説明

通信システム及び通信方法、ゲートウェイ

【課題】異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの実現。
【解決手段】通信システムにおいて、ゲートウェイ106が、プロトコルによって種類が異なるサービス識別子をPDN識別子に変換するサービス識別子管理テーブルを保持し、ハンドオーバ時にユーザ識別子とPDN識別子により保持するセッションを特定し、移動元に接続した同一PDNを選択し、移動元で割当済みの同一IPアドレスの再割当を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法、ゲートウェイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP(The Third Generation Partnership Project)で規定されるLTE(Long Term Evolution)では、P−GW(Packet data network−Gateway)が外部IPネットワーク(以降PDN(Packed Data Network)とする)へ接続する機能を具備し、移動端末の移動を管理するプロトコルは、GTP(GPRS Tunnelling Protocol)を使用する。またIETF(Internet Engineering Task Force)で規定されるMIPv4(Mobile IPv4)、MIPv6(Mobile IPv6)、DSMIPv6(Dual Stack Mobile IPv6)では、HA(Home Agent)がPDNへ接続する機能を具備し、PMIPv6(Proxy Mobile IPv6)では、LMA(Local Mobility Anchor)がPDNへ接続する機能を具備する。HAは、3GPP2で規定される通信システムおよび、WiMAXフォーラムで規定される通信システムにて使用される。また、LMAは、3GPPにおいてP−GWの機能の1つとして規定される。前記規格において、PDNへ接続する機能を具備するエンティティが、移動端末のIPアドレスを割り当てる方式が基本である。
【0003】
異なる通信システムを複数運用するオペレータは、設備コスト削減と異なる通信システム間のハンドオーバを可能とするために前記PDNへ接続する機能を1つのゲートウェイに同梱させることがあり得る。また、オペレータは、前記PDN毎にアドレスプールを分けて管理することがあり得る。アドレスプールとは、移動端末に割り当てるIPアドレスの集合である。
【0004】
図1にネットワーク構成図の一例を示す。
このネットワークは、移動端末101、基地局等を含むアクセス網102、103、アクセス網を集約しHA107へデータ転送を行うエンティティであるFA(Foreign Agent)104、またアクセス網を集約しP−GW108へデータ転送を行うS−GW(Serving Gateway)105、またHA107とP−GW108を具備するゲートウェイ106を備える。ゲートウェイ106は、各種のプロトコルにより各PDN#1〜#3 109を介してサーバ#1〜#3 110にそれぞれ接続される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 23.401 V9.3.0 (2009−12)4章
【非特許文献2】3GPP TS 23.402 V9.3.0 (2009−12)4章
【非特許文献3】IETF RFC2002 IP Mobility Support (1996−10)1章
【非特許文献4】IETF RFC3775 Mobility Support in IPv6(2004−6)4章
【非特許文献5】IETF RFC5555 Mobile IPv6 Support forDual Stack Hosts and Routers(2009−6)2章
【非特許文献6】IETF RFC5213 Proxy Mobile IPv6 (2008−8)3章
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在の規格や従来技術では、異なる通信システム間ハンドオーバにおけるゲートウェイについて、異なる通信システムでPMIPv6を使用することにより実現する方法が規定されている。ただし異なるプロトコルを使用する場合については規定されていない。
本発明の目的は、以上の点に鑑み、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの実現である。
【0007】
本発明が解決する課題は、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの際、移動元の通信システムで使用していたサービスを継続するために、移動元および移動先の通信システムにより使用されるプロトコルに依存せず、ゲートウェイが、移動元の通信システムで接続した同一のPDN等のデータネットワークに接続可能とするデータネットワーク(PDN等)選択方式を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの際、移動元の通信システムで使用していたサービスを継続するために、移動元および移動先の通信システムにより使用されるプロトコルに依存せず、ゲートウェイが、移動元の通信システムで割り当てた同一のIPアドレスの再割当を可能とするIPアドレス割り当て方式を提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの際、移動元の通信システムで使用していたサービスを継続するために、移動元および移動先の通信システムにより使用されるプロトコルに依存せず、ゲートウェイが、移動元の通信システムで接続した同一のPDNに接続可能とし、接続するPDNを識別するサービス識別子の種類に依存せず、PDNを選択可能とするセッション情報管理方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための手段は、例えば、移動端末、基地局等を含むアクセス網、FA、S−GW、PDNと、PDNとのネットワークインタフェースを具備し、S−GWとのネットワークインタフェースを保持するP−GWを具備し、FAとのネットワークインタフェースを保持するHAを具備し、セッション情報管理テーブルを保持する記憶部を具備し、IPアドレス割当処理を実施する制御部を具備するゲートウェイから構成される通信システムにおいて、ゲートウェイが、前記セッション管理情報テーブルの1つとして、接続するPDNの識別に用い、プロトコルによって種類が異なるサービス識別子を、一般化するために、例えばPDN識別子に変換するサービス識別子管理テーブルを保持する。ただし、異なるプロトコルかつ異なる種類のサービス識別子を使用する通信システム間でハンドオーバを実施可能とする場合、ゲートウェイは、前記異なるサービス識別子を同じPDN識別子に変換するように設定する。
【0011】
また、前記通信システムにおいて、ゲートウェイが、前記セッション管理情報テーブルの1つとして、接続するPDNに対応するアドレスプールを設定可能とするために、前記PDN識別子と、例えばアドレスプールを識別するプール識別子の対応を設定するPDN情報管理テーブルを保持する。
【0012】
また、前記通信システムにおいて、ゲートウェイは、新規接続時に、移動端末からIPアドレス割当を要求するシグナリングを受信すると、前記シグナリングに設定されるサービス識別子を、前記サービス識別子管理テーブルを用いて、前記PDN識別子に変換し、接続するPDNを決定し、前記シグナリングに設定されるユーザ識別子、例えばIMSI(International Mobile Subscriber Identity)と、前記PDN識別子の組み合わせにより接続中セッション管理テーブルを作成する。
【0013】
また、前記通信システムにおいて、ゲートウェイは、新規接続時に、移動端末からIPアドレス割当を要求するシグナリングを受信すると、前記のとおりPDN識別子を決定すると、前記PDN情報管理テーブルを用いて、PDN識別子に対応するプール識別子を決定することにより、接続するPDNに対応するアドレスプールを選択しIPアドレスを割り当て、前記接続中セッション管理テーブルに追加する。
【0014】
また、前記通信システムにおいて、異なるプロトコルを使用する通信アクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバ時に、移動端末からIPアドレス割当を要求するシグナリングを受信すると、前記シグナリングに設定されるサービス識別子により、前記のとおりPDN識別子に変換する。前記シグナリングに設定されるユーザ識別子とPDN識別子の組み合わせにより、前記接続中セッション管理テーブルの中から、同一セッションがないか検索し、同一セッションを検出すると、ハンドオーバ元にて当該セッションに割り当てたIPアドレスを割り当てる。
【0015】
本発明の第1の解決手段によると、
端末が接続される第1のプロトコルが使用される第1のアクセス網と、
端末が接続される、前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルが使用される第2のアクセス網と、
サービスを提供するサーバに接続されるネットワークと、
前記第1及び第2のアクセス網及び前記ネットワークが接続され、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを接続するためのゲートウェイと、
を備えた通信システムであって、

前記ゲートウェイは、
前記ネットワークから前記端末に提供されるサービスを識別するための、第1のプロトコルで使用される第1のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第1のサービス識別子管理テーブルと、
前記第1のサービス識別子と異なる種類であって、第2のプロトコルで使用される第2のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第2のサービス識別子管理テーブルと、
前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルと、
接続中のセッションについて、ユーザ識別子と、サービス識別子と、ネットワーク識別子と、アドレスと、プロトコル識別情報とを対応して記憶する接続中セッション管理テーブルと、
前記第1及び第2のサービス識別子管理テーブル、前記ネットワーク情報管理テーブル、及び前記接続中セッション管理テーブルにアクセスし、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを管理するための制御部と
を備え、

前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記端末から、ユーザ識別子及びサービス識別子及び使用するプロトコルを識別するためのプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報と同一のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記サービス識別子の組み合わせと同一のユーザ識別子とサービス識別子の組み合わせの第1の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第1の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、前記プロトコル識別情報が第1のプロトコル識別子か第2のプロトコル識別子かに従い、又は、前記サービス識別子が前記第1のサービス識別子か第2のサービス識別子かに従い、前記第1又は第2のサービス識別子管理テーブルのいずれかを選択して参照し、前記サービス識別子を、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用される前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報とは異なるプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記第2の接続中セッションの情報の前記サービス識別子及び前記プロトコル識別情報を書き換え、
前記端末に、前記接続中セッション管理テーブルに記憶された前記第2の接続中セッションの情報内のアドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信システムが提供される。
【0016】
本発明の第2の解決手段によると、
端末が接続される第1のプロトコルが使用される第1のアクセス網と、
端末が接続される、前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルが使用される第2のアクセス網と、
サービスを提供するサーバに接続されるネットワークと、
前記第1及び第2のアクセス網及び前記ネットワークが接続され、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを接続するためのゲートウェイと、
を備えた通信システムであって、
前記ゲートウェイは、
前記ネットワークから前記端末に提供されるサービスを識別するための、第1のプロトコルで使用される第1のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第1のサービス識別子管理テーブルと、
前記第1のサービス識別子と異なる種類であって、第2のプロトコルで使用される第2のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第2のサービス識別子管理テーブルと、
前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルと、
接続中のセッションについて、ユーザ識別子と、サービス識別子と、ネットワーク識別子と、アドレスと、プロトコル識別情報とを対応して記憶する接続中セッション管理テーブルと、
前記第1及び第2のサービス識別子管理テーブル、前記ネットワーク情報管理テーブル、及び前記接続中セッション管理テーブルにアクセスし、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを管理するための制御部と
を備えた、前記通信システムにおける通信方法であって、

前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記端末から、ユーザ識別子及びサービス識別子及び使用するプロトコルを識別するためのプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報と同一のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記サービス識別子の組み合わせと同一のユーザ識別子とサービス識別子の組み合わせの第1の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第1の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、前記プロトコル識別情報が第1のプロトコル識別子か第2のプロトコル識別子かに従い、又は、前記サービス識別子が前記第1のサービス識別子か第2のサービス識別子かに従い、前記第1又は第2のサービス識別子管理テーブルのいずれかを選択して参照し、前記サービス識別子を、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用される前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報とは異なるプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記第2の接続中セッションの情報の前記サービス識別子及び前記プロトコル識別情報を書き換え、
前記端末に、前記接続中セッション管理テーブルに記憶された前記第2の接続中セッションの情報内のアドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信方法が提供される。
【0017】
本発明の第3の解決手段によると、
端末が接続される第1のプロトコルが使用される第1のアクセス網と、
端末が接続される、前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルが使用される第2のアクセス網と、
サービスを提供するサーバに接続されるネットワークと、
に接続され、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを接続するためのゲートウェイであって、

前記ネットワークから前記端末に提供されるサービスを識別するための、第1のプロトコルで使用される第1のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第1のサービス識別子管理テーブルと、
前記第1のサービス識別子と異なる種類であって、第2のプロトコルで使用される第2のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第2のサービス識別子管理テーブルと、
前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルと、
接続中のセッションについて、ユーザ識別子と、サービス識別子と、ネットワーク識別子と、アドレスと、プロトコル識別情報とを対応して記憶する接続中セッション管理テーブルと、
前記第1及び第2のサービス識別子管理テーブル、前記ネットワーク情報管理テーブル、及び前記接続中セッション管理テーブルにアクセスし、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを管理するための制御部と
を備え、

前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記端末から、ユーザ識別子及びサービス識別子及び使用するプロトコルを識別するためのプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報と同一のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記サービス識別子の組み合わせと同一のユーザ識別子とサービス識別子の組み合わせの第1の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第1の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、前記プロトコル識別情報が第1のプロトコル識別子か第2のプロトコル識別子かに従い、又は、前記サービス識別子が前記第1のサービス識別子か第2のサービス識別子かに従い、前記第1又は第2のサービス識別子管理テーブルのいずれかを選択して参照し、前記サービス識別子を、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用される前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報とは異なるプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記第2の接続中セッションの情報の前記サービス識別子及び前記プロトコル識別情報を書き換え、
前記端末に、前記接続中セッション管理テーブルに記憶された前記第2の接続中セッションの情報内のアドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにしたゲートウェイが提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの実現が可能となる。
また、本発明により、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの際、移動元の通信システムで使用していたサービスを継続するために、移動元および移動先の通信システムにより使用されるプロトコルに依存せず、ゲートウェイが、移動元の通信システムで接続した同一のPDNに接続可能とするPDN選択方式を提供することが可能となる。
【0019】
また、本発明により、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの際、移動元の通信システムで使用していたサービスを継続するために、移動元および移動先の通信システムにより使用されるプロトコルに依存せず、ゲートウェイが、移動元の通信システムで割り当てた同一のIPアドレスの再割当を可能とするIPアドレス割り当て方式を提供することが可能となる。
【0020】
また、本発明により、異なるプロトコルを使用するアクセス網と接続するゲートウェイをアンカーとするハンドオーバの際、移動元の通信システムで使用していたサービスを継続するために、移動元および移動先の通信システムにより使用されるプロトコルに依存せず、ゲートウェイが、移動元の通信システムで接続した同一のPDNに接続可能とするために、接続するPDNを識別するサービス識別子の種類に依存せず、PDNを選択可能とするセッション情報管理方式を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ネットワーク構成図の一例
【図2】新規接続:FAからの接続の一例(実施の形態1)
【図3】新規接続:S−GWからの接続の一例(実施の形態2)
【図4】ハンドオーバ:S−GWからFAへ移動の一例(実施の形態3)
【図5】ゲートウェイブロック構成図の一例
【図6】ゲートウェイ制御部の処理フローチャートの一例
【図7】ゲートウェイ記憶部に設定される情報の一例
【図8】サービス識別子管理テーブル(NAI)の一例
【図9】PDN情報管理テーブルの一例
【図10】接続中セッション管理テーブルの一例
【図11】サービス識別子管理テーブル(APN)の一例
【図12】接続中セッション管理テーブル(更新後)の一例
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.システム

ネットワーク構成の一例は、図1で説明したものと同様である。
【0023】
2.ゲートウェイ

[ゲートウェイのブロック構成の一例]
図5に、本実施の形態によるゲートウェイのブロック構成図の一例を示す。
ゲートウェイ106は、PDNと接続されるネットワークIF501、FAと接続されるネットワークIF502、S−GWと接続されるネットワークIF503、記憶部504、制御部505、ユーザIF506を備える。ネットワークIF501は、PDN等のコアネットワークとのネットワークインタフェースである。ネットワークIF502は、FAとのネットワークインタフェースである。ネットワークIF503は、S−GWとのネットワークインタフェースである。制御部505は、例えば後述のフローによりPDNの選択処理とIPアドレス割当処理を実施する。
【0024】
ただし、ゲートウェイ106は、どのエンティティから送信されたシグナリングであるか識別可能であれば、前記ネットワークIF502と前記ネットワークIF503を分けなくても良い。例えば、ゲートウェイは、受信したシグナリング内の情報によりプロトコルが識別可能である。なお、この例では、アクセス網としてFA104及びS−GW105に関して説明するが、これらに限られず適宜のアクセス網を、適宜の数接続することができる。
【0025】
図7に、ゲートウェイ記憶部に設定される情報の一例を示す。
記憶部504は、例えば図で示すように、サービス識別子(NAI)管理テーブル5041と、サービス識別子(APN)管理テーブル5042をあらかじめオペレータが設定し、接続中セッション管理テーブル5043をセッション確立時にゲートウェイが設定する。また、例えば、PDN管理テーブル5044及びアドレスプール5045をあらかじめオペレータがあらかじめ設定する。
【0026】
図8に、サービス識別子管理テーブル(NAI)の一例を示す。サービス識別子(NAI)管理テーブル5041は、各サービス識別子(例、NAI)に対してPDN識別子を記憶する。
【0027】
図11に、サービス識別子管理テーブル(APN)の一例を示す。サービス識別子(APN)管理テーブル5042は、各サービス識別子(例、APN)に対してPDN識別子を記憶する。
【0028】
図9に、PDN情報管理テーブルの一例を示す。PDN管理テーブル5044は、各PDN識別子に対して、アドレスプール識別子を記憶する。アドレスプール5045は、各アドレスプール識別子に対して、複数のIPアドレスをプールする。
【0029】
図10に、接続中セッション管理テーブルの一例を示す。接続中セッション管理テーブル5043は、ユーザ識別子及びサービス識別子に対して、接続中セッションのPDN識別子、IPアドレス、プロトコル種別を記憶する。
また、図12に、接続中セッション管理テーブル(更新後)の一例を示す。
【0030】
3.動作

[実施の形態1:新規接続:FAからの接続の一例]
図2に、FA104からの新規接続のコールフローの一例を示す。
移動端末101−1又は101−2から送信されるシグナリングには、ユーザ識別子、サービス識別子、プロトコルを識別するためのプロトコル識別情報が含まれる。ここで、ユーザ識別子は、例えば、移動端末101等のユーザが使用する端末を識別するための識別情報であるが、ユーザ自身を識別するための識別情報又は、これらの両方としてもよい。また、サービス識別子は、たとえば、各ユーザ又は各端末が申し入れている各種サービスを提供する際の各サービスを識別するための識別情報、及び/又は、各ユーザ又は各端末に各種サービスを提供する際の各サービスを識別するための識別情報である。また、各アクセス網102が使用するプロトコルによって異なるサービス識別子を用いることができる。なお、同一のPDN109により同一のサービスを提供するときでも、プロトコルによって異なる種類のサービス識別子が用いられる場合が想定される。サービス識別子として、例えば、APN(Access Point Name)、NAI(Network Access Identifier)などがある。
【0031】
移動端末101−1は、ユーザ識別子(IMS#1)とサービス識別子(NAI#1)を設定したIPアドレスの割当を要求するシグナリング201をゲートウェイ106へ送信する。
ゲートウェイ106は、前記シグナリング201を受信すると、ステップ203にて図6に示す処理を行う(詳細は後述。)。例えば、ゲートウェイ106は、シグナリング201に含まれる情報により、使用されるプロトコルを識別するプロトコル識別子を求め、プロトコル識別子に従い、図8又は図11等の何れかのサービス識別子管理テーブルを選択することができる。または、ゲートウェイ106は、シグナリングに含まれるサービス識別子に従い、図8又は図11等の何れかのサービス識別子管理テーブルを選択してもよい。この場合、ゲートウェイ106は、前記シグナリング201に設定されるサービス識別子と、あらかじめオペレータがP−GWに設定する図8と図9に示すようなゲートウェイ106がセッション情報を管理するためのテーブルとして保持するサービス識別子(NAI)管理テーブル5041とPDN情報管理テーブル5044により、サービス識別子をPDN識別子に変換し、接続するPDNを選択し、IPアドレスを払い出すアドレスプールを決定し、IPアドレスを割り当て、例えば図10に示すような接続中セッション管理テーブル5043を作成する。
【0032】
例えば、取得したサービス識別子がNAI#1だった場合、ゲートウェイ106は、図9を参照することにより、対応するPDNはPDN#1と判断する。また、ゲートウェイ106は、図9を参照することによりPDN#1に対応するアドレスプールは、Pool#1と判断する。ゲートウェイ106は、アドレスプール5045からPool#1によりIPアドレス“A”を選択する。なお、ゲートウェイ106は、シグナリング201からプロトコル“MIPv4”を取得する。こうして、ゲートウェイ106は、接続中セッション管理テーブル5043に、図10のように、ユーザ識別子“IMSI#1”、サービス識別子“NAI#1”に対応して、PDN識別子“PDN#1”、IPアドレス“A”、プロトコル“MIPv4”を記憶する。
【0033】
そして、ゲートウェイ106は、シグナリング202に割り当てたIPアドレスを設定し、移動端末101−1に送信する。
本実施の形態は、FA104とHA107が使用するプロトコルがMIPv4、MIPv6、DSMIPv6等でシグナリングのフォーマットが異なること以外前記動作と同様のためMIPv4、MIPv6、DSMIPv6等の各プロトコルで適用可能である。
【0034】
[実施の形態2:新規接続:S−GWからの接続の一例]
図3に、S−GW105からの新規接続のコールフローの一例を示す。
移動端末101−2は、ユーザ識別子(IMSI#2)とサービス識別子(APN#1)を設定したIPアドレスの割当を要求するシグナリング301をゲートウェイ106へ送信する。
【0035】
ゲートウェイ106は、シグナリング301を受信すると、ステップ303にて図6に示す処理を行う(詳細は後述。)。例えば、ゲートウェイ106は、シグナリング201に含まれる情報により、使用されるプロトコルを識別するプロトコル識別子を求め、プロトコル識別子に従い、図8又は図11等のいずれかのサービス識別子管理テーブルを選択することができる。または、ゲートウェイ106は、シグナリングに含まれるサービス識別子に従い、図8又は図11等のいずれかのサービス識別子管理テーブルを選択してもよい。この場合、ゲートウェイ106は、シグナリング301に設定されるサービス識別子と、あらかじめオペレータがP−GWに設定する図11と図9に示すゲートウェイ106のセッション情報を管理するためのテーブルとして保持するサービス識別子(APN)管理テーブル5042とPDN情報管理テーブル5044により、サービス識別子をPDN識別子に変換し、接続するPDNを選択し、IPアドレスへ割り当てるアドレスプールを決定し、IPアドレスを割り当て、図12に示すような接続中セッション管理テーブル5043を作成する。
【0036】
例えば、取得したサービス識別子がAPN#1だった場合、ゲートウェイ106は、図10を参照することにより、対応するPDNはPDN#1と判断する。また、ゲートウェイ106は、図9を参照することによりPDN#1に対応するアドレスプールは、Pool#1と判断する。ゲートウェイ106は、アドレスプール5045からPool#1によりIPアドレス“B”を選択する。なお、ゲートウェイ106は、シグナリング201からプロトコル“GTP”を取得する。こうして、ゲートウェイ106は、接続中セッション管理テーブル5043に図10のように、ユーザ識別子“IMSI#2”、サービス識別子“APN#1”に対応して、PDN識別子“PDN#1”、IPアドレス“B”、プロトコル“GTP”を記憶する。
【0037】
そして、ゲートウェイ106は、シグナリング302に割り当てたIPアドレスを設定し、移動端末101−2に送信する。
本実施の形態は、S−GW105とP−GW108が使用するプロトコルがGTP、PMIPv6等でシグナリングのフォーマットが異なること以外前記動作と同様のため、GTP、PMIPv6等のプロトコルで適用可能である。
【0038】
[実施の形態3:ハンドオーバ:S−GWからFAへ移動の一例]
図4に、S−GW105からFA104へハンドーバ時のコールフローの一例を示す。
移動端末101−2は、実施の形態2の後、S−GW105に収容されるアクセス網103から、FA104に収容されるアクセス網102へ移動すると、例えば、アクセス網102への新規接続処理として、ユーザ識別子(IMSI#2)とサービス識別子(NAI#1)を設定したIPアドレスの割当を要求するシグナリング401をゲートウェイ106へ送信する。
【0039】
ゲートウェイ106は、シグナリング401を受信すると、ステップ403にて図6に示す処理を行う(詳細は後述。)。例えば、ゲートウェイ106は、シグナリング201に含まれる情報により、使用されるプロトコルを識別するプロトコル識別子を求め、プロトコル識別子に従い、図8又は図11等のいずれかのサービス識別子管理テーブルを選択することができる。または、ゲートウェイ106は、シグナリングに含まれるサービス識別子に従い、図8又は図11等のいずれかのサービス識別子管理テーブルを選択してもよい。この場合、ゲートウェイ106は、シグナリング401に設定されるサービス識別子と、図8に示すゲートウェイ106のセッション情報を管理するためのテーブルとして保持するサービス識別子(NAI)管理テーブル5041により、サービス識別子をPDN識別子に変換し、接続するPDNを選択し、シグナリング401に設定されるユーザ識別子と、変換したPDN識別子の組み合わせにより、実施の形態2にて作成した図10の接続中セッション管理テーブルから同一セッションがあるか検索し、同一セッションを検出した場合、実施の形態2にて当該セッションに割り当てたIPアドレスを割り当てる。
【0040】
例えば、取得したユーザ識別子とサービス識別子が、それぞれIMSI#2とNAI#3だった場合、ゲートウェイ106は、図8を参照することにより、対応するPDNはPDN#1と判断する。また、ゲートウェイ106は、図10を参照することによりIMSI#2とPDN#1に対応するセッションを特定し、割当済みのIPアドレスは“B”と判断し、“B”を割り当てる。そして、ゲートウェイ106は、例えば、図10を図12のように、サービス識別子とプロトコルを更新する。すなわち、ゲートウェイ106は、シグナリング201からプロトコル“MIPv4”を取得し、接続中セッション管理テーブル5043に、ユーザ識別子“IMSI#2”、サービス識別子“NAI#1”に対して、PDN識別子“PDN#1”、IPアドレス“B”、プロトコル“MIPv4”のエントリが記憶する。
【0041】
そして、ゲートウェイ106は、シグナリング402に割り当てたIPアドレスを設定し、移動端末101に送信する。
本実施の形態は、FA104とHA107が使用するプロトコルがMIPv4、MIPv6、DSMIPv6等の場合、また、S−GW105とP−GW108が使用するプロトコルがGTP、PMIPv6等の場合に適用可能である。
【0042】
[ゲートウェイ制御部処理フローチャートの一例]
図6に、本実施の形態によるゲートウェイ制御部フローチャートの一例を示す。ゲートウェイ106の制御部505は、ステップS1にて移動端末からIPアドレス割当要求を受信すると、ステップS2にてステップS1のIPアドレス割当要求と同一プロトコルのセッションが、接続中セッション管理テーブル5043に保持されているか判定する。例えば、同一プロトコル判定は、シグナリングのヘッダに含まれる、プロトコルを識別するための情報と、図10を比較することにより判定可能である。ここで、ゲートウェイ106の制御部505は、シグナリング201からプロトコルを識別するための情報を取得する。また、ゲートウェイ106の制御部505は、サービス識別子を抽出する際に、たとえば、NAI又はAPN等を用いるプロトコルの種類を判定してもよいし、シグナリングに含まれるプロトコルを識別する情報によりMIPv4またはGTP等のプロトコルの種類を判定してもよい。制御部505は、その判定に従い、図8または図11等のいずれのサービス識別子管理テーブル5041または5042を用いるかを決定することができる。ステップS1のIPアドレス割当要求と同一プロトコルのセッションを接続中セッション管理テーブル5043に保持する場合、例えば、ゲートウェイ106はMIPv4のセッションを保持しているときに同一ユーザ識別子かつ同一サービス識別子が設定される同一プロトコルMIPv4のシグナリングにてIPアドレス要求を受信した場合、ゲートウェイ106の制御部505は、ステップS5にて割当済みのIPアドレスを再割当し、ステップS7にてIPアドレスを設定したシグナリングを返信する。シグナリング内の情報がユーザ識別子とサービス識別子が含まれているか否かは、例えば、シグナリング内の情報毎に設定されるヘッダにより識別可能である。
【0043】
一方、ステップS1のIPアドレス割当要求と同一プロトコルのセッションを保持しない場合、例えば、ゲートウェイはプロトコルMIPv4のセッションを保持しないときに同一ユーザ識別子かつ同一サービス識別子が設定されるプロトコルMIPv4のシグナリングにてIPアドレス要求を受信した場合、ゲートウェイ106の制御部505は、ステップS3にてステップS1のIPアドレス割当要求に設定されるサービス識別子を、プロトコルの種類に応じて例えば前記図8または図11のサービス識別子管理テーブルを選択して用いて、PDN識別子に変換し、接続するPDNを決定する。ゲートウェイ106の制御部505は、ステップS4にてステップS1のIPアドレス割当要求に設定されるユーザ識別子とステップS3で変換したPDN識別子の組み合わせにより、例えば前記図10のような接続中セッション管理テーブル5043を参照し、異なるプロトコルで接続中の同一セッションを保持しているか判定する。異なるプロトコルで接続中の同一セッションを保持している場合、例えば、ゲートウェイは他のプロトコルGTPのセッションを保持しているときにプロトコルMIPv4シグナリングのIPアドレス要求に設定されるユーザ識別子とサービス識別子が保持する他のプロトコルGTPのセッションと一致する場合、ゲートウェイ106の制御部505は、ステップS5にて割当済みのIPアドレスを再割当し、ステップS8にて、セッション管理テーブル5043を更新し(図5参照)(すなわち、接続中セッション管理テーブル5043において、サービス識別子とプロトコル識別情報を書き換える。)、ステップS7にてIPアドレスを設定したシグナリングを返信する。
【0044】
また、ステップS4で接続中セッション管理テーブル5043に、異なるプロトコルで接続中の同一セッションを保持していない場合、例えば、ゲートウェイはそのようなセッションを保持していないときにプロトコルMIPv4シグナリングのIPアドレス要求を受信した場合、ゲートウェイ106の制御部505は、ステップS6にて、プロトコルの種類に従い、例えば前記図9のようなPDN情報管理テーブル5044を用いてステップS2で変換したPDN識別子に対応するプール識別子を選択し、新規にIPアドレスを割り当て、ステップS8にて、セッション管理テーブルを更新し、ステップS7にてIPアドレスを設定したシグナリングを返信する。なお、アドレスプール5045には、各アドレスプール識別子に対して複数のIPアドレスがプールされており、予め定められた順序または優先度等により、適宜ひとつのIPアドレスが選択される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
プロトコルの種類、アクセス網は、上述の他にも適宜用いることができる。また、端末は、上述では移動端末について説明したが、これに限らず固定端末、無線端末等適宜の端末を用いることができる。アドレスについては、IPアドレスについて説明したが、これ以外に適宜のアドレスを用いることができる。さらに、本発明は、PDNに限らず適宜のネットワークに適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
101 移動端末
102 FA104に収容されるアクセス網
103 S−GW105に収容されるアクセス網
104 FA(Forein Agent)
105 S−GW
106 ゲートウェイ
107 HA(Home Agent)
108 P−GW
109 PDN(Packet Data Network)
110 サーバ
201 シグナリング
202 シグナリング
301 シグナリング
302 シグナリング
401 シグナリング
402 シグナリング
501 ゲートウェイのネットワークIF
502 ゲートウェイのネットワークIF
503 ゲートウェイのネットワークIF
504 ゲートウェイの記憶部
505 ゲートウェイの制御部
S1〜S7 処理ステップ
5041〜5044 ゲートウェイ記憶部の設定情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が接続される第1のプロトコルが使用される第1のアクセス網と、
端末が接続される、前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルが使用される第2のアクセス網と、
サービスを提供するサーバに接続されるネットワークと、
前記第1及び第2のアクセス網及び前記ネットワークが接続され、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを接続するためのゲートウェイと、
を備えた通信システムであって、

前記ゲートウェイは、
前記ネットワークから前記端末に提供されるサービスを識別するための、第1のプロトコルで使用される第1のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第1のサービス識別子管理テーブルと、
前記第1のサービス識別子と異なる種類であって、第2のプロトコルで使用される第2のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第2のサービス識別子管理テーブルと、
前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルと、
接続中のセッションについて、ユーザ識別子と、サービス識別子と、ネットワーク識別子と、アドレスと、プロトコル識別情報とを対応して記憶する接続中セッション管理テーブルと、
前記第1及び第2のサービス識別子管理テーブル、前記ネットワーク情報管理テーブル、及び前記接続中セッション管理テーブルにアクセスし、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを管理するための制御部と
を備え、

前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記端末から、ユーザ識別子及びサービス識別子及び使用するプロトコルを識別するためのプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報と同一のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記サービス識別子の組み合わせと同一のユーザ識別子とサービス識別子の組み合わせの第1の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第1の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、前記プロトコル識別情報が第1のプロトコル識別子か第2のプロトコル識別子かに従い、又は、前記サービス識別子が前記第1のサービス識別子か第2のサービス識別子かに従い、前記第1又は第2のサービス識別子管理テーブルのいずれかを選択して参照し、前記サービス識別子を、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用される前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報とは異なるプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記第2の接続中セッションの情報の前記サービス識別子及び前記プロトコル識別情報を書き換え、
前記端末に、前記接続中セッション管理テーブルに記憶された前記第2の接続中セッションの情報内のアドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記ゲートウェイは、さらに、前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルを備え、
前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、
前記ネットワーク情報管理テーブルを用いて、前記ネットワーク識別子に対応するアドレスプール識別子を決定し、前記アドレスプール識別子で定められるアドレスプールからアドレスを割り当て、前記接続中セッション管理テーブルに、前記ユーザ識別子と、前記サービス識別子と、前記ネットワーク識別子と、前記アドレスと、前記プロトコル識別情報とを対応して記憶し、
前記端末に、割り当てられた前記アドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信システムであって、
前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記接続中セッション管理テーブルに前記第1の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記接続中セッション管理テーブルに記憶された該当する接続中セッションの情報で割り当て済のアドレスを、前記端末に再度割り当てて、
前記端末に、割り当てられた前記アドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記ゲートウェイの前記制御部は、
新規接続時に、前記端末から、ユーザ識別子及び第1のサービス識別子及び使用する第1のプロトコルを識別するための第1のプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信すると、
前記第1のプロトコル識別情報に従い、前記第1のサービス識別子管理テーブルを選択して参照し、前記第1のサービス識別子を前記ネットワーク識別子に変換し、
前記ネットワーク情報管理テーブルを用いて、前記ネットワーク識別子に対応するアドレスプール識別子を決定し、前記アドレスプール識別子で定められるアドレスプールからアドレスを割り当て、前記接続中セッション管理テーブルに、前記ユーザ識別子と、前記第1のサービス識別子と、前記ネットワーク識別子と、前記アドレスと、前記第1のプロトコル識別情報とを対応して記憶し、
端末に、前記アドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の通信システムであって、
前記ゲートウェイの前記制御部は、
さらに、前記第1のアクセス網から前記第2のアクセス網へのハンドオーバ時に、前記端末から、ユーザ識別子及び第2のサービス識別子及び使用する第2のプロトコルを識別するための第2のプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信すると、
前記第2のプロトコル識別情報に従い、前記第2のサービス識別子管理テーブルを選択して参照し、前記第2のサービス識別子を前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照し、前記第1のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報を検索し、前記接続中セッションの情報中の、前記第1のアクセス網にて当該セッションに割り当てられた前記アドレスを、前記端末に割り当て、
前記接続中セッション管理テーブルに、前記ユーザ識別子と、前記第2のサービス識別子と、前記ネットワーク識別子と、前記アドレスと、前記第2のプロトコル識別情報とを対応して記憶し、
前記端末に、前記アドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の通信システムであって、
前記ネットワーク識別子は、PDN(Packet Data Network)識別子であることを特徴とする通信システム。
【請求項7】
端末が接続される第1のプロトコルが使用される第1のアクセス網と、
端末が接続される、前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルが使用される第2のアクセス網と、
サービスを提供するサーバに接続されるネットワークと、
前記第1及び第2のアクセス網及び前記ネットワークが接続され、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを接続するためのゲートウェイと、
を備えた通信システムであって、
前記ゲートウェイは、
前記ネットワークから前記端末に提供されるサービスを識別するための、第1のプロトコルで使用される第1のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第1のサービス識別子管理テーブルと、
前記第1のサービス識別子と異なる種類であって、第2のプロトコルで使用される第2のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第2のサービス識別子管理テーブルと、
前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルと、
接続中のセッションについて、ユーザ識別子と、サービス識別子と、ネットワーク識別子と、アドレスと、プロトコル識別情報とを対応して記憶する接続中セッション管理テーブルと、
前記第1及び第2のサービス識別子管理テーブル、前記ネットワーク情報管理テーブル、及び前記接続中セッション管理テーブルにアクセスし、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを管理するための制御部と
を備えた、前記通信システムにおける通信方法であって、

前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記端末から、ユーザ識別子及びサービス識別子及び使用するプロトコルを識別するためのプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報と同一のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記サービス識別子の組み合わせと同一のユーザ識別子とサービス識別子の組み合わせの第1の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第1の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、前記プロトコル識別情報が第1のプロトコル識別子か第2のプロトコル識別子かに従い、又は、前記サービス識別子が前記第1のサービス識別子か第2のサービス識別子かに従い、前記第1又は第2のサービス識別子管理テーブルのいずれかを選択して参照し、前記サービス識別子を、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用される前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報とは異なるプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記第2の接続中セッションの情報の前記サービス識別子及び前記プロトコル識別情報を書き換え、
前記端末に、前記接続中セッション管理テーブルに記憶された前記第2の接続中セッションの情報内のアドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにした通信方法。
【請求項8】
端末が接続される第1のプロトコルが使用される第1のアクセス網と、
端末が接続される、前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルが使用される第2のアクセス網と、
サービスを提供するサーバに接続されるネットワークと、
に接続され、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを接続するためのゲートウェイであって、

前記ネットワークから前記端末に提供されるサービスを識別するための、第1のプロトコルで使用される第1のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第1のサービス識別子管理テーブルと、
前記第1のサービス識別子と異なる種類であって、第2のプロトコルで使用される第2のサービス識別子に対応して、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用されるネットワーク識別子を記憶した第2のサービス識別子管理テーブルと、
前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルと、
接続中のセッションについて、ユーザ識別子と、サービス識別子と、ネットワーク識別子と、アドレスと、プロトコル識別情報とを対応して記憶する接続中セッション管理テーブルと、
前記第1及び第2のサービス識別子管理テーブル、前記ネットワーク情報管理テーブル、及び前記接続中セッション管理テーブルにアクセスし、前記ネットワークと前記第1又は第2のアクセス網とのセッションを管理するための制御部と
を備え、

前記ゲートウェイの前記制御部は、
前記端末から、ユーザ識別子及びサービス識別子及び使用するプロトコルを識別するためのプロトコル識別情報を含み、アドレス割当を要求するシグナリングを受信し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報と同一のプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記サービス識別子の組み合わせと同一のユーザ識別子とサービス識別子の組み合わせの第1の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第1の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、前記プロトコル識別情報が第1のプロトコル識別子か第2のプロトコル識別子かに従い、又は、前記サービス識別子が前記第1のサービス識別子か第2のサービス識別子かに従い、前記第1又は第2のサービス識別子管理テーブルのいずれかを選択して参照し、前記サービス識別子を、前記第1及び第2のプロトコルで共通に使用される前記ネットワーク識別子に変換し、
前記接続中セッション管理テーブルを参照して、前記プロトコル識別情報とは異なるプロトコル識別情報で、前記ユーザ識別子と前記ネットワーク識別子の組み合わせが同一のユーザ識別子とネットワーク識別子の組み合わせの第2の接続中セッションの情報の有無を検索し、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記第2の接続中セッションの情報の前記サービス識別子及び前記プロトコル識別情報を書き換え、
前記端末に、前記接続中セッション管理テーブルに記憶された前記第2の接続中セッションの情報内のアドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにしたゲートウェイ。
【請求項9】
請求項1に記載のゲートウェイであって、
さらに、前記ネットワーク識別子と、アドレスプール識別子の対応を設定するネットワーク情報管理テーブルを備え、
前記制御部は、
前記第2の接続中セッションの情報が記憶されていない場合、
前記ネットワーク情報管理テーブルを用いて、前記ネットワーク識別子に対応するアドレスプール識別子を決定し、前記アドレスプール識別子で定められるアドレスプールからアドレスを割り当て、前記接続中セッション管理テーブルに、前記ユーザ識別子と、前記サービス識別子と、前記ネットワーク識別子と、前記アドレスと、前記プロトコル識別情報とを対応して記憶し、
前記端末に、割り当てられた前記アドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにしたゲートウェイ。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のゲートウェイであって、
前記制御部は、
前記接続中セッション管理テーブルに前記第1の接続中セッションの情報が記憶されている場合、
前記接続中セッション管理テーブルに記憶された該当する接続中セッションの情報で割り当て済のアドレスを、前記端末に再度割り当てて、
前記端末に、割り当てられた前記アドレスを設定したシグナリングを返信する
ことで、前記ネットワークから前記第1又は第2のアクセス網を介して、前記端末にサービスを提供するようにしたゲートウェイ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−239272(P2011−239272A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110089(P2010−110089)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】