説明

遊技システム

【課題】他の遊技者が獲得した遊技球を盗んで使用したり、獲得した遊技球を他の遊技場で使用するなどの不正を防止することができる遊技システムを提供する。
【解決手段】本発明にかかる遊技システムは、遊技機と計数機とを備えている。遊技機は、ICカードから遊技者を特定する遊技者コードを読み取って、遊技球のICタグ7に書き込む。遊技球8を景品に交換するために遊技球8の総数をカウントする計数機4において、ICカードから読み取った遊技者コードが、遊技球のICタグ7に書き込まれた競技者コードと一致しないとき、警告音や警告表示などを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場などに設けられる遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機などを設置した遊技場では、遊技者は、現金と引き換えに貸借した遊技球(パチンコ玉)や遊技メダルなどの遊技媒体を用いて所望する遊技機で遊技を行い、その遊技結果、賞として獲得した遊技媒体の数量に応じた景品と交換できるようになっている。
【0003】
しかし、このような遊技場においては、遊技機に対して不正行為が行われることが多く、各遊技場ではその不正対策に苦慮している現状があることから、不正行為を防止可能な遊技機が各種提案されている。
【0004】
例えば、通常遊技状態から、一度により多量の遊技球の払い出しを受けることが可能な所謂「大当たり」と呼ばれる特定遊技状態に移行するパチンコ遊技機に対し、基盤ボックスと特定遊技状態で開閉動作する大入賞口にICタグを設置し、これらICタグを常時呼び出して応答の有無とIDコードを監視し、異常があった場合にランプや音で報知したり、動作を停止したりして不正行為による被害を防止するようにしたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【0005】
また、前記特定遊技状態(大当たり)を、体感器と呼ばれる不正器具を用いて、意図的に発生させる方法が知られており、かかる不正行為を防止するために、遊技盤上のゲートにICタグとアンテナを設置し、これらで遊技球の通過を検知し、制御基板の内部で抽選を実行するループカウンタを初期値にリセットする遊技機がある(例えば、特許文献2を参照。)
【特許文献1】特開2004−81464号公報
【特許文献2】特開2006−102238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載された遊技機は、遊技機に対する不正行為については有効かもしれないが、遊技媒体に対する不正には対応できないものであった。
【0007】
すなわち、不正行為の中にも、他の遊技者が獲得した遊技媒体を盗んで使用したり、獲得した遊技媒体を他の遊技場で使用するなどの不正があり、かかる不正は上述した遊技機では対応できない。したがって、かかる不正を防止するためには、遊技場の係員による監視に頼るしか手がないというのが現状である。
【0008】
本発明は、上記課題を解決することのできる遊技システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本願発明に係る遊技システムは、遊技者を特定する特定情報が記憶された特定情報記憶媒体から前記特定情報を読み取る第1のID読込手段と、遊技媒体に設けられたICタグに前記第1のID読込手段が読み取った前記特定情報を書き込む特定情報書込手段とを備え、前記遊技媒体を用いて遊技を行うとともに、前記遊技媒体を賞として払い出す遊技機と、前記第1のID読込手段と同一機能を有する第2のID読込手段と、前記遊技媒体の数量を計数する計数手段と、この計数手段により計数されている前記遊技媒体のICタグに書き込まれた特定情報を読み取る特定情報読取手段と、前記第2のID読込手段により読み取った特定情報が、前記特定情報読取手段により読み取られた特定情報と所定関係にあるか否かを判定する判定手段と、この判定手段が前記所定関係にはないと判定した場合に警告を発する警報手段と、を備えた遊技媒体認識装置とを備えている。
【0010】
(2)上記(1)の遊技システムにおいて、前記遊技機は、前記遊技媒体が投入されたことを検知する遊技媒体検知手段と、遊技を開始するために投入された遊技媒体のICタグに書き込まれた前記特定情報が、前記第1のID読取手段により読み取られた特定情報と所定関係にあるか否かを判断するID判定手段と、このID判定手段が、前記所定関係にはないと判定した場合に警告を発する遊技機警報手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
(3)上記(1)又は(2)の遊技システムにおいて、前記遊技機を設置する遊技場の出入口に、前記遊技媒体のICタグに書き込まれた特定情報を読み取るICタグ読取手段と、このICタグ読取手段により読み取られた特定情報に所定の情報が含まれていない場合に警告を発する出入口警報手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、他人の遊技媒体を用いて遊技を行ったり、景品と交換したりする不正や、遊技媒体を遊技場から持ち出して他の遊技場で遊技を行うなどの不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本実施形態の遊技システムは、遊技機と、遊技媒体認識装置とを備えている。
【0014】
遊技機は、遊技者を特定する特定情報が記憶された特定情報記憶媒体から前記特定情報を読み取る第1のID読込手段と、遊技媒体に設けられたICタグに第1のID読込手段が読み取った特定情報を書き込む特定情報書込手段とを備え、前記遊技媒体を用いて遊技を行うとともに、前記遊技媒体を賞として払い出す機能を有している。
【0015】
特定情報記憶媒体は、遊技者が遊技場から貸与されるものであり、認証カード発行装置などにより発行されるものである。この特定情報記憶媒体として、例えば、磁気カードやICカードなどのカード形式の記憶媒体を用いることができる。磁気カードは、プラスチックカードの一側面に設けられた磁気テープ上に情報を記憶できるカードである。また、ICカードは、ICチップ内に情報を記憶したカードであり、表面に露出させた端子を介して通信を行う接触式ICカードと、カード内のアンテナを介して通信を行う非接触式ICカードがある。なお、以下においては、特定情報記憶媒体としてICカードを例に挙げ、説明するものとする。
【0016】
このICカードに記憶される特定情報は、例えば、重複のない遊技者固有の固有コード(以下、「競技者コード」と呼ぶことがある。)であり、遊技場毎に割り当てられる遊技場コードとICカード固有の個別コードとが含まれる。
【0017】
遊技機には、上述のように、ICカードに記憶されている特定情報を読み取るためのICカードリーダ(第1のID読込手段)を備えており、例えば、ICカードが磁気カードの場合は磁気により特定情報を読み取り、接触式ICカードの場合には電気信号として特定情報を読み取り、非接触式ICカードの場合には無線信号により特定情報を読み取る。
【0018】
遊技球(パチンコ球)や遊技メダルなどの遊技媒体にはICタグが設けられている。このICタグは、情報データを記憶するICチップと無線通信用のアンテナを組み合わせた装置であり、「無線ICタグ」、「無線タグ」、「RFID(Radio Frequency ID)タグ」、「RFタグ」とも呼ばれる。なお、本実施形態で用いるICタグは、アンテナ側からの非接触電力伝送技術により、電池を持たない半永久的に利用可能なタグとしている。
【0019】
特定情報書込手段は、複数の遊技媒体に設けられたICタグと非接触状態で各ICタグに前記特定情報を一度に書き込むことができ、例えば、遊技球が上皿20又は下皿22に払い出されるときに通過する位置に配置され、遊技球が通過する際に遊技球のICタグと無線通信して前記特定情報を書き込む。なお、この通信における電波の周波数としては、一般に用いられる13.56MHzや2.45GHzの他にUHF帯(950〜956MHz)も適用できる。
【0020】
このように本実施形態における遊技機は、ICカードに記憶された特定情報を遊技媒体に設けられたICタグに書き込むことができる。
【0021】
遊技媒体認識装置は、第1のID読込手段と同一機能を有する第2のID読込手段と、遊技媒体の数量を計数する計数手段と、この計数手段により計数されている遊技媒体のICタグに書き込まれた特定情報を読み取る特定情報読取手段と、第2のID読込手段により読み取った特定情報が、特定情報読取手段により読み取られた特定情報と所定関係にあるか否かを判定する判定手段と、この判定手段が、前記所定関係にはないと判定した場合に警告を発する警報手段とを備えている。
【0022】
計数手段は、例えば、遊技場の遊技機列(所謂「遊技島」)毎などに配置された計数機に備えられ、遊技機において遊技者が獲得した遊技球などの遊技媒体をカウントして、この獲得遊技媒体数を示す計数値情報をレシートなどに記録して発行する。
【0023】
特定情報読取手段は、無線通信により、複数の遊技媒体のICタグと非接触状態で各ICタグに記録された特定情報を一度に読み取ることができ、例えば、計数手段を有する計数機などに組み込んでおくことができる。なお、この通信における電波の周波数としては、一般に用いられる13.56MHzや2.45GHzの他にUHF帯(950〜956MHz)も適用できる。また、特定情報を複数のICタグから一度に読み取る場合、複数のICタグから同時に特定情報が送信されないようするため、各ICタグの制御部において、特定情報読取手段から特定情報の要求があった後、個別コードに所定時間(例えば、100μsec)を乗算した時間だけ待ってから各ICタグが特定情報読取手段へ特定情報の送信を行うようにしているが、複数のICタグから同時に特定情報が送信されなければどのような方法であってもかまわない。
【0024】
判定手段は、各計数機に備えられるものであるが、例えば、各計数機に通信接続された管理コンピュータにも備えるようにしてもよい。この場合、各計測機は、第2のID読込手段により読み取った特定情報と、特定情報読取手段により読み取った特定情報とを管理コンピュータに送信する。
【0025】
警報手段は、警報音をスピーカから発する警報音出力手段と、画像や文字を表示する表示器に警告表示を行う警報表示手段とを有しており、各計数機に備えられる。なお、この警報手段は、上記管理コンピュータにも備えるようにしてもよい。
【0026】
このように本実施形態における遊技媒体認識装置は、ICカードに記憶された特定情報と遊技媒体に設けられたICタグに書き込まれた特定情報とをそれぞれ読み込み、これらが所定関係(例えば、同一の特定情報)にないときに警報を発するようにしているので、他人の遊技媒体を景品と交換する不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0027】
また、遊技機において、遊技媒体が投入されたことを検知する遊技媒体検知手段と、遊技を開始するために投入された遊技媒体のICタグに書き込まれた前記特定情報が、前記第1のID読取手段により読み取られた特定情報と所定関係にあるか否かを判断するID判定手段と、このID判定手段が、前記所定関係にはないと判定した場合に警告を発する遊技機警報手段とをさらに備えることが好適である。
【0028】
遊技機警報手段は、遊技機において演出などに関わる演出音を発する音声制御部や演出表示を行う表示制御部を兼用することができる。
【0029】
このように、ICカードに記憶された特定情報と、投入された遊技媒体に設けられたICタグに書き込まれた特定情報とをそれぞれ読み込み、これらが所定関係(例えば、同一の特定情報)にないときに警報を発するようにしているので、他人の遊技媒体を遊技する不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0030】
また、遊技機を設置する遊技場の出入口に、遊技媒体のICタグに書き込まれた特定情報を読み取るICタグ読取手段と、このICタグ読取手段により読み取られた特定情報に所定の情報(例えば、持ち出しOKを示す競技者コードや、他の遊技場の競技者コード)が含まれていない場合に警告を発する出入口警報手段とを備えることが好適である。
【0031】
特定情報を複数のICタグから一度に読み取る場合、複数のICタグから同時に特定情報が送信されないようするため、各ICタグにおいて、ICタグ読取手段から特定情報の要求があった後、個別コードに所定時間(例えば、100μsec)を乗算した時間だけ待ってから各ICタグがICタグ読取手段へ特定情報の送信を行うようにしているが、数のICタグから同時に特定情報が送信されなければどのような方法であってもかまわない。
【0032】
このように、特定情報に所定情報が含まれていないICタグを有する遊技媒体が遊技場の出入口を通過するときに警告を発するようにしているので、遊技媒体を遊技場から持ち出して他の遊技場で遊技を行うなどの不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0033】
なお、上述した「所定関係」とは、ICカードの特定情報がそのまま遊技媒体のICタグに書き込まれるときには、同一の特定情報を意味し、ICカードの特定情報に所定の処理を加えた情報が遊技球のICタグに書き込まれるときには、それらの対応関係が一致する特定情報であることを意味する。
【0034】
[1.遊技システムの概要]
以下、本発明に好適な実施形態について図面に基づいてより具体的に説明する。図1(a)は本実施形態にかかる遊技システムが適用される遊技場の説明図であり、図1(b)は本実施形態における遊技球や遊技メダルの構成を示す図である。
【0035】
図1(a)は、本実施形態にかかる遊技システムが適用された遊技場1が示されており、この遊技場1内には、複数台の遊技機からなる遊技機列2,・・・,2が配置されている。遊技場1内に設置された遊技機としては、遊技媒体として遊技球8を用いて遊技するパチンコ遊技機と遊技媒体として遊技メダル9を用いて遊技するパチスロ遊技機とがある。
【0036】
図1(b)に示すように、遊技球8や遊技メダル9には、その内部にICタグ7が設けられている。遊技球8や遊技メダル9を金属で構成するときには、このICタグ7に対して遊技球外部から情報の読み書きができるように、遊技球8や遊技メダル9の表面からICタグ7まで達する開孔をいくつか設ける。なお、ICタグ7を内部ではなく表面に設けるようにしても良い。例えば、遊技球8や遊技メダル9の表面に凹部を設け、この凹部にICタグ7を置き、その上から非導電性の素材でコーティングする。なお、遊技球8や遊技メダル9を非導電性部材で形成するときには、この開孔は不要である。なお、以下の説明ではパチンコ遊技機を例にとり説明するものとする。
【0037】
それぞれの遊技機列2の端部には、遊技者がパチンコ遊技機で遊技するための認証カードであるICカード17(図2参照)を発行する認証カード発行装置3が設けられている。このICカード17には、遊技球8と同様にICタグが内蔵されており、このICタグに重複しない特定情報である遊技者コードが記憶されている。この遊技者コードは、遊技場1特有の遊技場コードとICカード17毎に割り当てられる固有の(ユニークな)個別コードとが含まれる。遊技者は、この認証カード発行装置3からICカード17を取得して、パチンコ遊技機10で遊技する。
【0038】
また、それぞれの遊技機列2の端部には、遊技者が遊技により獲得した遊技媒体である遊技球8をカウントし、計数結果が印刷されたレシートを発行する計数機4(遊技媒体認識装置の一例に相当)が設けられている。すなわち、計数機4の上部開口から遊技球8を投入すると、遊技球8の総数(遊技媒体数)を示す計数値情報がバーコードとして記録されたレシートが発行される。また、この計数機4には、遊技者が認証カード発行装置3で発行したICカード17に記憶した遊技者コードと投入された遊技球8のICタグ7に記憶された遊技者コードが所定の関係にないとき、警告表示や警告音を発するようにしている。これにより、他人の遊技媒体を用いて景品と交換する不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0039】
また、パチンコ遊技機10(パチスロ遊技機も同様)においても、遊技者が認証カード発行装置3で発行したICカード17に記憶した遊技者コードと投入された遊技球8のICタグ7に記憶された遊技者コードが所定の関係にないとき、警告表示や警告音を発するようにしている。これにより他人の遊技媒体を用いて遊技を行うといった不正行為を効果的に防止することが可能となる。なお、後述するように、パチンコ遊技機10には、遊技者が新規に購入する遊技球8のICタグ7にICカード17に記憶した遊技者コードを記憶させるようにしている。
【0040】
また、各遊技機列2には、これらの遊技機、認証カード発行装置3及び計数機4をそれぞれ管理するための中継制御装置(図示せず)が備えられており、LAN回線などを介して各管理データなどの入出力が相互にできるように構成されている。
【0041】
また、遊技機を設置する遊技場1の出入口には、その両側に対向して立設された一対のゲート型の非接触通信装置である出入口装置5(図1参照)が配置されている。この出入口装置5は、遊技球に設けられたICタグ7に記憶された遊技者コードを無線通信によって非接触で読み取って、この読み取った遊技者コードに所定の情報が含まれていないときに警告を発するものである。これにより遊技媒体を遊技場から持ち出して他の遊技場で遊技を行うなどの不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0042】
[2.1.遊技機の構成]
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の構成について図面を参照して説明する。図2は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図3は同パチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図であり、図4は同パチンコ遊技機10の正面図である。
【0043】
図2及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、所定の遊技部材を備えた筺体を備えており、この筐体は、前面に開口12aが形成された基枠12と、基枠12の前方に開閉自在にそれぞれ軸着された扉11とベースドア11aとから構成されている。この扉11は、開口12aの内部に配設される各種の部品を前面から閉鎖するためのものであり、閉鎖した状態で遊技が行われる。
【0044】
また、基枠12の前面左側には、図2に示すように、遊技者を特定する特定情報である遊技者コードが記憶されたICカード17から遊技者コードを読み取るICカードリーダ132(第1のID読込手段の一例に相当:図6参照)が設けられる。
【0045】
また、パチンコ遊技機10の筐体には、後述するように、遊技球が投入されたことを検知する遊技球検知部134(遊技媒体検知手段の一例に相当:図6参照)と、遊技を開始するために投入された遊技球8のICタグ7に書き込まれた遊技者コードを無線通信を介して非接触で読み込む特定情報読取部136(図6参照)と、遊技媒体である遊技球に設けられたICタグ7にICカードリーダ132が読み取った遊技者コードを無線通信を介して非接触で書き込む特定情報書込部138(図6参照)と、を有している。
【0046】
パチンコ遊技機10の筐体には、さらに、遊技機の動作を管理するための主制御回路60や各種の演出動作などを制御する副制御回路200(図6参照)などが実装された図示しない制御基板が内蔵され、ICカードリーダ132、遊技球検知部134、特定情報読取部136、特定情報書込部138などの各入出力装置がインタフェースを介して接続されるようになっている。
【0047】
この主制御回路60は、後述するように、遊技を開始するために投入された遊技球8のICタグ7に書き込まれた遊技者コードが、ICカードリーダ132により読み取られた遊技者コードと所定関係にあるか否かを判断するID判定手段としての機能を有する。なお、以下において、「所定関係」とは、遊技球8のICタグ7に書き込まれた遊技者コードが、ICカードリーダにより読み取られた遊技者コードとが対応する関係をいい、ICカード17の遊技者コードに所定の処理を施した情報を遊技者コードとして遊技球8のICタグ7に書き込むようなときには、遊技球8のICタグ7に書き込まれた遊技者コードとICカードリーダにより読み取られた遊技者コードとが一致する必要はなく、対応関係があればよい。
【0048】
基枠12の前面右下側には、遊技者の操作により遊技球を発射させる発射ハンドル26が設けられている。基枠12の開口12a内部には、画像を表示する液晶表示装置32と、スペーサー31、遊技盤14等がベースドア11aに配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
【0049】
ベースドア11aは、基枠12に対して固定もしくは開閉できるようにヒンジ連結され、液晶表示装置32が配設される。そして、図3に示すように、ベースドア11aのさらに前面側には保護ガラス板などを有した扉11が開閉自在に取り付けられている。
【0050】
遊技盤14はベースドア11a上に配置され、その全部が透光性を有する板形状の樹脂(透光性を有する部材)によって形成されている。この透光性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。
【0051】
遊技盤14は、前記発射ハンドル26の操作により発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15はガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘13(図3)が打ちこまれている。なお、図4においては、遊技盤に打ち込まれている複数の障害釘13の記載を省略している。
【0052】
遊技に関する演出画像を表示する液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで遊技盤14の背後に設けられてベースドア11aに取り付けられている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透光性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、背面側から重なるように配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等、各種の画像が表示される。
【0053】
また、遊技盤14における透光性領域の背後に液晶表示装置32を設けることにより、例えば、障害釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能である。
【0054】
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方(前面側)に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14と液晶表示装置32によって挟持される。このスペーサー31は、透光性を有した材料で形成されており、中央に大きな貫通穴31aが設けられている。
【0055】
図5は、扉11の前面下部に設けられた電飾ユニット53の拡大図である。図5を参照して特別図柄表示器33、普通図柄表示器35、特別図柄保留ランプ34a〜34dおよび普通図柄保留ランプ50a〜50dを説明する。
【0056】
図5に示すように、表示器ケース37に収容される特別図柄表示器33は、7セグメントLED41で構成されている。この7セグメントLED41は、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLED41の点灯・消灯によって、"0"から"9"までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。本実施形態では、特別図柄の変動表示から停止表示までを「特別図柄ゲーム」と呼ぶ。
【0057】
表示器ケース37の左右の両側には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を表示する。
【0058】
特別図柄表示器33の右側には、普通図柄表示器35が設けられている。普通図柄表示器35は、2つの表示用ランプ(図示せず)で構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、例えば"○"、"×"等の記号が普通図柄として変動表示される。
【0059】
表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。
【0060】
図2に戻り、パチンコ遊技機10の概観の説明を続ける。遊技盤14の透光性領域の外側には、発光表示手段としての装飾ランプ133a、133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。扉11には、透光性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
【0061】
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、特別図柄表示器33において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
【0062】
特別図柄表示器33で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、一列の図柄列に数字や記号等からなる装飾図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、"0"から"9"までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器33において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の装飾図柄が停止表示される。
【0063】
また、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の装飾図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、"1"から"9"のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となる。
【0064】
次に、遊技盤14に設けられた遊技部材について説明する。図4に示すように、遊技盤14には、ガイドレール30、障害物55、57、通過ゲート54、始動口25、大入賞口39、が設けられている。なお、遊技盤14の上部では、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35等の電飾ユニット53(図5参照)が視認可能となっている。遊技盤14の上部には障害物55が設けられ、遊技盤14の略中央には障害物57が設けられている。この障害物57下部には、始動口25が設けられている。
【0065】
本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、始動口25に遊技球が入球したことを契機に、遊技者にとって有利な遊技へ移行するか否かの抽選が行われ、特別図柄表示器33において識別図柄の変動表示が行われ、液晶表示装置32において演出としての装飾図柄の変動表示、及びこれに伴う演出表示が行われ、前記抽選に当選すると、遊技者に有利な大当たり遊技に移行する遊技である。なお、本実施形態では、装飾図柄の変動表示を含む演出表示を可変表示ゲームと呼ぶ。
【0066】
すなわち、遊技者による発射ハンドル26の操作で発射された遊技球は、複数の障害釘13(図3参照)、遊技盤14上に設けられた障害物55、57等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
【0067】
前記始動口25に遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示器33による特別図柄の変動表示、すなわち特別図柄ゲーム及び可変表示ゲームが開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄ゲームの実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された後に、保留されていた特別図柄ゲームが開始される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図5参照)は、保留された特別図柄ゲームの実行回数に対応して、左から順番に点灯され、特別図柄ゲームが終了し、次の保留されていた特別図柄ゲームが開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄ゲームの実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄ゲームは保留される。
【0068】
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合には、前記特別図柄ゲームの開始にあわせて、演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の識別情報である装飾図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく装飾図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。なお、このとき、その他の演出画像による演出表示は継続されてよい。その後、変動表示していた装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた装飾図柄の変動表示が開始される。
【0069】
遊技盤14の略中央の左側には通過ゲート54が設けられている。この通過ゲート54には、後述する通過球センサ114(図6参照)が設けられている。通過球センサ114は、遊技球が通過ゲート54を通過したことを検出する。そして、通過球センサ114によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器35において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、"○"、"×"等の記号である。
【0070】
この普通図柄が所定の図柄、例えば"○"として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)23が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0071】
また、特別図柄ゲームと同じように、普通図柄ゲームにおける普通図柄の変動表示中において通過ゲート54を遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、通過ゲート54への遊技球の通過に基づく普通図柄ゲームの実行(開始)が保留される。つまり、前記電飾ユニット53に設けられた、普通図柄保留ランプ50a〜50d(図5参照)は、保留された普通図柄ゲームの実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄ゲームが開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄ゲームの実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
【0072】
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が前記の大当たり遊技状態(つまり、15R確変大当たり、2R確変大当たりおよび15R通常大当たり状態)に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
【0073】
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントセンサ104(図6参照)を有する遊技球通過領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
【0074】
なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、"1"ラウンド、"2"ラウンド等のラウンド数として計数されるため、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
【0075】
開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40は再度開放状態に駆動され、次のラウンドゲームへ継続して進む。こうして、シャッタ40の開放状態と閉鎖状態とが繰返されて、最終のラウンドゲームが終了するまでの遊技を大当たり遊技状態という。すなわち、大当たり遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0076】
また、前述した始動口25、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
【0077】
[2.2.遊技機の電気的構成]
ここで、本実施形態に係るパチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。先ず、パチンコ遊技機10が備える制御回路について図6を用いて説明する。図6は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
【0078】
パチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技状態を制御する主制御回路60と、演出状態を制御する副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、発射ハンドル26を介して入力される操作信号に基づいて発射装置130を制御する払出・発射制御回路126などを備えて遊技の制御を行うものである。
副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものであり、液晶表示装置32を制御する表示制御回路250や、スピーカ46R、46Lを制御するための音声制御回路230などが接続される。
【0079】
主制御回路60は、図6に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0080】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、遊技プログラムによって実行される大当たり遊技実行手段や抽選手段などとして機能することとなる。
【0081】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当たり判定をする際に参照される大当たり判定テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
このような大当たり抽選テーブルには、「はずれ」、「大当たり」となる確率データがそれぞれ登録されており、これらの確率データに基づいて乱数による抽選処理がなされる。こうして、この抽選テーブルにおける確率データを適宜設定することによって、パチンコ遊技における有利不利の状態が制御できるようにしている。
【0082】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
【0083】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、システムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
【0084】
主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、ICカードリーダ132、遊技球検知部134、特定情報読取部136、特定情報書込部138が接続されている。
【0085】
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0086】
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0087】
通過球センサ114は、通過ゲート54に設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0088】
遊技球を検出する始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0089】
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材23に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23を開放状態または閉鎖状態とする。
【0090】
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0091】
ICカードリーダ132は、後述するカードユニット150に内蔵され、遊技者を特定する特定情報である遊技者コードが記憶されたICカード17から遊技者コードを読み取る第1のID読込手段として機能するものである。ここで、ICカード17には遊技者コードを記憶するICタグが含まれており、ICカードリーダ132は無線通信によりこのICタグから遊技者コードを非接触で読み取る。
【0092】
遊技球検知部134は、上皿20に遊技球8が投入されたことを検出するものであり、この上皿20から後述する発射装置130までの経路に配置され、この遊技球検知部134を遊技球8が通過したときに、遊技球8が投入されたことを検出する。
【0093】
特定情報書込部138は、上述した特定情報書込手段としての機能を有している。すなわち、特定情報書込部138は、後述する払出・発射制御回路126が主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信したときに払出装置128から払い出された遊技球8に設けられたICタグ7に対して、ICカードリーダ132が読み取った特定情報である遊技者コードを書き込む。
【0094】
また、特定情報読取部136は、上述した特定情報読取手段として機能する。すなわち、特定情報読取部136は、遊技球検知部134が上皿20に遊技球8が投入されたことを検出したとき、この上皿20に投入された遊技球8のICタグ7に書き込まれた特定情報である遊技者コードを読み取る。
【0095】
主制御回路60は、上述したID判定手段として機能する。すなわち、特定情報読取部136によって読み込まれた、遊技を開始するために投入された遊技球8のICタグ7に書き込まれた特定情報である遊技者コードを、ICカードリーダ132により読み取られた遊技者コードと所定関係にあるか否かを判断する。そして、主制御回路60は、所定関係にはないと判定した場合に警告を発するように、副制御回路200を制御する。
【0096】
主制御回路60には、遊技球の発射を制御する機能を有した払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技者による操作信号が送出される発射ハンドル26(図2〜図4)と、遊技球の発射を行うソレノイドなどとからなる発射装置130、及びカードユニット150が接続されている。
【0097】
払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。
【0098】
また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26から送出される操作信号に基づいて発射装置130に対して所定の発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
【0099】
さらに、主制御回路60には、表示器制御回路76が接続されており、この表示器制御回路76は、メインCPU66からの指示に従い、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器33(7セグメントLED41)、普通図柄表示器35等を制御する。
【0100】
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a、133bの制御等を行う。
【0101】
なお、主制御回路60から副制御回路200に対して所定のコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0102】
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R、46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどのランプ133a、133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
【0103】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は各種の手段として機能することとなる。
【0104】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連して実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、大当たり遊技への移行を示唆するためのリーチ演出などの表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
【0105】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
【0106】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。本実施形態では、表示制御回路250は液晶表示装置32と共に、ICカードリーダ132でICカード17から読み取った遊技者コードと、特定情報読取部136が遊技球8のICタグ7から読み取った遊技者コードとが所定関係にあるときに、遊技球が不正である旨の警告用の画像データに基づいた画像を表示する遊技機警報手段として機能する。
【0107】
音声制御回路230はスピーカ46R、46Lなどの音源に対して音声信号を発生させるものである。本実施形態では、音声制御回路230はスピーカ46R、46Lと共に、ICカードリーダ132でICカード17から読み取った遊技者コードと、特定情報読取部136が遊技球8のICタグ7から読み取った遊技者コードとが所定関係にあるときに、遊技球が不正である旨の警告音を出力する遊技機警報手段として機能する。
【0108】
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a、133bの発光制御を行うものである。
【0109】
なお、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
【0110】
[2.3.遊技機の動作]
本実施形態における遊技状態は、一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技者に不利な状態)と大当たり遊技状態(短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な状態)とに大別される。さらに一般遊技状態においても、通常モード、確変モード、時短モードなどの遊技状態が設けられている。以下に、これらの遊技状態を実現するためのパチンコ遊技機10におけるメイン処理及びシステムタイマ割込み処理のルーチンについて図7及び図8を参照して説明する。
【0111】
メイン処理は、パチンコ遊技機10における遊技モードの設定や、遊技球入賞による抽選処理などを担う主要ルーチンであり、電源の投入によってスタートされる。
【0112】
図7に示すようにメイン処理における最初のステップS11では、RAMアクセス許可処理や、バックアップ復帰処理、作業領域の初期化処理等を含む初期設定処理が実行される。
【0113】
次のステップS12では、パチンコ遊技機10に投入される遊技球8が正規のものであるか否かの判定を行い、正規の遊技球8でないときには警告を発する不正遊技検出処理を実行する。
次に、特別図柄ゲームを進行させて、液晶表示装置32、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、装飾図柄の制御に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS13)。
そして、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS14)。
【0114】
このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12の不正遊技検出処理、ステップS13の特別図柄制御処理及び、ステップS14の普通図柄制御処理を繰り返し実行することによって、パチンコ遊技機10における各種の遊技状態が提供されるようになっている。
【0115】
なお、メイン処理における不正遊技検出処理、特別図柄制御処理、及び普通図柄制御処理などのルーチンは、パチンコ遊技機10に要求されるそのゲーム形態や遊技環境などに応じて設定された各種のプログラムにより実行できるようになっている。
【0116】
システムタイマ割込処理は、前記メイン処理の実行中にタイマによるシステムコールを契機として、これを中断させて実行される処理である。メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理が実行される。
ここでは、リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理が実行される。以下、図8を用いてシステムタイマ割込処理を説明する。
【0117】
図8に示すように、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
【0118】
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドには、デモ表示コマンドや、導出表示される特別図柄の種類を示す導出図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
【0119】
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理が実行される。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰することで前記メイン処理のルーチンに戻るようになっている。
【0120】
次に、図9を参照して、上述した制御回路によって実行される不正遊技検出処理について説明する。図9は不正遊技検出処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
この不正遊技検出処理を開始すると、メインCPU66は、ICカード17がICカードリーダ132に挿入されたか否かをICカードリーダ132からの情報に基づいて判定する(ステップS121)。
【0122】
この処理において、ICカード17が挿入されていると判定すると(ステップS121:Yes)、メインCPU66は、ICカード17に記憶されている特定情報である遊技者コードを読み込む(ステップS122)。
【0123】
次に、メインCPU66は、遊技球8が投入されているか否かを判定する(ステップS123)。この処理は、遊技球検知部134が上皿20に遊技球8が投入されたことを検出したときに、この遊技球検知部134から出力される遊技球検出信号に基づいて行われる。
【0124】
遊技球8の投入があったと判定すると(ステップS123:Yes)、メインCPU66は、特定情報読取部136を動作させて、上皿20に投入された遊技球8のICタグ7に記憶された遊技者コードを読み込む(ステップS124)。
【0125】
ステップS124の処理が終了すると、メインCPU66は、上皿20に投入された遊技球8が正規であるか否かを判定する(ステップS125)。メインCPU66は、ステップS122で読み込んだICカード17の遊技者コードと、ステップS124で読み込んだ遊技球8の遊技者コードとが所定関係を有するときに遊技球8が正規であると判定する。
【0126】
この処理において、遊技球8が正規のものではないと判定すると(ステップS125:No)、メインCPU66は、警告を発するように副制御回路200を制御し、液晶表示装置32に図10に示すような警告画像92を表示し、スピーカ46R,46Lから警告音を出力する(ステップS126)。
【0127】
このステップS126の処理が終了したとき、ステップS121においてICカード17が挿入されていないと判定したとき(ステップS121:No)、ステップS123において遊技球8の投入がされていないと判定したとき(ステップS123:No)、或いはステップS125において遊技球8が正規のものであると判定したとき(ステップS125:Yes)、メインCPU66はこの不正遊技検出処理を終了する。
【0128】
このように本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、遊技者が認証カード発行装置3で発行したICカード17に記憶した遊技者コードと投入された遊技球8のICタグ7に記憶された遊技者コードが所定の関係にないとき、警告表示や警告音を発するようにしている。これにより他人の遊技媒体を用いて遊技を行うといった不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0129】
なお、上述の実施形態にいては、特定情報読取部136と特定情報書込部138とを別々に設けることとしたが、ICタグ7への遊技者コードの書き込みやICタグ7からの遊技者コードの読み込みを行うことができるICタグ通信部を用いるようにしてもよい。
【0130】
また、遊技球8が正規のものではないと判定すると、警告を発するように副制御回路200を制御するようにしたが、さらに支払・発射制御回路126を制御して、発射装置130の制御を停止するようにしてもよい。
【0131】
また、カードユニット150においては、貸球の払い出しを行うプリペードカードを挿入するカードリーダを別途有するものであるが、ICカードにプリベート情報(金額等)を記憶することができるようにしてもよい。このようにすることでカードリーダを別途設ける必要がなく、スペースやコスト面で利点がある。
【0132】
[3.計数機の構成及び動作]
次に、本実施形態における計数機4の構成及び動作について、図面を参照して具体的に説明する。図11は本実施形態における計数機4の外観図であり、図12は本実施形態における計数機4の電気的構成を示す図である。
【0133】
図11に示すように、本実施形態の計数機4は、遊技球8を投入する上部開口を有し、この投入された遊技球8をカウントする計数部301(計数手段の一例に相当)と、遊技球8の総数を示す計数値情報をバーコードとして記録したレシートを発行するレシート発行部303と、ICカード17を挿入し、このICカードに記憶された特定情報である遊技者コードを読み出すICカードリーダ304(第2のID読込手段の一例に相当)と、液晶表示部305aとスピーカ305bとを備えた報知部305(警報手段の一例に相当)とを備えている。
【0134】
計数機4の筐体には、さらに、図12に示すように、計数機の動作を管理するための制御部310を内蔵しており、上述の計数部301、この計数部301に投入された遊技球8のICタグ7の特定情報を読み込む特定情報読取部302(特定情報読取手段の一例に相当)、レシート発行部303、ICカードリーダ304及び計数値情報を報知し、報知部305などの各入出力装置がインタフェイスを介して接続されている。なお、ICカードリーダ304は、上述したパチンコ遊技機10のICカードリーダ132と同様の構成である。また、報知部305には、液晶表示部305a(警報音出力手段の一例に相当)スピーカ305b(警報表示手段の一例に相当)とを備えている。
【0135】
制御部310には、CPU311、情報処理プログラムや画像データなどを記憶するROM(読み出し専用メモリ)312、CPU311の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有するRAM(読み書き可能メモリ)313、CPU311から出力される画像データを液晶表示部305aで表示可能なデータに変換する映像処理部314、CPU311から出力される音声データをスピーカ305bで表示可能なデータに変換する音声処理部315を備えており、CPU311には、ROM312、RAM313、映像処理部314、音声処理部315等が接続されており、このROM312に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
【0136】
次に、図13を参照して、上述した制御部310によって実行される計数処理について説明する。図13は計数処理の一例を示すフローチャートである。
【0137】
この計数処理を開始すると、制御部310は、ICカード17がICカードリーダ304に挿入されたか否かをICカードリーダ304からの情報に基づいて判定する(ステップS201)。
【0138】
この処理において、ICカード17が挿入されていると判定すると(ステップS201:Yes)、制御部310は、ICカード17に記憶されている遊技者コードを読み込む(ステップS202)。
【0139】
次に、制御部310は、遊技球8が計数部301に投入されているか否かを判定する(ステップS203)。ここで、計数部301に遊技球8が投入されたとき、計数部301から出力される信号に基づいて、制御部310は、遊技球8が計数部301に投入されていると判定する。この処理において、遊技球8の投入があったと判定すると(ステップS203:Yes)、制御部310は、特定情報読取部302を動作させて、計数部301に投入された遊技球8のICタグ7に記憶された遊技者コードを読み込む(ステップS204)。
【0140】
ステップS204の処理が終了すると、制御部310は、計数部301に投入された遊技球8が正規であるか否かを判定する(ステップS205)。制御部310は、ステップS202で読み込んだICカード17の遊技者コードと、ステップS204で読み込んだ遊技球8の遊技者コードとが所定関係を有するときに遊技球8が正規であると判定する。
【0141】
この処理において、遊技球8が正規のものではないと判定すると(ステップS205:No)、制御部310のCPU311は、警告を発するように映像処理部314と音声処理部315を制御し、液晶表示部305aに図11に示すような警告画像を表示し、スピーカ305bから警告音を出力する(ステップS206)。
【0142】
一方、ステップS205において、遊技球8が正規のものであると判定すると(ステップS205:Yes)、制御部310は、計数部301に遊技球8のカウントを開始するように要求する。(ステップS207)。制御部310は、この要求に応じて計数部301から出力される計数値情報をレシート発行部303へ通知し、レシート発行部303は通知された計数値情報をレシートに記録して出力する。
【0143】
このステップS206,207の処理が終了したとき、制御部310は、計数機4の電源がOFF状態となったか否かを判定する(ステップS208)。電源がOFF状態となっていると判定すると(ステップS208:No)、制御部310は、処理をステップS201に移行し、一方、電源がOFF状態となっていると判定すると(ステップS208:Yes)、制御部310は計数処理を終了する。
【0144】
このように本実施形態における遊技媒体認識装置である計数機4は、ICカードに記憶された特定情報と遊技媒体に設けられたICタグに書き込まれた特定情報とをそれぞれ読み込み、これらが所定関係(例えば、同一の特定情報)にないときに警報を発するようにしているので、他人の遊技媒体を景品と交換する不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0145】
なお、制御部310は、計数部301から出力される計数値情報をレシート発行部303へ通知し、レシート発行部303は通知された計数値情報をレシートに記録して出力するようにしたが、ICカード17をプリベートカードと兼用する場合、制御部310は、計数部301から出力される計数値情報をICカードリーダ304に通知し、ICカードリーダ304が通知された計数値情報をICカード17に書き込むようにしてもよい。
【0146】
また、上述においては、遊技球8が正規のものであると判定したときに、計数部301で遊技球8のカウントを開始するようにしたが、遊技球8が正規であるか否かにかかわらず、計数部301で遊技球8のカウントを行い、遊技球8が正規でないときには、計数部301から出力される計数値情報をレシート発行部303へ通知しないようにしてもよい。
【0147】
また、制御部301において、正規でない遊技球8をカウントして、このカウント数を計数部301での遊技球8のカウント値から除いた数を計数値情報としてレシート発行部303へ通知しないようにしてもよい。
【0148】
[4.出入口ゲートの構成及び動作]
次に、本実施形態における出入口装置5の構成及び動作について、図面を参照して具体的に説明する。図14は本実施形態における出入口装置5の外観図であり、図15は本実施形態における出入口装置5の電気的構成を示す図である。
【0149】
図14に示すように、本実施形態の出入口装置5は、一対のゲート型の非接触通信装置5a,5bを有している。
【0150】
各非接触通信装置5a,5bには、図14及び図15に示すように、遊技球8に設けられたICタグ7に記憶された遊技者コードを無線通信によって非接触で読み取る複数のICタグ通信部401(ICタグ読取手段の一例に相当)、このICタグ通信部401で読み取った遊技者コードに所定の情報が含まれていないときに警告を発する警報部402(出入口警報手段の一例に相当)、非接触通信装置5a,5b全体をそれぞれ制御する制御部403などを有する。
【0151】
ここで、「所定の情報」とは、遊技者コードのうち、遊技場1の遊技場コード以外の遊技場コードの情報である。従って、遊技場1の遊技コードを含む競技者コードが記憶された遊技球8を遊技場1から持ち出して他の遊技場で遊技を行うなどの不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0152】
制御部403には、CPU411、情報処理プログラムや画像データなどを記憶するROM(読み出し専用メモリ)412、CPU411の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有するRAM(読み書き可能メモリ)413、CPU411から出力されるランプ駆動信号に基づいて後述のランプ405aを動作させるランプ駆動部414、CPU411から出力される音声出力信号に基づいて後述のスピーカ405bを動作させる警告音発生部415を備えており、CPU411には、ROM412、RAM413、ランプ駆動部414、警告音発生部415等が接続されており、このROM412に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
【0153】
次に、図16を参照して、上述した制御部403によって実行される出入口処理について説明する。図16は出入口処理の一例を示すフローチャートである。
【0154】
この出入口処理を開始すると、制御部403は、ICタグ通信部401を動作させて、出入口を通過する遊技者が遊技球8を所持しているか否かを判定する(ステップS301)。制御部403は、遊技球8のICタグ7から遊技者コードがあると判定すると、出入口を通過する遊技者が遊技球8を所持していると判定する。
【0155】
この処理において、出入口を通過する遊技者が遊技球8を所持していると判定すると(ステップS301:Yes)、制御部403は、この遊技球8が他の遊技場のものであるか否かを判定する(ステップS302)。制御部310は、遊技球8のICタグに記憶された競技者コードが自遊技場1の遊技場コードではないときに、遊技球8が他の遊技場のものであると判定する。
【0156】
ステップS302において、遊技球8が他の遊技場のものではないと判定すると(ステップS302:No)、制御部403のCPU411は、警告を発するようにランプ駆動部414と警告音発生部415を制御し、ランプ405aを点滅させ、スピーカ405bから警告音を出力する(ステップS303)。
【0157】
一方、ステップS303の処理が終了したとき、或いは遊技球8が他の遊技場のものであると判定したとき(ステップS302:Yes)、制御部403は、出入口装置5の電源がOFF状態となったか否かを判定する(ステップS304)。電源がOFF状態となっていると判定すると(ステップS304:No)、制御部403は、処理をステップS301に移行し、一方、電源がOFF状態となっていると判定すると(ステップS304:Yes)、制御部403は出入口処理を終了する。
【0158】
このように本実施形態における出入口装置5は、遊技媒体に設けられたICタグに書き込まれた特定情報が所定の情報ではないときに警報を発するようにしているので、遊技場1の遊技球8を遊技場1から持ち出して他の遊技場で遊技を行うなどの不正行為を効果的に防止することが可能となる。
【0159】
なお、上述においては、遊技媒体を遊技者が遊技場外への持ち出したときに出入口装置5が警告するようにしたが、ICカード17を遊技場外に持ち運び禁止にするときには、ICカード17についても同様に持ち運びされたときに警告するようにすることができる。このようにすることで、ICカード17が遊技場外に不正に持ち運ばれることがない。
【0160】
以上、本発明の実施形態を説明したが具体例とその効果を例示したに過ぎず、これによって本発明を限定するものではない。すなわち、遊技機の具体的構成は適宜設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技場における遊技システムの概要を示す図である。
【図2】同遊技システムを構成するパチンコ遊技機の概観を示す斜視図である。
【図3】同パチンコ遊技機の概観を示す分解斜視図である。
【図4】同パチンコ遊技機の概観を示す正面図である。
【図5】同パチンコ遊技機の電飾ユニットを示す正面図である。
【図6】同パチンコ遊技機の主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図7】同パチンコ遊技機におけるメイン処理のフローチャートである。
【図8】同パチンコ遊技機のシステムタイマ割込処理のフローチャートである。
【図9】同パチンコ遊技機の不正遊技検出処理のフローチャートである。
【図10】同パチンコ遊技機の警告表示の一例を示す図である。
【図11】同遊技システムを構成する計数機の概観を示す斜視図である。
【図12】同計数機の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】同計数機の計数処理のフローチャートである。
【図14】同遊技システムを構成する出入口装置の概観を示す斜視図である。
【図15】同出入口装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図16】同出入口装置の出入口処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0162】
1 遊技場
3 認証カード発行装置
4 計数機
5 出入口装置
7 ICタグ
8 遊技球
10 パチンコ遊技機
60 パチンコ遊技機の主制御回路
132 パチンコ遊技機のICカードリーダ
134 パチンコ遊技機の遊技球検知部
136 パチンコ遊技機の特定情報読取部
138 パチンコ遊技機の特定情報書込部
301 計数機の計数部
302 計数機の特定情報読取部
303 計数機のレシート発行部
304 計数機の報知部
310 計数機の制御部
401 出入口装置のICタグ通信部
402 出入口装置の警報部
403 出入口装置の制御部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者を特定する特定情報が記憶された特定情報記憶媒体から前記特定情報を読み取る第1のID読込手段と、遊技媒体に設けられたICタグに前記第1のID読込手段が読み取った前記特定情報を書き込む特定情報書込手段とを備え、前記遊技媒体を用いて遊技を行うとともに、前記遊技媒体を賞として払い出す遊技機と、
前記第1のID読込手段と同一機能を有する第2のID読込手段と、前記遊技媒体の数量を計数する計数手段と、この計数手段により計数されている前記遊技媒体のICタグに書き込まれた特定情報を読み取る特定情報読取手段と、前記第2のID読込手段により読み取った特定情報が、前記特定情報読取手段により読み取られた特定情報と所定関係にあるか否かを判定する判定手段と、この判定手段が、前記所定関係にはないと判定した場合に、警告を発する警報手段と、を備えた遊技媒体認識装置と、
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技機は、
前記遊技媒体が投入されたことを検知する遊技媒体検知手段と、
遊技を開始するために投入された遊技媒体のICタグに書き込まれた前記特定情報が、前記第1のID読取手段により読み取られた特定情報と所定関係にあるか否かを判断するID判定手段と、
このID判定手段が前記所定関係にはないと判定した場合に警告を発する遊技機警報手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記遊技機を設置する遊技場の出入口に、
前記遊技媒体のICタグに書き込まれた特定情報を読み取るICタグ読取手段と、
このICタグ読取手段により読み取られた特定情報に所定の情報が含まれていない場合に警告を発する出入口警報手段と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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