説明

透明積層体での使用に適した熱可塑性樹脂組成物

本発明は、エチレンから誘導される単位、約20重量%〜約30重量%の、3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和カルボン酸から誘導される単位、および場合によっては、有効量のヒンダードアミン光安定剤、UV線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤を含む改良された高分子樹脂組成物である。本発明の樹脂は、非積層グレージング要素より高い安全性を提供するグレージング要素として有用な透明積層体を調製するのに特に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明積層物品に関する。さらに詳細には、本発明は、透明積層物品における中間体層としての使用に適した樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス積層品は、ほぼ1世紀の間、社会に寄与してきた。フロントガラスで使用されている周知の通常の自動車安全ガラスのほかに、ガラス積層体は、輸送産業の大多数の形態で使用されている。これらは、列車、飛行機、船舶、および輸送のほとんどすべての他の形態の窓ガラスとして利用されている。安全ガラスは、高衝撃・貫通抵抗性を特徴とし、粉砕されたとき、ガラスの小片および破片を飛散しない。ガラス積層体は、建築用途でも広範囲に使用されている。
【0003】
安全ガラスは、通常は2枚のガラスシートまたはパネルが、その2枚のガラスシートの間に配置された高分子フィルムまたはシートの中間層で接合されているサンドイッチ構造からなる。このガラスシートの1枚または2枚の代わりに、光透過性の硬質高分子シート、具体的には例えばポリカーボネート材料のシートを用いてもよい。安全ガラスは、ガラスおよび/または高分子シートが、高分子フィルムまたはシートの中間層で接合されている多層を含むようにさらに進化されている。
【0004】
さらに最近の傾向では、ガラス積層品が家庭用およびオフィス用構造体の建設業で使用されている。建築用ガラスの使用は、設計者がより多くのガラス表面を建物に組み入れるにつれて、何年にもわたって急速に拡大してきた。脅威耐性は、建築用ガラス積層品の要件として絶えず高まっている。より新しい製品は、天災と人災とに耐えられるように設計されている。これらのより新しい製品としては、例えばハリケーンの影響を受けやすい地域で現在義務付けられているハリケーン耐性ガラスの最新の開発品、盗難防止性グレージング、および建物およびその占有者を保護するように設計されたより最新の爆発耐性ガラス積層品が挙げられる。これらの製品は、ガラス積層体が破壊された後でさえ侵入に抵抗するのに十分な強度を有する。例えば、より新しい製品は、ガラス積層体がハリケーンで生じるような強力な風および飛行破片の衝撃に曝されたとき、あるいは車両または構造体に押し入ろうとする犯罪者によって窓に衝撃が繰り返されている場合に、その完全性を維持するように設計されている。
【0005】
さらに、ガラス積層品は現在、建物内の構造要素として組み入れるための強度要件に到達している。この一例は、現在多くの建物で特徴となっているガラス階段である。
【0006】
中間層は、通常は靭性を示し、ひび割れまたは衝突の場合にガラスに接着する比較的厚いポリマーフィルムまたはシートで作製されている。何年にもわたって、積層品を生成するための多種多様な高分子中間層が開発されている。一般に、これらの高分子中間層は、様々な特性の中でもとりわけ、許容できるレベルの光学的透明度(ヘイズ4%未満)、耐衝撃性、貫通抵抗性、耐紫外線性、長期熱安定性、ガラスおよび/または他の硬質高分子シートへの接着性、紫外線透過率、吸湿性、耐湿性、長期耐候性を有することが望ましい。広く使用されている中間層材料としては、ポリビニルブチラール(PVB);ポリウレタン(PU);ポリ塩化ビニル(PVC);メタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン;エチレン酢酸ビニル(EVA);エチレン酸コポリマーアイオノマー;高分子脂肪酸ポリアミド;ポリエステル樹脂、具体的にはポリ(エチレンテレフタラート);シリコーンエラストマー;エポキシ樹脂;エラストマーのポリカルボナートなどのようなポリマーを含む複雑な多成分組成物が挙げられる。酸コポリマーは、透明積層体を作製するために使用されることがより広まっている。
【0007】
米国特許第3,344,014号明細書は、エチレンコポリマーアイオノマー中間層を用いた積層ガラス製品を開示する。米国特許第3,404,134号明細書は、カルボン酸を含有するある種のコポリマーをイオン架橋するプロセスを開示する。米国特許第4,663,228号明細書および米国特許第4,668,574号明細書はそれぞれ、エチレンおよびメタクリル酸モノマーから調製されたアイオノマー樹脂の金属塩を含む水不溶性アイオノマー樹脂フィルムを含む透明積層品を開示する。米国特許第5,344,513号明細書は、エチレンコポリマーアイオノマー中間層を含む積層透明基板を製造する方法を開示する。米国特許第5,759,698号明細書は、有機過酸化物およびシランカップリング剤とを用いて熱硬化されたエチレン−メタクリル酸コポリマーと金属イオンとのアイオノマー樹脂を含む中間層を含む積層ガラスを開示する。米国特許第5,763,062号明細書は、カルボン酸含有量が約17〜40重量パーセントである押出アイオノマー樹脂フィルムまたはシートを含む透明物品であって、前記アイオノマー樹脂が本質的にアミン類を含まない透明物品を開示する。米国特許第5,895,721号明細書および米国特許第6,238,801号明細書はそれぞれ、金属キレートの使用により接着性が改良されたアイオノマー樹脂の透明層を含むグレージングを開示する。米国特許第6,150,028号明細書は、アイオノマー樹脂中間層および日照調整特性を有するガラスを含むガラス積層体を開示する。米国特許第6,187,845号明細書は、ガラス積層体用の接着剤で使用するための赤色シフトベンゾトリアゾールUV吸収剤を開示する。米国特許第6,191,199号明細書は、ガラス積層体用の接着剤で使用するためのヒドロキシフェニル−s−トリアジンUV吸収剤を開示する。米国特許第6,268,415号明細書は、いくつかのベンゾトリアゾールUV吸収剤を含有する安定化された接着剤組成物を開示する。米国特許第6,432,522号明細書は、15〜17重量パーセントのメタクリル酸を組み入れ、ナトリウムで部分中和されたエチレンメタクリル酸コポリマーを含む中間層を含む光透過性のグレージングを開示する。米国特許出願公開第2002/0155302号明細書は、アルカリカチオンで部分中和された13〜21重量パーセントのメタクリル酸またはアクリル酸モノマーを含むオレフィンのコポリマーを含む中間層を含む透明積層物品を調製する方法を開示する。米国特許出願公開第2003/0044579号明細書は、アルカリカチオンで部分中和された13〜22重量パーセントのメタクリル酸またはアクリル酸モノマーを含むオレフィンのコポリマーを含む中間層を含む透明積層物品を調製する方法を開示する。
【0008】
国際公開第99/58334号パンフレットは、エチレンおよび約14〜24重量パーセントのメタクリル酸またはアクリル酸を含有し、その酸の約10〜80%が金属イオンで中和されているポリマーを含む透明積層体を開示する。国際公開第00/64670号パンフレットは、エチレンおよび約14〜24重量パーセントのメタクリル酸またはアクリル酸を含有し、その酸の約10〜80%が金属イオンで中和されているポリマーを含む透明積層体を開示する。国際公開第01/60604号パンフレットは、1層のアイオノマー樹脂と1層のポリマー材料の間で接合されている赤外反射フィルムを含む積層グレージングを開示する。国際公開第2004/011755号パンフレットは、エチレンおよび約14〜28重量パーセントのメタクリル酸またはアクリル酸を含有し、その酸の約20〜60%が金属イオンで中和されているポリマーを含む透明積層体を開示する。
【0009】
コポリエチレンアイオノマー中間層を組み入れる積層ガラス製品は、社会が求める増加の一途をたどる要求の多くに応じてきたが、これらの要求には、なおいっそうの開発が必要である。ガラス積層体が市場で要求されている寿命の延長によって、中間層を形成するポリマー材料およびガラス積層体それ自体の熱および光安定性に対する要求が絶えず高まっている。
【0010】
これらのコポリエチレンアイオノマー中間層の別の改良分野は、積層体中のガラスまたは硬質材料に対する接着性の向上であろう。
【0011】
従来の教示内容から、酸コポリマー中間層における接着性を高める一方式は、コポリマー樹脂の酸含有量を増大させることであることが示唆されている。しかし、この手法には複数の問題がある。1つの問題は、酸含有量が20重量%を超える高酸樹脂は市販されていないことである。また、酸含有量が高いある種のコポリマー樹脂には、自己接着傾向の増加が見られることが知られている。これによって、自己接着による製品損失を回避するために措置を取らなければならないので、高酸樹脂の製造および加工を困難または少なくともコスト高にする可能性がある。例えば、高酸樹脂を冷蔵容器で貯蔵することが、代わりにまたはスリップ剤もしくはブロッキング防止添加剤の使用と共に、望ましいことがある。
【0012】
市販されているものより酸含有量が高い樹脂を使用する別の問題は、接着性が増大するにつれて、積層体の衝撃靭性が低下し得ることがよく知られていることである。したがって、接着性は今まで、衝撃性能が許容できるレベルに制御されている。すなわち、積層体において接着性と衝撃靭性とのバランスをとって、商業的に実現可能な製品が得られている。一般に、これは、いくつかの中間層材料で接着制御添加剤を使用し、または酸コポリマーにおける中和レベルを増大させることによって実施されている。酸コポリマーアイオノマーにおける中和レベルを操作することによって、他の特性の変化を引き起こすこともある。したがって、従来の方式で接着性の増大の要求に対処することは、中間層材料の酸含有量を増大させたときに積層体の衝撃靭性の低下が予想され、他の変化が生じる可能性があるため、容易ではない。
【0013】
さらに、従来のポリマー中間層の靭性を、現在の市販の樹脂の靭性より改良することがより望ましくなる。当業者によって容易に認識されるように、透明積層体用の中間層を調製する際に使用する樹脂固有の特性の改変は、樹脂およびそれから生成された中間層の他の特性に影響を及ぼすことがある。この事実、酸レベル、中和レベル、または他の固有の特性への変化を認識することは、簡単ではない。
【0014】
しかし、透明積層物品として有用である、望ましい光学的透明度を有する積層体を提供するために、市販の酸コポリマー樹脂を急冷する必要があることは、はるかに難しい問題である。従来の酸コポリマーアイオノプラスト樹脂を含む積層体に推奨される冷却速度は、少なくとも5°F/分(2.78℃/分)以上である。言い換えれば、例として、従来の条件および中間層材料として従来のアイオノプラスト樹脂を用いて調製された積層体は、オートクレーブ温度を275°F(135℃)から104°F(40℃)の温度に約35分間未満で冷却することが推奨される。しかし、製造プロセスは、通常は決して理想的な条件下では行われないので、これは実施する上で単純なプロセス条件ではない。これは問題となり得る。というのは、従来のアイオノプラスト中間層を含む積層体は、冷却速度を下げるにつれてヘイズが上昇する傾向を示すからである。設備および加工条件の違いは、同じ施設で行われた場合でさえ製品の品質にばらつきをもたらすことがある。アイオノプラスト中間層の光学的透明度の冷却速度に対する感受性は、透明積層体の製造において問題となり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
硬質基板への接着性、具体的にはガラスへの接着性の増大を目的として改良された樹脂組成物を得ることが望ましいことがある。少なくとも同じ、または好ましくは改良された耐衝撃性および靭性を有する積層体を提供するような樹脂を得ることがはるかに望ましいことがある。さらに、樹脂から生成された中間層シートが従来の中間層に比べて改良された靭性を有するような樹脂を調製することが望ましいことがある。さらに、積層体が、これらの特性すべてを有し、光学的透明度が一要件である用途のために設計されている場合に良好な光学的透明度を提供することが望ましいことがある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一態様では、本発明は、エチレン酸コポリマー、および場合によっては有効量の少なくとも1つの添加剤を含み、または本質的にそれらからなるアイオノプラスト樹脂組成物であり、(i)エチレン酸コポリマーが、エチレンから誘導される残基、および約20重量%〜約30重量%の、3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和酸からなる群から選択されるカルボン酸から誘導される残基を含み、または本質的にそれらからなり、ただしカルボン酸残基の約10%〜約90%が中和されており、(ii)エチレン酸コポリマーのメルトインデックスが、中和前に約60g/10分以下であり、(iii)少なくとも1つの添加剤が、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される。
【0017】
別の態様では、本発明は、本発明の樹脂組成物を含む成形品である。
【0018】
別の態様では、本発明は、本発明の樹脂組成物を含む少なくとも1層を含む多層フィルムまたはシートである。
【0019】
さらに別の態様では、本発明は、本発明の樹脂組成物から得られた透明中間層である。
【0020】
さらに他の態様では、本発明は、本発明の少なくとも1つの透明中間層を含む積層物品である。
【0021】
さらに別の態様では、本発明は、ヘイズが約3%以下である透明積層物品を調製する方法であって、(a)約175℃〜約250℃の温度で、本発明の中間層シートを押出す工程と、(b)(1)中間層および少なくとも1つの他の積層体層を準備して、プレ積層体アセンブリを形成し、(2)プレ積層体アセンブリを少なくとも約120℃の温度に加熱し、アセンブリをある一定時間加圧または減圧し、(3)積層体を冷却して、透明積層体を得ることによって中間層から積層体を作製する工程とを含む方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
下記の定義は、特定の場合に別段の限定がない限り、本明細書全体で使用される用語に適用される。
【0023】
本明細書では、用語「(メタ)アクリル酸の」の単独または組合せの形、具体的には「(メタ)アクリレート」は、アクリル酸のおよび/またはメタクリル酸の、例えばアクリル酸および/またはメタクリル酸、またはアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートを意味する。
【0024】
本明細書では、用語「約」は、量、サイズ、処方、パラメータ、ならびに他の量および特性が、正確でなく、かつ正確である必要はないが、許容差、換算係数、丸め、測定誤差など、ならびに当業者に知られている他の因子を反映して、必要に応じて近似的、および/または所望より大きくかもしくは小さいことがあることを意味する。一般に、量、サイズ、処方、パラメータ、または他の量もしくは特性は、そうであることが明確に述べられているか否かを問わず、「約」または「およそ」である。
【0025】
用語「または」は、本明細書で単独で使用する場合、包括的であり、より具体的には、語句「AまたはB」は、「A、B、またはAとBの両方」を意味する。本明細書では、排他的「または」は、例えば「AまたはB」および「AまたはBの一方」のような用語で示される。
【0026】
本明細書に記載される百分率、部、比などはすべて、特定の場合に別段の限定がない限り、重量による。
【0027】
さらに、本明細書に記載される範囲は、別段の記載が明確にない限り、その端点を含む。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、範囲、1つもしくは複数の好ましい範囲、または上方の好ましい値および下方の好ましい値のリストとして記載されている場合、これは、任意の上方範囲限界または好ましい値と任意の下方範囲限界または好ましい値の任意の対が別々に開示されているかどうかに関わらず、このような対で構成されているすべての範囲を具体的に開示するものと理解されるべきである。
【0028】
一実施形態では、本発明は、特に透明積層体の製造で使用するのに適した、改良されたアイオノプラスト樹脂組成物である。本発明のアイオノプラスト樹脂組成物は、エチレン酸コポリマー、および場合によっては有効量の少なくとも1つの添加剤を含み、または本質的にそれらからなり、(i)エチレン酸コポリマーが、エチレンから誘導される単位、および約20重量%〜約30重量%の3個〜8個の、炭素を有するα,β−不飽和カルボン酸から誘導される単位を含み、または本質的にそれらからなり、(ii)少なくとも1つの添加剤が、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される。好ましくは、エチレン酸コポリマーは、エチレンから誘導される単位、および約20.5重量%〜約30重量%の3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和カルボン酸から誘導される単位を含み、または本質的にそれらからなる。より好ましくは、エチレン酸コポリマーは、エチレンから誘導される単位、および約21重量%〜約25重量%の3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和カルボン酸から誘導される単位を含み、または本質的にそれらからなる。さらにより好ましくは、エチレン酸コポリマーは、エチレンから誘導される単位、および約21重量%〜約23重量%の3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和カルボン酸から誘導される単位を含み、または本質的にそれらからなる。
【0029】
本願では、本発明のコポリマーにおける最終酸レベルの制御は正確ではなく、したがって最終生成物における酸の範囲は、本発明の所期の範囲から逸脱することなく、開示された範囲の約±1重量%以内で変わり得ることを理解されたい。性能特性、製造能力、または望ましいプロセスパラメータに応じて、様々な酸レベルが好ましいことがある。例えば、約20重量%(すなわち、20±1重量%)の酸レベルが好ましい場合もあれば、約20.5±1重量%、約21±1重量%、または約22±1重量%の酸レベルが好ましい場合もあり得る。
【0030】
残基を本発明のエチレン酸コポリマーに含むことができる適切なカルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のエチレン酸コポリマーは、さらに他の不飽和コモノマーの残基を場合によっては含むことができる。このような不飽和コモノマーは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ウンデシルアクリレート、ウンデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ベヘニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ベヘニルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)4−ノニルフェニルエーテルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルメタクリレート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジメンチルフマレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。アクリル酸およびメタクリル酸は、好ましい酸コモノマーである。本発明のエチレン酸コポリマーを、例えば米国特許第3,404,134号明細書;同第5,028,674号明細書;同第6,500,888号明細書、および同第6,518,365号明細書に開示されるように重合することができる。
【0031】
本発明のエチレン酸コポリマーは、少なくとも部分中和され、金属イオンを含む部分塩として存在する。金属イオンは、1価、2価、3価、多価、または同じもしくは異なる原子価を有するイオンの混合物とすることができる。1価の金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、銀、水銀、銅、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。2価の金属イオンとしては、例えばベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、カドミウム、水銀、スズ、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。3価の金属イオンとしては、例えばアルミニウム、スカンジウム、鉄、イットリウム、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。多価の金属イオンとしては、例えばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、タングステン、クロム、セリウム、鉄、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
本発明のエチレン酸コポリマーは、約10%〜約90%のカルボン酸基が中和されている。好ましくは、本発明のエチレン酸コポリマーは、約15%〜約45%、より好ましくは約20%〜約35%中和されている。さらにより好ましくは、コポリマーは、約25%〜約35%中和されている。本発明のエチレン酸コポリマーを、例えば米国特許第3,404,134号明細書に開示されるように中和することができる。
【0033】
本発明のアイオノプラスト樹脂組成物は、本発明の積層体を調製するために使用される場合、本明細書に記載する中間層においてより高い酸含有量を含む積層体に予期されたはずのものに比べて改良された靭性を示す。特定の理論に拘泥するものではないが、本発明において改良された靭性は、中和する前に、メルトインデックス(MI)がより低いエチレン酸コポリマーベース樹脂を調製することによって得られると考えられる。本発明のベース樹脂は、190℃で求めたMIが好ましくは60グラム/10分未満、より好ましくは55グラム/10分未満である。さらにより好ましくは、MIは50グラム/10分未満である。さらにより好ましくは、MIは35グラム/10分未満である。中和した後、MIは、2.5グラム/10分未満、おそらく1.5g/10分未満とすることができる。
【0034】
本発明の組成物は、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される1つまたは複数の添加剤も含む。当技術分野内で知られているかまたは現在は知られていないHALSをどれでも、本発明で利用することができる。一般に、HALSは、一般にアミン官能基に隣接する炭素原子上の脂肪族置換に起因する立体障害をさらに組み入れた、第二級、第三級、アセチル化、N−ヒドロカルビルオキシ置換、ヒドロキシ置換、N−ヒドロカルビルオキシ置換、または他の置換環式アミンであると開示されている。本発明の組成物に含むことができるHALSとしては、例えば1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルイミノ]]、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)セバケート、N,N’−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−s−トリアジンの縮合生成物、
【0035】
トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス−(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)セバケート、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−4,6−ビス{N−[1−(シクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルを末端とするN−{[2−(N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー、N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチル−アミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、およびN,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン;N,N’,N”−トリス{2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N”’−トリス{2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、N,N’,N”,N”’−テトラキス{2,4−ビス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ブチルマロネート、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3−オキソピペラジン−4−イル)エタン、2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ[5.1.11.2]ヘンエイコサン、2,4−ジクロロ−6−tert−オクチルアミノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の重縮合生成物、
【0036】
1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の重縮合生成物、4,4’−ヘキサメチレンビス−(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と1,2−ジブロモエタンの重縮合生成物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)の重縮合生成物、N,N’,N”,N”’−テトラキス[(4,6−ビス(ブチル−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−アミノ−s−トリアジン−2−イル]−1,10−ジアミノ−4,7−ジアザデカン、2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジンと4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン)の重縮合生成物、混合[2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]−ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、混合[1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)ジエチル]1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、オクタメチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−カルボキシレート)、4,4’−エチレンビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−3−オン)、N−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、N−1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−n−ドデシルスクシンイミド、1−アセチル3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシ−ピペリジン、
【0037】
ポリ{[6−tert−オクチルアミノ−s−トリアジン−2,4−ジイル][2−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ−ヘキサメチレン−[4−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)イミノ]、2,4,6−トリス[N−(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−n−ブチルアミノ]−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−4,6−ビス{N−[1−(シクロヘキシルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−ブチルアミノ−s−トリアジン、2,4−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジン−6−イルを末端とするN−{2−[(1−プロポキシ−2,2,6,6テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジン−4−イル}−N,N’−ビス(1−プロポキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−1,6−ヘキサンジアミンのオリゴマー、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオクタデカノエート、3−ドデシル−1−(1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(2,2,6,6−テトラメチルピペラジン−3−オン−4−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、ポリ[メチル3−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオキシ)プロピル]シロキサン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルオクタデカノエート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]セバケート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートとビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペートの混合物、
【0038】
1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]アジペート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]スクシネート、ビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]グルタレートとビス[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル]スクシネートの混合物、1−(4−オクタデカノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−イルオキシ)−2−オクタデカノイルオキシ−2−メチルプロパン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[9−(メトキシ−カルボニル)ノナノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[5−(メトキシ−カルボニル)ペンタノイルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[3−(メトキシ−カルボニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−[4−(メトキシ−カルボニル)ブチリルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)−マロネート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)−エタンの縮合物、
【0039】
2−クロロ−4,6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンの縮合物、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの縮合物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[136504−96−6])、1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンならびにN,N−ジブチルアミンおよび4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの縮合物(CAS登録番号[192268−64−7])、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ−[4,5]デカンとエピクロロヒドリンの反応生成物、1,1−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N,N’−ビス−ホルミル−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシメチレンマロン酸の1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンのジエステル、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンの反応生成物、1,2−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エタン、1,3,5−トリス{N−シクロヘキシル−N−[2−(3,3,5,5−テトラメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、1,3,5−トリス(N−シクロヘキシル−N−[2−(3,3,4,5,5−ペンタメチルピペラジン−2−オン−1−イル)エチル]アミノ}−s−トリアジン、
【0040】
2〜4当量の2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチル−アミノ]−6−クロロ−s−トリアジンと1当量のN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンの反応、4−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、および4−オクタデシルオキシ−1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、約0.01重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5.0重量%のHALSを含むことができる。より好ましくは、本発明の組成物は、約0.01重量%〜約1.0重量%のHALSを含む。最も好ましくは、本発明の組成物は、約0.01重量%〜約0.5重量%のHALSを含む。
【0041】
当技術分野内で知られているかまたはまだ知られていないUV光吸収剤はいずれも、本発明で有用であり得る。ベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒドロキシフェニルトリアジン、置換および非置換安息香酸のエステルを含むUV吸収剤の一般の種類は、本発明のUV光安定剤の定義の範囲内である。本組成物に含むことができるUV吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシル−オキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
【0042】
2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシ−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコールのエステル交換生成物、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−ジメチルベンジル)−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−5’−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(α,α−ジメチルベンジル)−5−tert−オクチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−、2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−3’−tert−ブチル−5’−メチル−2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、3’−tert−ブチル−5’−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル−2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、3’−tert−ブチル−5’−(2−オクチルオキシカルボニル)エチル−2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、ドデシル化−5’−メチル2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
【0043】
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−{2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−[2−(ω−ヒドロキシ−オクタ(エチレンオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、2−{2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−[2−(オクチルオキシ)カルボニル)エチル]フェニル}−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス[6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール]、メチレン−2−[4−tert−オクチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール]−2−イル)フェノール]−2’−[4−tert−オクチル−6−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸、
【0044】
メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、イソオクチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−アクリロイロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−アクリリルアミノプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(3−メタクリリルアミノプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−ノニルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−(3−ヒドロキシプロピル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−[2−ヒドロキシ−5−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、
【0045】
5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−2−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミル−フェニル]−s−トリアジン)(*はオクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシ基の混合物を意味する)、メチレンビス−{2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル]−s−トリアジン}、3:5’、5:5’、および3:3’位において5:4:1の比で架橋されたメチレン架橋ダイマー混合物、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、
【0046】
2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−トリデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ)フェニル−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2−{2−ヒドロキシ−4−[3−(2−エチルヘキシル−1−オキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ]フェニル}−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、
【0047】
2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2,4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、4−tert−ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、約0.01重量%〜約10.0重量%、または好ましくは約0.01重量%〜約5.0重量%のUV光吸収剤を含有することができる。より好ましくは、本発明の組成物は、約0.01重量%〜約1.0重量%のUV光吸収剤を含有する。最も好ましくは、本発明の組成物は、約0.01重量%〜約0.5重量%のUV光吸収剤を含有する。
【0048】
有効量の熱安定剤を、本組成物に含むこともできる。一般に、知られているかまたはまだ知られていない熱安定剤はいずれも、本組成物で有用であり得る。熱安定剤の一般的に知られている種類としては、フェノール系酸化防止剤、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノン、アルキル化ヒドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール、O−、N−およびS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化マロネート、芳香族ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、アミン系酸化防止剤、アリールアミン、ジアリールアミン、ポリアリールアミン、アシルアミノフェノール、オキサミド、金属不活性化剤、ホスファイト、ホスホナイト、ベンジルホスホネート、アスコルビン酸(ビタミンC)、過酸化物を破壊する化合物、ヒドロキシルアミン、ニトロン、チオ共力剤、ベンゾフラノン、ならびにインドリノンが挙げられる。本発明の熱安定剤としては、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−i−ブチルフェノール、2,6−ジ−シクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデク−1’−イル)フェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,2’−ビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、
【0049】
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート、2,2’−チオ−ビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレン−ビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、エチレンビス[3,3−ジ(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、
【0050】
ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチル−ベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン、1,3,5−トリ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト−酢酸イソオクチルエステル、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、オクチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、
【0051】
2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール、ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス[2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸ジオクタデシルエステル、ジ(n−オクタデシル)−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、
【0052】
ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、カルシウムビス(エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチルエステル、カルシウム塩、3,5−ジ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、4−ヒドロキシラウラニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド、2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジン、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ(オクチルチオ)−s−トリアジン、オクチル−N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバメート、メチルβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(propioniate)、オクタデシルβ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、1,6−ヘキシルビス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、ネオペンチルビス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、トリエタノールアミントリス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジエチレンビス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレンビス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトールテトラキス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
【0053】
トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジヒドロキシエチルシュウ酸ジアミドビス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリスプロパノールアミントリス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、メチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート、オクタデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート、1,6−ヘキシルビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、ネオペンチルビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、チオジエチレンビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、トリエタノールアミントリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、ジエチレンビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、トリエチレンビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、ペンタエリトリトールテトラキス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、ジヒドロキシエチルシュウ酸ジアミドビス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、トリスプロパノールアミントリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート]、メチルβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート、オクタデシルβ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキシルビス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルビス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、トリエタノールアミントリス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、
【0054】
ジエチレンビス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、トリエチレンビス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトールテトラキス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、ジヒドロキシエチルシュウ酸ジアミドビス[β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオネート]、メチルβ−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシルβ−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキシルビス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、ネオペンチルビス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエタノールアミントリス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジエチレンビス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレンビス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトールテトラキス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ジヒドロキシエチルシュウ酸ジアミドビス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリスプロパノールアミントリス[β−(3,5−ジシクロヘキサル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、
【0055】
ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよびその2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物ならびにo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物、アスコルビン酸(ビタミンC)、トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびその混合物(ビタミンE)、ジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、4,4’−ジ−tert−オクチル−ジフェニルアミン、N−フェニルベンジルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンの反応生成物、
【0056】
N−フェニル−1−ナフチルアミンと2,4,4−トリメチルペンテンの反応生成物、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニル−アミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチル−アミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアナイド、ビス[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物モノおよびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、
【0057】
2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラ−メチルピペリド−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ジフェニルオキサミド、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド、トリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジ−イソデシルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)−ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジイル2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスファイト、
【0058】
6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンズ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、2,2’,2”−ニトリロ−[トリエチルトリス(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]、2−エチルヘキシル(3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト、5−ブチル−5−エチル−2−(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノキシ)−1,3,2−ジオキサホスフィラン、β−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチル、またはトリデシルエステル、メルカプト−ベンゾイミダゾールまたは2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチル−ジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス−(β−ドデシルメルカプト)−プロピオネート、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、水素化獣脂アミンに由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、水素化獣脂アミンに由来のN,N−ジアルキルヒドロキシルアミンに由来のニトロン、ジラウリルチオジプロピオネートまたはジステアリルチオジプロピオネート、ベンゾフラノンおよびインドリノン、
【0059】
例えば米国特許第4,325,863号明細書;同第4,338,244号明細書;同第5,175,312号明細書;同第5,216,052号明細書;同第5,252,643号明細書;同第5,356,966号明細書;同第5,367,008号明細書;同第5,369,159号明細書;同第5,428,162号明細書;同第5,428,177号明細書;同第5,488,117号明細書;同第5,516,920号明細書;同第5,607,624号明細書;同第5,614,572号明細書;同第5,693,829号明細書;同第5,773,631号明細書;同第5,814,692号明細書;同第6,140,397号明細書;同第6,521,681号明細書;同第6,586,606号明細書;独国特許出願公開第4316611A号明細書、同第4316622A号明細書、同第4316876A号明細書;ならびに欧州特許出願公開第0589839A号明細書および同第0591102A号明細書に開示されているもの、3−[4−(2−アセトキシエトキシ)−フェニル]−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]−ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス[5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシルフェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3,4−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(2,3−ジメチルフェニル)−5,7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−フェニル−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4)−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(2,3,4,5,6−ペンタメチル)−ベンゾフラン−2−オン、5−メチル−7−(オクタデク−2−イル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、5−メチル−7−(オクタデク−2−イル)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、5−tert−ブチル−7−(オクタデク−2−イル)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、5−tert−ブチル−7−(オクタデク−2−イル)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−ベンゾフラン−2−オン、3−アセトキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(2,5−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、
【0060】
5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−メチルチオフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(4−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(9H−フルオレン−3−イル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、3−フェニル−7−(1’−ヘキサデシルエチル)−ベンゾフラン−2−オン、2−アミノ−5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−ベンゾフラノン、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン、2−アミノ−5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジメトキシフェニル)−ベンゾフラノン、ならびにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、約0.01重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5.0重量%の熱安定剤を含むことができる。より好ましくは、本発明の組成物は、約0.01重量%〜約1.0重量%の熱安定剤を含有する。最も好ましくは、本発明の組成物は、約0.01重量%〜約0.3重量%の熱安定剤を含有する。
【0061】
本発明のアイオノプラスト樹脂組成物には、さらに他の添加剤、具体的には可塑剤、着色剤、加工助剤、流動向上剤、潤滑剤、顔料、染料、難燃剤、衝撃改質剤、核形成剤、粘着防止剤、具体的にはシリカなどを含有できることが理解される。本発明のフィルムおよびシートの加工最終機械的特性を改良し、またはガサガサもしくはカサカサという音を低減するために添加することができる可塑剤としては、例えばステアリン酸、オレイン酸、ダイズ油、エポキシ化大豆油、トウモロコシ油、ヒマシ油、アマニ油、エポキシ化アマニ油、鉱油、アルキルリン酸エステル、Tween(登録商標)20可塑剤、Tween(登録商標)40可塑剤、Tween(登録商標)60可塑剤、Tween(登録商標)80可塑剤、Tween(登録商標)85可塑剤、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート、クエン酸エステル、具体的にはクエン酸トリメチル、クエン酸トリエチル、(Citroflex(登録商標)2可塑剤、Morflex,Inc.製造、Greensboro,NC)、クエン酸トリブチル、(Citroflex(登録商標)4可塑剤、Morflex,Inc.製造、Greensboro,NC)、クエン酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリ−n−ブチル、(Citroflex(登録商標)A−4可塑剤、Morflex,Inc.製造、Greensboro,NC)、クエン酸アセチルトリエチル、(Citroflex(登録商標)A−2可塑剤、Morflex,Inc.製造、Greensboro,NC)、クエン酸アセチルトリ−n−ヘキシル、(Citroflex(登録商標)A−6可塑剤、Morflex,Inc.製造、Greensboro,NC)、およびクエン酸ブチリルトリ−n−ヘキシル、(Citroflex(登録商標)B−6可塑剤、Morflex,Inc.製造、Greensboro,NC)、
【0062】
酒石酸エステル、具体的には酒石酸ジメチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、および酒石酸ジオクチル、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)の誘導体、パラフィン、モノアシル炭水化物、具体的には6−O−ステリルグルコピラノシド、グリセリルモノステアレート、Myvaplex(登録商標)600可塑剤(濃縮グリセロールモノステアレート)、Nyvaplex(登録商標)可塑剤(水素化ダイズ油から生成された最低90%蒸留モノグリセリドであり、主にステアリン酸エステルから構成される濃縮グリセロールモノステアレート)、Myvacet(登録商標)可塑剤、(修飾脂肪の蒸留アセチル化モノグリセリド)、Myvacet(登録商標)507可塑剤(アセチル化48.5%〜51.5%)、Myvacet(登録商標)707可塑剤(アセチル化66.5%〜69.5%)、Myvacet(登録商標)908可塑剤(アセチル化最低96%)、Myverol(登録商標)可塑剤(濃縮グリセリルモノステアレート)、Acrawax(登録商標)可塑剤、N,N−エチレンビス−ステアルアミド、N,N−エチレンビス−オレアミド、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、二安息香酸ジエチレングリコール、二安息香酸ジプロピレングリコール、高分子可塑剤、具体的にはポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、Rucoflex(登録商標)可塑剤、および他の相溶性低分子量ポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。当技術分野内で知られている本質的に任意の添加剤はいずれも、本発明で使用することができる。
【0063】
貯蔵、加工、または取扱いを助けるために、本発明のアイオノマーは、粘着を防止するための作用剤も含むことができる。粘着防止剤または加工助剤の使用は、本発明の実施において任意選択であるが、好ましい。従来の粘着防止剤を使用することができ、当業者は、このような作用剤が望ましいかどうか、かつそれらをどんなレベルで使用すべきかを決定することができる。
【0064】
別の実施形態では、本発明は、本発明のアイオノプラスト樹脂から得られたシートまたはフィルムである。本発明のシートまたはフィルムは、例えば従来のまたは非従来型の手段を用いて本発明の樹脂を押出すことによって得ることができる。押出を行って、例えば厚さ約0.38mm〜約2.60mm、または10ミル〜約200ミルのシートを得ることができる。本発明の樹脂からフィルムを得るために、溶融樹脂によるフィルムのキャスティングまたはブローイングなど、他の従来の方法を使用することができる。しかし、本発明の実施において対象となる積層体の場合、中間層シートの押出が好ましい。本発明の中間層の押出は、約175℃〜約250℃の範囲の温度で実施することができる。本発明の中間層シートを、表面パターンなしに押し出すことができるが、本発明の中間層は、積層体が作製されるときその界面空間から空気またはガス状蒸気を除去するプロセスを容易にするために、表面パターンを有することが好ましい。表面パターンを、知られている溶融破砕技法によって、あるいはエンボス用ツールまたは他の従来もしくは非従来型の手段の使用によって適用することができる。表面パターンを含む中間層の光学的透明度は、中間層から最終的に得られる透明積層体に比べて劣っている。積層プロセスによって、表面パターンが削除される場合、例えば中間層が積層体中の他のより平滑な層に合わせて作製されると、中間層に光学的透明度が戻る。
【0065】
別の実施形態では、本発明は、本発明の樹脂から調製された積層体である。ガラス積層技術では、ガラスへの接着性が増加することによって、耐衝撃性が低下した積層体を生じる恐れがあることが知られている。本発明の樹脂は接着性が改良されているが、耐衝撃性も改良されている。特定の理論に拘泥することなく、この特性は、改良された樹脂のメルトインデックスが、従来の樹脂に比べて低いことに起因すると考えられる。二重片持ち梁(DCB)試験によって測定した本特許請求の樹脂のガラスへの接着性は、本特許請求の樹脂を使用して得られた積層体の場合、通常は200J/m2より高いが、それにもかかわらずこの樹脂の衝撃靭性は約300kJ/m2より高い。好ましくは、DCB接着強度は、約200〜約1200J/m2の範囲内である。本特許請求の発明の積層体の剥離強さは、好ましくは約3〜約6lbs/インチより高い。
【0066】
アイオノプラスト樹脂を含むガラス積層体の製造において接着性と衝撃靭性の間で適切にバランスを取ることは、本発明の目的である。積層体の靭性は、衝撃靭性、具体的には衝撃貫通性を測定することによって求めることができる。本発明の積層体は、一般に従来の積層体より高い貫通抵抗を示す。
【0067】
本発明の中間層を、既知のまたは非従来型の方法に従ってガラスまたは他の透明材料に積層することができる。例えば、少なくとも1つの他の積層構造層、具体的にはガラスを用いて、本発明の中間層を組み立てることができ、中間層の軟化点より高い温度でオートクレーブ中ガラスに積層することができる。通常は、アイオノプラスト中間層の場合、オートクレーブ温度を少なくとも約120℃とすることが得きる。オートクレーブ温度は、好ましくは少なくとも約125℃、より好ましくは少なくとも約130℃である。
【0068】
別の実施形態では、本発明は、積層プロセスであって、高酸樹脂を120℃未満、好ましくは110℃未満の温度で積層して、接着性が少なくとも、約20重量%未満の酸を有する従来のエチレンコポリマーアイオノマーから得られた積層体の接着性と同じ程度に高い積層体を得ることができ、120℃以上の積層温度を必要とするプロセスである。比較的低温の積層法が可能であることによって、具体的には例えばプレス−加熱、パルス加熱、またはパススルーオーブン加熱などの代替積層プロセスが開発される。
【0069】
積層する前に、本明細書での使用に適した中間層は、好ましくは空気、または閉じ込められた蒸気、および表面パターンを含まない場合に積層体の層間の界面に閉じ込められる可能性があるガスの除去を容易にする表面パターンを含む。真空または圧力を積層体アセンブリに加えて、ガラスへの接着性を促進し、および/または閉じ込められたガスを強制排出することができる。
【0070】
本発明の別の実施形態では、積層体アセンブリに、大気圧で熱、および例えばニップロールによるロール圧、または加熱するとき他の機械的圧力を加えることによって積層することができる。積層技術分野の当業者は、本願の教示内容を、従来の技術で知られかつ実施されている教示内容と共に使用することによって、積層を実施して本発明の積層体を得る方法を知っている。このようにして得られた積層体は、少なくとも約5°F/分(2.78℃/分)の冷却速度で周囲温度に冷却することができる。
【0071】
本発明の積層体は、多層の本発明の中間層を使用して構築することができ、または異なる化学組成の中間層またはフィルム層を含むことができる。例えば、本発明の中間層を他の従来の中間層材料と共に積層することができる。例えば、従来のアイオノマー中間層を本発明の中間層と共に積層することができ、中間層はEVAコポリマー;ポリウレタン;ポリビニルクロリドポリマー;またはPVBを含むことができる。本発明の積層体は、高分子層間および/またはポリマー層とガラスとの間の接着性を増大させるための接着剤層を含むことができる。従来の接着剤は、本発明の実施において任意選択の成分として有用であり得る。しかし、通常は本発明の中間層は、ガラスへの接着を促進するための接着剤を必要としない。
【0072】
別の実施形態では、意外なことにヘイズが約3%以下の本発明の積層体は、積層体を約2.75℃/分未満の速度で冷却する冷却工程を含むプロセスで得ることができる。さらに、本発明の積層体の冷却速度を約2℃/分未満に下げることができ、ヘイズが約3%以下の積層体を得ることができ、さらにより意外なことに、冷却速度を1℃/分未満に下げて、ヘイズが約3%以下の積層体を得ることができる。
【0073】
本発明の積層体は、建物の窓;自動車、飛行機、列車などのフロントガラスおよびサイドライト;構造支持ユニット、具体的には階段、床、壁、パーティション;他の建築ユニット、具体的には天井などの用途で有用である。本発明の積層体は、本発明の改良された樹脂組成物から得られた少なくとも1つの中間層に接着している少なくとも1つの硬質構造層を含むことができる。少なくとも1つの本発明の中間層を、硬質構造層である少なくとも1つのガラス層と共に含む積層体が好ましい。本発明の積層体は、特に安全ガラスが望ましいかまたは必要である用途で有用である。
【実施例】
【0074】
下記の実施例および比較例は、さらに本発明を説明するために記載されている。実施例は、全く本発明の範囲を限定するものではなく、実施例を、特許請求しおよび/または本明細書に記載する本発明と一致しない方法で特許請求の範囲または明細書を定義するために使用すべきではない。
【0075】
実施例1
試験方法
ヘイズは、ASTM D1003に従って求め、入射から2.5度超それる透過光の百分率と定義される。ヘイズ/透明度測定値は、Byk−Gartner Haze−gard(登録商標)Plus(HG Plus)を用いて得た。
【0076】
メルトフローインデックス(MFI)は、ISO 1133およびASTM D1238に従って190℃で求めた。
【0077】
中間層靭性は、ASTM 1822に従って求めた。これは、ガラス−中間層積層体の衝撃負荷中に遭遇する速度に類似している高歪み速度でポリマーシートを破裂させるためのエネルギーを求める衝撃引張方法である。積層体靭性は、振子式衝撃試験を用いて求めた。ガラス積層体の衝撃試験を行って、積層体を貫通するのに必要とされた衝撃エネルギーを確認した(貫通エネルギーと定義される)。一般ガイドラインとして、Society of Automotive Engineers(SAE)Recommended Practice−J2568 ‘Intrusion Resistance of Safety Glazing System for Road Vehicles’によって定められている振子式インパクター(一般に当業者が、再現性がありかつ正確であると考えている)を使用した。インパクター質量を9.5kgから31.8kgに増加して、使用する衝撃落下高さをより小さくさせることができた。振子を6本のケーブル(直径4mm)で約5.6メートルの高さから吊り下げた。6点ケーブル吊下げによって、所望の衝撃点±5mmの正確さが得られる。インパクターは、鋼から直径75mmの半球形衝撃端部に作製され、反復衝撃およびガラスの小片による損傷を防ぐために表面硬化した。ガラス表面に垂直な衝撃を可能にし、試料の縁部が平面中で目に見えるほど移動しないようにする硬質鋼支持構造に、試料を配置する。咬合ネオプレンゴムガスケットを用いて、外径22mmの積層体の周辺を保持して、30cm平方の積層体を2枚の鋼枠間に挟む。十分な締め付けを利用して、支持枠内で試料の滑りを最小限に抑えた。複数の試料セットについて、様々な衝撃エネルギーで衝撃を行った。次いで、産業で広く使用されている慣例的な「階段」方法に基づく結果から貫通エネルギーを算出した。
【0078】
次いで、上記の衝撃を受けたセットの積層体を室温で水の容器に入れて、潜在的に悪環境条件下で、ガラスの中間層に対する保持力の弾性および加水分解防止性を調査した。酸含有率(%)が高い中間層は、酸含有率が低いものより破損後のガラス断片の保持力が高い。
【0079】
INSTRUMENTORS,Inc.,Model SP−102B−3M90 SLIP/PEEL Testerを用いて、積層体を90度または180度の角度で剥離した。積層体の剥離は、25.4mm(1インチ)/分の速度で行った。ホットプレス成形した中間層シートから作製した積層体について、表1に示す剥離強さデータを得た。押し出した中間層シートから作製した積層体について、表3に示す剥離強さデータを得た。
【0080】
ガラス積層体を下記の方法で調製した。300mm平方、厚さ3mmのアニールガラスシートをリン酸三ナトリウム(5g/リットル)の脱イオン水溶液で洗浄し、次いで脱イオン水で十分すすぎ、乾燥した。厚さ0.76mmの様々なポリマー中間層(下記の表1を参照のこと)を、ガラスの底部分の上に配置した。次いで、第2の類似ガラスライトをこのポリマーシート上に配置した。次いで、各層の相対位置付けを維持するために、数個のポリエステルテープと共に周囲をテーピングすることによって、プレアセンブリをレジスターに保持した。次いで、ナイロン布細片をプレアセンブリの外周に配置して、層内からの空気除去を促進した。次いで、プレアセンブリをナイロン真空バッグ内部に配置し、真空ポンプに連結した。真空にして、内部から空気を実質的に除去させた(バッグ内部の空気圧を50ミリバール未満(絶対単位)に下げた)。次いで、プレ積層体アセンブリを空気オートクレーブに入れ、圧力および温度を15分間で周囲温度から135℃、200psiに上げた。次いで、この温度および圧力を、積層体アセンブリが適切に加熱されるのに十分な時間保持した(この場合、30分間)。次に、温度を20分、60分、または120分以内に40℃に下げ、それによって圧力は周囲圧力まで下がり、積層ユニットを取り出した。オートクレーブした後、積層体を十分清浄し、ヘイズを測定した。下記の表1に、求めた値を報告する。
【0081】
21重量%のメタクリル酸を有する樹脂から得られた複数の中間層シートを、オートクレーブ中、ガラスに105℃または135℃で積層した。このシートの水分含有量は、表2に示す通りであり、積層体を180°剥離強さについて試験した。
【0082】
表1

a剥離は、1インチ/分の速度で行った。
1接着性は求められなかった−中間層は、ガラスから引き離されずに裂けた。
【0083】
表2

【0084】
表3

【0085】
表4. ガラス/ポリマー積層体振子衝撃特性

【0086】
表5. 振子式衝撃試験後のガラス損失

【0087】
ハリケーン衝撃試験
沿岸地域における建築用途では、ガラス/中間層/ガラス積層体は、積層体の破片衝撃および風圧循環に対する抵抗性を測定するシミュレーションを用いたハリケーン衝撃および循環試験に合格しなければならない。現在許容できる試験は、風による破片に対するSouth Florida Building Code Chapter 23, section 2315衝撃試験に準拠して行われる。2314.5節の表23−F(1994年)に従って、疲労荷重試験を決定する。この試験は、厳しい天候、例えばハリケーン中の風および空中破片衝撃の力をシミュレーションする。
【0088】
この試験は、積層体に対して2つの衝撃からなる(積層体試料の中心部に1つの衝撃、続いて積層体の隅部に第2の衝撃)。衝撃は、公称2インチ(5cm)×4インチ(10cm)および長さ8フィート(2.43メートル)の9ポンド(4.1キログラム)板を空気圧砲から50フィート/秒(15.2メートル/秒)で発射することによって行う。積層体が上記の衝撃シーケンスに耐えた場合、空気圧循環試験にかける。この試験では、積層体をチャンバーにしっかりと固定する。陽圧試験では、積層体を、衝撃面を外側にしてチャンバーに固定し、チャンバーを真空にし、次いで下記の表Aに記載の循環シーケンスに対応するように変更する。下記の表Aに示す圧力循環スケジュールは、最大圧力Pの分数として明記する。最初の3500サイクルおよびその後のサイクルの各サイクルを、約1〜3秒で完了させる。陽圧試験シーケンスが完了した後、この試験の陰圧部分のためにチャンバーに対して衝撃面を内側に向けて、積層体を逆にして、真空をかけ、下記の循環シーケンスに対応させる。値は、負の値(−)で表す。
【0089】

*絶対圧力レベル(Pが70ポンド/平方フィートである(3360パスカル))。
【0090】
裂け目がなく、または長さが5インチ(12.7cm)を超え、幅が1/16インチ(0.16cm)以下の開口がない場合、積層体は衝撃および循環試験に合格する。
【0091】
ハリケーン衝撃試験で使用するガラス積層体を下記の方式で調製する。すべての積層体は、エチレン81%、メタクリル酸19%から構成され、ナトリウムイオンで37%中和され、最終メルトインデックスが約2.6であるアイオノマー樹脂(タイプ「A」)、またはエチレン78.5%、メタクリル酸21.5%から構成され、ナトリウムイオンで32%中和され、最終メルトインデックスが約0.9であるアイオノマー樹脂(タイプ「B」)の厚さ90ミル(2.3mm)の中間層を使用した。下記に示すように、中間層を2層のガラスで挟む。アイオノマー樹脂中間層の貯蔵ヤング率は、約361MPaである。
【0092】
積層体はすべて、中間層をガラスパネル間に配置することによって調製される。ガラスパネルはそれぞれ、脱イオン水で洗浄する。積層体を、空気オートクレーブ中に、圧力220PSIG (1.6MPa)、135℃で30分間配置する。衝撃試験用の積層体は、高さ30インチ(77.2cm)、幅48インチ(121.9cm)である。次いで、積層体をアルミニウム枠に接着させ、シリコーンシーラント(Dow Corning、タイプ995)を塗る。次いで、この枠を鋼支持枠に載せて、グレージング全体の動きを最小限に抑えるようにして、衝撃試験を実施する。表6に示す試験積層体を衝撃試験にかけて、上昇させた速度の木材ミサイルに対して衝撃「靭性」を測定する。まず、表7の積層体を、Florida衝撃に従って試験し、次いで空気圧循環試験シーケンスにかける。衝撃試験では、公称2インチ(5cm)×4インチ(10cm)および長さ8フィート(2.43メートル)の9ポンド(4.1キログラム)松板のミサイルを、積層体にその表面と「垂直」に打撃を与える空気圧砲から、50フィート/秒(15.2メートル/秒)で積層体に対して発射する。積層体をそれぞれ、積層体の異なる2つの位置で2つの衝撃にかけ、ガラスを破砕する。積層体の中心部における衝撃を標準方式(約50fpsの速度)で実施し、隅部の衝撃速度を変更して、グレージングの衝撃「靭性」を測定する。下記の表6に、試験結果を示す。
【0093】
追加の試料は、より大きいサイズ(2.28mmのアイオノマー中間層を積層した1.52m×2.44m w/2つのライト6mmのHeat−Strengthened Glass)で調製し、シリコーンシーラントおよび26mmのグレージングオーバーラップを使用して、Commercial Aluminum Framing Systemに嵌め込んで、枠組みを作製した。衝撃は、中心部でも隅部でも、いかなる裂け目も生じさせることなく規定の50fpsミサイル速度で行った。次いで、グレージングパネルのハリケーン力風応力および屈曲をシミュレーションするために、空気圧サイクルシーケンスを行った。結果を表7に示す。
【0094】
表6

【0095】
表7
空気圧循環シーケンス

【0096】
実施例2
下記の表8に記載する組成物をドライブレンドし、次いで1インチのKillion一軸スクリュー押出機で混合した。表8の重量百分率は、最終組成物の全重量を基準とするものである。ポリマーAは、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)であり、15重量%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで59%中和され、MIが0.9である。ポリマーBは、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)であり、21.4重量%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで29%中和され、MIが0.9である。ポリマーCは、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)であり、21.4重量%のメタクリル酸を含み、亜鉛で32%中和され、MIが1.3である。ポリマーDは、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)であり、19重量%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで37%中和され、MIが2.0である。ポリマーEは、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)であり、10重量%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで55%中和され、MIが1.3である。ポリマーFは、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)であり、20重量%のメタクリル酸を含み、ナトリウムで35%中和され、MIが2.6である。
【0097】
Chimassorb(登録商標)119 FL安定剤は、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン(CAS番号106990−43−6)であると報告されている。Tinuvin(登録商標)770安定剤は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(CAS番号52829−07−9)であると報告されている。Tinuvin(登録商標)123安定剤は、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(CAS番号129757−67−1)であると報告されている。Chimassorb(登録商標)944 FD安定剤は、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−s−トリアジン−2,4−ジイル]−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン−[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルイミノ]](CAS番号71878−19−8)であると報告されている。Irganox(登録商標)HP 2215 FF安定剤は、Irganox(登録商標)1010:Irgafos(登録商標)168:HP−136の2:4:1(重量)ブレンドであると報告されている。Irganox(登録商標)1010安定剤は、ペンタエリトリトールテトラキス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)(CAS番号6683−19−8)であると報告されている。Irgafos(登録商標)168安定剤は、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(CAS番号31570−04−4)であると報告されている。HP−136(登録商標)安定剤は、5,7−ジ−tert−ブチル−3−(3,4−ジ−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン(CAS番号181314−48−7)であると報告されている。Cyasorb(登録商標)UV−5411安定剤は、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールであると報告されている。Cyasorb(登録商標)3346安定剤は、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]−ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]であると報告されている。Tinuvin(登録商標)1577安定剤は、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(CAS番号147315−50−2)であると報告されている。Tinuvin(登録商標)328安定剤は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(CAS番号25973−55−1)であると報告されている。Tinuvin(登録商標)360安定剤は、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](CAS番号103597−45−1)であると報告されている。Irganox(登録商標)3114安定剤は、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート(CAS番号27676−62−6)であると報告されている。Tinuvin(登録商標)234安定剤は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(CAS番号70321−86−7)であると報告された。Tinuvin(登録商標)326安定剤は、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール(CAS番号3896−11−5)であると報告された。Cyasorb(登録商標)UV−531安定剤は、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン(CAS番号1843−05−6)であると報告された。
【0098】
Tinuvin(商標)、Chimassorb(商標)、Irganox(商標)、Irgafos(商標)、およびHP−136製品ラインは、Ciba Specialty Chemicals of Basel,Switzerlandから入手可能であり、その北米本社はTarrytown, NYに存在する。Cyasorb(商標)製品は、Cytec Industries, Inc.of West Paterson,NJから入手可能である。これらは、かつてはAmerican Cyanamid Co.から入手可能であった。
【0099】
押出機は、溶融温度約200℃、速度2.5ポンド/時であった。組成物に応じて、スクリュー速度は47RPM〜70RPMであり、後部領域温度は120℃〜170℃であった。アダプタ圧は400psi〜800psiであり、電力消費は約2.5amp〜3ampであった。典型的押出機バレル温度プロファイルは以下の通りである。
後部(供給ホッパー)領域: 120〜170℃
中間領域: 199〜203℃
前部領域: 200〜202℃
アダプタ: 200〜201℃
【0100】
一本鎖を水浴に通し、ペレット化して、小ペレット剤を形成した。ペレット剤を室温で終夜、窒素でパージし、次いで防湿パッケージに封止した。
【0101】
表8

【0102】
表8(続き)

【0103】
平板(6インチ×7インチ(152mm×178mm)×厚さ25ミル)をCarver Melt Pressで圧縮成形することによって、比較試料C1〜5および試料1〜15を生成した。圧縮成形は、温度190℃、圧力20,000psiで実施した。平板を約30分間かけて室温に冷却した。次いで、平板を防湿パッケージングに包装した。
【0104】
ガラス層、および上記で生成した比較試料C1〜5ならびに試料1、4、6、10、11、および13〜15の平板による厚さ25ミルの中間層から構成される積層体を、下記の方式で生成した。上述したように生成された6インチ×7インチ(152mm×178mm)、厚さ25ミルのシートを、12インチ×12インチ(305mm×305mm)×厚さ2.5mmのアニールフロートガラスプレート上に載せた。薄いTeflon(登録商標)フィルムをポリマー中間層の上に載せ、カバーグラスプレートをその薄いTeflon(登録商標)フィルムの上に載せた。次いで、ガラス/中間層/Teflon(登録商標)フィルム/ガラスアセンブリを真空バッグに入れ、90〜100℃に30分間加熱して、ガラス/注間膜アセンブリ間に含まれている空気を除去した。次いで、上述したように、ガラス/中間層プレプレスアセンブリを、空気オートクレーブ中、圧力200psig(14.3バール)、135℃で30分間高圧蒸気殺菌にかけた。次いで、空気がオートクレーブに入らないようにしながら、空気を冷却する。空気温度が約50℃未満である場合冷却して20分後に、過剰の圧力を吐き出し、ガラス/中間層積層体をオートクレーブから取り出す。
【0105】
これらのガラス積層体を90度剥離強さ接着性試験にかけた。その結果を下記の表9および10内に報告する。INSTRUMENTORS,Inc.のModel SP−102B−3M90 SLIP/PEEL Testerを用いて、積層体を90度の角度で剥離した。積層体の剥離は、1インチおよび2インチ/分の速度で行った。
【0106】
表9

【0107】
表10

【0108】
これらの結果は、本発明のアイオノプラスト樹脂から生成されたポリマー中間層の接着性は高いことを示している。
【0109】
上記に、本発明の好ましい実施態様のいくつかを記載し、具体的に例示してきたが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載する本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン酸コポリマーを含む樹脂組成物であって、前記エチレン酸コポリマーは、エチレンの残基および約20.5重量%〜約30重量%、より好ましくは約21重量%〜約25重量%、より好ましくは約21重量%〜約23重量%の3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和酸からなる群から選択されるカルボン酸の残基を含み;約10%〜約90%、好ましくは約15%〜約45%、より好ましくは約20%〜約35%の前記カルボン酸は中和され;前記エチレン酸コポリマーは、中和する前のメルトインデックスが好ましくは約60g/10分以下であり;前記樹脂組成物は、場合によってはヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含んでもよい、樹脂組成物。
【請求項2】
ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される1つの添加剤を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
熱安定剤を含み、HALS、UV線吸収剤、またはHALSと紫外線吸収剤の両方をさらに含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
UV線吸収剤、HALS、またはUV線吸収剤とHALSを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1つの添加剤が、樹脂組成物の全重量を基準にして約0.01重量%〜約10.0重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5.0重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約1.0重量%、さらにより好ましくは約0.01重量%〜約0.5重量%の量で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
エチレン酸コポリマーを含む樹脂組成物を含む成形品であって、前記エチレン酸コポリマーは、エチレンの残基および約20重量%〜約30重量%の、3個〜8個の、炭素を有するα,β−不飽和酸からなる群から選択されるカルボン酸の残基を含み;約10%〜約90%のカルボン酸は中和され;前記樹脂組成物は、場合によってはヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、成形品。
【請求項7】
エチレン酸コポリマーを含む樹脂組成物に由来する少なくとも1層を含む多層フィルムまたはシートであって、前記エチレン酸コポリマーは、エチレンの残基および約20重量%〜約30重量%の、3個〜8個の炭素を有するα,β−不飽和酸からなる群から選択されるカルボン酸の残基を含み;約10%〜約90%のカルボン酸は中和され;前記樹脂組成物は、場合によってはヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外(UV)線吸収剤、および熱安定剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含む、多層フィルムまたはシート。
【請求項8】
請求項6に記載の成形品を含む、透明中間層。
【請求項9】
請求項6に記載の成形品を少なくとも1つ含む積層物品。
【請求項10】
ヘイズが約3%以下である透明積層物品を調製する方法であって、
(a)約175℃〜約250℃の温度で、請求項6に記載の成形品を押出す工程と、
(b)(1)中間層および少なくとも1つの他の積層体層を準備して、プレ積層体アセンブリを形成し、(2)前記プレ積層体アセンブリを少なくとも約120℃の温度に加熱し、前記アセンブリをある一定時間加圧または減圧し、(3)前記積層体を冷却して、透明積層体を得ることによって中間層から積層体を作製する工程と
を含む方法。
【請求項11】
前記積層体を2.75℃/分以下の速度で冷却する、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2009−541523(P2009−541523A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516463(P2009−516463)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/024173
【国際公開番号】WO2007/149082
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】