説明

連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体の製造装置及び製造方法

【課題】連続粘着物帯状体(10)の製造ラインを自動化する製造装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る製造装置(1)は、多数の粘着物品(11)が貼着された第1貼着部材(12)を供給する第1供給手段と、第1貼着部材(12)を搬送する第1搬送手段と、第1貼着部材(12)を折り返して粘着物品(11)を剥離する剥離部(41)と、第2貼着部材(13,76b)を剥離部(41)よりも低い位置に供給する第2供給手段と、第2貼着部材(13,76b)を第1搬送手段よりも遅い速度で搬送する第2搬送手段と、第1及び第2搬送手段の駆動を制御する制御部とを有し、第2貼着部材(13,76b)上に連続粘着物品帯状体(10)を自動的に製造可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルなどの粘着物品の少なくとも一部分を他の粘着物品の表面若しくは裏面に積み重ねること、又は粘着物品の端縁を他の粘着物品に突合させることにより、複数の粘着物品を一続きに連結した連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体を製造する製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、裏面に粘着層を有するとともに表面に所望の印刷が施された薄片状のラベルやシールは、商業用や事務用など広範囲な用途に利用されており、また、ラベル等に対する需要も年々多様化してきている。
【0003】
このようなラベル等は、一般に、ラベル等を構成する基材(例えば、紙や樹脂シートなど)の裏面に粘着層が形成されている。また、ラベル等を支持するとともに粘着層を保護することを目的として、表面に剥離層を有するシート状の剥離紙(台紙又はセパレーターと言うこともある)がラベル等の粘着層に貼着されている。一方、基材の表面側には、ラベルプリンタ等を用いて、所望の文字や模様等が印刷されており、更に、基材の印刷面上には、保護層などが設けられることもある。
【0004】
このように構成されたラベル等では、ラベル等を剥離紙から剥離して商品等の被着対象物に貼り付けたときに、剥離紙がラベル等の支持部や粘着層の保護部としての役目を終えるため、廃棄されることが多かった。このため、近年では、環境保護の観点から省資源化やゴミ減量化を図ることや、製造コストを抑えることを目的として、ラベル等を剥離した後に廃棄される剥離紙の量を少なくすることや、剥離紙自体を不要にすることが要望されていた。
【0005】
上述のような要望に応えるため、例えば特開平11−249571号公報(特許文献1)や特開2009−199042号公報(特許文献2)には、図11に示したように、各ラベル81の一端部を他のラベル81の他端部に重ね合わせるように貼り付けて複数のラベル81を一続きに連結することにより帯状のラベル連続体(連続ラベル帯状体)80を構成し、更に、そのラベル連続体80をロール状に巻き回した形態のラベル連続体80が開示されている。
【0006】
より具体的に説明すると、例えば特許文献1に記載されているロール状のラベル連続体80では、ラベル連続体80を構成する各ラベル81が、所定の形状(円形状や四角形状など)に形成されたラベル基材と、ラベル基材の裏面に配された粘着層と、ラベル基材の表面に配された剥離層とを有している。
【0007】
また特許文献1では、各ラベル81における粘着層の一端が、他のラベル81における剥離層の他端に重ねられて付着されることにより、複数のラベル81が互いにずらされて一続きに連結されたラベル連続体80が構成されている。この場合、各ラベル81の粘着層の一端を他のラベル81の剥離層の他端に重ね合わせる幅の大きさは、任意に設定することが可能である。
【0008】
この場合、各ラベル81の裏面に配された粘着層の一部分は、他のラベル81の表面に配された剥離層に貼り合わせられて保護されるものの、同粘着層の他の部分は露出した状態となる。このため、特許文献1では、各ラベル81の粘着層全体を保護するために、ラベル連続体80がロール状に巻き回されて、各ラベル81の粘着層における露出部分を、
内側に巻かれた他のラベル81の剥離層に貼り合わせるようにしている。
【0009】
従って、ロール状に巻き回された特許文献1のラベル連続体80によれば、剥離紙を使用しなくてもラベル81の粘着層を保護でき、また、ラベル81を商品等の被着対象物に貼り付ける際には、ラベル81を1枚ずつラベル連続体80から剥がして使用することができる。更に、特許文献1のロール状のラベル連続体80であれば、各ラベル81の形状が限定されないため、ラベル81の形状を自由に選択できるといった効果も得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−249571号公報
【特許文献2】特開2009−199042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1や特許文献2に記載されているようなロール状の連続ラベル帯状体を製造する場合には、先ず、所望の形状を有する複数のラベルが台紙(剥離紙)に貼着された状態で製造される。
【0012】
例えば、紙や合成樹脂等からなる帯状のラベル基材を準備し、このラベル基材の裏面に、粘着剤を塗工して粘着層を形成する。また、粘着層の形成後、ラベル基材を支持し且つ粘着層を保護するために、粘着層の一面に帯状の台紙を貼着する。この場合、粘着層を貼着する側の台紙表面には、粘着層が容易に剥離可能なように剥離層が設けられている。
【0013】
次に、粘着層を介して台紙が貼着されたラベル基材の表面に印刷を行ない、更に、ラベル基材の印刷面側に剥離剤を塗工して剥離層を形成する。その後、印刷が施されたラベル基材を、粘着層及び剥離層とともに所望の形状に切断する。これにより、所望の形状を有する複数のラベルが帯状の台紙上に製造される。なお、このようなラベルは、上述の工程の順番を入れ替えることや、上述の工程以外の方法を用いることによっても帯状の台紙上に製造することが可能である。
【0014】
このように製造された複数のラベルを用いてラベル連続体を製造する場合、従来では、手作業によって、台紙からラベルを1つずつ剥離した後、それらのラベルを、ラベルの一部が互いに重なるように位置をずらして連結することが行われていた。
【0015】
しかしながら、このように人手作業による連続ラベル帯状体の製造では、作業効率が悪く、また、人件費などのコストが嵩むという問題があった。また、人手作業により連続ラベル帯状体を製造する場合、連続ラベル帯状体におけるラベルの重ね合わせ寸法(重ね合わせ幅)を均一に揃えることが難しく、品質にバラツキが生じ易いという問題もあった。
【0016】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体の製造ラインの自動化を実現し、第1貼着部材に貼着されているラベル等の粘着物品から、複数の粘着物品が一続きに連結した連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体を、品質のバラツキを生じさせることなく効率的に製造するこが可能な製造装置及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明により提供される製造装置は、基本的な構成として、裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品の少なくとも一部分を他の粘着物品の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品の端縁を他の粘着物品の端縁に突合させて、多数の前記粘着物
品を帯状に一続きに連ねた連続粘着物品帯状体を自動的に製造する製造装置において、第1面に多数の前記粘着物品が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材を供給する第1供給手段と、前記第1貼着部材を第1搬送速度にて搬送する第1搬送手段と、搬送される前記第1貼着部材を所定の位置にて第2面側に折り返し、前記粘着物品を1枚ずつ前記第1貼着部材から剥離する剥離部と、剥離した多数の前記粘着物品を順次受け取って貼着する第2貼着部材を前記剥離部よりも低い位置に供給する第2供給手段と、前記第2貼着部材を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送する第2搬送手段と、前記第1搬送手段及び前記第2搬送手段の駆動を制御する制御部と、を有してなることを最も主要な特徴とするものである。
【0018】
また、本発明により提供される別の形態に係る製造装置は、基本的な構成として、裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品の少なくとも一部分を他の粘着物品の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品の端縁を他の粘着物品の端縁に突合させて、所定枚数の前記粘着物品を一続きに連ねて一群に集合させた複数の連続粘着物品集合体を自動的に製造する製造装置において、第1面に多数の前記粘着物品が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材を供給する第1供給手段と、前記第1貼着部材を第1搬送速度にて搬送する第1搬送手段と、搬送される前記第1貼着部材を所定の位置にて第2面側に折り返し、前記粘着物品を1枚ずつ前記第1貼着部材から剥離する剥離部と、剥離した多数の前記粘着物品を順次受け取って貼着する第2貼着部材を前記剥離部よりも低い位置に供給する第2供給手段と、前記第2貼着部材を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送する第2搬送手段と、前記第1搬送手段及び前記第2搬送手段の駆動を制御する制御部と、を有してなることを最も主要な特徴とするものである。
【0019】
本発明に係る製造装置において、前記第1貼着部材から剥離した前記粘着物品を前記第2貼着部材に向けて順次案内する案内部が、前記剥離部よりも上流側の搬送面に対し所定の角度で下り傾斜して配され、前記案内部は、前記粘着物品の表面側を接触させて、前記粘着物品を当該案内部に沿って案内することが好ましい。
【0020】
この場合、前記剥離部にて前記粘着物品が剥離する位置から、剥離した前記粘着物品が前記第2貼着部材に接触する位置までの長さが、搬送方向に沿った前記粘着物品の寸法よりも短く設定されていることが更に好ましい。
【0021】
また、本発明に係る製造装置において、前記第1供給手段は、前記第1貼着部材に貼着されている状態で多数の前記粘着物品を供給する粘着物品供給部、又は前記第1貼着部材上に前記粘着物品を製造する粘着物品製造手段を有していることが好ましい。
【0022】
更に、本発明の製造装置では、前記連続粘着物品帯状体が前記第2貼着部材上に製造された後、前記連続粘着物品帯状体を前記第2貼着部材に貼着された状態で前記第2貼着部材とともに巻き取る巻取部が配されていることが好ましい。
【0023】
また本発明では、複数の前記連続粘着物品集合体が前記第2貼着部材上に所定の間隔をもって製造された後、前記連続粘着物品集合体間に設けられた前記間隔の領域にて前記第2貼着部材を切断する切断部と、切断後に前記連続粘着物品集合体及び前記第2貼着部材を回収する回収部とが配されていても良い。
【0024】
更に本発明では、前記連続粘着物品帯状体が前記第2貼着部材上に製造された後、前記第2貼着部材から前記連続粘着物品帯状体を剥離して当該連続粘着物品帯状体を排出する排出部と、前記排出部から排出された前記連続粘着物品帯状体を巻き取る巻取部とが配されていても良い。
【0025】
次に、本発明により提供される製造方法は、基本的な構成として、裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品の少なくとも一部分を他の粘着物品の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品の端縁を他の粘着物品の端縁に突合させて、多数の前記粘着物品を帯状に一続きに連ねた連続粘着物品帯状体を自動的に製造する製造方法において、第1面に多数の前記粘着物品が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材を供給すること、前記第1貼着部材を第1搬送速度にて搬送すること、前記第1貼着部材を搬送しながら剥離部にて第2面側に折り返し、前記粘着物品を1枚ずつ前記第1貼着部材から剥離すること、前記剥離部よりも低い位置に第2貼着部材を供給すること、前記第2貼着部材を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送すること、及び、剥離した多数の前記粘着物品を前記第2貼着部材に順次送り渡して貼着することにより、前記第2貼着部材上に前記連続粘着物品帯状体を製造すること、を含んでなることを最も主要な特徴とするものである。
【0026】
また、本発明により提供される別の形態に係る製造方法は、基本的な構成として、裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品の少なくとも一部分を他の粘着物品の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品の端縁を他の粘着物品の端縁に突合させて、所定枚数の前記粘着物品を一続きに連ねて一群に集合させた複数の連続粘着物品集合体を自動的に製造する製造方法において、第1面に多数の前記粘着物品が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材を供給すること、前記第1貼着部材を第1搬送速度にて搬送すること、前記第1貼着部材を搬送しながら剥離部にて第2面側に折り返し、前記粘着物品を1枚ずつ前記第1貼着部材から剥離すること、前記剥離部よりも低い位置に第2貼着部材を供給すること、前記第2貼着部材を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送すること、及び、剥離した前記粘着物品を前記第2貼着部材に順次送り渡して貼着することにより、前記第2貼着部材上に複数の前記連続粘着物品集合体を各連続粘着物品集合体間に所定の間隔を設けて製造すること、を含んでなることを最も主要な特徴とするものである。
【0027】
本発明に係る製造方法において、前記剥離部よりも上流側の搬送面に対し所定の角度で下り傾斜して配された案内部に、前記第1貼着部材から剥離した前記粘着物品の表面側を接触させ、当該粘着物品を前記案内部に沿って前記第2貼着部材に向けて案内することが好ましい。
【0028】
この場合、前記剥離部にて前記粘着物品が剥離する位置から、剥離した前記粘着物品が前記第2貼着部材に接触する位置までの長さを、搬送方向に沿った前記粘着物品の寸法よりも短くし、前記粘着物品が前記第1貼着部材から完全に剥離する前に当該粘着物品を前記第2貼着部材に接触させることが更に好ましい。
【0029】
本発明の製造方法は、前記連続粘着物品帯状体の製造後、前記連続粘着物品帯状体を前記第2貼着部材に貼着された状態で前記第2貼着部材とともに巻き取ることを含んでいることが好ましい。
【0030】
また、本発明の製造方法は、複数の前記連続粘着物品集合体の製造後、各連続粘着物品集合体間に設けられた前記間隔の領域にて前記第2貼着部材を切断すること、及び、切断後に前記連続粘着物品集合体及び前記第2貼着部材を回収することを含んでいても良い。
【0031】
更に、本発明の製造方法は、前記連続粘着物品帯状体の製造後、前記第2貼着部材から前記連続粘着物品帯状体を剥離して当該連続粘着物品帯状体を排出すること、及び、排出された前記連続粘着物品帯状体を巻き取ること、を含んでいても良い。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る連続粘着物品帯状体の製造装置は、前述のように、多数の前記粘着物品が列状に所定の間隔をもって第1貼着部材の第1面に貼着されている状態で前記粘着物品を
供給する第1供給手段と、第1貼着部材を第1搬送速度で搬送する第1搬送手段と、粘着物品を1枚ずつ第1貼着部材から剥離する剥離部と、第2貼着部材を剥離部よりも低い位置に供給する第2供給手段と、第2貼着部材を第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送する第2搬送手段と、第1及び第2搬送手段の駆動を制御する制御部とを有している。
【0033】
このような構成を有する製造装置では、第1搬送手段によって第1貼着部材を例えば連続的に搬送しながら、剥離部にて第1貼着部材を折り返すことにより、第1貼着部材から粘着物品を1枚ずつ剥離できる。また、同製造装置では、第2貼着部材を第2供給手段により剥離部よりも低い位置に供給するとともに第2搬送手段により第2搬送速度で例えば連続的に搬送しながら、同第2貼着部材に、剥離した粘着物品を順次送り渡して貼着する。
【0034】
なお、第2貼着部材を剥離部よりも低い位置に供給することができれば、第2供給手段及び第2搬送手段の設置位置は特に限定されるものではなく、第2供給手段及び第2搬送手段は、剥離部よりも低い位置に配されていても良いし、また、剥離部よりも高い位置に配されていても良い。
【0035】
このとき、本発明では、制御部により、第2貼着部材を搬送する第2搬送速度が第1貼着部材の第1搬送速度よりも遅く設定され、第1搬送速度と第2搬送速度との間には速度差が設けられている。
【0036】
これにより、第2貼着部材に粘着物品を貼着する際に、当該粘着物品の一部分を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の表面に積み重ねること、又は、当該粘着物品の端縁を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の端縁に突き合わせることができる。このため、第2貼着部材上には、多数の粘着物品が一続きに帯状に連結された連続粘着物品帯状体を安定して製造することができる。
【0037】
このように、本発明に係る製造装置によれば、人手作業を介することなく、第1貼着部材に貼着されている粘着物品から連続粘着物品帯状体を自動的に製造できるため、その製造ラインを自動化することができる。従って、連続粘着物品帯状体の製造を連続的に且つ効率的に行って、生産性を向上できるとともに、人件費等を削減して製造コストの低減化が図れる。更に、連続粘着物品帯状体の製造が機械的に行われることにより、連続粘着物品帯状体の品質にバラツキが生じることも防止できる。
【0038】
なお、本発明において、連続粘着物品帯状体とは、多数の粘着物品を互いに積み重ねて又は端縁同士を突合させて一続きに連ねることにより構成された帯状の連結体(連続体)であり、第2貼着部材上に1つの連続粘着物品帯状体を連続的に製造することができる。更に、第1及び第2貼着部材としては、剥離紙などのテープ部材、又はコンベア等の搬送部(無端ベルト部材)を用いることができる。
【0039】
また、第1及び第2搬送手段では、第1及び第2貼着部材をそれぞれ所定の搬送速度にて連続的に搬送することが好ましいが、本発明においては、例えば第1及び/又は第2貼着部材の搬送と停止を所定の周期で繰り返して第1及び第2貼着部材を間欠的に搬送することも可能であり、また、第1及び/又は第2貼着部材の搬送と停止を短時間で(瞬間的に)繰り返して第1及び第2貼着部材を搬送することも可能である。この場合、第2搬送手段で搬送する第2貼着部材の平均的な搬送速度が、第1搬送手段で搬送する第1貼着部材の平均的な搬送速度よりも遅く設定されていれば良い。
【0040】
本発明の別の形態に係る連続粘着物品集合体の製造装置は、前述のように、多数の粘着物品が貼着された第1貼着部材を供給する第1供給手段と、第1貼着部材を第1搬送速度で搬送する第1搬送手段と、粘着物品を1枚ずつ第1貼着部材から剥離する剥離部と、第2貼着部材を剥離部よりも低い位置に供給する第2供給手段と、第2貼着部材を第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送する第2搬送手段と、第1及び第2搬送手段の駆動を制御する制御部とを有している。
【0041】
このような構成を有する製造装置では、第1搬送手段によって第1貼着部材を例えば間欠的に搬送しながら、剥離部にて第1貼着部材を折り返すことにより、第1貼着部材から粘着物品を1枚ずつ剥離できる。また、同製造装置では、第2貼着部材を第2供給手段により剥離部よりも低い位置に供給するとともに第2搬送手段により第2搬送速度で例えば連続的に搬送しながら、同第2貼着部材に、剥離した粘着物品を順次送り渡して貼着する。
【0042】
このとき、本発明では、制御部により、第2貼着部材を搬送する第2搬送速度が第1貼着部材の第1搬送速度よりも遅く設定され、第1搬送速度と第2搬送速度との間には速度差が設けられている。また、第1貼着部材は、第1搬送手段によって間欠的に搬送される。
【0043】
これにより、第1貼着部材の搬送時には、剥離部にて第1貼着部材から粘着物品を剥離し、その剥離した粘着物品を第2貼着部材に貼着でき、またその際に、第2貼着部材に貼着させる粘着物品の一部分を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の表面に積み重ねること、又は、粘着物品の端縁を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の端縁に突き合わせることができる。
【0044】
一方、第1貼着部材の搬送停止時には、第2貼着部材に粘着物品が送り渡されないものの、第2貼着部材は第2搬送手段により連続的に搬送されるため、第2貼着部材上に粘着物品が貼着されない間隙が形成される。このため、第2貼着部材上には、所定枚数の粘着物品が一続きに連結されて一群に集合させた複数の連続粘着物品集合体を、各連続粘着物品集合体間に所定の間隔を設けながら安定して製造することができる。
【0045】
このように、本発明に係る製造装置によれば、人手作業を介することなく、第1貼着部材に貼着されている粘着物品から複数の連続粘着物品集合体を自動的に製造できるため、その製造ラインを自動化することができる。従って、連続粘着物品集合体の製造を連続的に且つ効率的に行って、生産性を向上できるとともに、人件費等を削減して製造コストの低減化が図れる。更に、連続粘着物品集合体の製造が機械的に行われることにより、連続粘着物品集合体の品質にバラツキが生じることも防止できる。
【0046】
なお、本発明において、連続粘着物品集合体とは、所定枚数の粘着物品を互いに積み重ねて又は端縁同士を突合させて一続きに連ねることにより構成された一群の連結体(連続体)であり、第2貼着部材上に複数の連続粘着物品帯状体を所定の間隔を開けて製造することができる。
【0047】
また、第1搬送手段では、上述のように第1貼着部材を所定の搬送速度にて間欠的に搬送するとともに、第2搬送手段では、第2貼着部材を所定の搬送速度にて連続的に搬送することが好ましいが、本発明においては、例えば第1貼着部材を一定の第1搬送速度にて連続的に搬送するとともに、第2貼着部材を第2搬送速度と第2搬送速度とは異なる搬送速度(例えば第2搬送速度よりも速い速度)とを交互に繰り返して搬送することや、第2貼着部材の搬送と停止を所定の周期で繰り返して第2貼着部材を間欠的に搬送すること、又は、第2貼着部材の搬送と停止を短時間で(瞬間的に)繰り返して第2貼着部材を搬送
することも可能である。これらの場合、第2搬送速度は、粘着物品を第2貼着部材に貼着するときに第2貼着部材を搬送する速度を言う。
【0048】
このような本発明の製造装置において、第1貼着部材から剥離した粘着物品を第2貼着部材に向けて順次案内する案内部が、剥離部よりも上流側における第1貼着部材の搬送面に対し所定の角度で下り傾斜して配されている。また、この案内部は、粘着物品の表面側を接触させることにより、粘着物品を当該案内部に沿って第2貼着部材に案内するように構成されている。
【0049】
このような案内部が配されていることにより、剥離部にて第1貼着部材から剥離した粘着物品を、第2貼着部材に確実に送り渡して貼着できるため、第2貼着部材上に、連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体(以下、連続粘着物品帯状体と連続粘着物品集合体とを含めて、粘着物品連続体と簡略的に記載することがある)を安定して製造することができる。
【0050】
またこの場合、剥離部にて粘着物品が剥離する位置から、剥離した粘着物品が第2貼着部材に接触する位置までの長さが、搬送方向に沿った粘着物品の寸法よりも短く設定されている。
【0051】
例えば第1貼着部材から剥離した粘着物品を第2貼着部材に送る際に、粘着物品が第1貼着部材から離間し、且つ、第2貼着部材からも離間した状態ができてしまうと、静電気が発生して粘着物品自体に高電圧の静電気が帯電し易くなる。このように粘着物品に静電気が帯電すると、粘着物品と第2貼着部材との間で反発力が生じて粘着物品の貼着が安定しないといった不具合や、また、粘着物品の静電気により埃やチリが引き寄せられて粘着層にくっつき、粘着層の粘着力を低下させるなどの不具合を生じさせることがある。
【0052】
これに対して、上述のように剥離部の位置から、粘着物品が第2貼着部材に接触する位置までの長さを、粘着物品の大きさよりも短くすることにより、第1貼着部材から粘着物品が完全に剥離する前に、当該粘着物品を第2貼着部材に接触させることができ、粘着物品が第1貼着部材からも第2貼着部材からも離間した状態が生じることはない。これにより、粘着物品が第1貼着部材及び第2貼着部材の少なくとも一方に接地した状態を維持して、粘着物品に静電気が帯電することを防止できるため、粘着物品連続体の製造時に、静電気に起因する上述のような不具合が生じることもない。
【0053】
また、本発明の製造装置では、前記第1供給手段が、第1貼着部材に貼着されている状態で多数の粘着物品を供給する粘着物品供給部、又は第1貼着部材上に粘着物品を製造する粘着物品製造手段を有している。
【0054】
このように、本発明の製造装置に粘着物品供給部が配されていることにより、第1貼着部材に貼着されている状態の多数の粘着物品を、剥離部に向けて円滑に且つ安定して供給することができる。また、粘着物品製造手段が配されていることにより、粘着物品の製造と粘着物品連続体の製造とを自動化して連続的に行うことが可能となり、粘着物品連続体をより効率的に製造することができる。
【0055】
本発明の製造装置には、連続粘着物品帯状体が第2貼着部材上に製造された後、連続粘着物品帯状体を第2貼着部材に貼着された状態で第2貼着部材とともに巻き取る巻取部が配されている。これにより、製造された連続粘着物品帯状体を、第2貼着部材とともにロール状に巻き回した形態で回収して提供することができ、また、回収時に連続粘着物品帯状体の粘着層を第2貼着部材で安定して保護できる。
【0056】
また本発明の製造装置には、複数の連続粘着物品集合体が第2貼着部材上に所定の間隔をもって製造された後、連続粘着物品集合体間に設けられた間隔の領域にて第2貼着部材を切断する切断部と、切断後に連続粘着物品集合体及び第2貼着部材を回収する回収部とが配されていても良い。これにより、製造された複数の連続粘着物品集合体を、第2貼着部材に貼着された状態のまま短冊状の形態で回収して提供することができ、また、各連続粘着物品集合体の粘着層を第2貼着部材で安定して保護できる。
【0057】
更に本発明の製造装置には、連続粘着物品帯状体が第2貼着部材上に製造された後、第2貼着部材から連続粘着物品帯状体を剥離して当該連続粘着物品帯状体を排出する排出部と、排出部から排出された連続粘着物品帯状体を巻き取る巻取部とが配されていても良い。これにより、製造された連続粘着物品帯状体のみをロール状に巻き回した形態で回収して提供することができる。このため、例えば第2貼着部材をリサイクルして繰り返し使用することが可能となり、連続粘着物品帯状体のコストを更に低減することができる。
【0058】
次に、本発明に係る連続粘着物品帯状体の製造方法では、先ず、第1面に多数の粘着物品が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材を供給するとともに、同第1貼着部材を第1搬送速度にて連続的に搬送しながら、その第1貼着部材を剥離部で折り返すことにより、粘着物品を1枚ずつ第1貼着部材から剥離することができる。
【0059】
また、本発明の製造方法では、剥離部よりも低い位置に第2貼着部材を供給するとともに、同第2貼着部材を第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて連続的に搬送しながら、剥離部にて剥離した多数の粘着物品を、第2貼着部材に順次送り渡して貼着する。
【0060】
これにより、第1貼着部材の第1搬送速度と第2貼着部材の第2搬送速度との間の速度差を利用して、第2貼着部材に粘着物品を貼着する際に、当該粘着物品の一部分を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品に積み重ねること、又は、当該粘着物品の端縁を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の端縁に突合させることができるため、多数の粘着物品が一続きに連結された連続粘着物品帯状体を第2貼着部材上に製造することができる。
【0061】
このように、本発明に係る製造方法によれば、人手作業を介することなく、第2貼着部材上に連続粘着物品帯状体を自動的に製造できるため、連続粘着物品帯状体の製造を連続的に且つ効率的に行って生産性を大幅に向上できるとともに、人件費等を削減して製造コストの低減化が図れる。更に、連続粘着物品帯状体の製造が機械的に行われることにより、連続粘着物品帯状体の品質にバラツキが生じることも防止できる。
【0062】
本発明の別の形態に係る連続粘着物品集合体の製造方法では、先ず、第1面に多数の粘着物品が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材を供給するとともに、同第1貼着部材を第1搬送速度にて間欠的に搬送しながら、その第1貼着部材を剥離部で折り返すことにより、第1貼着部材の搬送時に粘着物品を1枚ずつ第1貼着部材から剥離することができる。
【0063】
また、同製造方法では、剥離部よりも低い位置に第2貼着部材を供給するとともに、同第2貼着部材を第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて連続的に搬送しながら、剥離部にて剥離した粘着物品を、第2貼着部材に順次送り渡して貼着する。
【0064】
これにより、第1貼着部材の搬送時には、剥離部にて第1貼着部材から粘着物品を剥離し、その剥離した粘着物品を第2貼着部材に貼着でき、またその際に、第2貼着部材に貼着させる粘着物品の一部分を、当該粘着物品よりも1つ先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の表面に積み重ねること、又は、粘着物品の端縁を、当該粘着物品よりも1つ
先行して第2貼着部材に貼着された粘着物品の端縁に突き合わせることができる。
【0065】
一方、第1貼着部材の搬送停止時には、第2貼着部材に粘着物品が送り渡されないものの、第2貼着部材は第2搬送手段により連続的に搬送されるため、第2貼着部材上に粘着物品が貼着されない間隙が形成される。このため、第2貼着部材上には、所定枚数の粘着物品が一続きに連結されて一群に集合させた複数の連続粘着物品集合体を、各連続粘着物品集合体間に所定の間隔を設けながら安定して製造することができる。
【0066】
このように、本発明に係る製造方法によれば、人手作業を介することなく、第2貼着部材上に複数の連続粘着物品集合体を自動的に製造できるため、連続粘着物品集合体の製造を連続的に且つ効率的に行って生産性を大幅に向上できるとともに、人件費等を削減して製造コストの低減化が図れる。更に、連続粘着物品集合体の製造が機械的に行われることにより、連続粘着物品集合体の品質にバラツキが生じることも防止できる。
【0067】
このような本発明の製造方法では、剥離部よりも上流側の搬送面に対し所定の角度で下り傾斜して配された案内部に、第1貼着部材から剥離した粘着物品の表面側を接触させ、当該粘着物品を案内部に沿って案内する。これにより、粘着物品を第2貼着部材に確実に送り渡して貼着できるため、第2貼着部材上に連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体を安定して製造することができる。
【0068】
またこの場合、剥離部にて粘着物品が剥離する位置から、剥離した粘着物品が第2貼着部材に接触する位置までの長さを、搬送方向に沿った粘着物品の寸法よりも短くし、粘着物品が第1貼着部材から完全に剥離する前に当該粘着物品を第2貼着部材に接触させる。これにより、粘着物品に静電気が帯電することを防止できるため、静電気により埃やチリが粘着層に引き寄せられることを防ぐとともに、粘着物品を第2貼着部材に安定して貼着させることができる。
【0069】
本発明の製造方法は、連続粘着物品帯状体の製造後、連続粘着物品帯状体を第2貼着部材に貼着された状態で第2貼着部材とともに巻き取ることを含んでいる。それによって、連続粘着物品帯状体を第2貼着部材とともにロール状に巻き回した形態で回収して提供することができ、また、連続粘着物品帯状体の粘着層を第2貼着部材で安定して保護できる。
【0070】
また本発明の製造方法は、複数の連続粘着物品集合体の製造後、各連続粘着物品集合体間に設けられた間隔の領域にて第2貼着部材を切断すること、及び、切断後に連続粘着物品集合体及び第2貼着部材を回収することを含んでいても良い。それによって、連続粘着物品集合体を、剥離紙に貼着された状態のまま短冊状の形態で回収して提供することができ、また、連続粘着物品帯状体の粘着層を第2貼着部材で安定して保護できる。
【0071】
更に本発明の製造方法は、連続粘着物品帯状体の製造後、第2貼着部材から連続粘着物品帯状体を剥離して当該連続粘着物品帯状体を排出すること、及び、排出された連続粘着物品帯状体を巻き取ることを含んでいても良い。それによって、連続粘着物品帯状体のみをロール状に巻き回した形態で回収して提供することができる。このため、例えば第2貼着部材をリサイクルして繰り返し使用することが可能となり、連続粘着物品帯状体のコストを更に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例1に係る連続ラベル帯状体の製造装置を概略的に示す模式図である。
【図2】同製造装置の要部を拡大して示す拡大図である。
【図3】同製造装置において、剥離部から剥離紙にラベルを送り渡す状態を示す模式図である。
【図4】同製造装置において、剥離部から剥離紙にラベルを送り渡す際にラベルが撓む状態を示す模式図である。
【図5】同製造装置において、ラベルが剥離紙に送り渡されて貼着する状態を示す模式図である。
【図6】同製造装置において、台紙から剥離したラベルを、当該ラベルの一部分が、先行して剥離紙に貼着されたラベルに積み重なるように送り渡す状態を示す模式図である。
【図7】本発明の実施例2に係る連続ラベル集合体の製造装置の要部を概略的に示す模式図である。
【図8】同製造装置により製造される連続ラベル集合体を示す模式図である。
【図9】本発明の実施例3に係る連続ラベル帯状体の製造装置の要部を概略的に示す模式図である。
【図10】本発明の実施例4に係る連続ラベル帯状体の製造装置の要部を概略的に示す模式図である。
【図11】ロール状に巻き回された従来の連続ラベル帯状体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、本発明の実施形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する各実施例に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
【0074】
例えば、以下の各実施例では、粘着物品がラベルにより構成されており、複数のラベルを連結することによって連続ラベル帯状体又は連続ラベル集合体を製造する場合について説明する。しかし、本発明の粘着物品はラベルに限定されるものではなく、例えば化粧パネル等の建材などのような粘着層を有する薄片物であっても良い。また、以下の各実施例において、連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体は、各粘着物品の一部を、先行する粘着物品の表面に重ね合わせることにより製造されているが、本発明では、各粘着物品の端縁を、先行する粘着物品の端縁に突合させることにより連続粘着物品帯状体又は連続粘着物品集合体を製造することも可能である。
【実施例1】
【0075】
図1は、本実施例1に係る連続ラベル帯状体の製造装置の概略を示す模式図であり、図2は、同製造装置の要部を拡大して示す拡大図である。
本実施例1に係る連続ラベル帯状体10の製造装置1は、同製造装置1の上流側(図1の左側)に配され、台紙(第1貼着部材)12に貼着されたラベル11を供給する側となる上流部20と、同製造装置1の下流側(図1の右側)に配され、製造された連続ラベル帯状体10を回収する側となる下流部30と、上流部20にて搬送される台紙12からラベル11を剥離して下流部30に送り渡す中間部40とを有している。
【0076】
本実施例1において、同製造装置1の上流部20は、シート状の台紙12に貼着された多数のラベル11を供給する供給手段となるラベル供給部21と、ラベル供給部21から供給されたラベル11及び台紙12の搬送方向を転換させるとともに台紙12の張力(テンション)を調整可能な第1ローラ部22と、台紙12の搬送速度(第1搬送速度V1)を検出する検出ローラ部23と、ラベル11が剥離された台紙12を回収する台紙回収部24と、台紙回収部24を回転させる第1モーター部25と、第1モーター部25の駆動を制御する不図示の第1制御部とを有する。
【0077】
この上流部20におけるラベル供給部21は、回転可能に配された軸部を有しており、この軸部に、シート状の台紙12がロール状に巻き回された状態でセットされている。このラベル供給部21にセットされる台紙12には、複数のラベル11が所定の間隔をもって列状に貼り付けられている。なお、台紙12のロール体は、ラベル供給部21に取り付けられた後に、その台紙12の一端部がロール体から引き出され、更に、第1ローラ部22、中間部40の後述する剥離部41、及び検出ローラ部23に順番に通されてから、台紙回収部24の軸部に取り付けられる。
【0078】
この場合、第1貼着部材となる台紙12の材質や構造は特に限定されないが、本実施例1において、台紙12は、帯状のシート形態に構成されている。また、台紙12は、台紙12の主体部となる台紙基材と、台紙基材の一方の面(表面)に配された剥離層とを有しており、剥離紙として構成されている。台紙基材は、各種の紙(例えばグラシン紙やクレーコート紙)や樹脂フィルムなどの従来から一般的に用いられている材料により構成されている。また、剥離層は、台紙基材の表面に、シリコーン化合物やフッ素化合物等の剥離剤を塗工することにより形成されている。
【0079】
第1ローラ部22は、一対の上下ローラ22a,22bを備えており、剥離部41との間で、台紙12の搬送面を水平に保持するように配されている。この第1ローラ部22は、上下ローラ22a,22b間を通過する台紙12に抵抗を与え、第1ローラ部22と台紙回収部24との間にて台紙12に所定の張力を付与するように構成されている。
【0080】
検出ローラ部23は、一対の左右ローラ23a,23bを備えており、これらの左右ローラ23a,23bに台紙12を巻き回すようにして通過させることにより、台紙12の搬送速度を検出し、その検出した搬送速度の信号を出力するように構成されている。この場合、検出ローラ部23から出力された搬送速度の信号は、同上流部20の図示しない第1制御部に入力される。
台紙回収部24は、回転可能に配された軸部を備えており、上述したように、台紙回収部24の軸部に、台紙12の一端部が取り付けられている。
【0081】
第1モーター部25は、台紙回収部24とともに台紙12の搬送手段を構成している。即ち、第1モーター部25は、ベルト又はチェーンを介して台紙回収部24の軸部に接続されており、第1モーター部25を駆動することにより、台紙回収部24の軸部を所定の方向(図1の場合、時計回り方向)に回転させ、それによって、その軸部に台紙12を巻き取りながら台紙12を引っ張るため、台紙12がラベル供給部21から台紙回収部24に向けて搬送される。
【0082】
上流部20に配される不図示の第1制御部は、検出ローラ部23から入力された搬送速度の信号に基づいて、第1モーター部25の駆動を制御し、それによって、台紙12及びラベル11の搬送速度を、所定の速さ(第1搬送速度V1)に調整する。
【0083】
本実施例1の製造装置1における下流部30は、第2貼着部材となる剥離紙13を供給する剥離紙供給部31と、剥離紙供給部31から供給された剥離紙13の搬送方向を転換させる転換ローラ32と、剥離紙13にラベル11が貼着された後(連続ラベル帯状体10が製造された後)に剥離紙13の搬送方向を転換させるとともに剥離紙13の搬送速度(第2搬送速度V2)を検出する第2ローラ部33と、連続ラベル帯状体10を剥離紙13とともに巻き取る巻取部34と、巻取部34を回転させる第2モーター部35と、第2モーター部35の駆動を制御する不図示の第2制御部とを有している。
【0084】
この下流部30における剥離紙供給部31は、回転可能に配された軸部を有しており、この軸部に、ラベル11が貼着されていない状態の剥離紙13がロール状に巻き回された
状態でセットされている。なお、剥離紙13のロール体は、剥離紙供給部31に取り付けられた後に、その剥離紙13の一端部がロール体から引き出され、更に、転換ローラ32及び第2ローラ部33に順番に通されてから、巻取部34の軸部に取り付けられる。
【0085】
この場合、剥離紙13の材質や構造は特に限定されないが、本実施例1において、剥離紙13は、帯状のシート形態に構成されている。また、剥離紙13は、剥離紙13の主体部となる剥離紙基材と、剥離紙基材の一方の面(表面)に配された剥離層とを有している。剥離紙基材は、各種の紙(例えばグラシン紙やクレーコート紙)や樹脂フィルムなどの材料により構成されている。また、剥離層は、剥離紙基材の表面に、シリコーン化合物やフッ素化合物等の剥離剤を塗工することにより形成されている。
【0086】
転換ローラ32は、第2ローラ部33との間で、搬送される剥離紙13の搬送面を水平に保持するように配されている。この場合、転換ローラ32と第2ローラ部33間における剥離紙13の搬送面は、転換ローラ32及び第2ローラ部33の配設位置を調整することにより、上流部20における台紙12の搬送面(即ち、第1ローラ部22と剥離部41との間における台紙12の搬送面)の位置、及び、中間部40の剥離部41の位置よりも、重力方向の高さが低くなる位置に設定されている。従って、本実施例1では、剥離紙供給部31と転換ローラ32とによって、剥離紙13を剥離部41よりも低い位置に供給する供給手段が構成されている。
【0087】
第2ローラ部33は、一対の上下ローラ33a,33bを備えており、これらの上下ローラ33a,33b間に剥離紙13を通過させることにより、剥離紙13の搬送速度を検出し、その検出した搬送速度の信号を出力するように構成されている。この場合、第2ローラ部33から出力された搬送速度の信号は、同下流部30の図示しない第2制御部に入力される。
巻取部34は、回転可能に配された軸部を備えており、上述したように、巻取部34の軸部に、剥離紙13の一端部が取り付けられている。
【0088】
第2モーター部35は、巻取部34とともに剥離紙13の搬送手段を構成している。即ち、第2モーター部35は、ベルト又はチェーンを介して巻取部34の軸部に接続されており、この第2モーター部35を駆動することにより、巻取部34の軸部を所定の方向(図1の場合、時計回り方向)に回転させ、それによって、その軸部に剥離紙13を巻き取りながら剥離紙13を引っ張るため、剥離紙13が剥離紙供給部31から巻取部34に向けて搬送される。
【0089】
下流部30に配される不図示の第2制御部は、第2ローラ部33から入力された搬送速度の信号に基づいて、第2モーター部35の駆動を制御し、それによって、剥離紙13の搬送速度を、所定の大きさ(第2搬送速度V2)に調整する。この場合、剥離紙13の第2搬送速度V2は、台紙12の第1搬送速度V1よりも遅い速度に設定される。なお、本発明において、第1制御部と第2制御部は、一体に構成されていても良く、又は別体に構成されていても良い。
【0090】
本実施例1の製造装置1における中間部40は、図2に拡大して示したように、上流部20にて搬送される台紙12を折り返して、同台紙12からラベル11を剥離する剥離部41と、剥離部41にて剥離したラベル11を、転換ローラ32と第2ローラ部33との間にて搬送されている剥離紙13に向けて案内する案内部42とを有している。
【0091】
この中間部40における剥離部41は、一端部を細くした断面形状を有しており、剥離部41の一端で台紙12が裏面側に鋭角に折り返されるように構成されている。この場合、剥離部41は、台紙12の折り返し角度が、5°以上45°以下に、好ましくは15°
以上30°以下に、特に好ましくは20°になるような形態を有している。
【0092】
即ち、台紙12の折り返し角度を5°以上に設定することにより、折り返される台紙12の間に剥離部41を挿入可能な空間を確保できるため、剥離部41の板厚を厚くして、剥離部41が、使用に耐え得るような強度を安定して得ることができる。また、台紙12の折り返し角度を45°以下に設定することにより、同剥離部41にて台紙12を折り返したときに、台紙12からラベル11を安定して剥離することができる。
【0093】
また、この剥離部41は、台紙12の折り返し時に台紙12が引っ掛からないようにするため、表面の摩擦係数が小さい材質で構成されているか、或いは、剥離部41の表面に滑動性に優れたコーティング層が配されていることが好ましい。
【0094】
中間部40に配される案内部42は、同案内部42の底面を平坦面に形成するとともに、その底面を上流部20における台紙12の搬送面(第1ローラ部22と剥離部41との間における台紙12の搬送面)に対し下り傾斜させて構成されている。このような案内部42は、ラベル11が台紙12から徐々に剥離して押し出されることにより、当該ラベル11の表面を案内部42の底面側に接触させ、その案内部42の底面に沿って、当該ラベル11を剥離紙13へ向けて安定して案内することができる。
【0095】
この場合、案内部42の底面と上流部20にて搬送される台紙12との間、及び、案内部42の底面と下流部30にて搬送される剥離紙13との間には、ラベル11が挿通することが可能な間隙が設けられている。また、案内部42の下流側端部は、ラベル11が剥離紙13に送り渡されたときに、当該ラベル11が、剥離紙13と、先行するラベル11の一部表面とに安定して貼着されるように、当該ラベル11の表面を押さえる役割を果たしている。
【0096】
このような案内部42は、ラベル11を剥離紙13へ円滑に案内するように、表面の摩擦係数が小さい材質で構成されているか、或いは、案内部42底面に滑動性に優れたコーティング層が配されている。例えば本実施例1において、案内部42は、ポリテトラフルオロエチレン又はシリコーンによって構成されている。
【0097】
また、案内部42の底面における下り傾斜角度は、当該案内部42の材質又は底面コーティング層の材質によっても異なるが、上流部20における台紙12の搬送面に対して10°以上45°以下に、好ましくは20°以上40°以下となるように設定されている。
【0098】
即ち、この下り傾斜角度を10°以上45°以下に設定することにより、台紙12から剥離したラベル11を、案内部42の底面に引っ掛からせることなく円滑に案内し、上流部20から下流部30へのラベル11の送り渡し(即ち、台紙12から剥離紙13へのラベル11の送り渡し)を安定して行うことができる。
【0099】
特に本実施例1では、図2に示したように、剥離部41にてラベル11が剥離する位置から、剥離したラベル11が剥離紙13に接触する位置までの長さを、「送り渡し間の長さL1」と規定し、また、ラベル11の搬送方向に沿った長さ(例えばラベル11が円形に形成されている場合、同円形ラベル11における直径の長さ)を、「ラベル長さL2」と規定した場合、送り渡し間の長さL1は、上流部20と下流部30間の位置関係や、案内部42における下り傾斜角度を調整することにより、ラベル長さL2の80%以上95%以下の大きさに設定されている。
【0100】
即ち、送り渡し間の長さL1を、ラベル長さL2の80%以上の大きさにすることにより、台紙12から剥離紙13に向けてラベル11を送り渡す際に、ラベル11が剥離紙1
3に引っ掛かったり、過剰に撓んだりしてラベル11が詰まることを防止し、ラベル11の送り渡しをより円滑に行うことができる。
【0101】
一方、送り渡し間の長さL1を、ラベル長さL2の95%以下の大きさにすることにより、台紙12から剥離紙13に向けてラベル11を送り渡す際に、ラベル11が台紙12から完全に剥離する前に当該ラベル11を剥離紙13に確実に接触させることができる。これにより、ラベル11の送り渡し時にラベル11が台紙12からも剥離紙13からも離間した状態が生じることを防いで、ラベル11が台紙12及び剥離紙13の少なくとも一方に常に接地した状態を確保することができる。このため、ラベル11に静電気が帯電することを防いで、静電気に起因する不具合の発生を防止できる。
【0102】
次に、上述した製造装置1を用いて、台紙12に貼着された多数のラベル11から連続ラベル帯状体10を製造する方法について詳細に説明する。
先ず、ラベル供給部21に、多数のラベル11が貼着された台紙12をセットする。このとき、台紙12は、第1貼着部材として、前述のように台紙基材と剥離層とを有する帯状のシート(剥離紙)により構成されており、ロール状に巻き回されている。また、台紙12の剥離層側の表面には、多数のラベル11が台紙12の長さ方向に所定の間隔を開けて1列に並べた状態で貼着されている。
【0103】
ここで、台紙12に貼着されたラベル11における搬送方向に沿った長さ(又は、台紙12の長手方向に沿った長さ)を、前述したように「ラベル長さL2」と規定し、また、各ラベル11間に設けられた間隔の搬送方向に沿った長さを「間隔長さL3」と規定する。また、本実施例1に用いられる台紙12の一端部側には、ラベル11が貼着されていない領域となるラベル未貼着部分が設けられている。
【0104】
この場合、台紙12に貼着されているラベル11は、ラベル基材と、ラベル基材の一面(裏面)に配された粘着層と、ラベル基材の他面(表面)に配され、所望の文字や模様が印刷された印刷面と、ラベル基材の他面(表面)に印刷面を覆うように配された剥離層とを有しており、例えば前記特許文献1に記載されている各ラベルと実質的に同様に構成されている。なお、本発明における各ラベル11の形状は特に限定されるものではなく、円形、三角形、四角形などの様々な形状を採用できる。
【0105】
更に、本実施例1では、複数のラベル11が台紙12に所定の間隔を開けながら1列に並べて貼着されているが、本発明において、台紙12に貼着されるラベル11の列は1列に限定されるものではなく、2列以上の複数列であっても良い。また、本発明では、台紙12の長さ方向に列状に貼着されるラベル11間に所定の間隔を設けることなく、隣接するラベル11の端縁同士が突き合わされた状態で複数のラベル11が台紙12の長さ方向に列状に貼着されていても良い。
【0106】
このように複数のラベル11が貼着された台紙12のロール体をラベル供給部21にセットする場合、ラベル供給部21の軸部に台紙12のロール体を取り付ける。更に、取り付けられた台紙12のラベル未貼着部分が形成されている一端部をロール体から引っ張り出し、その台紙12の一端部を、図1に示したように、第1ローラ部22、剥離部41、及び検出ローラ部23にそれぞれ適切に通した後に、台紙回収部24の軸部に取り付ける。これにより、台紙12及びラベル11が製造装置1の上流部20にセットされる。
【0107】
なおこの場合、台紙12及びラベル11は、第1ローラ部22と剥離部41との間にて、ラベル11が台紙12の搬送面の表面側に露呈するようにしてセットされる。また、台紙12のラベル未貼着部分は、台紙12が上流部20にセットされたときに、ラベル11が剥離部41よりも上流側に位置するように形成されていることが好ましい。
【0108】
次に、剥離紙供給部31に、剥離紙13をセットする。このとき、剥離紙13は、第2貼着部材として、前述のように剥離紙基材と剥離層とを有する帯状のシートにより構成されており、ロール状に巻き回されている。このような剥離紙13のロール体を剥離紙供給部31にセットする場合、剥離紙供給部31の軸部に剥離紙13のロール体を取り付ける。
【0109】
更に、取り付けられた剥離紙13の一端部をロール体から引っ張り出し、その剥離紙13の一端部を、図1に示したように、転換ローラ32及び第2ローラ部33にそれぞれ適切に通した後に、巻取部34の軸部に取り付ける。これにより、剥離紙13が製造装置1の下流部30にセットされる。
【0110】
このとき、剥離紙13を剥離部41よりも低い位置に供給して同剥離紙13でラベル11を安定して受け取ることが可能なように、転換ローラ32と第2ローラ部33間における剥離紙13の搬送面の位置が、剥離部41の位置よりも重力方向の高さが低い位置に設置されている。
【0111】
上述のようにして、ラベル11及び第1貼着部材となる台紙12と、第2貼着部材となる剥離紙13とを製造装置1にそれぞれセットした後、第1及び第2制御部により第1及び第2モーター部25,35を駆動させて、台紙回収部24の軸部と巻取部34の軸部とを回転させる。これにより、台紙回収部24及び巻取部34にて台紙12及び剥離紙13をそれぞれ巻き取るため、ラベル11が貼着された台紙12と剥離紙13とが、ラベル供給部21及び剥離紙供給部31から台紙回収部24及び巻取部34に向けてそれぞれ搬送される。
【0112】
このとき、台紙12は検出ローラ部23を通ることにより、同検出ローラ部23で台紙12の第1搬送速度V1が検出され、その検出した第1搬送速度V1の信号が、上流部20の第1制御部に入力される。そして、第1制御部は、入力された信号に基づいて、台紙12の第1搬送速度V1が、ユーザーによって予め設定された速さとなるように第1モーター部25の駆動を制御して、台紙12の第1搬送速度V1を一定に維持する。
【0113】
また、剥離紙13は第2ローラ部33を通ることにより、同第2ローラ部33で剥離紙13の第2搬送速度V2が検出され、その検出した第2搬送速度V2の信号が、下流部30の第2制御部に入力される。そして、第2制御部は、入力された信号に基づいて、剥離紙13の第2搬送速度V2が、ユーザーによって予め設定された速さとなるように第2モーター部35の駆動を制御して、剥離紙13の第2搬送速度V2を一定に維持する。
【0114】
その後、台紙12が搬送されることによって、図2に示したように、台紙12の最も先頭側に貼着されたラベル11(以下、このラベル11を第1ラベル11aと呼ぶ)が剥離部41に到達すると、剥離部41にて台紙12は鋭角に折り返されると同時に、その台紙12の折り返しによって同台紙12から第1ラベル11aが徐々に剥離する。
【0115】
更にこの場合、台紙12は連続的に搬送されているため、第1ラベル11aは、台紙12から剥離しながら案内部42に向けて押し出される。これにより、当該第1ラベル11aの表面側(剥離層が形成されている面側)が案内部42の底面に接触し、更に、第1ラベル11aが案内部42の底面に沿って滑りながら、下流部30で搬送されている剥離紙13に向けて案内される。また、第1ラベル11aが案内部42に接触しながら案内されることにより、第1ラベル11aが例えば表面側に凹状に反り返ることも防止できる。
【0116】
そして、図3に示したように、第1ラベル11aが徐々に押し出されることによって、
第1ラベル11aの一端(先端)が剥離紙13に到達して接触する。このとき、前述したように、送り渡し間の長さL1は、ラベル長さL2の95%以下の大きさに設定されているため(図2を参照)、第1ラベル11aが台紙12から完全に剥離する前に、第1ラベル11aの一端を剥離紙13に接触させることができる。これにより、第1ラベル11aに静電気が帯電することを防止できる。
【0117】
第1ラベル11aの一端が剥離紙13に接触した後、当該第1ラベル11aは剥離紙13に貼着するとともに、剥離紙13に伴って巻取部34に向けて搬送される。このとき、第1ラベル11aは、第1搬送速度V1で台紙12から押し出されるとともに、剥離紙13に貼着したラベル11の一端部側は、第2搬送速度V2で搬送される。しかしこの場合、剥離紙13の第2搬送速度V2は台紙12の第1搬送速度V1よりも遅く、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2との間には速度差が生じているため、当該第1ラベル11aは、図4に示したように、案内部42から離間するように徐々に下方側に撓みながら剥離紙13に送り渡される。
【0118】
その後、第1ラベル11aが台紙12から押し出されて完全に剥離すると、当該第1ラベル11aは、図5に示したように、台紙12及び案内部42から滑り落ちる。このとき、例えば第1ラベル11aが台紙12の折り返し位置に引っ掛かって台紙12及び案内部42から落ちない場合であっても、当該第1ラベル11aは剥離紙13の搬送によって下流側に引っ張られるとともに、当該第1ラベル11aに後続する次のラベル11(以下、このラベル11を第2ラベル11bと呼ぶ)が台紙12から剥離する際に第1ラベル11aを後ろから物理的に押す出すため、第1ラベル11aを台紙12及び案内部42から確実に落として剥離紙13に渡すことができる。
【0119】
更に、剥離紙13に送り渡された第1ラベル11aは、当該第1ラベル11aの粘着層を介して剥離紙13に貼着する。特にこの場合、第1ラベル11aが剥離紙13とともに下流側に搬送されることにより、案内部42の下流側端部によって第1ラベル11aがラベル表面側から押えられるため、第1ラベル11aを剥離紙13に安定して貼着することができる。
【0120】
一方、台紙12は第1ラベル11aが滑り落ちた後も第1搬送速度V1で搬送されているため、第1ラベル11aの後に続く次の第2ラベル11bが剥離部41に到達し、台紙12から徐々に剥離する(図5を参照)。
【0121】
そして、第2ラベル11bが、台紙12から剥離しながら押し出されることにより、当該第2ラベル11bが案内部42の底面に沿って滑りながら案内される。このとき、剥離紙13の第2搬送速度V2は、台紙12の第1搬送速度V1よりも遅いため、第2ラベル11bが案内部42によって剥離紙13に案内されることによって、第2ラベル11bの一端(先端)が、図6に示すように、先行する第1ラベル11aの表面に接触する(又は、第2ラベル11bの先端縁が、先行する第1ラベル11aの後端縁に突き合わされる)。
【0122】
その後、第2ラベル11bは、先行する第1ラベル11aの場合と同様に、案内部42から離間するように撓みながら送られ、更に、第2ラベル11bが台紙12から完全に剥離したときに、台紙12及び案内部42から滑り落ち、当該第2ラベル11bは、先行する第1ラベル11aの表面に一部分が重なり合った状態で剥離紙13に貼着される。
【0123】
このように、台紙12及び剥離紙13をそれぞれ所定の速度で搬送しながら、ラベル11の台紙12から剥離紙13への送り渡し作業を順次繰り返すことにより、各ラベル11が、先行するラベル11の表面に一部分を重ね合わせながら剥離紙13に順番に貼着され
ていく。これにより、剥離紙13上に、ラベル11の少なくとも一部分が他のラベル11の表面若しくは裏面に積み重ねられて多数のラベル11が帯状に連結された連続ラベル帯状体10を製造することができる。
【0124】
この場合、得られる連続ラベル帯状体10において、各ラベル11と先行するラベル11とが重なり合う領域における搬送方向に沿った寸法を「ラップ寸法Lp」と規定した場合、このLpの大きさは、台紙12の第1搬送速度V1、剥離紙13の第2搬送速度V2、ラベル長さL2、及び間隔長さL3に対して、「Lp=L2−V2/V1(L2+L3)」の関係を有している。
【0125】
すなわち、台紙12に所定の間隔を開けて貼着された複数のラベル11から連続ラベル帯状体10を製造する際に、台紙12の第1搬送速度V1と剥離紙13の第2搬送速度V2の設定速度を、V1>V2の関係を保持しつつ変更することにより、製造される連続ラベル帯状体10のラップ寸法Lpを所望の大きさに制御することができる。
【0126】
そして、上述のようにして剥離紙13上に製造された連続ラベル帯状体10は、剥離紙13に貼着された状態のまま剥離紙13とともに第2ローラ部33を介して巻取部34に搬送され、同巻取部34にて巻き取られることにより回収される。このように連続ラベル帯状体10が剥離紙13に貼着された状態で剥離紙13とともに回収されることにより、その連続ラベル帯状体10の粘着層が剥離紙13により保護された状態で連続ラベル帯状体10を市場に供給することが可能となる。
【0127】
以上のように、本実施例1によれば、上流部20の剥離部41にて台紙12から1枚ずつ剥離したラベル11を、下流部30にて搬送される剥離紙13に順次送り渡して貼着することにより、剥離紙13上に、多数のラベル11が一定のラップ寸法Lpでずらされながら一続きに連結された連続ラベル帯状体10を、人手作業を介することなく製造して回収することができる。
【0128】
このように連続ラベル帯状体10の製造ラインを自動化することにより、連続ラベル帯状体10を連続的に且つ効率的に製造できるため、生産性を大幅に向上できるとともに、製造コストを低減できる。また、製造された連続ラベル帯状体10の品質にバラツキが生じることも防止できる。
【0129】
なお、上述した実施例1では、製造装置1の上流部20に配されたラベル供給部21に、複数のラベル11が貼着された台紙12のロール体をセットして、連続ラベル帯状体10の製造が行われている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、剥離部41の上流側に、複数のラベル11を台紙12上に製造するラベル製造手段を連設することによって、ラベル11の製造と連続ラベル帯状体10の製造とを連続的に行うことも可能である。
【0130】
この場合、ラベル製造手段としては、従来から知られているラベル製造装置を用いることができる。ラベル製造装置の一例について具体的に説明すると、例えばラベル製造装置は、ラベル11を構成する紙等のラベル基材の裏面に粘着層を形成する粘着層形成部と、ラベル基材の粘着層側に台紙12を貼着する台紙貼着部と、ラベル基材の表面に印刷を行なう印刷部(例えば、ラベルプリンタ)と、ラベル基材の印刷面側に剥離層を形成する剥離層形成部と、台紙12が貼着されているラベル基材を粘着層及び剥離層とともに所定の形状に型抜きしてラベル11を製造する型抜き部とを有している。
【0131】
このようなラベル製造装置を用いて複数のラベル11を製造する場合、先ず、紙や樹脂フィルムなどからなる帯状のラベル基材を準備し、同ラベル基材を粘着層形成部に搬送す
る。この粘着層形成部では、ラベル基材の裏面に粘着剤を塗工することにより、ラベル基材に粘着層を形成する。
【0132】
次に、粘着層が形成されたラベル基材を台紙貼着部に搬送し、この台紙貼着部にて、粘着層の一面に帯状の台紙12を貼着する。これによって、台紙12でラベル基材を支持するとともに粘着層を保護することができる。この場合、前述したように、連続ラベル帯状体10の製造装置1における剥離部41にて、台紙12からラベル11が円滑に剥離できるように、台紙12のラベル貼り付け面には剥離層が設けられている。
【0133】
続いて、粘着層を介して台紙12が貼り付けられたラベル基材を、印刷部に搬送し、同ラベル基材の粘着層が配されていない側の表面に印刷を施す。なお、ラベル11に印刷を施さない場合には、この印刷工程を省略することも可能である。
【0134】
印刷部にて印刷工程が行われた後、同ラベル基材を剥離層形成部に搬送する。この剥離層形成部では、ラベル基材の印刷面側に剥離剤を塗工することにより、ラベル基材の粘着層が配されていない側の表面に剥離層を形成する。このような剥離層を有することにより、例えば前述のようなラベル11同士が重なり合うように連結された連続ラベル帯状体10を製造したときに、各ラベル11を裏面側に隣接するラベル11の表面から容易に引き剥がして使用することができる。
【0135】
その後、粘着層及び剥離層が形成されたラベル基材を型抜き部に搬送し、この型抜き部にて、ラベル基材を粘着層及び剥離層とともに所望の形状に切断する。これにより、所望の形状を有する多数のラベル11が帯状の台紙12に列状に貼着された状態で製造される。なお、この型抜き部にて、台紙12に貼着された各ラベル11のラベル長さL2や、各ラベル11間に設けられた間隔長さL3の大きさを容易に変更することが可能である。
【0136】
以上のような複数のラベル11を台紙12に貼着した状態で製造可能なラベル製造装置を、連続ラベル帯状体10の製造装置1における上流部20側に接続するように設けることにより、連続ラベル帯状体10の製造装置1における剥離部41に向けて、多数のラベル11を連続的に供給することが可能となる。
【0137】
これにより、台紙12上に多数のラベル11を製造しながら、その製造されたラベル11を用いて連続ラベル帯状体10を連続的に製造することが可能となるため、連続ラベル帯状体10の製造をより効率的に行うことができる。なお、本発明において、ラベル製造手段の構成は特に限定されず、複数のラベル11を台紙12上に製造することが可能であれば、その他の製造装置を用いることも可能である。
【実施例2】
【0138】
図7は、本実施例2に係る連続ラベル集合体の製造装置の要部を概略的に示す模式図である。
本実施例2に係る連続ラベル集合体15の製造装置2は、剥離紙13上に連続ラベル集合体15を製造した後、得られた連続ラベル集合体15を剥離紙13に貼着されたまま短冊状の形態で回収するように構成されている。なお、本実施例2、並びに後述する実施例3及び4において、前述の実施例1にて説明した部品及び部材と同様の構成を有するものについては、同じ符号を用いて表すことによって、その説明を省略することとする。
【0139】
本実施例2に係る製造装置2は、同製造装置2の上流側に配され、台紙12に貼着されたラベル11を供給する側となる上流部20と、同製造装置2の下流側に配され、製造された連続ラベル集合体15を回収する側となる下流部50と、上流部20にて搬送されるラベル11を台紙12から剥離して下流部50に送り渡す中間部40とを有している。こ
の場合、本実施例2における上流部20及び中間部40は、前述の実施例1における製造装置1と同様に構成されている。
【0140】
本実施例2における下流部50は、第2貼着部材となる剥離紙13を供給する不図示の剥離紙供給部と、剥離紙供給部から供給された剥離紙13の搬送方向を転換させる転換ローラ52と、剥離紙13を第2搬送速度V2で搬送するとともに、製造された連続ラベル集合体15を剥離紙13に貼着された状態で排出する搬送ローラ部53と、搬送ローラ部53を回転させる不図示の第2モーター部と、第2モーター部の駆動を制御する不図示の第2制御部と、搬送ローラ部53から排出された剥離紙13を所定の長さで切断する切断部56と、切断部56を通過した連続ラベル集合体15及び剥離紙13を回収する回収部57とを有している。
【0141】
なお、本実施例2において、図示しない剥離紙供給部と転換ローラ52とは、前述の実施例1の場合と同様に構成されており、転換ローラ52は、搬送ローラ部53との間で、搬送される剥離紙13の搬送面を水平に保持するように配されている。この場合、転換ローラ52と搬送ローラ部53間における剥離紙13の搬送面は、中間部40の剥離部41の位置よりも低い位置に設定されている。
【0142】
同下流部50における搬送ローラ部53は、一対の上下ローラを備えており、これらの上下ローラ間に剥離紙13及び連続ラベル集合体15を挟持するとともに、上下ローラの少なくとも一方が第2モーター部により回転させられることにより、剥離紙13及び連続ラベル集合体15を第2搬送速度V2で搬送する。
【0143】
切断部56は、搬送ローラ部53から排出される剥離紙13の表面側に配される第1カッター部と、剥離紙13の裏面側に配され、第1カッターと協働して剥離紙13を切断する第2カッター部とを有している。
回収部57は、切断部56にて所定の長さに切断された剥離紙13に貼着されている連続ラベル集合体15を順番に載置して収容することが可能な受け皿状に構成されている。
【0144】
このような下流部50を有する本実施例2の製造装置2は、上流部20にて搬送される台紙12から、下流部50にて搬送される剥離紙13に向けて、ラベル11を順次送り渡していくことにより、剥離紙13上に、複数のラベル11が連結された連続ラベル集合体15が製造される。
【0145】
特に本実施例2では、剥離紙13上に連続ラベル集合体15を製造する際に、上流部20を間欠的に稼動させ、ラベル11及び台紙12の搬送と停止とを所定の間隔おきに繰り返すとともに、下流部50を連続的に稼動させて剥離紙13を所定の速度で連続的に搬送しながら、ラベル11が上流部20から下流部50に送り渡される。
【0146】
その結果、上流部20の運転稼働中には、下流部50の剥離紙13上に、所定枚数のラベル11が順次重ね合わされて連結された一群の連続ラベル集合体15が製造される。一方、上流部20の運転停止中には、ラベル11の上流部20から下流部50への送り渡しが行われないものの、下流部50では剥離紙13が連続的に搬送されるため、剥離紙13上にラベル11が貼着されない間隙が形成される。従って、本実施例2の製造装置2では、図8に示すように、下流部50における剥離紙13上に、所定の枚数のラベル11を一組として連結された複数の連続ラベル集合体15が、所定の間隔を開けながら連続的に製造される。
【0147】
そして、剥離紙13上に製造された複数の連続ラベル集合体15は、剥離紙13とともに、搬送ローラ部53を介して排出される。このとき、搬送ローラ部53から剥離紙13
が所定の長さで排出されると、切断部56に配された第1及び第2カッター部が剥離紙13に向けて移動し、図8に二点鎖線で示したように、各連続ラベル集合体15間に配されたラベル11の存在しない領域(即ち、各連続ラベル集合体15間に形成される間隔の領域)で剥離紙13を切断する。
【0148】
その後、連続ラベル集合体15及び剥離紙13は回収部57に落下して載置され、同回収部57内に順次積み重ねられる。これにより、所定の長さを有する連続ラベル集合体15が、短冊状に切断された剥離紙13に貼着された状態で回収される。
【0149】
このように、本実施例2の製造装置2を用いることによって、所定枚数のラベル11を一続きに連ねて一群に集合させた連続ラベル集合体15を、人手作業を介することなく製造して容易に回収することができる。特に本実施例2では、連続ラベル集合体15を、剥離紙13に貼着して同連続ラベル集合体15の粘着層が保護された状態で提供することが可能となる。
【0150】
なお、本実施例2では、剥離紙13上に複数の連続ラベル集合体15を一列にして製造されているが、本発明では、連続ラベル集合体15を剥離紙13の幅方向に2列以上の複数列に並べて製造することもできる。この場合、連続ラベル集合体15の製造後にカッター部において剥離紙13を幅方向に切断するだけでなく、長さ方向にも切断することによって、各連続ラベル集合体15を剥離紙13に貼着された状態で回収することができる。
【実施例3】
【0151】
図9は、本実施例3に係る連続ラベル帯状体の製造装置の要部を概略的に示す模式図である。
本実施例3に係る連続ラベル帯状体10の製造装置3は、剥離紙13上に連続ラベル帯状体10を製造した後、得られた連続ラベル帯状体10を剥離紙13から剥離し、更に、同連続ラベル帯状体10をロール状に巻き回してロール体の形態で回収するように構成されている。
【0152】
具体的に説明すると、本実施例3に係る製造装置3は、同製造装置3の上流側に配され、台紙12に貼着されたラベル11を供給する側となる上流部20と、同製造装置3の下流側に配され、製造された連続ラベル帯状体10を回収する側となる下流部60と、上流部20にて搬送されるラベル11を台紙12から剥離して下流部60に送り渡す中間部40とを有している。
【0153】
本実施例3における下流部60は、第2貼着部材となる剥離紙13を供給する不図示の剥離紙供給部と、剥離紙供給部から供給された剥離紙13の搬送方向を転換させる転換ローラ62と、剥離紙13の第2搬送速度V2を検出するとともに剥離紙13及び連続ラベル帯状体10を下流側に送る第2ローラ部63と、第2ローラ部63の下流側に配され、剥離紙13を折り返すことにより剥離紙13から連続ラベル帯状体10を剥離する剥離部66と、剥離部66にて剥離した連続ラベル帯状体10を巻き取る第1巻取部67と、連続ラベル帯状体10が剥離された剥離紙13を巻き取る不図示の第2巻取部と、第1及び第2巻取部をそれぞれ回転させる不図示の第2モーター部と、第2モーター部の駆動を制御する不図示の第2制御部とを有している。
【0154】
なお、本実施例3において、剥離紙供給部、転換ローラ62、第2ローラ部63、及び第2巻取部は、前述の実施例1における剥離紙供給部31、転換ローラ32、第2ローラ部33、及び巻取部34とそれぞれ同様に構成されている。
【0155】
本実施例3の下流部60に配される剥離部66は、一端部を細くした断面形状を有して
おり、剥離部66の一端で剥離紙13が鋭角に折り返されるように構成されている。この剥離部66にて、連続ラベル帯状体10が貼着された状態の剥離紙13を折り返すことによって、連続ラベル帯状体10を剥離紙13から安定して剥離することができる。
【0156】
第1巻取部67は、回転可能に配された軸部を備えており、この第1巻取部67の軸部は、図示しない第2モーター部に接続されている。このため、第2モーター部によって第1巻取部67の軸部を回転させることにより、当該軸部に連続ラベル帯状体10を巻き付けて回収することができる。
【0157】
なお、本実施例3において、第2モーター部は、剥離紙13を巻き取る第2巻取部とともに剥離紙13を搬送する搬送手段を構成するとともに、連続ラベル帯状体10を巻き取る第1巻取部67とともに、剥離紙13から剥離した連続ラベル帯状体10を搬送する搬送手段を構成する。
【0158】
このような下流部60を有する本実施例3の製造装置3では、前述の実施例1と同様に、剥離紙13を台紙11の第1搬送速度V1よりも遅い第2搬送速度V2で搬送することにより、多数のラベル11が帯状に連結された連続ラベル帯状体10を、人手作業を介することなく、剥離紙13上に製造することができる。
【0159】
なお、この剥離紙13上に製造された連続ラベル帯状体10は、その後、第2ローラ部63の下流側に配された剥離部66にて剥離紙13から剥離される。更に、剥離された連続ラベル帯状体10は、第1巻取部67にて巻き取られてロール状の形態で回収される。
【0160】
この場合、各ラベル11の粘着力によるラベル11間の付着力は、連続ラベル帯状体10の回収時に同連続ラベル帯状体10が受ける張力よりも大きく設定されていることにより、連続ラベル帯状体10を巻き取る際に、連続ラベル帯状体10を構成するラベル11間で剥離が生じること防ぎ、連続ラベル帯状体10を途中で分断させることなく、ロール状に円滑に巻き取ることが可能となる。
【0161】
また、剥離部66にて連続ラベル帯状体10を剥離した剥離紙13は、剥離部66の下流側で第2巻取部にて巻き取られて回収される。このため、本実施例3では、剥離紙13をリサイクルして繰り返し使用できるため、製造コストを大幅に低減できるとともに、省資源化やゴミ減量化を図ることができる。
【実施例4】
【0162】
図10は、本実施例4に係る連続ラベル帯状体の製造装置の要部を概略的に示す模式図である。
本実施例4に係る連続ラベル帯状体10の製造装置4は、剥離紙13を搬送する搬送手段として、剥離紙13を巻き取る巻取部と、無端ベルト部材76bを備えたコンベア部76とを有している。また、この製造装置4は、剥離紙13上に連続ラベル帯状体10を製造した後、得られた連続ラベル帯状体10を剥離紙13から剥離し、同連続ラベル帯状体10をロール状に巻き回して回収するように構成されている。
【0163】
具体的に説明すると、本実施例4に係る製造装置4は、同製造装置4の上流側に配され、台紙12に貼着されたラベル11を供給する側となる上流部20と、同製造装置4の下流側に配され、製造された連続ラベル帯状体10を回収する側となる下流部70と、上流部20にて搬送されるラベル11を台紙12から剥離して下流部70に送り渡す中間部40とを有している。
【0164】
本実施例4における下流部70は、剥離紙13を供給する剥離紙供給部71と、剥離紙
供給部71から供給された剥離紙13を搬送するコンベア部76と、剥離紙13から連続ラベル帯状体10を剥離して連続ラベル帯状体10を排出する排出部77と、排出部77から排出された連続ラベル帯状体10を巻き取る第1巻取部78と、連続ラベル帯状体10が剥離された剥離紙13を巻き取る第2巻取部79とを有している。
【0165】
なお、本実施例4において、剥離紙供給部71及び第2巻取部79は、前述の実施例1における剥離紙供給部31及び巻取部34とそれぞれ同様に構成されている。例えば、本実施例4の第2巻取部79は、回転可能に配された軸部を備えており、この第2巻取部79の軸部は、図示しない第2モーター部に接続されている。
【0166】
本実施例4の下流部70に配されるコンベア部76は、複数のローラ76aと、これらのローラ76aに巻き掛けられた無端ベルト部材76bとを有している。また、このコンベア部76において、複数のローラ76aのうちの少なくとも1つが駆動ローラとして機能し、無端ベルト部材76bを一定の第2搬送速度V2で回行させる。
【0167】
排出部77は、コンベア部76に配されたローラ76aの1つを下ローラとして利用して、一対の上下ローラにより構成されている。この排出部77は、下ローラ76aで無端ベルト部材76b及び剥離紙13の搬送方向を転換することにより、剥離紙13から連続ラベル帯状体10を剥離して排出するように構成されている。
【0168】
なお、排出部77において、下ローラ76aによる搬送方向の転換のみでは連続ラベル帯状体10を剥離紙13から剥離することが難しい場合には、例えば排出部77の下流側に、前述の実施例3にて用いた剥離部66を配置して、同剥離部66で剥離紙13を折り返すことにより連続ラベル帯状体10を剥離することも可能である。
【0169】
第1巻取部78は、回転可能に配された軸部を備えており、この第1巻取部78の軸部は、図示しない第2モーター部に接続されている。このため、第2モーター部によって第1巻取部78の軸部を回転させることにより、当該軸部に連続ラベル帯状体10を巻き付けて回収することができる。
【0170】
このような下流部70を有する本実施例4の製造装置4では、前述の実施例3と同様に、剥離紙13を台紙11の第1搬送速度V1よりも遅い第2搬送速度V2で搬送することにより、連続ラベル帯状体10が剥離紙13上に製造される。また、製造された連続ラベル帯状体10は、排出部77で剥離紙13から剥離された後に第1巻取部78で巻き取られてロール状の形態で回収される。更に、排出部77にて連続ラベル帯状体10を剥離した剥離紙13は、第2巻取部79にて巻き取られて回収されるため、その剥離紙13をリサイクルして繰り返し使用することができる。
【0171】
なお、本実施例4の製造装置4では、剥離部41で剥離したラベル11を順次受け取って貼着する第2貼着部材として剥離紙13を用いているが、例えば実施例4におけるコンベア部76の無端ベルト部材76bを第2貼着部材として利用することによって、実施例4の変形例に係る製造装置を構成することが可能である。
【0172】
このような実施例4の変形例に係る製造装置では、無端ベルト部材76bが、例えば剥離紙13に設けられているような剥離層を表面に有して構成されるとともに、当該無端ベルト部材76bをローラ76aによって台紙11の第1搬送速度V1よりも遅い第2搬送速度V2で回行させる。
【0173】
これにより、剥離部41にて剥離された多数のラベル11を、第2貼着部材となる無端ベルト部材76bに順次送り渡して貼着することができるため、無端ベルト部材76b上
に、連続ラベル帯状体10を製造することが可能となる。また、この変形例に係る製造装置において、無端ベルト部材76b上に製造された連続ラベル帯状体10は、排出部77で剥離紙13から剥離された後に第1巻取部78で巻き取られてロール状の形態で回収される。
【0174】
更にこの場合、前述実施例4の製造装置4では必要とされた剥離紙13が不要となるとともに、例えば図10に示されている剥離紙13を供給するための剥離紙供給部71と、剥離紙13を巻き取って回収するための第2巻取部79とを排除して、変形例に係る製造装置を構成することができる。このため、連続ラベル帯状体10の製造コストを更に低減できるとともに、省資源化による環境保護を図ることができる。
【符号の説明】
【0175】
1 製造装置
2 製造装置
3 製造装置
4 製造装置
10 連続ラベル帯状体
11 ラベル
11a,11b 第1及び第2ラベル
12 台紙
13 剥離紙
15 連続ラベル集合体
20 上流部
21 ラベル供給部
22 第1ローラ部
22a 上ローラ
22b 下ローラ
23 検出ローラ部
23a 左ローラ
23b 右ローラ
24 台紙回収部
25 第1モーター部
30 下流部
31 剥離紙供給部
32 転換ローラ
33 第2ローラ部
33a 上ローラ
33b 下ローラ
34 巻取部
35 第2モーター部
40 中間部
41 剥離部
42 案内部
50 下流部
52 転換ローラ
53 搬送ローラ部
56 切断部
57 回収部
60 下流部
62 転換ローラ
63 第2ローラ部
66 剥離部
67 第1巻取部
70 下流部
71 剥離紙供給部
76 コンベア部
76a ローラ
76b 無端ベルト部材
77 排出部
78 第1巻取部
79 第2巻取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品(11)の少なくとも一部分を他の粘着物品(11)の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品(11)の端縁を他の粘着物品(11)の端縁に突合させて、多数の前記粘着物品(11)を帯状に一続きに連ねた連続粘着物品帯状体(10)を自動的に製造する製造装置(1,3,4)において、
第1面に多数の前記粘着物品(11)が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材(12)を供給する第1供給手段と、
前記第1貼着部材(12)を第1搬送速度にて搬送する第1搬送手段(25)と、
搬送される前記第1貼着部材(12)を所定の位置にて第2面側に折り返し、前記粘着物品(11)を1枚ずつ前記第1貼着部材(12)から剥離する剥離部(41)と、
剥離した多数の前記粘着物品(11)を順次受け取って貼着する第2貼着部材(13,76b)を前記剥離部(41)よりも低い位置に供給する第2供給手段と、
前記第2貼着部材(13,76b)を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送する第2搬送手段(35)と、
前記第1搬送手段(25)及び前記第2搬送手段(35)の駆動を制御する制御部と、
を有してなる、
ことを特徴とする連続粘着物品帯状体の製造装置。
【請求項2】
裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品(11)の少なくとも一部分を他の粘着物品(11)の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品(11)の端縁を他の粘着物品(11)の端縁に突合させて、所定枚数の前記粘着物品(11)を一続きに連ねて一群に集合させた複数の連続粘着物品集合体(15)を自動的に製造する製造装置(2) において、
第1面に多数の前記粘着物品(11)が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材(12)を供給する第1供給手段と、
前記第1貼着部材(12)を第1搬送速度にて搬送する第1搬送手段(25)と、
搬送される前記第1貼着部材(12)を所定の位置にて第2面側に折り返し、前記粘着物品(11)を1枚ずつ前記第1貼着部材(12)から剥離する剥離部(41)と、
剥離した多数の前記粘着物品(11)を順次受け取って貼着する第2貼着部材(13)を前記剥離部(41)よりも低い位置に供給する第2供給手段と、
前記第2貼着部材(13)を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送する第2搬送手段と、
前記第1搬送手段(25)及び前記第2搬送手段の駆動を制御する制御部と、
を有してなる、
ことを特徴とする連続粘着物品集合体の製造装置。
【請求項3】
前記第1貼着部材(12)から剥離した前記粘着物品(11)を前記第2貼着部材(13,76b)に向けて順次案内する案内部(42)が、前記剥離部(41)よりも上流側の搬送面に対し所定の角度で下り傾斜して配され、
前記案内部(42)は、前記粘着物品(11)の表面側を接触させて、前記粘着物品(11)を当該案内部(42)に沿って案内してなる、
請求項1又は2記載の製造装置。
【請求項4】
前記剥離部(41)にて前記粘着物品(11)が剥離する位置から、剥離した前記粘着物品(11)が前記第2貼着部材(13,76b)に接触する位置までの長さ(L1)が、搬送方向に沿った前記粘着物品(11)の寸法(L2)よりも短く設定されてなる請求項3記載の製造装置。
【請求項5】
前記第1供給手段は、前記第1貼着部材(12)に貼着されている状態で多数の前記粘着物品(11)を供給する粘着物品供給部(21)、又は前記第1貼着部材(12)上に前記粘着物品(11)を製造する粘着物品製造手段を有してなる請求項1〜4のいずれかに記載の製造装置。
【請求項6】
前記連続粘着物品帯状体(10)が前記第2貼着部材(13)上に製造された後、前記連続粘着物品帯状体(10)を前記第2貼着部材(13)に貼着された状態で前記第2貼着部材(13)とともに巻き取る巻取部(34)が配されてなる請求項1記載の製造装置。
【請求項7】
複数の前記連続粘着物品集合体(15)が前記第2貼着部材(13)上に所定の間隔をもって製造された後、前記連続粘着物品集合体(15)間に設けられた前記間隔の領域にて前記第2貼着部材(13)を切断する切断部(56)と、切断後に前記連続粘着物品集合体(15)及び前記第2貼着部材(13)を回収する回収部(57)とが配されてなる請求項2記載の製造装置。
【請求項8】
前記連続粘着物品帯状体(10)が前記第2貼着部材(13,76b)上に製造された後、前記第2貼着部材(13,76b)から前記連続粘着物品帯状体(10)を剥離して当該連続粘着物品帯状体(10)を排出する排出部(66,77) と、前記排出部(66,77) から排出された前記連続粘着物品帯状体(10)を巻き取る巻取部(67,78) とが配されてなる請求項1記載の製造装置。
【請求項9】
裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品(11)の少なくとも一部分を他の粘着物品(11)の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品(11)の端縁を他の粘着物品(11)の端縁に突合させて、多数の前記粘着物品(11)を帯状に一続きに連ねた連続粘着物品帯状体(10)を自動的に製造する製造方法において、
第1面に多数の前記粘着物品(11)が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材(12)を供給すること、
前記第1貼着部材(12)を第1搬送速度にて搬送すること、
前記第1貼着部材(12)を搬送しながら剥離部(41)にて第2面側に折り返し、前記粘着物品(11)を1枚ずつ前記第1貼着部材(12)から剥離すること、
前記剥離部(41)よりも低い位置に第2貼着部材(13,76b)を供給すること、
前記第2貼着部材(13,76b)を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送すること、及び、
剥離した多数の前記粘着物品(11)を前記第2貼着部材(13,76b)に順次送り渡して貼着することにより、前記第2貼着部材(13,76b)上に前記連続粘着物品帯状体(10)を製造すること、
を含んでなる連続粘着物品帯状体の製造方法。
【請求項10】
裏面に粘着層を有する薄片状粘着物品(11)の少なくとも一部分を他の粘着物品(11)の表面に積み重ねて、又は前記粘着物品(11)の端縁を他の粘着物品(11)の端縁に突合させて、所定枚数の前記粘着物品(11)を一続きに連ねて一群に集合させた複数の連続粘着物品集合体(15)を自動的に製造する製造方法において、
第1面に多数の前記粘着物品(11)が所定の間隔をもって列状に貼着された第1貼着部材(12)を供給すること、
前記第1貼着部材(12)を第1搬送速度にて搬送すること、
前記第1貼着部材(12)を搬送しながら剥離部(41)にて第2面側に折り返し、前記粘着物品(11)を1枚ずつ前記第1貼着部材(12)から剥離すること、
前記剥離部(41)よりも低い位置に第2貼着部材(13)を供給すること、
前記第2貼着部材(13)を前記第1搬送速度よりも遅い第2搬送速度にて搬送すること、及び、
剥離した前記粘着物品(11)を前記第2貼着部材(13)に順次送り渡して貼着することにより、前記第2貼着部材(13)上に複数の前記連続粘着物品集合体(15)を各連続粘着物品集合体(15)間に所定の間隔を設けて製造すること、
を含んでなる連続粘着物品集合体の製造方法。
【請求項11】
前記剥離部(41)よりも上流側の搬送面に対し所定の角度で下り傾斜して配された案内部
(42)に、前記第1貼着部材(12)から剥離した前記粘着物品(11)の表面側を接触させ、当該粘着物品(11)を前記案内部(42)に沿って前記第2貼着部材(13,76b)に向けて案内することを含んでなる請求項9又は10記載の製造方法。
【請求項12】
前記剥離部(41)にて前記粘着物品(11)が剥離する位置から、剥離した前記粘着物品(11)が前記第2貼着部材(13,76b)に接触する位置までの長さ(L1)を、搬送方向に沿った前記粘着物品(11)の寸法(L2)よりも短くし、前記粘着物品(11)が前記第1貼着部材(12)から完全に剥離する前に当該粘着物品(11)を前記第2貼着部材(13,76b)に接触させることを含んでなる請求項11記載の製造方法。
【請求項13】
前記連続粘着物品帯状体(10)の製造後、前記連続粘着物品帯状体(10)を前記第2貼着部材(13)に貼着された状態で前記第2貼着部材(13)とともに巻き取ることを含んでなる請求項9記載の製造方法。
【請求項14】
複数の前記連続粘着物品集合体(15)の製造後、各連続粘着物品集合体(15)間に設けられた前記間隔の領域にて前記第2貼着部材(13)を切断すること、及び、
切断後に前記連続粘着物品集合体(15)及び前記第2貼着部材(13)を回収すること、
を含んでなる請求項10記載の製造方法。
【請求項15】
前記連続粘着物品帯状体(10)の製造後、前記第2貼着部材(13,76b)から前記連続粘着物品帯状体(10)を剥離して当該連続粘着物品帯状体(10)を排出すること、及び、
排出された前記連続粘着物品帯状体(10)を巻き取ること、
を含んでなる請求項9記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−206335(P2012−206335A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72990(P2011−72990)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(311001462)株式会社イーストエンジニアリング (1)
【Fターム(参考)】