説明

通信装置、増幅器及び増幅方法

【課題】増幅器の歪補償を増幅器の起動時から行う。
【解決手段】送信データに対応する通信信号S11を増幅する増幅回路20と、増幅回路20の出力する送信信号S20を外部に出力する終端部30と、送信信号S20の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を送信データに対応する通信信号S11に付加する前置歪補償手段と、増幅回路20の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を送信データに対応する通信信号S11に付加する起動処理手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、増幅器及び増幅方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置に搭載される増幅器は、通信品質を確保するために歪補償を行っている。歪補償を行う構成の前置歪補償型の増幅器が例えば下記特許文献1に記載されている。
【0003】
図5は、従来の増幅器を示す構成図であり、特許文献1に記載された増幅器の概要を示している。
この増幅器は、波形処理部1と、増幅回路2と、復調部3と、メモリ4とを備えている。メモリ4には、歪成分を補償するためのデータテーブルとしてルックアップテーブルが記憶されている。
【0004】
波形処理部1には、通信データを直交座標で示すI信号及びQ信号が高速にサンプリングされてデジタル化されて入力信号Siとして入力される。波形処理部1は、入力信号から、I信号及びQ信号を無線周波数帯域に周波数変換して合成した通信信号S1を生成し、増幅回路2に与える。ここで、波形処理部1は、通信信号S1の振幅レベルに対応する歪補償値をメモリ4から読出して通信信号S1に付加して、増幅回路2に与える。増幅回路2は、波形処理部1から与えられた通信信号S1の増幅を行い、送信信号S2として図示しないアンテナ等の終端機器に出力する。
【0005】
しかしながら、このような歪補償を行う場合、あらかじめ設定された歪補償値は現実の増幅回路2の特性に最適化されているとは限らないため、最終的な歪補償の最適化は、増幅回路2の出力する送信信号S2を復調部3でデジタルデータ化し、波形処理部1にフィードバックし、歪成分を最小化する摂動動作を行う。このため最適化時間がフィードバックの時定数、及びフィードバック回数に依存することになるため、特に起動時等では歪成分の収束に時間がかかるという問題点がある。また特許文献1に記載のように、メモリ4のデータテーブルが膨大となり反応時間に遅れが発生する問題点がある。
【0006】
一方、フィードフォワード歪補償型の増幅器については、例えば下記特許文献2〜4に記載されている。
フィードフォワード歪補償型の増幅器は、主増幅回路で発生する歪を歪検出ループで検出し、歪検出ループの後段の歪補償ループに備えた補助増幅回路で歪成分を除去する。
【0007】
特許文献2,3では、入力レベルが変化したときに、主増幅回路に入力する入力信号と補助増幅回路に入力する信号の両方のレベルを調整し、起動時の不安定な期間に歪成分が出力されないようにしている。
【0008】
特許文献4では、起動後の歪補償の制御が安定するまでの期間、主増幅回路に入力する入力信号をスプリアス放射が発生しないレベルに減衰させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−214947号公報
【特許文献2】特開平09−238038号公報
【特許文献3】特開平08−307161号公報
【特許文献4】特開2001−077638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前置歪補償型の増幅器は、起動時に適正な歪補償が行えないという問題があった。また、最適化時間がフィードバックの時定数、及びフィードバック回数に依存することになるため、起動時等では歪補償の収束に時間がかかるという問題点がある。
【0011】
これに対し、特許文献2〜4のフィードフォワード歪補償型の増幅器では、歪検出ループと歪補償ループとを持つと共に、歪補償の最適化のためにフィードバック回路が必要となり、装置が複雑になるという問題がある。又、定常状態であっても主増幅回路及び補助増幅回路にそれぞれ入力される信号のレベルを調整する必要があるので、最適な制御が困難であった。
【0012】
又、特許文献4のフィードフォワード歪補償型の増幅器では、制御が安定したときに、主増幅回路に入力する入力信号をスプリアス放射が発生しないレベルに減衰させる処理を停止するので、その直後には、スプリアス放射が発生する危険性があった。
【0013】
本発明は、構成及び歪補償の制御が簡単であると共に、起動直後から最適化された歪補償が可能な通信装置、増幅器、及び増幅方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る通信装置は、
送信データに対応する信号を増幅する増幅回路と、増幅回路の出力する送信信号を外部に出力する出力部と、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償手段とを備える通信装置であって、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理手段を備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に増幅器は、
送信データに対応する信号を増幅して送信信号を出力する増幅回路と、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償手段とを備える増幅器であって、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理手段を備えることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る増幅方法は、
送信データに対応する信号を増幅して送信信号を出力する増幅回路を備える増幅器に対し、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償処理を行う増幅方法において、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、構成及び歪補償の制御が簡単であると共に、起動直後から最適化された歪補償が可能となり、歪補償の収束も速くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る通信装置の要部を示す構成図である。
【図2】図1の通信装置の増幅処理を示すフローチャートである。
【図3】起動時の歪補償を行わない場合の送信信号のベクトル概念図を示している。
【図4】歪補償時における送信信号のベクトル概念図を示している。
【図5】従来の増幅器を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る通信装置の要部を示す構成図である。
この通信装置には、波形生成部10及び波形生成部10に接続された増幅回路20からなる前置歪補償型増幅器と、増幅回路20に接続された終端部30とを備えている。
【0020】
波形生成部10は、波形処理部11と、起動処理部12と、波形処理部11に接続されたメモリ13と、起動処理部12に接続されたメモリ14と、復調部15とを、備えている。
【0021】
波形処理部11及び起動処理部12は、プログラム制御が可能なCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等で構成することが可能であるが、個別回路で構成してもよい。
【0022】
メモリ13には、増幅回路20の歪補償に必要な歪補償値や増幅回路20のバイアスの設定値等が記憶されている。
メモリ14には、起動制御に必要な歪補償値の初期値の情報や増幅回路20の起動時のバイアス設定値が記憶される。
【0023】
波形処理部11は、増幅回路20に出力する歪補償した通信信号S11を生成する。
【0024】
起動処理部12は、あらかじめ情報として入手されたキャリア設定信号の情報を元に、起動時に最適な歪補償値をメモリ14から読出し、波形処理部11に送出する。
【0025】
波形処理部11及び起動処理部12は、メモリ13,14から読み出した増幅回路20のバイアス設定値により、増幅回路20のバイアスを設定する機能を有する。バイアスの設定により、増幅回路20の飽和出力もしくはリニアリティを適正に変化させることができる。
【0026】
前述のキャリア設定信号の情報には、試験的に発射されるテストモデル信号の情報、運用が想定されるキャリアの周波数情報、キャリア数情報、電力設定情報等が含まれ、起動処理部12は、これらからの情報から、起動時に求められる最適値の歪補償値及びバイアス設定値をメモリ14から読み出す。
【0027】
復調部15は、増幅回路20の出力する歪成分を含んだ送信信号S20を周波数変換すると共にデジタル化し、波形処理部11にフィードバックする。
【0028】
終端部30は、アンテナ等で構成され、送信信号S20を外部に放射する。
【0029】
次に、図1の通信装置の動作を図2を参照しつつ説明する。
図2は、図1の通信装置の増幅処理の概要を示すフローチャートである。
電源がオンになると(ステップST1:YES)、起動処理部12がメモリ14に記憶されている歪補償値と、増幅回路20のバイアス設定値(バイアス値)を読み出す(ステップST2)。起動処理部12は、メモリ14から取得した歪補償値を波形処理部11に与えると共に、増幅回路20のバイアスをメモリ14から取得したバイアス設定値に基づいて設定する(ステップST3)。
【0030】
波形処理部11には、上位装置からデータを直交座標で示すI信号及びQ信号が高速にサンプリングされてデジタル化されて入力される(Si)。波形処理部11は、入力信号Siから、I信号及びQ信号を無線周波数帯域に周波数変換して合成した通信信号S11を生成する。波形処理部11は、起動処理部12から与えられた歪補償値を通信信号S11に付加して増幅回路20に与える(ステップST4)。
【0031】
増幅回路20は、波形処理部11から与えられる通信信号S11を増幅し、増幅された送信信号S20を終端部30を介して外部に放射する。以上の動作により、増幅器の増幅処理が開始される。
【0032】
増幅処理が開始された後、波形処理部11は、継続してI信号及びQ信号を無線周波数帯域に周波数変換して合成した通信信号S11を生成する。
【0033】
一方、復調部15からは増幅回路20が出力する送信信号S20に対応したデジタル信号が波形処理部11にフィードバックされる。
波形処理部11は、メモリ13から通信信号S11の振幅レベルに対応する歪補償値と増幅回路20のバイアス設定値を読み出す(ステップST5)とともに、復調部15から与えられるデジタル信号に基づいて、送信信号S20に含まれる歪成分を検出する(ステップST6)。波形処理部11は、メモリ13から読み出したバイアス設定値に対して、検出した歪成分が減少するように調整し、調整したバイアス設定値に基づいて、増幅回路20のバイアス値を設定する(ステップST7)。
【0034】
又、波形処理部11は、メモリ13から読み出した歪補償値に対して、ステップST6で検出した歪成分が減少するように調整し、調整した歪補償値を通信信号S11に付加して増幅回路20に与える(ステップST8)。
【0035】
ステップST5〜ステップST8の処理が電源がオフされるまで(ステップST9::YES)繰り返され、歪補償が最適化される。
【0036】
以上のように、本実施形態では、起動時にメモリ14から読み出された歪補償値が波形処理部11の出力する通信信号S11に付加される。これが増幅回路20の出力する送信信号S20の歪成分を低減する前置歪成分となる。
【0037】
図3は、起動時の歪補償を行わない場合の送信信号S20のベクトル概念図を示している。
この図3では、上位装置から波形処理部11に与えられる入力信号Siの主ベクトル31と、歪補償無しで主ベクトル31を増幅器20で増幅した際に生成される歪成分の歪信号ベクトル32とが示されている。
起動時に歪補償をしない場合、或は、特許文献1のように図5のメモリ4から読み出した適切ではない歪補償値で補償を行った場合、歪信号ベクトル32の成分がほぼそのまま、増幅回路20から出力されることになる。
【0038】
図4は、歪補償時における送信信号のベクトル概念図を示している。
この図4には、主ベクトル31と、歪信号ベクトル32と、歪補償信号ベクトル33が示されている。
本実施形態のように適切な前置歪補償をすることにより、増幅回路20の出力する送信信号S20に、前置歪成分の歪補償信号ベクトル33が加わる。歪補償信号ベクトル33は歪信号ベクトル32をキャンセルする方向に作用する。
【0039】
歪信号ベクトル32と歪補償信号ベクトル33の合成ベクトルが歪補償後の歪信号ベクトル34となる。理想的にはこの歪補償後の歪信号ベクトル34は限りなく小さいほうが好ましい。一般的に歪補償後の歪信号ベクトル34は、法規制的に考慮して、主信号ベクトル31の電力換算値で50dB以下に調整することが好ましい。
【0040】
以上のように、本実施形態の通信装置は、前置歪補償型増幅器に起動処理部12とメモリ14を設け、起動時に想定される歪補償値をあらかじめメモリ14に記憶させている。これにより、起動時に適正な歪補償が可能となり、増幅回路20の出力する送信信号S20における歪信号ベクトル34を例えば主ベクトル31の電力換算値で50dB以下に調整することが可能となる。よって、通信装置から放射する信号の品質を高めることができる。
【0041】
また、起動時に適正な歪補償ができるので、起動後の補償の歪信号ベクトル34の最適化時間を短縮することができる。
【0042】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、メモリ13及びメモリ14を1つのメモリで構成し、その1つのメモリの記憶領域を分けて使用してもよい。
また、メモリ14に記憶するデータは、実際の運用に際して得られる最適化された設定値を波形処理部11から起動処理部12にフィードバックし、メモリ14に記憶させ、次回の起動時にその設定値が用いられるようにしてもよい。この場合、実運用に適した設定値が蓄積されるため、より良い低歪の運用が可能になる。
本実施形態では、入力信号Siは、通信データを直交振幅変調した信号に想定しているが、他の変調方式で変調した信号を入力信号Siとしてもよい。
【0043】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0044】
(付記1)送信データに対応する信号を増幅する増幅回路と、増幅回路の出力する送信信号を外部に出力する出力部と、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償手段とを備える通信装置であって、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理手段を備えることを特徴とする通信装置。
【0045】
(付記2)前記起動時に想定される歪補償値を記憶するメモリを備え、前記起動処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記メモリから前記歪補償値を読み出して前記送信データに対応する信号に付加することを特徴とする付記1に記載の通信装置。
【0046】
(付記3)前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように前記増幅回路のバイアスを設定するバイアス設定手段と、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される増幅回路の初期バイアスを設定する起動バイアス処理手段を備えることを特徴とする付記1又は2に記載の通信装置。
【0047】
(付記4)前記起動時に想定される前記増幅回路の初期バイアスを記憶するバイアスメモリを備え、前記起動バイアス処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記バイアスメモリから前記初期バイアスを読み出して前記増幅回路の初期バイアスを設定することを特徴とする付記3に記載の通信装置。
【0048】
(付記5)送信データに対応する信号を増幅して送信信号を出力する増幅回路と、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償手段とを備える増幅器であって、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理手段を備えることを特徴とする増幅器。
【0049】
(付記6)前記起動時に想定される歪補償値を記憶するメモリを備え、前記起動処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記メモリから前記歪補償値を読み出して前記送信データに対応する信号に付加することを特徴とする付記5に記載の増幅器。
【0050】
(付記7)前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように前記増幅回路のバイアスを設定するバイアス設定手段と、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される増幅回路の初期バイアスを設定する起動バイアス処理手段を備えることを特徴とする付記5又は6に記載の増幅器。
【0051】
(付記8)前記起動時に想定される前記増幅回路の初期バイアスを記憶するバイアスメモリを備え、前記起動バイアス処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記バイアスメモリから前記初期バイアスを読み出して前記増幅回路の初期バイアスを設定することを特徴とする付記7に記載の増幅器。
【0052】
(付記9)送信データに対応する信号を増幅して送信信号を出力する増幅回路を備える増幅器に対し、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償処理を行う増幅方法において、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理を行うことを特徴とする増幅方法。
【0053】
(付記10)前記増幅器は、前記起動時に想定される歪補償値を記憶するメモリを備え、前記起動処理は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記メモリから前記歪補償値を読み出して前記送信データに対応する信号に付加することを特徴とする付記9に記載の増幅方法。
【符号の説明】
【0054】
10 波形生成部
11 波形処理部
12 起動処理部
13,14 メモリ
15 復調部
20 増幅回路
30 終端部
31 主ベクトル
32 歪信号ベクトル
33 歪補償信号ベクトル
34 歪信号ベクトル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信データに対応する信号を増幅する増幅回路と、増幅回路の出力する送信信号を外部に出力する出力部と、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償手段とを備える通信装置であって、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理手段を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記起動時に想定される歪補償値を記憶するメモリを備え、前記起動処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記メモリから前記歪補償値を読み出して前記送信データに対応する信号に付加することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように前記増幅回路のバイアスを設定するバイアス設定手段と、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される増幅回路の初期バイアスを設定する起動バイアス処理手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記起動時に想定される前記増幅回路の初期バイアスを記憶するバイアスメモリを備え、前記起動バイアス処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記バイアスメモリから前記初期バイアスを読み出して前記増幅回路の初期バイアスを設定することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
送信データに対応する信号を増幅して送信信号を出力する増幅回路と、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償手段とを備える増幅器であって、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理手段を備えることを特徴とする増幅器。
【請求項6】
前記起動時に想定される歪補償値を記憶するメモリを備え、前記起動処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記メモリから前記歪補償値を読み出して前記送信データに対応する信号に付加することを特徴とする請求項5に記載の増幅器。
【請求項7】
前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように前記増幅回路のバイアスを設定するバイアス設定手段と、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される増幅回路の初期バイアスを設定する起動バイアス処理手段を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の増幅器。
【請求項8】
前記起動時に想定される前記増幅回路の初期バイアスを記憶するバイアスメモリを備え、前記起動バイアス処理手段は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記バイアスメモリから前記初期バイアスを読み出して前記増幅回路の初期バイアスを設定することを特徴とする請求項7に記載の増幅器。
【請求項9】
送信データに対応する信号を増幅して送信信号を出力する増幅回路を備える増幅器に対し、前記送信信号の歪成分を検出して該歪成分が減少するように歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する前置歪補償処理を行う増幅方法において、
前記増幅回路の起動時に、該起動時に想定される歪補償値を前記送信データに対応する信号に付加する起動処理を行うことを特徴とする増幅方法。
【請求項10】
前記増幅器は、前記起動時に想定される歪補償値を記憶するメモリを備え、前記起動処理は、前記起動時に予め想定される情報に基づいて前記メモリから前記歪補償値を読み出して前記送信データに対応する信号に付加することを特徴とする請求項9に記載の増幅方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−176519(P2011−176519A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38151(P2010−38151)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】