説明

透明材料用光硬化性組成物、及び、透明材料

【課題】硬化性に優れ、かつ、光照射後あるいは光照射・加熱後の黄変が少なく、優れた透明性を有する透明材料用光硬化性組成物、及び、前記透明材料用光硬化性組成物を硬化して得られる透明材料を提供すること。
【解決手段】重合性化合物と、式(1)で表される化合物とを含むことを特徴とする透明材料用光硬化性組成物、及び、前記透明材料用光硬化性組成物を硬化して得られる透明材料。式(1)中、X1〜X3はハロゲン原子を表し、Y1及びY2は水素原子、ハロゲン原子若しくは置換基を表すか、又は、Y1とY2とが互いに結合した単結合若しくは二価の連結基を表し、Z1〜Z3は置換基を表し、M-は対アニオンを表す。ただし、式(1)で表される化合物は硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光により硬化する組成物であって、光硬化後の透明性が要求される透明材料用光硬化性組成物、及び、それを硬化させて得られる透明材料に関する。
【背景技術】
【0002】
光(主に紫外線)を使った表面硬化技術は、近年、様々な分野で新しい機能を付与する技術として広がりを見せている(例えば、非特許文献1等を参照。)。
光硬化性組成物を光で重合硬化させるためには、光重合開始剤が必要である。例えば、重合性化合物が、ラジカル重合性化合物である場合は、ラジカル重合開始剤が必要になり、重合性化合物がカチオン重合性化合物である場合は、カチオン重合開始剤が必要になる。これら重合開始剤は、光照射によって分解するが、一部は分解せずに硬化後も残存する場合がある。そのため、特に硬化後の透明性が要求される場合、重合開始剤自身が透明性を損なわないものであること、さらに重合開始剤が光分解した後の分解物が透明性を損なわないことが強く要求されている。
さらに、光照射後加熱する工程が必要な場合がある。このような場合では、加熱工程において、重合開始剤自身や重合開始剤の光分解物が熱により着色(ステイン)が生じないものが要求される。
これまで、例えば、ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイン、アシルポスフィンオキサイド、オキシムエステル、カチオン重合開始剤としては、オニウム塩化合物が知られている。
また、例えば、長波長化して効率良く光を吸収し、感度を向上させたスルホニウム塩が報告されている(特許文献1〜3を参照。)。
また、光重合開始剤の分子構造中に、窒素、リン原子を含み長波長領域に活性を有する光ラジカル重合開始剤や分子内にヨウ素原子を含む光カチオン重合開始剤を用いた場合、硬化後の着色を生じさせやすいことが知られている(非特許文献2を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−186071号公報
【特許文献2】特開2005−187799号公報
【特許文献3】特開2005−263796号公報
【非特許文献1】光硬化技術実用ガイド −UV/EB硬化技術の応用展開−、市村國宏,角岡正弘 監修、テクノネック社、2002年発行
【非特許文献2】日本接着学会誌、Vol.43、No.2、30(2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、硬化性に優れ、かつ、光照射後あるいは光照射・加熱後の黄変が少なく、優れた透明性を有する透明材料用光硬化性組成物、及び、前記透明材料用光硬化性組成物を硬化して得られる透明材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、下記に記載の<1>又は<6>により達成された。好ましい実施態様である<2>〜<5>とともに以下に記す。
<1> 重合性化合物と、下記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物とを含むことを特徴とする透明材料用光硬化性組成物、
【0006】
【化1】

(式(1)中、X1〜X3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、Y1及びY2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基若しくはアリールオキシカルボニル基を表すか、又は、Y1とY2とが互いに結合した単結合若しくは二価の連結基を表し、Z1〜Z3はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、n1及びm1はそれぞれ独立に、0〜5の整数を表し、(n1+m1)は0〜5の整数であり、n2及びm2はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、(n2+m2)は0〜4の整数であり、n3及びm3はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、(n3+m3)は0〜4の整数であり、M-は対アニオンを表す。ただし、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有するものとする。)
<2> 重合性化合物がラジカル重合性化合物を含む上記<1>に記載の透明材料用光硬化性組成物、
<3> 重合性化合物がカチオン重合性化合物を含む上記<1>又は<2>に記載の透明材料用光硬化性組成物、
<4> 半導体用封止剤である上記<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の透明材料用光硬化性組成物、
<5> 光デスク用接着剤である上記<1>乃至<3>のいずれか1つに記載の透明材料用光硬化性組成物、
<6> 上記<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の透明材料用光硬化性組成物を硬化させて得られる透明材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、硬化性に優れ、かつ、光照射後あるいは光照射・加熱後の黄変が少なく、優れた透明性を有する透明材料用光硬化性組成物、及び、前記透明材料用光硬化性組成物を硬化して得られる透明材料を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(透明材料用光硬化性組成物)
本発明の透明材料用光硬化性組成物(以下、単に「光硬化性組成物」ともいう。)は、重合性化合物と、下記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物(以下、単に「式(1)で表される化合物」ともいう。)とを含むことを特徴とする。
本発明の透明材料用光硬化性組成物は、光として活性放射線により硬化可能であり、透明材料として好適に用いることができる。
本発明で言う「活性放射線」とは、その照射により光硬化性組成物中において重合開始種を発生させうるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。したがって、本発明の光硬化性組成物としては、活性放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能な光硬化性組成物が好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物は、例えば、光デスクの製造において、2枚の基盤を光硬化性の接着剤で張り合わせた後、光を照射して光硬化させる際に用いられる光デスク用接着剤や、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)等の半導体の製造において、半導体を保護するため、ガラス又は金属からなる蓋を被せ、その周辺を接着剤(封止剤)で封止する際に用いられる半導体用封止剤、及び、光硬化により得られた眼鏡レンズ等の製造におけるレンズ用光硬化性組成物としても有用である。
これらの中でも、本発明の光硬化性組成物は、半導体用封止剤、又は、光デスク用接着剤として特に好適に使用することができる。
【0009】
【化2】

(式(1)中、X1〜X3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、Y1及びY2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基若しくはアリールオキシカルボニル基を表すか、又は、Y1とY2とが互いに結合した単結合若しくは二価の連結基を表し、Z1〜Z3はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、n1及びm1はそれぞれ独立に、0〜5の整数を表し、(n1+m1)は0〜5の整数であり、n2及びm2はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、(n2+m2)は0〜4の整数であり、n3及びm3はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、(n3+m3)は0〜4の整数であり、M-は対アニオンを表す。ただし、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有するものとする。)
【0010】
式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、活性放射線によりラジカル重合開始種、カチオン重合開始種を発生させることが可能であり、ラジカル重合開始剤及び/又はカチオン重合開始剤として好適に用いることができる。
式(1)で表されるスルホニウム塩化合物を使用することにより、本発明の光硬化性組成物は、硬化性に優れ、かつ、光照射後あるいは光照射・加熱後の黄変が少ない。また、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物自体、及び、その分解物により、透明性が損なわれないため、本発明の光硬化性組成物、及び、本発明の光硬化性組成物を硬化させて得られる透明材料は、透明性に優れる。
【0011】
前記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有する。ハロゲン原子は、3つのベンゼン環のいずれに有していてもよく、例えば、2つのベンゼン環に1つずつハロゲン原子を有していても、1つのベンゼン環に2つハロゲン原子を有し、他の2つのベンゼン環にはハロゲン原子を有していなくともよい。
また、前記ハロゲン原子は、硫黄原子に結合するベンゼン環上の硫黄原子に対してパラ位(p位)の位置に有することが好ましい。
前記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計3以上のハロゲン原子を有することが好ましく、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計3〜9個のハロゲン原子を有することがより好ましい。
また、前記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、硫黄原子に結合する3つの各ベンゼン環上にそれぞれ1個以上ハロゲン原子を有することが好ましく、硫黄原子に結合する3つの各ベンゼン環上に硫黄原子に対して、オルト位(o位)又はパラ位(p位)の位置に少なくともハロゲン原子を有することがより好ましい。
【0012】
式(1)におけるX1〜X3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、ヨウ素原子を表す。その中でも、フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子が好ましく挙げられ、フッ素原子、又は、塩素原子がより好ましく挙げられる。
【0013】
式(1)におけるY1及びY2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、若しくは、ヨウ素原子)、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基若しくはアリールオキシカルボニル基を表すか、又は、Y1とY2とが互いに結合した単結合若しくは二価の連結基を表す。
前記Y1及びY2におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は、臭素原子が好ましく、フッ素原子、又は、塩素原子がより好ましい。
前記Y1とY2とが互いに結合した二価の連結基としては、酸素原子(−O−)、イオウ原子(−S−)、窒素原子(>NR)、炭素原子(>CRR’)、又は、これらを2以上結合した基であることが好ましく、−O−、−S−、>NR、又は、>CRR’であることがより好ましく、−O−、−S−、又は、>NRであることがさらに好ましい。
前記R及びR’はそれぞれ独立に、一価の有機基を表し、アルキル基、アリール基、アラルキル基であることが好ましく、炭素数1〜12の置換、無置換のアルキル基であることがより好ましい。また、前記アルキル基は直鎖であっても、分岐を有していてもよい。前記アルキル基における置換基としては、ハロゲン原子で置換されたものが好ましい。
【0014】
式(1)におけるY1及びY2が、Y1とY2とが互いに結合した単結合若しくは二価の連結基である場合、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物として、具体的には、下記の式(2)〜式(5)で表されるスルホニウム塩化合物を好ましく例示できる。
【0015】
【化3】

【0016】
式(2)〜式(5)中、X1〜X3、Y1、Y2、Z1〜Z3、n1〜n3、及び、m1〜m3は、式(1)におけるX1〜X3、Y1、Y2、Z1〜Z3、n1〜n3、及び、m1〜m3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、式(5)におけるRは、炭素数1〜12の置換、無置換のアルキル基を表す。また、前記アルキル基は直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
また、式(2)〜式(5)で表されるスルホニウム塩化合物はそれぞれ、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有する。
【0017】
式(1)におけるZ1〜Z3はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表す。
前記Z1〜Z3におけるアルキル基としては、炭素数1〜12の置換、無置換のアルキル基であることが好ましい。また、アルキル基は直鎖であっても、分岐を有していてもよい。前記アルキル基における置換基としては、ハロゲン原子で置換されたものが好ましい。置換アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等が挙げられる。
前記Z1〜Z3におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜12の置換、無置換のアルコキシ基であることが好ましい。また、アルコキシ基のアルキル部分は直鎖であっても、分岐を有していてもよい。前記アルコキシ基における置換基としては、ハロゲン原子で置換されたものが好ましい。置換アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
前記Z1〜Z3におけるアルコキシカルボニル基としては、炭素数1〜11の置換、無置換のアルコキシカルボニル基であることが好ましい。また、アルコキシカルボニル基のアルキル部分は直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
前記Z1〜Z3におけるアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜18の置換、無置換のアリールオキシカルボニル基であることが好ましい。
【0018】
式(1)におけるX1の置換数n1は、0〜5の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
式(1)におけるX2の置換数n2は、0〜4の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
式(1)におけるX3の置換数n3は、0〜4の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
【0019】
式(1)におけるZ1の置換数m1は、0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(1)におけるZ2の置換数m2は、0〜4の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(1)におけるZ3の置換数m3は、0〜4の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
【0020】
n1とm1との和である(n1+m1)は、0〜5の整数であり、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
n2とm2との和である(n2+m2)は、0〜4の整数であり、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
n3とm3との和である(n3+m3)は、0〜5の整数であり、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
また、m1とm2とm3の和である(m1+m2+m3)は、0〜3の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。
また、式(6)で表されるスルホニウム塩化合物は、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有する。
【0021】
式(1)におけるM-は、対アニオンを表す。
具体的には、PF6-、BF4-、ClO4-、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等が挙げられる。
また、前記対アニオンとしては、非求核性アニオンが好ましい。
非求核性アニオンとしては、PF6-、BF4-、ClO4-、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、又は、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンが好ましく、アルキル基の水素原子がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、又は、アルキル基の水素原子がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンが特に好ましい。
【0022】
前記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、前記式(2)〜式(5)で表される化合物、又は、下記式(6)で表される化合物であることが好ましい。
【0023】
【化4】

【0024】
式(6)におけるX4〜X6はそれぞれ独立に、式(1)におけるX1と同義であり、また、好ましい範囲も同様である。
式(6)におけるZ4〜Z6はそれぞれ独立に、式(1)におけるZ1と同義であり、また、好ましい範囲も同様である。
式(6)におけるn4〜n6はそれぞれ独立に、0〜5の整数を表し、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
式(6)におけるZ4〜Z6の置換数m4〜m6はそれぞれ独立に、0〜5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
n4とm4との和である(n4+m4)、n5とm5との和である(n5+m5)、及び、n6とm6との和である(n6+m6)はそれぞれ独立に、0〜5の整数であり、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
また、m4とm5とm6の和である(m4+m5+m6)は、0〜3の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることがさらに好ましい。
【0025】
前記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、式(1)で表されるスルホニウム塩は、(A)で表されるスルホニウムカチオンと(B)で表される対アニオンとの任意の組み合わせで電子的に中性になっている。
【0026】
【化5】

【0027】
【化6】

【0028】
【化7】

【0029】
【化8】

【0030】
これらの具体例の中でも、(A−1)、(A−4)、(A−5)、(A−9)及び(A−25)よりなる群から選ばれたカチオンと、(B−4)又は(B−5)のアニオンを組み合わせたスルホニウム塩化合物であることが好ましい。
【0031】
本発明において、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物以外の重合開始剤を併用することもできる。
本発明の光硬化性組成物中に含有される光重合開始剤は、前記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物のみであることが好ましい。
併用することができる重合開始剤としては、公知の重合開始剤が挙げられ、ラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤が例示できる。
式(1)で表されるスルホニウム塩化合物以外の重合開始剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
併用することができる重合開始剤としては、光学用途のため、光照射後の吸収が420nm以下のものが好ましく、400nm以下のものがより好ましい。
【0032】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルフォスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに、(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。
【0033】
カチオン重合開始剤(光酸発生剤)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654-、PF6-、AsF6-、SbF6-、CF3SO3-塩を挙げることができる。第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。第4に、鉄アレーン錯体を挙げることができる。これらのカチオン重合開始剤は、単独若しくは組み合わせて使用してもよい。
【0034】
本発明における重合開始剤は、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物単独、又は、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物とそれ以外の重合開始剤との2種以上の併用によって好適に用いられる。
これらの重合開始剤は、重合性化合物の総量100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがより好ましく、0.5〜10重量部であることがさらに好ましい。
また、本発明において、重合開始剤は、後述する増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、重合開始剤:増感剤=200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることがさらに好ましい。
【0035】
(重合性化合物)
本発明の光硬化性組成物は、重合性化合物を含有する。
重合性化合物としては、特に制限はないが、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物が例示できる。
また、硬化時の体積収縮が少ない点から、重合性化合物としてカチオン重合性化合物を用いることが好ましい。
また、式(1)で表されるスルホニウム塩化合物は、オニウム塩化合物ではあるが、ラジカル重合開始種を発生させることが可能であり、本発明の光硬化性組成物は、重合性化合物としてラジカル重合性化合物を含有することが好ましい。
【0036】
ラジカル重合性化合物は、特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができるが、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物であることが好ましい。
カチオン重合性化合物は、特に制限はなく、公知のカチオン重合性化合物を用いることができるが、エポキシ基、オキセタニル基、及び/又は、ビニルエーテル基を有する化合物であることが好ましい。
また、重合性化合物は、上記のような重合性の基を有する樹脂であってもよいことは言うまでもない。
【0037】
ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく例示できる。
本発明に用いることができるエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和結合を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
【0038】
具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
【0039】
さらに具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー社);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
【0040】
また、上記以外のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有するエポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレートが好ましく例示できる。
所望により、柔軟性、耐熱性等の特性を広範囲にわたって調整できるため、これらの化合物を上記のエチレン性不飽和結合を有する化合物と併用することがより好ましい。
さらに硬化性を向上させるために、必要に応じて、メタクリロイルモルホリン及び/又はアクリロイルモルホリンを含有することも好ましい。これら(メタ)アクリロイルモルホリンの添加量は、ラジカル重合性化合物の全重量100重量部に対し、10〜30重量部であることが好ましい。
【0041】
本発明に用いることができるカチオン重合性化合物は、光酸発生剤から発生する酸により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。
カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号公報、特開2001−31892号公報、特開2001−40068号公報、特開2001−55507号公報、特開2001−310938号公報、特開2001−310937号公報、特開2001−220526号公報などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0042】
さらに、本発明に用いることができるカチオン重合性化合物は、エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、ビニル系単量体、ビニル系プレポリマー、環状エーテル、環状エステル、及び有機ケイ素化合物等の樹脂、プレポリマーなどが例示できる。
これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましく、1個あるいは複数のグリシジル基を含有した単量体、二量体、プレポリマー又はポリマーからなるエポキシ樹脂がより好ましい。
【0043】
これらのカチオン重合性化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、硬化時の体積収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を併用することが好ましい。
【0044】
本発明の透明材料用光硬化性組成物には、必要に応じて、添加物を含有させることができる。下記の添加物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
本発明の透明材料用光硬化性組成物を、例えば、光デスク等の粘接着剤として使用する場合では、粘接着性を向上させるための粘接着性付与剤(タッキファイヤー)、粘度を調整するための粘度調整剤、チキソトロープを付与するためのチキソトロープ剤、引っ張り特性を改善するための物性調整剤、補強剤、可塑剤酸化防止剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤等が挙げられる。
本発明の透明材料用光硬化性組成物を半導体の封止用途に用いる場合では、透明性を損なわない程度に目的に応じて、無機充填剤、着色剤、カップリング剤、レベリング剤、潤滑剤を適時添加することができる。
【0045】
本発明の光硬化性組成物において、重合効率の向上のため増感剤を含有することが好ましい。
増感剤は、重合開始剤に開始種を発生させる活性放射線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的な光硬化性組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、透明性を損なわない程度に目的に応じて350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)スチリルベンゼン類、ジスチリルベンゼン類、ジフェニルブタジエン類。
【0046】
本発明の光硬化性組成物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法で製造すればよい。その中でも、本発明の光硬化性組成物に含有させる各成分を混合する際は、遮光化で行うことが好ましい。
また、本発明の光硬化性組成物を硬化させる際に使用する光としては、活性放射線であればよいが、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
本発明の光硬化性組成物を硬化させる際の方法や装置、また、照射条件や時間については、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択すればよい。
【実施例】
【0047】
以下に実施例、比較例を示すが本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
【0048】
(実施例1)
エポキシ樹脂 EP−828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製)60部、DEN−438:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル日本(株)製)40部、及び、下記表1に記載の重合開始剤(前記(A−1)と前記(B−4)とからなる化合物)1部を調合容器に入れ、周囲を遮光し、45℃に加熱しながら混合撹拌することにより均一な調合液として透明材料用光硬化性組成物を得た。
次に、貼り合わせる2枚の光デスクの双方に調合した透明材料用光硬化性組成物を塗布し、膜厚25μmの接着剤層を形成した。その後、両デスクの接着面に紫外線を1.5秒照射し4秒以内に貼り合わせた。これを遮光した雰囲気下(相対湿度50%以下、20℃)3時間放置し、評価用デスクとした。
【0049】
<デスクの透明性評価>
デスクの評価として、透明性は、接着塗布後の前記評価用デスクの外観を目視で観察した。
評価基準は、無色透明である場合を○とし、淡黄色である場合を△とし、黄変(あるいは褐色)である場合は×とした。
【0050】
<光デスクの硬化性評価>
硬化性は、2枚のデスク双方に透明材料用光硬化性組成物を塗布し、紫外線200mJ/cm2を照射した後、5秒以内で貼り合わせ、遮光雰囲気下、3分後に硬化状態を観測した。
評価基準は、硬化し、かつ、べとつきがない場合は○とし、べとつきがある場合は△とし、硬化しない場合は×とした。
【0051】
(実施例2〜5)
実施例1の重合開始剤を下記表1に記載の重合開始剤に代えた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜実施例5の透明材料用光硬化性組成物を作製した。また、実施例1と同様の硬化実験、評価を行った。
【0052】
(比較例1)
重合開始剤をUVI−6992(ダウ・ケミカル社製)に代えた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の透明材料用光硬化性組成物を作製した。また、実施例1と同様の硬化実験、評価を行った。
【0053】
【化9】

【0054】
実施例1〜5、及び、比較例1における評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
(実施例6〜10)
DEN−438:フェノールノボラック型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールAFエポキシ樹脂(ダイキン工業(株)製)を用いた以外は、実施例1〜5と同様の方法で、実施例6〜10の透明材料用光硬化性組成物をそれぞれ得た。
次に透明材料用光硬化性組成物を100μmになるようプレート上に塗布し、高圧水銀ランプ(120W/cm2)で、素描照射した後、100℃で30分加熱して封止剤のフイルムをそれぞれ得た。
このフイルムを用い、透過率を測定した。結果を表2に示す。
【0057】
<透過率の測定方法>
透過率は、紫外線照射後における透過率(波長400nm)を分光光度計により測定した。
【0058】
(比較例2)
DEN−438:フェノールノボラック型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールAFエポキシ樹脂(ダイキン工業(株)製)を用いた以外は、比較例1と同様な方法で、比較例2の光硬化性組成物を得た。また、実施例6〜10と同様な方法で、封止剤のフイルムを得た。
【0059】
【表2】

【0060】
(実施例11)
ウレタンアクリレートUN−9200A(根上工業(株)製)50部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート25部、アクリロイルモルホリン25部、下記表3に記載の重合開始剤(前記(A−1)と前記(B−4)とからなる化合物)1部を調合容器に入れ、周囲を遮光し50℃に加熱しながら混合撹拌することにより、均一な調合液として透明材料用光硬化性組成物を得た。
次に貼り合わせる2枚の光デスクの両方に調合した透明材料用光硬化性組成物を塗布し、膜厚20μmの接着層を形成した。その後、所望の光を照射し(200mJ/cm2、300mJ/cm2、400mJ/cm2)、接着した。この光デスクの外観を評価し、また、接着面を剥離して、デスク間に介在する接着剤の硬化状況を指触により評価した。評価結果を表3に示す。
なお、硬化状況の評価は、硬化した場合を○、タックが残っている場合を△、液状の場合を×とした。
【0061】
(実施例12〜15)
重合開始剤として、下記表3に記載の重合開始剤を用いた以外は、実施例11と同様の方法により、実施例12〜15の透明材料用光硬化性組成物を作製した。また、実施例11と同様に光デスクを作製し、同様に評価を行った。
【0062】
(比較例3)
重合開始剤として、ベンジルジメチルケタール(イルガキュア651、チバガイギー社製)2部を用いた以外は、実施例11と同様の方法により、比較例3の透明材料用光硬化性組成物を作製した。また、実施例11と同様に光デスクを作製し、同様に評価を行った。
【0063】
(比較例4)
重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ルシリンTPO、BASF社製)1部に代えた以外は、実施例11と同様の方法により、比較例4の透明材料用光硬化性組成物を作製した。また、実施例11と同様に光デスクを作製し、同様に評価を行った。
【0064】
【表3】

【0065】
本発明の透明材料用光硬化性組成物によれば、硬化性に優れるのみならず、光照射後、加熱後の黄変が少なく、優れた透明性を有する光学材料を提供することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性化合物と、
下記式(1)で表されるスルホニウム塩化合物とを含むことを特徴とする
透明材料用光硬化性組成物。
【化1】

(式(1)中、X1〜X3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子を表し、Y1及びY2は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基若しくはアリールオキシカルボニル基を表すか、又は、Y1とY2とが互いに結合した単結合若しくは二価の連結基を表し、Z1〜Z3はそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表し、n1及びm1はそれぞれ独立に、0〜5の整数を表し、(n1+m1)は0〜5の整数であり、n2及びm2はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、(n2+m2)は0〜4の整数であり、n3及びm3はそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、(n3+m3)は0〜4の整数であり、M-は対アニオンを表す。ただし、式(1)で表される化合物は、硫黄原子に結合する3つのベンゼン環上に合計2個以上のハロゲン原子を有するものとする。)
【請求項2】
重合性化合物がラジカル重合性化合物を含む請求項1に記載の透明材料用光硬化性組成物。
【請求項3】
重合性化合物がカチオン重合性化合物を含む請求項1又は2に記載の透明材料用光硬化性組成物。
【請求項4】
半導体用封止剤である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透明材料用光硬化性組成物。
【請求項5】
光デスク用接着剤である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透明材料用光硬化性組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の透明材料用光硬化性組成物を硬化させて得られる透明材料。

【公開番号】特開2009−167263(P2009−167263A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−5289(P2008−5289)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】