通路切換装置および該通路切換装置を用いた冷凍装置
【課題】 二つの熱交換器の間における冷媒の流れを確保しつつ、偏流の懸念がなく、圧損が抑制され且つコンパクト性および低コストを可能ならしめた通路切換装置を提供する。
【解決手段】 複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、前記可動体2に、通路断面積の異なる複数対の通路6,6・・および7,7・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記複数対の通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段3を付設して、合流・分岐の必要をなくすことにより、偏流の懸念をなくすとともに、圧損を抑制し且つ一つの機能部品として構成できるようにしている。
【解決手段】 複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、前記可動体2に、通路断面積の異なる複数対の通路6,6・・および7,7・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記複数対の通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段3を付設して、合流・分岐の必要をなくすことにより、偏流の懸念をなくすとともに、圧損を抑制し且つ一つの機能部品として構成できるようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、通路切換装置および該通路切換装置を用いた冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、再熱ドライ機能を有する冷凍装置の場合、蒸気圧縮式の圧縮機と、四路切換弁と、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する室外側熱交換器と、減圧機構として作用する膨張弁と、冷房運転時には蒸発器として作用し、再熱ドライ運転時には再熱器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する再熱熱交換器と、冷房運転時および再熱ドライ運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する室内側熱交換器とを順次接続して構成されており、再熱ドライ運転時においては室内側熱交換器を通過して冷却除湿された空気は、再熱熱交換器を通過する過程で加熱され、湿度低下されているが、冷たくない状態で室内に吹き出されることとなっている。
【0003】
上記構成の冷凍装置においては、再熱熱交換器と室内側熱交換器との間に再熱ドライ弁を設けるため、設置直前に一旦合流させなければならないところから、再熱ドライ弁後の分流器の配置・位置関係によっては冷媒の偏流を起こす可能性が高い。
【0004】
偏流に強い分流器としては、気液混合状態の冷媒流を収束させることによって増速させる絞り部と、該絞り部の延長線上にあって絞り部を介して供給される冷媒流を衝突させることによって均一に撹拌混合した後、冷媒分流方向に均等に分流させる凹球面状の冷媒流衝突部とを設けた冷媒分流器がある(特許文献1参照)。
【0005】
また、第1の熱交換器における各パスの伝熱管と第2の熱交換器における各パスの伝熱管との相互間で、対をなす伝熱管同士を各別の開閉弁で接続するようにしたものも提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−257801号公報。
【0007】
【特許文献2】実開平5−64672号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記した特許文献1に開示されている冷媒分流器の場合、絞り機構を有しているところから、圧力損失が大きくならざるを得ない。再熱ドライ弁後に高圧損の分流器を設けると、特に蒸発器ASSYの圧損が大きくなり、COPの低下を招いてしまうこととなる。
【0009】
圧損を低減のため、上記特許文献2に開示されている構成とすると、パス数に対応する数の開閉弁が必要となり、コンパクト性が損なわれるとともに、コスト高が懸念される。
【0010】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、二つの熱交換器の間における冷媒の流れを確保しつつ、偏流の懸念がなく、圧損が抑制され且つコンパクト性および低コストを可能ならしめた通路切換装置を提供することを第1の目的とし、このような通路切換装置を用いて圧損の低減、コンパクト性の確保およびコスト低減を図った冷凍装置を提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、前記可動体2に、通路断面積の異なる複数対の通路6,6・・および7,7・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記複数対の通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段3を付設している。
【0012】
上記のように構成したことにより、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体2に形成された複数対の通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができることとなる。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。
【0013】
本願発明では、上記課題を解決するための第2の手段として、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、該可動体2に、複数の通路20,20・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記通路20,20・・と前記入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変える駆動手段3を付設している。
【0014】
上記のように構成したことにより、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体2に形成された複数の通路20,20・・と入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変えることができることとなる。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。
【0015】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対移動する磁性体からなるスプールにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記スプール2を摺動させる電磁ソレノイドにより構成することもでき、そのように構成した場合、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造がより簡略化できる。
【0016】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第3の手段を備えた通路切換装置において、前記駆動手段3を、前記スプール2の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構Xにより構成することもでき、そのように構成した場合、スプール2の両端に作用する圧力の差によりスプール2を相対移動させることができるところから、スプール2を磁性体で構成する必要がなくなるとともに、圧力供給機構Xを別構成とすることが可能となる。
【0017】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対回転するロータにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記ロータ2を回転駆動させるパルスモータにより構成することもでき、そのように構成した場合、パルスモータ3によりロータ2を相対回転させることができるところから、構造がより簡略化できる。
【0018】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、圧縮機A、室外側熱交換器C、減圧機構D、再熱熱交換器Eおよび室内側熱交換器Fを順次接続してなる冷凍装置において、上記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の通路切換装置Hを前記再熱熱交換器Eと前記室内側熱交換器Fとの間に介設することもでき、そのように構成した場合、圧損の低減、コンパクト性の確保およびコスト低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の第1の手段によれば、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、前記可動体2に、通路断面積の異なる複数対の通路6,6・・および7,7・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記複数対の通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段3を付設して、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体2に形成された複数対の通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができるようにしたので、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がないし、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制されるし、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込めるという効果がある。
【0020】
本願発明の第2の手段によれば、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、該可動体2に、複数の通路20,20・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記通路20,20・・と前記入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変える駆動手段3を付設して、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体に形成された複数の通路20,20・・と入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変えることができるようにしたので、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がないし、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制されるし、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込めるという効果がある。
【0021】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対移動する磁性体からなるスプールにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記スプール2を摺動させる電磁ソレノイドにより構成することもでき、そのように構成した場合、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造がより簡略化できる。
【0022】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第3の手段を備えた通路切換装置において、前記駆動手段3を、前記スプール2の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構Xにより構成することもでき、そのように構成した場合、スプール2の両端に作用する圧力の差によりスプール2を相対移動させることができるところから、スプール2を磁性体で構成する必要がなくなるとともに、圧力供給機構Xを別構成とすることが可能となる。
【0023】
本願発明の第5の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対回転するロータにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記ロータ2を回転駆動させるパルスモータにより構成することもでき、そのように構成した場合、パルスモータ3によりロータ2を相対回転させることができるところから、構造がより簡略化できる。
【0024】
本願発明の第6の手段におけるように、圧縮機A、室外側熱交換器C、減圧機構D、再熱熱交換器Eおよび室内側熱交換器Fを順次接続してなる冷凍装置において、上記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の通路切換装置Hを前記再熱熱交換器Eと前記室内側熱交換器Fとの間に介設することもでき、そのように構成した場合、圧損の低減、コンパクト性の確保およびコスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について説明する。
【0026】
第1の実施の形態
図1および図2には、本願発明の第1の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0027】
まず、図3を参照して、本願発明の通路切換装置が用いられる再熱ドライ機能を有する冷凍装置について説明する。
【0028】
この冷凍装置は、蒸気圧縮式の圧縮機Aと、四路切換弁Bと、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する室外側熱交換器Cと、減圧機構として作用する膨張弁Dと、冷房運転時には蒸発器として作用し、再熱ドライ運転時には再熱器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する再熱熱交換器Eと、冷房運転時および再熱ドライ運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する室内側熱交換器Fとを順次接続して構成されており、再熱ドライ運転時においては室内側熱交換器Fを通過して冷却除湿された空気Wは、再熱熱交換器Eを通過する過程で加熱され、湿度低下されているが、冷たくない状態で室内に吹き出されることとなっている。
【0029】
この通路切換装置Hは、例えば上記冷凍装置において、再熱熱交換器Eと室内側熱交換器Fとの間に介設されるものであり、図1に示すように、再熱熱交換器Eの各パスに対応する4本の入口管4,4・・と室内側熱交換器Fの各パスに対応する4本の出口管5,5・・とを有する円筒形状のケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体(本実施の形態では、磁性体からなるスプール2)とからなり、前記スプール2には、通路断面積の異なる4対の通路6,6・・および7,7・・が形成されている。この場合、通路断面積の大きな各通路6は、各入口管4および各出口管5の通路断面積と同等とされ、通路断面積の小さな各通路7は、各入口管4および各出口管5の通路断面積より小さくされている。そして、前記スプール2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段(本実施の形態では、電磁ソレノイド3)が付設されている。この場合、電磁ソレノイド3は、ケース1の上端部に設けられている。符号8はスプリングであり、電磁ソレノイド3の非通電時にスプール2をケース1の下端側に押し付けるように付勢する。
(I) 冷房運転時(図1参照)
電磁ソレノイド3が非通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力によってケース1の下端側に押し付けられており、スプール2に形成された通路断面積の大きな通路6,6・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図2参照)
電磁ソレノイド3が通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力に抗して電磁ソレノイド3側に引き寄せられ、スプール2に形成された通路断面積の小さな通路7,7・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
【0030】
上記したように、本実施の形態においては、冷凍装置の運転状態(例えば、冷房運転あるいは再熱ドライ運転)に対応させて、スプール2に形成された通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができることとなっている。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。しかも、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造が簡略化できる。
【0031】
第2の実施の形態
図4および図5には、本願発明の第2の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0032】
この場合、駆動手段として作用する電磁ソレノイド3が、ケース1の下端部に配設されている。このようにすると、スプール2は、電磁ソレノイド3への通電時に電磁ソレノイド3の吸引力に加えて重力も作用することとなる。従って、電磁ソレノイド3の吸引力が小さくてすむこととなる。その他の構成は第1の実施の形態におけると同様である。
(I) 冷房運転時(図4参照)
電磁ソレノイド3が非通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力によってケース1の上端側に押し付けられており、スプール2に形成された通路断面積の大きな通路6,6・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図5参照)
電磁ソレノイド3が通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力に抗して電磁ソレノイド3側に引き寄せられ、スプール2に形成された通路断面積の小さな通路7,7・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
【0033】
上記したように、本実施の形態においては、冷凍装置の運転状態(例えば、冷房運転あるいは再熱ドライ運転)に対応させて、スプール2に形成された通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができることとなっている。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。しかも、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造が簡略化できる。
【0034】
上記第1および第2の実施の形態にかかる通路切換装置の場合、スプール2における通路6,6・・および7,7・・の位置を逆とすれば、冷房運転時においては電磁ソレノイド3を通電状態とし、再熱ドライ運転時においては電磁ソレノイド3を非通電状態とすることもできる。
【0035】
第3の実施の形態
図6および図7には、本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0036】
この場合、スプール2をケース1に対して相対変位(即ち、相対移動)させるための駆動手段を、スプール2の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構Xにより構成している。
【0037】
前記圧力供給機構Xは、ケース1の一端(即ち、上端)に接続された圧力供給管9と、ケース1の他端(即ち、下端)に接続された圧力供給管10と、これらの圧力供給管9,10への供給圧力を高圧あるいは低圧に切り換える切換弁11とからなっている。該切換弁11は、前記圧力供給管9,10、高圧供給管12および低圧供給管13が接続された弁ケース14と、該弁ケース14内に摺動可能に収納された弁本体15と、該弁本体15を摺動させる電磁ソレノイド16と、この弁本体15を前記弁ケース14の一端側に押し付けるスプリング17とによって構成されている。前記弁本体15には、電磁ソレノイド16の非通電時に前記高圧供給管12と圧力供給管9とを連通させるとともに、圧力供給管10と低圧供給管13とを連通させる通路18,19が形成されている(図6参照)。つまり、電磁ソレノイド16の非通電時には、高圧供給管12と圧力供給管9とが通路18を介して連通されるとともに、低圧供給管13と圧力供給管10とが通路19を介して連通される一方、電磁ソレノイド16の通電時には、電磁ソレノイド16の吸引力によって弁本体15が引き上げられ、高圧供給管12と圧力供給管10とが前記弁ケース14内の空間を介して連通されるとともに、低圧供給管13と圧力供給管9とが通路19を介して連通されることとなっている(図6および図7参照)。
(I) 冷房運転時(図6参照)
電磁ソレノイド16が非通電状態とされ、弁本体15は、スプリング17の付勢力によって弁ケース14の下端側に押し付けられており、高圧供給管12と圧力供給管9とが通路18を介して連通されるとともに、圧力供給管10と低圧供給管13とが通路19を介して連通される。この状態においては、スプール2が圧力差によって下方に移動され、スプール2に形成された通路断面積の大きな通路6,6・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図7参照)
電磁ソレノイド16が通電状態とされ、弁本体15は、スプリング17の付勢力に抗して弁ケース14の上端側に押し付けられており、高圧供給管12と圧力供給管10とが弁ケース14内の空間を介して連通されるとともに、圧力供給管9と低圧供給管13とが通路19を介して連通される。この状態においては、スプール2が両端に作用する圧力差によって上方に移動され、スプール2に形成された通路断面積の小さな通路7,7・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
【0038】
上記したように、本実施の形態においては、スプール2の両端に作用する圧力の差によりスプール2を相対移動させることができるところから、スプール2を磁性体で構成する必要がなくなるとともに、圧力供給機構Xを別構成とすることが可能となる。
【0039】
図8ないし図10には、上記第3の実施の形態にかかる通路切換装置Hを図3に示す冷凍装置に使用した例が示されている。
【0040】
この場合、高圧供給管12を再熱熱交換器Eの入口側(冷房運転および再熱ドライ運転における)に接続するとともに、低圧供給管13を室内側熱交換器Fの出口側(冷房運転および再熱ドライ運転における)に接続している。
(I) 冷房運転時(図8参照)
圧力供給機構Xを構成する電磁ソレノイド16は非通電状態とされる。すると、高圧供給管12と通路18を介して連通している圧力供給管9から供給される高圧が弁本体15の上端に作用するとともに、低圧供給管13と通路19を介して連通している圧力供給管10から供給される低圧が弁本体15の下端に作用することとなり、通路切換装置Hを構成するスプール2は両端に作用する圧力差によって下方に押し下げられ、通路断面積の大きな通路6,6・・が入口管4,4・・および出口管5,5・・に連通されることとなる。
(II) 再熱ドライ運転時(図9参照)
圧力供給機構Xを構成する電磁ソレノイド16は通電状態とされる。すると、高圧供給管12と弁ケース14内の空間を介して連通している圧力供給管10から供給される高圧が弁本体15の下端に作用するとともに、低圧供給管13と通路19を介して連通している圧力供給管9から供給される低圧が弁本体15の上端に作用することとなり、通路切換装置Hを構成するスプール2は両端に作用する圧力差によって上方に押し上げられ、通路断面積の小さな通路7,7・・が入口管4,4・・および出口管5,5・・に連通されることとなる。
(III) 暖房運転時(図10参照)
この場合、冷凍装置における四路切換弁Bが切り換わって冷媒の流れが逆となっているため、高圧供給管12からは低圧が供給され、低圧供給管13からは高圧が供給されることとなっている。誤解を防ぐために、以下においては、高圧供給管および低圧供給管を単に圧力供給管という。
【0041】
圧力供給機構Xを構成する電磁ソレノイド16は通電状態とされる。すると、低圧が供給される圧力供給管12と弁ケース14内の空間を介して連通している圧力供給管10から供給される低圧が弁本体15の下端に作用するとともに、高圧が供給される圧力供給管13と通路19を介して連通している圧力供給管9から供給される高圧が弁本体15の上端に作用することとなり、通路切換装置Hを構成するスプール2は両端に作用する圧力差によって下方に押し下げられ、通路断面積の大きな通路6,6・・が入口管4,4・・および出口管5,5・・に連通されることとなる。
【0042】
なお、圧力供給機構Xによる高低圧差は、室外機の吐出圧と吸入圧とを用いてもよく、室内機で簡潔させるために、熱交換器の出入口における圧損を用いてもよい。また、電磁ソレノイドおよび切換弁の配置は特に限定されない。
【0043】
第4の実施の形態
図11ないし図14には、本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0044】
この場合、通路切換装置Hは、2パスに対応するものであって、2本の入口管4,4と2本の出口管5,5とを備えた円筒形状のケース1と、該ケース1に対して相対回転変位可能に収納された可動体(即ち、ロータ2)と、該ロータ2を回転駆動させる駆動手段として作用するパルスモータ3とからなっている。前記入口管4,4および出口管5,5は、ケース1の端面における同一円周上にあって90°間隔で設けられている。また、前記ロータ2には、通路断面積の大きな通路6,6と通路断面積の小さな通路7,7とが形成されており、前記通路6,6および7,7の開口6a,6aおよび7a,7aは、前記入口管4,4および出口管5,5と同一円周上にあって90°間隔で設けられている。この場合、通路断面積の大きな各通路6は、各入口管4および各出口管5の通路断面積と同等とされ、通路断面積の小さな各通路7は、各入口管4および各出口管5の通路断面積より小さくされている。
(I) 冷房運転時(図11および図12参照)
入口管4,4および出口管5,5がロータ2における通路断面積の大きな通路6,6の開口6a,6aに連通されるが、ロータ2における通路断面積の小さな通路7,7の開口7a,7aはケース1の端面によって閉塞されている。
(II) 再熱ドライ運転時(図13および図14参照)
パルスモータ3によってロータ2が45°回転駆動される。すると、入口管4,4および出口管5,5がロータ2における通路断面積の小さな通路7,7の開口7a,7aに連通されるが、ロータ2における通路断面積の大きな通路6,6の開口6a,6aはケース1の端面によって閉塞されている。
【0045】
上記したように、本実施の形態においては、冷凍装置の運転状態(例えば、冷房運転あるいは再熱ドライ運転)に対応させて、ロータ2に形成された通路6,6および7,7のうち選ばれたものと入口管4,4および出口管5,5とを連通させることができることとなっている。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。
【0046】
図15には、3パスに対応する通路切換装置Hが示されている。なお、4パス以上とすることも可能である。
【0047】
第5の実施の形態
図16および図17には、本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0048】
この場合、通路切換装置Hは、2パスに対応するものであって、2本の入口管4,4と2本の出口管5,5とを備えた円筒形状のケース1と、該ケース1に対して相対回転変位可能に収納された可動体(即ち、ロータ2)と、該ロータ2を回転駆動させる駆動手段として作用するパルスモータ3とからなっている。前記入口管4,4および出口管5,5は、ケース1の端面における同一円周上にあって90°間隔で設けられている。また、前記ロータ2には、入口管4および出口管5と同径の通路20,20が形成されており、前記通路20,20の開口20a,20aは、前記入口管4,4および出口管5,5と同一円周上にあって90°間隔で設けられている。
(I) 冷房運転時(図16参照)
入口管4,4および出口管5,5がロータ2における通路20,20の開口20a,20aに全面連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図17参照)
パルスモータによってロータ2が所定角度だけ回転駆動される。すると、入口管4,4および出口管5,5と通路20,20の開口20a,20aとの連通度合いが小さくなる。
【0049】
上記したように、本実施の形態においては、運転状態に対応させて、ロータ2に形成された通路20,20と入口管4,4および出口管5,5との連通度合いを変えることができることとなる。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。しかも、コンタミ等に起因する詰まりが起こりにくくなる。
【0050】
図18には、3パスに対応する通路切換装置Hが示されている。なお、4パス以上とすることも可能である。
【0051】
本願発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図3】本願発明の通路切換装置が適用される再熱ドライ方式の冷凍装置の冷媒回路図である。
【図4】本願発明の第2の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図6】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置を再熱ドライ方式の冷凍装置に適用した場合における冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図9】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置を再熱ドライ方式の冷凍装置に適用した場合における再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図10】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置を再熱ドライ方式の冷凍装置に適用した場合における暖房運転時の状態を示す断面図である。
【図11】本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す正面図である。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【図13】本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV断面図である。
【図15】本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置の変形例での再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【図16】本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す正面図である。
【図17】本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【図18】本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置の変形例での再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0053】
1はケース
2は可動体(スプール、ロータ)
3は駆動手段(電磁ソレノイド、パルスモータ)
4は入口管
5は出口管
6は通路
7は通路
20は通路
Aは圧縮機
Bは四路切換弁
Cは室外側熱交換器
Dは減圧機構(膨張弁)
Eは再熱熱交換器
Fは室内側熱交換器
Gは再熱ドライ弁
Hは通路切換装置
Xは圧力供給機構
【技術分野】
【0001】
本願発明は、通路切換装置および該通路切換装置を用いた冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、再熱ドライ機能を有する冷凍装置の場合、蒸気圧縮式の圧縮機と、四路切換弁と、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する室外側熱交換器と、減圧機構として作用する膨張弁と、冷房運転時には蒸発器として作用し、再熱ドライ運転時には再熱器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する再熱熱交換器と、冷房運転時および再熱ドライ運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する室内側熱交換器とを順次接続して構成されており、再熱ドライ運転時においては室内側熱交換器を通過して冷却除湿された空気は、再熱熱交換器を通過する過程で加熱され、湿度低下されているが、冷たくない状態で室内に吹き出されることとなっている。
【0003】
上記構成の冷凍装置においては、再熱熱交換器と室内側熱交換器との間に再熱ドライ弁を設けるため、設置直前に一旦合流させなければならないところから、再熱ドライ弁後の分流器の配置・位置関係によっては冷媒の偏流を起こす可能性が高い。
【0004】
偏流に強い分流器としては、気液混合状態の冷媒流を収束させることによって増速させる絞り部と、該絞り部の延長線上にあって絞り部を介して供給される冷媒流を衝突させることによって均一に撹拌混合した後、冷媒分流方向に均等に分流させる凹球面状の冷媒流衝突部とを設けた冷媒分流器がある(特許文献1参照)。
【0005】
また、第1の熱交換器における各パスの伝熱管と第2の熱交換器における各パスの伝熱管との相互間で、対をなす伝熱管同士を各別の開閉弁で接続するようにしたものも提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−257801号公報。
【0007】
【特許文献2】実開平5−64672号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記した特許文献1に開示されている冷媒分流器の場合、絞り機構を有しているところから、圧力損失が大きくならざるを得ない。再熱ドライ弁後に高圧損の分流器を設けると、特に蒸発器ASSYの圧損が大きくなり、COPの低下を招いてしまうこととなる。
【0009】
圧損を低減のため、上記特許文献2に開示されている構成とすると、パス数に対応する数の開閉弁が必要となり、コンパクト性が損なわれるとともに、コスト高が懸念される。
【0010】
本願発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、二つの熱交換器の間における冷媒の流れを確保しつつ、偏流の懸念がなく、圧損が抑制され且つコンパクト性および低コストを可能ならしめた通路切換装置を提供することを第1の目的とし、このような通路切換装置を用いて圧損の低減、コンパクト性の確保およびコスト低減を図った冷凍装置を提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、前記可動体2に、通路断面積の異なる複数対の通路6,6・・および7,7・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記複数対の通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段3を付設している。
【0012】
上記のように構成したことにより、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体2に形成された複数対の通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができることとなる。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。
【0013】
本願発明では、上記課題を解決するための第2の手段として、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、該可動体2に、複数の通路20,20・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記通路20,20・・と前記入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変える駆動手段3を付設している。
【0014】
上記のように構成したことにより、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体2に形成された複数の通路20,20・・と入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変えることができることとなる。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。
【0015】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対移動する磁性体からなるスプールにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記スプール2を摺動させる電磁ソレノイドにより構成することもでき、そのように構成した場合、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造がより簡略化できる。
【0016】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第4の手段として、上記第3の手段を備えた通路切換装置において、前記駆動手段3を、前記スプール2の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構Xにより構成することもでき、そのように構成した場合、スプール2の両端に作用する圧力の差によりスプール2を相対移動させることができるところから、スプール2を磁性体で構成する必要がなくなるとともに、圧力供給機構Xを別構成とすることが可能となる。
【0017】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第5の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対回転するロータにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記ロータ2を回転駆動させるパルスモータにより構成することもでき、そのように構成した場合、パルスモータ3によりロータ2を相対回転させることができるところから、構造がより簡略化できる。
【0018】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第6の手段として、圧縮機A、室外側熱交換器C、減圧機構D、再熱熱交換器Eおよび室内側熱交換器Fを順次接続してなる冷凍装置において、上記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の通路切換装置Hを前記再熱熱交換器Eと前記室内側熱交換器Fとの間に介設することもでき、そのように構成した場合、圧損の低減、コンパクト性の確保およびコスト低減を図ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の第1の手段によれば、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、前記可動体2に、通路断面積の異なる複数対の通路6,6・・および7,7・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記複数対の通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段3を付設して、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体2に形成された複数対の通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができるようにしたので、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がないし、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制されるし、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込めるという効果がある。
【0020】
本願発明の第2の手段によれば、複数の入口管4,4・・と複数の出口管5,5・・とを有するケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体2とからなる通路切換装置において、該可動体2に、複数の通路20,20・・を形成するとともに、前記可動体2を駆動させることにより前記通路20,20・・と前記入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変える駆動手段3を付設して、冷凍装置の運転状態に対応させて、可動体に形成された複数の通路20,20・・と入口管4,4・・および出口管5,5・・との連通度合いを変えることができるようにしたので、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がないし、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制されるし、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込めるという効果がある。
【0021】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対移動する磁性体からなるスプールにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記スプール2を摺動させる電磁ソレノイドにより構成することもでき、そのように構成した場合、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造がより簡略化できる。
【0022】
本願発明の第4の手段におけるように、上記第3の手段を備えた通路切換装置において、前記駆動手段3を、前記スプール2の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構Xにより構成することもでき、そのように構成した場合、スプール2の両端に作用する圧力の差によりスプール2を相対移動させることができるところから、スプール2を磁性体で構成する必要がなくなるとともに、圧力供給機構Xを別構成とすることが可能となる。
【0023】
本願発明の第5の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた通路切換装置において、前記可動体2を、前記ケース1に対して相対回転するロータにより構成するとともに、前記駆動手段3を、前記ロータ2を回転駆動させるパルスモータにより構成することもでき、そのように構成した場合、パルスモータ3によりロータ2を相対回転させることができるところから、構造がより簡略化できる。
【0024】
本願発明の第6の手段におけるように、圧縮機A、室外側熱交換器C、減圧機構D、再熱熱交換器Eおよび室内側熱交換器Fを順次接続してなる冷凍装置において、上記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の通路切換装置Hを前記再熱熱交換器Eと前記室内側熱交換器Fとの間に介設することもでき、そのように構成した場合、圧損の低減、コンパクト性の確保およびコスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の幾つかの好適な実施の形態について説明する。
【0026】
第1の実施の形態
図1および図2には、本願発明の第1の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0027】
まず、図3を参照して、本願発明の通路切換装置が用いられる再熱ドライ機能を有する冷凍装置について説明する。
【0028】
この冷凍装置は、蒸気圧縮式の圧縮機Aと、四路切換弁Bと、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する室外側熱交換器Cと、減圧機構として作用する膨張弁Dと、冷房運転時には蒸発器として作用し、再熱ドライ運転時には再熱器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する再熱熱交換器Eと、冷房運転時および再熱ドライ運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する室内側熱交換器Fとを順次接続して構成されており、再熱ドライ運転時においては室内側熱交換器Fを通過して冷却除湿された空気Wは、再熱熱交換器Eを通過する過程で加熱され、湿度低下されているが、冷たくない状態で室内に吹き出されることとなっている。
【0029】
この通路切換装置Hは、例えば上記冷凍装置において、再熱熱交換器Eと室内側熱交換器Fとの間に介設されるものであり、図1に示すように、再熱熱交換器Eの各パスに対応する4本の入口管4,4・・と室内側熱交換器Fの各パスに対応する4本の出口管5,5・・とを有する円筒形状のケース1と、該ケース1に対して相対変位する可動体(本実施の形態では、磁性体からなるスプール2)とからなり、前記スプール2には、通路断面積の異なる4対の通路6,6・・および7,7・・が形成されている。この場合、通路断面積の大きな各通路6は、各入口管4および各出口管5の通路断面積と同等とされ、通路断面積の小さな各通路7は、各入口管4および各出口管5の通路断面積より小さくされている。そして、前記スプール2を駆動させることにより前記入口管4,4・・および前記出口管5,5・・と前記通路6,6・・および7,7・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段(本実施の形態では、電磁ソレノイド3)が付設されている。この場合、電磁ソレノイド3は、ケース1の上端部に設けられている。符号8はスプリングであり、電磁ソレノイド3の非通電時にスプール2をケース1の下端側に押し付けるように付勢する。
(I) 冷房運転時(図1参照)
電磁ソレノイド3が非通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力によってケース1の下端側に押し付けられており、スプール2に形成された通路断面積の大きな通路6,6・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図2参照)
電磁ソレノイド3が通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力に抗して電磁ソレノイド3側に引き寄せられ、スプール2に形成された通路断面積の小さな通路7,7・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
【0030】
上記したように、本実施の形態においては、冷凍装置の運転状態(例えば、冷房運転あるいは再熱ドライ運転)に対応させて、スプール2に形成された通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができることとなっている。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。しかも、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造が簡略化できる。
【0031】
第2の実施の形態
図4および図5には、本願発明の第2の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0032】
この場合、駆動手段として作用する電磁ソレノイド3が、ケース1の下端部に配設されている。このようにすると、スプール2は、電磁ソレノイド3への通電時に電磁ソレノイド3の吸引力に加えて重力も作用することとなる。従って、電磁ソレノイド3の吸引力が小さくてすむこととなる。その他の構成は第1の実施の形態におけると同様である。
(I) 冷房運転時(図4参照)
電磁ソレノイド3が非通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力によってケース1の上端側に押し付けられており、スプール2に形成された通路断面積の大きな通路6,6・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図5参照)
電磁ソレノイド3が通電状態とされ、スプール2は、スプリング8の付勢力に抗して電磁ソレノイド3側に引き寄せられ、スプール2に形成された通路断面積の小さな通路7,7・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
【0033】
上記したように、本実施の形態においては、冷凍装置の運転状態(例えば、冷房運転あるいは再熱ドライ運転)に対応させて、スプール2に形成された通路6,6・・および7,7・・のうち選ばれたものと入口管4,4・・および出口管5,5・・とを連通させることができることとなっている。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。しかも、電磁ソレノイド3への通電・非通電によりスプール2を相対移動できるところから、構造が簡略化できる。
【0034】
上記第1および第2の実施の形態にかかる通路切換装置の場合、スプール2における通路6,6・・および7,7・・の位置を逆とすれば、冷房運転時においては電磁ソレノイド3を通電状態とし、再熱ドライ運転時においては電磁ソレノイド3を非通電状態とすることもできる。
【0035】
第3の実施の形態
図6および図7には、本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0036】
この場合、スプール2をケース1に対して相対変位(即ち、相対移動)させるための駆動手段を、スプール2の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構Xにより構成している。
【0037】
前記圧力供給機構Xは、ケース1の一端(即ち、上端)に接続された圧力供給管9と、ケース1の他端(即ち、下端)に接続された圧力供給管10と、これらの圧力供給管9,10への供給圧力を高圧あるいは低圧に切り換える切換弁11とからなっている。該切換弁11は、前記圧力供給管9,10、高圧供給管12および低圧供給管13が接続された弁ケース14と、該弁ケース14内に摺動可能に収納された弁本体15と、該弁本体15を摺動させる電磁ソレノイド16と、この弁本体15を前記弁ケース14の一端側に押し付けるスプリング17とによって構成されている。前記弁本体15には、電磁ソレノイド16の非通電時に前記高圧供給管12と圧力供給管9とを連通させるとともに、圧力供給管10と低圧供給管13とを連通させる通路18,19が形成されている(図6参照)。つまり、電磁ソレノイド16の非通電時には、高圧供給管12と圧力供給管9とが通路18を介して連通されるとともに、低圧供給管13と圧力供給管10とが通路19を介して連通される一方、電磁ソレノイド16の通電時には、電磁ソレノイド16の吸引力によって弁本体15が引き上げられ、高圧供給管12と圧力供給管10とが前記弁ケース14内の空間を介して連通されるとともに、低圧供給管13と圧力供給管9とが通路19を介して連通されることとなっている(図6および図7参照)。
(I) 冷房運転時(図6参照)
電磁ソレノイド16が非通電状態とされ、弁本体15は、スプリング17の付勢力によって弁ケース14の下端側に押し付けられており、高圧供給管12と圧力供給管9とが通路18を介して連通されるとともに、圧力供給管10と低圧供給管13とが通路19を介して連通される。この状態においては、スプール2が圧力差によって下方に移動され、スプール2に形成された通路断面積の大きな通路6,6・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図7参照)
電磁ソレノイド16が通電状態とされ、弁本体15は、スプリング17の付勢力に抗して弁ケース14の上端側に押し付けられており、高圧供給管12と圧力供給管10とが弁ケース14内の空間を介して連通されるとともに、圧力供給管9と低圧供給管13とが通路19を介して連通される。この状態においては、スプール2が両端に作用する圧力差によって上方に移動され、スプール2に形成された通路断面積の小さな通路7,7・・は、入口管4,4・・および出口管5,5・・とそれぞれ連通される。
【0038】
上記したように、本実施の形態においては、スプール2の両端に作用する圧力の差によりスプール2を相対移動させることができるところから、スプール2を磁性体で構成する必要がなくなるとともに、圧力供給機構Xを別構成とすることが可能となる。
【0039】
図8ないし図10には、上記第3の実施の形態にかかる通路切換装置Hを図3に示す冷凍装置に使用した例が示されている。
【0040】
この場合、高圧供給管12を再熱熱交換器Eの入口側(冷房運転および再熱ドライ運転における)に接続するとともに、低圧供給管13を室内側熱交換器Fの出口側(冷房運転および再熱ドライ運転における)に接続している。
(I) 冷房運転時(図8参照)
圧力供給機構Xを構成する電磁ソレノイド16は非通電状態とされる。すると、高圧供給管12と通路18を介して連通している圧力供給管9から供給される高圧が弁本体15の上端に作用するとともに、低圧供給管13と通路19を介して連通している圧力供給管10から供給される低圧が弁本体15の下端に作用することとなり、通路切換装置Hを構成するスプール2は両端に作用する圧力差によって下方に押し下げられ、通路断面積の大きな通路6,6・・が入口管4,4・・および出口管5,5・・に連通されることとなる。
(II) 再熱ドライ運転時(図9参照)
圧力供給機構Xを構成する電磁ソレノイド16は通電状態とされる。すると、高圧供給管12と弁ケース14内の空間を介して連通している圧力供給管10から供給される高圧が弁本体15の下端に作用するとともに、低圧供給管13と通路19を介して連通している圧力供給管9から供給される低圧が弁本体15の上端に作用することとなり、通路切換装置Hを構成するスプール2は両端に作用する圧力差によって上方に押し上げられ、通路断面積の小さな通路7,7・・が入口管4,4・・および出口管5,5・・に連通されることとなる。
(III) 暖房運転時(図10参照)
この場合、冷凍装置における四路切換弁Bが切り換わって冷媒の流れが逆となっているため、高圧供給管12からは低圧が供給され、低圧供給管13からは高圧が供給されることとなっている。誤解を防ぐために、以下においては、高圧供給管および低圧供給管を単に圧力供給管という。
【0041】
圧力供給機構Xを構成する電磁ソレノイド16は通電状態とされる。すると、低圧が供給される圧力供給管12と弁ケース14内の空間を介して連通している圧力供給管10から供給される低圧が弁本体15の下端に作用するとともに、高圧が供給される圧力供給管13と通路19を介して連通している圧力供給管9から供給される高圧が弁本体15の上端に作用することとなり、通路切換装置Hを構成するスプール2は両端に作用する圧力差によって下方に押し下げられ、通路断面積の大きな通路6,6・・が入口管4,4・・および出口管5,5・・に連通されることとなる。
【0042】
なお、圧力供給機構Xによる高低圧差は、室外機の吐出圧と吸入圧とを用いてもよく、室内機で簡潔させるために、熱交換器の出入口における圧損を用いてもよい。また、電磁ソレノイドおよび切換弁の配置は特に限定されない。
【0043】
第4の実施の形態
図11ないし図14には、本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0044】
この場合、通路切換装置Hは、2パスに対応するものであって、2本の入口管4,4と2本の出口管5,5とを備えた円筒形状のケース1と、該ケース1に対して相対回転変位可能に収納された可動体(即ち、ロータ2)と、該ロータ2を回転駆動させる駆動手段として作用するパルスモータ3とからなっている。前記入口管4,4および出口管5,5は、ケース1の端面における同一円周上にあって90°間隔で設けられている。また、前記ロータ2には、通路断面積の大きな通路6,6と通路断面積の小さな通路7,7とが形成されており、前記通路6,6および7,7の開口6a,6aおよび7a,7aは、前記入口管4,4および出口管5,5と同一円周上にあって90°間隔で設けられている。この場合、通路断面積の大きな各通路6は、各入口管4および各出口管5の通路断面積と同等とされ、通路断面積の小さな各通路7は、各入口管4および各出口管5の通路断面積より小さくされている。
(I) 冷房運転時(図11および図12参照)
入口管4,4および出口管5,5がロータ2における通路断面積の大きな通路6,6の開口6a,6aに連通されるが、ロータ2における通路断面積の小さな通路7,7の開口7a,7aはケース1の端面によって閉塞されている。
(II) 再熱ドライ運転時(図13および図14参照)
パルスモータ3によってロータ2が45°回転駆動される。すると、入口管4,4および出口管5,5がロータ2における通路断面積の小さな通路7,7の開口7a,7aに連通されるが、ロータ2における通路断面積の大きな通路6,6の開口6a,6aはケース1の端面によって閉塞されている。
【0045】
上記したように、本実施の形態においては、冷凍装置の運転状態(例えば、冷房運転あるいは再熱ドライ運転)に対応させて、ロータ2に形成された通路6,6および7,7のうち選ばれたものと入口管4,4および出口管5,5とを連通させることができることとなっている。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。
【0046】
図15には、3パスに対応する通路切換装置Hが示されている。なお、4パス以上とすることも可能である。
【0047】
第5の実施の形態
図16および図17には、本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置が示されている。
【0048】
この場合、通路切換装置Hは、2パスに対応するものであって、2本の入口管4,4と2本の出口管5,5とを備えた円筒形状のケース1と、該ケース1に対して相対回転変位可能に収納された可動体(即ち、ロータ2)と、該ロータ2を回転駆動させる駆動手段として作用するパルスモータ3とからなっている。前記入口管4,4および出口管5,5は、ケース1の端面における同一円周上にあって90°間隔で設けられている。また、前記ロータ2には、入口管4および出口管5と同径の通路20,20が形成されており、前記通路20,20の開口20a,20aは、前記入口管4,4および出口管5,5と同一円周上にあって90°間隔で設けられている。
(I) 冷房運転時(図16参照)
入口管4,4および出口管5,5がロータ2における通路20,20の開口20a,20aに全面連通される。
(II) 再熱ドライ運転時(図17参照)
パルスモータによってロータ2が所定角度だけ回転駆動される。すると、入口管4,4および出口管5,5と通路20,20の開口20a,20aとの連通度合いが小さくなる。
【0049】
上記したように、本実施の形態においては、運転状態に対応させて、ロータ2に形成された通路20,20と入口管4,4および出口管5,5との連通度合いを変えることができることとなる。従って、合流・分岐の必要がなくなり、偏流の懸念がない。また、分流性能を気にする必要がないため、圧損が抑制される。さらに、一つの機能部品として構成されているので、コンパクト性を確保できるとともに、コスト抑制効果が見込める。しかも、コンタミ等に起因する詰まりが起こりにくくなる。
【0050】
図18には、3パスに対応する通路切換装置Hが示されている。なお、4パス以上とすることも可能である。
【0051】
本願発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本願発明の第1の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図2】本願発明の第1の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図3】本願発明の通路切換装置が適用される再熱ドライ方式の冷凍装置の冷媒回路図である。
【図4】本願発明の第2の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図5】本願発明の第2の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図6】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図7】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図8】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置を再熱ドライ方式の冷凍装置に適用した場合における冷房運転時の状態を示す断面図である。
【図9】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置を再熱ドライ方式の冷凍装置に適用した場合における再熱ドライ運転時の状態を示す断面図である。
【図10】本願発明の第3の実施の形態にかかる通路切換装置を再熱ドライ方式の冷凍装置に適用した場合における暖房運転時の状態を示す断面図である。
【図11】本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す正面図である。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【図13】本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【図14】図13のXIV−XIV断面図である。
【図15】本願発明の第4の実施の形態にかかる通路切換装置の変形例での再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【図16】本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置の冷房運転時の状態を示す正面図である。
【図17】本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置の再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【図18】本願発明の第5の実施の形態にかかる通路切換装置の変形例での再熱ドライ運転時の状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0053】
1はケース
2は可動体(スプール、ロータ)
3は駆動手段(電磁ソレノイド、パルスモータ)
4は入口管
5は出口管
6は通路
7は通路
20は通路
Aは圧縮機
Bは四路切換弁
Cは室外側熱交換器
Dは減圧機構(膨張弁)
Eは再熱熱交換器
Fは室内側熱交換器
Gは再熱ドライ弁
Hは通路切換装置
Xは圧力供給機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入口管(4),(4)・・と複数の出口管(5),(5)・・とを有するケース(1)と、該ケース(1)に対して相対変位する可動体(2)とからなり、該可動体(2)には、通路断面積の異なる複数対の通路(6),(6)・・および(7),(7)・・を形成するとともに、前記可動体(2)を駆動させることにより前記入口管(4),(4)・・および前記出口管(5),(5)・・と前記複数対の通路(6),(6)・・および(7),(7)・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段(3)を付設したことを特徴とする通路切換装置。
【請求項2】
複数の入口管(4),(4)・・と複数の出口管(5),(5)・・とを有するケース(1)と、該ケース(1)に対して相対変位する可動体(2)とからなり、該可動体(2)には、複数の通路(20),(20)・・を形成するとともに、前記可動体(2)を駆動させることにより前記通路(20),(20)・・と前記入口管(4),(4)・・および出口管(5),(5)・・との連通度合いを変える駆動手段(3)を付設したことを特徴とする通路切換装置。
【請求項3】
前記可動体(2)を、前記ケース(1)に対して相対移動する磁性体からなるスプールにより構成するとともに、前記駆動手段(3)を、前記スプール(2)を摺動させる電磁ソレノイドにより構成したことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の通路切換装置。
【請求項4】
前記駆動手段(3)を、前記スプール(2)の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構(X)により構成したことを特徴とする請求項3記載の通路供給装置。
【請求項5】
前記可動体(2)を、前記ケース(1)に対して相対回転するロータにより構成するとともに、前記駆動手段(3)を、前記ロータ(2)を回転駆動させるパルスモータにより構成したことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の通路切換装置。
【請求項6】
圧縮機(A)、室外側熱交換器(C)、減圧機構(D)、再熱熱交換器(E)および室内側熱交換器(F)を順次接続してなる冷凍装置であって、上記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の通路切換装置(H)を前記再熱熱交換器(E)と前記室内側熱交換器(F)との間に介設したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項1】
複数の入口管(4),(4)・・と複数の出口管(5),(5)・・とを有するケース(1)と、該ケース(1)に対して相対変位する可動体(2)とからなり、該可動体(2)には、通路断面積の異なる複数対の通路(6),(6)・・および(7),(7)・・を形成するとともに、前記可動体(2)を駆動させることにより前記入口管(4),(4)・・および前記出口管(5),(5)・・と前記複数対の通路(6),(6)・・および(7),(7)・・のうちの選ばれたものとを連通状態とする駆動手段(3)を付設したことを特徴とする通路切換装置。
【請求項2】
複数の入口管(4),(4)・・と複数の出口管(5),(5)・・とを有するケース(1)と、該ケース(1)に対して相対変位する可動体(2)とからなり、該可動体(2)には、複数の通路(20),(20)・・を形成するとともに、前記可動体(2)を駆動させることにより前記通路(20),(20)・・と前記入口管(4),(4)・・および出口管(5),(5)・・との連通度合いを変える駆動手段(3)を付設したことを特徴とする通路切換装置。
【請求項3】
前記可動体(2)を、前記ケース(1)に対して相対移動する磁性体からなるスプールにより構成するとともに、前記駆動手段(3)を、前記スプール(2)を摺動させる電磁ソレノイドにより構成したことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の通路切換装置。
【請求項4】
前記駆動手段(3)を、前記スプール(2)の両端に圧力差のある圧力を供給する圧力供給機構(X)により構成したことを特徴とする請求項3記載の通路供給装置。
【請求項5】
前記可動体(2)を、前記ケース(1)に対して相対回転するロータにより構成するとともに、前記駆動手段(3)を、前記ロータ(2)を回転駆動させるパルスモータにより構成したことを特徴とする請求項1および2のいずれか一項記載の通路切換装置。
【請求項6】
圧縮機(A)、室外側熱交換器(C)、減圧機構(D)、再熱熱交換器(E)および室内側熱交換器(F)を順次接続してなる冷凍装置であって、上記請求項1、2、3、4および5のいずれか一項記載の通路切換装置(H)を前記再熱熱交換器(E)と前記室内側熱交換器(F)との間に介設したことを特徴とする冷凍装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−242395(P2006−242395A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54333(P2005−54333)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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