説明

遊技情報表示装置

【課題】離席中に他人が自分の遊技データを閲覧したのか否かを確認可能な遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】遊技情報表示装置1は、表示手段107に表示させる遊技データの種類を切り換えるために操作する切換操作手段161と、切換操作手段161の操作に応じて、各種の遊技データを切り換えて表示手段107に表示する表示制御手段103と、遊技者が離席する際に監視状態を設定するために操作する離席操作手段163と、監視状態において切換操作手段161が操作されたか否かを判定する判定手段105と、を備え、表示制御手段103は、判定手段105による判定結果を表示手段107に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技機に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの遊技場では、パチンコ遊技機やスロットマシン等の各遊技機に対応して個別に遊技情報表示装置が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。これらの遊技情報表示装置によれば、各種の遊技データを遊技者に対して表示可能である。表示される遊技データは、大当たりの発生回数、ゲームの実行回数、出玉の推移グラフなど多種多様であり、全ての遊技データを一画面で同時に表示し切ることは困難である。そこで、一般的な遊技情報表示装置には、各種の遊技データを切換表示させるためのデータ切換ボタンが設けられている。遊技者は、遊技機の選択時や遊技中に各種の遊技データを切換表示して、その遊技機の良し悪しや遊技状況等を判断可能である。
【0003】
遊技する遊技機を探している最中の遊技者は、非稼動の遊技機に対応する遊技情報表示装置を適宜、操作して所望の遊技データを自由に表示させることができる。一方、稼動中の遊技機については、遊技者の頭越しに手を伸ばして遊技情報表示装置を勝手に操作することはマナー違反とされている。したがって、遊技をしている最中に他人に遊技情報表示装置を操作されて自分の遊技データが勝手に切換表示されてしまうおそれは少ない。
【0004】
一方、遊技を中断して離席した場合には、その隙に遊技情報表示装置を勝手に操作されて他人に遊技データを閲覧されるおそれが生じる。離席中の操作を禁止するための操作ボタン等を設ければ、離席中の他人の操作を規制することも可能である。しかし、遊技情報表示装置を多くの遊技者に利用して欲しいという遊技場側の設置意図を考慮すれば、特定の遊技者のために操作禁止状態を設定して他の遊技者の利用を排除するような設定は好ましくない。また、遊技情報表示装置のメーカ側の立場からすれば、より多くの遊技者に表示装置を利用して欲しいという思いがある。
【0005】
したがって、前記従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、遊技を中断して離席した隙に他人に遊技データを閲覧されるおそれを完全に無くすことが困難である一方、自分の遊技成績とも言える遊技データを離席中に他人に見られたか否か、すなわち遊技中の遊技機の良し悪しや遊技状況等に関心を持っている他人が存在しているのか否かが常に気になるところである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−165596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、離席中に他人が自分の遊技データを閲覧したのか否かを確認できる遊技情報表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の遊技機が設置された遊技場において各遊技機に1対1で対応して設けられる遊技情報表示装置において、
対応する遊技機に関する各種の遊技データを表示可能な表示手段と、
該表示手段に表示させる遊技データの種類を切り換えるために遊技者が操作する切換操作手段と、
該切換操作手段の操作に応じて、前記表示手段に表示させる遊技データを切り換える表示制御手段と、
遊技者が離席する際、前記切換操作手段の操作を監視する監視状態を設定するために遊技者が操作する離席操作手段と、
該離席操作手段の操作に応じて前記監視状態を設定し、所定の終了条件の成立に応じて該監視状態を終了させる監視状態制御手段と、
前記監視状態において前記切換操作手段が操作されたか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記判定手段による判定結果を前記表示手段に表示することを特徴とする遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置は、前記切換操作手段の操作に応じて、前記表示手段に各種の遊技データを切換表示可能である。この遊技情報表示装置が備える離席操作手段が操作されると、前記終了条件が成立するまでの期間に渡って監視状態が設定される。この監視状態においては、前記切換操作手段が操作されたか否かが前記判定手段により判定される。そして、その判定結果は、前記表示手段により表示される。例えば、食事やトイレなどで席を離れるときに前記離席操作手段を操作しておけば、席に戻ったとき、他人に遊技データを閲覧されたか否かを確認可能である。
【0010】
以上の通り、本発明の遊技情報表示装置によれば、離席中に自分の遊技データを他人に閲覧されたのか否かを確認することができ、食事やトイレ等のために離席する際の遊技者の心配や不安を抑えることができる。
【0011】
本発明の遊技機としては、パチンコ遊技機やスロットマシンなどの各種の遊技機がある。さらに、前記遊技価値としてメダルや玉等の遊技媒体が設定された遊技機であっても良く、遊技媒体を前提としない、いわゆる完全クレジット式の遊技機であっても良い。なお、スロットマシンとしては、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)などであっても良い。
【0012】
本発明の遊技情報表示装置を利用すれば、離席中に他人に遊技データを閲覧されたか否かを把握することで、遊技中の遊技機が他人から注目されている度合いを把握できる。この注目度合いが高ければ、自分が遊技を終了した後に他の遊技者により直ちに遊技が開始される可能性、すなわちハイエナされる可能性が高いという判断が可能である。
【0013】
また、前記監視状態において現在の状態が監視状態である旨を報知する監視報知手段を備えていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、離席中に遊技データを勝手に閲覧されたくない遊技者が、前記遊技情報表示装置を利用してその旨を意思表示できるようになる。
【0014】
また、前記所定の終了条件としては、前記離席操作手段の操作に応じて前記監視状態が設定されてから予め定められた期間が経過したことが設定されていることも良い(請求項3)。
なお、前記予め定められた期間としては、例えば、5分〜10分程度の時間を設定することができる。このような短期間の監視状態は、トイレ休憩やたばこ休憩等に対して好適である。
【0015】
また、前記監視状態を解除するための解除操作手段を備え、
前記所定の終了条件としては、前記解除操作手段の操作が設定されていることも良い(請求項4)。
この場合には、遊技者が席に戻ったとき、前記解除操作手段を操作することで前記監視状態を解除できるようになる。さらに、前記終了条件として、30分等の長い期間の経過、及び前記解除操作手段の操作を設定することも良い。前記解除操作手段を組み合わせれば、30分が経過する前に席に戻ったとき、該解除操作手段の操作に応じて前記監視状態を適宜、解除できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例における、遊技情報表示装置を含む遊技情報管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における、スロットマシンの外観を示す正面図。
【図3】実施例における、リールの外周に配置された図柄の配列を展開して示す展開図。
【図4】実施例における、スロットマシンの役、入賞図柄、利益を示す説明図。
【図5】実施例における、スロットマシンの電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例における、遊技情報表示装置を示す正面図。
【図7】実施例における、遊技情報表示装置の電気的な構成を示すブロック図。
【図8】実施例における、通常画面を示す正面図。
【図9】実施例における、小役データ画面を示す正面図。
【図10】実施例における、監視状態画面を示す正面図。
【図11】実施例における、判定結果表示画面を示す正面図。
【図12】実施例における、監視状態処理の流れを示すフロー図。
【図13】実施例における、データ切換処理の流れを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)に対応して個別に設けられる遊技情報表示装置1に関する例である。この内容について、図1〜図13を用いて説明する。
【0018】
本例の遊技情報表示装置1(以下適宜、表示装置1という。)は、図1に示すごとく、貸出用のメダル(遊技価値をなす遊技媒体)を払い出す貸出装置31と共に各スロットマシン5に対して個別に設けられている。遊技場では、表示装置1、貸出装置31、及びスロットマシン5の組合せが、遊技場管理装置30により管理され、全体として遊技場管理システム3が形成されている。この遊技場管理システム3では、遊技場管理装置30のほか、中継端末としての機能を備えた表示装置1が通信ネットワーク300に接続されている。スロットマシン5及び貸出装置31は、表示装置1を介して通信可能な状態で通信ネットワーク300に接続されている。
【0019】
まず、本例のスロットマシン5について説明する。スロットマシン5は、図2に示すごとく外観的な構成を有している。スロットマシン5の前面部分は、略矩形状の図柄表示窓51を略中央に設けた前面枠体50によって形成されている。前面枠体50は、図柄表示窓51の上側に、液晶表示部638、左右一対のスピーカ57及び装飾ランプ部636を配置してなる。図柄表示窓51の下側には、スロットマシン5の基部をなすベース部500が形成されている。図柄表示窓51の右側には、メダルの付与数を表示する付与数表示部551、及びクレジット数を表示するクレジット表示部552が配置されている。
【0020】
ベース部500は、遊技者から奥まって位置する図柄表示窓51に相対して張り出すように形成されている。ベース部500は、図柄表示窓51に隣り合う上端部に棚面状の操作面54を有し、下端部にメダル受け皿55を有し、操作面54の下側に隣接して操作パネル53を有している。
【0021】
操作面54には、クレジット機能によりクレジット(貯留)されたメダルを投入するためのベットボタン64と、クレジットされたメダルを払い出させるための精算ボタン65と、メダルを直接投入するためのメダル投入口630と、が配置されている。操作パネル53には、リール52の図柄変動を開始させるためのスタートレバー62、図柄変動を停止させるためのストップボタン61が配置されている。
【0022】
図柄表示窓51は、図2に示すごとく、図柄表示領域510L、C、Rを含む表示窓である。各図柄表示領域510L、C、Rは、いずれも3図柄分の図柄表示領域である。図柄表示窓51全体では、3行3列よりなる2次元マトリクス状に配置された9図柄分の図柄表示領域が形成されている。2次元マトリクス状に9個の図柄525が配置される図柄表示領域においては、入賞の対象となる入賞図柄の並び方向である入賞ライン511〜515が設定されている。
【0023】
各図柄表示領域510L、C、Rの裏側には、図柄変動表示手段520を構成するリール52L、C、Rがそれぞれ配置されている。リール52L、C、Rは、図3に示すごとく、円柱形状の外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄525が配置された回転式のリールである。リール52L、C、Rにそれぞれ個別に対応するストップボタン61として、左ストップボタン61L、中ストップボタン61C、右ストップボタン61Rが設けられている。
液晶表示部638は、液晶ディスプレイよりなる。液晶表示部638は、遊技を演出するための各種の演出画面等を表示可能である。
【0024】
本例のスロットマシン5では、図4に示すごとく、ボーナス役(BB役、RB役)、4種類の小役のほか、リプレイ役が設定されている。同図では、各役の名称を左列に、各役に対応する図柄の組合せである入賞図柄を中列に、入賞に応じて遊技者に付与される利益を右列に、それぞれ示してある。利益としては、同図中「利益」欄の左側に示す通常状態下の利益と、同右側に示すボーナス状態下の利益と、がある。
【0025】
スロットマシン5の電気的な構成は、図5に示す通りである。スロットマシン5の全体動作を制御する制御部58に対しては、既出の構成のほか、メダル投入口630(図2)から投入されたメダルを検知する投入メダル検知部63、リール52と共に図柄変動表示手段520を構成するリール駆動部521、リール52の回転位置を検知する基準位置検知部632、メダルを受け皿55に払い出すメダル払出部633、付与数表示部551やクレジット表示部552を含む各種表示部634、遊技者の有利度合いを表す設定値を設定するための設定値操作部68、スピーカ57を制御する音声出力部637、各種の信号を出力する信号出力部635等が電気的に接続されている。
【0026】
リール駆動部521は、ステップ単位で制御可能なステッピングモータ(図示略)を含み、このステッピングモータの回転駆動力によりリール52を回転駆動する手段である。
基準位置検知部632は、各リール52L、C、Rについて基準位置片の通過を検知し、検知信号を出力する検知部である。
設定値操作部68は、設定キー680を利用して、ボーナス役及び小役の内部当選確率が異なる6段階の設定値を変更するための操作部である。
【0027】
制御部58は、図5に示すごとく、CPU581と、メモリ手段であるROM583・RAM584と、入出力インターフェースとしてのI/O部582と、内部当選役抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部585と、乱数を発生する乱数発生部586と、を有している。CPU581は、ROM583から読み込みしたソフトウェアプログラムを実行することにより、内部当選役を抽選する内部抽選手段71、内部当選役に対応する内部当選フラグを制御するフラグ制御手段710、リール52を制御する表示制御手段72、入賞図柄を判定する入賞判定手段73、入賞に応じてメダルを付与する利益付与手段74、ボーナス状態発生手段75としての各機能を実現する。
【0028】
ROM583は、内部抽選手段71が内部当選役の抽選に用いる内部当選役抽選テーブル(図示略)、表示制御手段72がリール52の停止制御に用いるリール制御テーブル(図示略)を記憶している。
リール制御テーブルは、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたデータテーブルである。
【0029】
内部当選役抽選テーブルは、0〜65535の内部当選役抽選用の乱数のうち、各役の当選乱数の範囲が規定されたデータテーブルである。内部当選役抽選テーブルとしては、通常状態に適用されるテーブル、ボーナス状態に適用されるテーブルがある。通常状態用の内部当選役抽選テーブルは、1〜6の設定値毎に用意されている。また、ボーナス状態用の内部当選役抽選テーブルでは、ボーナス役、リプレイ役の当選乱数が未設定となっている。これにより、ボーナス状態の発生中では、ボーナス役及びリプレイ役が内部抽選対象から除外されることになる。
【0030】
図5に示す乱数抽出部585は、乱数発生部586が発生する乱数(0〜65535)の中から内部当選役抽選用の乱数を抽出する。
内部抽選手段71は、内部抽選により内部当選役を決定し、その内部当選役に対応する内部当選フラグを成立させる手段である。内部抽選手段71は、内部当選役抽選テーブルに規定された各役の当選乱数に対して内部当選役抽選用の乱数を照合し、内部当選役を決定する。内部抽選手段71は、前記内部当選役抽選テーブルのうちの何れかを遊技状態及び設定値に応じて選択的に利用する。
【0031】
フラグ制御手段710は、内部抽選手段71が決定した内部当選役に対応する内部当選フラグを制御する手段である。フラグ制御手段710は、ボーナス役以外の他の役の内部当選フラグについては、その内部当選フラグが初めて成立したゲームで入賞したか否かに関わらず次のゲームを開始するまでにオフ状態(ゼロ)にリセットする。したがって、ボーナス役以外の各役が内部当選したゲームで入賞しなかった場合、全て取りこぼしとなる。一方、ボーナス役の内部当選フラグであるボーナス役フラグについては、内部当選フラグの成立状態が入賞するまで順次、次回のゲームに持ち越され、入賞に応じてオフ状態にリセットされる。
【0032】
表示制御手段72は、ゲームの開始が許可された状態でスタートレバー62が操作されたときにリール52の図柄変動を開始し、ストップボタン61の操作に応じてリール52の図柄変動を停止させる手段である。表示制御手段72は、リール駆動部521を構成するステッピングモータに制御パルスを入力し、1パルス毎に1ステップずつステッピングモータを回転させる。表示制御手段72は、リール駆動部521に入力した制御パルス数、すなわちステッピングモータが回転したステップ数をカウントする。特に、本例の表示制御手段72は、各リール52の基準位置片の検知信号を取り込むごとにステップ数をゼロリセットすることで、直近の検知信号の後に生じたステップ数をカウントしている。
【0033】
表示制御手段72は、規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)等が定める所定の引込範囲内の図柄を入賞ライン上に停止させる、いわゆる引込制御を実行する。本例では、引込範囲として4図柄分に相当する範囲が設定されている。表示制御手段72は、入賞ライン上に停止可能な停止位置が規定されたリール制御テーブルに対してストップボタン61が操作された時のステップ数を照合し、停止位置を決定する。表示制御手段72は、内部当選フラグに対応する図柄をその停止位置に引き込んでリール52を停止させる。
【0034】
図5に示す入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rが停止表示する図柄の組合せが所定の入賞図柄であるか否かを判定する手段である。入賞判定手段73は、3基のリール52L、C、Rを横断するように設定された入賞ライン511〜515上に停止した図柄の組合せに応じて入賞役を判定する。入賞判定手段73は、各リール52L、C、Rが停止した後、対応する各ステッピングモータ(リール駆動部521)のステップ数を取り込む。入賞判定手段73は、このステップ数に基づき入賞ライン511〜515上に停止した図柄525の種類を求め、その図柄525の組合せについて入賞役が成立するか否かを判定する。
【0035】
利益付与手段74は、入賞判定手段73により判定された入賞役に対応する数のメダルを付与する手段である。例えば、15枚役が入賞役である場合には15枚のメダルを付与する(図4参照)。但し、ボーナス状態では、全ての小役についてメダルの付与枚数が15枚となっている。
【0036】
ボーナス状態発生手段75は、ボーナス役の入賞に応じてボーナス状態を発生させると共に、所定の終了条件の成立に応じてボーナス状態を終了させる手段である。ボーナス状態としては、BB役の入賞に応じたBB状態と、RB役の入賞に応じたRB状態がある。BB状態の終了条件は、付与したメダルが360枚を超過したことであり、RB状態の終了条件は、付与したメダルが120枚を超過したことである。
【0037】
以上のように構成されたスロットマシン5が、信号出力部635(図5)を介して表示装置1に向けて外部出力する信号としては、以下の各信号がある。
(1)セーフ信号:入賞に応じてメダルが1枚付与される毎に出力される信号。
(2)アウト信号:ゲームに使用されたメダル数分、ゲームの開始に応じて連続的に出力される信号。
(3)RB信号:RB状態の発生中に出力される信号。
(4)BB信号:BB状態の発生中に出力される信号。
【0038】
次に、表示装置1について説明する。表示装置1は、図1及び図6に示すごとく、スロットマシン5の上側のスペースに配設される横長の装置である。表示装置1の正面では、情報表示部15を中心として、左右両側にランプ165が配置されている。情報表示部15の下側には、向かって左側から順番に、データ切換ボタン(切換操作手段)161、呼出ボタン162、離席ボタン(離席操作手段)163が配置されている。なお、表示装置1は、スロットマシン5と1対1で対応して設置されていれば良く、その設置場所は本例に限定されない。例えば、スロットマシン5の側方や前方であってもよい。
【0039】
ランプ165は、呼出ボタン162の操作に応じて点灯する呼出ランプ165A、及びボーナス状態の発生中に点灯するボーナスランプ165Bにより構成されている。
データ切換ボタン161は、情報表示部15に表示させる遊技データを切り換えるための操作ボタンである。
離席ボタン163は、データ切換ボタン161の監視状態を設定するための操作ボタンである。
情報表示部15は、遊技データを表示する表示手段107としての機能、及び監視状態下のデータ切換ボタン161の操作の有無等を報知する監視報知手段108としての機能を備えている。
【0040】
表示装置1の内部には、図7に示すごとく、各種の演算処理を実行するCPU11、ROM121、RAM122を含む記憶部12、各種信号あるいは情報の入出力を行う送受信部(I/O)13、及び計時機能を備えたクロック部14、を含む制御部10が収容されている。クロック部14は、RTC(Real Time Clock)としての機能と、監視状態の継続時間を計測する監視タイマとしての機能を備えている。
【0041】
表示装置1は、送受信部13の外部端子である信号入力端子130等を介してスロットマシン5に接続されている。なお、信号入力端子130を介してスロットマシン5側から取り込む信号としては、上記のごとく、セーフ信号、アウト信号、BB信号、RB信号等がある。
【0042】
記憶部12は、スロットマシン5の遊技データを記憶する遊技データ記憶手段102、後述する判定手段105の判定結果を記憶する判定結果記憶手段106としての機能を備えている。遊技データ記憶手段102が記憶する遊技データとしては、下記の(1)〜(11)の各データがある。なお、判定結果記憶手段106が記憶する判定結果については後述する。
【0043】
(1)只今ゲーム数:直近のボーナス状態が終了してからの消化ゲーム数。
(2)累計ゲーム数:通常状態下で実行された累計ゲーム数。
(3)本日BB回数:BB状態の発生回数。
(4)本日RB回数:RB状態の発生回数。
(5)15枚役回数:15枚役の入賞回数。
(6)8枚役回数:8枚役の入賞回数。
(7)2枚役回数:2枚役の入賞回数。
(8)1枚役回数:1枚役の入賞回数。
(9)差枚数:遊技者が獲得したメダル数(付与数−賭け数)の当日の累計。
(10)前日BB回数:前日のBB状態の発生回数。
(11)前日RB回数:前日のRB状態の発生回数。
なお、(10)前日BB回数、(11)前日RB回数は、前日の営業終了時の(3)本日BB回数、(4)本日RB回数である。
【0044】
CPU11は、図7に示すごとく、ソフトウェアの実行により上記(1)〜(9)の各遊技データを生成する遊技データ生成手段101、情報表示部15の表示を切り換える表示制御手段103、監視状態を制御する監視状態制御手段104、監視状態下のデータ切換ボタン161の操作の有無を判定する判定手段105としての機能を備えている。
【0045】
遊技データ生成手段101は、以下に説明する方法で上記(1)〜(9)の各遊技データを生成する。
(1)只今ゲーム数:直近のボーナス状態が終了したときにゼロスタートで計数開始し、アウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(2)累計ゲーム数:通常状態においてアウト信号を3回連続的に受信したときにゲームスタートを検知し、検知する毎に1ゲームずつ加算する。
(3)本日BB回数:BB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算する。
(4)本日RB回数:RB信号の非受信状態から受信状態への切換毎に1回ずつ加算する。
(5)15枚役回数:セーフ信号を15回連続受信する毎に1回ずつ加算する。
(6)8枚役回数:セーフ信号を8回連続受信する毎に1回ずつ加算する。
(7)2枚役回数:セーフ信号を2回連続受信する毎に1回ずつ加算する。
(8)1枚役回数:セーフ信号を単発で1回受信する毎に1回ずつ加算する。
(9)差枚数:セーフ信号の受信に応じて1枚ずつ加算し、アウト信号の受信に応じて1枚ずつ減算する。
【0046】
監視状態制御手段104は、離席ボタン163が操作されたとき、5分間に渡って監視状態を設定する。監視状態制御手段104は、離席ボタン163の操作に応じて監視状態を設定し、その後、前記監視タイマ(クロック部14のタイマ機能)の計測時間が5分に到達したとき(終了条件)に監視状態を終了させる。なお、本例の監視状態制御手段104では、監視状態を表す状態フラグである監視フラグが設定されている。
【0047】
判定手段105は、監視状態下でデータ切換ボタン161が操作されたとき、前記RTC(クロック部14の時計機能)から操作時刻(操作時の時刻)を取得する。この操作時刻は、判定手段105による判定結果として、判定結果記憶手段106により随時、記憶される。
【0048】
表示制御手段103は、データ切換ボタン161の操作に応じて、情報表示部15が表示する遊技データを切り換える。さらに、本例の表示制御手段103は、監視状態の継続中にその旨を情報表示部15に表示させる。監視状態が終了した後には、監視状態下のデータ切換ボタン161の操作の有無(判定手段105による判定結果)を情報表示部15に表示させる。
【0049】
表示制御手段103が情報表示部15に表示させる画面について、図8〜図11を用いて説明する。図8及び図9は、前記表示手段107による表示画面である。図10及び図11は、前記監視報知手段108による表示画面である。
【0050】
データ切換ボタン161も離席ボタン163も操作されていない初期状態では、図8の通常画面21が情報表示部15に表示される。通常画面21は、遊技データを表示するデータ表示エリア211と、ゲーム数(横軸)に対する差枚数(縦軸)の変動を表示するグラフ表示エリア212と、を有している。データ表示エリア211には、只今ゲーム数、累計ゲーム数のほか、本日BB回数、本日RB回数等が表示される。グラフ表示エリア212には、累計ゲーム数に対する差枚数の変動が折れ線グラフで表示される。
【0051】
通常画面21の表示中にデータ切換ボタン161が操作されたときには、図9の小役データ画面22が表示される。小役データ画面22は、データ表示エリア221の構成が図8の通常画面21とは相違している。小役データ画面22のデータ表示エリア221には、本日BB回数等のボーナス関連データに代えて、15枚役回数等の小役関連データが表示される。なお、グラフ表示エリア222については、図8のグラフ表示エリア212と同様である。
【0052】
通常画面21あるいは小役データ画面22の表示中に離席ボタン163が操作されたときには、図10の監視状態画面23が表示される。この監視状態画面23は、離席中である旨を表す離席中表示233が通常画面21の下部に追加された画面である。この監視状態画面23は、離席ボタン163の操作に応じた監視状態の設定中に表示される。
【0053】
監視状態の終了後にデータ切換ボタン161が操作されたときには、図11の判定結果表示画面24が表示される。この判定結果表示画面24は、判定手段105による判定結果、すなわちデータ切換ボタン161の操作時刻の一覧である判定結果表示244を通常画面21(図8)にポップアップ表示した画面である。
【0054】
以上のように構成された本例の表示装置1の動作について、図12及び図13を参照して説明する。図12は、監視状態を設定するための監視状態処理の流れを示すフロー図である。図13は、情報表示部15の表示を切り換えるデータ切換処理の流れを示すフロー図である。
【0055】
図12の監視状態処理では、離席ボタン163の操作が待機される(S101)。離席ボタン163が操作された場合(S101:YES)、監視フラグのフラグ状態が判断される(S102)。監視フラグがオフ状態であれば(S102:NO)、監視フラグがオン状態に切り換えられ(S103)、監視状態画面23(図10)による離席中表示233が開始されると共に(S104)、監視タイマの計時がスタートされる(S105)。
【0056】
一方、離席ボタン163が操作されないときは(S101:NO)、監視タイマがタイムアップしたか否かが判断される(S112)。監視タイマがタイムアップするまでの間は(S112:NO)、ステップS104の離席中表示233が保持される。その後、監視タイマの計測時間が5分に達してタイムアップしたときには(S112:YES)、監視フラグがオフ状態に切り換えられる(S113)。そして、監視状態画面23(図10)による離席中表示233が消去され(S114)、監視タイマの計測時間がリセットされる(S115)。
【0057】
図13のデータ切換処理では、データ切換ボタン161の操作が待機される(S201)。データ切換ボタン161が操作されたときには(S201:YES)、まず、監視フラグのフラグ状態が判断される(S202)。監視フラグがオン状態、すなわち監視状態下であれば(S202:YES)、操作時刻が記録された後(S203)、小役データ画面22(図9)に切換表示される(S204)。
【0058】
一方、監視フラグがオフ状態であれば(S202:NO)、判定結果記憶手段106(図7)に記憶された操作時刻の記録の有無が判断される(S213)。操作時刻の記録が有れば(S213:YES)、ステップS203で記録された操作時刻の一覧である判定結果表示244(図11)を含む判定結果表示画面24が3秒間に渡って表示される(S214)。その後、判定結果記憶手段106の記憶エリアから操作時刻が消去されたうえで(S215)、小役データ画面22(図9)に切換表示される(S204)。なお、データ切換ボタン161が操作されたとき(S201:YES)、監視フラグがオフ状態で(S202:NO)、かつ、操作時刻の記録がなければ(S213:NO)、そのまま、小役データ画面22への切換表示が実行される(S204)。
【0059】
以上のような構成の本例の遊技情報表示装置1では、監視状態下でデータ切換ボタン161が操作された場合には、監視状態が終了した後の判定結果表示画面24(図11)の表示によりその旨が報知される。したがって、このスロットマシン5の遊技者は、自分の離席中に他人が遊技データを切換表示したか否かを、席に戻ったときに確認することができる。例えば、食事やトイレなどで席を離れるときに離席ボタン163を操作しておけば、離席中に他人に遊技データを閲覧されたか否かを確認可能である。遊技中の遊技機が他人から注目されているのか否かを把握できれば、ハイエナされるリスクを未然に把握できるようになる。
【0060】
本例の表示装置1は、離席中に他人が自分の遊技データを閲覧したのか否かを確認可能な表示装置である。したがって、この表示装置1を組み合わせた遊技機の遊技者は、離席中に自分の遊技データを他人に閲覧されたか否かを明確に把握できる。
【0061】
なお、監視状態中に再度離席ボタン163が操作されたときは、その時点で監視状態を解除することも良い。このように離席ボタン163を解除操作手段として利用することも良いし、離席ボタン163とは別に解除操作手段としての解除ボタンを設けても良い。
本例では、スロットマシン5に対して表示装置1を組み合わせている。スロットマシン5ではなくパチンコ遊技機に本例の表示装置1を組み合わせることも良い。
なお、本例では、監視状態の設定中、離席中表示233によりその旨を報知しているが、この離席中表示を省略することも良い。
なお、本例に代えて、表示装置1から制御部10の機能を取り出し、表示装置1本体の外側に設けることもできる。また、2以上の表示装置1を1つの制御部で制御するようにしても良い。
【0062】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0063】
1 遊技情報表示装置(表示装置)
10 制御部
101 遊技データ生成手段
102 遊技データ記憶手段
103 表示制御手段
104 監視状態制御手段
105 判定手段
106 判定結果記憶手段
107 表示手段
108 監視報知手段
15 情報表示部
161 データ切換ボタン(切換操作手段)
163 離席ボタン(離席操作手段)
21 通常画面
22 小役データ画面
23 監視状態画面
233 離席中表示
24 判定結果表示画面
244 判定結果表示
3 遊技場管理システム
30 遊技場管理装置
31 貸出装置
5 スロットマシン
520 図柄変動表示手段
61 ストップボタン
62 スタートレバー
635 信号出力部
71 内部抽選手段
72 表示制御手段
73 入賞判定手段
75 ボーナス状態発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が設置された遊技場において各遊技機に1対1で対応して設けられる遊技情報表示装置において、
対応する遊技機に関する各種の遊技データを表示可能な表示手段と、
該表示手段に表示させる遊技データの種類を切り換えるために遊技者が操作する切換操作手段と、
該切換操作手段の操作に応じて、前記表示手段に表示させる遊技データを切り換える表示制御手段と、
遊技者が離席する際、前記切換操作手段の操作を監視する監視状態を設定するために遊技者が操作する離席操作手段と、
該離席操作手段の操作に応じて前記監視状態を設定し、所定の終了条件の成立に応じて該監視状態を終了させる監視状態制御手段と、
前記監視状態において前記切換操作手段が操作されたか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記判定手段による判定結果を前記表示手段に表示することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記監視状態において、現在の状態が監視状態である旨を報知する監視報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記所定の終了条件としては、前記離席操作手段の操作に応じて前記監視状態が設定されてから予め定められた期間が経過したことが設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項4】
前記監視状態を解除するための解除操作手段を備え、
前記所定の終了条件としては、前記解除操作手段の操作が設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の遊技情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−152371(P2012−152371A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13912(P2011−13912)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】