説明

通信システムおよびその方法

【課題】(第1)管理センタとは別に第2管理センタを設けてこれを通信網に接続する構成でも、第2管理センタ、需要家側システムに負担をかけず、第2管理センタが需要家側システムから所定情報を得るようにする。
【解決手段】センタ装置11Aを含む管理センタ1Aと、複数の管理センタ2と、所定情報を得るデータ端末31を含む需要家側システム3A,3Bとを通信網に接続するとともに、需要家側システム3A,3Bに、データ端末31で得られた情報を管理センタ1Aに転送する通信端末32A,32Bを設ける。第1管理センタ1Aのセンタ装置11Aは、第2管理センタ2から、データ端末31で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、第2管理センタ2とデータ端末31とを対応付けるための指示IDを用いて通信をする。通信端末32A,32Bは、指示IDを用いた通信により送信要求を受けたとき、送信要求に対する応答に同じ指示IDを含める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報器などの各種センサ、電力メータもしくはガスメータなどのエネルギー量測定メータまたは宅内情報盤などのデータ端末と、このデータ端末とインターネットを介して接続される管理センタとにより構成される遠隔監視のための通信システムおよびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5にインターネットを利用した従来の通信システム(自動検針システム)の構成図を示す(特許文献1参照)。
【0003】
図5の通信システムは、管理センタ1と、検針データを得るメータであるデータ端末31を含む需要家側システム3とを、インターネット40を含む通信網に接続するとともに、需要家側システム3に、通信網を介してデータ端末31で得られた検針データを管理センタ1に転送する通信端末32を設けて構成される。
【0004】
この通信システムでは、インターネット40上にメールサーバ5を設け、管理センタ1が、各データ端末31に対する検針データ送付要求をインターネットメールにより通信端末32に配信するとともに、各通信端末32から配信された検針データに関するインターネットメールを受信するようになっている。
【特許文献1】特開2001−312784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本発明者は、セキュリティを強化した通信システムとして、仮想専用線(VPN:VirtualPrivate Network)を利用した通信システムと、ダイナミック・パケット・フィルタリング方式を利用した通信システムとを提案している。
【0006】
図6に上記仮想専用線を利用した通信システムの構成図を示し、図7に同通信システムの動作説明図を示す(特願2002−85500号)。
【0007】
図6の通信システムは、センタ装置11PAおよびルータ10Aを含む管理センタ1PA側のネットワークN1と、所定情報を得るデータ端末31を含む需要家側システム3PAのネットワークN3とを仮想専用線4Aに接続するとともに、需要家側システム3PAに、データ端末31で得られた情報を、仮想専用線4Aを介してセンタ装置11PAに転送する通信端末32PAと、ルータ30Aとを設けて構成される。
【0008】
センタ装置11PAは、コンピュータであり、ルータ10A,30Aおよびインターネット40により構成される仮想専用線4Aを介して、通信端末32PA側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を受信する、例えばIEEE802.3またはIEEE802.5などのLAN規格に準拠した送受信機能を有する通信インターフェース110と、この通信インターフェース110で受信されたデータおよび識別情報を組みにして収集して図示しないハードディスクなどの記憶手段に記憶するデータ収集部114とを備えている。
【0009】
データ端末31としては、電力メータまたはガスメータなどにより構成され、消費された電力量またはガス量などを測定して得るエネルギー量測定メータ(図では「メータ」)311と、ガス漏れ検出センサなどにより構成され、ガス漏れなどの報知するべき検出データを得る警報器312と、宅内の各種情報を収集して得る宅内情報ディスプレイ等の宅内情報盤313と、ガス機器314と、電気機器315とが設けられている。
【0010】
通信端末32PAは、データ端末31で得られたデータを当該通信端末32PA側の識別情報およびセンタ装置11PAの宛先情報とともにネットワークN3上に送出する、例えばIEEE802.3またはIEEE802.5などのLAN規格に準拠した送受信機能を有している。
【0011】
ここで、通信端末32PAは、定期的にまたはセンタ装置11PAからの指示に従って、データ端末31で得られたデータを当該通信端末32PA側の識別情報およびセンタ装置11PAの宛先情報とともにネットワークN3上に送出するように構成される。例えば、通信端末32PAは、センタ装置11PAから上記LAN規格に準拠したデータ形式の指示情報を受け取った場合、その指示情報をデータ端末31用のデータ形式に変換した上でデータ端末31に送信する。また、通信端末32PAは、データ端末31からセンタ装置11PAに送信するべき情報を受け取った場合、その情報を上記LAN規格に準拠したデータ形式に変換した上でルータ30Aに送信する。
【0012】
一方、センタ装置11PAは、通信端末32PAが定期的に送信する場合には、仮想専用線4Aを介して、通信端末32PA側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を受信し、受信したデータおよび識別情報を組みにして収集して記憶し、通信端末32PA側に送信の指示を与える場合には、仮想専用線4Aを介して通信端末32PA側にその指示を与え、指示に従って返送されてくるデータ、識別情報および宛先情報を受信し、受信したデータおよび識別情報を組みにして収集して記憶するように構成される。
【0013】
ルータ10A,30Aの各々は、例えば、NAT(networkaddress translation) やIPマスカレードなどの技術を用いてTCP/IPなどのプロトコルによるルーティングを実行する機能を有しているほか、VPNを形成するためのトンネリング機能および暗号化復号化機能を有している。これにより、ルータ30Aは、通信端末32PA側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらにルータ10Aの宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット40上に送出する。一方、ルータ10Aは、インターネット40を介して、ルータ30Aから送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報をセンタ装置11PAに送信する。
【0014】
また、センタ装置11PAから通信端末32PA側への指示も同様に転送される。すなわち、ルータ10Aは、センタ装置11PAから送出されたデータ、識別情報および通信端末32PA側の宛先情報を暗号化し、これらにルータ30Aの宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット40上に送出する。一方、ルータ30Aは、インターネット40を介して、ルータ10Aから送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を通信端末32PAに送信する。なお、実際には、ルータ10A,30Aの各々は、仮想専用線を構成する相手側のIPアドレスに加えて自己のIPアドレスを付加する。
【0015】
このように構成される通信システムでは、通信端末32PAがデータ端末31で得られたデータを定期的にまたはセンタ装置11PAからの指示に従ってセンタ装置11PAに送信する場合、データ端末31で得られたデータは、図7に示すように、通信端末32PAから当該通信端末32PA側の識別情報およびセンタ装置11PAの宛先情報とともにネットワークN3上に送出される。これら送出されたデータ、識別情報および宛先情報は、ルータ30Aにより、暗号化されルータ10Aの宛先情報が付加されてトンネリングパケットに格納された上で、インターネット40上に送出される。
【0016】
この後、ルータ10Aにより、トンネリングパケットが受信されると、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報が復号され、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報がセンタ装置11PAに送信される。そして、センタ装置11PAにより、通信端末32PA側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報が受信されると、受信されたデータおよび識別情報が組みにされて収集記憶される。
【0017】
このような通信システムによれば、暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報がインターネット上で隠された状態となって伝送され、通信端末32PA側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報がセンタ装置11PAによって受信され、そして受信されたデータおよび識別情報が組みにされて収集記憶されることになるので、セキュリティレベルを下げることなく良好なレスポンスの双方向通信が可能となる。
【0018】
図8に本発明者が提案しているダイナミック・パケット・フィルタリング方式を利用した通信システムの構成図を示し、図9に同通信システムの動作説明図を示す(特願2002−86768号)。
【0019】
図8の通信システムは、センタ装置11PBおよびルータ10を含む管理センタ1PB側のネットワークN1と、検針情報を得るメータであるデータ端末31を含み、例えばインターネットマンションなどに設けられる需要家側システム3PBのネットワークN3とを、インターネット40を含む通信網に接続するとともに、需要家側システム3PBに、データ端末31で得られた情報を、通信網を介してセンタ装置11PBに転送する通信端末32PBを設けて構成される。なお、33は、各通信端末32PBにIPアドレスを割り当てるDHCPサーバである。
【0020】
先ず、管理センタ1PBにおいて、センタ装置11PBは、コンピュータであり、通信インターフェース110と、記憶部111と、返信処理部115と、データ収集部114とを備えているとともに、キーボードやマウスなどの入力部、プリンタなどの出力部、CRTやLCDなどの表示部、およびハードディスクなどの記憶装置などの各種装置(図示せず)を備えている。
【0021】
通信インターフェース110は、例えばIEEE802.3またはIEEE802.5などのLAN規格に準拠した双方向の通信インターフェースであり、この通信インターフェースに対応するネットワークN1用のケーブルを介してルータ10と接続される。
【0022】
記憶部111は、半導体記憶装置またはハードディスクなどにより構成され、管理下のデータ端末31を特定するための情報(例えばデータ端末31の識別情報または通信端末32PBの識別情報)を記憶しているとともに、データ端末31で得られるデータを収集するためのデータ送信指示およびそのデータ収集の終了指示などの各種情報を記憶している。
【0023】
返信処理部115は、管理下のデータ端末31を特定するための情報を含む指示要求電文を通信インターフェース110で受信したとき、その応答として、指示要求電文に含まれる情報および送信先のデータ端末31に対するデータ送信指示を含む指示応答を、指示電文で通信インターフェース110を通じて返信する処理を行う。また、データ等を含む電文を通信インターフェース110で受信したとき、その応答として、終了指示を含む終了電文を通信インターフェース110を通じて返信する処理が実行される。
【0024】
データ収集部114は、上記指示電文の返信後、指示電文の返信先のデータ端末31で得られたデータ等を含む電文を、通信インターフェース110で受信したとき、データ端末31で得られたデータを、データ端末31を特定するための情報とともに収集して管理する処理を行う。
【0025】
これらデータ収集部114および返信処理部115は、上記コンピュータの中枢部である中央処理装置、主記憶装置およびプログラムにより、各種処理部のうちの一部として構成される。
【0026】
ルータ10は、例えば、NATやIPマスカレードなどの技術を用いて、TCP/IPなどのプロトコルによるルーティングを実行する機能を有する通常のルータである。
【0027】
次に、需要家側システム2PBにおいて、ルータ30は、例えば、NATやIPマスカレードなどの技術を用いて、TCP/IPなどのプロトコルによるルーティングを実行する機能を有しているほか、ローカル側からの接続要求のパケット情報を保持し、その要求に対するリモート側からの正当な応答のみをローカル側に通過させるダイナミック・パケット・フィルタリング方式のファイアウォール機能を有している。
【0028】
データ端末31は、水道、ガスまたは電力メータなどであり、通信インターフェース311と、測定部312と、制御部313とを備えている。
【0029】
通信インターフェース311は、例えばシリアルインターフェースなど、所定のケーブルL1を経由して通信端末32PBと双方向の通信を行うためのものである。測定部312は、上記所定のデータとして、水道水またはガス、電力もしくはカロリーなどの所定のエネルギーの消費量を測定して得るものである。制御部313は、例えばマイコン(マイクロコンピュータ)などにより構成され、通信インターフェース311からデータ送信指示を得ると、このデータ送信指示に従って、通信インターフェース311を通じて測定部312で得られたデータを通信端末32PBに送信する制御を行う。
【0030】
通信端末32PBは、ケーブルL1で接続されたデータ端末31に対して上記指示電文によるデータ送信指示が出された場合には、インターネット40を経由してデータ端末31で得られたデータをセンタ装置11PBに送信し、データ端末31からアラーム等の発呼要求があった場合には、その内容を含むデータをインターネット40を経由してセンタ装置11PBに送信するものであり、通信インターフェース321と、通信インターフェース322と、タイマ323と、メモリ324と、通信制御部325とを備えている。
【0031】
通信インターフェース321は、インターネット40を経由してセンタ装置11PBと双方向の通信を行うためのものであり、例えばIEEE802.3またはIEEE802.5などのLAN規格に準拠した双方向の通信インターフェースにより構成され、この通信インターフェースに対応するネットワークN3用のケーブルを介してルータ30と接続される。通信インターフェース322は、例えばシリアルインターフェースなど、所定のケーブルL1を経由してデータ端末31と双方向の通信を行うためのものである。
【0032】
タイマ323は、計時を行うものであり、この計時機能に加えてカレンダーテーブルを有し、通信制御部325により定期的に(例えば各月の所定の日に)指示要求電文をセンタ装置11PBに送信させるための指示出力を出すように構成される。
【0033】
メモリ324は、EEPROMなどの不揮発性メモリにより構成され、データ端末31を特定するための情報、当該通信端末32PBのIPアドレス(図8では「通信網のIPアドレス」)およびセンタ装置11PBのIPアドレス(「管理センタのIPアドレス」)などの各種情報を記憶している。図8では、データ端末31を特定するための情報として「メータID」および「通信端末ID」の双方が記憶されている。
【0034】
通信制御部325は、例えばマイコンなどにより構成され、ケーブルL1を介して接続されたデータ端末31で得られたデータを、センタ装置11PBに送信するための各種通信制御を行うものである。例えば、タイマ323の計時によって定期的に、メモリ324に記憶されたデータ端末31を特定するための情報、当該通信端末32PBのIPアドレスおよびセンタ装置11PBのIPアドレスを含む要求を、上記指示要求電文として通信インターフェース321を通じてセンタ装置11PBに送信する制御が実行される。また、通信インターフェース321において、指示要求電文に応答してセンタ装置11PBから返信されてくる指示応答を、指示電文で受信したとき、その指示電文に含まれる指示に従って通信インターフェース322を通じてデータ端末31に指示を出し、この指示に応じてデータ端末31から得られるデータを通信インターフェース322を通じて取得する制御が実行される。さらに、取得したデータ並びにデータ端末31を特定するための情報、当該通信端末32PBのIPアドレスおよびセンタ装置11PBのIPアドレスを含む電文(データ等を含む電文)を、終了電文の要求として通信インターフェース321を通じてセンタ装置11PBに送信する制御が行われる。
【0035】
上記構成の通信システムでは、図9に示すように、ある需要家宅のデータ端末31に接続されている通信端末32PBにおいて、タイマ323の計時によって定期的に、データ端末31を特定するための情報、当該通信端末32PBのIPアドレスおよびセンタ装置11PBのIPアドレスを含む要求が、指示要求電文として通信インターフェース321を通じてセンタ装置11PBに送信される。
【0036】
管理センタ1PBにおいて、指示要求電文が通信インターフェース110で受信されると、その内容から、どの需要家宅の通信端末32PBからのものであるかの確認がなされる。そして、管理下のデータ端末31からの指示電文であることが確認されると、その送信先のデータ端末31に対してデータ送信指示を行う必要がある場合は、指示要求電文に含まれる情報(当該センタ装置11PBのIPアドレス、通信端末32PBのIPアドレスおよびデータ端末31を特定するための情報)および送信先のデータ端末31に対するデータ送信指示を含む指示応答が、指示電文で通信インターフェース110を通じて返信される。なお、送信先に対して指示を行う必要がない場合は、当該センタ装置11PBのIPアドレス、通信端末32PBのIPアドレスおよびデータ端末31を特定するための情報並びに終了指示を含む終了電文が、通信インターフェース110を通じて返信される(図9の「終了電文」参照)。
【0037】
通信端末32PBにおいて、指示要求電文に応答して管理センタ1PBから返信されてくる指示電文が通信インターフェース321で受信されると、その指示電文に含まれる指示に対応する制御が実行される。この場合、指示がデータ送信指示であるので、その指示電文が通信インターフェース322を通じてデータ端末31に送信される。なお、この場合、データ送信指示のみをデータ端末31に送信するようにしてもよい。
【0038】
データ端末31において、通信インターフェース311から指示電文が得られ、この指示電文からデータ送信指示が得られると、このデータ送信指示に従って、測定部312で得られたデータを通信インターフェース311を通じて通信端末32PBに送信する処理が実行される。
【0039】
通信端末32PBにおいて、指示電文に従って、データ端末31で得られたデータが通信インターフェース322を通じて取得されると、その取得したデータ並びにデータ端末31を特定するための情報、当該通信端末32PBのIPアドレスおよびセンタ装置11PBのIPアドレスを含む電文が、終了電文の要求として通信インターフェース321を通じて管理センタ1PBに送信される。
【0040】
管理センタ1PBにおいて、データ等を含む電文が通信インターフェース110で受信されると、そのデータは、同じ電文に含まれるデータ端末31を特定するための情報とともに収集されて管理されるほか、上記データ等を含む電文に対する応答として、当該センタ装置11PBのIPアドレス、通信端末32PBのIPアドレスおよびデータ端末31を特定するための情報並びに終了指示を含む終了電文が、通信インターフェース110を通じて返信される。
【0041】
通信端末32PBにおいて、終了電文が通信インターフェース321で受信されると、終了電文に含まれる終了指示によりデータが正常に送信されたことを確認し、この後、通常待機モードに移行する。このような動作が定期的に繰り返し実行される。
【0042】
上記通信システムによれば、通信端末32PBがダイナミック・パケット・フィルタリング方式のファイアウォール機能を持つルータ30を介してインターネット40に接続されている場合でも、通信端末32PBから管理センタ1PBへの定期的な指示要求電文に対する応答として、管理センタ1PBから指示電文が出されることにより、その指示電文がルータ30下のサブネットワーク内に通るから、VPN技術などを使用することなく、データ端末31で得られる所定のデータを管理センタ1PBがリモートで収集して管理することができる。これにより、データ端末31側において上記ファイアウォール機能を持つルータ30を使用することができるので、セキュリティのレベルを下げることなく、データをリモートで収集することができる。
【0043】
しかしながら、上記のような仮想専用線を利用した通信システムでは、管理センタとは別に第2管理センタを設け、これをインターネットに接続して需要家側システムにアクセスできるようにするためには、第2管理センタと需要家側システムとの間にも仮想専用線を新たに敷設する必要があるので、第2管理センタに仮想専用線のための設備を追加する必要があるほか、需要家側システムにおいても複数の仮想専用線に対応可能となる高機能な設備を設ける必要がある。
【0044】
一方、ダイナミック・パケット・フィルタリング方式を利用した通信システムでは、管理センタおよび第2管理センタに別々にアクセスする必要があるため、需要家側システムのネットワーク上のトラフィックが勢い増大して、遠隔操作だけでなく他の用途にも使用されている需要家側システムのネットワークの通信速度が低下するほか、第2管理センタの数が増えるほど、通信端末が管理センタおよび第2管理センタに対して即時に指示を出すことが困難となる課題がある。
【0045】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、(第1)管理センタとは別に第2管理センタを設けてこれを通信網に接続する構成でも、第2管理センタおよび需要家側システムに負担をかけることなく、第2管理センタが需要家側システムから所定情報を得ることができる通信システムおよびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0046】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明は、センタ装置を含む第1管理センタと、この第1管理センタとは別に設けられた少なくとも1つの第2管理センタと、所定情報を得るデータ端末を含む需要家側システムとを通信網に接続するとともに、前記需要家側システムに、前記通信網を介して前記データ端末で得られた情報を前記第1管理センタに転送する通信端末を設けて構成される通信システムであって、前記第1管理センタのセンタ装置は、前記需要家側システムにおけるデータ端末で得られた、当該第1管理センタおよび前記第2管理センタへの情報を、前記通信網を介して受信し、その受信した情報のうち前記第2管理センタへの情報を前記第2管理センタに配信ないしダウンロード可能に保持するとともに、前記第1管理センタのセンタ装置は、前記第2管理センタから、前記データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その第2管理センタとそのデータ端末とを対応付けるための指示IDを用いて通信をし、前記通信端末は、前記指示IDを用いた通信により当該通信端末下のデータ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ指示IDを含めることを特徴とする。
【0047】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の通信システムにおいて、前記通信網は、インターネットと前記通信端末との間に介設された第1トンネリング手段と、インターネットと前記センタ装置との間に介設された第2トンネリング手段とにより構成される仮想専用線であり、前記第1トンネリング手段は、前記通信端末側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらに前記第2トンネリング手段の宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット上に送出する一方、前記第2トンネリング手段は、インターネットを介して、前記第1トンネリング手段から送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を前記センタ装置に送信することを特徴とする。
【0048】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の通信システムにおいて、前記通信網には前記第2管理センタが複数接続され、前記第2管理センタは、前記通信網を介して前記第1管理センタに前記データ端末への指示電文を送信する一方、前記第1管理センタのセンタ装置は、前記通信網を介して、前記複数の第2管理センタから一の通信端末を経由する前記データ端末への指示電文を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む指示電文を1セッションでその一の通信端末側に送信することを特徴とする。
【0049】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記需要家側システムは、前記通信端末に対してIPアドレスを割り当てるDHCPサーバを含むことを特徴とする。
【0050】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記通信端末と前記データ端末との間の通信は無線通信であることを特徴とする。
【0051】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記データ端末は、前記需要家側システムの需要家によって消費された消費量を前記所定情報として得るメータ、ガス漏れの検出結果を前記所定情報として得るガス漏れ警報器、火災発生の検出結果を前記所定情報として得る火災報知器、または人の検出結果を前記所定情報として得る人感知器であることを特徴とする。
【0052】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記指示IDは、少なくとも前記第2管理センタを複数のグループのうちいずれのグループに属するかを区分するIDに設定されていることを特徴とする。
【0053】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の通信システムにおいて、前記通信端末は、定期的に、前記通信網を介して前記第1管理センタのセンタ装置に指示要求を送信し、この指示要求に応答して前記センタ装置から返信されてくる指示応答を受信した場合には、その指示応答に含まれる所定の指示に従って前記データ端末に指示を出すことを特徴とする。
【0054】
請求項9記載の発明は、センタ装置を含む第1管理センタと、この第1管理センタとは別に設けられた少なくとも1つの第2管理センタと、所定情報を得るデータ端末を含む需要家側システムとを通信網に接続するとともに、前記需要家側システムに、前記通信網を介して前記データ端末で得られた情報を前記第1管理センタに転送する通信端末を設けて構成される通信システムで使用される通信方法であって、前記第1管理センタのセンタ装置が、前記第2管理センタから、前記データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その第2管理センタとそのデータ端末とを対応付けるための指示IDを用いて通信をするステップと、前記通信端末は、前記指示IDを用いた通信により当該通信端末下のデータ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ指示IDを含めるステップと、前記第1管理センタのセンタ装置が、前記需要家側システムにおけるデータ端末で得られた、当該第1管理センタおよび前記第2管理センタへの情報を、前記通信網を介して受信するステップと、その受信した情報のうち前記第2管理センタへの情報を、前記第2管理センタに配信ないしダウンロード可能に保持するステップとを有することを特徴とする。
【0055】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の通信方法において、前記通信システムは、前記通信網が、インターネットと前記通信端末との間に介設された第1トンネリング手段と、インターネットと前記センタ装置との間に介設された第2トンネリング手段とにより構成される仮想専用線であり、前記第1トンネリング手段が、前記通信端末側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらに前記第2トンネリング手段の宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット上に送出する一方、前記第2トンネリング手段が、インターネットを介して、前記第1トンネリング手段から送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を前記センタ装置に送信するように構成されていることを特徴とする。
【0056】
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載の通信方法において、前記通信網に前記第2管理センタが複数接続されている場合には、前記通信網を介して受信するステップの前に、前記第2管理センタが、前記通信網を介して前記第1管理センタに前記データ端末への指示電文を送信し、前記第1管理センタのセンタ装置が、前記通信網を介して、前記複数の第2管理センタから一の通信端末を経由する前記データ端末への指示電文を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む指示電文を1セッションでその一の通信端末側に送信することを特徴とする。
【0057】
請求項12記載の発明は、請求項9記載の通信方法において、前記通信システムは、前記通信端末が、定期的に、前記通信網を介して前記第1管理センタのセンタ装置に指示要求を送信し、この指示要求に応答して前記センタ装置から返信されてくる指示応答を受信した場合には、その指示応答に含まれる所定の指示に従って前記データ端末に指示を出すように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0058】
請求項1記載の発明は、センタ装置を含む第1管理センタと、この第1管理センタとは別に設けられた少なくとも1つの第2管理センタと、所定情報を得るデータ端末を含む需要家側システムとを通信網に接続するとともに、前記需要家側システムに、前記通信網を介して前記データ端末で得られた情報を前記第1管理センタに転送する通信端末を設けて構成される通信システムであって、前記第1管理センタのセンタ装置は、前記需要家側システムにおけるデータ端末で得られた、当該第1管理センタおよび前記第2管理センタへの情報を、前記通信網を介して受信し、その受信した情報のうち前記第2管理センタへの情報を前記第2管理センタに配信ないしダウンロード可能に保持するとともに、前記第1管理センタのセンタ装置は、前記第2管理センタから、前記データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その第2管理センタとそのデータ端末とを対応付けるための指示IDを用いて通信をし、前記通信端末は、前記指示IDを用いた通信により当該通信端末下のデータ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ指示IDを含めるので、第1管理センタとは別に第2管理センタを設けてこれを通信網に接続する構成でも、第2管理センタおよび需要家側システムに負担をかけることなく、第2管理センタが需要家側システムから所定情報を得ることができる。また、例えば、通信時間を指定する予約通信や通信端末の定期アクセスの折り返しで通信をするときなどで、複数の第2管理センタから同時刻に通信依頼があっても、いずれの電文がどの第2管理センタからの依頼であるかの対応付けが可能となり、配信が可能となる。
【0059】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の通信システムにおいて、前記通信網は、インターネットと前記通信端末との間に介設された第1トンネリング手段と、インターネットと前記センタ装置との間に介設された第2トンネリング手段とにより構成される仮想専用線であり、前記第1トンネリング手段は、前記通信端末側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらに前記第2トンネリング手段の宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット上に送出する一方、前記第2トンネリング手段は、インターネットを介して、前記第1トンネリング手段から送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を前記センタ装置に送信するので、通信システムのセキュリティを強化することができる。
【0060】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の通信システムにおいて、前記通信網には前記第2管理センタが複数接続され、前記第2管理センタは、前記通信網を介して前記第1管理センタに前記データ端末への指示電文を送信する一方、前記第1管理センタのセンタ装置は、前記通信網を介して、前記複数の第2管理センタから一の通信端末を経由する前記データ端末への指示電文を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む指示電文を1セッションでその一の通信端末側に送信するので、需要家側システムにおける通信トラフィックを低減することができる。
【0061】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記需要家側システムは、前記通信端末に対してIPアドレスを割り当てるDHCPサーバを含むので、通信端末の数が増減しても柔軟に対応することができる。
【0062】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記通信端末と前記データ端末との間の通信は無線通信であるので、需要家側システムの構築が容易となる。
【0063】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記データ端末は、前記需要家側システムの需要家によって消費された消費量を前記所定情報として得るメータ、ガス漏れの検出結果を前記所定情報として得るガス漏れ警報器、火災発生の検出結果を前記所定情報として得る火災報知器、または人の検出結果を前記所定情報として得る人感知器であるので、種々の情報を基に様々な遠隔監視が可能となる。
【0064】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれかに記載の通信システムにおいて、前記指示IDは、少なくとも前記第2管理センタを複数のグループのうちいずれのグループに属するかを区分するIDに設定されているので、通信端末またはデータ端末側で、電文を送信した第2管理センタが属するグループに応じて、セキュリティレベルまたは通信方式を変更することが可能となる。
【0065】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の通信システムにおいて、前記通信端末は、定期的に、前記通信網を介して前記第1管理センタのセンタ装置に指示要求を送信し、この指示要求に応答して前記センタ装置から返信されてくる指示応答を受信した場合には、その指示応答に含まれる所定の指示に従って前記データ端末に指示を出すので、擬似的な双方向通信が可能となり、通信システムのセキュリティを強化することができる。
【0066】
請求項9記載の発明は、センタ装置を含む第1管理センタと、この第1管理センタとは別に設けられた少なくとも1つの第2管理センタと、所定情報を得るデータ端末を含む需要家側システムとを通信網に接続するとともに、前記需要家側システムに、前記通信網を介して前記データ端末で得られた情報を前記第1管理センタに転送する通信端末を設けて構成される通信システムで使用される通信方法であって、前記第1管理センタのセンタ装置が、前記第2管理センタから、前記データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その第2管理センタとそのデータ端末とを対応付けるための指示IDを用いて通信をするステップと、前記通信端末は、前記指示IDを用いた通信により当該通信端末下のデータ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ指示IDを含めるステップと、前記第1管理センタのセンタ装置が、前記需要家側システムにおけるデータ端末で得られた、当該第1管理センタおよび前記第2管理センタへの情報を、前記通信網を介して受信するステップと、その受信した情報のうち前記第2管理センタへの情報を、前記第2管理センタに配信ないしダウンロード可能に保持するステップとを有するので、第1管理センタとは別に第2管理センタを設けてこれを通信網に接続する構成でも、第2管理センタおよび需要家側システムに負担をかけることなく、第2管理センタが需要家側システムから所定情報を得ることができる。また、例えば、通信時間を指定する予約通信や通信端末の定期アクセスの折り返しで通信をするときなどで、複数の第2管理センタから同時刻に通信依頼があっても、いずれの電文がどの第2管理センタからの依頼であるかの対応付けが可能となり、配信が可能となる。
【0067】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の通信方法において、前記通信システムは、前記通信網が、インターネットと前記通信端末との間に介設された第1トンネリング手段と、インターネットと前記センタ装置との間に介設された第2トンネリング手段とにより構成される仮想専用線であり、前記第1トンネリング手段が、前記通信端末側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらに前記第2トンネリング手段の宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット上に送出する一方、前記第2トンネリング手段が、インターネットを介して、前記第1トンネリング手段から送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を前記センタ装置に送信するように構成されているので、通信システムのセキュリティを強化することができる。
【0068】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の通信方法において、前記通信網に前記第2管理センタが複数接続されている場合には、前記通信網を介して受信するステップの前に、前記第2管理センタが、前記通信網を介して前記第1管理センタに前記データ端末への指示電文を送信し、前記第1管理センタのセンタ装置が、前記通信網を介して、前記複数の第2管理センタから一の通信端末を経由する前記データ端末への指示電文を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む指示電文を1セッションでその一の通信端末側に送信するので、需要家側システムにおける通信トラフィックを低減することができる。
【0069】
請求項12記載の発明は、請求項9記載の通信方法において、前記通信システムは、前記通信端末が、定期的に、前記通信網を介して前記第1管理センタのセンタ装置に指示要求を送信し、この指示要求に応答して前記センタ装置から返信されてくる指示応答を受信した場合には、その指示応答に含まれる所定の指示に従って前記データ端末に指示を出すように構成されているので、擬似的な双方向通信が可能となり、通信システムのセキュリティを強化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
図1は通信システムの構成図、図2は同通信システムにおける通信端末の構成図、図3は同通信システムにおけるセンタ装置の構成図、図4は同通信システムの動作説明図であり、これらの図を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
【0071】
本実施形態の通信システムは、図1に示すように、センタ装置11Aを含む管理センタ1A(第1管理センタ)のネットワークN1と、管理センタ1Aとは別に設けられた複数の管理センタ2(第2管理センタ)のネットワークN2と、所定情報を得るデータ端末31を含む需要家側システム3A,3BのネットワークN3,N3とを、インターネット40を含む通信網に接続するとともに、需要家側システム3A,3Bに、それぞれ、データ端末31で得られた情報を、上記通信網を介してセンタ装置11Aに転送する通信端末32A,32Bを設けて構成される。
【0072】
先ず、仮想専用線4Aを利用する需要家側システム3Aにおいて、ルータ30Aは図6のそれと同じものである。なお、ルータ30Aは、「指示ID」とともに送信されてきた電文を受信したとき、本来のルータ機能により、同じ「指示ID」を含めてルーティングを行うことは言うまでもない。データ端末31は、図6,図8で示したメータ311、警報器312、宅内情報盤313、ガス機器314および電気機器315のほか、火災発生の検出結果を得る火災報知器および人の検出結果を得る人感知器などを含む各機器のうちの何れかであり、図8のデータ端末31と同様に構成されている。
【0073】
通信端末32Aは、通信インターフェース321,322と、メモリ324とを図8の通信端末32PBと同様に備えているほか、通信端末32PBとの相違点として、通信制御部325Aを備えている。この通信制御部325Aは、「指示ID」を用いた通信により当該通信端末32A下のデータ端末31で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ「指示ID」を含める以外は図8の通信制御部325と同様に構成される。なお、後述の図4では、電文(「応答電文」)を、当該通信端末下の「データ端末ID」、「指示ID」、送信元のIPアドレス(図では「送信元」)および送信先のIPアドレス(「送信先」)とともに送信するようになっている。
【0074】
ダイナミック・パケット・フィルタリング方式を利用する需要家側システム3Bにおいて、ルータ30は図8のそれと同じものである。データ端末31は、図6,図8で示したメータ311、警報器312、宅内情報盤313、ガス機器314および電気機器315のほか、火災発生の検出結果を得る火災報知器および人の検出結果を得る人感知器などを含む各機器のうちの何れかであり、図8のデータ端末31と同様に構成されている。
【0075】
通信端末32Bは、図1,図2に示すように、通信インターフェース321,322と、タイマ323と、メモリ324とを図8の通信端末32PBと同様に備えているほか、通信端末32PBとの相違点として、通信制御部325Bを備えている。この通信制御部325Bは、「指示ID」を用いた通信により当該通信端末32B下のデータ端末31で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ「指示ID」を含める以外は図8の通信制御部325と同様に構成される。なお、図4では、電文(「応答電文」)を、当該通信端末下の「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに送信するようになっている。
【0076】
次に図1の管理センタ2において、ルータ20は、例えば、NATやIPマスカレードなどの技術を用いて、TCP/IPなどのプロトコルによるルーティングを実行する機能を有する通常のルータである。
【0077】
センタ装置21は、コンピュータであり、インターネット40を含む通信網を介して、データ端末31への「指示電文」または「電文要求」を、自己に予め割り当てられた「指示ID」とともに管理センタ1Aに送信することにより、データ端末31で得られた所定情報を、管理センタ1Aを経由して取得するものである。
【0078】
次に管理センタ1Aにおいて、ルータ10Aは、図6,図8に示した両管理センタ1PA,1PBにおけるルータ10A,10の両機能を併せ持つものである。
【0079】
センタ装置11Aは、コンピュータであり、通信インターフェース110を上記両管理センタ1PA,1PBと同様に備えているほか、両管理センタ1PA,1PBとの相違点として、記憶部111Aと、サーバ機能部112と、通信制御部113とを備えている。
【0080】
記憶部111Aは、図3に示すような各種情報を記憶する半導体記憶装置またはハードディスクなどにより構成される。図3の例において、「需要家側端末データ保存部」には、本通信端末32A,32Bおよびデータ端末31の少なくとも一方の識別情報を記憶してある。ここで、仮想専用線4Aを利用する通信システムにおいては、管理センタ側から通信端末32A,32Bに割り当てられているIPアドレスを宛先情報として通信を開始するため、上記通信端末の通信端末IDおよびデータ端末のデータ端末IDうち少なくとも一方とそのIPアドレスを紐付けて記憶されている。
【0081】
管理センタ2を特定するための情報を保存する「管理者データ保存部」には、管理センタ2に予め割り当てられた指示IDごとに、その管理センタ2側のグローバルIPアドレス、メールアドレスおよびドメインネームが記憶されている。そして、「通信データ保存部」には、需要家側システム3A,3Bの各データ端末31への送信電文の送信時刻ごとに、送信先の通信端末の通信端末IDおよびデータ端末のデータ端末IDのうち少なくとも一方(本実施形態ではデータ端末ID)と、電文とが記憶されるほか、需要家側システム3A,3Bの各データ端末31または管理センタ2からの受信電文の受信時刻ごとに、電文とともに受信した指示IDと、電文とともに受信した通信端末の通信端末IDおよびデータ端末のデータ端末IDのうち少なくとも一方(本実施形態ではデータ端末ID)と、電文とが記憶される。
【0082】
サーバ機能部112は、WWW(WorldWide Web)、FTP(File Transfer Protocol)またはメールなどのサーバ機能を有し、通信制御部113で受信された管理センタ2への情報をダウンロード可能に保持するものである。
【0083】
通信制御部113は、図6に示したセンタ装置11PAのデータ収集部114および図8に示したセンタ装置11PBのデータ収集部114,返信処理部115の各部と同様の通信機能を持ち、需要家側システム3A,3Bの双方と通信をするための制御を行う。この通信機能により、管理センタ1Aは、図6,図8に示した両管理センタ1PA,1PBと同様に、自己が必要とする所定データを各データ端末31から取得することができる。
【0084】
また、通信制御部113は、インターネット40を含む通信網を介して、複数の管理センタ2から一の通信端末を経由するデータ端末31への「指示電文」を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む「指示電文」を、1セッションでその一の通信端末側に送信する制御を実行する。
【0085】
さらに、通信制御部113は、図4に示す「データ転送方式」および「管理者確認方式」のいずれかで、データ端末31で得られる所定情報を管理センタ2に送信する制御を行う。なお、図4の例では、管理センタ2のIPアドレスをA、管理センタ1AのIPアドレスをB、通信端末のIPアドレスをCとしてある。
【0086】
先ず「データ転送方式」について詳述する。通信制御部113は、管理センタ2から通信網を介して、「指示電文」が「データ端末ID」、「指示ID」、指示電文の転送開始時刻を示す「実施時間」、「送信元」および「送信先」とともに送信されてくると、その「指示電文」等を受信する制御を行う。このとき、その受信時刻とともに、「指示ID」、「データ端末ID」および「指示電文」等が記憶部111Aに記憶される。なお、「実施時間」には即時も含まれる。
【0087】
そして、通信制御部113は、「実施時間」の時刻になると、通信網を介して「データ端末ID」のデータ端末31に向けて、上記指示電文の指示内容を含む「指示電文」を、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに送信する制御を行う。このとき、その送信時刻とともに、「データ端末ID」および「指示ID」等が記憶部111Aに記憶される。なお、図4では、ルータ30A,30を省略してあるが、管理センタ1Aからデータ端末31に向けて送信されるパケットの「送信先」には、ルータ30A,30のIPアドレスが含まれることになる。
【0088】
ここで、ダイナミック・パケット・フィルタリング方式の場合には、図4に示すように、通信端末32Bから、通信端末IDおよびデータ端末IDのうち少なくとも一方(図では「データ端末ID」)を、「送信元」および「送信先」とともに受信したとき、「データ端末ID」に対応する「指示電文」が記憶部111Aに記憶されているかどうかを確認し、それが記憶されておりかつ「実施時間」の時刻であれば、折り返し通信で、「指示電文」を、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに上記通信端末32Bに送信する制御が実行される。
【0089】
これに対し、仮想専用線の場合、「実施時間」の時刻になると、「指示電文」を、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに通信端末32Aに送信する制御が実行される。これにより、「指示電文」、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」は、仮想専用線4Aを通って暗号化および復号化を経て、対応する通信端末32Aに送信されることになる。
【0090】
そして、通信制御部113は、データ端末31から通信網を介して、「指示電文」に対応する「応答電文」が「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに送信されてくると、「応答電文」等を受信し、通信網を介して、「応答電文」を、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに、「指示ID」の管理センタ2に送信する制御を行う。このとき、「応答電文」等の受信時刻とともに、「指示ID」、「データ端末ID」および「応答電文」等が記憶部111Aに記憶される。
【0091】
次に「管理者確認方式」について詳述する。通信制御部113は、需要家側システム3A,3Bにおけるデータ端末31で得られた、当該管理センタ1Aおよび管理センタ2への情報を、インターネット40を含む通信網を介して一括して受信する制御を予め実行する。
【0092】
そして、通信制御部113は、その一括して受信した情報のうち管理センタ2への情報を、管理センタ2に配信ないしサーバ機能部112にてダウンロード可能に保持させる制御を行う。
【0093】
図4は、一括して受信した情報のうち管理センタ2への情報がサーバ機能部112にてダウンロード可能に保持されている場合を示している。この場合、通信制御部113は、通信網を介して管理センタ2から「電文要求」を、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに受信したとき、一括して受信した情報のうち「データ端末ID」に対応する情報を含む「応答電文」を、「データ端末ID」、「指示ID」、「送信元」および「送信先」とともに通信網を介して管理センタ2に送信する制御を行う。このときまたは管理センタ2への配信時、送信時刻とともに、「データ端末ID」および「応答電文」等が記憶部111Aに記憶される。
【0094】
上記「データ転送方式」および「管理者確認方式」の何れの場合も、管理センタ1A(通信制御部113)は、管理センタ2から、データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その管理センタ2とそのデータ端末31とを対応付けるための指示IDを用いて通信をするのである。
【0095】
このように構成される通信システムによれば、管理センタ1Aとは別に複数の管理センタ2を設けてこれらを通信網に接続する構成でも、管理センタ2および需要家側システム3A,3Bに負担をかけることなく、管理センタ2が需要家側システム3A,3Bから所定情報を得ることができる。
【0096】
特に、「指示ID」を使用することにより、通信時間を指定する予約通信や通信端末の定期アクセスの折り返しで通信をするときなどで、複数の管理センタ2から同時刻に通信依頼があっても、いずれの電文がどの管理センタ2からの依頼であるかの対応付けが可能となり、配信が可能となる。
【0097】
また、管理センタ1Aが管理センタ2とデータ端末31との間の転送制御を行うので、各管理センタ2は、データ端末31から所定情報を得るための通信プロトコルに対応していなくても、データ端末31から所定情報を取得することができる。
【0098】
さらに、「指示ID」を、各管理センタ2を複数のグループのうちいずれのグループに属するかを区分するIDに設定すれば、通信端末またはデータ端末が、受信した電文をどのグループに属する管理センタから送信されてきたものであるかを区分することができる。これにより、例えば、通信端末またはデータ端末側で、電文を送信した管理センタが属するグループに応じて、セキュリティレベルまたは通信方式を変更することが可能となる。より具体的には、管理センタが属するグループに応じて、暗号化方式や通信に使用する暗号鍵などを変更することができる。また、特定のグループに属する管理センタからの電文のみの受信を許容し、その他の電文の受信を禁止することも可能となる。また、指示IDは、管理センタ2に限らず、管理センタ1Aにも予め割り当てるようにしてもよい。
【0099】
なお、図1において、通信端末とデータ端末との間の通信は、有線通信に限らず、無線通信でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明による一実施形態の通信システムの構成図である。
【図2】同通信システムにおける通信端末の構成図である。
【図3】同通信システムにおけるセンタ装置の構成図である。
【図4】同通信システムの動作説明図である。
【図5】インターネットを利用した従来の通信システムの構成図である。
【図6】仮想専用線を利用した通信システムの構成図である。
【図7】同通信システムの動作説明図である。
【図8】ダイナミック・パケット・フィルタリング方式を利用した通信システムの構成図である。
【図9】同通信システムの動作説明図である。
【符号の説明】
【0101】
1A 管理センタ
10A ルータ
11A センタ装置
110 通信インターフェース
111A 記憶部
112 サーバ機能部
113 通信制御部
2 管理センタ
20 ルータ
21 センタ装置
3A,3B 需要家側システム
30A,30 ルータ
31 データ端末
32A,32B 通信端末
40 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センタ装置を含む第1管理センタと、この第1管理センタとは別に設けられた少なくとも1つの第2管理センタと、所定情報を得るデータ端末を含む需要家側システムとを通信網に接続するとともに、前記需要家側システムに、前記通信網を介して前記データ端末で得られた情報を前記第1管理センタに転送する通信端末を設けて構成される通信システムであって、
前記第1管理センタのセンタ装置は、前記需要家側システムにおけるデータ端末で得られた、当該第1管理センタおよび前記第2管理センタへの情報を、前記通信網を介して受信し、その受信した情報のうち前記第2管理センタへの情報を前記第2管理センタに配信ないしダウンロード可能に保持するとともに、
前記第1管理センタのセンタ装置は、前記第2管理センタから、前記データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その第2管理センタとそのデータ端末とを対応付けるための指示IDを用いて通信をし、
前記通信端末は、前記指示IDを用いた通信により当該通信端末下のデータ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ指示IDを含める
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信網は、インターネットと前記通信端末との間に介設された第1トンネリング手段と、インターネットと前記センタ装置との間に介設された第2トンネリング手段とにより構成される仮想専用線であり、
前記第1トンネリング手段は、前記通信端末側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらに前記第2トンネリング手段の宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット上に送出する一方、
前記第2トンネリング手段は、インターネットを介して、前記第1トンネリング手段から送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を前記センタ装置に送信する
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信網には前記第2管理センタが複数接続され、
前記第2管理センタは、前記通信網を介して前記第1管理センタに前記データ端末への指示電文を送信する一方、
前記第1管理センタのセンタ装置は、前記通信網を介して、前記複数の第2管理センタから一の通信端末を経由する前記データ端末への指示電文を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む指示電文を1セッションでその一の通信端末側に送信する
ことを特徴とする請求項1または2記載の通信システム。
【請求項4】
前記需要家側システムは、前記通信端末に対してIPアドレスを割り当てるDHCPサーバを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信端末と前記データ端末との間の通信は無線通信であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
前記データ端末は、前記需要家側システムの需要家によって消費された消費量を前記所定情報として得るメータ、ガス漏れの検出結果を前記所定情報として得るガス漏れ警報器、火災発生の検出結果を前記所定情報として得る火災報知器、または人の検出結果を前記所定情報として得る人感知器であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の通信システム。
【請求項7】
前記指示IDは、少なくとも前記第2管理センタを複数のグループのうちいずれのグループに属するかを区分するIDに設定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信システム。
【請求項8】
前記通信端末は、定期的に、前記通信網を介して前記第1管理センタのセンタ装置に指示要求を送信し、この指示要求に応答して前記センタ装置から返信されてくる指示応答を受信した場合には、その指示応答に含まれる所定の指示に従って前記データ端末に指示を出すことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項9】
センタ装置を含む第1管理センタと、この第1管理センタとは別に設けられた少なくとも1つの第2管理センタと、所定情報を得るデータ端末を含む需要家側システムとを通信網に接続するとともに、前記需要家側システムに、前記通信網を介して前記データ端末で得られた情報を前記第1管理センタに転送する通信端末を設けて構成される通信システムで使用される通信方法であって、
前記第1管理センタのセンタ装置が、前記第2管理センタから、前記データ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その第2管理センタとそのデータ端末とを対応付けるための指示IDを用いて通信をするステップと、
前記通信端末は、前記指示IDを用いた通信により当該通信端末下のデータ端末で得られる所定情報の送信要求を受けたとき、その送信要求に対する応答に同じ指示IDを含めるステップと、
前記第1管理センタのセンタ装置が、前記需要家側システムにおけるデータ端末で得られた、当該第1管理センタおよび前記第2管理センタへの情報を、前記通信網を介して受信するステップと、
その受信した情報のうち前記第2管理センタへの情報を、前記第2管理センタに配信ないしダウンロード可能に保持するステップと
を有することを特徴とする通信方法。
【請求項10】
前記通信システムは、前記通信網が、インターネットと前記通信端末との間に介設された第1トンネリング手段と、インターネットと前記センタ装置との間に介設された第2トンネリング手段とにより構成される仮想専用線であり、前記第1トンネリング手段が、前記通信端末側から送出されたデータ、識別情報および宛先情報を暗号化し、これらに前記第2トンネリング手段の宛先情報を付加してトンネリングパケットを作成し、このトンネリングパケットをインターネット上に送出する一方、前記第2トンネリング手段が、インターネットを介して、前記第1トンネリング手段から送出されたトンネリングパケットを受信し、これに含まれる暗号化されたデータ、識別情報および宛先情報を復号し、この復号された宛先情報を基にこの宛先情報とともに復号されたデータおよび識別情報を前記センタ装置に送信するように構成されていることを特徴とする請求項9記載の通信方法。
【請求項11】
前記通信網に前記第2管理センタが複数接続されている場合には、前記通信網を介して受信するステップの前に、
前記第2管理センタが、前記通信網を介して前記第1管理センタに前記データ端末への指示電文を送信し、
前記第1管理センタのセンタ装置が、前記通信網を介して、前記複数の第2管理センタから一の通信端末を経由する前記データ端末への指示電文を受信したとき、それら複数の指示電文の指示内容を含む指示電文を1セッションでその一の通信端末側に送信する
ことを特徴とする請求項9又は10記載の通信方法。
【請求項12】
前記通信システムは、前記通信端末が、定期的に、前記通信網を介して前記第1管理センタのセンタ装置に指示要求を送信し、この指示要求に応答して前記センタ装置から返信されてくる指示応答を受信した場合には、その指示応答に含まれる所定の指示に従って前記データ端末に指示を出すように構成されていることを特徴とする請求項9記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−243232(P2008−243232A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163420(P2008−163420)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【分割の表示】特願2003−88369(P2003−88369)の分割
【原出願日】平成15年3月27日(2003.3.27)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】