遊技情報表示装置
【課題】遊技状態の種類を容易に把握できる遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】情報公開端末1は、遊技者の持メダルを表す遊技結果情報と、ゲーム数を表す遊技経過情報と、を特定する遊技データ特定手段と、遊技経過情報を横軸に設定する一方、遊技結果情報を縦軸に設定して、遊技経過情報に対する遊技結果情報の推移を示す持メダルグラフを表示する表示手段と、ART状態下の第2特別期間及び通常状態下の通常期間とは区別してボーナス状態下の第1特別期間を特定可能な遊技状態特定手段と、第2特別期間及び通常期間における遊技経過情報である第1軸遊技経過情報を特定する軸情報特定手段と、を備え、表示手段は、第1軸に対応する遊技経過情報として、第1軸遊技経過情報を設定して持メダルグラフを表示する。
【解決手段】情報公開端末1は、遊技者の持メダルを表す遊技結果情報と、ゲーム数を表す遊技経過情報と、を特定する遊技データ特定手段と、遊技経過情報を横軸に設定する一方、遊技結果情報を縦軸に設定して、遊技経過情報に対する遊技結果情報の推移を示す持メダルグラフを表示する表示手段と、ART状態下の第2特別期間及び通常状態下の通常期間とは区別してボーナス状態下の第1特別期間を特定可能な遊技状態特定手段と、第2特別期間及び通常期間における遊技経過情報である第1軸遊技経過情報を特定する軸情報特定手段と、を備え、表示手段は、第1軸に対応する遊技経過情報として、第1軸遊技経過情報を設定して持メダルグラフを表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技場の多くでは、スロットマシン等の遊技機の遊技情報を遊技者向け、あるいは管理者向けに表示する遊技情報表示装置が設けられている。遊技情報表示装置の中には、使用遊技媒体数(使用価値、いわゆるアウト)が横軸に設定され、差遊技媒体数(差価値、いわゆる差メダルあるいは出メダル)が縦軸に設定された、いわゆるスランプグラフと呼ばれる出メダルの推移を示すグラフを表示する表示装置がある。例えば、特許文献1には、横軸にアウトに準ずるゲーム数が規定され、縦軸に出メダルが規定されたスランプグラフを表示する機能を備えた遊技機が記載されている。
【0003】
一方、通常状態のほかに、いわゆるビッグボーナスやレギュラーボーナスのような第1特別状態と、いわゆるRTやATのような第2特別状態と、を発生する遊技機が知られている。このような遊技機の遊技に関する上記スランプグラフを参照すれば、出メダル等の差遊技媒体数がプラスに推移する部分でいずれかの特別状態の発生を推定できる。
【0004】
しかしながら、前記従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、この遊技情報表示装置では、前記スランプグラフの傾き加減の差に応じて前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別できる可能性がある一方、傾き加減に応じて特別状態の種類を特定するためにはスランプグラフの読み取りに関する熟練が必要となり、一般の遊技者にとっては特別状態の種類の特定が難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−46481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技状態の種類を容易に把握できるように遊技情報を表示する遊技情報表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技に使用された遊技価値の大きさを示すアウトに対して、遊技中の入賞に応じて遊技者に付与された遊技価値の大きさを示すセーフの割合を示す遊技価値率が、通常状態とは異なる第1特別状態を発生させるための単位遊技を遊技価値を使用して実行する一方、前記遊技価値率が通常状態と異なる遊技状態であって、その発生条件が前記第1特別状態とは異なる第2特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
前記アウトと前記セーフとの差引を示す差引価値、及び遊技者が遊技を通じて獲得した遊技価値の大きさを示す獲得価値の少なくとも一方を示す遊技結果情報と、遊技による前記単位遊技の実行回数である単位遊技数、及び前記アウトの少なくとも一方を示す遊技経過情報と、を特定する遊技データ特定手段と、
前記遊技経過情報を第1軸に設定する一方、前記遊技結果情報を第2軸に設定して、前記遊技経過情報に対する前記遊技結果情報の推移を示す遊技結果グラフを表示する表示手段と、
前記第2特別状態下の遊技期間である第2特別期間及び通常状態下の遊技期間である通常期間とは区別して前記第1特別状態下の遊技期間である第1特別期間を特定可能な遊技状態特定手段と、
前記第1特別期間を除く前記第2特別期間及び前記通常期間において前記遊技データ特定手段により特定された遊技経過情報である第1軸遊技経過情報を特定する軸情報特定手段と、を備え、
前記表示手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記軸情報特定手段により特定された前記第1軸遊技経過情報を設定して前記遊技結果グラフを表示する遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置における第1特別状態及び第2特別状態は、通常状態とは前記遊技価値率が異なるため、前記遊技結果グラフの推移が通常状態とは相違している。それ故、この遊技結果グラフに基づけば、前記遊技結果グラフの推移に応じていずれかの特別状態が発生したことを把握できる。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置は、前記遊技結果グラフを表示する際、前記第1軸に前記第1軸遊技経過情報を設定する。この第1軸遊技経過情報には前記第1特別期間が含まれていないため、前記遊技結果グラフでは、前記第1特別期間が前記第1軸上の1点に集約されることになる。一方、前記第1軸遊技経過情報に含まれる前記第2特別期間及び前記通常期間については、前記第1軸上の1点に集約されることなく軸方向の幅をもって表示される。
【0010】
前記遊技結果グラフでは、前記第1特別状態が発生すれば前記遊技結果グラフが前記第1軸とは垂直に推移する一方、前記第2特別状態が発生すれば垂直ではなく斜めに推移する。この遊技結果グラフに基づけば、前記第1軸に対して垂直に推移しているか否かに応じて、いずれの特別状態が発生したかを特定可能である。したがって、遊技情報の読み取り等に熟練していない一般的な遊技者であっても、前記遊技結果グラフを参照することで、いずれの特別状態が発生したかを容易に把握可能となる。
【0011】
以上のように、本発明の遊技情報表示装置が表示する遊技情報によれば、遊技状態の種類を容易に把握可能である。
【0012】
本発明の遊技情報表示装置を組み合わせる遊技機は、パチンコ遊技機であっても良く、スロットマシンであっても良い。さらに、このスロットマシンとしては、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)であっても良い。また、メダルや玉等の遊技媒体を前提としたスロットマシンやパチンコ遊技機であっても良いが、遊技媒体の払出を伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機や、完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0013】
また、前記軸情報特定手段は、特定した前記第1軸遊技経過情報が予め設定される更新遊技経過情報分、更新されたか否かを判定することで、前記遊技結果グラフをスライドさせるためのスライド条件が成立したか否かを特定し、
前記表示手段は、前記軸情報特定手段により前記スライド条件の成立が特定される毎に、前記第1軸に表示される遊技経過情報の範囲を前記更新遊技経過情報分シフトさせると共に、これに伴って前記第1軸方向に沿って表示位置をずらすことにより前記遊技結果グラフをスライドさせることが好ましい(請求項2)。
【0014】
一般に、遊技情報の推移を示すグラフとしては、差引価値等を示すいわゆるスランプグラフや、特別状態の発生毎にその特別状態間の遊技経過情報の推移を示すいわゆるボーナス間ゲームグラフ等が広く利用されている。前者のスランプグラフでは最新のデータが右側になるようにグラフが推移していく一方、後者のボーナス間ゲームグラフでは最新のデータが左側になるように特別状態の発生毎に既存のグラフが右側にスライドされるという設定が一般的である。
【0015】
そのため、スランプグラフとボーナス間ゲームグラフとでは、最新のデータが表示される位置が左右で逆になっており、両者の対応関係を把握することが難しかった。そこで、前記更新遊技経過情報分、遊技が進行する毎に前記遊技結果グラフをスライド(シフト)させれば、上記のように特別状態の発生毎に既存のグラフが右側にスライドされるボーナス間ゲームグラフとの対応関係の把握が比較的容易になる。
【0016】
また、前記遊技情報特定手段は、遊技機に対応して設けられた対価付与手段に対する対価の支払いに応じて付与された遊技価値の大きさを示す対価付与価値と、前記差引価値と、の合計値を示す前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定すると共に、前記対価付与手段による対価の支払いに応じて遊技価値が付与されたときに、その旨を特定可能であり、
前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態、及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフを折れ線グラフにより表示し、該遊技結果グラフにおいては、前記対価付与手段により対価の支払いに応じて遊技価値が付与された旨が特定されてから、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生するまで、の期間である対価発生期間における前記獲得価値の推移が直線で表されることが好ましい(請求項3)。
【0017】
また、前記遊技情報特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生した時点の前記獲得価値である発生獲得価値を特定可能であり、
前記表示手段が表示する遊技結果グラフにおいては、前記対価発生期間における前記獲得価値が前記発生獲得価値を示すように当該獲得価値の推移が前記第1軸と平行な直線により表されることが好ましい(請求項4)。
【0018】
一般に、遊技場は、対価が支払われたことを遊技者等に示したく無いと考える傾向にある。一方、対価価値が変化した場合にも獲得価値の推移に変化が生じ得るため、獲得価値の推移を表示すれば、対価の支払いが表示されてしまうことになる。また、対価価値が発生しても遊技価値を使用しなければ単位遊技は発生しないので、対価価値の発生に応じて前記遊技結果グラフは前記第1軸に対して垂直に推移し得る。つまり、獲得数の少ない第1特別状態が発生した場合、対価価値の発生と区別が出来なくなるおそれがある。
【0019】
上記のような構成により、前記対価発生期間における遊技結果グラフを直線で表示すれば、その対価の支払いを遊技者等が把握し難くできる。このように表示された遊技結果グラフに基づけば、第1特別状態により獲得される遊技価値が対価付与価値と同等程度であっても、対価の支払いの発生と、第1特別状態の発生と、を区別し易くなる。特に、前記対価発生期間における前記獲得価値が前記発生獲得価値を示すように前記第1軸と平行に前記遊技結果グラフを推移させれば、上記のような作用効果が一層明確になる。
【0020】
また、前記遊技情報特定手段は、前記差引価値及び前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定し、
前記表示手段は、前記差引価値の推移を示す前記遊技結果グラフである差引価値グラフと、前記獲得価値の推移を示す前記遊技結果グラフである獲得価値グラフと、を重ねて表示することが好ましい(請求項5)。
【0021】
一般に、遊技場の管理者等は、遊技者が見ている遊技情報をそのまま見ることで遊技者に適切な遊技情報を表示しているかを確認したいと考えることが多い。その際、多くの管理者等は、対価の支払いの推移を含めて把握したいと考えている。差引価値グラフと獲得価値グラフとを重ねて表示すれば、双方の推移を同時に把握できるようになる上に、双方のグラフの差分に着目することで、対価の支払いの推移を別途表示する事なく、把握できるようになる。このような遊技情報表示装置は、遊技場の管理者向けの表示装置として好適である。
【0022】
また、前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記遊技情報特定手段は、前記遊技状態特定手段により特定された前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生回数を区別して特定し、
前記軸情報特定手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記第1特別状態の発生に応じて初期化される特別状態間遊技経過情報を特定し、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフと共通の第1軸方向の幅で前記特別状態間遊技経過情報を示し、前記第2軸と平行をなす第3軸方向の幅で前記第1特別状態又は前記第2特別状態の発生回数を示す棒グラフを含む遊技経過情報グラフを表示することが好ましい(請求項6)。
【0023】
上記のように従来のボーナス間ゲームグラフとは異なる形式で前記遊技経過情報グラフを表示する場合には、前記遊技結果グラフとの間で第1軸を共用できる。また、前記遊技経過情報グラフにより示される特別状態毎の発生回数と、前記遊技結果グラフにより示される特別状態の発生に応じた遊技結果情報の推移と、を比較し易くなる。
【0024】
また、前記表示手段は、前記遊技経過情報グラフを表示する場合に、前記第2特別期間と、それ以外の期間と、を区別して表示することが好ましい(請求項7)。
この場合には、前記遊技経過情報グラフに基づいて、前記第2特別遊技状態が発生したゲーム数等の遊技経過情報を把握出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例における、情報公開端末を含む遊技データ管理システムの構成を示すシステム図。
【図2】実施例における、スロットマシンを示す正面図。
【図3】実施例における、遊技状態の遷移を説明する状態遷移図。
【図4】実施例における、情報公開端末を示す正面図。
【図5】実施例における、情報公開端末の電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例における、グラフ表示エリアを示す正面図。
【図7】実施例における、グラフ更新処理の流れを示すフロー図。
【図8】実施例における、アウト信号入力処理の流れを示すフロー図。
【図9】実施例における、グラフ表示エリアを示す正面図。
【図10】実施例における、持メダルグラフのみを表示するグラフ表示エリアを示す正面図。
【図11】実施例における、差メダルグラフのみを表示するグラフ表示エリアを示す正面図。
【図12】実施例における、持メダルグラフと差メダルグラフとを重複表示するグラフ表示エリアを示す正面図。
【図13】実施例における、ボーナス履歴データを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)の遊技情報を表示する情報公開端末(遊技情報表示装置)1に関する例である。この内容について、図1〜図13を用いて説明する。
【0027】
本例の情報公開端末1は、スロットマシン5に対して個別に設置され、スロットマシン5の各種の遊技情報を表示する装置である。情報公開端末1は、スロットマシン5、貸出装置43と共に中継器42に接続されている。遊技場では、スロットマシン5を含む多数の遊技機を管理する管理装置41を中心とした遊技場管理システム4が構築されている。
【0028】
遊技場管理システム4では、図1に示すごとく、スロットマシン5、情報公開端末1及び貸出装置(対価付与手段)43が2台ずつ接続された中継器42、及び管理装置41が通信ネットワーク40に接続されている。なお、遊技場では、貸出装置43から借り受けたメダルを利用してスロットマシン5の遊技を楽しむことができる。
【0029】
管理装置41は、CPU、ROM、RAM、I/O等を含む制御部、HDD(ハードディスクドライブ)等を含む記憶部、モニタ411及びプリンタ等を含む出力部、キーボード412及びマウス等を含む操作部を備えている。管理装置41は、遊技機IDが割り当てられた各スロットマシン5の遊技データを個別に集計する機能を備えている。
【0030】
管理対象となるスロットマシン5は、図2に示すごとく、3基のリール52(図柄変動表示手段)による図柄の変動表示を視認するための図柄表示窓51、クレジットメダルを賭けるベットボタン54、メダルを投入するメダル投入口530、ゲームを開始させるためのスタートレバー521、回転中のリールを停止させるための3個のストップボタン522、払出メダルの枚数を表示する払出数表示部551、クレジットメダルの枚数を表示するクレジット表示部552、払出されたメダルの受皿55等を備えている。
【0031】
スロットマシン5では、メダル投入口530にメダルが投入されるか、あるいはベットボタン54の操作により、規定数のメダルがゲーム(単位遊技)に賭けられたとき、ゲームを開始できる状態となる。この状態でスタートレバー521が操作されると、内部抽選(大当たり抽選手段による大当たり抽選)が実行されると共に、各リール52が始動される。リール52は、その外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄520が配置された回転式のリールである。リール52が始動されて回転を始めると、21個の図柄520が序列を維持しながら変動表示される。
【0032】
スロットマシン5では、BB状態(第1特別状態)の契機となるBB役、RB状態(第1特別状態)の契機となるRB役、ART状態(第2特別状態)の契機となるART役、リプレイ役等が設定されている。ゲームの開始に応じて実行される内部抽選でいずれかの役が当選すると、対応する内部当選フラグがセットされ入賞可能な状態になる。
【0033】
スロットマシン5では、ストップボタン522が操作されたとき、対応するリール52が停止する。このとき、いずれかの役の内部当選フラグが成立しており、かつ、ストップボタン522の操作タイミングを基準とした所定の引込範囲内にその役に対応する図柄が存在していれば、いわゆる引込制御(すべり制御)を含む停止制御により、その図柄が停止表示される。全てのリール52の停止に応じてゲームが終了したとき、図柄表示窓51に設定された入賞ラインに沿って、いずれかの役の入賞図柄が揃っていれば、その役の入賞となる。
【0034】
スロットマシン5の遊技状態としては、図3のごとく、第1特別状態であるBB状態及びRB状態、第2特別状態であるART状態のほか、遊技者にとって不利となる通常状態がある。通常状態又はART状態下のゲームでボーナス役(BB役、RB役)が入賞すると対応するボーナス状態が発生する。ボーナス状態は、ボーナス状態を終了させるためのボーナス終了条件の成立に応じて終了する。ボーナス終了条件として330枚超のセーフが設定されたBB状態(契機役がBB役)が最も有利となっており、RB役を契機としたRB状態については55枚超のセーフがボーナス終了条件として設定されている。
【0035】
遊技中に所定のART移行条件(発生条件。本例では、ART役の入賞。)が成立した場合には、ART状態に移行する。ART状態は、リプレイ役等の特定役の内部当選率が高くなるRT状態と、内部当選役を入賞させるための押し順等の入賞情報が報知されるAT状態と、が複合した有利な遊技状態である。ART状態は、所定のART終了条件(本例では、50ゲーム経過。)が成立したときに終了する。なお、終了時には継続抽選が実行され、当選に応じて新たな50ゲームが上乗せされる。
【0036】
以上のように構成されたスロットマシン5が中継器42に向けて出力する遊技信号としては、以下の遊技信号がある。
(1)アウト信号:スロットマシン5で開始操作が行われたとき、ベット状態のメダルが使用されたとしてベットされたメダル数(本例では、3枚)分のパルスが出力される。アウト信号数×1枚が、アウト(使用媒体数)となる。なお、リプレイゲームでも1ゲーム分のアウト信号が出力される。
(2)セーフ信号:メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1枚がセーフ(払出媒体数)となる。なお、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル数分が出力される。
(3)BB(RB)信号:BB状態(RB状態)の発生中に出力されるレベル信号。BB(RB)信号の受信期間をBB(RB)状態と特定可能である。
(4)ART信号:ART状態の発生中に継続して出力される状態信号。
【0037】
なお、BB信号等の状態信号を受信していない期間を通常状態として特定する。また、スロットマシン5に対応して設けられた貸出装置43からは、中継器42に向けて次の遊技信号が出力される。
(5)売上信号:貸出メダル5枚(メダル単価20円であれば、100円相当)毎に1パルス出力される。売上信号数×100円が売上金額となる。
【0038】
次に、情報公開端末1について説明する。情報公開端末1は、図4に示すごとく、大型の液晶ディスプレイよりなるデータ表示部23を有している。データ表示部23の表示画面10の左側には、呼出ボタン251及び履歴ボタン253、グラフ切換ボタン255等を含む操作部25が配置されている。
【0039】
情報公開端末1は、図5のごとく、CPU211を含む制御部21を中心として電気的に構成されている。制御部21には、データ表示部23、ランプ部22、各種の操作ボタンを含む操作部25が電気的に接続されている。データ表示部23による表示画面10には、各種のメッセージを表示するメッセージ表示欄11、ボーナス履歴データ等を表示するボーナス履歴表示欄12、各種のグラフを表示するグラフ表示エリア13が配置されている。
【0040】
制御部21は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU211、メモリ手段としてのROM212、RAM214、信号の送受信を行うI/O部215を含んでいる。本例の情報公開端末1が中継器42を経由してスロットマシン5及び貸出装置43から取り込む遊技信号としては、上記の(1)アウト信号、(2)セーフ信号、(3)BB(RB)信号、(4)ART信号、(5)売上信号等がある。
【0041】
情報公開端末1は、(1)遊技データ特定手段31、(2)表示手段32、(3)遊技状態特定手段33、(4)軸情報特定手段34としての機能を備えている。以下、各手段の内容について説明する。
(1)遊技データ特定手段31
遊技データ特定手段31は、遊技結果情報、遊技経過情報を特定(計数)する手段である。遊技結果情報としては、セーフ−アウトにより示されるアウトとセーフとの差メダル(差引価値)、及び貸出メダル+差メダルにて示される遊技者が遊技に関して獲得した持メダル(獲得価値)がある。遊技経過情報は、実行されたゲーム数(単位遊技数)である。なお、ゲーム数に代えて、アウトを遊技経過情報として特定することもできる。
【0042】
(2)表示手段32
表示手段32は、ゲーム数(後述するグラフゲーム数)を横軸(第1軸)で表し、持メダルを縦軸(第2軸)に表した持メダルグラフ(遊技結果グラフとしての獲得価値グラフ。図6、図10参照。)を表示する。また、本例の表示手段32は、縦軸に差メダルを表した差メダルグラフ(遊技結果グラフとしての差引価値グラフ。図9、図11参照。)も表示可能である。
【0043】
さらに、本例の表示手段32は、差メダルグラフと同様にゲーム数を横軸(第1軸)に表す一方、BB状態、RB状態、ART状態の発生回数を縦軸(第3軸)に表した棒グラフであるゲームグラフ(遊技経過情報グラフ、図6及び図9を参照して後述する。)を表示可能である。このゲームグラフでは、横軸方向の幅で後述するボーナス間ゲーム数が表されると共に、縦軸方向の高さ(幅)により対応する遊技状態(BB状態、RB状態、ART状態)の発生回数が表現される。
【0044】
(3)遊技状態特定手段33
遊技状態特定手段33は、ボーナス状態及びART状態の発生中である旨を特定する手段である。遊技状態特定手段33は、例えば、BB信号の受信中に、スロットマシン5がBB状態を発生中である旨を特定する。この遊技状態特定手段33によれば、ボーナス状態下の第1特別期間、ART状態下の第2特別期間、通常状態下の通常期間を区別して特定できる。
【0045】
(4)軸情報特定手段34
軸情報特定手段34は、第2特別期間あるいは通常期間で実行された累積の非ボーナスゲーム数であるグラフゲーム数(第1軸遊技経過情報)を特定する手段である。グラフゲーム数は、表示手段32が表示する各種のグラフ(図6、図9〜図12に表示する差メダルグラフ、持メダルグラフ、ゲームグラフ)の横軸に設定されるゲーム数である。このグラフゲーム数では、第1特別期間が除外され、ボーナス状態下のゲーム数が反映されていない。表示手段32が表示するグラフでは、第2特別期間及び通常期間の長さ(ゲーム数)が横軸方向の幅をもって正しいスケールで表される一方、第1特別期間が横軸上の1点に集約されている。したがって、第1特別期間における持メダルグラフ及び差メダルグラフの推移は、縦軸方向に沿って垂直に現れることになる。
【0046】
また、本例の軸情報特定手段34は、グラフゲーム数が更新値(更新遊技経過情報)である200ゲームの倍数に到達した、即ち、200ゲーム更新したというスライド条件が成立したか否かを判断する。このスライド条件は、グラフスライド処理の実行条件である。このグラフスライド処理は、横軸に表すグラフゲーム数の範囲を200ゲームシフトさせ、グラフの一部(最も古い期間)がエリア外に達している場合には、その最も古い200ゲーム分のグラフをエリア外とし、これから(将来)の200ゲーム分の新たなグラフ領域を設ける処理である。
さらに、本例の軸情報特定手段34は、ボーナス状態の発生に応じて初期化されるボーナス間ゲーム数(特別状態間遊技経過情報)を特定する。このボーナス間ゲーム数は、BB状態等に個別に対応するゲームグラフ(棒グラフ)の横幅となる。
【0047】
以上のように構成された本例の情報公開端末1によれば、例えば、図6のグラフをグラフ表示エリア13に表示可能である。同図では、持メダル数を縦軸として持メダル数の推移を示す折れ線グラフである持メダルグラフ(差引価値グラフ)と、発生回数(BB状態、RB状態、ART状態の発生回数)を縦軸としてボーナス間ゲーム数の推移を示す棒グラフであるゲームグラフと、が表示されている。これらのグラフでは、非ボーナスゲーム数であるグラフゲーム数を表す横軸(第1軸)が共有されている。横軸の左端側が現在(最新)のグラフゲーム数を表している。
【0048】
ここで、図6に例示するグラフの見方について、同図中の(1)〜(11)を例にして説明しておく。
同図中の(1)は、現在、最新(現時点)の持メダル(2389)、グラフゲーム数(5443)を表している。
(2)の「只今」のラベルが付された領域は、現在進行中の遊技状態に対応するゲームグラフを示している。このゲームグラフでは、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数が横幅によって表示される。次の遊技状態(BB状態、RB状態、ART状態)が確定したとき、「BB」や「ART」等のラベルに変更される。
【0049】
(3)の「ART中」のラベルが付されたゲームグラフは、ART状態中のゲームに対応するゲームグラフである。このゲームグラフの横幅は、ART状態の発生中に実行されたARTゲ−ム数を表している。
(4)の「ART」のラベルのゲームグラフは、ART状態が発生するまでのゲームに対応するゲームグラフである。このゲームグラフの横幅は、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数を表している。
【0050】
(5)の持メダルグラフが垂直に上昇する区間は、BB状態に対応している。BB状態の発生期間は、横軸のグラフゲーム数が更新されない期間であるため、横軸上の1点に集約されている。この区間の垂直上昇高さは、BB状態中のメダルの獲得数(差メダル)を表している。
(6)の持メダルグラフが斜めに上昇する区間は、ART状態に対応している。
(7)の持メダルグラフが垂直に上昇する区間は、RB状態に対応している。RB状態の発生期間は、BB状態と同様、横軸のグラフゲーム数が更新されない期間であるため、横軸上の1点に集約されている。この区間の垂直上昇高さは、RB状態中のメダルの獲得数を表している。上記のように本例のスロットマシン5では、BB状態の1/6程度となっている。
【0051】
(8)の「RB」のラベルのゲームグラフは、RB状態が発生するまでのゲームに対応するゲームグラフである。このゲームグラフの横幅は、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数を表している。
(9)、(10)の「BB」のラベルのゲームグラフは、BB状態が発生するまでのゲームに対応するゲームグラフである。(9)のゲームグラフの高さは、そのBB状態が、当日営業開始後、何回目のBB状態に当たるかを表している。(9)の場合であれば、3回目のBB状態である旨が、その高さによって表現されている。この点、RB状態やART状態についても同様でゲームグラフにおける高さは各状態別の発生回数を示している。(10)のゲームグラフの横幅は、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数を表している。
(11)の持メダルグラフが水平の直線で表される区間は、売上発生期間(対価発生期間)に対応している。この売上発生期間では、ボーナス状態等の発生時(BB状態、RB状態、ART状態のいずれかの発生時)の持メダルに対応する高さ(持メダルを表す縦軸方向の位置)で持メダルグラフが水平に推移している。
【0052】
本例の情報公開端末1が図6のグラフを表示するための処理の流れについて、図7及び図8のフロー図を参照して説明する。図7は、図6のグラフを更新するグラフ更新処理の流れを示し、図8は、アウト信号入力処理の流れを示している。
図7のグラフ更新処理では、まず、図8を参照して後述するアウト信号入力処理P10が実行される。このアウト信号入力処理P10の実行後、セーフ信号の入力が判断される(S101)。セーフ信号の入力がないときは(S101:NO)、さらに、売上信号の入力が判断される(S102)。売上信号が入力された場合には(S102:YES)、売上が発生してからボーナス状態の発生まで持メダルグラフの更新を停止する旨を表す更新停止フラグに1が設定されたうえ(S103)、その売上メダル(対価付与価値)が持メダルに加算される(S104)。一方、上記ステップS101でセーフ信号が入力された場合には(S101:YES)、持メダルへの加算のみ実行される(S104)。
【0053】
その後、BB状態あるいはRB状態の発生中を表す第1ボーナスフラグのフラグ状態が判断される(S105)。第1ボーナスフラグがゼロの場合には(S105:YES)、ART状態の発生中を表す第2ボーナスフラグのフラグ状態が判断される(S106)。
【0054】
一方、第1及び第2ボーナスフラグがいずれもゼロである場合には(S105:YES、S106:YES)、ボーナス信号の入力が開始されたか否かが判断される(S107)。ボーナス信号の入力が開始された場合には(S107:YES)、第1ボーナスフラグが1に切り換えられる(S141)。ボーナス信号の入力が開始されなかった場合には(S107:NO)、ART信号の入力が開始されたか否かが判断される(S108)。ART信号の入力が開始された場合には(S108:YES)、第2ボーナスフラグが1に切り換えられる(S109)。
【0055】
上記のようにしてボーナス信号及びART信号のいずれかの入力が開始された場合には、発生した特別状態(ボーナス状態かART状態)の種別、及びその発生回数が特定される(S110)。さらに、現在進行中の左端のゲームグラフ(棒グラフ)について、そのラベルが「只今」からステップS110で特定されたボーナスの種別に変更され(S111)、そのゲームグラフの高さが特定された発生回数(例えば、図6中の(9)を参照。)に変更される(S112)。
【0056】
さらに、更新停止フラグが1であれば(S113:YES)、ゼロリセットされたうえで(S114)、持メダルグラフが更新される(S115)。この持メダルグラフの更新では、図6中の(11)に例示されるごとく、まず、ボーナス状態等が発生した時の持メダル(発生獲得価値)がプロットされ、そこから水平に遡った持メダルグラフとの交点が売上発生期間(対価発生期間)の始点に設定される。この始点は、現実の売上発生期間の始点よりも若干、持メダルが上回る地点となる。
【0057】
一方、ステップS105にて第1ボーナスフラグが1の場合には(S105:NO)、ボーナス信号(BB信号、RB信号)の入力が終了したか否かが判断される(S121)。ボーナス信号の入力が終了した場合には(S121:YES)、第1ボーナスフラグがゼロリセットされ(S122)、持メダルグラフが更新される(S123)。なお、ボーナス状態の終了時には、図6中の(5)、(7)に例示されるように持メダルグラフがプロットされる。
【0058】
また、ステップS106にて第2ボーナスフラグが1(S106:NO)、すなわちART状態の発生中の場合には、ART信号の入力が終了したか否かが判断される(S131)。ART信号の入力が終了した場合には(S131:YES)、第2ボーナスフラグがゼロリセットされ(S132)、図6中の(2)に例示される「只今」とラベル付けされた新しいゲームグラフが生成される(S133)。なお、ART状態については、同図中の(6)に例示されるように遊技の進行に応じて持メダルグラフが随時、プロットされるので、ART状態の終了時点で新たなプロットは行われない。
【0059】
図8のアウト信号入力処理P10では、まず、アウト信号の入力が判断される(S201)。アウト信号が入力された場合には(S201:YES)、持メダルが減算更新される(S202)。その後、第1ボーナスフラグがゼロであれば(S203:YES)、ゲーム判定処理P20が実行される。
【0060】
このゲーム判定処理は、アウト信号によってゲームの実行を判定する処理である。この処理では、1ゲーム当たりの最大ベット数(本例では3枚)のアウトが計数されたとき、最後のアウト信号を受信してからの経過時間が設定時間(例えば、30秒)を経過したとき、及びアウト信号の受信後にセーフ信号を受信したとき、のうちのいずれかに該当したときにゲームが実行されたと判定する。なお、BB状態、RB状態の発生中では、ゲーム数が更新対象にならないため、ステップS203の判断によりゲーム判定処理P20が迂回される。
【0061】
グラフゲーム数を更新値(200ゲーム数)分更新した場合には(S204:YES)、これから(将来)の200ゲーム分の新たなグラフ領域を設ける前記グラフスライド処理が実行され(S205)、図6中の(2)に例示される「只今」のラベルが付されたゲームグラフが新たに設定される。このグラフスライド処理は、グラフゲーム数が200ゲームの倍数に到達する毎に実行され、これにより、持メダルグラフ及びゲームグラフを含むグラフ全体が右へスライド(シフト)されることになる。その後、更新停止フラグのフラグ状態が判断され、ゼロであれば(S206:YES)、持メダルグラフのプロットが行われる(S207)。
【0062】
上記のような処理により表示される図6の持メダルグラフ、ゲームグラフ(棒グラフ)に基づけば、以下のような判断等が可能になる。
持メダルグラフが上昇していればBB状態、RB状態、ART状態のいずれかが発生した旨を推測できるが、ボーナス状態(BB状態、RB状態)ではグラフゲーム数がグラフの更新対象となっていないため、図6中の(5)、(7)に例示するごとく、持メダルグラフの折れ線が垂直に上昇する。一方、ART状態では、グラフゲーム数がグラフの更新対象となるため、図6中の(6)に例示するごとく、持メダルグラフの折れ線が斜めに上昇する。このように、本例の持メダルグラフに基づけば、折れ線の上昇が垂直か斜めかに応じて、ボーナス状態かART状態かを容易に判別できる。なお、BB状態であるかRB状態であるかの区別は、垂直に上昇する折れ線の高さにより区別できる。例えば、BB状態の場合は、300枚程度の獲得数を期待できるので持メダルグラフが300枚分、上昇する一方、RB状態の獲得数は約50枚程度であるため、折れ線の高さがBB状態の1/6程度となっている(図6中の(5)と(7)の上昇高さの違い)。
【0063】
ここで、ボーナス状態とART状態とを区別して特定する効果について補足して説明する。遊技機の中には、ボーナス状態が発生しない状態で特定回数(例えば、1000ゲーム)のゲームを実行すると、ボーナス状態やART状態が発生し易くなる、いわゆる天井機能が設定された遊技機がある。さらに、ボーナス間ゲーム数のみを対象とし、ART状態の発生有無に関わらずボーナス間ゲーム数がカウントされる天井機能を備えた遊技機も有り、このような遊技機の場合であれば、垂直に上昇したグラフ間にて天井機能が発生したかを把握できるようになる。もちろん、このような天井機能が無くとも、遊技者の中には擬似的に天井機能があると思い込んでいる遊技者もいるので、そのような遊技者に対しても効果的な情報提供が可能となる。
【0064】
次に、持メダル数は売上の発生により増加し、従来は持メダルグラフにも反映されていた。しかしながら、売上の発生自体に遊技者が興味を示さなかったり、遊技場には公開したがらない傾向があることや、ボーナス状態が発生していないにも関わらず持メダルグラフが上昇し、ボーナス状態と混同してしまうこと等を防止するために、本例の図6の持メダルグラフでは、売上の発生からボーナス状態あるいはART状態の発生までの売上発生期間(図6中の(11)に例示する区間)の更新が停止されている。この場合、仮に、RB状態のメダルの獲得数が、売上発生時の1単位(1000円で50枚)のメダル数と同程度であったとしても、持メダルグラフが上昇しない売上発生時とは区別してRB状態の発生を把握できる。
【0065】
さらに、売上発生期間(対価発生期間)の持メダルとして売上発生時とボーナス開始時とを比較すると、遊技者はメダルが無くなることで現金投資する一方、ボーナス発生時はそれよりも若干ながら多くの持メダル(発生獲得価値)になると推定できる。これにより、持メダルグラフが斜めに推移すると、ART状態との区別が難しくなるおそれが生じる。これに対して、本例では、売上発生期間についてはボーナス発生時の持メダルにて持メダルグラフを水平(真横)に推移させているので、ART状態と混同されるおそれがない。
【0066】
また、図6のグラフ表示では、グラフの左端側が現時点となっているため、200ゲーム経過毎にグラフ全体を右へシフトさせるようにスライドさせる。すなわち、現時点が左端に達したら、その後の推移分を確保するため200ゲーム分シフトさせ、新たなグラフ領域を順次設けている。なお、左側を現時点としている理由は、従来、持メダルグラフは右側に現時点を設定する一方、ゲームグラフでは左側に現時点が設定されており、両者を対応付けて表示することが難しかったからである。
【0067】
また、ゲームグラフは、従来はボーナス状態発生毎のボーナス間ゲーム数を示していたが、本例では、図6中の(9)に例示するごとく、発生回数の表示も可能となっている。すなわち、ボーナス状態及びART状態の種別毎の発生回数をゲームグラフ(棒グラフ)の高さにより示し、横幅でボーナス間ゲーム数を示している。さらに、このゲームグラフには、対応する遊技状態の種別を表すBB、ART等の標記が重ねて表示されている。
【0068】
ボーナス状態の場合、ボーナス状態発生中のゲーム数は、グラフの更新対象となっておらず、対応するゲームグラフの横幅にはボーナス間ゲーム数のみが示されている。一方、ART状態については、ART状態発生中のゲーム数もボーナス間ゲーム数となり更新対象となるため、ボーナス間ゲーム数及びART状態下で実行されたARTゲーム数を把握できるようにゲームグラフが表示されている。具体的には、ART状態に対応するゲームグラフでは、図6中(4)に例示するボーナス間ゲーム数に対応する部分と、同図中(3)に例示するARTゲーム数に対応する部分とが、ゲーム数の割合に応じて左右に区分されている。ここで、ART状態に対応するゲームグラフ(棒グラフ)の高さは、発生までのゲームグラフ(ボーナス間ゲーム数を表す部分)と、発生後のゲームグラフ(ARTゲーム数を表す部分)と、で共通となっている。なお、現時点の持メダル及びグラフゲーム数については、いずれも開店時からの累計値がグラフの左端で数値表示されている(図6中(1)に例示。)。
【0069】
本例の情報公開端末1によれば、前記グラフ切換ボタン255等の操作に応じて、図9〜図11のようなグラフも表示可能である。図9は、折れ線グラフの対象を持メダルから差メダル(セーフ−アウト)に変更したグラフである。この差メダルグラフ(差引価値グラフ)では、売上の発生が考慮されないが、それ以外は、図6と同様の効果を見込むことができる。図10は、図6の持メダルグラフに基づき、折れ線グラフの向きを左右逆、すなわち、従来と同様、開店時などの起算時点を左側に設定した持メダルグラフである。図11は、図9の差メダルグラフに基づいて、従来と同様、開店時などの起算時点を左側に設定した差メダルグラフである。
なお、図9や図11ではグラフの最下点が差メダルレンジ(縦軸)の最下点以下となる箇所があり、その箇所については最下点であるように示しているが、差メダルレンジを適宜調整して示すようにしても勿論良い。
【0070】
以上のように、本例の情報公開端末1によれば、例えば、持メダルグラフが垂直に推移しているか否かに応じて、ボーナス状態が発生しているかART状態が発生しているかを極めて容易に特定できる。したがって、遊技情報の読み取り等に熟練していない一般的な遊技者であっても、情報公開端末1が表示する持メダルグラフ等を参照することで、ボーナス状態かART状態かを容易に把握可能である。さらに、本例の情報公開端末1では、持メダルグラフとゲームグラフとで、横軸のグラフゲーム数が共有されている。そのため、持メダルグラフとゲームグラフとの対応関係を極めて容易に把握することが可能となっている。
このように、本例の情報公開端末1が表示する遊技情報によれば、発生した遊技状態の種類等を容易に把握できる。
【0071】
管理装置41(図1参照。)において、図12のごとく、持メダルグラフと差メダルグラフとを重複させて表示させることも可能である。折れ線グラフについては、図6と同様の効果が見込めることは当然ながら、重複させて表示することで、持メダルグラフと差メダルグラフとの差として現れる売上げの大きさ(図12中の矢印により表される)の推移を一目で把握出来るようになる。図12は、遊技場の管理者向けとなるが、直感的に遊技情報の推移を確認出来るので、多数の遊技機毎の遊技情報の推移を短時間で確認したい場合に非常に有効である。
【0072】
図6、図9〜図12のグラフが示す遊技情報は、図13のごとく、ボーナス状態(BB状態、RB状態)あるいはART状態が発生する毎に集計することも可能である。図7及び図8のフロー図に示したグラフの作成方法のほかに、上図のような別途集計を行い、この集計に基づいて図6、図9〜図12を作成することも可能である。
【0073】
同図中、「発生G」はボーナス状態等が発生した累計ゲーム数、「ボーナス」はボーナス状態中あるいはART状態中の遊技情報、「ボーナス間」はボーナス状態等が発生するまでの遊技情報を示している。「累計持メダル」及び「累計差メダル」は、それぞれボーナス状態等の発生時点、終了時点の持メダル、差メダルを示している。なお、「ボーナス」の「回数」は、遊技状態の種別毎の発生回数を示している。
【0074】
なお、本例の構成に代えて、以下のような各構成を採用することもできる。
ART状態の発生契機(発生条件)としては、例えば、ボーナス状態の終了や、通常状態で設定ゲーム数が消化されたことや、ART状態の終了に応じた継続抽選での当選等、予め設定されていれば、どのような発生契機であっても良い。ART状態の終了契機についても同様である。
ART信号を外部出力せず、ARTランプ等によりART状態の発生を報知するスロットマシンを対象とする場合であれば、ARTランプの点灯を検知する光検知ユニットを情報公開端末に設けることが良い。スロットマシン5のART信号に依らずにART状態の発生を把握できるようになる。
【0075】
本例では、ボーナス状態としてBB状態、RB状態を例示したが、いわゆるCT状態等のボーナス状態を採用しても良いし、BB状態のうちで獲得数が異なる等、複数種のBB状態を設定しても良い。さらに、発生条件として内部当選フラグの成立後に対応役が入賞することを例示したが、ART状態同様に例えば設定ゲーム数が消化される等、ART状態と区別可能な異なる条件であり予め設定されていれば、どのような発生条件を採用しても良い。
ART状態の代わりに、あるいはART状態に追加して、AT状態、RT状態の単独状態を設定しても良い。すなわち、特別状態中のゲーム数を更新対象とする特別状態と、更新対象としない特別状態と、の2種類に区分け可能な特別状態を発生可能であれば、どのような遊技機が対象であっても良い。もちろん、通常状態と異なっていればボーナス状態(第1特別遊技状態)と、ART状態(第2特別遊技状態)と、が同じ出メダル率(遊技価値率)であっても良い。
【0076】
ゲーム数を図柄変動数に、ボーナス状態を大当たり状態に、ART状態を時短状態等に置換すれば、本例の情報公開端末1をパチンコ遊技機に適用することもできる。特別状態を発生させるための単位遊技としては、スロットマシン5のゲームだけでなく、図柄変動や、いわゆる羽根物等の役物の開放等であっても良い。また、遊技媒体をデータで取り扱う、いわゆる封入式の遊技機を対象としても良い。また、封入式の場合、遊技媒体の獲得状況をデータにて示すため、データ上の遊技媒体数と実際の遊技媒体数との双方を包含する表現として遊技価値という文言を採用している。
【0077】
本例では、スロットマシン5が出力するBB信号やART信号等の特別状態信号を利用して、ボーナス状態やART状態等の特別状態を特定している。例えば、1ゲーム当たりのセーフ数に応じて発生契機となるART役の入賞を特定する一方、その後のゲーム数に応じて終了条件の充足を特定することも良い。あるいは、10ゲーム等の単位ゲーム数の出メダル率等により特別状態の発生を特定することも良い。特別状態の特定方法はどのような方法であっても良い。
【0078】
同様に、ゲームの特定方法についても、例えば、通常状態におけるアウト数が1ゲームの最大賭数(本例では3枚)の倍数になる毎にゲームを特定することも良い。図柄変動を開始させるための制御信号であるリール信号を利用してゲームを特定しても良い。当然ながら、差メダルや持メダルを特定可能な信号を外部出力する遊技機が対象であれば、それらの信号を利用して差メダルや持メダルを特定することも良い。すなわち、持メダルを特定可能な持メダル信号(所有価値信号)、差メダル数(差引価値)を特定可能な差引価値信号等、遊技機側が外部出力信号を利用可能である。もちろん、その他の信号も同様である。
【0079】
本例では、ART状態中に実行されたARTゲーム数と、ART状態発生までのボーナス間ゲーム数と、を識別可能に表示している。持メダルグラフを重ねて表示する場合であれば、ART状態が発生したか否かを特定可能であるので、双方のゲーム数を区別不能にゲームグラフを表示しても良い。
【0080】
本例は、遊技機と別体の遊技情報表示装置(情報公開端末1)の例であるが、遊技機に設けたデータ表示部にて持メダルグラフ等を表示して、遊技情報表示装置としての機能を遊技機自体に持たせることも良い。この場合、遊技機が外部出力する遊技信号を取り込む必要が無くなる。
【0081】
売上発生時に水平に持メダルグラフを推移させたが、売上発生に応じてそのまま持メダルグラフを推移させても良いし、売上発生時点からボーナス状態等の発生までの差メダルや持メダルを直線にて示しても良い。
【0082】
本例では、折れ線グラフ、棒グラフの双方によるグラフ表示を例示したが、遊技情報の推移を示すのであれば、どのようなグラフをどのように採用しても良い。
横軸にグラフゲーム数を例示したが、グラフゲーム数の代わりにアウトを設定しても良い。
【0083】
本例では、ボーナス状態に加えて、ART状態を特定したが、ボーナス状態を特定すれば必ずしもART状態を特定しなくとも良い。
遊技情報表示装置が行う情報処理の一部あるいは全部を、中継器42や管理装置41等にて行う構成であっても良い。同様に、管理装置41が行う情報処理の一部を中継器42や遊技情報表示装置側で行っても良い。また、本例では、遊技情報表示装置として、遊技者向けの情報公開端末1と、管理者向けの管理装置41と、を例示している。専ら遊技場の管理者を対象とした遊技情報表示装置であっても良く、専ら遊技者を対象とした遊技情報表示装置であっても良い。
【0084】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0085】
1…情報公開端末(遊技情報表示装置)、10…表示画面、11…メッセージ表示欄、12…ボーナス履歴表示欄、13…グラフ表示エリア、21…制御部、22…ランプ部、23…データ表示部、25…操作部、31…遊技データ特定手段、32…表示手段、33…遊技状態特定手段、34…軸情報特定手段、4…遊技場管理システム、41…管理装置、42…中継器、5…スロットマシン(遊技機)
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技場の多くでは、スロットマシン等の遊技機の遊技情報を遊技者向け、あるいは管理者向けに表示する遊技情報表示装置が設けられている。遊技情報表示装置の中には、使用遊技媒体数(使用価値、いわゆるアウト)が横軸に設定され、差遊技媒体数(差価値、いわゆる差メダルあるいは出メダル)が縦軸に設定された、いわゆるスランプグラフと呼ばれる出メダルの推移を示すグラフを表示する表示装置がある。例えば、特許文献1には、横軸にアウトに準ずるゲーム数が規定され、縦軸に出メダルが規定されたスランプグラフを表示する機能を備えた遊技機が記載されている。
【0003】
一方、通常状態のほかに、いわゆるビッグボーナスやレギュラーボーナスのような第1特別状態と、いわゆるRTやATのような第2特別状態と、を発生する遊技機が知られている。このような遊技機の遊技に関する上記スランプグラフを参照すれば、出メダル等の差遊技媒体数がプラスに推移する部分でいずれかの特別状態の発生を推定できる。
【0004】
しかしながら、前記従来の遊技情報表示装置では、次のような問題がある。すなわち、この遊技情報表示装置では、前記スランプグラフの傾き加減の差に応じて前記第1特別状態と前記第2特別状態とを区別できる可能性がある一方、傾き加減に応じて特別状態の種類を特定するためにはスランプグラフの読み取りに関する熟練が必要となり、一般の遊技者にとっては特別状態の種類の特定が難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−46481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、遊技状態の種類を容易に把握できるように遊技情報を表示する遊技情報表示装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技に使用された遊技価値の大きさを示すアウトに対して、遊技中の入賞に応じて遊技者に付与された遊技価値の大きさを示すセーフの割合を示す遊技価値率が、通常状態とは異なる第1特別状態を発生させるための単位遊技を遊技価値を使用して実行する一方、前記遊技価値率が通常状態と異なる遊技状態であって、その発生条件が前記第1特別状態とは異なる第2特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
前記アウトと前記セーフとの差引を示す差引価値、及び遊技者が遊技を通じて獲得した遊技価値の大きさを示す獲得価値の少なくとも一方を示す遊技結果情報と、遊技による前記単位遊技の実行回数である単位遊技数、及び前記アウトの少なくとも一方を示す遊技経過情報と、を特定する遊技データ特定手段と、
前記遊技経過情報を第1軸に設定する一方、前記遊技結果情報を第2軸に設定して、前記遊技経過情報に対する前記遊技結果情報の推移を示す遊技結果グラフを表示する表示手段と、
前記第2特別状態下の遊技期間である第2特別期間及び通常状態下の遊技期間である通常期間とは区別して前記第1特別状態下の遊技期間である第1特別期間を特定可能な遊技状態特定手段と、
前記第1特別期間を除く前記第2特別期間及び前記通常期間において前記遊技データ特定手段により特定された遊技経過情報である第1軸遊技経過情報を特定する軸情報特定手段と、を備え、
前記表示手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記軸情報特定手段により特定された前記第1軸遊技経過情報を設定して前記遊技結果グラフを表示する遊技情報表示装置にある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置における第1特別状態及び第2特別状態は、通常状態とは前記遊技価値率が異なるため、前記遊技結果グラフの推移が通常状態とは相違している。それ故、この遊技結果グラフに基づけば、前記遊技結果グラフの推移に応じていずれかの特別状態が発生したことを把握できる。
【0009】
本発明の遊技情報表示装置は、前記遊技結果グラフを表示する際、前記第1軸に前記第1軸遊技経過情報を設定する。この第1軸遊技経過情報には前記第1特別期間が含まれていないため、前記遊技結果グラフでは、前記第1特別期間が前記第1軸上の1点に集約されることになる。一方、前記第1軸遊技経過情報に含まれる前記第2特別期間及び前記通常期間については、前記第1軸上の1点に集約されることなく軸方向の幅をもって表示される。
【0010】
前記遊技結果グラフでは、前記第1特別状態が発生すれば前記遊技結果グラフが前記第1軸とは垂直に推移する一方、前記第2特別状態が発生すれば垂直ではなく斜めに推移する。この遊技結果グラフに基づけば、前記第1軸に対して垂直に推移しているか否かに応じて、いずれの特別状態が発生したかを特定可能である。したがって、遊技情報の読み取り等に熟練していない一般的な遊技者であっても、前記遊技結果グラフを参照することで、いずれの特別状態が発生したかを容易に把握可能となる。
【0011】
以上のように、本発明の遊技情報表示装置が表示する遊技情報によれば、遊技状態の種類を容易に把握可能である。
【0012】
本発明の遊技情報表示装置を組み合わせる遊技機は、パチンコ遊技機であっても良く、スロットマシンであっても良い。さらに、このスロットマシンとしては、パチンコ玉を遊技媒体としたパロット(R)であっても良い。また、メダルや玉等の遊技媒体を前提としたスロットマシンやパチンコ遊技機であっても良いが、遊技媒体の払出を伴わない、いわゆる封入式のパチンコ遊技機や、完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
【0013】
また、前記軸情報特定手段は、特定した前記第1軸遊技経過情報が予め設定される更新遊技経過情報分、更新されたか否かを判定することで、前記遊技結果グラフをスライドさせるためのスライド条件が成立したか否かを特定し、
前記表示手段は、前記軸情報特定手段により前記スライド条件の成立が特定される毎に、前記第1軸に表示される遊技経過情報の範囲を前記更新遊技経過情報分シフトさせると共に、これに伴って前記第1軸方向に沿って表示位置をずらすことにより前記遊技結果グラフをスライドさせることが好ましい(請求項2)。
【0014】
一般に、遊技情報の推移を示すグラフとしては、差引価値等を示すいわゆるスランプグラフや、特別状態の発生毎にその特別状態間の遊技経過情報の推移を示すいわゆるボーナス間ゲームグラフ等が広く利用されている。前者のスランプグラフでは最新のデータが右側になるようにグラフが推移していく一方、後者のボーナス間ゲームグラフでは最新のデータが左側になるように特別状態の発生毎に既存のグラフが右側にスライドされるという設定が一般的である。
【0015】
そのため、スランプグラフとボーナス間ゲームグラフとでは、最新のデータが表示される位置が左右で逆になっており、両者の対応関係を把握することが難しかった。そこで、前記更新遊技経過情報分、遊技が進行する毎に前記遊技結果グラフをスライド(シフト)させれば、上記のように特別状態の発生毎に既存のグラフが右側にスライドされるボーナス間ゲームグラフとの対応関係の把握が比較的容易になる。
【0016】
また、前記遊技情報特定手段は、遊技機に対応して設けられた対価付与手段に対する対価の支払いに応じて付与された遊技価値の大きさを示す対価付与価値と、前記差引価値と、の合計値を示す前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定すると共に、前記対価付与手段による対価の支払いに応じて遊技価値が付与されたときに、その旨を特定可能であり、
前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態、及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフを折れ線グラフにより表示し、該遊技結果グラフにおいては、前記対価付与手段により対価の支払いに応じて遊技価値が付与された旨が特定されてから、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生するまで、の期間である対価発生期間における前記獲得価値の推移が直線で表されることが好ましい(請求項3)。
【0017】
また、前記遊技情報特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生した時点の前記獲得価値である発生獲得価値を特定可能であり、
前記表示手段が表示する遊技結果グラフにおいては、前記対価発生期間における前記獲得価値が前記発生獲得価値を示すように当該獲得価値の推移が前記第1軸と平行な直線により表されることが好ましい(請求項4)。
【0018】
一般に、遊技場は、対価が支払われたことを遊技者等に示したく無いと考える傾向にある。一方、対価価値が変化した場合にも獲得価値の推移に変化が生じ得るため、獲得価値の推移を表示すれば、対価の支払いが表示されてしまうことになる。また、対価価値が発生しても遊技価値を使用しなければ単位遊技は発生しないので、対価価値の発生に応じて前記遊技結果グラフは前記第1軸に対して垂直に推移し得る。つまり、獲得数の少ない第1特別状態が発生した場合、対価価値の発生と区別が出来なくなるおそれがある。
【0019】
上記のような構成により、前記対価発生期間における遊技結果グラフを直線で表示すれば、その対価の支払いを遊技者等が把握し難くできる。このように表示された遊技結果グラフに基づけば、第1特別状態により獲得される遊技価値が対価付与価値と同等程度であっても、対価の支払いの発生と、第1特別状態の発生と、を区別し易くなる。特に、前記対価発生期間における前記獲得価値が前記発生獲得価値を示すように前記第1軸と平行に前記遊技結果グラフを推移させれば、上記のような作用効果が一層明確になる。
【0020】
また、前記遊技情報特定手段は、前記差引価値及び前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定し、
前記表示手段は、前記差引価値の推移を示す前記遊技結果グラフである差引価値グラフと、前記獲得価値の推移を示す前記遊技結果グラフである獲得価値グラフと、を重ねて表示することが好ましい(請求項5)。
【0021】
一般に、遊技場の管理者等は、遊技者が見ている遊技情報をそのまま見ることで遊技者に適切な遊技情報を表示しているかを確認したいと考えることが多い。その際、多くの管理者等は、対価の支払いの推移を含めて把握したいと考えている。差引価値グラフと獲得価値グラフとを重ねて表示すれば、双方の推移を同時に把握できるようになる上に、双方のグラフの差分に着目することで、対価の支払いの推移を別途表示する事なく、把握できるようになる。このような遊技情報表示装置は、遊技場の管理者向けの表示装置として好適である。
【0022】
また、前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記遊技情報特定手段は、前記遊技状態特定手段により特定された前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生回数を区別して特定し、
前記軸情報特定手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記第1特別状態の発生に応じて初期化される特別状態間遊技経過情報を特定し、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフと共通の第1軸方向の幅で前記特別状態間遊技経過情報を示し、前記第2軸と平行をなす第3軸方向の幅で前記第1特別状態又は前記第2特別状態の発生回数を示す棒グラフを含む遊技経過情報グラフを表示することが好ましい(請求項6)。
【0023】
上記のように従来のボーナス間ゲームグラフとは異なる形式で前記遊技経過情報グラフを表示する場合には、前記遊技結果グラフとの間で第1軸を共用できる。また、前記遊技経過情報グラフにより示される特別状態毎の発生回数と、前記遊技結果グラフにより示される特別状態の発生に応じた遊技結果情報の推移と、を比較し易くなる。
【0024】
また、前記表示手段は、前記遊技経過情報グラフを表示する場合に、前記第2特別期間と、それ以外の期間と、を区別して表示することが好ましい(請求項7)。
この場合には、前記遊技経過情報グラフに基づいて、前記第2特別遊技状態が発生したゲーム数等の遊技経過情報を把握出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例における、情報公開端末を含む遊技データ管理システムの構成を示すシステム図。
【図2】実施例における、スロットマシンを示す正面図。
【図3】実施例における、遊技状態の遷移を説明する状態遷移図。
【図4】実施例における、情報公開端末を示す正面図。
【図5】実施例における、情報公開端末の電気的な構成を示すブロック図。
【図6】実施例における、グラフ表示エリアを示す正面図。
【図7】実施例における、グラフ更新処理の流れを示すフロー図。
【図8】実施例における、アウト信号入力処理の流れを示すフロー図。
【図9】実施例における、グラフ表示エリアを示す正面図。
【図10】実施例における、持メダルグラフのみを表示するグラフ表示エリアを示す正面図。
【図11】実施例における、差メダルグラフのみを表示するグラフ表示エリアを示す正面図。
【図12】実施例における、持メダルグラフと差メダルグラフとを重複表示するグラフ表示エリアを示す正面図。
【図13】実施例における、ボーナス履歴データを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例)
本例は、スロットマシン5(遊技機)の遊技情報を表示する情報公開端末(遊技情報表示装置)1に関する例である。この内容について、図1〜図13を用いて説明する。
【0027】
本例の情報公開端末1は、スロットマシン5に対して個別に設置され、スロットマシン5の各種の遊技情報を表示する装置である。情報公開端末1は、スロットマシン5、貸出装置43と共に中継器42に接続されている。遊技場では、スロットマシン5を含む多数の遊技機を管理する管理装置41を中心とした遊技場管理システム4が構築されている。
【0028】
遊技場管理システム4では、図1に示すごとく、スロットマシン5、情報公開端末1及び貸出装置(対価付与手段)43が2台ずつ接続された中継器42、及び管理装置41が通信ネットワーク40に接続されている。なお、遊技場では、貸出装置43から借り受けたメダルを利用してスロットマシン5の遊技を楽しむことができる。
【0029】
管理装置41は、CPU、ROM、RAM、I/O等を含む制御部、HDD(ハードディスクドライブ)等を含む記憶部、モニタ411及びプリンタ等を含む出力部、キーボード412及びマウス等を含む操作部を備えている。管理装置41は、遊技機IDが割り当てられた各スロットマシン5の遊技データを個別に集計する機能を備えている。
【0030】
管理対象となるスロットマシン5は、図2に示すごとく、3基のリール52(図柄変動表示手段)による図柄の変動表示を視認するための図柄表示窓51、クレジットメダルを賭けるベットボタン54、メダルを投入するメダル投入口530、ゲームを開始させるためのスタートレバー521、回転中のリールを停止させるための3個のストップボタン522、払出メダルの枚数を表示する払出数表示部551、クレジットメダルの枚数を表示するクレジット表示部552、払出されたメダルの受皿55等を備えている。
【0031】
スロットマシン5では、メダル投入口530にメダルが投入されるか、あるいはベットボタン54の操作により、規定数のメダルがゲーム(単位遊技)に賭けられたとき、ゲームを開始できる状態となる。この状態でスタートレバー521が操作されると、内部抽選(大当たり抽選手段による大当たり抽選)が実行されると共に、各リール52が始動される。リール52は、その外周面に略一定の間隔を空けて21個の図柄520が配置された回転式のリールである。リール52が始動されて回転を始めると、21個の図柄520が序列を維持しながら変動表示される。
【0032】
スロットマシン5では、BB状態(第1特別状態)の契機となるBB役、RB状態(第1特別状態)の契機となるRB役、ART状態(第2特別状態)の契機となるART役、リプレイ役等が設定されている。ゲームの開始に応じて実行される内部抽選でいずれかの役が当選すると、対応する内部当選フラグがセットされ入賞可能な状態になる。
【0033】
スロットマシン5では、ストップボタン522が操作されたとき、対応するリール52が停止する。このとき、いずれかの役の内部当選フラグが成立しており、かつ、ストップボタン522の操作タイミングを基準とした所定の引込範囲内にその役に対応する図柄が存在していれば、いわゆる引込制御(すべり制御)を含む停止制御により、その図柄が停止表示される。全てのリール52の停止に応じてゲームが終了したとき、図柄表示窓51に設定された入賞ラインに沿って、いずれかの役の入賞図柄が揃っていれば、その役の入賞となる。
【0034】
スロットマシン5の遊技状態としては、図3のごとく、第1特別状態であるBB状態及びRB状態、第2特別状態であるART状態のほか、遊技者にとって不利となる通常状態がある。通常状態又はART状態下のゲームでボーナス役(BB役、RB役)が入賞すると対応するボーナス状態が発生する。ボーナス状態は、ボーナス状態を終了させるためのボーナス終了条件の成立に応じて終了する。ボーナス終了条件として330枚超のセーフが設定されたBB状態(契機役がBB役)が最も有利となっており、RB役を契機としたRB状態については55枚超のセーフがボーナス終了条件として設定されている。
【0035】
遊技中に所定のART移行条件(発生条件。本例では、ART役の入賞。)が成立した場合には、ART状態に移行する。ART状態は、リプレイ役等の特定役の内部当選率が高くなるRT状態と、内部当選役を入賞させるための押し順等の入賞情報が報知されるAT状態と、が複合した有利な遊技状態である。ART状態は、所定のART終了条件(本例では、50ゲーム経過。)が成立したときに終了する。なお、終了時には継続抽選が実行され、当選に応じて新たな50ゲームが上乗せされる。
【0036】
以上のように構成されたスロットマシン5が中継器42に向けて出力する遊技信号としては、以下の遊技信号がある。
(1)アウト信号:スロットマシン5で開始操作が行われたとき、ベット状態のメダルが使用されたとしてベットされたメダル数(本例では、3枚)分のパルスが出力される。アウト信号数×1枚が、アウト(使用媒体数)となる。なお、リプレイゲームでも1ゲーム分のアウト信号が出力される。
(2)セーフ信号:メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1枚がセーフ(払出媒体数)となる。なお、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル数分が出力される。
(3)BB(RB)信号:BB状態(RB状態)の発生中に出力されるレベル信号。BB(RB)信号の受信期間をBB(RB)状態と特定可能である。
(4)ART信号:ART状態の発生中に継続して出力される状態信号。
【0037】
なお、BB信号等の状態信号を受信していない期間を通常状態として特定する。また、スロットマシン5に対応して設けられた貸出装置43からは、中継器42に向けて次の遊技信号が出力される。
(5)売上信号:貸出メダル5枚(メダル単価20円であれば、100円相当)毎に1パルス出力される。売上信号数×100円が売上金額となる。
【0038】
次に、情報公開端末1について説明する。情報公開端末1は、図4に示すごとく、大型の液晶ディスプレイよりなるデータ表示部23を有している。データ表示部23の表示画面10の左側には、呼出ボタン251及び履歴ボタン253、グラフ切換ボタン255等を含む操作部25が配置されている。
【0039】
情報公開端末1は、図5のごとく、CPU211を含む制御部21を中心として電気的に構成されている。制御部21には、データ表示部23、ランプ部22、各種の操作ボタンを含む操作部25が電気的に接続されている。データ表示部23による表示画面10には、各種のメッセージを表示するメッセージ表示欄11、ボーナス履歴データ等を表示するボーナス履歴表示欄12、各種のグラフを表示するグラフ表示エリア13が配置されている。
【0040】
制御部21は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU211、メモリ手段としてのROM212、RAM214、信号の送受信を行うI/O部215を含んでいる。本例の情報公開端末1が中継器42を経由してスロットマシン5及び貸出装置43から取り込む遊技信号としては、上記の(1)アウト信号、(2)セーフ信号、(3)BB(RB)信号、(4)ART信号、(5)売上信号等がある。
【0041】
情報公開端末1は、(1)遊技データ特定手段31、(2)表示手段32、(3)遊技状態特定手段33、(4)軸情報特定手段34としての機能を備えている。以下、各手段の内容について説明する。
(1)遊技データ特定手段31
遊技データ特定手段31は、遊技結果情報、遊技経過情報を特定(計数)する手段である。遊技結果情報としては、セーフ−アウトにより示されるアウトとセーフとの差メダル(差引価値)、及び貸出メダル+差メダルにて示される遊技者が遊技に関して獲得した持メダル(獲得価値)がある。遊技経過情報は、実行されたゲーム数(単位遊技数)である。なお、ゲーム数に代えて、アウトを遊技経過情報として特定することもできる。
【0042】
(2)表示手段32
表示手段32は、ゲーム数(後述するグラフゲーム数)を横軸(第1軸)で表し、持メダルを縦軸(第2軸)に表した持メダルグラフ(遊技結果グラフとしての獲得価値グラフ。図6、図10参照。)を表示する。また、本例の表示手段32は、縦軸に差メダルを表した差メダルグラフ(遊技結果グラフとしての差引価値グラフ。図9、図11参照。)も表示可能である。
【0043】
さらに、本例の表示手段32は、差メダルグラフと同様にゲーム数を横軸(第1軸)に表す一方、BB状態、RB状態、ART状態の発生回数を縦軸(第3軸)に表した棒グラフであるゲームグラフ(遊技経過情報グラフ、図6及び図9を参照して後述する。)を表示可能である。このゲームグラフでは、横軸方向の幅で後述するボーナス間ゲーム数が表されると共に、縦軸方向の高さ(幅)により対応する遊技状態(BB状態、RB状態、ART状態)の発生回数が表現される。
【0044】
(3)遊技状態特定手段33
遊技状態特定手段33は、ボーナス状態及びART状態の発生中である旨を特定する手段である。遊技状態特定手段33は、例えば、BB信号の受信中に、スロットマシン5がBB状態を発生中である旨を特定する。この遊技状態特定手段33によれば、ボーナス状態下の第1特別期間、ART状態下の第2特別期間、通常状態下の通常期間を区別して特定できる。
【0045】
(4)軸情報特定手段34
軸情報特定手段34は、第2特別期間あるいは通常期間で実行された累積の非ボーナスゲーム数であるグラフゲーム数(第1軸遊技経過情報)を特定する手段である。グラフゲーム数は、表示手段32が表示する各種のグラフ(図6、図9〜図12に表示する差メダルグラフ、持メダルグラフ、ゲームグラフ)の横軸に設定されるゲーム数である。このグラフゲーム数では、第1特別期間が除外され、ボーナス状態下のゲーム数が反映されていない。表示手段32が表示するグラフでは、第2特別期間及び通常期間の長さ(ゲーム数)が横軸方向の幅をもって正しいスケールで表される一方、第1特別期間が横軸上の1点に集約されている。したがって、第1特別期間における持メダルグラフ及び差メダルグラフの推移は、縦軸方向に沿って垂直に現れることになる。
【0046】
また、本例の軸情報特定手段34は、グラフゲーム数が更新値(更新遊技経過情報)である200ゲームの倍数に到達した、即ち、200ゲーム更新したというスライド条件が成立したか否かを判断する。このスライド条件は、グラフスライド処理の実行条件である。このグラフスライド処理は、横軸に表すグラフゲーム数の範囲を200ゲームシフトさせ、グラフの一部(最も古い期間)がエリア外に達している場合には、その最も古い200ゲーム分のグラフをエリア外とし、これから(将来)の200ゲーム分の新たなグラフ領域を設ける処理である。
さらに、本例の軸情報特定手段34は、ボーナス状態の発生に応じて初期化されるボーナス間ゲーム数(特別状態間遊技経過情報)を特定する。このボーナス間ゲーム数は、BB状態等に個別に対応するゲームグラフ(棒グラフ)の横幅となる。
【0047】
以上のように構成された本例の情報公開端末1によれば、例えば、図6のグラフをグラフ表示エリア13に表示可能である。同図では、持メダル数を縦軸として持メダル数の推移を示す折れ線グラフである持メダルグラフ(差引価値グラフ)と、発生回数(BB状態、RB状態、ART状態の発生回数)を縦軸としてボーナス間ゲーム数の推移を示す棒グラフであるゲームグラフと、が表示されている。これらのグラフでは、非ボーナスゲーム数であるグラフゲーム数を表す横軸(第1軸)が共有されている。横軸の左端側が現在(最新)のグラフゲーム数を表している。
【0048】
ここで、図6に例示するグラフの見方について、同図中の(1)〜(11)を例にして説明しておく。
同図中の(1)は、現在、最新(現時点)の持メダル(2389)、グラフゲーム数(5443)を表している。
(2)の「只今」のラベルが付された領域は、現在進行中の遊技状態に対応するゲームグラフを示している。このゲームグラフでは、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数が横幅によって表示される。次の遊技状態(BB状態、RB状態、ART状態)が確定したとき、「BB」や「ART」等のラベルに変更される。
【0049】
(3)の「ART中」のラベルが付されたゲームグラフは、ART状態中のゲームに対応するゲームグラフである。このゲームグラフの横幅は、ART状態の発生中に実行されたARTゲ−ム数を表している。
(4)の「ART」のラベルのゲームグラフは、ART状態が発生するまでのゲームに対応するゲームグラフである。このゲームグラフの横幅は、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数を表している。
【0050】
(5)の持メダルグラフが垂直に上昇する区間は、BB状態に対応している。BB状態の発生期間は、横軸のグラフゲーム数が更新されない期間であるため、横軸上の1点に集約されている。この区間の垂直上昇高さは、BB状態中のメダルの獲得数(差メダル)を表している。
(6)の持メダルグラフが斜めに上昇する区間は、ART状態に対応している。
(7)の持メダルグラフが垂直に上昇する区間は、RB状態に対応している。RB状態の発生期間は、BB状態と同様、横軸のグラフゲーム数が更新されない期間であるため、横軸上の1点に集約されている。この区間の垂直上昇高さは、RB状態中のメダルの獲得数を表している。上記のように本例のスロットマシン5では、BB状態の1/6程度となっている。
【0051】
(8)の「RB」のラベルのゲームグラフは、RB状態が発生するまでのゲームに対応するゲームグラフである。このゲームグラフの横幅は、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数を表している。
(9)、(10)の「BB」のラベルのゲームグラフは、BB状態が発生するまでのゲームに対応するゲームグラフである。(9)のゲームグラフの高さは、そのBB状態が、当日営業開始後、何回目のBB状態に当たるかを表している。(9)の場合であれば、3回目のBB状態である旨が、その高さによって表現されている。この点、RB状態やART状態についても同様でゲームグラフにおける高さは各状態別の発生回数を示している。(10)のゲームグラフの横幅は、直前のボーナス状態あるいはART状態が終了してからのゲーム数を表している。
(11)の持メダルグラフが水平の直線で表される区間は、売上発生期間(対価発生期間)に対応している。この売上発生期間では、ボーナス状態等の発生時(BB状態、RB状態、ART状態のいずれかの発生時)の持メダルに対応する高さ(持メダルを表す縦軸方向の位置)で持メダルグラフが水平に推移している。
【0052】
本例の情報公開端末1が図6のグラフを表示するための処理の流れについて、図7及び図8のフロー図を参照して説明する。図7は、図6のグラフを更新するグラフ更新処理の流れを示し、図8は、アウト信号入力処理の流れを示している。
図7のグラフ更新処理では、まず、図8を参照して後述するアウト信号入力処理P10が実行される。このアウト信号入力処理P10の実行後、セーフ信号の入力が判断される(S101)。セーフ信号の入力がないときは(S101:NO)、さらに、売上信号の入力が判断される(S102)。売上信号が入力された場合には(S102:YES)、売上が発生してからボーナス状態の発生まで持メダルグラフの更新を停止する旨を表す更新停止フラグに1が設定されたうえ(S103)、その売上メダル(対価付与価値)が持メダルに加算される(S104)。一方、上記ステップS101でセーフ信号が入力された場合には(S101:YES)、持メダルへの加算のみ実行される(S104)。
【0053】
その後、BB状態あるいはRB状態の発生中を表す第1ボーナスフラグのフラグ状態が判断される(S105)。第1ボーナスフラグがゼロの場合には(S105:YES)、ART状態の発生中を表す第2ボーナスフラグのフラグ状態が判断される(S106)。
【0054】
一方、第1及び第2ボーナスフラグがいずれもゼロである場合には(S105:YES、S106:YES)、ボーナス信号の入力が開始されたか否かが判断される(S107)。ボーナス信号の入力が開始された場合には(S107:YES)、第1ボーナスフラグが1に切り換えられる(S141)。ボーナス信号の入力が開始されなかった場合には(S107:NO)、ART信号の入力が開始されたか否かが判断される(S108)。ART信号の入力が開始された場合には(S108:YES)、第2ボーナスフラグが1に切り換えられる(S109)。
【0055】
上記のようにしてボーナス信号及びART信号のいずれかの入力が開始された場合には、発生した特別状態(ボーナス状態かART状態)の種別、及びその発生回数が特定される(S110)。さらに、現在進行中の左端のゲームグラフ(棒グラフ)について、そのラベルが「只今」からステップS110で特定されたボーナスの種別に変更され(S111)、そのゲームグラフの高さが特定された発生回数(例えば、図6中の(9)を参照。)に変更される(S112)。
【0056】
さらに、更新停止フラグが1であれば(S113:YES)、ゼロリセットされたうえで(S114)、持メダルグラフが更新される(S115)。この持メダルグラフの更新では、図6中の(11)に例示されるごとく、まず、ボーナス状態等が発生した時の持メダル(発生獲得価値)がプロットされ、そこから水平に遡った持メダルグラフとの交点が売上発生期間(対価発生期間)の始点に設定される。この始点は、現実の売上発生期間の始点よりも若干、持メダルが上回る地点となる。
【0057】
一方、ステップS105にて第1ボーナスフラグが1の場合には(S105:NO)、ボーナス信号(BB信号、RB信号)の入力が終了したか否かが判断される(S121)。ボーナス信号の入力が終了した場合には(S121:YES)、第1ボーナスフラグがゼロリセットされ(S122)、持メダルグラフが更新される(S123)。なお、ボーナス状態の終了時には、図6中の(5)、(7)に例示されるように持メダルグラフがプロットされる。
【0058】
また、ステップS106にて第2ボーナスフラグが1(S106:NO)、すなわちART状態の発生中の場合には、ART信号の入力が終了したか否かが判断される(S131)。ART信号の入力が終了した場合には(S131:YES)、第2ボーナスフラグがゼロリセットされ(S132)、図6中の(2)に例示される「只今」とラベル付けされた新しいゲームグラフが生成される(S133)。なお、ART状態については、同図中の(6)に例示されるように遊技の進行に応じて持メダルグラフが随時、プロットされるので、ART状態の終了時点で新たなプロットは行われない。
【0059】
図8のアウト信号入力処理P10では、まず、アウト信号の入力が判断される(S201)。アウト信号が入力された場合には(S201:YES)、持メダルが減算更新される(S202)。その後、第1ボーナスフラグがゼロであれば(S203:YES)、ゲーム判定処理P20が実行される。
【0060】
このゲーム判定処理は、アウト信号によってゲームの実行を判定する処理である。この処理では、1ゲーム当たりの最大ベット数(本例では3枚)のアウトが計数されたとき、最後のアウト信号を受信してからの経過時間が設定時間(例えば、30秒)を経過したとき、及びアウト信号の受信後にセーフ信号を受信したとき、のうちのいずれかに該当したときにゲームが実行されたと判定する。なお、BB状態、RB状態の発生中では、ゲーム数が更新対象にならないため、ステップS203の判断によりゲーム判定処理P20が迂回される。
【0061】
グラフゲーム数を更新値(200ゲーム数)分更新した場合には(S204:YES)、これから(将来)の200ゲーム分の新たなグラフ領域を設ける前記グラフスライド処理が実行され(S205)、図6中の(2)に例示される「只今」のラベルが付されたゲームグラフが新たに設定される。このグラフスライド処理は、グラフゲーム数が200ゲームの倍数に到達する毎に実行され、これにより、持メダルグラフ及びゲームグラフを含むグラフ全体が右へスライド(シフト)されることになる。その後、更新停止フラグのフラグ状態が判断され、ゼロであれば(S206:YES)、持メダルグラフのプロットが行われる(S207)。
【0062】
上記のような処理により表示される図6の持メダルグラフ、ゲームグラフ(棒グラフ)に基づけば、以下のような判断等が可能になる。
持メダルグラフが上昇していればBB状態、RB状態、ART状態のいずれかが発生した旨を推測できるが、ボーナス状態(BB状態、RB状態)ではグラフゲーム数がグラフの更新対象となっていないため、図6中の(5)、(7)に例示するごとく、持メダルグラフの折れ線が垂直に上昇する。一方、ART状態では、グラフゲーム数がグラフの更新対象となるため、図6中の(6)に例示するごとく、持メダルグラフの折れ線が斜めに上昇する。このように、本例の持メダルグラフに基づけば、折れ線の上昇が垂直か斜めかに応じて、ボーナス状態かART状態かを容易に判別できる。なお、BB状態であるかRB状態であるかの区別は、垂直に上昇する折れ線の高さにより区別できる。例えば、BB状態の場合は、300枚程度の獲得数を期待できるので持メダルグラフが300枚分、上昇する一方、RB状態の獲得数は約50枚程度であるため、折れ線の高さがBB状態の1/6程度となっている(図6中の(5)と(7)の上昇高さの違い)。
【0063】
ここで、ボーナス状態とART状態とを区別して特定する効果について補足して説明する。遊技機の中には、ボーナス状態が発生しない状態で特定回数(例えば、1000ゲーム)のゲームを実行すると、ボーナス状態やART状態が発生し易くなる、いわゆる天井機能が設定された遊技機がある。さらに、ボーナス間ゲーム数のみを対象とし、ART状態の発生有無に関わらずボーナス間ゲーム数がカウントされる天井機能を備えた遊技機も有り、このような遊技機の場合であれば、垂直に上昇したグラフ間にて天井機能が発生したかを把握できるようになる。もちろん、このような天井機能が無くとも、遊技者の中には擬似的に天井機能があると思い込んでいる遊技者もいるので、そのような遊技者に対しても効果的な情報提供が可能となる。
【0064】
次に、持メダル数は売上の発生により増加し、従来は持メダルグラフにも反映されていた。しかしながら、売上の発生自体に遊技者が興味を示さなかったり、遊技場には公開したがらない傾向があることや、ボーナス状態が発生していないにも関わらず持メダルグラフが上昇し、ボーナス状態と混同してしまうこと等を防止するために、本例の図6の持メダルグラフでは、売上の発生からボーナス状態あるいはART状態の発生までの売上発生期間(図6中の(11)に例示する区間)の更新が停止されている。この場合、仮に、RB状態のメダルの獲得数が、売上発生時の1単位(1000円で50枚)のメダル数と同程度であったとしても、持メダルグラフが上昇しない売上発生時とは区別してRB状態の発生を把握できる。
【0065】
さらに、売上発生期間(対価発生期間)の持メダルとして売上発生時とボーナス開始時とを比較すると、遊技者はメダルが無くなることで現金投資する一方、ボーナス発生時はそれよりも若干ながら多くの持メダル(発生獲得価値)になると推定できる。これにより、持メダルグラフが斜めに推移すると、ART状態との区別が難しくなるおそれが生じる。これに対して、本例では、売上発生期間についてはボーナス発生時の持メダルにて持メダルグラフを水平(真横)に推移させているので、ART状態と混同されるおそれがない。
【0066】
また、図6のグラフ表示では、グラフの左端側が現時点となっているため、200ゲーム経過毎にグラフ全体を右へシフトさせるようにスライドさせる。すなわち、現時点が左端に達したら、その後の推移分を確保するため200ゲーム分シフトさせ、新たなグラフ領域を順次設けている。なお、左側を現時点としている理由は、従来、持メダルグラフは右側に現時点を設定する一方、ゲームグラフでは左側に現時点が設定されており、両者を対応付けて表示することが難しかったからである。
【0067】
また、ゲームグラフは、従来はボーナス状態発生毎のボーナス間ゲーム数を示していたが、本例では、図6中の(9)に例示するごとく、発生回数の表示も可能となっている。すなわち、ボーナス状態及びART状態の種別毎の発生回数をゲームグラフ(棒グラフ)の高さにより示し、横幅でボーナス間ゲーム数を示している。さらに、このゲームグラフには、対応する遊技状態の種別を表すBB、ART等の標記が重ねて表示されている。
【0068】
ボーナス状態の場合、ボーナス状態発生中のゲーム数は、グラフの更新対象となっておらず、対応するゲームグラフの横幅にはボーナス間ゲーム数のみが示されている。一方、ART状態については、ART状態発生中のゲーム数もボーナス間ゲーム数となり更新対象となるため、ボーナス間ゲーム数及びART状態下で実行されたARTゲーム数を把握できるようにゲームグラフが表示されている。具体的には、ART状態に対応するゲームグラフでは、図6中(4)に例示するボーナス間ゲーム数に対応する部分と、同図中(3)に例示するARTゲーム数に対応する部分とが、ゲーム数の割合に応じて左右に区分されている。ここで、ART状態に対応するゲームグラフ(棒グラフ)の高さは、発生までのゲームグラフ(ボーナス間ゲーム数を表す部分)と、発生後のゲームグラフ(ARTゲーム数を表す部分)と、で共通となっている。なお、現時点の持メダル及びグラフゲーム数については、いずれも開店時からの累計値がグラフの左端で数値表示されている(図6中(1)に例示。)。
【0069】
本例の情報公開端末1によれば、前記グラフ切換ボタン255等の操作に応じて、図9〜図11のようなグラフも表示可能である。図9は、折れ線グラフの対象を持メダルから差メダル(セーフ−アウト)に変更したグラフである。この差メダルグラフ(差引価値グラフ)では、売上の発生が考慮されないが、それ以外は、図6と同様の効果を見込むことができる。図10は、図6の持メダルグラフに基づき、折れ線グラフの向きを左右逆、すなわち、従来と同様、開店時などの起算時点を左側に設定した持メダルグラフである。図11は、図9の差メダルグラフに基づいて、従来と同様、開店時などの起算時点を左側に設定した差メダルグラフである。
なお、図9や図11ではグラフの最下点が差メダルレンジ(縦軸)の最下点以下となる箇所があり、その箇所については最下点であるように示しているが、差メダルレンジを適宜調整して示すようにしても勿論良い。
【0070】
以上のように、本例の情報公開端末1によれば、例えば、持メダルグラフが垂直に推移しているか否かに応じて、ボーナス状態が発生しているかART状態が発生しているかを極めて容易に特定できる。したがって、遊技情報の読み取り等に熟練していない一般的な遊技者であっても、情報公開端末1が表示する持メダルグラフ等を参照することで、ボーナス状態かART状態かを容易に把握可能である。さらに、本例の情報公開端末1では、持メダルグラフとゲームグラフとで、横軸のグラフゲーム数が共有されている。そのため、持メダルグラフとゲームグラフとの対応関係を極めて容易に把握することが可能となっている。
このように、本例の情報公開端末1が表示する遊技情報によれば、発生した遊技状態の種類等を容易に把握できる。
【0071】
管理装置41(図1参照。)において、図12のごとく、持メダルグラフと差メダルグラフとを重複させて表示させることも可能である。折れ線グラフについては、図6と同様の効果が見込めることは当然ながら、重複させて表示することで、持メダルグラフと差メダルグラフとの差として現れる売上げの大きさ(図12中の矢印により表される)の推移を一目で把握出来るようになる。図12は、遊技場の管理者向けとなるが、直感的に遊技情報の推移を確認出来るので、多数の遊技機毎の遊技情報の推移を短時間で確認したい場合に非常に有効である。
【0072】
図6、図9〜図12のグラフが示す遊技情報は、図13のごとく、ボーナス状態(BB状態、RB状態)あるいはART状態が発生する毎に集計することも可能である。図7及び図8のフロー図に示したグラフの作成方法のほかに、上図のような別途集計を行い、この集計に基づいて図6、図9〜図12を作成することも可能である。
【0073】
同図中、「発生G」はボーナス状態等が発生した累計ゲーム数、「ボーナス」はボーナス状態中あるいはART状態中の遊技情報、「ボーナス間」はボーナス状態等が発生するまでの遊技情報を示している。「累計持メダル」及び「累計差メダル」は、それぞれボーナス状態等の発生時点、終了時点の持メダル、差メダルを示している。なお、「ボーナス」の「回数」は、遊技状態の種別毎の発生回数を示している。
【0074】
なお、本例の構成に代えて、以下のような各構成を採用することもできる。
ART状態の発生契機(発生条件)としては、例えば、ボーナス状態の終了や、通常状態で設定ゲーム数が消化されたことや、ART状態の終了に応じた継続抽選での当選等、予め設定されていれば、どのような発生契機であっても良い。ART状態の終了契機についても同様である。
ART信号を外部出力せず、ARTランプ等によりART状態の発生を報知するスロットマシンを対象とする場合であれば、ARTランプの点灯を検知する光検知ユニットを情報公開端末に設けることが良い。スロットマシン5のART信号に依らずにART状態の発生を把握できるようになる。
【0075】
本例では、ボーナス状態としてBB状態、RB状態を例示したが、いわゆるCT状態等のボーナス状態を採用しても良いし、BB状態のうちで獲得数が異なる等、複数種のBB状態を設定しても良い。さらに、発生条件として内部当選フラグの成立後に対応役が入賞することを例示したが、ART状態同様に例えば設定ゲーム数が消化される等、ART状態と区別可能な異なる条件であり予め設定されていれば、どのような発生条件を採用しても良い。
ART状態の代わりに、あるいはART状態に追加して、AT状態、RT状態の単独状態を設定しても良い。すなわち、特別状態中のゲーム数を更新対象とする特別状態と、更新対象としない特別状態と、の2種類に区分け可能な特別状態を発生可能であれば、どのような遊技機が対象であっても良い。もちろん、通常状態と異なっていればボーナス状態(第1特別遊技状態)と、ART状態(第2特別遊技状態)と、が同じ出メダル率(遊技価値率)であっても良い。
【0076】
ゲーム数を図柄変動数に、ボーナス状態を大当たり状態に、ART状態を時短状態等に置換すれば、本例の情報公開端末1をパチンコ遊技機に適用することもできる。特別状態を発生させるための単位遊技としては、スロットマシン5のゲームだけでなく、図柄変動や、いわゆる羽根物等の役物の開放等であっても良い。また、遊技媒体をデータで取り扱う、いわゆる封入式の遊技機を対象としても良い。また、封入式の場合、遊技媒体の獲得状況をデータにて示すため、データ上の遊技媒体数と実際の遊技媒体数との双方を包含する表現として遊技価値という文言を採用している。
【0077】
本例では、スロットマシン5が出力するBB信号やART信号等の特別状態信号を利用して、ボーナス状態やART状態等の特別状態を特定している。例えば、1ゲーム当たりのセーフ数に応じて発生契機となるART役の入賞を特定する一方、その後のゲーム数に応じて終了条件の充足を特定することも良い。あるいは、10ゲーム等の単位ゲーム数の出メダル率等により特別状態の発生を特定することも良い。特別状態の特定方法はどのような方法であっても良い。
【0078】
同様に、ゲームの特定方法についても、例えば、通常状態におけるアウト数が1ゲームの最大賭数(本例では3枚)の倍数になる毎にゲームを特定することも良い。図柄変動を開始させるための制御信号であるリール信号を利用してゲームを特定しても良い。当然ながら、差メダルや持メダルを特定可能な信号を外部出力する遊技機が対象であれば、それらの信号を利用して差メダルや持メダルを特定することも良い。すなわち、持メダルを特定可能な持メダル信号(所有価値信号)、差メダル数(差引価値)を特定可能な差引価値信号等、遊技機側が外部出力信号を利用可能である。もちろん、その他の信号も同様である。
【0079】
本例では、ART状態中に実行されたARTゲーム数と、ART状態発生までのボーナス間ゲーム数と、を識別可能に表示している。持メダルグラフを重ねて表示する場合であれば、ART状態が発生したか否かを特定可能であるので、双方のゲーム数を区別不能にゲームグラフを表示しても良い。
【0080】
本例は、遊技機と別体の遊技情報表示装置(情報公開端末1)の例であるが、遊技機に設けたデータ表示部にて持メダルグラフ等を表示して、遊技情報表示装置としての機能を遊技機自体に持たせることも良い。この場合、遊技機が外部出力する遊技信号を取り込む必要が無くなる。
【0081】
売上発生時に水平に持メダルグラフを推移させたが、売上発生に応じてそのまま持メダルグラフを推移させても良いし、売上発生時点からボーナス状態等の発生までの差メダルや持メダルを直線にて示しても良い。
【0082】
本例では、折れ線グラフ、棒グラフの双方によるグラフ表示を例示したが、遊技情報の推移を示すのであれば、どのようなグラフをどのように採用しても良い。
横軸にグラフゲーム数を例示したが、グラフゲーム数の代わりにアウトを設定しても良い。
【0083】
本例では、ボーナス状態に加えて、ART状態を特定したが、ボーナス状態を特定すれば必ずしもART状態を特定しなくとも良い。
遊技情報表示装置が行う情報処理の一部あるいは全部を、中継器42や管理装置41等にて行う構成であっても良い。同様に、管理装置41が行う情報処理の一部を中継器42や遊技情報表示装置側で行っても良い。また、本例では、遊技情報表示装置として、遊技者向けの情報公開端末1と、管理者向けの管理装置41と、を例示している。専ら遊技場の管理者を対象とした遊技情報表示装置であっても良く、専ら遊技者を対象とした遊技情報表示装置であっても良い。
【0084】
以上のごとく本発明の実施例を詳細に説明したが、これらの実施例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、実施例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して実施例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【符号の説明】
【0085】
1…情報公開端末(遊技情報表示装置)、10…表示画面、11…メッセージ表示欄、12…ボーナス履歴表示欄、13…グラフ表示エリア、21…制御部、22…ランプ部、23…データ表示部、25…操作部、31…遊技データ特定手段、32…表示手段、33…遊技状態特定手段、34…軸情報特定手段、4…遊技場管理システム、41…管理装置、42…中継器、5…スロットマシン(遊技機)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用された遊技価値の大きさを示すアウトに対して、遊技中の入賞に応じて遊技者に付与された遊技価値の大きさを示すセーフの割合を示す遊技価値率が、通常状態とは異なる第1特別状態を発生させるための単位遊技を遊技価値を使用して実行する一方、前記遊技価値率が通常状態と異なる遊技状態であって、その発生条件が前記第1特別状態とは異なる第2特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
前記アウトと前記セーフとの差引を示す差引価値、及び遊技者が遊技を通じて獲得した遊技価値の大きさを示す獲得価値の少なくとも一方を示す遊技結果情報と、遊技による前記単位遊技の実行回数である単位遊技数、及び前記アウトの少なくとも一方を示す遊技経過情報と、を特定する遊技データ特定手段と、
前記遊技経過情報を第1軸に設定する一方、前記遊技結果情報を第2軸に設定して、前記遊技経過情報に対する前記遊技結果情報の推移を示す遊技結果グラフを表示する表示手段と、
前記第2特別状態下の遊技期間である第2特別期間及び通常状態下の遊技期間である通常期間とは区別して前記第1特別状態下の遊技期間である第1特別期間を特定可能な遊技状態特定手段と、
前記第1特別期間を除く前記第2特別期間及び前記通常期間において前記遊技データ特定手段により特定された遊技経過情報である第1軸遊技経過情報を特定する軸情報特定手段と、を備え、
前記表示手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記軸情報特定手段により特定された前記第1軸遊技経過情報を設定して前記遊技結果グラフを表示する遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記軸情報特定手段は、特定した前記第1軸遊技経過情報が予め設定される更新遊技経過情報分、更新されたか否かを判定することで、前記遊技結果グラフをスライドさせるためのスライド条件が成立したか否かを特定し、
前記表示手段は、前記軸情報特定手段により前記スライド条件の成立が特定される毎に、前記第1軸に表示される遊技経過情報の範囲を前記更新遊技経過情報分シフトさせると共に、これに伴って前記第1軸方向に沿って表示位置をずらすことにより前記遊技結果グラフをスライドさせる請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記遊技情報特定手段は、遊技機に対応して設けられた対価付与手段に対する対価の支払いに応じて付与された遊技価値の大きさを示す対価付与価値と、前記差引価値と、の合計値を示す前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定すると共に、前記対価付与手段による対価の支払いに応じて遊技価値が付与されたときに、その旨を特定可能であり、
前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態、及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフを折れ線グラフにより表示し、該遊技結果グラフにおいては、前記対価付与手段により対価の支払いに応じて遊技価値が付与された旨が特定されてから、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生するまで、の期間である対価発生期間における前記獲得価値の推移が直線で表される請求項1又は2に記載の遊技情報示装置。
【請求項4】
前記遊技情報特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生した時点の前記獲得価値である発生獲得価値を特定可能であり、
前記表示手段が表示する遊技結果グラフにおいては、前記対価発生期間における前記獲得価値が前記発生獲得価値を示すように当該獲得価値の推移が前記第1軸と平行な直線により表される請求項3に記載の遊技情報表示装置。
【請求項5】
前記遊技情報特定手段は、前記差引価値及び前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定し、
前記表示手段は、前記差引価値の推移を示す前記遊技結果グラフである差引価値グラフと、前記獲得価値の推移を示す前記遊技結果グラフである獲得価値グラフと、を重ねて表示する請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技情報表示装置。
【請求項6】
前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記遊技情報特定手段は、前記遊技状態特定手段により特定された前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生回数を区別して特定し、
前記軸情報特定手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記第1特別状態の発生に応じて初期化される特別状態間遊技経過情報を特定し、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフと共通の第1軸方向の幅で前記特別状態間遊技経過情報を示し、前記第2軸と平行をなす第3軸方向の幅で前記第1特別状態又は前記第2特別状態の発生回数を示す棒グラフを含む遊技経過情報グラフを表示する請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技情報表示装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記遊技経過情報グラフを表示する場合に、前記第2特別期間と、それ以外の期間と、を区別して表示する請求項6に記載の遊技情報表示装置。
【請求項1】
遊技に使用された遊技価値の大きさを示すアウトに対して、遊技中の入賞に応じて遊技者に付与された遊技価値の大きさを示すセーフの割合を示す遊技価値率が、通常状態とは異なる第1特別状態を発生させるための単位遊技を遊技価値を使用して実行する一方、前記遊技価値率が通常状態と異なる遊技状態であって、その発生条件が前記第1特別状態とは異なる第2特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を表示する遊技情報表示装置であって、
前記アウトと前記セーフとの差引を示す差引価値、及び遊技者が遊技を通じて獲得した遊技価値の大きさを示す獲得価値の少なくとも一方を示す遊技結果情報と、遊技による前記単位遊技の実行回数である単位遊技数、及び前記アウトの少なくとも一方を示す遊技経過情報と、を特定する遊技データ特定手段と、
前記遊技経過情報を第1軸に設定する一方、前記遊技結果情報を第2軸に設定して、前記遊技経過情報に対する前記遊技結果情報の推移を示す遊技結果グラフを表示する表示手段と、
前記第2特別状態下の遊技期間である第2特別期間及び通常状態下の遊技期間である通常期間とは区別して前記第1特別状態下の遊技期間である第1特別期間を特定可能な遊技状態特定手段と、
前記第1特別期間を除く前記第2特別期間及び前記通常期間において前記遊技データ特定手段により特定された遊技経過情報である第1軸遊技経過情報を特定する軸情報特定手段と、を備え、
前記表示手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記軸情報特定手段により特定された前記第1軸遊技経過情報を設定して前記遊技結果グラフを表示する遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記軸情報特定手段は、特定した前記第1軸遊技経過情報が予め設定される更新遊技経過情報分、更新されたか否かを判定することで、前記遊技結果グラフをスライドさせるためのスライド条件が成立したか否かを特定し、
前記表示手段は、前記軸情報特定手段により前記スライド条件の成立が特定される毎に、前記第1軸に表示される遊技経過情報の範囲を前記更新遊技経過情報分シフトさせると共に、これに伴って前記第1軸方向に沿って表示位置をずらすことにより前記遊技結果グラフをスライドさせる請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記遊技情報特定手段は、遊技機に対応して設けられた対価付与手段に対する対価の支払いに応じて付与された遊技価値の大きさを示す対価付与価値と、前記差引価値と、の合計値を示す前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定すると共に、前記対価付与手段による対価の支払いに応じて遊技価値が付与されたときに、その旨を特定可能であり、
前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態、及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフを折れ線グラフにより表示し、該遊技結果グラフにおいては、前記対価付与手段により対価の支払いに応じて遊技価値が付与された旨が特定されてから、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生するまで、の期間である対価発生期間における前記獲得価値の推移が直線で表される請求項1又は2に記載の遊技情報示装置。
【請求項4】
前記遊技情報特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のいずれかが発生した時点の前記獲得価値である発生獲得価値を特定可能であり、
前記表示手段が表示する遊技結果グラフにおいては、前記対価発生期間における前記獲得価値が前記発生獲得価値を示すように当該獲得価値の推移が前記第1軸と平行な直線により表される請求項3に記載の遊技情報表示装置。
【請求項5】
前記遊技情報特定手段は、前記差引価値及び前記獲得価値を前記遊技結果情報として特定し、
前記表示手段は、前記差引価値の推移を示す前記遊技結果グラフである差引価値グラフと、前記獲得価値の推移を示す前記遊技結果グラフである獲得価値グラフと、を重ねて表示する請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技情報表示装置。
【請求項6】
前記遊技状態特定手段は、前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生を特定可能であり、
前記遊技情報特定手段は、前記遊技状態特定手段により特定された前記第1特別状態及び前記第2特別状態の発生回数を区別して特定し、
前記軸情報特定手段は、前記第1軸に対応する遊技経過情報として、前記第1特別状態の発生に応じて初期化される特別状態間遊技経過情報を特定し、
前記表示手段は、前記遊技結果グラフと共通の第1軸方向の幅で前記特別状態間遊技経過情報を示し、前記第2軸と平行をなす第3軸方向の幅で前記第1特別状態又は前記第2特別状態の発生回数を示す棒グラフを含む遊技経過情報グラフを表示する請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技情報表示装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記遊技経過情報グラフを表示する場合に、前記第2特別期間と、それ以外の期間と、を区別して表示する請求項6に記載の遊技情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−205694(P2012−205694A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72648(P2011−72648)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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