説明

通信端末、通信状態情報提供システム、及び通信状態情報提供方法

【課題】 複数の通信機能を有する通信端末における正確な通信状態を通知すること。
【解決手段】 この通信状態情報提供システム1は、情報提供者側の携帯電話機201と、携帯電話機201から送出された通信状態情報を無線LAN30aを介して受信する情報受信部101、情報受信部101によって受信された通信状態情報を、携帯電話機201を特定する電話番号に関連づけて格納する通信状態情報格納部105、及び通信状態情報格納部105に格納された通信状態情報を、携帯電話機201の電話番号に対応付けられた送信先に送信する情報送信部104手段、を有する情報提供装置10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、通信状態情報提供システム、及び通信状態情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信端末の位置情報等の個別情報を他人に提供するシステムの一例としては、サーバが情報提供者の移動通信端末の位置情報を受信し蓄積した後、情報要求者の移動通信端末に随時送信するというものがある(例えば、下記特許文献1参照。)。一方、近年では、移動通信端末等の通信端末において、異なる通信方式の通信機能を複数搭載して、1つの通信端末で複数通信方式による通信を可能としている(下記特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−271837号公報
【特許文献2】特開2001−224071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したような複数通信機能を有する通信端末の個別情報を他人に提供する場合、通信端末は複数通信機能のうちのいずれかの通信機能を利用して、ネットワークに接続されたサーバ等に個別情報を送信する。この場合、個別情報として通信端末の通信状態を提供したい場合は、サーバが接続されているネットワーク上での通信機能の通信状態を把握することは容易であるが、それ以外の通信機能の通信状態を把握することは困難である。この傾向は、無線LAN通信方式、移動体通信方式、近距離無線方式等の異種通信機能が搭載された通信端末において顕著となる。
【0004】
このように一部の通信機能の通信状態しか把握できない場合には、一方の通信機能における通信状態が、例えば、“着信待ち受け中”等の未接続状態であったとしても、他方の通信機能が使用中であるような場合が生じ、通信端末の通信状態を明確に知ることができない。その結果、複数通信機能を有する通信端末の実際の通信状態と他人に提供される通信状態との不一致が生じてしまう。
【0005】
そこで、本発明はかかる課題に鑑みて為されたものであり、複数の通信機能を有する通信端末における正確な通信状態を通知することが可能な通信端末、通信状態情報提供システム、及び通信状態情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の通信端末は、外部との間で通信を行う第1の通信手段と、ネットワークを介して外部との間で通信を行う第2の通信手段と、第1の通信手段における通信状態を検出する通信状態検出手段と、通信状態を示す通信状態情報を、第2の通信手段に対して通知する通信状態通知手段とを備え、第2の通信手段は、通信状態情報をネットワークを介して送出する。
【0007】
このような通信端末によれば、第1及び第2の通信手段を有する通信端末が、第1の通信手段における通信状態を検出して、その通信状態情報を第2の通信手段に通知し、第2の通信手段がネットワークを介して通信状態情報を送出するので、特定ネットワークを使用しない第1の通信手段の通信状態を、確実にネットワーク側に通知することができる。
【0008】
また、通信状態検出手段は、第1の通信手段における通信状態として、第1の通信手段が外部との間で接続中であるか否かを検出することが好ましい。この場合、第1の通信手段が接続中であるかの情報をネットワーク側に通知できるので、通信端末がビジー状態(使用状態)であるかをネットワーク側に一括して把握させることができる。
【0009】
或いは、本発明の通信状態情報提供システムは、上述の通信端末と、通信端末から送出された通信状態情報をネットワークを介して受信する情報受信手段、情報受信手段によって受信された通信状態情報を、通信端末を特定する通信端末特定情報に関連づけて格納する通信状態情報格納手段、及び通信状態情報格納手段に格納された通信状態情報を、通信端末特定情報に対応付けられた送信先に送信する情報送信手段、を有する情報提供装置とを備える。
【0010】
或いは、本発明の通信状態情報提供方法は、通信端末の第1の通信手段が、外部との間で通信を行う第1の通信ステップと、通信端末の第2の通信手段が、ネットワークを介して外部との間で通信を行う第2の通信ステップと、通信端末が、第1の通信手段における通信状態を検出する通信状態検出ステップと、通信端末が、通信状態を示す通信状態情報を、第2の通信手段に対して通知する通信状態通知ステップと、通信端末が、第2の通信手段によって、通信状態情報をネットワークを介して送出する通信状態送信ステップと、情報提供装置が、通信端末から送出された通信状態情報をネットワークを介して受信する情報受信ステップと、情報提供装置が、情報受信ステップにおいて受信された通信状態情報を、通信端末を特定する通信端末特定情報に関連づけて格納する通信状態情報格納ステップと、情報提供装置が、通信状態情報格納ステップにおいて格納された通信状態情報を、通信端末特定情報に対応付けられた送信先に送信する情報送信ステップとを備える。
【0011】
このような通信状態情報提供システム及び通信状態情報提供方法によれば、第1及び第2の通信手段を有する通信端末が、第1の通信手段の通信状態を検出した後、その通信状態情報を第2の通信手段に通知し、第2の通信手段がネットワーク側に送出する。また、情報提供装置が、通信端末から送出された通信状態情報を受信して、通信端末特定情報に関連づけて通信状態情報格納手段に格納し、予め通信端末特定情報に対応付けられている送信先に通信状態情報を送信する。これにより、特定ネットワークを使用しない通信手段の通信状態についても、その特定ネットワークを介して正確に把握させることができると共に、その通信状態情報を必要な送信先に提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の通信機能を有する通信端末における正確な通信状態を通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本実施形態にかかる通信状態情報提供システムの概略構成図である。本実施形態にかかる通信状態情報提供システム1は、情報提供装置10と、携帯電話機201、202とを含んで構成されている。また、携帯電話機201は、無線LAN30aを介して情報提供装置10と接続可能にされると共に、移動体通信ネットワーク30bとも接続可能なように構成されている。
【0015】
携帯電話機201、202は、音声通話と共にデータ通信も可能な情報通信端末である。以下本実施形態においては、携帯電話機201は、通信状態を示す通信状態情報を提供しようとするユーザが使用する携帯電話機であり、携帯電話機202は、携帯電話機201の通信状態情報を取得しようとするユーザが使用する携帯電話機であるものとして説明する。
【0016】
図2は、携帯電話機201の好適な一実施形態を示す概略構成図である。基地局401は、携帯電話機201と無線信号の送受信を行うことにより、携帯電話機201を移動体通信ネットワーク30bに接続させるための中継装置である。基地局401は、携帯電話機201と無線信号の送受信を行うことにより、携帯電話機201を無線LAN30aに接続させるための中継装置である。
【0017】
携帯電話機201は、機能的な構成要素として、第1無線部(第1の通信手段)603、第1通信状態検出部(通信状態検出手段)604、及び通信状態通知部(通信状態通知手段)605を含んで構成される移動体通信手段601と、第2無線部(第2の通信手段)607を含んで構成される無線LAN通信手段602と、通信履歴情報格納部606とからなる。以下、携帯電話機201の構成要素について詳細に説明する。
【0018】
第1無線部603は、基地局401及び移動体通信ネットワーク30bを介して、移動体通信ネットワーク30bに接続された外部通信機器(図示せず)との間で、音声通話、電子メール送受信、ファイル送受信等に関わるデータ通信を行う部分である。なお、第1無線部603は、PDC(Personal Digital Cellular)方式、W−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式等の移動体通信方式を用いてデータ通信を行う。
【0019】
第1通信状態検出部604は、第1無線部603の通信状態の変更を検出する部分である。具体的には、第1通信状態検出部604は、携帯電話機201において発信ボタンの押下等の所定操作が行われることにより、第1無線部603から移動体通信ネットワーク30bに対して接続要求信号が送出される際に、その接続要求信号を検出することにより、第1無線部603の通信状態が“通信中”に変更されたと判断する。また、第1通信状態検出部604は、移動体通信ネットワーク30b側から送出された携帯電話機201に対する呼出信号を検出した場合においても、通信状態が“通信中”に変更されたと判断する。
【0020】
さらに、第1通信状態検出部604は、第1無線部603が外部の通信機器と接続確立中の状態において、終話ボタンの押下等の所定操作が行われることにより第1無線部603から移動体通信ネットワーク30bに対して切断信号が送出される際に、その切断信号を検出することにより、第1無線部603の通信状態が“通信終了”に変更されたと判断する。ここで、第1通信状態検出部604は、発信ボタン、終話ボタンの押下等の所定操作を検出することにより通信状態の変更を判断するようにしてもよいし、通信相手先の外部通信機器において切断操作が行われる際のビジートーンを検出することにより通信状態の変更を判断するようにしてもよい。
【0021】
また、第1通信状態検出部604は、検出した通信状態を示す通信状態情報を通信履歴情報格納部606に格納する。図3は、通信履歴情報格納部606に格納されたデータの構成図を示す。同図に示すように、通信状態情報であるイベントコード“0010”及び通信イベント名“通信中”と、その通信状態の変更を検出した日時を意味するイベント日時“2004/06/21 12:00:00”と、接続要求信号、着信信号又は切断信号の携帯電話機201における発着を示す発着種別“発”とが、互いに関連づけて格納される。
【0022】
通信状態通知部605は、第1通信状態検出部604によって通信履歴情報格納部606に格納された通信状態情報を、第1通信状態検出部604による検出の際に読み出して、第2無線部607に通知する部分である。図3の例によれば、通信状態通知部605は、発信種別“発”、イベント日時“2004/06/21 12:00:00”、イベントコード“0010”、及び通信イベント名“通信中”から構成されるデータを第2無線部607に通知する。
【0023】
図1に戻って、第2無線部607は、無線LAN親局501及び無線LAN30aを介して、無線LAN30aに接続された外部通信機器(図示せず)との間で、音声通話、電子メール送受信、ファイル送受信等に関わるデータ通信を行う部分である。ここで、第2無線部607は、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers) 802.11a、IEEE 802.11c等によって規定された無線LAN通信方式によりデータ通信を行う。さらに、第2無線部607は、通信状態通知部605から通知された通信状態情報を含むデータと、携帯電話機201の電話番号“090-XXXX-0001”とを、無線LAN30aを介して、情報提供装置10に向けて送出する。
【0024】
情報提供装置10は、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリ、マウスやキーボードなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置、ハードディスクなどの格納装置などを備えたコンピュータシステムとして構成されている。また、情報提供装置10は、機能的な構成要素として、図1に示すように、情報受信部101(情報受信手段)と、要求信号受信部102と、通信状態情報選択部103と、情報送信部104(情報送信手段)と、通信状態情報格納部105(通信状態情報格納手段)と、配信先情報格納部106とを備えて構成される。また、情報提供装置10は、無線LAN30aを通じて、携帯電話機201、202と情報の送受信が可能なように構成されている。以下、情報提供装置10の構成要素について説明する。
【0025】
情報受信部101は、携帯電話機201の第2無線部607から送出された通信状態情報を含むデータと、携帯電話機201の電話番号(通信端末特定情報)とを受信する部分である。また、情報受信部101は、受信したデータを携帯電話機201の電話番号に関連づけて、通信状態情報格納部105に格納する。図4は、このようにして通信状態情報格納部105に格納されたデータの構成図である。同図に示すように、情報受信部101は、通信状態情報であるイベントコード“0010”及び通信イベント名“通信中”とイベント日時“2004/06/21 12:00:00”と発着種別“発”とを受信した場合、これらのデータを携帯電話機201の電話番号“090-XXXX-0001”に関連づけて格納する。
【0026】
図1に戻って、要求信号受信部102は、携帯電話機202から、携帯電話機201に関する通信状態情報を要求するための要求信号を受信する部分である。要求信号には、情報要求者側の携帯電話機202を特定するための電話番号“090-XXXX-0002”と、情報提供者側の携帯電話機201を特定するための電話番号“090-XXXX-0001”と、希望時刻情報とを含む。要求信号受信部102は、要求信号受信後、携帯電話機202の電話番号と携帯電話機201の電話番号と希望時刻情報とを、通信状態情報選択部103に対して出力する。なお、希望時刻情報は、情報要求者が当該希望時刻情報によって特定される時刻における携帯電話機201の情報を取得するためのものである。
【0027】
また、通信状態情報選択部103は、要求信号受信部102において受信された要求信号に応じて、通信状態情報格納部105に格納された携帯電話機201の通信状態情報のうちから最新の情報を選択する部分である。すなわち、通信状態情報選択部103は、要求信号に含まれる情報提供者側の電話番号“090-XXXX-0001”に電話番号が一致し、かつ、イベント日時が最新であるデータを検索する。図4の例によれば、通信状態情報選択部103が、要求信号として情報提供者側の携帯電話機の電話番号“090-XXXX-0001”を受け取った場合は、電話番号“090-XXXX-0001”、イベント日時“2004/6/21 12:15:00”を含むデータを選択する。通信状態情報選択部103は、要求信号に含まれる希望時刻情報によって特定される時刻において上記の選択処理を行う。図1に戻って、通信状態情報選択部103は、選択した通信状態情報を含むデータを、情報要求者側である携帯電話機202の電話番号とともに情報送信部104に対して出力する。
【0028】
また、通信状態情報選択部103は、携帯電話機202からの要求信号の受信有無に関わらず、能動的に通信状態情報を含むデータを情報送信部104に対して出力することも行う。具体的には、通信状態情報選択部103は、通信状態情報格納部105を所定のタイミングで繰り返し参照して、各電話番号についての最新のイベント日時を含むデータを順次選択して読み出す。そして、通信状態情報選択部103は、配信先情報格納部106を参照しながら、読み出した各データに含まれる電話番号に対応する送信先電話番号を特定する。
【0029】
ここで、図5は、配信先情報格納部106に格納されたデータの構成図である。同図によれば、通信状態情報の提供者側の携帯電話機を特定する複数の登録電話番号“090-XXXX-0001/090-XXXX-0003/090-XXXX-0004/090-XXXX-0005”が、情報送信先の携帯電話機を特定する送信先電話番号“090-XXXX-0002”に関連づけて格納されている。
【0030】
この場合、通信状態情報選択部103は、通信状態情報格納部105から各電話番号に関する最新の通信状態情報を含むデータを読み出した後、配信先情報格納部106を参照することにより、該当する電話番号を登録電話番号として含むデータを検索する。そして、通信状態情報選択部103は、検索したデータに基づいて、該当する電話番号に対応する送信先電話番号を特定する。例えば、図5の例によれば、通信状態情報選択部103は、通信状態情報格納部105から携帯電話機201に関する最新の通信状態情報を含むデータを読み出した後、携帯電話機201の電話番号“090-XXXX-0001”を登録電話番号として含む送信先電話番号として“090-XXXX-0002”及び“090-XXXX-0003”を特定する。通信状態情報選択部103は、情報提供者側の各電話番号についての通信状態情報を含むデータと各データに対応する送信先電話番号との組合せを、情報送信部104に出力する。
【0031】
情報送信部104は、通信状態情報選択部103から出力された通信状態情報を含むデータを、無線LAN30aを介して、情報送信先である携帯電話機に送信する部分である。具体的には、情報送信部104は、通信状態情報選択部103から、通信状態情報を含むデータと送信先電話番号“090-XXXX-0002”を受け取った場合は、そのデータを携帯電話機202に送信する。
【0032】
続いて、本実施形態にかかる通信状態情報提供システムの動作について説明し、併せて、本発明の実施形態にかかる通信状態情報提供方法について説明する。図6は、通信状態情報提供システム1の動作を示すシーケンス図である。
【0033】
まず、携帯電話機201において、ユーザにより発信ボタン押下等の所定の操作が行われることにより、移動体通信ネットワーク30bに接続された外部通信機器との接続処理が開始される(ステップS01)。その結果、第1通信状態検出部604により、第1無線部603における通信状態の“通信中”への変更が検出される(ステップS02)。その後、通信状態通知部605から第2無線部607に対して、検出された通信状態情報を含むデータが通知される(ステップS03)。
【0034】
これに対して、第2無線部607により、通知された通信状態情報を含むデータが携帯電話機201の電話番号と共に、情報提供装置10に送信される(ステップS04)。送信された通信状態情報を含むデータは、情報提供装置10の情報受信部101が受信し、携帯電話機201の電話番号に関連づけて通信状態情報格納部105に格納する(ステップS05)。その後、通信状態情報選択部103が、通信状態情報格納部105に格納されている電話番号毎の最新の通信状態情報を読み出して、各電話番号に対応する送信先電話番号を特定した後、情報送信部104が通信状態情報を含むデータを送信先電話番号に向けて送信する(ステップS06)。そうすると、送信先の携帯電話機のディスプレイ等の情報出力手段において、携帯電話機201の通信状態が“通信中”として出力される(ステップS07、例えば、図7(a)参照。)。
【0035】
一方、携帯電話機201における発信操作に応じて、第1無線部603から移動体通信ネットワーク30bに対して接続要求信号が送出される(ステップS08)。これにより、移動体通信ネットワーク30bにおいて所定のセッション接続確立処理が行われた後、通信先の外部通信機器側から第1無線部603に対して接続応答信号が送られる(ステップS09)。以上により、携帯電話機201と外部通信機器との間の接続が確立される。
【0036】
その後、携帯電話機201において、ユーザにより終話ボタン押下等の所定の操作が行われることにより、外部通信機器との切断処理が開始される(ステップS10)。その結果、第1通信状態検出部604により、第1無線部603における通信状態の“通信終了”への変更が検出される(ステップS11)。その後、通信状態通知部605から第2無線部607に対して、検出された通信状態情報を含むデータが通知される(ステップS12)。
【0037】
これに対して、第2無線部607により、通知された通信状態情報を含むデータが携帯電話機201の電話番号と共に、情報提供装置10に送信される(ステップS13)。送信された通信状態情報を含むデータは、情報提供装置10の情報受信部101が受信し、携帯電話機201の電話番号に関連づけて通信状態情報格納部105に格納する(ステップS14)。その後、ステップS06と同様の手順で、情報送信部104が通信状態情報を含むデータを送信先電話番号に向けて送信する(ステップS15)。そうすると、送信先の携帯電話機のディスプレイ等の情報出力手段において、携帯電話機201の通信状態が“待受中”として出力される(ステップS16、例えば、図7(b)参照。)。
【0038】
一方、携帯電話機201における終話操作に応じて、第1無線部603から移動体通信ネットワーク30bに対して切断信号が送出される(ステップS17)。これにより、移動体通信ネットワーク30bにおいて所定のセッション切断処理が行われ、携帯電話機201と外部通信機器との間の接続が切断される。
【0039】
以上説明した通信状態情報提供システム1によれば、第1無線部603及び第2無線部607の2種類の通信手段を有する携帯電話機201が、第1無線部603の通信状態を検出した後、その通信状態情報を第2無線部607に通知し、第2無線部607が無線LAN30a側に送出する。また、情報提供装置10が、携帯電話機201から送出された通信状態情報を受信して、携帯電話機201の電話番号に関連づけて通信状態情報格納部105に格納し、予め携帯電話機201の電話番号に対応付けられている送信先に通信状態情報を送信する。これにより、特定ネットワークを使用しない通信手段の通信状態についても、その特定ネットワークを介して正確に把握させることができると共に、その通信状態情報を必要な送信先に提供することができる。その結果、複数種類の通信手段を有する通信端末の通信状態を一括して管理および提供することができる。
【0040】
また、第1無線部603が接続中であるかの情報を無線LAN30a側に通知できるので、携帯電話機201がビジー状態(使用状態)であるかを無線LAN30a側に一括して把握させることができる。
【0041】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。例えば、携帯電話機201の第1無線部603及び第2無線部607における通信方式は特定のものには限定されず、赤外線通信、非接触ICカード通信、Bluetooth(登録商標)通信等の他の通信方式を採用してもよい。また、携帯電話機201においては、3種類以上の通信機能を具備していてもよい。
【0042】
また、情報提供者側の通信端末としては特定のものには限定されず、PDA(Personal Digital Assistants)、PHS(Personal Handyphone System)、パーソナルコンピュータ等を使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本実施形態にかかる通信状態情報提供システムの概略構成図である。
【図2】図1の携帯電話機の好適な一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】図2の通信履歴情報格納部に格納されたデータの構成図である。
【図4】図1の通信状態情報格納部に格納されたデータの構成図である。
【図5】図1の配信先情報格納部に格納されたデータの構成図である
【図6】本実施形態にかかる通信状態情報提供システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】(a)は、セッション確立時の送信先の携帯電話機における情報出力例を示す図、(b)は、セッション切断時の送信先の携帯電話機における情報出力例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…通信状態情報提供システム、10…情報提供装置、30a…無線LAN、30b…移動体通信ネットワーク、101…情報受信部、102…要求信号受信部、103…通信状態情報選択部、104…情報送信部、105…通信状態情報格納部、106…配信先情報格納部、401…基地局、501…無線LAN親局、201,202…携帯電話機、601…移動体通信手段、602…無線LAN通信手段、603…第1無線部、604…第1通信状態検出部、605…通信状態通知部、606…通信履歴情報格納部、607…第2無線部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部との間で通信を行う第1の通信手段と、
ネットワークを介して外部との間で通信を行う第2の通信手段と、
前記第1の通信手段における通信状態を検出する通信状態検出手段と、
前記通信状態を示す通信状態情報を、前記第2の通信手段に対して通知する通信状態通知手段とを備え、
前記第2の通信手段は、前記通信状態情報を前記ネットワークを介して送出する、
ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記通信状態検出手段は、前記第1の通信手段における通信状態として、前記第1の通信手段が外部との間で接続中であるか否かを検出する、
ことを特徴とする請求項1記載の通信端末。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信端末と、
前記通信端末から送出された前記通信状態情報を前記ネットワークを介して受信する情報受信手段、
前記情報受信手段によって受信された前記通信状態情報を、前記通信端末を特定する通信端末特定情報に関連づけて格納する通信状態情報格納手段、及び
前記通信状態情報格納手段に格納された前記通信状態情報を、前記通信端末特定情報に対応付けられた送信先に送信する情報送信手段、
を有する情報提供装置と、
を備えることを特徴とする通信状態情報提供システム。
【請求項4】
通信端末の第1の通信手段が、外部との間で通信を行う第1の通信ステップと、
前記通信端末の第2の通信手段が、ネットワークを介して外部との間で通信を行う第2の通信ステップと、
前記通信端末が、前記第1の通信手段における通信状態を検出する通信状態検出ステップと、
前記通信端末が、前記通信状態を示す通信状態情報を、前記第2の通信手段に対して通知する通信状態通知ステップと、
前記通信端末が、前記第2の通信手段によって、前記通信状態情報を前記ネットワークを介して送出する通信状態送信ステップと、
情報提供装置が、前記通信端末から送出された前記通信状態情報を前記ネットワークを介して受信する情報受信ステップと、
前記情報提供装置が、前記情報受信ステップにおいて受信された前記通信状態情報を、前記通信端末を特定する通信端末特定情報に関連づけて格納する通信状態情報格納ステップと、
前記情報提供装置が、前記通信状態情報格納ステップにおいて格納された前記通信状態情報を、前記通信端末特定情報に対応付けられた送信先に送信する情報送信ステップと、
を備えることを特徴とする通信状態情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−33097(P2006−33097A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−205191(P2004−205191)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】