説明

遊技島

【課題】回収樋上を転動するパチンコ玉の流れが、貯留タンクから排出されるパチンコ玉によって妨げられることを防止した遊技島を提供することを目的とする。また、本発明は遊技島内のパチンコ玉を循環させる機器の修復作業を容易に行うことができる遊技島を提供する。
【解決手段】合流回収樋22には、貯留タンク30の玉排出口38とアウト玉回収樋42の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿って規制部材70を設け、貯留タンク30の玉排出口38から排出されるパチンコ玉が合流回収樋22全域に広がらないようにパチンコ玉の流れを規制する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台のパチンコ台を列設した遊技島に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店では、複数のパチンコ台を列設した遊技島を複数設置している。各遊技島においては、パチンコ台で使用されたパチンコ玉は遊技島の下部に設けた回収樋で回収されて、遊技島の中央に設置された揚送装置によって磨かれながら遊技島の上部に揚送される。揚送装置で磨かれながら揚送されたパチンコ玉は遊技島の上部から補給樋を介して各パチンコ台へ供給される。パチンコ台への供給が充分に間に合っている状態のときに揚送装置で揚送されたパチンコ玉は、遊技島中央のオーバーフロー流路を介して遊技島下部に設けた貯留タンクへ送られて貯留される。貯留タンクに貯留されたパチンコ玉は、貯留タンクの排出口に設けた電動シャッタが必要に応じて開くことにより回収樋へ排出されて、揚送装置で遊技島上部へ磨かれながら揚送されてパチンコ台へ供給される。上記のように遊技島を構成して、パチンコ玉が遊技島内を循環するようにし、営業時に補給トラブル等の支障がないようにしている。このような遊技島が例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
貯留タンクの電動シャッタが開くと、多量のパチンコ玉が貯留タンク内から回収樋上へ排出され、パチンコ台で使用されたパチンコ玉と同じく回収樋を介して揚送装置へ送られる。このとき、貯留タンクから排出されるパチンコ玉は、貯留タンク内に貯留された多量のパチンコ玉の圧力により勢いが強いので、パチンコ台で使用されて排出され回収樋上を流下するパチンコ玉は、貯留タンクから排出されるパチンコ玉によってその流れを妨げられてしまい、回収樋上でパチンコ玉が詰まってしまうという問題が生じたり、遊技客によって使用されて汚れたパチンコ玉よりも揚送装置によって既に磨かれたパチンコ玉を貯留している貯留タンクから排出されるパチンコ玉が優先して揚送装置へ送られるので、玉磨きの効率が悪くなるという問題も生じていた。
【0004】
また、上記の貯留タンクの電動シャッタや揚送装置などの遊技島内のパチンコ玉を循環させるための機器が故障した場合の修理または交換の際に、貯留タンクの玉排出口から多量のパチンコ玉が流れだしていると作業が非常に困難になるという問題が生じていた。
【0005】
【特許文献1】特開平8−196727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑み、回収樋上を転動するパチンコ玉の流れが、貯留タンクから排出されるパチンコ玉によって妨げられることを防止した遊技島を提供することを目的とする。また、本発明は遊技島内のパチンコ玉を循環させる機器の修復作業を容易に行うことができる遊技島を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため、本発明の請求項1は、複数のパチンコ台を列設した遊技島において、遊技島は、各パチンコ台から排出されるパチンコ玉を回収して流下させるアウト玉回収樋と、パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクと、貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉とアウト玉回収樋を転動してくるパチンコ玉とを合流させて揚送装置へ案内する合流回収樋と、を有し、合流回収樋には、貯留タンクの玉排出口とアウト玉回収樋の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿って規制部材を設け、貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉が合流回収樋全域に広がらないようにパチンコ玉の流れを規制する構成とした。
【0008】
また、本発明の請求項2は、複数のパチンコ台を列設した遊技島において、遊技島は、各パチンコ台から排出されるパチンコ玉を回収して流下させるアウト玉回収樋と、パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクと、貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉とアウト玉回収樋を転動してくるパチンコ玉とを合流させて揚送装置へ案内する合流回収樋と、を有し、合流回収樋には、貯留タンクの玉排出口とアウト玉回収樋の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿って延びる溝を底面に設けた構成とした。
【0009】
また、本発明の請求項3は、複数のパチンコ台を列設した遊技島において、遊技島は、各パチンコ台から排出されるパチンコ玉を回収して流下させるアウト玉回収樋と、パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクと、貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉とアウト玉回収樋を転動してくるパチンコ玉とを合流させて揚送装置へ案内する合流回収樋と、を有し、合流回収樋には 貯留タンクの玉排出口とアウト玉回収樋の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿った段差を底面に設け、貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉は段差の下段側を流下すると共に、アウト玉回収樋から転動してきたパチンコ玉は段差の上段側を流下する構成とした。
【0010】
また、本発明の請求項4は、複数のパチンコ台を列設した遊技島において、遊技島は、パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクを設け、貯留タンクには、玉排出口を開閉するための閉塞板を有した手動シャッタを設け、手動シャッタは、閉塞板が玉排出口を開ける状態と閉塞板が玉排出口を閉じる状態とにスライド移動させることが可能なスライド手段と、閉塞板が玉排出口を閉じた状態で固定可能な固定手段と、を有した構成とした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、多量のパチンコ玉が貯留タンクの玉排出口から合流回収樋へ流れ出している場合でも、上記種々の構成によって玉排出口から流れ出しているパチンコ玉の流れが規制され、合流回収樋全域に広がって流れ出すことがないので、パチンコ台で使用されてアウト玉回収樋へ排出されて流下するパチンコ玉の流れが妨げられることがなく、スムーズに合流回収樋上に流下することができる。
【0012】
また、本発明においては、貯留タンクの電動シャッタや揚送装置などの遊技島内のパチンコ玉を循環させる機器が故障した場合の修理や交換を行う際に、手動シャッタによって貯留タンクの玉排出口を閉じておくことができるので、貯留タンク内に貯留されたパチンコ玉が玉排出口から流れ出すことがなく容易に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は遊技島10の構成を示す側面図である。遊技島10は、複数のパチンコ台12を横方向に並べて1面とするとともに、同様の面を背中合わせにして構成されている。島端には適宜に計数機12が設けられている。遊技島10の中央部にはパチンコ玉を研磨しながら上部タンク16へ揚送する揚送装置24が設置され、パチンコ台列の下部にはパチンコ玉を貯留する貯留タンク30が設けられている。
【0014】
貯留タンク30の揚送装置24側の一端には電動シャッタ20が設けられ、電動シャッタ20が開くことにより貯留タンク30の底部から当該タンク内のパチンコ玉を合流回収樋22へ排出し、合流回収樋22を通して揚送装置24へ供給する。
上部タンク16からは遊技島10の長手方向に補給樋18、18が延びて、詳細は図示省略するが各パチンコ台14へパチンコ玉を補給する。また、上部タンク16の容量を超えてあふれたパチンコ玉は遊技島10の中央部に設けられたオーバーフロー管から貯留タンク30へ回収されるようになっている。なお、このオーバーフロー管は不図示であるが、図1上において揚送装置24の奥側に設けられており、オーバーフロー管に流入したパチンコ玉は貯留タンク30内に設けた後述の玉均し板44上に誘導される。
また、計数機12に受け入れられたパチンコ玉はアウト玉回収樋21を経て揚送装置24へ回収される。
【0015】
貯留タンク30にはパチンコ玉の貯留量を検出する複数の貯留量センサ84が付設されており、上述した構成の複数の遊技島10が複数配置され、それぞれ隣接する遊技島10間に遊技島間でのパチンコ玉貯留量のバランスをとるためパチンコ玉を移動させる樋状の玉バランス通路(不図示)が設けられている。
【0016】
通常は、揚送装置24は常時駆動されており、個別のパチンコ台14に投入されたパチンコ玉は揚送装置24へ戻されて、上部タンク16−パチンコ台14−揚送装置24−上部タンク16の順に循環している。上部タンク16をオーバーフローしたパチンコ玉は貯留タンク30に貯留される一方、不足してくると電動シャッタ20が開かれて、貯留タンク30から揚送装置24へパチンコ玉が供給される。
【0017】
図2は貯留タンク30の外観斜視図であり、図3は貯留タンク30の内部の底面部分を示した斜視図であり、図4は貯留タンク30の玉排出口38近傍を示した拡大斜視図である。
貯留タンク30は、底面32が所定の傾斜角度で揚送装置24側に向って下り傾斜しているとともに、その下流端には幅方向中央に玉排出口38を有し、この玉排出口38には前述の電動シャッタ20が設けられ、電動シャッタ20が開くことにより貯留タンク30内のパチンコ玉が玉排出口38を通って合流回収樋22へ排出される。
【0018】
貯留タンク30内の上部には、両側壁30a,30aに沿って貯留タンクの下流端から上流端に向って下り傾斜して設けられたアウト玉回収樋40,40が設けられている。このアウト玉回収樋40,40は上流端壁30bを貫通しており、貯留タンク30の上方位置に設置されたパチンコ台14で使用されたパチンコ玉は、このアウト玉回収樋40,40上へ排出されてアウト玉回収樋23へ転動する。なお、貯留タンク30が設置された上方位置よりも遊技島10の端側(図1における左側)に設置されたパチンコ台14で使用されたパチンコ玉は直接アウト玉回収樋23上に排出される。
【0019】
貯留タンク30底面32の両隅角部には、アウト玉回収樋42が貯留タンク30の上流端から下流端に渡って設けられており、アウト玉回収樋23上のパチンコ玉が貯留タンク30内部を通ることなくアウト玉回収樋42を通って合流回収樋22を介して揚送装置24へ誘導される。
【0020】
貯留タンク30内の上部中央位置には、平板状の玉均し板44が、アウト玉回収樋40,40との間に隙間を有して貯留タンク30の下流端から上流端に向って下り傾斜して設けられており、オーバーフロー管(不図示)で上部タンク16から流下したパチンコ玉が玉均し板44上に誘導される。そして、玉均し板44上を貯留タンク30内の下流端側に向って転動しながら玉均し板44とアウト玉回収樋40,40との間の隙間から貯留タンク30内へ流下する。
【0021】
貯留タンク30底面32の幅方向中央位置には、貯留タンク30の長手方向に沿って上流側から下流端に通じる玉通路36を備えている。この玉通路36は、上壁34aと側壁34b、34bとから構成された断面コの字状の枠部材34を底面32に固定することで形成され、上壁34aは底面32よりパチンコ玉の直径寸法以上高い高さを有する。また、玉通路36を形成する枠部材34は、貯留タンク30の上流側で開口した上流側開口37を有しており、貯留タンク30内のパチンコ玉がこの上流側開口37から玉通路36内に入る。そして、上流側開口37から玉通路36内に流入したパチンコ玉は貯留タンク30の下流端に向って転動する。さらに枠部材34は、貯留タンク30の下流端壁30c付近に側壁34bを切り欠くことによりパチンコ玉が通過可能に形成した下流側開口35を有している。この下流側開口35により、上流側開口37で玉通路36に入ることなく貯留タンク30底面32を転動してきたパチンコ玉と、上流側開口37から玉通路36内に流入して玉通路36内を転動してきたパチンコ玉とが後述の合流部46にて合流できるようになっている。
【0022】
枠部材34の上壁34aは、幅方向の中央を上流側開口37に連続してV字状に切欠いた切欠き部37aを有している。このV字状の切欠き部37aにより、上壁34aの上流側の縁が貯留タンク30底面32の傾斜方向に対して斜めになるので、上流側開口37に多量のパチンコ玉が押し寄せる状態となっても、パチンコ玉が上壁34aの縁に沿って斜めに移動することができ、上流側開口37において玉詰まりを起こすことがない。
【0023】
貯留タンク30下流端の玉排出口38の直前位置には、上流側開口37から玉通路36へ流入して玉通路36内を転動してきたパチンコ玉と、上流側開口37で玉通路36に入ることなく貯留タンク30内を下流端まで転動してきたパチンコ玉とが合流する合流部46が設けられている。この合流部46は、幅寸法が玉排出口38の幅とほぼ同じ大きさで設けられ、合流部底面46aは貯留タンク30の底面32からパチンコ玉の直径寸法分以上低く形成されている。
【0024】
合流部46以外の貯留タンク30下流端領域の底面は、合流部底面46aに向って下り傾斜した傾斜部48となっていて、貯留タンク30底面32から傾斜部48上に転動したパチンコ玉は、傾斜部48の傾斜に従って合流部底面46aへ転動し、玉排出口38へ誘導され合流回収樋22を介して揚送装置24へ供給される。この傾斜部48は終端縁48aが合流部底面46aよりもパチンコ玉の直径寸法分以上高い位置となるように設けてある。
【0025】
傾斜部48を通ることなく貯留タンク30の底面32から直接合流部46へ転動したパチンコ玉は、傾斜部48から合流部底面46aを通って貯留タンク30外部へ流出するパチンコ玉の上に重なって玉排出口38へ転動する。したがって、玉排出口38からはパチンコ玉が2段に重なった状態で排出される。さらに、2段に重なったパチンコ玉が玉排出口38からスムーズに排出できるように、玉排出口38の上縁は貯留タンク30の底面32よりパチンコ玉の直径寸法分以上高い位置に設けてある。
【0026】
また、合流部46の幅方向の位置は、玉通路36と同じ位置、即ち貯留タンク30の幅方向中央位置に設けてあり、また、玉通路36の幅寸法が玉排出口38とほぼ同じ大きさに設けてあるので、上流側開口37で玉通路36に入ることなく貯留タンク30内を転動してきたパチンコ玉が傾斜部48上を転動して合流部底面46aから玉排出口38を通って貯留タンク30外部へ流出し、そのパチンコ玉の上から、上流側開口37から玉通路36へ流入して玉通路36内を転動してきたパチンコ玉が重なって貯留タンク30外部へ流出する。
【0027】
貯留タンク30内の玉排出口38上方位置には、下流端壁30cから上流側に向って下り傾斜した圧逃板45が設けられている。この圧逃板45は、貯留タンク30内にパチンコ玉が多量に貯留されている場合に、玉排出口38部分でのパチンコ玉の圧力を弱め、スムーズにパチンコ玉が流下するようにしている。この圧逃板45は、先端がアウト玉回収樋42の上壁42a、及び玉通路36(枠部材34)の上壁34aとの間隔がパチンコ玉の直径よりも小さくなるように設けられている。
【0028】
上記の構成により、貯留タンク30の玉排出部38からパチンコ玉が排出される際に、貯留タンク30の上流側に貯留されたパチンコ玉と、貯留タンク30の下流側で貯留されたパチンコ玉とがバランスよく排出される。また、玉通路36内を転動するパチンコ玉には、その上方から貯留タンク30内に貯留されるパチンコ玉の重量が加えられないので、玉詰まりを起こすことがない。さらに、玉排出口38からパチンコ玉が上下2段に重なった状態で排出することができるので、玉排出口38の幅を広げることなく迅速に大量のパチンコ玉を排出することができる。
【0029】
また、傾斜部48の終端縁48aが合流部底面46aよりもパチンコ玉の直径寸法分以上高い位置となるように設けてあるので、上流側開口37よりも下流側までしかパチンコ玉が貯留されていないときなどの玉通路36から合流部46に流下するパチンコ玉がないときでも、玉通路36外の貯留タンク30底面32から合流部底面46aに流下したパチンコ玉の上に後続して流下したパチンコ玉が重なった状態となって排出される。従って、玉通路36内を転動して合流部46に流下するパチンコ玉があるときと同様に、パチンコ玉が玉排出口38から上下2段に重なった状態で排出されるので、迅速に大量のパチンコ玉を排出することができる。
【0030】
図5は貯留タンク30の下流端壁30c周辺を示した拡大斜視図である。電動シャッタ20は、スライド部材50と、スライド部材50を駆動するモータ86が取付けられた取付部材59とを有している。
取付部材59はモータ86を取り付けた主壁60の両側端を同方向に曲げて側壁62としたコ字形状とし、貯留タンク30の下流端壁30cに取付けられている。
【0031】
取付部材59の両側壁62,62に形成した縦方向の長孔62aには、スライド部材50の側壁52に固設した係止ピン52aを遊挿してあり、モータ86が回転すると取付部材50の内部に設けた不図示のクランク機構が作動してスライド部材50が上下方向に移動することができる構成としている。そして、スライド部材50は両側壁52,52の間の背面板55に閉塞板57を取付けて構成してあり、スライド部材50が上方に移動すると図5(b)に示すように閉塞板57が玉排出口38を閉じ、下方に移動すると図5(a)に示すように玉排出口38を開ける。なお、この閉塞板57は後述の手動シャッタ65の閉塞板67の手前側(下流端壁30cから離間する側)に並んで位置している。
【0032】
図6は貯留タンク30の下流端壁30c周辺を示した拡大斜視図で、電動シャッタ20をはずした状態の図である。以下、図6により、手動シャッタ65について説明する。
手動シャッタ65の閉塞板67は、貯留タンク30の下流端壁30cに上下摺動自在に当接されると共に、縦方向に長孔67aが形成され、夫々の長孔67a,67aに下流端壁30cに固設した係止ピン69を遊挿することによって、上下方向に移動することができ、上方に移動させたときには図6(b)に示すように玉排出口38を閉じ、下方に移動させたときには図6(a)に示すように玉排出口38を開ける。
【0033】
また、貯留タンク30の下流端壁30cに設けた細長形状の固定ピン取付片68の先端に固設した固定ピン68aと、閉塞板67に設けた固定孔67bとにより、閉塞板67を上方に移動させた状態で固定することができる。詳述すると、固定ピン取付片68は細長形状の可撓性を有した板で形成してあり、閉塞板67を下方に移動させた状態のときは、固定ピン取付片68の表面から突出した状態の固定ピン68aの頭部の分だけ閉塞板67の背面に押されて撓んだ状態となっていて、閉塞板67を上方まで移動させると、閉塞板67の固定孔67bが固定ピン68aの位置に至って固定ピン取付片68の撓みが戻り、固定孔67bに固定ピン68aが嵌ることにより固定される。
【0034】
従って、揚送装置24や電動シャッタ20などの遊技島内でパチンコ玉を循環させる機器が故障して修理や交換を行う際に、上記の手動シャッタ65によって玉排出口38を閉じることができ、また閉じた状態で固定しておくことができるので、貯留タンク30内に貯留されたパチンコ玉が玉排出口38から流れ出すことがなく容易に作業を行うことができる。また、上記電動シャッタ20、手動シャッタ65の閉塞板57,67は玉排出口38の下側から上昇して玉排出口38を閉じるので、上側から下降して閉じる場合のように底面と閉塞板との間にパチンコ玉が噛んでしまうことがない。さらに、簡易な構成で手動シャッタ65を形成しているので、コストを低減することができる。なお、実施例の長孔67a、係止ピン69が発明におけるスライド手段を構成し、固定孔67b、固定ピン68aが発明における固定手段を構成している。
【0035】
図7〜9は、合流回収樋22の各実施例を示す斜視図であり、各実施例の構成により、パチンコ台から排出されてアウト玉回収樋23、42を経て合流回収樋22に転動してきたパチンコ玉の流れが、貯留タンク30の玉排出口38から合流回収樋22に排出されたパチンコ玉の圧力によって妨げられることを防止する構成としている。
【0036】
第1の実施例としては、図7に示すように、合流回収樋22底面76に、玉排出口38と左右のアウト玉回収樋42,42の出口との間の位置から下流側に向けてパチンコ玉の流下方向に沿った規制部材70を設けた構成とし、貯留タンク30の玉排出口38から排出されたパチンコ玉は、規制部材70によって合流回収樋22の全域に広がらないように流れが規制されるので、アウト玉回収樋42から流下してきたパチンコ玉の流れを妨げることを防止できる。
底面76からの規制部材70の高さについては、所定以上高く(例えばパチンコ玉の半径以上)設定すれば玉排出口38から排出されたパチンコ玉は規制部材70の外側には転動することはなく、低く設定するに従って規制部材70を乗り越えて外側(合流回収樋22の側壁側)へ広がって転動するパチンコ玉の割合が高くなっていくので、求めるパチンコ玉の流れ方によって高さを設定するとよい。規制部材70の長さについても、長く設定するに従って玉排出口38から排出されるパチンコ玉の流れを規制する範囲が大きくなるので、求めるパチンコ玉の流れ方によって長さを設定するとよい。また、規制部材70は金属製の硬質な板状などで形成したものであったり、ゴムなどの弾性材で形成したものであったりしてもよい。また、規制部材70は底面76に設ける構成を示したが、例えば合流回収樋22に蓋などを設けて蓋の天井から底面に向けて設ける構成して設けるなどしてもよい。
【0037】
第2の実施例としては、図8に示すように、合流回収樋22底面76に、玉排出口38と左右のアウト玉回収樋42,42の出口との間の位置から下流側に向けてパチンコ玉の流下方向に沿った溝72を設けた構成とし、貯留タンク30の玉排出口38から排出されたパチンコ玉は、溝72によって合流回収樋22の全域に広がらないように流れが規制されるので、アウト玉回収樋42から流下してきたパチンコ玉の流れを妨げることを防止できる。
溝72の幅はパチンコ玉の直径未満であり、直径の4分の1程度以上あることが望ましい。広く設定すれば(例えばパチンコ玉の半径以上直径未満程度)、貯留タンク30やアウト玉回収樋42から流下してきたパチンコ玉が溝72に嵌って並んで留まり、その溝72に嵌った状態で並んだパチンコ玉が壁のようになって、後続して玉排出口から排出されるパチンコ玉は溝72の外側には転動することがなく、また、狭く設定するに従って溝72を越えて外側(合流回収樋22の側壁側)へ広がって転動するパチンコ玉の割合が高くなっていくので、求めるパチンコ玉の流れ方によって幅を設定するとよい。溝72の長さについても、長く設定するに従って玉排出口38から排出されるパチンコ玉の流れを規制する範囲が大きくなるので、求めるパチンコ玉の流れ方によって長さを設定するとよい。
【0038】
第3の実施例としては、図9に示すように、合流回収樋22の底面76に、玉排出口38と左右のアウト玉回収樋42,42の出口との間の位置から下流側に向けてパチンコ玉の流下方向に沿った段差75を有した構成とし、貯留タンク30の玉排出口38から排出されたパチンコ玉は、段差75下段側の下段側底面76bへ流下し、アウト玉回収樋42を転動してきたパチンコ玉は、段差75上段側の上段側底面76aへ流下する。貯留タンク30の玉排出口38から排出されたパチンコ玉は、段差75によって合流回収樋22の全域に広がらないように流れが規制されるので、アウト玉回収樋42から流下してきたパチンコ玉の流れを妨げることを防止できる。
段差75の高さについては、所定以上高く(例えばパチンコ玉の半径以上)設定すれば玉排出口38から排出されたパチンコ玉は段差を越えて上段側底面76aには転動することはなく、低く設定するに従って段差75を乗り越えて上段側底面76aへ広がって転動するパチンコ玉の割合が高くなっていくので、求めるパチンコ玉の流れ方によって高さを設定するとよい。段差75の長さについても、長く設定するに従って玉排出口38から排出されるパチンコ玉の流れを規制する範囲が大きくなるので、求めるパチンコ玉の流れ方によって長さを設定するとよい。
【0039】
上記のように、貯留タンク30の電動シャッタ20が開くと多量のパチンコ玉が玉排出口38から合流回収樋22へ流れ出すが、そのような場合でも、第1〜3の各実施例に示す構成によって流れが規制され、合流回収樋22全域に広がって流れ出すことがないので、パチンコ台で使用されてアウト玉回収樋へ排出されて流下するパチンコ玉がスムーズに合流樋上に流下することができる。
従って、遊技客によって使用されて汚れたパチンコ玉であるアウト玉回収樋42上のパチンコ玉がスムーズに揚送装置24へ送られ、揚送装置24によって既に磨かれたパチンコ玉を貯留している貯留タンク30から排出されるパチンコ玉が優先して揚送装置24へ送られることがないので、玉磨きの効率をよくすることができる。
また、アウト玉回収樋42,23は遊技島内の限られた高さスペース(パチンコ台よりも下方)の中で設置され、且つアウト玉回収樋42,23は所定の勾配を確保して設けなくてはならないので、アウト玉回収樋42,23の設置位置が高くなると、遊技島10を長くすることができなくなるが、上記各実施例の構成ではアウト玉回収樋42の下流端を高い位置に設定する必要がないので、遊技島10を長くしてより多くのパチンコ台14を設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】遊技島の構成を示す図である。
【図2】貯留タンクの外観斜視図である。
【図3】貯留タンクの内部の底面部分を示した斜視図である。
【図4】貯留タンクの玉排出口近傍を示した拡大斜視図である。
【図5】貯留タンクの下流端壁周辺を示した拡大斜視図である。
【図6】貯留タンクの下流端壁周辺を示した拡大斜視図で、電動シャッタをはずした状態の図である。
【図7】合流回収樋の第1実施例を示す斜視図である。
【図8】合流回収樋の第2実施例を示す斜視図である。
【図9】合流回収樋の第3実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
10 遊技島
12 計数機
14 パチンコ台
16 上部タンク
18 補給樋
20 電動シャッタ
21、23、40、42 アウト玉回収樋
22 合流回収樋
24 揚送装置
30 貯留タンク
32 底面
34 枠部材
35 下流側開口
36 玉通路
37 上流側開口
38 玉排出口
40 アウト玉回収樋
44 玉均し板
45 圧逃板
46 合流部
48 傾斜部
50 スライド部材
52 側壁
52a 係止ピン
55 背面板
57 閉塞板
59 取付部材
60 主壁
62 側壁
62a 長孔
65 手動シャッタ
67 閉塞板
67a 長孔
67b 固定孔
68 固定ピン取付片
68a 固定ピン
69 係止ピン
70 規制部材
75 段差
76 底面
76a 上段側底面
76b 下段側底面
84 貯留量センサ
86 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパチンコ台を列設した遊技島において、
遊技島は、各パチンコ台から排出されるパチンコ玉を回収して流下させるアウト玉回収樋と、
パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクと、
該貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉と前記アウト玉回収樋を転動してくるパチンコ玉とを合流させて揚送装置へ案内する合流回収樋と、を有し、
該合流回収樋には、前記貯留タンクの玉排出口と前記アウト玉回収樋の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿って規制部材を設け、
貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉が前記合流回収樋全域に広がらないようにパチンコ玉の流れを規制することを特徴とする遊技島。
【請求項2】
複数のパチンコ台を列設した遊技島において、
遊技島は、各パチンコ台から排出されるパチンコ玉を回収して流下させるアウト玉回収樋と、
パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクと、
該貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉と前記アウト玉回収樋を転動してくるパチンコ玉とを合流させて揚送装置へ案内する合流回収樋と、を有し、
該合流回収樋には、前記貯留タンクの玉排出口と前記アウト玉回収樋の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿って延びる溝を底面に設けたことを特徴とする遊技島。
【請求項3】
複数のパチンコ台を列設した遊技島において、
遊技島は、各パチンコ台から排出されるパチンコ玉を回収して流下させるアウト玉回収樋と、
パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクと、
該貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉と前記アウト玉回収樋を転動してくるパチンコ玉とを合流させて揚送装置へ案内する合流回収樋と、を有し、
該合流回収樋には 前記貯留タンクの玉排出口と前記アウト玉回収樋の間の位置からパチンコ玉の流下方向に沿った段差を底面に設け、
前記貯留タンクの玉排出口から排出されるパチンコ玉は段差の下段側を流下すると共に、前記アウト玉回収樋から転動してきたパチンコ玉は段差の上段側を流下することを特徴とする遊技島。
【請求項4】
複数のパチンコ台を列設した遊技島において、
遊技島は、パチンコ台で使用するためのパチンコ玉を貯留可能な貯留タンクを設け、
該貯留タンクには、玉排出口を開閉するための閉塞板を有した手動シャッタを設け、
該手動シャッタは、前記閉塞板が玉排出口を開ける状態と前記閉塞板が玉排出口を閉じる状態とにスライド移動させることが可能なスライド手段と、
前記閉塞板が玉排出口を閉じた状態で固定可能な固定手段と、
を有したことを特徴とする遊技島。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−153721(P2009−153721A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335405(P2007−335405)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000162906)シチズン狭山株式会社 (162)
【Fターム(参考)】