説明

送信装置、宛先指定方法および宛先指定プログラム

【課題】送信先となる紛らわしい複数の宛先が存在するときであっても、データの送信先をより正確に選択できる送信装置、宛先指定方法、宛先指定プログラムを得ること。
【解決手段】送信装置1000のディスプレイ1001に階層構造となった地図の1枚目を表示し、宛先に対応する地域を選択させる。宛先総数算出手段1005が登録された宛先総数を算出し、閾値を超えていなければ宛先を表示する。超えている場合には繰り返し手段1008により地域を更に分割した下層の地域の選択画面を表示して宛先の選択作業を続行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、宛先指定方法、宛先指定プログラムに係わり、特にデータを個々の宛先に送信する際の宛先の指定についての便宜を図った送信装置、宛先指定方法および宛先指定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
送信装置は、ブロードキャスト通信や放送局の電波の送信のような宛先を特定しない通信を除くと、宛先を具体的に指定してデータの送信を行うようになっている。たとえば送信装置がファクシミリ装置の場合、宛先を電話番号で特定するようになっている。インターネットを利用したファクシミリ装置の登場により、メールアドレスを持つ端末に対してもファクシミリ画像の送信が可能になっている。ファクシミリ装置としての機能にコピー機としての機能やプリンタとしての機能を持たせたネットワーク複合機も送信データの宛先を電話番号だけでなくメールアドレスで特定する場合もある。
【0003】
ファクシミリ装置およびネットワーク複合機を例として取り上げたが、送信装置の機能が追加されたり機能の複合化が図られると、送信する宛先の種類が増加して、これに伴い宛先自体の登録件数が増加する傾向にある。この結果、これらの装置のユーザはデータの送信を行う際に目的の宛先を見つけだすことが大きな負担となることが多い。携帯電話機のユーザも、アドレス帳に数多くの電話番号やメールアドレスを登録している場合には、所望の宛先を見つけ出すのに苦労する場合がある。
【0004】
そこで、宛先の数が多い場合にも所望の宛先を比較的簡単に見つけ出す手法が従来から考案されている。その代表的なものが、宛先を幾つかの区分あるいはカテゴリに分類しておく手法である。宛先の人物の名前あるいは会社名を、「あ」行、「か」行といった名前の先頭の読みで分類したり、職業別あるいは業種別に分類するのが一例である。
【0005】
しかしながら、区分あるいはカテゴリに分類する手法を採用すると、ユーザが個々の人物あるいは会社をどのように分類したかを正確に把握していないと宛先を絞り出すことができない。たとえば、ある会社をエコロジーの技術を開発する会社として分類するか、大型機械の製造会社として分類するかで、検索結果が異なってくる。そこで、宛先に関する幾種類かの情報を並列的に表示することが本発明の関連技術として提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
図27は、この関連技術に基づくファクシミリ送信装置の送信指示が行われる際の表示画面の一例を表わしたものである。データ通信装置の操作表示装置101には、送信を行う際の宛先のファクシミリ番号を表示する電話番号表示部102と、その宛先の位置する地図情報を表示する地図情報表示部103と、宛先の属性を表示する属性表示部104の他に、メッセージ表示欄105と送信指示ボタン106が配置されている。
【0007】
ここで電話番号表示部102には、宛先の電話番号をユーザが図示しないテンキーから入力するようになっている。地図情報表示部103には、送信先の位置を示す地図情報が宛先の電話番号に対応して図示しないデータベースから検索され表示されるようになっている。属性表示部104には、宛先となる者の顔写真である顔情報、送信先の所属する会社の名前や部署、あるいは住所、氏名、電話番号、郵便番号等の各種情報が表示されるようになっている。
【0008】
また、メッセージ表示欄105は、ユーザの必要とする各種の情報を表示する欄であり、ファクシミリ通信を開始するときには「この送信先に送信しますか?」というような文章が表示されるようになっている。ユーザが送信指示ボタン106を押すと、電話番号表示部102に表示された宛先にファクシミリ通信が行われることになる。
【0009】
この関連技術によれば、宛先の電話番号だけでなくその宛先に関する地図情報等の関連情報が幾つか表示される。したがって、宛先の電話番号や氏名等の名称の記憶が曖昧なような場合でも送信先を地図情報や写真等の各種情報のうちのいずれかによって確認することができる。この結果、所望の宛先に確実にデータの送信が可能になり、データの誤送信の防止を効果的に行うことができる。
【0010】
特にこの関連技術では宛先に関する情報として操作表示装置101に地図情報を表示する。したがって、データの送信者が宛先の地理的な場所を知っている場合には、電話番号や個人名あるいは会社名で紛らわしい宛先が存在しても、これらの宛先の地図上の位置が大きく異なっていさえすれば地図による指定で宛先を間違いなく特定することができることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−5314号公報(第0035段落、第0051段落、図4、図8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のこのような関連技術では、たとえば大企業の関連会社としてその大企業の社名に類似した社名を有する企業がその大企業の本社ビルの周辺に幾つか住所を構えているような場合に、問題が発生する。たとえばABCエレクトロニクス株式会社とABCエンジニアリング株式会社とがABC会社の存在する同じD市町村に存在していたとする。
【0013】
ユーザがABCエレクトロニクス株式会社にデータを送信するつもりで間違えて、称呼上で類似するABCエンジニアリング株式会社を会社の一覧から送信先に選択したとする。この場合にその送信装置の図示しない表示部には、ABCエンジニアリング株式会社がD市町村に存在する旨の地図情報が表示される。ABCエレクトロニクス株式会社がD市町村に存在することを知っている送信装置のユーザは、D市町村が地図表示されることで、間違いに気付くどころか正しい宛先を選択したとの確信を持つに至ってしまうことが多い。
【0014】
同様の間違いは同一の建物内でユーザが勘違いしやすい二人の人物が働いている場合にも発生する。たとえばある会社の本社ビルの1階に我妻(あずま、わがつま)さんの部署があって、3階に東(あずま、ひがし)さんの部署があったとする。支社で働くユーザが、アドレス帳の「あ」の行で検索して、本社ビルの1階の我妻さんにデータを送信するつもりを誤って3階の東さんを宛先に設定したとする。この場合にも、ユーザは確認のために本社ビルの地図表示が行われると、違う階に同音の他人がいるということを思い描かない限り、正しい選択を行ったとして直ちにデータの送信を行う可能性が大きい。すなわち、宛先を特定する補助情報としての地図情報が、特定の状況では却って宛先を間違える要因となってしまう。
【0015】
そこで本発明の目的は、送信先となる紛らわしい複数の宛先が存在するときであっても、データの送信先をより正確に選択することのできる送信装置、宛先指定方法、宛先指定プログラムを提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、地図上で紛らわしい宛先が存在する場合には、これを確認してデータの送信を行ったり、宛先の最終確認を行うことのできる送信装置、宛先指定方法および宛先指定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、(イ)視覚的なデータを表示するディスプレイと、(ロ)複数の地域の統合された形で前記したディスプレイに1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記した複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図データ集合体と、(ハ)この地図データ集合体の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したアドレス帳と、(ニ)前記した地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択して前記したディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択手段と、(ホ)この地域選択手段によって選択した地域に対応する前記したアドレス帳の宛先の総数を算出する宛先総数算出手段と、(へ)この宛先総数算出手段によって算出した宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別手段と、(ト)この設定値超過有無判別手段が前記した設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値内表示手段と、(チ)前記した設定値超過有無判別手段が前記した設定値を超えていると判別したとき、前記した地域選択手段による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記した設定値超過有無判別手段が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し手段と、(リ)この繰り返し手段によって前記したディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記した設定値内表示手段によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する宛先確定手段と、(ヌ)この宛先確定手段によって確定した宛先に所望の送信データを送信する送信手段とを送信装置が具備する。
【0018】
また、本発明では、(イ)視覚的なデータを表示するディスプレイと、(ロ)複数の地域の統合された形で前記したディスプレイに1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記した複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図データ集合体と、(ハ)この地図データ集合体の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したアドレス帳と、(ニ)前記した地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択して前記したディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応する前記したアドレス帳の宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出手段と、(ホ)この地域別宛先総数算出手段によって算出された地域ごとの前記したアドレス帳の宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別手段と、(へ)この地域別設定値超過有無判別手段で前記した設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値内地域表示手段と、(ト)前記した地域別設定値超過有無判別手段で前記した設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値外地域表示手段と、(チ)前記した設定値内地域表示手段と設定値外地域表示手段の表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記したディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択手段と、(リ)この地域選択手段で選択した地域が前記した設定値外地域表示手段によって表示されている地域であるとき、前記した地域選択手段による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記した地域別設定値超過有無判別手段が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し手段と、(ヌ)前記した設定値内地域表示手段によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記した繰り返し手段によって前記したディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記した設定値内地域表示手段によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する宛先確定手段と、(ル)この宛先確定手段によって確定した宛先に所望の送信データを送信する送信手段とを送信装置が具備する。
【0019】
更に本発明では、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択ステップと、(ロ)各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記した地域選択ステップによって選択した地域に対応する宛先の総数を前記した位置情報をキーとして算出する宛先総数算出ステップと、(ハ)この宛先総数算出ステップによって算出した宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別ステップと、(ニ)この設定値超過有無判別ステップで前記した設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値内表示ステップと、(ホ)前記した設定値超過有無判別ステップで前記した設定値を超えていると判別したとき、前記した地域選択ステップによる地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記した設定値超過有無判別ステップで設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返しステップと、(へ)この繰り返しステップによって前記したディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記した設定値内表示ステップによって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する宛先確定ステップとを宛先指定方法が具備する。
【0020】
更にまた本発明では、(イ)最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記した位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出ステップと、(ロ)この地域別宛先総数算出ステップによって算出された地域ごとの前記したアドレス帳の宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別ステップと、(ハ)この地域別設定値超過有無判別ステップで前記した設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値内地域表示ステップと、(ニ)前記した地域別設定値超過有無判別ステップで前記した設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値外地域表示ステップと、(ホ)前記した設定値内地域表示ステップと設定値外地域表示ステップで表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記したディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択ステップと、(へ)この地域選択ステップで選択した地域が前記した設定値外地域表示ステップによって表示されている地域であるとき、前記した地域選択ステップによる地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記した地域別設定値超過有無判別ステップで設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返しステップと、(ト)前記した設定値内地域表示ステップによって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記した繰り返しステップによって前記したディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記した設定値内地域表示ステップによって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する宛先確定ステップとを宛先指定方法が具備する。
【0021】
また、本発明では、コンピュータに、宛先指定プログラムとして、(イ)最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択処理と、(ロ)各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記した地域選択処理によって選択した地域に対応する宛先の総数を前記した位置情報をキーとして算出する宛先総数算出処理と、(ハ)この宛先総数算出処理によって算出した宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別処理と、(ニ)この設定値超過有無判別処理で前記した設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値内表示処理と、(ホ)前記した設定値超過有無判別処理で前記した設定値を超えていると判別したとき、前記した地域選択処理による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記した設定値超過有無判別処理で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し処理と、(へ)この繰り返し処理によって前記したディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記した設定値内表示処理によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する宛先確定処理とを実行させる。
【0022】
更に本発明では、コンピュータに、宛先指定プログラムとして、(イ)最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記した位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出処理と、(ロ)この地域別宛先総数算出処理によって算出された地域ごとの前記したアドレス帳の宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別処理と、(ハ)この地域別設定値超過有無判別処理で前記した設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値内地域表示処理と、(ニ)前記した地域別設定値超過有無判別処理で前記した設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記したディスプレイに表示する設定値外地域表示処理と、(ホ)前記した設定値内地域表示処理と設定値外地域表示処理で表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記したディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択処理と、(へ)この地域選択処理で選択した地域が前記した設定値外地域表示処理によって表示されている地域であるとき、前記した地域選択処理による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記した地域別設定値超過有無判別処理で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し処理と、(ト)前記した設定値内地域表示処理によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記した繰り返し処理によって前記したディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記した設定値内地域表示処理によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する宛先確定処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明では、地図上にアドレス帳に存在する宛先そのものあるいは宛先の場所を表示するようになっている。したがって、似た名称の会社や紛らわしい名前の人物が同一地域を住所としていたような場合には、地図上にこれらの会社や人物が一緒にあるいは位置的に近接した状態で表示されることになり、データの送信先を間違える危険性を減少させることができる。
【0024】
また、ある部署にいる人にデータの送信を行いたいというような要請があるような場合には、直ちに送信先の具体的な氏名を思い出さなくても場所に関連して表示される名前から確認をとり、データの送信までの処理を直感的に行うことができるという利点もある。
【0025】
更に本発明では最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体を使用するので、アドレス帳に登録している宛先が多いような場合やディスプレイの表示面積が限られているような場合であっても、ディスプレイによる宛先の確認を容易に行うことができる。また、地図に文字等のデータの入力操作を要せずに宛先を特定することができるので、効率的な宛先選択が可能となり、宛先の選択に要する時間の短縮が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の送信装置のクレーム対応図である。
【図2】本発明の他の送信装置のクレーム対応図である。
【図3】本発明の宛先指定方法のクレーム対応図である。
【図4】本発明の他の宛先指定方法のクレーム対応図である。
【図5】本発明の宛先指定プログラムのクレーム対応図である。
【図6】本発明の他の宛先指定プログラムのクレーム対応図である。
【図7】本発明の実施の形態による送信装置としてのネットワーク複合機と公衆電話網から構成される通信システムの要部を表わしたシステム構成図である。
【図8】実施の形態のネットワーク複合機の宛先データ部に格納されたアドレス帳の一部を示した説明図である。
【図9】本実施の形態における地図情報を使用したファクシミリの送信処理の一部を表わした流れ図である。
【図10】本実施の形態における地図情報を使用したファクシミリの送信処理の残りの部分を表わした流れ図である。
【図11】本実施の形態のネットワーク複合機の表示部に日本地図の全体が表示された状態を表わした平面図である。
【図12】本実施の形態のネットワーク複合機の表示部に該当する地域がハイライトで表示されると共に該当する件数が表示された例を示した平面図である。
【図13】ステップS309による処理でネットワーク複合機の表示部に表示された下位の地図情報を示した平面図である。
【図14】本実施の形態における「長野県」の登録件数が設定値以上であった場合のネットワーク複合機の表示部の表示の一例を示した平面図である。
【図15】本実施の形態における「長野県」の更に下位の地図に該当する宛先がネットワーク複合機の表示された状態を表わした平面図である。
【図16】本実施の形態のネットワーク複合機の送信確認画面の一例を示した平面図である。
【図17】本実施の形態のネットワーク複合機の登録している宛先が比較的少ない場合における表示画面の表示例を示した平面図である。
【図18】本実施の形態の第1の変形例におけるアドレス帳の構成の一例を示した説明図である。
【図19】第1の変形例のネットワーク複合機の表示部にある時点で表示された地図情報を示した平面図である。
【図20】第1の変形例における「ABCビル」の地域が選択され、あるいは拡大表示が指示されたときの表示画面の一例を示した平面図である。
【図21】第1の変形例における「ABCビル」の2階が選択あるいは拡大指示された場合の表示画面の一例を示した平面図である。
【図22】本実施の形態の第2の変形例における通信システムの構成を表わしたシステム構成図である。
【図23】第2の変形例のネットワーク複合機がアドレス帳の登録時に登録先の端末に位置情報を送信する処理を表わした流れ図である。
【図24】本実施の形態の第3の変形例における通信システムの構成を表わしたシステム構成図である。
【図25】第3の変形例のネットワーク複合機による地図データおよび緯度経度データの受信処理の様子を表わした流れ図である。
【図26】第3の変形例の緯度経度データの要求を受信した宛先変換サーバの処理の様子を表わした流れ図である。
【図27】本発明の関連技術に基づくファクシミリ送信装置の送信指示が行われる際の表示画面の一例を表わした平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の送信装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の送信装置1000は、ディスプレイ1001と、地図データ集合体1002と、アドレス帳1003と、地域選択手段1004と、宛先総数算出手段1005と、設定値超過有無判別手段1006と、設定値内表示手段1007と、繰り返し手段1008と、宛先確定手段1009と、送信手段1010を備えている。ここで、ディスプレイ1001は視覚的なデータを表示する。地図データ集合体1002は、複数の地域の統合された形で前記したディスプレイ1001に1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記した複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる。アドレス帳1003は、地図データ集合体1002の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したものである。地域選択手段1004は、地図データ集合体1002を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイ1001に地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる。宛先総数算出手段1005は、地域選択手段1004によって選択した地域に対応するアドレス帳1003の宛先の総数を算出する。設定値超過有無判別手段1006は、宛先総数算出手段1005によって算出した宛先の総数がディスプレイ1001の表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する。設定値内表示手段1007は、設定値超過有無判別手段1006が前記した設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けてディスプレイ1001に表示する。繰り返し手段1008は、設定値超過有無判別手段1006が前記した設定値を超えていると判別したとき、地域選択手段1004による地域を選択する処理とこれに続く処理を、設定値超過有無判別手段1006が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す。宛先確定手段1009は、繰り返し手段1008によってディスプレイ1001に地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき設定値内表示手段1007によってディスプレイ1001に表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する。送信手段1010は、宛先確定手段1009によって確定した宛先に所望の送信データを送信する。
【0028】
図2は、本発明の他の送信装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の送信装置1100は、ディスプレイ1101と、地図データ集合体1102と、アドレス帳1103と、地域別宛先総数算出手段1104と、地域別設定値超過有無判別手段1105と、設定値内地域表示手段1106と、設定値外地域表示手段1107と、地域選択手段1108と、繰り返し手段1109と、宛先確定手段1110と、送信手段1111を備えている。ここで、ディスプレイ1101は、視覚的なデータを表示する。地図データ集合体1102は、複数の地域の統合された形でディスプレイ1101に1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記した複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる。アドレス帳1103は、地図データ集合体1102の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したものである。地域別宛先総数算出手段1104は、地図データ集合体1102を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイ1101に地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応するアドレス帳1103の宛先の総数を算出する。地域別設定値超過有無判別手段1105は、地域別宛先総数算出手段1104によって算出された地域ごとのアドレス帳1103の宛先の総数がディスプレイ1101の表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する。設定値内地域表示手段1106は、地域別設定値超過有無判別手段1105で前記した設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けてディスプレイ1101に表示する。設定値外地域表示手段1107は、地域別設定値超過有無判別手段1105で前記した設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けてディスプレイ1101に表示する。地域選択手段1108は、設定値内地域表示手段1106と設定値外地域表示手段1107の表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図がディスプレイ1101に表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる。繰り返し手段1109は、地域選択手段1108で選択した地域が設定値外地域表示手段1107によって表示されている地域であるとき、地域選択手段1108による地域を選択する処理とこれに続く処理を、地域別設定値超過有無判別手段1105が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す。宛先確定手段1110は、設定値内地域表示手段1106によってディスプレイ1101に表示された宛先に関するデータ、あるいは繰り返し手段1109によってディスプレイ1101に該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき設定値内地域表示手段1106によってディスプレイ1101に表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する。送信手段1111は、宛先確定手段1110によって確定した宛先に所望の送信データを送信する。
【0029】
図3は、本発明の宛先指定方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の宛先指定方法1200は、地域選択ステップ1201と、宛先総数算出ステップ1202と、設定値超過有無判別ステップ1203と、設定値内表示ステップ1204と、繰り返しステップ1205と、宛先確定ステップ1206を備えている。ここで、地域選択ステップ1201では、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる。宛先総数算出ステップ1202では、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から地域選択ステップ1201によって選択した地域に対応する宛先の総数を前記した位置情報をキーとして算出する。設定値超過有無判別ステップ1203では、宛先総数算出ステップ1202によって算出した宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する。設定値内表示ステップ1204では、設定値超過有無判別ステップ1203で前記した設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する。繰り返しステップ1205では、設定値超過有無判別ステップ1203で前記した設定値を超えていると判別したとき、地域選択ステップ1201による地域を選択する処理とこれに続く処理を、設定値超過有無判別ステップ1203で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す。宛先確定ステップ1206では、繰り返しステップ1205によって前記したディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき設定値内表示ステップ1204によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する。
【0030】
図4は、本発明の他の宛先指定方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の宛先指定方法1300は、地域別宛先総数算出ステップ1301と、地域別設定値超過有無判別ステップ1302と、設定値内地域表示ステップ1303と、設定値外地域表示ステップ1304と、地域選択ステップ1305と、繰り返しステップ1306と、宛先確定ステップ1307を備えている。ここで、地域別宛先総数算出ステップ1301では、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記した位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する。地域別設定値超過有無判別ステップ1302では、地域別宛先総数算出ステップ1301によって算出された地域ごとの前記したアドレス帳の宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する。設定値内地域表示ステップ1303では、地域別設定値超過有無判別ステップ1302で前記した設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する。設定値外地域表示ステップ1304では、地域別設定値超過有無判別ステップ1302で前記した設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記したディスプレイに表示する。地域選択ステップ1305では、設定値内地域表示ステップ1303と設定値外地域表示ステップ1304で表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記したディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる。繰り返しステップ1306では、地域選択ステップ1305で選択した地域が設定値外地域表示ステップ1304によって表示されている地域であるとき、地域選択ステップ1305による地域を選択する処理とこれに続く処理を、地域別設定値超過有無判別ステップ1302で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す。宛先確定ステップ1307では、設定値内地域表示ステップ1303によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは繰り返しステップ1306によって前記したディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき設定値内地域表示ステップ1303によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する。
【0031】
図5は、本発明の宛先指定プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の宛先指定プログラム1400は、コンピュータに とを実行させるようにしている。ここで、地域選択処理1401では、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる。宛先総数算出処理1402では、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から地域選択処理1401によって選択した地域に対応する宛先の総数を前記した位置情報をキーとして算出する。設定値超過有無判別処理1403では、宛先総数算出処理1402によって算出した宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する。設定値内表示処理1404では、設定値超過有無判別処理1403で前記した設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する。繰り返し処理1405では、設定値超過有無判別処理1403で前記した設定値を超えていると判別したとき、地域選択処理1401による地域を選択する処理とこれに続く処理を、設定値超過有無判別処理1403で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す。宛先確定処理1406では、繰り返し処理1405によって前記したディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき設定値内表示処理1404によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する。
【0032】
図6は、本発明の他の宛先指定プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の宛先指定プログラム1500は、地域別宛先総数算出処理1501と、地域別設定値超過有無判別処理1502と、設定値内地域表示処理1503と、設定値外地域表示処理1504と、地域選択処理1505と、繰り返し処理1506、宛先確定処理1507を実行させるようにしている。ここで、地域別宛先総数算出処理1501では、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記した位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する。地域別設定値超過有無判別処理1502では、地域別宛先総数算出処理1501によって算出された地域ごとの前記したアドレス帳の宛先の総数が前記したディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する。設定値内地域表示処理1503では、地域別設定値超過有無判別処理1502で前記した設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記したディスプレイに表示する。設定値外地域表示処理1504では、地域別設定値超過有無判別処理1502で前記した設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記したディスプレイに表示する。地域選択処理1505では、設定値内地域表示処理1503と設定値外地域表示処理1504で表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記したディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる。繰り返し処理1506では、地域選択処理1505で選択した地域が設定値外地域表示処理1504によって表示されている地域であるとき、地域選択処理1505による地域を選択する処理とこれに続く処理を、地域別設定値超過有無判別処理1502で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す。宛先確定処理1507では、設定値内地域表示処理1503によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは繰り返し処理1506によって前記したディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき設定値内地域表示処理1503によって前記したディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記した送信データの宛先を確定する。
【0033】
<発明の実施の形態>
【0034】
次に本発明の実施の形態を説明する。
【0035】
図7は、本発明の実施の形態による送信装置としてのネットワーク複合機と公衆電話網から構成される通信システムの要部を表わしたものである。この通信システム200で、ネットワーク複合機201は、電話回線202を通じて公衆電話網203と接続されている。したがって、ネットワーク複合機201は、公衆電話網203を介して図示しない他のネットワーク複合機やファクシミリ装置とデータの送受信を行うことができる。
【0036】
ネットワーク複合機201は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびこのCPUが実行するプログラムを格納した記憶媒体を備えた制御部211を有している。制御部211は、次の各部と接続されており、ネットワーク複合機201の全体的な制御を行うようになっている。
【0037】
操作部212は、図示しないがタッチパネルや外部キーを備えており、ユーザがネットワーク複合機201を操作するのに必要な各種の情報を入力する。読取部213は、図示しない原稿台に載置された原稿を、同じく図示しない1次元イメージセンサの走査によって読み取り、画像データを作成するようになっている。ファクシミリ制御部214は、読取部213から出力される画像データを圧縮してファクシミリ信号として宛先の前記した他のネットワーク複合機やファクシミリ装置に送信する。また、これらネットワーク複合機やファクシミリ装置からファクシミリ信号が送られてきた場合にはこれを受信して伸長し、元の画像データを復元するようになっている。
【0038】
表示部215は、液晶ディスプレイあるいは有機EL(Organic Electro-Luminescence)等のディスプレイとその駆動回路によって構成されており、ファクシミリ通信を行う際の宛先や地図情報等の各種の情報を表示する。ディスプレイの上には操作部212を構成する前記したタッチパネルが載置されている。
【0039】
メモリ部216は各種のデータを記憶するものである。制御部211を構成するメモリもその一部を構成するようになっていてもよい。本実施の形態でメモリ部216は、画像データ部217、宛先データ部218および地図データ部219を備えている。このうち画像データ部217は、表示部215に表示する各種の画像データを格納している。宛先データ部218は、ネットワーク複合機201が登録した宛先の電話番号、メールアドレス等の宛先に関するデータを格納している。合成部221は宛先情報および地図情報を合成する。
【0040】
印刷部222は、ネットワーク複合機201がファクシミリ信号を受信したときのその受信内容のプリントアウトに使用する他、コピー機としての機能やプリンタとしての機能を実現するために使用される。ネットワーク制御部223は、ネットワークを通じての通信制御を行う。ネットワーク複合機201よりも構成が簡単なファクシミリ送信機に本発明を適用する場合には、印刷部222およびネットワーク制御部223を必ずしも必要としないことはもちろんである。
【0041】
図8は、宛先データ部に格納されたアドレス帳の一部を示したものである。図7と共に説明する。
【0042】
アドレス帳231には、ファクシミリの送信先となる宛先の氏名(名称)、その宛先となるファクシミリ装置の配置された緯度、経度、住所、電話番号(ファクシミリ番号)、メールアドレスおよびユーザの写真が登録されるようになっている。このうち「緯度、経度」と「住所」は、宛先に配置された同一の装置を示す位置情報であり、本来同一の場所を示すものである。したがって、図7に示した操作部212から緯度、経度を手入力するか、受信側の装置側からその装置のGPS(Global Positioning System)情報等の位置情報を取得することによってネットワーク複合機201は住所を自動的に入力することができる。
【0043】
「写真」は必要に応じて登録される。メールアドレスの登録も電子メールで文書等の画像データを宛先に送信する場合以外は不要である。
【0044】
ところで本実施の形態のネットワーク複合機201は、従来通り宛先のファクシミリ番号を選択してファクシミリ送信を開始することができる他、地図情報を使用して宛先を選択し、この宛先にファクシミリ送信を開始することができる。このような送信形態の切替は、図7に示した操作部212の図示しない送信選択ボタンを操作することで実現する。宛先のファクシミリ番号を、図8に示したアドレス帳から選択したり、操作者が操作部212から直接入力することは従来から広く行われているので、これらの説明は省略する。ここでは、ファクシミリ送信の際の宛先の選択を従来よりも間違いなく行うことのできる地図情報を使用したファクシミリ送信の処理について説明する。
【0045】
図9および図10は、地図情報を使用したファクシミリの送信処理を表わしたものである。図7および図8と共に説明する。
【0046】
操作者は、図示しない原稿をネットワーク複合機201にセットすると、操作部212を操作して、地図情報を用いた送信処理を選択する(ステップS301:Y)。前記したように電話番号の直接入力による送信等の他の送信処理も可能である(ステップS301:N)。
【0047】
地図情報を用いた送信処理が選択された場合(ステップS301:Y)、制御部211はファクシミリ通信の対象とする地図(ここでは日本地図)の全体を地図データ部219から読み出して、表示部215に表示する(ステップS302)。
【0048】
図11は、ネットワーク複合機に日本地図の全体が表示された状態を表わしたものである。表示部215には、ファクシミリ送信の宛先となりうる日本を複数の地域に大きく区分けした地図が表示されている。表示部215にはタッチパネルが取り付けられているので、操作者が宛先となる地域を押すと、その座標位置を解析しどの地域が押されたかの判別が可能である。
【0049】
図9に戻って説明を続ける。表示部215に日本地図が表示された状態で、操作者は手のマーク241(図11)で示したように宛先の場所を選択する。ここでは一例として、ネットワーク複合機201の操作者が、長野に住む友人に旅行の計画表をファクシミリ通信する場合を考える。この場合、操作者は長野県を含む「関東甲信越」地域を選択することになる。
【0050】
このように該当する地域が選択されると(ステップS303:Y)、制御部211はアドレス帳231からこの選択した地域のデータを抽出する(ステップS304)。制御部211は、この抽出したデータの件数が、予め最終選択のために設定した設定値以上であるかを判別する(ステップS305)。これは、表示部215に一度に表示される宛先の数が多いと、その中から1つの宛先を選択する操作が困難となるので、操作者に事前に表示する数の制限内容を設定させることにしたものである。したがって、表示部215の画面サイズが大きければ、設定値を比較的大きい数に設定することができる。
【0051】
本実施の形態では、一例として設定値を「2」〜「5」に設定する。一例としてアドレス帳231には、「関東甲信越」地域について宛先が150件登録されていたとする。この場合、制御部211はステップS304で抽出した宛先の件数が設定値以上であると判断する(ステップS305:Y)。そして、ステップS302で表示した地図の該当する地域である「関東甲信越」地域に該当する件数を表示する(ステップS306)。
【0052】
図12は、表示部に該当する地域がハイライトで表示されると共に、該当する件数が表示された例を示したものである。日本地図の「関東甲信越」地域に人物のアイコン251が表示され、該当する宛先が150件あることがアイコン251の近傍に表示されている。表示部215には、地図情報による宛先の選択を続行する指示を行う続行ボタン252と、処理を中止する終了ボタン253も表示されている。
【0053】
図9に戻って説明を続ける。操作者が続行ボタン252(図12)を選択すると(ステップS307:Y)、制御部211は表示部215(図12)に現在表示されている地図情報を更に複数の地域に分割した下位の地図情報が用意されているかをチェックする(ステップS308)。このような複数の地域に分割した下位の地図情報が用意されていれば(Y)、これらの地域を表示部215に表示する(ステップS309)。
【0054】
下位の地図情報が用意されていない場合には(ステップS308:N)、操作を続行することができない。そこでこの場合には(Y)、表示部215にエラー表示を行って(ステップS310)、地図情報を使用した送信処理を終了する(エンド)。もちろん、このような事態が通常の場合に発生しないようにネットワーク複合機201のメーカは十分下位の地図情報を用意するはずである。また、ステップS305で判断した設定値を適正な値に再設定することでもエラーの生じる事態の発生を回避できる場合が多い。
【0055】
図13は、この例におけるステップS309による処理で表示部に表示された下位の地図情報を示したものである。表示部215には「関東甲信越」地域を都県に分割した地図が表示されている。この例の場合、操作者は手のマーク241で示したように宛先の存在する「長野県」を選択することになる。
【0056】
図9に戻って説明を続ける。ステップS309による処理で表示部215(図13)に「関東甲信越」地域の地図が表示された状態で操作者が「長野県」を選択すると(ステップS311:Y)、制御部211は「長野県」のデータをアドレス帳231から抽出する(ステップS304)。制御部211はこれを基にアドレス帳231における「長野県」の登録件数が設定値以上であるかを判別することになる(ステップS305)。
【0057】
図14は、「長野県」の登録件数が設定値以上であった場合の表示部の表示の一例を示したものである。図8および図9と共に説明する。
【0058】
アドレス帳231における登録件数が設定値以上であった場合には、ハイライト表示が行われた「長野県」に人物のアイコン251が表示され、その近傍に該当する宛先が表示される。この場合、操作者は続行ボタン252を選択して更に下位の地図情報を表示させるか、終了ボタン253を選択することができる。続行ボタン252を選択した場合の処理については既に説明したので、これ以上の説明は省略する。
【0059】
終了ボタン253を選択した場合には(ステップS307:N、ステップS312:Y)、地図情報を使用したファクシミリの送信処理が途中で終了することになる(エンド)。続行ボタン252も終了ボタン253も選択しない状態ではステップS306の表示処理が継続して行われる(ステップS312:Y)。
【0060】
次に図10を用いてステップS305の処理で該当件数が設定値未満とされた場合を説明する。ここでは、設定値が「4」に設定されており、「長野県」の登録件数が「2」であった場合を説明する(図9ステップS305:N)。
【0061】
この例の場合、制御部211は「長野県」の登録件数が「1」以上であるかを更に判別する(ステップS321)。「1」以上ではない場合、すなわち登録件数が「0」の場合には(N)、操作者がファクシミリ通信を行おうとしていた宛先の長野に住む友人のファクシミリ番号はアドレス帳231に登録されていなかったことが分かる。そこでこの場合には(N)、図9のステップS310に進んで、「電話番号が登録されていないので、直接入力してください。」等のエラー表示が行われて、地図情報を使用したファクシミリの送信処理が途中で終了することになる(エンド)。
【0062】
「長野県」の登録件数が「1」以上であった場合(ステップS321:Y)、制御部211は「長野県」の該当地域ごとに宛先の氏名または名称を表示部215に表示する(ステップS322)。このとき、表示する内容は設定値未満なので、表示が読みにくくなることはない。
【0063】
図15は、「長野県」の更に下位の地図に該当する宛先が表示された状態を表わしたものである。「長野県」の「松本」地域に宛先候補としての「波田太郎」が人物のアイコン251と共に表示され、「飯伊」地域には他の宛先候補としての「昼神花子」が同様に人物のアイコン251と共に表示されている。
【0064】
図10に戻って説明を続ける。このように「長野県」の下位の該当地域ごとに宛先が表示された状態で、制御部211はいずれの宛先が選択されるかを待機している(ステップS323:N、ステップS322)。宛先の選択が行われると(ステップS323:Y)、その宛先に対する送信確認画面が表示される(ステップS324)。
【0065】
図16は、送信確認画面の一例を示したものである。この例の場合には、図15の表示状態から操作者が「波田太郎」を選択した場合を示している。図7および図8と共に説明する。
【0066】
表示部215の枠線261内には制御部211がアドレス帳231から読み出した「波田太郎」に関するデータが表示される。「波田太郎」の写真262もアドレス帳231に登録していれば表示される。操作者はこの送信確認画面で宛先の最終確認を行い、ファクシミリの送信を行う場合には送信ボタン263を選択することになる。送信をキャンセルする場合にはキャンセルボタン264を選択する。
【0067】
図10に戻って説明を続ける。送信確認画面が表示された状態で(ステップS325:N、ステップS326:N、ステップS324)、送信ボタン263(図16)が選択されると(ステップS325:Y)、ファクシミリの送信処理が実行されて(ステップS327)、一連の送信処理が終了する(図9エンド)。操作者がキャンセルボタン264を選択した場合には(ステップS325:N、ステップS326:Y)、送信が行われることなく送信処理が終了することになる(図9エンド)。
【0068】
図17は、本実施の形態のネットワーク複合機の登録している宛先が比較的少ない場合における表示画面の表示例を示したものである。図7〜図9と共に説明する。
【0069】
この例のネットワーク複合機201は、アドレス帳231に登録している日本国内での件数が少ない。このため、表示部215に最初に表示した日本全図の段階で該当する件数が設定値未満となっており(ステップS305:N、ステップS321:Y)、それぞれの宛先の氏名が直ちに表示される(ステップS322)。したがって、このような場合には日本全図を更に複数の地域に分割した下位の地図情報に展開することなく、直ちに送信先を確定する操作を行うことができる(ステップS325)。
【0070】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、ファクシミリの宛先を地図情報と氏名(名称)の双方からチェックすることができる。しかも、送信の際の最終チェック画面では、他の情報も加えた形で宛先のチェックを行うようにしている。したがって、名前や住所をうろ覚えしていた状態でも、送信先を間違える確率を最小限にすることができる。
【0071】
しかも本実施の形態では、操作者が宛先の住所をアドレス帳231に登録しない場合であっても、宛先のファクシミリ装置がGPSを搭載していれば、その位置情報を使用して正確な住所に変換することができる。
【0072】
<実施の形態の第1の変形例>
【0073】
図18は、本実施の形態の第1の変形例におけるアドレス帳の構成の一例を示したものである。この変形例のアドレス帳231Aでは、それぞれの宛先の位置情報が「緯度」と「経度」によって表わされる他に、「高度」によっても表わされるようになっている。すなわち、一例として「波田太郎」の宛先の位置情報は、北緯(N)36.2280、東経(E)137.9690で特定されるだけでなく、高度(A)592.0(メートル)という高さに関する情報によっても特定されるようになっている。
【0074】
図19は、第1の変形例のネットワーク複合機の表示部に、ある時点で表示された地図情報を示したものである。先の実施の形態で説明したように宛先を特定するための処理は、比較的広域の地図情報を起点として、下位の地図情報に進んでいくことで宛先の絞り込みを行っていく。図19では、「ABCビル」と「田中商店」を含む地域まで宛先の地理的な範囲が狭まった状態を表わしている。
【0075】
この状態で先の実施の形態では、図13に示すように表示部215に地図を示す情報のみが表示されており、個々に分割された地域のうちの1つが選択されるまでは宛先の該当件数や宛先の氏名(名称)は表示されない。本発明の第1の変形例では、分割後の各地域に対する該当件数が直ちに表示されるようになっている。また、図9のステップS305で設定値未満と判別した地域に対しては、該当する宛先の氏名(名称)をこの段階で表示するようにしている。これにより、操作者が操作部213あるいはタッチパネルを操作する回数の減少を図ることができる。
【0076】
すなわち、操作者は図19の表示状態から宛先が「田中商店」であることが分かれば、この場所(地域)を選択することで図16に示したような送信確認画面に直ちに移行させることができる。また、「ABCビル」の方には該当件数を超える12件の宛先がアドレス帳231に登録されていることが分かる。
【0077】
ここで「ABCビル」内の12件の宛先は、緯度と経度で示す位置情報が実質的に同一である。そこでこの変形例では、GPSで得られた高度情報あるいはアドレス帳231に登録された建物の階数を示す情報を基にして、高さ方向に宛先の細分化を行う。このためには、先の実施の形態と同様に操作者が「ABCビル」をクリックする等の操作で選択するか、「ABCビル」の箇所で2本の指の間隔を広げるようにタッチパネルを操作して画像の拡大を指示する。
【0078】
なお、GPSで宛先の場所の高度が求められても、これから直ちにビル等の建物の階数を求めることはできない。基準となる1階部分の高さが標高によって異なるからであり、また、各階の床面から天井までの高さや、フロアごとの床下のコンクリートの厚さもまちまちである。
【0079】
そこで、この変形例では地図データ部219(図7)に各地の標高を示すデータを格納しておき、1階のフロア部分の高さを判別できるようにしている。また、超高層ビル等の比較的有名なビルについては、ビルの名称に対応付けて各フロアの高さに関するデータを地図データ部219に同様に格納している。また、ビルの名称や高さについては、最新の内容をインターネット等のネットワークで更新できるようになっている。更に操作者が操作部212を用いて宛先のビル等の建物の各フロアごとに高さを示す情報を入力するようにしてもよい。
【0080】
もちろん、アドレス帳231に存在する一部の宛先について階数表示が行われていたら、この階数表示をGPS等によって測定した高度と突き合わせて、同一の建物の他の宛先についても階数を判別することは可能である。また、同一の建物について比較的多くのGPSによる高度情報が得られている場合には、これらの高度情報の離散値の中でほぼ同一の高さとなる値の組を複数通り求め、これらを基にして各フロアの高さを求めることもできる。
【0081】
図20は、「ABCビル」の地域が選択され、あるいは拡大表示が指示されたときの表示画面の一例を示したものである。「ABCビル」に関する複数の宛先が階数ごとに表示されている。この例の場合にも、図9のステップS305で設定値未満と判別した地域については、直ちに宛先の氏名(名称)が表示されるようになっている。「ABCビル」の「5階」に「大森商事」が表示されているのがそれである。
【0082】
設定値以上とされる階では、それぞれ人物のアイコン251の傍に該当する宛先の件数が表示されているのは先の実施の形態と同様である。操作者は、宛先の階数が判別している場合には、その階数を選択するか、その階数の箇所で地図情報の拡大を指示することになる。
【0083】
図21は、「ABCビル」の2階が選択あるいは拡大指示された場合の表示画面の一例を示したものである。ABCビルの2階の机やファクシミリ装置等の備品の配置状況が表示され、宛先が人物のアイコン251で示されている。この例ではファクシミリ装置の1台1台に対応させて宛先が存在するのではなく、宛先の各人物が1台あるいは複数台のファクシミリ装置に対応している。複数台のファクシミリ装置に対応するとは、たとえばある人物が1台の白黒記録用のファクシミリ装置と、1台のカラー記録用のファクシミリ装置と、1台のネットワーク複合機に対応しているというような場合をいう。
【0084】
図21に示したような宛先情報を把握することで、操作者は2階フロアの全員にファクシミリで送信した文書を回覧させるようにするときに「佐藤一子」さんを受信とその後の処理担当にした方がよいか、あるいは「渡辺」さんをその役にした方がよいかを考察することができる。もちろん、ファクシミリの文書の宛先を「佐藤一子」さんと「渡辺」さんのいずれかにするかを、それぞれの席からファクシミリ装置の配置された場所までの動線を考慮して装置に自動指定させることも可能である。すなわち、地図情報を基にして宛先を選択する処理を行う場合には、該当する宛先の部署や会社をとりあえず考えて操作を開始し、最終的に宛先となる人物や会社内の人物を操作者あるいはファクシミリ装置等の送信側の装置が特定するといった処理が可能になる。
【0085】
<実施の形態の第2の変形例>
【0086】
図22は、本実施の形態の第2の変形例における通信システムの構成を表わしたものである。図22で図7と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0087】
第2の変形例の通信システム200Bは、ネットワーク複合機201とファクシミリ通信を行う相手側のネットワーク複合機201Bに、位置情報取得機能を備えた携帯電話機401を無線で接続した構成となっている。携帯電話機401は、複数個(図ではそのうちの1個のみを示す。)のGPS衛星402からの電波を同時に受信するようになっている。
【0088】
ネットワーク複合機201Bの構成はネットワーク複合機201と同一にすることもできるし、ネットワークに接続する機能を持たない通常のファクシミリ装置とすることもできる。ネットワーク複合機201Bは、携帯電話機401と無線あるいは有線で接続し、現在位置を示す情報をネットワーク複合機201に伝達する機能とファクシミリ通信を行う機能を備えるものであれば、どのような装置であってもよい。
【0089】
携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)等の携帯端末401は、図示しないCPUや制御プログラムの格納された記憶媒体を備えた制御部411を備えている。制御部411は、タッチパネルや外部キー等の入力装置を備えた入力部412と、液晶ディスプレイ等のディスプレイを備えた表示部413と、位置情報を取得するGPS機能部414および通信のためのネットワーク機能部415と接続されており、これらの制御を行う。GPS機能部414はGPS衛星402からの電波を受信し、ネットワーク機能部415はネットワーク複合機201Bのネットワーク制御部223と無線で通信を行う。第2の変形例の通信システム200Bでは、ネットワーク機能部415およびネットワーク制御部223は、赤外線通信装置のような近距離通信を行う機能を備えていれば十分であり、必ずしもLAN(Local Area Network)のようなネットワークを用いた通信機能を備える必要はない。
【0090】
図23は、ネットワーク複合機がアドレス帳の登録時に登録先の端末に位置情報を送信する処理を表わしたものである。ここでは図22に示したネットワーク複合機201Bがネットワーク複合機201を自身のアドレス帳に登録する際に自身の位置情報をネットワーク複合機201に送信する処理について説明する。ここではネットワーク複合機201Bがネットワーク複合機201と同一の構成であるものとし、ネットワーク複合機201Bの各部については、図22に示したネットワーク複合機201および図8に示したアドレス帳231の各部に符号「B」を付加して説明することにする。図22と共に説明する。
【0091】
ネットワーク複合機201Bの制御部211Bは、アドレス帳231Bの新規登録の要求があると(ステップS501:Y)、その表示部215Bに新規登録画面を表示する(ステップS502)。新規登録画面には、アドレス帳231Bに新たに登録するネットワーク複合機201等の利用者の氏名、ファクシミリ番号等の所定の登録事項を入力するようになっている。
【0092】
ネットワーク複合機201Bの操作者が入力を完了した旨の指示を操作部212Bから行うと(ステップS503:Y)、制御部211Bは図示しないメモリに自装置の位置情報がすでに登録済みとなっているかをチェックする(ステップS504)。登録済みとなっていれば(Y)、ネットワーク複合機201Bの位置情報を新規登録の装置、たとえばネットワーク複合機201に送信して(ステップS505)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0093】
この例の場合、ネットワーク複合機201はネットワーク複合機201Bからその位置情報を受信するので、これを自装置のアドレス帳231におけるネットワーク複合機201Bの位置情報として記憶する。これにより、ネットワーク複合機201は地図情報を使用してネットワーク複合機201Bを宛先に特定することができる。
【0094】
一方、ステップS504でネットワーク複合機201Bにその位置情報が登録されていないことが判別された場合(N)、制御部211Bは携帯端末401の位置情報を取得するための要求を携帯端末401に送出する(ステップS506)。そして、携帯端末401から位置情報が送られてくるのを待機する。ここでネットワーク複合機201Bの必要な位置情報は自装置それ自体のものである。しかしながら携帯端末401はネットワーク複合機201Bと近距離通信を行うので両者の位置がほぼ同一である。そこで、携帯端末401自体の位置情報をネットワーク複合機201Bの位置情報と見なして使用するのである。
【0095】
携帯端末401から位置情報が受信されたら(ステップS507:Y)、制御部211Bは携帯端末401の位置情報をネットワーク複合機201Bの位置情報として登録する(ステップS508)。そして、この位置情報を新規登録の装置、たとえばネットワーク複合機201に送信して(ステップS505)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0096】
以上説明したように第2の変形例の通信システム200Bによれば、個々のネットワーク複合機201BがGPS装置を備えていない場合であっても、GPS装置を備えた携帯端末401を使用することで自装置の位置情報を取得し宛先のファクシミリ装置に送信することができる。したがって、このネットワーク複合機201Bから位置情報を受信したネットワーク複合機201等の装置は、宛先を手入力する手間から開放される。また、手入力に伴う入力ミスの発生を防止することもできる。
【0097】
<実施の形態の第3の変形例>
【0098】
図24は、本実施の形態の第3の変形例における通信システムの構成を表わしたものである。図24の通信システム200Cでは、ネットワーク複合機201Cがネットワーク制御部223の働きで、電話回線601を介してインターネット602に接続されるようになっている。また、電話回線601には地図情報を格納する地図サーバ603と宛先変換サーバ604が接続されている。
【0099】
地図サーバ603は、先の実施の形態でも説明したように宛先を細分化するための地図データを格納した地図データ格納部611を備えている。宛先変換サーバ604は、各地の住所データを緯度および経度で表わした座標に変換する緯度経度座標変換部612を備えている。緯度経度座標変換部612は各地の建物についてこれらの緯度経度ならびに各フロアの高度を示すデータを備えていてもよい。各フロアの高度の代わりに1階部分の高度とフロア間の高さを示すデータであってもよい。
【0100】
図25は、ネットワーク複合機による地図データおよび緯度経度データの受信処理の様子を表わしたものである。図24と共に説明する。
【0101】
この第3の変形例では、ネットワーク複合機201C自体が地図データおよび宛先データについて膨大なデータを格納しておく必要がなく、これらのデータが自装置に存在しない場合には、地図サーバ603や宛先変換サーバ604を利用することになる。そこでネットワーク複合機201Cの制御部211は地図データが必要とされるか(ステップS701)と、緯度および経度を示す位置データが必要とされるか(ステップS702)を監視している。
【0102】
地図データが必要とされた場合、制御部211Cは画像データ部217をチェックして自装置にその地図データが存在しないかどうかを判別する(ステップS703)。その結果、該当する地図データが画像データ部217に存在した場合には(N)、これを取得して(ステップS704)、処理を再びステップS701に戻す(リターン)。
【0103】
必要な地図データが画像データ部217に存在しなかった場合(ステップS703:Y)、制御部211Cはその地図データを地図サーバ603に要求する(ステップS705)。そして、地図サーバ603からその地図データを受信するか(ステップS706:Y)、該当する地図データがない旨のエラーを受信する(ステップS706:N、ステップS707:Y)まで待機する。
【0104】
地図データを受信した場合には(ステップS701:N、ステップS706:Y)、目的が達成したので処理を再びステップS701に戻す(リターン)。エラーを受信した場合には(ステップS706:N、ステップS707:Y)、該当する地図データが存在しないことに対応したエラー処理を行って(ステップS708)、処理を再びステップS701に戻す(リターン)。
【0105】
一方、位置データが必要とされた場合には(ステップS701:N、ステップS702:Y)、その位置データが宛先データ部218に存在しないかどうかを判別する(ステップS709)。その結果、該当する位置データが宛先データ部218に存在した場合には(N)、これを取得して(ステップS710)、処理を再びステップS701に戻す(リターン)。
【0106】
必要な位置データが宛先データ部218に存在しなかった場合(ステップS709:Y)、制御部211Cはその位置データとしての緯度経度データを宛先変換サーバ604に要求する(ステップS711)。そして、宛先変換サーバ604から緯度経度データを受信するか(ステップS712:Y)、該当する緯度経度データがない旨のエラーを受信する(ステップS712:N、ステップS713:Y)まで待機する。
【0107】
該当する緯度経度データを受信した場合には(ステップS712:Y)、目的が達成したので処理を再びステップS701に戻す(リターン)。エラーを受信した場合には(ステップS712:N、ステップS713:Y)、該当する緯度経度データが存在しないことに対応したエラー処理を行って(ステップS714)、処理を再びステップS701に戻すことになる(リターン)。
【0108】
図26は、緯度経度データの要求を受信した宛先変換サーバの処理の様子を表わしたものである。図24と共に説明する。
【0109】
宛先変換サーバ604はネットワーク複合機201Cから宛先を緯度経度データに変換する元となるデータを受信したら、これに直接対応する緯度経度データそのものが存在するかをチェックする(ステップS731)。緯度経度データが存在した場合には(Y)、その移動経度データをネットワーク複合機201Cに送信して(ステップS732)、要求した処理を終了する(エンド)。
【0110】
受信したデータがGPS情報で、これに対応する緯度経度情報が存在した場合には(ステップS731:N、ステップS733:Y)、その緯度経度情報をネットワーク複合機201Cに送信して(ステップS732)、要求した処理を終了する(エンド)。
【0111】
以上と異なり受信したデータが住所情報でこれに対応する緯度経度データが存在した場合には(ステップS731:N、ステップS733:N、ステップS734:Y)、その住所情報を緯度経度座標変換部612で移動経度データに変換する(ステップS735)。そして、その移動経度データをネットワーク複合機201Cに送信して(ステップS732)、要求した処理を終了する(エンド)。
【0112】
受信したデータが建物情報で、これに対応する緯度経度情報が存在した場合には(ステップS731:N、ステップS733:N、ステップS734:N、ステップS736:Y)、緯度経度座標変換部612でその建物の住所の緯度経度データに変換する(ステップS737)。そして、その移動経度データをネットワーク複合機201Cに送信して(ステップS732)、要求した処理を終了する(エンド)。
【0113】
以上のいずれにも該当しなかった場合(ステップS731:N、ステップS733:N、ステップS734:N、ステップS736:N)、移動経度データに変換することができない。そこでこの場合には移動経度データに変換することができない旨を表わしたエラーをネットワーク複合機201Cに送信して(ステップS738)、処理を終了することになる(エンド)。
【0114】
以上説明した第3の変形例によれば、ネットワーク複合機201Cはネットワーク側のサーバのデータベースを利用することができるので、自装置の格納データを最小限にして装置構成のためのコストを節減することができる。また、住居表示が変更されたり建物の新築や名称変更があったような場合にも、サーバ側がこれらの変更に対処するだけでよく、ネットワーク複合機201C等のファクシミリ装置側に特別な負担を要しないという利点がある。
【0115】
なお、以上説明した実施の形態およびそれらの変形例ではネットワーク複合機201あるいはファクシミリ装置が宛先を特定する場合について説明したが、これに限るものではない。たとえば電子メールの宛先や通話相手の電話番号の特定処理についても同様に本発明を適用することができる。
【0116】
また、実施の形態の図11および図13では地域の選択を行う段階での地図表示を行ったので、図12に示したような人物のアイコン251は表示されていない。図11および図13においても該当する宛先がある地域については前記したように人物のアイコン251を表示するようなシステム構成としてもよい。このとき、該当する宛先が少ない地域では該当する氏名(または名称)を表示するようにしてもよいし、該当する宛先が多い地域では総数を表示するようにしてもよい。このように全体的な地図が表示された時点で各地域に人物のアイコン251を表示するようにすれば、該当者がいない地域がどこであるかを容易に判別できる利点もある。
【0117】
更に実施の形態の図17では、「佐藤」という名字を有する3名の地域が氏名と共に選択可能に表示されたが、このような表示の前提としてアドレス帳231から「佐藤」という名字を有する者を絞り込む操作を行ってもよい。このような表示前の絞り込み操作によって、該当者をより少ないアクションで地図から選択することが可能になる場合が多い。
【0118】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0119】
(付記1)
視覚的なデータを表示するディスプレイと、
複数の地域の統合された形で前記ディスプレイに1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図データ集合体と、
この地図データ集合体の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したアドレス帳と、
前記地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択して前記ディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択手段と、
この地域選択手段によって選択した地域に対応する前記アドレス帳の宛先の総数を算出する宛先総数算出手段と、
この宛先総数算出手段によって算出した宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別手段と、
この設定値超過有無判別手段が前記設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内表示手段と、
前記設定値超過有無判別手段が前記設定値を超えていると判別したとき、前記地域選択手段による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記設定値超過有無判別手段が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し手段と、
この繰り返し手段によって前記ディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内表示手段によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定手段と、
この宛先確定手段によって確定した宛先に所望の送信データを送信する送信手段
とを具備することを特徴とする送信装置。
【0120】
(付記2)
視覚的なデータを表示するディスプレイと、
複数の地域の統合された形で前記ディスプレイに1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図データ集合体と、
この地図データ集合体の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したアドレス帳と、
前記地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択して前記ディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応する前記アドレス帳の宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出手段と、
この地域別宛先総数算出手段によって算出された地域ごとの前記アドレス帳の宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別手段と、
この地域別設定値超過有無判別手段で前記設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内地域表示手段と、
前記地域別設定値超過有無判別手段で前記設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値外地域表示手段と、
前記設定値内地域表示手段と設定値外地域表示手段の表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記ディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択手段と、
この地域選択手段で選択した地域が前記設定値外地域表示手段によって表示されている地域であるとき、前記地域選択手段による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記地域別設定値超過有無判別手段が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し手段と、
前記設定値内地域表示手段によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記繰り返し手段によって前記ディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記地域別設定値内表示手段によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定手段と、
この宛先確定手段によって確定した宛先に所望の送信データを送信する送信手段
とを具備することを特徴とする送信装置。
【0121】
(付記3)
前記設定値外地域表示手段は、該当する宛先の総数が設定値を超えている地域にその宛先の総数を数字で表わしたアイコンを表示することを特徴とする付記2記載の送信装置。
【0122】
(付記4)
前記宛先確定手段は、ディスプレイ上に表示された1つの宛先を選択する宛先選択手段と、この宛先選択手段の選択した宛先について前記アドレス帳に登録された付加情報を前記ディスプレイに表示して送信データの宛先を最終的に確認する付加データ表示手段とを具備することを特徴とする付記1または付記2記載の送信装置。
【0123】
(付記5)
前記付加情報は、宛先の氏名または名称、住所、電話番号、電子メールのアドレス、宛先を特定するイメージ情報の一部または全部を含むことを特徴とする付記4記載の送信装置。
【0124】
(付記6)
前記送信手段の送信する送信データはファクシミリデータであることを特徴とする付記1または付記2記載の送信装置。
【0125】
(付記7)
前記位置情報は緯度および経度で表示される情報であることを特徴とする付記1または付記2記載の送信装置。
【0126】
(付記8)
前記位置情報はGPS(Global Positioning System)情報として取得したものであることを特徴とする付記7記載の送信装置。
【0127】
(付記9)
前記位置情報を前記アドレス帳にキー入力するキー入力装置を具備することを特徴とする付記7記載の送信装置。
【0128】
(付記10)
前記位置情報をネットワークから通信で取得するネットワーク通信手段をを具備することを特徴とする付記7記載の送信装置。
【0129】
(付記11)
前記位置情報を前記ネットワーク通信手段の通信する基地局あるいはアクセスポイントの位置情報として取得することを特徴とする付記10記載の送信装置。
【0130】
(付記12)
住所あるいは郵便番号から緯度および経度あるいはその逆に変換する変換手段を具備することを特徴とする付記5記載の送信装置。
【0131】
(付記13)
建物の名称および階数から緯度、経度、高度あるいはその逆に変換する変換手段を具備することを特徴とする付記5記載の送信装置。
【0132】
(付記14)
該当する宛先を絞り込むキーワードを入力する絞り込み用キーワード入力手段と、この絞り込み用キーワード入力手段により入力されたキーワードと一致するものをアドレス帳から抽出する抽出手段とを更に具備し、前記宛先総数算出手段は前記抽出手段により抽出された宛先の総数を算出することを特徴とする付記1記載の送信装置。
【0133】
(付記15)
該当する宛先を絞り込むキーワードを入力する絞り込み用キーワード入力手段と、この絞り込み用キーワード入力手段により入力されたキーワードと一致するものをアドレス帳から抽出する抽出手段とを更に具備し、前記地域別宛先総数算出手段は前記抽出手段により抽出された宛先の総数を算出することを特徴とする付記2記載の送信装置。
【0134】
(付記16)
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択ステップと、
各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記地域選択ステップによって選択した地域に対応する宛先の総数を前記位置情報をキーとして算出する宛先総数算出ステップと、
この宛先総数算出ステップによって算出した宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別ステップと、
この設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内表示ステップと、
前記設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていると判別したとき、前記地域選択ステップによる地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記設定値超過有無判別ステップで設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返しステップと、
この繰り返しステップによって前記ディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内表示ステップによって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定ステップ
とを具備することを特徴とする宛先指定方法。
【0135】
(付記17)
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出ステップと、
この地域別宛先総数算出ステップによって算出された地域ごとの前記アドレス帳の宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別ステップと、
この地域別設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内地域表示ステップと、
前記地域別設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値外地域表示ステップと、
前記設定値内地域表示ステップと設定値外地域表示ステップで表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記ディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択ステップと、
この地域選択ステップで選択した地域が前記設定値外地域表示ステップによって表示されている地域であるとき、前記地域選択ステップによる地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記地域別設定値超過有無判別ステップで設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返しステップと、
前記設定値内地域表示ステップによって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記繰り返しステップによって前記ディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記地域別設定値内表示ステップによって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定ステップ
とを具備することを特徴とする宛先指定方法。
【0136】
(付記18)
コンピュータに、
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択処理と、
各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記地域選択処理によって選択した地域に対応する宛先の総数を前記位置情報をキーとして算出する宛先総数算出処理と、
この宛先総数算出処理によって算出した宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別処理と、
この設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内表示処理と、
前記設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていると判別したとき、前記地域選択処理による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記設定値超過有無判別処理で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し処理と、
この繰り返し処理によって前記ディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内表示処理によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定処理
とを実行させることを特徴とする宛先指定プログラム。
【0137】
(付記19)
コンピュータに、
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出処理と、
この地域別宛先総数算出処理によって算出された地域ごとの前記アドレス帳の宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別処理と、
この地域別設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内地域表示処理と、
前記地域別設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値外地域表示処理と、
前記設定値内地域表示処理と設定値外地域表示処理で表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記ディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択処理と、
この地域選択処理で選択した地域が前記設定値外地域表示処理によって表示されている地域であるとき、前記地域選択処理による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記地域別設定値超過有無判別処理で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し処理と、
前記設定値内地域表示処理によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記繰り返し処理によって前記ディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内地域表示処理によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定処理
とを実行させることを特徴とする宛先指定プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0138】
以上説明したように本発明は、ネットワーク複合機によるファクシミリ画像の送信に限定されるものではない。携帯電話機等の機器からの電子メールの送信、インターネットを利用した特定のウエブサイトへの送信といったように、本発明は宛先を選択して各種データの送信を行うあらゆる送信装置、宛先指定方法、宛先指定プログラムに適用可能である。
【符号の説明】
【0139】
200、200B、200C 通信システム
201、201B、201C ネットワーク複合機
202、601 電話回線
203 公衆電話網
211、411 制御部
212 操作部
214 ファクシミリ制御部
215、413 表示部
216 メモリ部
217 画像データ部
218 宛先データ部
219 地図データ部
221 合成部
223 ネットワーク制御部
251 人物のアイコン
401 携帯電話機
402 GPS衛星
412 入力部
414 GPS機能部
415 ネットワーク機能部
602 インターネット
603 地図サーバ
604 宛先変換サーバ
611 地図データ格納部
612 緯度経度座標変換部
1000、1100 送信装置
1001、1101 ディスプレイ
1002、1102 地図データ集合体
1003、1103、231、231A アドレス帳
1004、1108 地域選択手段
1005 宛先総数算出手段
1006 設定値超過有無判別手段
1007 設定値内表示手段
1008、1109 繰り返し手段
1009、1110 宛先確定手段
1010、1111 送信手段
1104 地域別宛先総数算出手段
1105 地域別設定値超過有無判別手段
1106 設定値内地域表示手段
1107 設定値外地域表示手段
1200、1300 宛先指定方法
1201、1305 地域選択ステップ
1202 宛先総数算出ステップ
1203 設定値超過有無判別ステップ
1204 設定値内表示ステップ
1205、1306 繰り返しステップ
1206、1307 宛先確定ステップ
1301 地域別宛先総数算出ステップ
1302 地域別設定値超過有無判別ステップ
1303 設定値内地域表示ステップ
1304 設定値外地域表示ステップ
1400、1500 宛先指定プログラム
1401、1505 地域選択処理
1402 宛先総数算出処理
1403 設定値超過有無判別処理
1404 設定値内表示処理
1405、1506 繰り返し処理
1406、1507 宛先確定処理
1501 地域別宛先総数算出処理
1502 地域別設定値超過有無判別処理
1503 設定値内地域表示処理
1504 設定値外地域表示処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚的なデータを表示するディスプレイと、
複数の地域の統合された形で前記ディスプレイに1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図データ集合体と、
この地図データ集合体の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したアドレス帳と、
前記地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択して前記ディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択手段と、
この地域選択手段によって選択した地域に対応する前記アドレス帳の宛先の総数を算出する宛先総数算出手段と、
この宛先総数算出手段によって算出した宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別手段と、
この設定値超過有無判別手段が前記設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内表示手段と、
前記設定値超過有無判別手段が前記設定値を超えていると判別したとき、前記地域選択手段による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記設定値超過有無判別手段が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し手段と、
この繰り返し手段によって前記ディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内表示手段によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定手段と、
この宛先確定手段によって確定した宛先に所望の送信データを送信する送信手段
とを具備することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
視覚的なデータを表示するディスプレイと、
複数の地域の統合された形で前記ディスプレイに1枚の地図を表わす上位の階層の地図データの1つ下の階層の地図データが前記複数の地域の1つずつについて更に複数の地域の統合された形となるように構成されており、最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図データ集合体と、
この地図データ集合体の各階層で表わされる地図のいずれの地域に属するかを特定する位置情報を送信データの宛先と予め1つずつ対応させて格納したアドレス帳と、
前記地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択して前記ディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応する前記アドレス帳の宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出手段と、
この地域別宛先総数算出手段によって算出された地域ごとの前記アドレス帳の宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別手段と、
この地域別設定値超過有無判別手段で前記設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内地域表示手段と、
前記地域別設定値超過有無判別手段で前記設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値外地域表示手段と、
前記設定値内地域表示手段と設定値外地域表示手段の表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記ディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択手段と、
この地域選択手段で選択した地域が前記設定値外地域表示手段によって表示されている地域であるとき、前記地域選択手段による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記地域別設定値超過有無判別手段が設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し手段と、
前記設定値内地域表示手段によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記繰り返し手段によって前記ディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記地域別設定値内表示手段によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定手段と、
この宛先確定手段によって確定した宛先に所望の送信データを送信する送信手段
とを具備することを特徴とする送信装置。
【請求項3】
前記設定値外地域表示手段は、該当する宛先の総数が設定値を超えている地域にその宛先の総数を数字で表わしたアイコンを表示することを特徴とする請求項2記載の送信装置。
【請求項4】
前記宛先確定手段は、ディスプレイ上に表示された1つの宛先を選択する宛先選択手段と、この宛先選択手段の選択した宛先について前記アドレス帳に登録された付加情報を前記ディスプレイに表示して送信データの宛先を最終的に確認する付加データ表示手段とを具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の送信装置。
【請求項5】
前記付加情報は、宛先の氏名または名称、住所、電話番号、電子メールのアドレス、宛先を特定するイメージ情報の一部または全部を含むことを特徴とする請求項4記載の送信装置。
【請求項6】
建物の名称および階数から緯度、経度、高度あるいはその逆に変換する変換手段を具備することを特徴とする請求項5記載の送信装置。
【請求項7】
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択ステップと、
各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記地域選択ステップによって選択した地域に対応する宛先の総数を前記位置情報をキーとして算出する宛先総数算出ステップと、
この宛先総数算出ステップによって算出した宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別ステップと、
この設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内表示ステップと、
前記設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていると判別したとき、前記地域選択ステップによる地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記設定値超過有無判別ステップで設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返しステップと、
この繰り返しステップによって前記ディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内表示ステップによって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定ステップ
とを具備することを特徴とする宛先指定方法。
【請求項8】
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出ステップと、
この地域別宛先総数算出ステップによって算出された地域ごとの前記アドレス帳の宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別ステップと、
この地域別設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内地域表示ステップと、
前記地域別設定値超過有無判別ステップで前記設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値外地域表示ステップと、
前記設定値内地域表示ステップと設定値外地域表示ステップで表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記ディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択ステップと、
この地域選択ステップで選択した地域が前記設定値外地域表示ステップによって表示されている地域であるとき、前記地域選択ステップによる地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記地域別設定値超過有無判別ステップで設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返しステップと、
前記設定値内地域表示ステップによって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記繰り返しステップによって前記ディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記地域別設定値内表示ステップによって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定ステップ
とを具備することを特徴とする宛先指定方法。
【請求項9】
コンピュータに、
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のいずれに送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択処理と、
各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記地域選択処理によって選択した地域に対応する宛先の総数を前記位置情報をキーとして算出する宛先総数算出処理と、
この宛先総数算出処理によって算出した宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する設定値超過有無判別処理と、
この設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていないと判別したときその選択した地域とその地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内表示処理と、
前記設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていると判別したとき、前記地域選択処理による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記設定値超過有無判別処理で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し処理と、
この繰り返し処理によって前記ディスプレイに地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内表示処理によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定処理
とを実行させることを特徴とする宛先指定プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
最上位の階層の地図を頂点として階層が下になるほど細分化したツリー構造をとる地図のデータの集合体としての地図データ集合体を構成する上位の階層の地図データから1階層ずつ下位の方向に地図データを順に選択してディスプレイに地図を1枚ずつ表示するとき、表示した1枚の地図を構成する複数の地域のそれぞれに対応させて、各宛先に位置情報を対応付けたアドレス帳から前記位置情報をキーとしてそれぞれの宛先の総数を算出する地域別宛先総数算出処理と、
この地域別宛先総数算出処理によって算出された地域ごとの前記アドレス帳の宛先の総数が前記ディスプレイの表示との関係で予め定めた設定値を超えているかを判別する地域別設定値超過有無判別処理と、
この地域別設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていないと判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先とを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値内地域表示処理と、
前記地域別設定値超過有無判別処理で前記設定値を超えていると判別した地域のそれぞれについては、地域と地域に該当する宛先の総数が設定値を超えていることを対応付けて前記ディスプレイに表示する設定値外地域表示処理と、
前記設定値内地域表示処理と設定値外地域表示処理で表示したそれぞれの地域を統合する形で1枚の地図が前記ディスプレイに表示されている状態でいずれの1つの地域に送信データの宛先が含まれるかを選択させる地域選択処理と、
この地域選択処理で選択した地域が前記設定値外地域表示処理によって表示されている地域であるとき、前記地域選択処理による地域を選択する処理とこれに続く処理を、前記地域別設定値超過有無判別処理で設定値を超えていないと判別する階層に至るまで繰り返す繰り返し処理と、
前記設定値内地域表示処理によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータ、あるいは前記繰り返し処理によって前記ディスプレイに該当する地域に対応して表示される宛先の総数が設定値を超えなくなったとき前記設定値内地域表示処理によって前記ディスプレイに表示された宛先に関するデータを基にして前記送信データの宛先を確定する宛先確定処理
とを実行させることを特徴とする宛先指定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−66000(P2013−66000A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202679(P2011−202679)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】