説明

通信システムにおけるアップリンク電力制御のための方法及び装置

通信システムは、ノードBによって少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する最初の工程(404)によって、セル境界性能及びスペクトル効率を最適化する。次の工程(406)は、ノードBによって、少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程を含む。次の工程(408)は、少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を受信する工程を含む。次の工程(410)は、ノードBによって測定された少なくとも一つのシステム性能メトリックと少なくとも一つの他の隣接するノードBによって測定されたシステム性能メトリックとに基づいて適合電力制御パラメータを判定する工程を含む。次の工程(412)は、ノードBの支配下にある少なくとも一つのユーザ装置の送信電力レベルを更新するために適合電力制御パラメータを利用する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一般に単一搬送波及び複数搬送波の周波数分割多元接続(FDMA)通信システム及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)通信システムに関し、特に、単一搬送波及び複数搬送波のFDMA及びOFDMA通信システムにおけるアップリンク電力制御に関する。
【背景技術】
【0002】
IFDMA、DFT−SOFDMA及びOFDMA通信システムのような、単一搬送波及び複数搬送波の周波数分割多元接続(FDMA)通信システムは、エア・インターフェース上のデータ送信のための3GPP(第三世代パートナーシッププロジェクト)及び3GPP2の進化した通信システムに使用するために提案されている。単一搬送波及び複数搬送波のFDMA通信システムにおいて、周波数帯域幅が、近接する複数の周波数サブバンド(sub−band)又は副搬送波に分割され、同時に送信される。ユーザは、次に、ユーザ情報の交換のために一つ以上の周波数サブバンドを割り当られ、その結果、複数のユーザが異なる副搬送波上で同時に送信することが許可される。これらの副搬送波は互いに直交しており、従って、セル内干渉が減少する。
【0003】
スペクトル効率を最大化するために、「1」の周波数再利用係数が、単一搬送波及び複数搬送波のFDMA通信システムにおけるダウンリンクとアップリンクとの両方に提案されてきた。「1」の周波数再利用係数により、一つのセクタ/セル内のデータ及び制御チャネルは、他のセクタ/セルから干渉を受け得る。このことは、セルの境界域又は良好でないサービス位置にあるユーザ装置(UE)にとりわけ当てはまる。従って、セクタ又はセル内の各ユーザ装置(UE)にアップリンク上で全出力で送信させると、結果として非常に質の悪い境界性能となる。一方で、セクタ又はセル内の各UEが各UEの無線アクセスネットワークにおいて同じ受信電力をもたらすアップリンク電力で送信する従来の電力制御スキームの実施は、高いデータ転送速度で送信可能なUEの欠乏による全体の低いスペクトル効率に悩まされる。
【0004】
従って、セル境界性能と全体的なスペクトル効率との間のより良いトレードオフをもたらすリソース割当スキームの必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本願発明の実施形態による無線通信システムのブロック図。
【図2】本願発明の実施形態による図1のノードBのブロック図。
【図3】本願発明の実施形態による図1のユーザ装置のブロック図。
【図4】本願発明の実施形態による図1の境界ゲートウェイのブロック図。
【図5】本願発明の実施形態による図1の通信システムによって実行されるアップリンク電力制御の方法を示す論理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
当業者は、図面内の要素が平易化及び明瞭化のために説明され、必ずしも一定の縮尺で描かれるわけではないことを分かるであろう。例えば、図面内のいくつかの要素の大きさは、本願発明の様々な実施形態の理解を深めるために他の要素に対して誇張され得る。さらに、商業的に可能な実施形態において有益な又は必須である一般的によく知られた要素は、大抵、本願発明のこれら様々な実施形態を理解し易くするために描かれない。
【0007】
セル境界性能と全体のスペクル効率との間のより良いトレードオフをもたらすリソース割当スキームの必要性に取組むために、通信システムは、適合電力制御パラメータに基づいて、即ち、供給ノードBとそれに隣接するノード複数のノードBsとのシステム性能メトリック測定結果system perfoemance metric measurementに基づいて、アップリンク電力をユーザ装置(UE)に割り当てる。適合電力制御パラメータが、供給ノードBによって供給されたユーザ装置(UE)のアップリンク送信電力を判定するために使用される。
【0008】
動作中に、複数のノードBsは、システム性能メトリック測定結果の量子化された指標を、互いに又は境界ゲートウェイに送信できる。これらの指標が、複数のUEsの電力制御パラメータを適合させるために、境界ゲートウェイとノードBsとのどちらか又は両方によって処理される。アップリンク送信電力がノードBによって判定されて次にUEに送られるか、又はノードBが適合電力制御パラメータをUEにブロードキャストするとともに、UEがアップリンク送信電力を自己判定し得る。
【0009】
通常の実施形態において、本願発明は、通信システムにおけるノードBによるアップリンク電力制御のための方法を含む。この方法は、ノードBによって、少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する最初の工程を含む。次の工程は、ノードBによって、少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程を含む。次の工程は、少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を受信する工程を含む。次の工程は、ノードBによって測定された少なくとも一つのシステム性能メトリックと少なくとも一つの他の隣接するノードBによって測定されたシステム性能メトリックとに基づいて適合電力制御パラメータを判定する工程を含む。次の工程は、ノードBの支配下にある少なくとも一つのユーザ装置のアップリンク送信電力レベルを更新するために適合電力制御パラメータを使用する工程を含む。
【0010】
本願発明の一実施形態において、境界ゲートウェイは、ノードBから指標を受信し、これらの指標を隣接する複数のノードBsに送る。これらの隣接するノードBsは、受信した指標と自身のシステム性能メトリック測定結果とを使用することにより、電力制御パラメータを適合させることができる。
【0011】
本願発明の別の実施形態において、境界ゲートウェイは、ノードBsから指標を受信し、以下に記載されるように、受信した指標を予備的処理し、その結果をノードBsに送る。ノードBsは、次に、境界ゲートウェイからの予備的処理された結果に基づき、自身のシステム性能メトリック測定結果を使用して、電力制御パラメータを適合させる。
【0012】
本願発明のさらに別の実施形態において、境界ゲートウェイは、ノードBsから指標を受信し、電力制御パラメータを適合させ、適合されたパラメータをノードBsに送信する。
【0013】
図1を参照すると、本願発明の実施形態による無線通信システム100のブロック図が示される。通信システム100は、複数のノードBs110−112(3つが示される)を含み、各々のノード110−112が、それぞれのエア・インターフェース120−122を介して、ノードBのセル又はセクタのようなサービスエリア内に存在する複数のUEsに無線通信サービスを提供する。各エア・インターフェース120−122は、それぞれダウンリンクとアップリンクとを備える。ダウンリンク及びアップリンクの各々は、少なくとも一つの信号チャネルと少なくとも一つのトラフィック・チャネルとを含む、複数の物理的な通信チャネルを備える。
【0014】
複数のノードBs110−112の各ノードBは、一つ以上のネットワークアクセスゲートウェイ130と、全てのノードBsの一つ以上の有線リンク及び無線リンクを備え得る帰路ノードB間インターフェースとを介して、及び各ノードBが他のノードBsにブロードキャストすることを介して、複数のノードBsの他のノードBsと通信する。当業者に公知であるように、アクセスゲートウェイ130は、無線ネットワークコントローラ(RNC)、移動交換局(MSC)、パケットデータサービスノード(PDSN)、又はメデイアゲートウェイのようなゲートウェイであって、ネットワークは同ゲートウェイを介して各々のノードBとアクセスし得るとともに、複数のノードBsは同ゲートウェイを介して互いに通信し得る。
【0015】
通信システム100は、さらに複数の無線ユーザ装置(UEs)101−104(4つが示される)を含む。ユーザ装置(UEs)は、携帯電話、無線電話、無線周波数(RF)能力を有する携帯情報端末(PDA)、又はラップトップコンピュータのようなデジタル端末装置(DTE)にRFアクセスを提供する無線モデム等を含むが、それらに制限されない。本願発明の原理を説明するために、各UE101−104がノードB111の支配下にあると想定する。
【0016】
図2は、本願発明の実施形態による、ノードBs110−112等のノードB200のブロック図である。ノードB200は、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、それらの組合せ又は当業者に公知の他の装置のようなプロセッサ202を含む。プロセッサ202の特定の動作/機能、ひいてはノード200Bの動作/機能は、プロセッサに関連する少なくとも一つのメモリ装置204に格納されるソフトウェア指示及びルーティンによって決定され、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)又はそれらの等価物であり、対応するプロセッサによって実行され得るデータとプログラムとを格納する。プロセッサ202は、さらに、少なくとも一つのメモリ装置204に保持された指示に基づいて、比例公平スケジューラ(Proportional Fair Scheduler)のようなスケジューラを実行し、ノードBが支配する各UEに対する送信電力を判定し且つ割り当てる。
【0017】
図3は、本願発明の実施形態による、UEs101−104のような、ユーザ装置(UE)300のブロック図である。UE300は、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントロール、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、それらの組合せ又は当業者に公知の他の装置のようなプロセッサ302を含む。プロセッサ302の特定の動作/機能、ひいてはそれぞれのUE300の動作/機能は、プロセッサと関連する少なくとも一つのメモリ装置304に格納されたソフトウェア指示及びルーティンによって決定され、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)又はそれらの等価物であり、対応するプロセッサによって実行され得るデータとプログラムとを格納する。
【0018】
図4は、本願発明の実施形態による、アクセスゲートウェイ130のような、境界ゲートウェイ(eGW)のブロック図である。ゲートウェイ130は、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、それらの組合せ又は当業者に公知の他の装置のようなプロセッサ306を含む。プロセッサ306の特定の動作/機能、ひいてはゲートウェイ130の動作/機能は、プロセッサと関連する少なくとも一つのメモリ装置308に格納されたソフトウェア指示及びルーティンによって決定され、メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)又はそれらの等価物であり、対応するプロセッサによって実行され得るデータとプログラムとを格納する。
【0019】
本願発明の実施形態は、好ましくは一つ以上のアクセスゲートウェイ130、ノードBs110−112及びUEs101−104内で実行される。より詳細には、各々のアクセスゲートウェイ130とノードBs110−112とによって実施されるようなここで記載される機能性が、メモリに格納されたソフトウェアプログラム及び指示によって実行されるとともに、それぞれの装置の関連するプロセッサによって実施される。しかしながら、当業者は、本願発明の実施形態が代替的に、例えば、集積回路(ICs)、アプリケーション・カスタムICs(ASICs)、一つ以上のUEs101−104、ノードBs110−112及びアクセスゲートウェイ130に実装されるASICs等のハードウェアにおいて実施し得ることを理解する。本願開示に基づいて、当業者は、実験すること無しに上記ソフトウェア及び/又はハードウェアを製造及び実装することが容易に可能となる。
【0020】
通信システム100は、単一搬送波又は複数搬送波の周波数分割多元接続(FDMA)又は直交周波数多元接続(OFDMA)エア・インターフェース技術を使用する広帯域パケットデータ通信システムを備え、周波数帯域が、トラフィック・チャネルと信号チャネルとが同時に送信される物理レイヤチャネルを備える複数の周波数サブバンド、すなわち副搬送波に分割される。ユーザは、ユーザ情報の交換のために一つ以上の周波数サブバンドを割り当られ、その結果、複数のユーザが異なる副搬送波上で同時に送信することが許可される。さらに、通信システム100は、好ましくは3GPP(第三世代パートナーシッププロジェクト)E−UTRA(進化したUTMS地上波無線アクセス)基準に従って動作し、この基準によって、無線システムパラメータと呼出処理手順とを含む無線通信システム動作プロトコルが指定される。しかしながら、当業者は、通信システム100が、周波数分割複合スキーム又は、時間と周波数との分割複合スキームを使用する任意の無線通信システムに従って動作することを理解する。サブバンドが、3GPP2(第三世代パートナーシッププロジェクト2)進化した通信システムのような周波数サブバンド又は、時間と周波数とのサブバンドを備え、例えば、CDMA(符号分割多元接続)2000 1XEV−DV通信システム、IEEE(米国電気電子学会)、802.xx基準によって記載されるような無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信システムであり、WLANには、例えば802.11a/ハイパーラン2、802.11g、802.16、802.21基準、又は複数の提案された超広域(UWB)通信システムが挙げられる。
【0021】
サービスエリアの境界においてシステム性能を最適化するために、通信システム100は、アップリンクフラクショナル電力制御と最小帯域幅割当とを提供できる。すなわち、所定の時間において、ノードB111のような、複数のノードBs110−112のうちのノードBと関連する所定のサービスエリアのために、通信システム100は、ノードBが支配するUEs101−104のような各UEにアップリンク送信電力を割り当て、電力は、隣接するサービスエリア内のUEsとUEsとの間の干渉等、全ての干渉を最小化しつつ、ノードBにおいて許容可能な受信電力を提供するように定められる。さらに、所定の送信時間間隔(TTI)の間、ノードB、すなわち、ノードB111は、測定されたシステム性能メトリックに基づいて許容可能なサービスをUEに提供するには十分な最小限の帯域幅を、通信セッションに関与する各UE101−104に対して決定し且つ割り当てる。
【0022】
図5を参照すると、論理フロー図400が提供され、本願発明の実施形態による通信システム100によって実行されるアップリンク電力制御方法が説明される。論理フロー図400は、複数のノードBs110−112の各ノードBが対応するエア・インターフェース120−122に関連する一つ以上のシステム性能メトリックを測定すると(404)、開始される(402)。例えば、ノードBは、熱雑音に対する干渉比率(IoT)、ノードBのサービスを受けるセクタ又はセルのようなサービスエリア内の負荷、公平性基準又はセル境界ユーザスループットのような公平性又はセル境界性能メトリック、及びノードBと関連するセル又はセクタ・スループットのようなノードBに関するスループットのうちの一つ以上を測定し得る。例えば、サービスエリア内の負荷は、サービスエリア内の一つ以上のUEs、サービスエリア内の能動状態にあるUEsの数、サービスエリア内の割り当て可能なチャネル数又は現在割り当てられているチャネル数、ノードBにおいて現在利用可能な又は現在利用されている送信電力のレベル、又はサービスエリアを介してノードBが支配するUEsに現在割り当てられている送信電力の総量を含み得る。
【0023】
公平性及びセル境界性能メトリックは、当業者に周知であり、ここで詳細には記載しないが、公平性は、ノードBs110−112のようなノードBに存在する比例公平スケジューラのようなスケジューラによって実行され、ノードBの支配下にあり且つ良好でないチャネル状態にあるUEsに与えられる送信の機会に関連する。同様に、セル境界性能は、セルの境界に存在するUEsに与えられる送信の機会と、支配するノードBにおいて受信される信号の品質とに関連する。しかしながら、当業者は、ノードBの支配下にあるUEに関連するシステム性能メトリックを判定するための多くの方法があり、そのような方法が本願発明の範囲を逸脱すること無しにここで使用され得ることを理解する。
【0024】
当業者に公知であるように、ノードBの支配下にあるUEsは、チャネル状態測定結果をノードBに報告する。さらに、各ノードBは、例えば、サイト内干渉(ISI)の取消し後に、チャネル状態を独立に測定できる。従って、本願発明の次の工程(406)において、各々のノードBs110−112によって測定されたシステム性能メトリックが、測定されたメトリックを表す量子化された指標として送られる。例えば、ノードB110−112は、通信システム100によって使用される帯域幅における各サブバンドに関連するアップリンク干渉レベル又は他の種類のアップリンク性能、例えば、当業者に公知である、支配セル内のユーザ装置の数、公平性基準、セル境界ユーザスループット及びセクタ・スループット等を測定できる。当業者は、多数のパラメータがチャネル品質を判定するために測定され、そのようなパラメータが本願発明の範囲から逸脱すること無くここで使用され得ることを理解する。当業者に公知であるように、ノードBは、(サブフレームとして公知である)送信時間間隔(TTI)又は無線フレーム送信周期のような、測定周期の間に全てのサブバンドのチャネル状態を測定できる。各ノードBは、さらにアップリンクチャネル状態測定結果を格納できる。
【0025】
複数のノードBs110−112の各ノードBは、次に各測定報告についての量子化された指標を定義する。例えば、ノードBは、「1」がメトリックの許容できない性能を示し、「0」が許容可能な性能示すような、一つ以上のビットを定義できる。特に一つのメトリックはアップリンク干渉レベルであり、許容できないアップリンク干渉に対して「1」を、許容可能なアップリンク干渉に対して「0」を示すビットを備える又は追加することができる。別のメトリックはアップリンク性能であり、許容できないアップリンク性能に対して「1」を、許容可能なアップリンク性能に対して「0」を示すビットを備える又は追加することができる。ノードBは、次に帰路ネットワーク上でL2/L3メッセージ中のこれらの指標を送信する(406)。一つの例において、支配ノードBは、帰路ネットワークを介して、好ましくはノードB内のインターフェース又はアクセスゲートウェイ130を介して、複数のノードBsのうちの他のノードBsに直接的にシステム性能メトリック測定結果の指標を送信できる。別の例において、メッセージは、隣接するノードBsに送られる前に完全な又は部分的な処理を行うためのアクセスゲートウェイに向けられる。
【0026】
複数のノードBs110−112のうちの他のノードBsから受信したシステム性能メトリック測定結果に基づいて、さらにそれ自身のエア・インターフェースに関してノードBによって測定されたシステム性能メトリックに基づいて、各ノードB110−112及び/又はゲートウェイ130は、次に、ノードB111に関連する各々のUEs101−104等の、ノードBが支配する一つ以上のUEsの各々のアップリンク送信電力レベルを更新するために使用される(412)適合電力制御パラメータを判定する(410)。
【0027】
上述の工程406、408、410は、ノードBsとゲートウェイとのいずれか又は両方において実施できる。第一の実施形態において、送信する工程(406)は、境界ゲートウェイを経由した帰路を介して、ノードBsから少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信することを含み、受信する工程(408)は、境界ゲートウェイによって送られた指標を、少なくとも一つの他の隣接するノードBによって受信する工程を含み、判定する工程(410)は、少なくとも一つの他の隣接するノードBによって実行される。この実施形態において、適合電力制御パラメータは、ノードBs(すなわち、ダム(Dumb)eGW)によって専ら判定される。
【0028】
第二の実施形態において、測定する工程(404)は、複数のノードBsによって少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する工程を含み、送信する工程(406)は、複数のノードBsによって少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程を含み、受信する工程(408)は、境界ゲートウェイによって指標を受信する工程を含み、境界ゲートウェイはノードBsの電力制御パラメータを適合して更新結果をノードBsに送り、それによって、判定する工程(410)が境界ゲートウェイによって実行される。この実施形態において、適合電力制御パラメータは、境界ゲートウェイ(すなわち、インテリジェントeGW)によって専ら判定される。
【0029】
第三の実施形態において、測定する工程(404)は、複数のノードBsによって少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する工程を含み、送信する工程(406)は、複数のノードBsによって少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程を含み、受信する工程(408)は、境界ゲートウェイによって指標を受信する工程を含み、境界ゲートウェイは複数のノードBsの指標を予備的処理してこの予備的処理された情報を複数のノードBsに送り、それによって、判定する工程(410)が境界ゲートウェイと複数のノードBsとの両方によって実行される。この実施形態では、適合電力制御パラメータは、ゲートウェイとノードBsとの間(すなわち、低インテリジェントeGW)で判定される。
【0030】
特に、第三の実施形態において、境界ゲートウェイは、支配ノードBに隣接するノードBsからのメッセージを予備的処理し、特定の指標値を送るノードBsの数をしきい値と比較することによって指標を生成する。特定の指標値を送るノードBsの数がしきい値より大きいと、境界ゲートウェイは特定の指標値をノードBsに送る。
【0031】
より詳細に、境界ゲートウェイは、支配ノードBsに隣接するノードBsからのメッセージを予備的処理し、以下のように2ビットメッセージを生成する:a)N以上の隣接するノードBsのうち、第一のしきい値より多い少なくとも所定数のノードBが許容できない干渉レベルを報告する場合には、第一のビットが「1」にセットされ、そうでない場合には、第一のビットが「0」にセットされる。そして、b)N以上の隣接するノードBのうち、第二のしきい値より少ない少なくとも所定数のノードBが許容できないアップリンク性能を報告する場合には、第二のビットが「1」にセットされ、そうでない場合には、第二のビットが「0」にセットされる。第一及び第二のしきい値は同じであっても異なっていてもよい。
【0032】
上述の任意の実施形態において、次の工程は、更新された電力制御パラメータを、ノードBが自身の支配下にあるユーザ装置に送ること含む、利用する工程(412)を備える。その最も単純な態様では、この工程は、更新された電力制御パラメータを複数のノードBがUEsに送ることを含むことができる。しかしながら、ノードBが期待された受信電力を知っており、変調符号化スキーム(MCS)レベルをアップリンクデータ/制御チャネル送信に対して選択でき、UEはMCSレベル割当によるその送信電力をセットできるので、物理的な送信はパラメータを使用する必要がないかもしれない。
【0033】
さらに、各UEは、ダウンリンクパイロットを使用してダウンリンク経路損失を測定でき(414)、さらにフラクショナル電力制御スキームと更新された電力制御パラメータとに従ってその送信電力を更新できる。同様に、これは、ノードBが期待された受信電力を知っており、MCSレベルをアップリンクデータ/制御チャネル送信に対して選択でき、UEはMCSレベル割当によるその送信電力をセットできるので、パラメータを使用する必要がないかもしれない。この場合、ノードBは、平均してシステム帯域幅を超える熱干渉比(IoT)をブロードキャストする必要があり得る。ビットマップは、干渉回避スキームが使用されたときに、サブバンド間の差分を搬送するために送信され得る。
【0034】
さらに、UEは、次にその経路損失(及び/又は送信電力レベル及び/又は期待された受信電力レベル)の更新をスケジューリング及びリソース割当のためにノードBに報告できる(416)。完全な報告は、最初のアクセス時又はハンドオーバの後で作成できる。簡単にするために、差分ビットは、最初のアクセス又はハンドオーバの後で使用できる。
【0035】
この点について、ノードBは、報告されたダウンリンク経路損失を使用してエラーを修正でき(418)、修正された電力制御コマンドをユーザ装置に送ることができる(420)。特に、修正する工程(418)は、以下の群のうち少なくとも一つを含むことができる;測定及び電力エラーについて累積された修正をユーザ装置に提供する工程、及びチャネル依存スケジューリングについて累積されていない補償をユーザ装置に提供する工程。
【0036】
二つのタイプのエラー修正は、以下を想定する。a)準静的なエラーである測定エラー及び電力増幅エラーについて必要とされる累積された修正(UEsは一般的に低いコストの電力増幅器を使用し、より精密なノードBがこのエラーを修正できる)。b)チャネル依存スケジューリングについて必要とされる累積されていない補償。ノードBは、長期間の搬送波−干渉比(C/I)のみを知っているUEよりも(アップリンク測深(sounding)又はチャネル品質情報(CQI)フィードバックチャネルによる)チャネルのより多くの情報を有する。c)上記修正と補償との両方。
【0037】
どのエラー修正が提供されているかを明かにするために、ノードBは、二つのアプローチをとることができる。第一のアプローチにおいて、ノードBが累積された修正と累積されていない補償とを識別するために1ビットを使用する。あるいはまた、2ビットが両方のエラーモードを指示するために使用される。第二のアプローチにおいて、時分割多重化(TDM)が使用できる。例えば、累積されていない補償が(ダウンリンクL1/L2制御チャネルにおいて)アップリンク・スケジューリング付与と共に送られる一方、累積された修正が周期的に又はイベントベースで送られる。
【0038】
実際に、適合電力制御パラメータの判定は、他のノードBsによって報告されたシステム性能メトリック測定結果と、ノードBによって測定されるとともにノードB自身のエア・インターフェースと関連付けられたシステム性能メトリックとの関数である。例えば、システム性能メトリックがIoT、セル負荷、公平性/セル境界性能メトリック、及びセクタ・スループットを含む場合、適合電力制御パラメータは、以下の式に基づいて判定され得る。式は、ノードBの少なくとも一つのメモリ装置204及び/又はUEs101−104の各々の少なくとも一つのメモリ装置304、及び/又はゲートウェイ130の少なくとも一つのメモリ装置308において保持される。
【0039】
【数1】

ここで、‘INodeB110’はノードB110において測定された干渉を表し、LOADNodeB110‘はノードB110において測定された負荷を表し、’Fairness/CEPNodeB110‘はノードB110によって判定された公平性又はセル境界性能メトリックを表し、’STNodeB110‘はノードB110によって測定されたセクタ・スループットを表し、’INodeB111’はノードB111において測定された干渉を表す。本願発明の様々な実施形態において、適合電力制御パラメータは、各ノードBの同一の1つ以上のパラメータが適合電力制御パラメータを判定するために使用される間は、各ノードBにおいて判定された任意の一つ以上のこれらパラメータの関数となり得る。
【0040】
例えば、適合電力制御パラメータは、符号αによって表され、以下の式に基づいて判定され得る。式は、ノードB、UE、又はゲートウェイの少なくとも一つのメモリ装置204、304、308において保持される。
【0041】
【数2】

ここで‘Δ’は電力調節の刻み幅を表し、好ましくは、dB表示において、0.1dB又は0.01dBのような小さい刻み幅を備える。Iは、ノードB111が支配するサービスエリアのターゲットの干渉レベル及び好ましくは平均システム性能メトリックのような、ターゲットのシステム性能メトリックレベルを表す。Icellは、例えば、各ノードB110−112によって測定され且つ報告された干渉レベルのようなシステム性能メトリックを表す。Ccellは、各ノードBによって報告された例えば、干渉レベルのようなシステム性能メトリック測定に適用される重み付け係数を表す。Ccellは、ノードB111のサービスエリアにおけるチャネル状態の下でノードBが支配するセルで生じる、干渉のようなチャネル状態の予期された衝突に基づいて、ノードBのシステム性能メトリック測定結果を重み付けするために使用される。例えば、Ccellは支配ノードB111からのノードBの距離に対応し得る。Σは全ての複数のノードBs110−112に亘るCcellcellの合計に対応し、α(n−1)は以前のアップリンク電力レベル更新周期から判定されたαを表す。αが最初に判定されるときに、α(n−1)は規定の値となり得る。‘Sgn’はサイン関数に対応し、すなわち、量{ }が0未満のときに、Sgn{ }・Δ=−Δであり、量{ }が0以上のときに、Sgn{ }・Δ=+Δとなる。
【0042】
さらに、ノードB111が支配するUE、すなわちUEs101−104によって報告されたダウンリンク経路損失測定に基づいて、ノードBは各UEの部分経路損失を判定する。すなわち、ノードB111はUEs101−104の各々の経路損失(L)を判定し、それら判定された経路損失に基づいてUEsをランク付けする。一般的に、経路損失Lは送信電力の受信電力に対する比率として判定される。例えば、ノードB111は、UEによって測定及び報告された各々のサブバンドに関連する経路損失を平均化することによってUEの経路損失を判定し得る。しかしながら、当業者は、例えばUEによって報告された最適な経路損失又は最悪の経路損失を使用する等、UEのランク付けに使用されるべき経路損失を判定するための他のアルゴリズムが、本願発明の精神及び範囲から逸脱すること無しにここで使用できることに気づくであろう。ランク付けに基づいて、ノードB111は、経路損失しきい値を生成するために、ランキングにおいて既定の百分率でランク付けされるUEの経路損失、すなわち、経路損失がX番目の百分率レベル(Lx−ile)であるUEの経路損失、を判定する。ノードB111は、次にUE(L)の実際の経路損失と経路損失しきい値とを比較して、UEの部分経路損失、例えば、Lx−ile/Lを判定する。
【0043】
ノードB111は、次にUEに関して判定された部分経路損失と各々のノードBs110−112に関連するシステム性能メトリック測定に基づいて判定される適合電力制御パラメータとに基づいて、各UE101−104のアップリンク送信電力レベルを判定する。ノードB111は、各UE101−104について、UEについて判定されるアップリンク電力レベルPを、アップリンク114上の送信のためのUEの最大送信電力レベルに基づくPmax、UEに関連したフラクショナル電力制御パラメータFpc、及びαによって以下の式で表される適合電力制御パラメータに基づき更新する。フラクショナル電力制御パラメータ:Fpcは、UEがアップリンク114上で送信に割当られるとともにUEに関連する部分経路損失に基づくUEの最大送信電力レベルの部分又は一部に対応する。より詳細には、アップリンク送信電力レベル:Pは、各UE101−104について判定されるか、又は各101−104が以下の式に基づいて、アップリンク送信電力レベルPを自己判定する。式は、ノードBの少なくとも一つのメモリ装置204内で及び/又は各々のUEs101−104の少なくとも一つのメモリ装置304内で、及び/又はゲートウェイ130の少なくとも一つのメモリ装置308内で保持される。
【0044】
【数3】

minは、最小の電力減少比率であり、すなわち、通信システム100内のUEの最小アップリンク送信電力レベルのPmaxに対する比率である。Rminに対応する値は、通信システム100の設計者次第であり、良好な経路損失、すなわち最小経路損失の状態にあるUEが、非常に低い電力レベルで送信することを要求されるのを防止するために設計される。例えば、UEの最小アップリンク送信電力がPmaxの1/10未満でないことが所望されると、Rmin=0.1となる。比率Lx−ile/LはUEが経験した部分経路損失に対応する、すなわち、比率Lx−ile/Lは、UE(L)が経験した実際の経路損失と経路損失しきい値との比較であり、好ましくはノードB111が支配する全てのUEsのうちのx番目の百分率(Lx―ile)でのUEの経路損失、又は「x−百分率」経路損失である。‘L’はUEによって測定されたダウンリンクチャネル品質及び/又はノードB111によって測定されたアップリンクチャネル品質に基づいて判定される。好ましくは、Lは、シャドーイング(shadowing)及び低速フェージングに起因する経路損失を含むが、高速フェージングに起因する経路損失を含まない。Lx−ileは、ノードB111が支配する全てのUEsのうちのx番目の百分率におけるUEの経路損失である。例えば、x−ile=5の場合、すなわち、5番目の百分率(5%−ile)である場合、ノードB111が支配する全てのUEsが経路損失に基づいてランク付けされるときに、Lx−ileは、全てのランク付けされたUEsのうちの(下から)5番目の百分率におけるUEの経路損失である。結果は、経路損失Lが(x−ile=5のときに下から5%の)Lx−ileより大きい全てのUEsがPmaxで送信し得る一方、経路損失LがLx−ile未満のUEsは、経路損失しきい値、すなわち、Lx−ileに対するそれらの経路損失の比較に基づく電力レベルで各々送信し得る。
【0045】
ノードB111は、Pを判定するためにαを使用し、適合電力制御パラメータ、すなわちαをノードBが支配するUEs101−104にブロードキャストし得る。ノードB111は、さらに経路損失しきい値、すなわち経路損失がx番目の百分率レベル(Lx−ile)であるUEの経路損失を判定し、経路損失しきい値をUEsに送信することによって、ノードBが支配する各UE101−104に、経路損失しきい値を知らせる。Lx−ileとαとを受信すると、各UE101−104は、UEの少なくとも一つのメモリ装置304にパラメータを格納し、次に、UEによって測定されたダウンリンクチャネル状態と格納された経路損失しきい値Lx−ile及びαとに基づいて、部分経路損失とアップリンク送信電力:Ptとを自己判定する。各UE101−104は、次にUEについて判定されたアップリンク送信電力レベルで、データをノードB111に送信できる。
【0046】
一般的に、1>α>0である。α=0のときには、ノードB111が支配する全てのUEsは、全出力(P=Pmax)で送信し、ノードB111のサービスエリア内のUEsは、例えば、ノードB111に近接するUEsの高いアップリンク送信電力レベルによって、サービスエリア内の他のUEsから高い干渉レベルと悪質な境界性能とを経験する。α=1のときには、ノードB111が支配する全てのUEsは、アップリンク電力レベルで送信し、ノードB111において同じ受信電力となり、悪質なスペクトル効率となる。αを適合して調節することによって、通信システム100は、セル境界性能とスペクトル効率との均衡を保つことが可能となり、したがって二つの最適化した組合せを提供する。
【0047】
すなわち、支配ノードBと関連するとともに、隣接ノードBに関連し且つ同隣接ノードBによって支配ノードBに報告されるシステム性能メトリック測定結果に基づいて、ノードBの支配下にあるUEのアップリンク送信電力を決定するために使用される適合電力制御パラメータを判定することによって、通信システム100は、3GPP又はE−UTRA通信システムのような進化した通信システムの3GPP2のような、単一搬送波又は複数搬送波のFDMA又はOFDMA通信システム内の境界ユーザに、全体のスペクトル効率を強化しつつ、改良された性能と送信のより良い機会とを提供する。しかしながら、「1」の周波数再利用係数が上記通信システムのために提案されており、ノードBのサービスセクタ内のサイト内干渉取消しを提供することによって干渉レベルがさらに改良され得る。
【0048】
こうして、サイト内干渉(ISI)取消しを提供することによって、通信システムは、別のセクタで使用された電力割当スキームの一つのセクタ上での衝突を軽減可能となる。さらに、周波数再利用を最適化し、セル境界性能とスペクトル効率との最適なバランスを提供するために、通信システムは、支配ノードBによって判定されるとともに、さらに、隣接するノードBによって判定されて支配ノードBに報告されるシステム性能メトリックに基づいて、適合電力制御パラメータを判定する。適合電力制御パラメータは、次に支配ノードBの支配下にあるUEのアップリンク送信電力を決定するために使用される。
【0049】
好ましい実施形態において、E―UTRA内のアップリンク(UL)電力制御は、以下を達成するために、UE全送信電力を調節する:
1:所望されたQoSを達成するために目標回数の送信の後の良好なパケット受信
2:信頼性のある制御チャネル転送
3:共存又は隣接するチャネルEVM遠近問題のための帯域放射以上の許容可能性
4:i)許容可能なセル境界性能でセル境界範囲を保持するとともに高いスペクトル効率を同時に達成する場合、ii)異なるセルとは異なるQoSを有するデータトラフィックが同じアップリンクリソースを占める場合、iii)異なるセルからのデータトラフィックと制御送信とが同じアップリンクリソースを共有する場合における、許容可能な熱干渉レベル(IoT)の上昇。
【0050】
UE送信電力制御は、経路損失に基づくことができる。これは、UEが、ダウンリンク(DL)共通規準信号(RS)の受信電力を推定でき、eNodeBの知見と共に、RS送信電力レベルここでLとして参照される(シャドーイングとアンテナ利得の)経路損失を推定できることを意味する。上記推定により、所望されるMCSの所定のSINRターゲットを達成するために、リソースブロック当たりの送信電力が、以下のよう算出される。
【0051】
【数4】

ここで、PはPPC未満であり、電力制御によってセットされた送信電力の上限である。スケジューラは、MCSをUEに割り当てるときに、この上限を考慮すべきである。支配eNodeBがUEを次にスケジュールするときに、同支配eNodeBがUEsの予期された送信電力レベルを判定できるように、UEは経路損失報告を周期的に送信する。ダウンリンクCQI報告は、さらにUEの予期された送信電力レベルをより良く推定するために、eNodeBによって使用される。
【0052】
電力レベル(PPC)に基づく経路損失を判定するための一つの実際の電力制御スキームは、フラクショナル電力制御スキームであり、以下のように算出されるリソースブロック(電力スペクトル密度)当たりのUEの可能な送信電力レベルを判定するときに、経路損失の部分のみが補償される。
【0053】
【数5】

ここで、PMAXは、最大送信電力である(電力クラスのためのノミナルである)。
【0054】
RBは、UEに割り当られたリソースブロックの数である。
minは、良好なチャネルを有するUEsが非常に低い電力レベルで送信することを防止するための最小の電力減少比率である。
【0055】
x−ileはx−百分率経路損失(シャドーイングをプラスする)値である。xが5にセットされると、悪質なチャネルを有する統計的に5%のUEsは、PMAXで送信する。
【0056】
1>α>0を満たすことは、悪質なチャネルを有するUEsと良好なチャネルを有するUEsとのバランス因子となる。
FDMリソース割当が使用され、各UEがシステム帯域幅の一部のみを占めるので、アップリンク電力制御は、リソースブロック当たりの送信電力を制御すべきである。
【0057】
異なるセルラーシステム構造は、電力制御パラメータの異なる最適なセッティングを要求する。例えば、大きなISDを有するシステムにおいて、最適な電力制御が、電力が制限された状況において、全電力で送信可能となるように大部分のUEsを要求する一方、小さなISDシステムにおいて、電力制御は、干渉を最適なレベルに制御するために大部分のUEsの送信電力を制限するように意図される。従って、電力制御パラメータは、異なるセルラーシステム構造、さらに同じシステム内の異なるセクタ/セルに基づいて適合される必要がある。
【0058】
アップリンク電力制御適合スキームの説明が以下に記載される:
1)ノードBが、受信干渉レベル、(干渉取消しの後で行われる)セクタのアクティブ負荷、公平性/セル境界性能、及びセクタ・スループット等のようなシステム性能を測定する。
【0059】
2)ノードBが、(ゆっくりとした規準で)基幹ネットワークを通して量子化された測定結果を隣接するノードBsに送る。
例えば、ノードBが、2つの量子化された測定結果を隣接するノードBに送る。量子化された測定結果の各々は、1ビットである。一つのビットは干渉レベルが許容可能か否かを示す。別のビットはアップリンク性能が満たされるか否かを示す。
【0060】
3)ノードBは、隣接するノードBsからの測定情報及び自身の測定による測定情報に応じて電力制御スキームのパラメータを適合する。
フラクショナル電力制御Lx−ile、及び[ ]部が、二つのキーパラメータである場合。最適なLx−ileはシステムからシステムへ変更し得るが、動的に適合されない。従って、ノードBは、アップリンクIoTと、それ自身の及び隣接するノードBsからの性能測定結果とに応じて[ ]部を適合する。
【0061】
4)ノードBは、更新された電力制御パラメータ応じた電力制御コマンド(又はスケジューリング付与メッセージ)をUEsに送信する、又は電力制御がUEsにおいて実行される場合は、電力制御パラメータの更新結果をUEsにブロードキャストする。
【0062】
5)工程1)−4)を繰り返す。
TG及びIoTの判定における推定エラーと所望の送信電力レベル(例えば、UMTSにおける+−9dB)をセッティングするUE装置内の精度エラーとによって、期待され且つ受信したアップリンクRS強度又はSINR測定結果並びに以下の形態のリンクエラーにおける差分に基づいて、MCS選択及び/又は判定された経路損失に基づく電力レベル(すなわち、P)に適用される修正が必要となる。
1)ULパケット送信復号エラー(CRC失敗、SERなど)
2)UL RS符号エラー
電力修正の別の理由は、アップリンク測深が可能な場合、ノードBが特に周波数選択スケジューリングの場合において、UEsよりチャネルについてのより多くの情報を有するからである。ゆっくりとした電力制御がUEの帯域幅全体に亘って平均送信電力をセットする一方、UEは帯域幅の一部を使用して送信することを許可される。周波数選択によって、帯域幅の任意の一部に、全体の帯域幅と異なる経路損失とフェージングとが生じる。従って、ノードBは、経路損失推定とアップリンク測深信号とからチャネルの知見に基づいて、一定のデータ速度で送信するためにUEをスケジュールする。一方でUEは、その送信電力を経路損失推定のみに基づいてセットする。
【0063】
例えば、UEがその経路損失を−130dBとして推定する。ノードBは、許可された狭帯域内の経路損失+フェージングが−127dBであることを知っており、2dBmの送信電力を使用して、UEは、符号率0.5で16QAMをサポートできる。UEが−130dBの経路損失に基づいて許可を得ると、2dBmの代わりに送信電力を5dBmにセットし、送信電力を無駄に消費して高い干渉レベルをもたらす結果となる。
【0064】
電力制御に関して、一つの可能性は、推定及び精度エラーを修正するために、ダウンリンクL1/L2制御チャネル内で送信されるアップリンク・スケジューリング付与に送信電力修正(TPC)コマンドを含むことである。UEによって受信されたTPCsが、(測定及びPAエラーを修正するために)累積できる、又は、(チャネルの時間/周波数の選択性を補償するために)累積されない。後者はアップリンク付与と共に送信することができ、前者は必要とされたときに送信することができる。
【0065】
TPCコマンドは、以下のように与えられるdB電力修正(PTPC)の形態である。
【0066】
【数6】

−4dBから2dBの範囲において2dB刻みで、2ビットフィールドと共に表すことができる。ULリンクエラーとRS受信電力とを使用して判定されたMCS調節又はSINR情報は、ULスケジューリング付与で送信されたeNodeB送信電力修正のためにサイズ又は必要性を減少できる。
【0067】
従って、リソースブロック(PTXul)当たりのUE送信電力は、以下のように算出される。
【0068】
【数7】

そのクラスについてのUEs最大全送信電力制限(PMAX)ノミナルは、そのOBB放射衝突をより良く反映し、且つ最悪の場合の再評価(de−rateing)因子を常に使用する代わりに要求された再評価を最小化するために、搬送波におけるチャネル帯域幅とチャネル配置とに応じた量(β)によって再評価される。従って、制限した後のリソースブロック当たりのUEの送信電力は、以下の式で与えられる。
【0069】
【数8】

将来において、経路損失は、a〜50ms規準で各UEによって周期的に報告される測定結果の一つとなり得る。UE及びeNodeBにおいて電力制御状態を同期させるためにさらに使用される経路損失測定結果は、さらにeNb干渉調整及びハンドオーバ機能のために使用される。さらに、CQIアップリンクリソースを使用することによって経路損失報告が50ms毎にCQI報告を置き換えるように、CQIが各UEによって周期的に送信され得る。(また、経路損失報告が抱き合わせされる(piggy backed)(アップリンク共有チャネル上でのDFTプリコーダ(precoder)の送信前にデータと複合化される)可能性がある。)CQI報告及び経路損失報告とともに送信される基準信号シンボル並びにそれら報告自身の推定されたシンボルSINRから判定されるSINRは、50ms又はより低い規準(例えば、2ms毎に)で送信電力修正(TPC)を判定するための規準としての役目を果たす。
【0070】
結論として、経路損失に基づくアップリンク(フラクショナル)電力制御が、本願発明に開示される。推定及び精度に起因するエラーは、スケジューリングの間にMCS選択を調節するとともにスケジューリング付与メッセージを介して送信電力修正(TPC)を送信することによって補償される。MCS及び電力調整は、推定された受信RS電力又はSINR及びリンクエラー情報に基づくことができる。TPCは、精度/推定エラーに起因する偏向を補償するためのものであるが、高速フェージングを追跡するためのものではない。
【0071】
本願発明が、特に特定の実施形態に関して示され及び記載されるが、当業者は、以下の請求項に記載されるように発明の範囲から逸脱すること無しに、様々な改変が行え、それらの要素の置換となる等価物があることを理解するだろう。従って、明細書及び図面は、狭義の例示というよりむしろ説明として示され、上記の全ての変更及び置換は、本願発明の範囲内に含まれることを意図する。
【0072】
問題に対する利益、他の利点、及び解法は、特定の実施形態に関して上に記載される。しかしながら、問題に対する利益、利点又は解法及びより言及された任意の利益、利点又は解法をもたらす任意の要素は重要な、必須のものとして構成されず、任意の又は全ての請求項の本質的な特徴又は要素となる。ここで使用されるように、用語「備える」「備えている」又はそれらの任意の変更は、非排他的包含を対象とすることを意図し、要素のリストを備える処理、方法、物品又は装置はこれらの要素のみを含まないが、明白にリストアップされない又は内在する上述の処理、方法、物品又は装置のような他の要素を含み得る。用語「含む」及び/又は「有する」は、ここで使用されるように、「備える」として規定される。さらに、ここで他に指示が無ければ、もしあれば、第一及び第二、頂部及び底部等のような関係する用語の使用は、上記構成要素又はアクション間の関係又は並びのような任意のアクションを要求又は暗示することなく、一つの構成要素又はアクションを別の構成要素又はアクションから識別するために専ら使用される。「一つの」として前に置かれた要素は、無理強いすることなく、処理、方法、物品又はその要素の装置における追加の同一の要素の存在を排除する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムにおけるノードBによるアップリンク電力制御方法であって、
前記ノードBによって、少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する工程と、
前記ノードBによって、前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程と、
前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の前記指標を受信する工程と、
前記ノードBによって測定された前記少なくとも一つのシステム性能メトリックと少なくとも一つの他の隣接するノードBによって測定されたシステム性能メトリックとに基づいて適合電力制御パラメータを判定する工程と、
前記ノードBの支配下にある少なくとも一つのユーザ装置のアップリンク送信電力レベルを更新するために前記適合電力制御パラメータを利用する工程と、
を備える電力制御方法。
【請求項2】
前記システム性能メトリックが、
干渉レベル、支配セル内のユーザ装置の数、公平性規準、セル境界ユーザスループット、及びセクタ・スループット、
の群のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項3】
各指標が1ビットとして量子化される、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項4】
前記送信する工程が、干渉レベルの第一の指標とアップリンク性能の第二の指標とを送信する工程を含む、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項5】
前記送信する工程が、境界ゲートウェイを経由した帰路を介して前記ノードBから前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の前記指標を送信する工程を含み、前記受信する工程が、前記境界ゲートウェイによって送られた前記指標を前記少なくとも一つの他の隣接するノードBによって受信する工程を含み、前記判定する工程が、前記少なくとも一つの他の隣接するノードBによって実行される、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項6】
前記測定する工程が、複数のノードBsによって少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する工程を含み、前記送信する工程が、前記複数のノードBsによって前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程を含み、前記受信する工程が、境界ゲートウェイによって前記指標を受信する工程を含み、
前記判定する工程が前記境界ゲートウェイによって実行されるように、前記境界ゲートウェイは、前記ノードBsの前記電力制御パラメータを適合させて、その更新結果をノードBsに送る、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項7】
前記測定する工程が、複数のノードBsによって少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定する工程を含み、前記送信する工程が、前記複数のノードBsによって前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信する工程を含み、前記受信する工程が、境界ゲートウェイによって前記指標を受信する工程を含み、
前記判定する工程が前記境界ゲートウェイと前記複数のノードBsとの両方によって実行されるように、前記境界ゲートウェイは、ノードBの前記指標を予備的処理して、該予備的処理された情報を前記ノードBsに送る、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項8】
前記予備的処理をする工程が、特定の指標値を送るノードBsの数をしきい値と比較する工程を含み、
特定の指標値を送るノードBsの数が前記しきい値より大きいとき、前記境界ゲートウェイが前記特定の指標値を前記ノードBsに送る、請求項7に記載の電力制御方法。
【請求項9】
前記利用する工程は、ノードBが、更新された電力制御パラメータを、同ノードBが支配するユーザ装置に送ることを含む、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項10】
ユーザ装置によってダウンリンク経路損失を測定する工程と、
前記アップリンク送信電力レベルを更新する工程と、
前記ダウンリンク経路損失を前記支配ノードBに報告する工程と、
前記報告されたダウンリンク経路損失を使用してエラーを修正する工程と、
修正された電力制御コマンドを前記ユーザ装置に送信する工程と、
をさらに備える、請求項1に記載の電力制御方法。
【請求項11】
前記修正する工程が、
測定及び電力エラーについて累積された修正を前記ユーザ装置に提供する工程と、
チャネル依存スケジューリングについて累積されていない補償を前記ユーザ装置に提供する工程と、
の群のうち少なくとも一つを含む、請求項10に記載の電力制御方法。
【請求項12】
1ビットが、前記累積された修正と前記累積されていない補償とを識別するために送信される、請求項11に記載の電力制御方法。
【請求項13】
前記累積された修正と前記累積されていない補償とが、異なるタイミング又はチャネルで送信されることによって識別される、請求項11に記載の電力制御方法。
【請求項14】
少なくとも一つのシステム性能メトリックを測定し、且つ隣接するノードBs間の帰路ネットワークを介して前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の指標を送信及び受信するプロセッサを備える、通信システムにおいてアップリンク電力制御を提供するためのノードBであって、
前記プロセッサが、前記ノードBによって測定された前記少なくとも一つのシステム性能メトリックと前記少なくとも一つの他の隣接するノードBによって測定されたシステム性能メトリックとに基づいて適合電力制御パラメータを設定するとともに、前記ノードBの支配下にある少なくとも一つのユーザ装置のアップリンク送信電力レベルを更新するために前記適合電力制御パラメータを使用する、ノードB。
【請求項15】
前記システム性能メトリックが、
干渉レベル、支配セル内のユーザ装置の数、公平性規準、セル境界ユーザスループット及びセクタ・スループット、
の群のうちの少なくとも一つを含む、請求項14に記載のノードB。
【請求項16】
各指標が、1ビットとして量子化される、請求項14に記載のノードB。
【請求項17】
前記ノードBが、干渉レベルの第一の指標とアップリンク性能の第二の指標とを送信する、請求項14に記載のノードB。
【請求項18】
前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の前記指標が、境界ゲートウェイを経由した帰路を介して前記ノードBから送信され、前記ノードBが、少なくとも一つの他の隣接するノードBから、境界ゲートウェイによって送られた指標を受信する、請求項14に記載のノードB。
【請求項19】
前記ノードBが、境界ゲートイウェイから前記適合電力制御パラメータを受信する、請求項14に記載のノードB。
【請求項20】
前記少なくとも一つのシステム性能メトリック測定結果の受信された前記指標は、境界ゲートウェイにおいて予備的処理され、それを前記ノードBが前記適合電力制御パラメータを設定するために使用する、請求項14に記載のノードB。
【請求項21】
前記予備的処理された指標が、特定の指標値を送るノードBsの数をしきい値と比較することにより導かれ、特定の指標値を送るノードBsの数が前記しきい値よりより大きいとき、前記ノードBが前記特定の指標値を受信する、請求項20に記載のノードB。
【請求項22】
前記ノードBが、更新された電力制御パラメータを、同ノードBが支配するユーザ装置に送信する、請求項14に記載のノードB。
【請求項23】
前記ノードBが、ユーザ装置からダウンリンク経路損失を受信し、前記アップリンク送信電力レベルを更新し、前記報告されたダウンリンク経路損失を使用してエラーを修正し、そして修正された電力制御コマンドを前記ユーザ装置に送信する、請求項14に記載のノードB。
【請求項24】
前記ノードBが、
測定及び電力エラーについて累積された修正を前記ユーザ装置に提供することと、
チャネル依存スケジューリングについて累積されていない補償を前記ユーザ装置に提供することと、
の群のうちの少なくとも一つによって測定結果を修正する、請求項23に記載のノードB。
【請求項25】
前記ノードBが、前記累積された修正と前記累積されていない補償とを識別するために1ビットを送信する、請求項24に記載のノードB。
【請求項26】
前記ノードBが、異なるタイミング又はチャネルにおいて前記累積された修正と前記累積されていない補償とを送信する、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−517492(P2010−517492A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548436(P2009−548436)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/052564
【国際公開番号】WO2008/097792
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】