説明

遊技機

【課題】従来より趣向性の低下を抑えることができる遊技機の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の遊技機10では、当否判定権利の保留がある状態で、「大当たり又はSPリーチ成立」となる当否判定権利が保留された場合、その後、最初に消化される保留の当否判定結果を変動表示するときに、特別演出を実行する。このとき、保留数が3以下であれば、変動時間として第1変動時間(12.0秒)が設定され、その変動時間内に特別演出が実行される。保留数が4以上であれば、変動時間が第2変動時間(4.0秒)に短縮され、最初に消化される保留の変動時間内で特別演出の前半部分である液晶演出を実行し、その次に消化される保留の変動時間内に残りの後半部分である駆動演出が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞を起因にして取得した遊技に関する判定結果を入賞順に変動表示し、判定結果の変動表示中に新たな入賞があった場合に、その新たな入賞についての判定結果を保留することが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、保留数が所定数以上となると、判定結果を変動表示する時間を短縮して、保留の消化を速くするものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−325884号公報(段落[0016])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の遊技機では、変動時間の短縮に伴って、変動表示中の演出も短縮されるように構成されていたため、演出時間が制限されてしまい、趣向性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、変動時間が短縮されても、趣向性の低下を抑えることが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技球が流下する遊技領域を前面に有した遊技盤と、遊技盤に設けられ、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な特定入賞口と、遊技球が特定入賞口に入賞する度に、当否判定を受けるための当否判定権利を発生させかつその当否判定権利に対応した乱数を取得する乱数取得手段と、当否判定権利の乱数を用いて当否判定を行う当否判定手段と、当否判定権利を発生した順番に消化し、判定図柄を変動表示後、停止表示して当否判定の結果を表示する表示手段と、予め定められた保留上限数までの当否判定権利分の乱数を記憶して保留することが可能な乱数記憶手段と、各当否判定権利毎の判定図柄の変動時間を、当否判定権利の保留数が予め設定された基準保留数より小さいときには、通常変動時間に設定する一方、基準保留数以上であるときには、変動時間を通常変動時間より短い短縮変動時間に設定する変動時間設定手段とを備えた遊技機において、変動時間設定手段により設定された判定図柄の変動時間内に実行される演出を、複数の演出パターンの中から選択する演出パターン選択手段と、保留されている少なくとも1つ以上の当否判定権利がある状態で当否判定権利が予め設定された特定乱数値を乱数として有した特別当否判定権利であったときに、その特別当否判定権利の当否判定結果の表示前までの判定図柄の変動表示中の演出パターンが、短縮変動時間より長く、通常変動時間以下の演出時間を要する特別演出パターンになるように演出パターン選択手段に選択させる特別演出設定手段と、特別演出パターンの選択後、その特別演出パターンの起因になった特別当否判定権利より前の当否判定権利が消化される前までに、当否判定権利の保留数が基準保留数以上になった場合には、特別演出パターンを短縮変動時間以下の長さの複数の演出分割パターンに分割して、それら複数の演出分割パターンを複数の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示に割り付けて実行する一方、特別演出パターンの選択後、その特別演出パターンの起因になった特別当否判定権利より前の当否判定権利が消化される前までに、当否判定権利の保留数が基準保留数以上にならなかった場合には、特別当否判定権利の当否判定結果の表示前までに実行される他の1つの当否判定権利に対する判定図柄の変動表示に特別演出パターンの全部を実行する演出実行手段を備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の遊技機において、特別演出パターンを、複数の演出分割パターンに分割し、複数の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示に割り付けて実行した場合の演出内容及び演出時間が、1つの当否判定権利に対する判定図柄の変動表示に特別演出パターンの全部を実行した場合の演出内容及び演出時間と同じであるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の遊技機において、特別演出パターンの演出期間は、駆動役物を駆動して演出を行う駆動演出期間と、駆動役物を駆動しないで、音、光又は画像の出力により演出を行う非駆動演出期間とを含んでなり、演出実行手段により、特別演出パターンが、駆動演出期間分の第1の演出分割パターンと、非駆動演出期間分の第2の演出分割パターンとに分割可能であるところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の遊技機において、特別演出パターンは、保留された当否判定権利の中に特別当否判定権利が含まれていることを予告する予告演出を含んで構成され、特別演出パターンが、複数の演出分割パターンに分割された場合には、少なくとも何れか1つの演出分割パターンに、予告演出が含まれるように構成したところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の遊技機において、特別当否判定権利は、他の当否判定権利に比べて当否判定結果が当たりになる確率が高い当否判定権利であるところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の遊技機において、当否判定権利が2つ以上保留されている状態で追加して特別当否判定権利が保留された場合に、演出実行手段は、当否判定権利の保留数が基準保留数以上ではないときには、最初に保留されていた当否判定権利に対する判定図柄の変動表示に特別演出パターンの全部を割り付けて実行し、当否判定権利の保留数が基準保留数以上であるときには、最初に保留されていた当否判定権利と、次に保留されていた当否判定権利とに対する判定図柄の変動表示に、特別演出パターンから分割した複数の演出分割パターンを割り付けて実行するように構成したところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の遊技機において、保留上限数を基準保留数としたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
[請求項1の発明]
請求項1の遊技機では、当否判定権利の保留数が予め設定された基準保留数より小さいときには、各当否判定権利の1つ毎の判定図柄の変動時間が、通常変動時間になっていて、基準保留数以上であるときには、変動時間が短縮変動時間に切り替わる。これにより、保留の当否判定権利が増えたときに変動時間を短縮して、当否の判定頻度を上げ、遊技者の当たりへの期待感を高めることが可能となる。
【0014】
また、保留されている少なくとも1つ以上の当否判定権利に対して追加して保留された当否判定権利が特定乱数値を乱数として有した特別当否判定権利であった場合に特別演出パターンが選択され、その特別演出パターンの演出の実行により、遊技者の気持ちが高められる。
【0015】
そして、本発明では、特別演出パターンの選択後、その特別演出パターンの起因になった特別当否判定権利より前の当否判定権利が消化される前までに、当否判定権利の保留数が基準保留数以上になった場合には、特別演出パターンを短縮変動時間以下の長さの複数の演出分割パターンに分割して、それら複数の演出分割パターンを複数の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示に割り付けて実行するので、変動時間を短縮して遊技者の当たりへの期待感を高めることと、変動時間を短縮していない状態と同じように特別演出パターンの演出を実行して、遊技者の気持ちを高揚させることとの両方を達成することが可能となる。即ち、本発明によれば、変動時間が短縮されても、趣向性の低下を抑えることが可能となる。
【0016】
[請求項2の発明]
請求項2の遊技機では、判定図柄の変動時間が通常変動時間であるか短縮変動時間であるかに拘わらず、特別演出パターンが同じ演出内容及び演出時間で実行されるので、判定図柄の変動時間が通常変動時間であるか短縮変動時間であるかに拘わらず、遊技者の気持ちを同じように高揚させることが可能となる。
【0017】
[請求項3の発明]
請求項3の遊技機では、特別演出パターンが実行されると、駆動役物を用いた駆動演出期間に次いで、駆動役物を用いない非駆動演出期間に段階的に移行するか、或いは、非駆動演出期間に次いで駆動演出期間に段階的に移行する。これにより、遊技者の気持ちを段階的に高揚させることができる。しかも、特別演出パターンは、駆動演出期間分の第1の演出分割パターンと、非駆動演出期間分の第2の演出分割パターンとに分割されて、1の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示と、他の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示と割り付けられるので、駆動演出期間と非駆動演出期間とが切り替わるときに、1の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示と、他の当否判定権利に対する判定図柄の変動表示とが切り替わることになり、このことによっても、遊技者の気持ちを段階的に高揚させることが可能となる。
【0018】
[請求項4の発明]
請求項4の遊技機では、判定図柄の変動時間が通常変動時間であるか、短縮変動時間であるかに拘わらず、特別演出パターンが実行されたときには、保留された当否判定権利の中に特別当否判定権利が含まれることを報知する事前報知演出が行われる。そして、判定図柄の変動時間が短縮変動時間である場合には、事前報知からその事前報知の内容の実現までの時間が、判定図柄の変動時間が通常変動時間である場合に比べて短いので、遊技者の気持ちを一気に高揚させることが可能となる。
【0019】
[請求項5の発明]
請求項5の発明の構成によれば、特別当否判定権利は、他の当否判定権利に比べて当否判定結果が当たりになる確率が高いので、特別演出パターンの実行により、遊技者の当たりへの期待感を高めることが可能となる。
【0020】
[請求項6の発明]
請求項6の遊技機では、特別当否判定権利の前に保留された2つ以上の当否判定権利の変動表示期間を有効に利用することが可能となる。
【0021】
[請求項7の発明]
請求項7の遊技機では、保留上限数を基準保留数としたので、当否判定権利の保留数が保留上限数に維持されるように、遊技者の遊技機への興味を持続させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
【図2】駆動役物が駆動された状態の遊技機の正面図
【図3】遊技機の背面図
【図4】遊技機の電気的な構成を示したブロック図
【図5】主制御回路メインプログラムのフローチャート
【図6】メイン割り込み処理のフローチャート
【図7】始動入賞口スイッチ検出処理のフローチャート
【図8】ゲート通過処理のフローチャート
【図9】事前判定処理のフローチャート
【図10】普通動作処理のフローチャート
【図11】特別動作処理のフローチャート
【図12】特別図柄待機処理のフローチャート
【図13】特別図柄大当たり判定処理のフローチャート
【図14】特別図柄選択処理のフローチャート
【図15】特別図柄変動態様選択処理のフローチャート
【図16】第1変動態様選択処理のフローチャート
【図17】第2変動態様選択処理のフローチャート
【図18】特図乱数シフト処理のフローチャート
【図19】変動中処理のフローチャート
【図20】特別図柄確定処理のフローチャート
【図21】特別電動役物処理のフローチャート
【図22】確変・非確変設定処理のフローチャート
【図23】保留球数処理のフローチャート
【図24】電源断監視処理のフローチャート
【図25】サブ制御回路メインプログラムのフローチャート
【図26】受信割り込み処理のフローチャート
【図27】2msタイマ割り込み処理のフローチャート
【図28】10msタイマ割り込み処理のフローチャート
【図29】メインコマンド解析処理のフローチャート
【図30】始動口入賞処理のフローチャート
【図31】変動時間設定処理のフローチャート
【図32】演出抽選処理のフローチャート
【図33】大当たり演出抽選処理のフローチャート
【図34】外れ演出抽選処理のフローチャート
【図35】外れ演出抽選処理のフローチャート
【図36】演出分割処理のフローチャート
【図37】特別演出が実行されるときの特別図柄表示装置の正面図
【図38】特別演出が分割される場合の特別図柄表示装置の正面図
【図39】通常演出パターンテーブルの概念図
【図40】特別演出のタイムチャートの概念図
【図41】特別演出が分割される場合の特別図柄表示装置の正面図
【図42】特別演出が実行されるときの特別図柄表示装置の正面図
【図43】特別演出が分割される場合の特別図柄表示装置の正面図
【図44】変形例に係る特別図柄表示装置の正面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の遊技機10(パチンコ遊技機)に係る第1実施形態を、図1〜図43に基づいて説明する。図1に示すように、遊技機10の遊技盤11には、遊技媒体としての遊技球を誘導可能な誘導レール12に囲まれた略円形の遊技領域R1が設けられている。
【0024】
図1に示すように、遊技盤11は、前側を前面枠10Zにて覆われ、その前面枠10Zには、遊技領域R1に対応した略円形のガラス窓10Wが設けられている。そして、そのガラス窓10Wを通して遊技領域R1が前方に臨んでいる。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの上方には左右に1対のスピーカ25S,25Sが設けられ、ガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。
【0025】
前面枠10Zの右下角部の後側には、発射装置の本体部(図示せず)が備えられ、その発射装置の一部である操作ノブ28が、前面枠10Zの右下角部の前面側に突出している。そして、操作ノブ28を例えば時計回り方向に回動操作すると、遊技球が遊技領域R1へと送り込まれる。
【0026】
なお、上皿27Aに備えた上皿操作部29を押すと上皿27Aに収容されていた遊技球が下皿27Bへと移動する。また、下皿27Bに備えた下皿球抜き操作部27Cを押すと下皿27Bの底部が開いて遊技球を下皿27Bの下方に用意した容器(所謂、ドル箱)に移動させることができる。さらに、下皿27Bの左側には、例えば、演出用入力スイッチ27J(具体的には、「ジョグシャトル」(登録商標))が備えられ、下皿球抜き操作部27Cの右側には、球貸し状態表示モニター27D及び球貸し操作ボタン27Eが設けられている。
【0027】
遊技領域R1の中央には、表示窓34Wが貫通形成され、その表示窓34Wの奥部には特別図柄表示装置34(TFT−LCDモジュール)が備えられている。また、表示窓34Wの周縁部には、遊技盤11の前面側から表示枠体23が装着されている。
【0028】
表示枠体23の上辺部及び下辺部の裏側には、駆動役物40A,40B(図2参照)が備えられている。駆動役物40A,40Bは、通常は、表示枠体23の裏側に隠れて遊技者から視認できない状態に配置されており、遊技が特定の条件を満たしたときに、例えば、モータやソレノイドによって駆動されて、互いに接近するように上下方向にスライド移動し、特別図柄表示装置34の前方に現れる演出を行う。なお、本実施形態では、駆動役物40A,40Bは、それぞれの先端部が半円弧状に形成され、それら半円が合体して円形のマークを形成するようになっている。
【0029】
遊技領域R1のうち表示枠体23の下方における左右方向の中央部には、第1及び第2の始動入賞口14A,14B(本発明の「特定入賞口」に相当する)、大入賞口15及びアウト口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられ、左右両側部には、誘導レール12に沿って一般入賞口20,20及びサイドランプ22,22がそれぞれ設けられている。また、特別図柄表示装置34の左側には、始動ゲート18と風車19とが上下に並べて設けられている。これら各種入賞口14A,14B,15,20,特別図柄表示装置34等の役物以外に、遊技領域R1には、遊技球と当接して流下方向を様々に変化させることが可能な障害釘が分散配置されている。
【0030】
次に所要の各部位についてさらに詳説する。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は始動ゲート18に内蔵された普通図柄始動スイッチ18W(図4参照)によって検出される。この検出信号に基づいて、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示装置18H(図4参照)にて普通図柄が変動表示後に停止表示される。詳細には、普通図柄表示装置18Hは、例えば、「○」と「×」の図柄を交互に変動表示可能となっており、普通図柄当否判定が当たり(以下、適宜「小当たり」という)の場合は、「○」が停止表示され、普通図柄当否判定が外れの場合は「×」が停止表示される。そして、次の変動表示が開始されるまで普通図柄の停止表示を継続する。
【0031】
普通図柄表示装置18Hの変動表示中に始動ゲート18を遊技球が通過した場合、その通過に起因した普通図柄表示装置18Hの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、普通図柄表示装置18Hの変動表示が終了すると、その保留記憶に基づいて再び普通図柄表示装置18Hが変動表示される。なお、普通図柄の変動表示の保留記憶数は、普通図柄保留表示部(図示せず)にて表示される。
【0032】
第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
【0033】
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅は、遊技球が1つだけ入る大きさとなっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した「小当たり」であった場合に、遊技盤11の裏に設けたソレノイド14S(図4参照)によって、可動翼片14C,14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1の状態)。
【0034】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、各始動入賞口14A,14B内に設けた始動口センサ14W1,14W2(図4参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、特別図柄表示装置34(本発明の「表示手段」に相当する)において特別図柄32A,32B,32C(本発明の「判定図柄」に相当する)の組み合わせで表示される。
【0035】
具体的には、特別図柄表示装置34には、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄32A,32B,32Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄32A,32B,32Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄32A,32B,32Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄32A,32B,32Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄32A,32B,32Cが停止表示される。そして、当否判定結果が当たり(以下、「大当たり」という)の場合には、各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が「大当たり遊技状態」に移行する。これに対し、当否判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、「大当たり遊技状態」ではない通常の遊技状態が続く。
【0036】
ここで、本実施形態の遊技機は、「確変遊技」を備えている。具体的には、大当たり成立時における各特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせが奇数のぞろ目(所謂、「確変大当たり」)であった場合には、大当たり遊技の終了後に、次回の大当たり発生確率が通常時(2/630)に比較して高く(9/630)なる確変遊技状態に移行して、次回の大当たりまでこの確変遊技状態が続くようになっている。また、大当たり成立時における各特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせが偶数のぞろ目(所謂、「通常大当たり」又は「単発大当たり」)であった場合には、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態にはならず、次回の大当たりまで「通常(非確変)遊技状態」が続く。なお、確変遊技状態では「小当たり」の発生確率も高くなる。
【0037】
以下、特別図柄表示装置34で変動停止表示される各特別図柄32A,32B,32Cのうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中装飾別図柄32B)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄32Aと右特別図柄32C)が同一となる状態を「リーチ」という。また、リーチを経て各特別図柄32A,32B,32Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示することを「リーチ当たり」といい、リーチを経てゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ外れ」という。さらに、リーチを経ずに、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示することを「リーチ無し外れ」という
【0038】
特別図柄表示装置34において変動表示又は「大当たり遊技」の最中に始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した場合、その入賞に起因した当否判定権利、即ち、特別図柄32A,32B,32Cの変動表示は、最大で4回分まで保留記憶され、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示又は「大当たり遊技」が終了すると、その保留記憶に基づいて再び特別図柄32A,32B,32Cが変動表示される。特別図柄の変動表示の保留記憶数は、特別図柄表示装置34の下端部に位置する特別図柄保留表示部32Hにて表示される。具体的には、特別図柄の変動表示が保留されると、特別図柄保留表示部32Hの左側から右側へ、丸いマークが順番に表示され、そのマークの数によって保留記憶数を表示するようになっている。
【0039】
大入賞口15は、横長矩形に形成されて、常には、可動扉15T(図1参照)にて閉塞されている。そして、「大当たり遊技」が行われると、遊技盤11の裏に設けた大入賞ソレノイド15S(図4参照)によって可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口15が開放し、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1回の大当たり遊技は、例えば、15ラウンドまで継続する。また、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が所定時間(例えば、29秒)に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が所定個数(例えば10個)入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。
【0040】
大入賞口15の内部には、特定入賞センサ15K(図4参照)が設けられており、入賞球数をカウントする。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。以上が遊技領域R1に備えた各種役物に関する説明である。
【0041】
図3に示すように、遊技機10の後面には、各種制御回路が設けられている。具体的には、遊技機10の後面中央には、主制御回路50が設けられ、この主制御回路50の上方には、音声制御回路55、サブ制御回路52等が設けられている。さらに、各制御回路50,52,55の下方には、遊技球の払い出しを制御する払出制御回路58及び電源基板60が備えられている。各制御回路は、電源基板60から電源供給を受けて作動する。
【0042】
次に、図4を参照しつつ、本実施形態の遊技機10の電気的な構成について説明する。
【0043】
同図において符号50は、主制御回路50であって、CPU50AとRAM50B及びROM50C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを主要部として備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たりの当否判定に関する乱数等も生成し、制御信号を他の制御回路52,58及び中継回路57等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数の記憶領域、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、後述する主制御回路メインプログラムPG1(図5参照)や制御データ、普通図柄表示装置18Hでの変動表示に関する図柄変動データ等が書き込まれている他、「大当たり」及び「小当たり」の判定値等が書き込まれている。
【0044】
サブ制御回路52は、CPU52Aと2つのRAM52B1,52B2及びROM52Cを備えたマイクロコンピュータを主要部として備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備えている。第1RAM52B1は、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cは、後述するサブ制御回路メインプログラムPG2(図25参照)や定数等が記憶されている。そして、サブ制御回路52は、主制御回路50からの制御信号(コマンド)に基づいて表示制御回路54、音声制御回路55及びランプ制御回路56に信号を出力する。
【0045】
表示制御回路54は、CPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、特別図柄表示装置34で表示する表示画像(特別図柄32A,32B,32C、ラウンド演出画像、ステージ画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示装置34に出力される。
【0046】
音声制御回路55は、サブ制御回路52からの信号(コマンド)に基づいて、スピーカ25S,25Sを制御する。
【0047】
ランプ制御回路56は、サブ制御回路52からの信号(コマンド)に基づいて、前面枠10Zや遊技領域R1に備えたランプを制御する。
【0048】
次に、上記構成からなる遊技機10の動作を、図5〜図31に示したフローチャートを参照しつつ説明する。まずは、主制御回路メインプログラムPG1について説明する。
【0049】
主制御回路50に備えたCPU50Aは、遊技機10の電源をオンすると、ROM50Cから図5に示した主制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御回路メインプログラムPG1ではまず、スタックの設定、定数設定、CPU50Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定等の初期設定を行う(S1)。なお、初期設定(S1)は、主制御回路メインプログラムPG1が、電源オン後の1回目にランされたときだけ実行し、それ以降は実行しない。
【0050】
図5に示すように、初期設定(S1)に次いで、後述するメイン割り込み処理(S5)を実行するまでの残余時間には、以下のステップS2〜S4の各処理をループして行う。まず、割り込みを禁止し(S2)、タイマ割り込みが入って来ても割り込み許可となるまで割り込み処理を行わないようにする。続いて、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)を実行する。この処理(S3)では、下記表1に示した乱数カウンタを1加算して更新する。更新したカウンタ値は主制御回路50のRAM50Bの更新値記憶領域に逐一記憶する。普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みを許可し(S4)、メイン割り込み処理(S5)を実行可能とする。
【0051】
本実施形態においては、乱数カウンタとして、表1に示したラベル−TRND−A,ラベル−TRND−AZ,ラベル−TRND−RC,ラベル−TRND−T,ラベル−TRND−B1,ラベル−TRND−B2,ラベル−TRND−B3,ラベル−TRND−H等のカウンタが設けられている。
【0052】

【0053】
これら乱数カウンタは、遊技機10が電源オンされたときに0から始まって乱数更新処理(S3,S12)が行われると1加算され、「数値範囲」の最大値に至ると0にされて再び前記加算を繰り返す。
【0054】
そして、始動ゲート18を遊技球が通過したときに、上記表1に示した乱数カウンタのうち、ラベル−TRND−Hのカウンタ値を取得し、RAM50Bに記憶する。また、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、上記表1に示した乱数カウンタのうちラベル−TRND−H以外(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)の各カウンタ値を取得し、RAM50Bに記憶する。以下、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得する複数のカウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を纏めて、適宜、「特別図柄関連カウンタ値」という。
【0055】
ここで、RAM50Bの乱数記憶領域には、取得された特別図柄関連カウンタ値やラベル−TRND−Hのカウンタ値を、それぞれ保留記憶の上限数である「4つ」まで記憶可能となっている。そして、乱数記憶領域に記憶された各カウンタ値(乱数値)は、古いものから順に遊技に使用されるようになっている。
【0056】
メイン割り込み処理(S5)は、CPU50Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行する。そして、メイン割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン割り込み処理(S5)が開始するまでの残余処理期間中に、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値(表1参照)の更新処理を複数回に亘って繰り返し実行する。また、割り込み禁止状態のときにCPU50Aに割り込みパルスが入力した場合は、メイン割り込み処理(S5)をすぐには開始せず、割り込み許可(S4)となってから開始する。
【0057】
メイン割り込み処理(S5)について説明する。図6に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)を行う。出力処理(S10)では、RAM50Bの送信バッファにセットされた各種コマンドを、対応する制御回路に出力する。
【0058】
出力処理(S10)に次いで、入力処理(S11)を行う。入力処理(S11)では、主に遊技機10に備えられた各種センサやスイッチ(普通図柄始動スイッチ18W、始動口センサ14W1,14W2、その他センサ、スイッチ類等。図4参照)による検知信号を受信する。
【0059】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、上記した主制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値は、メイン割り込み処理(S5)の実行期間内と、その残余処理期間(メイン割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の両方で行われている。
【0060】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで、始動入賞口スイッチ検出処理(S13)が実行される。始動入賞口スイッチ検出処理(S13)は、図7に示されており、まず、遊技球が始動ゲート18を通過したか(普通図柄始動スイッチ18Wの検知信号が入力したか)否かを判断する(S130)。遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S130でYes)、ゲート通過処理(S131)を行う。具体的には、図8に示すように、現在の普通図柄保留球数が4以上(保留上限)であるか否かを判定し(S132)、4以上でなければ(S132でNo)、普通図柄の保留球数に1を加算し(S133)、普通図柄に関する乱数取得処理(S134)を実行する。即ち、RAM50Bの更新値記憶領域から普通図柄当否判定カウンタ値「ラベル−TRND−H」を乱数として取得してRAM50Bの乱数格納領域に記憶する。一方、遊技球が始動ゲート18を通過していない場合(S130でNo)、及び、普通図柄保留球数が4以上である場合(S132でYes)はそのままステップS135(図7参照)へジャンプする。
【0061】
図7に示すように、ステップS135では、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したか(始動口センサ14W1,14W2の検知信号が入力したか)否かを判断する。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞していなければ(S135でNo)この処理(S13)を抜ける一方、入賞していれば(S135でYes)、現在の特別図柄保留球数が4以上(保留上限)であるか判定する(S136)。特別図柄保留球数が4以上である場合(S136でYes)には、そのままこの処理(S13)を抜ける一方、特別図柄保留球数が4以上でなければ(S136でNo)、特別図柄保留球数を1加算し(S137)、特図関係乱数取得処理(S138)を実行する。具体的には、RAM50Bの更新値記憶領域から、特別図柄関連カウンタ値(ラベル−TRND−A、ラベル−TRND−AZ等)を取得して、それらをRAM50Bの乱数記憶領域に記憶する。そして、事前判定処理(S139)を実行して、この処理(S13)を抜ける。
なお、特図関係乱数取得処理(S138)を実行しているときの主制御回路50が本発明の「乱数取得手段」及び「乱数記憶手段」に相当する。
【0062】
図9に示すように、事前判定処理(S139)では、取得した乱数が大当たり乱数値であるか否かを判断する(S400)。具体的には、遊技が通常状態のときは、取得した特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が、予め設定された2個の判定値(低確率用大当たり判定値)と一致するか否かが判断され、遊技が、通常状態に比べて大当たりとなる確率が高く設定されている確変状態のときは、予め設定された12個の判定値(高確率用大当たり判定値)と一致するか否かが判断される。そして、大当たり乱数値である場合(S400でYes)には、「大当たり」入賞コマンドを送信バッファにセットし(S401)、この処理(S139)を抜ける。取得した乱数が大当たり乱数でない場合(S400でNo)には、取得したリーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)が予め設定された25個のリーチ判定値と一致するか否かが判断される。そして、リーチ成立でなかった場合(S402でNo)には、「はずれ」入賞コマンドを送信バッファにセットして(S406)、この処理(S139)を抜ける。一方、リーチ成立の場合(S402でYes)には、リーチ判定値のうち予め設定された5個のスーパーリーチ(SPリーチ)判定値と一致するか否かが判断される(S403)。そして、SPリーチ成立の場合(S403でYes)には、「SPリーチ」入賞コマンドを送信バッファにセットして(S404)、この処理(S139)を抜ける。SPリーチ成立でない、即ち、ノーマルリーチ成立の場合(S403でNo)には、「リーチ」入賞コマンドを送信バッファにセットして(S405)、この処理(S139)を抜ける。事前判定処理(S139)でセットされた各コマンドは、始動口入賞コマンドとしてサブ制御回路52に送信される。
【0063】
図6に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S13)に次いで、普通動作処理(S14)を行う。普通動作処理(S14)では、始動ゲート18を遊技球が通過した時に取得(RAM50Bの乱数記憶領域に記憶)した普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)に基づいて普通図柄当否判定を行うと共に、「小当たり」である場合には、始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cの開閉を行う。ここで、通常は、普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が予め設定された1個の判定値と一致すれば「小当たり」となり、確変遊技中は、普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が予め設定された60個の判定値の何れかと一致すれば「小当たり」となる。即ち、確変遊技では「小当たり」の発生確率が高くなる。
【0064】
詳細には、図10に示すように普通動作処理(S14)ではまず、始動入賞口14Bにおける可動翼片14C,14Cが開放動作中か否かを判定する(S140)。開放動作中である場合(S140でYes)には、所定の開放動作時間が経過したか否かを判定する(S141)。開放動作時間が経過していない場合(S141でNo)には、この処理(S14)を抜ける一方、開放動作時間が経過した場合(S141でYes)は、可動翼片14C,14Cの開放動作を終了して(S142)からこの処理(S14)を抜ける。
【0065】
可動翼片14C,14Cの開放動作中ではない場合(S140でNo)には、普通図柄保留球数をチェックする(S143)。普通図柄保留球数が「0」である場合にはこの処理(S14)を抜ける一方、「0」ではない場合には、RAM50Bに記憶されている普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)をロードする(S144)。
【0066】
次いで、現在の遊技が確変遊技(確変フラグF2=1)か否かを判定し(S145)、確変遊技中である場合(S145でYes)には、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、確変用の判定値(60個の判定値)の何れかと一致するか否かを判定する(S146)。一致した場合(S146でYes)、即ち、小当たりの場合には、可動翼片14C,14Cの開放動作を実行する(S147)。例えば、2秒間の開放を間欠的に3回繰り返す。
【0067】
また、確変遊技中ではない場合(S145でNo)には、ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、非確変用の判定値(1つの判定値)と一致するか否かを判定し(S148)、一致した場合(S148でYes)、即ち、小当たりの場合には、可動翼片14C,14Cの開放動作を実行する(S149)。例えば、1秒間の開放を1回行う。
【0068】
ロードした普通図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−H)が、判定値と一致しなかった場合(S146又はS148でNo)は、可動翼片14C,14Cの開放動作を行わずにこの処理(S14)を抜ける。
【0069】
普通動作処理(S14)に次いで行われる特別動作処理(S15)は、図11に示されており、特別動作ステータスが「1」である場合(S151でYes)には、特別図柄待機処理(S152)を行い、特別動作ステータスが「2」である場合(S151でNo,S153でYes)には、変動中処理(S154)を行い、特別動作ステータスが「3」である場合(S151,S153で共にNo、S155でYes)には、特別図柄確定処理(S156)を行い、特別動作ステータスが「4」である場合(S151,S153,S155でNo)には、特別電動役物処理(S157)を行う。
【0070】
図12に示すように、特別図柄待機処理(S152)ではまず、特別図柄保留球数が「0」か否かをチェックする(S200)。特別図柄保留球数が「0」である場合(S200でYes)には、特別図柄表示装置34が待機画面になっている(例えば、待機中フラグがON)か否かをチェックする(S201)。そして、待機画面である場合(S201でYes)には、直ちにこの処理(S152)を抜ける一方、待機画面でない場合(S201でNo)には、待機画面設定処理(S202。例えば、待機中フラグをON)を行ってから、この処理(S152)を抜ける。
【0071】
特別図柄保留球数が「0」ではない場合(S200でNo)には、特別図柄大当たり判定処理(S203)を始めとする以下のステップ203〜S209の処理を行う。なお、特別図柄大当たり判定処理(S203)は、本発明の「当否判定手段」に相当する。
【0072】
図13に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S203)ではまず、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得(RAM50Bの乱数記憶領域に記憶)した特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)をロードする(S300)。次いで、確変遊技中(確変フラグF2=1)か否かをチェックし(S301)、確変遊技中でない場合(S301でNo)は、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が通常(非確変)用の判定値(予め設定された2つの判定値の何れか)と一致したか否かをチェックする(S302)。また、確変中である場合(S301でYes)には、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が、確変用の判定値(予め設定された9個の判定値)の何れかと一致したか否かをチェックする(S303)。
【0073】
特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が何れの判定値とも一致しなかった場合(S302でNo又はS303でNo)には、「特別図柄外れ」のコマンドを送信バッファにセット(S304)してこの処理(S203)を抜ける。
【0074】
一方、各ステップS302,S303において、特別図柄当否判定用乱数値(ラベル−TRND−A)が予め設定された判定値と一致した場合には(S302でYes又はS303でYes)、大当たりフラグF1をON(F1=1にセット)する(S305)。また、この「大当たり」が、「大当たり遊技」の終了後に「確変遊技」になる「確変大当たり」か、「大当たり遊技」の終了後に「通常(非確変)遊技」になる「通常大当たり」かを、大当たり図柄決定用乱数値(ラベル−TRAND−AZ、以下、「大当たり図柄乱数値」という)によって判定して、「確変大当たり」又は「通常(非確変)大当たり」のコマンドをRAM50Bの送信バッファにセットする(S306)。具体的には、例えば、大当たり図柄乱数値(ラベル−TRAND−AZ)が奇数である場合に「確変大当たり」のコマンドをセットし、偶数である場合に「通常(非確変)大当たり」のコマンドをセットする。
【0075】
特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで行う特別図柄選択処理(S204)では、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄を決定する。この処理(S204)は図14に示されており、まず、大当たりフラグF1がON(F1=1)か否か判断する(S310)。大当たりフラグF1がONであれば(S310でYes)、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得(RAM50Bに記憶)した大当たり図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)を、送信バッファにセットし(S311)、この処理(S204)を抜ける。即ち、3つの特別図柄32A,32B,32Cが全て大当たり図柄乱数値(ラベル−TRND−AZ)と同じ図柄(ゾロ目)になるようにセットする。
【0076】
一方、大当たりフラグF1がONでなければ(S310でNo)、RAM50Bから左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)の値をロードする(S312)。そして、これら3つの乱数値が一致しているか判定し(S313)、一致していれば(S313でYes)、始動入賞口14A,14Bへの入賞時に取得したリーチ有無決定用乱数値(ラベル−TRND−RC、以下、「リーチ乱数値」という)が予め設定されたリーチ判定値と一致しているかどうか判定する(S314)。リーチ判定値と一致していない場合(S314でNo)は、ステップ318へジャンプする一方、一致していれば(S314でYes)、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)を1加算して、これら3つの図柄決定用乱数値を送信バッファにセットする(S315)。つまり、左、右の特別図柄32A,32Cを同一図柄とし、中特別図柄32Bだけを異ならせた「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
【0077】
ステップS313において、左・中・右の各乱数値が一致していなければ(S313でNo)、続いて、左・右の乱数値が一致しているか判断する(S316)。そして、左・右の乱数値が一致していれば(S316でYes)、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致しているか否かを判定する(S317)。リーチ判定値と一致していなければ(S317でNo)、左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値が右特別図柄となるように変更して、3つの図柄決定用乱数値を送信バッファにセットする(S318)。つまり、強制的に3つの特別図柄32A,32B,32Cを全て異ならせて「リーチ無し外れ」の組み合わせとなるようにセットする。一方、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致していれば(S317でYes)、ステップS312でロードした3つの図柄決定用乱数値(ラベル−TRAND−B1,B2,B3)をそのまま送信バッファにセットする(S319)。つまり、「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。
【0078】
ステップS316において、左・右の両乱数値が一致していなければ(S316でNo)、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致しているか否かを判定し(S320)、一致していなければ(S320でNo)、ステップ319へジャンプする(「リーチ無し外れ」の組み合わせにセットする)。一方、リーチ判定値と一致していれば(S320でYes)、右図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B3)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)と同一値とし、中図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B2)を左図柄決定用乱数値(ラベル−TRND−B1)に1加算した値にして、送信バッファにセットする(S321)。つまり、強制的に「リーチ外れ」の組み合わせとなるようにセットする。以上の処理で、特別図柄32A,32B,32Cの停止表示図柄が決定したら、その他の処理(S322)を行ってこの処理(S204)を抜ける。
【0079】
図12に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特図変動態様選択処理(S205)を実行する。この処理(S205)は、図15に示されており、まず、特別図柄保留球数が4以上であるか否かが判断され(S410)、特別図柄保留球数が3以下である場合(S410でNo)には、第1変動態様選択処理(S411)を実行してから、この処理(S205)を抜ける。一方、特別図柄保留球数が4以上である場合(S410でYes)には、第2変動態様選択処理(S412)を実行してから、この処理(S205)を抜ける。
【0080】
第1変動態様選択処理(S411)は、図16に示されており、特別図柄当否判定の結果やリーチの有無等に基づいて、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示するまでの変動表示態様及び後述する変動時間に関するデータを選択する。
【0081】
具体的には、まず、現在の遊技状態が「確変遊技中」か否かを判定する(S330)。確変遊技中ではない場合(S330でNo)には、大当たりフラグF1がON(F1=1、大当たり)か否かを判別する(S331)。そして、大当たりフラグF1がONの場合(S331でYes)には、「第1変動態様データ群」(非確変中の大当たりに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様決定用乱数値(ラベル−TRND−T、以下、「変動態様選択数値」という)に基づいて1つの変動態様データ(以下、「変動態様1」という)が選択される(S332)。
【0082】
一方、ステップS331において、大当たりフラグF1がONでない場合(S331でNo)には、リーチ乱数値(ラベル−TRND−RC)がリーチ判定値と一致したか否かが判断される(S333)。
【0083】
リーチ成立の場合(S333でYes)は、「第3変動態様データ群」(非確変中のリーチ外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様3」という)が選択される(S334)。一方、リーチ不成立の場合(S333でNo)は、「第5変動態様データ群」(非確変中のリーチ無し外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様5」という)を選択する(S335)。
【0084】
ステップS330において、「確変遊技中」であった場合(S330でYes)には、大当たりフラグF1がON(F1=1)か否かを判定する(S336)。大当たりフラグF1がONの場合(S336でYes)には、「第2変動態様データ群」(確変中の大当たりに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様2」という)を選択する(S337)。
【0085】
一方、ステップS336において、大当たりフラグF1がONでない場合(S336でNo)には、リーチ成立か否かを判定し(S338)、リーチ成立の場合(S338でYes)には、「第4変動態様データ群」(確変中のリーチ外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様4」という)を選択する(S339)。一方、リーチ不成立である場合(S338でNo)には、「第6変動態様データ群」(確変中のリーチ無し外れに対応した変動態様データ群)の中から、変動態様選択数値(ラベル−TRND−T)に基づいて1つの変動態様データ(以下「変動態様6」という)を選択する(S340)。
【0086】
その後、選択した変動態様に応じたコマンドを送信バッファにセットし(S341)、その他の処理(S342)を行って、この処理(S411)を抜ける。
【0087】
第2変動態様選択処理(S412)は、図17に示されており、以下の点が、第1変動態様選択処理(S411)と異なっている。それは、非確変中のリーチ外れに対応した変動態様データ群として「第7変動態様データ群」を用いて、1つの変動態様データ(以下、「変動態様7」という)を選択する(S420)点である。その他の処理については、第1変動態様選択処理(S411)と同じであるので、図16と同一符号を付すことで説明を省略する。
【0088】
図12に示すように、特図変動態様選択処理(S205)に続いて、特図乱数シフト処理(S206)を行う。具体的には、図18に示すように、特別図柄保留球数を1ディクリメントし(S350)、RAM50Bの乱数記憶領域に記憶されている各種乱数を1つずつ下位側の乱数記憶領域にシフトさせて(S351)、最上位(4個目)の保留記憶に対応する乱数記憶領域をクリアする(S352)。
【0089】
図12に示すように、特図乱数シフト処理(S206)に続いて特別図柄変動開始処理(S207)、特別動作ステータスを「2」に設定する処理(S208)等、特別図柄32A,32B,32Cの変動開始に必要な処理が行われ、最後に待機中フラグをOFFする(S209)。以上が特別動作処理(S15)における特別図柄待機処理(S152)の説明である。
【0090】
特別動作処理(S15)における変動中処理(S154)は、図19に示されている。同図に示すように、この処理(S154)ではまず、変動時間が終了したか否かをチェックする(S210)。ここでいう「変動時間」とは、特別図柄変動態様選択処理(S205、図15参照)で設定された変動態様毎に予め定められた特別図柄32A,32B,32Cをスクロール表示してから、全ての特別図柄32A,32B,32Cが停止表示されるまでの時間のことであり、変動時間が終了したか否かは、変動表示の開始と同時にスタートしたタイマ値によって判定する。変動時間が終了していない場合(S210でNo)には、そのままこの処理(S154)を抜けて変動表示を続行する。
【0091】
一方、変動時間が終了した場合(S210でYes)、変動停止コマンドをセットし(S211)、特別動作ステータスを「3」にセットして(S212)、その他の処理(S213)を行ってから、この処理(S154)を抜ける。
【0092】
特別動作処理(S15)における特別図柄確定処理(S156)は、図20に示されている。同図に示すように、この処理ではまず、大当たりフラグF1がON(F1=1)か否かをチェックする(S220)。大当たりフラグF1がONである場合(S220でYes)には、大当たりフラグF1をOFF(F1=0にセット、S221)してから、特別動作ステータスを4にセットする(S222)。
【0093】
一方、大当たりフラグF1がONではない場合(S220でNo)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S223)、この処理(S156)を抜ける。
【0094】
特別動作処理(S15)における特別電動役物処理(S157)は図21に示されている。同図に示すように、この処理ではまず、確変フラグF2をOFF(F2=0にセット、S230)し、大当たりオープニング(大当たり遊技が始まることの報知)が実施済みか否かを判定する(S231)。大当たりオープニングを実施していない場合(S231でNo)は、大当たりオープニングを実行し(S232)、大当たりオープニングが実施済みである場合(S231でYes)には、大入賞口15が開放中か否かをチェックする(S233)。
【0095】
大入賞口15が閉鎖中の場合(S233でNo)には、大入賞口15を開放する時間となったか(所定のインターバル時間が経過したか)否かをチェックする(S234)。大入賞口開放時間でない場合(S234でNo)には、この処理(S157)を抜ける一方、大入賞口開放時間である場合(S234Yes)には、大入賞口開放処理(S235、可動扉15Tを前側に倒す)を行い、この処理(S157)を抜ける。
【0096】
一方、大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S233でYes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かをチェックする。具体的には、大入賞口15に遊技球が規定数(本実施形態では10個)入賞したか否か(S236)、ラウンド終了時間となった(例えば、開放から15秒経ったか)か否か(S237)をチェックする。そして、これら2つのラウンド終了条件が何れも不成立であった場合(S236及びS237の何れもNo)には、直ちにこの処理(S157)を抜ける一方、何れか一方のラウンド終了条件が成立した場合(S236又はS237でYes)には、ラウンド終了時の処理(S238〜S242)を行う。
【0097】
大入賞口閉鎖処理(S238)では、大入賞口閉鎖のコマンドを中継回路57(図4参照)及びサブ制御回路52に送信する。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメントして(S239)、ラウンドカウンタが「0」となったか否かチェックし(S240)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S240でNo)、即ち、「大当たり遊技」における最終ラウンドが終了していない場合には、そのままこの処理(S157)を抜ける。
【0098】
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S240でYes)、即ち、大当たり遊技における最終ラウンド(本実施形態では、15ラウンド目)が終了した場合には、大当たり遊技を終了するための大当たり終了処理(S241)と、確変・非確変設定処理(S242)とを行ってからこの処理(S157)を抜ける。
【0099】
確変・非確変設定処理(S242)は図22に示されており、まず、停止表示された特別図柄32A,32B,32Cの組み合わせが「確変図柄(奇数のゾロ目)」か「非確変図柄(偶数のゾロ目)」かをチェックする(S360)。確変図柄であった場合(S360でYes)には確変フラグF2をON(F2=1にセット、S361)し、非確変図柄であった場合(S360でNo)には、確変フラグF2をOFF(F2=0にセット、S362)する。そして確変フラグF2の設定後、特別動作ステータスを「1」にセットして(S363)、この処理(S242)を抜ける。この処理により、大当たり遊技が終了した後の遊技が、「確変遊技」と「通常(非確変)遊技」との何れかに振り分けられる。以上が、メイン割り込み処理(S5)における特別動作処理(S15)の説明である。
【0100】
保留球数処理(S16)に次いで行われる電源断監視処理(S17)は、図23に示されており、電源断信号が入力した(本実施例では、電源断状態が12ms続いた)か否かを判定する(S170)。そして、電源断信号が入力していれば(S170でYes)、現在のデータをRAM50Bへバックアップし(S171)、電源断フラグをONする(S172)。その後、無限ループへ移行し待機状態とされる。
【0101】
図6に示すように、メイン割り込み処理(S5)では、電源断監視処理(S17)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S18)を実行して、メイン割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図5に示すように、次にメインCPU50Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、メイン割り込み処理(S5)を実行する。すると、上述の如く、前回のメイン割り込み処理(S5)においてRAM50Bの送信バッファにセットされた各種コマンドが、次に実行されたメイン割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上が主制御回路メインプログラムPG1の説明である。
【0102】
次に、サブ制御回路52が実行するサブ制御回路メインプログラムPG2の処理について、図25〜図36に示すフローチャートを参照しつつ詳説する。サブ制御回路メインプログラムPG2では、まず最初にCPU初期化処理(S60)を行う。この処理では、後述する割り込み処理の設定を行う。また、電源基板60に電源を投入すると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、電源断信号がONで、2つあるRAMのうち第1RAM52B1の内容が正常であるか判断する(S61)。正常であれば(S61でyes)次に進み、正常でなければ(S61でno)、第1RAM52B1を初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S62)。以上の処理(S60〜62)を終えると、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2が初期化される(S63)。なお、これらステップS60〜S63は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
【0103】
S60〜S63によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S64)、乱数シード更新処理(S65)が実行される。この処理(S65)では、演出抽選用乱数値(ラベル−TRND−E)が更新される。演出抽選用乱数値は、特別図柄表示装置34で行われる演出を、複数の演出候補の中から選択する際に必要な乱数値であって、例えば「0〜99」の数値範囲で更新される(図39参照)。次いで、表示制御回路54、ランプ制御回路56、音声制御回路55(図4参照)に各種コマンドを送信するコマンド送信処理(S66)を実行し、ウォッチドッグタイマカウンタ1の初期化(S67)、割込み許可(S68)を行う。そして、これら処理(S64〜68)を無限ループで繰り返す。
【0104】
サブ制御回路メインプログラムPG2の無限ループに対して、受信割り込み処理(S69)、2msタイマ割り込み処理(S70)、10msタイマ割り込み処理(S71)が割り込んで実行される。サブ制御回路52が主制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S70,S71)に優先して受信割り込み処理(S69)が実行される。また、2msタイマ割り込み処理(S70)は、10msタイマ割り込み処理(S71)より優先して実行され、10msタイマ割り込み処理(S71)は、2msタイマ割り込み処理(S70)間の残余時間に割り込んで実行される。
【0105】
図26に示すように、受信割込み処理(S69)ではまず、ストローブ信号をチェックし(S430)、ストローブ信号がONでなければ(S430でNo)、そのままこの処理(S69)を抜ける。ストローブ信号がONであれば(S430でYes)、主制御回路50からサブ制御回路52に送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、第1RAM52B1に格納する(S431)。このとき、事前判定処理(S139、図9参照)でセットした始動口入賞コマンド、第1又は第2の変動態様選択処理(S411,S412、図16,17参照)でセットした変動態様が第1RAM52B1に格納される。
【0106】
2msタイマ割り込み処理(S70)は、サブ制御回路52に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図27に示すように、この処理(S70)では、入力処理(S440)、ランプデータ出力処理(S441)、駆動処理(S442)、ウォッチドッグタイマ処理(S443)を行う。
【0107】
入力処理(S440)では、10msタイマ割込み処理(S71)でスイッチ状態に基づく処理を実行するためのスイッチデータを作成して、そのスイッチデータをRAM52B1に入力する。ランプデータ出力処理(S441)では、10msタイマ割り込み処理(S71)で作成したランプデータの出力を行う。駆動処理(S442)では、駆動役物40A,40Bを駆動するための駆動用データを作成し、その出力を行う。ウォッチドッグタイマ処理(S443)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
【0108】
10msタイマ割込み処理(S71)は、サブ制御回路52に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する。図28に示すように、この処理(S71)では、まず、メインコマンド解析処理(S80)を行う。
【0109】
ここで、メインコマンド解析処理(S80)の説明を行う前に、理解を容易にするため、メインコマンド解析処理(S80)によって実現される動作について概説しておく。
【0110】
特別図柄表示装置34(以下では、単に「表示装置34」という)において実行される特別図柄32A,32B,32Cの当否判定結果に関する演出には、通常演出と、大当たり又はSPリーチとなることを示唆する特別演出とが用意されている。通常演出は、予め記憶された複数種類の演出の中から、第1変動選択処理(S411)又は第2変動選択処理(S412)で設定された変動態様(図16,17参照)と、乱数シード更新処理(S65、図25)で取得した演出抽選用乱数値とに基づいて選択される(図39参照)。
【0111】
特別演出は、原則として、始動入賞口14A,14Bへの入賞の事前判定処理(図9参照)の結果が、「大当たり又はSPリーチ成立であること」を条件に発生する。但し、確変中であった場合には、確変中の変動態様(変動態様6のリーチ無し外れ)に設定される変動時間は保留球数に関係なく第2変動時間(例4.0秒)が設定され、後述する特別演出の実行に必要な変動時間を元から有していないため、特別演出は発生しないようになっている。また、ここでいうSPリーチでは、通常のリーチよりも大当たりとなる可能性が高く設定されている。
なお、本実施形態では、事前判定処理(S139)で「大当たり又はSPリーチ成立」と判定される乱数が、本発明の「特定乱数値」に相当し、上記した特別演出発生の条件となる入賞に起因した当否判定を受けるための権利が、本発明の「特別当否判定権利」に相当する。
【0112】
本実施形態の特別演出は、表示装置34で行われる液晶演出と、液晶演出が実行された後に駆動役物40A,40Bを用いて行われる駆動演出とから構成されている(図40参照)。液晶演出では、特別図柄32A,32B,32Cの変動を表示装置34の左上隅に縮小表示すると共に、表示装置34の中央部分に液晶演出として「チャンスゾーン突入」の文字を表示する。駆動演出では、表示枠体23の裏側に隠れていた駆動役物40A,40Bが、上下方向にスライド移動し、表示装置34の前方で合体して円形のマークを形成する(図37(B)参照)。
この駆動演出を行うには、駆動役物40A,40Bの移動にかかる時間として、上述した第2変動時間(例えば、少なくとも4.0秒程度の時間)が必要となっている。つまり、例えば駆動役物が第1位置の初期位置から第2位置に駆動し、第1位置へ戻る構成の場合、駆動役物の大きさや駆動力によっては、どうしても第2変動時間程度が制御上必要であったり、少なくとも第2変動時間程度の時間を使わなければ、何が駆動したのかが遊技者に分かりづらくなって駆動演出の演出効果が低減してしまうことがあるため、第2変動時間を必要としている。
【0113】
特別演出は、特別演出発生の条件となる入賞(以下、「トリガー入賞」という)があった直後に実行される特別図柄32A,32B,32Cの変動開始と同時に実行される。従って、トリガー入賞があったときに既に特別図柄の保留があれば、トリガー入賞の後、最初に処理される保留についての変動開始時に、特別演出が開始される。また、トリガー入賞があったときに特別図柄の保留がない場合には、トリガー入賞についての変動開始時に、特別演出が開始される。何れの場合であっても、特別演出が実行されると、近い将来に大当たりかSPリーチになることが確定し、遊技者に、大当たりへの期待を持たせることができる。
【0114】
特別図柄32A,32B,32Cの変動時間は、原則として、特別図柄の保留球数に応じて設定される。即ち、保留球数が3以下の場合には、変動時間が第1変動時間(例12.0秒)に設定され、保留球数が保留上限数である4以上である場合には、変動時間が第2変動時間(例4.0秒)に設定される。但し、その変動がリーチ成立(大当たりとなる場合も含む)となる場合には、第1変動時間(例12.0秒)に設定される。
なお、本実施形態では、第1変動時間が本発明の「通常変動時間」に相当し、第2変動時間が本発明の「短縮変動時間」に相当する。また、保留上限数である「4」が、本発明の「基準保留数」に相当する。
【0115】
ここで、本実施形態の例では、第1変動時間は12.0秒、第2変動時間は4.0秒になっている。また、特別演出の液晶演出、駆動演出は共に、演出時間が4.0秒になっていて、特別演出全体の演出時間は、8.0秒になっている(図40参照)。従って、特別演出を実行する際、特別演出と同時に開始される変動の変動時間が第1変動時間(12.0秒)に設定されている場合には、その変動中に、特別演出の全部を実行することができる。
なお、変動時間、特別演出の演出時間の長さは、特別演出の演出時間が、第2変動時間より長く、第1変動時間以下である関係を満たせば、本実施形態のものに限定されるものではない。
【0116】
一方、特別演出と同時に開始される変動の変動時間が第2変動時間(4.0秒)に設定されている場合には、その変動中に、特別演出の全部を実行することができなくなる。この場合、特別演出を2つに分割して、特別演出が開始されるときの変動で、特別演出の前半部分、例えば、液晶演出のみを実行し、その次の変動で、特別演出の残りの後半部分、即ち、駆動演出を実行する。このように、本実施形態の遊技機10は、1回の変動中に特別演出の全部を実行することができない場合に、特別演出を2つに分割し、分割された各演出を2回の変動に割り付けて実行する。
【0117】
なお、特別演出のうち、液晶演出を実行している期間が、本発明の「非駆動演出期間」に相当し、駆動演出を実行している期間が、本発明の「駆動演出期間」に相当する。また、本実施形態では、液晶演出が、本発明の「第1の演出分割パターン」に相当し、駆動演出が本発明の「第2の演出分割パターン」に相当する。また、液晶演出のうち「チャンスゾーン突入」の文字を表示する演出が、本発明の「事前報知演出」に相当する。
【0118】
さて、以上の点を踏まえて、図29〜図36に示すメインコマンド解析処理(S80)の説明を行う。図29に示すように、メインコマンド解析処理(S80)では、まず、受信コマンドがあるかが判断され(S450)、受信コマンドがなければ(S450でNo)、この処理(S80)を抜ける。一方、受信コマンドがある場合(S450でYes)には、その受信コマンドの中に特別図柄変動コマンドがあるか否かが判断される(S451)。特別図柄変動コマンドがなければ(S451でNo)、始動口入賞コマンドがあるか否かが判断され(S452)、なければ(S452でNo)、その他の受信コマンドに対応する処理を実行して(S458)、この処理(S80)を抜ける。一方、始動口入賞コマンドがある場合(S452でYes)には、始動口入賞処理(S453)を実行する。
【0119】
始動口入賞処理(S453)は、図30に示されており、まず、入賞コマンドを受信した時の遊技状態が、確変中のものであるか否かが判断される(S500)。確変中である場合(S500でYes)には、その他の入賞コマンドに対応する処理を実行して(S503)、この処理(S453)を抜ける。確変中でない場合(S500でNo)には、通常時の大当たりであるか、或いは、SPリーチが成立するかが判断される(S501)。そして、通常時の大当たりでなく、SPリーチが非成立の場合(S501でNo)には、その他の処理(S503)の実行後、この処理(S453)を抜ける。一方、通常時の大当たりでなるか、或いは、SPリーチが成立する場合(S501でYes)には、特別演出フラグをONにし(S502)、その他の処理(S503)の実行後、この処理(S453)を抜ける。
【0120】
図29に示すように、メインコマンド解析処理(S80)のステップ451において、特別図柄変動コマンドがある場合(S451でYes)、変動時間設定処理(S454)を実行する。この処理(S454)は、図31に示されており、まず、変動態様選択処理(S205、図15〜17参照)で選択した変動態様が、変動態様1〜5の何れかであるかが判断される(S510)。そして、変動態様1〜5の何れかである場合(S510でYes)には、第1変動時間(12.0秒)が設定され(S511)、変動態様1〜5の何れでもない、即ち、変動態様6,7である場合(S510でNo)には、第2変動時間(4.0秒)が設定される(S512)。変動時間が第1変動時間、第2変動時間の何れかに設定されたら、この処理(S454)を抜ける。
この変動時間設定処理(S454)では、リーチ非成立の場合、特別図柄の保留球数に応じて、変動時間を第1変動時間(12.0秒)と第2変動時間(4.0秒)との何れかを設定するように構成されている。なお、変動時間設定処理(S454)を実行しているときのサブ制御回路52が、本発明の「変動時間設定手段」に相当する。
【0121】
変動時間設定処理(S454)を終えると、特別演出フラグがONであるか否かが判断される(S455)。特別演出フラグがOFFである場合(S455でNo)には、演出抽選処理(S456)を実行する。演出抽選処理(S456)では、特別図柄変動態様選択処理(S205)で選択された変動態様(図16,17参照)に応じて、通常演出の抽選を行う。
【0122】
図32に示すように、演出抽選処理(S456)では、まず、第1変動態様選択処理(S411、図16参照)又は第2変動態様選択処理(S412、図17参照)で選択された変動態様が、変動態様1,2の何れかであるか否か、即ち、大当たりに係る変動態様であるか否かが判断される(S520)。そして、大当たりに係る変動態様である場合(S520でYes)には、大当たり演出処理(S521)が実行され、大当たりに係る変動態様でない場合(S520でNo)には、外れ演出抽選処理(S522)が実行される。そして、大当たり演出抽選処理(S521)又は外れ演出抽選処理(S522)を終えると、この処理(S456)を抜ける。
【0123】
図33に示すように、大当たり演出抽選処理(S521)では、前述した演出抽選用乱数(ラベル−TRND−E)を用いて、演出の種類を選択する。具体的には、まず、乱数シート更新処理(S65、図25)で取得した演出抽選用乱数値を第1RAM52B1のアドレスにセットし(S530)、その乱数が0〜49であるか否かが判断される(S531)。演出抽選用乱数値が0〜49である場合(S531でYes)には、通常演出として演出1を設定する(S532)。一方、演出抽選用乱数値が50〜99ある場合(S531でNo)には、次いで、50〜79であるかが判断される(S533)。演出抽選用乱数値が50〜79である場合(S534でYes)には、通常演出として演出2を設定し(S534)、演出抽選用乱数値が80〜99である場合(S534でNo)には、通常演出として演出3を設定する(S535)。通常演出として演出1〜3の何れかが設定されたら(S532,S535,S536)、この処理(S521)を抜ける。
【0124】
外れ演出抽選処理(S522)は、図34に示されており、まず、変動時間設定処理(S454)で設定された変動時間が第1変動時間(12.0秒)であるか否かが判断される(S540)。そして、変動時間が第1変動時間である場合(S540でYes)には、取得した演出抽選用乱数値が第1RAM52B1にセットされ(S541)、その乱数値に応じて演出4〜6の何れかがセットされる。具体的には、乱数値が0〜29である場合(S542でYes)には、通常演出として演出4が設定され(S543)、乱数値が30〜69である場合(S542でNo、S544でYes)に、通常演出として演出5が設定され(S545)、乱数値が70〜99である場合(S542でNo、S544でNo)に、通常演出として演出6が設定される(S546)。
【0125】
一方、変動時間が第1変動時間(12.0秒)でない場合(S540でNo)の処理は、図35に示されており、図34で説明したのと同様に、演出抽選用乱数値に応じて、演出7〜9の何れかが選択される。具体的には、まず、取得した演出抽選用乱数値が第1RAM52B1にセットされる(S550)。そして、演出抽選用乱数値が0〜9である場合(S551でYes)には、演出7が設定され(S552)、10〜69である場合(S551でNoかつS553でYes)には、演出8が設定され(S554)、70〜99である場合(S551でNoかつS553でNo)には、演出9が設定される(S555)。そして、図34に示すように、通常演出として演出4〜9の何れかが設定されると、外れ演出抽選処理(S522)を抜ける。
【0126】
図39には、演出抽選処理(S456)により決定される通常演出のパターンテーブルが示されている。このパターンテーブルによれば、変動態様が1〜5の場合、即ち、変動時間が第1変動時間(12.0秒)の場合には、演出1〜6の何れかが選択される。このうち、当否判定結果が大当たりの場合(変動態様1,2の場合)には、演出1〜3の何れかが選択され、当否判定結果が外れの場合には、演出4〜6の何れかが選択される。また、変動態様が6,7の場合、即ち、変動時間が第2変動時間(4.0秒)の場合には、演出パターン7〜9の何れかが選択される。
【0127】
図29に示すように、メインコマンド解析処理(S80)のステップ(455)において、特別演出フラグがONである場合(S455でYes)には、演出分割処理(S457)が実行される。この処理(S457)は、図36に示されており、まず、演出分割フラグがOFFであるか否かが判断される(S560)。演出分割フラグがONである場合(S560でYes)、変動時間が第1変動時間(12.0秒)であるか否かが判断される(S561)。変動時間が第1変動時間である場合(S561でYes)には、受信している特別演出を全部実行することができるためそのまま設定する(S562)。次いで、演出分割フラグをOFFし(S563)、特別演出フラグをOFFして(S564)、この処理(S457)を抜ける。
【0128】
変動時間が第1変動時間でない場合、即ち、第2変動時間(4.0秒)である場合(S561でNo)には、受信している特別演出を全部実行することができないため特別演出の分割を実行する。具体的には、受信している特別演出の前半部分を設定する(S563)。そして、演出分割フラグをONにして(S566)、この処理(S457)を抜ける。これにより、第2変動時間で実行される特別図柄の変動とともに、特別演出の前半部分、即ち、液晶演出(図37(B)、図40参照)を実行するようになる。
【0129】
ステップ560(S560)において、演出分割フラグがONである場合(S560でNo)には、受信している特別演出の後半部分、即ち、駆動演出(図37(C)、図40参照)を設定する(S567)。そして、演出分割フラグをOFFにし(S568)、特別演出フラグもOFFにして(S569)、この処理(S457)を抜ける。
【0130】
ここで、演出分割フラグがONとなるのは、上述したように、特別演出の前半部分が設定されたときであるので、ステップS567,S568の処理が実行されるのは、特別演出の前半部分が実行される変動の次の変動についての特別図柄変動コマンドを受信したときである。これにより、特別演出の駆動演出は、特別演出の前半部分である液晶演出が実行された次の変動で実行される。
【0131】
なお、本実施形態では、始動口入賞処理(S453)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「特別演出設定手段」に相当し、演出分割処理(S457)を実行しているときのサブ制御回路52が本発明の「演出実行手段」に相当する。また、演出抽選処理(S456)又は演出分割処理(S457)を実行しているときのサブ制御回路52が、本発明の「演出パターン選択手段」に相当する。
【0132】
図29に示すように、メインコマンド解析処理(S80)において、始動口入賞処理(S453)、演出抽選処理(S456)、演出分割処理(S457)の何れかを終了するか、又は、特別図柄変動コマンドも始動口入賞コマンドもない場合(S451でNoかつS452でNo)、その他の受信コマンドに対応する処理を実行して(S458)、10msタイマ割込み処理(S80)を抜ける。
【0133】
以上が、遊技機10の構成に関する説明である。次に、遊技機10の動作について説明する。遊技を開始するために操作ノブ28を回動操作すると、遊技球が遊技領域R1に向かって打ち出される。遊技球は、遊技領域R1に配置された役物や障害釘に衝突して流下方向をランダムに変化させながら流下する。
【0134】
遊技球が第1又は第2の始動入賞口14A,14Bに入賞すると、遊技状態及び当否判定に応じて、変動態様(図15〜17参照)が選択され、表示装置34にて特別図柄32A,32B,32Cの変動表示が開始される。この変動表示は所定時間に亘って行われ、その後、左、右、中の順に停止表示される。この停止表示の過程で、最後に停止される中特別図柄32Bだけを残して、残りの2つの特別図柄32A,32Cが同一の図柄で停止すると「リーチ状態」になり、リーチ演出へと発展する。
【0135】
そして、左、中、右の全ての特別図柄が同じ図柄で停止表示すると、「大当たり遊技」が開始される。即ち、大入賞口15を閉鎖していた可動扉15Tが所定期間に亘って前方に倒れ、遊技領域R1を流下する遊技球が可動扉15Tを案内にして大入賞口15に入賞可能となる。
【0136】
ここで、特別図柄の変動表示中に、第1又は第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、遊技についての当否判定を受けるための当否判定権利が、最大で4つまで保留される。
【0137】
ここで、保留が保留上限数である4つまで満たされた状態で第1又は第2の始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、遊技者は新たに当否判定権利を得ることができず、折角の入賞が無駄になってしまう。しかしながら、本実施形態の遊技機10では、保留が4つになると、当否判定結果を表示するための変動時間が第2変動時間(4.0秒)に短縮して保留消化を速くするので、当否の判定頻度を上げ、遊技者の当たりへの期待感を高めることができる。
【0138】
また、本実施形態の遊技機10では、当否判定権利が1つ以上保留された状態で、新たに当否判定権利が保留され、その新たに保留された当否判定権利の結果が、「大当たり又はSPリーチ成立」となる場合、近い将来に「大当たり又はSPリーチ」が成立することを予告する特別演出が実行される。
【0139】
以下、具体的なケースを想定して特別演出について説明する。図37(A)には、保留が2つある状態で特別演出を発生させる入賞(トリガー入賞)があった場合の表示装置34が示されている。同図では、特別図柄の保留70A,70B,70Tが、特別図柄保留表示部32Hに二重丸のマークで表されている。なお、同図では、便宜上、トリガー入賞の保留70Tは、他の保留70A,70Bと区別されているが、実機においては、他の保留70A,70Bと区別できないように表示されていてもよい。以下では、説明を簡単にするために、トリガー入賞の保留70T以外の保留は、大当たりやリーチ成立に係るものでないとする。
【0140】
図37(A)の状態では、当否判定権利の保留数は3つであるから、保留70Aの結果を変動表示する際の変動時間は、第1変動時間(12.0秒)となり、その変動表示中に特別演出が実行される。具体的には、図37(B)に示すように、まず、液晶演出が実行されて、表示装置34の中央部に事前報知演出を実行する(例えば、「チャンスゾーン突入」の文字が表示される)。このとき、特別図柄32A,32B,32Cの変動は、表示装置34の右上隅に縮小表示される。また、保留70Aについての変動が開始されるときに、特別図柄保留表示部43Hに表示されていた保留70Aは消滅し、保留70B,70Tが、図37(A)から図37(B)の変化に示すように、1つ左へシフトして表示される。
【0141】
次いで、図37(C)に示すように、駆動演出が実行されて、駆動役物40A,40Bが表示装置34の上方と下方からスライド移動して合体する。そして、駆動演出の終了と同時に、特別図柄32A,32B,32Cが停止表示され、保留70Aの変動表示が終了する。
【0142】
図37(D)には、図37(A)において2番目に保留されていた保留70Bの変動表示が終了した状態が示されている。特別図柄32A,32B,32Cの変動表示は、表示装置34の右上隅に縮小されたままで、表示装置34の中央部には、特別演出後の専用画像が表示されている。駆動役物40A,40Bは、元の状態、即ち、表示枠体23の裏側に隠れた状態に戻っている。また、保留70Bは消滅し、保留70Tが1つ左へシフトして特別図柄保留表示部43Hの一番左側に表示されている。なお、縮小された特別図柄32A,32B,32Cの下方には、「チャンスゾーン」の文字が表示され、近い将来に大当たりかSPリーチが発生する可能性があることを示すチャンスゾーン中である旨を遊技者に報知している。
【0143】
そして、トリガー入賞の保留70Tの変動表示が開始されると、縮小表示されている特別図柄が、変動時間中に、リーチ状態となって、表示装置34の中央部に「SPリーチ」の文字が表示される(図37(E)参照)。そして、SPリーチ演出が行われた後、表示装置34に当否判定結果が表示される。
【0144】
このように、本実施形態の遊技機10では、少なくとも1つの当否判定権利が保留された状態で、「大当たり又はSPリーチ」となる当否判定権利が1つ追加して保留された場合、その追加して保留された当否判定権利の結果を表示する前に、前の保留を利用して特別演出を実行することで、近い将来に「大当たり又はSPリーチ」が発生する可能性があることを示唆し、遊技者の気持ちを高めることができる。また、液晶演出に次いで駆動演出に段階的に移行するので、遊技者の気持ちを段階的に高揚させることができる。しかも、駆動演出では、表示枠体23の裏側に隠れていた駆動役物40A,40Bが表示装置34の前側に登場するので、遊技者の注意を引くことができる。
【0145】
ところで、図37に示した例のように、特別演出が実行されるときの変動、即ち、保留70Aの変動が、第1変動時間(12.0秒)で実行される場合には、その保留70Aの変動中に特別演出の全部を実行することができる。しかしながら、保留70Aの変動が、第2変動時間(4.0秒)で実行される場合には、その保留70Aの変動時間内に特別演出の全部(演出時間8.0秒)を実行することができないという問題が生じる。ここで、本実施形態の遊技機10では、特別演出が実行されるときの変動が第2変動時間で実行される場合には、特別演出を複数の演出に分割し、分割した演出をトリガー入賞についての当否判定結果を表示する前に行う複数の変動に割り付けて実行する。
【0146】
具体的には、特別演出は以下のように実行される。図38(A)には、図37(A)の状態から更に4個目の保留70Dがあった場合が示されている。この場合、保留70Aの当否判定結果の表示は、第2変動時間(4.0秒)で行われ、この変動中に、トリガー入賞を契機とした特別演出が実行される。
【0147】
保留70Aの変動表示が開始されると、図37(B)の場合と同様に、特別図柄32A,32B,32Cの変動が、表示装置34の右上隅に縮小表示され、事前報知演出として「チャンスゾーン突入」の文字を表示する液晶演出が行われる。そして、液晶演出の終了と同時に、特別図柄の判定結果が表示されて、保留70Aの変動表示が終了する(図38(B)参照)。
【0148】
次いで、保留70Bの変動表示が開始されると、図37(C)の場合と同様の演出となる、駆動演出が行われて、駆動役物40A,40Bが表示装置34の前方で合体する。そして、駆動演出の終了と同時に、特別図柄の判定結果が表示されて、保留70Bの変動表示が終了する(図38(C)参照)。
【0149】
図38(D)に示すように、トリガー入賞の保留70Tの変動表示が開始されると、縮小表示されている特別図柄が、変動時間、即ち、第1変動時間(12.0秒)の間に、リーチ状態となって、表示装置34の中央部に「SPリーチ」の文字が表示される。そして、SPリーチ演出が行われた後、表示装置34に当否判定結果が表示される。
【0150】
このように、本実施形態の遊技機10では、特別演出の選択後、その特別演出の起因になった当否判定権利より前の当否判定権利が消化される前までに、当否判定権利の保留数が4つ以上になった場合には短縮変動時間(第2変動時間)になるので、特別演出を短縮変動時間以下の長さの複数の演出(液晶演出、駆動演出)に分割して、それら複数の演出を複数の当否判定権利に対する特別図柄の変動表示に割り付けて実行するので、変動時間を短縮して遊技者の当たりへの期待感を高めることと、連続する変動を使って特別演出の液晶演出と駆動演出を一連となるように実行し、変動時間を短縮していない状態と同じように各演出を実行することで、遊技者の気持ちを高めることとの両方を達成することができる。
【0151】
以上は、トリガー入賞があったときの保留球数が2個であって且つ特別演出を行う際に保留球数が4個あった場合の例であったが、図41には、保留球数が3個であった場合の例が示されており、図42,43には、保留球数が1個であった場合の例が示されている。これらの場合であっても、保留球数が2個であった場合と同様の効果を奏することができる。
【0152】
図41(A)に示すように、3つの保留70A,70B,70Cがある状態で、トリガー入賞が発生すると、トリガー入賞の保留70Tが、4番目の保留として表示される。そして、保留70Aの変動表示の開始と同時に、特別演出が実行される。このとき、保留球数は4つであるから、保留70Aの変動表示は、第2変動時間(4.0秒)で実行され、図38の例で示したように、特別演出が分割される。
【0153】
即ち、保留70Aの変動表示が開始されると、特別図柄32A,32B,32Cの変動が、表示装置34の右上隅に縮小表示され、事前報知演出となる「チャンスゾーン突入」の文字を表示する液晶演出が行われる。そして、液晶演出の終了と同時に、特別図柄の判定結果が表示されて、保留70Aの変動表示が終了する(図41(B)参照)。次いで、保留70Bの変動表示が開始されると、駆動演出が行われて、駆動役物40A,40Bが表示装置34の前方で合体する。そして、駆動演出の終了と同時に、特別図柄の判定結果が表示されて、保留70Bの変動表示が終了する(図41(C)参照)。
【0154】
次いで、保留70Cの変動表示が開始されると、図37(D)の場合と同様に、その変動表示は、特別図柄表示装置43の右上隅に縮小されたままで実行され、表示装置34の中央部には、特別演出後の専用画像が表示される(図41(D)参照)。そして、トリガー入賞の保留70Tの変動表示が開始されると、縮小表示されている特別図柄が、変動時間中に、リーチ状態となって、表示装置34の中央部に「SPリーチ」の文字が表示される(図41(E)参照)。そして、SPリーチ演出が行われた後、表示装置34に当否判定結果が表示される。
【0155】
図42(A)には、保留が1つある状態でトリガー入賞が発生し、その後、保留が発生しなかった状態が示されている。この状態から、1番目の保留70Aを消化する場合、保留球数は2つであるから、変動時間が第1変動時間(12.0)となる。従って、図37(B),(C)の場合と同様に、保留70Aの変動中に全部の特別演出を実行することができるので、特別演出がそのまま実行される(図42(B),(C))。
【0156】
保留70Aの変動表示が終了して、トリガー入賞の保留70Tの変動表示が開始されると、縮小表示されている特別図柄が、変動時間中に、リーチ状態となって、表示装置34の中央部に「SPリーチ」の文字が表示される。そして、SPリーチ演出が行われた後、特別図柄の当否判定結果が表示される(図42(D)参照)。
【0157】
他方、図43(A)には、図42(A)の状態から更に、保留が2つ発生した状態が示されている。この状態から、1番目の保留70Aを消化する場合、保留球数は4つであるから、変動時間は第2変動時間(4.0秒)となる。従って、図38(B)の場合と同様に、特別演出が分割され、保留70Aの変動中に液晶演出が行われる(図43(B)参照)。
【0158】
保留70Aの変動表示が終了すると、トリガー入賞の保留70Tの変動表示が開始される。このとき、トリガー入賞の事前判定結果は、大当たりかSPリーチ成立であるので、保留70Tを変動表示する際の基礎変動時間は、必ず、第1変動時間(12.0)となる。従って、図43(C)に示すように、保留70Tの変動表示開始から4.0秒が経過して、特別演出の後半部分である駆動演出が終了したときには、3つの特別図柄32A,32B,32Cはまだ変動表示されている。そして、図43(D)に示すように、第1変動時間(12.0秒)中の特別演出実行後にリーチ状態となり、SPリーチ演出へと発展する。なお、駆動役物40A,40Bは、駆動演出の終了後、第1変動時間が経過するまでに、表示枠体23の裏側に戻るようになっている。
【0159】
以上の動作を纏めると以下のようになる。即ち、本実施形態の遊技機10では、当否判定権利についての保留がある状態で、「大当たり又はSPリーチ成立」となる当否判定権利が保留された場合、その後、最初に消化される保留の変動時に、特別演出が実行される。このとき、保留数が基準保留数(例えば、4つ)より少なければ、変動時間として第1変動時間(12.0秒)が設定され、その変動時間内に特別演出が実行される。保留数が基準保留数以上であれば、短縮された第2変動時間(4.0秒)が変動時間として設定され、最初に消化される保留の変動時で液晶演出を実行し、その次に消化される保留の変動時に駆動演出が実行される。
【0160】
このように、本実施形態の遊技機10では、当否判定権利の保留数が基準保留数より少ないときには、各当否判定権利の1つ毎の判定図柄の変動時間が、第1変動時間(12.0秒)に設定され、保留数が基準保留数以上のときには、変動時間が第2変動時間(4.0秒)に設定される。これにより、保留の当否判定権利が増えたときに変動時間を短縮して、当否の判定頻度を上げ、遊技者の当たりへの期待感を高めることができる。また、保留されている少なくとも1つ以上の当否判定権利に対して追加して保留された当否判定権利の結果が「大当たり又はSPリーチ成立」となる場合に特別演出が選択され、その特別演出の実行により、遊技者の気持ちが高められる。
【0161】
そして、本実施形態では、特別演出の選択後、最初の保留が消化される前までに、保留数が基準保留数以上になった場合には、特別演出を第2変動時間(4.0秒)以下の長さの複数の演出に分割して、それら複数の演出を複数の当否判定権利に対する特別図柄の変動表示に割り付けて実行するので、変動時間を短縮して遊技者の当たりへの期待感を高めることと、変動時間を短縮していない状態と同じように特別演出の演出を実行して、遊技者の気持ちを高めることができる。即ち、本実施形態の遊技機10によれば、変動時間が短縮されても、趣向性の低下を抑えることができる。
【0162】
また、本実施形態の遊技機10によれば、特別図柄32A,32B,32Cの変動時間が短縮されるか否かに拘わらず、特別演出が同じ演出内容及び演出時間で実行されるので、特別図柄の変動時間が短縮されるか否かに拘わらず、遊技者の気持ちを同じように高揚させることができる。しかも、特別演出は、液晶演出に次いで駆動演出に段階的に移行する構成になっているので、遊技者の気持ちを段階的に高めることができる。さらに、演出時間として第2変動時間と同じ4.0秒を必要とする駆動演出と、液晶演出とがセットになった構成になっているので、変動時間の短縮に伴って特別演出を短くする従来の遊技機では実現できなかった演出を、変動時間が短縮された場合に行うことができる。
【0163】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0164】
(1)前記実施形態では、特別演出パターンを2つに分割していたが、3つ以上に分割してもよい。その一例としては、図41に示したケースにおいて、駆動演出をさらに2つに分割する構成、即ち、トリガー入賞があった後の2変動目(図41(C))で駆動役物40A,40Bのうち一方を特別図柄表示装置34の前方へ登場させ、3変動目(図41(D))で他方を特別図柄表示装置34の前方へ登場させるようにする構成が挙げられる。
【0165】
(2)前記実施形態では、分割した特別演出パターンを、連続する2回の変動(図41(B)、(C)参照)に割り付けていたが、図44に示すように、連続しない2回の変動(同図の1変動目と3変動目)に割り付けてもよい。
【0166】
(3)前記実施形態では、液晶演出の演出時間が、第2変動時間(4.0秒)と同じであったが、第2変動時間より短くてもよい。
【0167】
(4)液晶演出と駆動演出を実行する順番が逆であってもよい。
【0168】
(5)前記実施形態では、駆動役物として、直動するものを例示したが、回動するものであってもよいし、直動と回動を組み合わせた動作をするものであってもよい。
【0169】
(6)前記実施形態では、基準保留数が、保留上限数である4つに設定されていたが、2つであっても3つであってもよい。
【0170】
(7)前記実施形態では、第1変動時間は、12.0秒であったが、少なくとも特別演出が実行可能な長さであればよい。
【0171】
(8)前記実施形態では、特別図柄を変動表示する変動時間は、第1変動時間及び第2変動時間の2種類だけであったが、第1変動時間、第2変動時間以外の変動時間を有していてもよい。
【0172】
(9)変動態様及び各変動態様から選択される演出の数及び種類は、前記実施形態に限定されるものでなく、適宜変更されてもよい。また、演出を選択するための振分数値についても前記実施形態に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更されてもよい。
【0173】
(10)前記実施形態では、特別演出は、大当たり又はSPリーチが選択されたときに実行されるように構成されていたが、大当たり又はSPリーチに限定されるものでない。
【0174】
(11)前記実施形態では、特別演出の駆動演出の実行に、少なくとも第2変動時間が必要とする構成であったが、液晶演出或いは事前報知演出等の演出が第2変動時間を必要とするように構成されていもよい。
【0175】
(12)前記実施形態では、保留上限数が4つであったが、始動入賞口14A,14Bのそれぞれについて4つまで保留可能として、保留上限数を8つとしてもよい。
【0176】
(13)前記実施形態では、確変中は、保留球数に関係なく短縮変動時間(第2変動時間)が設定されるために特別演出を実行しない構成となっているが、確変中も通常時と同様に特別演出を全部実行可能な変動時間が設定されるようにして、確変中にも特別演出を実行する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0177】
10 遊技機
11 遊技盤
14A 第1の始動入賞口(特定入賞口)
14B 第2の始動入賞口(特定入賞口)
32A,32B,32C 特別図柄(判定図柄)
34 特別図柄表示装置(表示手段)
40A,40B 駆動役物
50 主制御回路
52 サブ制御回路
PG1 主制御回路メインプログラム
PG2 サブ制御回路メインプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域を前面に有した遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な特定入賞口と、
遊技球が前記特定入賞口に入賞する度に、当否判定を受けるための当否判定権利を発生させかつその当否判定権利に対応した乱数を取得する乱数取得手段と、
前記当否判定権利の前記乱数を用いて当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定権利を発生した順番に消化し、判定図柄を変動表示後、停止表示して前記当否判定の結果を表示する表示手段と、
予め定められた保留上限数までの前記当否判定権利分の前記乱数を記憶して保留することが可能な乱数記憶手段と、
各前記当否判定権利毎の前記判定図柄の変動表示時間を、前記当否判定権利の保留数が予め設定された基準保留数より小さいときには、通常変動時間に設定する一方、前記基準保留数以上であるときには、前記変動表示時間を前記通常変動時間より短い短縮変動時間に設定する変動時間設定手段とを備えた遊技機において、
前記変動時間設定手段により設定された前記判定図柄の変動時間内に実行される演出を、複数の演出パターンの中から選択する演出パターン選択手段と、
保留されている少なくとも1つ以上の前記当否判定権利がある状態で保留された前記当否判定権利が予め設定された特定乱数値を前記乱数として有した特別当否判定権利であったときに、その特別当否判定権利の当否判定結果の表示前までの前記判定図柄の変動表示中の前記演出パターンが、前記短縮変動時間より長く、前記通常変動時間以下の演出時間を要する特別演出パターンになるように前記演出パターン選択手段に選択させる特別演出設定手段と、
前記特別演出パターンの選択後、その特別演出パターンの起因になった前記特別当否判定権利より前の前記当否判定権利が消化される前までに、前記当否判定権利の保留数が前記基準保留数以上になった場合には、前記特別演出パターンを前記短縮変動時間以下の長さの複数の演出分割パターンに分割して、それら複数の演出分割パターンを複数の前記当否判定権利に対する前記判定図柄の変動表示に割り付けて実行する一方、前記特別演出パターンの選択後、その特別演出パターンの起因になった前記特別当否判定権利より前の前記当否判定権利が消化される前までに、前記当否判定権利の保留数が前記基準保留数以上にならなかった場合には、前記特別当否判定権利の当否判定結果の表示前までに実行される他の1つの前記当否判定権利に対する前記判定図柄の変動表示に前記特別演出パターンの全部を実行する演出実行手段を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特別演出パターンを、前記複数の演出分割パターンに分割し、複数の前記当否判定権利に対する前記判定図柄の変動表示に割り付けて実行した場合の演出内容及び演出時間が、1つの前記当否判定権利に対する前記判定図柄の変動表示に前記特別演出パターンの全部を実行した場合の演出内容及び演出時間と同じであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特別演出パターンの演出期間は、駆動役物を駆動して演出を行う駆動演出期間と、前記駆動役物を駆動しないで、音、光又は画像の出力により演出を行う非駆動演出期間とを含んでなり、
前記演出実行手段により、前記特別演出パターンが、前記駆動演出期間分の第1の前記演出分割パターンと、前記非駆動演出期間分の第2の前記演出分割パターンとに分割可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記特別演出パターンは、保留された前記当否判定権利の中に前記特別当否判定権利が含まれていることを事前に報知する事前報知演出を含んで構成され、前記特別演出パターンが、複数の前記演出分割パターンに分割された場合には、少なくとも何れか1つの前記演出分割パターンに、前記事前報知演出が含まれるように構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記特別当否判定権利は、他の前記当否判定権利に比べて前記当否判定結果が当たりになる確率が高い当否判定権利であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記当否判定権利が2つ以上保留されている状態で追加して前記特別当否判定権利が保留された場合に、前記演出実行手段は、前記当否判定権利の保留数が前記基準保留数以上ではないときには、最初に保留されていた前記当否判定権利に対する前記判定図柄の変動表示に前記特別演出パターンの全部を割り付けて実行し、前記当否判定権利の保留数が前記基準保留数以上であるときには、最初に保留されていた前記当否判定権利と、次に保留されていた前記当否判定権利とに対する前記判定図柄の変動表示に、前記特別演出パターンから分割した複数の前記演出分割パターンを割り付けて実行するように構成したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記保留上限数を前記基準保留数としたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図40】
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【公開番号】特開2012−249889(P2012−249889A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125820(P2011−125820)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(599104196)株式会社サンセイアールアンドディ (597)
【Fターム(参考)】