説明

通信装置、通信方法及び通信プログラム

【課題】 災害時における通信の安定性をより向上させる。
【解決手段】 WANインタフェース部101を介して受信した緊急地震速報用のパケットにもとづき災害情報を生成する情報生成手段108と、WLANインタフェース部106を介して受信した災害情報又は前記生成した災害情報を災害情報テーブル111に登録する情報登録手段11と、災害情報テーブル111に登録された災害情報を、通信可能な他のホームゲートウェイ装置に配信する情報配信手段12とを備え、情報登録手段12は、新たに受信した災害情報又は新たに受信した緊急地震速報用のパケットにもとづき生成した災害情報が、災害情報テーブル111に登録されていない場合に、前記災害情報を災害情報テーブル111に登録するようにしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害情報等の報知情報を配信する通信装置、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震や洪水などの災害が発生した場合、被災地での救助活動や避難活動を実施する上で、正確で新しい災害情報の入手が不可欠である。
例えば、地震発生時には、気象庁から緊急地震速報が配信されるようになっており、被災地の住民は、テレビ、ラジオ、防災行政無線、携帯電話等を介して地震の発生日時や発生場所等を知ることができる。
しかしながら、被災地においては、被災の規模や範囲等により防災無線や携帯電話の使用可能エリアが制限され、また、テレビ・ラジオの視聴頻度は人それぞれ異なるため、住民が認識する災害情報にバラツキが生ずることがある。
このため、被災地では、災害情報が錯綜して住民が混乱し、安全な救助活動や避難活動に支障を来すことがある。
【0003】
このような問題に対し、無線LANのアドホック機能にもとづくマルチホップ通信を利用した防災システム等が提案されている(例えば、特許文献1、2及び3参照)。
マルチホップ通信によれば、所定の端末から必要な情報(災害情報や安否情報など)を無線によりブロードキャスト配信し、この配信された情報を同一無線ゾーンに存在する他の端末が受信する。この受信端末もまた当該受信端末の無線ゾーンに存在する他の端末にブロードキャスト配信する。
そして、この配信→受信→配信→受信・・・の処理を繰り返すことによって、必要な情報をすべての対象端末に配信することができる。
したがって、このような端末を各住宅に配備することにより、最新の災害情報を多くの住民が共有でき、上述した問題を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−299597号公報
【特許文献2】特開2006−319555号公報
【特許文献3】特開2007−243502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示されているいずれの技術によっても、複数の情報ソースを用いるものではなく、また、これらの情報の内容に応じた制御を行うものではない。
このため、例えば、これらの文献に開示されているアドホック機能を用いて災害情報を配信する場合、同一の情報が繰り返し配信されることによる伝送効率の悪化や伝送速度の低下を招くことになる。
また、災害情報が無秩序に配信されるため、ユーザによって認識する情報が偏り、やはり情報が錯綜して混乱が生ずる可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題、すなわち、災害時等における情報のバラツキを回避しつつ、統一された最新の情報を広く、確実に報知するための通信装置、通信方法及び通信プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の通信装置は、所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の報知情報を生成する情報生成手段と、前記インタフェースとは異なるインタフェースを介して受信した報知情報又は前記生成した報知情報を所定の情報テーブルに登録する情報登録手段と、前記情報テーブルに登録された報知情報を、通信可能な他の通信装置に配信する情報配信手段とを備え、前記情報登録手段は、新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成した報知情報が、前記情報テーブルに登録されていない場合に、前記報知情報を前記情報テーブルに登録するようにしてある。
【0008】
また、本発明の通信方法は、所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の報知情報を生成する第一のステップと、前記インタフェースとは異なるインタフェースを介して受信した報知情報又は前記生成した報知情報を所定の情報テーブルに登録する第二のステップと、前記情報テーブルに登録された報知情報を、通信可能な他の通信装置に配信する第三のステップとを有し、前記第二のステップは、新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成した報知情報が、前記情報テーブルに登録されていない場合に、前記報知情報を前記情報テーブルに登録する方法としてある。
【0009】
また、本発明の通信プログラムは、所定の通信装置を、所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の報知情報を生成する情報生成手段、前記インタフェースとは異なるインタフェースを介して受信した報知情報又は前記生成した報知情報を所定の情報テーブルに登録する情報登録手段、及び、前記情報テーブルに登録された報知情報を、通信可能な他の通信装置に配信する情報配信手段として機能させ、前記情報登録手段を、新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成した報知情報が、前記情報テーブルに登録されていない場合に、前記報知情報を前記情報テーブルに登録する手段として機能させるためのプログラムとしてある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の通信装置、通信方法及び通信プログラムによれば、必要な情報を広く、確実に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本実施形態のホームゲートウェイ装置によるアドホック通信による災害情報の配信方法を模式的に示した説明図である。
【図3】本実施形態に係る災害情報のフレーム構成図である。
【図4】災害情報テーブルに登録される災害情報の構成例を示したテーブル図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係るホームゲートウェイ装置の機能的特徴を示す機能ブロック図である。
【図6】本実施形態に係る通信方法を示した第一のフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る通信方法を示した第二のフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る通信方法を示した第三のフローチャートである。
【図9】本発明の第二実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
【図10】本発明の第三実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
【図11】本発明の第四実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の通信装置の好ましい実施形態として、災害情報を円滑に配信するためのホームゲートウェイ装置を例に挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。
ホームゲートウェイ装置は、一般に、広域網と狭域網とを通信可能に接続することができ、このため、プロトコル変換機能や回線終端機能を備える。
また、インタフェースとしては、光ファイバー、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)、CATV(Community Antenna Television)などに接続するための広域インタフェースと、LAN(Local Area Network)やパーソナルコンピュータ等の情報処理端末を接続するための狭域インタフェースを備える。
すなわち、ホームゲートウェイ装置によれば、ユーザは、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末から広域網を介してインターネットにアクセスし、様々な情報を閲覧し又はダウンロードすることができる。
また、ホームゲートウェイ装置は、このような基本機能に加え、電話機、デジタルTV、録画装置、CCTVとの接続を行うホームネットワーク機能等を備える。
【0013】
なお、後述する本実施形態のホームゲートウェイ装置及びその通信方法は、通信プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本実施形態のホームゲートウェイ装置又は通信方法における各処理・手段は、通信プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0014】
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態のホームゲートウェイ装置について、図1〜図8を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
WANインタフェース部(本発明の第一のインタフェース)101は、公衆網などの広域網と接続するためのインタフェースであり、例えば、ADSL、光ファイバー、CATV等を介してインターネットに接続可能となっている。
すなわち、WANインタフェース部101は、これらの広域網を介してインターネット上の外部装置(例えば、Webサーバやデータベース装置)との接続を可能とするものである。
特に、本実施形態では、地震発生時に気象庁管轄の情報配信サーバから配信される緊急地震速報用のパケット(本発明の配信情報)を、WANインタフェース部101を介して受信するようにしている。
【0016】
ルーティング制御部102は、IPルーティング処理と各種プロトコルの終端を行うプロトコルスタックを備えており、前述したWANインタフェース部101、後述するLANインタフェース部103及びWLANインタフェース部106から受信したIPパケットの宛先IPアドレスをもとにルーティング処理を行うとともに、受信したIPパケットが自装置宛の場合は、プロトコルスタックにおいてそのパケットが使用しているプロトコルの終端処理を行う。
【0017】
具体的には、ルーティング制御部102は、受信したIPパケットが、自装置宛であり、かつ、事前に決められた災害情報(本発明の報知情報)を通知するためのパケットであると判断した場合、その受信パケットを災害情報送受信部105に転送する処理を行う。
また、ルーティング制御部102は、受信したIPパケットが、自装置宛であり、かつ、気象庁から配信された緊急地震速報用のパケットであると判断した場合、その受信パケットを気象庁配信データ受信部104に転送する処理を行う。
さらに、ルーティング制御部102は、災害情報送受信部105からカプセル化された災害情報を受け取ると、WLANインタフェース部106に転送する処理を行う。
【0018】
LANインタフェース部103は、LANを接続するためのインタフェースである。
具体的には、LANを介してパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を接続するためのインタフェースである。
【0019】
気象庁配信データ受信部104は、ルーティング制御部102より、気象庁から配信された緊急地震速報用のパケットを受け取ると、パケットのヘッダ情報等を取り除き、地震検知時刻等の地震情報のみを抽出して、災害情報生成部108に転送する処理を行う。
【0020】
災害情報送受信部105は、ルーティング制御部102から災害情報を通知するためのパケットを受け取ると、パケットのヘッダ情報等を取り除き、必要な災害情報のみを抽出して災害情報比較部110に転送する処理を行う。
また、災害情報送受信部105は、災害情報テーブル登録部109から受け取った災害情報を、一定の無線ゾーン内に存在する他のホームゲートウェイ装置に対して送受信するため、予め取り決められたパケットにカプセル化して、ルーティング制御部102に転送する処理を行う。
例えば、UDPプロトコルによりブロードキャスト配信するため、予めポート番号やブロードキャストアドレスを指定して災害情報をカプセル化しルーティング制御部102に転送する。
【0021】
WLANインタフェース部(本発明の第二のインタフェース)106は、アドホックモードのWLAN通信(以下、アドホック通信と称する)を実現し、ルーティング制御部102から受けたパケットをアドホック通信によって送信するとともに、アドホック通信によって受信したパケットをルーティング制御部102に送る処理を行う。なお、アドホック通信とは、無線LANの通信方式の一つであり、アクセスポイントを介さずに機器同士が直接通信を行なう方式のことをいう。
【0022】
ここで、本実施形態の特徴であるアドホック通信を利用した災害情報の配信方法について図2を参照しながら説明する。
図2において、白丸部分(黒丸含む)は、それぞれがホームゲートウェイ装置1a〜1uを表し、破線は、無線LANを行うアンテナ107の通信可能範囲を示す無線ゾーン2a〜2pを表したものとする。
【0023】
同図に示すように、ホームゲートウェイ装置1aの無線ゾーン2aの範囲内には他のホームゲートウェイ装置1b〜1hが配置され、ホームゲートウェイ装置1aは、他のホームゲートウェイ装置1b〜1hと直接通信(アドホック通信)することができる構成としてある(同図、1aを起点とした矢印参照)。
また、ホームゲートウェイ装置1hの無線ゾーン2hの範囲内に配置するホームゲートウェイ装置1a、1b、1g、1i〜1l、ホームゲートウェイ装置1lの無線ゾーン2lの範囲内に配置するホームゲートウェイ装置1h、1j、1k、1m〜1p及びホームゲートウェイ装置1pの無線ゾーン2pの範囲内に配置するホームゲートウェイ装置1l、1n、1o、1q〜1uについても上述と同様の構成としてある(同図、1h、1l及び1pを起点とした矢印参照)。
【0024】
次に、ホームゲートウェイ装置1aを起点として他のすべてのホームゲートウェイ装置に災害情報を配信するための方法について説明する。
まず、ホームゲートウェイ装置1aから災害情報のブロードキャスト配信を行う。
これにより、無線ゾーン2a内に存在するホームゲートウェイ装置1b〜1hがそれぞれ災害情報を受信する。
【0025】
ホームゲートウェイ装置1hは、受信した災害情報を、ホームゲートウェイ装置1hの無線ゾーン2hに存在するホームゲートウェイ装置1i〜1lに配信する。より詳細には、ホームゲートウェイ装置1hは、受信した災害情報が災害情報テーブル111に登録されていなければこの災害情報を登録し、この登録をトリガーとして災害情報を他のホームゲートウェイ装置1i〜1lに配信する。
【0026】
続いて、ホームゲートウェイ装置1lについて同様に処理を行うことによって、無線ゾーン2lに存在するホームゲートウェイ装置1m〜1pに災害情報が配信され、次いで、ホームゲートウェイ装置1pについて同様に処理を行うことによって、無線ゾーン2pに存在するホームゲートウェイ装置1q〜1uに災害情報が配信される。
【0027】
このように、各ホームゲートウェイ装置が通信相手から受け取った災害情報を自装置に登録するとともに、他装置に対するブロードキャスト配信を繰り返すことにより、各ホームゲートウェイ装置は、他のすべてのホームゲートウェイ装置から配信された災害情報を一元管理するサーバ等がなくても同様に確認できるようになる。
【0028】
災害情報生成部(情報生成手段)108は、受け取ったデータにもとづき、所定の災害情報を生成する処理を行う。
具体的には、気象庁配信データ受信部104から地震検知時刻等の地震情報を受け取った場合、又は、後述するセンサ種別識別部114からセンサの種別に応じたコードを受け取った場合に、MACアドレス記憶部112から自装置のMACアドレスを読み出すとともに、時刻制御部113から現在時刻を読み出す処理を行う。
そして、読み出したこれらのデータを構成要素とする、規定フォーマットの災害情報を生成する。
【0029】
例えば、図3は、災害情報生成部108によって生成される災害情報の例を示したフレーム図である。
図3(a)は、災害情報フレームの典型例を示したものであり、「MACアドレス301」、「発生時刻302」、「災害種別303」、「付加情報長304」及び「付加情報305」の各フィールドによって構成される。
「MACアドレス301」は、地震や火災の情報を最初に受け取ったホームゲートウェイ装置を識別するためのフィールドである。
「発生時刻302」は、地震や火災の発生時刻を示すフィールドである。
「災害種別303」は、災害情報の種別を示すフィールドであり、例えば、地震速報、地震センサ、火災センサの別を示すことができる。
【0030】
「付加情報305」は、災害に関する付加的な情報を示し、「付加情報長304」は、この付加情報の長さを示すフィールドである。
付加情報としては、例えば、最大予測震度、震度(1〜7)、強弱指定、主要動到達予測時刻等のいずれか一以上をフレームに連結して付加することができる。
例えば、図3(b)は、付加情報が無い場合、図3(c)は、付加情報が1つの場合、図3(d)は、付加情報が2つの場合を示している。
これらの図に示すように、付加情報を付する場合には、付加情報長と付加情報を対にして付加してフレームを形成する。また、付加情報が無い場合、又は、付加情報の連結を終端する場合には、付加情報長を「0」とする。
なお、生成された災害情報は、後述する災害情報テーブル登録部109に転送される。
【0031】
災害情報テーブル登録部109は、災害情報生成部108や災害情報比較部110から受け取った災害情報を、災害情報テーブル111(本発明の情報テーブル)に登録し、災害情報を後述する音声制御部116及び液晶表示制御部118(本発明の告知手段)並びに災害情報送受信部105に転送する処理を行う。
【0032】
災害情報比較部110は、災害情報送受信部105から受信した災害情報の災害発生元や災害種別の情報が、自装置の災害情報テーブル111に登録された各災害情報に存在しない場合、又は、受信した災害情報と同じ災害発生元と災害種別の情報を持つ災害情報が、自装置の災害情報テーブル111に既に登録されており、さらに、受信した災害情報の発生時刻が登録災害情報としての発生時刻よりも新しい場合に、受信した災害情報を災害情報テーブル登録部109に転送する処理を行う。
【0033】
災害情報テーブル111は、災害情報を所定のテーブル形式で複数登録可能なメモリである。
災害情報テーブル111は、上述したように、災害情報テーブル登録部109によって登録又は更新され、例えば、図4に示すように、テーブル形式の災害情報を登録する。
具体的には、同図に示すように、「災害発生端末MACアドレス」、「発生時刻」、「災害種別」、「付加情報長」、「付加情報」等を登録することができる。
【0034】
MACアドレス記憶部112は、自装置のMACアドレスを記憶するためのメモリである。
【0035】
時刻制御部113は、災害情報生成部108からの要求により現在時刻を受け渡す処理を行う。
【0036】
センサ種別識別部114は、予めセンサ端子115の端子ごとにセンサの種別を設定することができ、これにより、センサ端子115が警報を検出した場合、その警報に応じたコードを災害情報生成部108に送る処理を行う。
【0037】
センサ端子(本発明の第三のインタフェース)115は、火災センサや地震センサが備える移報接点等の外部制御用出力端子と接続するための端子であり、火災センサや地震センサの警報を検出することができる。
【0038】
音声制御部116は、災害情報を受け取ると、ビープ音等を生成し、スピーカ117を介してユーザに告知するものであり、本発明の告知手段を構成する。
【0039】
液晶表示制御部118は、災害情報を受け取ると、数値で表された災害情報を文字列に変換した上で、液晶画面119を介してユーザに告知するものであり、本発明の告知手段を構成する。
【0040】
ここで、本発明の第一実施形態に係るホームゲートウェイ装置の機能的特徴について図5を参照しながら説明する。
同図に示すように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、情報生成手段108と、情報登録手段11と、情報配信手段12とを備える。
なお、同図に示すインタフェースは、WANインタフェース部101、WLANインタフェース部106及びセンサ端子115が該当する。
【0041】
情報生成手段(災害情報生成部)108は、所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の災害情報を生成する。
すなわち、WANインタフェース101が受信した気象庁からの緊急地震速報のパケット(配信情報)にもとづき、図3に示す災害情報を生成する。
また、情報生成手段108は、センサ端子115が検出した警報にもとづき、同様に災害情報を生成する。
【0042】
情報登録手段11は、受信した災害情報及び生成した災害情報を災害情報テーブル111に登録する。
具体的には、WLANインタフェース106を介して受信した災害情報を災害情報テーブル111に登録するほか、WANインタフェース101やセンサ端子115を介して入力した緊急地震速報や警報にもとづき生成された災害情報を災害情報テーブル111に登録する。
特に、本実施形態では、新たに受信した災害情報や生成された災害情報が災害情報テーブル111に登録されていない場合に限り、当該災害情報を災害情報テーブル111に登録するようにしている。
また、情報登録手段11は、新たに受信し又は生成した災害情報が災害情報テーブル111に登録され、かつ、新たに受信し又は生成した災害情報に含まれる災害発生時刻が登録されている時刻よりも新しい場合に限り、当該受信し又は生成した災害情報を災害情報テーブル111に登録するようにしている。
なお、情報登録手段11は、図1に示すように、災害情報テーブル登録部109、災害情報比較部110及び災害情報テーブル111によって実現することができる。
【0043】
情報配信手段12は、災害情報テーブル111に登録された災害情報を他のホームゲートウェイ装置に配信する。
具体的には、災害情報送受信部105が、災害情報テーブル111から災害情報を取り出してルーティング制御部102に転送し、ルーティング制御部102が所定の配信処理を実行することによってWLANインタフェース部106及びアンテナ107を介して災害情報が近隣のホームゲートウェイ装置に対しブロードキャスト配信される。
このため、情報配信手段12は、図1に示すように、ルーティング制御部102、災害情報送受信部105、WLANインタフェース部106及びアンテナ107によって実現することができる。
【0044】
すなわち、図5に示すように、インタフェース(WANインタフェース101,WLANインタフェース106,センサ端子115)、情報生成手段108、情報登録手段11及び情報配信手段12によれば、本実施形態のホームゲートウェイ装置1を実現することができる。
【0045】
次に、本実施形態のホームゲートウェイ装置における通信方法について図6〜8を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態の通信方法のうち、緊急地震速報又はセンサ端子からの警報を受け取った場合の処理手順を示すフローチャートであり、図7は、他のホームゲートウェイ装置から災害情報を受け取った場合の処理手順を示すフローチャートであり、図8は、図6又は図7に示す処理に応じて行われる災害情報の配信手順を示すフローチャートである。
【0046】
最初に、ホームゲートウェイ装置1が、気象庁から配信された緊急地震速報を受信してから、災害情報を生成してアドホックネットワーク内(すなわち、所定の無線ゾーン内)の他のホームゲートウェイ装置に配信するまでの処理について、図6及び図8を参照して説明する。
【0047】
図6に示すように、まず、ルーティング制御部102が、WANインタフェース101を介して受信したデータが、気象庁から配信された緊急地震速報用のパケット(本発明の配信情報)か否かを判断する(S1)。
この結果、受信したデータが、緊急地震速報用のパケットであると判断された場合(S1:YES)、災害情報生成部108が、災害情報を生成する(S3)。
具体的には、ルーティング制御部102が受信したパケットを気象庁データ受信部104に転送し、気象庁データ受信部104は、このパケットからヘッダ情報等を取り除いた地震情報を抽出し災害情報生成部108に転送する。
災害情報生成部108では、受け取った地震情報にもとづき、図3に示す災害情報のフレームを生成する。
【0048】
すなわち、配信された緊急地震速報用のパケットを最初に受け取ったホームゲートウェイ装置1のMACアドレス(「災害発生端末MACアドレス」)、災害の発生時刻(「発生時刻」)、災害情報の種別(「災害種別」)、最大予測震度、震度、強弱指定、主要動到達予測時刻等(「付加情報等」)を抽出し、これらを連結して図3に示す災害情報のフレームを生成する。
なお、災害情報生成部108は、生成した災害情報を、新規の災害情報として(ここでは、初めて緊急地震速報を受信したことを想定している)、災害情報テーブル登録部109に転送する。
【0049】
次に、図8に示すように、災害情報テーブル登録部109は、災害情報生成部108から受け取った災害情報を災害情報テーブル111に登録する(S21)。
続いて、災害情報テーブル登録部109は、登録した災害情報を音声制御部116及び液晶表示制御部118に転送する。
音声制御部116は、災害情報を受け取ると、ビープ音を生成してスピーカ117から出力を行う。また、災害情報を読み込み、その内容を自動音声によってスピーカ117から出力する。
また、液晶表示制御部118は、災害情報を受け取ると、受け取った災害情報を文字列に変換して液晶画面に表示する。
すなわち、これらの処理によって、ユーザに災害情報を告知する(S22)。
【0050】
さらに、災害情報テーブル登録部109は、登録した災害情報を災害情報送受信部105に転送する。
災害情報送受信部105は、受け取った災害情報を、ブロードキャスト配信するため、予め災害情報用に取り決めたパケットにカプセル化しルーティング制御部102に転送する。
ルーティング制御部102は、カプセル化された災害情報をWLANインタフェース部106に転送し、WLANインタフェース部106は、アドホックモードのもと、アンテナ107を介しカプセル化された災害情報を無線通信可能範囲内の他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信を行う(S23)。
【0051】
ステップS1において、受信したデータが緊急地震速報用のパケットでない場合(S1:NO)、次に、センサ端子115を介して警報を検出したか否かを判断する(S2)。
例えば、センサ端子115が、火災センサや地震センサの警報を検出するか否かをセンサ種別識別部114が判断する。
【0052】
この結果、センサ端子115が警報を検出した場合(S2:YES)、災害情報生成部108は災害情報を生成する(S3)。
具体的には、センサ種別識別部114が、検出した警報の種別に応じたコードを災害情報生成部108に送信し、災害情報生成部108がこのコード、時刻制御部113からの現時刻情報及びMACアドレス記憶部112からの自装置MACアドレス情報にもとづいて災害情報を生成する(図3参照)。
【0053】
図8に示すように、生成された災害情報は、災害情報テーブル111に登録され(S21)、災害情報がユーザに告知され(S22)、そして、他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信される(S23)。
【0054】
なお、図6のステップS2において、センサ端子115が警報を検出しなかった場合(S2:NO)、処理を終了する。
【0055】
次に、ホームゲートウェイ装置1が、他のホームゲートウェイ装置からアドホック通信によって配信された災害情報を受信してから、自装置のアドホックネットワーク内の他のホームゲートウェイ装置に災害情報を配信するまでの処理について、図7及び図8を参照して説明する。
【0056】
まず、ルーティング制御部102が、アンテナ107及びWLANインタフェース部106を介して受信したデータが、他のホームゲートウェイ装置からの災害情報か否かを判断する。
例えば、プロトコルスタックにおいて、UDPヘッダ内の宛先ポート番号によりそのパケットが災害情報か否かを判断することができる。
【0057】
この結果、受信したデータが、他のホームゲートウェイ装置からの災害情報であると判断された場合、ルーティング制御部102はそのデータを災害情報送受信部105に転送する。
災害情報送受信部105は、災害情報のパケットからヘッダ情報等を取り除き、その災害情報を災害情報比較部110に転送する。
【0058】
ここで、災害情報比較部110は、受け取った災害情報に含まれる災害発生端末MACアドレス及び災害種別が災害情報テーブル111に登録されているか否かにより、受信した災害情報が新規なものか否かを判断する(S11)。
この結果、受信した災害情報が新規であると判断された場合(S11:YES)、すなわち、災害情報に含まれる災害発生端末MACアドレス及び災害種別と同一のデータが災害情報テーブル111に登録されていない場合、その災害情報を新規情報として災害情報テーブル登録部111に転送し登録する(図8のS21)。
そして、その災害情報にもとづきユーザに告知を行い(図8のS22)、アドホックモードのもと、災害情報を無線通信可能範囲内の他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信する(図8のS23)。
【0059】
一方、ステップS11において、受信した災害情報が新規でないと判断された場合(S11:NO)、すなわち、災害情報に含まれる災害発生端末MACアドレス及び災害種別と同一のデータが災害情報テーブル111に登録されていた場合、次に、受信した災害情報に含まれる災害の発生時刻が、災害情報テーブル111に登録されている災害の発生時刻よりも新しいか否かを判断する(S12)。
この結果、受信した災害情報に含まれる災害の発生時刻が新しいと判断された場合(S12:YES)、その災害情報を更新情報として災害情報テーブル登録部111に転送し更新登録する(図8のS21)。
そして、その災害情報にもとづきユーザに告知を行い(図8のS22)、アドホックモードのもと、災害情報を無線通信可能範囲内の他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信する(図8のS23)。
【0060】
そして、図7のステップS12において、受信した災害情報に含まれる発生時刻が新しくなかった場合(S12:NO)、処理を終了する。
【0061】
なお、ステップS11において、受信した災害情報に含まれる「災害種別」が地震速報を示すものである場合、この災害情報は気象庁から配信された緊急地震速報にもとづいて生成されたものであるため、災害発生端末MACアドレスのみが異なっていても、発生時刻に違いがなければ同一の災害情報とみなすような手順とすることもできる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、アドホック通信が可能な無線LAN機能を備え、他のホームゲートウェイ装置とともにアドホックネットワークを形成することができる。
具体的には、本実施形態のホームゲートウェイ装置1によれば、気象庁から配信される緊急地震速報や警報装置からの警報を所定のインタフェースを介して受信できるとともに、係る受信情報にもとづいて生成した災害情報をアドホック通信によって近隣のホームゲートウェイ装置に配信できるようにしている。
【0063】
また、いわゆるマルチホップ通信によって、対象となるすべてのホームゲートウェイ装置に対し、同一の災害情報を配信できるようにしている。
そして、ホームゲートウェイ装置1は、受信した災害情報を視覚や聴覚を通じてユーザに告知するようにしている。
【0064】
このため、緊急地震速報の配信サービスを受けることができないアドホックネットワーク内のホームゲートウェイ装置に対しても緊急地震速報を伝達することができる。
しかも、災害時の通信インフラの障害による影響を最小限に抑えることができるため、災害情報を確実に入手し、各ユーザはこれを円滑に認識できるようになる。
【0065】
また、本実施形態のホームゲートウェイ装置1によれば、既に受信した古い災害情報については配信しないように制御するため、円滑なデータ配信を可能とするだけでなく、統一化された情報を各ユーザが入手することができる。
すなわち、情報を一元管理するためのサーバ等の装置を特に必要とせず、各ユーザは、最新の災害情報を共有化することが可能となる。
このため、常に信頼性の高い情報を入手できるだけでなく、災害時に問題とされてきた、災害情報の偏りによるユーザの混乱を未然に、かつ、効果的に防ぐことができる。
【0066】
さらに、火災センサ等、現地での警報にもとづき生成された災害情報をアドホックネットワーク内のホームゲートウェイ装置が共有化できるため、係るセンサを有しないユーザもこのような生の災害情報を共有でき、二次的な災害の備えや迅速な救助に貢献することができる。
【0067】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係るホームゲートウェイ装置について図9を参照しながら説明する。
図9は、本発明の第二実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、情報生成手段108、情報登録手段11、情報配信手段12等を備える点で第一実施形態と同様である。
しかしながら、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、全災害情報送信制御部120及びタイマ121を備える点で第一実施形態とは異なる。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図9において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0068】
タイマ121は、周期動作する時間を設定することができ、設定した周期ごとに全災害情報送信制御部120に設定時間が経過したことを通知する。
全災害情報送信制御部120は、タイマ121からの通知を受け取ると、災害情報テーブル111に登録されているすべての災害情報を読み出し、これを災害情報送受信部105に転送する。
【0069】
災害情報送受信部105は、受け取った災害情報を、ブロードキャスト配信するため、予め災害情報用に取り決めたパケットにカプセル化しルーティング制御部102に転送する。
そして、ルーティング制御部102は、カプセル化された災害情報をWLANインタフェース部106に転送し、WLANインタフェース部106は、アドホックモードのもと、アンテナ107を介しカプセル化された災害情報を無線通信可能範囲内の他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信を行う。
【0070】
以上説明したように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、災害時に起こりうる以下の不具合を回避することができる。
例えば、災害時の電源断や電波障害等により一時的に通信ができなくなると、ホームゲートウェイ装置1は、その間に配信された災害情報を受信することができない。
つまり、このような障害が復旧したとしても、ユーザは、その間に配信された災害情報を知る手段がなく、復旧後の時点における災害の状況を知り得ないことによる不便や不安があった。
【0071】
しかしながら、本実施形態のホームゲートウェイ装置1によれば、定期的に災害情報を配信するように制御を行うため、障害等により災害情報を受信できない時間帯があった装置が復旧した後であっても、所定のタイミングで災害情報を配信され、また、これを受信することができる。
したがって、本実施形態のホームゲートウェイ装置1によれば、第一実施形態と同様の効果を奏するのは勿論のこと、前述の有用な効果を奏することができる。
【0072】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係るホームゲートウェイ装置について図10を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第三実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、情報生成手段108、情報登録手段11及び情報配信手段12を備える点で第一実施形態と同様である。
しかしながら、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、全災害情報送信制御部120及び充電池残容量検出部122を備える点で第一実施形態とは異なる。他の構成要素は第一実施形態及と同様である。
したがって、図10において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0073】
充電池残容量検出部122は、充電池の残容量の閾値を設定することができる。
すなわち、充電池残容量検出部122は、ホームゲートウェイ装置1が商用電源で駆動しているか、充電池で駆動しているかを判別し、装置が充電池で駆動している場合に、充電池の残容量が予め設定した閾値を下回ったことを検出すると、全災害情報送信制御部120その旨を通知する。
【0074】
全災害情報送信制御部120は、充電池残容量検出部122からの通知を受け取ると、災害情報テーブル111に登録されているすべての災害情報を読み出し、これを災害情報送受信部105に転送する。
災害情報送受信部105は、受け取った災害情報を、ブロードキャスト配信するため、予め災害情報用に取り決めたパケットにカプセル化しルーティング制御部102に転送する。
【0075】
そして、ルーティング制御部102は、カプセル化された災害情報をWLANインタフェース部106に転送し、WLANインタフェース部106は、アドホックモードのもと、アンテナ107を介しカプセル化された災害情報を無線通信可能範囲内の他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信を行う。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、前述の実施形態とは異なるタイミングで災害情報を配信するようにしている。
すなわち、ホームゲートウェイ装置の起動電源である充電池の残容量が少なくなった場合に、災害情報テーブルに格納するすべての災害情報を近隣の他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信するようにしている。
このため、例えば、災害時に商用電源が使えず、充電池の容量が減り、結果、充電池の容量がなくなって通信不能となるなど、それまで蓄積してきた情報を配信できなくなるといった不具合を回避することができるようになる。
【0077】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態に係るホームゲートウェイ装置について図11を参照しながら説明する。
図11は、本発明の第四実施形態に係るホームゲートウェイ装置の構成を示したブロック図である。
同図に示すように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、情報生成手段108、情報登録手段11及び情報配信手段12を備える点で第一実施形態と同様である。
しかしながら、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、救援要請制御部123及びボタン124を備える点で第一実施形態とは異なる。他の構成要素は第一実施形態及と同様である。
したがって、図11において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0078】
ボタン124は、ユーザが救援要請を必要とする場合に押下するボタンである。
救援要請制御部123は、ボタン124が押下されたことを検出すると、災害情報生成部108に救援要請に対応したコード(本発明の報知信号)を送信する。
災害情報生成部108は、救援要請のコードを受け取ると、そのコードに基づいて救援要請情報を生成する。
具体的には、災害情報フレームを生成する際の各フィールドを利用して生成する。
例えば、災害種別のフィールドに救援要請を示すコードを指定することで、救援要請情報を生成することができる。
【0079】
災害情報生成部108は、生成した救援要請情報を、災害情報テーブル登録部109に転送し、災害情報テーブル登録部109はこの救援要請情報を災害情報テーブル111に登録する。
この登録をトリガーとして救援要請情報が、他のホームゲートウェイ装置にブロードキャスト配信される。
【0080】
なお、救援要請情報を受信した近隣のホームゲートウェイ装置では、スピーカ117及び液晶画面119を介して救援要請を知ることができる。
この場合、音声制御部116は、災害情報とは異なる種別、音量等のビープ音を出力するように制御することができる。
また、液晶表示制御部118は、災害情報とは異なる色や大きさの文字列を出力するように制御することができる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態のホームゲートウェイ装置1は、災害情報を受信し又は配信するだけでなく、災害時の救援を効果的に要請することが可能となる。
例えば、地震による家屋崩壊によって家から出られない場合や、火災が発生している場合における救援要請を、アドホックネットワークを利用して近隣のユーザに行うことができ、迅速な救援活動に貢献することができるようになる。
【0082】
以上、本発明のホームゲートウェイ装置1について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかるホームゲートウェイ装置1は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の通信装置は、ホームゲートウェイ装置ではなく、アドホックモードの無線LAN機能を備えた他の情報処理端末であってもよい。
また、図6〜8に示すフローチャートにおいて、終了処理を行わず、ステップS1又はステップS11にリターンさせることにより、常に最新の災害情報を継続的に入手し、ユーザに告知することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、インターネットにアクセスでき、アドホックモードの無線LAN機能を備えた通信装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 ホームゲートウェイ装置(通信装置)
11 情報登録手段
12 情報配信手段
101 WANインタフェース(第一のインタフェース)
102 ルーティング制御部
103 LANインタフェース部
105 災害情報送受信部
106 WLANインタフェース(第二のインタフェース)
108 災害情報生成部(情報生成手段)
109 災害情報テーブル登録部(情報登録手段)
111 災害情報テーブル(情報テーブル)
115 センサ端子(第三のインタフェース)
116 音声制御部
117 スピーカ
118 液晶表示制御部
119 液晶画面
121 タイマ
122 充電池残容量検出部(充電池残容量検出手段)
13 告知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の報知情報を生成する情報生成手段と、
前記インタフェースとは異なるインタフェースを介して受信した報知情報又は前記生成した報知情報を所定の情報テーブルに登録する情報登録手段と、
前記情報テーブルに登録された報知情報を、通信可能な他の通信装置に配信する情報配信手段とを備え、
前記情報登録手段は、
新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成した報知情報が、前記情報テーブルに登録されていない場合に、前記報知情報を前記情報テーブルに登録する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記配信情報及び前記報知情報は、対応する所定の時刻情報を有し、
前記情報登録手段は、
新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成された報知情報が前記情報テーブルに登録され、前記報知情報に含まれる時刻が前記情報テーブルに登録されている報知情報に含まれる時刻より新しい場合に、前記新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成された報知情報を前記情報テーブルに更新登録する請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
所定の通信網を介して配信された前記配信情報を受信するための第一のインタフェースと、他の通信装置から配信された前記報知情報を受信するための第二のインタフェースとを備える請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】
当該通信装置に接続された外部の装置から発せられた信号を検出するための第三のインタフェースを備え、
前記情報生成手段は、
前記第三のインタフェースを介して検出した信号にもとづき所定の報知情報を生成する請求項1〜3のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項5】
前記第二のインタフェースは、無線LAN対応のインタフェースであり、
前記情報配信手段は、
前記情報テーブルに登録された報知情報を、無線通信が可能な範囲に存在する前記他の通信装置に配信する請求項3又は4記載の通信装置。
【請求項6】
所定の周期を設定するタイマを有し、
前記情報配信手段は、
前記タイマに設定された周期にしたがって前記情報テーブルに登録されている報知情報を前記他の通信装置に配信する請求項1〜5のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項7】
当該通信装置の駆動電源である充電池の残容量を検出する充電池残容量検出手段を備え、
前記情報配信手段は、
前記充電池の残容量が一定量以下になった場合に、前記情報テーブルに登録されている報知情報を前記他の通信装置に配信する請求項1〜6のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項8】
前記情報生成手段は、
所定操作に応じて所定の報知情報を生成し、
前記情報登録手段は、
生成された前記報知情報を前記情報テーブルに登録する請求項1〜7のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項9】
前記報知情報を受信した場合に、その内容を告知する告知手段を備える請求項1〜8のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項10】
広域網と狭域網とを通信可能に接続するためのゲートウェイ機能を備える請求項1〜9のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項11】
前記配信情報は、気象庁から配信される緊急地震速報である請求項1〜10のいずれか一項記載の通信装置。
【請求項12】
所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の報知情報を生成する第一のステップと、
前記インタフェースとは異なるインタフェースを介して受信した報知情報又は前記生成した報知情報を所定の情報テーブルに登録する第二のステップと、
前記情報テーブルに登録された報知情報を、通信可能な他の通信装置に配信する第三のステップとを有し、
前記第二のステップは、
新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成した報知情報が、前記情報テーブルに登録されていない場合に、前記報知情報を前記情報テーブルに登録する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項13】
前記配信情報及び前記報知情報は、対応する所定の時刻情報を有し、
前記第二のステップは、
新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成された報知情報が前記情報テーブルに登録され、前記報知情報に含まれる時刻が前記情報テーブルに登録されている報知情報に含まれる時刻より新しい場合に、前記新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成された報知情報を前記情報テーブルに更新登録する請求項12記載の通信方法。
【請求項14】
所定の通信装置を、
所定のインタフェースを介して受信した配信情報にもとづき所定の報知情報を生成する情報生成手段、
前記インタフェースとは異なるインタフェースを介して受信した報知情報又は前記生成した報知情報を所定の情報テーブルに登録する情報登録手段、及び、
前記情報テーブルに登録された報知情報を、通信可能な他の通信装置に配信する情報配信手段として機能させ、
前記情報登録手段を、
新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成した報知情報が、前記情報テーブルに登録されていない場合に、前記報知情報を前記情報テーブルに登録する手段として機能させる
ことを特徴とする通信プログラム。
【請求項15】
前記配信情報及び前記報知情報は、対応する所定の時刻情報を有し、
前記情報登録手段を、
新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成された報知情報が前記情報テーブルに登録され、前記報知情報に含まれる時刻が前記情報テーブルに登録されている報知情報に含まれる時刻より新しい場合に、前記新たに受信した報知情報又は新たに受信した配信情報にもとづき生成された報知情報を前記情報テーブルに更新登録する手段として機能させるための請求項14記載の通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−55257(P2011−55257A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202380(P2009−202380)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】