近距離無線通信装置
【課題】優先順位が上位のプロファイルの機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応える。
【解決手段】車載装置2は、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号を受信待機中に、優先順位が上位のプロファイルの接続要求が発生すると、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号の受信待機を中断し、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号を送信する。これ以降、優先順位が上位のプロファイル接続許可応答信号が受信されれば、優先順位が上位のプロファイル接続処理を速やかに開始する。
【解決手段】車載装置2は、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号を受信待機中に、優先順位が上位のプロファイルの接続要求が発生すると、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号の受信待機を中断し、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号を送信する。これ以降、優先順位が上位のプロファイル接続許可応答信号が受信されれば、優先順位が上位のプロファイル接続処理を速やかに開始する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信プロトコルに係る接続要求信号を近距離無線通信回線を通じて受信した場合にユーザ操作に応じて通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を近距離無線通信回線を通じて送信する通信相手側接続手段との間で通信プロトコルを接続可能な接続手段を備えた近距離無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信機能を有する近距離無線通信装置に搭載されている近距離無線通信モジュールにおいては、データ通信を規定する複数の通信プロトコルを通信相手装置の近距離無線通信モジュールとの間で同時接続(所謂マルチ接続)可能になっている(例えば特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−273370公報
【特許文献2】特開2009−253601号公報
【特許文献3】特開2009−253603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近距離無線通信モジュールにおいては、通信プロトコルの接続要求が発生すると、通信プロトコルに係る接続要求信号を通信相手装置の近距離無線通信モジュールへ送信した後に、通信相手装置の近距離無線通信モジュールから通信プロトコルに係る接続許可応答信号を受信すれば、通信プロトコルに係る接続処理を開始し(接続要求が許可され)、一方、通信相手装置の近距離無線通信モジュールから通信プロトコルに係る接続拒否応答信号を受信すれば、通信プロトコルに係る接続処理を開始しない(接続要求が拒否される)ようになっている。
【0005】
ところで、通信相手装置の仕様や通信プロトコルの種別によっては、通信プロトコルに係る接続要求信号を受信すると、その通信プロトコルの接続を許可するか拒否するかをユーザに対して問合せ、ユーザ操作が通信相手装置にて行われたことを条件として、通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を送信する場合もある。そのため、近距離無線通信モジュールでは、通信相手装置の仕様や通信プロトコルの種別によっては、通信プロトコルに係る接続要求信号を送信した後に、ユーザ操作が通信相手装置にて行われないと、通信相手装置の近距離無線通信モジュールからの通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れをも受信することができず、通信プロトコルに係る接続処理を開始するか否かを決定することができない。
【0006】
その一方で、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信し、通信相手装置の近距離無線通信モジュールからの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生する場合がある。しかしながら、この場合、近距離無線通信モジュールでは、通信相手装置の近距離無線通信モジュールからの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を受信待機中であるので、接続要求が発生した他の通信プロトコルに係る接続要求信号を通信相手側接続手段へ送信することができない。その結果、他の通信プロトコルに係る接続処理を速やかに開始することができず、他の通信プロトコルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に応えることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信相手側接続手段からの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生した場合に、他の通信プロトコルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応えることができる近距離無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、接続手段は、通信プロトコルに係る接続要求信号を近距離無線通信回線を通じて受信した場合にユーザ操作に応じて通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を近距離無線通信回線を通じて送信する通信相手側接続手段との間で通信プロトコルを接続可能である。制御手段は、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させたことで通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生したと判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0009】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生すると、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信することで、これ以降、他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号が受信されれば、他の通信プロトコルに係る接続処理を速やかに開始することができ、他の通信プロトコルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応えることができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、他の通信プロトコルの優先順位が一の通信プロトコルの優先順位よりも上位であると判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0011】
これにより、予め通信プロトコルの優先順位を設定しておくことで、優先順位が上位の他の通信プロトコルに係る接続要求信号の送信を、優先順位が下位の一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機よりも優先することができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させた後に、通信相手側接続手段からの他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が接続手段により受信されたと判定すると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0013】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断したまま放置しておくことなく、他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信することで、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れかを通信相手側接続手段から送信させることができ、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を速やかに再開することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させた後に、他の通信プロトコルに係る接続処理が正常終了又は異常終了したと判定すると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0015】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断したまま放置しておくことなく、他の通信プロトコルに係る接続処理が正常終了又は異常終了すると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信することで、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れかを通信相手側接続手段から送信させることができ、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を速やかに再開することができる。
【0016】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させた後に、通信相手側接続手段からの他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が接続手段により受信されたと判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を再開する。
【0017】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断したまま放置しておくことなく、他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信しなくとも、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を速やかに再開することができる。
【0018】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、他の通信プロトコルの優先順位が一の通信プロトコルの優先順位よりも下位であると判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続する。
【0019】
これにより、予め通信プロトコルの優先順位を設定しておくことで、優先順位が上位の一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を、優先順位が下位の他の通信プロトコルに係る接続要求信号の送信よりも優先することができる。
【0020】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続した後に、通信相手側接続手段からの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が接続手段により受信されたと判定すると、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0021】
これにより、優先順位が下位の他の通信プロトコルに係る接続要求信号の送信を放置しておくことなく、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されると、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を速やかに送信することができる。
【0022】
請求項8に記載した発明によれば、制御手段は、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させたことで通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を所定時間継続し、通信相手側接続手段から接続手段へ一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されることなく所定時間が経過したと判定すると、ユーザ操作に係る通知情報を通知手段から出力させる。
【0023】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されることなく所定時間が経過した旨をユーザに知らせることができ、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を送信させる操作、即ち、一の通信プロトコルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】車載装置が実行する処理を示すフローチャート
【図3】図2相当図
【図4】図2相当図
【図5】シーケンス図
【図6】図5相当図
【図7】図5相当図
【図8】図5相当図
【図9】図5相当図
【図10】図5相当図
【図11】図5相当図
【図12】図5相当図
【図13】選択操作促進画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明をBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するBT対応の車載装置(以下、単に車載装置と称する)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、ここでは、車載装置が搭載されている車両の車室内に、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機(以下、単に携帯電話機と称する)が車室内に持込まれ、車載装置と携帯電話機とがBT通信可能な状態にある場合を説明する。
【0026】
BT通信システム1は、車両に搭載されている車載装置2(本発明でいう近距離無線通信装置に相当)と、車室内に持込まれた携帯電話機3とから構成される。車載装置2は、制御部4(本発明でいう制御手段に相当)と、BTモジュール5(本発明でいう接続手段に相当)と、USB(Universal Serial Bus)モジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11等を備えて構成されている。制御部4と、USBモジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11とは、制御基板12に物理的に実装されており、BTモジュール5は、制御基板12とは別部材であるBTモジュール基板13に物理的に実装されている。制御部4とBTモジュール5とはUSB接続されている。
【0027】
制御部4は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、車載装置2の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。BTモジュール5は、後述する携帯電話機3のBTモジュールとの間でBT通信回線(本発明でいう近距離無線通信回線に相当)を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有する。BTモジュール5は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、ハンズフリー通話を規定するHFP(Hands Free Profile)、電子メールデータの転送を規定するMAP(Message Access Profile)、仮想シリアルポート化したデータ通信を規定するSPP(Serial Port Profile)、インターネットへのダイヤルアップ接続を規定するDUN(Dial-up Networking Profile)、電話帳データの転送を規定するPBAP(Phone Book Access Profile)、同じく電話帳データの転送を規定するOPP(Object Push Profile)、音データの転送を規定するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、音データの制御に係る制御データの転送を規定するAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)等を同時接続(所謂マルチ接続)可能に構成されている。これらHFP、MAP、SPP、DUN、PBAP、OPP、A2DP、AVRCP等は機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。
【0028】
USBモジュール6は、USB接続ケーブル14の接続端子14aを着脱可能な接続端子6aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが後述する携帯電話機3のUSBモジュールの接続端子に接続されている状態で、USB通信回線を携帯電話機3のUSBモジュールとの間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0029】
記憶部7は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。この場合、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でMAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電子メールデータ(電子メールの発信先を特定可能な差出人情報、電子メールが携帯電話機3へ受信された日時を特定可能な受信日時情報、電子メールの種別を特定可能な種別情報、例えば差出人が入力した電子メールの件名を特定可能な件名情報等)が記憶部7に記憶される。又、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でPBAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電話帳データ、車載装置2からの発信動作又は当該車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3からの発信動作に係る発信時刻と発信電話番号との対応を表す発信履歴データ、車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3の着信動作に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表す着信履歴データ等が記憶部7に記憶される。
【0030】
音声処理部8には車室内にあって例えばハンドルの近傍等のユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されているマイクロホン15が接続されていると共に、車載装置2の外部に配置されているオーディオアンプ16が接続されており、オーディオアンプ16にはスピーカ17a、17bが接続されている。
【0031】
音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でHFPを接続している状態では、ユーザが発した音声をマイクロホン15から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理してBTモジュール5へ出力し、BTモジュール5から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0032】
又、音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でA2DP及びAVRCPを接続している状態では、携帯電話機3のBTモジュールからA2DP及びAVRCPによりBTモジュール5へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。又、音声処理部8は、USBモジュール6と後述する携帯電話機3のUSBモジュールとが両者の間でUSB通信を実行可能な状態では、携帯電話機3のUSBモジュールからUSB通信回線によりUSBモジュール6へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0033】
オーディオアンプ16は、音声処理部8から受話音声データや音データを入力すると、その入力した受話音声データや音データを増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。又、オーディオアンプ16にはチューナーデッキ18も接続されており、オーディオアンプ16は、チューナーデッキ18が例えば音楽用記録媒体から再生した楽曲データを当該チューナーデッキ18から入力すると、その入力した楽曲データをも増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。
【0034】
ディスプレイ装置19は、各種表示画面を表示する表示装置20(本発明でいう通知手段に相当)と、表示画面上にタッチスイッチを形成する操作装置21とを備えて構成されている。表示制御部9は、制御部4から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいてディスプレイ装置19における表示装置20の表示動作を制御する。操作入力部10は、ユーザが表示画面上に形成されているタッチスイッチを操作したことに応じて操作装置21から操作検出信号を入力すると、その入力した操作検出信号を制御部4へ出力し、制御部4は、操作入力部10から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。
【0035】
信号入力部11は、車両に搭載されているACC(アクセサリ)スイッチに接続されており、ACCスイッチから出力されたACC信号を入力すると、その入力したACC信号を制御部4へ出力し、制御部4は、信号入力部11から入力したACC信号のオンオフに基づいて装置電源をオンオフする。即ち、制御部4は、ACC信号がオフからオンに遷移したタイミングで装置電源をオンし(車載装置2を起動し)、ACC信号がオンからオフに遷移したタイミングで装置電源をオフする(車載装置2を停止する)。
【0036】
携帯電話機3は、制御部22と、電話通信部23と、BTモジュール24(本発明でいう通信相手側接続手段に相当)と、USBモジュール25と、キー入力部26と、記憶部27と、表示部28と、マイクロホン29と、スピーカ30と、電力供給部31等を備えて構成されている。
【0037】
制御部22は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、携帯電話機3の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。電話通信部23は、通信網33との間で電話通信を実行する。尚、通信網33は携帯電話基地局や基地局制御装置等の周知の携帯電話通信サービスを提供する設備を含むものである。BTモジュール24は、前述した車載装置2のBTモジュール5との間でBT通信回線を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有し、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、HFP、MAP、SPP、DUN、PBAP、OPP、A2DP、AVRCP等を同時接続可能に構成されている。
【0038】
USBモジュール25は、USB接続ケーブル14の接続端子14bを着脱可能な接続端子25aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが車載装置2のUSBモジュール6の接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが接続端子25aに接続されている状態で、USB通信回線を車載装置2のUSBモジュール6との間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0039】
キー入力部26は、ユーザが操作可能な各種キーを備え、ユーザがキーを操作したことに応じて操作検出信号を制御部22へ出力し、制御部22は、キー入力部26から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。記憶部27は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。表示部28は、制御部22から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいて各種表示画面を表示する。又、制御部22は、ユーザが発した音声をマイクロホン29から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理し、電話通信部23から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをスピーカ30から音声として出力させる。電力供給部31は、本体に対して着脱可能なバッテリ32から放電される電力を動作電力として各機能ブロックへ供給する。
【0040】
上記した構成では、BTモジュール5のデータ通信相手であるBTモジュール24の仕様やプロファイルの種別により、BTモジュール5がプロファイル接続要求信号(通信プロトコルに係る接続要求信号)をBTモジュール24へ送信した場合に、そのプロファイルの接続要求を許可するプロファイル接続許可応答信号(通信プロトコルに係る接続許可応答信号)又はプロファイルの接続要求を拒否するプロファイル接続拒否応答信号(通信プロトコルに係る接続拒否応答信号)をBTモジュール24がBTモジュール5へ自動的に(ユーザが携帯電話機3を操作したことを条件とせずに)送信する場合と、プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をユーザが携帯電話機3を操作したことを条件としてBTモジュール24がBTモジュール5へ送信する場合とがある。プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をBTモジュール24がBTモジュール5へ自動的に送信するプロファイルとしては例えばHFPやSPP等が挙げられ、プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をユーザが携帯電話機3を操作したことを条件としてBTモジュール24がBTモジュール5へ送信するプロファイルとしては例えばPBAPやDUN等が挙げられる。これらは例えば個人情報の保護や課金等の観点から携帯電話機3を製造する製造メーカが決定する。尚、携帯電話機3を使用するユーザが携帯電話機3を購入した後に設定変更しても良い。
【0041】
このような事情から、BTモジュール5とBTモジュール24とは以下のようにしてプロファイルを接続する。車載装置2において、制御部4は、BT通信回線がBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続されている状態では、プロファイルの接続要求が発生すると、プロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信させる。
【0042】
携帯電話機3において、制御部22は、BTモジュール5からプロファイル接続要求信号をBT通信回線を通じてBTモジュール24により受信したと判定すると、その接続要求が発生したプロファイルの種別を判定し、その接続要求されたプロファイルがプロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を車載装置2へ自動的に送信するプロファイルであり、そのプロファイルを接続可能である(対応している)と判定すると、プロファイル接続許可応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させ、一方、そのプロファイルを接続不可能である(対応していない)と判定すると、プロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させる。
【0043】
又、制御部22は、その接続要求されたプロファイルがプロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をユーザが携帯電話機3を操作したことを条件として車載装置2へ送信するプロファイルであると判定すると、そのプロファイルの接続を許可するか拒否するかをユーザに対して問合わせる接続可否問合画面(図示せず)を表示部25に表示させ、ユーザがプロファイルの接続を許可する操作をキー入力部26にて行ったと判定すると、プロファイル接続許可応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させ、一方、ユーザがプロファイルの接続を拒否する操作をキー入力部26にて行ったと判定すると、プロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させる。
【0044】
車載装置2において、制御部4は、BTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5により受信したと判定すると、プロファイル接続処理を開始し(接続要求が許可され)、プロファイル接続処理を正常に終了すると、プロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続する。一方、制御部4は、BTモジュール24からプロファイル接続拒否応答信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5により受信したと判定すると、又はプロファイル接続要求信号を送信させてから何れの信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5により受信することなく所定時間が経過したと判定すると、プロファイル接続処理を開始しない(接続要求が拒否される)。
【0045】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図9を参照して説明する。図2乃至図4は車載装置2の制御部4が実行する処理をフローチャートにより示している。
車載装置2において、制御部4は、車載装置2の装置電源がオン(ACCスイッチがオン)している状態ではメイン処理を実行し、メイン処理におけるサブ処理としてプロファイル接続要求判定処理、及びプロファイル接続応答信号受信判定処理を実行する。以下、これら各処理について順次説明する。
【0046】
(1)メイン処理(図2参照)
制御部4は、車載装置2の装置電源がオンしたと判定すると、メイン処理を開始し、プロファイル接続要求判定処理、及びプロファイル接続応答信号受信判定処理を装置電源がオフしたと判定するまで所定周期で定期的に実行する(ステップS1乃至S3)。
【0047】
(2)プロファイル接続要求判定処理(図3参照)
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続要求判定処理へ移行し、プロファイル接続要求判定処理を開始すると、何れかのプロファイルの接続要求が発生したか否かを判定する(ステップS11)。制御部4は、何れかのプロファイルの接続要求が発生したと判定すると(ステップS11にて「YES」)、別の何れかのプロファイルに係るプロファイル接続応答信号(プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号)を受信待機中であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0048】
制御部4は、別の何れかのプロファイルに係るプロファイル接続応答信号を受信待機中でないと判定すると(ステップS12にて「NO」)、その接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信させ(ステップS13)、タイマ機能による所定時間(例えば20秒)の計時を開始し(ステップS14)、プロファイル接続要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0049】
一方、制御部4は、別の何れかのプロファイルに係るプロファイル接続応答信号を受信待機中であると判定すると(ステップS12にて「YES」)、その接続要求が発生したプロファイルの優先順位と、プロファイル接続応答信号を受信待機中のプロファイルの優先順位とを比較する(ステップS15)。尚、プロファイルの優先順位は記憶部7に予め記憶されており、制御部4は、記憶部7に記憶されている優先順位を読出して比較する。
【0050】
制御部4は、接続要求が発生したプロファイルの優先順位がプロファイル接続応答信号を受信待機中のプロファイルの優先順位よりも上位であると判定すると(ステップS16にて「YES」)、BTモジュール24からBTモジュール5へのプロファイル接続応答信号の受信待機を中断し(ステップS17)、プロファイル接続応答信号の受信待機を中断したことを示す受信待機中断フラグを設定し(ステップS18)、その接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信させ(ステップS19)、タイマ機能による所定時間(例えば20秒)の計時を開始し(ステップS20)、プロファイル接続要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0051】
一方、制御部4は、接続要求が発生したプロファイルの優先順位がプロファイル接続応答信号を受信待機中のプロファイルの優先順位よりも上位でない(同位又は下位である)と判定すると(ステップS16にて「NO」)、BTモジュール24からBTモジュール5へのプロファイル接続応答信号の受信待機を継続し(中断することなく)、その接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号の送信を待機し(ステップS21)、接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号の送信を待機したことを示す送信待機フラグを設定し(ステップS22)、プロファイル接続要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0052】
(3)プロファイル接続応答信号受信判定処理(図4参照)
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続応答信号受信判定処理へ移行し、プロファイル接続応答信号受信判定処理を開始すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのプロファイル接続応答信号を受信待機中であるか否かを判定する(ステップS31)。制御部4は、プロファイル接続応答信号を受信待機中であると判定すると(ステップS31にて「YES」)、プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を受信したか否かを判定すると共に、タイマ機能による所定時間の計時が満了したか(タイムアップしたか否か)を判定する(ステップS32乃至S34)。制御部4は、タイムアップするよりも先に、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にBTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると(ステップS32にて「YES」)、タイマ機能による所定時間の計時を終了する(ステップS35)。そして、制御部4は、プロファイル接続処理を開始し(接続要求が許可され)(ステップS36)、プロファイル接続処理を正常終了すると、受信待機中断フラグ又は送信待機フラグを設定中であるか否かを判定する(ステップS37、S38)。尚、制御部4は、プロファイル接続処理を開始したが、プロファイル接続処理を正常終了しなかった(異常終了した)場合には、プロファイル接続要求をキャンセルした後に、受信待機中断フラグ又は送信待機フラグを設定中であるか否かを判定すれば良い。
【0053】
又、制御部4は、タイムアップするよりも先に、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にBTモジュール24からプロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると(ステップS33にて「YES」)、タイマ機能による所定時間の計時を終了する(ステップS39)。そして、制御部4は、プロファイル接続処理を開始することなく(接続要求が拒否され)、受信待機中断フラグ又は送信待機フラグを設定中であるか否かを判定する(ステップS37、S38)。
【0054】
制御部4は、受信待機中断フラグを設定中である、即ち、プロファイル接続応答信号の受信待機を中断したと判定すると(ステップS37にて「YES」)、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ(ステップS40)、その受信待機を中断したプロファイル接続応答信号の受信待機を再開し(ステップS41)、受信待機中断フラグを解除し(ステップS42)、プロファイル接続応答信号受信判定処理を終了してメイン処理へリターンする。この場合、BTモジュール24は、BTモジュール5からプロファイル接続要求信号を受信した後では、ユーザが携帯電話機3にてプロファイルの接続許可操作を行うと、プロファイル接続許可応答信号をBTモジュール5へ送信し、一方、ユーザが携帯電話機3にてプロファイルの接続拒否操作を行うと、プロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール5へ送信する。
【0055】
尚、制御部4は、タイムアップするよりも先にBTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号又接続拒否応答信号の何れかをBTモジュール5により受信したと判定し、受信待機中断フラグを設定中であると判定した場合に(ステップS37にて「YES」)、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることなく、その受信待機を中断したプロファイル接続応答信号の受信待機を再開するようにしても良い(ステップS41)。
【0056】
即ち、制御部4は、プロファイル接続応答信号の受信待機を中断した場合には、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させることを契機とし、プロファイル接続応答信号の受信待機を再開しても良いし、先に(プロファイル接続応答信号の受信待機を中断する前に)プロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ既に送信させていることから、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させることなく、プロファイル接続応答信号の受信待機を再開しても良い。
【0057】
一方、制御部4は、送信待機フラグを設定中である、即ち、プロファイル接続要求信号送信を待機したと判定すると(ステップS38にて「YES」)、その送信を待機したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ(ステップS43)、送信待機フラグを解除し(ステップS44)、プロファイル接続応答信号受信判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0058】
又、制御部4は、タイムアップした、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にBTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れもBTモジュール5により受信しなかったと判定すると(ステップS34にて「YES」)、図13に示すように、例えば「プロファイルの接続許可/接続拒否を携帯電話機により選択して下さい」という選択操作促進画面41(本発明でいう通知情報に相当)を表示装置20に表示させ(ステップS45)、上記したS37、S38以降を実行し、プロファイル接続応答信号受信判定処理を終了してメイン処理へリターンする。尚、制御部4は、ユーザが運転中に携帯電話機3を操作しないように選択操作促進画面41を車両停止中に表示させることが望ましい。
【0059】
上記した一連の処理を具体的に説明する。ここでは、車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に何れかのプロファイルの接続要求が発生するよりも先に、携帯電話機3がPBAP接続応答信号(PBAP接続許可応答信号又はPBAP接続拒否応答信号)を車載装置2へ送信した場合、車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3からPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が上位のプロファイルであるSPPの接続要求が発生した場合、車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3からPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が下位のプロファイルであるAVRCPの接続要求が発生した場合を説明する。
【0060】
(a)車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に何れかのプロファイルの接続要求が発生するよりも先に、携帯電話機3がPBAP接続応答信号を車載装置2へ送信した場合
制御部4は、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を開始する。ここで、制御部4は、図5に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続許可の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続許可応答信号が送信され、PBAP接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了し、PBAP接続処理を開始する(PBAPの接続要求を許可する)。
【0061】
又、制御部4は、図6に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続拒否の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続拒否応答信号が送信され、PBAP接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了し、PBAP接続処理を開始しない(PBAPの接続要求を拒否する)。
【0062】
(b)車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3からPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が上位のプロファイルであるSPPの接続要求が発生した場合
制御部4は、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を開始する。ここで、制御部4は、図7乃至図9に示すように、携帯電話機3を使用するユーザが接続許可又は接続拒否の操作を行うよりも先に、即ち、PBAP接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が上位のSPPの接続要求が発生したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を中断し、SPP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させる。
【0063】
そして、制御部4は、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号(SPP接続許可応答信号又はSPP接続拒否応答信号のうち何れか)の受信待機を開始した後に、図7に示すように、携帯電話機3がSPPの接続要求を許可する設定であることに応じてBTモジュール24からSPP接続許可応答信号が自動的に送信され、SPP接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、SPP接続処理を開始し(SPPの接続要求を許可し)、SPPをBTモジュール24からBTモジュール5との間で接続し、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させ、中断したBTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を再開する。
【0064】
一方、制御部4は、図8に示すように、携帯電話機3がSPPの接続要求を拒否する設定であることに応じてBTモジュール24からSPP接続拒否応答信号が自動的に送信され、SPP接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、SPP接続処理を開始することなく(SPPの接続要求を拒否し)、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させ、中断したBTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を再開する。
【0065】
又、制御部4は、図9に示すように、何らかの事情によりBTモジュール24からSPP接続応答信号が送信されず、SPP接続要求信号をBTモジュール5から送信させた後にSPP接続応答信号をBTモジュール5により受信することなく所定時間が経過したと判定すると、この場合も、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、SPP接続処理を開始することなく、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させ、中断したBTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を再開する。
【0066】
(c)車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3がPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が下位のプロファイルであるAVRCPの接続要求が発生した場合
制御部4は、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を開始する。ここで、制御部4は、図10乃至図12に示すように、携帯電話機3を使用するユーザが接続許可又は接続拒否の操作をキー入力部26にて行うよりも先に、即ち、PBAP接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が下位のAVRCPの接続要求が発生したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を継続する(中断しない)。
【0067】
そして、制御部4は、図10に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続許可の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続許可応答信号が送信され、PBAP接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、PBAP接続処理を開始し、AVRCP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からBTモジュール5へのAVRCP接続応答信号の受信待機を開始する。
【0068】
一方、制御部4は、図11に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続拒否の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続拒否応答信号が送信され、PBAP接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、PBAP接続処理を開始することなく、AVRCP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からBTモジュール5へのAVRCP接続応答信号の受信待機を開始する。
【0069】
又、制御部4は、図12に示すように、何らかの事情によりBTモジュール24からPBAP接続応答信号が送信されず、PBAP接続要求信号をBTモジュール5から送信させた後にPBAP接続応答信号をBTモジュール5により受信することなく所定時間が経過したと判定すると、この場合も、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、PBAP接続処理を開始することなく、AVRCP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からBTモジュール5へのAVRCP接続応答信号の受信待機を開始する。
【0070】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載装置2において、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号を受信待機中に、優先順位が上位のプロファイルの接続要求が発生すると、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号の受信待機を中断し、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号を送信するようにしたので、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号の送信を、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号の受信待機よりも優先することができる。そして、これ以降、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号を送信した後に、優先順位が上位のプロファイル接続許可応答信号が受信されると、優先順位が上位のプロファイル接続処理を速やかに開始することができ、優先順位が上位のプロファイルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応えることができる。
【0071】
又、優先順位が上位のプロファイル接続応答信号を受信待機中に、優先順位が下位のプロファイルの接続要求が発生すると、優先順位が上位のプロファイル接続応答信号の受信待機を中断することなく継続するようにしたので、優先順位が上位のプロファイル接続応答信号の受信待機を、優先順位が下位のプロファイル接続要求信号の送信よりも優先することができる。
【0072】
又、プロファイル接続応答信号の受信待機を所定時間継続し、プロファイル接続応答信号が受信されることなく所定時間が経過すると、その旨を示す選択操作促進画面41を表示するようにしたので、プロファイルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促すことができる。
【0073】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
近距離無線通信装置は、車載装置2に限らず、BTモジュール5と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、周知のナビゲーション機能を有するナビゲーション装置等であっても良く、又、車両に搭載されない装置であっても良い。又、近距離無線通信装置のデータ通信相手である通信相手装置は、携帯電話機3に限らず、BTモジュール24と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、携帯情報端末等であっても良く、又、ユーザが携帯不可能な固定端末であっても良い。
【0074】
プロファイルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促す方法としては、選択操作促進画面41を表示する視覚的な方法に限らず、その旨を示す音声ガイダンスを出力する聴覚的な方法であっても良く、又、それら視覚的な方法と聴覚的な方法とを併用しても良い。
【0075】
タイムアップした場合、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にプロファイル接続応答信号を受信しなかったと判定した場合に、選択操作促進画面41を表示させることで、プロファイルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促すことに限らず、プロファイルの接続応答信号の受信待機を中断したと判定した場合や、プロファイルの接続応答信号の受信待機を中断した回数が所定回数に到達したと判定した場合等にも、何らかの通知をユーザに対して行っても良い。
【0076】
プロファイル毎の優先順位を設定する場合に、例えばPBAPやOPPの優先順位を他のプロファイルの優先順位よりも上位に設定することで、電話帳データの転送を他のプロファイルの機能よりも優先させることができ、又、例えばA2DPやAVRCPの優先順位を他のプロファイルの優先順位よりも上位に設定することで、携帯電話機3に記憶されている音データ(楽曲データ)の転送を他のプロファイルの機能よりも優先させることができる。
【符号の説明】
【0077】
図面中、2は車載装置(近距離無線通信装置)、4は制御部(制御手段)、5はBTモジュール(接続手段)、20は表示装置(通知手段)、24はBTモジュール(通信相手側接続手段)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信プロトコルに係る接続要求信号を近距離無線通信回線を通じて受信した場合にユーザ操作に応じて通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を近距離無線通信回線を通じて送信する通信相手側接続手段との間で通信プロトコルを接続可能な接続手段を備えた近距離無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近距離無線通信機能を有する近距離無線通信装置に搭載されている近距離無線通信モジュールにおいては、データ通信を規定する複数の通信プロトコルを通信相手装置の近距離無線通信モジュールとの間で同時接続(所謂マルチ接続)可能になっている(例えば特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−273370公報
【特許文献2】特開2009−253601号公報
【特許文献3】特開2009−253603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近距離無線通信モジュールにおいては、通信プロトコルの接続要求が発生すると、通信プロトコルに係る接続要求信号を通信相手装置の近距離無線通信モジュールへ送信した後に、通信相手装置の近距離無線通信モジュールから通信プロトコルに係る接続許可応答信号を受信すれば、通信プロトコルに係る接続処理を開始し(接続要求が許可され)、一方、通信相手装置の近距離無線通信モジュールから通信プロトコルに係る接続拒否応答信号を受信すれば、通信プロトコルに係る接続処理を開始しない(接続要求が拒否される)ようになっている。
【0005】
ところで、通信相手装置の仕様や通信プロトコルの種別によっては、通信プロトコルに係る接続要求信号を受信すると、その通信プロトコルの接続を許可するか拒否するかをユーザに対して問合せ、ユーザ操作が通信相手装置にて行われたことを条件として、通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を送信する場合もある。そのため、近距離無線通信モジュールでは、通信相手装置の仕様や通信プロトコルの種別によっては、通信プロトコルに係る接続要求信号を送信した後に、ユーザ操作が通信相手装置にて行われないと、通信相手装置の近距離無線通信モジュールからの通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れをも受信することができず、通信プロトコルに係る接続処理を開始するか否かを決定することができない。
【0006】
その一方で、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信し、通信相手装置の近距離無線通信モジュールからの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生する場合がある。しかしながら、この場合、近距離無線通信モジュールでは、通信相手装置の近距離無線通信モジュールからの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を受信待機中であるので、接続要求が発生した他の通信プロトコルに係る接続要求信号を通信相手側接続手段へ送信することができない。その結果、他の通信プロトコルに係る接続処理を速やかに開始することができず、他の通信プロトコルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に応えることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信相手側接続手段からの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生した場合に、他の通信プロトコルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応えることができる近距離無線通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した発明によれば、接続手段は、通信プロトコルに係る接続要求信号を近距離無線通信回線を通じて受信した場合にユーザ操作に応じて通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を近距離無線通信回線を通じて送信する通信相手側接続手段との間で通信プロトコルを接続可能である。制御手段は、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させたことで通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生したと判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0009】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生すると、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信することで、これ以降、他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号が受信されれば、他の通信プロトコルに係る接続処理を速やかに開始することができ、他の通信プロトコルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応えることができる。
【0010】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、他の通信プロトコルの優先順位が一の通信プロトコルの優先順位よりも上位であると判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0011】
これにより、予め通信プロトコルの優先順位を設定しておくことで、優先順位が上位の他の通信プロトコルに係る接続要求信号の送信を、優先順位が下位の一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機よりも優先することができる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させた後に、通信相手側接続手段からの他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が接続手段により受信されたと判定すると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0013】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断したまま放置しておくことなく、他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信することで、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れかを通信相手側接続手段から送信させることができ、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を速やかに再開することができる。
【0014】
請求項4に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させた後に、他の通信プロトコルに係る接続処理が正常終了又は異常終了したと判定すると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0015】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断したまま放置しておくことなく、他の通信プロトコルに係る接続処理が正常終了又は異常終了すると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信することで、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れかを通信相手側接続手段から送信させることができ、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を速やかに再開することができる。
【0016】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させた後に、通信相手側接続手段からの他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が接続手段により受信されたと判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を再開する。
【0017】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断したまま放置しておくことなく、他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されると、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を送信しなくとも、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を速やかに再開することができる。
【0018】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、他の通信プロトコルの優先順位が一の通信プロトコルの優先順位よりも下位であると判定すると、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続する。
【0019】
これにより、予め通信プロトコルの優先順位を設定しておくことで、優先順位が上位の一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を、優先順位が下位の他の通信プロトコルに係る接続要求信号の送信よりも優先することができる。
【0020】
請求項7に記載した発明によれば、制御手段は、通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続した後に、通信相手側接続手段からの一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が接続手段により受信されたと判定すると、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させる。
【0021】
これにより、優先順位が下位の他の通信プロトコルに係る接続要求信号の送信を放置しておくことなく、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されると、他の通信プロトコルに係る接続要求信号を速やかに送信することができる。
【0022】
請求項8に記載した発明によれば、制御手段は、一の通信プロトコルに係る接続要求信号を接続手段から近距離無線通信回線を通じて通信相手側接続手段へ送信させたことで通信相手側接続手段から接続手段への一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を所定時間継続し、通信相手側接続手段から接続手段へ一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されることなく所定時間が経過したと判定すると、ユーザ操作に係る通知情報を通知手段から出力させる。
【0023】
これにより、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が受信されることなく所定時間が経過した旨をユーザに知らせることができ、一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を送信させる操作、即ち、一の通信プロトコルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】車載装置が実行する処理を示すフローチャート
【図3】図2相当図
【図4】図2相当図
【図5】シーケンス図
【図6】図5相当図
【図7】図5相当図
【図8】図5相当図
【図9】図5相当図
【図10】図5相当図
【図11】図5相当図
【図12】図5相当図
【図13】選択操作促進画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明をBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するBT対応の車載装置(以下、単に車載装置と称する)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、ここでは、車載装置が搭載されている車両の車室内に、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機(以下、単に携帯電話機と称する)が車室内に持込まれ、車載装置と携帯電話機とがBT通信可能な状態にある場合を説明する。
【0026】
BT通信システム1は、車両に搭載されている車載装置2(本発明でいう近距離無線通信装置に相当)と、車室内に持込まれた携帯電話機3とから構成される。車載装置2は、制御部4(本発明でいう制御手段に相当)と、BTモジュール5(本発明でいう接続手段に相当)と、USB(Universal Serial Bus)モジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11等を備えて構成されている。制御部4と、USBモジュール6と、記憶部7と、音声処理部8と、表示制御部9と、操作入力部10と、信号入力部11とは、制御基板12に物理的に実装されており、BTモジュール5は、制御基板12とは別部材であるBTモジュール基板13に物理的に実装されている。制御部4とBTモジュール5とはUSB接続されている。
【0027】
制御部4は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、車載装置2の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。BTモジュール5は、後述する携帯電話機3のBTモジュールとの間でBT通信回線(本発明でいう近距離無線通信回線に相当)を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有する。BTモジュール5は、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、ハンズフリー通話を規定するHFP(Hands Free Profile)、電子メールデータの転送を規定するMAP(Message Access Profile)、仮想シリアルポート化したデータ通信を規定するSPP(Serial Port Profile)、インターネットへのダイヤルアップ接続を規定するDUN(Dial-up Networking Profile)、電話帳データの転送を規定するPBAP(Phone Book Access Profile)、同じく電話帳データの転送を規定するOPP(Object Push Profile)、音データの転送を規定するA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)、音データの制御に係る制御データの転送を規定するAVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)等を同時接続(所謂マルチ接続)可能に構成されている。これらHFP、MAP、SPP、DUN、PBAP、OPP、A2DP、AVRCP等は機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。
【0028】
USBモジュール6は、USB接続ケーブル14の接続端子14aを着脱可能な接続端子6aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが後述する携帯電話機3のUSBモジュールの接続端子に接続されている状態で、USB通信回線を携帯電話機3のUSBモジュールとの間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0029】
記憶部7は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。この場合、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でMAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電子メールデータ(電子メールの発信先を特定可能な差出人情報、電子メールが携帯電話機3へ受信された日時を特定可能な受信日時情報、電子メールの種別を特定可能な種別情報、例えば差出人が入力した電子メールの件名を特定可能な件名情報等)が記憶部7に記憶される。又、BTモジュール5が携帯電話機3のBTモジュールとの間でPBAPを接続すれば、携帯電話機3からBTモジュール5へ転送された電話帳データ、車載装置2からの発信動作又は当該車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3からの発信動作に係る発信時刻と発信電話番号との対応を表す発信履歴データ、車載装置2との間でHFPを接続している携帯電話機3の着信動作に係る着信時刻と着信電話番号との対応を表す着信履歴データ等が記憶部7に記憶される。
【0030】
音声処理部8には車室内にあって例えばハンドルの近傍等のユーザが発した音声を集音し易い部位に配置されているマイクロホン15が接続されていると共に、車載装置2の外部に配置されているオーディオアンプ16が接続されており、オーディオアンプ16にはスピーカ17a、17bが接続されている。
【0031】
音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でHFPを接続している状態では、ユーザが発した音声をマイクロホン15から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理してBTモジュール5へ出力し、BTモジュール5から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0032】
又、音声処理部8は、BTモジュール5と後述する携帯電話機3のBTモジュールとが両者の間でA2DP及びAVRCPを接続している状態では、携帯電話機3のBTモジュールからA2DP及びAVRCPによりBTモジュール5へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。又、音声処理部8は、USBモジュール6と後述する携帯電話機3のUSBモジュールとが両者の間でUSB通信を実行可能な状態では、携帯電話機3のUSBモジュールからUSB通信回線によりUSBモジュール6へ転送された音データをオーディオアンプ16へ出力する。
【0033】
オーディオアンプ16は、音声処理部8から受話音声データや音データを入力すると、その入力した受話音声データや音データを増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。又、オーディオアンプ16にはチューナーデッキ18も接続されており、オーディオアンプ16は、チューナーデッキ18が例えば音楽用記録媒体から再生した楽曲データを当該チューナーデッキ18から入力すると、その入力した楽曲データをも増幅してスピーカ17a、17bから出力させる。
【0034】
ディスプレイ装置19は、各種表示画面を表示する表示装置20(本発明でいう通知手段に相当)と、表示画面上にタッチスイッチを形成する操作装置21とを備えて構成されている。表示制御部9は、制御部4から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいてディスプレイ装置19における表示装置20の表示動作を制御する。操作入力部10は、ユーザが表示画面上に形成されているタッチスイッチを操作したことに応じて操作装置21から操作検出信号を入力すると、その入力した操作検出信号を制御部4へ出力し、制御部4は、操作入力部10から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。
【0035】
信号入力部11は、車両に搭載されているACC(アクセサリ)スイッチに接続されており、ACCスイッチから出力されたACC信号を入力すると、その入力したACC信号を制御部4へ出力し、制御部4は、信号入力部11から入力したACC信号のオンオフに基づいて装置電源をオンオフする。即ち、制御部4は、ACC信号がオフからオンに遷移したタイミングで装置電源をオンし(車載装置2を起動し)、ACC信号がオンからオフに遷移したタイミングで装置電源をオフする(車載装置2を停止する)。
【0036】
携帯電話機3は、制御部22と、電話通信部23と、BTモジュール24(本発明でいう通信相手側接続手段に相当)と、USBモジュール25と、キー入力部26と、記憶部27と、表示部28と、マイクロホン29と、スピーカ30と、電力供給部31等を備えて構成されている。
【0037】
制御部22は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM、及びI/Oバス等を有し、携帯電話機3の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。電話通信部23は、通信網33との間で電話通信を実行する。尚、通信網33は携帯電話基地局や基地局制御装置等の周知の携帯電話通信サービスを提供する設備を含むものである。BTモジュール24は、前述した車載装置2のBTモジュール5との間でBT通信回線を接続し、BT通信回線を通じてBT通信を実行する機能を有し、BTの通信規格で規定されている複数のプロファイルとして、HFP、MAP、SPP、DUN、PBAP、OPP、A2DP、AVRCP等を同時接続可能に構成されている。
【0038】
USBモジュール25は、USB接続ケーブル14の接続端子14bを着脱可能な接続端子25aを有し、USB接続ケーブル14の一方の接続端子14aが車載装置2のUSBモジュール6の接続端子6aに接続され、且つUSB接続ケーブル14の他方の接続端子14bが接続端子25aに接続されている状態で、USB通信回線を車載装置2のUSBモジュール6との間で接続し、USB通信回線を通じてUSB通信を実行する機能を有する。
【0039】
キー入力部26は、ユーザが操作可能な各種キーを備え、ユーザがキーを操作したことに応じて操作検出信号を制御部22へ出力し、制御部22は、キー入力部26から入力した操作検出信号を解析してユーザの操作を特定する。記憶部27は、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。表示部28は、制御部22から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいて各種表示画面を表示する。又、制御部22は、ユーザが発した音声をマイクロホン29から送話音声データとして入力すると、その入力した送話音声データを音声処理し、電話通信部23から受話音声データを入力すると、その入力した受話音声データをスピーカ30から音声として出力させる。電力供給部31は、本体に対して着脱可能なバッテリ32から放電される電力を動作電力として各機能ブロックへ供給する。
【0040】
上記した構成では、BTモジュール5のデータ通信相手であるBTモジュール24の仕様やプロファイルの種別により、BTモジュール5がプロファイル接続要求信号(通信プロトコルに係る接続要求信号)をBTモジュール24へ送信した場合に、そのプロファイルの接続要求を許可するプロファイル接続許可応答信号(通信プロトコルに係る接続許可応答信号)又はプロファイルの接続要求を拒否するプロファイル接続拒否応答信号(通信プロトコルに係る接続拒否応答信号)をBTモジュール24がBTモジュール5へ自動的に(ユーザが携帯電話機3を操作したことを条件とせずに)送信する場合と、プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をユーザが携帯電話機3を操作したことを条件としてBTモジュール24がBTモジュール5へ送信する場合とがある。プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をBTモジュール24がBTモジュール5へ自動的に送信するプロファイルとしては例えばHFPやSPP等が挙げられ、プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をユーザが携帯電話機3を操作したことを条件としてBTモジュール24がBTモジュール5へ送信するプロファイルとしては例えばPBAPやDUN等が挙げられる。これらは例えば個人情報の保護や課金等の観点から携帯電話機3を製造する製造メーカが決定する。尚、携帯電話機3を使用するユーザが携帯電話機3を購入した後に設定変更しても良い。
【0041】
このような事情から、BTモジュール5とBTモジュール24とは以下のようにしてプロファイルを接続する。車載装置2において、制御部4は、BT通信回線がBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続されている状態では、プロファイルの接続要求が発生すると、プロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信させる。
【0042】
携帯電話機3において、制御部22は、BTモジュール5からプロファイル接続要求信号をBT通信回線を通じてBTモジュール24により受信したと判定すると、その接続要求が発生したプロファイルの種別を判定し、その接続要求されたプロファイルがプロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を車載装置2へ自動的に送信するプロファイルであり、そのプロファイルを接続可能である(対応している)と判定すると、プロファイル接続許可応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させ、一方、そのプロファイルを接続不可能である(対応していない)と判定すると、プロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させる。
【0043】
又、制御部22は、その接続要求されたプロファイルがプロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をユーザが携帯電話機3を操作したことを条件として車載装置2へ送信するプロファイルであると判定すると、そのプロファイルの接続を許可するか拒否するかをユーザに対して問合わせる接続可否問合画面(図示せず)を表示部25に表示させ、ユーザがプロファイルの接続を許可する操作をキー入力部26にて行ったと判定すると、プロファイル接続許可応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させ、一方、ユーザがプロファイルの接続を拒否する操作をキー入力部26にて行ったと判定すると、プロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール24からBT通信回線を通じてBTモジュール5へ送信させる。
【0044】
車載装置2において、制御部4は、BTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5により受信したと判定すると、プロファイル接続処理を開始し(接続要求が許可され)、プロファイル接続処理を正常に終了すると、プロファイルをBTモジュール5とBTモジュール24との間で接続する。一方、制御部4は、BTモジュール24からプロファイル接続拒否応答信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5により受信したと判定すると、又はプロファイル接続要求信号を送信させてから何れの信号をBT通信回線を通じてBTモジュール5により受信することなく所定時間が経過したと判定すると、プロファイル接続処理を開始しない(接続要求が拒否される)。
【0045】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図9を参照して説明する。図2乃至図4は車載装置2の制御部4が実行する処理をフローチャートにより示している。
車載装置2において、制御部4は、車載装置2の装置電源がオン(ACCスイッチがオン)している状態ではメイン処理を実行し、メイン処理におけるサブ処理としてプロファイル接続要求判定処理、及びプロファイル接続応答信号受信判定処理を実行する。以下、これら各処理について順次説明する。
【0046】
(1)メイン処理(図2参照)
制御部4は、車載装置2の装置電源がオンしたと判定すると、メイン処理を開始し、プロファイル接続要求判定処理、及びプロファイル接続応答信号受信判定処理を装置電源がオフしたと判定するまで所定周期で定期的に実行する(ステップS1乃至S3)。
【0047】
(2)プロファイル接続要求判定処理(図3参照)
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続要求判定処理へ移行し、プロファイル接続要求判定処理を開始すると、何れかのプロファイルの接続要求が発生したか否かを判定する(ステップS11)。制御部4は、何れかのプロファイルの接続要求が発生したと判定すると(ステップS11にて「YES」)、別の何れかのプロファイルに係るプロファイル接続応答信号(プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号)を受信待機中であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0048】
制御部4は、別の何れかのプロファイルに係るプロファイル接続応答信号を受信待機中でないと判定すると(ステップS12にて「NO」)、その接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信させ(ステップS13)、タイマ機能による所定時間(例えば20秒)の計時を開始し(ステップS14)、プロファイル接続要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0049】
一方、制御部4は、別の何れかのプロファイルに係るプロファイル接続応答信号を受信待機中であると判定すると(ステップS12にて「YES」)、その接続要求が発生したプロファイルの優先順位と、プロファイル接続応答信号を受信待機中のプロファイルの優先順位とを比較する(ステップS15)。尚、プロファイルの優先順位は記憶部7に予め記憶されており、制御部4は、記憶部7に記憶されている優先順位を読出して比較する。
【0050】
制御部4は、接続要求が発生したプロファイルの優先順位がプロファイル接続応答信号を受信待機中のプロファイルの優先順位よりも上位であると判定すると(ステップS16にて「YES」)、BTモジュール24からBTモジュール5へのプロファイル接続応答信号の受信待機を中断し(ステップS17)、プロファイル接続応答信号の受信待機を中断したことを示す受信待機中断フラグを設定し(ステップS18)、その接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBT通信回線を通じてBTモジュール24へ送信させ(ステップS19)、タイマ機能による所定時間(例えば20秒)の計時を開始し(ステップS20)、プロファイル接続要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0051】
一方、制御部4は、接続要求が発生したプロファイルの優先順位がプロファイル接続応答信号を受信待機中のプロファイルの優先順位よりも上位でない(同位又は下位である)と判定すると(ステップS16にて「NO」)、BTモジュール24からBTモジュール5へのプロファイル接続応答信号の受信待機を継続し(中断することなく)、その接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号の送信を待機し(ステップS21)、接続要求が発生したプロファイルに係るプロファイル接続要求信号の送信を待機したことを示す送信待機フラグを設定し(ステップS22)、プロファイル接続要求判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0052】
(3)プロファイル接続応答信号受信判定処理(図4参照)
制御部4は、メイン処理からプロファイル接続応答信号受信判定処理へ移行し、プロファイル接続応答信号受信判定処理を開始すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのプロファイル接続応答信号を受信待機中であるか否かを判定する(ステップS31)。制御部4は、プロファイル接続応答信号を受信待機中であると判定すると(ステップS31にて「YES」)、プロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を受信したか否かを判定すると共に、タイマ機能による所定時間の計時が満了したか(タイムアップしたか否か)を判定する(ステップS32乃至S34)。制御部4は、タイムアップするよりも先に、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にBTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると(ステップS32にて「YES」)、タイマ機能による所定時間の計時を終了する(ステップS35)。そして、制御部4は、プロファイル接続処理を開始し(接続要求が許可され)(ステップS36)、プロファイル接続処理を正常終了すると、受信待機中断フラグ又は送信待機フラグを設定中であるか否かを判定する(ステップS37、S38)。尚、制御部4は、プロファイル接続処理を開始したが、プロファイル接続処理を正常終了しなかった(異常終了した)場合には、プロファイル接続要求をキャンセルした後に、受信待機中断フラグ又は送信待機フラグを設定中であるか否かを判定すれば良い。
【0053】
又、制御部4は、タイムアップするよりも先に、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にBTモジュール24からプロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると(ステップS33にて「YES」)、タイマ機能による所定時間の計時を終了する(ステップS39)。そして、制御部4は、プロファイル接続処理を開始することなく(接続要求が拒否され)、受信待機中断フラグ又は送信待機フラグを設定中であるか否かを判定する(ステップS37、S38)。
【0054】
制御部4は、受信待機中断フラグを設定中である、即ち、プロファイル接続応答信号の受信待機を中断したと判定すると(ステップS37にて「YES」)、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ(ステップS40)、その受信待機を中断したプロファイル接続応答信号の受信待機を再開し(ステップS41)、受信待機中断フラグを解除し(ステップS42)、プロファイル接続応答信号受信判定処理を終了してメイン処理へリターンする。この場合、BTモジュール24は、BTモジュール5からプロファイル接続要求信号を受信した後では、ユーザが携帯電話機3にてプロファイルの接続許可操作を行うと、プロファイル接続許可応答信号をBTモジュール5へ送信し、一方、ユーザが携帯電話機3にてプロファイルの接続拒否操作を行うと、プロファイル接続拒否応答信号をBTモジュール5へ送信する。
【0055】
尚、制御部4は、タイムアップするよりも先にBTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号又接続拒否応答信号の何れかをBTモジュール5により受信したと判定し、受信待機中断フラグを設定中であると判定した場合に(ステップS37にて「YES」)、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させることなく、その受信待機を中断したプロファイル接続応答信号の受信待機を再開するようにしても良い(ステップS41)。
【0056】
即ち、制御部4は、プロファイル接続応答信号の受信待機を中断した場合には、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させることを契機とし、プロファイル接続応答信号の受信待機を再開しても良いし、先に(プロファイル接続応答信号の受信待機を中断する前に)プロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ既に送信させていることから、その受信待機を中断したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させることなく、プロファイル接続応答信号の受信待機を再開しても良い。
【0057】
一方、制御部4は、送信待機フラグを設定中である、即ち、プロファイル接続要求信号送信を待機したと判定すると(ステップS38にて「YES」)、その送信を待機したプロファイル接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ(ステップS43)、送信待機フラグを解除し(ステップS44)、プロファイル接続応答信号受信判定処理を終了してメイン処理へリターンする。
【0058】
又、制御部4は、タイムアップした、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にBTモジュール24からプロファイル接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の何れもBTモジュール5により受信しなかったと判定すると(ステップS34にて「YES」)、図13に示すように、例えば「プロファイルの接続許可/接続拒否を携帯電話機により選択して下さい」という選択操作促進画面41(本発明でいう通知情報に相当)を表示装置20に表示させ(ステップS45)、上記したS37、S38以降を実行し、プロファイル接続応答信号受信判定処理を終了してメイン処理へリターンする。尚、制御部4は、ユーザが運転中に携帯電話機3を操作しないように選択操作促進画面41を車両停止中に表示させることが望ましい。
【0059】
上記した一連の処理を具体的に説明する。ここでは、車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に何れかのプロファイルの接続要求が発生するよりも先に、携帯電話機3がPBAP接続応答信号(PBAP接続許可応答信号又はPBAP接続拒否応答信号)を車載装置2へ送信した場合、車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3からPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が上位のプロファイルであるSPPの接続要求が発生した場合、車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3からPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が下位のプロファイルであるAVRCPの接続要求が発生した場合を説明する。
【0060】
(a)車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に何れかのプロファイルの接続要求が発生するよりも先に、携帯電話機3がPBAP接続応答信号を車載装置2へ送信した場合
制御部4は、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を開始する。ここで、制御部4は、図5に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続許可の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続許可応答信号が送信され、PBAP接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了し、PBAP接続処理を開始する(PBAPの接続要求を許可する)。
【0061】
又、制御部4は、図6に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続拒否の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続拒否応答信号が送信され、PBAP接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了し、PBAP接続処理を開始しない(PBAPの接続要求を拒否する)。
【0062】
(b)車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3からPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が上位のプロファイルであるSPPの接続要求が発生した場合
制御部4は、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を開始する。ここで、制御部4は、図7乃至図9に示すように、携帯電話機3を使用するユーザが接続許可又は接続拒否の操作を行うよりも先に、即ち、PBAP接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が上位のSPPの接続要求が発生したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を中断し、SPP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させる。
【0063】
そして、制御部4は、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号(SPP接続許可応答信号又はSPP接続拒否応答信号のうち何れか)の受信待機を開始した後に、図7に示すように、携帯電話機3がSPPの接続要求を許可する設定であることに応じてBTモジュール24からSPP接続許可応答信号が自動的に送信され、SPP接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、SPP接続処理を開始し(SPPの接続要求を許可し)、SPPをBTモジュール24からBTモジュール5との間で接続し、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させ、中断したBTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を再開する。
【0064】
一方、制御部4は、図8に示すように、携帯電話機3がSPPの接続要求を拒否する設定であることに応じてBTモジュール24からSPP接続拒否応答信号が自動的に送信され、SPP接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、SPP接続処理を開始することなく(SPPの接続要求を拒否し)、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させ、中断したBTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を再開する。
【0065】
又、制御部4は、図9に示すように、何らかの事情によりBTモジュール24からSPP接続応答信号が送信されず、SPP接続要求信号をBTモジュール5から送信させた後にSPP接続応答信号をBTモジュール5により受信することなく所定時間が経過したと判定すると、この場合も、BTモジュール24からBTモジュール5へのSPP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、SPP接続処理を開始することなく、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ再送信させ、中断したBTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を再開する。
【0066】
(c)車載装置2がPBAP接続要求信号を携帯電話機3へ送信した後に携帯電話機3がPBAP接続応答信号を受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が下位のプロファイルであるAVRCPの接続要求が発生した場合
制御部4は、PBAP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を開始する。ここで、制御部4は、図10乃至図12に示すように、携帯電話機3を使用するユーザが接続許可又は接続拒否の操作をキー入力部26にて行うよりも先に、即ち、PBAP接続許可応答信号又は接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信するよりも先に、PBAPよりも優先順位が下位のAVRCPの接続要求が発生したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を継続する(中断しない)。
【0067】
そして、制御部4は、図10に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続許可の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続許可応答信号が送信され、PBAP接続許可応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、PBAP接続処理を開始し、AVRCP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からBTモジュール5へのAVRCP接続応答信号の受信待機を開始する。
【0068】
一方、制御部4は、図11に示すように、携帯電話機3を使用するユーザがPBAPの接続拒否の操作をキー入力部26にて行ったことに応じてBTモジュール24からPBAP接続拒否応答信号が送信され、PBAP接続拒否応答信号をBTモジュール5により受信したと判定すると、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、PBAP接続処理を開始することなく、AVRCP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からBTモジュール5へのAVRCP接続応答信号の受信待機を開始する。
【0069】
又、制御部4は、図12に示すように、何らかの事情によりBTモジュール24からPBAP接続応答信号が送信されず、PBAP接続要求信号をBTモジュール5から送信させた後にPBAP接続応答信号をBTモジュール5により受信することなく所定時間が経過したと判定すると、この場合も、BTモジュール24からBTモジュール5へのPBAP接続応答信号の受信待機を終了する。そして、制御部4は、PBAP接続処理を開始することなく、AVRCP接続要求信号をBTモジュール5からBTモジュール24へ送信させ、BTモジュール24からBTモジュール5へのAVRCP接続応答信号の受信待機を開始する。
【0070】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載装置2において、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号を受信待機中に、優先順位が上位のプロファイルの接続要求が発生すると、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号の受信待機を中断し、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号を送信するようにしたので、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号の送信を、優先順位が下位のプロファイル接続応答信号の受信待機よりも優先することができる。そして、これ以降、優先順位が上位のプロファイル接続要求信号を送信した後に、優先順位が上位のプロファイル接続許可応答信号が受信されると、優先順位が上位のプロファイル接続処理を速やかに開始することができ、優先順位が上位のプロファイルにより提供される機能を速やかに使用したいというユーザの要望に適切に応えることができる。
【0071】
又、優先順位が上位のプロファイル接続応答信号を受信待機中に、優先順位が下位のプロファイルの接続要求が発生すると、優先順位が上位のプロファイル接続応答信号の受信待機を中断することなく継続するようにしたので、優先順位が上位のプロファイル接続応答信号の受信待機を、優先順位が下位のプロファイル接続要求信号の送信よりも優先することができる。
【0072】
又、プロファイル接続応答信号の受信待機を所定時間継続し、プロファイル接続応答信号が受信されることなく所定時間が経過すると、その旨を示す選択操作促進画面41を表示するようにしたので、プロファイルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促すことができる。
【0073】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
近距離無線通信装置は、車載装置2に限らず、BTモジュール5と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、周知のナビゲーション機能を有するナビゲーション装置等であっても良く、又、車両に搭載されない装置であっても良い。又、近距離無線通信装置のデータ通信相手である通信相手装置は、携帯電話機3に限らず、BTモジュール24と同等の機能を有するBTモジュールを備える構成であれば、携帯情報端末等であっても良く、又、ユーザが携帯不可能な固定端末であっても良い。
【0074】
プロファイルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促す方法としては、選択操作促進画面41を表示する視覚的な方法に限らず、その旨を示す音声ガイダンスを出力する聴覚的な方法であっても良く、又、それら視覚的な方法と聴覚的な方法とを併用しても良い。
【0075】
タイムアップした場合、即ち、プロファイル接続要求信号を送信させてから所定時間内にプロファイル接続応答信号を受信しなかったと判定した場合に、選択操作促進画面41を表示させることで、プロファイルの接続要求を許可するか拒否するかを選択する操作をユーザに対して促すことに限らず、プロファイルの接続応答信号の受信待機を中断したと判定した場合や、プロファイルの接続応答信号の受信待機を中断した回数が所定回数に到達したと判定した場合等にも、何らかの通知をユーザに対して行っても良い。
【0076】
プロファイル毎の優先順位を設定する場合に、例えばPBAPやOPPの優先順位を他のプロファイルの優先順位よりも上位に設定することで、電話帳データの転送を他のプロファイルの機能よりも優先させることができ、又、例えばA2DPやAVRCPの優先順位を他のプロファイルの優先順位よりも上位に設定することで、携帯電話機3に記憶されている音データ(楽曲データ)の転送を他のプロファイルの機能よりも優先させることができる。
【符号の説明】
【0077】
図面中、2は車載装置(近距離無線通信装置)、4は制御部(制御手段)、5はBTモジュール(接続手段)、20は表示装置(通知手段)、24はBTモジュール(通信相手側接続手段)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信プロトコルに係る接続要求信号を近距離無線通信回線を通じて受信した場合にユーザ操作に応じて前記通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を近距離無線通信回線を通じて送信する通信相手側接続手段との間で前記通信プロトコルを接続可能な接続手段と、
一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させたことで前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生したと判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させる制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記他の通信プロトコルの優先順位が前記一の通信プロトコルの優先順位よりも上位であると判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させた後に、前記通信相手側接続手段からの前記他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段により受信されたと判定した場合に、前記一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項4】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させた後に、前記他の通信プロトコルに係る接続処理が正常終了又は異常終了したと判定した場合に、前記一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項5】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させた後に、前記通信相手側接続手段からの前記他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段により受信されたと判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を再開することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記他の通信プロトコルの優先順位が前記一の通信プロトコルの優先順位よりも下位であると判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続した後に、前記通信相手側接続手段からの前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段により受信されたと判定した場合に、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させたことで前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を所定時間継続し、前記通信相手側接続手段から前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段へ受信されることなく前記所定時間が経過したと判定した場合に、前記ユーザ操作に関する通知情報を通知手段から出力させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項1】
通信プロトコルに係る接続要求信号を近距離無線通信回線を通じて受信した場合にユーザ操作に応じて前記通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号を近距離無線通信回線を通じて送信する通信相手側接続手段との間で前記通信プロトコルを接続可能な接続手段と、
一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させたことで前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機中に、他の通信プロトコルに係る接続要求が発生したと判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させる制御手段と、を備えたことを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記他の通信プロトコルの優先順位が前記一の通信プロトコルの優先順位よりも上位であると判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項3】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させた後に、前記通信相手側接続手段からの前記他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段により受信されたと判定した場合に、前記一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項4】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させた後に、前記他の通信プロトコルに係る接続処理が正常終了又は異常終了したと判定した場合に、前記一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項5】
請求項2に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断し、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させた後に、前記通信相手側接続手段からの前記他の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段により受信されたと判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を再開することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記他の通信プロトコルの優先順位が前記一の通信プロトコルの優先順位よりも下位であると判定した場合に、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続することを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項7】
請求項6に記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を中断することなく継続した後に、前記通信相手側接続手段からの前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段により受信されたと判定した場合に、前記他の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載した近距離無線通信装置において、
前記制御手段は、前記一の通信プロトコルに係る接続要求信号を前記接続手段から近距離無線通信回線を通じて前記通信相手側接続手段へ送信させたことで前記通信相手側接続手段から前記接続手段への前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号の受信待機を所定時間継続し、前記通信相手側接続手段から前記一の通信プロトコルに係る接続許可応答信号又は接続拒否応答信号が前記接続手段へ受信されることなく前記所定時間が経過したと判定した場合に、前記ユーザ操作に関する通知情報を通知手段から出力させることを特徴とする近距離無線通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−13013(P2013−13013A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145784(P2011−145784)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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