された期間(例えば[t−tw,t]、ここでtは現在時刻であり、twは持続期間の長さである)内の速度測定値に基づいて平均速度を計算することができ、プロセッサ204は、この平均速度がゼロであるか又はゼロに近い場合に、トラクタが停止しているか又はほとんど停止していると結論付ける。あるいは、速度検出器は、ギア位置を示すことができ、プロセスは、ギア位置がパーキングに入っている場合に、そのトラクタが停止していると判断する。速度検出器は、トラクタに取り付けられた加速度計とすることもできる。トラクタの移動は(コンテナ作業の衝撃に比べて)比較的小さいが持続する振動を引き起こすので、加速度計の測定により、トラクタが停止しているか又はゼロに近い速度であるかどうかの判定が可能になる。あるいは、加速度計の代わりにIMUを用いることができる。
【0045】
B2.ピッチ角の変化に基づくイベント検出
図5A及び図5Bは、トラクタのピッチ運動における振動並びに振動の前後でのピッチ角の変化を検出するための振動検出器として用いることができる、ピッチ角速度センサの使用を図示する。ピッチ角速度センサは、単独で、又は図3に関して説明した振動を測定する装置と組み合わせて用いることができる。ピッチ角速度センサを用いて、トラクタ上のプロセッサ206は、図3で示されたプロセス・フローと同じプロセス・フローに従う。しかしながら、ステップ318におけるイベント検出及びイベント・タイプ判定は、振動パターンの代わりに(又はそれに加えて)トラクタのピッチ角の定常状態変化に基づく。図5A及び図5Bは連携して、トラクタのシャーシの上にコンテナが積載された後でのピッチ角の定常状態変化を示す。図5Aは、荷積みされていないシャーシが取り付けられた状態のトラクタを示し、図5Bは、シャーシの中央にコンテナが着座した状態のトラクタを示す。コンテナの重量のせいで、トラクタのピッチ角は、コンテナがトラクタのシャーシの上に積載された後で増大する(図5B)。したがって、振動が収まった後でのピッチ角の正の変化は、コンテナのドロップオフ作業を示し、一方、負の変化は、コンテナのピックアップ作業を示す。したがって、ステップ318において、プロセスは、記録モード中に収集されたピッチ角を積分する。角度の変化の絶対値が比較的大きい(例えば、コンテナ作業が引き起こし得る最小の変化に対応する所定の閾値よりも大きい)場合、コンテナ作業関連イベントが検出された。作業は、角度の変化が正である場合はコンテナのドロップオフ作業であり、又は角度の変化が負である場合はコンテナのピックアップ作業である。
【0046】
ピッチ角変化の絶対値は、コンテナにより生じるモーメントに関係し、モーメントは、コンテナの重量とコンテナの位置(すなわち、シャーシの中央、前部、又は後部)との複合的な効果なので、コンテナの位置をさらに識別することが望まれる場合には、追加情報が必要である。1つの実施形態においては、シャーシ上におけるコンテナの位置を判定するために、振動の最大値が振動の持続時間(これは、振動の周波数及び減衰を示す)と共に用いられる。別の実施形態においては、1つはコンテナのピックアップ作業のため、もう1つはコンテナのドロップオフ作業のための、2つの分類器が設計され、これらの2つの分類器の各々は、作業を、シャーシ上のコンテナの3つの可能な位置に対応する3つのクラスにさらに分類する。
【0047】
B3.コンテナ位置検出に基づくイベント検出
図6A−図6Cは、シャーシ上におけるコンテナの存在に加えて、コンテナ118(又は短いコンテナ608、610)とトラクタ116との間の距離の測定値を提供することによりコンテナ位置を検出するための、トラクタ116に取り付けられたイベント検出装置の別の実施形態を図示する。この実施形態において、イベント検出装置は、コンテナ位置検出器602を含み、このコンテナ位置検出器は、トラクタに取り付けられたシャーシ上のコンテナ118(又はコンテナ608、610)の存在を検出するためのものであり、かつ、存在の状態並びにコンテナ118(又はコンテナ608、610)とトラクタ上のこのコンテナ位置検出器の位置との間の距離を与えるためのものであり、イベント検出装置はさらに、存在状態の変化と変化の前後での距離とに基づいてトラクタに生じるコンテナ作業関連イベントを検出するための、プロセッサ604を含む。コンテナ位置検出器602は、トラクタ116上に、シャーシ114の上方に後ろ向きに取り付けることができる。このコンテナ位置検出器602の例は、レーダ・システム、LIDAR(光検知測距)、超音波センサ、及びカメラを含む。図6A−図6Cに示されているように、シャーシの上にコンテナ118が存在する(又は2つのコンテナ608、610が存在する)場合、コンテナ存在検出手段は、コンテナ118(又はシャーシ前部にあるコンテナ610)をターゲットとして検出し、そこからコンテナ存在検出器602(例えば、トラクタ116の後方にある)までの距離を与える。ターゲット及びその位置をレーダ、LIDAR、及び超音波画像で識別するための技術、並びに同様の目的でカメラ画像を処理するために用いられる画像処理技術は、当業者に周知であり、したがってこの説明には含めない。
【0048】
シャーシ114の前部にある短いコンテナ610は、コンテナ位置検出器が後部にある短いコンテナ608の存在を検出することを妨げることがあるので、短い(例えば20ft)コンテナは常に、シャーシの前部にコンテナを置く前に後部に置くこと、及び、シャーシの前部にあるコンテナは常に、後部にあるコンテナをピックアップする前にピックアップすることをCHEの操作者に対して要求することが必要であり得る。このような手順を励行することにより、プロセッサ・ユニット604は、前述の6つのコンテナ・ピックアップ及びドロップオフ・イベントの全てを、コンテナ位置検出器602の出力(すなわち存在の状態)の変化に基づいて検出することが可能になる。例えば、存在の状態が「ターゲットなし」から「ターゲット」に変わり、かつ距離が小さい(例えばシャーシ長さの4分の1を下回る)場合は、シャーシの中央に標準的な(40ft又は45ft)のコンテナがドロップオフされた。存在の状態が「ターゲットなし」から「ターゲット」に変わり、かつ距離が比較的大きい場合は、シャーシ後部に短いコンテナがドロップオフされている。存在状態が「ターゲット」のままであるが、距離が比較的大きい距離から小さい距離に変化した場合は、シャーシ前部に短いコンテナがドロップオフされ、シャーシの上には2つの短いコンテナが存在する。同様にして、コンテナのピックアップ作業に対応する3つのイベントを検出することができる。
【0049】
B4.コンテナ存在検出を伴うイベント検出
図2、図5、及び図6により説明されたイベント検出装置は、イベントに関与するコンテナがシャーシの前部にあるか後部にあるかを判定する精度を高めるために、多くの異なるタイプの1つ又はそれ以上のコンテナ存在検出器を含むことができる。位置検出器と名付けられたコンテナ存在検出器の第1のタイプは、トラクタの運転台からシャーシ上に置かれたコンテナまでの距離を測定してその存在及び運転台までの距離の両方を判定することができる、レーダ又はLIDARを含む。コンテナ存在検出器の第2のタイプは、短い検出範囲を有し得るものであり、コンテナからトラクタの運転台までの距離を測定する能力を有していなくてもコンテナの存在を検出するように、スキャン角又は検出角は小さいものとすることができる。そのようなコンテナ存在検出器の例は、短距離超音波センサ、レーダ、及びLIDAR、並びに低解像度カメラを含む。このコンテナ存在検出器(又は非位置検出器)は、コンテナが検出器までのある特定の距離(例えばシャーシの長さの3分の1)内にあるときに、その存在を検出することができる。すなわち、コンテナ存在検出器は、シャーシ上の標準的なコンテナ(例えばコンテナ118)及びシャーシ前部の短いコンテナ(例えば短いコンテナ610)を検出することはできるが、シャーシ後部の短いコンテナ(例えば短いコンテナ608)は検出できない場合がある。あるいは、コンテナ存在検出器は、所定の範囲内(例えばシャーシの長さの3分の1)における(ピックアップ又はドロップオフ・イベント中の)コンテナの運動を検出する動作検出器とすることもできる。
【0050】
長い検出範囲及び比較的広いスキャン角度を有しているとしても、コンテナ存在検出器それ自体は、特にシャーシ前部にその視界を遮るコンテナが存在するときには、シャーシの後部のコンテナが関与するコンテナ作業関連イベントを検出するには適していないことがある。しかしながら、コンテナ作業関連イベントが既に検出されているならば、コンテナ存在検出器は、中央、前部、又は後部のどのコンテナが関与しているのかを判定することを支援するのに効果的であり、かつ信頼性があり得る。
【0051】
したがって、コンテナ存在検出器を伴うイベント検出装置の場合、イベント検出装置は、まずコンテナ作業関連イベントを検出し、振動検出器又はコンテナ位置検出器といった検出器に基づいて、それがピックアップ・イベント又はドロップオフ・イベントのどちらであるのかを判定することができる。コンテナ存在検出器がコンテナを検出しない場合には、イベントに関与するコンテナはシャーシの後部にあるはずである。コンテナ存在検出器がコンテナを検出した場合には、イベントには、中央にある標準的なコンテナ又は前部にある短いコンテナが関与している。イベント検出装置は、トラクタの荷積み状態又はイベント履歴に基づいてこれらの2つのタイプをさらに区別することができる。例えば、現在のイベントがドロップオフ・イベントであると判定され、以前のイベントがシャーシの後部におけるコンテナのドロップオフであった場合、現在のイベントは、シャーシの中央での標準的なコンテナではなく、シャーシの前部での短いコンテナのドロップオフであるはずである。
【0052】
コンテナ存在検出器は、そのコンテナ作業が、シャーシ中央の標準的なコンテナ、前部の短いコンテナ、又は後部の短いコンテナのどれに関係するのかを判定する一助とするために在庫関連付けシステムに組み入れることができる。このような在庫関連付けシステムは、在庫関連付けを行うために用いることができる、トランスポンダ/リーダ、測位システム、及びその他の技術に基づくものとすることができる。シャーシに対するコンテナ作業の位置を判定するための方法の1つの実施形態は、以下のステップを含む。最初に、在庫関連付けシステムは、CHEにより行われるコンテナ作業を検出し、そのコンテナ作業に関与するコンテナを提供するか又は受け取るトラクタとして、1つのトラクタを識別する。在庫関連付けシステムは次に、トラクタに取り付けられたコンテナ存在検出器により提供される存在の状態に基づいてシャーシ上でのコンテナの位置を判定する。すなわち、コンテナ存在検出器がコンテナを検出した場合、そのコンテナは、シャーシの前部又は中央にあると判定される。検出しない場合、コンテナは、シャーシの後部にあると判定される。距離を判定することができないコンテナ存在検出器の実施形態の場合、コンテナ存在検出器は、シャーシの前部又は中央にあるコンテナのみの検出を可能にする短い検出範囲を有するものとすることができる。当業者には認識されるように、シャーシに対するコンテナ作業の位置を判定するために、存在の状態及びコンテナとトラクタとの間の距離との両方を与えるコンテナ位置検出器を用いることもできる。
【0053】
C.作業及びイベント検出に基づく在庫関連付けシステム
図7は、1つのコンテナに対して発生する作業及びイベントという2つのアイテムの検出に基づくコンテナの在庫管理を提供する、コンテナをHEに関連付けするための在庫関連付けシステム及び方法の1つの実施形態を示す。まず作業アイテムに関しては、コンテナ・シッピング・ヤードには多数のCHE及びトラクタが存在し、図7は、例示の目的で1台のCHE102及び1台のトラクタ116を示す。この実施形態においては、作業検出器702がCHE102に取り付けられ、CHEによって行われるコンテナ作業の発生を示す情報を提供する。コンテナ作業は、コンテナのピックアップ作業と、コンテナのドロップオフ作業という、少なくとも2つのタイプを含む。次に、イベントについては、イベント検出器704がトラクタ116(すなわち、コンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有することができるHE)に取り付けられ、トラクタ116におけるコンテナ作業関連イベントの発生を示す情報を提供する。コンテナ作業関連イベントは、シャーシ116からのコンテナのピックアップと、トラクタのシャーシ116へのコンテナのドロップオフという、少なくとも2つのタイプを含む。プロセッサ706は、作業検出器702からの情報とイベント検出器704からの情報とに基づき、コンテナをHEに関連付けする。情報をプロセッサに送信するために、プロセッサ706上の通信リンク708が、作業検出器702及びイベント検出器704をプロセッサにリンクする。
【0054】
別の実施形態(図示せず)において、プロセッサ706は、多数のローカル・プロセッサに分けられ、各ローカル・プロセッサは各HE上に配置され、それとは別個に中央プロセッサが配置される。図7に示された統合プロセッサを用いた実施形態をこの後で詳細に説明するが、この説明を個別のプロセッサを有するように容易に応用できることが当業者には容易に認識されるであろう。
【0055】
コンテナを持ち上げることができるCHE102上の作業検出器702は、コンテナを受け取って移動することができるトラクタ116上のイベント検出器704とは異なる役割を果たす。CHE102上の作業検出器702は、CHE102により実行されるコンテナのピックアップ及びドロップオフ作業を検出し、一方、トラクタ116上のイベント検出器704は、トラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントを検出する。
【0056】
C1.1 ツイストロック・センサ示度に基づく作業検出
CHE102上の作業検出器702は、コンテナをCHE102に固定し、かつコンテナをCHE102から取り外す機構の係合及び解放を示す係合の状態を提供するための、複数のセンサ・スイッチを含む。1つの実施形態において、作業検出手段は、ツイストロック接触センサ及びツイストロック係合スイッチといったツイストロック・センサを含む。CHE102用のプロセッサは、そのツイストロック・センサにおける変化のシーケンスに基づいてコンテナのピックアップ又はドロップオフ作業を検出する。例えば、コンテナのピックアップ作業中に、ツイストロック・センサは、典型的には以下の3ステップの変化のシーケンスを経る。すなわち、(1)ツイストロック接触センサが、「脱離」から「接触」に変わる(CHEのスプレッダ・バーがコンテナに確実に接触したことを示す)、(2)ツイストロック係合スイッチが、「解放」から「係合」に変わる(ツイストロックが正しい位置にあり、係合された(すなわちロックされた)ことを示す)、そして最後に(3)ツイストロック接触センサが、「接触」から元の「脱離」に変わる(コンテナが持ち上げられ、スプレッダ・バーがもはやコンテナ上にしっかりと載っておらず、コンテナがスプレッダ・バーのツイストロックによって支持されていることを示す)。同様に、CHE102がコンテナを下ろすとき、ツイストロック・センサは、第2のステップにおいてツイストロック係合スイッチが「係合」から「解放」に変わること以外は同様の変化のシーケンスを経る。確実な係合又は解放を保証するために、CHE102の操作者がツイストロックを複数回にわたって係合及び解放し得るという状況が存在し、その結果、もっと多くのステップが生じる。
【0057】
作業検出器702は、ツイストロック係合センサを含み、ツイストロック係合スイッチの状態の変化を監視することにより、CHE102用のプロセッサは、作業タイプを判定することができる。すなわち、最終状態が「係合」である場合はピックアップ作業であり、最終状態が「解放」である場合はドロップオフ作業である。別の実施形態において、作業検出器702は、ツイストロック係合スイッチとツイストロック接触センサの両方を含み、ツイストロック係合スイッチの最終変化の後でツイストロック接触センサが「接触」から「脱離」に変わった時刻が、ピックアップ又はドロップオフ作業が実際に発生した時刻である。
【0058】
C1.2.振動検出器に基づく作業検出
あるいは、作業検出器702は、前述で開示されたイベント検出装置における振動検出器と同様の振動検出器を含むことができる。振動検出器は、CHE102の振動の測定値を与え、これをCHE102用プロセッサが用いて、コンテナ作業の発生を検出することができる。当業者には認識されるように、CHE102の振動に基づく作業検出は、トラクタの振動に基づくイベント検出と同様である。
【0059】
したがって、作業検出器に基づいて、CHE102用のプロセッサは、コンテナのピックアップ又はドロップオフ作業、並びに作業が発生した時刻を検出する。GPS又はトランスポンダのような測位センサがCHE上で利用可能である場合には、CHE102用のプロセッサは、測位センサにより提供されるCHE102の位置に基づいて、さらに作業の位置を判定する。次いで、当該プロセッサは、タイプ、時刻、及び位置を含めた作業の検出、並びにCHEのIDを、プロセッサ706に通信する。
【0060】
C2.イベント検出器に基づくイベント検出
トラクタ116(又はコンテナの受取り及び移動が可能なその他のHE)上のイベント検出器は、コンテナ作業関連イベントにより引き起こされる振動パターンを検出するための振動検出器を含むことができる。トラクタ116用のプロセッサは、コンテナ作業関連イベント並びにイベントの時刻及びタイプを検出するために、図3において説明されたプロセスに従う。あるいは、イベント検出器は、コンテナ位置検出器を含むことができ、このコンテナ位置検出器は、トラクタ116に取り付けられたシャーシ上のコンテナの存在を検出するためのものであり、かつ、存在の状態、並びにコンテナとトラクタ上のこのコンテナ位置検出器の位置との間の距離を与えるためのものである。トラクタ用のプロセッサは、存在の状態の変化、及び変化の前後での距離に基づいて、トラクタに生じるコンテナ作業関連イベントを検出する。引き続き、トラクタ上のプロセッサは、時刻、イベントのタイプ、位置、及びトラクタ116のIDを含むイベント情報を、中央プロセッサ706に通信する。
【0061】
C3.相互的な作業−イベント検出を用いた在庫関連付けのための方法ステップ
イベント(すなわち、コンテナ作業関連イベント)が検出された場合、コンテナは、1つのHEから別のHEに受け渡されたことになる。イベントは、コンテナがシャーシの係合又は解放を通じてトラクタによって「ピックアップ」又は「ドロップオフ」された場合にも検出されることがあり、コンテナが1つのHEから別のHEに受け渡されたこと、又はコンテナが地面若しくは別のコンテナの上からピックアップされたか又はそこにドロップオフされたことを示す。結果として、コンテナとHEとの間の関連付けは、作業又はイベントごとに変化する。したがって、CHEによって作業が検出されるか又はトラクタによってイベントが検出されるたびに、在庫追跡システムは、対応するコンテナ−HE関連付けを更新する必要がある。1つの実施形態において、CHEから作業検出を、又はトラクタからイベント検出を受信すると、中央プロセッサ706は、図8において示される関連付けプロセスに従って、関連付けを確立し、又は更新する。
【0062】
図8において、関連付けプロセスは、ステップ802において開始し、ここで、中央プロセッサは、CHE又はトラクタにより新たな作業又はイベントが報告されたかどうかをチェックする。新たな作業又はイベントの報告がない場合は、関連付けプロセスは終了し、次の処理サイクルが再びステップ802において開始するのを待機する。報告があった場合、関連付けプロセスはステップ804に進み、その報告が、CHEにより行われた作業又はトラクタに対して発生したイベントのどちらであるかを調べる。1つの実施形態において、関連付けプロセスは、作業又はイベント・データ内の装置IDに基づいて決定を行う。装置IDがCHEのIDである場合は、関連付けプロセスは、それがCHEにより報告された作業であると結論付け、ステップ806に進む。そうでない場合は、関連付けプロセスは、それがトラクタにより報告されたイベントであると結論付け、ステップ818に進む。別の実施形態において、CHE及びトラクタは、報告されるデータが作業又はイベントのどちらであるかを示す付加的なフラグを作業又はイベントの報告に付加する。したがって、関連付けプロセスは、ステップ804において、そのフラグに基づいて決定を行う。
【0063】
CHEは、コンテナのピックアップ又はドロップオフ作業の発生を検出するのみであるから、CHEは、自身が地面又はトラクタのシャーシのどちらからコンテナをピックアップした(又はコンテナをドロップオフした)のかを区別しない。したがって、ステップ806において、関連付けプロセスは、その作業が、別のHE(すなわち、トラクタ)が関与する業務なのかどうかを判定する。1つの実施形態において、CHEはさらに、コンテナの高さと、ツイストロック係合スイッチがその出力を変更した時刻における高さ測定値とを測定する、高さセンサも備える。例えば、CHEが、地面から又はコンテナ・スタックからコンテナをピックアップする場合、ツイストロックが係合した時刻における高さセンサの測定値は、コンテナ1個(コンテナが地面の上にある場合)、コンテナ2個(ピックアップされるコンテナの下にコンテナが1個ある場合)、コンテナ3個(ピックアップされるコンテナの下にコンテナが2個ある場合)、以下同様、の高さに対応する幾つかの特定の値のうちの1つだけを有する。他方、コンテナがトラクタのシャーシからピックアップされる場合には、ツイストロックが係合したときの高さセンサの測定値は、コンテナの高さ及びシャーシの高さに対応する値を有する。それゆえ、位置情報に含まれる高さに基づいて、関連付けプロセッサは、別のHE(すなわち、トラクタ)が業務に関与している(すなわち、トラクタのシャーシから(又はシャーシへの)作業である)かどうかを判定することができる。肯定の場合、プロセスはステップ806から、ステップ818を通ってステップ830まで進み、関連付けのための正しいトラクタを見いだす。否定の場合は、その業務にはトラクタは関与せず、プロセスは、ステップ806からステップ808へと続き、作業がピックアップ又はドロップオフのどちらであるかを判定する。あるいは、高さ情報が利用できない場合には、プロセッサは常にトラクタが作業に関与していると仮定し、ステップ818から830まで進む。
【0064】
ステップ808において、関連付けプロセスは、作業報告に含まれている作業のタイプを調べる。作業がコンテナのドロップオフである場合は、プロセスは次に、ステップ810において、CHEとコンテナとの間の関連付けを削除する。1つの実施形態において、関連付けプロセスは、輸送用コンテナ・ヤードで現在稼動中のHEごとのエントリを有する関連付け表を維持しており、各エントリは、少なくとも、HEのIDと、そのHEに現在関連付けされているコンテナのIDとを含む。例えば、CHE AがコンテナC1をピックアップし、それを移動している場合、CHE Aについてのエントリは、[A,C1,t1]となり、ここでt1は関連付けが確立された時刻である。CHE AがコンテナC1を地面に置くと、関連付けプロセスは、CHE Aについてのエントリを[A,null,t2]に変更することにより、CHE AとコンテナC1との間の関連付けを削除し、ここでt2は関連付けが削除された時刻である。ステップ816において、関連付けプロセスは次に、コンテナの位置を更新のために在庫追跡データベースに報告する。
【0065】
コンテナのピックアップ作業が生じた場合には、関連付けプロセスは、ステップ808において(報告された作業タイプに基づいて)ピックアップ作業を識別し、ステップ812において、コンテナのためのIDを作成する。関連付けプロセスは次に、ステップ814においてコンテナをCHEに関連付ける。1つの実施形態において、このことは、関連付け表の中で、CHEに対応するエントリを[CHE ID,コンテナID,現在時刻]に変更することにより達成される。在庫関連付けシステムがさらに在庫追跡システムとインターフェースしている場合、プロセッサは、CHEのID及び作業の発生時刻を使って、(作業の位置としての)CHEの位置及びその位置にあるコンテナのIDについて在庫追跡システムに照会することができる。次いで、ステップ816において、関連付けプロセスは、コンテナがCHEによりピックアップされたことを示すように、及び以前に特定された位置にあるコンテナを示すデータ記録を削除するか又は期限切れにするように、在庫追跡データベースを更新する。
【0066】
図8に示される実施形態においては、イベント・タイプにはシャーシの係合及び解放が含まれていない。したがって、イベントは、常にCHE及びトラクタを伴うことになる。したがって、イベントが報告されたならば(ステップ804において判定される)、関連付けプロセスは、関連付けのためにステップ818から830まで続く。同様に、ステップ806における作業にトラクタが関与しているならば、プロセスはステップ818からステップ830に進む。以下の説明は、イベントが報告されたものと仮定しているが、報告された作業にトラクタが関与している場合についての処理も同様である。前述のように、イベントは、本質的に、トラクタの視点からみた作業である。1つの実施形態において、トラクタは、図2に関して前述した6つのタイプのイベントを検出する。説明を補完するために、これらの6つのタイプをここで下記のように再度述べる。(1)シャーシの中央におけるコンテナのドロップオフ(図4A)、(2)シャーシの前部における(短い)コンテナのドロップオフ(図4B)、(3)シャーシの後部における(短い)コンテナのドロップオフ(図4C)、(4)シャーシの中央におけるコンテナのピックアップ、(5)シャーシの前部における(短い)コンテナのピックアップ、及び(6)シャーシの後部における(短い)コンテナのピックアップ、である。
【0067】
イベントは作業によって引き起こされるので、関連付けプロセスは、新たなイベントが報告されると、ステップ818において、作業の候補を求めて業務表を検索する。業務表は、関連付けプロセスにより作成及び維持され、HE間の全てのコンテナ業務の記録を保持する。業務表の中の各エントリは、少なくとも下記の情報、すなわち、コンテナを提供するHEのID、コンテナのID、コンテナを受け取るHEのID、及び業務の発生時刻、を含む。例えば、トップ・ピック(CHEの一型式)がトラクタからコンテナをピックアップする場合、この業務表のための完全なエントリは、コンテナ提供元としてのトラクタのIDと、コンテナのIDと、コンテナの受け取り側としてのトップ・ピックのIDと、このピックアップ作業の発生時刻とを含むべきである。このような完全なエントリを確立するためには、関連付けプロセスは、ステップ818から830までを経る必要がある。
【0068】
最初にステップ818において、作業又はイベントが報告されているかどうかを判定するために検索が行われる。2つのHEが関与する場合、CHE及びトラクタ上の検出器及びプロセッサにおける遅延、並びに通信の遅延のせいで、中央プロセッサは、作業報告とイベント報告とを異なる瞬間に受信する可能性が極めて高く、したがって、それらは異なる処理サイクルで1つずつ処理される。関連付けプロセスはその後で、ステップ818において、候補となる作業を求めて業務表を検索し、イベント又は作業が既に報告されているかどうかを判定する。検索は、イベント・タイプ、時刻及びイベントの位置に基づくことができる。
【0069】
1つの例では、ステップ818において、事前設定された時間窓([t_event−T1,t_event+T2])内で生じた、一致をもたない(unmatched)コンテナ・ピックアップ作業(イベントがピックアップ作業を示す場合)を見つけるように検索が行われ、ここでt_eventはイベントの時刻であり、T1及びT2は所定の閾値である。別の例では、ステップ818において、報告されたイベントの位置まで所定の距離内にその位置がある、一致をもたないコンテナ・ピックアップ作業を見つけるように検索が行われる。さらに別の例では、ステップ818において、時間窓と位置近接度の両方の要件を満たすコンテナ・ピックアップ作業を見つけるように検索が行われる。候補が見つからなかった場合、関連付けプロセスは、ステップ820において、対応する作業はまだ報告されていないと判定し、プロセスは、ステップ822において、イベント情報を格納するために、単に、業務表内に新たな業務エントリを作成する。この新たに作成された業務エントリは、コンテナを提供するトラクタのID及びコンテナのIDのみを含むので、このエントリは完全なエントリではなく、プロセスは、このエントリに「一致をもたない」とマークを付ける。さらに、関連付けプロセスは、ステップ822において、その関連付け表を更新し、このコンテナとトラクタとの間の関連付けを削除する。
【0070】
ステップ818において候補が見つかった場合、ステップ820における関連付けプロセスは次に、ステップ824において候補の中から一致するものを識別する。1つの実施形態において、関連付けプロセスは、作業とイベントとの間の時間間隔、作業位置とイベント位置との近接度、コンテナの寸法などを含む要因に基づいて、各候補を評価する。関連付けプロセスは次に、上記の要因に基づき、候補の各々について一致の尤度を計算する。例えば、候補となるピックアップ作業におけるコンテナの寸法が40ftであり、一方、イベントにおけるコンテナの寸法が20ft(短いコンテナ)であるならば、対応する尤度値は低くなる。同じくこの実施形態において、最も高い尤度値が所定の閾値を上回った場合に、対応する候補が、一致と判定される。それ以外の場合、関連付けプロセスは、一致が見いだされなかったと結論付ける。
【0071】
一致は、以前の処理サイクル中に前もってステップ822において処理された後で、ステップ824において突き止められることになる。すなわち、一致する作業は、以前に報告されている。再びコンテナのピックアップの例を参照すると、イベント報告は作業報告より前であると考えられるので、関連付けプロセスは、ステップ824において、報告されたイベントに一致するものを見つけることができないはずである。プロセスは次に、ステップ826を経由してステップ822へと向かい、そのイベントについての業務記録を作成し、その業務に「一致をもたない」とマークを付ける。プロセスはその後、終了し、次の処理サイクルがステップ802において開始するのを待機する。数回の処理サイクルの後で、上記のイベント報告に対応する作業報告が到着し、関連付けプロセスが、ステップ802、804、及び806を経て818に行くと仮定する。すると、ステップ818において、候補イベントは、上記のイベントを含むことになり、そしてこれが、ステップ824において一致するものと判定されることになる。引き続き、関連付けプロセスは、ステップ828において、コンテナをそのCHEに関連付けする。1つの実施形態において、このことは、コンテナIDを、関連付け表内のCHEに対応するエントリに追加することにより達成される。ステップ830において、関連付けプロセスはその後さらに、対応する業務エントリに、そのCHEのIDをコンテナを受け取ったHEとして追加し、その業務に「一致した」(又は「完全」)とマークを付ける。
【0072】
D.信頼できる最後の位置までの距離を判定するための位置センサ及び運動センサに基づく在庫関連付け
図9A及び図9Bは、位置推定における誤差が業務の関連付けに問題を生じさせることがあるという一例を示す。本明細書内の背景技術において先に述べたように、位置推定に基づく在庫関連付けは、位置推定の誤差による影響を被ることがある。しかしながら、トラクタの運動に関連する情報を組み入れることにより、トラクタに上述のような振動検出器又はコンテナ位置検出器などの検出器を装備することなく、位置推定に基づく正確な業務の関連付けを達成することができる。図9A及び図9Bに関して、各HE上の位置センサはDGPSであると仮定する。コンテナ保管施設の中のCHEの数はトラクタの数よりも遥かに少なくすることができるので、CHE上のDGPSがトラクタ上のDGPSよりも精度が高く、したがってより高価であると仮定することも合理的である。
【0073】
図9Aは、トラクタがまず時刻t1からt5までの間にトップ・ピックに接近し、時刻t6に作業の位置に到着し、時刻t6から時刻t10までの間停止して、時刻t8にコンテナを受け取る場合を示す。時刻t1から時刻t10までのトラクタの実際の位置は、図9Aでは、シャーシが取り付けられたトラクタの上面図で表され、図9Bでは側面図で表され、一方、DGPSからの位置測定値p(t)は、「X」で表される。本明細書内の背景技術において説明されたように、作業位置は、典型的には、数段分の高さまで積み上げられた一時的な峡谷状態を形成するコンテナによって取り囲まれている。このような峡谷状の作業環境は、(長期間の)GPS遮断並びに多重通路伝送を生じさせ、それはGPS位置において比較的大きい誤差を生じさせることがある(「X」が時刻t3からt10までのトラクタに直接関連付けられていないこととして示される)。トラクタ及びCHEは両方とも、自身に搭載された通信ユニットを通じて中央プロセッサに自身の位置(GPS位置又はGPSに基づく位置)を報告することが可能であり、中央プロセッサは、報告された位置に基づいて、ある業務に関与するCHEとトラクタとの対を識別しようと試みる。位置(少なくともトラクタの位置)の誤差が大きい可能性があることに起因して、中央プロセッサは、関連付けに失敗することがある。そのうえ、その区域に別のトラクタが存在し、位置誤差のせいでそのGPS位置が実際にトップ・ピックのGPS位置により近い場合には、中央プロセッサは、この別のトラクタがコンテナを受け取ったトラクタであると認識することによる間違った関連付けを行う可能性が高くなる。
【0074】
図9A−図9Bにおいては、GPSに基づく測位システムが位置推定を提供するものとして仮定されているが、ほとんどの測位システムは近接度又は三角測量に基づいているので同様の問題を抱えており、その結果生じる誤差も在庫関連付けに対して同様の影響を及ぼす。例えば、リアルタイム位置情報システム(RTLS)は本質的にはGPSの逆システムであり、峡谷状の環境はこれに対しても同じく遮断及び多重通路伝送の問題を生じさせる。より詳細には、RTLSにおいては、HE上の移動測位ユニットが、少なくとも3箇所の近傍の固定ローカル・レシーバに無線波を送信し、ローカル・レシーバの各々が無線波の移動時間を判定し、中央プロセッサにその移動時間を送信する。次いで、中央プロセッサは、これらの固定ローカル・レシーバまでの無線波の移動時間に基づいてHEの位置を判定する。積み上げられたコンテナの間の峡谷状の環境は、HEが固定ローカル・レシーバに通信しようとする信号を遮断又は反射することがあり、その結果、中央プロセッサによる解が得られない(すなわち、遮断)か、又は誤った解が得られることになる。
【0075】
測位システムからの位置推定を用いたコンテナとHEとの正しい関連付けを保証するために、本発明の幾つかの実施形態は、トラクタの信頼できる最後の位置(又は複数の位置)からの距離を組み入れることにより判定される関連付けを提供する。この距離は、信頼できる最後の位置までの距離と呼ばれ、トラクタの運動に関する情報に基づいて計算される。
【0076】
図10は、在庫関連付けシステムにおいて位置判定にGPSセンサを用いるコンテナ追跡システムの構成要素を示す。図10のシステムは、CHE102上の第1の測位ユニット(GPSセンサ)1002及び作業検出器1004を含むことができる第1の移動ユニットと、トラクタ116上の第2の測位ユニット(GPSセンサ)1006及び運動検出器1008を含むことができる第2の移動ユニットと、コンテナを(HEに)関連付けするためのプロセッサ1010と、情報交換を可能にするための、第1及び第2の移動ユニットとプロセッサとの間の通信リンク1012とを含む。
【0077】
第1の測位ユニットであるGPSセンサ1002は、CHE102の第1の位置を提供し、作業検出器1004は、CHE102によって行われるコンテナのピックアップ又はドロップオフといったコンテナ作業の発生を示す情報を提供する。第2の測位ユニット1006は、トラクタ116の第2の位置、並びにその位置の信頼水準を提供し、運動検出器1008は、トラクタ116の運動に関する情報を提供する。
【0078】
各HE上のGPS又は同様の位置センサ1002及び1006は、そのHEの位置を提供する。位置センサ1002又は1006は、以下の、GPS(全地球測位システム)又はDGPS(ディファレンシャルGPS)、INS(慣性航法システム)、IMU(慣性測定ユニット)、RTLS(リアルタイム位置情報システム)、PDS(位置検出システム)、並びにHEの位置を判定するために用いることができるその他のいずれかのセンサ及びシステムのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0079】
トラクタ116上の運動検出器1008は、以下の、トラクタの速度を直接測定する速度センサ、トラクタの速度を計算するために用いられるトラクタの長手方向の加速度を測定する加速度計、ヨー角速度センサ、ヨー加速度センサ、及びトラクタ116の向首角を与えるコンパスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0080】
中央プロセッサ1010は、作業検出器1004からコンテナ作業(ピックアップ及びドロップオフを含む)の発生を検出するとともに、第1の位置センサ1002から関連位置情報を検出する。プロセッサ1010はさらに、トラクタ116がコンテナ作業に関与しているかどうかを、以下の、作業の位置、発生の前及び発生時刻におけるトラクタ116の運動、作業タイプ、及び第2の位置、のうちの複数に基づいて判定する。トラクタ116がコンテナ作業に関与していると判定された場合、プロセッサ1010はさらに、作業がピックアップであればコンテナをCHE102に関連付け、作業がドロップオフであればコンテナをトラクタ116に関連付けする。
【0081】
1つの実施形態において、プロセッサ1010は、HE102及び116の各々に分散された多数のローカル・プロセッサと、メイン・プロセッサ1010の元来の位置に設けられた中央プロセッサとを含む。しかしながら、当業者には容易に認識されるように、プロセッサは、図10に示されるように統合集中型デバイスとして設けることができる。
【0082】
信頼できる最後の位置までの距離をコンテナとHEの間の関連付けにおいてどのように用いるかを説明するために、図9A及び図9Bに示された事例と同じ事例を仮定し、トラクタには速度センサのような運動検出器が備えられていると仮定する。トラクタが時刻t3において通路に入り、GPS位置の質が劣化し始めると、対応する信頼水準はそれに従って低下する。コンテナのドロップオフ作業が発生する時刻t8における信頼水準は低いので、トラクタに搭載されたプロセッサは、信頼できる最後の位置、すなわち高い信頼水準を有する最後の位置を取得するが、これは、この例ではP(t2)ということになろう。信頼できる最後の位置の時刻(すなわち、t2)に基づき、トラクタ搭載プロセッサは次に、信頼できる最後の位置までのトラクタの距離(すなわち、時刻t2から作業が発生した時刻t8までに収集された速度に基づく、信頼できる最後の位置までの距離)を算出する。この特定の事例においては、この信頼できる最後の位置までの距離は速度のみに基づくので(すなわち、トラクタは直線移動したと仮定する)、それは時刻t2から時刻t8までのトラクタの移動距離に等しい。速度情報は峡谷状の作業環境の影響をほとんど受けず、かつトラクタはコンテナ・スタックの間の通路を主として直線移動するので、算出されたトラクタの移動距離は、作業位置と信頼できる最後の位置との間の距離を近似するはずである。したがって、中央プロセッサは、コンテナ作業に関与した実際のトラクタを識別し、そのトラクタをそれが受け取ったコンテナに関連付けすることができる。
【0083】
D1.信頼できる最後の位置までの距離を判定するために位置センサ及び運動センサを用いる、在庫関連付けのための方法ステップ
図11は、測位ユニットを用いた在庫関連付けシステムにおける、コンテナをHEに関連付けするためのプロセスの1つの実施形態を示す高レベルのブロック図である。図11のステップ中のHE測位を例証するために、図9を参照することができる。ステップ1102で開始すると、CHE用のプロセッサは、自身の作業検出器の出力を監視し、コンテナのピックアップ又はドロップオフ作業の発生を検出し、この作業検出器は、ツイストロック・センサとすることができる。コンテナのピックアップ又はドロップオフ作業を検出すると、CHE用プロセッサは、搭載された通信ユニットを介して中央プロセッサにその作業を報告する。報告される情報は、作業タイプ(ピックアップ又はドロップオフ)と、作業の時刻におけるCHEの位置(入手可能である場合は高さを含む)と、作業が発生した時刻とを含む。報告される情報はさらに、スプレッダ・バーの長さにより判定されるコンテナの寸法を含むことができる。
【0084】
ステップ1104において、CHEから報告されたコンテナ作業を受信すると、中央プロセッサは、トラクタが関与しているかどうかを判定する。トラクタが関与しているかどうかの判定は、コンテナの高さを示す示度のようなセンサ示度に基づくことができる。例えば、高さが1つ又は複数個のコンテナの高さに対応している場合、CHEは、地面の上にあるコンテナ、又は他のコンテナの上に積まれたコンテナに対して作業を行っている。高さがシャーシの高さに対応している場合は、その作業は別のHEとの作業である。高さが入手できない場合は、一致するトラクタが見つからない場合を除き(後のステップで判定される)、中央プロセッサは常にトラクタが関与しているとステップ1104において仮定する。
【0085】
ステップ1104において作業にトラクタが関与していないと判定された場合、中央プロセッサは、ステップ1106に進み、作業がピックアップ作業であればCHEをコンテナに関連付けし、又は作業がドロップオフ作業であればCHEとコンテナとの関連付けを解除する。1つの実施形態において、図8のステップ810、814、及び828に関して先に説明したように、中央プロセッサは、コンテナとHEとの間の関連付けを追跡するために関連付け表を維持する。同じくステップ1106において、中央プロセッサは、コンテナ位置の変更を反映するように在庫追跡データベースを更新する。
【0086】
作業にトラクタが関与している場合、中央プロセッサは、ステップ1104からステップ1108に進み、(1)その作業を業務表に追加し、関与しているトラクタがまだその作業に対して一致付けられていないことを示すように、対応するエントリにマークを付け(例えば、「一致をもたない」とする)、かつ(2)作業のタイプ、位置、及び時刻、並びにコンテナの寸法を含む作業情報を、全てのHEに対して、又は通信送出出力を制限することによって近くのHEに対して、一斉同報する。あるいは、中央プロセッサは、作業位置から所定距離内にその位置があるトラクタを識別し、これらのトラクタにのみ作業情報を通信することができる。作業に関与し得る正しいトラクタを位置誤差のせいで除外することを回避するために、所定距離は比較的大きくすべきである。
【0087】
次に、ステップ1110において、中央プロセッサから作業情報を受信すると、各トラクタは、自身が作業に関与するトラクタであり得るかどうかを判定する。1つの実施形態において、トラクタは、判定を行う際に以下のステップを経る。
【0088】
ステップ1:トラクタは、作業の時刻に自身が速度ゼロ又はゼロに近い速度であったかどうかを、記憶装置に格納された速度に基づいて調べる。トラクタは、完全に又はほとんど停止しているときにのみコンテナ作業に関与することができるので、トラクタが速度ゼロ又はゼロに近い速度でなかった場合は、トラクタは、中央プロセッサに応答することなく、受信した作業情報を破棄する。速度が実際にゼロ又はゼロに近かった場合、トラクタは次にステップ2に進む。
【0089】
ステップ2:トラクタは次に、作業を自身の荷積み状態と比較することにより、その作業が妥当であるかどうかを調べる。(この荷積み状態は、トラクタがコンテナと関連付けされるたびに、中央プロセッサにより提供される。)例えば、トラクタが、取り付けられたシャーシ上に既にコンテナを有している場合、そのトラクタは別の40ft又は45ftのコンテナを受け取ることはできない。したがって、作業が、CHEが40ftのコンテナを下ろしたばかりであることを示すのであれば、そのトラクタは関与するHEであるはずがない。作業がトラクタ自身の荷積み状態と競合する場合、トラクタは、中央プロセッサに応答することなく作業情報を破棄する。そうでない場合、トラクタはステップ3に進む。
【0090】
ステップ3:トラクタは次に、信頼できる最後の位置(P(t_trustworthy))を求めて、記憶装置に格納された位置を信頼水準に基づいて検索し、信頼できる最後の位置に対応する時刻(t_trustworthy)と作業時刻(t_operation)との間における速度を取得する。トラクタは次に、運動情報に基づき、信頼できる位置までの距離を算出する。信頼できる位置までの距離(S_motion)は、トラクタの速度を与える速度センサ又は加速度計に基づき、例えば、t_trustworthyとt_operationとの間での速度を用いたトラクタの移動距離
【数2】

として求めることができる。トラクタはまた、作業位置と信頼できる最後の位置との間の距離S_distance=P_operation−P(t_trustworthy)も算出する。トラクタはさらに、2つの距離の間の差S_gap=S_motion−S_distanceを、作業の時刻におけるトラクタと作業を行ったCHEとの間の間隔として求める。トラクタは次に、作業情報を自身のID及びS_gapと共に通信することにより、中央プロセッサに応答する。
【0091】
ステップ1112において、作業情報を最初に一斉同報(ステップ1108において)した後の事前設定された時間内に応答を受信すると、中央プロセッサは次に、トラクタからの応答を評価して、作業に関与したトラクタを識別する。1つの実施形態において、評価は、単に各トラクタとCHEとの間の間隔(S_gap)に基づくものであり、最も小さい間隔を有するトラクタが、作業に関与したトラクタとして選択される。中央プロセッサは次に、そのトラクタのIDを作業のエントリに追加し、その作業に関与した全ての当事者が識別されたことを示すようにマークを付ける(例えば「一致した」とする)。作業がコンテナのピックアップ作業であれば、中央プロセッサはさらに、コンテナとトラクタとの間の関連付けを削除し、コンテナをCHEに関連付ける。作業がコンテナのドロップオフ作業であるならば、中央プロセッサは、コンテナとCHEとの間の関連付けを削除し、コンテナをトラクタに関連付ける。中央通信ユニットはさらに、トラクタが自身の荷積み状態を常に把握できるように、関連付け情報をトラクタに返信することができる。
【0092】
D2.位置センサ及び運動センサを用いた在庫関連付け−直線ではない運動の場合に信頼できる最後の位置までの距離を判定する
ステップ3:別の実施形態において、トラクタ上の運動検出器は、トラクタの速度を提供するための速度センサ(又は加速度計)と、トラクタの地上に対する角運動を提供するための角運動検出器とを含む。角運動検出器は、ヨー角速度センサ、ヨー加速度センサ、及びトラクタの向首角を与えるためのセンサ又はデバイス(コンパスなど)を含むことができる。したがって、トラクタが直線移動すると仮定する代わりに、作業が生じた時刻におけるトラクタの位置Pe(t_operation)は、信頼できる最後の位置(例えば、P(t2))と、トラクタの速度と、トラクタのヨー角速度又は向首角とをトラクタの運動学的又は力学的モデルに代入することにより判定される。その後、トラクタは、信頼できる最後の位置までの距離を、Pe(t_operation)と信頼できる最後の位置との間の距離として算出し、信頼できる最後の位置までの距離を中央プロセッサに通信する。あるいは、トラクタは、作業情報及びトラクタのIDと共に、算出された位置Pe(t_operation)をもって中央プロセッサに直接応答し、どのトラクタが作業に関与するHEであるかについての最終決定を中央プロセッサに行わせることができる。
【0093】
図11に示されたプロセスでは、CHEにより報告された作業は中央プロセッサが一斉同報又は通信する。別の選択肢として、本システムの別の実施形態では、トラクタが関与していることを判定すると、CHEが直接、作業情報を一斉同報する。作業情報を受信して処理することを必要とするのは近傍のトラクタだけなので、一斉同報は、その一斉同報がカバーすることができる領域を限定するために、制限された出力を有するように設定することができる。トラクタは、この場合でも、どのトラクタが作業に関与したトラクタであるかについての最終決定を中央プロセッサに行わせるために、中央プロセッサに応答を送信することができる。
【0094】
図12は、コンテナ荷役作業においてCHEに関与したトラクタをより上手く識別するために、どのようにトラクタの向首角及びコンテナ・ヤードのマップ又はプロファイルを用いることができるかを例証するように、図9を修正したものである。コンテナ・ヤードのプロファイルを示すマップを装備したトラクタを用いると、信頼できる最後の位置と、トラクタの向首角、信頼できる最後の位置までの距離といった情報とに基づいて、トラクタは、作業が発生した時刻に自身がいた可能性の高い位置をさらに判定することができる。図12は、可能性の高い位置を、その中心線が円の一部をなす環形の領域1202として示したものであり、その円の中心は、信頼できる最後の位置(P(t2))であり、その円の半径は、そのトラクタの信頼できる最後の位置までの距離(S_motion)である。領域の幅は、信頼できる位置(P(t2))の信頼水準と、速度信号のノイズ水準とに依存する。信頼できる位置の信頼水準が高いほど、そしてノイズが小さいほど、領域は狭くなる。
【0095】
E.位置、運動、及びイベント検出を用いた統合型関連付けシステムの詳細
更なる実施形態において、測位手段と、トラクタの運動を提供するための運動検出器とに加えて、トラクタは、そのトラクタに対して発生するコンテナ作業関連イベントの発生を示す情報を提供するためのイベント検出器を装備することもできる。イベント検出器は、図2に関して説明されたように、速度検出器202と、振動検出手段204とを含むことができる。あるいは、イベント検出器は、図6に関して説明された、シャーシ上の少なくとも1つのコンテナの存在を検出するレーダ、LIDAR、及びカメラといったコンテナ位置検出器を含むことができる。その場合、トラクタに搭載されたプロセッサはさらに、コンテナ作業関連イベントの発生を検出し、そのイベント検出を関連付けに組み入れる。1つの非限定的な実施形態において、図11のステップ1110において、トラクタは、コンテナ作業関連イベントが、その作業についての発生時刻の事前定義された時間窓内において検出されたかどうかを調べる。そうであった場合は、トラクタは、中央プロセッサに自身のID及びS_gapをもって応答する。そうでない場合は、トラクタは中央プロセッサに応答しない。
【0096】
さらに、中央プロセッサは、トラクタからの応答評価に、トラクタの折返し時間及びトラクタの順序付けといった要因をさらに組み入れることができる。例えば、コンテナ・ヤード内のトラクタは、コンテナ作業において、繰り返し、交替でCHEと協働する。したがって、あるトラクタにとってのここ最近のイベント間の時間間隔は、ほぼ同じになるであろう。それゆえ、中央プロセッサは、作業とそのトラクタの前回のイベントとの間の時間間隔を、トラクタのここ最近のイベント間の時間間隔と比較することにより、そのトラクタが作業中である尤度を評価することができる。同様に、中央プロセッサが複数のトラクタからの応答を受信した場合に、中央プロセッサは、これらのトラクタの直近のイベントの順序を用いて応答を評価することができる。例えば、トラクタAがトラクタBと同じ場所でトラクタBの前にコンテナ・ドロップオフ・イベントを経験し、その後で、トラクタBと同じ別の場所でトラクタBの前にコンテナ・ピックアップ・イベントを経験しているならば、トラクタAが次のコンテナ・ドロップオフ・イベントをトラクタBの前に経験することになる可能性は高い。中央プロセッサは、トラクタの(信頼できる)位置に基づいて、トラクタが通路に入る順序を監視し、その順序を応答の評価に組み入れることもできる。トラクタは典型的には整列してCHEと協働する順番を待つので、例えば、トラクタAがトラクタBの前に通路に入った場合、トラクタAは、通路内で発生するイベントをトラクタBの前に経験する可能性がより高い。
【0097】
本発明を上で詳細に説明してきたが、これは単に、本発明をどのように行いかつ使用するかを当業者に単に教示するためのものであった。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により定義されるので、多くの付加的な改変が本発明の範囲に含まれることになる。
【符号の説明】
【0098】
102:コンテナ荷役装置(CHE)
104、122、206、604、706、1010:プロセッサ
106、134、708、1012:通信リンク(通信ユニット)
108、126、1002、1006:測位ユニット(GPSレシーバ)
110、132:慣性測定ユニット(IMU)
112:高さセンサ
114:シャーシ
116:トラクタ
118:コンテナ
120:スプレッダ・バー
124、702、1004:作業検出器(ツイストロック)
128:第五輪
130:第五輪センサ
602:コンテナ位置検出器(コンテナ存在検出器)
608、610:短いコンテナ
704:イベント検出器
1008:運動検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ保管施設において、コンテナを、コンテナ取扱い用の荷役装置に関連付けるための在庫関連付けシステムであって、
各ユニットがコンテナを持ち上げかつ運搬するように構成された第1の荷役装置のユニット上に各々が取り付けられ、各々が、前記第1の荷役装置のそれぞれのユニットによって実行されるコンテナ・ピックアップ作業及びコンテナ・ドロップオフ作業を含むコンテナ作業の発生を示す情報を提供する、作業検出器と、
各ユニットがコンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有する第2の荷役装置のユニット上に各々が取り付けられ、各々が、前記第2の荷役装置のそれぞれのユニットに対して発生する、前記シャーシからのコンテナのピックアップ及び前記シャーシへのコンテナのドロップオフを含むコンテナ作業関連イベントの発生を示す情報を提供する、イベント検出器と、
前記作業検出器及び前記イベント検出器からの前記情報に基づき、前記各々のコンテナ作業における各コンテナを、前記第1及び前記第2の荷役装置の中の荷役装置の単一のユニットに関連付けるためのプロセッサと、
前記作業検出器と前記プロセッサとの間、及び前記イベント検出器と前記プロセッサとの間の通信リンクと、
を含むことを特徴とする在庫関連付けシステム。
【請求項2】
前記作業検出器の各々が、前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットにコンテナを固定しかつ前記それぞれのユニットからコンテナを取り外す機構の係合及び解放を示す、係合の状態を提供するための複数のセンサ・スイッチを含み、
前記プロセッサが、前記係合の状態の変化に基づき、コンテナ作業の発生及び発生時刻を検出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項3】
前記作業検出器の各々が、前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットの振動を測定するための振動検出器を含み、
前記プロセッサが、前記振動のパターンに基づき、コンテナ作業の発生及び発生時刻を検出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項4】
前記イベント検出器の各々が、前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットに取り付けられたシャーシ上の少なくとも1つのコンテナの存在の状態と、前記コンテナと前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットとの間の距離とを提供する、コンテナ位置検出器を含み、
前記プロセッサが、前記存在の状態の変化と、前記変化の前後の前記距離とに基づき、前記コンテナ作業関連イベントの発生及び発生時刻を検出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項5】
前記イベント検出器の各々が、前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットの振動測定値を提供するための振動検出器を含み、前記プロセッサが、前記振動測定値に基づき、コンテナ作業関連イベントの発生及び発生時刻を検出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項6】
前記振動検出器が、前記コンテナ作業関連イベント中にコンテナと前記シャーシとの衝撃によって生じた音を検出する音響検出器、前記荷役装置の垂直運動を検出する加速度計、高さセンサから地面までの高さを測定することにより前記荷役装置の垂直運動を検出する高さセンサ、前記荷役装置のピッチ運動を検出する角運動センサ、並びに加速度計及び角運動センサのうちの少なくとも1つを含む慣性測定ユニット(IMU)のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする、請求項5に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項7】
前記プロセッサが、
前記第1の荷役装置上の前記作業検出器のうちの1つからの前記情報に基づき、前記コンテナ作業のうちの所与の1つ及び発生時刻を検出し、
前記第2の荷役装置上の前記イベント検出器のうちの1つからの前記情報に基づき、前記コンテナ作業関連イベントのうちの所与の1つ及び発生時刻を検出し、
前記所与のイベントについての前記発生時刻を前記所与の作業についての前記発生時刻と比較することにより、前記所与のコンテナ作業関連イベントが前記所与のコンテナ作業に一致するかどうかを判定し、
前記所与のコンテナ作業関連イベントが前記所与のコンテナ作業と一致した場合に、前記所与の作業のタイプ及び前記所与のイベントのタイプという2つのタイプのうちの少なくとも1つに基づき、前記所与のコンテナ作業に関与したコンテナを、前記第1及び前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットのうちの1つに関連付ける
ことにより、コンテナを荷役装置に関連付ける
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、さらに、
前記所与のコンテナ作業についての作業タイプと、前記所与のコンテナ作業関連イベントについてのイベント・タイプとを判定し、
前記所与のコンテナ作業関連イベントが前記所与のコンテナ作業に一致するかどうかを判定する際に、前記所与のイベントについての前記イベント・タイプを前記所与の作業についての前記作業タイプと比較する、
ことを特徴とする、請求項7に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項9】
前記プロセッサが、
各々が、前記第1の荷役装置の1つのユニット上に設けられ、前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニット上の前記作業検出器からの前記情報に基づいてコンテナ作業及び発生時刻を検出するための、第1の分散型プロセッサと、
各々が、前記第2の荷役装置の1つのユニット上に設けられ、前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニット上の前記イベント検出器からの前記情報に基づいてコンテナ作業関連イベント及び発生時刻を検出するための、第2の分散型プロセッサと、
前記第1及び前記第2の分散型プロセッサからの前記検出に基づいて、コンテナを前記第1及び前記第2の荷役装置の個々のユニットに関連付けるための中央プロセッサと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項10】
前記コンテナ作業関連イベントが、(1)前記荷役装置に取り付けられた前記シャーシの中央における前記コンテナのドロップオフ、(2)前記シャーシの前部における前記コンテナのドロップオフ、(3)前記シャーシの後部における前記コンテナのドロップオフ、(4)前記シャーシの中央における前記コンテナのピックアップ、(5)前記シャーシの前部における前記コンテナのピックアップ、(6)前記シャーシの後部における前記コンテナのピックアップ、(7)前記シャーシと前記荷役装置との係合、及び(8)前記シャーシの前記荷役装置からの解放を含む複数のタイプを含み、
前記コンテナ作業関連イベントのうちの所与の1つを検出すると、前記プロセッサは、前記それぞれのイベント検出器からの情報に基づき、前記所与のコンテナ作業関連イベントのタイプをさらに判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項11】
前記第1の荷役装置の各々のユニットに取り付けられた、前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットの第1の位置を提供するための第1の測位ユニットと、
前記第2の荷役装置の各々のユニットに取り付けられた、前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットの第2の位置を提供するための第2の測位ユニットと、
をさらに含み、
前記通信リンクが、さらに前記第1及び前記第2の測位ユニットを前記プロセッサにリンクし、前記プロセッサが、前記第1及び前記第2の位置を前記関連付けに組み入れる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項12】
コンテナ保管施設において、コンテナを荷役装置に関連付けするための在庫関連付けシステムであって、
コンテナを持ち上げかつ運搬することができる第1の荷役装置のユニット上に各々が取り付けられ、
前記第1の荷役装置のそれぞれのユニットの第1の位置を提供する第1の測位ユニットと、
前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットによって実行されるコンテナ・ピックアップ作業及びコンテナ・ドロップオフ作業という少なくとも2つのタイプを含むコンテナ作業の発生を示す情報を提供する作業検出器と
を含む、第1の移動ユニットと、
コンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有する第2の荷役装置のユニット上に各々が取り付けられ、
前記第2の荷役装置のそれぞれのユニットの第2の位置を提供する第2の測位ユニットと、
前記コンテナ保管施設内における前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットの運動に関する情報を提供する運動検出器と
を含む、第2の移動ユニットと、
前記第1の位置、前記作業検出器からの前記情報、前記第2の位置、及び前記運動検出器からの前記情報に基づき、コンテナを前記荷役装置に関連付けるためのプロセッサと、
前記第1及び前記第2の移動ユニットからの情報を前記プロセッサに送信するように構成された、前記第1の移動ユニットと前記プロセッサとの間、及び前記第2の移動ユニットと前記プロセッサとの間の通信リンクと、
を含むことを特徴とする、在庫関連付けシステム。
【請求項13】
前記作業検出器の各々が、前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットにコンテナを固定しかつ前記それぞれのユニットからコンテナを取り外す機構の係合及び解放を示す、係合の状態を提供するための複数のセンサ・スイッチを含む
ことを特徴とする、請求項12に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項14】
前記プロセッサが、
前記作業検出器の1つからの前記情報に基づき、前記コンテナ作業のうちの所与の1つ並びにそれぞれの作業タイプ及び発生時刻を検出し、かつ前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットの前記第1の位置に基づき、作業の位置を判定し、
前記作業の位置、前記作業タイプ、前記発生の前及び前記発生時刻における前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットの前記運動、並びに前記それぞれの第2の位置のうちの複数に基づき、前記第2の荷役装置のユニットが前記所与のコンテナ作業に関与しているかどうかを判定し、
前記第2の荷役装置の前記ユニットが前記所与のコンテナ作業に関与していると判定された場合に、前記所与のコンテナ作業の前記タイプに基づき、前記所与のコンテナ作業に関与するコンテナを、前記第1及び前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットのうちの1つに関連付ける
ことにより、コンテナを荷役装置に関連付ける
ことを特徴とする、請求項12に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記第2の荷役装置の前記ユニットが前記コンテナ作業に関与しているかどうかについて判定する際に、さらに、前記発生の前及び前記発生時刻に収集された前記それぞれの第2の位置の中の信頼できる最後の位置を、前記それぞれの第2の位置の信頼水準に基づいて判定し、前記信頼できる最後の位置に対応する時刻と前記発生時刻との間に収集された前記運動情報に基づき、信頼できる最後の位置までの距離を算出し、前記信頼できる最後の位置までの距離を、前記信頼できる最後の位置と前記作業の位置との間の距離と比較して、前記第2の荷役装置の前記ユニットが前記発生時刻において前記装置の位置にどれだけ近かったかを判定する
ことを特徴とする、請求項14に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項16】
前記プロセッサが、前記コンテナ作業のうちの所与の1つの前記検出並びにそれぞれの作業タイプ及び発生時刻を前記第2の移動ユニットに通信し、
前記第2の移動ユニットの各々が、前記それぞれの第2の荷役装置が前記所与のコンテナ作業に関与する尤度を判定するためのプロセッサ・ユニットをさらに含み、前記第2の移動ユニットの各々は、前記尤度を前記プロセッサに通信し、
前記プロセッサが、前記第2の移動ユニットから通信された前記尤度に基づき、コンテナを荷役装置に関連付ける
ことを特徴とする、請求項12に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項17】
前記第1の移動ユニットの各々が、第1のプロセッサ・ユニットをさらに含み、前記第1のプロセッサ・ユニットは、前記それぞれの作業検出器からの前記情報に基づき、前記コンテナ作業のうちの所与の1つ並びにそれぞれの作業タイプ及び発生時刻を検出し、かつ前記第1の荷役装置の前記それぞれのユニットの前記第1の位置に基づき、前記作業の位置を判定するように構成され、
前記第1の移動ユニットが、前記所与のコンテナ作業の前記検出並びにその作業タイプ及び発生時刻を前記第2の移動ユニットに通信し、
前記第2の移動ユニットの各々が、第2のプロセッサ・ユニットをさらに含み、前記第2のプロセッサ・ユニットは、前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットが前記所与のコンテナ作業に関与する尤度を判定するように構成され、
前記プロセッサが、前記第2の移動ユニットから通信された前記尤度に基づき、コンテナを荷役装置に関連付けする
ことを特徴とする、請求項12に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項18】
前記第2の移動ユニットの各々が、前記第2の荷役装置の前記それぞれのユニットに対して発生するコンテナ作業関連イベントのうちの所与の1つの発生を示す情報を提供するイベント検出器をさらに含み、前記コンテナ作業関連イベントは、前記シャーシからのコンテナのピックアップ及び前記シャーシへのコンテナのドロップオフという少なくとも2つのタイプを含み、
前記プロセッサが、コンテナを前記荷役装置に関連付けするために、前記所与のコンテナ作業関連イベント並びにそれぞれのイベント・タイプ及び発生時刻をさらに検出する、
ことを特徴とする、請求項12に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項19】
前記プロセッサが、コンテナと荷役装置との関連付けにおいて、前記コンテナ保管施設のプロファイルをさらに組み入れることを特徴とする、請求項12に記載の在庫関連付けシステム。
【請求項20】
コンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有することができる荷役装置と共に使用するように構成されたイベント検出装置であって、
前記荷役装置の振動を測定するための振動検出器と、
前記荷役装置に対して発生したコンテナ作業関連イベントを前記振動に基づいて検出するためのプロセッサと、
を含むことを特徴とする、イベント検出装置。
【請求項21】
前記コンテナ作業関連イベントが、前記荷役装置に取り付けられた前記シャーシからの前記コンテナのピックアップと、前記荷役装置の前記シャーシへの前記コンテナのドロップオフとを含むことを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項22】
前記コンテナ作業関連イベントが、(1)前記荷役装置に取り付けられた前記シャーシの中央における前記コンテナのドロップオフ、(2)前記シャーシの前部における前記コンテナのドロップオフ、(3)前記シャーシの後部における前記コンテナのドロップオフ、(4)前記シャーシの中央における前記コンテナのピックアップ、(5)前記シャーシの前部における前記コンテナのピックアップ、(6)前記シャーシの後部における前記コンテナのピックアップ、(7)前記シャーシと前記荷役装置との係合、及び(8)前記シャーシの前記荷役装置からの解放の8つのイベント・タイプのうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項23】
前記振動検出器が、前記コンテナ作業関連イベント中にコンテナと前記シャーシとの衝撃によって生じた音を検出する音響検出器、前記荷役装置の垂直運動を検出する加速度計、高さセンサから地面までの高さを測定することにより前記荷役装置の垂直運動を検出する高さセンサ、前記荷役装置のピッチ運動を検出する角運動センサ、並びに加速度計及び角運動センサのうちの少なくとも1つを含む慣性測定ユニット(IMU)のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項24】
前記プロセッサが、コンテナ作業関連イベントが発生したかどうか、及びイベント・タイプを、パターン認識、モデル・マッチング、情報に基づくアルゴリズム、認知に基づくアルゴリズム、及び規則に基づく論理のうちの少なくとも1つを含む技術を用いて前記振動を分析することにより判定することを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項25】
前記振動検出器が、前記荷役装置のピッチ角の判定を可能にする角運動センサを含み、前記プロセッサが、前記コンテナ作業関連イベントを検出するために、振動の発生前後での前記荷役装置の前記ピッチ角の変化をさらに組み入れる
ことを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項26】
前記荷役装置が速度ゼロを含むゼロに近い速度であるかどうかに関する情報を提供する速度検出器をさらに含み、
前記速度検出器が、前記荷役装置の速度を提供するセンサ、前記荷役装置の加速度を提供するセンサ、及び前記荷役装置のトランスミッションのギア位置を提供するセンサのうちの少なくとも1つを含み、
前記プロセッサが、前記荷役装置が速度ゼロを含むゼロに近い速度であることを前記速度検出器が示しているときに、前記コンテナ作業関連イベントを検出する
ことを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項27】
前記シャーシ上の前記コンテナの存在を示す状態を提供するコンテナ存在検出器をさらに含み、
前記プロセッサが、前記コンテナ存在検出器からの前記状態を、前記コンテナ作業関連イベントの前記検出、及び前記コンテナ作業関連イベントの各々についてのイベント・タイプの前記判定にさらに組み入れる
ことを特徴とする、請求項20に記載のイベント検出装置。
【請求項28】
コンテナの受け取り及び運搬のために取り付けられたシャーシを有することができる荷役装置と共に使用するように構成されたイベント検出装置であって、
前記荷役装置に取り付けられた前記シャーシ上の前記コンテナの存在を検出し、かつ存在の状態及び前記コンテナと前記荷役装置との間の距離を提供するためのコンテナ位置検出器と、
前記存在の状態及び前記距離を受信し、前記荷役装置に対して発生したコンテナ作業関連イベントを前記存在状態の変化並びに前記変化の前及び後における前記距離に基づいて検出するためのプロセッサと、
を含むことを特徴とする、イベント検出装置。
【請求項29】
前記コンテナ作業関連イベントが、前記荷役装置に取り付けられた前記シャーシからの前記コンテナのピックアップと、前記荷役装置に取り付けられた前記シャーシへの前記コンテナのドロップオフと
を含むことを特徴とする、請求項28に記載のイベント検出装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−532816(P2012−532816A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519761(P2012−519761)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041526
【国際公開番号】WO2011/006068
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(508006274)コンテナートラック インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】