遊技機
【課題】それまでの構成からの機構変更が不要であり、かつ余分な電子素子も必要とすることなく、不正遊技行為を有効に排除できる遊技機を提供する。
【解決手段】メダルの投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう主制御部50が制御動作を実行するスロットマシンSLである。メダルを検出するフォトインタラプタPHが、メダルの投入通路に沿って配置され、フォトインタラプタPHは、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光ダイオードとフォトトランジスタとで構成され、発光ダイオードは、主制御部50の制御動作に基づいて、適宜に点灯状態と消灯状態とに切換えられて動作している。
【解決手段】メダルの投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう主制御部50が制御動作を実行するスロットマシンSLである。メダルを検出するフォトインタラプタPHが、メダルの投入通路に沿って配置され、フォトインタラプタPHは、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光ダイオードとフォトトランジスタとで構成され、発光ダイオードは、主制御部50の制御動作に基づいて、適宜に点灯状態と消灯状態とに切換えられて動作している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ装置を内蔵する電子遊技機に関し、特に、遊技媒体としてメダルを用いる回胴遊技機に好適に適用される。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどの回胴遊技機では、遊技者がメダル投入口にメダルを投入してスタートレバーを操作すると、これに応じて、回転リールの回転が開始される。そして、遊技者がストップボタンを押して回転リールを停止させたとき、停止ライン上の図柄が揃うと、その図柄に応じた配当メダルが払い出されるようになっている。
【0003】
このようにスロットマシンでは、メダル投入を偽装するため、不正遊技者が違法器具を使用することがある。違法器具としては、例えば、板状部材の先端に発光ダイオードを配置したものが報告されており、このような板状部材をメダル投入口から挿入した状態で、発光ダーオードを適宜に点滅させることでメダル投入を偽装している。
【0004】
そこで、かかる不正遊技を確実に排除するため、各種の提案がされている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0005】
ここで、特許文献1に記載の発明は、反射型又は透過型の光センサにおいて、その光センサの発光部と受光部とを、メダル通路を挟んで互いに逆に配置することを特徴としている。不正遊技者がこのような光センサの配置に対抗するには、違法な板状部材の両面に発光ダイオードを配置するしかなく、そのような板状部材は、メダル投入口に挿入できないので違法行為を排除できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3649409号公報
【特許文献2】特許第3649728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電子素子の小型化に伴い、メダル投入口に挿入できる程度の発光体も選択可能であり、この場合には特許文献1の対策そのものが無力なものとなる。また、そもそも光センサの発光部と受光部とを、それまでとは逆に配置する必要があるので、その分だけ機器設計の変更を要するという煩雑さもある。
【0008】
一方、特許文献2の発明は、金属物体を検出可能な近接センサが別に必要となるので、余分なスペースを要すると共に、設計の変更も必要となるという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、それまでの構成からの機構変更が不要であり、かつ余分な電子素子も必要とすることなく、不正遊技行為を有効に排除できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、前記発光体は、前記中央制御部の制御動作に基づいて、適宜に点灯状態と消灯状態とに切換えられて動作している。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、前記発光体は、前記中央制御部から直流電圧を受ける第1端子と、前記中央制御部から駆動信号を受ける第2端子と、を備え、前記受光体は、前記中央制御部に対して出力信号を出力する第3端子と、前記中央制御部から基準電圧を受ける第4端子とを備え、前記駆動信号又は直流電圧は、時間的に変化するよう前記中央制御部で制御されている。
【0012】
請求項4に係る発明は、遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、遊技媒体の投入通路に沿って、遊技媒体を検出する第1と第2の検出装置が配置され、前記検出装置は夫々、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、前記中央制御部は、上流側と下流側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて遊技媒体の通過を検知する通常判定処理と、上流側と下流側の一方側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する一方、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて、遊技媒体の通過を検知する特殊判定処理とを、含んで動作している。
【0013】
上記各発明では、発光体の点灯状態と消灯状態とを適宜に切り換えるので、不正遊技者の不正器具ではこの動作を復元することが極めて困難となり、不正遊技を確実に排除できる。また、ハードウェア構成の追加や変更を伴うことなく実現できるという大きなメリットもある。更にまた、点灯状態と消灯状態との切り換えタイミングは、ソフトウェア的に自由に変更できるので、例えば、開発する機器毎にアルゴリズムを変更するなどによって、より確実に不正遊技を排除できる。なお、本発明において、「遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させる」とは、遊技媒体の擬似的投入も含む概念である。
【発明の効果】
【0014】
上記した本発明によれば、それまでの構成からの機構変更が不要であり、かつ余分な電子素子も必要とすることなく、不正遊技行為を有効に排除できる遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの右側面図と平面図である。
【図3】スロットマシンの前面パネルを背面から図示した図面である。
【図4】スロットマシンの本体ケースの内部正面図である。
【図5】メダル選別装置の正面図である。
【図6】メダル選別装置の平面図である。
【図7】メダル選別装置の背面図である。
【図8】メダル選別装置のメダル径判定部におけるメダル排出動作を説明する図面である。
【図9】メダル選別装置の投入メダル返却部における動作を説明する図面である。
【図10】図1のスロットマシンの回路構成を示すブロック図である。
【図11】主制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図12】メダル検出のための判定シーケンスを説明するタイムチャートである。
【図13】主制御部におけるメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図14】主制御部におけるタイマ割込みルーチンと電源効果割込みルーチンとを示すフローチャートである。
【図15】メダル検出のための検出処理を示すフローチャートである。
【図16】メダル投入を判定するための通常判定処理を示すフローチャートである。
【図17】図16の一部を詳細に示すフローチャートである。
【図18】メダル投入を判定するための第1特殊判定処理を示すフローチャートである。
【図19】メダル投入を判定するための第2特殊判定処理を示すフローチャートである。
【図20】メダル判定処理の第1変形例を示すフローチャートである。
【図21】メダル判定処理の第2変形例を示すフローチャートである。
【図22】メダル判定処理の第3変形例を示すフローチャートである。
【図23】メダル判定処理の第4変形例を示すフローチャートである。
【図24】メダル判定処理の第5変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1〜図4は、実施例に係るスロットマシンSLを図示したものである。本スロットマシンSLは、矩形箱状の本体ケース1と、各種の遊技部材を装着した前面パネル2とが、ヒンジ3を介して連結され、前面パネル2が本体ケース1に対して開閉可能に構成されている(図2)。そして、図1は前面パネル2の正面図、図2はスロットマシンSLの右側面図(a)と平面図(b)、図3は前面パネル2の背面図、図4は本体ケース1の内部正面図を示している。
【0017】
図4に示す通り、本体ケース1の略中央には、3つの回転リール4a〜4cを備える図柄回転ユニット4が配置され、その下側に、メダル払出装置5が配置されている。メダル払出装置5には、メダルを貯留するメダルホッパー5aと、払出モータMと、メダル払出制御基板55と、払出中継基板63と、払出センサ(不図示)などが設けられている。ここで、メダルは、払出モータMの回転に基づいて、払出口5bから図面手前に向けて導出される。なお、限界量を越えて貯留されたメダルは、オーバーフロー部5cを通して、補助タンク6に落下するよう構成されている。
【0018】
上記のメダル払出装置5に隣接して電源基板62が配置され、また、図柄回転ユニット4の上部に主制御基板50が配置され、主制御基板50に隣接して回胴設定基板54が配置されている。なお、図柄回転ユニット4の内部には、回胴LED中継基板58と回胴中継基板57とが設けられ、図柄回転ユニット4に隣接して外部集中端子板56が配置されている。
【0019】
図1に示すように、前面パネル2の上部には液晶表示ユニット7が配置され、その下部には、回転リール4a〜4cに対応する3つの表示窓8a〜8cが配置されている。そして、表示窓8aの左側には、遊技状態を示すLED群9が設けられ、その下方には、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部10や、クレジット状態のメダル数を表示する貯留数表示部11が設けられている。
【0020】
前面パネル2の中央には、メダルを投入するメダル投入口12が設けられ、これに隣接して、メダル投入口12に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン13が設けられている。また、クレジット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン14と、メダル投入口12へのメダル投入に代えてクレジット状態のメダルを擬似的に一枚投入する投入ボタン15と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン16とが設けられている。
【0021】
これらの遊技部材の下方には、回転リール4a〜4cの回転を開始させるスタートレバー17と、回転中の回転リール4a〜4cを停止させるためのストップボタン18a〜18cが設けられている。その他、前面パネル2の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿19と、払出装置5の払出口5bに連通するメダル導出口20とが設けられている。なお、メダル導出口20の左右にはスピーカSPが配置されている。
【0022】
図3に示すように、前面パネル3の裏側には、メダル投入口12に投入されたメダルの選別を行うメダル選別装置21と、メダル選別装置21により不適正と判別されたメダルをメダル導出口20に案内する返却通路22とが設けられている。また、前面パネル3の裏側上部には、演出制御基板51、演出インタフェイス基板52、及び液晶制御基板61などを収容する基板ケース23が配置されている。そして、メダル選別装置21の上部には、図1に示す各種の遊技部材と主制御基板50との間の信号を中継する遊技中継基板53が設けられている。
【0023】
図5〜図7は、メダル選別装置21をより詳細に図示したものであり、それぞれ、正面図(図5)、平面図(図6)、及び背面図(図7)を示している。このメダル選別装置21は、上流側から下流側に向けて横長に延びる裏板24と、裏板24に取付られた各部材によって構成されている。そして、機能的には、導入部21aと、メダル径判定部21bと、投入メダル返却部21cと、投入枚数判定部21dとで構成されている。導入部21aには、裏板24に向けて付勢されて、裏板24と協働してメダル案内路を実現するガイド板25が設けられている。
【0024】
メダル径判定部21bは、裏板24に開口させた矩形窓26と、ガイド板25と一体的に回動可能な当接板27と、裏板24に取り付けられてメダル案内路の一部となる上部ガイド溝(不図示)などで構成されている。そして、正規のメダル径より小径のメダルは、矩形窓26から落下する。一方、正規のメダル径より大径のメダルは、上部ガイド溝に侵入することができないために、導入部21aに止まることになる。
【0025】
このような場合、遊技者が返却ボタン13を押すことになるが、返却ボタン13の押下に対応して返却バー28が降下すると、伝達バー29が、図7の時計方向に回動して、伝達バー29の先端29aが、当接板27を回動させることになる。ここで、当接板27は、ガイド板25と一体的に回動するので、メダル案内路は幅方向に開放されることになり、そこに止まって詰まっているメダルは、矩形窓26に進入した当接板27によって確実に排出される(図8(b)参照)。
【0026】
投入メダル返却部21cは、断面略L字状の落下防止板30と、落下防止板30を吸着するソレノイド31とを中心に構成されている。回転リール4a〜4cが回転中であるなど、メダルの投入が禁止されるタイミングでは、ソレノイド31をOFF状態に制御してメダル案内路の下方を開放状態にする。その結果、誤って投入されたメダルは、返却通路22に落下して遊技者に返却されることになる(図9(b))。一方、メダル投入可能なタイミングでは、ソレノイド31をON状態に制御してメダル案内路の下方を閉塞状態にする。したがって、この場合には、投入されたメダルは、正しく、投入枚数判定部21dに誘導される。
【0027】
投入枚数判定部21dは、メダルの移動方向に連続して設けられた2つのフォトインタラプタPH1、PH2を中心に構成されている。フォトインタラプタPHは、検査光を発光する発光ダイオードと、検査光を受けるフォトトランジスタとで構成されている。そして、検査光が通過するメダルによって遮断されるので、その遮断回数をカウントすることで、投入されたメダルの枚数を把握するようにしている。
【0028】
図10は、実施例に係るスロットマシンSLの回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このスロットマシンSLは、回転リール4a〜4cを含む各種の遊技部材の動作を制御する主制御基板50と、主制御基板50から受けた制御コマンドに基づいて演出動作を実現する演出制御基板51と、交流電圧(24V)を直流電圧(5V,12V,24V)に変換して装置各部に供給する電源基板62とを中心に構成されている。
【0029】
主制御基板50は、演出制御基板51に対して、スピーカSPによる音声演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、及び、液晶表示ユニット7による図柄演出を実現するための制御コマンドを出力している。そして、演出制御基板51は、演出インタフェイス基板52を通して、液晶制御基板61に接続されており、液晶制御基板61は、液晶表示(LCD)ユニット7における図柄演出を実現している。
【0030】
演出制御基板51は、演出インタフェイス基板52と共に、LED基板59やインバータ基板60や回胴LEDドライブ基板58を経由して、各種のLEDや冷陰極線管放電管におけるランプ演出を実現している。また、演出制御基板51は、演出インタフェイス基板52を通してスピーカSPを駆動して音声演出を実現している。
【0031】
主制御基板50は、遊技中継基板53を通して、スロットマシンの各種遊技部材に接続されている。具体的には、スタートレバー17の始動スイッチ、ストップボタン18a〜18cの停止スイッチ、投入ボタン15,16の投入スイッチ、清算ボタン14の清算スイッチ、投入枚数判定部21dを構成するフォトインタラプタPH1,PH2、投入メダル返却部21cを構成するブロッカーソレノイド31、及び、各種LED素子9〜11などに接続されている。
【0032】
また、主制御基板50は、回胴中継基板57を経由して、回転リール4a〜4cを回転させる3つのステッピングモータ、及び、回転リール4a〜4cの基準位置を検出するためのインデックスセンサに接続されている。そして、ステッピングモータを駆動又は停止させることによって、回転リール4a〜4cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。
【0033】
主制御基板50は、払出中継基板63を通してメダル払出装置5にも接続されている。メダル払出装置5には、メダル払出制御基板55と、メダル払出センサと、払出モータMとが設けられており、メダル払出制御基板55は、主制御基板50からの制御コマンドに基づいて払出モータMを回転させて、所定量のメダルを払出している。
【0034】
その他、主制御基板50は、外部集中端子板56と、回胴設定基板54にも接続されている。外部集中端子板56は、例えばホールコンピュータHCに接続されており、主制御基板50は、外部集中端子板56を通して、メダルの投入枚数やメダルの払出枚数などを出力している。また、回胴設定基板54は、係員が設定した確率的なメダル払出枚数の設定値を示す設定キー信号などを出力している。
【0035】
図11は、主制御基板50の回路構成を図示したものであり、合わせて、主制御基板50と、フォトインタラプタPHとの特徴的な接続関係を示している。なお、フォトインタラプタPHは、メダル選別装置50の投入枚数判定部21d(図5〜図7)を構成する主要素子である。
【0036】
図示の通り、主制御基板50は、ワンチップマイコン64と、8bitパラレルデータを入出力するI/Oポート回路65と、ハードウェア的に乱数値を生成するカウンタ回路66と、演出制御基板51などの外部基板とのインタフェイス回路とを中心に構成されている。ここで、ワンチップマイコン64は、Z80相当品のCPUコア64a、ROM、RAMなどの他に、CTC(Counter/Timer Circuit)64bや、割込みコントローラ64cなどを内蔵している。
【0037】
CTC64bは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、Z80システムに、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで、本実施例では、CTC64bを利用して、Z80CPU64aに1.5mS程度の時間間隔でタイマ割込み(図14(a))をかけている。
【0038】
インタフェイス回路としては、電源回路とのインタフェイス回路67、遊技中継基板53とのインタフェイス回路68と、回胴モータ駆動回路69と、演出制御基板と51のインタフェイス回路70などが設けられている。そして、電源降下時には、インタフェイス回路67を通して、Z80CPU64aに電圧降下割込み(図14(b))をかけている。なお、回胴モータ駆動回路69は、回転リール4a〜4cのステッピングモータの駆動信号を生成する回路であり、インタフェイス回路70は、演出制御基板51に制御コマンドを出力するための8ビットパラレルポートである。
【0039】
図11は、メダル選別装置50の投入枚数判定部21dと、遊技中継基板53との接続関係も示している。図示の通り、投入枚数判定部21dは、2つのフォトインタラプタPHa,PHbと、電流制限抵抗R1,R2とで構成されている。そして、フォトインタラプタPHa,PHbは、発光ダイオードとフォトトランジスタとで構成されている。なお、発光ダイオードとフォトトランジスタとの間を、メダルが通過するよう構成されているのは、先に説明した通りである。
【0040】
発光ダイオードのアノード端子に接続された電流制限抵抗R1,R2には、共通して電源電圧Vccが供給されている。一方、発光ダイオードのカソード端子には、主制御基板50から駆動制御信号DR1,DR2がそれぞれ供給されている。したがって、駆動制御信号DR1,DR2がLレベルの場合だけ発光ダイオードが点灯することになる。
【0041】
また、フォトトランジスタの出力信号S1,S2を出力するコレクタ端子は、主制御基板50の入力回路にそれぞれ接続されている。一方、フォトトランジスタのエミッタ端子は、共通してグランド線に接続されている。そのため、駆動制御信号DR1がLレベルの状態で、メダルがフォトインタラプタPHaの位置を通過すると、通過時だけHレベルとなる出力信号S1が主制御基板50に供給される。同様に、駆動制御信号DR2がLレベルの状態で、メダルがフォトインタラプタPHbの位置を通過すると、通過時だけHレベルとなる出力信号S2が主制御基板50に供給される。但し、駆動制御信号DR1(DR2)がHレベルであると、メダルの通過に拘わらず、主制御基板50にHレベルの出力信号S1(S2)が供給される。
【0042】
本実施例では、発光ダイオードのカソード端子に、駆動制御信号DR1,DR2を供給して、発光ダイオードの点灯又は消灯を適宜に制御する点に大きな特徴がある。そして、不正遊技者による違法なメダル投入動作を排除するべく独特の制御をしている。すなわち、この実施例の投入枚数判定部21dは、主制御基板50(以下、回路及びプログラムを総称して主制御部50という)からの制御に基づいて、通常判定シーケンスSEQ0、第1の特殊判定シーケンスSEQ1、第2の特殊判定シーケンスSEQ2の何れかで動作している。なお、この3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2は、時間的に適宜に切り換えられて実行されている。
【0043】
図12は、3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2を説明するタイムチャートである。図12(a)は、通常判定シーケンスSEQ0を示すタイムチャートであり、投入されたメダルが投入枚数判定部21dを通過すると、上流側の検出信号S1が先ず検出され、やや遅れて下流側の検出信号S2が検出されることが示されている。
【0044】
そこで、主制御部50は、通常判定シーケンスSEQ0では、区間Taにおいて、検出信号S1,S2が同時にHレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=Lの状態で検出信号S2=Hとなった場合もエラーと判定している。次に、区間Tbにおいて、検出信号S1がLレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=H、検出信号S2=Lの状態が100mS以上継続した場合もエラーと判定している。
【0045】
区間Tcでは、検出信号S2がLレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=H、検出信号S2=Hの状態が100mS以上継続した場合もエラーと判定している。区間Tdでは、検出信号S1がHレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=L、検出信号S2=Hの状態が100mS以上継続した場合もエラーと判定している。
【0046】
一方、第1の特殊判定シーケンスSEQ1では、主制御部50は、発光ダイオードのカソード端子に供給する駆動制御信号DR2を、常時、Hレベルに制御している。そのため、検出信号S2は常にHレベルとなるので、例えば、不正遊技者が図12(a)のような検出信号を不正に生成した場合には、検出信号S2がLレベルとなった瞬間に、その不正行為を検出できることになる。
【0047】
また、第2の特殊判定シーケンスSEQ2では、主制御部50は、発光ダイオードのカソード端子に供給する駆動制御信号DR1を常時Hレベルに制御している。そのため、検出信号S1は常にHレベルとなるので、例えば、不正遊技者が図12(a)のような検出信号を不正に生成した場合には、検出信号S1がLレベルとなった瞬間に、その不正行為を検出できることになる。そこで、このスロットマシンSLでは、3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2を、時間的に適宜に切り換えることによって、不正行為を確実に検出するようにしている。
【0048】
図13〜図14は、主制御部50が実行する制御プログラムを説明するフローチャートである。主制御部50の制御プログラムは、電源投入時に開始されるメイン処理(図13)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(図14(a))と、電源降下時に電源基板62からの割込み信号INTで起動される電圧降下割込み処理(図14(b))とで構成されている。ここで、タイマ割込み、及び電圧降下割込みは、共にマスク可能な割込みであり(maskable interrupt)、本実施例ではNMI(non-maskable interrupt)を使用していない。
【0049】
先ず、図13のメイン処理から説明すると、電源が投入されると初期処理(ST1)の後、RAMのワークエリアをクリアする(ST2)。次に、満杯検知用金具のON/OFF状態を監視し、満杯状態であればエラー処理を行う(ST3)。満杯検知用金具は、補助タンク6に設けられた一対の導通センサFL1,FL2であり、これらがメダルによって導通されているか否かで満杯状態を検出している。
【0050】
次に、メダル投入口12から実際に投入されたメダル、及び、投入ボタン15、16の押下によって擬似的に投入されたメダルについてのメダル投入処理を行う(ST4)。具体的には、投入されたメダルの検出処理や、メダル枚数を判定する処理を含むが、メダル検出処理の詳細については後述する。
【0051】
メダル投入処理(ST4)の後、カウンタ回路66のカウンタ値に基づいて乱数値を抽出し(ST5)、今回のゲームの当否を決定するため、乱数値に基づいた抽選処理を行う(ST6)。抽選処理で決定される当選状態には、例えば、最高価値のBB(ビッグボーナス)当り、次に価値の高いRB(レギュラーボーナス)当り、2〜15枚程度の配当メダルが払出されるフルーツ図柄当り、再ゲームが可能なリプレイゲーム当りなどが設けられている。
【0052】
次に、回転リール4a〜4cを回転させるための準備作業を行い、タイマ割込みによる回転リール4a〜4cの回転を可能にし(ST7)、その後、ストップボタン18a〜18cが押されたら、対応する回転リール4a〜4cを停止させる回胴停止処理を行う(ST8)。そして、全ての回転リールが停止したら、有効な停止ライン上に、当選図柄が揃ったか否かが判定され(ST9)、必要数のメダルが払出される(ST10)。
【0053】
そして、リプレイ図柄が揃っているか否か判定され(ST11)、リプレイ図柄が揃っている場合には、再遊技動作の開始処理(ST12)を実行した後、ステップST2に移行する。リプレイ図柄が揃っていない場合には、RB図柄が揃っているか否か判定され、RB図柄が揃っている場合には、レギュラーボーナスの開始処理(ST14)を実行した後、ステップST2に移行する。また、現在がレギュラーボーナスゲーム中であるか否か判定され(ST15)、レギュラーボーナスゲーム中であれば必要な処理(ST16)を実行した後、ステップST2に移行する。
【0054】
一方、ステップST15の判定がNOの場合には、BB図柄が揃っているか否か判定され(ST17)、BB図柄が揃っている場合には、ビッグボーナスの開始処理(ST18)を実行した後、ステップST2に移行する。また、現在がビッグボーナスゲーム中であるか否か判定され(ST19)、NOであれば何もしないでステップST2に移行する。一方、ビッグボーナスゲーム中であれば、ビッグボーナスゲームに必要な処理(ST20)を実行した後、ビッグボーナスゲームの終了条件を満たすか否か判定される(ST21)。そして、判定結果がNOの場合には、何もしないでステップST2に移行するが、判定結果がYESの場合には、BBゲーム中に使用したRAMエリアも含めワークエリアをクリアしてステップST2に移行する。
【0055】
続いて、図14(a)に示すタイマ割込み処理について説明する。なお、このタイマ割込み処理は、ワンチップマイコン64内部のCTCからのマスク可能な割込み信号に基づいて、1.5mS程度の時間間隔で起動される。
【0056】
タイマ割込みがかかると、CPUのレジスタを退避した後(ST30)、ポート入力処理を行う(ST31)。ポート入力処理では、始動スイッチ、停止スイッチ、貯留メダルスイッチ、清算スイッチ、ドアスイッチなど、スロットマシンに配置された全てのスイッチからの信号が、I/Oポート回路65を通して入力される。また、ポート入力処理では、フォトインタラプタPH1、PH2からの検出信号S1,S2も、I/Oポート回路65を通して入力される。
【0057】
次に、3つの回転リール4a〜4cの現在位置を常に把握するために、回胴回転制御処理が実行される(ST32)。主制御部50は、インデックセンサからの入力信号の入力タイミングと、その後、ステッピングモータに供給する駆動パルスの個数によって、各回転リール4a〜4cの現在位置を把握することができる。なお、回胴回転制御処理(ST32)では、回転リール4a〜4cの起動処理や停止処理も実施しており、例えば、停止状態から定速回転まで、段階的に回転リールを加速させる駆動信号も生成している。
【0058】
回胴回転制御処理(ST32)が終われば、定期更新処理を実行する(ST33)。定時更新処理とは、ワンチップマイコンに内蔵されているウォッチドッグタイマを定期的にクリアする処理である。プログラムが暴走するなどして、この定時更新処理が実行されないと、ウォッチドッグタイマが限界値までカウントアップされて、CPUコア64aが自動的にリセットされてプログラム暴走状態から復帰することになる。
【0059】
次に、演出制御部51に対して制御コマンドの1バイト分を出力する(ST34)。1つの制御コマンドは2バイト長であるので、連続する二回のタイマ割込みで1つの制御コマンドを送信することになる。なお、制御コマンドは、主制御部50の遊技状態を示すもので、スタートレバー17やストップボタン18a〜18cが操作されたことも含んだ遊技状態が、制御コマンドによって演出制御部51に通知される。これのような制御コマンドを受けた演出制御部51ではLEDランプを点灯させたり、効果音を発生させるべく制御動作を実行する。
【0060】
次に、メダル情報出力処理を実行して、外部集中端子板56に対して、例えば、各々1ビット信号であるメダル投入信号やメダル払出信号を出力する(ST35)。このメダル投入信号や払出信号によって、ホールコンピュータHCは、各スロットマシンSLの投入されたメダル数や、各スロットマシンSLから払出されたメダル数を把握することができる。また、主制御部50は、各LEDランプ群を駆動するための駆動データを、遊技中継基板53や回胴中継基板57に対して出力する(ST36)。その後、退避しておいたレジスタを復帰させた後(ST37)、CPUを割込み許可状態に設定して割込み処理を終える(ST38)。
【0061】
続いて、図14(b)に基づいて、電圧降下時の割込み処理を説明する。なお、このスロットマシンSLでは、遊技状態を示す各データを一時的に保存するRAMのワークエリアは、電池でバックアップされており、電源電圧の降下に係わらず、少なくとも数日は記憶内容が保護されるようになっている。また、電源基板62には電圧検出遅延IC(M51957BL)が搭載されており、電源電圧が所定値を下回ると、主制御部50に、異常信号ALMが供給され、CPUコア64aに割込みがかかるようになっている。また、この異常信号ALMは、I/Oポート回路65を通してCPUコア64aに入力可能に構成されている(図11参照)。
【0062】
したがって、電圧降下割込みでは、最初に異常信号ALMをI/Oポート回路65から入力して、そのレベルを確認する(ST40)。これはノイズなどによる異常割込みを排除するためであり、もし取得した異常信号ALMが電圧降下を意味しない正常値ならそのまま割込み処理を終える(ST41)。
【0063】
逆に、異常信号ALMが電圧降下を意味する異常値なら、レジスタを退避した後(ST42)、スタックポインタを退避する(ST43)。次に、電池でバックアップされるワークエリアに、所定の8ビットデータ(電源断キーワード)を格納する(ST44)。これは、電源遮断時にレジスタ類が正しくスタック領域に格納されたことを意味するデータであり、言い換えると、電源が復旧した際に、ステップST42,43でPUSH処理したデータをPOP処理して良いことを意味するデータである。
【0064】
以上の処理が終われば、RAMをアクセス不能に設定すると共に(ST45)、出力ポートをOFF状態に設定して(ST46)、その後は無限ループ処理に突入する。通常は、その後電源電圧が更に降下して、主制御部50は動作不能となる。但し、その後、電源が復旧すると、主制御部50は、電源断キーワードを確認した後、退避処理(ST42,ST43)したレジスタを復帰することで遊技状態を復元することが可能となる。なお、ワークエリアのデータが、数日以上バックアップされていることは前述した通りである。
【0065】
図15〜図19は、メダル投入処理(図13のST4)のうち、実際にメダルが投入された場合に、そのメダル枚数を1枚カウントするに先立って実行されるメダル検出処理を示すプログラムである。すなわち、図15は、メダル検出処理を示しており、図16及び図17は、通常判定シーケンスSEQ0、図18は、第1の特殊判定シーケンスSEQ1、図19は第2の特殊判定シーケンスSEQ2を示している。
【0066】
図15に示すように、メダル検出処理では、メダル1枚をカウントするに先立って、カウンタCTを毎回インクリメントし(ST50)、カウンタCT値が1であれば、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST52)。なお、通常判定シーケンスSEQ0では、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1と、Lレベルの駆動制御信号DR2を出力している(図16のST55参照)
一方、カウンタCT値が2であれば、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行する(ST53)。第1特殊判定シーケンスSEQ1では、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1とHレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(図18のST88参照)、検出信号S2は常にHレベルとなる。
【0067】
また、カウンタCT値が3であれば、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行している(ST54)。第2特殊判定シーケンスSEQ2では、最初に、Hレベルの駆動制御信号DR1とLレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(図19のST109参照)、検出信号S1は常にHレベルとなる。以上の通り、本実施例では、SEQ0→SEQ1→SEQ2→SEQ0の処理が繰り返されるので、不正遊技者が発生させた不正な検出信号を検出することが可能となる。
【0068】
図16は、通常判定シーケンスSEQ0の処理内容を示すフローチャートであり、各サブルーチン処理(SUB01〜SUB04)は、1枚のメダルを検出する際の区間Ta〜Tdにおけるメダル検出処理を意味している。各メダル検出処理(SUB01〜SUB04)では、正常にメダルが検出されるとANS=0となり、異常が検出されるとANS=−1となるよう処理されている。そのため、何れかのサブルーチンでANS=−1となれば、不正遊技の可能性があるので、それに応じたエラー処理(NG)を実行することになる。
【0069】
図17は、区間Ta〜Tdにおけるメダル検出処理(SUB01〜SUB04)の具体的内容を示すフローチャートである。なお、この実施例では、検出信号S1,S2がHレベルとなると、メダルが検出されたON状態を意味している。また、検出信号S1,S2の値は、タイマ割込み(図14のST31)において、定期的にフォトインタラプタPH1、PH2から所得され、ワークエリアのS1,S2番地に格納されている。
【0070】
図17(a)に示すように、区間Taにおいて、検出信号S2=Hとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST64,ST65)。一方、検出信号S2=L、検出信号S1=Lの状態を続けた後(ST64,ST66)、検出信号S2がHレベルに立ち上がると、メダルが上流側センサに達したことを意味するのでANS=0として処理を終える(ST67)。
【0071】
次に、区間Tbにおけるサブルーチン処理SUB02に移行するが(図16参照)、初期状態ではタイマ変数Tは0にリセットされている。区間Tbでは、検出信号S1=Lとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST68,ST73)。また、検出信号S1=H、検出信号S2=Lの状態が、所定時間(例えば100mS)以上持続された場合も、ANS=−1として処理を終える(ST68,ST69,ST71〜73)。一方、検出信号S1=Hの状態で(ST68)、検出信号S2がHレベルに立ち上がると、メダルが下流側センサに達してことを意味するのでANS=0として処理を終える(ST70)。
【0072】
続いて、区間Tcにおけるサブルーチン処理SUB03に移行するが、ここでは、検出信号S2=Lとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST75,ST80)。また、検出信号S2=H、検出信号S1=Hの状態が、所定時間以上持続された場合も、ANS=−1として処理を終える(ST75,ST76,ST78〜80)。一方、検出信号S2=Hの状態で(ST68)、検出信号S1がLレベルに立ち下がると、メダルが上流側センサを通過し終わったことを意味するので、ANS=0として処理を終える(ST77)。
【0073】
次に、区間Tdにおけるサブルーチン処理SUB04に移行するが、ここでは、検出信号S1=Hとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST82,ST87)。また、検出信号S1=L、検出信号S2=Hの状態が、所定時間以上持続された場合も、ANS=−1として処理を終える(ST82,ST83,ST85〜87)。一方、検出信号S1=Lの状態で(ST82)、検出信号S2がLレベルに立ち下がると、メダルが下流側センサを通過し終わったことを意味するので、ANS=0として処理を終える(ST84)。
【0074】
図18は、駆動制御信号DR1=L、DR2=Hの状態で実行される第1特殊判定シーケンスSEQ1(図18(a))、及びそのサブルーチン(図18(b)(c))を示すフローチャートである。
【0075】
第1特殊判定シーケンスSEQ1では、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1とHレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(ST88)、本来、検出信号S2は常にHレベルとなる筈である。そこで、検出信号S1の立ち上がりを検出するサブルーチンSUB11と、検出信号S1の立ち下がりを検出するサブルーチンSUB12とで構成されている。そして、検出信号S2がLレベルとなったり(ST93+ST94、又はST97+ST102)、或いは、S2=S1=Hレベルの状態が、所定時間以上経過するとANS=−1としてエラー判定している(ST97〜98、ST100〜ST102)。
【0076】
図19は、駆動制御信号DR1=H、DR2=Lの状態で実行される第2特殊判定シーケンスSEQ2(図19(a))、及びそのサブルーチン(図19(b)(c))を示すフローチャートである。
【0077】
第2特殊判定シーケンスSEQ2では、最初に、Hレベルの駆動制御信号DR1とLレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(ST109)、本来、検出信号S1は常にHレベルとなる筈である。そこで、検出信号S2の立ち上がりを検出するサブルーチンSUB21と、検出信号S2の立ち下がりを検出するサブルーチンSUB22とで構成されている。そして、検出信号S1がLレベルとなったり(ST114+ST115、又はST118+ST123)、或いは、S1=S2=Hレベルの状態が、所定時間以上経過するとANS=−1としてエラー判定している(ST118〜119、ST121〜ST123)。
【0078】
以上、図15〜図19では、メダル投入の判定方法をSEQ0→SEQ1→SEQ2→SEQ0の順番に、時間順次に切り換える方法を説明した。しかし、不正遊技を確実に排除する趣旨からは、判定方法を不規則に変更するのも好適であり、例えば、図20のように実現される。
【0079】
図20に示す通り、この場合には、メダル投入処理(ST4)において、1枚のメダル検出を開始する毎に、1≦R≦3の範囲の整数値である乱数値Rを取得する(ST131)。そして、乱数値R=1であれば、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1と、Lレベルの駆動制御信号DR2を出力する、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST133)。
【0080】
一方、乱数値R=2であれば、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1とHレベルの駆動制御信号DR2を出力する、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行する(ST134)。また、乱数値R=3であれば、最初に、Hレベルの駆動制御信号DR1とLレベルの駆動制御信号DR2を出力する、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行し(ST135)、乱数値Rを1に設定する(ST136)。なお、ここでR=1に設定されたことから、次に投入されたメダルは、通常判定シーケンスSEQ0で処理されることになる(ST133)。
【0081】
図21は、更に別の実施例を示すフローチャートである。ここでは、メダルが投入される毎に、カウンタCTをインクリメントし、その値をAレジスタに移動した後、その最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動させる(ST137〜138)。したがって、カウンタCTの値が偶数ならCY=0となり、奇数ならCY=1となる。そこで、カウンタCTの値が偶数であった場合には、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST140)。
【0082】
一方、カウンタCTの値が偶数であった場合には、その段階のAレジスタの最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動させる(ST141)。そして、CY=0であれば、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行し(ST143)、CY=1であれば、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行する(ST144)。
【0083】
この実施例によれば、SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2→SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2→SEQ0のように、通常判定シーケンスSEQ0を中心として、第1と第2の特殊判定シーケンスSEQ1,SEQ2を、適宜に混入させることができる。
【0084】
図22は、更に別の実施例を示すフローチャートである。この実施例でも、メダルが投入される毎に、カウンタCTをインクリメントし、その値をAレジスタに移動した後、その最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動させる(ST145〜146)。そして、CY=0となり、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST148)。
【0085】
一方、CY=1であれば、第1補助変数AUXをインクリメントし(ST149)、その後の値が限界値Nに一致するか否かを判定する(ST150)。そして、第1補助変数AUXが限界値Nに一致すれば、第1補助変数AUXをクリアすると共に、第2補助変数EXをインクリメントする(ST151)。なお、第2補助変数EXをクリアされることなくインクリメント処理されるので、偶数値と奇数値とを繰り返すことになる。
【0086】
そこで、第2補助変数EXの最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動して、第2補助変数EXが偶数(CY=0)であれば、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行し(ST154)、第2補助変数EXが奇数(CY=1)であれば、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行する(ST155)。
【0087】
この実施例によれば、例えば限界値Nを2とした場合に、SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2→SEQ0→SEQ2→SEQ0のように、通常判定シーケンスSEQ0を中心として、第1と第2の特殊判定シーケンスSEQ1,SEQ2を、N回続ける変則的な処理を実現することができる。
【0088】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定する趣旨ではなく、適宜に変更可能である。例えば、実施例では、発光ダイオードとフォトトランジスタとがメダル通路を隔てて対面して配置される透過型センサを使用したが、何らこれに限定されない。すなわち、発光ダイオードとフォトトランジスタとが、メダル投入通路を隔てることなく、隣接して配置される反射型センサであっても良い。
【0089】
また、上記の実施例では、メダル1枚毎に、例えば、SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2のようにフォトインタラプタの動作状態を推移させるために、各発光ダイオードの動作状態(点灯/消灯)を切り換ることになる。そのため推移した動作状態が安定してからメダル検出処理を開始するのが好ましく、そのため、図16、図18、図19に破線で示すように、駆動制御信号DR1,DR2を出力した後、所定時間だけソフトウェア的に時間を消費するのが好ましい。
【0090】
また、本実施例では、通常判定シーケンスと特殊判定シーケンスとは、規則的な手順だけでなく、変則的な手順でも、その何れかが選択される。但し、後者の場合、必ずしも、図20のように、3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2を当確率で選択する必要はない。
【0091】
例えば、図22のように、1〜10の乱数値Rを当確率で発生させ、乱数値Rが1〜8の場合には、通常判定シーケンスSEQ0を選択し、乱数値R=9の場合には、殊判定シーケンスSEQ1を選択し、乱数値R=10の場合には、特殊判定シーケンスSEQ2を選択するのも好適である。このような場合には、4/5の確率で通常判定シーケンスが選択され、それぞれ1/10の確率で、特殊判定シーケンスSEQ1と特殊判定シーケンスSEQ2とが例外的に選択される。
【0092】
なお、第2変形例及び第3変形例では、普通判定シーケンスSEQ0が一回しか継続されていないので、例えば、メダルを糸などに吊り下げて、メダルを下流側から上流側に戻した場合に、その不正行為を検出できない可能性も否定できない。そこで、第2変形例及び第3変形例では、普通判定シーケンスSEQ0を複数回連続させると更に効果が高まる。
【0093】
更にまた、普通判定シーケンスSEQ0の繰り返し回数を規定する変数N(N>3)と、特別判定シーケンスSEQ1,SEQ2を選択する変数R(R=1/0)とを設け、これらの値を乱数抽選によって決定するのも好適である。図24は、この第5変形例を示すフローチャートであり、カウンタ変数CTが0〜N−1の間は普通判定シーケンスSEQ0を実行し(ST170〜172)、CT=Nとなると、変数Rの値に基づいて、特別判定シーケンスSEQ1,SEQ2の何れかを実行している(ST173〜177)。
【0094】
以上、メダル判定処理について、5つの変形例を含んだ6種類の実施例を例示したが、一つの遊技機に、複数種類のメダル判定処理を用意しておくのも好適である。このような場合には、各回又は複数回のゲーム毎か、或いは電源投入毎に、何れのメダル判定処理を使用するかを、乱数抽選によって決定すれば良い。
【符号の説明】
【0095】
SL 遊技機(スロットマシン)
PH 検出装置(フォトインタラプタ)
50 中央制御部(主制御部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ装置を内蔵する電子遊技機に関し、特に、遊技媒体としてメダルを用いる回胴遊技機に好適に適用される。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどの回胴遊技機では、遊技者がメダル投入口にメダルを投入してスタートレバーを操作すると、これに応じて、回転リールの回転が開始される。そして、遊技者がストップボタンを押して回転リールを停止させたとき、停止ライン上の図柄が揃うと、その図柄に応じた配当メダルが払い出されるようになっている。
【0003】
このようにスロットマシンでは、メダル投入を偽装するため、不正遊技者が違法器具を使用することがある。違法器具としては、例えば、板状部材の先端に発光ダイオードを配置したものが報告されており、このような板状部材をメダル投入口から挿入した状態で、発光ダーオードを適宜に点滅させることでメダル投入を偽装している。
【0004】
そこで、かかる不正遊技を確実に排除するため、各種の提案がされている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【0005】
ここで、特許文献1に記載の発明は、反射型又は透過型の光センサにおいて、その光センサの発光部と受光部とを、メダル通路を挟んで互いに逆に配置することを特徴としている。不正遊技者がこのような光センサの配置に対抗するには、違法な板状部材の両面に発光ダイオードを配置するしかなく、そのような板状部材は、メダル投入口に挿入できないので違法行為を排除できるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3649409号公報
【特許文献2】特許第3649728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電子素子の小型化に伴い、メダル投入口に挿入できる程度の発光体も選択可能であり、この場合には特許文献1の対策そのものが無力なものとなる。また、そもそも光センサの発光部と受光部とを、それまでとは逆に配置する必要があるので、その分だけ機器設計の変更を要するという煩雑さもある。
【0008】
一方、特許文献2の発明は、金属物体を検出可能な近接センサが別に必要となるので、余分なスペースを要すると共に、設計の変更も必要となるという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、それまでの構成からの機構変更が不要であり、かつ余分な電子素子も必要とすることなく、不正遊技行為を有効に排除できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、前記発光体は、前記中央制御部の制御動作に基づいて、適宜に点灯状態と消灯状態とに切換えられて動作している。
【0011】
また、請求項2に係る発明は、遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、前記発光体は、前記中央制御部から直流電圧を受ける第1端子と、前記中央制御部から駆動信号を受ける第2端子と、を備え、前記受光体は、前記中央制御部に対して出力信号を出力する第3端子と、前記中央制御部から基準電圧を受ける第4端子とを備え、前記駆動信号又は直流電圧は、時間的に変化するよう前記中央制御部で制御されている。
【0012】
請求項4に係る発明は、遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、遊技媒体の投入通路に沿って、遊技媒体を検出する第1と第2の検出装置が配置され、前記検出装置は夫々、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、前記中央制御部は、上流側と下流側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて遊技媒体の通過を検知する通常判定処理と、上流側と下流側の一方側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する一方、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて、遊技媒体の通過を検知する特殊判定処理とを、含んで動作している。
【0013】
上記各発明では、発光体の点灯状態と消灯状態とを適宜に切り換えるので、不正遊技者の不正器具ではこの動作を復元することが極めて困難となり、不正遊技を確実に排除できる。また、ハードウェア構成の追加や変更を伴うことなく実現できるという大きなメリットもある。更にまた、点灯状態と消灯状態との切り換えタイミングは、ソフトウェア的に自由に変更できるので、例えば、開発する機器毎にアルゴリズムを変更するなどによって、より確実に不正遊技を排除できる。なお、本発明において、「遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させる」とは、遊技媒体の擬似的投入も含む概念である。
【発明の効果】
【0014】
上記した本発明によれば、それまでの構成からの機構変更が不要であり、かつ余分な電子素子も必要とすることなく、不正遊技行為を有効に排除できる遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの右側面図と平面図である。
【図3】スロットマシンの前面パネルを背面から図示した図面である。
【図4】スロットマシンの本体ケースの内部正面図である。
【図5】メダル選別装置の正面図である。
【図6】メダル選別装置の平面図である。
【図7】メダル選別装置の背面図である。
【図8】メダル選別装置のメダル径判定部におけるメダル排出動作を説明する図面である。
【図9】メダル選別装置の投入メダル返却部における動作を説明する図面である。
【図10】図1のスロットマシンの回路構成を示すブロック図である。
【図11】主制御基板の回路構成を示すブロック図である。
【図12】メダル検出のための判定シーケンスを説明するタイムチャートである。
【図13】主制御部におけるメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図14】主制御部におけるタイマ割込みルーチンと電源効果割込みルーチンとを示すフローチャートである。
【図15】メダル検出のための検出処理を示すフローチャートである。
【図16】メダル投入を判定するための通常判定処理を示すフローチャートである。
【図17】図16の一部を詳細に示すフローチャートである。
【図18】メダル投入を判定するための第1特殊判定処理を示すフローチャートである。
【図19】メダル投入を判定するための第2特殊判定処理を示すフローチャートである。
【図20】メダル判定処理の第1変形例を示すフローチャートである。
【図21】メダル判定処理の第2変形例を示すフローチャートである。
【図22】メダル判定処理の第3変形例を示すフローチャートである。
【図23】メダル判定処理の第4変形例を示すフローチャートである。
【図24】メダル判定処理の第5変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1〜図4は、実施例に係るスロットマシンSLを図示したものである。本スロットマシンSLは、矩形箱状の本体ケース1と、各種の遊技部材を装着した前面パネル2とが、ヒンジ3を介して連結され、前面パネル2が本体ケース1に対して開閉可能に構成されている(図2)。そして、図1は前面パネル2の正面図、図2はスロットマシンSLの右側面図(a)と平面図(b)、図3は前面パネル2の背面図、図4は本体ケース1の内部正面図を示している。
【0017】
図4に示す通り、本体ケース1の略中央には、3つの回転リール4a〜4cを備える図柄回転ユニット4が配置され、その下側に、メダル払出装置5が配置されている。メダル払出装置5には、メダルを貯留するメダルホッパー5aと、払出モータMと、メダル払出制御基板55と、払出中継基板63と、払出センサ(不図示)などが設けられている。ここで、メダルは、払出モータMの回転に基づいて、払出口5bから図面手前に向けて導出される。なお、限界量を越えて貯留されたメダルは、オーバーフロー部5cを通して、補助タンク6に落下するよう構成されている。
【0018】
上記のメダル払出装置5に隣接して電源基板62が配置され、また、図柄回転ユニット4の上部に主制御基板50が配置され、主制御基板50に隣接して回胴設定基板54が配置されている。なお、図柄回転ユニット4の内部には、回胴LED中継基板58と回胴中継基板57とが設けられ、図柄回転ユニット4に隣接して外部集中端子板56が配置されている。
【0019】
図1に示すように、前面パネル2の上部には液晶表示ユニット7が配置され、その下部には、回転リール4a〜4cに対応する3つの表示窓8a〜8cが配置されている。そして、表示窓8aの左側には、遊技状態を示すLED群9が設けられ、その下方には、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部10や、クレジット状態のメダル数を表示する貯留数表示部11が設けられている。
【0020】
前面パネル2の中央には、メダルを投入するメダル投入口12が設けられ、これに隣接して、メダル投入口12に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン13が設けられている。また、クレジット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン14と、メダル投入口12へのメダル投入に代えてクレジット状態のメダルを擬似的に一枚投入する投入ボタン15と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン16とが設けられている。
【0021】
これらの遊技部材の下方には、回転リール4a〜4cの回転を開始させるスタートレバー17と、回転中の回転リール4a〜4cを停止させるためのストップボタン18a〜18cが設けられている。その他、前面パネル2の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿19と、払出装置5の払出口5bに連通するメダル導出口20とが設けられている。なお、メダル導出口20の左右にはスピーカSPが配置されている。
【0022】
図3に示すように、前面パネル3の裏側には、メダル投入口12に投入されたメダルの選別を行うメダル選別装置21と、メダル選別装置21により不適正と判別されたメダルをメダル導出口20に案内する返却通路22とが設けられている。また、前面パネル3の裏側上部には、演出制御基板51、演出インタフェイス基板52、及び液晶制御基板61などを収容する基板ケース23が配置されている。そして、メダル選別装置21の上部には、図1に示す各種の遊技部材と主制御基板50との間の信号を中継する遊技中継基板53が設けられている。
【0023】
図5〜図7は、メダル選別装置21をより詳細に図示したものであり、それぞれ、正面図(図5)、平面図(図6)、及び背面図(図7)を示している。このメダル選別装置21は、上流側から下流側に向けて横長に延びる裏板24と、裏板24に取付られた各部材によって構成されている。そして、機能的には、導入部21aと、メダル径判定部21bと、投入メダル返却部21cと、投入枚数判定部21dとで構成されている。導入部21aには、裏板24に向けて付勢されて、裏板24と協働してメダル案内路を実現するガイド板25が設けられている。
【0024】
メダル径判定部21bは、裏板24に開口させた矩形窓26と、ガイド板25と一体的に回動可能な当接板27と、裏板24に取り付けられてメダル案内路の一部となる上部ガイド溝(不図示)などで構成されている。そして、正規のメダル径より小径のメダルは、矩形窓26から落下する。一方、正規のメダル径より大径のメダルは、上部ガイド溝に侵入することができないために、導入部21aに止まることになる。
【0025】
このような場合、遊技者が返却ボタン13を押すことになるが、返却ボタン13の押下に対応して返却バー28が降下すると、伝達バー29が、図7の時計方向に回動して、伝達バー29の先端29aが、当接板27を回動させることになる。ここで、当接板27は、ガイド板25と一体的に回動するので、メダル案内路は幅方向に開放されることになり、そこに止まって詰まっているメダルは、矩形窓26に進入した当接板27によって確実に排出される(図8(b)参照)。
【0026】
投入メダル返却部21cは、断面略L字状の落下防止板30と、落下防止板30を吸着するソレノイド31とを中心に構成されている。回転リール4a〜4cが回転中であるなど、メダルの投入が禁止されるタイミングでは、ソレノイド31をOFF状態に制御してメダル案内路の下方を開放状態にする。その結果、誤って投入されたメダルは、返却通路22に落下して遊技者に返却されることになる(図9(b))。一方、メダル投入可能なタイミングでは、ソレノイド31をON状態に制御してメダル案内路の下方を閉塞状態にする。したがって、この場合には、投入されたメダルは、正しく、投入枚数判定部21dに誘導される。
【0027】
投入枚数判定部21dは、メダルの移動方向に連続して設けられた2つのフォトインタラプタPH1、PH2を中心に構成されている。フォトインタラプタPHは、検査光を発光する発光ダイオードと、検査光を受けるフォトトランジスタとで構成されている。そして、検査光が通過するメダルによって遮断されるので、その遮断回数をカウントすることで、投入されたメダルの枚数を把握するようにしている。
【0028】
図10は、実施例に係るスロットマシンSLの回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このスロットマシンSLは、回転リール4a〜4cを含む各種の遊技部材の動作を制御する主制御基板50と、主制御基板50から受けた制御コマンドに基づいて演出動作を実現する演出制御基板51と、交流電圧(24V)を直流電圧(5V,12V,24V)に変換して装置各部に供給する電源基板62とを中心に構成されている。
【0029】
主制御基板50は、演出制御基板51に対して、スピーカSPによる音声演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、及び、液晶表示ユニット7による図柄演出を実現するための制御コマンドを出力している。そして、演出制御基板51は、演出インタフェイス基板52を通して、液晶制御基板61に接続されており、液晶制御基板61は、液晶表示(LCD)ユニット7における図柄演出を実現している。
【0030】
演出制御基板51は、演出インタフェイス基板52と共に、LED基板59やインバータ基板60や回胴LEDドライブ基板58を経由して、各種のLEDや冷陰極線管放電管におけるランプ演出を実現している。また、演出制御基板51は、演出インタフェイス基板52を通してスピーカSPを駆動して音声演出を実現している。
【0031】
主制御基板50は、遊技中継基板53を通して、スロットマシンの各種遊技部材に接続されている。具体的には、スタートレバー17の始動スイッチ、ストップボタン18a〜18cの停止スイッチ、投入ボタン15,16の投入スイッチ、清算ボタン14の清算スイッチ、投入枚数判定部21dを構成するフォトインタラプタPH1,PH2、投入メダル返却部21cを構成するブロッカーソレノイド31、及び、各種LED素子9〜11などに接続されている。
【0032】
また、主制御基板50は、回胴中継基板57を経由して、回転リール4a〜4cを回転させる3つのステッピングモータ、及び、回転リール4a〜4cの基準位置を検出するためのインデックスセンサに接続されている。そして、ステッピングモータを駆動又は停止させることによって、回転リール4a〜4cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。
【0033】
主制御基板50は、払出中継基板63を通してメダル払出装置5にも接続されている。メダル払出装置5には、メダル払出制御基板55と、メダル払出センサと、払出モータMとが設けられており、メダル払出制御基板55は、主制御基板50からの制御コマンドに基づいて払出モータMを回転させて、所定量のメダルを払出している。
【0034】
その他、主制御基板50は、外部集中端子板56と、回胴設定基板54にも接続されている。外部集中端子板56は、例えばホールコンピュータHCに接続されており、主制御基板50は、外部集中端子板56を通して、メダルの投入枚数やメダルの払出枚数などを出力している。また、回胴設定基板54は、係員が設定した確率的なメダル払出枚数の設定値を示す設定キー信号などを出力している。
【0035】
図11は、主制御基板50の回路構成を図示したものであり、合わせて、主制御基板50と、フォトインタラプタPHとの特徴的な接続関係を示している。なお、フォトインタラプタPHは、メダル選別装置50の投入枚数判定部21d(図5〜図7)を構成する主要素子である。
【0036】
図示の通り、主制御基板50は、ワンチップマイコン64と、8bitパラレルデータを入出力するI/Oポート回路65と、ハードウェア的に乱数値を生成するカウンタ回路66と、演出制御基板51などの外部基板とのインタフェイス回路とを中心に構成されている。ここで、ワンチップマイコン64は、Z80相当品のCPUコア64a、ROM、RAMなどの他に、CTC(Counter/Timer Circuit)64bや、割込みコントローラ64cなどを内蔵している。
【0037】
CTC64bは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、Z80システムに、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで、本実施例では、CTC64bを利用して、Z80CPU64aに1.5mS程度の時間間隔でタイマ割込み(図14(a))をかけている。
【0038】
インタフェイス回路としては、電源回路とのインタフェイス回路67、遊技中継基板53とのインタフェイス回路68と、回胴モータ駆動回路69と、演出制御基板と51のインタフェイス回路70などが設けられている。そして、電源降下時には、インタフェイス回路67を通して、Z80CPU64aに電圧降下割込み(図14(b))をかけている。なお、回胴モータ駆動回路69は、回転リール4a〜4cのステッピングモータの駆動信号を生成する回路であり、インタフェイス回路70は、演出制御基板51に制御コマンドを出力するための8ビットパラレルポートである。
【0039】
図11は、メダル選別装置50の投入枚数判定部21dと、遊技中継基板53との接続関係も示している。図示の通り、投入枚数判定部21dは、2つのフォトインタラプタPHa,PHbと、電流制限抵抗R1,R2とで構成されている。そして、フォトインタラプタPHa,PHbは、発光ダイオードとフォトトランジスタとで構成されている。なお、発光ダイオードとフォトトランジスタとの間を、メダルが通過するよう構成されているのは、先に説明した通りである。
【0040】
発光ダイオードのアノード端子に接続された電流制限抵抗R1,R2には、共通して電源電圧Vccが供給されている。一方、発光ダイオードのカソード端子には、主制御基板50から駆動制御信号DR1,DR2がそれぞれ供給されている。したがって、駆動制御信号DR1,DR2がLレベルの場合だけ発光ダイオードが点灯することになる。
【0041】
また、フォトトランジスタの出力信号S1,S2を出力するコレクタ端子は、主制御基板50の入力回路にそれぞれ接続されている。一方、フォトトランジスタのエミッタ端子は、共通してグランド線に接続されている。そのため、駆動制御信号DR1がLレベルの状態で、メダルがフォトインタラプタPHaの位置を通過すると、通過時だけHレベルとなる出力信号S1が主制御基板50に供給される。同様に、駆動制御信号DR2がLレベルの状態で、メダルがフォトインタラプタPHbの位置を通過すると、通過時だけHレベルとなる出力信号S2が主制御基板50に供給される。但し、駆動制御信号DR1(DR2)がHレベルであると、メダルの通過に拘わらず、主制御基板50にHレベルの出力信号S1(S2)が供給される。
【0042】
本実施例では、発光ダイオードのカソード端子に、駆動制御信号DR1,DR2を供給して、発光ダイオードの点灯又は消灯を適宜に制御する点に大きな特徴がある。そして、不正遊技者による違法なメダル投入動作を排除するべく独特の制御をしている。すなわち、この実施例の投入枚数判定部21dは、主制御基板50(以下、回路及びプログラムを総称して主制御部50という)からの制御に基づいて、通常判定シーケンスSEQ0、第1の特殊判定シーケンスSEQ1、第2の特殊判定シーケンスSEQ2の何れかで動作している。なお、この3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2は、時間的に適宜に切り換えられて実行されている。
【0043】
図12は、3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2を説明するタイムチャートである。図12(a)は、通常判定シーケンスSEQ0を示すタイムチャートであり、投入されたメダルが投入枚数判定部21dを通過すると、上流側の検出信号S1が先ず検出され、やや遅れて下流側の検出信号S2が検出されることが示されている。
【0044】
そこで、主制御部50は、通常判定シーケンスSEQ0では、区間Taにおいて、検出信号S1,S2が同時にHレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=Lの状態で検出信号S2=Hとなった場合もエラーと判定している。次に、区間Tbにおいて、検出信号S1がLレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=H、検出信号S2=Lの状態が100mS以上継続した場合もエラーと判定している。
【0045】
区間Tcでは、検出信号S2がLレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=H、検出信号S2=Hの状態が100mS以上継続した場合もエラーと判定している。区間Tdでは、検出信号S1がHレベルになるとエラーと判定し、また、検出信号S1=L、検出信号S2=Hの状態が100mS以上継続した場合もエラーと判定している。
【0046】
一方、第1の特殊判定シーケンスSEQ1では、主制御部50は、発光ダイオードのカソード端子に供給する駆動制御信号DR2を、常時、Hレベルに制御している。そのため、検出信号S2は常にHレベルとなるので、例えば、不正遊技者が図12(a)のような検出信号を不正に生成した場合には、検出信号S2がLレベルとなった瞬間に、その不正行為を検出できることになる。
【0047】
また、第2の特殊判定シーケンスSEQ2では、主制御部50は、発光ダイオードのカソード端子に供給する駆動制御信号DR1を常時Hレベルに制御している。そのため、検出信号S1は常にHレベルとなるので、例えば、不正遊技者が図12(a)のような検出信号を不正に生成した場合には、検出信号S1がLレベルとなった瞬間に、その不正行為を検出できることになる。そこで、このスロットマシンSLでは、3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2を、時間的に適宜に切り換えることによって、不正行為を確実に検出するようにしている。
【0048】
図13〜図14は、主制御部50が実行する制御プログラムを説明するフローチャートである。主制御部50の制御プログラムは、電源投入時に開始されるメイン処理(図13)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(図14(a))と、電源降下時に電源基板62からの割込み信号INTで起動される電圧降下割込み処理(図14(b))とで構成されている。ここで、タイマ割込み、及び電圧降下割込みは、共にマスク可能な割込みであり(maskable interrupt)、本実施例ではNMI(non-maskable interrupt)を使用していない。
【0049】
先ず、図13のメイン処理から説明すると、電源が投入されると初期処理(ST1)の後、RAMのワークエリアをクリアする(ST2)。次に、満杯検知用金具のON/OFF状態を監視し、満杯状態であればエラー処理を行う(ST3)。満杯検知用金具は、補助タンク6に設けられた一対の導通センサFL1,FL2であり、これらがメダルによって導通されているか否かで満杯状態を検出している。
【0050】
次に、メダル投入口12から実際に投入されたメダル、及び、投入ボタン15、16の押下によって擬似的に投入されたメダルについてのメダル投入処理を行う(ST4)。具体的には、投入されたメダルの検出処理や、メダル枚数を判定する処理を含むが、メダル検出処理の詳細については後述する。
【0051】
メダル投入処理(ST4)の後、カウンタ回路66のカウンタ値に基づいて乱数値を抽出し(ST5)、今回のゲームの当否を決定するため、乱数値に基づいた抽選処理を行う(ST6)。抽選処理で決定される当選状態には、例えば、最高価値のBB(ビッグボーナス)当り、次に価値の高いRB(レギュラーボーナス)当り、2〜15枚程度の配当メダルが払出されるフルーツ図柄当り、再ゲームが可能なリプレイゲーム当りなどが設けられている。
【0052】
次に、回転リール4a〜4cを回転させるための準備作業を行い、タイマ割込みによる回転リール4a〜4cの回転を可能にし(ST7)、その後、ストップボタン18a〜18cが押されたら、対応する回転リール4a〜4cを停止させる回胴停止処理を行う(ST8)。そして、全ての回転リールが停止したら、有効な停止ライン上に、当選図柄が揃ったか否かが判定され(ST9)、必要数のメダルが払出される(ST10)。
【0053】
そして、リプレイ図柄が揃っているか否か判定され(ST11)、リプレイ図柄が揃っている場合には、再遊技動作の開始処理(ST12)を実行した後、ステップST2に移行する。リプレイ図柄が揃っていない場合には、RB図柄が揃っているか否か判定され、RB図柄が揃っている場合には、レギュラーボーナスの開始処理(ST14)を実行した後、ステップST2に移行する。また、現在がレギュラーボーナスゲーム中であるか否か判定され(ST15)、レギュラーボーナスゲーム中であれば必要な処理(ST16)を実行した後、ステップST2に移行する。
【0054】
一方、ステップST15の判定がNOの場合には、BB図柄が揃っているか否か判定され(ST17)、BB図柄が揃っている場合には、ビッグボーナスの開始処理(ST18)を実行した後、ステップST2に移行する。また、現在がビッグボーナスゲーム中であるか否か判定され(ST19)、NOであれば何もしないでステップST2に移行する。一方、ビッグボーナスゲーム中であれば、ビッグボーナスゲームに必要な処理(ST20)を実行した後、ビッグボーナスゲームの終了条件を満たすか否か判定される(ST21)。そして、判定結果がNOの場合には、何もしないでステップST2に移行するが、判定結果がYESの場合には、BBゲーム中に使用したRAMエリアも含めワークエリアをクリアしてステップST2に移行する。
【0055】
続いて、図14(a)に示すタイマ割込み処理について説明する。なお、このタイマ割込み処理は、ワンチップマイコン64内部のCTCからのマスク可能な割込み信号に基づいて、1.5mS程度の時間間隔で起動される。
【0056】
タイマ割込みがかかると、CPUのレジスタを退避した後(ST30)、ポート入力処理を行う(ST31)。ポート入力処理では、始動スイッチ、停止スイッチ、貯留メダルスイッチ、清算スイッチ、ドアスイッチなど、スロットマシンに配置された全てのスイッチからの信号が、I/Oポート回路65を通して入力される。また、ポート入力処理では、フォトインタラプタPH1、PH2からの検出信号S1,S2も、I/Oポート回路65を通して入力される。
【0057】
次に、3つの回転リール4a〜4cの現在位置を常に把握するために、回胴回転制御処理が実行される(ST32)。主制御部50は、インデックセンサからの入力信号の入力タイミングと、その後、ステッピングモータに供給する駆動パルスの個数によって、各回転リール4a〜4cの現在位置を把握することができる。なお、回胴回転制御処理(ST32)では、回転リール4a〜4cの起動処理や停止処理も実施しており、例えば、停止状態から定速回転まで、段階的に回転リールを加速させる駆動信号も生成している。
【0058】
回胴回転制御処理(ST32)が終われば、定期更新処理を実行する(ST33)。定時更新処理とは、ワンチップマイコンに内蔵されているウォッチドッグタイマを定期的にクリアする処理である。プログラムが暴走するなどして、この定時更新処理が実行されないと、ウォッチドッグタイマが限界値までカウントアップされて、CPUコア64aが自動的にリセットされてプログラム暴走状態から復帰することになる。
【0059】
次に、演出制御部51に対して制御コマンドの1バイト分を出力する(ST34)。1つの制御コマンドは2バイト長であるので、連続する二回のタイマ割込みで1つの制御コマンドを送信することになる。なお、制御コマンドは、主制御部50の遊技状態を示すもので、スタートレバー17やストップボタン18a〜18cが操作されたことも含んだ遊技状態が、制御コマンドによって演出制御部51に通知される。これのような制御コマンドを受けた演出制御部51ではLEDランプを点灯させたり、効果音を発生させるべく制御動作を実行する。
【0060】
次に、メダル情報出力処理を実行して、外部集中端子板56に対して、例えば、各々1ビット信号であるメダル投入信号やメダル払出信号を出力する(ST35)。このメダル投入信号や払出信号によって、ホールコンピュータHCは、各スロットマシンSLの投入されたメダル数や、各スロットマシンSLから払出されたメダル数を把握することができる。また、主制御部50は、各LEDランプ群を駆動するための駆動データを、遊技中継基板53や回胴中継基板57に対して出力する(ST36)。その後、退避しておいたレジスタを復帰させた後(ST37)、CPUを割込み許可状態に設定して割込み処理を終える(ST38)。
【0061】
続いて、図14(b)に基づいて、電圧降下時の割込み処理を説明する。なお、このスロットマシンSLでは、遊技状態を示す各データを一時的に保存するRAMのワークエリアは、電池でバックアップされており、電源電圧の降下に係わらず、少なくとも数日は記憶内容が保護されるようになっている。また、電源基板62には電圧検出遅延IC(M51957BL)が搭載されており、電源電圧が所定値を下回ると、主制御部50に、異常信号ALMが供給され、CPUコア64aに割込みがかかるようになっている。また、この異常信号ALMは、I/Oポート回路65を通してCPUコア64aに入力可能に構成されている(図11参照)。
【0062】
したがって、電圧降下割込みでは、最初に異常信号ALMをI/Oポート回路65から入力して、そのレベルを確認する(ST40)。これはノイズなどによる異常割込みを排除するためであり、もし取得した異常信号ALMが電圧降下を意味しない正常値ならそのまま割込み処理を終える(ST41)。
【0063】
逆に、異常信号ALMが電圧降下を意味する異常値なら、レジスタを退避した後(ST42)、スタックポインタを退避する(ST43)。次に、電池でバックアップされるワークエリアに、所定の8ビットデータ(電源断キーワード)を格納する(ST44)。これは、電源遮断時にレジスタ類が正しくスタック領域に格納されたことを意味するデータであり、言い換えると、電源が復旧した際に、ステップST42,43でPUSH処理したデータをPOP処理して良いことを意味するデータである。
【0064】
以上の処理が終われば、RAMをアクセス不能に設定すると共に(ST45)、出力ポートをOFF状態に設定して(ST46)、その後は無限ループ処理に突入する。通常は、その後電源電圧が更に降下して、主制御部50は動作不能となる。但し、その後、電源が復旧すると、主制御部50は、電源断キーワードを確認した後、退避処理(ST42,ST43)したレジスタを復帰することで遊技状態を復元することが可能となる。なお、ワークエリアのデータが、数日以上バックアップされていることは前述した通りである。
【0065】
図15〜図19は、メダル投入処理(図13のST4)のうち、実際にメダルが投入された場合に、そのメダル枚数を1枚カウントするに先立って実行されるメダル検出処理を示すプログラムである。すなわち、図15は、メダル検出処理を示しており、図16及び図17は、通常判定シーケンスSEQ0、図18は、第1の特殊判定シーケンスSEQ1、図19は第2の特殊判定シーケンスSEQ2を示している。
【0066】
図15に示すように、メダル検出処理では、メダル1枚をカウントするに先立って、カウンタCTを毎回インクリメントし(ST50)、カウンタCT値が1であれば、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST52)。なお、通常判定シーケンスSEQ0では、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1と、Lレベルの駆動制御信号DR2を出力している(図16のST55参照)
一方、カウンタCT値が2であれば、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行する(ST53)。第1特殊判定シーケンスSEQ1では、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1とHレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(図18のST88参照)、検出信号S2は常にHレベルとなる。
【0067】
また、カウンタCT値が3であれば、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行している(ST54)。第2特殊判定シーケンスSEQ2では、最初に、Hレベルの駆動制御信号DR1とLレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(図19のST109参照)、検出信号S1は常にHレベルとなる。以上の通り、本実施例では、SEQ0→SEQ1→SEQ2→SEQ0の処理が繰り返されるので、不正遊技者が発生させた不正な検出信号を検出することが可能となる。
【0068】
図16は、通常判定シーケンスSEQ0の処理内容を示すフローチャートであり、各サブルーチン処理(SUB01〜SUB04)は、1枚のメダルを検出する際の区間Ta〜Tdにおけるメダル検出処理を意味している。各メダル検出処理(SUB01〜SUB04)では、正常にメダルが検出されるとANS=0となり、異常が検出されるとANS=−1となるよう処理されている。そのため、何れかのサブルーチンでANS=−1となれば、不正遊技の可能性があるので、それに応じたエラー処理(NG)を実行することになる。
【0069】
図17は、区間Ta〜Tdにおけるメダル検出処理(SUB01〜SUB04)の具体的内容を示すフローチャートである。なお、この実施例では、検出信号S1,S2がHレベルとなると、メダルが検出されたON状態を意味している。また、検出信号S1,S2の値は、タイマ割込み(図14のST31)において、定期的にフォトインタラプタPH1、PH2から所得され、ワークエリアのS1,S2番地に格納されている。
【0070】
図17(a)に示すように、区間Taにおいて、検出信号S2=Hとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST64,ST65)。一方、検出信号S2=L、検出信号S1=Lの状態を続けた後(ST64,ST66)、検出信号S2がHレベルに立ち上がると、メダルが上流側センサに達したことを意味するのでANS=0として処理を終える(ST67)。
【0071】
次に、区間Tbにおけるサブルーチン処理SUB02に移行するが(図16参照)、初期状態ではタイマ変数Tは0にリセットされている。区間Tbでは、検出信号S1=Lとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST68,ST73)。また、検出信号S1=H、検出信号S2=Lの状態が、所定時間(例えば100mS)以上持続された場合も、ANS=−1として処理を終える(ST68,ST69,ST71〜73)。一方、検出信号S1=Hの状態で(ST68)、検出信号S2がHレベルに立ち上がると、メダルが下流側センサに達してことを意味するのでANS=0として処理を終える(ST70)。
【0072】
続いて、区間Tcにおけるサブルーチン処理SUB03に移行するが、ここでは、検出信号S2=Lとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST75,ST80)。また、検出信号S2=H、検出信号S1=Hの状態が、所定時間以上持続された場合も、ANS=−1として処理を終える(ST75,ST76,ST78〜80)。一方、検出信号S2=Hの状態で(ST68)、検出信号S1がLレベルに立ち下がると、メダルが上流側センサを通過し終わったことを意味するので、ANS=0として処理を終える(ST77)。
【0073】
次に、区間Tdにおけるサブルーチン処理SUB04に移行するが、ここでは、検出信号S1=Hとなるとエラー発生を意味するので、ANS=−1として処理を終える(ST82,ST87)。また、検出信号S1=L、検出信号S2=Hの状態が、所定時間以上持続された場合も、ANS=−1として処理を終える(ST82,ST83,ST85〜87)。一方、検出信号S1=Lの状態で(ST82)、検出信号S2がLレベルに立ち下がると、メダルが下流側センサを通過し終わったことを意味するので、ANS=0として処理を終える(ST84)。
【0074】
図18は、駆動制御信号DR1=L、DR2=Hの状態で実行される第1特殊判定シーケンスSEQ1(図18(a))、及びそのサブルーチン(図18(b)(c))を示すフローチャートである。
【0075】
第1特殊判定シーケンスSEQ1では、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1とHレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(ST88)、本来、検出信号S2は常にHレベルとなる筈である。そこで、検出信号S1の立ち上がりを検出するサブルーチンSUB11と、検出信号S1の立ち下がりを検出するサブルーチンSUB12とで構成されている。そして、検出信号S2がLレベルとなったり(ST93+ST94、又はST97+ST102)、或いは、S2=S1=Hレベルの状態が、所定時間以上経過するとANS=−1としてエラー判定している(ST97〜98、ST100〜ST102)。
【0076】
図19は、駆動制御信号DR1=H、DR2=Lの状態で実行される第2特殊判定シーケンスSEQ2(図19(a))、及びそのサブルーチン(図19(b)(c))を示すフローチャートである。
【0077】
第2特殊判定シーケンスSEQ2では、最初に、Hレベルの駆動制御信号DR1とLレベルの駆動制御信号DR2を出力するので(ST109)、本来、検出信号S1は常にHレベルとなる筈である。そこで、検出信号S2の立ち上がりを検出するサブルーチンSUB21と、検出信号S2の立ち下がりを検出するサブルーチンSUB22とで構成されている。そして、検出信号S1がLレベルとなったり(ST114+ST115、又はST118+ST123)、或いは、S1=S2=Hレベルの状態が、所定時間以上経過するとANS=−1としてエラー判定している(ST118〜119、ST121〜ST123)。
【0078】
以上、図15〜図19では、メダル投入の判定方法をSEQ0→SEQ1→SEQ2→SEQ0の順番に、時間順次に切り換える方法を説明した。しかし、不正遊技を確実に排除する趣旨からは、判定方法を不規則に変更するのも好適であり、例えば、図20のように実現される。
【0079】
図20に示す通り、この場合には、メダル投入処理(ST4)において、1枚のメダル検出を開始する毎に、1≦R≦3の範囲の整数値である乱数値Rを取得する(ST131)。そして、乱数値R=1であれば、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1と、Lレベルの駆動制御信号DR2を出力する、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST133)。
【0080】
一方、乱数値R=2であれば、最初に、Lレベルの駆動制御信号DR1とHレベルの駆動制御信号DR2を出力する、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行する(ST134)。また、乱数値R=3であれば、最初に、Hレベルの駆動制御信号DR1とLレベルの駆動制御信号DR2を出力する、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行し(ST135)、乱数値Rを1に設定する(ST136)。なお、ここでR=1に設定されたことから、次に投入されたメダルは、通常判定シーケンスSEQ0で処理されることになる(ST133)。
【0081】
図21は、更に別の実施例を示すフローチャートである。ここでは、メダルが投入される毎に、カウンタCTをインクリメントし、その値をAレジスタに移動した後、その最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動させる(ST137〜138)。したがって、カウンタCTの値が偶数ならCY=0となり、奇数ならCY=1となる。そこで、カウンタCTの値が偶数であった場合には、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST140)。
【0082】
一方、カウンタCTの値が偶数であった場合には、その段階のAレジスタの最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動させる(ST141)。そして、CY=0であれば、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行し(ST143)、CY=1であれば、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行する(ST144)。
【0083】
この実施例によれば、SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2→SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2→SEQ0のように、通常判定シーケンスSEQ0を中心として、第1と第2の特殊判定シーケンスSEQ1,SEQ2を、適宜に混入させることができる。
【0084】
図22は、更に別の実施例を示すフローチャートである。この実施例でも、メダルが投入される毎に、カウンタCTをインクリメントし、その値をAレジスタに移動した後、その最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動させる(ST145〜146)。そして、CY=0となり、通常判定シーケンスSEQ0を実行する(ST148)。
【0085】
一方、CY=1であれば、第1補助変数AUXをインクリメントし(ST149)、その後の値が限界値Nに一致するか否かを判定する(ST150)。そして、第1補助変数AUXが限界値Nに一致すれば、第1補助変数AUXをクリアすると共に、第2補助変数EXをインクリメントする(ST151)。なお、第2補助変数EXをクリアされることなくインクリメント処理されるので、偶数値と奇数値とを繰り返すことになる。
【0086】
そこで、第2補助変数EXの最下位ビットをキャリーフラグCYにシフト移動して、第2補助変数EXが偶数(CY=0)であれば、第1特殊判定シーケンスSEQ1を実行し(ST154)、第2補助変数EXが奇数(CY=1)であれば、第2特殊判定シーケンスSEQ2を実行する(ST155)。
【0087】
この実施例によれば、例えば限界値Nを2とした場合に、SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2→SEQ0→SEQ2→SEQ0のように、通常判定シーケンスSEQ0を中心として、第1と第2の特殊判定シーケンスSEQ1,SEQ2を、N回続ける変則的な処理を実現することができる。
【0088】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定する趣旨ではなく、適宜に変更可能である。例えば、実施例では、発光ダイオードとフォトトランジスタとがメダル通路を隔てて対面して配置される透過型センサを使用したが、何らこれに限定されない。すなわち、発光ダイオードとフォトトランジスタとが、メダル投入通路を隔てることなく、隣接して配置される反射型センサであっても良い。
【0089】
また、上記の実施例では、メダル1枚毎に、例えば、SEQ0→SEQ1→SEQ0→SEQ2のようにフォトインタラプタの動作状態を推移させるために、各発光ダイオードの動作状態(点灯/消灯)を切り換ることになる。そのため推移した動作状態が安定してからメダル検出処理を開始するのが好ましく、そのため、図16、図18、図19に破線で示すように、駆動制御信号DR1,DR2を出力した後、所定時間だけソフトウェア的に時間を消費するのが好ましい。
【0090】
また、本実施例では、通常判定シーケンスと特殊判定シーケンスとは、規則的な手順だけでなく、変則的な手順でも、その何れかが選択される。但し、後者の場合、必ずしも、図20のように、3つの判定シーケンスSEQ0〜SEQ2を当確率で選択する必要はない。
【0091】
例えば、図22のように、1〜10の乱数値Rを当確率で発生させ、乱数値Rが1〜8の場合には、通常判定シーケンスSEQ0を選択し、乱数値R=9の場合には、殊判定シーケンスSEQ1を選択し、乱数値R=10の場合には、特殊判定シーケンスSEQ2を選択するのも好適である。このような場合には、4/5の確率で通常判定シーケンスが選択され、それぞれ1/10の確率で、特殊判定シーケンスSEQ1と特殊判定シーケンスSEQ2とが例外的に選択される。
【0092】
なお、第2変形例及び第3変形例では、普通判定シーケンスSEQ0が一回しか継続されていないので、例えば、メダルを糸などに吊り下げて、メダルを下流側から上流側に戻した場合に、その不正行為を検出できない可能性も否定できない。そこで、第2変形例及び第3変形例では、普通判定シーケンスSEQ0を複数回連続させると更に効果が高まる。
【0093】
更にまた、普通判定シーケンスSEQ0の繰り返し回数を規定する変数N(N>3)と、特別判定シーケンスSEQ1,SEQ2を選択する変数R(R=1/0)とを設け、これらの値を乱数抽選によって決定するのも好適である。図24は、この第5変形例を示すフローチャートであり、カウンタ変数CTが0〜N−1の間は普通判定シーケンスSEQ0を実行し(ST170〜172)、CT=Nとなると、変数Rの値に基づいて、特別判定シーケンスSEQ1,SEQ2の何れかを実行している(ST173〜177)。
【0094】
以上、メダル判定処理について、5つの変形例を含んだ6種類の実施例を例示したが、一つの遊技機に、複数種類のメダル判定処理を用意しておくのも好適である。このような場合には、各回又は複数回のゲーム毎か、或いは電源投入毎に、何れのメダル判定処理を使用するかを、乱数抽選によって決定すれば良い。
【符号の説明】
【0095】
SL 遊技機(スロットマシン)
PH 検出装置(フォトインタラプタ)
50 中央制御部(主制御部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、
遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、
前記発光体は、前記中央制御部の制御動作に基づいて、適宜に点灯状態と消灯状態とに切換えられて動作していることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、
遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、
前記発光体は、前記中央制御部から直流電圧を受ける第1端子と、前記中央制御部から駆動信号を受ける第2端子とを備え、
前記受光体は、前記中央制御部に対して出力信号を出力する第3端子と、前記中央制御部から基準電圧を受ける第4端子とを備え、
前記駆動信号又は直流電圧は、時間的に変化するよう前記中央制御部で制御されていることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記検出装置は、投入通路に沿って複数設けられている請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、
遊技媒体の投入通路に沿って、遊技媒体を検出する第1と第2の検出装置が配置され、前記検出装置は夫々、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、
前記中央制御部は、
上流側と下流側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて遊技媒体の通過を検知する通常判定処理と、
上流側と下流側の一方側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する一方、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて、遊技媒体の通過を検知する特殊判定処理とを、含んで動作していることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
下流側の受光体がON動作しないことを条件に、上流側の受光体がON動作するまで待機して、上流側の受光体がON動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に下流側の受光体がON動作すると異常判定する第1処理と、
上流側の受光体がOFF動作しないことを条件に、下流側の受光体がON動作するのを所定時間待機し、下流側の受光体がON動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に上流側の受光体がOFF動作するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第2処理と、
下流側の受光体がOFF動作しないことを条件に、上流側の受光体がOFF動作するのを所定時間待機し、上流側の受光体がOFF動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に下流側の受光体がOFF動作するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第3処理と、
上流側の受光体がON動作しないことを条件に、下流側の受光体がOFF動作するのを所定時間待機し、下流側の受光体がOFF動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に上流側の受光体がON動作するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第4処理とが、
この順番で処理されて前記通常判定処理が実行される請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
上流側と下流側の一方側の受光体からの検出信号が変化しないことを条件に、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号を判定し、これが、それまでのレベルから変化すると次の処理に正常移行する一方、前記一方側の受光体からの検出信号が変化すると異常判定する第5処理と、
前記一方側の受光体からの検出信号が変化しないことを条件に、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号がそれまでのレベルから変化するのを所定時間待機し、前記他方側の受光体からの検出信号が変化すると、次の処理に正常移行する一方、前記一方側の受光体からの検出信号が変化するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第6処理とが、
この順番で処理されて前記特殊判定処理が実行される請求項4又は5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記特殊判定処理は、上流側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する第1特殊判定処理と、下流側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する第2特殊判定処理とに更に区分され、第1と第2の特殊判定処理が適宜に切り換えて使用されている請求項4〜6の何れかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記中央制御部は、遊技媒体を一つ検出判定する毎に、次の遊技媒体の検出判定のために、通常判定処理を用いるか、特殊判定処理を用いるかを選択する決定処理を備えている請求項4〜7の何れかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記決定処理は、規則的又は変則的な手順で通常判定処理又は特殊判定処理を選択するが、何れの場合も、通常判定処理を優先的に選択するようにしている請求項8に記載の遊技機。
【請求項1】
遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、
遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、
前記発光体は、前記中央制御部の制御動作に基づいて、適宜に点灯状態と消灯状態とに切換えられて動作していることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、
遊技媒体を検出する検出装置が、遊技媒体の投入通路に沿って配置され、前記検出装置は、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、
前記発光体は、前記中央制御部から直流電圧を受ける第1端子と、前記中央制御部から駆動信号を受ける第2端子とを備え、
前記受光体は、前記中央制御部に対して出力信号を出力する第3端子と、前記中央制御部から基準電圧を受ける第4端子とを備え、
前記駆動信号又は直流電圧は、時間的に変化するよう前記中央制御部で制御されていることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記検出装置は、投入通路に沿って複数設けられている請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
遊技媒体の投入を受けてゲームを開始させると共に、遊技者の操作に起因して所定の停止状態が達成されると、停止状態に応じた配当が得られるよう中央制御部が制御動作を実行する遊技機において、
遊技媒体の投入通路に沿って、遊技媒体を検出する第1と第2の検出装置が配置され、前記検出装置は夫々、前記投入通路を隔てて対面して配置されるか、投入通路を隔てることなく隣接して配置される発光体と受光体とで構成され、
前記中央制御部は、
上流側と下流側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて遊技媒体の通過を検知する通常判定処理と、
上流側と下流側の一方側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する一方、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号が、遊技媒体の移動に伴って変化することに基づいて、遊技媒体の通過を検知する特殊判定処理とを、含んで動作していることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
下流側の受光体がON動作しないことを条件に、上流側の受光体がON動作するまで待機して、上流側の受光体がON動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に下流側の受光体がON動作すると異常判定する第1処理と、
上流側の受光体がOFF動作しないことを条件に、下流側の受光体がON動作するのを所定時間待機し、下流側の受光体がON動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に上流側の受光体がOFF動作するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第2処理と、
下流側の受光体がOFF動作しないことを条件に、上流側の受光体がOFF動作するのを所定時間待機し、上流側の受光体がOFF動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に下流側の受光体がOFF動作するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第3処理と、
上流側の受光体がON動作しないことを条件に、下流側の受光体がOFF動作するのを所定時間待機し、下流側の受光体がOFF動作すると次の処理に正常移行する一方、待機中に上流側の受光体がON動作するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第4処理とが、
この順番で処理されて前記通常判定処理が実行される請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
上流側と下流側の一方側の受光体からの検出信号が変化しないことを条件に、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号を判定し、これが、それまでのレベルから変化すると次の処理に正常移行する一方、前記一方側の受光体からの検出信号が変化すると異常判定する第5処理と、
前記一方側の受光体からの検出信号が変化しないことを条件に、上流側と下流側の他方側の受光体からの検出信号がそれまでのレベルから変化するのを所定時間待機し、前記他方側の受光体からの検出信号が変化すると、次の処理に正常移行する一方、前記一方側の受光体からの検出信号が変化するか、待機時間が前記所定時間を経過すると異常判定する第6処理とが、
この順番で処理されて前記特殊判定処理が実行される請求項4又は5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記特殊判定処理は、上流側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する第1特殊判定処理と、下流側の受光体からの検出信号が変化しないよう構成する第2特殊判定処理とに更に区分され、第1と第2の特殊判定処理が適宜に切り換えて使用されている請求項4〜6の何れかに記載の遊技機。
【請求項8】
前記中央制御部は、遊技媒体を一つ検出判定する毎に、次の遊技媒体の検出判定のために、通常判定処理を用いるか、特殊判定処理を用いるかを選択する決定処理を備えている請求項4〜7の何れかに記載の遊技機。
【請求項9】
前記決定処理は、規則的又は変則的な手順で通常判定処理又は特殊判定処理を選択するが、何れの場合も、通常判定処理を優先的に選択するようにしている請求項8に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−148617(P2009−148617A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90691(P2009−90691)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【分割の表示】特願2005−229988(P2005−229988)の分割
【原出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【分割の表示】特願2005−229988(P2005−229988)の分割
【原出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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