説明

通信端末装置、着信動作制御方法およびそのためのプログラム

【課題】発信側からの特定の文字情報を受信し、特定の文字情報に応じて着信動作を制御する通信端末装置と着信動作制御方法に関し、特定の文字情報に対応する着信動作パターンにより、発信者からの電話を受ける前に通話の緊急度を認識することを目的とする。
【解決手段】任意の文字情報と、この文字情報に対応する着信動作パターンとを登録する文字情報/着信動作パターン登録部1と、他の通信端末装置6からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、文字情報/着信動作パターン登録部1に登録された任意の文字情報の中から、特定の文字情報に一致する文字情報を検出する文字情報検出手段2と、当該文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にする着信動作パターン選択手段3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信側の携帯電話機や携帯端末装置等の通信端末装置から発信信号に付与して送信される特定の文字情報を、着信側の通信端末装置にて着信した場合に、この特定の文字情報に応じて着信動作(例えば、着信音の音量や着信画像表示)を適切に制御するための通信端末装置、着信動作制御方法およびそのためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多元接続)形式で使用される携帯電話機や携帯端末装置等の通信端末装置においては、発信側の通信端末装置の発信端末から相手側呼出用の発信信号に付与して特定の文字情報(例えば、所定の文字数以内(例えば、10文字以内)の文字列からなるメッセージまたはキーワード)を送信し、着信側(すなわち、相手側)の通信端末装置の着信端末で発信信号および特定の文字情報を着信したときに、この特定の文字情報を着信側の着信画面に表示する機能が設けられている。ここで、上記のような特定の文字情報は、発信側の特定の情報を着信側に通知することを目的として送信されるものである。このような機能は、通常、「着信時の文字情報通知機能」または「着文字動作機能」と呼ばれている。
より具体的にいえば、発信側の発信者が着信側の着信者と通話したい場合に、発信側の通信端末装置(例えば、携帯電話機)から着信側の通信端末装置(例えば、携帯電話機)に送信される特定の文字情報を着信側で着信したときには、この特定の文字情報により表されるメッセージやキーワードが、登録済みの発信者の電話番号および名前と共に着信側の着信画面に表示されるようになっている。それゆえに、着信者は、携帯電話機等の開始キーを操作して発信者との通話を開始する前に着信画面を見ることによって、着信画面に表示されるメッセージやキーワード等の内容を読むことができる。
ここで、上記のような特定の文字情報は、あくまでも発信側から供給される特定の文字情報(メッセージまたはキーワード)を着信側に通知することを目的として、相手側呼出用の発信信号に付与して送信されるものであり、通常の電子メールのように、その内容が着信側の携帯電話機等のメモリに記憶され着信履歴として残るものではない点に注目すべきである。
さらに、最近では、発信側から供給される特定の文字情報を着信側に通知する機能だけでなく、この特定の文字情報を利用して着信側の着信動作パターン(例えば、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータ等の振動量およびイルミネーション)のバリエーションを設定することによって、着信者が発信者からの電話を受ける前に発信者の通話の緊急度を知りたいという要望が多くなっている。
しかしながら、従来の携帯電話機等の通信端末装置では、このような要望を実現するための機能は一切備わっておらず、それゆえに、着信側では、発信者からの電話を受ける前に発信者の通話の緊急度を認識することによって発信者との通話を開始すべきか否かを選択することはできなかった。このため、従来の通信端末装置では、特に緊急の電話ではないにもかかわらず、着信者が発信者からの呼び出しに応答して発信者との通話を開始せざるを得なくなるといったような問題が生じていた。
【0003】
ここで、参考のため、前述のような従来の通信端末装置に関連した下記の特許文献1および特許文献2を先行技術文献として呈示する。
【0004】
特許文献1においては、携帯電話機から入力された着信の種類を示す情報に基づいて、着信種類特定情報を無線送信する送信ユニットと、上記の着信種類特定情報を受信して着信種類特定情報に基づいて着信種類を判別し、判別された着信種類を報知する受信ユニット(例えば、ユーザの腕に装着されるバンド)とを備え、受信ユニットを携帯するユーザに、携帯電話機の着信種類を報知するような報知装置の構成が開示されている。
【0005】
特許文献2においては、着信信号を受信した際に、この着信信号に含まれる電話番号の情報と、記憶手段に予め記憶されている電話番号の情報とを比較し、両者が一致した電話番号に対応して予め設定された振動態様で、バイブレータを動作させるような着信バイブレータ機能付き通信機器の構成が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、発信側からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報に応じて発信者の通話の緊急度を認識することによって、発信者との通話を開始すべきか否かを着信側で選択するための具体的な手法には言及していない。したがって、特許文献1および特許文献2のいずれにおいても、前述のような従来の通信端末装置と同様の問題が発生する。
【0007】
【特許文献1】特開2005−223889号公報
【特許文献2】特開平11−187087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、発信側から供給される特定の文字情報を利用して各種の着信動作パターンを適切に設定し、発信者からの電話を受ける前に発信者の通話の緊急度を認識することによって発信者との通話を開始すべきか否かを選択することが可能な通信端末装置、着信動作制御方法およびそのためのプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、本発明の一つの態様に係る通信端末装置は、任意の文字情報と、この文字情報に対応する着信動作パターンとを予め登録しておく文字情報/着信動作パターン登録部と、他の通信端末装置(例えば、発信側の通信端末装置)からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、上記文字情報/着信動作パターン登録部に登録されている上記任意の文字情報の中から、上記特定の文字情報に一致する文字情報を検出する文字情報検出手段と、上記特定の文字情報に一致する文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを上記文字情報/着信動作パターン登録部から選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にする着信動作パターン選択手段とを備える。
【0010】
好ましくは、本発明の通信端末装置において、上記任意の文字情報として、少なくとも一つのキーワードが選択され、当該キーワードと、当該キーワードに対応する着信動作パターンとが、上記着信動作パターン登録部に登録される。
【0011】
好ましくは、本発明の通信端末装置において、上記任意の文字情報に対応する着信動作パターンとして、上記通信端末装置の着信音の音量、着信画像表示、振動量およびイルミネーションの少なくとも一つが含まれる。
【0012】
また一方で、本発明の一つの態様に係る着信動作制御方法は、通信端末装置にて、任意の文字情報と、この文字情報に対応する着信動作パターンとを予め登録しておくステップと、他の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、予め登録されている上記任意の文字情報の中から、上記特定の文字情報に一致する文字情報を検出するステップと、上記特定の文字情報に一致する文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にするステップとを有する。
【0013】
また一方で、本発明は、通信端末装置にて、任意の文字情報と、この文字情報に対応する着信動作パターンとが予め登録される場合、コンピュータに、他の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、予め登録されている上記任意の文字情報の中から、上記特定の文字情報に一致する文字情報を検出し、上記特定の文字情報に一致する文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にすることを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0014】
要約すれば、本発明では、第1に、着信側の通信端末装置にて、任意の文字情報と当該文字情報に対応する着信動作パターンとを予め登録しておき、他の通信端末装置(例えば、発信側の通信端末装置)からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した時点で、予め登録されている文字情報の中から特定の文字情報に一致する文字情報を検出し、この特定の文字情報に対応する着信動作パターン(例えば、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータ等の振動量およびイルミネーション)を着信側で選択するようになっている。
【0015】
それゆえに、本発明の第1の手法によれば、他の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報に応じて着信側の着信動作パターンを適切に選択することにより、着信側で、発信者からの電話を受ける前に発信者の通話の緊急度を認識することができるようになり、発信者との通話を開始すべきか否かを選択することが可能になる。これによって、特に緊急の電話ではないにもかかわらず、着信者が発信者からの呼び出しに応答して発信者との通話を開始せざるを得なくなるといったような不都合な事態が回避され、着信者等のユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0016】
また一方で、本発明では、第2に、発信者と着信者とが事前に申し合わせて、文字情報である複数のキーワードと当該キーワードにそれぞれ対応する各種の着信動作パターンとの組み合わせを予め設定して登録しておくことにより、着信者が最優先で取ってほしい特定の発信元からの電話であることを示すキーワード等のように、通話の緊急度が非常に高いことを示す着信動作パターンに関連した特定のキーワードを発信者が選択して着信者に送信することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面(図1〜図10)を参照しながら、本発明の好ましい実施例の構成および動作等を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、本発明の一実施例に係る通信端末装置(ここでは、第1の通信端末装置4)の構成を簡略化して示す。
【0019】
さらに、図1においては、着信側の携帯電話機や携帯端末装置等の通信端末装置として機能する第1の通信端末装置(以後、着信側の通信端末装置と称する)4と、発信側の携帯電話機や携帯端末装置等の通信端末装置として機能する第2の通信端末装置(以後、発信側の通信端末装置と称する)6とが図示されている。図1の右側に示す通信端末装置4の各構成要素(例えば、後述の文字情報/着信動作パターン登録部1、文字情報検出手段2および着信動作パターン選択手段3)は、実際には着信側の通信端末装置4の内部に設けられているが、ここでは、説明の都合上、着信側の通信端末装置4の外部に示すこととする。
【0020】
図1に示すように、発信側の通信端末装置6においては、W−CDMA方式を使用して、着信側呼出用の発信信号Ssを含む高周波信号の送信処理を行う発信端末7が設けられている。この発信端末7は、上記のような高周波信号を電波として着信側の通信端末装置4に送信するための無線送受信部70を具備している。ここで、発信側の通信端末装置6(および着信側の通信端末装置4)は、前述のような「着信時の文字情報通知機能」を備えており、発信側の通信端末装置6の発信端末7から発信信号Ssが送信されると共に、この発信信号Ssに付与された状態で特定の文字情報(例えば、所定の文字数以内の文字列からなるメッセージまたはキーワード)Cisが送信される。
【0021】
さらに、発信側の通信端末装置6においては、発信者が特定のキーを操作したときに入力されるデータを表示したり着信側の通信端末装置4との間で発信信号Ssの送信および受信(着信)が行われている様子を表示したりするための表示部60が設けられている。ここでは、発信信号Ssに付与して送信される特定の文字情報Cisも、表示部60の発信画面(または着信画面)に表示されるようになっている。
【0022】
また一方で、着信側の通信端末装置4においては、発信側の通信端末装置6の発信端末7から送信された発信信号Ssを含む高周波信号の受信処理を行う着信端末5が設けられている。この着信端末5は、発信端末7から送信された高周波信号を受信(着信)するための無線送受信部50を具備している。ここでは、着信側の通信端末装置4の着信端末5において、発信端末7から送信された高周波信号に含まれる発信信号Ssが着信されると共に、この発信信号Ssに付与されている特定の文字情報Cisが着信される。
【0023】
さらに、着信側の通信端末装置4においては、着信者が特定のキーを操作したときに入力されるデータを表示したり発信側の通信端末装置6との間で発信信号Ssの送信および受信(着信)が行われている様子を表示したりするための表示部40が設けられている。より具体的にいえば、発信信号Ssに付与されている特定の文字情報Cisにより表されるメッセージやキーワードが、登録済みの発信者の電話番号および名前と共に表示部40の着信画面に表示されるようになっている。
【0024】
なお、実際には、発信側の通信端末装置6および着信側の通信端末装置4の各々にて、発信端末および着信端末が設けられているが、ここでは、説明を簡単にするために、発信側の通信端末装置6の発信端末、および着信側の通信端末装置6の着信端末のみを図示している。あるいは、発信側の通信端末装置6の発信端末が着信端末の機能を兼ね備えていることもあり、着信側の通信端末装置4の着信端末が発信端末の機能を兼ね備えていることもある。
【0025】
図1の実施例に係る通信端末装置(ここでは、着信側の通信端末装置4)は、ROM(Read-only Memory:リード・オンリ・メモリ)およびRAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ )等の記憶部(メモリ)からなる文字情報/着信動作パターン登録部1を備えている。この文字情報/着信動作パターン登録部1は、着信側の通信端末装置4の着信端末5に設けられており、メッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン(例えば、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータ等の振動量およびイルミネーション)との組み合わせを予め登録しておく機能を有する。
【0026】
さらに、図1の実施例に係る通信端末装置は、文字情報検出手段2と、着信動作パターン選択手段3とを備えている。ここで、文字情報検出手段2は、第2の通信端末装置4の着信端末5で、発信端末7からの発信信号Ssが着信されたときに(発信信号Ssが受信されて着信信号Srが出力されたときに)、特定の文字情報Cisが発信信号Ssに付与されているか否かを判定する機能を有する。さらに、文字情報検出手段2は、特定の文字情報Cisが発信信号Ssに付与されていると判定したときに、文字情報/着信動作パターン登録部1に予め登録されている複数種の文字情報の検索を行い、この複数種の文字情報の中から、特定の文字情報Cisに一致する文字情報を検出する機能を有する。また一方で、着信動作パターン選択手段3は、特定の文字情報Cisに一致する文字情報が文字情報検出手段2により検出されたときに、検出された文字情報に対応する着信動作パターンを文字情報/着信動作パターン登録部1から選択し、選択された着信動作パターンに応じて着信音の音量や着信画像表示等に関する着信動作を実行させる機能を有する。後述のように、上記の文字情報検出手段2および着信動作パターン選択手段3の機能は、コンピュータまたはコンピュータシステムのCPU(Central Processing Unit :中央演算処理装置)により実現される。
【0027】
ここで、図1の実施例に係る通信端末装置による一連の動作を簡単に説明する。
まず、発信側の発信者と着信側の着信者とが事前に申し合わせて、所定の文字数以内のメッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターンとの組み合わせを設定する。このようにして設定された複数種の文字情報と当該文字情報に対応する着信動作パターンとの組み合わせは、着信側の通信端末装置4の文字情報/着信動作パターン登録部1に予め登録される。
【0028】
つぎに、着信側の通信端末装置4の着信端末5で、発信端末7からの発信信号Ssが着信されたときに、文字情報検出手段2は、メッセージまたはキーワード等の特定の文字情報が着信信号Srに付与されているか否かを判定する。この文字情報検出手段2による判定結果として、特定の文字情報が着信信号Srに付与されていることが確認された場合、文字情報検出手段2は、文字情報/着信動作パターン登録部1に予め登録されている複数種の文字情報の検索を行い、この複数種の文字情報の中から、着信信号Srに付与されている特定の文字情報に一致する文字情報を検出する。
【0029】
この文字情報検出手段2による検出結果として、着信信号Srに付与されている特定の文字情報が検出された場合、文字情報着信動作パターン選択手段3は、検出された特定の文字情報に対応する着信動作パターンを文字情報/着信動作パターン登録部1から選択して読み出す。最終的に、上記実施例に係る通信端末装置は、このようにして読み出された各種の着信動作パターンに応じて、着信側の通信端末装置4の着信音の音量の調整、着信画像の表示モードの選択、バイブレータの振動量の調整、およびイルミネーションの選択といったような各種の着信動作の実行を制御する。
【0030】
図1の実施例によれば、発信側の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報に応じて、適切な着信動作パターンが着信側で選択されるので、着信者等のユーザは、発信者からの電話を受ける前に発信者の通話の緊急度(または重要度)を認識することができる。これによって、特に緊急の電話ではないにもかかわらず、着信者等のユーザが発信者からの呼び出しに応答して発信者との通話を開始せざるを得なくなるといったような不都合な事態が回避され、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0031】
さらに、図1の実施例によれば、発信者と着信者とが事前に申し合わせて、単一または複数のメッセージまたはキーワードからなる文字情報と当該文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターンとの組み合わせを予め登録しておくことにより、通話の緊急度が非常に高いことを示す着信動作パターンに関連した特定のメッセージまたはキーワードを発信者が選択して着信者に送信することが可能になる。
【0032】
さらに、図1の実施例によれば、着信者が携帯電話機等の通信端末装置をどこかに置き忘れた場合に、発信側から供給される特定の文字情報に応じて適切な着信動作パターンが着信側で選択され、当該着信動作パターンに応じて着信者が容易に認識可能な着信動作が実行されるので、このような着信動作に基づいて、着信者が置き忘れた携帯電話機等を容易に見つけることが可能になる。
【0033】
図2は、図1の通信端末装置を含むコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。ただし、ここでは、図1の実施例に係る通信端末装置を含むコンピュータシステム100を着信側の携帯電話機や携帯端末装置等の通信端末装置4に適用した場合のハードウェアの構成を簡略化して示す。このような着信側のコンピュータシステムの各々の構成要素は、実際には着信側の通信端末装置4の内部に設けられているが、ここでは、説明の都合上、着信側の着信端末5および発信端末55以外の構成要素を通信端末装置4の外部に示すこととする。 なお、これ以降、前述した構成要素と同様のものについては、同一の参照番号を付して表すこととする。
【0034】
図2の着信側のコンピュータシステム100は、W−CDMA方式を使用して高周波信号の送信処理および受信処理を行う発信端末55および受信端末5と、この発信端末55および受信端末5から送出される高周波信号に含まれるデータに対して各種の演算処理を行ったり使用者等がキー入力部9を操作して入力されるデータを処理したりするCPU20と、本発明の着信動作制御フローを実行するための各種のプログラム(ソフトウェア)を含む各種のデータを格納する記憶部(メモリ)8とを備えている。この記憶部8には、前述の図1の文字情報/着信動作パターン登録部1が含まれている。ここでは、記憶部8は、ROMおよびRAM等により構成されているが、記憶部8の代わりに、CPU20に内蔵のROMおよびRAMを使用することも可能である。
【0035】
さらに、図2のコンピュータシステム100は、着信側の通信端末装置4を振動させて着信があったことを使用者等に知らせるためのバイブレータ21と、着信音を鳴動させて着信があったことを使用者等に知らせるためのスピーカ22と、LED(light emitting diode: 発光ダイオード)を点滅させる等のイルミネーションを行って着信があったことを使用者等に知らせるための照明部23と、前述の図1の場合と同様の表示部40とを備えている。
【0036】
好ましくは、前述の図1の文字情報検出手段2および着信動作パターン選択手段3の機能は、図2のCPU20により実現される。より具体的にいえば、図2の記憶部8のROM等に格納されている着信動作制御用のプログラム、およびRAM等に格納されているプログラム実行に必要な各種のデータをCPU20により読み出して上記プログラムを実行させることによって、文字情報検出手段2および着信動作パターン選択手段3に相当する機能が実現される。
【0037】
このCPU20の動作によって、着信側の通信端末装置4の着信端末5にて、発信側の通信端末装置6からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報が着信されたときに、記憶部8に予め登録されている文字情報の中から特定の文字情報に一致する文字情報を検出し、この特定の文字情報に対応する各種の着信動作パターンが選択的に読み出される。さらに、CPU20の動作によって、上記のように読み出された各種の着信動作パターンに応じて、スピーカ22による着信側の通信端末装置4の着信音の音量の調整、表示部40に表示される着信画像の表示モードの選択、バイブレータ21の振動量の調整、および照明部23のイルミネーションの選択といったような各種の着信動作の実行が適切に制御される。
【0038】
図3は、文字情報/着信動作パターン登録テーブルの具体例を示すデータフォーマット図である。ここでは、図1の文字情報/着信動作パターン登録部1に含まれる文字情報/着信動作パターン登録テーブル11の代表的な一例を例示しているにすぎず、本発明に係る通信端末装置にて使用される文字情報/着信動作パターン登録テーブルはこれに限定されるものではない。
【0039】
前述のように、発信側の発信者と着信側の着信者とが事前に申し合わせて、所定の文字数(例えば、10文字)以内の文字列からなるメッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン(ここでは、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータの振動量およびイルミネーション)との組み合わせを設定する。このようにして設定された複数種の文字情報と当該文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターンとの組み合わせは、図3の文字情報/着信動作パターン登録テーブル11に予め登録される。
【0040】
図3の文字情報/着信動作パターン登録テーブル11の具体例では、複数種の文字情報として、「至急」および「予定変更」の2種類のキーワードが選択され、この2種類のキーワードにそれぞれ対応する各種の着信動作パターンが設定され予め登録される。例えば、「至急」のキーワードに対しては、発信者からの電話の緊急度が非常に高いことを着信者等のユーザに速やかに認識させるために、「着信音の音量」に関する着信動作パターンとして、呼出音の音量が比較的大きいレベルに設定され、かつ、「着信画像」に関する着信動作パターンとして、「至急」のキーワードに対応する「至急で〜す!!」の着信文字情報が、表示部の着信画面に表示されるように設定される。さらに、「至急」のキーワードに対しては、「バイブレータの振動量」に関する着信動作パターンとして、バイブレータの振動量が比較的大きいレベルに設定され、かつ、「イルミネーション」に関する着信動作パターンとして、ユーザの視覚に容易に訴えられるような赤色LEDが点滅するように設定される。
【0041】
また一方で、「予定変更」のキーワードに対しては、発信者の通話の緊急度がそれほど高くないことをユーザに速やかに認識させるために、「着信音の音量」に関する着信動作パターンとして、呼出音の音量が比較的小さいレベルに設定され、かつ、「着信画像」に関する着信動作パターンとして、「予定変更」のキーワードに対応する「予定変更!!」の着信文字情報が、表示部の着信画面に表示されるように設定される。さらに、「予定変更」のキーワードに対しては、「バイブレータの振動量」に関する着信動作パターンとして、バイブレータの振動量が比較的小さいレベルに設定され、かつ、「イルミネーション」に関する着信動作パターンとして、赤色LEDより目立たない緑色LEDが点滅するように設定される。
【0042】
図3の文字情報/着信動作パターン登録テーブル11によれば、「至急」または「予定変更」等のキーワードに対して、特定の着信音の音量、特定の着信画像、特定のバイブレータの音量、および特定のイルミネーション等を着信動作パターンとして割り当てておくことにより、ユーザが電話を取る前に着信中の電話の緊急度(または重要度)の度合いを速やかに認識することができるようになる。
【0043】
図4は、本発明に係る着信動作フローを説明するためのフローチャートである。ここでは、通信端末装置のCPU(図2参照)等を動作させることで、発信側の通信端末装置6からの発信信号Ssに付与して送信される特定の文字情報に対応する着信動作パターンを選択し、当該着信動作パターンに応じて各種の着信動作の実行を制御可能にするフローを説明する。この場合、所定の文字数以内のメッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン(ここでは、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータの振動量およびイルミネーション)との組み合わせが、通信端末装置の文字情報/着信動作パターン登録テーブル11(図3参照)に予め登録されているものとする。
【0044】
まず、ステップS10において、着信側の通信端末装置4の着信端末5で、発信側の通信端末装置6の発信端末7からの発信信号Ssが受信されたときに、着信端末5から着信信号が出力され、着信側での音声着信が完了する。この時点で、ステップS11に示すように、メッセージまたはキーワード等の特定の文字情報が着信信号に付与されているか否かが判定される。
【0045】
このステップS11における判定結果として、特定の文字情報が着信信号に付与されていることが確認された場合、ステップS12に進む。また一方で、特定の文字情報が着信信号に付与されていないことが確認された場合、後述のステップS18に進む。
【0046】
ステップS12では、文字情報/着信動作パターン登録テーブル11に予め登録されている複数種の文字情報の検索が行われ、ステップS13に進む。ステップS13では、文字情報/着信動作パターン登録テーブル内の複数種の文字情報の中に、当該着信信号に付与されている特定の文字情報に一致する文字情報が有るか否かが判定される。
【0047】
このステップS13における検出結果として、当該着信信号に付与されている特定の文字情報に一致する文字情報が検出された場合、ステップS14に進む。また一方で、上記特定の文字情報に一致する文字情報が検出されなかった場合、後述のステップS19に進む。
【0048】
ステップS14では、前述のステップS13にて検出された文字情報に対応する着信動作パターンが、文字情報/着信動作パターン登録テーブル11から選択されて読み出される。ここでは、当該文字情報に対応する着信動作パターンとして、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータの振動量およびイルミネーションが文字情報/着信動作パターン登録テーブル11から選択される。
【0049】
さらに、ステップS15において、前述のステップS14にて選択された着信動作パターンに従って、着信音の音源の音量が設定・調整される。そして、このようにして調整された着信音の音源が、着信側の通信端末装置内のスピーカ等から再生される。
【0050】
さらに、ステップS16において、前述のステップS14にて選択された着信動作パターンに従って、着信側の通信端末装置内のバイブレータの振動量が設定・調整される。そして、このようにして調整された振動量に応じてバイブレータが振動する。
【0051】
さらに、ステップS17において、前述のステップS14にて選択された着信動作パターンに従って、着信側の通信端末装置内の特定のLED(例えば、赤色LED)が選択され、この特定のLEDが点滅動作を開始するように制御される。そして、このようにして制御された特定のLED(例えば、赤色LED)が点滅するようになる。
【0052】
さらに、ステップS18において、前述のステップS14にて選択された着信動作パターンに従って、特定の文字情報(例えば、「至急」のキーワード)に対応する着信文字情報(例えば、「至急で〜す!!」)が、着信側の表示部40の着信画面に表示されるように制御される。そして、このようにして制御された着信文字情報(例えば、「至急で〜す!!」)が着信画面に表示されるようになる。
【0053】
前述のステップS15〜S18のように、各種の着信動作パターン(ここでは、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータの振動量およびイルミネーション)に応じて適切な着信動作(ここでは、着信音の音源の再生、バイブレータの振動、着信文字情報の表示、およびLEDの点滅動作)が実行された後は、ステップS19に進む。ステップS19では、ユーザが発信者からの電話の緊急度を認識した上で発信者との通話を開始するために、着信側のキー入力部(図2参照)の開始キーが押下される。
【0054】
ユーザにより開始キーが押下されたことが検出された場合、ステップS20において、通話動作モードに移行する。この通話動作モードにおいて、ユーザが発信者からの呼び出しに応答して発信者との通話を開始することができるようになる。
【0055】
図5は、文字情報通知機能とPIM(personal information manager)機能との連携登録フローを説明するためのフローチャートである。ここでは、前述のような「着信時の文字情報通知機能」(すなわち、発信側の発信者から送信される特定の文字情報を着信側の着信者に通知する機能)とPIM機能(すなわち、スケジュールや住所録やメモ等の個人情報を総合的に管理するアプリケーション・ソフトウェアの機能)とを連携させて、着信側の文字情報/着信動作パターン登録部内のPIM機能連携登録テーブル12に登録するための処理フローを説明する。
【0056】
ここでは、発信側の発信者と着信側の着信者とが事前に申し合わせて決定されるキーワード等の複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン(例えば、複数種の着信動作パターン♯1〜♯N(Nは2以上の任意の正の整数))が、PIM機能連携登録テーブル12に予め登録されている。
【0057】
まず、ステップS30において、特定の着信動作パターン(例えば、着信動作パターン♯1)に連動する機能(すなわち、連携機能)としてPIM機能が設定され、PIM機能連携登録テーブル12に登録される。
【0058】
つぎに、ステップS31において、選択されたPIM機能に連動する文字情報として、PIM機能にリンクした状態で、「鳴動」のキーワードが登録される。
【0059】
さらに、ステップS32において、選択されたPIM機能に連動する引数として、PIM機能および「鳴動」のキーワードにリンクした状態で、「月日時分」が登録される。
【0060】
全ての着信動作パターン♯1〜♯Nに関して、前述のステップS30〜S32の処理を繰り返し実行することによって、キーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン♯1〜♯Nと、PIM機能との連携による組み合わせが設定され、PIM機能連携登録テーブル12への登録が完了する。
【0061】
ここで、発信側からの特定の文字情報として、キーワードと引数を含む「鳴動01201210」が受信された場合、「鳴動」のキーワードに対応する着信動作パターン♯1がPIM機能連携登録テーブル12から選択されると共に、この着信動作パターン♯1に連動するPIM機能および引数「01201210」がPIM機能連携登録テーブル12から選択される。ここで、PIM機能によって指定された時刻にアラームが鳴るように予め設定しておくことにより、PIM機能および引数「01201210」が選択されたときに、1月20日の12時10分にアラームが鳴るようにすることが可能になる。
【0062】
図5のフローチャートによれば、発信側の発信者と着信側の着信者とが事前に申し合わせて、「着信時の文字情報通知機能」と特定のPIM機能とを連携させて着信側のPIM機能連携登録テーブルに登録しておくことにより、発信側の発信端末から送信される特定の文字情報を着信側の着信端末で受信したときに、着信側の着信端末で予め指定された時間に自動的にアラームが鳴るように設定することができるようになる。
【0063】
図6は、文字情報通知機能と専用メッセージ機能との連携登録フローを説明するためのフローチャートである。ここでは、前述のような「着信時の文字情報通知機能」と専用メッセージ機能(すなわち、定型文のメールの自動送信を行う機能)とを連携させて、着信側の文字情報/着信動作パターン登録部内の専用メッセージ機能連携登録テーブル13に登録するための処理フローを説明する。
【0064】
ここでは、発信側の発信者と着信側の着信者とが事前に申し合わせて決定されるキーワード等の複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン(例えば、複数種の着信動作パターン♯1〜♯N(Nは2以上の任意の正の整数))が、専用メッセージ機能連携登録テーブル13に予め登録されている。
【0065】
まず、ステップS40において、特定の着信動作パターン(例えば、着信動作パターン♯1)に連動する機能(すなわち、連携機能)として専用メッセージ機能が設定され、専用メッセージ機能連携登録テーブル13に登録される。
【0066】
つぎに、ステップS41において、選択された専用メッセージ機能に連動する文字情報として、専用メッセージ機能にリンクした状態で、「緊急メール」のキーワードが登録される。
【0067】
さらに、ステップS42において、選択された専用メッセージ機能に連動する追加情報として、専用メッセージ機能および「緊急メール」のキーワードにリンクした状態で、発信先メールアドレス(例えば、発信者のメールアドレス)が登録される。
【0068】
全ての着信動作パターン♯1〜♯Nに関して、前述のステップS40〜S42の処理を繰り返し実行することによって、キーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン♯1〜♯Nと、専用メッセージ機能との連携による組み合わせが設定され、専用メッセージ機能連携登録テーブル13への登録が完了する。
【0069】
ここで、発信側からの特定の文字情報として、「緊急メール」のキーワードが受信された場合、「緊急メール」のキーワードに対応する着信動作パターン♯1が専用メッセージ機能連携登録テーブル13から選択されると共に、この着信動作パターン♯1に連動する専用メッセージ機能が専用メッセージ機能連携登録テーブル13から選択される。さらに、専用メッセージ機能に連動する追加情報として登録されている発信先メールアドレス(例えば、発信者のメールアドレス)に対し、定型文の専用メッセージ(例えば、「ただいま電話に出ることができません。後でかけ直します。」)が自動的に発信されるようになっている。
【0070】
図6のフローチャートによれば、「着信時の文字情報通知機能」と特定の専用メッセージ機能とを連携させて着信側の専用メッセージ機能連携登録テーブルに登録しておくことにより、発信側の発信端末から送信される特定の文字情報を着信側の着信端末で受信した場合に、着信者が電話に出られないときでも、定型文の専用メッセージをメールで返信することで着信者が自分の意志を伝えることができるようになる。
【0071】
図7は、文字情報通知機能とマナーモード強制解除機能との連携登録フローを説明するためのフローチャートである。ここでは、前述のような「着信時の文字情報通知機能」とマナーモード強制解除機能(すなわち、指定された相手からのキーワード等の文字情報が受信された場合に、マナーモードを強制的に解除する機能)とを連携させて、着信側の文字情報/着信動作パターン登録部内のマナーモード強制解除機能連携登録テーブル14に登録するための処理フローを説明する。
【0072】
ここでは、発信側の発信者と着信側の着信者とが事前に申し合わせて決定されるキーワード等の複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン(例えば、複数種の着信動作パターン♯1〜♯N(Nは2以上の任意の正の整数))が、マナーモード強制解除機能連携登録テーブル14に予め登録されている。
【0073】
まず、ステップS50において、特定の着信動作パターン(例えば、着信動作パターン♯1)に連動する機能(すなわち、連携機能)としてマナーモード強制解除機能が設定され、マナーモード強制解除機能連携登録テーブル14に登録される。
【0074】
つぎに、ステップS51において、選択されたマナーモード強制解除機能に連動する文字情報として、マナーモード強制解除機能にリンクした状態で、「マナー解除」のキーワードが登録される。
【0075】
さらに、ステップS52において、選択されたマナーモード強制解除機能に連動する追加機能として、専用メッセージ機能および「緊急メール」のキーワードにリンクした状態で、特定の相手を指定する機能(マナーモード強制解除機能連携登録テーブル14の「追加機能:特定の相手を指定」)が登録される。
【0076】
全ての着信動作パターン♯1〜♯Nに関して、前述のステップS50〜S52の処理を繰り返し実行することによって、キーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターン♯1〜♯Nと、マナーモード強制解除機能との連携による組み合わせが設定され、マナーモード強制解除機能連携登録テーブル14への登録が完了する。
【0077】
ここで、発信側からの特定の文字情報として、「マナー解除」のキーワードが受信された場合、「マナー解除」のキーワードに対応する着信動作パターン♯1がマナーモード強制解除機能連携登録テーブル14から選択されると共に、この着信動作パターン♯1に連動するマナーモード強制解除機能がマナーモード強制解除機能連携登録テーブル14から選択される。さらに、マナーモード強制解除機能に連動する追加機能によって特定の相手からのキーワードが受信されたことが確認された場合に、マナーモードが強制的に解除され、呼出音が鳴動するようになっている。
【0078】
図7のフローチャートによれば、「着信時の文字情報通知機能」と特定のマナーモード強制解除機能とを連携させて着信側のマナーモード強制解除機能連携登録テーブルに登録しておくことにより、発信側の発信端末から送信される特定の文字情報を着信側の着信端末で受信した場合に、特定の相手からの電話がかかってきたときのみマナーモードが解除されるようになり、着信者が誤ってマナーモードを解除するおそれがなくなる。
【0079】
図8は、本発明に係る着信動作制御機能と他の機能との連携による着信時の制御フローを説明するためのフローチャートである。ここでは、前述のような「着信時の文字情報通知機能」を利用した着信動作制御機能と、PIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等の付加機能とを連携させている場合に、通信端末装置のCPU(図2参照)等を動作させることで、特定の文字情報に対応する着信動作パターンに応じて任意の着信動作の実行を制御可能にするフローを説明する。この場合、メッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターンと、この着信動作パターンに連動するPIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等の付加機能との組み合わせによるメニューが、通信端末装置の文字情報/着信動作パターン登録部(図1参照)に予め登録されているものとする。
【0080】
まず、ステップS60において、着信側の着信端末で、発信側の発信端末からの発信信号が受信されたときに、着信端末から着信信号が出力され、着信側での音声着信が完了する。この時点で、ステップS61に示すように、メッセージまたはキーワード等の特定の文字情報が着信信号に付与されているか否かが判定される。
【0081】
このステップS61における判定結果として、特定の文字情報が着信信号に付与されていることが確認された場合、ステップS62に進む。また一方で、特定の文字情報が着信信号に付与されていないことが確認された場合、ステップS69において「特定の文字情報が付与されていない」旨を表示部の着信画面に表示し、後述のステップS67に進む。
【0082】
ステップS62では、文字情報/着信動作パターン登録部に予め登録されている複数種の文字情報に関する設定項目の検索が行われ、ステップS63に進む。この設定項目として、前述のように、メッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報と、この複数種の文字情報にそれぞれ対応する着信動作パターンと、この着信動作パターンに連動するPIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等の付加機能との組み合わせによるメニューが挙げられる。ここでは、ブロックR1に示すように、着信者等のユーザが、上記メニュー内にて、任意の着信動作パターンと、この着信動作パターンに連動するPIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等の付加機能とを選択することが可能である。
【0083】
ステップS63では、文字情報/着信動作パターン登録部内のメニューの中に、当該着信信号に付与されている特定の文字情報に一致する文字情報に関する設定項目が有るか否かが判定される。
【0084】
このステップS63における検出結果として、当該着信信号に付与されている特定の文字情報に一致する文字情報に関する設定項目が検出された場合、ステップS64に進む。また一方で、上記特定の文字情報に一致する文字情報に関する設定項目が検出されなかった場合、後述のステップS66に進む。
【0085】
ステップS64では、着信側の通信端末装置が使用可能であって着信動作が許可されている状態になっているか否かが判定される。ステップS64における判定結果として、着信側の着信動作が許可されている状態になっていることが確認された場合、ステップS65に進む。また一方で、着信側の着信動作が許可されている状態になっていないことが確認された場合、後述のステップS66に進む。
【0086】
ステップS65では、前述のステップS63にて検出された設定項目に該当する着信動作パターンと当該着信動作パターンに連動する連携機能との組み合わせが、文字情報/着信動作パターン登録部から選択されて動作可能になる。ここでは、ブロックR2に示すように、当該設定項目次第で、任意の着信動作パターン(例えば、着信音の音量、着信画像表示、バイブレータの振動量およびイルミネーション)に応じて実行される着信動作と、PIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等との連携動作が可能になる。
【0087】
前述のステップS65にて選択された着信動作パターンに応じて着信動作が実行されると共に、この着信動作パターンに連動するPIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等と組み合わされた連携動作が実行された後は、ステップS66に進む。ステップS66では、前述のステップS60にて受信された特定の文字情報に対応する着信文字情報が、表示部の着信画面に表示されるように制御され、ステップS67に進む。
【0088】
ステップS67では、ユーザが発信者との通話を開始するために、着信側のキー入力部(図2参照)の開始キーが押下される。
【0089】
ユーザにより開始キーが押下されたことが検出された場合、ステップS68において、着信画面に表示されていた着信文字情報が消去され、通話動作モードに移行する。この通話動作モードにおいて、ユーザが発信者からの呼び出しに応答して発信者との通話を開始することができるようになる。
【0090】
図9および図10は、本発明に係る着信動作制御機能と他の機能との連携による項目設定時の制御フローを説明するためのフローチャートのその1およびその2である。ここでは、発信側の発信端末からの発信信号を受信する前に着信側の着信端末を待ち受け状態にして、前述のような「着信時の文字情報通知機能」を利用した着信動作制御機能と、PIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等の付加機能との連携による着信動作パターンの詳細設定項目を登録するための処理フローを説明する。
【0091】
まず、図9のステップS70において、特定のキーワードが入力され、着信者等のユーザがキー入力部(図2参照)を操作することにより、特定のメニューキーが入力される。つぎに、ステップS71において、入力されたメニューキーに応じて、着信側の着信端末で最初に設定されるべき基本的なメニューが選択され、ステップS72に進む。
【0092】
ステップS72では、メッセージまたはキーワード等の複数種の文字情報が入力されると共に、この複数種の文字情報に関連して、上記の基本的なメニュー以外の各種のメニュー(その他メニュー)が選択され、ステップS73に進む。
【0093】
ステップS73では、複数種の文字情報にそれぞれ対応する各種の着信動作パターンの設定項目に関するメニューが選択され、ステップS74に進む。
【0094】
ステップS74では、PIM機能、専用メッセージ機能またはマナーモード強制解除機能等の付加機能との連携を含む各種の着信動作パターンの設定項目に関するメニューが、着信側の表示部に表示される。例えば、表示部の画面P1に示すように、着信動作パターン♯1〜♯9のような複数種の着信動作パターンが表示されると共に、この複数種の着信動作パターンにそれぞれ対応する「着信時の文字情報通知機能」を有するキーワード(例えば、「至急」)が表示される。なお、上記の着信動作パターンとキーワードとの対応関係は、編集キーおよび設定キーを操作することによって、適宜変更することが可能である。
【0095】
さらに、ステップS75において、表示部の画面P1に表示されている複数種の着信動作パターンの中から、設定の対象とする特定の着信動作パターンの設定項目が選択され、ステップS76に進む。
【0096】
ステップS76では、前述のステップS75にて選択された特定の着信動作パターンの詳細設定項目が、着信側の表示部に表示される。例えば、表示部の画面P2に示すように、着信動作パターン♯1に対応する「至急」のキーワードが表示されると共に、着信動作パターン♯1に対応する着信音のメロディーや、着信音の音量(例えば、着信音1)や、選択されるべき着信画像の種類(例えば、標準画像)や、イメージ表示およびイメージ一覧等に関連した画像表示モードや、バイブレータの振動量等の着信動作パターンの詳細設定項目が表示される。
【0097】
さらに、ステップS77において、ユーザがキー入力部(図2参照)を操作することにより、特定のキーワードが入力され、ステップS78に進む。
【0098】
例えば、ステップS78では、前述のステップS77にて入力されたキーワードに応じて、着信動作パターンの詳細設定項目の中から、着信音の音量に関する着信動作パターンが選択され、着信音の音量が適切なレベルに設定される。さらに、ステップS79において、イルミネーションに関する着信動作パターンが選択され、LEDの種類や点滅動作等が適切に設定される。
【0099】
さらに、図10のステップS80において、ユーザがキー入力部(図2参照)を操作することにより、登録キーが入力され、ステップS81に進む。このようにして入力された登録キーに従って、前述のステップS78およびS79にて設定された着信動作パターンの詳細設定項目の設定結果が記憶部等に登録され、ステップS81に進む。
【0100】
ステップS81では、前述のステップS78およびS79にて設定された着信動作パターンの詳細設定項目の設定結果の登録が完了した旨が、表示部に表示される。
【0101】
さらに、ステップS82では、既に登録されているキーワード等の文字情報に対応する着信動作パターンの詳細設定項目がまだ存在するか否かが判定される。ステップS82における判定結果として、着信動作パターンの詳細設定項目がまだ存在することが確認された場合、ステップS83に進む。ステップS83では、文字情報着信設定モードをオン状態にして、存在する着信動作パターンの詳細設定項目を適切に設定して登録する。このような着信動作パターンの詳細設定項目を登録する動作は、文字情報着信設定モードがオフ状態になるまで続行される。
【0102】
また一方で、ステップS82における判定結果として、着信動作パターンの詳細設定項目がもはや存在しないことが確認された場合、ステップS84に進む。ステップS84では、文字情報着信設定モードをオフ状態にして、着信側の着信端末を待ち受け状態にしておく。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、発信側から供給される特定の文字情報を利用して各種の着信動作パターンを適切に設定し、当該文字情報を着信した場合に、発信側の発信者からの電話を受ける前に発信者の通話の緊急度を容易に認識することができるような、W−CDMA形式で使用される携帯電話機や携帯端末装置等の通信端末装置に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の一実施例に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の通信端末装置を含むコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】文字情報/着信動作パターン登録テーブルの具体例を示すデータフォーマット図である。
【図4】本発明に係る着信動作フローを説明するためのフローチャートである。
【図5】文字情報通知機能とPIM機能との連携登録フローを説明するためのフローチャートである。
【図6】文字情報通知機能と専用メッセージ機能との連携登録フローを説明するためのフローチャートである。
【図7】文字情報通知機能とマナーモード強制解除機能との連携登録フローを説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明に係る着信動作制御機能と他の機能との連携による着信時の制御フローを説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明に係る着信動作制御機能と他の機能との連携による項目設定時の制御フローを説明するためのフローチャート(その1)である。
【図10】本発明に係る着信動作制御機能と他の機能との連携による項目設定時の制御フローを説明するためのフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
【0105】
1 文字情報/着信動作パターン登録部
2 文字情報検出手段
3 着信動作パターン選択手段
4 第1の通信端末装置
5 着信端末
6 第2の通信端末装置
7 発信端末
8 記憶部
9 キー入力部
11 文字情報/着信動作パターン登録テーブル
12 PIM機能連携登録テーブル
13 専用メッセージ機能連携登録テーブル
14 マナーモード強制解除機能連携登録テーブル
20 CPU(中央演算処理装置)
21 バイブレータ
22 スピーカ
23 照明部
40 表示部
55 発信端末
100 コンピュータシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の文字情報と、該文字情報に対応する着信動作パターンとを予め登録しておく文字情報/着信動作パターン登録部と、
他の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、前記文字情報/着信動作パターン登録部に登録されている前記任意の文字情報の中から、前記特定の文字情報に一致する文字情報を検出する文字情報検出手段と、
前記特定の文字情報に一致する文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを前記文字情報/着信動作パターン登録部から選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にする着信動作パターン選択手段とを備えることを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
前記任意の文字情報として、少なくとも一つのキーワードが選択され、該キーワードと、該キーワードに対応する着信動作パターンとが、前記文字情報/着信動作パターン登録部に登録されることを特徴とする通信端末装置。
【請求項3】
前記任意の文字情報に対応する着信動作パターンとして、前記通信端末装置の着信音の音量、着信画像表示、振動量およびイルミネーションの少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1または2記載の通信端末装置。
【請求項4】
通信端末装置にて、任意の文字情報と、該文字情報に対応する着信動作パターンとを予め登録しておくステップと、
他の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、予め登録されている前記任意の文字情報の中から、前記特定の文字情報に一致する文字情報を検出するステップと、
前記特定の文字情報に一致する文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にするステップとを有することを特徴とする着信動作制御方法。
【請求項5】
通信端末装置にて、任意の文字情報と、該文字情報に対応する着信動作パターンとが予め登録される場合、コンピュータに、
他の通信端末装置からの発信信号に付与して送信される特定の文字情報を着信した場合、予め登録されている前記任意の文字情報の中から、前記特定の文字情報に一致する文字情報を検出し、
前記特定の文字情報に一致する文字情報を検出した場合、当該文字情報に対応する着信動作パターンを選択し、当該着信動作パターンに応じた着信動作を制御可能にすることを実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−35386(P2008−35386A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−208611(P2006−208611)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】