説明

通電物品の封入

一態様において、本発明は、それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;第1層と第2層との間に通電装置を挟み;物品を形成するのに充分な温度において充分な圧力を適用することによって第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入することを含んでなり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、前記通電装置の破損を引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のデータ
本件は、2006年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/849,409号の利益を請求する。この特許出願を引用することによってその全体を本明細書中に組み入れる。
【0002】
発明の分野
本発明は、ポリマーシート間に封入された通電(electrically energized)材料及び装置を含んでなる熱可塑性樹脂物品並びにその製造方法に関する。詳細には、本発明は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含むポリマーシート間に積層によって封入される発光物質及び装置の封入方法及びそれによって製造される物品に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドから製造されたシートの間に装飾品及び機能品を封入するための種々の方法が知られている。装置を含む通電材料は、種々のポリマーによる封入によって製造されているが、耐候性、特に環境湿度に対する抵抗性が不良であることが多い。この問題を解決する試みには、層間のおける水分透過の防止にも役立つシート積層用の接着層の使用及び初期封入層以外の追加の耐湿性ポリマー層の使用があった。このアプローチに関する問題の1つは、接着剤が典型的には低いガラス転移温度(Tg)を有し、接着剤のTgに近い温度下では多くの場合、シートの接着剤接着がうまくいかないことがある。これらの解決策は、封入装置のコストを増加させる。これらの問題は、通電材料又は装置が大きい表面積、例えば1平方フィートより大きい表面積を有する場合には、拡大される。更に、特に通電装置が大きい表面積を有する場合には、周知の封入技術の多くは、通電装置を劣化させるか又は破壊する時間、温度及び圧力の組合せを使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
比較的厚い保護ポリマー層を有する感温性及び感圧性通電材料及び装置、特に表面積の大きいそのような装置を封入するための方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.093平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)第1層と第2層の表面に180〜245°Fの範囲の温度において5〜350psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて、前記通電装置を挿入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ第1層及び第2層の幅及び/又は長さの増加がその初期幅又は長さに比較して5%未満である、封入通電装置の製造方法に関する。
【0006】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)第1層と第2層の表面に180〜245°Fの範囲の温度において5〜350psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の破損を引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。
【0007】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)第1層と第2層の表面に180〜245°Fの範囲の温度において5〜350psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の溶け落ちを引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。
【0008】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ第1層及び第2層の幅及び/又は長さの増加がその初期幅又は長さに比較して5%未満である封入通電装置の製造方法に関する。
【0009】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンド又はそれらの混合物を含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の破損を引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。
【0010】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンド又はそれらの混合物を含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の溶け落ちを引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。
【0011】
他の態様において、本発明は、
a)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含む第1層及び第2層;
b)第1層及び第2層の間に封入された、1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置
を含んでなる物品であって、第1層と第2層が同一又は異なり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、且つ前記物品が連続通電しながら25℃において水中に500時間浸漬後に依然として耐湿性である物品に関する。
【0012】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と実質的に重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ第1層及び第2層の幅及び/又は長さの増加がその初期幅又は長さに比較して5%未満である封入通電装置の製造方法に関する。
【0013】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンド又はそれらの混合物を含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と実質的に重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の破損を引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。
【0014】
別の態様において、本発明は、
(a)それぞれが独立してコポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンド又はそれらの混合物を含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と実質的に重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の溶け落ちを引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法に関する。
【0015】
別の態様において、本発明は、
a)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含む第1層及び第2層;
b)第1層及び第2層の間に封入された、約1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ約120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置
を含んでなる物品であって、第1層と第2層が同一又は異なり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、且つ前記物品が連続通電しながら25℃において水中に500時間浸漬後に依然として耐湿性である物品に関する。
【0016】
一態様において、本発明の方法は、連続通電しながら25℃において水中に500時間浸漬後に依然として耐湿性である物品を提供する。「浸漬」は、封入通電装置に関連するものであり、電気コネクター又はプラグに関連するものではない。いくつかの実施態様においては、電気コネクター又はプラグを積層構造に部分的に埋め込むことができる。
【0017】
別の態様において、本発明の方法は、320時間の期間3〜100%の範囲の相対湿度を経る環境室循環において10サイクル後に機能する物品を提供する。
【0018】
別の態様において、本発明の方法は、320時間の期間20〜130°Fの範囲の温度を経る環境室循環において10サイクル後に機能する物品を提供する。
【0019】
別の態様において、本発明の方法は、320時間の期間3〜100%の範囲の相対湿度を経る環境室循環において10サイクル後に機能し且つ320時間の期間20〜130°Fの範囲の温度を経る環境室循環において10サイクル後に機能する物品を提供する。
【0020】
一態様において、通電される電気装置は、1〜120平方フィート又は5〜120平方フィート又は10〜120平方フィート又は25〜120平方フィート又は50〜120平方フィート又は75〜120平方フィート又は100〜150平方フィートの範囲の表面積を有する。別の態様において、通電される電気装置は1〜6平方フィート又は1〜12平方フィート又は1〜32平方フィートの範囲の表面積を有する。
【0021】
一態様において、本発明は、それぞれが独立してコポリエステル層を含み且つ少なくとも一方の層が更に分岐剤を含む第1層及び第2層を用意し;通電装置を第1層と第2層との間に挟み;前記コポリエステルの少なくとも一方の層のガラス転移(Tg)よりも約20〜約80℃高い範囲の温度において約20〜約400psigの範囲の圧力を約0.5〜約120分の範囲の期間適用して積層品を形成することを含んでなり、第1層と第2層の界面の温度が第1層及び第2層の少なくとも一方のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記コポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒100mL当たり前記ポリマー0.50gを用いて測定した場合に、約0.5〜約1.2dL/gの範囲のインヘレント粘度(IV)を有する積層品の製造方法に関する。
【0022】
一態様において、本発明は、それぞれが独立してコポリエステル層を含み且つ少なくとも一方の層が更に分岐剤を含む第1層及び第2層;並びに第1層と第2層との間の通電装置を含んでなる積層品であって、前記コポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒100mL当たり前記ポリマー0.50gを用いて測定した場合に、約0.5〜約1.2dL/gの範囲のインヘレント粘度(IV)を有し、前記積層品が、前記コポリエステルの少なくとも一方の層のガラス転移(Tg)よりも約20〜約80℃高い範囲の温度において約20〜約400psigの範囲の圧力を約0.5〜約120分の範囲の期間適用して積層品を形成することによって製造され、且つ第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層の少なくとも一方のTgに等しいか又はそれ以上である積層品に関する。
【0023】
本発明の一態様において、通電装置は、7500〜11,000°K又は5000〜11,000°K又は5000〜8000°K又は5000〜7500°Kの範囲の色温度を有するLECを含む。本発明の一実施態様において、通電装置は、100〜200cd/m2又は100〜300cd/m2又は200〜300cd/m2の輝度を生じるように電力が供給されるLECを含む。本発明の一態様において、外周枠は、積層構造に封入される通電装置と実質的に重なり合わない。これは、外周枠が、通電装置の側面又は縁端部又は外周について約1.0インチ又は好ましくは約0.5インチより多くは重なり合わないことを意味する。
【0024】
本発明の一態様において、本発明の方法がもたらすポリマー層の流れは、通電装置に破損を引き起こす流れより小さい。例えば、LECにおいて、破損はLEC表面のストリエーション(striation)として現れ、LECの光出力の低下又は故障を引き起こす。これらのストリエーションはLECパネルの非照射側で、特に金属化遮蔽フィルムが封入前に取り除かれた配置において最も見え易い。
【0025】
本発明の一態様において、本発明の方法がもたらすポリマー層の流れは、通電装置に溶け落ちを引き起こす流れより小さい。例えば、LEC中のピンポイントの溶け落ちは、通電時にLEC中に焼け穴を生じる。溶け落ちはまた、溶け落ちの近くに剥離を引き起こす可能性がある。
【0026】
本発明の一態様において、本発明の方法は更に、通電系を形成するために通電装置にパワーサプライを提供することを含む。本発明の別の態様において、本発明の物品は更に、通電系を形成するための通電装置へのパワーサプライを含む。
【0027】
本発明の一態様において、第1層と第2層は異なるポリマーを含む。本発明の別の態様において、第1層と第2層は独立して異なるコポリエステルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1a】LECパネルの周囲の任意選択のシムを示している封入レイアップの上面図である。
【図1b】封入レイアップの1/2の側面図である。
【図2】外周積層プレスを有する封入レイアップの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、本発明のいくつかの実施態様に関する以下の詳細な説明、図及び実施例を参照することによってより理解し易くなるであろう。本発明の目的に従って、本発明のいくつかの実施態様を前記の「発明の開示」に記載し、更にここで以下に記載する。また、本発明の他の実施態様もここに記載する。
【0030】
特に断らない限り、本件明細書及び特許請求の範囲において使用する成分の量、分子量のような性質、反応条件などを表す全ての数値は、いずれの場合においても、用語「約」によって修飾されるものと理解すべきである。従って、そうでないことが示されない限り、以下の明細書及び添付した「特許請求の範囲」中に記載した数値パラメーターは、本発明が得ようとする目的の性質によって異なり得る近似値である。最低限でも、各数値パラメーターは少なくとも、報告された有効数字の数を考慮に入れ且つ通常の丸めを適用することによって解釈すべきである。更に、本明細書の開示及び特許請求の範囲中に記載した範囲は、端点だけでなく、全範囲を具体的に含むものとする。例えば0〜10と記載した範囲は、0と10の間の全ての整数、例えば1、2、3、4など、0と10の間の全ての分数、例えば1.5、2.3、4.57、6.1113など並びに端点0及び10を開示するものとする。また、化学置換基に関する範囲、例えば「C1〜C5炭化水素」は、C1及びC5炭化水素だけでなく、C2、C3及びC4炭化水素を具体的に含み且つ開示するものとする。本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメーターは近似値ではあるが、具体例に記載した数値は可能な限り正確に報告してある。しかし、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差によって必然的に生じる若干の誤差を本質的に含む。
【0031】
本明細書中で使用する用語「ポリエステル」は、「コポリエステル」を含むものとし、1種又はそれ以上の二官能価カルボン酸及び/又は多官能価カルボン酸と1種又はそれ以上の二官能価ヒドロキシル化合物及び/又は多官能価ヒドロキシル化合物との反応によって製造される合成ポリマーを意味すると理解される。典型的には、二官能価カルボン酸はジカルボン酸であることができ、二官能価ヒドロキシル化合物は二価アルコール、例えばグリコール及びジオールであることができる。本明細書において使用する用語「グリコール」としては、ジオール、グリコール及び/又は多官能価ヒドロキシル化合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。或いは、二官能価カルボン酸はヒドロキシカルボン酸、例えばp−ヒドキシ安息香酸であることができ、二官能価ヒドロキシル化合物は2個のヒドロキシル置換基を有する芳香核、例えばヒドロキノンであることができる。本明細書中で使用する用語[残基」は、対応するモノマーから重縮合及び/又はエステル化反応によってポリマー中に組み入れられる任意の有機構造を意味する。本明細書中で使用する用語「反復単位」は、カルボニルオキシ基によって結合されたジカルボン酸残基及びジオール残基を有する有機構造を意味する。従って、例えば、ジカルボン酸残基はジカルボン酸モノマー又はその関連酸ハライド、エステル、塩、無水物又はそれらの混合物に由来することができる。更に、本明細書において使用する用語「二酸」は、分岐剤のような多官能価酸を含む。従って、本明細書中で使用する用語「ジカルボン酸」はジカルボン酸及びポリエステルを製造するためのジオールとの反応プロセスにおいて有用なジカルボン酸の任意の誘導体、例えばその関連酸ハライド、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物又はそれらの混合物を含むものとする。本明細書中で使用する用語「テレフタル酸」はテレフタル酸自体及びその残基並びにポリエステルを製造するためのジオールとの反応プロセスにおいて有用なテレフタル酸の任意の誘導体、例えばその関連酸ハライド、エステル、半エステル、塩、半塩、無水物、混合無水物若しくはそれらの混合物又はそれらの残基を含むものとする。用語「ポリアクリレート(polyacrylates)」、「ポリアクリル樹脂(polyacrylics)」、「アクリル酸樹脂(acrylates)」及び[アクリル樹脂(acrylics)」は、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリロニトリル及びアクリル酸を含む(これらに限定するものではないが)モノマーから得られるポリマー材料を示すのに同義で使用する。用語「熱圧着」は、積層プロセスの間に熱及び圧力を共に適用する方法を意味する。
【0032】
通電装置としては、発光用コンデンサー(LEC)、発光ダイオード(LED)、通電時に発光する印刷「回路基板」、エレクトロクロミック層、光電池(太陽電池)、トランスミッター、レシーバー、アンテナ、電磁石、電極並びに風速及び風向、温度、圧力、相対湿度、降雨量、運動、放射線、特定の化学種又はそれらの組合せを検知できる高性能センサーが挙げられるが、これらに限定するものではない。更に、典型的にはその表面積全体にわたって発光する通電装置を含む発光パネルは、パネルの一部のみが発光するように変更できる。これは、パネルから通電装置のセクションを物理的に除去することによって(例えば打ち抜き、レーザー切断によって)、又は対象とする形のみが螢光を発するように所定パターンの形で発光燐光体を適用することによって実施できる。いくつかの実施態様においては、2つのLEC又は他の通電装置を、パネルの両面が「アクティブ」になるように、即ち装置の機能を実行するように背合わせに封入することができる。
【0033】
例えば、本発明のいくつかの実施態様は、発光コンデンサーから作成した平らで柔軟な光パネルを含むことができる。この平らで柔軟な光パネル技術は、通電時に「燐光体」のサンドイッチ層を蛍光発光させる平行板コンデンサー(2枚の板が1つの平行板コンデンサーを構成する)を含む。この柔軟な光パネルは、屋外条件への暴露時に比較的脆く、これらの環境を耐え抜くためには、本発明が提供する保護のような更なる保護が必要である。
【0034】
本発明の熱可塑性樹脂物品は、例えばビルボード標識(billboard signage)、バックライト付きバス広告、ストリートファーニチャー、バス待合所、POP(店頭)ディスプレイ、床材、キオスク、高性能センサー、装飾壁、パーティション、つや出し用途及び他の領域で、特にバックライティングが重要な領域に使用できる。本発明の一態様において、熱可塑性樹脂物品は、熱成形の分野で知られている方法に従って熱成形可能である。
【0035】
図1aに示すように、封入レイアップ(10)は、封入シート間の間隙を減少させるか又は排除するためにLECパネル20の周囲に、封入プロセス中に捕捉された空気を減少させるか又は排除するシム22を使用することができる。これらのシムは典型的には上部及び/又は下部シート材料と同一組成の透明ポリマーフィルムであり、典型的にはLECパネルとほぼ同じ厚さを有する。
【0036】
空気閉じ込めの除去方法としては、艶消シートを、「Ra」又は表面粗度測定値が約110マイクロインチである(好ましい表面粗度値は封入される封入物の型によって異なる)艶消面が封入品に対面するように用いること、或いは真空バギング法のような真空補助空気除去の使用、或いは「ガラスシーン(光沢)」又は同様な布の挿入による空気逃散路の作成(布は封入後にほとんど透明である)を含む。
【0037】
図1bに示されるように、層12は、プラテンの圧力を均一にするために使用するパッドである。層12は、完全には平らでないプラテン又は加圧時に撓むか若しくは湾曲するプラテンに使用する。層14は、金属当て板である。層16は剥離フィルム又は紙である。層18は、空気除去を助ける、LECパネルに対面する任意選択の艶消面を有するポリマーシートである。層「e」はLEC(発光コンデンサー)パネル、例えば8.5”×11”のLECである。厚さが約10milより大きいパネルの場合には、積層体表面を横切る厚さを均一にして空気除去を助けるために、任意選択のポリマーフィルムシム(層22)を使用できる。図1aは、積層の縁端部を越えて伸びる導線24を示している。電気用プラグもまた、常法を用いて積層体中に成形することができる。レイアップを完成させるために、LECパネルの上に、層18〜12を逆順で繰り返す(レイアップの上部セクションは示していない)。
【0038】
図2には、層12、14、16及び18並びに図1aに関して記載した電気装置が示されている。図2は層22を示し、これは典型的には、LECパネルとほぼ同じか又はそれより数mil厚い厚さを有する磨きクロム板であり、クロム板から中央が取り除かれている。レイアップの間に、層22は、層22のプレートが封入されないように層16と18の間に挿入する。
【0039】
本発明のいくつかの実施態様においては、パネル周囲の積層体の縁端部に優先的に圧力を再分配するために金属枠を用いる。本発明に係るいくつかの実施態様における、中心が取り除かれた圧力枠を用いるこのような方法は、比較的脆いパネルが同じ条件を経験しないので、積層構造の外周に更に高い温度及び圧力条件を適用させる。金属枠がLECパネルよりも数mil厚い場合には、パネルは本質的に圧力を受けず、キャビティ又はポケット中で積層される。この外周枠法は、積層構造の感圧性部分に加わる圧力を低減することによって、感圧性の電気的構造又は高温で感圧性になる対象に有利である。この外周枠を用いるいくつかの実施態様においては、感圧性構造から離れて積層外周に優先的に力を集中させるために、全ての辺で(中央が切り取られている)幅が0.5〜12インチ若しくは0.5〜10インチ若しくは1〜8インチ若しくは1〜6インチ若しくは1〜3インチ又は必要とされる枠の幅によっては更に幅の広い15〜50milの厚さの金属の磨かれた「枠」又は加圧板を用いる以外は、本明細書中に記載した熱圧着積層技術を用いる。厚さが50milより厚い封入品の場合には、それに応じてより厚い加圧板を用いる。
【0040】
一態様において、本発明はまた、電気用プラグ(図1の24)が封入構造のシートを越えて伸びる最終構造中への電気用プラグの積層を含む。通電構造は多くの場合、インバーターのような任意の従来の電力供給装置であることができる電源に物理的に接続する必要がある。見て美しい、取付の容易なパネルのためには、扁平な(即ち、比較的平らな)コネクターを積層構造にその縁端部で封入できる。本発明の一実施態様において、本明細書中に記載した積層法は、プラグをレイアップに組み込む場合にはプラグ上に望ましい縁端部を封入する。或いは、シール前にレイアップ中の積層体縁端部においてプラグが嵌め込まれるように、シートは切り込みを入れるか又は切り取ることができる。積層ツールもまた、積層後にプラグ面への適切なアクセスを確実するように考案できる。例えば、雄型プラグが封入の一部である場合には、積層ツールは、雌−雄接続部がレイアップの縁端部に近くなるように、ツールの雌型が雄型プラグにつながれる封入を含むであろう。剥離スプレー、フィルム又は雌型部品の材料組成を、部品冷却後の剥離ツールの除去を助けるために使用できるであろう。
【0041】
上層(若しくは外層)又は上面(若しくは外面)を形成するシート材料は一般に約0.015〜0.375インチ、好ましくは約0.030〜0.125インチの範囲の厚さを有する。下層(若しくはバッキング層)又は下面(若しくはバッキング面)を形成するシート材料は典型的には0.015〜0.375インチ、好ましくは約0.030〜0.125インチの範囲の厚さを有する。
【0042】
本発明の一態様において、本発明の熱可塑性樹脂物品は、通電層の周囲に上部又は下部シート材料を結合させる(又は融着させる)のに充分な温度及び圧力に積層体を供することによって製造できる。上部及び下部シートも通電層に結合できるが、これは本発明には必要ない。しかし、分解、歪み又は他の不所望な影響を完成品又はシート材料において引き起こす温度は回避すべきである。積層温度は典型的には、一緒に積層されるシートの界面において測定する。典型的には、結合温度は約80〜218℃(176〜425°F)、好ましくは約82〜118℃(180〜245°F)の範囲である。本発明のいくつかの実施態様に関しては、温度は下限が80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210又は220℃である。温度は上限が233、220、210、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100又は90℃である。本発明の種々の実施態様の場合には、温度の範囲は温度の下限と温度の任意の上限との任意の組合せであることができる。本発明の熱可塑性樹脂物品の結合又は積層に使用する圧力は好ましくは、約0.034〜2.41MPa(約5〜530ポンド/平方インチゲージ(psig))の範囲である。本発明のいくつかに実施態様の場合には、圧力は下限が5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、275、300又は325psigである。本発明のいくつかの実施態様の場合には、圧力は上限が10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、275、300、325又は350psigである。本発明の種々の実施態様の場合には、圧力の範囲は圧力の下限と圧力の任意の上限との任意の組合せであることができる。
【0043】
本発明に係るいくつかの実施態様において、積層シートの界面の温度は約100〜約160℃、又は約110〜〜160℃、又は約120〜約160℃、又は約130〜約160℃、又は約140〜約160℃、又は約150〜約160℃の範囲である。いくつかの実施態様において、積層シートの温度は、少なくとも一方のシートのTgより約40〜約80℃高い、又は少なくとも一方のシートのTgより約50〜約80℃高い、又は少なくとも一方のシートのTgより約60〜約80℃高い、又は少なくとも一方のシートのTgより約70〜約80℃高い範囲である。
【0044】
いくつかの実施態様において、積層シートの界面の温度は、少なくとも一方の積層シートのTgより約10℃低い温度〜少なくとも一方の積層シートのTgより約80℃高い温度の範囲である。いくつかの実施態様において、積層シートの界面の温度は、少なくとも一方のシートのTgより約10℃低い温度〜両方の積層シートのTgより約80℃高い温度の範囲である。
【0045】
本発明に係るいくつかの実施態様において、積層シートの界面の温度は、所望の整定値に約0.5〜約1.5分、又は0.5〜約2.0分、又は0.5〜約3分、又は約0.5〜4.0分の範囲の時間保持する。本発明に係るいくつかの実施態様において、積層シートの界面の温度は、所望の整定値に約5〜約10分、又は10〜約20分、又は10〜約30分又は約10〜40分の範囲の時間保持する。
【0046】
本発明に係る他の実施態様において、積層シートの界面の温度は、所望の整定値に約0.5〜約120分、又は0.5〜約60分、又は0.5〜約45分又は約0.5〜30分の範囲の時間保持する。本発明に係る他の実施態様において、積層シートの界面の温度は、所望の整定値に約1〜約120分、又は1〜約60分、又は1〜約45分、又は約1〜30分の範囲の時間保持する。本発明に係る他の実施態様において、積層シートの界面の温度は、所望の整定値に約5〜約120分、又は5〜約60分、又は5〜約45分、又は約5〜30分の範囲の時間保持する。本発明に係る他の実施態様において、積層シートの界面の温度は、所望の整定値に約10〜約120分、又は10〜約60分、又は15〜約45分、又は約15〜30分の範囲の時間保持する。
【0047】
本発明に係るいくつかの実施態様において、積層シート上の圧力は、約20〜約400psig、又は約40〜400psig、又は約50〜約400psig、又は約20〜約150psig、又は約40〜約150psigの範囲である。
【0048】
熱可塑性樹脂物品の結合温度は、例えば使用する個々の材料又はブレンド及び使用するシート材料の厚さによって異なり、当業者ならば本明細書中の開示を用いて決定できる。圧力は封入される電気的構造の感圧性によって異なるであろう。一例として、LECパネルは約0.10MPa(15psi)でプレスする。積層体は、適切な温度及び圧力に約5〜45分保持するか、又は上部シート材料と下部シート材料の間に結合が生じるような時間まで保持する。5〜45分後、結合/融着された熱可塑性樹脂物品を、シート材料のガラス転移温度未満に冷えるまで、約0.034〜2.41MPa(約5〜350psi)、好ましくは約0.10MPa(15psi)の圧力下で冷却させる。本発明に係るいくつかの実施態様においては、結合プロセスの間に、シート材料は、通電装置に接着剤を用いずに結合又は融着させることができる。
【0049】
単一積層体レイアップ配置には一般に5〜45分の滞留時間を適用できる。垂直に積み重ねられ且つ剥離紙及び当て板(caul plate)で隔てられた多重積層体レイアップも、たった1回の加熱プラテン開放で複数の積層体が形成されるように構成できる。これらの多重レイアップ配置の滞留時間は45分を超えることができる。多重レイアップ配置に適正な滞留時間は、当業者ならば本明細書中の開示を用いて決定できる。滞留時間の下限は5、10、15、20、25、30又は40分であることができる。滞留時間の上限は45、40、35、30、25、20、15又は10分であることができる。本発明の種々の実施態様の場合に、滞留時間の範囲は滞留時間の下限と滞留時間の任意の上限との任意の組合せであることができる。
【0050】
これらの感圧性電気的構造の熱圧着性積層に使用する比較的低い力は、空気の閉じ込めを引き起こす可能性がある。典型的な空気除去方法には、真空下における積層;原料の予備乾燥;又は空気逃散路、例えば、シート表面の艶消組織、艶消加工された剥離紙の作成、又は空気を閉じ込める傾向がある領域の間への「ガラスシーン(光沢)」布(Danzianから入手可能)の組み込みがある。比較的厚いパネル(厚さ約10mil又はそれ以上)の場合には、封入しようする物品の周囲に、空気除去を更に助けるための薄いポリマーフィルムシムを加えることができる。
【0051】
対象が感温性の場合には、パネルの感温性部分を更に保護するために追加の絶縁層を加えることができる。絶縁層は、完成積層パネルの一部となる内部層であることもできるし、又は絶縁層は、積層プレスから積層パネルが取り出される場合に除去される外層であることもできる。
【0052】
一態様において、本発明は、(1)発光用コンデンサー(LEC)、発光ダイオード(LED)、通電時に発光する印刷「回路基板」、エレクトロクロミック層、光電池(太陽電池)、トランスミッター、レシーバー、アンテナ、電磁石、電極並びに風速及び風向、温度、圧力、相対湿度、降雨量、運動、放射線、特定の化学種又はそれらの組合せを検知できる高性能センサーを含む少なくとも1つの通電装置、並びに(2)少なくとも1種の下部シート及び上部シート材料(上部又は下部シート材料はポリエステルから形成される)を含む積層体に熱及び圧力を適用することによって得られる通電装置を有する熱可塑性樹脂物品に関する。
【0053】
一態様において、本発明は、(1)発光用コンデンサー(LEC)、発光ダイオード(LED)、通電時に発光する印刷「回路基板」、エレクトロクロミック層、光電池(太陽電池)、トランスミッター、レシーバー、アンテナ、電磁石、電極並びに風速及び風向、温度、圧力、相対湿度、降雨量、運動、放射線、特定の化学種又はそれらの組合せを検知できる高性能センサーを含む少なくとも1つの通電装置、並びに(2)少なくとも1種の下部シート及び上部シート材料を含む積層体に熱及び圧力を適用することによって得られる通電装置を有する熱可塑性樹脂物品であって、前記上部又は下部シート材料が、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート又は混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドから形成され、積層プロセスが前述のように外周枠を使用し、前記装置が約1平方フィート(0.93平方メートルより大きく且つ約120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有し、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の破損を引き起こす流れより小さい流れを有する熱可塑性樹脂物品に関する。
【0054】
一態様において、本発明は、(1)発光用コンデンサー(LEC)、発光ダイオード(LED)、通電時に発光する印刷「回路基板」、エレクトロクロミック層、光電池(太陽電池)、トランスミッター、レシーバー、アンテナ、電磁石、電極並びに風速及び風向、温度、圧力、相対湿度、降雨量、運動、放射線、特定の化学種又はそれらの組合せを検知できる高性能センサーを含む少なくとも1つの通電装置、並びに(2)少なくとも1種の下部シート及び上部シート材料を含む積層体に熱及び圧力を適用することによって得られる通電装置を有する熱可塑性樹脂物品であって、前記上部又は下部シート材料が、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート又は混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドから形成され、積層プロセスが前述のように外周枠を使用し、前記装置が約1平方フィート(0.93平方メートルより大きく且つ約120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有し、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の溶け落ちを引き起こす流れより小さい流れを有する熱可塑性樹脂物品に関する。
【0055】
本発明は、積層プロセス中の不所望な流れを低減するための分岐剤を含む又は含んでなる熱可塑性樹脂物品及びその積層品の製造方法に関する。分岐剤の使用は予想外に、本明細書中に記載した積層プロセスに充分な流れを可能にする。これまでは、本明細書中に記載したような積層プロセスにおける分岐剤の使用には、経済的な理由から又は積層品若しくは封入品への損傷のために禁止されていた温度、圧力及び/又はサイクル時間が必要であると考えられていた。
【0056】
本発明に係るいくつかの実施態様において、層の面積の変化によって測定される、本発明の物品の第1層及び第2層の流れの低下は、積層中において分岐剤を含まない同様なコポリエステル層に比較して約15%又は約25%又は約27%又は約30%又は約33%又は約35%又は約36%又は約40%又は約42%又は約50%又は約52%又は約55%又は約60%又は約65%又は約70%又は約75%又は約78%又は約80%又は約85%又は約90%又は約95%又は約100%又は約105%又は約108%より多く減少する。流れの低下は、積層前と積層後においてシートの面積を測定することによって求める。分岐剤を含むシートの面積の変化を、分岐剤を含まないシートの面積から差し引き、その差を、分岐剤を含むシートの面積の変化で割る。例を表Iに示してある。
【0057】
流れの低下(%)=[分岐剤を含まないシートの面積変化−分岐剤を含むシートの面積変化]/分岐剤を含むシートの面積変化
一態様において、本発明は、ポリエステル層の総重量に基づきポリエステル層の約0.05〜0.75重量%、又は約0.5〜約0.50重量%、又は約0.5〜約0.25重量%を構成する分岐剤に関する。
【0058】
本発明の一実施態様において、適当なポリエステルには、Eastman Chemical CompanyからPETG Copolyesterとして市販されているコポリエステルがある。これらのコポリエステルは、二酸残基及びジオール残基の反復単位を含む。二残残基の少なくとも80モル%がテレフタル酸残基である。コポリエステルの二酸成分は、ジカルボン酸単位の合計が100モル%に等しくなるように20モル%以下の1種又はそれ以上の他のジカルボン酸を任意選択で含むことができる。このような他のジカルボン酸の例としては、フタル酸、イソフタル酸、1,4−、1,5−、2,6−若しくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(シス、トランス又はそれらの混合物であることができる)、シクロヘキサン二酢酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−オキシ二安息香酸、3,3’−及び4,4’−ビ−フェニルジカルボン酸並びに脂肪族ジカルボン酸、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナン、デカン及びドデカンジカルボン酸が挙げられる。本明細書中に記載したジカルボン酸の「残基」は、二酸のジエステルの一部分を構成する二酸の部分である。二酸残基は、ジカルボン酸、そのジアルキルエステル、例えばテレフタル酸ジメチル及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、その酸塩化物及び場合によってはその無水物に由来することができる。
【0059】
本発明の一実施態様において、コポリエステルのジオール成分は、98〜1モル%のエチレングリコール残基と2〜99モル%の1,3−シクロヘキサンジメタノール及び/又は1,4−シクロヘキサンジメタノールを含む。ジオール成分の20モル%以下は、全ジオール残基の合計が100モル%となるようにエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノール以外の1種又はそれ以上のジオールの残基で構成されることができる。このような追加のジオールの例には、炭素数3〜16の脂環式ジオール及び炭素数3〜12の脂肪族ジオールがある。このような他のジオールの具体例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)及びp−キシリレングリコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。コポリエステルはまた、エラストマー的挙動を向上させるために少量のポリエチレングリコール又はポリテトラメチレングリコール、例えば重量平均分子量が約500〜2000の範囲のポリエチレングリコール及びポリテトラメチレングリコールで改質することができる。本発明の一実施態様において、コポリエステルのジオール成分はエチレングリコール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの残基から本質的に成り、エチレングリコール残基:1,4−シクロヘキサンジメタノール残基のモル比は約10:90〜約90:10又は好ましくは約60:40〜約80:20又は38:62〜約88:12である。
【0060】
本発明の一実施態様において、ポリエステルのジオール部分は、エチレングリコール及び1,4−又は1,3−シクロヘキサンジメタノール(シス−、トランス−及びそれらの混合物)を含む。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分は、エチレングリコール及び1,4−又は1,3−シクロヘキサンジメタノール(シス−、トランス−及びそれらの混合物)から本質的になる。本発明の一実施態様において、ポリエステルのジオール部分はネオペンチルグリコール及び1,4−又は1,3−シクロヘキサンジメタノール(シス−、トランス−及びそれらの混合物)を含む。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分はネオペンチルグリコール及び1,4−又は1,3−シクロヘキサンジメタノール(シス−、トランス−及びそれらの混合物)から本質的になる。本発明の一実施態様において、ポリエステルのジオール部分はエチレングリコール及び2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分はエチレングリコール及び2−メチル−1,3−プロパンジオールから本質的になる。本発明の一実施態様において、ポリエステルのジオール部分はエチレングリコール及びネオペンチルグリコールを含む。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分はエチレングリコール及びネオペンチルグリコールから本質的になる。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分は、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス−、トランス−及びそれらの混合物)及び2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分は、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノール(シス−、トランス−及びそれらの混合物)及び2−メチル−1,3−プロパンジオールから本質的になる。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分は、ネオペンチルグリコール及び2−メチル−1,3−プロパンジオールを含む。本発明の別の実施態様において、ポリエステルのジオール部分は、ネオペンチルグリコール及び2−メチル−1,3−プロパンジオールから本質的になる。
【0061】
本発明において有用なポリカーボネートは、炭酸結合によって結合された二価フェノールの二価残基を含み、構造式I及びIIで表される。
【0062】
【化1】

【0063】
前記式において、Aは炭素数1〜8のアルキレン基;炭素数2〜8のアルキリデン基;炭素数5〜15のシクロアルキレン基;炭素数5〜15のシクロアルキリデン基;カルボニル基;酸素原子;硫黄原子;−SO−若しくは−SO2;又はe及びgが共に数0〜1を表す基を示し;ZはF、Cl、Br又はC1〜C4アルキルを示し;いくつかのZ基が1つのアリール基の置換基である場合には、それらは同一であっても互いに異なってもよく;dは0〜4の整数を示し;fは0〜3の整数を示す。
【0064】
用語「アルキレン」は、2つの原子価が異なる炭素原子上に存在する二価飽和脂肪族基、例えばエチレン;1,3−プロピレン;1,2−プロピレン;1,4−ブチレン;1,3−ブチレン;1,2−ブチレン;アミレン;イソアミレンなどを意味する。用語「アルキリデン」は、2個の原子価が同一炭素原子上に存在する二価基、例えばエチリデン、プロピリデン、イソプロピリジン、ブチリデン、イソブチリデン、アミリデン、イソアミリデン、3,5,5−トリメチルへキシリデンを意味する。「シクロアルキレン」の例はシクロプロピレン、シクロブチレン及びシクロヘキシレンである。「シクロアルキリデン」の例はシクロプロピリデン、シクロブチリデン及びシクロへキシリデンである。C1〜C4アルキルの例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及びイソブチルである。
【0065】
使用する二価フェノールのいくつかの代表的なものは、ビスフェノール類、例えば2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)、3,3,5−トリメチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチル−ブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルフィド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン及び4,4’−スルホニルジフェノールである。他の二価フェノール類としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)−アルカン類、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルフィド類、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホン類及びα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン類並びにそれらの核アルキル化化合物が挙げられるであろう。これらの及び更なる適当な二価フェノール類は、例えば、米国特許第2,991,273号;第2,999,835号;第2,999,846号;第3,028,365号;第3,148,172号;第3,153,008号;第3,271,367号;第4,982,014号;第5,010,162号に記載されており、これらの特許全てを引用することによって本明細書中に組み入れる。本発明のポリカーボネートは、それらの構造中に、1種又はそれ以上の適当なビスフェノール類に由来する単位を伴うことができる。最も好ましい二価フェノールは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)である。
【0066】
カーボネート前駆体は典型的にはハロゲン化カルボニル、ジアリールカーボネート又はビスハロホルメートである。ハロゲン化カルボニルには、例えば臭化カルボニル、塩化カルボニル及びそれらの混合物がある。ビスハロホルメートには、二価フェノール類のビスハロホルメート、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ヒドロキノンなどのビスクロロホルメート又はグリコールのハロホルメートなどがある。前記カーボネート前駆体の全てが有用であるが、ホスゲンとしても知られる塩化カルボニル及び炭酸ジフェニルが好ましい。
【0067】
芳香族ポリカーボネートは、任意の方法で、例えば二価フェノールをカーボネート前駆体、例えばホスゲン、ハロホルメート又はカーボネートエステルとメルト又は溶液の形態で反応させることによって製造できる。適当な方法は、米国特許第2,991,273号;第2,999,846号;第3,028,365号;第3,153,008号;第4,123,436号に記載されており、これらの特許全てを引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0068】
本発明のいくつかの実施態様において、ポリカーボネートは、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定した重量平均分子量が約10,000〜200,000、好ましくは15,000〜80,000及び300℃におけるASTM D−1238によるメルトフローインデックスが約1〜65g/10分、好ましくは約2〜30g/10分である。ポリカーボネートは分岐又は非分岐のいずれでもよい。ポリカーボネートは種々の既知の末端基を有することができると考えられる。これらの樹脂は知られており、商業的に容易に入手できる。
【0069】
1種又はそれ以上の分岐剤も本発明のポリカーボネートの製造に使用できる。典型的には、三官能価及び四官能価フェノール類及び炭酸類並びに炭酸側鎖を有するビスフェノール類のような分岐剤を使用する。一例としては、1,4−ビス(4’,4”−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン及びトリスフェノールTCが挙げられるであろう。窒素含有分岐剤も使用される。例としては、シアン酸塩化物(cyanic chloride)及び3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールが挙げられるであろう。
【0070】
本発明に関連して適当なポリアクリレートは、式III:
【0071】
【化2】

【0072】
[式中、Rは水素、メチル若しくはカルボキシル基及びそれらのブレンドであり、R1は水素、メチル、エチル及び炭素数3〜20の他のアルキル若しくはシクロアルキル官能基、アミニル、ヒドロキシル、N−ヒドロキシメチル、エポキシ及びジアルケニル官能基又はそれらのブレンドである]
の反復単位を有するポリアクリレートエステルポリマーである。R1部分の例は水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、2−エチルヘキシル、2−エチルブチル、ドデシル、ヘキサデシル、イソボルニル、シクロヘキシル、t−ブチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル、2−エトキシエチル、N−ヒドロキシメチル、グリシジル又は1,4−ブチレンジメタクリル官能基である。
【0073】
本発明のいくつかの実施態様との関連で適当なポリエステル/ポリカーボネート混和性ブレンドは、
(a)脂肪族、脂環式及び/又は芳香族ジカルボン酸からなる群から選ばれた二酸残基成分(前記芳香族ジカルボン酸の芳香族部分は炭素数が6〜20であり、前記脂肪族又は脂環式ジカルボン酸の脂肪族又は脂環式部分は炭素数が3〜20である)並びに45〜100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノール及び任意選択で炭素数が2〜20の少なくとも1種の追加脂肪族グリコールを含むグリコール残基成分(グリコール成分の総モル百分率は100モル%に等しい)を含むポリエステル1〜99重量%と
(b)ポリカーボネート1〜99重量%
を含み、ポリエステル/ポリカーボネートブレンド中のポリエステル及びポリカーボネートの合計百分率は100重量%に等しい。適当なポリエステル/ポリカーボネートブレンドは米国特許第6,896,966号に例示されている。
【0074】
一実施態様において、本発明において適当なポリエステル/ポリカーボネートブレンド組成物は、50〜90重量%のポリエステルと50〜10重量%のポリカーボネートを含む。別の実施態様において、ブレンド組成物は、60〜80重量%のポリエステルと40〜20重量%のポリカーボネートを含む。
【0075】
本発明のポリエステル/ポリカーボネートブレンドを有するいくつかの実施態様において特に適当なポリエステルは、式IV:
【0076】
【化3】

【0077】
[式中、Rは1,4−シクロヘキサンジメタノール又は1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭素数2〜20の少なくとも1種のアリール、アルカン又はシクロアルカン含有ジオールとの混合物の残基であり;R1は炭素数3〜20のアリール、脂肪族又はシクロアルカン含有二酸に由来する脱炭酸残基である]
の反復単位を有するポリエステルである。ジオール部分Rの例はエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−若しくは1,3−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールである。一実施態様において、第2のグリコールはエチレングリコール及びその混合物を含む。二酸部分R1の例は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4−、1,5−及び2,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、並びにシス−又はトランス−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。有用な芳香族ジカルボン酸の例は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トランス3,3’−及びトランス4,4−スチルベンジカルボン酸、4,4’−ジベンジルジカルボン酸、1,4−、1,5’−、2,3−、2,6−及び2,7−ナフタレンジカルボン酸である。本発明の範囲内のこれらの二酸の化学的等価物としては、エステル、アルキルエステル、ジアルキルエステル、ジアリールエステル、無水物、塩、酸塩化物、酸臭化物などが挙げられ、これらは本発明の範囲に含まれる。本発明のいくつかの実施態様において、好ましいジカルボン酸はテレフタル酸及びイソフタル酸又はそれらの混合物である。いくつかの実施態様において、好ましい化学的等価物はテレフタル酸及びイソフタル酸のジアルキルエステルを含む。任意のこれらの酸又は等価物の混合物を使用できる。
【0078】
いくつかの実施態様において、本発明の範囲内で有用なポリエステルは、40〜100モル%、より好ましくは60〜80モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを有するポリエステルを含む(前記ポリエステル中のグリコール成分の総モル百分率は100モル%に等しい)。グリコール成分の残りは本明細書中に記載した任意の他のグリコールを含むが、いくつかの実施態様においては、好ましくは0〜60モル%、より好ましくは20〜40モル%の量のエチレングリコールを含む。本明細書中に記載した任意の二酸を使用できるが、いくつかの実施態様には80〜100モル%のテレフタル酸が好ましい。
【0079】
ポリエステル/ポリカーボネート混和性ブレンドの別の実施態様において、本発明の範囲内で有用なポリエステルは、100モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールを有するポリエステルである(ポリエステル中のグリコール成分の総モル百分率は100モル%に等しい)。また、この特定の実施態様において、イソフタル酸が5〜50モル%、より好ましくは20〜40モル%の量で存在するのが望ましい。本明細書中に記載した任意の二酸を使用できるが、いくつかの実施態様においては、テレフタル酸が95〜50モル%の量で存在するのが好ましい。
【0080】
当業界でよく知られた従来の重縮合法を、本発明において有用なポリエステルの製造に使用する。これらは、1種又はそれ以上の酸と1種又はそれ以上のジオールとの直接縮合又は低級アルキルエステルを用いたエステル交換を含む。一態様において、本発明のポリエステルのインヘレント粘度は、フェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒100mL中にポリマー約0.50gを溶解させることによって測定した場合に25℃において約0.5〜約1.2dL/g、約0.4〜約1.0dL/g又は約0.6〜約0.9dL/gの範囲であることができる。
【0081】
本発明において有用なポリエステルを形成するための重合反応は、1種又はそれ以上の従来の重合触媒の存在下で実施できる。ポリエステル縮合に典型的な触媒又は触媒系は当業界でよく知られている。適当な触媒は、例えば米国特許第4,025,492号、第4,136,089号、第4,176,224号、第4,238,593号及び第4,208,527号に開示されており、これらの特許の開示を引用することによって本明細書中に組み入れる。更に、R.E.Wilfong,Journal of Polymer Science,54,385(1961)は、ポリエステル縮合反応において有用な典型的な触媒を記載している。好ましい触媒系としては、Ti、Ti/P、Mn/Ti/Co/P、Mn/Ti/P、Zn/Ti/Co/P、Zn/Al及びLi/Alが挙げられる。コバルトを重縮合に用いない場合には、共重合性トナーをコポリエステル中に組み入れて、色が重要な特性である可能性のある用途に適するようにこれらのコポリエステルの色を制御することができる。触媒及びトナーに加えて、酸化防止剤、染料などのような他の従来の添加剤をコポリエステル化において典型的な量で使用できる。
【0082】
いくつかの実施態様においては、1種又はそれ以上の分岐剤もまた、本発明において有用なポリエステルの製造において有用な場合がある。分岐剤は、ポリエステルの酸単位部分又はグリコール単位部分に分岐をもたらすものであることもできるし、或いは混成物であることもできる。このような分岐剤の例は、多官能価酸、多官能価グリコール及び酸/グリコール混成物である。例としては、トリ若しくはテトラカルボン酸、例えばトリメシン酸、ピロメリット酸及びそれらの低級エステルなど、並びにペンタエリスリトールのようなテトロール類が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、トリオール類、例えばトリメチロールプロパン又はジヒドロキシカルボン酸及びヒドロキシジカルボン酸並びに誘導体、例えばジメチルヒドロキシテレフタレートなども本発明において有用である。トリメリット酸無水物が好ましい分岐剤である。分岐剤はポリエステル自体を分岐させるため又は本発明のポリエステル/ポリカーボネートブレンドを分岐させるために使用できる。
【0083】
ポリマー混和性は、本明細書中においては、単相を形成するポリマーブレンド又は混合物と定義する。
【0084】
本発明において有用な混和性ポリマーブレンドは、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールとの混合物に基づくポリエステルとポリカーボネートのブレンドに関するResearch Disclosure 22921(May,1983)に最初に開示されたものである。同様な混和性ブレンドが米国特許第4,786,692号及び第5,478,896号に開示されている。ポリカーボネートと別の系列のポリエステル、テレフタル酸とイソフタル酸との混合物と1,4−シクロヘキサンジメタノールに基づくものとのブレンドは米国特許第4,188,314号及び第4,391,954号に開示されている。英国特許第1,599,230号明細書(1980年6月16日公開)は、ポリカーボネートと1,4−シクロヘキサンジメタノール及び六員炭素環式ジカルボン酸のポリエステルとのブレンドを開示している。Mohnらは、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸又はテレフタル酸/イソフタル酸混合物に基づくポリエステルとポリカーボネートとのブレンドの熱的性質について報告した[J.Appl.Polym.Sci.,23,575(1979)]。
【0085】
本発明の一実施態様は、通電層(1)及び上部又は下部シート材料(2)から成る本発明の積層体であり、同一の熱可塑性樹脂物品内にこのような積層体の倍数、即ち通電層、上部又は下部シート材料、通電層、上部又は下部シート材料などが存在できることも本発明の範囲内である。
【0086】
本発明のいくつか実施態様において有用なポリエステルは、従来の溶融加工法技術によって製造できる。例えばポリエステルのペレットをポリカーボネートのペレットと混合し、その後に一軸又は二軸スクリュー押出機上で溶融ブレンドして均質混合物を形成することができる。
【0087】
本発明の種々の実施態様において有用なポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエステル/ポリカーボネートブレンドは、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエステル/ポリカーボネートブレンド中における有用性が当業界で知られている耐衝撃性改良剤、紫外線安定剤、安定剤、成核剤、増量剤、難燃剤、強化剤、充填剤、帯電防止剤、抗菌剤、抗真菌剤、セルフクリーニング又は低表面エネルギー剤、離型剤、香り、着色剤、酸化防止剤、押出助剤、スリップ剤、剥離剤、光拡散用添加剤、カーボンブラック及び他の顔料など全て及びそれらの混合物を含むことができる。特に、必要に応じて更なる減色のために燐をベースとする安定剤を使用することは当業界でよく知られている。
【0088】
本発明の熱可塑性樹脂物品の製造に使用する上部及び下部シート材料は同一であってもよい。例えば、上部シート材料と下部シート材料を異なるポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート若しくはポリエステル/ポリカーボネートブレンド(本明細書中に定義)又は異なる添加剤、例えばシーティングの透明度を変える顔料添加剤を含む組成物から製造することができる。
【0089】
本発明の熱可塑性樹脂物品の製造に使用するシート材料は透明、半透明であることもできるし、或いは求められる美的効果によっては1つの層が不透明であることもできる。上部及び下部シート材料は透明又は半透明の程度、更に色が異なることができる。上部及び下部シート材料を化学的に異なる材料から製造する場合には、この異なる材料は熱相容性でなければならない。ここで使用する用語「熱相溶性」は、シート材料の層を高温高圧条件下で結合させる場合に、それらの層がほぼ等しい熱膨張又は収縮を受け、それによって固体表面が実質的に平面になることを意味する。
【0090】
一部の電気部品は屋外環境への暴露時に感湿性である、例えば電気部品が部分的又は完全に故障する可能性がある。原料の予備乾燥の他に、EVOH又はナノクレイ含浸メタキシレンジアミン(MXD6)の層のような追加の防湿層の封入が、既に存在するコポリエステルシーティングなどを越えて必要な場合がある。これらの防湿層は、積層体レイアップにフィルムとして加えるか、又はプラスチックシーティング上に直接同時押出することができる。乾燥剤又は他の親水性水分捕捉剤もパネルと共に封入できる。
【0091】
本発明の物品及びシーティングの製造に使用するシート材料を構成する組成物及びそのブレンドは、一部の最終用途に必要か又は望ましい可能性があるほどには硬質でも耐引掻き性でもないかもしれない。例えば、熱可塑性樹脂物品の外面が引掻き又は摩耗を受ける可能性がある最終用途(例えば、壁の装飾への使用)は、外面への耐摩耗性被膜の適用を必要とする場合がある。例えば、フッ素化炭化水素、ポリ(ペルフルオロエチレン)、例えばduPont Chemical Company製のTEDLAR又は配向ポリ(エチレンテレフタレート)、例えばduPont Chemical Company製のMYLARからなるフィルムを、耐薬品性及び耐摩耗性の両者の改善に使用できる。耐摩耗性フィルムは典型的には、約0.025〜0.254mm(0.001〜0.01インチ)の範囲、好ましくは約0.051〜0.178mm(0.002〜0.007インチ)の範囲、最も好ましくは約0.076mm(0.003インチ)の厚さを有する。しかし、このようなフィルムの厚さは装置の稼働コスト及び機能の理由でのみ限定されるので、これらの範囲より薄いか又は厚い耐摩耗性フィルムも使用できる。熱可塑性樹脂シートと耐摩耗性フィルムとの間に、場合によっては接着剤を使用することもできる。
【0092】
或いは、耐摩耗性被膜をプラスチックフィルムに適用し、次いで耐摩耗性被膜を有するフィルムを本発明の物品の一面又は両面に積層することもできる。フィルムは、積層プロセスと適合する多数の熱可塑性樹脂材料、例えばポリ塩化ビニル、PETGコポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、混和性ポリエステル/ポリカーボネートブレンドなどから選ばれることができる。
【0093】
フィルムの厚さは0.0025〜0.381mm(0.001〜0.015インチ)の範囲であることができ、0.0762〜0.203mm(0.003〜0.008)の厚さが最も好ましい。塗料(被膜)は、熱によって硬化される多数の市販材料、例えばポリウレタン、フッ素化ポリウレタン及びシリコーン樹脂から選ばれることもできるし、或いは紫外線(UV)又は電子ビーム(EB)放射によって硬化される材料から選ばれることもできる。このようなUV/EB硬化材料は、アクリル樹脂及びフッ素、シリコーン、エポキシ、ポリエステル、ポリエーテル又はカプロラクトン残基若しくは官能基を含む改質アクリル樹脂の一般的クラスに分類される。選択される特定の被膜(塗料)材料は要求される耐摩耗性の程度によって主に決まるであろう。耐摩耗性塗料の液体熱硬化性又はUV/EB硬化性前駆体の適用は常法に従って実施でき、通常はロール塗布機上で行う。フィルムに適用する被膜(塗料)の厚さは一般に0.0076〜0.051mm(0.0003〜0.002インチ)であり、約0.0127mm(0.0005インチ)の厚さが最も好ましい。プライマー又はタイ層もまた、付着を促進するために、ハードコートとフィルム層の間に使用できる。
【0094】
これらの被膜(塗料)は、ペイントの適用と同様な方法で適用できる。被膜(塗料)は、揮発分をほとんど含まない、主に未稀釈の材料として、又は溶液型又は水性材料として存在する。プロセスの一部として構造に積層できるフィルムに適用する他に、これらは完成品に直接適用することもできる。適用は、ロール、ペイント、スプレー、ミスト、ディップ(浸漬)などのような種々の方法によって実施できる。
【0095】
ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエステル/ポリカーボネート混和性ブレンドをベースとする熱可塑性樹脂物品又は積層体はその後に、種々の有用な製品に造形及び熱成形することができる。説明に役立つ実例として、熱可塑性樹脂物品は、湾曲した標識、バックライト付き計器パネル、携帯電話パネル、コンピューターキーボード、安全ベスト、床材、シャワードア、プライバシーパーティション及びテーブルトップ並びに他の家具部品に熱成形するか又は他の方法で造形できる。通電装置の性質によっては、本発明の熱可塑性樹脂物品は、二次成形し、加熱予張りさせ(heat draped)又は成形することができる。更に、本発明の物品は、それから製造される建築材料の運搬及び取り付けを容易にする低密度と共に魅力的な外観を有する。
【0096】
ここに記載した回分積層法の他に、連続積層方法も使用できる。例えば、LECパネルは柔軟であるので、インライン積層プロセスを構成するシート押出ライン上でロールスタックを通して供給することができる。典型的な注入通路は通常、ポリマーが接する第2及び第3磨きロール(又はテキスチャード加工ロール)の間である。これは、上向きの生成物流を有する縦型ロールスタックのための中及び上冷却ロールを含む。適正な積層を達成するために、LECパネルは、照明側が作成されるプラスチックシートに接する「フェイスダウン」で供給する必要があるであろう。適正な付着温度は175〜425°F、好ましくは180〜300°Fであり、これは冷却ロールによって制御される。冷却ロールは20°F未満、好ましくは5°F未満の低い横方向温度差で動作しなければならない。真の封入が必要とされる場合には、複数の材料をロールスタック中に供給することができる。例えば、予熱プラスチックシーティングをLECパネルと共に、LECパネルが完全に封入されるようにシート押出ライン上でロールスタックに通して供給することができる。
【0097】
プラスチックシーティングをLECパネル2枚のシートの間に供給しながらプラスチックシーティングの2つのロールを連続的に巻出すような他の連続法も想定できる。適正な付着を達成するためには、回分積層プロセス中の前記同一温度にプラスチックを加熱するためのオーブン又は他の加熱装置が必要であろう。次に、一連の加圧ニップローラー又は同様な加圧装置を用いて適正な付着を達成できるであろう。空気除去の観点からは、回分積層法に関して記載した方法と同様なインライン真空室又はガラスシーン及び同様な布の使用も可能であろう。積層を外部熱以外の手段によって引き起こすこの型の連続法もまた、想定できるであろう。例えば、溶剤接着(シート全体又は縁端部だけ)又は端封(摩擦法、レーザーによる標的溶融又は他の装置によって)も可能である。
【0098】
この方法を更に最適化するために、インジウム錫酸化物(ITO)又は同様な機能性LEC層を、前述の方法−シート押出ラインを用いるインライン積層又は二本ロール巻出し法でプラスチックシートに直接適用できるであろう。この方法は、LECパネル中の必要な層の総数を減少させることによって全体構造を単純化できるであろう。
【0099】
例1の方法は、加熱積層プレスを用いてパネル中に通電装置を適切に封入する方法を示している。真空バギング操作及びオーブンを用いることによって、加熱積層プレスを用いずに同様な条件を得ることができるであろう。別の方法は、大気圧+多重積層スタック中のパネルの重量とバック内側の真空との圧力差である低い「圧力」を適用する。この真空バギングレイアップ全体を次に「オートクレーブ」オーブンに入れる。
【実施例】
【0100】
例1:
レイアップを、LECパネルの各面に以下の層配列に従って作成した:圧力分散用の60milゴムシリコーンパッド、30mil磨き金属板、「Ultracast特許」剥離紙、「Stratafilm」ハードコートフィルム(厚さ〜5mil)、118mil Spectar(登録商標)コポリエステルプラスチックシーティング(空気の閉じ込めを防ぐために艶消面がLECパネルに向いており、表面粗度又は「Ra」値が110マイクロインチである)、17milのCeeLite(登録商標)発光コンデンサー(LEC)パネル。パネルをその周囲において15milのSpectarフィルムで縁取って、この領域において空気の閉じ込めが起こるのを防止した。このレイアップを、上部及び底部プレート温度整定値が120℃の加熱プレスに移した。プレス中に前記構造を適正に位置付けるのを助けるために、このレイアップの真下に金属トランスファープレートも用いた。前記構造の周囲において約5,000フィート−ポンド(プラテンの重量が増加されるため、接触圧よりもわずかに高い)の設定値を用いてプレスを閉じた。約6分後(界面シート温度が約230°Fに達する場合に)、プレートへの加熱を止め、冷却水を出した。界面シート温度が130°Fに達したら、検査のためにレイアップをプレスから取り出した。一方向に低くなる圧力、短い時間及び標準的加熱(コポリエステル−コポリエステル積層に標準的)の複合効果により、その他の場合には通電時に現れるピンポイントの溶け落ちがないこと及びまた過度のコポリエステルシートの、ひいてはLECパネルの流れ又は変形によって引き起こされるパネル破断ラインがないことからわかる、封入光パネルを損なわない良質の積層が得られた。本発明の他の実施態様においては、他の方法が、加熱プラテンを用いる代わりに同一又は同様な条件を達成できるであろう。例えば、レイアップを対流式オーブン中に転がり込ませて、同様な効果を達成できるであろう。
【0101】
例2:
真空下でレイアップを用いる以外は、例1に従った。レイアップを、特大の平らな金属トランスファープレート上に置いた。特大のトランスファープレートの最も外側の外周縁端部を、General Sealantsから入手可能な幅1/2インチの真空シーラントテープで縁取りした。Eastmanの圧延GS5の薄いプラスチックフィルムを、レイアップ全体の上に載せ、粘着性のシーラントテープ中に押し込み、構造を完全にシールした。真空源に取り付けられたシリンジによってフィルムに穴を開け且つシールされた構造を排気することによって、圧力を低下させた。穴の周囲の漏れなくすために、小さい正方形の真空シーラントテープをシリンジの周囲に置いた。真空の向きを変え、例1に記載した加熱及び冷却工程の間、「オン」にしておいた。
【0102】
例3:
過度のコポリエステルシートの(ひいてはLECパネルの)流れ又は変形を防ぐ条件は、通電時に明らかになる欠陥、例えば溶け落ちを生じずに所望の積層を行えるであろう。積層パラメーターは、温度、圧力及び時間の軸を有する三次元操作面(operating surface)に換算して考えることができる。LECパネルの最大操作面は、非感温性及び/又は非感圧性の品物又は装置のコポリエステル−コポリエステル積層の最大操作面の下にある。例えば、積層の間にポリマーシートの面上に1/2インチの膨張が生じることは、シート−シート界面において拡散性のポリマー鎖の絡み合いが起こったことの表れである(12”×12”のシーティングが12.5”×12.5”の積層体に変形し、次いでこれを切って適当な大きさにする)。この状態は、比較的に非脆弱性の品物又は装置の積層には充分に許容されることができるが、前述のように破断ライン及びピンポイントの欠陥が生じるLECパネルの場合には許容されることができない。流れのない積層体を製造するために温度、圧力又は時間(単独で又は組合せて)を低下させることは、LECパネルを封入するための1つの許容され得る方法である。例1においては、流れ及びシートの変形を減少させるために、圧力を低下させ、時間を短縮した。最大操作面の概念によれば、標準圧及びより長いサイクル時間においては温度を低下させて、同じ効果を得ることが可能である。具体例は以下の通りである: レイアップを、以下の層配列:圧力分散用の60milゴムシリコーンパッド、30mil磨き金属板、「Ultracast特許」剥離紙、「Stratafilm」ハードコートフィルム(厚さ〜5mil)、118mil Spectar(登録商標)コポリエステルプラスチックシーティング(空気の閉じ込めを防ぐための艶消面を有する)、17milのCeeLite(登録商標)発光コンデンサー(LEC)パネル、CeeLite外周近くの15milのSpectarシムフィルムに従って作成し、レイアップを完成させるためにプラスチックシーティングからゴムパッドまで前記の逆を続ける。このレイアップを、上部及び底部プレート温度整定値が100℃の加熱プレスに移した。プレス中に前記構造を適正に位置付けるのを助けるために、必要に応じて、このレイアップの真下に金属トランスファープレートを用いた。前記レイアップの周囲において約20,000フィート−ポンドの圧力設定値を用いて(12”×12”の構造に対して約140psi)プレスを閉じた。約30分後、プレートへの加熱を止め、冷却水を出した。界面シート温度が130°Fに達したら、検査のためにレイアップをプレスから取り出した。より低い圧力、より長い時間及び標準圧力(コポリエステル−コポリエステル積層に標準的)の本発明の選択の複合効果により、その他の場合には通電時に現れるピンポイントの溶け落ちがないこと及びまた過度のコポリエステルシートの、ひいてはLECパネルの流れ又は変形によって引き起こされるパネル破断ラインがないことからわかる、封入光パネルを損なわない良質の積層が得られた。
【0103】
積層は概念上、圧力、温度及び時間によって規定される三次元操作容量(operating volume)において起こることに留意されたい。理論によって拘束するつもりはないが、出願人らは上部/最大操作面に近づくにつれて、高いポリマー鎖易動度がより多くの鎖の絡み合い、ひいてはより強い積層をもたらすために、より強い積層が形成されると考える。目標は、過剰の材料の流れ又は変形を起こらないようにしながら、鎖の絡み合いを最大にすることである。
【0104】
例4:
プラテン温度を105℃にし、各Spectarシートが厚さ60imlであり、CeeLiteパネルが厚さわずか9milであり(裏面の遮蔽を除去した)且つパネル周囲に使用したフィルムシムが厚さ10milである以外は、例3を繰り返した。冷却前の加熱サイクルの時間を20分としながら、圧力を90psiに設定した。これによって、破断線又はピンポイントの溶け落ちのない「完璧な」パネルが得られた。
【0105】
例5(データの裏付けのない例):
積層温度要件を減少させ且つ/又は封入LECパネルへの水分拡散遮断性を増加させるために、LECパネルの周囲にEMAC、EVA、EVOH、PURなどの厚さ5milのフィルムを加える以外は、例1に従う。
【0106】
例6:
LECパネルの非照明側(裏側)の磨き金属板とUltracast剥離紙との間の全ての辺(中央は切り取ってある)に厚さ30milの金属「枠」を幅1インチで組み込む以外は、例1に従った。この挿入物が圧力を積層外周に移し、気泡の除去を助け、電気部品への圧力を低下させ、それによってピンポイントの溶け落ち欠陥が起こらないようにした。積層前のLECパネルには破断線もピンポイント溶け落ちもなく、従ってLECパネルは動作可能であった。しかし、30milの枠は17milのLECパネルに比較して厚いので、約12milのポケット又はキャビティが形成された。ポケットが存在すると、ポケット中でパネルにしわが寄り、充分に機能するがしわの寄った、見て美しくない封入LECパネルが形成された。より薄い枠を用いた更なる実験は、ポケットをより薄くし、パネルにしわが寄らないようにした。他の実験は、キャビティ中の間隙を満たすようにパネルの裏側にフィルム層を積み重ねることを含んだ。更に、LECパネルを感圧性接着剤でポリマー封入シートに接着した。パネルの裏側にポケットが形成されたにもかかわらず、空気が照明側ではなくパネルの裏側に導かれたので、積層LECパネルはしわがなく、見て美しかった。更に、明澄なポリエチレン、次いで液体油フィルム(2組の異なる実験で)をLECパネルの照明側に置いて、これらの領域に積層が起こらないことを確実にした。
【0107】
出願人らは、しわを防ぐために構成材料を変化させるか又はLECパネルの1つの層を金属枠に囲まれた領域(アンカーポイントとして働く)に封入されるその他よりも幅広くすると、しわ又は歪みは許容され得る、可能な最小レベルに保たれるはずであると考える。要約すると、「ポケット」法を用いる場合には、LECパネルは充分に機能的であるが好ましくない美的効果を及ぼすが、この好ましくない美的効果は、この例に記載した方法のいずれかによって軽減されるであろう。
【0108】
例7(データの裏付けのない例):
前記発光パネル(典型的には全表面積にわたって発光する)をパネルの一部分のみが発光するように変えられた同様なパネルと置き換えた以外は、例1に従う。例えば、化石の葉の形状に又は化石の葉の形状で燐光体成分を適用すると、この形状だけが螢光を発するであろう。
【0109】
例8(データの裏付けのない例):
例1からの構造は、積層の間に、冷却前に又は約220〜300°Fに再加熱された場合に種々の形状に熱成形又はドレープ成形することができる。これより高い温度はシート材料の流れを引き起こし、ひいてはLECパネルを作動しないようにするおそれがある。これより低温から始めるべきであり、圧力を低下させ且つ/又は積層時間を短縮するために温度は少しずつ増加させることができる。
【0110】
例9:
レイアップを、118milのSpectarコポリエステルプラスチックシーティング、CeeLite LECパネル及び118milのSpectarコポリエステルプラスチックシーティングを用いて構成した。コポリエステル溶接棒を含む携帯用ミニ押出機を用いて、外周近くの4つの縁端部をシールした。スペーサー(60mil×0.5”×12”のSpectar)を2枚のシートの間に加えて、溶接棒によって充填される間隙を作った。次いで、縁端部を、美的目的でカットし且つ平らにした。
【0111】
SPECTAR(登録商標)は、1,4−シクロヘキサンジメタノールをコモノマーとして含む非晶質コポリエステルである。
【0112】
PROVISTA(登録商標)は、1,4−シクロヘキサンジメタノールをコモノマーとして及びトリメリット酸無水物を分岐剤として含む非晶質コポリエステルである。
【0113】
例10
Spectar及びProvistaを個別に、120℃、ラム圧7000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後30秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.3平方インチであり、最終面積147.0平方インチまで増加し、2.7平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は144.4平方インチであり、最終面積146.5平方インチまで増加し、2.1平方インチの面積増加を生じた。
【0114】
例11
Spectar及びProvistaを個別に、120℃、ラム圧21000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後30秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は137.6平方インチであり、最終面積142.9平方インチまで増加し、5.3平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は144.5平方インチであり、最終面積148.4平方インチまで増加し、3.9平方インチの面積増加を生じた。
【0115】
例12
Spectar及びProvistaを個別に、120℃、ラム圧7000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後90秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.2平方インチであり、最終面積147.0平方インチまで増加し、2.8平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は144.1平方インチであり、最終面積146.7平方インチまで増加し、2.6平方インチの面積増加を生じた。
【0116】
例13
Spectar及びProvistaを個別に、120℃、ラム圧21000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後90秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.3平方インチであり、最終面積150.3平方インチまで増加し、6.0平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は143.2平方インチであり、最終面積147.7平方インチまで増加し、4.5平方インチの面積増加を生じた。
【0117】
例14
Spectar及びProvistaを個別に、140℃、ラム圧7000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後30秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.4平方インチであり、最終面積160.8平方インチまで増加し、16.4平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は143.1平方インチであり、最終面積151.1平方インチまで増加し、7.9平方インチの面積増加を生じた。
【0118】
例15
Spectar及びProvistaを個別に、140℃、ラム圧21000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後30秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.3平方インチであり、最終面積170.8平方インチまで増加し、26.5平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は144.4平方インチであり、最終面積161.8平方インチまで増加し、17.4平方インチの面積増加を生じた。
【0119】
例16
Spectar及びProvistaを個別に、140℃、ラム圧16000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後60秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.4平方インチであり、最終面積170.8平方インチまで増加し、26.5平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は143.4平方インチであり、最終面積160.1平方インチまで増加し、16.7平方インチの面積増加を生じた。
【0120】
例17
Spectar及びProvistaを個別に、140℃、ラム圧7000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後90秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.2平方インチであり、最終面積165.5平方インチまで増加し、21.3平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は138.1平方インチであり、最終面積150.1平方インチまで増加し、12.0平方インチの面積増加を生じた。
【0121】
例18
Spectar及びProvistaを個別に、140℃、ラム圧21000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後90秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は145.2平方インチであり、最終面積180.1平方インチまで増加し、34.9平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は144.3平方インチであり、最終面積168.8平方インチまで増加し、24.5平方インチの面積増加を生じた。
【0122】
例19
Spectar及びProvistaを個別に、160℃、ラム圧7000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後30秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.4平方インチであり、最終面積184.6平方インチまで増加し、40.1平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は143.2平方インチであり、最終面積166.2平方インチまで増加し、22.9平方インチの面積増加を生じた。
【0123】
例20
Spectar及びProvistaを個別に、160℃、ラム圧21000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後30秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.5平方インチであり、最終面積213.1平方インチまで増加し、68.7平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は144.3平方インチであり、最終面積194.7平方インチまで増加し、50.4平方インチの面積増加を生じた。
【0124】
例21
Spectar及びProvistaを個別に、160℃、ラム圧7000 lbsにおいて、整定値の10℃以内の温度に達した後90秒間の加熱の間に積層した。Spectarの場合は、初期面積は144.5平方インチであり、最終面積201.4平方インチまで増加し、57.0平方インチの面積増加を生じた。Provistaの場合は、初期面積は143.2平方インチであり、最終面積177.8平方インチまで増加し、34.6平方インチの面積増加を生じた。
【0125】
例22(データの裏付けのない例)
UVコポリエステルフィルムを、2枚のポリエステルシートの上面に積層し、構造全体を、前記レイアップ及び例1に記載したプロセス条件に従って積層する。分岐ポリマーの使用はUVフィルム及びシートの両方の流れの低下及び減粘の低下をもたらし、それによって最適性能を維持しながら、材料利用のコスト及び無駄を削減した。層の厚さを積層体を保護できないほど過度に減少させるとUVフィルムが流れ且つ薄くなり、その結果として耐候性が不良になるので、最適性能が保持される。
【0126】
例23(データの裏付けのない例)
グラフィックアートフィルムが、2枚のポリマーシートの間の封入物であり、それを前記レイアップ及び例1に記載したプロセス条件に従って積層する。分岐ポリマーの使用は流れを減少させ、グラフィックアートには歪みを生じなかった。非分岐ポリマーを用いる場合には、ポリマーの流れはより大きくなり、グラフィックアートをゆがめる。
【0127】
例24(データの裏付けのない例)
紙封入物を、2枚のポリマーシートの間にはさみ、前記レイアップ及び例1に記載したプロセス条件に従って積層する。分岐樹脂を用いる場合には、ポリマーはそれほど流れず、紙封入物は裂けることもゆがむこともない。非分岐樹脂を用いる場合には、紙封入物は、積層プロセスによって損傷される。
【0128】
【表1】

【0129】
前記データは、分岐樹脂を用いる場合に積層体の流れが一貫して低下することを示している。これは、中間層材料の歪みを少なくし且つハードコート層又はUV表面層の保持を改善するであろう。分岐ポリマーは、ポリエステル、ポリカーボネート、ブレンドのいずれであっても、その使用は積層プロセス中の流れを低下させ、全体的な寸法安定性を改善する。この改善は、サイクル時間の短縮、材料浪費の削減をもたらすと共に、封入物及び機能性表面層の外観及び機能を保護するであろう。
【0130】
本発明を、その好ましい実施態様の以下の実施例によって更に説明できるが、これらの実施例は単に説明のために記載するのであって、特に断らない限り、本発明の範囲を限定することを目的としない。出発原料は、特に断らない限り、市販されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.093平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)第1層と第2層の表面に180〜245°Fの範囲の温度において5〜350psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ第1層及び第2層の幅及び/又は長さの増加がその初期幅又は長さに比較して5%未満である封入通電装置の製造方法。
【請求項2】
前記ポリエステルが炭素数3〜16の脂環式ジオール、炭素数3〜12の脂肪族ジオール又はそれらの混合物を含むジオール残基を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ジオール残基が1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)、1,3−シクロヘキサンジメタノール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)、p−キシリレングリコール又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒約100mL中に前記ポリエステルを約0.50g溶解することによって測定した場合に、約0.5〜約1.2dL/gの範囲の極限粘度数を有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒約100mL中に前記ポリエステルを約0.50g溶解することによって測定した場合に、約0.5〜約1.0dL/gの範囲の極限粘度数を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒約100mL中に前記ポリエステルを約0.50g溶解することによって測定した場合に、約0.6〜約0.9dL/gの範囲の極限粘度数を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリエステルの二酸残基が少なくとも80モル%のテレフタル酸残基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリエステルの前記二酸残基の20モル%未満がフタル酸、イソフタル酸、1,4−、1,5−、2,6−若しくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(シス、トランス又はそれらの混合物であることができる)、シクロヘキサン二酢酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−オキシ二安息香酸、3,3’−及び4,4’−ビ−フェニルジカルボン酸並びに脂肪族ジカルボン酸、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナン、デカン、ドデカンジカルボン酸及びそれらの混合物に由来する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1層及び第2層が同一ポリマー又は異なるポリマーである請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記通電装置が発光用コンデンサー(LEC)、発光ダイオード(LED)、通電時に発光する印刷「回路基板」、エレクトロクロミック層、光電池(太陽電池)、トランスミッター、レシーバー、アンテナ、電磁石、電極並びに風速及び風向、温度、圧力、相対湿度、降雨量、運動、放射線、特定の化学種又はそれらの組合せを検知できる高性能センサーを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記通電装置がLECを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
a)ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含む第1層及び第2層;
b)第1層及び第2層の間に封入された、約1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ約120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置
を含んでなる物品であって、第1層と第2層が同一であるか又は異なり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、且つ前記物品が連続通電しながら25℃において水中に500時間浸漬後に依然として耐湿性である物品。
【請求項13】
前記ポリエステルが炭素数3〜16の脂環式ジオール、炭素数3〜12の脂肪族ジオール又はそれらの混合物を含むジオール残基を有する請求項12に記載の物品。
【請求項14】
前記ジオール残基が1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)、1,3−シクロヘキサンジメタノール(トランス−、シス−又はそれらの混合物)、p−キシリレングリコール又はそれらの混合物を含む請求項12に記載の物品。
【請求項15】
前記ポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒約100mL中に前記ポリエステルを約0.50g溶解することによって測定した場合に、約0.5〜約1.2dL/gの範囲の極限粘度数を有する請求項12に記載の物品。
【請求項16】
前記ポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒約100mL中に前記ポリエステルを約0.50g溶解することによって測定した場合に、約0.5〜約1.0dL/gの範囲の極限粘度数を有する請求項12に記載の物品。
【請求項17】
前記ポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒約100mL中に前記ポリエステルを約0.50g溶解することによって測定した場合に、約0.6〜約0.9dL/gの範囲の極限粘度数を有する請求項12に記載の物品。
【請求項18】
前記ポリエステルの二酸残基が少なくとも80モル%のテレフタル酸残基を含む請求項12に記載の物品。
【請求項19】
前記ポリエステルの前記二酸残基の20モル%未満が、フタル酸、イソフタル酸、1,4−、1,5−、2,6−若しくは2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(シス、トランス又はそれらの混合物であることができる)、シクロヘキサン二酢酸、トランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−オキシ二安息香酸、3,3’−及び4,4’−ビ−フェニルジカルボン酸並びに脂肪族ジカルボン酸、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナン、デカン、ドデカンジカルボン酸又はそれらの混合物に由来する請求項12に記載の物品。
【請求項20】
第1層及び第2層が同一ポリマー又は異なるポリマーである請求項12に記載の物品。
【請求項21】
前記通電装置が発光用コンデンサー(LEC)、発光ダイオード(LED)、通電時に発光する印刷「回路基板」、エレクトロクロミック層、光電池(太陽電池)、トランスミッター、レシーバー、アンテナ、電磁石、電極並びに風速及び風向、温度、圧力、相対湿度、降雨量、運動、放射線、特定の化学種又はそれらの組合せを検知できる高性能センサーを含む請求項12に記載の物品。
【請求項22】
前記通電装置がLECを含む請求項12に記載の物品。
【請求項23】
(a)それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)第1層と第2層の表面に180〜245°Fの範囲の温度において5〜350psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の破損を引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法。
【請求項24】
(a)それぞれが独立してコポリエステルを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)第1層と第2層の表面に180〜245°Fの範囲の温度において5〜350psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記ポリエステル層が封入の間に、通電装置の溶け落ちを引き起こす流れより小さい流れを有する封入通電装置の製造方法。
【請求項25】
(a)それぞれが独立してポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート又はポリカーボネート/ポリエステル混和性ブレンドを含む第1層及び第2層を用意し;
(b)1平方フィート(0.93平方メートル)より大きく且つ120平方フィート(11.2平方メートル)未満の範囲の表面積を有する通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)通電装置と重なり合わない第1層と第2層の表面の外周に180〜425°Fの範囲の温度において5〜750psigの範囲の圧力を5〜45分の範囲の期間適用することによって、第1層と第2層を熱圧着によって融着させて前記通電装置を封入する
ことを含んでなり、第1層及び第2層の厚さがそれぞれ独立して15〜375milの範囲であり、第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ第1層及び第2層の幅及び/又は長さの増加がその初期幅又は長さに比較して5%未満である封入通電装置の製造方法。
【請求項26】
(a)それぞれが独立してコポリエステル層を含み且つ少なくとも一方の層が更に分岐剤を含む第1層及び第2層を用意し;
(b)通電装置を第1層と第2層との間に挟み;
(c)前記コポリエステルの少なくとも一方の層のガラス転移(Tg)よりも約20〜約80℃高い範囲の温度において約20〜約400psigの範囲の圧力を約0.5〜約120分の範囲の期間適用して、積層品を形成する
ことを含んでなり、第1層と第2層の界面の温度が第1層及び第2層の少なくとも一方のTgに等しいか又はそれ以上であり、且つ前記コポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒100mL当たり前記ポリマー0.50gを用いて測定した場合に、約0.5〜約1.2dL/gの範囲のインヘレント粘度(IV)を有する積層品の製造方法。
【請求項27】
(a)それぞれが独立してコポリエステル層を含み且つ少なくとも一方の層が更に分岐剤を含む第1層及び第2層;並びに
(b)第1層と第2層との間の通電装置
を含んでなる積層品であって、前記コポリエステルが、25℃においてフェノール60重量%及びテトラクロロエタン40重量%からなる溶媒100mL当たり前記ポリマー0.50gを用いて測定した場合に、約0.5〜約1.2dL/gの範囲のインヘレント粘度(IV)を有し、前記積層品が、前記コポリエステルの少なくとも一方の層のガラス転移(Tg)よりも約20〜約80℃高い範囲の温度において約20〜約400psigの範囲の圧力を約0.5〜約120分の範囲の期間適用して積層品を形成することによって製造され、且つ第1層及び第2層の界面の温度が第1層及び第2層の少なくとも一方のTgに等しいか又はそれ以上である積層品。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−505655(P2010−505655A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531402(P2009−531402)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/020859
【国際公開番号】WO2008/042224
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】