説明

逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法および、それに用いる凹凸条形成装置

【課題】特願2008−190642号に記載されたフレキシブル包装袋の簡易な製造方法を提供する。
【解決手段】連続的に繰出し走行される包装用積層フィルムの一方の側部のシーラント層に、フィルム状逆止注出ノズルの基端部外表面のシーラント層を、側縁からの突出姿勢で融着接合させた後、包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部に、包装用積層フィルムの走行方向または、その走行方向に対して傾斜して延在する一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成し、次いで、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムのシーラント層を相互に対向させた姿勢で、表裏の両面側部分のそれぞれのシーラント層に、フィルム走行方向に連続して、逆止注出ノズルの融着接合部分を通過する縦シール部と、フィルム走行方向に間隔をおいてフィルム幅方向に延びる横シール部とを順次に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重ね合わせた表裏二枚の、通常は積層構造になる軟質のプラスチックフィルムにて構成され、セルフシール逆止機能を発揮するフィルム状逆止注出ノズルを、包装用積層フィルムにて構成される包装袋本体の上端部分で、それの一方側へ突出させて設けるとともに、包装用積層フィルムに対する縦シール部、横シール部等の形成によって区画されて被包装物の充填包装スペースを形成する領域の少なくとも一部で、内表面に、凹条もしくは凸条、または、凹凸条を設けてなる、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法、および、その方法の実施に用いる凹凸条形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルフシール逆止機能を発揮するフィルム状逆止注出ノズル、および、このようなフィルム状逆止注出ノズルを具えるフレキシブル包装袋としては、特許文献1、2に開示されたものがある。
このフレキシブル包装袋は、醤油、ソース等の液体調味料、ワイン、日本酒、サラダオイルその他の液状被包装物を、たとえば液中充填等によって、脱気包装する場合に用いられるものであり、この包装袋は、被包装物の充填包装状態においてはもちろん、フィルム状逆止注出ノズルからの液状被包装物の注出時および、注出の停止後においても、袋内被包装物の外気との接触を防止できるという特徴を有するので、この包装袋によれば、袋内被包装物が、外気に含まれる塵埃等によって汚損されたり、外気によって酸化等されることがなく、液状被包装物を、長期間にわたって、充填包装時のままに維持することができる。
【0003】
ところで、この包装袋では、フィルム状逆止注出ノズルが、表裏二枚の軟質プラスチックフィルムの、液状被包装物による濡れに基く密着によって、セルフシール機能を発揮することになり、このセルフシール機能が、袋内被包装物の酸化防止等に大きく寄与することになるも、逆止注出ノズルがセルフシール機能を発揮する場合は、脱気包装された液状被包装物の、包装袋内へ外気を取り込むことのない注出に起因して、包装袋本体の内表面もまた、被包装物による濡れによって、被包装物の注出経路部分および、被包装物の注出量に相当する、包装袋本体と被包装物との接触面積の減少域部分でも密着した状態となることが一般的である。
【0004】
そしてこれらのことによれば、逆止注出ノズルおよび包装袋本体部分の上述したような密着が、袋内被包装物のその後の注出に当っての液状被包装物の円滑なる流出を妨げる場合があることが解かった。
そこで出願人は、液状被包装物の繰返しの注出を常に円滑なものとする技術を特願2008−190642号として提案した。
【0005】
これは、包装袋本体が、表面側および裏面側の少なくとも一方の包装用積層フィルムの非シール部分の、少なくとも、上部またはフィルム状逆止注出ノズル側の側縁近傍に、凹凸構造を有する積層フィルムによって構成されていることを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−15029号公報
【特許文献2】特開2005−59958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、出願人の先願に係る、特願2008−190642号に記載されたフレキシブル包装袋の簡易な製造方法および、その方法の実施に用いる簡単な構造の凹凸条形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法は、幅中央域で半折した一枚の、または二枚の、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムをシール接合させてなる包装袋本体の一側部、たとえば、側部上端部分から突出させて配設されて、重なり合う軟質プラスチックフィルムの相互が、液状被包装物の介在下で密着するフィルム状逆止注出ノズルを設けてなる逆止機能を具えるフレキシブル包装袋を製造するに当り、
例えば一定速度で連続的に繰出し走行される包装用積層フィルムの一方の側部で、その包装用積層フィルムのシーラント層に、フィルム状逆止注出ノズルの基端部外表面のシーラント層を、フィルム状逆止注出ノズルの、包装用積層フィルムの側縁からの突出姿勢で融着接合させた後、
フィルム状逆止注出ノズルを融着接合させた包装用積層フィルム、または、それとは別葉になる包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部に、包装用積層フィルムの走行方向に、または、その走行方向に対して傾斜して延在する、所要の横断面形状を有する一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を、直線状、曲線状等の適宜の延在形態の下に形成し、
次いで、一枚もしくは二枚の包装用積層フィルムの、表面側および裏面側のそれぞれの積層フィルムのシーラント層を形成された凹凸条の嵌まり込みなしに相互に対向させた姿勢として、表裏の両面側部分のそれぞれのシーラント層に、フィルム走行方向に連続して、逆止注出ノズルの融着接合部分を通過する縦シール部と、フィルム走行方向に間隔をおいてフィルム幅方向に延びて、いわゆる底部シール部および頂部シール部の少なくとも一方を構成する横シール部とを順次に形成するにある。
なおここで、包装袋の製袋と、液状被包装物の充填包装とを同時に行うときは、底部シール部と頂部シール部との両シール部が順次に形成されることになる。
この一方で、底部もしくは頂部のいずれかで開口する包装袋を製袋するときは、横シール部によって、頂部シール部または底部シール部のいずれかが形成されることになる。
【0009】
このような製造方法に適用されるフィルム状逆止注出ノズルは、相互に重なり合う二枚の平坦な積層軟質プラスチックフィルムの対向表面のシーラント層を、ノズルの基端辺となる部分を除く周縁部分で相互にシール接合させて、先端部を閉止する一方で、基端辺を開口させ、かつ、幅中間部分に注出通路を区画することによって構成することができる。
【0010】
ところで、所要の包装袋は、フィルム状逆止注出ノズルを一側部に融着接合させた一枚の包装用積層フィルムを、凹凸条等の形成下で、幅方向の中央部で半折した状態で、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成することによって製造することができる他、フィルム状逆止注出ノズルを一側部に融着接合させた一枚の包装用積層フィルムに対し、それとは別体になる、同一積層構造の包装用積層フィルムを、同一の速度で連続的に繰出し走行させて、それらの両包装用積層フィルムに、所要の凹凸条等の予めの形成下で、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成することによって製造することもできる。
【0011】
以上のような包装袋の製造方法において、一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条は、一枚の包装用積層フィルムを用いると、二枚の包装用積層フィルムを用いるとの別なく、表面側および裏面側の包装用積層フィルムの少なくとも一方に形成することができる。
ここで、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムに凹凸条等を形成する場合は、表面側の凹条もしくは凸条、または凹凸条と、裏面側フィルムの凹条もしくは凸条、または凹凸条とを、包装袋の製袋状態で相互に交差する方向に延在させることが、製品包装袋で、表裏のそれぞれの側の凹凸条の意図しない嵌まり合いを防ぐ上で好ましい。
【0012】
ところで、凹凸条等を、表面側部分もしくは裏面側部分に形成する場合にあって、一枚の包装用積層フィルムを用いて製袋するに当っては、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域で、フィルム状逆止注出ノズルの融着接合側の半部以下の部分に、凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成することが、液状被包装物を、フィルム状逆止注出ノズルから注出する際の、包装袋本体内表面の、その逆止注出ノズル近傍部分での意図しない密着を、凹凸条等の、少ない形成領域の下にて有効に防止して、液状被包装物の、包装袋からの繰返しの注出を円滑なものとする上で好ましい。
そしてこのことは、包装袋を、二枚の包装用積層フィルムによって構成する場合においても、製造される包装袋の、被包装物の充填包装スペースを区画する領域で、フィルム状逆止注出ノズルの近傍部分に凹凸条等を部分的に形成する場合にも同様である。
【0013】
ここにおいて、包装用積層フィルムの走行方向に、または、その走行方向に対して傾斜する方向に延びる、一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条の形成は、相互に入り込む凹凸条を設けた一対以上の加熱ローラ間に包装用積層フィルムを通過させることこによって行うことが、所要の凹凸条等を簡易・迅速に能率良く形成する上で好ましい。
【0014】
表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域に一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成するときは、一枚の包装用積層フィルムを用いる場合および、二枚の包装用積層フィルムを用いる場合のいずれにあっても、相互に入り込む凹凸条を設けた二対の加熱ローラ間に、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムを連続的に通過させることが、凹凸条等の形成作業能率を高める上で好ましい。
なおここで、一枚の包装用積層フィルムで、表面側部分および裏面側部分のそれぞれに凹凸条等を形成するときは、二対の加熱ローラの相互を、ローラ軸線方向に所定の間隔をおいて配設することになる。しかるに、各対の加熱ローラは、共通の軸線上に配設されることは必須ではない。
【0015】
表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域に形成される複数本の凹凸条の、幅寸法、凹凸ピッチおよび、延在方向の少なくとも一つを相互に相違させることが、製品包装袋で、表面側の凹凸条等と、裏面側の凹凸条等との嵌まり合いを防止して、表裏の内面の密着を防ぐ上で好ましい。
【0016】
以上に述べた方法において、より好ましくは、縦シール部で、包装袋本体の内表面に位置することになるシーラント層と、基端部の一方の外表面を包装用積層フィルムの一側部に融着接合させたフィルム状逆止注出ノズルの他方の外表面のシーラント層とをシール接合させ、これにより、包装袋本体とフィルム状逆止注出ノズルとの、確実な液密シール接合を十分に担保する。
【0017】
また、好ましくは、縦シール部で、フィルム状逆止注出ノズルの基端部内表面のそれぞれのシーラント層を相互に仮シール接合させて、逆止注出ノズルの幅中間部の注出通路への、被包装物の意図しない流入、ひいては、この流入に起因する逆止注出ノズルの永久変形を防止する。
【0018】
また、この発明の凹凸条形成装置は、先に述べたいずれかの製造方法の実施に用いるものであって、一側部にフィルム状逆止注出ノズルを、側方への突出姿勢で予め融着接合されて連続的に定速走行される一枚の包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される一対以上の加熱ローラの対向周面に相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けてなるものである。
ここで、相互に入り込む凹凸条は、加熱ローラの周面上で円環状にエンドレスに連続するものとすることができる他、加熱ローラの軸線の周りに螺旋状に延在するものとすることができる。また、凹凸条の横断面形状は、山形状、方形状、台形状、多角形状、円弧状その他の所要形容とすることができる。
【0019】
なおこの装置は、一枚の包装用積層フィルムの幅方向中央部の一方側の部分の一部もしくは全域を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される一対の加熱ローラの対向周面に、相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けてなるものとすることもできる。
【0020】
また、一枚の包装用積層フィルムの、幅方向中央部のそれぞれの側部で、積層フィルムの一部もしくは全域を厚み方向に挟持して逆向きに回転駆動される各対の加熱ローラを、回転軸線方向に間隔をおいて配設し、それらの各対の加熱ローラの対向周面に相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けてなるものとすることができ、この場合は、回転軸線方向に間隔をおいて位置する二対の加熱ローラのそれぞれの、対向周面に形成される凹凸条を、二対の加熱ローラの中点を通る軸線直交線分に対し、位置、断面形状、配設ピッチ、本数、延在方向等に関して非対称に配置することが、製袋後の包装袋の、表面側部分の凹凸条等と裏面側部分の凹凸条等との意図しない嵌まり込みを防ぐ上で好ましい。
【0021】
ところで、加熱ローラ対の周面の凹凸条は、一方もしくは複数本の、円環状のエンドレス凹凸条とすることができる他、一本もしくは複数本の螺旋状凹凸条とすることもでき、後者の場合は、二対の加熱ローラ対のそれぞれの周面に、ともに同方向に螺旋状に延して延在する一本もしくは複数本の凹凸条を設けることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明の製造方法では、とくに、一定速度で連続的に繰出し走行される包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部に、包装用積層フィルムの走行方向に、または、その走行方向に対して傾斜して延在する一本以上の凹条もしくは凸条または凹凸条を形成することにより、包装用積層フィルムを製袋して、逆止注出ノズルを具える包装袋を製造した場合に、液状被包装物の、逆止注出ノズルからの注出後の、包装袋本体内表面の被包装物による濡れに起因する密着を、相互に嵌まり合わない凹凸条等によって有効に防止できるので、液状被包装物の繰出しの注出を、タイムラグのない常に円滑なものとすることができる。
【0023】
しかも、この方法では、包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域に凹凸条等を形成するだけで足りるので、フレキシブル包装袋を簡易に、かつ迅速に製造することができる。
【0024】
ところでこの場合、液体の注出を司るフィルム状逆止注出ノズルを、相互に重なり合う二枚の平坦な積層軟質プラスチックフィルムの対向表面のシーラント層を、ノズルの基端辺となる部分を除く周縁部分で相互にシール接合させて、幅中間部分に注出通路を区画するときは、平坦な軟質プラスチックフィルムの作用に基き、逆止注出ノズルに、セルフシール逆止機能をより効果的に発揮させることができる。
【0025】
なおこの製造方法は、フィルム状逆止注出ノズルを一側部に融着接合させた一枚の包装用積層フィルムを幅方向の中央部で半折した状態で、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成することの他、フィルム状逆止注出ノズルを一側部に融着接合させた一枚の包装用積層フィルムに対し、それとは別体になる、同一積層構造の包装用積層フィルムを、それと等速で連続的に繰出し走行させて、それらの両包装用積層フィルムに、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成することによっても実施することができる。
【0026】
そしてこれらのいずれの場合にあっても、一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条は、表面側もしくは裏面側の包装用積層フィルムのいずれか一方に形成する他、表面側もしくは裏面側の包装用積層フィルムの双方に形成することもでき、この後者の場合は、凹凸条等を、包装袋に製袋した状態で、相互に交差する方向に延在させることが、包装袋での、凹凸条等の不測の嵌まり込みを防止する上で好ましい。
【0027】
また、この発明の凹凸条形成装置では、とくに、一枚の包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される一対以上の加熱ローラの対向周面に相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けるだけの簡単な構造の下で、一側部にフィルム状逆止注出ノズルを融着接合させて設けたその包装用積層フィルムを、所定の連続走行速度で、対をなす加熱ローラ間に通過させることにより、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の所要部分に、所要に応じた凹凸条を能率良く形成することができる。
【0028】
そしてこれらのことは、一枚の包装用積層フィルムの幅方向中央部の一方側の部分の一部もしくは全域を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される一対の加熱ローラの対向周面に、相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けた場合、および、一枚の包装用積層フィルムの幅方向中央部のそれぞれの側部で、積層フィルム部分の一部もしくは全域を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される各対の加熱ローラを、回転軸線方向に間隔をおいて配設し、それらの各対の加熱ローラの対向周面に、相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けた場合のいずれにおいても同様である。
【0029】
ところで後者の場合において、回転軸線方向に間隔をおいて位置する二対の加熱ローラのそれぞれの、対向周面に形成される凹凸条を、二対の加熱ローラの中点を通る軸線直交線分に対して非対称に配置したときは、製造された包装物の被包装物充填スペースでの、凹凸条等の相互の嵌まり込みのおそれを効果的に取り除くことができる。
なお、二対の加熱ローラのそれぞれを、包装用積層フィルムに走行方向に離隔させて配設するときは、各対の加熱ローラを軸線方向に整列させた仮想姿勢の下で、上述したような非対称配置とすることが好ましい。
【0030】
ここで、加熱ローラ対のそれぞれの対向周面の凹凸条は、一本もしくは複数本の円環状のエンドレス凹凸条とすることができる他、一本もしくは複数本の、中心軸線の周りでの螺旋状凹凸条とすることもできる。
そして後者の場合は、二対の加熱ローラ対のそれぞれの周面に、ともに同方向に傾いて延在する一本もしくは複数本の凹凸条を設けることにより、製造された包装袋で、表面側部分と裏面側部分との凹凸条等を、相互に交差させて延在させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明に係る方法の実施装置を示す概略側面図である。
【図2】包装用積層フィルムへ一側縁へのフィルム状逆止注出ノズルの融着接合例を示す略線展開平面図である。
【図3】この発明に係る凹凸条形成装置を例示する略線斜視図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】一枚の包装用積層フィルムへの凹凸条等の形成例を示す展開平面図である。
【図6】図5に示すフィルムを用いた製袋例を示す略線展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
この発明に係る方法の実施装置を概略側面図で示す図1において、1は、二層もしくは三層以上の積層構造になる包装用積層フィルムの巻回ロールを示し、通常はブレーキ付きの支持軸2上に支持されるこの巻回ロール1から、たとえば、図示しない縦シールローラ等の作用下で、所定の速度で連続的に繰出し走行される包装用積層フィルム3は、フィルム状逆止注出ノズルの融着接合装置4で、一方の側部に、それの側縁からの突出姿勢でフィルム状逆止注出ノズルを融着接合された後、この発明に係る凹凸条形成装置5を経て、たとえば、一般的な充填包装機によるように、一枚の包装用積層フィルム3の幅方向の中央部で半折させた状態で、表裏の両面側部分のそれぞれの対向シーラント層に、縦シールローラにより縦シール部が連続的に形成されるとともに、液状の被包装物が、表面側および裏面側の両積層フィルム部分間に連続的に充填され、次いで、これも図示しない横シールローラにより、フィルムの走行方向に所定の間隔をおいて、包装用積層フィルムの幅方向にそれの全幅にわたって延びる横シール部、たとえば、ボトムシール部およびトップシール部が形成されて、液状被包装物を充填包装された包装袋となる。
【0033】
なおここで、製造される包装袋は、液状被包装物が充填包装されていない、横シール部のうちの、ボトムシール部もしくはトップシール部のいずれか一方のみが施されたものとすることも可能である。
【0034】
ところで、上述したようにして包装用積層フィルム3の一方の側部に融着接合されるフィルム状逆止注出ノズルは、相互に重なり合う二枚の平坦な積層軟質プラスチックフィルムの対向表面のシーラント層を、ノズルの基端辺となる部分を除く周縁部分で相互にシール接合させて、幅中間部分に注出通路を区画することによって構成することができ、かかる逆止注出ノズルによれば、先に述べたようにして包装袋に充填包装した液状被包装物の注出に当っては、フィルム状逆止注出ノズルの先端部分を切除して、そのノズルに注出口を形成した状態で包装袋を傾動させることで、被包装物を、注出通路を経て所期した通りに円滑に流下させることができる。
【0035】
この一方で、包装袋を起立姿勢に復帰させて、その注出を停止するときは、平坦な軟質プラスチックフィルムをシール接合させてなる逆止注出ノズルの注出通路を直ちに元形状に復帰させることができ、その注出通路を、液状被包装物による濡れによって密着させてセルフ逆止機能を確実に発揮させることができる。
【0036】
また、ここにおける液状被包装物の注出に当っては、フレキシブル包装袋それ自体は、外気を取り込むことなく潰れ変形するので、袋内被包装物は、それの注出後はもちろん、注出中にもまた外気等との接触を有効に防止されることになる。
【0037】
上述したところにおいて、融着装置4による、包装用積層フィルム3の一側部への、フィルム状逆止注出ノズルの融着接合は、たとえば、図2に模式的に示すように、引裂き誘導疵6で縁取りされたフィルム状逆止注出ノズル7の複数を、予め整列姿勢で形成されたノズルフィルム8を、連続走行される包装用積層フィルム3に対して巻回ロール9から繰出し走行させて、各個の逆止注出ノズル7の基端部を、それの外表面のシーラント層で、包装用積層フィルム3の一方の側部のシーラント層に、それの側縁からの突出姿勢で融着接合させることにより行うことができ、その後は、引裂き誘導疵6の形成位置で、融着接合後のその逆止注出ノズル7から切り離して分離したノズルフィルム8の不要部分を、不要部分巻回ロール10として巻取軸上に巻取る。
【0038】
なおこの場合、ノズルフィルム8は、少なくとも、逆止注出ノズル7の基端部の融着接合時には、包装用積層フィルム3と等速走行させることが必要であるも、融着接合のタイミングの間は、低速走行させることも、停止させることもできる。ところで、包装用積層フィルム3に対する逆止注出ノズル7の融着接合域は、たとえば、包装用積層フィルム3の幅方向に、幅aを3〜50mmの範囲内、また、包装用積層フィルム3の長さ方向に、長さbを20〜150mmの範囲内とすることで、その逆止注出ノズル7の所要の融着接合強度を確保することができる。
またここで、逆止注出ノズル7の融着接合ピッチは、製造される包装袋の寸法に応じて適宜に選択できることはもちろんであるが、多くは、50〜500mm範囲とすることができる。
【0039】
ところで、フィルム状逆止注出ノズル7の外表面シーラント層の、包装用積層フィルム3の一側部でのシーラント層へのこのような融着接合は、たとえば、図1に実線で示すように、巻回ロール9から引き出したノズルフィルム8を、融着接合装置4の各種のローラに巻掛けた状態で、そのノズルフィルム8を、いずれかのローラの回転駆動に基いて、巻回ロール9から、連続的もしくは間欠的に繰出し走行させる一方で、定速連続走行される包装用積層フィルム3の、注出ノズル接合個所の、所定位置への到達をフィルムマークセンサ11によって検知したときに、融着ローラ対12の駆動周速を、包装用積層フィルム3の走行速度まで次第に増加させて、包装用積層フィルム3のノズル接合個所が融着ローラ対12に達したときに、その包装用積層フィルム3と等速で走行されているノズルフィルム8の逆止注出ノズル7に、後に述べる融着ローラ対12の一方の貼付熱ローラ13の一の突起14によって、包装用積層フィルム3を押圧するとともに加熱して、上記の両シーラント層を融着させることによって行うことができる。
【0040】
なおここで、融着ローラ対12は、相互に同期して間欠的もしくは連続的に等速駆動される、ヒータ内蔵の貼付熱ローラ13と、これもヒータ内蔵の加熱ローラ15とからなり、この加熱ローラ15はノズルフィルム8を巻掛けられて、シリンダ16により、包装用積層フィルム3の走行経路側、ひいては、貼付熱ローラ13側へ常時付熱される。
一方、貼付熱ローラ13は、周方向に、逆止注出ノズル7の融着接合ピッチと対応する間隔をおいて配設されて、包装用積層フィルム3を、加熱ローラ15上のノズルフィルム8側へ押圧する突起14を具える。従って、貼付熱ローラ13の突起14は、包装用積層フィルム3への逆止注出ノズル7の接合個所以外の部分に対しては、包装用積層フィルム3から離隔して位置する。
【0041】
図1に示す融着接合装置4において、17、18はそれぞれ、ノズルフィルム8の巻回ロール9の支持軸、および、ノズルフィルム8の不要部分を巻回ロール10として巻取る巻取り軸を示す。
また、図中19は、融着ローラ対12の加熱ローラ15に、ノズルフィルム8をたとえば弾性的に押圧して、加熱ローラ15に対する、ノズルフィルム8のスリップを防止するニップローラを示し、20、21はそれぞれ、水平姿勢で配設されて、巻回ロール9から繰出されたノズルフィルム8、および逆止注出ノズル7から切り離し分離したノズルフィルム8の不要部分のそれぞれの走行を案内して、蛇行、皺の発生等を防止するガイドローラを示す。
そして、22、23は、シリンダ、ばね等(図ではシリンダ)に連結されて、ノズルフィルム8、および、ノズルフィルム8の不要部分に作用する張力を調整するそれぞれのダンサーローラを示し、24、25はそれぞれ、一対の融着ローラ12を隔てて、支持軸17側および巻取り軸18側のそれぞれに配設されて、所要の速度で回転駆動されるフィルム送りローラを示す。
【0042】
なお、図に実線で示すところでは、ノズルフィルム8を、フィルム送りローラ24に巻掛けることなく走行させているも、ノズルフィルム8のパスラインを、図に仮想線で示すように、その送りローラ24を通るものとすることも可能である。
また、図に実線で示すところでは、フィルム送りローラ25に巻掛けているノズルフィルム8の不要部分を、図に仮想線で示すように、フィルム送りローラ25に通すことなく巻取ることも可能である。
そしてさらに、融着ローラ対11の加熱ローラ15だけでノズルフィルム8を所要の速度で走行させることができるときは、いずれのフィルム送りローラ24、25をも通さないパスラインを選択することもできる。
【0043】
包装用積層フィルム3をこのような融着接合装置4に通過させて、図2に示すように、その積層フィルム3の一方の側部に、フィルム状逆止注出ノズル7を、フィルム側縁からの突出姿勢で融着接合させた後は、その包装用積層フィルム3の、被包装物の充填スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部に、包装用積層フィルムの走行方向に、または、その走行方向に対して傾斜して延在する一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成するべく、包装用積層フィルム3を、続いて凹凸条形成装置5に通過させる。
【0044】
図3、4はそれぞれ、この凹凸条形成装置の実施形態を示す斜視図および平面図であり、図示の凹凸条形成装置5は、フィルム状逆止注出ノズル7を融着接合させた一枚の包装用積層フィルム3を、幅方向の中央部で半折した状態として、フィルム3の遊端部分への縦シール部、および、半折フィルムを横切って延びる横シール部のそれぞれを、順次に形成するに当って、包装用積層フィルム3の表面側部分および裏面側部分のそれぞれの充填スペース区画領域の全体に凹凸条等を形成するものである。
【0045】
これがためここでは、包装用積層フィルム3の、表裏のそれぞれの充填スペース区画領域のほぼ全体を、フィルム厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される、ヒータ内蔵の二対の加熱ローラ31、32を、軸線方向に間隔をおいて、たとえば同軸上に配設して、各対の加熱ローラ31、32の対向周面に相互に入り込む一本以上の凹凸条31a、31bおよび32a、32bを形成する。
なお、図に示すところでは、凹凸条31a、31b、32a、32bを螺旋状に延在させて形成していることから、各対の加熱ローラ31、32の一端から他端まで、各一本の凹凸条を形成するだけで、充填スペース区画領域の全体にわたる凹凸条を形成することができるが、各ローラ対31、32の凹凸条は、二重もしくは三重以上の螺旋形態で延在させることもできる。
【0046】
ところで、凹凸条は、三角形状、方形状、台形状、曲線状等の所要の横断面形状を有するものを適宜に選択することができ、その深さ、高さおよびピッチは、包装袋の内表面の意図しない密着を防止できる限りにおいて微細なものとすることができるが、ローラ周面への加工の容易性の観点から、凹凸条の深さまたは高さにおいては、0.02〜3mmの範囲、および、ピッチにおいては、0.1〜10mmの範囲とすることが好ましい。
【0047】
ここにおいて、ローラ周面の、相互に入り込む凹凸条を円環状にエンドレスに延在させて形成する場合は、それぞれの充填スペース区画領域の全体にわたる凹凸条を設けるに当っては、各対の加熱ローラ31、32の周面に複数本の凹凸条を形成することが必要になる。
【0048】
またここで、包装用積層フィルム3の、表面側部分もしくは裏面側部分のいずれか一方の充填スペース区画領域だけに凹凸条等を形成するときは、いずれか一方の対の加熱ローラ周面にだけ凹凸条を設けることができ、その一方の充填スペース区画領域のうち、フィルム状逆止注出ノズル7の融着接合個所の近傍域だけに凹凸条等を形成するときは、一方の対の加熱ローラ周面の一方側に偏せた一部分だけに凹凸条を設けることもできる。
【0049】
図3、図4に示す、凹凸条形成装置5の各対の加熱ローラ31、32は、モータ33に連結した、ヒータ内蔵の駆動軸34と、歯車対35によって駆動軸34に駆動連結されて、駆動軸4とは逆向きに回転駆動される、これもヒータ内蔵の被動軸36とのそれぞれに嵌め合わせ固定することで、相互の平行姿勢で水平に配設してなる。
そして、周面に相互に入り込む螺旋状凹凸条を設けてなり、包装用積層フィルム3のシーラント層は溶融しないも、フィルム3に所要の凹凸条等を癖付けするに必要な、40〜200℃の範囲の温度に加熱された二対の加熱ローラ31、32間に、逆止注出ノズル7を融着接合させた包装用積層フィルム3を通過させることにより、表裏のそれぞれの充填スペース区画領域のほぼ全体に、図5に例示するような凹凸条37等が、フィルム3の厚み全体に形成される。
【0050】
なおここでは、フィルム3上の凹凸条37等を、包装用積層フィルム3の半折個所および、フィルム遊端部分の縦シール部の形成予定個所、ならびに、横シール部の形成予定個所以外の部分に形成することとしているも、凹凸条37等が存在してなお、縦および/または横シール部を十分適正に形成できる場合は、そのシール部の形成予定個所にも凹凸条37等を形成することができた。
【0051】
ここにおいて、横シール部の形成予定個所での、凹凸条37等の途切れ部分は、各対の熱ローラ31、32の周上の一個所に、凹凸条31a、31b、32a、32bの非形成部分を軸線方向に整列させて設けることによって形成することができる。
この一方で、各対の熱ローラ31、32の周長を包装袋の一袋分を長さと等しくするとともに、各対の熱ローラ31、32の周面に、それらの全周にわたって連続する凹凸条31a、31b、32a、32bを設けた場合は、横シール部の形成予定個所にも凹凸条37等が形成されることになり、それらの凹凸条37等は、各対の熱ローラ31、32の一回転毎に不連続となる。
【0052】
一枚の包装用積層フィルム3を、それのシーラント層側からの展開平面で示す図5のように、ともに周方向に傾斜する凹凸条37等を形成した場合は、その積層フィルム3を幅中央位置Cで半折して、シーラント層が表裏で相互に対向する姿勢とし、フィルム3の遊端部分に、図6に斜線を施して示すように、表裏のシーラント層が相互にシール接合する縦シール部38を形成するとともに、フィルム3の長さ方向に間隔をおいて、半折フィルムを完全に横切る所要の横シール部39を、これも図に斜線を施して示すように形成した状態で、表裏の充填スペース区画領域の凹凸条37等は相互に逆方向に傾斜して、交差して延在することになるので、包装袋内表面の、液状被包装物による濡れに起因する意図しない密着を十分に防止することができる。
【0053】
ところで、包装用積層フィルム3へのフィルム状逆止注出ノズル7の融着接合部分を通過する縦シール部38では、その逆止注出ノズル7の対向表面にもまたシーラント層によってシール接合される。
ここでより好ましくは、この縦シール部38で、フィルム状逆止注出ノズル7の基端部内表面の、たとえばノズル外表面のシーラント層より高融点のシーラント層を相互に仮シール接合させて、逆止注出ノズル7の注出通路内への液状被包装物の意図しない流入、ひいては、その逆止注出ノズル7の注出通路の不測の永久変形を防止する。
なおここでの仮シール接合は、被包装物の注出に当って、包装袋の胴部を幾分強く押圧することで剥離する程度の接合強度を有するにすぎないので、仮シール接合が被包装物の注出に影響を及ぼすことはない。
【0054】
ところで、包装用積層フィルム3の、表裏の充填スペース区画領域に形成される凹凸条37等の相互は、回転軸線方向に間隔をおいて位置する二対の加熱ローラ31、32のそれぞれの対向周面に形成される凹凸条31a、31b、32a、32bを、二対の加熱ローラ31、32が共通の軸線上に存在すると否とにかかわらず、それらの加熱ローラ31、32の中点を通る軸線直線直交線分に対し、位置、断面形状、本数、延在方向等に関し、非対称に配置することが、包装袋内表面の意図しない密着を防ぐ上で好ましい。
そしてこのことは、包装用積層フィルム3の表裏いずれか一方の充填スペース区画領域だけに、凹凸条37等を形成するための加熱ローラ対だけを配設した場合にも同様である。
【0055】
なお、表面側および裏面側双方、または、表裏いずれかの積層フィルム3の充填スペース区画領域に凹凸条37等を形成する場合は、一枚の包装用積層フィルム3を半折するだけではなく、フィルム状逆止注出ノズル7を融着接合させた一枚の包装用積層フィルム3に対し、それとは別体になる同一積層構造の包装用積層フィルム3を連続的に繰出し走行させて、それらの両包装用積層フィルム3に、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成して包装袋を製造することもできる。
【0056】
そしてまた、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルム3に複数本の凹凸条37等を形成するときは、凹凸条37等の幅寸法、凹凸ピッチおよび延在方向の少なくとも一つを相互に相違させることが、包装袋の内表面の不測の密着を防ぐ上で好ましい。
【符号の説明】
【0057】
1 巻回ロール
2 支持軸
3 包装用積層フィルム
4 融着接合装置
5 凹凸条形成装置
6 引裂き誘導疵
7 フィルム状逆止注出ノズル
8 ノズルフィルム
9 ノズルフィルム巻回ロール
10 不要部分巻回ロール
11 マークセンサ
12 融着ローラ対
13 貼付熱ローラ
14 突起
15 加熱ローラ
16 シリンダ
17 支持軸
18 巻取り軸
19 ニップローラ
20、21 ガイドローラ
22、23 ダンサーローラ
24、25 フィルム送りローラ
31、32 加熱ローラ
31a、32a 凹条
31b、32b 凸条
33 モータ
34 駆動軸
35 歯車対
36 被動軸
37 凹凸条
38 縦シール部
39 横シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムをシール接合させてなる包装袋本体の側部から突出させて配設されて、重なり合う軟質プラスチックフィルムの相互が、液状被包装物の介在下で密着するフィルム状逆止注出ノズルを設けてなる逆止機能を具えるフレキシブル包装袋を製造するに当り、
連続的に繰出し走行される包装用積層フィルムの一方の側部で、その包装用積層フィルムのシーラント層に、フィルム状逆止注出ノズルの基端部外表面のシーラント層を、フィルム状逆止注出ノズルの、包装用積層フィルムの側縁からの突出姿勢で融着接合させた後、
包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部に、包装用積層フィルムの走行方向に、または、その走行方向に対して傾斜して延在する一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成し、
次いで、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムのシーラント層を相互に対向させた姿勢で、表裏の両面側部分のそれぞれのシーラント層に、フィルム走行方向に連続して、逆止注出ノズルの融着接合部分を通過する縦シール部と、フィルム走行方向に間隔をおいてフィルム幅方向に延びる横シール部とを順次に形成する、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項2】
相互に重なり合う二枚の平坦な積層軟質プラスチックフィルムの対向表面のシーラント層を、ノズルの基端辺となる部分を除く周縁部分で相互にシール接合させて、幅中間部分に注出通路を区画することによってフィルム状逆止注出ノズルを構成する請求項1に記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項3】
フィルム状逆止注出ノズルを一側部に融着接合させた一枚の包装用積層フィルムを、幅方向の中央部で半折した状態で、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成する請求項1もしくは2に記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項4】
フィルム状逆止注出ノズルを融着接合させた一枚の包装用積層フィルムに対し、それとは別体になる、同一積層構造の包装用積層フィルムを連続的に繰出し走行させて、それらの両包装用積層フィルムに、縦シール部および横シール部のそれぞれを順次に形成する請求項1もしくは2に記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項5】
表面側および裏面側の包装用積層フィルムの少なくとも一方の包装用積層フィルムに一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項6】
表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムに凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成するとともに、表面側フィルムの凹条もしくは凸条、または凹凸条と、裏面側フィルムの凹条もしくは凸条、または凹凸条とを、包装袋に製袋した形態で、相互に交差する方向に延在させる請求項1〜5のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項7】
包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域で、フィルム状逆止注出ノズルの融着接合側の半部以下の部分に、凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項8】
包装用積層フィルムの走行方向に、または、その走行方向に対して傾斜して延在する、一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を、相互に入り込む凹凸条を設けた一対以上の加熱ローラ間に包装用積層フィルムを通過させることこにより形成する請求項1〜7のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項9】
相互に入り込む凹凸条を設けた、二対の加熱ローラ間に、表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムを通過させて、包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域に一本以上の凹条もしくは凸条、または凹凸条を形成する請求項1〜8のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項10】
表面側および裏面側のそれぞれの包装用積層フィルムに形成される複数本の凹凸条の、幅寸法、凹凸ピッチおよび、延在方向の少なくとも一つを相互に相違させる請求項1〜9のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項11】
縦シール部で、包装袋本体の内表面に位置することとなるシーラント層と、基端部の一方の外表面を包装用積層フィルムの一側部に融着接合させたフィルム状逆止注出ノズルの他方の外表面のシーラント層とをシール接合させる請求項1〜10のいずれかに記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項12】
縦シール部で、フィルム状逆止注出ノズルの基端部内表面のそれぞれのシーラント層を、相互に仮シール接合させる請求項11に記載の、逆止機能を具えるフレキシブル包装袋の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかの製造方法の実施に用いる凹凸条形成装置であって、
一側部にフィルム状逆止注出ノズルを、側方への突出姿勢で予め融着接合されて連続的に定速走行される一枚の包装用積層フィルムの、被包装物の充填包装スペースの区画に寄与する領域の少なくとも一部を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される一対以上の加熱ローラの対向周面に相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けてなる凹凸条形成装置。
【請求項14】
一枚の包装用積層フィルムの幅方向中央部の少なくとも一方向側の部分の一部もしくは全域を厚み方向に挟持して相互に逆向きに回転駆動される一対の加熱ローラの対向周面に、相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けてなる請求項13に記載の、凹凸条形成装置。
【請求項15】
一枚の包装用積層フィルムの幅方向中央部のそれぞれの側部で、積層フィルム部分の一部もしくは全域を厚み方向に挟持して逆向きに回転駆動される各対の加熱ローラを、回転軸線方向に間隔をおいて配設し、それらの各対の加熱ローラの対向周面に相互に入り込む一本以上の凹凸条を設けてなる請求項13もしくは14に記載の、凹凸条形成装置。
【請求項16】
回転軸線方向に間隔をおいて位置する二対の加熱ローラのそれぞれの対向周面に形成される凹凸条を、二対の加熱ローラの中点を通る軸線直交線分に対して非対称に配置してなる請求項15に記載の、凹凸条形成装置。
【請求項17】
加熱ローラ対のそれぞれの周面に、一本もしくは複数本の円環状凹凸条を設けてなる請求項13〜16のいずれかに記載の、凹凸条形成装置。
【請求項18】
加熱ローラ対のそれぞれの周面に、一本もしくは複数本の螺旋状凹凸条を設けてなる請求項13〜16のいずれかに記載の、凹凸条形成装置。
【請求項19】
二対の加熱ローラ対のそれぞれの周面に、ともに同方向に螺旋状に傾いて延在する一本もしくは複数本の凹凸条を設けてなる請求項18に記載の、凹凸条形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−46039(P2011−46039A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195096(P2009−195096)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(307028493)株式会社悠心 (31)
【Fターム(参考)】