説明

通信装置及びFAX通信システム

【課題】FAX端末の独自の通信方式を動作させず、かつ、送信側FAX端末での所定のタイムアウトによる回線切断を防止するようにする。
【解決手段】本発明の通信装置は、ネットワークを通じて所定のFAX通信方式に従ってFAX通信を行なうFAX通信手段と、受信したFAX信号を解析するFAX信号解析手段と、受信したFAX信号が非標準化機能要求信号であると判定された場合、非標準化機能要求信号を破棄する非標準化機能要求信号破棄手段とを備え、更に、予め設定された非標準化機能を動作させない置換用データを記憶する手段と、非標準化機能要求信号であると判定された場合、非標準化機能要求信号中の非標準化機能識別データを置換用識別データに置換した置換信号を、通信相手端末又は収容FAX端末に送信させるよう制御する置換信号送信制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びFAX通信システムに関し、例えば、端末独自のFAX通信方式が動作することを防ぎ、正常にFAX通信することができる通信装置、FAX通信システム及びFAX通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばインターネット等のネットワーク上に配置され、音声パケットを中継する音声通信装置が、FAX端末をも収容し、このFAX端末のFAX通信を実現する方式として、例えば、ITU−T勧告T.38により規定されたインターネットFAXプロトコル(IFP:Internet Facsimile Protocol)による方式や、又は音声通信路を用いたFAX通信方式等がある。
【0003】
このITU−T勧告T.38に規定されている方式は、呼接続としては例えばITU−T勧告H.323通信手順等を基本とし、またFAXデータの伝送手順についてはITU−T勧告T.30を基本しているものである(特許文献1〜3参照)。
【0004】
ITU−T勧告T.38によるFAX通信は、主にネットワーク容量に制限があり、音声データを音声圧縮規格G729.Aなどで圧縮する必要がある場合に採用される通信方式である。そのため、このような制限下にある音声通信装置の場合、音声データは一度送信側で圧縮され、受信側で復元されるので、音声データの劣化が否めない。
【0005】
音声データの場合は多少の劣化は問題ないが、FAX通信においてはデータが劣化すると画像が乱れてしまう。そのため、このような音声圧縮を用いた音声通信装置においてFAX通信を実現する場合、従来、FAXデータを音声データとしてではなく信号データとして扱い、FAXデータをIFPパケットに変換し、そのIFPパケットを制御用通信路を通じて伝送している。
【0006】
ところで、従来のITU−T勧告T.38によるFAX通信を実現する場合、音声通信装置は、FAX端末から受信したFAX信号をIFPパケットに変換する際、そのFAXデータを解析する必要がある。そのため、例えば以下に示すような機能が制限される。
【0007】
(1)ITU−T勧告T.38は、FAX通信規格であるITU−T勧告V.17までしか対応していないため、ITU−T勧告V.34通信は実現できない。
【0008】
(2)FAX端末の製造メーカが、独自の通信方式(ITU−T勧告T.30以外の通信方式)を実現しようとする場合、ITU−T勧告T.30で規定されているNSF信号(非標準機能識別信号)を用いるが、ITU−T勧告T.38によりFAX通信を実現する音声通信装置は、端末製造メーカの独自通信方式に対応できないため、受信したFAXデータがNSF信号であると判断すると、そのNSF信号を通信相手のFAX端末に透過することなく破棄している。
【0009】
このように、従来の音声通信装置を通じてITU−T勧告T.38によるFAX通信を実現するFAX通信システムを図2及び図3を参照しながら説明する。
【0010】
図2は、FAX通信システムの構成例を示す構成図であり、ここでは、通信装置100Aが収容するFAX端末1Aを送信側端末とし、通信装置100Bが収容するFAX端末1Bを受信側端末とする。また、FAX端末1Bは、端末製造メーカ独自の通信方式を実現しようとするため、送信側端末にNSF信号を送信するものとする。
【0011】
図3において、まず、送信側のFAX端末1Aは、受信側端末に向けてCNG(トーン信号)(ITU−T勧告T.30規定の送信側FAX識別信号)を送出する。
【0012】
このとき、FAX端末1AからのCNGは、送信側の通信装置100Aのデジタル信号処理部110Aで検出され(S510−1)、FAX通信処理部140Aに通知され、FAX通信処理部140AによりIFPパケット(CNG)に変換されて(S510−2)、IFPパケット(CNG)としてネットワークNW(制御用通信路P2)に送出される(S510−3)。IFPパケット(CNG)は、受信側の通信装置100BのFAX通信処理部140Bで受信され(S510−3)、デジタル信号処理部110Bに通知され(S510−4)、デジタル信号処理部110Bは、受信側のFAX端末1Bに対しCNGを送出する(S510−5)。
【0013】
続いて、CNGを受信した受信側端末のFAX端末1Bは、CED(トーン信号)(ITU−T勧告T.30規定の受信側FAX識別信号)を送信側端末に向けて送出する。
【0014】
このとき、FAX端末1BからのCEDは、デジタル信号処理部110Bで検出され(S520−1)、FAX通信処理部140Bに通知され、IFPパケットに変換されて(S520−2)、IFPパケット(CED)としてネットワークNW(制御用通信路P2)に送出される(S520−3)。IFPパケット(CED)は、送信側の通信装置100AのFAX通信処理部140Aで受信され(S520−3)、デジタル信号処理部110Aに通知され(S520−4)、デジタル信号処理部110Aは、受信側のFAX端末1Aに対しCEDを送出する(S520−5)。
【0015】
次に、受信側端末のFAX端末1Bは、プリアンブル信号(ITU−T勧告V.21規定のプリアンブル信号)を送信側端末に向けて送出する(S530−1〜S530−5)。このとき、プリアンブル信号は、S520−1〜S520−5と同じルートで送信側のFAX端末1Aに送出される。
【0016】
さらに、受信側端末のFAX端末1Bは、NSF信号を送信側端末に向けて送出する(S540及びS550)。
【0017】
このとき、デジタル信号処理部110Bは、FAX端末1Bから受信したNSFデータを解析して、FAX端末1Bの製造メーカ独自の通信方式を規定するものであると判断すると、このNSF信号を透過せず破棄する。なお、FAX信号は、デジタル信号処理部110A/110Bにおいて、一定周期(例:100ms毎)で検出されるため、S540−1、S540−2に示すように、1信号でも複数に分割されて検出される場合がある。
【0018】
受信側端末のFAX端末1Bは、NSF信号の送出が完了すると、S520−1〜S520−5と同じルートで、CSI信号(ITU−T勧告T.30規定の被呼端末識別信号:CSI信号はオプション信号である)やDIS信号(ITU−T勧告T.30規定の被呼端末能力を示す信号)を送信側端末に向けて送出する(S560−1〜S560−5、S570−1〜S570−5)。なお、以降のシーケンスについては省略する。
【0019】
このようにして、ITU−T勧告T.38によるFAX通信を実現する通信装置は、受信側のFAX端末1BがNSF信号を送出するものである場合に、FAX端末1Bに接続する通信装置100BがFAX端末1Bから受信したNSF信号を透過せず破棄し、その後に送出されるCSI信号やDIS信号を送信側端末に与えることで、T.38によるFAX通信を実現している。
【0020】
なお、このとき、FAX端末1Aにおいては、FAX端末1Bからのプリアンブル信号の検出時間からCSI信号若しくはDIS信号の検出時間までを計測しており、この時間を以下のように定義している。
【0021】
Ta=FAX端末1Bのプリアンブル送出時間+NSF信号送出時間 …(1)
または、ネットワークを中継する通信装置でFAX通信を適用する場合に、ネットワークのゆらぎを吸収するために一定時間のデータのバッファリングを実施している場合には、その時間も加えられ、以下のように定義される。
【0022】
Ta=FAX端末1Bのプリアンブル送出時間+NSF信号送出時間
+ネットワークNWゆらぎ対策バッファリング時間 …(2)
【0023】
【特許文献1】特開2006−5482号公報
【特許文献2】特開2004−32007号公報
【特許文献3】特開2003−244383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
しかしながら、近年のFAX端末(複合機含む)の高機能化により、FAX端末が送出するNSF信号の送出時間が長くなってきている。そのため、送信側端末に送出されるべきCSI信号若しくはDIS信号が送信側端末に与えられず、送信側端末がFAXデータを待ちきれずにタイムアウトし、FAX通信が失敗する場合がある。
【0025】
この点について、図4を参照して説明すると、図4において、送信側端末であるFAX端末1Aは、予め設定されたタイムアウト時間Tbを有しており、FAX端末1Bからのプリアンブル信号の受信検出からタイマを計時する(S540−5)。
【0026】
一方、受信側端末であるFAX端末1Bが送出するNSF信号の送出時間が長くなると(S540−1〜S540−n)、通信装置1BのNSF信号の破棄が行なわれ(S550)、CSI信号若しくはDIS信号の送出がなされない(S560−1、S570−1)。
【0027】
そして、FAX端末1Aにおけるタイマ時間がタイムアウト時間Tbを超過すると、FAX端末1Aは通信を切断し、CSI信号若しくはDIS信号はFAX端末1Aに到達しない、又は到達しても、FAX端末1Aに無視されることとなり、FAX通信が失敗することとなる。
【0028】
そのため、FAX端末の独自の通信方式による動作を防止することができ、受信側FAX端末が送出したプリアンブル信号を送信側FAX端末で検出した後タイムアウト期間の経過による回線切断を防止して、ネットワークを通じたFAX通信を実現することができる通信装置及びFAX通信システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0029】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の通信装置は、(1)収容するFAX端末から受信したFAX信号をパケット化してネットワークに送出したり、ネットワークを通じて受信したFAXパケットをFAX信号に変換して収容するFAX端末に送信したりして、所定のFAX通信方式に従ってFAX通信をするFAX通信手段と、(2)収容するFAX端末又はネットワークを通じて収容するFAX端末の通信相手端末から受信したFAX信号を解析するFAX信号解析手段と、(3)受信したFAX信号がFAX通信方式には規定されていない非標準化機能の動作を送信側FAX端末に要求する非標準化機能要求信号であると、FAX信号解析手段に判定された場合、非標準化機能要求信号を破棄する非標準化機能要求信号破棄手段とを備えた通信装置において、(4)予め設定された非標準化機能を動作させない置換用データを記憶する置換用識別データ記憶手段と、(5)FAX信号解析手段により非標準化機能要求信号であると判定された場合、非標準化機能要求信号に含まれている非標準化機能識別データを置換用識別データに置換した置換信号を、収容するFAX端末の通信相手端末又は収容するFAX端末に送信させるよう制御する置換信号送信制御手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【0030】
また、第2の本発明のFAX通信システムは、送信側FAX端末を収容する送信側通信装置と受信側FAX端末を収容する受信側通信装置との間で、ネットワークを通じて、所定のFAX通信方式に従ってFAX通信を行なうFAX通信システムにおいて、上記送信側通信装置及び又は上記受信側通信装置が、第1の本発明の通信装置を適用したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、端末独自のFAX通信方式が動作することを防ぎ、送信側FAX端末がタイムアウトすることも防ぐことができ、標準機能で動作して正常にFAX通信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(A)第1の実施形態
以下、本発明の通信装置及びFAX通信システムの第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
第1の実施形態は、ITU−T勧告T.38により規定されるFAX通信方式を採用して、収容するFAX端末のFAX通信を実現する通信装置に、本発明の通信装置を適用した場合を説明する。
【0034】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態のFAX通信システムの構成を示す構成図である。図1において、第1の実施形態のFAX通信システム2は、FAX端末1A、FAX端末1Aを収容する通信装置10A、FAX端末1B、FAX端末1Bを収容する通信装置10Bを有して構成される。
【0035】
また、通信装置10Aと通信装置10Bとは、例えばインターネット等に代表されるネットワークNWを通じて接続されている。第1の実施形態ではITU−T勧告H.323の規定による呼制御を行なうものとするので、ネットワークNWは、電話網を想定し、音声用通信路P1と制御用通信路P2とを少なくとも有して構成される。
【0036】
FAX端末1A及び1Bはそれぞれ、通信装置10A及び10Bに収容されている既存のファクシミリや既存のファクシミリ機能を搭載した複合機などである。なお、図1では、FAX端末1A及び1Bは、通信装置10A及び10Bに直接的に接続されているように示すが、例えばPBX装置等を介在して間接的に接続されるようにしてもよい。
【0037】
また、第1の実施形態では、FAX端末1Aを送信側端末とし、FAX端末1Bを受信側端末とし、受信側端末であるFAX端末1Bは、FAX通信開始時に、ITU−T勧告T.38の規定によるFAX通信方式とは異なる端末製造メーカの独自に規定した通信シーケンスの実行を促すNSF信号を送信するものとする。
【0038】
通信装置10A及び10Bはそれぞれ、収容するFAX端末1A及び1BのFAX通信をITU−T勧告T.38の規定に従って行なう通信装置である。通信装置10A及び10Bは、図示しないが、音声通信端末や情報処理端末等も収容可能であり、音声通信やデータ通信なども行なうことができるものである。
【0039】
また、通信装置10A及び10Bの内部構成は、図1に示すように、デジタル信号処理部11A及び11B、揺らぎ吸収バッファ部12A及び12B、音声処理部13A及び13B、FAX通信処理部14A及び14B、呼処理部15A及び15B、置換用NSFデータ記憶部16A及び16Bを有して構成される。
【0040】
デジタル信号処理部11A及び11Bは、通信装置10A及び10Bの機能を司るものであり、例えばDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などが該当する。デジタル信号処理部11A及び11Bは、例えば、音声信号の圧縮/復元機能や、FAX信号トーン検出機能や、FAXデータ解析機能、タイムアウト回避機能、FAXモデム機能や、揺らぎ吸収バッファ12A及び12Bを制御する機能等を有する。
【0041】
ここで、第1の実施形態のデジタル信号処理部11A及び11Bのタイムアウト回避機能の詳細を図5及び図6を参照しながら説明する。
【0042】
このタイムアウト回避機能は、受信側端末を収容する通信装置、すなわち図1では通信装置1Bのデジタル信号処理部11Bにおいてなされる機能である。もちろん、送信側である通信装置10Aのデジタル信号処理部11Aも同様に備えもつものである。
【0043】
図5は、受信側であるデジタル信号処理部11Bのタイムアウト回避機能の構成を示す機能ブロック図である。
【0044】
図5に示すように、デジタル信号処理部11Bのタイムアウト回避機能は、NSFデータ判定機能部21、NSFデータ破棄機能部22、置換NSF信号送信制御機能部23を有してなされる。
【0045】
NSFデータ判定機能部21は、受信側端末であるFAX端末1BからFAXデータを受け取ると、そのFAXデータを解析するものであり、第1の実施形態では、特に、ITU−T勧告T.38には規定されていない非標準化機能を動作させることを要求するNSFデータを検出するものである。
【0046】
ここで、図6は、FAX端末1Bが通信装置10Bに送出するバイナリー符号信号方式のフレーム構成例を示す説明図である。
【0047】
図6において、FAX信号のフレーム構成は、大別すると、プリアンブル31部分とFAX信号32部分(制御信号部分)とからなり、FAX信号32は、フラグシーケンス33、アドレスフィールド34、コントロールフィールド35、ファクシミリコントロールフィールド36、ファクシミリインフォメーションフィールド37、フレームチェッキングシーケンス38、フラグシーケンス39から構成される。
【0048】
フラグシーケンス33及び39は、フレームの始め及び終わりを示すものであり、「01111110」の8bitからなるものである。
【0049】
アドレスフィールド34は、FAX通信であることを示すものであり、一般の電話網の1対1のFAX伝送であれば、「11111111」の8bitからなるものである。
【0050】
コントロールフィールド35は、データリンクを制御するための命令や応答に用いられるものであり、「1100x000」の8bitからなり、xが1の場合には最終フレームであることを示し、xが0の場合には最終フレームでないことを示す。
【0051】
ファクシミリコントロールフィールド36は、NSF信号、DIS信号、CSI信号などの制御信号の種類を示すものであり、8bitからなるものである。なお、NSF信号である場合のフォーマットは「00000100」である。
【0052】
ファクシミリインフォメーションフィールド37は、ファクシミリコントロールフィールド36で示された制御信号を更に明らかにするための付加情報をのせるものである。NSF信号である場合、端末製造メーカ独自に規定された通信シーケンスを識別するための識別情報が含まれる部分であり、一般に、その独自の通信シーケンスを規定した製造メーカを識別する識別コード(ベンダコード)が挿入される。
【0053】
フレームチェッキングシーケンス38は、受信側の伝送誤りをチェックするものである。
【0054】
NSFデータ判定機能部21は、以上のようなフレーム構成のFAX信号32を受信すると、ファクシミリコントロールフィールド36を見て、その内容がNSF信号であることを示す「00000100」であると判断すると、当該受信したFAX信号はNSF信号であると判定する。
【0055】
NSFデータ破棄機能部22は、NSFデータ判定機能部21がNSF信号の受信を検出したとき、FAX端末1Bから与えられるNSF信号を破棄するものである。これにより、ITU−T勧告T.38に規定されるFAX通信を実現しようとする通信装置10A及び10Bでは、FAX端末1Bの端末製造メーカが独自に規定した通信シーケンス動作に対応できないことから、NSF信号の透過しないようにすることができる。
【0056】
置換NSF信号送信制御機能部23は、NSFデータ判定機能部21がNSF信号の受信を検出したときに、置換NSF信号を形成し、その形成した置換NSF信号を送信側端末を収容している通信装置10Aに対して送信させるよう制御するものである。
【0057】
ここで、置換NSF信号とは、FAX端末1BからのNSF信号のうち、ファクシミリインフォメーションフィールド37に挿入されているデータを、置換用NSFデータ記憶部16Bに記憶されている置換用NSFデータに置き換えたものである。
【0058】
また、第1の実施形態では、置換NSF信号送信制御機能部23は、受信したNSF信号のうち最初に受信したNSF信号に対して置換用NSFデータの置き換え処理を行なうものとする。
【0059】
このように、置換NSF信号を送信側の通信装置10Aに送信することで、プリアンブル信号送出後に送信側の通信装置10Aに対してFAX信号を送信することができるので、送信側の通信装置10Aにおいて、プリアンブル信号受信後のFAX信号の受信が検出できず、タイムアウトになることを回避することができる。
【0060】
なお、置換NSF信号送信制御機能部23が置換NSF信号を送信側に送信するタイミングは、FAX端末1BからのNSF信号の受信を検出したら送信するものとするが、送信側端末であるFAX端末1Aにおいてタイムアウト時間Tb内に置換NSF信号を与えることができれば、例えば、FAX端末1BからのNSF信号の分割した信号数やデータ容量などに基づいて、所定の閾値を超えたときに送信するようにしてもよいし、又FAX端末1BからのNSF信号の最初の受信検出時から所定時間経過後(但し、タイムアウト時間Tb未満とする)に送信するようにしてもよい。
【0061】
また、受信したNSF信号のうち最初に受信したNSF信号に対して置換用NSFデータの置き換え処理を施すことに限定されず、送信タイミングとの関係で、最初の受信したNSF信号以外のNSF信号を対象としてもよい。
【0062】
図1に戻り、通信装置10A及び10Bの内部構成の説明に戻る。揺らぎ吸収バッファ部12A及び12Bは、デジタル信号処理部11A及び11Bの制御の下、受信した音声パケットを蓄積するものである。
【0063】
音声処理部13A及び13Bは、デジタル信号処理部11A及び11Bから与えられた音声データをパケットに変換し、音声用通信路P1に送出するものである。また、音声処理部13A及び13Bは、音声用通信路P1から受信した音声パケットから圧縮音声データを組み立ててデジタル信号処理部11A及び11Bに与えるものである。
【0064】
FAX通信処理部14A及び14Bは、FAX通信のシーケンスを制御しており、ITU−T勧告T.38によるFAX通信時に、デジタル信号処理部11A及び11Bから与えられたFAXデータをT.38パケット(ITU−T勧告T.38に従ったFAXデータパケット)に変換し、制御用通信路P2に送出するものである。また、FAX通信処理部14A及び14Bは、制御用通信路P2から受信したT.38パケットからFAXデータを組み立ててデジタル信号処理部11A及び11Bに与えるものである。
【0065】
呼制御部15A及び15Bは、ITU−T勧告H.323の規定に従って呼設定処理を行なうものである。
【0066】
置換用NSFデータ記憶部16A及び16Bは、FAX端末からNSF信号の受信を検出し、置換NSF信号を形成する際に、NSF信号のファクシミリインフォメーションフィールド37に挿入されているデータを置き換えるための置換用NSFデータを記憶するものである。
【0067】
置換用NSFデータとしては、NSF信号が示す端末製造メーカ独自の通信シーケンスの動作を回避できるデータであれば広く適用でき、第1の実施形態では、例えば、ITU−T勧告T.38規定のFAX通信をする通信装置10A及び10Bの製造メーカを識別する識別コード(ベンダコード)を適用する。
【0068】
(A−2)第1の実施形態の動作
続いて、第1の実施形態のFAX通信システムの動作を図7を参照しながら説明する。図7は、第1の実施形態のFAX通信処理を示すシーケンスである。
【0069】
図7では、まず、送信側端末であるFAX端末1Aが、受信側端末であるFAX端末1Bに向けてCNG信号(コーリングトーン信号)を送信する。
【0070】
このとき、FAX端末1Aから送出されたCNG信号は、送信側の通信装置10Aのデジタル信号処理部11Aで検出され(S110−1)、FAX通信処理部14Aに通知される(S110−2)。CNG信号は、FAX通信処理部14AによりIFPパケット(CNG)に変換されて、ネットワークNWに送出される(S110−3)。また、IFPパケット(CNG)は、受信側の通信装置10BのFAX通信処理部14Bで受信され(S110−3)、FAX通信処理部14BによりIFPパケットからCNG信号に変換されて、CNG信号がデジタル信号処理部11Bに通知される(S110−4)。デジタル信号処理部11Bは、受信側のFAX端末1Bに対してCNG信号を送出する(S110−5)。
【0071】
続いて、CNG信号を受信した受信側のFAX端末1Bが呼に応答するためのCED信号(被呼局識別信号)(CALLED TONE、受信側FAX端末が送出するFAX識別信号)を送出する。
【0072】
このとき、FAX端末1Bから送出されたCED信号は、デジタル信号処理部11Bで検出され(S120−1)、FAX通信処理部14Bに通知され(S120−2)、FAX通信処理部14BによりIFPパケット(CED)に変換され、IFPパケット(CED)がネットワークNWに送出される(S120−3)。このIFPパケット(CED)は、受信側のFAX通信処理部14Aで受信され(S120−3)、FAX通信処理部14AによりパケットからCED信号に変換され、CED信号がデジタル信号処理部11Aに通知される(S120−4)。デジタル信号処理部11AはFAX端末1Aに対してCED信号を送出する(S120−5)。
【0073】
続いて、受信側のFAX端末1Bは、送信側端末であるFAX端末1Aに向けて、プリアンブル信号を送出する。
【0074】
なお、このプリアンブル信号は、後に続くデータが損なわれずに伝送されるように通信回線の全構成要素(例えば、エコーサプレッサ等)が適切な状態に調整されることを保障するものであり、例えば300bit/sのモデムを使用している場合1秒±15%のフラグシーケンスも連送する。また、プリアンブル信号は、S120−1〜S120−5と同じルートで送信側のFAX端末1Aに送出される(S130−1〜S130−5)。
【0075】
このとき、FAX端末1Aにおいて、FAX端末1Bからのプリアンブル信号の受信が検出されると、FAX端末1Aではタイマ計時を開始し、プリアンブル信号の受信以降のFAX端末1BからのFAX信号の受信を待機する。
【0076】
次いで、受信側のFAX端末1Bが、プリアンブル信号を送出すると、送信側端末であるFAX端末1Aに向けてNSF信号を送出する。
【0077】
このとき、FAX端末1Bから送出されたNSF信号が通信装置10Bに与えられると、デジタル信号処理部11Bにより解析されて、NSF信号であると検出される(S140−1)。そして、NSF信号であると検出されると、FAX端末1BからのNSF信号はデジタル信号処理部11Bにより破棄される共に(S140−2、S140−3、S150)、デジタル信号処理部11Bにより置換NSF信号が形成されて、置換NSF信号がFAX通信処理部14Bに与えられ、IFPパケットとして送信側に送信される(S180−1、S180−2)。
【0078】
ここで、デジタル信号処理部11Bは、受信したNSF信号のファクシミリインフォメーションフィールド37に挿入されているデータを、置換用NSFデータ記憶部16Bに記憶されている置換用NSFデータに置き換えることにより、置換NSF信号を形成する。
【0079】
置換用NSFデータに置き換えられたNSF信号はFAX通信処理部14BによりIFPパケットに変換されて、IFPパケットがネットワークNWを通じて通信装置1Aに与えられ(S180−2)、FAX通信処理部14AによりIFPパケットからNSF信号に変換されて、NSF信号がデジタル信号処理部11Aに与えられる(S180−3)。また、NSF信号がデジタル信号処理部11AからFAX端末1Aに与えられる(S180−4)。
【0080】
FAX端末1Aでは、デジタル信号処理部11AからNSF信号を受信すると、そのNSF信号を解析するが、NSF信号のファクシミリインフォメーションフィールド37に含まれているデータが、置換用NSFデータであって、端末製造メーカ独自の通信シーケンスを動作させる識別コードでないことを認識する。そのため、たとえ、FAX端末1Aが、FAX端末1Bと同じ製造メーカであって、独自の通信シーケンスを動作可能なものであったとしても、この製造メーカ独自の通信シーケンスを動作させることを防止することができる。
【0081】
また、FAX端末1Aでは、デジタル信号処理部11AからNSF信号を受信すると、プリアンブル信号の受信検出により計時開始したタイマのタイムアウトを回避することができる。
【0082】
次いで、受信側のFAX端末1Bは、必要に応じて、CSI信号(被呼局識別信号)を送出する(S160−1〜S160−5)。また、受信側のFAX端末1Bは、全標準能力を識別するためのDIS信号(ディジタル識別信号)を送出する(S170−1〜S170−5)。CSI信号若しくはDIS信号はステップS120−1〜S120−5と同じルートで送信側のFAX端末1Aに送出されるので詳細な説明を省略する。
【0083】
図7において、時間Taは、送信側のFAX端末1Aに対し、プリアンブル信号が送出されてから、FAX信号が送出されるまでの時間であり、以下のように定義される。
【0084】
Ta=FAX端末1Bのプリアンブル送出時間+NSF信号送出時間 …(1)
また、ネットワークNWを中継する音声通信装置でFAX通信を適用する場合に、ネットワークNWのゆらぎを吸収するために、揺らぎ吸収バッファ15Aが一定時間のデータのバッファリングを実施している場合には、その時間も加えられる。
【0085】
Ta=FAX端末1Bのプリアンブル送出時間+NSF信号送出時間
+ネットワークNWゆらぎ対策バッファリング時間 …(2)
となる。
【0086】
一方、図7に示す時間Tcは、
Tc=FAX端末1BのNSF信号送出時間−NSF信号B7送出時間 …(3)
となり、受信側のFAX端末1BのNSF信号送出時間から1回のNSF信号B7送出時間を引いた期間である。なお、(3)式は上述したネットワークNWゆらぎ対策バッファリング時間を考慮していないが、この時間を考慮してもよい。
【0087】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、受信側のFAX端末1Bが送出するNSF信号を受信した通信装置10Bが、受信したNSF信号を独自のIFPパケットに置き換えて送信側のFAX端末1Aに送出することにより、通信装置10BでのNSF信号の破棄により生じさせ得る送信側のFAX端末1Aでのタイムアウトを回避することができ、かつ、受信側のFAX端末1BからのNSF信号をそのまま送信側のFAX端末1Aに送出することにより、FAX端末の製造メーカに独自の通信方式が動作することを防止することができる。
【0088】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の通信装置及びFAX通信システムの第2の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0089】
第2の実施形態も、第1の実施形態と同様に、ITU−T勧告T.38により規定されるFAX通信方式を採用して、収容するFAX端末のFAX通信を実現する通信装置に本発明の通信装置を適用した場合を説明する。
【0090】
(B−1)第2の実施形態の構成
図8は、第2の実施形態のFAX通信システムの構成を示す図である。図8に示す第2の実施形態のFAX通信システム3は、図1に示す第1の実施形態のFAX通信システム2の構成に対応し、通信装置10Aに本発明を適用するものとする。
【0091】
第1の実施形態では、通信装置10Bが、収容するFAX端末1BからNSF信号を受信した場合の態様を想定して説明したが、第2の実施形態では、通信装置が、ネットワークを通じて、通信相手のFAX端末からのNSF信号を受信した場合の態様を想定して説明する。
【0092】
すなわち、受信側のFAX端末1Bが、本発明に係る通信装置に収容されていない場合には、FAX端末1Bが送出するNSF信号がネットワークNWを通じてそのまま送信側に与えられてしまい、送信側のFAX端末1Aにおいてタイムアウトが発生しておそれがある。
【0093】
そこで、第2の実施形態では、送信側であるFAX端末1Aを収容する通信装置10Aに、本発明の通信装置、FAX通信システム及びFAX通信方法を適用した場合を説明する。
【0094】
図8において、通信装置10Aの内部構成は、第1の実施形態と同様であり、デジタル信号処理部11A、揺らぎ吸収バッファ12A、音声処理部13A、FAX通信処理部14A、呼処理部15A、置換用NSFデータ記憶部16Aを有して構成される。
【0095】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態のFAX通信システム3の動作を図9を参照しながら説明する。図9は、第2の実施形態のFAX通信システム3の動作を説明するシーケンスである。
【0096】
図9において、S210−1〜S210−4では、送信側のFAX端末1AがCNG信号を送出する。送出されたCNG信号は、送信側の通信装置10Aのデジタル信号処理部11Aで検出され、FAX通信処理部14Aに通知され、IFPパケットに変換されてネットワークNWに送出される。IFPパケット(CNG)は受信側の通信装置4で受信され、受信側の通信装置4は受信側のFAX端末1Bに対し、CNG信号を送出する。
【0097】
次いで、S220−1〜S220−4では、CNG信号を受信した受信側のFAX端末1BがCED信号を送出する。送出されたCED信号は受信側の通信装置4で検出され、IFPパケットに変換されてネットワークNWに送出される。IFPパケット(CED)は送信側の通信装置10AのFAX通信処理部14Aで受信され、デジタル信号処理部11Aに通知される。デジタル信号処理部11Aは送信側のFAX端末1Aに対し、CED信号を送出する。
【0098】
次いで、S230−1〜S230−4では、受信側のFAX端末1Bがプリアンブル信号を送出する。プリアンブル信号はS220−1〜S220−4と同じルートで送信側のFAX端末1Aに送出される。このとき、FAX端末1Aは、FAX端末1Bからのプリアンブル信号の受信を検出すると、タイマ計時を開始する。
【0099】
受信側のFAX端末1Bがプリアンブル信号を送出すると、FAX端末1Bは、NSF信号を送信側のFAX端末1Aに向けて送出する(S240−1、S250−1、S260−1)。そうすると、NSF信号は、受信側の通信装置4で検出され、IFPパケット(NSF)に変換されて、IFPパケット(NSF)がネットワークNWを通じて通信装置10Aに与えられる(S240−2、S250−2、S260−2)。
【0100】
IFPパケット(NSF)は、送信側の通信装置10AのFAX通信処理部14Aで受信され、FAX通信処理部14AによりNSF信号に変換されて、NSF信号がデジタル信号処理部11Aに与えられる(S240−3、S250−3、S260−3)。
【0101】
デジタル信号処理部11Aでは、受信したFAX信号の解析が行なわれ、NSF信号であると検出される。そして、NSF信号であると検出されると、FAX端末1BからのNSF信号はデジタル信号処理部11Aにより破棄される共に(S270)、デジタル信号処理部11Aにより置換NSF信号が形成されて、置換NSF信号がFAX端末1Aに送信される(S280)。
【0102】
ここで、置換NSF信号の形成方法は、第1の実施形態と同様に、デジタル信号処理部11Aが、受信したNSF信号のファクシミリインフォメーションフィールド37に挿入されているデータを、置換用NSFデータ記憶部16Aに記憶されている置換用NSFデータに置き換えることにより、置換NSF信号が形成される。
【0103】
デジタル信号処理部11Aからの置換NSF信号がFAX端末1Aに与えられると、FAX端末1Aでは、第1の実施形態と同様に、NSF信号を解析するが、NSF信号のファクシミリインフォメーションフィールド37に含まれているデータが、置換用NSFデータであって、端末製造メーカ独自の通信シーケンスを動作させる識別コードでないことを認識し、FAX端末1Aが、FAX端末1Bと同じ製造メーカであって、独自の通信シーケンスを動作可能なものであったとしても、この製造メーカ独自の通信シーケンスを動作させることを防止することができる。
【0104】
また、FAX端末1Aでは、デジタル信号処理部11AからNSF信号を受信すると、プリアンブル信号の受信検出により計時開始したタイマのタイムアウトを回避することができる。
【0105】
その後、受信側のFAX端末1Bは、必要に応じて、CSI信号(被呼局識別信号)を送出する(S290−1〜S290−4)。また、受信側のFAX端末1Bは、全標準能力を識別するためのDIS信号(ディジタル識別信号)を送出する(S300−1〜S300−4)。CSI信号若しくはDIS信号はステップS220−1〜S220−4と同じルートで送信側のFAX端末1Aに送出されるので詳細な説明を省略する。
【0106】
図7において、時間Ta及び時間Tcは、上述した(1)〜(3)式により算出することができ、FAX端末1Aにおいて、FAX端末1Bからのプリアンブル信号受信検出後の時間Taは、タイムアウト時間Tb未満とすることができ、タイムアウトを回避することができる。
【0107】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
また、第2の実施形態にように、送信側端末を収容する通信装置に本発明を適用することにより、受信側端末を収容する通信装置がNSF信号を透過するものであっても、送信側端末において、プリアンブル信号受信検出後のタイムアウトを回避すると共に、受信側のFAX端末からのNSF信号をそのまま送信側のFAX端末に送出することがなく、FAX端末の製造メーカに独自の通信方式が動作することを防止することができる。
【0109】
(C)他の実施形態
(C−1)上述した第1の実施形態では、FAX端末1A、1Bの間に通信装置10A、10BとネットワークNWが介在しているシステムに適用した例を説明したが、本発明はこのような場合に限定するものではない。すなわち、例えば通信装置10A、11BとネットワークNWとの間にPBX装置が介在しているシステムに適用することもできる。また、FAX端末1A、1Bとインターネット音声通信装置10A、10Bとの間にPBX装置が介在しているシステムに適用することもできる。
【0110】
(C−2)上述した第1及び第2の実施形態では、第1の実施形態と第2の実施形態とをそれぞれ別々に適用した例を説明したが、本発明はこのような場合に限定するものではなく、例えば第1の実施形態と第2の実施形態とを同時に適用することで、FAX通信の接続性をさらに向上することができる。
【0111】
(C−3)上述した第1及び第2の実施形態で説明した通信装置10A及び10Bの各機能は、それぞれソフトウェアとして格納されて、コンピュータがソフトウェアを読み取り、ソフトウェアを実行することで実現されるものである。なお、ハードウェアとして実現できるのであれば、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1の実施形態のFAX通信システムの構成を示す構成図である。
【図2】従来のFAX通信システムの構成を示す構成図である。
【図3】従来のFAX通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】従来のFAX通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】第1の実施形態のデジタル信号処理部の機能を示す機能ブロック図である。
【図6】第1の実施形態のバイナリー符号信号方式の制御信号のフレーム構成を説明する説明図である。
【図7】第1の実施形態のFAX通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】第2の実施形態のFAX通信システムの構成を示す構成図である。
【図9】第2の実施形態のFAX通信システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【符号の説明】
【0113】
1A、1B…FAX端末、2、3…FAX通信システム、10A、10B…通信装置、11A、11B…デジタル信号処理部、12A、12B…揺らぎ吸収バッファ、13A、13B…音声処理部、14A、14B…FAX通信処理部、15A、15B…呼処理部、16A、16B…置換用NSFデータ記憶部、21…NSFデータ判定機能部、22…NSFデータ破棄機能部、23…置換NSF信号送信制御機能部、P1…音声用通信路、P2…制御用通信路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容するFAX端末から受信したFAX信号をパケット化してネットワークに送出したり、ネットワークを通じて受信したFAXパケットをFAX信号に変換して収容するFAX端末に送信したりして、所定のFAX通信方式に従ってFAX通信をするFAX通信手段と、
収容するFAX端末又はネットワークを通じて上記収容するFAX端末の通信相手端末から受信したFAX信号を解析するFAX信号解析手段と、
受信したFAX信号が上記FAX通信方式には規定されていない非標準化機能の動作を送信側FAX端末に要求する非標準化機能要求信号であると、上記FAX信号解析手段に判定された場合、上記非標準化機能要求信号を破棄する非標準化機能要求信号破棄手段と
を備えた通信装置において、
予め設定された非標準化機能を動作させない置換用データを記憶する置換用識別データ記憶手段と、
上記FAX信号解析手段により非標準化機能要求信号であると判定された場合、非標準化機能要求信号に含まれている非標準化機能識別データを上記置換用識別データに置換した置換信号を、収容するFAX端末の通信相手端末又は収容するFAX端末に送信させるよう制御する置換信号送信制御手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
上記置換信号送信制御手段は、受信側FAX端末が送出したプリアンブル信号の受信後所定のタイムアウト期間の経過により送信側FAX端末の回線切断を回避するため、上記プリアンブル信号の受信後所定のタイムアウト期間内に、送信側FAX端末である収容するFAX端末の通信相手端末又は収容するFAX端末に上記置換信号を送信させるものであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
送信側FAX端末を収容する送信側通信装置と受信側FAX端末を収容する受信側通信装置との間で、ネットワークを通じて、所定のFAX通信方式に従ってFAX通信を行なうFAX通信システムにおいて、
上記送信側通信装置及び又は上記受信側通信装置が、請求項1又は2に記載の通信装置を適用したものであることを特徴とするFAX通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−16937(P2008−16937A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183373(P2006−183373)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】