説明

遊技機

【課題】簡易な構成で、遊技媒体の精算処理を通じた不正行為の発生を抑制することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機は、メダル投入口124aからメダルが投入されたとき、メダル投入部124で受け付けられたメダルを余剰数として余剰数カウンタで積算し、メダルがベットされ、当選役抽選が行われる度に、当該ベットされたメダルの数を余剰数から減算し、余剰数が1以上である間に、クレジットの精算要求があるとエラーと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技における不正行為、特に遊技媒体の精算処理を通じた不正行為を抑制可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技者によるメダル(遊技媒体)の投入およびスタートスイッチの操作に応じて、当選役の抽選を行うとともに、種々の図柄が記された複数の回転リールが回転する。そして、抽選結果と遊技者によるストップスイッチの操作に応じて回転リールを順次停止するとともに、当選役に対応する図柄組み合わせが、払い出しの対象となるラインである有効ライン上に表示された場合に、所定枚数のメダルが払い出されるなど、当選役に応じた遊技上の利益が遊技者に付与されることとなる。
【0003】
このような遊技機では、メダルの投入を条件に遊技が開始され、その遊技の結果としてメダルの払い出しを受けることができる。しかし、例えば、所謂クレマンゴトと呼ばれる手法を用いて不正行為を行う者がいる。クレマンゴトは、メダルを実際に投入することなく不正にクレジット枚数を増加させ、例えばクレジット枚数を最大値にした後、メダルを精算することで、正規のメダルを不正に受け取る行為である。そこで、以下のような対策が考案されている。
【0004】
特許文献1に示される遊技機は、メダル投入口から投入されたメダルをメダルホッパーとは別にメダル貯留筒に一時的に貯留し、入賞によって獲得されたメダルを入賞メダル数として記憶し、クレジット精算操作時に、メダル貯留筒に貯留されているメダルと入賞メダル数に基づいたメダルとを合わせたメダルを排出することで、クレジット枚数の不正取得を回避している。特許文献2に示される遊技機は、メダル投入口から投入されるメダル数とメダルセレクタで選別されて貯留されるメダル数の差分を第1キャンセル数とし、メダルホッパーで払い出されるメダル数と払出口から排出されるメダル数との差分を第2キャンセル数とし、第1キャンセル数と第2キャンセル数との差が1以上であればエラーと判定している。特許文献3に示される遊技機は、メダル数等の所定の精算条件を満たすか、あるいは、精算条件を満たしていなくてもベット数とクレジット枚数とを合わせた数が所定数未満であれば精算を許可するとしている。特許文献4に示される遊技機は、クレジット精算から次のクレジット精算までの間に行われる遊技数が所定回数以下であり、精算メダル数が所定数以上のときにエラーと判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−207336号公報
【特許文献2】特開2008− 49058号公報
【特許文献3】特開2009−165729号公報
【特許文献4】特開2005−323705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術や特許文献2の技術は、別途の機構やセンサが必要であり制御が複雑になってしまうといった問題がある。また、特許文献3の技術では、精算可能なメダル数が不正な第三者に知られてしまうと、そのメダル数を上限に不正行為が行われる可能性がある。特許文献4の技術では、前回クレジット精算を行ったときからの遊技数をカウントしなければならず、また、正規に遊技が行われた後に引き続き行われた不正行為に対してはエラー判定が為されないといった問題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、簡易な構成で、遊技媒体の精算処理を通じた不正行為の発生を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、投入口からの遊技媒体の投入を受け付ける遊技媒体受付手段と、遊技に使用するため遊技媒体をベットするベット手段と、所定の上限数まで遊技媒体をクレジットとして貯留するクレジット手段と、前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求を受け付けるクレジット精算要求手段と、前記クレジット精算要求手段を通じてクレジットの精算要求があると、貯留されたクレジットに相当する遊技媒体を返却するクレジット精算払出手段と、遊技媒体のベットおよびスタートスイッチの操作に基づき、当選役およびハズレのうちのいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールと、前記スタートスイッチの操作に基づき、前記複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応したストップスイッチの操作に基づき、操作された該ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、前記当選役抽選で決定した所定の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されたことに基づいて遊技媒体の払い出しを行う払出制御手段と、を備え、前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記ベット手段は、所定条件下で前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、所定数の遊技媒体をベットし、前記クレジット手段は、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、前記所定数を超える数の遊技媒体を所定条件下でクレジットとして貯留し、ベットスイッチが操作されたとき、前記クレジット手段は、所定条件下で当該ベットスイッチの操作に応じた数の遊技媒体を前記クレジットから減算し、前記ベット手段は、当該クレジットから減算された数と同数の遊技媒体をベットし、前記クレジット手段は、前記払出制御手段によって遊技媒体の払い出しが行われたとき、クレジットが前記上限数まで達していない場合、クレジットが前記上限数に達するまで、払い出された遊技媒体をクレジットすることが可能な遊技機であって、前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体を余剰数として積算する余剰数積算手段と、前記余剰数を記憶する余剰数記憶手段と、を備え、前記余剰数積算手段は、遊技媒体がベットされ、前記当選役抽選手段によって当選役抽選が行われる度に、当該ベットされた遊技媒体の数を、前記余剰数記憶手段に記憶されている余剰数から減算する処理を行い、前記余剰数が1以上である間に、前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求があるとエラーと判定するエラー判定手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の他の遊技機は、投入口からの遊技媒体の投入を受け付ける遊技媒体受付手段と、遊技に使用するため遊技媒体をベットするベット手段と、所定の上限数まで遊技媒体をクレジットとして貯留するクレジット手段と、前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求を受け付けるクレジット精算要求手段と、前記クレジット精算要求手段を通じてクレジットの精算要求があると、貯留されたクレジットに相当する遊技媒体を返却するクレジット精算払出手段と、遊技媒体のベットおよびスタートスイッチの操作に基づき、当選役およびハズレのうちのいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールと、前記スタートスイッチの操作に基づき、前記複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応したストップスイッチの操作に基づき、操作された該ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、前記当選役抽選で決定した所定の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されたことに基づいて遊技媒体の払い出しを行う払出制御手段と、を備え、前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記ベット手段は、所定条件下で前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、所定数の遊技媒体をベットし、前記クレジット手段は、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、前記所定数を超える数の遊技媒体を所定条件下でクレジットとして貯留し、ベットスイッチが操作されたとき、前記クレジット手段は、所定条件下で当該ベットスイッチの操作に応じた数の遊技媒体を前記クレジットから減算し、前記ベット手段は、当該クレジットから減算された数と同数の遊技媒体をベットし、前記クレジット手段は、前記払出制御手段によって遊技媒体の払い出しが行われたとき、クレジットが前記上限数まで達していない場合、クレジットが前記上限数に達するまで、払い出された遊技媒体をクレジットすることが可能な遊技機であって、前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体を余剰数として積算する余剰数積算手段と、前記余剰数を記憶する余剰数記憶手段と、を備え、前記余剰数積算手段は、遊技媒体がベットされ、前記当選役抽選手段によって当選役抽選が行われる度に、当該ベットされた遊技媒体の数を、前記余剰数記憶手段に記憶されている余剰数から減算する処理を行い、前記精算払出手段は、前記余剰数が1以上である間に、前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求があると、投入枚数とクレジット枚数の合計から余剰数を減算した値に相当する遊技媒体を返却することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の遊技機は、記余剰数記憶手段が、前記余剰数が0未満となると該余剰数を0に補正することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の遊技機は、前記エラー判定部は、前記余剰数が、1遊技を開始するために必要なメダルの投入枚数である規定数のうちの最小の値未満である場合、エラーと判定しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、投入口から投入された遊技媒体の数と、遊技の用に供された遊技媒体の数とを用いて計算するだけといった簡易な構成で、遊技媒体の精算時において不正に貯留した遊技媒体(クレジット)の払い出しを受けるといった不正行為の発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
【図2】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
【図3】リールの図柄配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
【図5】主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
【図6】有効ラインおよび当選役に対応する図柄組み合わせを示す図である。
【図7】各種抽選テーブルを示す図である。
【図8】主制御基板のベット処理を示したフローチャートである。
【図9】主制御基板の抽選処理を示したフローチャートである。
【図10】主制御基板のリール回転処理を示したフローチャートである。
【図11】主制御基板のリール停止処理を示したフローチャートである。
【図12】主制御基板の判定・払出処理を示したフローチャートである。
【図13】払出処理のサブルーチンを示したフローチャートである。
【図14】主制御基板の精算処理を示したフローチャートである。
【図15】遊技の進行によるメダル枚数の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理を説明する。
【0016】
(スロットマシン100の機械的構成)
図1は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための外観図であり、図2は、スロットマシン100の概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方で、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下方でメダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。
【0017】
前面下扉106の上部には前方に突出した操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットボタン126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130等が配設されている。
【0018】
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口(投入口)124aからの遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。以下、メダル投入口124aからメダルが投入(ベット)されることを手投入、手投入によって投入されたメダルの枚数を手投入枚数という。メダル投入部124は、投入メダル検出部124bを備え、投入メダル検出部124bは、メダル投入口124aを通過した後、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)によって規格内と判定されたメダルを検出する。このとき、メダル投入口124aを通過した規格外のメダルはメダルセレクタによってメダル排出口108aから受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入枚数である規定数を超えてメダルが投入されると、その規定数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電子的に貯留(以下、単に「クレジット」という。)される。ここで、1遊技は、メダルの投入を契機として1度の払い出しを受け得る一連の遊技をいう。また、本実施形態においては、規定数は固定値「3」に設定されている。ただし、スロットマシン100の機種によっては規定数が異なったり、あるいは、同一機種であっても規定数が変化したりして、規定数が固定されている場合と、複数の中から選択可能な場合がある。なお、1遊技を開始するために必要なメダル数を、複数の規定数から任意に選択できる場合、その複数の規定数の中の最大のものを最大規定数といい、最小のものを最小規定数という。したがって、規定数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定数は「3」となり、最小規定数は「1」となる。
【0019】
ベットボタン126は、クレジットされているメダルのうち規定数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。精算ボタン132は、クレジットされているメダルの返却(精算)要求操作を受け付ける、押圧式のボタンスイッチであり、精算ボタン132の操作により、ベットされたメダルや電子的にクレジットされたメダルがメダル排出口108aから排出される。ただし、本実施形態においては、クレジットされた枚数全てがメダル排出口108aから排出されない場合もある。
【0020】
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なスタートレバーまたは押圧操作を検出可能なボタンスイッチで形成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。
【0021】
前面上扉104の下部略中央位置に位置するリールユニット134には、図3に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された回転リール134a、134b、134c(以下、回転リール134aを左リールとよび、回転リール134bを中リールとよび、回転リール134cを右リールとよぶ場合がある。)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136を通じて、回転リール134a、134b、134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。
【0022】
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、複数の回転リール134a、134b、134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチ(ストップスイッチ130に係るボタンスイッチを特にストップボタンスイッチ130a、130b、130cという。)であり、回転リール134a、134b、134cを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。
【0023】
前面上扉104の上部略中央位置には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における受け皿部108の内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
【0024】
また、図2に示すように、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出するメダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bに回転可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
【0025】
また、図1や図2では図示していないが、リールユニット134の背面側には、回転リール134a、134b、134cに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リールの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも回転リール134a、134b、134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
【0026】
また、図1に示すように、操作部設置台122において、回転リール134a、134b、134cとストップスイッチ130との間に設けられた略水平面を成す段部122aには、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。また、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。さらに、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、ベット表示部160が設けられ、メダルの投入(ベット)枚数に応じて、その枚数分のLEDが点灯する。
【0027】
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、遊技の進行に関わるプログラムやデータのうち、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、指令信号を、主制御基板200から副制御基板202への一方向に制限することで、主制御基板200に対する不正処理を防止する。
【0028】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。
【0029】
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットボタン126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130および精算ボタン132から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152、メイン払出表示部154およびベット表示部160が接続されており、メインCPU200aが各表示部152、154、160に対して、メダルのクレジット枚数、払出枚数、ベット枚数の表示を制御する。
【0030】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に基づき主制御基板200から送信される回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に基づき主制御基板200から送信される回転リール134a、134b、134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいてステッピングモータ262の駆動を停止するものである。
【0031】
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、メインCPU200aは、その検出信号に応じてメダルの払出枚数をカウントしながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
【0032】
(副制御基板202)
副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からの指令信号に基づき、特に演出を制御する。また、副制御基板202には、液晶制御基板204が接続されている。液晶制御基板204は、中央処理装置である液晶CPU204a、プログラムや画像データ等が格納された液晶ROM204b、ワークエリアとして機能する液晶RAM204c、画像制御を行う際のワークエリアとして機能するVRAM204d等を含む各種半導体集積回路を有し、副制御基板202と双方向通信することにより液晶表示部138を制御する。
【0033】
ここで、演出とは、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選役の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。また、たとえ、いずれの当選役も当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。
【0034】
なお、主制御基板200および副制御基板202の双方には、乱数発生器256が設けられている。乱数発生器256によって生成される乱数は、主制御基板200においては、遊技者に付与する遊技上の利益を決定するために用いられ、副制御基板202においては、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0035】
(主制御基板200のメイン処理)
図5は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。
【0036】
(ステップS100)
まず、メインCPU200aは、遊技開始に備え、必要に応じて、メインRAM200cのクリア(RAMクリア)、投入枚数に対する払出枚数の比率の期待値を示す設定値(例えば、1〜6の6段階)の設定処理等、初期化処理を実行する。この初期化処理は電源投入時、設定値変更時、RAMクリア時等にのみ行われるものであり、リールユニット134をはじめとする各種装置の接続状況や作動状況を確認する。また、メインCPU200aは、電源が投入されている間バックアップデータを生成、メインRAM200cに保持し、不意の電源断が生じた場合、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
【0037】
(ステップS200)
次に、メインCPU200aは、メダル投入部124から規定数のメダルが投入されるか、あるいは規定数以上のクレジットが貯留されている状況でベットボタン126が操作されることにより、メダルのベットがなされ、スタートスイッチ128の操作待ち状態となる。そして、スタートスイッチ128の操作が検知されると、次のステップS300に処理が移される。
【0038】
(ステップS300)
次に、メインCPU200aは、乱数発生器256によって生成された乱数に基づいて、複数設けられた当選役およびハズレのうちのいずれかを決定する内部抽選を行う。
【0039】
具体的に、スロットマシン100においては、遊技の進行に際して複数の遊技状態が設けられており、これら遊技状態および設定値に対応する複数の抽選テーブルがメインROM200bに格納されている。メインCPU200aは、メインRAM200cに記憶された現在の遊技状態と設定値とに応じて、対応する抽選テーブルを選択するとともに、選択した抽選テーブルに基づいて乱数が抽選テーブル内のいずれの当選役に対応するか判定する。
【0040】
ここで、各抽選テーブルで抽出される当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示(入賞)といい、当選役に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選という。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、次回の1遊技に際してメダルのベットが不要になる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより所定枚数のメダルの払い出しを受けることができるものである。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、遊技状態を、通常遊技状態からBB(ビッグボーナス)遊技状態に移行させることができる当選役である。
【0041】
なお、本実施形態においては、当選役の判定にあたり、遊技の進行にともなってメダルが減少するように小役の当選確率が設定された抽選テーブル(通常遊技状態用抽選テーブル)を用いる遊技状態を通常遊技状態とよぶ。これに対して、当選役の判定にあたり、メダルが増加するように小役の当選確率が設定された抽選テーブル(BB遊技状態用抽選テーブル)を用いる遊技状態をBB遊技状態とよぶ。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技上の利益について説明する。
【0042】
図6は、有効ラインおよび図柄組み合わせテーブルを示している。図6(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。ここで、有効ラインは5本あり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄のうち、左リール134a、中リール134b、右リール134cのそれぞれ中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインA、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインB1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインB2、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインC2をそれぞれ有効ラインとして設定している。
【0043】
また、図6(b)に示すように、本実施形態においては、当選役として、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「ビッグボーナス(以下、「BB」という。)」の合計4種類の当選役が設けられている。このうち、当選役「リプレイ」がリプレイ役に相当し、当選役「ベル」、当選役「スイカ」が小役に相当し、当選役「BB」がボーナス役に相当する。
【0044】
内部抽選の結果、当選役「リプレイ」が内部当選した場合には、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせのうち、回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「リプレイ」図柄が同一有効ライン上に表示可能となる。
【0045】
ここで、本実施形態においては、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄が有効ライン上にある場合には、当該図柄を有効ライン上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄が、有効ライン上にはないが、回転リール134の回転方向と反対の方向の図柄4つ分に相当する範囲(以下、「引込範囲」という。)内に存在している場合には、当該当選役に対応する図柄を有効ライン上に引き込むように停止制御がなされる。以下、単に「停止制御」や「表示可能」といった場合、このような引込範囲内で当選役に対応する図柄を引き込むといった処理を含む。
【0046】
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、「リプレイ」図柄および「ベル」図柄が、有効ラインの数および形状、ならびに、上記の停止制御によって、必ず有効ライン上に表示可能なように配置されている(図3参照)。したがって、当選役「リプレイ」に内部当選した場合には、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ライン上に表示されることとなる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、メダルをベットすることなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
【0047】
また、内部抽選の結果、当選役「ベル」に内部当選した場合には、「ベル」に対応する図柄組み合わせのうち、回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「ベル」図柄が同一有効ライン上に表示可能となる。そして、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、10枚のメダルが遊技者に払い出される。上記したとおり、本実施形態の各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ライン上に表示されることとなる(図3参照)。
【0048】
また、内部抽選の結果、当選役「スイカ」に内部当選した場合には、回転リール134a、134b、134cに記される「スイカ」図柄が同一有効ライン上に表示可能となる。上記の当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示された場合には、10枚のメダルが遊技者に払い出される。なお、回転リール134a、134b、134cにおいては、「スイカ」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ライン上に表示されない場合があるように配置されている(図3参照)。そのため、当選役「スイカ」に内部当選したとしても、遊技者は、当選役「スイカ」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させられるとは限らない。
【0049】
また、内部抽選の結果、当選役「BB」に内部当選した場合には、回転リール134a、134b、134cに記される「赤7」図柄または「青7」図柄が同一有効ライン上に停止可能となる。そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、BB遊技フラグがONすることで、遊技状態がBB遊技状態に設定され、次遊技以降、メダルが所定枚数(例えば465枚)払い出されるまで、BB遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「赤7」図柄および「青7」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ライン上に表示されない場合があるように配置されている(図3参照)。そのため、当選役「BB」に内部当選したとしても、遊技者は、1遊技において、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示させられるとは限らない。
【0050】
なお、いずれかの当選役に内部当選すると、それぞれの当選役に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、回転リール134a、134b、134cの停止制御がなされることとなる。このとき、当選役「ベル」、当選役「スイカ」に内部当選したものの、これら内部当選役に対応する図柄組み合わせをその1遊技で有効ライン上に表示することができなかった場合には(ただし、上記したように、本実施形態では、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせは必ず有効ライン上に表示することができる)、当該遊技において内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の内部当選の権利は当該遊技のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。
【0051】
これに対して、当選役「BB」に内部当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、回転リール134a、134b、134cの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示することができなかった場合には、そのまま内部当選フラグが次遊技に持ち越され、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示することが可能となる(以下、単に「内部中」と略す場合もある。)。
【0052】
なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」に対応する内部当選フラグが成立した場合には、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。
【0053】
図7は、各種抽選テーブルを示す図である。このうち、図7(a)は、通常遊技状態において内部抽選乱数を判定する場合に用いられる通常遊技状態用抽選テーブルを示している。本実施形態においては、内部抽選乱数が当選領域として複数に区画されており、当選領域毎に当選役が対応付けられている。例えば、内部抽選乱数0〜8999は当選領域1に区画されており、この当選領域1には当選役「リプレイ」が対応付けられている。内部抽選乱数は0〜65535まで設けられていることから、当選役「リプレイ」が内部当選する確率は9000/65536となる。同様に、内部抽選乱数9000〜16999の当選領域2には当選役「ベル」が対応付けられており、当選役「ベル」が内部当選する確率は、8000/65536となる。内部抽選乱数17000〜17399の当選領域3には当選役「スイカ」が対応付けられており、当選役「スイカ」が内部当選する確率は、400/65536となる。内部抽選乱数17400〜17699の当選領域4には当選役「BB」が対応付けられており、当選役「BB」が内部当選する確率は、300/65536となる。また、内部抽選乱数17700〜65535の当選領域5には「ハズレ」が対応付けられている。
【0054】
図7(b)は、内部中遊技状態用抽選テーブルを示す図である。この内部中遊技状態用抽選テーブルは、内部中遊技状態において内部抽選乱数を判定する場合に用いられるものである。なお、内部中遊技状態は、BB内部当選フラグが持ち越される場合に設定され、当選役「BB」に入賞することにより終了する。この内部中遊技状態用抽選テーブルによれば、重ねてボーナス役に内部当選することがなく、また、当選役「リプレイ」および当選役「ベル」の内部当選確率が、図7(b)に示すように、通常遊技状態用抽選テーブルに比べて高く設定され、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示できない場合においてもメダルの新たな投入を抑えさせることができる。
【0055】
図7(c)は、BB遊技状態用抽選テーブルを示す図である。このBB遊技状態用抽選テーブルは、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせに入賞して設定されるBB遊技状態において内部抽選乱数を判定する場合に用いられるものである。このBB遊技状態用抽選テーブルによれば、重ねてボーナス役およびリプレイ役に内部当選することがなく、各小役の内部当選確率が通常遊技状態用抽選テーブルに比べて高く設定されている。
【0056】
このように、図5のステップS300の抽選処理においては、設定されている遊技状態に対応する抽選テーブルを決定するとともに、当該決定した抽選テーブルに基づいて取得した内部抽選乱数を判定することにより、いずれかの当選役またはハズレを決定することとなる。
【0057】
(ステップS400)
上記のようにして抽選処理が終了すると、次に、メインCPU200aは、ステッピングモータ262を駆動して回転リール134a、134b、134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における回転リール134a、134b、134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると、当該遊技における回転リール134a、134b、134cの回転を開始し、回転リール134a、134b、134cの全てが定速回転となったところで、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を有効化する。
【0058】
(ステップS500)
続いて、メインCPU200aは、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが有効化されている状態で、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応する回転リール134a、134b、134cを所定の停止制御に従って停止させる。
【0059】
(ステップS600)
次に、メインCPU200aは、有効ライン上に表示された図柄組み合わせを判定するとともに、判定結果に基づいて、メダルの払出処理または遊技状態の変更や再遊技に際して要求される種々の処理を実行し、次遊技に備えることとなる。
【0060】
次に、本実施形態の特徴点を中心に、上記ステップS200〜ステップS600における各処理の詳細を説明する。
【0061】
図8は、上記ステップS200のベット処理の詳細を示す図である。
【0062】
(ステップS201)
まず、メインCPU200aは、再遊技カウンタが「0」であるかを判定する。この再遊技カウンタは、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが入賞した場合に、当該リプレイ役に入賞した遊技の開始時における投入されたメダル(以下、単に投入メダルと称する場合がある。)の枚数が記憶されるものである。例えば、3枚のメダルをベットして行った遊技でリプレイ役に対応する図柄組み合わせが入賞した場合には、上記ステップS600の判定・払出処理において、再遊技カウンタに「3」が記憶される。なお、上述したように、規定数を複数(1〜3)の中から選択可能な場合、2枚のメダルを投入して行った遊技でリプレイ役に対応する図柄組み合わせが入賞した場合には、上記ステップS600の判定・払出処理において、再遊技カウンタに「2」が記憶され、1枚のメダルを投入して行った遊技でリプレイ役に対応する図柄組み合わせが入賞した場合には、上記ステップS600の判定・払出処理において、再遊技カウンタに「1」が記憶される。つまり、ここでは、前回の遊技において、リプレイ役に入賞したか否かを判定することとなる。そして、再遊技カウンタが「0」であると判定した場合にはステップS205に処理を移し、再遊技カウンタが「0」ではないと判定した場合にはステップS202に処理を移す。
【0063】
(ステップS202)
上記ステップS201において、再遊技カウンタが「0」ではないと判定した場合、すなわち前回の遊技でリプレイ役に入賞した場合には、メインCPU200aは、メダルのベットを要することなく遊技を開始すべく、再遊技処理を行う。ここでは、再遊技カウンタに記憶された値を投入枚数カウンタに上書きして、規定数のメダルが自動的にベットされるとともに、再遊技カウンタがクリアされる。この投入枚数カウンタは、メダル投入部124に投入されたメダルの投入枚数を記憶するための記憶領域である。
【0064】
(ステップS203)
次に、メインCPU200aは、以後のメダル通過を禁止すべく、メダルセレクタを制御する。
【0065】
(ステップS204)
次に、メインCPU200aは、スタートスイッチ128の操作を検知するまで待機する。そして、スタートスイッチ128の操作を検知したところで、当該ベット処理を終了することとなる。
【0066】
(ステップS205)
一方、上記ステップS201において、再遊技カウンタが「0」であると判定した場合には、メインCPU200aは、メダルセレクタを制御して、メダル投入部124から投入されるメダルのスロットマシン100内部への通過を許可する処理を行う。
【0067】
(ステップS206)
次に、メインCPU200aは、メダル投入部124から投入されたメダルを検知したかを判定する。その結果、投入メダルを検知したと判定した場合にはステップS207に処理を移し、投入メダルを検知していないと判定した場合にはステップS214に処理を移す。
【0068】
(ステップS207)
上記ステップS206において、投入メダルを検知したと判定した場合には、メインCPU200aは、メダルの投入枚数が既に最大規定数に到達しているかを判定する。ここで、最大規定数は、上述したように、規定数のうち最大のものをいい、本実施形態では「3」に固定されているので、最大規定数も「3」となり、投入枚数が3枚に到達しているか否かが判定されることとなる。なお、規定数が「2」に固定されている場合、最大規定数は「2」となり、規定数が「1」に固定されている場合、最大規定数は「1」となり、規定数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定数は「3」となり、規定数が1と2との間で選択可能な場合、最大規定数は「2」となる。その結果、投入枚数が規定数に到達していると判定した場合にはステップS210に処理を移し、投入枚数は規定数に到達していないと判定した場合にはステップS208に処理を移す。
【0069】
(ステップS208)
上記ステップS207において、投入枚数は規定数に到達していないと判定した場合には、メインCPU200aは、投入枚数カウンタに記憶されている値に「1」を加算した値を、新たに投入枚数カウンタに記憶する。
【0070】
(ステップS209)
次に、メインCPU200aは、余剰数カウンタに記憶されている値(余剰数)に「1」を加算した値を、新たに余剰数カウンタに記憶する。こうして遊技者が手投入したメダルを規定数に至るまで積算する。ここで、余剰数は、メダルの不正な取得が行われていないことの判定基準となる数であり、その数値が0より大きな数を示している間に精算ボタン132を操作すると、エラー処理が遂行されることとなる。
【0071】
(ステップS210)
一方、上記ステップS207において、投入枚数が規定数に到達していると判定した場合には、メインCPU200aは、クレジットカウンタに記憶されているクレジット枚数が上限(例えば50枚)に到達しているかを判定する。なお、クレジットカウンタは、クレジット枚数を記憶するための記憶領域である。その結果、クレジット枚数が上限に到達していると判定した場合にはステップS213に処理を移し、クレジット枚数は上限に到達していないと判定した場合にはステップS211に処理を移す。
【0072】
(ステップS211)
上記ステップS210において、クレジット枚数は上限に到達していないと判定した場合には、メインCPU200aは、クレジットカウンタに記憶されている値に「1」を加算した値を、新たにクレジットカウンタに記憶する。
【0073】
(ステップS212)
次に、メインCPU200aは、余剰数カウンタに記憶されている値(余剰数)に「1」を加算した値を、新たに余剰数カウンタに記憶する。こうして遊技者が手投入した手投入枚数を積算する。
【0074】
(ステップS213)
一方、上記ステップS210において、クレジット枚数が上限に到達していると判定した場合には、メインCPU200aは、以後のメダル通過を禁止すべく、メダルセレクタを制御して手投入されたメダルをメダル排出口108aから排出するようにする。
【0075】
(ステップS214)
次に、メインCPU200aは、ベットボタン126の操作を検知したかを判定する。その結果、ベットボタン126の操作を検知したと判定した場合にはステップS215に処理を移し、ベットボタン126の操作を検知していないと判定した場合にはステップS217に処理を移す。
【0076】
(ステップS215)
上記ステップS214において、ベットボタン126の操作を検知したと判定した場合には、メインCPU200aは、メダルの投入枚数が、規定数に既に到達しているかを判定する。その結果、投入枚数が規定数に到達していると判定した場合にはステップS217に処理を移し、投入枚数は規定数に到達していないと判定した場合にはステップS216に処理を移す。
【0077】
(ステップS216)
上記ステップS215において、投入枚数は規定数に到達していないと判定した場合には、メインCPU200aは、クレジットカウンタに記憶されているクレジット枚数を減算するとともに、投入枚数カウンタに記憶されている投入枚数を加算する処理を行う。具体的には、規定数に到達するのに必要な枚数のクレジット枚数がクレジットカウンタに記憶されている場合には、記憶されていたクレジット枚数から投入枚数を減算した値にクレジットカウンタを更新するとともに、投入枚数カウンタを規定数に更新する。また、規定数に到達するのに必要なクレジット枚数が記憶されていない(クレジット枚数が1または2枚)場合には、クレジットカウンタを「0」に更新するとともに、記憶されている投入枚数にクレジット枚数を加算した値に投入枚数カウンタを更新する。なお、クレジット枚数が「0」であった場合には、投入枚数カウンタおよびクレジットカウンタを更新することなくステップS217に処理を移す。
【0078】
(ステップS217)
次に、メインCPU200aは、スタートスイッチ128の操作を検知したかを判定する。その結果、スタートスイッチ128の操作を検知したと判定した場合にはステップS218に処理を移し、スタートスイッチ128の操作を検知していないと判定した場合にはステップS206に処理を移し、ステップS206からを繰り返す。
【0079】
(ステップS218)
上記ステップS217において、スタートスイッチ128の操作を検知したと判定した場合には、メインCPU200aは、メダルの投入枚数が、最小規定数以上であるかを判定する。ここで、最小規定数は、上述したように、規定数のうち最小のものをいい、本実施形態では「3」に固定されているので、最小規定数も「3」となり、投入枚数が3枚に到達しているか否かが判定されることとなる。なお、規定数が「2」に固定されている場合、最小規定数は「2」となり、規定数が「1」に固定されている場合、最小規定数は「1」となり、規定数が1〜3の間で選択可能な場合、最小規定数は「1」となり、規定数が1と2との間で選択可能な場合、最小規定数は「1」となる。その結果、投入枚数が最小規定数以上であると判定した場合にはステップS219に処理を移し、投入枚数は最小規定数未満であると判定した場合にはステップS206に処理を移し、ステップS206からを繰り返す。
【0080】
(ステップS219)
上記ステップS218において、投入枚数が最小規定数以上であると判定した場合には、メインCPU200aは、以後のメダル通過を禁止すべく、メダルセレクタを制御し、当該ベット処理を終了する。
【0081】
(ステップS220)
次に、メインCPU200aは、精算許可フラグをOFFにして、精算処理を禁止する。
【0082】
(ステップS221)
次に、メインCPU200aは、余剰数カウンタに記憶されている値(余剰数)から遊技者が遊技の用に供したメダルの数(ここでは規定数)を減算した値を、新たに余剰数カウンタに記憶する。
【0083】
(ステップS222)
次に、メインCPU200aは、余剰数カウンタが「0」未満であるか否かを判定する。その結果、余剰数カウンタが「0」未満であると判定した場合にはステップS223に処理を移し、「0」未満ではない、即ち、「0」以上である場合には当該ベット処理を終了する。
【0084】
(ステップS223)
上記ステップS222において、余剰数カウンタが「0」未満であると判定した場合には、メインCPU200aは、余剰数カウンタに「0」を設定して(余剰数を0に補正して)当該ベット処理を終了する。こうして、余剰数カウンタの下限を「0」とし、枚数が0未満の負の数とはならないようにしている。
【0085】
図9は、上記ステップS300の抽選処理の詳細を示す図である。
【0086】
(ステップS301)
上記のようにしてベット処理が終了すると、まず、メインCPU200aは、現在の遊技状態がBB遊技状態であることを示すBB遊技フラグがON(成立)しているかを判定する。その結果、BB遊技フラグがONしていると判定した場合にはステップS302に処理を移し、BB遊技フラグはONしていないと判定した場合にはステップS303に処理を移す。
【0087】
(ステップS302)
上記ステップS301において、BB遊技フラグがONしていると判定した場合には、メインCPU200aは、図7(c)に示すBB遊技状態用抽選テーブルをセットして、ステップS306に処理を移す。
【0088】
(ステップS303)
一方、上記ステップS301において、BB遊技フラグはONしていないと判定した場合には、メインCPU200aは、現在の遊技状態が内部中遊技状態であることを示すBB内部当選フラグがON(成立)しているかを判定する。その結果、BB内部当選フラグがONしていると判定した場合にはステップS304に処理を移し、BB内部当選フラグはONしていないと判定した場合にはステップS305に処理を移す。
【0089】
(ステップS304)
上記ステップS303において、BB内部当選フラグがONしていると判定した場合には、メインCPU200aは、図7(b)に示す内部中遊技状態用抽選テーブルをセットして、ステップS306に処理を移す。
【0090】
(ステップS305)
一方、上記ステップS303において、BB内部当選フラグはONしていないと判定した場合には、メインCPU200aは、図7(a)に示す通常遊技状態用抽選テーブルをセットして、ステップS306に処理を移す。
【0091】
(ステップS306)
次に、メインCPU200aは、乱数発生器256によって更新された内部抽選乱数を抽出し、メインRAM200cの処理領域に記憶する。
【0092】
(ステップS307)
次に、メインCPU200aは、抽出した内部抽選乱数を、上記ステップS302、ステップS304またはステップS305のいずれかでセットされた抽選テーブルに基づいて判定する。
【0093】
(ステップS308)
次に、メインCPU200aは、上記ステップS307の判定結果に基づいて、内部当選フラグを設定する。例えば、上記ステップS307において、当選役「ベル」に当選していると判定された場合には当選役「ベル」に内部当選していることを示す内部当選フラグをONし、当選役「BB」に当選していると判定された場合には当選役「BB」に内部当選していることを示すBB内部当選フラグをONする。
【0094】
(ステップS309)
次に、メインCPU200aは、当該抽選処理における抽選結果を示すコマンドを副制御基板202に送信する抽選結果コマンド送信処理を行って、当該抽選処理を終了する。ここでは、いずれかの当選役に内部当選した場合には、その当選役に対応するコマンドが送信され、抽選結果がハズレであった場合には、ハズレに対応するコマンドが送信される。
【0095】
図10は、上記ステップS400のリール回転処理の詳細を示す図である。
【0096】
(ステップS401)
上記のようにして抽選処理が終了すると、まず、メインCPU200aは、ウェイトタイマが「0」であるか、すなわち、前回の回転リール134a、134b、134cの回転開始から4.1秒を経過したかを判定する。その結果、ウェイトタイマが「0」ではなく、前回の回転リール134a、134b、134cの回転開始から4.1秒を経過していないと判定した場合にはステップS402に処理を移し、ウェイトタイマが「0」であり、前回の回転リール134a、134b、134cの回転開始から4.1秒を経過していると判定した場合にはステップS403に処理を移す。
【0097】
(ステップS402)
上記ステップS401において、ウェイトタイマが「0」ではないと判定した場合には、メインCPU200aは、ウェイトタイマをカウントダウンするウェイト実行処理を行う。このウェイト実行処理においては、ウェイトタイマが「0」になるまで待機するとともに、ウェイトタイマが「0」になったところでステップS403に処理を移すこととなる。
【0098】
(ステップS403)
次に、メインCPU200aは、次遊技のウェイト実行処理に備えて、ウェイトタイマに4.1秒をセットする。ウェイトタイマは時間の経過に応じて減算され4.1秒後に「0」を示す。
【0099】
(ステップS404)
次に、メインCPU200aは、リール駆動制御部258を制御してステッピングモータ262を駆動し、回転リール134a、134b、134cの回転を開始する。
【0100】
(ステップS405)
次に、メインCPU200aは、回転リール134a、134b、134cの全てが定速回転となったところで、ストップスイッチ130を有効化し、当該リール回転処理を終了する。
【0101】
図11は、上記ステップS500のリール停止処理の詳細を示す図である。
【0102】
(ステップS501)
上記のようにしてリール回転処理が終了すると、まず、メインCPU200aは、上記ステップS308で設定された内部当選フラグを参照し、これらのフラグに対応する停止制御テーブルを決定する。この停止制御テーブルは内部当選フラグに対応する分だけ予め用意されている。
【0103】
そして、上記のように、内部当選フラグに応じて設けられた停止制御テーブルが決定されると、メインCPU200aは、ステップS502に処理を移すこととなる。
【0104】
(ステップS502)
メインCPU200aは、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されるまで待機する。
【0105】
(ステップS503)
上記ステップS502において、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、メインCPU200aは、上記ステップS501において決定された停止制御テーブルに基づいて、リール停止制御処理を実行する。このリール停止制御処理は、ストップスイッチ130の押圧操作を検知するたびに、予め設定された条件に従って回転リール134a、134b、134cを停止させるものである。つまり、上記したとおり、いずれかの当選役に当選した場合に、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作された時点で、有効ライン上に当選役に対応する図柄が位置していれば、当該図柄をその位置に停止するように制御する。また、有効ライン上に当選役に対応する図柄が位置していない場合であっても、引込範囲に当選役に対応する図柄が位置していれば、回転リール134の回転方向に沿って当選役に対応する図柄が有効ラインに表示されるようにその当選役に対応する図柄を引き込むように停止制御する。一方、何ら当選役に当選していないときには、有効ラインに当選役に対応する図柄が表示されるように狙ったとしても、その表示が回避されるように停止制御を行う。
【0106】
(ステップS504)
次に、メインCPU200aは、回転リール134a、134b、134cのいずれかが停止したことおよび停止した回転リールを示す停止コマンドを副制御基板202に送信するための処理を行う。
【0107】
(ステップS505)
次に、メインCPU200aは、回転リール134a、134b、134cのうち、停止した回転リールに対応するストップボタンスイッチ130a、130b、130cを無効化する処理を行う。
【0108】
(ステップS506)
次に、メインCPU200aは、回転リール134a、134b、134cの全てが停止したかを判定する。その結果、回転リール134a、134b、134cは全て停止していないと判定した場合、換言すれば、回転リール134a、134b、134cのうちのいずれかが回転中であると判定した場合にはステップS502に処理を移す。一方、回転リール134a、134b、134cの全てが停止したと判定した場合には、当該リール停止処理を終了する。
【0109】
図12は、上記ステップS600の判定・払出処理の詳細を示す図である。
【0110】
(ステップS601)
上記のようにしてリール停止処理が終了すると、まず、メインCPU200aは、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである「赤7」「赤7」「赤7」からなる図柄組み合わせまたは「青7」「青7」「青7」からなる図柄組み合わせが有効ライン上に表示されているかを判定する。その結果、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合にはステップS602に処理を移し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは有効ライン上に表示されていないと判定した場合にはステップS603に処理を移す。
【0111】
(ステップS602)
また、上記ステップS601において、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合には、次遊技からBB遊技を開始すべく(BB遊技状態に移行すべく)、メインCPU200aは、BB遊技フラグをONするとともにBB内部当選フラグをOFFするなど、種々の処理を実行して当該判定・払出処理を終了する。
【0112】
(ステップS603)
一方、上記ステップS601において、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは有効ライン上に表示されていないと判定した場合には、メインCPU200aは、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されているかを判定する。その結果、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合にはステップS604に処理を移し、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせはいずれも有効ライン上に表示されていないと判定した場合にはステップS605に処理を移す。
【0113】
(ステップS604)
上記ステップS603において、当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合には、メインCPU200aは、次回の遊技をメダルのベットを要さずに開始するための再遊技処理を実行する。この再遊技処理においては、当該遊技の開始時にベットされたメダルの枚数(規定数)を、上記した再遊技カウンタに記憶するとともに、当該遊技の終了にあたって必要となる種々の処理が行われる。
【0114】
(ステップS605)
一方、上記ステップS603において、当選役「リプレイ」に対応するいずれの図柄組み合わせも有効ライン上に表示されていないと判定した場合には、メインCPU200aは、いずれかの小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されているかを判定する。その結果、小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合にはステップS650に処理を移し、小役に対応するいずれの図柄組み合わせも有効ライン上に表示されていないと判定した場合にはステップS606に処理を移す。
【0115】
(ステップS606)
上記ステップS605において、小役に対応するいずれの図柄組み合わせも有効ライン上に表示されていないと判定した場合には、メインCPU200aは、ハズレ処理として当該遊技の終了にあたって必要となる種々の処理を実行する。
【0116】
(ステップS607)
次に、メインCPU200aは、以後の遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を実行する。例えば、BB遊技フラグがONしている場合、つまり、現在、BB遊技中である場合には、当該BB遊技中の合計払出枚数が所定枚数(例えば465枚)を超えたかを判定する。そして、BB遊技中の合計払出枚数が所定枚数を超えた場合には、BB遊技状態を終了して、以後の遊技状態を通常遊技状態に設定するようにフラグ処理を行い、合計払出枚数が所定枚数を超えていない場合には、次遊技もBB遊技状態を継続するための処理を行う。なお、各小役内部当選フラグ、リプレイ内部当選フラグがONしている場合には、当該フラグをOFFすることとなる。このように、遊技状態設定処理を終了したら、当該判定・払出処理を終了する。
【0117】
(ステップS650)
また、上記ステップS605において、小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されていると判定した場合には、メインCPU200aは、当該小役に対応するメダルを払い出す払出処理を実行する。なお、この払出処理においては、当該遊技の終了にあたって必要となる種々の処理が行われる。この払出処理について、図13を用いて説明する。
【0118】
(ステップS651)
まず、メインCPU200aは、有効ライン上に表示された小役に対応する図柄組み合わせの表示態様に応じて払出枚数を決定し、払出枚数(=払出残数)を、払出カウンタにセットする。例えば、小役「ベル」に当選している場合には、払出カウンタに「10」をセットし(図6参照)そのセットされた払出枚数を、メイン払出表示部154に表示する。なお、払出カウンタは、払い出すべきメダルの残数を記憶するための記憶領域である。
【0119】
(ステップS652)
次に、メインCPU200aは、クレジット枚数が上限(例えば50枚)に到達しているかを判定する。つまり、メダルの払い出しをクレジットによって実行できるか否かを判定する。その結果、クレジット枚数が上限に到達していると判定した場合にはステップS656に処理を移し、クレジット枚数は上限に到達していないと判定した場合にはステップS653に処理を移す。
【0120】
(ステップS653)
上記ステップS652において、クレジット枚数は上限に到達していないと判定した場合には、メインCPU200aは、払出カウンタに記憶されている払出枚数から「1」減算した値を新たに払出カウンタにセットし、その新たな払出枚数を、メイン払出表示部154に表示する。
【0121】
(ステップS654)
次に、メインCPU200aは、クレジットカウンタに記憶されているクレジット枚数に「1」加算した値を新たにクレジットカウンタにセットし、その新たなクレジット枚数を、メインクレジット表示部152に表示する。
【0122】
(ステップS655)
次に、メインCPU200aは、払出カウンタに記憶されている払出枚数が「0」になったかを判定する。つまり、メダルの払い出しが完了したか否かを判定する。その結果、払出枚数が「0」であると判定した場合にはステップS661に移行し、払出枚数は「0」ではないと判定した場合には、ステップS652に処理を移し、クレジット枚数が上限に到達するか、払出枚数が「0」になるまで、ステップS653からS655までの処理を繰り返す。
【0123】
(ステップS656)
上記S652において、クレジット枚数が上限に到達していると判定した場合には、メダル排出口108aからメダルを払い出すべく、メインCPU200aは、払出制御部264bのディスクの回転を開始させる。
【0124】
(ステップS657)
次に、メインCPU200aは、メダル検出部264cによってメダル排出口108aからメダルの排出(1枚)が検知されるのを待機する。
【0125】
(ステップS658)
メダル検出部264cによってメダルの排出が検知されると、メインCPU200aは、払出カウンタに記憶されている払出枚数から「1」減算した値を新たに払出カウンタにセットし、その新たな払出枚数をメイン払出表示部154に表示する。
【0126】
(ステップS659)
次に、メインCPU200aは、払出カウンタに記憶されている払出枚数が「0」になったかを判定する。つまり、メダルの払い出しが完了したか否かを判定する。その結果、払出枚数が「0」であると判定した場合にはステップS660に処理を移し、払出枚数は「0」ではないと判定した場合には、ステップS657に処理を移し、払出枚数が「0」になるまで、ステップS658からステップS659までの処理を繰り返す。
【0127】
(ステップS660)
上記ステップS659において、払出枚数が「0」であると判定した場合には、メインCPU200aは、払出制御部264bのディスクの回転を停止する。
【0128】
(ステップS661)
次に、メインCPU200aは、再遊技カウンタが「0」であるかを判定する。その結果、再遊技カウンタが「0」であると判定した場合にはステップS662に処理を移し、再遊技カウンタは「0」ではないと判定した場合には当該払出処理を終了する。こうして、当選役「リプレイ」に対応する内部当選フラグが成立している場合、次遊技が完了するまでステップS662に示す精算許可フラグをOFFに維持し、精算処理を許可しない。
【0129】
(ステップS662)
上記ステップS655において、払出枚数が「0」であると判定した場合、および、上記ステップS660が完了すると、メインCPU200aは、精算許可フラグをONにして、当該払出処理を終了する。こうして、精算処理が可能になる。
【0130】
(主制御基板200の割込処理)
図14は、主制御基板200の割込処理を示したフローチャートである。ここでは、特に、精算処理S800を説明し、他の割込処理は説明を省略する。
【0131】
(ステップS800)
精算ボタン132を通じた精算操作が為されると、当該割込処理に処理が移行する。ここでは、既にベットされているメダルおよびクレジットされているメダルを返却(精算)することができる。
【0132】
(ステップS801)
まず、メインCPU200aは、精算許可フラグがONとなっているかを判定する。その結果、精算許可フラグがONとなっていると判定した場合にはステップS802に処理を移し、精算許可フラグがONとなっていないと判定した場合には当該精算処理(割込処理)を終了する。
【0133】
(ステップS802)
上記ステップS801において、精算許可フラグがONとなっていると判定した場合には、メインCPU200aは、余剰数カウンタに記憶されている余剰数が「1」以上となっているかを判定する。その結果、余剰数が「1」以上であると判定した場合にはステップS803に処理を移し、余剰数が「1」以上ではない、すなわち、余剰数が「0」であると判定した場合にはステップS804に処理を移す。
【0134】
(ステップS803)
上記ステップS802において、余剰数が「1」以上であると判定した場合には、メインCPU200aは、当該精算操作が不正行為の可能性があるとして、エラーと判定し、液晶表示部138等にエラーが生じた旨の画像を表示してエラーを報知する等、エラーに関する種々の処理を実行する。このようなエラー状態はスロットマシン100の管理者側でのみ解除でき、遊技者は解除することができない。なお、余剰数が「1」以上であった場合でも、当該ステップS803を省略して、エラーと判定しないとしてもよい。その場合、遊技者は、後述するように、投入枚数およびクレジット枚数の合計から余剰数を減算した値に相当するメダルのみを払い戻すことが可能となる。
【0135】
(ステップS804)
次に、メインCPU200aは、投入枚数カウンタに記憶されている投入枚数とクレジットカウンタに記憶されているクレジット枚数との和から余剰数を減算し、精算枚数として精算カウンタにセットするとともに、余剰数カウンタに0をセットする。なお、精算カウンタは、精算すべきメダルの残数を記憶するための記憶領域である。上記のように、余剰数が「0」ではないとエラーとみなされるが、投入枚数とクレジット枚数との合計のうち、余剰数を超える分については、遊技を通じて正規に取得したメダルと推定することができる。したがって、ここでは、余剰数を超える投入枚数およびクレジット枚数、すなわち、投入枚数とクレジット枚数の合計から余剰数を減算した値を精算枚数として、精算カウンタにセットしている。通常、精算時において余剰数は「0」となっていることが想定されているので、その場合は、クレジット枚数と精算枚数が等しくなり、クレジット枚数を全て精算することができる。
【0136】
(ステップS805)
次に、メインCPU200aは、精算枚数が「1」以上であるかを判定する。その結果、精算枚数が「1」以上であると判定した場合にはステップS806に処理を移し、精算枚数が「1」以上ではない、すなわち、精算すべきメダルがないと判定した場合には当該精算処理を終了する。
【0137】
(ステップS806)
上記S805において、精算枚数が「1」以上であると判定した場合には、メダル排出口108aからメダルを払い出すべく、メインCPU200aは、払出制御部264bのディスクの回転を開始させる。
【0138】
(ステップS807)
次に、メインCPU200aは、メダル検出部264cによってメダル排出口108aからメダルの排出(1枚)が検知されるのを待機する。
【0139】
(ステップS808)
メダル検出部264cによってメダルの排出が検知されると、メインCPU200aは、精算カウンタに記憶されている精算枚数から「1」減算した値を新たに精算カウンタにセットする。
【0140】
(ステップS809)
次に、メインCPU200aは、投入枚数カウンタに記憶されている投入枚数が「0」になったかを判定する。つまり、投入枚数についてもメダルの精算処理が完了したか否かを判定する。その結果、投入枚数が「0」であると判定した場合にはステップS811に処理を移し、投入枚数は「0」ではないと判定した場合には、ステップS810に処理を移す。
【0141】
(ステップS810)
上記ステップS809において、投入枚数は「0」ではないと判定した場合、メインCPU200aは、投入枚数カウンタに記憶されている投入枚数から「1」減算した値を新たに投入枚数カウンタにセットする。
【0142】
(ステップS811)
上記ステップS809において、投入枚数は「0」であると判定した場合、メインCPU200aは、クレジットカウンタに記憶されているクレジット枚数から「1」減算した値を新たにクレジットカウンタにセットし、その新たなクレジット枚数をメインクレジット表示部152に表示する。
【0143】
(ステップS812)
次に、メインCPU200aは、精算カウンタに記憶されている精算枚数が「0」になったかを判定する。つまり、メダルの精算処理が完了したか否かを判定する。その結果、精算枚数が「0」であると判定した場合にはステップS813に処理を移し、精算枚数は「0」ではないと判定した場合には、ステップS807に処理を移し、精算枚数が「0」になるまで、ステップS808からステップS812までの処理を繰り返す。
【0144】
(ステップS813)
上記ステップS812において、精算枚数が「0」であると判定した場合には、メインCPU200aは、払出制御部264bのディスクの回転を停止し、当該精算処理を終了する。
【0145】
以上、説明した本実施形態の処理の流れを、メダル枚数の推移を用いて具体的に説明する。
【0146】
図15は、遊技が進行することによって変化する各カウンタのメダル枚数を示している。図15では、縦方向に遊技の進行を示し、横方向に同一遊技中の各カウンタの状態を示している。例えば、遊技者が手投入によってメダルを「10」枚投入すると(手投入枚数は「10」)、投入枚数は規定数である、例えば「3」となり、残りの手投入枚数「7」はクレジット枚数として記憶される。このとき、余剰数は、一旦、手投入枚数(投入枚数+クレジット枚数)の「10」となるが、スタートスイッチ128の操作が為されると、余剰数から投入枚数「3」が減算され「7」となる。
【0147】
遊技者が1遊技を実行し次の遊技(遊技回数「2」)に移行し、ベットボタン126の操作を通じて投入枚数が「3」にセットされると、その分クレジット枚数から減算されクレジット枚数は「4」となる。ここで、スタートスイッチ128の操作が為されると、余剰数から投入枚数「3」が減算され余剰数は「4」となる。当該遊技では、当選役「ベル」が入賞することで「10」枚の払出を受けたとする。するとクレジット枚数に「10」が加算され、クレジット枚数は「14」となる。ただし、入賞による払い出しによっては、余剰数は「4」のまま変化しない。
【0148】
遊技者がさらに1遊技を実行し、次の遊技(遊技回数「3」)に移行すると、ベットボタン126の操作を通じて投入枚数が「3」にセットされ、その分クレジット枚数から減算されクレジット枚数は「11」となる。ここで、スタートスイッチ128の操作が為されると、余剰数から投入枚数「3」が減算され余剰数は「1」となる。
【0149】
遊技者がさらに1遊技を実行し、次の遊技(遊技回数「4」)に移行すると、クレジット枚数は「8」となる。ここで、スタートスイッチ128の操作が為されると、余剰数「1」から投入枚数「3」が減算されるが、上述したように余剰数は「0」を下限としているので、余剰数は「0」に補正される。遊技者がさらに1遊技を実行し、次の遊技(遊技回数「5」)に移行すると、クレジット枚数は上記同様投入枚数「3」だけ減算されるが、新たな手投入が実行されない限り、余剰数は「0」に維持される。遊技者がさらに1遊技を実行し、次の遊技(遊技回数「6」)に移行しても余剰数は「0」に維持される。
【0150】
このように、余剰数が「0」に維持されている間に、遊技者が精算処理を行ったとしても、余剰数が1以上ではないので、エラーと判定されることはなく、遊技者は、クレジット枚数を全て精算することができる。
【0151】
また、遊技者が精算処理を実行せず、さらに1遊技を実行し、次の遊技(遊技回数「7」)に移行したとき、クレジット枚数が規定数に足りないことから新たな手投入が実行される(手投入枚数「4」)。そして、スタートスイッチ128の操作が為されると、余剰数は、手投入枚数「4」から規定数が減算されて「1」となる。
【0152】
仮に、不正な第三者がメダルを実際に投入することなく不正に手投入枚数を増加させたとしても、その増加させた投入枚数だけ、余剰数が蓄積されるので、実際の遊技を実行することなく精算処理を行おうとすると、その行為がエラーと判定される。また、余剰数に応じてメダルの払い出しが制限され、正規のメダルを不正に受けることもできない。
【0153】
ただし、本実施形態は、あくまで、不正行為が実行されたかどうか疑わしい場合に、一旦、遊技の進行を停止させ確認するに留め、実質的に不正行為の抑止力として働くことを想定している。
【0154】
以上のように、本実施形態によれば、メダル投入口124aから投入されたメダルの数と、遊技の用に供されたメダルの数とを用いて計算するだけといった簡易な構成で、メダルの精算時において不正に貯留したクレジットの払い出しを受けるといった不正行為の発生を抑制することが可能となる。
【0155】
また、余剰数の下限を0とすることで(0未満となると0に補正することで)、正規に遊技を行い、規定数の減算が繰り返されても余剰数が0未満となることはなく、常に0に維持することができる。そうすると、正規の遊技者が遊技した後で、不正な第三者が精算処理を通じた不正行為を働こうと試みたとしても、手投入とみなされた枚数と等しい余剰数が設定され、エラー判定が可能となるため、管理者側は、不正行為を実行するタイミングに拘わらず、そのような行為が行われた可能性があることを確実に把握することができる。
【0156】
また、上記実施形態においては、余剰数が1以上であることをもって、エラーと判定するとしたが、ベットおよびクレジットの精算の際に、余剰数が、最大規定数とクレジット上限数の合計値未満の予め定められた数以上であればエラーと判定し、また、クレジットのみの精算の際に、余剰数が、クレジット上限数未満の予め定められた数以上であればエラーと判定するとしてもよい。例えば、最小規定数に満たない数のメダルを投入しても遊技を開始することができないので、遊技者は、メダルを手投入した直後に精算処理を行う場合がある。本実施形態におけるエラー処理は、上述したように、あくまで不正行為の有無を確認するだけではあるものの、このような精算枚数が少ない場合においてまで当該エラー処理を徹底すると、遊技者が、それを不快に感じる可能性もある。そこで、最小規定数に満たない数のメダルが投入された場合、余剰数が1以上となったとしても、最小規定数未満であれば、エラーと判定しないこととする。また、エラーを判定する基準を、「1」以上ではなく、最大規定数とクレジット上限数の合計値未満(ベットおよびクレジットの精算の場合)またはクレジット上限数未満(クレジットのみの精算の場合)の予め定められた数以上の所定数(例えば、「10」以上)とすることで、少ない枚数の精算処理を許容することが可能となる。この場合、上記精算カウンタのセット処理S804において、投入枚数とクレジット枚数との和から余剰数を減算しないようにし、即ち、精算枚数は投入枚数とクレジット枚数との和と等しくなり、遊技者は、投入およびクレジットされた枚数全てを払い出すことができる。このように、最大規定数とクレジット上限数の合計値未満またはクレジット上限数未満の予め定められた数未満のメダルの精算に対しては、エラーと判定せず、かつ、投入およびクレジットされた枚数全てを無条件に払い出すことで、正当な遊技者が不快に感じるのを回避し、一方で不正を適切に把握することができる。例えば、不正者は、不正行為の発覚を避けるために、不審な動作を最小現に抑え、クレジットを満タンにするための不正治具を投入口に挿入しっぱなしにし、その不正治具を抜き差しせず、そのまま不正の機会を伺って精算動作を繰り返す。したがって、不正行為を行う際には、クレジット枚数がクレジット上限枚数と等しくなっている可能性が高い。また、不正者は、1回の精算でなるべく多くのメダルを払い出そうと考えるものである。ここでは、このようなクレジット枚数がクレジット上限枚数やそれ以下の比較的多い枚数でエラーと判定されるようにしているので、不正者が一度の機会でなるべく多くのメダルを精算しようとすればするほど、不正が発覚する可能性が高くなり、管理者側は、不正を適切に把握することができるようになる。
【0157】
上記クレジット上限数未満の予め定められた数は、遊技者がメダルを投入した直後に精算処理を行う場合の想定精算枚数と、不正行為の手間とを勘案して決定するとよい。また、このクレジット上限数未満の予め定められた数は、スロットマシン100の筐体102内のスイッチにより管理者側で変更することができるとしてもよい。
【0158】
また、上記実施形態では、精算処理において、エラーと判定されたとしても、投入枚数とクレジット枚数との和から余剰数を減算した分のメダル、すなわち、正規に払い出しが実行されたメダルに関しては払い出しを行うとしたが、エラーと判定された場合に、払い出し自体を実行しない、すなわち、精算カウンタを0にセットするとしてもよい。
【0159】
また、上記実施形態では、ベット処理において、手投入した手投入枚数を余剰数に加算するとしているが、手投入枚数から投入枚数を減算した、クレジット枚数を余剰数に加算するとしてもよい。加算対象をクレジット枚数とすることで、規定数の範囲の不正行為に対してエラー判定が為されない可能性があるが、規定数以下の払い出しを欲する不正行為は考えにくいため、実質的に手投入枚数を加算する場合と同様の効果を見込むことができる。
【0160】
また、上記実施形態では、ベット処理において、余剰数を積算する際、当選役「リプレイ」に対応する内部当選フラグが成立した場合の次遊技に関して余剰数の減算対象としていないが、かかる次遊技についても、規定数のベットがあったとみなして余剰数から減算されるとしてもよい。
【0161】
また、上記実施形態のベット処理では、規定数(例えば3枚)に到達することで、抽選処理に移行できる、すなわち、規定数にならないと遊技が進行しないとして説明したが、規定数以下の例えば1枚や2枚をベットした状態で、抽選処理に移行し、その投入枚数に応じたテーブルによって抽選処理が実行されてもよい。
【0162】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0163】
なお、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【0164】
なお、上記実施形態において、メダル投入部124が本発明の遊技媒体受付手段に相当し、図8に示すベット処理を実行するメインCPU200aが本発明のベット手段に相当し、そのベット処理において、所定の上限数までメダルをクレジットとして貯留する処理を実行するメインCPU200aが本発明のクレジット手段に相当し、精算ボタン132が本発明のクレジット精算要求手段に相当し、図14に示す精算処理を実行するメインCPU200aが本発明のクレジット精算払出手段に相当し、図9に示す抽選処理を実行するメインCPU200aが本発明の当選役抽選手段に相当し、図10に示すリール回転処理および図11に示すリール停止処理を実行するメインCPU200aが本発明のリール制御手段に相当し、図12に示す判定・払出処理および図13に示す払出処理を実行するメインCPU200aが本発明の払出制御手段に相当し、上記ベット処理において、メダル投入口からメダルが投入されたとき、メダル投入部124で受け付けられたメダルを余剰数として積算し、上記抽選処理において、ベットされたメダルの数を、余剰数から減算する処理を実行するメインCPU200aが本発明の余剰数積算手段に相当し、余剰数カウンタが本発明の余剰数記憶手段に相当し、図14に示す精算処理において、余剰数が1以上のときエラーと判定する処理を実行するメインCPU200aが本発明のエラー判定手段に相当する。
【符号の説明】
【0165】
100 …スロットマシン(遊技機)
128 …スタートスイッチ
130 …ストップスイッチ
130a、130b、130c …ストップボタンスイッチ
134 …リールユニット
134a、134b、134c …回転リール
200 …主制御基板
200a …メインCPU
200b …メインROM
200c …メインRAM
202 …副制御基板
202a …サブCPU
202b …サブROM
202c …サブRAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口からの遊技媒体の投入を受け付ける遊技媒体受付手段と、
遊技に使用するため遊技媒体をベットするベット手段と、
所定の上限数まで遊技媒体をクレジットとして貯留するクレジット手段と、
前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求を受け付けるクレジット精算要求手段と、
前記クレジット精算要求手段を通じてクレジットの精算要求があると、貯留されたクレジットに相当する遊技媒体を返却するクレジット精算払出手段と、
遊技媒体のベットおよびスタートスイッチの操作に基づき、当選役およびハズレのうちのいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、
複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールと、
前記スタートスイッチの操作に基づき、前記複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応したストップスイッチの操作に基づき、操作された該ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、
前記当選役抽選で決定した所定の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されたことに基づいて遊技媒体の払い出しを行う払出制御手段と、を備え、
前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記ベット手段は、所定条件下で前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、所定数の遊技媒体をベットし、前記クレジット手段は、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、前記所定数を超える数の遊技媒体を所定条件下でクレジットとして貯留し、
ベットスイッチが操作されたとき、前記クレジット手段は、所定条件下で当該ベットスイッチの操作に応じた数の遊技媒体を前記クレジットから減算し、前記ベット手段は、当該クレジットから減算された数と同数の遊技媒体をベットし、
前記クレジット手段は、前記払出制御手段によって遊技媒体の払い出しが行われたとき、クレジットが前記上限数まで達していない場合、クレジットが前記上限数に達するまで、払い出された遊技媒体をクレジットすることが可能な遊技機であって、
前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体を余剰数として積算する余剰数積算手段と、
前記余剰数を記憶する余剰数記憶手段と、を備え、
前記余剰数積算手段は、遊技媒体がベットされ、前記当選役抽選手段によって当選役抽選が行われる度に、当該ベットされた遊技媒体の数を、前記余剰数記憶手段に記憶されている余剰数から減算する処理を行い、
前記余剰数が1以上である間に、前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求があるとエラーと判定するエラー判定手段
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
投入口からの遊技媒体の投入を受け付ける遊技媒体受付手段と、
遊技に使用するため遊技媒体をベットするベット手段と、
所定の上限数まで遊技媒体をクレジットとして貯留するクレジット手段と、
前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求を受け付けるクレジット精算要求手段と、
前記クレジット精算要求手段を通じてクレジットの精算要求があると、貯留されたクレジットに相当する遊技媒体を返却するクレジット精算払出手段と、
遊技媒体のベットおよびスタートスイッチの操作に基づき、当選役およびハズレのうちのいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、
複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールと、
前記スタートスイッチの操作に基づき、前記複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応したストップスイッチの操作に基づき、操作された該ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、
前記当選役抽選で決定した所定の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインに表示されたことに基づいて遊技媒体の払い出しを行う払出制御手段と、を備え、
前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記ベット手段は、所定条件下で前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、所定数の遊技媒体をベットし、前記クレジット手段は、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体のうち、前記所定数を超える数の遊技媒体を所定条件下でクレジットとして貯留し、
ベットスイッチが操作されたとき、前記クレジット手段は、所定条件下で当該ベットスイッチの操作に応じた数の遊技媒体を前記クレジットから減算し、前記ベット手段は、当該クレジットから減算された数と同数の遊技媒体をベットし、
前記クレジット手段は、前記払出制御手段によって遊技媒体の払い出しが行われたとき、クレジットが前記上限数まで達していない場合、クレジットが前記上限数に達するまで、払い出された遊技媒体をクレジットすることが可能な遊技機であって、
前記投入口から遊技媒体が投入されたとき、前記遊技媒体受付手段で受け付けられた遊技媒体を余剰数として積算する余剰数積算手段と、
前記余剰数を記憶する余剰数記憶手段と、を備え、
前記余剰数積算手段は、遊技媒体がベットされ、前記当選役抽選手段によって当選役抽選が行われる度に、当該ベットされた遊技媒体の数を、前記余剰数記憶手段に記憶されている余剰数から減算する処理を行い、
前記精算払出手段は、前記余剰数が1以上である間に、前記ベット手段によりベットされた遊技媒体および前記クレジット手段に貯留されたクレジットの少なくとも一方の精算要求があると、投入枚数とクレジット枚数の合計から余剰数を減算した値に相当する遊技媒体を返却することを特徴とする遊技機。
【請求項3】
前記余剰数記憶手段は、前記余剰数が0未満となると該余剰数を0に補正することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記エラー判定部は、前記余剰数が、1遊技を開始するために必要なメダルの投入枚数である規定数のうちの最小の値未満である場合、エラーと判定しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−196377(P2012−196377A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63639(P2011−63639)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】