説明

遊技機

【課題】スロットマシンなどの遊技機の役物の可動要素の位置に関して生じる誤差を抑制し、可動要素の位置を正確に制御できるようにする。
【解決手段】予め定められた範囲において動くように構成された可動要素と、前記可動要素を動かすための駆動手段と、前記可動要素の位置校正を行うために前記可動要素とともに動くように設けられたインデックスと、前記インデックスによる作用を受けて検知信号を出力するセンサとを含む可動体の制御に関して、前記駆動信号に基づき前記可動要素の位置を求めるとともに、前記校正信号に基づき当該位置の校正を行う。前記センサから校正信号を受けたとき、前記可動要素が目標位置へ向かう第1方向へ移動していれば前記校正信号に基づき前記位置の校正を行い、前記可動要素が前記第1方向とは異なる第2方向へ移動していれば前記位置の校正を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スロットマシンやパチンコ機などの遊技機に関し、特に、演出などに用いられる可動体を備えるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技媒体(メダル)に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者の回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者の停止操作契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
遊技機では、遊技の興趣向上を図るべく様々な演出がなされる。例えば、装飾部材、モニタ、スピーカ、LEDランプを取り付け、見た目による演出、映像による演出、音による演出、光による演出等が行われている。さらに、演出用の可動体(役物)が取り付けられ、その動きによる演出もなされるようになってきた。可動体は、移動が可能な装飾部材であり、遊技の状況に応じて可動することにより遊技の興趣の向上を図るためのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−006217号公報 コントローラが、ロードセルの原点調整指令を受けると、サーボモータ1を制御してスクリューの前進、後退動作を行って、ロードセルから得られる前進時及び後退時の検出値の平均値を算出し、しかも前記前進、後退動作を複数回行って得られる複数の平均値の平均をとることで前記ロードセルの原点調整を行う。
【特許文献2】特開2006−030625号公報 複数の現像器を保持する回転式の現像器保持体を有し、現像器保持体の位置を、現像器保持体をギアを介して駆動するモータの回転量を検出するセンサと現像器保持体の基準位置を検出するセンサの出力から判断する画像形成装置において、すべての現像器がセットされてから現像器保持体の基準位置を再度検知する。また、基準位置を行った後、現像器交換用ドアがオーブンされずに現像器検知を行いすべての現像器があることが確定した場合は、2度目の原点検知を省略する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可動体を動作させるための駆動源としてステッピングモータが用いられることが多い。ステッピングモータは、パルス電力に同期して動作する同期電動機であり、パルス発生回路及びパルス計数回路という簡単な回路構成で、正確な位置決め制御を実現できる。このため装置の位置決めを簡単かつ正確に行うことができるという特長を備える。また、ステッピングモータの制御系は、フィードバックループを含まないオープンループ制御系であり、制御が簡単であるとともに、発振現象が生じることがなく制御が安定である。このような特長から、遊技機ではステッピングモータがしばしば用いられる。
【0006】
他方、ステッピングモータの制御はオープンループであるため、ステッピングモータの駆動パルスに基づき求めた位置(可動体の可動要素の現在の位置)が何らかの原因で実際の位置とずれたときに、この誤差を除去するためには校正処理が必要となる。このため、可動要素にこれとともに動くインデックスとこれを検知するセンサを設け、このセンサの検知出力に基づき可動要素の位置の校正を行うようにしている。
【0007】
しかし、この校正を行う際には誤差が生じる(後述の図3の符号α、β、γの説明参照)。このため可動要素を目標位置に正確に移動させることができないことがあった。例えば、シャッターが完全に閉まらないという問題があり、演出の品質を落としていた。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、可動体の可動要素の位置に関して生じる誤差を抑制し、可動要素の位置を正確に制御することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る遊技機は、予め定められた範囲において動くように構成された可動要素と、前記可動要素を動かすための駆動手段と、前記可動要素の位置校正を行うために前記可動要素とともに動くように設けられたインデックスと、前記インデックスによる作用を受けて検知信号を出力するセンサとを含む可動体と、
前記駆動手段へ駆動信号を出力して前記可動体の制御を行う制御部と、
前記センサの出力した検知信号に基づき前記可動要素の位置に係る校正信号を出力する位置取得部とを備え、
前記制御部は、
前記駆動信号に基づき前記可動要素の位置を求めるとともに、前記校正信号に基づき当該位置の校正(プリセット)を行い、
前記可動要素の目標位置を設定し、前記可動要素を前記目標位置へ向けて移動するように前記駆動手段を制御し、
前記位置取得部から前記校正信号を受けたとき、前記可動要素が第1方向へ移動していれば前記校正信号に基づき前記位置の校正を行い、
前記位置取得部から前記校正信号を受けたとき、前記可動要素が前記第1方向とは異なる第2方向へ移動していれば前記位置の校正を行わない、ものである。
【0010】
前記位置取得部は、前記センサの検知信号に基づき高(High)又は低(Low)のいずれかの信号を前記校正信号として出力するものであり、
前記位置取得部において、前記校正信号が高から低に変化する前記検知信号の電圧Vlowと、低から高に変化する前記検知信号の電圧Vhighが同じでなく、前記可動要素(あるいはインデックス)を前記第1方向あるいは前記第2方向の一方へ移動させたことにより前記校正信号がHighからLowに変化するときの前記可動要素の位置x1と、前記第1方向あるいは前記第2方向の他方へ移動させたことにより前記校正信号がLowからHighに変化するときの前記可動要素の位置x2との差である位置の誤差Δが存在し、
前記制御部は、前記校正信号に基づき当該位置の校正を行うときに、前記誤差Δに基づき前記位置の補正を行うようにしてもよい。
【0011】
前記位置取得部は、前記センサの検知信号を予め定められた間隔Tでサンプリングを行い、前記センサの検知信号の変化を前記サンプリングにより予め定められた回数だけ検知したとき前記校正信号を出力するものであり、
前記制御部は、前記校正信号に基づき当該位置の校正を行うときに、前記回数及び前記間隔Tに基づき前記位置の補正を行うようにしてもよい。
【0012】
前記可動要素の基準位置である原点が予め定められており、
前記第1方向は、前記原点へ向かう方向であるとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、前記可動要素の位置校正を行うための校正信号を受けたときでも、前記可動要素が目標位置へ向かう第1方向とは異なる第2方向へ移動していれば位置の校正を行わないようにしたので、前記可動要素の位置の校正の際に生じる誤差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】スロットマシンのブロック図である。
【図2】スロットマシンの遊技処理のフローチャートである。
【図3】可動体(役物)の制御系統のブロック図である。
【図4】可動体(役物)の制御フローチャートである。
【図5】可動体(役物)の位置制御におけるセンサの特性による誤差の説明図である。
【図6】可動体(役物)の位置制御におけるインデックス位置判定処理における誤差の説明図である。
【図7】発明の実施の形態に係る可動要素位置校正処理のフローチャートである。
【図8】発明の実施の形態に係る可動要素位置校正処理の他のフローチャートである。
【図9】発明の実施の形態に係る可動要素位置校正処理の説明図である。
【図10】比較例に係る可動要素位置校正処理のフローチャートである。
【図11】比較例に係る可動要素位置校正処理の説明図である。
【図12】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図13】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図14】実施例1に係る役物を示す斜視図である。
【図15】実施例1に係る役物を示す分解斜視図である。
【図16】実施例1に係るベース部材を示す背面図である。
【図17】実施例1に係る役物を示す背面図である。
【図18】実施例1に係る役物を示す正面図である。
【図19】図18のX−X線における断面図である。
【図20】実施例1に係る役物の要部を示す拡大断面図である。
【図21】実施例1に係る装飾板の取付構造を示す一部破断した正面図である。
【図22】実施例1に係るステッピングモータを示す斜視図である。
【図23】実施例1に係る役物の組立手順を説明する図である。
【図24】実施例1に係るラックの動作を説明する図である。
【図25】実施例2に係る可動体の分解斜視図である。
【図26】実施例2に係る可動要素の開状態(同図(a))と閉状態(同図(b))、ステップ位置の説明図(同図(c))である。
【図27】実施例3に係る可動体の概略図である。同図(a)は上面図、同図(b)は正面図、同図(c)はB−B矢視断面図、同図(d)はA−A矢視断面図である。
【図28】実施例3に係る可動要素(シャッター)の開状態(同図(a))と閉状態(同図(b))の説明図である。
【図29】実施例4に係る可動体(回転灯装置、パトライト)の遊技機への取付態様を示す図である(スロットマシンの正面図)。
【図30】実施例4に係る可動体である回転灯装置を示す斜視図である。
【図31】実施例4に係る可動体である回転灯装置を示す断面図である。
【図32】実施例4に係る可動体である回転灯装置を示す分解斜視図である。
【図33】実施例4に係る可動体の反射板のサイズ違いの回転灯装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の実施の形態に係る遊技機の動作について説明を加える。
【0016】
この発明の実施の形態は、さまざまな形態の可動体(役物)に適用することができるが、その具体的な処理は共通であるので、まず、共通に適用できる構成及び動作(処理内容)並びにその前提となる事項について説明を加え、その後、当該処理を適用可能な可動体(役物)の具体的な構成及び処理について、実施例として説明を加えることにする。
【0017】
まず遊技機の機能ブロックについて説明を加え、その具体的な構成の説明は後回しとする。遊技機の機能ブロックに続いて、この発明の実施の形態に係る処理装置(処理系統)の構成及び動作について説明を加える。
【0018】
図1は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
【0019】
この図において電源系統についての表示は省略されている。スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板19とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0020】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0021】
サブ基板19は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板19は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板19への一方のみであり、逆にサブ基板19からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0022】
メイン基板10にはスタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82が接続されている。
【0023】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0024】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0025】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0026】
サブ基板19には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。さらに、可動体50を制御する可動体制御部59が接続されている。可動体50及び可動体制御部59については後に詳しく説明する。
【0027】
メイン基板10は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う(投入受付機能)。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0028】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0029】
メイン基板10は、乱数発生手段を内蔵する(図示せず)。乱数発生手段は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0030】
メイン基板10は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う(内部抽選機能)。すなわち、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
【0031】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0032】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0033】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0034】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0035】
メイン基板10は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある(リプレイ確率変動機能)。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0036】
メイン基板10は、遊技者のスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動させ、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う(リール制御機能)。
【0037】
メイン基板10は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0038】
すなわち、メイン基板10は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0039】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0040】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるインデックスセンサ(図示せず)を備えており、メイン基板10は、リールが1回転する毎にインデックスセンサで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(インデックスセンサによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0041】
メイン基板10は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0042】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0043】
メイン基板10は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する(入賞判定機能)。
【0044】
メイン基板10は、入賞判定機能による判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットが増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0045】
メイン基板10は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う(払出制御機能)。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。
【0046】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0047】
メイン基板10は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う(リプレイ処理機能)。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0048】
メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0049】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0050】
次に、遊技機における遊技処理について図2を参照して説明を加える。
【0051】
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0052】
先ず、規定枚数のメダルが投入されることでスタートスイッチ134が有効になり、図6の処理が開始される。
【0053】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる。そして、次のステップS2に進む。
【0054】
ステップS2において、メイン基板10により内部抽選が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0055】
ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始する。そして、次のステップS4に進む。
【0056】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0057】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0058】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0059】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0060】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0061】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0062】
次に、図3乃至図11を参照して発明の実施の形態に係る遊技機について説明を加える。
【0063】
図3は、遊技機の可動体(役物)の制御系統のブロック図である。
図4は、可動体制御処理のフローチャートである。
【0064】
図5は、図3の符号β(センサの特性による誤差)の説明図である。図5(a)は理想的なセンサの出力信号(検知信号)の特性図を示し、図5(b)はセンサSENの実際の出力信号(検知信号)の特性図を示す。この図では、インデックス検知の際の可動要素の位置を「10」としている(図9、図11でも同じ)。実際の出力信号が、図5(a)ではなく図5(b)のようになるのはセンサSENの実際の特性に起因する。例えばセンサSENが光学式であればその発光素子の放射範囲と受光素子の受光範囲はいずれも一定の広がりを持ち、受光素子の出力が図5(a)のような完全なステップ状にならないためである(仮にレーザーのような極めて指向性の高い光を発する発光素子と指向性の高い受光素子を用いれば図5(a)のような特性を得られるが、コストなどの点で実用的ではない)。
【0065】
Vlowは、検知信号がアクティブになる電圧であり(本明細書において「アクティブ」は校正信号のレベルがHighからLowへ又はLowからHighへ変化することを意味する)、位置の変化(図5において左から右への移動)に応じて検知信号がVhighから低下していってVlowになり、Vlowにおいて校正信号がHighからLowへ変化する。x2はそのときの可動要素の位置である。これはインデックス検知を意味し、センサSENが検知信号を出力することを「インデックスを切る」と呼ぶ。このときの位置取得部ANLの出力である校正信号を図5(c)に示す。Vhighは、検知信号がアクティブになる電圧であり、位置の変化(図5において右から左への移動)に応じて検知信号がVlowから上昇していってVhighになり、Vhighにおいて校正信号がLowからHighへ変化する。これはインデックス検知を意味し、同様に、センサSENが検知信号を出力することを「インデックスを切る」と呼ぶ。x1はそのときの可動要素の位置である。このときの位置取得部ANLの出力である校正信号を図5(d)に示す。Δはx1とx2の差であり、変化の方向によって検知位置に生じる誤差を意味する。図5(b)からわかるように、理想的なインデックス検知の位置「10」よりも、実際の検知の位置は進行方向へずれる。
【0066】
図6は、図3の符号γ(インデックス位置判定処理における誤差)の説明図である。図6(a)はセンサSENの実際の出力信号(検知信号)の特性図を示す。点線はチャタリングの生じた状態を示す。図6(b)は当該検知信号をしきい値VthによりHighとLowのいずれかに振り分けたときの状態を示す(しきい値Vthとするコンパレータの出力と考えることができる)。t1乃至t4は、図6(b)の信号を位置取得部ANLによりサンプリング(取得)するタイミングを示す。サンプリングは一定間隔Tで繰り返し行われているが、同図ではt1乃至t4のみを示し、他は省略している。位置取得部ANLはVhighからVlowへ変化する信号をサンプリングしており、t1とt2でVhighを取得し、t3とt4でVlowを取得している。図6(c)は、検知信号がVhighからVlowへ変化するときに位置取得部ANLが出力する校正信号を示す。図6の例では、校正信号は連続してVlowを検知したt4においてHighからLowへ変化する。なお、図6ではt1乃至t4の順番でサンプリングを行っているが、これをVlowからVhighへ変化する向き(図6(b)とは逆方向)にサンプリングをする場合、校正信号は反対側に遅れるようになる(図5(c)と(d)の関係と同様)。サンプリングの結果が同じレベルを連続して示したときに校正信号が変化するから、図6においても図5と同様に、理想的なインデックス検知の位置よりも、実際の検知の位置は進行方向へずれる。図示していないが、図6においても、変化の方向によって検知位置に生じる誤差(図5のΔに相当)が発生する。
【0067】
図7は、発明の実施の形態に係る可動要素位置校正処理のフローチャートである。
図8は、発明の実施の形態に係る可動要素位置校正処理の他のフローチャートである。
【0068】
図9は、可動要素を原点(=0)に復帰させる制御の説明図である。可動要素は、P点(座標=u、10<u<100)から目標位置(=原点)に向かって移動し、途中、Q点でインデックスを切る。これにより座標=Xに校正される(誤差β及びγが無いとすればX=10)。インデックスの位置が原点方向(進行方向)へ補正されている。そしてその点Q’からR点に移動し停止する。R点の位置は原点=0である。なお、Q点とQ’点は同じものであり、図示の関係から表示を分けたに過ぎない。図9においては、移動開始点からインデックスを切った点における移動方向と、始点(=u)から目標位置(=原点)への移動方向がいずれも同じである点に注意されたい。
【0069】
図10は、比較例に係る可動要素位置校正処理のフローチャートである。
【0070】
図11は、可動要素を原点(=0)に復帰させる他の制御の説明図である。可動要素は、S点(座標=v、0<v<10)から原点と反対側の終端(=100)に向かって移動し、途中、T点でインデックスを切る。これにより座標=Xに校正される(誤差がなければX=10である点は図9と同じ)。インデックスの位置が進行方向へ補正される点も図9と同じである。その後進行方向を変え、原点を目指してU点から移動するものの、原点の手前のV点で停止する。V点の位置は原点ではない。V点と原点の距離がΔ’であり、これが誤差になる。この誤差は主にバックラッシュ(符号α)が原因である。図11においては、移動開始点からインデックスを切るまでの方向と、目標位置(=原点)への移動の方向が反対である点に注意されたい。
【0071】
次に、図面を順番に参照しつつ説明を加える。
【0072】
図3は、遊技機の可動体(役物)の制御系統のブロック図である。この発明の実施の形態は、さまざまな形態の可動体(役物)に適用することができるものであるから、これに対応して図3は共通の構成を抽象的に表現するものとし、その各要素の符号はあえて図1などのものとは違ったものとしている。
【0073】
CONTは、可動体の制御を行う制御部である。この動作については後述する。
【0074】
DRVは、可動体を駆動する駆動手段である。駆動手段DRVは、モータのような駆動源(図示せず)とともにその駆動力を役物の可動要素YKに伝達する駆動機構(図示せず)を含むものである。
【0075】
YKは、役物の可動要素である。この具体例は後述の各実施例の記載を参照されたい。
【0076】
YIは、可動要素YKに設けられ、可動要素YKの位置校正を行うためのインデックスである。インデックスYIは可動要素YKと一体であり、同じように動く(このことを強調するために、図3において可動要素YKとインデックスYIを太枠で囲んでいる)。インデックスYIの具体例は後述の各実施例の記載を参照されたい。
【0077】
SENは、インデックスYIによる作用を受け、インデックスYIの検知信号を出力するセンサである。検知信号がVhighからVlowへ、又はVlowからVhighへ変化することがインデックスYIの検知を意味する(以下の説明ではVhighからVlowへ変化する例に基づき説明を加える)。センサSENは、例えば光学式のセンサであり、フォトインタラプタのようなものである。フォトインタラプタは、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成されたもので、当該断面にインデックスYIが割り込んで光を遮蔽したときに検知信号を出力するものである。
【0078】
あるいは、センサSENは、例えばリードスイッチのような磁気で動作するものである。この場合、インデックスYIは磁石であり、磁石であるインデックスYIがリードスイッチであるセンサSENに近づくことでスイッチがオンとなる(短絡信号が出力される)。マイクロスイッチのような接触式のセンサも用いることができる。あるいは、スライド抵抗のようなポテンショメーターを、その作用部が可動要素YKの動きに連動するように設ければ、当該ポテンションメーターの抵抗値(あるいは電圧値)に基づき可動要素YKの位置を直接知ることができる(可動要素が特定の位置にあることだけではなく、可動要素がどの位置にあるかを知ることができる)。
【0079】
以下の説明では、もっぱら光学式のセンサを例に取り説明を加えるが、磁気式のセンサなどについても適用することができる。
【0080】
ANLは、センサSENの検知信号に基づき可動要素YKの位置の校正信号を出力する位置取得部である。この動作については後述する。
【0081】
図3の各要素を、図1の各部と対比すると概ね次のようになる。
【0082】
制御部CONTと位置取得部ANLは、サブ基板19と可動体制御部59に相当する。サブ基板19のCPUが所定のプログラムに従って動作することで制御処理を行い、この結果得られた制御信号(図示せず)を可動体制御部59に供給することで駆動信号を生成する。可動体制御部59の図示しない電流増幅回路がサブ基板19からの制御信号を増幅して駆動手段DRVの図示しないモータに供給する。
【0083】
駆動手段DRV、可動要素YK、インデックスYI及びセンサSENは、可動体50に相当する。これらの具体的な構造は、後述の各実施例を参照されたい。
【0084】
図3の可動体(役物)の要素と、後述の各実施例における可動体(役物)の具体的な構成との対応関係は次のとおりである。
【0085】
前述の駆動系DRVは、実施例1(図15参照)の駆動機構30に相当し、前述の可動要素YKは、実施例1の装飾板21に相当し、前述のインデックスYIは、実施例1の原点突起33Bに相当し、前述のセンサSENは、実施例1の近接センサ34Aに相当する。
【0086】
前述の駆動系DRVは、実施例2(図25参照)のモータ54’、ラック53a’、53a’、ピニオン53b’に相当し、前述の可動要素YKは、実施例2の上側シャッター51U、下側シャッター51Dに相当し、前述のインデックスYIは、実施例2のインデックス56’、56’に相当し、前述のセンサSENは、実施例2のインデックスセンサ57’、57’に相当する。
【0087】
前述の駆動系DRVは、実施例3(図27参照)のラック53a、ピニオン53b、ステッピングモータ54に相当し、前述の可動要素YKは、実施例3のシャッター51L及び51Rに相当し、前述のインデックスYIは、実施例3のインデックス56に相当し、前述のセンサSENは、実施例3のインデックスセンサ57に相当する。
【0088】
前述の駆動系DRVは、実施例4(図30参照)の旋回駆動機構部68に相当し、前述の可動要素YKは、実施例4の反射板64相当し、前述のインデックスYIは、実施例4の脚部68K又は回転基部68Dに相当し、前述のセンサSENは、実施例4の回路基板70に設けられた図示しないセンサに相当する。
【0089】
制御部CONTは、可動要素YKの位置を設定し、可動要素YKを移動させる処理を行う。例えば、メイン基板10から所定の信号を受けてサブ基板19が所定の演出を行うときに、制御部CONT(サブ基板19)は可動要素YKを所定位置へ動かす。制御部CONTが、サブ基板19による電飾の点滅、液晶表示装置の画面表示などとともに演出の一部として可動要素YKの動作を行うときには、可動要素YKに対する駆動信号を生成して駆動手段DRVへ送る。例えば、可動要素YKを「全開にせよ(ステップ=0)」「全閉にせよ(ステップ=100)」、「途中の位置(ステップ=50)で停止せよ」など動きを行うための駆動信号が生成され送られる。駆動手段DRVは、駆動源としてステッピングモータなどを備える。
【0090】
同時に、制御部CONTは、可動要素KYが目的地(上記例では、ステップ=0、ステップ=100、ステップ=50)に到達したと判断したら駆動信号の出力をやめて、その動きを停止させる。制御部CONTは、目的地(目標位置)に応じて可動要素YKをどのように動かすかを受けて、駆動手段DRVの図示しないステッピングモータの移動ステップ数(与えるパルス数)、回転方向、回転速度(パルスの周波数)、などの情報(動作情報)を求める。動作情報とは、可動体の動きを指示するための情報である。例えば、可動要素YKを特定の位置まで動かしてそこで止める場合は、現在位置と目標位置の差に基づき移動ステップ数を決定し、現在位置と目標位置の位置関係に基づき回転方向を設定し(前記差が小さくなるように回転方向を設定する)、素早い演出であればパルス周波数を高い周波数fHとし、ゆっくりとした演出であればそれを低い周波数fLとする(fH>fL)。
【0091】
可動要素KYは、予め定められた範囲内を動く。例えば、図9に示すように0〜100の範囲を動く。同図の数字は移動範囲を示す(図9はあくまで一例である)。単位は任意であり、mmなどの距離、あるいはこれに代わるパラメータ、例えばモータに与えるパルス数、駆動信号の出力時間などと対応付けることができる。なお、0〜100の範囲を動くとしても、可動要素KY自身の動きには2通りある。すなわち、ひとつは0〜100の範囲を往復する動きであり、二つ目は0〜100の範囲を繰り返す動きである。前者では、・・・、99、100となった次の動きは逆方向の100、99、98、・・・という動きである。他端では、・・・、1、0となった後に0、1、2、・・・という動きになる。後者では、・・・、99、100となったら0に戻り、0、1、2、・・・という同じ方向の動きになる。後者の動きは回転運動に相当する(実施例4参照)。
【0092】
センサSENは、インデックスYIが所定の位置(図9の「10」)の位置に来たことを検知するものである。すなわち、インデックスが所定位置(「10」の位置)に来るとセンサSENに作用を及ぼし、これによりセンサSENは検知信号を出力する。位置取得部ANLは当該検知信号を受けて可動要素YKの校正信号を生成する。校正信号は、可動要素YKの現在位置がX(図9参照)であることを示すものである。なお、誤差がなければX=10(予め定められたプリセット位置)となる。誤差については後述する。
【0093】
制御部CONTは、上記モータの動きから動作情報を解析し、可動要素YKの位置を算出(推定)している。駆動手段DRVへ送信した励磁データ(駆動部を駆動するためのデータ)及び上記校正信号(可動体の位置情報)に基づき可動要素YKの位置を求めている。あるいは、移動ステップ数(与えるパルス数)、回転方向、回転速度(パルスの周波数)などに基づき可動要素YKの位置を求めている。可動体YKの位置を求める際に、特に重要なのは移動ステップ数(パルス数)である。移動ステップ数(パルス数)をカウントすることにより図示しないステッピングモータの回転角度、すなわち可動体の移動量の相対値を知ることができる。このカウント値を校正信号に基づき(例えばオフからオンになったとき)リセットすることで、可動体の位置を知ることができる。回転方向は励磁の順番(第1相、第2相の順番で励磁するか、第2相、第1相の順番で励磁するか)で知ることができるし、その速度はパルスの周波数あるいはパルス幅から知ることができる。
【0094】
制御部CONTの上記処理により、可動要素YKがどの位置にあるか、どちらの方向に移動しているか、その速度がいくらかを把握することができる。
【0095】
次に、図4を参照して可動体制御処理について説明する。この図は、最も基本的な動きである、目標位置を定めて可動要素KYを当該目標位置へ動かし、そこで静止させるという処理を示す。なお、このような動きの他に、特に目標位置を定めずに一定時間一定方向に動かすというような動作もある(その後反対方向へ戻し所定位置で停止させることもできる)。この場合は可動要素YKの位置の誤差は問題にならないことも多い。
【0096】
S10:制御部CONTが、演出に応じて可動要素YKの目標位置を設定する。
例えば、図9のように原点=0を目標位置に設定する。
【0097】
S11:制御部CONTが、可動要素KYの位置を取得する。
上述のように、制御部CONTは、可動要素YKの位置(現在位置)を算出している。この算出した位置に基づき、制御部CONTは駆動信号を生成する。
【0098】
S12:制御部CONTが、移動方向を設定する。
目標位置と現在位置に基づき移動方向を設定する。図9の例では、(目標位置)−(現在位置)=0−u<0であるから、マイナス(負)の方向へ移動させる。
【0099】
S13:制御部CONTが、可動要素YKを移動させる。
制御部CONTが、S12で設定した方向へ可動要素KYを動かすように駆動信号を生成する。当該駆動信号に基づき、駆動手段DRVが可動要素KYを動かす。
【0100】
可動要素KYとともにインデックスKIが動きセンサSENに作用を及ぼし、センサSENは検知信号を出力する(これを「インデックスを切る」と呼ぶことは前述した)。図9の例では、位置=10がインデックスの位置であるが、センサSENの出力に基づき位置取得部ANLが実際に校正信号を出力するのは位置=X(0<X<10)である。これを受けて制御部CONTは校正処理を行うが、これについては後述する(図7及びその説明参照)。
【0101】
S14:制御部CONTが、可動要素YKの位置を取得する。
移動後の位置を取得する。制御部CONTは、S13で移動させた際のモータの駆動信号・駆動時間などに基づき可動要素YKの位置を更新する。
【0102】
S15:制御部CONTが、可動要素YKが目標位置に到達したかどうか判定する。
目標位置(図9の例では目標位置=原点)に到達したら(YES)、可動要素YKの移動を停止し、そうでなければ(NO)、S13とS14の処理を繰り返す。
【0103】
以上の処理により可動要素YKを目標位置へ移動させることができるが、その位置の精度、すなわち、図4の処理を終了した時点における可動要素YKの実際の位置と目標位置の誤差は、駆動手段DRVの駆動系(ギアなど)の精度、及び、インデックスを切った際の校正の精度に依存する。上述のように、制御部CONTは、可動要素YKの位置を各種パラメータに基づき「推定」しているに過ぎず、算出した位置が可動要素YKの実際の位置に一致している保証がない。このため、インデックスを切った際に校正を行い、算出した位置と可動要素YKの実際の位置が一致するようにしている。しかし、この校正処理を行ったとしても両者の位置は完全には一致せず、誤差が生じることがある。この要因には3つあり、図3において符号α〜γで示した。以下、これらについて説明を加える。
【0104】
(α)バックラッシュによる誤差
【0105】
バックラッシュとは、機械に用いられる送りねじ、歯車などの互いにはまりあって運動する機械要素において、運動方向に意図して設けられた隙間のことである。この隙間によってねじや歯車は自由に動くことができる。反面、これのために、ある方向に回転していたものを逆の方向に回転させたとき、ずれが生じることがある。図3の駆動手段DRVはラックとピニオン、減速ギア、ボールねじなどの機械要素を含むからバックラッシュの影響を受ける。
【0106】
例えば、図11に示すように点Sから点Tへ正(プラス)方向へ可動要素YKを動かした後に、点Uから原点へ向けて可動要素YKを動かしても実際には点Vにしか到達せず、目標位置である原点と点Vの間に誤差Δ’が生じる。これがバックラッシュによる誤差である。これは移動方向を反転させる際におけるねじ等の回転が、可動要素YKの移動ではなく、ねじ間等の隙間を詰めるために使用されたことによる。
【0107】
これに対し、図9に示すように可動要素YKを同じ方向へ動かす場合は、途中に停止を含んでも、バックラッシュによる誤差は生じない。これは移動方向が同じであるため、ねじ間等の隙間を詰めるための動きが不要であることによる。
【0108】
(β)センサの特性による誤差
【0109】
センサSENが光学式である場合、その発光素子である発光ダイオードの光は一定の幅をもつ。典型的には円錐状の空間に光が放射される。その幅は広がりを持ち、光の強度がピーク(正面方向の放射光)に対して一定レベル低下したところまでの範囲が発光ダイオードの発光範囲とされている。発光ダイオードの光を狭くするためにスリットや筒状の覆いを用いるようにしても、それには一定の幅が存在する。したがって、センサSENにインデックスYIが作用したとき(具体的には光を遮蔽したとき)、センサSENの受光素子が受光する光の強度は徐々に減少することになる(言い換えれば、アナログ的に変化する)。
【0110】
例えば、図5(a)のように予め定められたプリセット位置=10で信号がVhighからVlowになることが望ましい(当該位置で急激な変化が好ましい)が、実際は同図(b)のように信号はなだらかにVhighからVlowになる。もし、位置取得部ANLが、これに含まれる半導体素子の性能上、Vhigh以上でHighを出力し、Vlow以下でLowを出力するのであれば、検知信号がVhighからVlowになる場合において、位置取得部ANLが出力する校正信号はVlowとなるx2でアクティブとなり、逆に、検知信号がVlowからVhighになる場合において、位置取得部ANLが出力する校正信号はVhighとなるx1でアクティブとなる(図5(c)(d)参照)。これらの間にはΔの誤差が生じる。
【0111】
この現象は光学式センサに限らない。センサSENがリードスイッチである場合、インデックスYIである磁石によりそれがオンする位置にばらつきが生じる。他のセンサについても同様の問題が生じる。
【0112】
もし、位置取得部ANLが予め定められたしきい値でHighとLowを切り替えるようにすれば、誤差Δを小さくできるがゼロにはできない。また、このようにすると次に述べるチャタリングの問題が生じる。
【0113】
(γ)インデックス位置判定処理における誤差
【0114】
位置取得部ANLは、タイマー割り込みなどに基づき、一定間隔Tで検知信号を監視している。このやり方によれば、インデックスを切ったかどうかについて、少なくとも上記一定間隔T未満の誤差が生じる。
【0115】
実際は、チャタリングやノイズを考慮し、数回に渡るセンサ入力値の一致を条件として入力値を確定する方法が一般的に用いられている。しかし、複数回一致で入力値を確定する場合、実際の可動要素YKの位置と、確定した可動要素YKの位置にずれが生じる。このずれはエッジの方向によって異なり、HighエッジならHigh方向に、LowエッジならLow方向にずれる。ずれの大きさはモータ回転速度が早く、センサ入力値監視周期が長く、一致判定回数が多いほど大きくなる。
【0116】
例えば、図6のように、チャタリングの影響を避けるために、1回の検知ではなく、2回続けて検知して初めて校正信号を出力するような場合は、同図(a)に示すようにしきい値VthでHighとLowを切り替えているが、同図(b)のLowへの変化を初めて検知した時刻t3で校正信号を出力するのではなく、2回目のLowを検知した時刻t4で校正信号を出力している。このため、最大2×Tの誤差が生じる。
【0117】
チャタリングとは、リレーやスイッチの接点が切り替わった際に、微細で非常に速い機械的振動によって、電気信号が断続を繰り返す現象であるが、図6(a)の点線で示すように検知信号が発光素子・受光素子の特性あるいはノイズや電源電圧変動などの影響で変動する場合にも同様に発生する(図6(b)の点線)。
【0118】
以上の誤差を考慮して、この発明の実施の形態では、図7に示す処理を行っている。なお、誤差α、β、γは同時に生じることがあり得る。
【0119】
図7は、発明の実施の形態に係る可動要素YKの位置校正処理のフローチャートである。図7は、タイマー割り込みなどにより行われるインデックス検知による座標の校正処理を示す。図8は他のフローチャートを示すが、処理の順番が異なる点を除き、図7と同じである。
【0120】
S20:位置取得部ANLがセンサSENの検知信号を取得する。
例えば、図6(b)のように一定間隔で検知信号をサンプリングする。
【0121】
S21:位置取得部ANLがインデックス検知判定を行う。
サンプリングの結果、2回連続してインデックス検知(Lowを検知)したときにインデックス検知と判定する。例えば、図6(b)ではt4においてインデックス検知と判定する。
【0122】
インデックス検知と判定したときは(S22でYES)、S23の処理に進む。そうでなければ(S22でNO)、S20とS21の処理を繰り返す。
【0123】
S23:位置取得部ANLが移動方向を判定する。
【0124】
S24:位置取得部ANLは、移動方向が第1方向であるときS25の処理を行い、第1方向とは異なる第2方向であるときは図7の処理を終了する。
【0125】
ここで「第1方向」とは、目標位置へ向かう可動要素YKの移動方向のことであり、「第2方向」とは、第1方向と反対の方向である。例えば、図9において原点へ向かう方向が第1方向であり、100の位置へ向かう方向が第2方向である(同図ではインデックスを切るまでの移動方向は、目標位置への移動方向(第1方向)と一致している)。図11においては、目標位置が原点であるから、やはり原点へ向かう方向が第1方向であり、100の位置へ向かう方向が第2方向である(同図ではインデックスを切るまでの移動方向は第2方向であり、目標位置への移動方向(第1方向)と異なっている)。第1方向に移動させたときは、校正信号はHighからLowへ変化する。第2方向に移動させたときは、校正信号はLowからHighへ変化する。
【0126】
別の表現をすれば、インデックスを切ってから目標位置に到達するまでの間に移動方向の転換があったかどうかによりS25の処理が行われるかどうか変わる。S24(移動方向の判定)において、移動方向の転換なし(第1方向への移動のみ)のときS25の処理が行われ、転換あり(第2方向への移動を含む)のときS25の処理が行われることなく、図7の処理が終了する。
S24の判定は、バックラッシュの影響を除去するためにも必要である。
【0127】
S25:位置取得部ANLが位置校正処理を行う。
もし、インデックス検知の際に誤差がなければ、そのときの座標をプリセット(図9の例では「10」)すればよい。しかし、前述のように誤差があるから補正を行う。
【0128】
図5(b)に示した誤差を補正するには、同図のΔに応じた値で補正する。例えば、図9において、X=10−(Δ/2)とする。ただし、位置x1、x2の中間位置に実際のプリセット「10」が位置しているものとした。Δは、校正信号がHighからLowになるときと、LowからHighになるときで、それがアクティブになる位置x1、x2の間の距離である。
【0129】
図6(b)に示した誤差を補正するには、同図のサンプリング間隔T(単位は座標上の距離)及びチャタリング防止のための繰り返し検知回数に応じた値で補正する。繰り返し分だけ遅延するためである。例えば、図9において、X=10−k×Tとする。kは繰り返し検知回数に応じたパラメータである。繰り返し検知回数が2であれば、1≦k≦2、例えばk=1.5である。3であれば2≦k≦3、例えばk=2.5である。もし、k=1のときは0<k≦1、例えばk=0.5とする。
【0130】
なお、上記補正は座標上におけるものである。座標を算出するにはモータの回転速度などを考慮する必要がある(座標算出のやり方は公知であるので詳しい説明は省略する)。
【0131】
発明の実施の形態によれば、目標位置へ向かう可動要素の移動方向である第1方向に移動中においてインデックスを切ったときに校正処理を行い、第1方向とは異なる第2方向に移動中にインデックスを切ったときには校正処理を行わない。このように、インデックスの移動方向(原点方向)のエッジのみを基準点とすることで、バックラッシュによる誤差を無くすことができ、原点復帰を一定の位置に保つことができる。また、センサの特性、インデックス位置判定処理における誤差を考慮した補正を行うことで、これらの誤差も除去することができる。
【0132】
図10は比較例に係る可動要素位置校正処理のフローチャートである。図7と比較すると理解できるように、図10には、図7のS23とS24の処理がない。したがって、図10の処理ではインデックスを切ったとき、そのときの移動方向によらず校正処理を行う。
【0133】
すると、図11のようにインデックスを切ってから方向転換を行い、その後目標位置に到達させる動作を行うことがあり得るが、前述のように、図11のような動きをするとバックラッシュの影響により目標位置に正しく到達できない。
【0134】
要するに、原点(目標位置)と逆方向のエッジを基準点とした場合、原点に対してバックラッシュが最大となり、原点に移動する際に想定している位置まで到達できない。また、バックラッシュ量を想定した補正を行っても、可動体(役物)毎にばらつきがあるため、原点が一定の位置にならない。
【0135】
これに対し、図7又は図8の処理によれば、図11のように第2方向へ移動させたことによってインデックスを切った場合は校正処理を行わないので、バックラッシュの影響を受けることはない。なお、第2方向へ移動させてインデックスを切った後、さらに所定の位置まで同じ方向(第2方向)へ移動させ、さらにその後に反対方向(第1方向)へ移動させる途中でインデックスを切ったことにより校正を行うようにすることは問題がない。例えば、原点→100→原点と移動させる場合には、100→原点の移動途中で校正しても図9と同様になるので、問題がない。
【実施例1】
【0136】
以下、上記発明の実施の形態を具体的な可動体(役物)に適用した実施例について説明を加える。
【0137】
実施例1は、所定の範囲(例えば0〜100)を往復運動するひとつの可動要素を備える可動体(役物)である。
【0138】
実施例1における可動体(役物)の具体的な構成との対応関係は次のとおりである。
前述の駆動系DRVは、実施例1の駆動機構30に相当する。
前述の可動要素YKは、実施例1の装飾板21に相当する。
前述のインデックスYIは、実施例1の原点突起33Bに相当する。
前述のセンサSENは、実施例1の近接センサ34Aに相当する。
【0139】
図12は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図13は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。なお、図12の符号20についてはこの実施例1で説明し、符号50’については実施例2で説明し、符号50については実施例3で説明する。
【0140】
図12及び図13中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図12に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図12に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
【0141】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つのリールのそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。
【0142】
液晶表示装置LCDの位置(前方)には可動体50が設けられている。可動体50は2つのシャッター(可動要素)51L及び51Rを備える。2つのシャッター51L及び51Rは演出に従い左右に動くことにより、液晶表示装置LCDを隠すことが可能になっている。同図では、2つのシャッター51L及び51Rがそれぞれ左右に一杯に開き、液晶表示装置LCDが露出している(遊技者が画面を見ることができる)状態を示している。
【0143】
なお、図12の可動体50は一例であり、他の形態のものもある。例えば、液晶表示装置LCDがゲーム表示部131の右側に設けられているときは可動体50も同じ位置に設けられる。可動体50のシャッター51Lと51Rで隠されるものが、LEDや電球などの電飾である場合もある。シャッターの数が1枚であることもある。
【0144】
図12の例では、ゲーム表示部131の左側には可動体20(50’)がもう一つ設けられている。実施例1では可動体(役物)の符号として20を使用するが、実施例3では20(50’)を使用するので、図12において2つの符号を付している。
可動体20(50’)はシャッターを可動させることにより、その内部の発光素子(LED)の発光を遊技者に見せたり隠したりするものである。
【0145】
可動体50,20(50’)はシャッター式のものであったが、回転円盤を備えるような可動体もある。例えば、扇形の表示窓の後方に円盤を設け、当該円盤の上に発光素子や装飾が載り、他の演出に併せて当該円盤が回転し、これにより発光素子や装飾が見えたり見えなかったりするものである。
【0146】
スロットマシン本体120の内部には、図13に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個のリールからなるリールユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つのリール(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転リールの図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の上側のリールユニット203との間には電源部205が設けられている。
【0147】
前記前扉130の裏面には、図13に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0148】
また、メダルセレクタ1の下側には、図13に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0149】
次に、実施例1の可動体(役物)である役物ユニット20について詳細に説明する。
【0150】
役物ユニット20は、図14に示すように、当該役物ユニット20の正面に配置された装飾板21を備えたものであり、遊技の状況に応じて装飾板21を所定の動線に沿って動かす演出を行うように形成されている。
【0151】
この役物ユニット20には、図14及び図15に示すように、装飾板21に加えて、装飾板21を駆動するための駆動機構30(図15にのみ示す。)と、この駆動機構30を支持する構造体40と、役物ユニット20の前面側を装飾する装飾部材22〜24と、役物ユニット20の背面側を保護するバックカバー部材25とが設けられている。
【0152】
ここで、装飾板21は、スロットマシン1の機種名を表すロゴ等が記されたシート21A が表側の面に貼付されたものである。
また、装飾板21は、図15に示すように、移動方向に沿った一対の側縁を有する略四角形状に形成されたものである。
【0153】
このような装飾板21は、図15中左側に配置された側縁の近傍部分が、後述するラック33に取り付けられるものとなっている。換言すると、装飾板21には、裏側面における図15中左側の端縁近傍の位置から構造体40の内部へ向かって突出する突起部21B が設けられており、装飾板21は、突起部21B が後述するラック33に固定されるようになっている。
また、装飾板21には、図15中右側の端面から突出する位置規制部としての突条部21C が設けられている。
【0154】
駆動機構30は、図15の如く、所定のトルクを出力する出力軸31A を有するステッピングモータ31と、ステッピングモータ31の出力軸31A に固定されたピニオン32と、ピニオン32に係合されるラック33と、ステッピングモータ31を駆動する電子回路が形成されているドライバ回路基板34とを備えたものとなっている。
ステッピングモータ31は、ピニオン32及びラック33を介して装飾板21を移動させる移動手段である。
ステッピングモータ31には、構造体40に固定するためのネジを挿通させるネジ挿通孔31B が形成された耳部31C が設けられている。
このステッピングモータ31の出力軸31A は、外周面の一部に平面が形成されたものとなっている。
ピニオン32は、所定数の歯が外周面に配列された歯車である。
【0155】
このピニオン32は、当該ピニオン32と螺合する図示しないイモネジを、出力軸31A の平面に当接させた状態で締め付けることで出力軸31A に対して回転不可能となるように固定されている。
【0156】
ラック33は、所定の長さ寸法を有する略長方形の平板状に形成された本体部33A を備えている。この本体部33A には、ピニオン32の歯と噛み合う複数の歯が当該本体部33A の長辺に沿って形成されている。
本体部33A には、長さ方向の中央部分から装飾板21側へ突出するとともに、ラック33の原点位置を検出するための原点突起33B が設けられている。
【0157】
また、ラック33には、本体部33A の歯が形成されていない方の長辺から装飾板21側へ突出する連結部33C と、この連結部33C 先端部分に形成された移動接触部33Dとが設けられている。
【0158】
連結部33C は、本体部33A と交差する平板状であり、本体部33A の長手方向と同じ方向の長手方向を有する長方形状に形成されたものである。
移動接触部33D は、後述するベース部材41の所定部分に接触させるための部位となっている。
【0159】
そして、移動接触部33D には、装飾板21の突起部21B にネジで接合される接合部33E が設けられている。この接合部33E については、後で詳述する。
【0160】
ドライバ回路基板34は、装飾板21側を向いた面の反対側の面に、ステッピングモータ31を駆動するために必要な電子素子が設置され、これらの電子素子によってステッピングモータ31を駆動するドライバ回路が形成されたものである。
【0161】
また、ドライバ回路基板34におけるドライバ回路が形成された面には、ラック33の本体部33A に設けられた原点突起33B の通過を検出する近接センサ(例えば、フォトインタラプタ)34A と、サブ基板19等との電気的接続を行うためのコネクタジャック34B, 34Cが設けられている。
【0162】
ドライバ回路基板34におけるドライバ回路が形成された面の裏側の面には、複数の光源(例えば、発光ダイオード)34D が設けられている。これらの光源34D は、装飾板21を裏側から照射するバックライトとなっている。
【0163】
また、ドライバ回路基板34は、装飾板21を図14中下方へ移動させる前進駆動パルスと、装飾板21を図14中上方へ移動させる後退駆動パルスとの両方をステッピングモータ31に与えることが可能となったものである。
【0164】
前述のサブ基板19は、ドライバ回路基板34を介してステッピングモータ31の動作を適宜制御することにより、装飾板21を上下に振動させながら降下させ、途中の所定位置に達した後、振動をやめた状態で単に降下させることが可能となっている。
【0165】
構造体40は、駆動機構30、装飾部材22〜24及びバックカバー部材25を支持するのに充分な剛性を有する構造体である。
【0166】
この構造体40には、表側に装飾板21が移動可能に設けられるベース部材41と、パネル状基体9のユニット取付部9Bに取り付けられる取付枠材42と、取付枠材42の前面側を配置される略枠状のフロントカバー部材43とが設けられている。
【0167】
ベース部材41は、取付枠材42を介してスロットマシン1側のユニット取付部9Bに取り付けられるものである。
【0168】
また、ベース部材41は、ドライバ回路基板34の電子素子及びラック33の一部を収納するとともに、ドライバ回路基板34に応じた大きさの回路室41A を有する箱状の部材とされている。
【0169】
ここで、ドライバ回路基板34は、その電子素子が取り付けられた面をベース部材41の回路室41A に向けて、当該回路室41A を覆った状態でベース部材41に取り付けられるようになっている。
【0170】
また、ベース部材41には、バックカバー部材25側に面した裏側の面におけるほぼ中央の部分がバックカバー部材25へ向かって膨出しており、この膨出した部分が他の部分(以下、「平坦部41B 」という。)よりも盛り上がった膨出部41C となっている。
さらに、ベース部材41には、図15中左側の端縁近傍に配置されるとともに、当該端縁に沿って延びるスリット41D が設けられている。
このスリット41D は、ベース部材41の表裏を貫通するとともに、装飾板21が移動する動線に沿って延びる長孔となっている。
【0171】
ここで、ベース部材41の膨出部41C は、ドライバ回路基板34の電子素子が取り付けられた面を覆う天井部41E と、この天井部41E の周縁に沿って形成されるとともに天井部41E 及び平坦部41B を相互に連結する側壁部41F とを備えたものとなっている。
【0172】
そして、側壁部41F 及び平坦部41B のスリット41D に近接する部分には、ラック33の本体部33A を回路室41A の内部に導くためのラック導入孔41G が開口されている。
【0173】
また、天井部41E には、ピニオン32を回路室41A の内部に導くために、図16に示すように、ピニオン32が挿通可能な大きさに形成されたピニオン導入孔51と、このピニオン導入孔51の周縁部分に連続して開口されるとともに、ステッピングモータ31の出力軸31A を挿通させる出力軸挿通孔52と、ステッピングモータ31を取り付けるためのネジと螺合するネジ孔41H とが設けられている。
【0174】
天井部41E のバックカバー部材25に臨む面には、ステッピングモータ31を天井部41E に固定するネジを締め付ける際に、ステッピングモータ31が供回りしないように、ステッピングモータ31の耳部31C を係止する係止突起41J が突設されている。
なお、図16は、ベース部材41の背面図であることから、ベース部材41の各部の位置が図6とは左右逆に表現されている。
【0175】
ここで、ステッピングモータ31は、ピニオン導入孔51を通じて、出力軸31A に固定されたピニオン32を回路室41A の内部に入れてから、出力軸31A の位置を出力軸挿通孔52に向かってずらすことで、出力軸31A を出力軸挿通孔52の内部に入れることで、ベース部材41に設定された取付位置にセットされるようになっている。そして、ステッピングモータ31は、出力軸31A が出力軸挿通孔52の内部に入った状態で、耳部31C のネジ挿通孔31B に挿通されたネジを天井部41E のネジ孔41H に螺合することで、天井部41E に固定されるようになっている。
【0176】
ピニオン導入孔51は、ステッピングモータ31の出力軸31A に固定されたピニオン32を回路室41A の内部に入れる際に、ステッピングモータ31によって一旦閉鎖されるが、ステッピングモータ31の出力軸31A が出力軸挿通孔52の内部に配置されると開放され、回路室41A の内部を冷却する空気の吸排気口を兼用するように形成されている。
【0177】
ピニオン32は、ステッピングモータ31が天井部41E に固定されると、回路室41A の内部に収納されるようになっている。
【0178】
そして、ベース部材41には、図16中右側の側縁に沿って延びる側壁41M が形成されている。この側壁41M には、その頂上部分の一部を切り欠くことにより、凹部41N (図23参照)が形成されている。
【0179】
ラック33は、側壁41M に形成された凹部41Nと、ラック導入孔41G とを通じて本体部33A が回路室41A の内部に差し込まれてピニオン32と噛み合うように形成されている。
【0180】
そして、ラック33は、本体部33A がピニオン32と噛み合うと、ベース部材41におけるスリット41D の近傍部分に移動接触部33D が接するようになっている。
【0181】
ところで、ベース部材41の平坦部41B には、ベース部材41の内部に収納されたドライバ回路基板34のコネクタジャック34B, 34Cに対応する位置に、コネクタジャック34B, 34Cを外部に露出させるコネクタ挿通孔41K, 41Lが設けられている。
【0182】
取付枠材42は、図15の如く、枠状に形成された部材であり、その裏側に、ベース部材41が図示しないネジで取り付けられ、その表側に、フロントカバー部材43が、ベース部材41と同様に、図示しないネジで取り付けられるようになっている。
【0183】
この取付枠材42の上方に設けられた横枠部の両端には、パネル状基体9のユニット取付部9Bと螺合するネジを挿通させるネジ挿通孔42A が設けられている。
【0184】
また、取付枠材42の下方に設けられた横枠部の中央には、パネル状基体9のユニット取付部9Bと螺合するネジを挿通させるネジ挿通孔42B が設けられている。
【0185】
フロントカバー部材43は、図15及び図18の如く、略枠状に形成された部材である。
【0186】
このフロントカバー部材43には、上方に配置された横枠部から下方へ広がる平板部43A が形成され、この平板部43A の下方に開口部43B が形成されている。
また、フロントカバー部材43の平板部43A には、当該平板部43A の表裏を貫通する複数の貫通孔43C (図18参照)が形成されている。
【0187】
フロントカバー部材43には、図15及び図18に示すように、開口部43Bの両側に配置された一対の縦枠部が備えられている。この一対の縦枠部のうち、図15中右側に配置された縦枠部には、装飾板21の移動方向に沿った溝43D が開口されている。この溝43D の内部には、装飾板21の突条部21C が差し込まれるように形成されている。
【0188】
この装飾板21の突条部21C は、フロントカバー部材43の溝43D との係合によって当該装飾板21の厚さ方向の移動が規制された状態で、当該溝43D に沿って移動可能に形成されている。
【0189】
図15に戻って、装飾部材22〜24のうち、装飾部材22は、透明な合成樹脂から形成された装飾レンズ部材22である。
【0190】
この装飾レンズ部材22は、フロントカバー部材43の平板部43A に殆ど隠蔽される隠蔽部22A と、フロントカバー部材43の開口部43B を通じて外部に露出するレンズ部22B とを備えている。
隠蔽部22A は、フロントカバー部材43の平板部43A に形成された複数の貫通孔43C に対応した複数のレンズ部22C が形成されたものである。
レンズ部22B の裏側の面には、砕かれた氷の表面を模した鋭利な凹凸面22D (図19参照)が形成されている。
【0191】
装飾部材23, 24は、図15の如く、鎖を模した装飾鎖状部材23, 24である。
【0192】
装飾鎖状部材23は、フロントカバー部材43に形成された平板部43A の下辺の中間部分と、フロントカバー部材43における右側に位置する縦枠部の長手方向における中間部分との間に掛け渡された状態で、その両端がフロントカバー部材43に固定されている。
【0193】
装飾鎖状部材24は、フロントカバー部材43における左側に位置する縦枠部の長手方向における中間部分と、フロントカバー部材43における下方に位置する横枠の長手方向における中間部分との間に掛け渡された状態で、その両端がフロントカバー部材43に固定されている。
【0194】
バックカバー部材25は、図15の如く、ベース部材41の裏側を覆う部材である。
【0195】
このバックカバー部材25の裏側面には、ベース部材41の裏側に固定されたステッピングモータ31を覆うために、ステッピングモータ31に応じた大きさに膨出した膨出部25A が形成されている。
【0196】
また、バックカバー部材25には、図16及び図17にも示すように、ベース部材41のコネクタ挿通孔41K, 41Lに対応した部位を切り欠くことにより形成された切り欠き部25B, 25Cが設けられている。これにより、バックカバー部材25でベース部材41の裏側を覆っても、コネクタ挿通孔41K, 41Lの内部に配置されているコネクタジャック34B, 34Cに対して、図示しないコネクタプラグを容易に抜き差しできるようになっている。
【0197】
さらに、バックカバー部材25には、図24にも示すように、ラック33が移動する移動領域の上方の端部α近傍に開口されるとともに、回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25D が設けられている。
【0198】
また、バックカバー部材25には、図24にも示すように、ラック33が移動する移動領域の下方の端部β近傍に開口されるとともに、回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25E が設けられている。
【0199】
ここで、吸排気用開口25D, 25Eの各々は、ラック33が近づく際に、回路室41A の内部空気を外部へ排出する排気口となるとともに、ラック33が遠ざかる際に、外部の空気を回路室41A の内部に吸い込む吸気口となるように形成されている。
【0200】
さらに、バックカバー部材25の内部には、図15及び図19に示すように、装飾板21の移動方向に沿って延びるとともに、ラック33をベース部材41に向かって押さえる押圧部としてのリブ25F が設けられている。
【0201】
また、バックカバー部材25の膨出部25A には、図17及び図19に示すように、背面から見て、ステッピングモータ31と重なる位置に回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25G が設けられている。
【0202】
以上において、ラック33は、スリット41D の幅方向及び貫通方向への移動が規制され、これにより、スリット41D に沿ってガタつくことなく摺動するように形成されている。以下に、ガタつきを抑えながらラック33を摺動させる案内構造について詳しく説明する。
【0203】
すなわち、ラック33には、前述したように、ベース部材41におけるスリット41D の近傍部分に接触する移動接触部33D が設けられている。この移動接触部33D には、図20に示すように、ベース部材41に対向する位置に配置された移動接触底面33F と、この移動接触底面33F の両側の側縁にそれぞれ接続されるとともに、当該移動接触底面33F と交差する一対の移動接触側面33G とが設けられている。
【0204】
また、ラック33には、L字形に交差する移動接触部33D と連結部33C との剛性を確保するために、移動接触部33D 及び連結部33C に跨って形成された補強リブ33H 及びスチフナ33J が設けられている。
【0205】
一方、ベース部材41の裏側には、ラック33をスリット41D に沿って案内するとともに、ラック33の移動接触底面33F に接触する案内面41P と、スリット41D を挟んで対向して配置されて、その間にラック33の移動接触部33D が配置されるとともに、ラック33側に設けられている一対の移動接触側面33G にそれぞれ接触する一対の位置規制面41Q とが設けられている。
【0206】
また、バックカバー部材25には、前述したように、ラック33をベース部材41に向かって押さえるリブ25F が設けられている。このリブ25F は、ラック33に形成されたスチフナ33J に当接し、スチフナ33J をベース部材41に向かって押さえるものとなっている。
【0207】
以上において、ラック33は、ベース部材41の案内面41P 及びバックカバー部材25のリブ25F の間に移動接触部33D が挟まれることにより、スリット41D の貫通方向の移動が規制され、且つ、一対の位置規制面41Q の間に移動接触部33D が挟まれることにより、スリット41D の幅方向への移動が規制された状態で、ステッピングモータ31のトルクを受けて、装飾板21を所定の動線に沿って移動するように形成されている。
【0208】
次に、ラック33と装飾板21との接合部分である接合部33E 及び突起部21B について詳しく説明する。
【0209】
ラック33の移動接触底面33F には、図20及び図21に示すように、当該移動接触底面33F から装飾板21へ向かって突出するとともに、当該移動接触底面33F の外周縁に沿って延びる立ち上がり部33K が設けられている。
【0210】
ラック33の接合部33E には、装飾板21の突起部21B をネジ止めするネジ26を挿通させるネジ挿通孔33L と、後述する回転止め突起部21F を内部に挿通させる回転止め孔33M とが設けられている。
【0211】
装飾板21には、突起部21B として、断面T字形に形成された位置決め突起部21D と、ネジ26と螺合する固定用突起部21E と、ネジ26を締め込む際に、位置決め突起部21D とともに装飾板21の供回りを防止する回転止め突起部21F とが設けられている。
【0212】
装飾板21は、位置決め突起部21D におけるT字の横棒先端を立ち上がり部33K の内側面に当接させることで、ラック33に対する角度位置が決定されるようになっている。
【0213】
そして、装飾板21は、ラック33に対する角度位置が決定した状態で、接合部33E のネジ挿通孔33L に挿通したネジ26を、装飾板21の固定用突起部21E 螺合させることで、ラック33に対して所定の取付角度をなした状態で、ラック33に固定されるようになっている。
【0214】
続いて、ステッピングモータ31、ラック33及びバックカバー部材25のベース部材41への取付手順について簡単に説明する。
【0215】
まず、ステッピングモータ31をベース部材41に取り付けるのに先立ち、図22に示すように、ステッピングモータ31の出力軸31A にピニオン32を取り付けておく。
【0216】
次に、図23(A)に示すように、ピニオン導入孔51を通じて、ステッピングモータ31の出力軸31A に固定されたピニオン32を回路室41A の内部に入れる。
【0217】
この後、図23(B)に示すように、ステッピングモータ31の出力軸31A の位置を出力軸挿通孔52に向かってずらし、出力軸31A を出力軸挿通孔52の内部に入れ、この状態で、ステッピングモータ31をベース部材41にネジ止めする。
【0218】
続いて、図23(C)に示すように、ベース部材41の側壁41M に設けられた凹部41N と、ラック導入孔41G とを通じて、ラック33の本体部33A をベース部材41の回路室41A の内部に入れ、ピニオン32とラック33とが噛み合う位置にラック33を配置する。
【0219】
次いで、図23(D)に示すように、ラック33に向かって装飾板21の突起部21B を移動し、ラック33の接合部33E (図23では図示略)に突起部21B を当接させ、この状態で、ラック33の接合部33E に装飾板21の突起部21B をネジ止めする。
【0220】
ラック33の接合部33E を装飾板21の突起部21B にネジ止めする作業が終了したら、図14(E)に示すように、バックカバー部材25をベース部材41に取り付け、以上により、ステッピングモータ31、ラック33及びバックカバー部材25のベース部材41への取付作業が完了する。
【0221】
続いて、ラック33による回路室41A の換気動作について、図24を参照しながら、簡単に説明する。なお、以下の説明では、バックカバー部材25が取り付けられた状態の役物ユニット20について説明するが、図24(A),(B)では、説明の便宜上、バックカバー部材25の記載が省略されている。
【0222】
図24(A)に示すように、ラック33が当該ラック33の移動領域における端部αへ向かって移動すると、換言すると、図24(A)中の白い矢印の方向へラック33が移動すると、図24(C)に示すように、バックカバー部材25内の空気は、端部αの近傍に配置されている吸排気用開口25D から外部へ排出される一方、バックカバー部材25の外部の空気は、端部βの近傍に配置されている吸排気用開口25E からバックカバー部材25の内部に吸入される。換言すると、図24(C)中の白い矢印の方向に空気が移動することで、バックカバー部材25内の空気が換気される。
【0223】
また、図24(B)に示すように、ラック33が当該ラック33の移動領域における端部βへ向かって移動すると、換言すると、図24(B)中の黒い矢印の方向へラック33が移動すると、図24(C)に示すように、バックカバー部材25内の空気は、端部βの近傍に配置されている吸排気用開口25E から外部へ排出される一方、バックカバー部材25の外部の空気は、端部αの近傍に配置されている吸排気用開口25D からバックカバー部材25の内部に吸入される。換言すると、図24(C)中の黒い矢印の方向に空気が移動することで、バックカバー部材25内の空気が換気される。
【0224】
ここで、ベース部材41内の空気は、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G 並びに吸排気用開口25D, 25Eを通じて、バックカバー部材25の外部の空気とが入れ換わるだけでなく、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G 並びに吸排気用開口25G を通じて、バックカバー部材25の外部の空気とが入れ換わるようになっており、これにより、ベース部材41の内部が冷却されるようになっている。
ここで、吸排気用開口25G に着目して、ベース部材41内の換気冷却について更に詳しく説明する。
【0225】
すなわち、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G に対してラック33が相対的に接近すると、ベース部材41の内部では、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G の近傍の圧力が高くなり、ベース部材41内の空気は、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G を通ってベース部材41の外部(バックカバー部材25の内部)へ排出され、さらに、吸排気用開口25G を通って、バックカバー部材25の外部へ排出されるようになっている。
【0226】
一方、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41G に対してラック33が相対的に遠ざかると、ベース部材41の内部では、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41Gの近傍の圧力が負圧となり、吸排気用開口25G を通じてバックカバー部材25の外部の空気がバックカバー部材25の内部に吸引され、ピニオン導入孔51及びラック導入孔41Gを通じて、バックカバー部材25の内部の空気が、内部ベース部材41の内部に吸引されるようになっている。
【0227】
実施例1に係る可動体(役物)は次のような効果を奏する。
【0228】
すなわち、装飾板21が取り付けられるラック33に、ベース部材41のスリット41D 近傍部分に接触させる移動接触部33D を設け、この移動接触部33D に、ベース部材41と対向する位置に配置された移動接触底面33F を設け、また、ベース部材41の裏側に、ラック33をスリット41D に沿って案内するとともに、ラック33の移動接触底面33F に接触する案内面41P を設け、さらに、バックカバー部材25に、装飾板21の移動方向に沿って延びるとともに、ラック33をベース部材41に向かって押さえるリブ25F を設けたので、ベース部材41の案内面41P と、バックカバー部材25のリブ25F との間に、ラック33の移動接触部33D が挟まれ、これにより、ラック33は、スリット41D の貫通方向の移動が規制される。
【0229】
また、ラック33の移動接触部33D に、前述の移動接触底面33F の両側の側縁にそれぞれ接続されるとともに、当該移動接触底面33F と交差する一対の移動接触側面33G を設け、さらに、ベース部材41の裏側に、スリット41D を挟んで対向して配置されて、その間にラック33が配置されるとともに、ラック33の一対の移動接触側面33G にそれぞれ接触する一対の位置規制面41Q を設けたので、ベース部材41に設けた一対の位置規制面41Q の間にラック33の移動接触部33D が挟まれ、これにより、ラック33は、スリット41D の幅方向の移動が規制されるようになる。
【0230】
従って、ラック33は、スリット41D の貫通方向及び幅方向の移動が規制され、換言すると、直行座標系における一軸を動線方向として設定すると、残る二軸について位置規制されるので、移動時にガタつくことがなく、スムーズな移動を実現することができる。
【0231】
この際、ベース部材41及びバックカバー部材25でラック33の位置規制を行うようにしたので、ラック33の位置規制を行う専用の部品を設ける必要がなく、装飾板21が自動的に動くようにしても、役物ユニット20の部品点数が少なくて済む。このため、部品点数の増加が抑制され、役物ユニット20の組立作業を容易にでき、ひいては、その製造コストの高騰を抑制することができる。
【0232】
また、バックカバー部材25をベース部材41に取り付ける際に、バックカバー部材25をベース部材41に向かって移動させる移動方向と、リブ25F がラック33を押圧する方向とを同じ方向にしたので、バックカバー部材25をベース部材41に取り付けると、自動的にリブ25F がラック33を押圧するようになり、この点からも、役物ユニット20の組立作業を容易にすることができる。
【0233】
さらに、ベース部材41の表側にフロントカバー部材43を設け、装飾板21として、移動方向に沿った一対の側縁を有する略四角形状のものを採用し、この装飾板21における一方の側縁近傍部分をラック33に取り付け、他方の側縁に突条部21C を形成し、また、フロントカバー部材43に、装飾板21の移動方向に沿った溝43D を設け、この溝43D の内部に装飾板21の突条部21C を差し込み、装飾板21の突条部21C が当該装飾板21の厚さ方向に沿って動かないようにしたので、装飾板21は、その移動方向に沿った両方の側縁が、当該装飾板21の厚さ方向の移動が規制され、所定の動線に沿って移動する際にガタ付きが防止されるようになり、動線に沿ってスムーズに移動することができる。
【0234】
ここで、装飾板21の厚さ方向の移動を規制するために、専用の部品を設ける必要がないので、装飾板21をスムーズに移動できるようにしても、部品点数の増加が抑制され、これにより、役物ユニット20の組立作業を容易にでき、ひいては、その製造コストの高騰を抑制することができる。
【0235】
また、ベース部材41として、ドライバ回路基板34の電子素子及びラック33の本体部33A を収納するとともに、ドライバ回路基板34に応じた大きさの回路室41A を有する箱状に形成されたものを採用し、ドライバ回路基板34における電子素子が取り付けられた面をベース部材41の回路室41A に向けて、回路室41A を覆った状態で、ドライバ回路基板34をベース部材41に取り付け、回路室41A の内部でピニオン32にラック33を係合させるようにしたので、役物ユニット20をスロットマシン1に取り付ける取付作業を行う際に、ベース部材41で、ピニオン32、ラック33及びドライバ回路基板34の電子素子を保護することができ、役物ユニット20の取付作業の便宜を図ることができ、役物ユニット20をスロットマシン1本体に取り付ける作業を容易にすることができる。
【0236】
さらに、ドライバ回路基板34の電子素子が取り付けられた面を覆う天井部41E をベース部材41に形成し、この天井部41E に、ピニオン32を回路室41A の内部に導くために、ピニオン32が挿通可能な大きさに形成されたピニオン導入孔51を設けたので、ステッピングモータ31の出力軸31A に固定された状態のピニオン32を回路室41A の内部に容易に入れることができる。
【0237】
また、ピニオン導入孔51の周縁部分に連続して開口されるとともに、ステッピングモータ31の出力軸31A を挿通させる出力軸挿通孔52を、ベース部材41の天井部41E に形成し、出力軸31A にピニオン32が固定されたステッピングモータ31をベース部材41に取り付けるにあたり、ピニオン導入孔51を通じてピニオン32を回路室41A の内部に入れてから、その位置を出力軸挿通孔52に向かってずらすことで、出力軸31A を出力軸挿通孔52の内部に入れ、出力軸31A が出力軸挿通孔52の内部に入った状態で、ステッピングモータ31を天井部41E に固定するようにしたので、ピニオン32を回路室41A の内部に入れた状態で、ステッピングモータ31をベース部材41の外側に固定でき、これにより、ステッピングモータ31のベース部材41への固定が容易となり、以上により、役物ユニット20の組立作業を容易にすることができる。
【0238】
さらに、ステッピングモータ31の出力軸31A が出力軸挿通孔52の内部に配置されるとピニオン導入孔51が開放され、回路室41A の内部を冷却する空気の吸排気口をピニオン導入孔51に兼用させたので、全体を小型化したために、専用の吸排気口を別途形成することができなくとも、ピニオン導入孔51によって冷却用空気の吸排気口が確保される。
【0239】
このため、ピニオン導入孔51に形成によって役物ユニット20の組立作業が容易となるうえ、役物ユニット20を小型化しても、ピニオン導入孔51によって冷却用空気の吸排気口が確保されるようになり、これにより、役物ユニット20の全体を小型化しても、冷却用空気の吸排気口を確保できるうえ、組立作業を容易にすることができる。
【0240】
また、スロットマシン1本体に取り付けられるとともに、装飾板21が移動可能に設けられたベース部材41と、このベース部材41の裏側に固定されるとともに装飾板21を移動させるステッピングモータ31と、このステッピングモータ31の出力軸31A に固定されたピニオン32と、このピニオン32に係合するとともに、装飾板21が取り付けられたラック33と、ステッピングモータ31を駆動するためのドライバ回路基板34とを含んで役物ユニット20を構成し、装飾板21を移動させるための駆動機構として、構造が簡単で占有空間が小さいラック・アンド・ピニオン式のものを採用したので、役物ユニット20全体のサイズが小さくなり、従って、役物ユニット20を小型化することができる。
【0241】
ここで、ベース部材41に、ラック33を回路室41A の内部に導くためのラック導入孔41G を形成したので、ラック33導入口を通じてラック33を回路室41A の内部に差し入れることが容易に行え、回路室41A の内部でピニオン32にラック33を係合させることも容易となり、これにより、役物ユニット20の組立作業を容易にすることができる。
【0242】
さらに、回路室41A の内部を冷却するための空気の吸排気口をラック導入孔41G で兼用するようにしたので、全体を小型化したために、専用の吸排気口を別途形成することができなくとも、ラック導入孔41G によって冷却用空気の吸排気口が確保される。
【0243】
以上のように、ラック導入孔41G に形成によって役物ユニット20の組立作業が容易となるうえ、役物ユニット20を小型化しても、ラック導入孔41G によって冷却用空気の吸排気口を確保することができる。
【0244】
また、ベース部材41の裏側に、当該ベース部材41の裏側を覆うバックカバー部材25を取り付け、且つ、ベース部材41の裏側に取り付けられるステッピングモータ31をバックカバー部材25で覆うようにしたので、役物ユニット20をスロットマシン1本体に取り付ける取付作業を行う際に、ステッピングモータ31、特に、デリケートなステッピングモータ31の電源端子コネクタを保護することができ、役物ユニット20の取付作業の便宜を図ることができ、役物ユニット20をスロットマシン1本体に取り付ける作業を容易にすることができるうえ、頻繁にステッピングモータ31を稼働させたために、ステッピングモータ31が熱を持ったとしても、ステッピングモータ31がバックカバー部材25で覆われているので、指や手等がステッピングモータ31に直接触れることがなく、火傷を未然に防止することができる。
【0245】
ここで、ラック33が移動する移動領域の端部近傍に開口されるとともに、バックカバー部材25の回路室41A の内部を冷却するための吸排気用開口25D, 25Eを当該バックカバー部材25に設け、且つ、ラック33が近づく際に、吸排気用開口25D, 25Eを通じて回路室41A の内部空気を外部へ排出し、ラック33が遠ざかる際に、吸排気用開口25D, 25Eを通じて外部の空気を回路室41A の内部に吸い込むようにしたので、吸排気用開口25D, 25Eにラック33が接近することによって、回路室41A 内の空気が吸排気用開口25D, 25Eを通じて強制的に排出され、吸排気用開口25D, 25Eからラック33が遠ざかることによって、バックカバー部材25の外側の空気が吸排気用開口25D, 25Eを通じて強制的に吸入されるようになり、ベース部材41の裏側をバックカバー部材25で覆っても、回路室41A の内部を外部の空気で冷却する際の冷却効果が何ら損なわれることがない。
【実施例2】
【0246】
実施例2は、所定の範囲(例えば0〜100)を往復運動する2つの可動要素を備える可動体(役物)である。
【0247】
実施例2における可動体(役物)の具体的な構成との対応関係は次のとおりである。
前述の駆動系DRVは、実施例2のモータ54’ラック53a’、53a’ ピニオン53b’に相当する。
前述の可動要素YKは、実施例2の上側シャッター51U、下側シャッター51Dに相当する。
前述のインデックスYIは、実施例2のインデックス56’、56’に相当する。
前述のセンサSENは、実施例2のインデックスセンサ57’、57’に相当する。
【0248】
実施例2において、これが取り付けられる遊技機の正面図及び内部構造を示す図として、前述の図12及び図13を参照する。
【0249】
図25は、実施例2に係る可動体50’の分解斜視図である。可動体50’は2つの可動要素51U,51Dが動く点を除き、実施例1の可動体20と同様である。
【0250】
図25において、FLは前面側フレーム、BFはモータ54’を収納する後面側フレーム、LEDは発光素子を搭載した基板(発光部)、P1は前面パネル、P2は中間パネルである。ラック53a’、53a’にはそれぞれ上側シャッター51Uと下側シャッター51Dを取り付けるための機構又は部材が設けられている。上側シャッター51Uはラック53a’に取り付けられ、下側シャッター51Dはラック53a’に取り付けられる。ラック53a’と53a’の間にピニオン53b’が位置し、この回転によりシャッター51U,51Dが上下に動くようになっている。ラック53a’、53a’にはそれぞれ上側シャッター51Uと下側シャッター51Dの位置検出のためのインデックス56’、56’が設けられている。57’、57’はインデックス56’、56’を検知するインデックスセンサである。
【0251】
可動体50、50’は上述のように2つのシャッターを備えるものであったが、2つのシャッター両方について説明を加えると複雑になるので、説明の便宜上、可動体50’の上側シャッター(可動要素)51Uを説明の対象に取り上げることにする。下側シャッター51Dは、その動きの方向が上側シャッター51Uの反対である点を除き、動作の点で異ならない。具体的には、図26(a)(b)に示すように上下方向に動く可動体を想定する。その位置の定義は、例えば図26(c)のようである。すなわち、全開状態が0ステップ、全閉状態が100ステップ、これらの間の位置はその位置に応じてステップ数が直線的に変化する。
【実施例3】
【0252】
実施例3は、実施例2と同様のものであり、所定の範囲(例えば0〜100)を水平方向へ往復運動する2つの可動要素を備える可動体(役物)である。
【0253】
実施例3における可動体(役物)の具体的な構成との対応関係は次のとおりである。
前述の駆動系DRVは、実施例3のラック53a、ピニオン53b、ステッピングモータ54に相当する。
前述の可動要素YKは、実施例3のシャッター51L及び51Rに相当する。
前述のインデックスYIは、実施例3のインデックス56に相当する。
前述のセンサSENは、実施例3のインデックスセンサ57に相当する。
【0254】
実施例3において、これが取り付けられる遊技機の正面図及び内部構造を示す図として、前述の図12及び図13を参照する。
【0255】
図27は、発明の実施の形態に係る可動体50の概略図である。同図(a)は上面図、同図(b)は正面図、同図(c)はB−B矢視断面図、同図(d)はA−A矢視断面図である。なお、同図ではステッピングモータ54を含む駆動部と、インデックス56及びインデックスセンサ57は右側のシャッター51Rにのみ示されているが、同じものが左側のシャッター51Lについても設けられている(左側のものについての図示は省略されている)。
【0256】
可動体50は、左側のシャッター(可動要素)51L及び右側のシャッター(可動要素)51Rと、シャッター51L及び51Rの上端及び下端をそれぞれ摺動自在に保持する上側のレール52U及び下側のレール52Lと、可動体50の内側に下側のレール52Lと平行に設けられたラック53aと、これにかみ合うピニオン53bと、ピニオン53bがその回転軸に直接あるいは図示しない減速歯車機構を介して取り付けられたステッピングモータ54と、右側のシャッター51Rの内側に位置する図示しないフレームに取り付けられたブラケット55(腕金・張り出し金具であるブラケット55はステッピングモータ54の取り付け台座である)と、右側のシャッター51Rの内側に取り付けられたインデックス56と、インデックス56を検知するインデックスセンサ57とを備える。同図では、ピニオン53b〜インデックス56を右側のシャッター51Rについて示しているが、左側のシャッター51Lについても同様の構造であり、その説明は省略する。
【0257】
同図(b)は、シャッター51L及び51Rをそれぞれ両側へ一杯に開いた状態をしめしており、同図の例では当該状態においてインデックスセンサ57はインデックス56を検知する。インデックスセンサ57は、例えばフォトインタラプタのような光学式あるいはマイクロスイッチのような接触式などのセンサである。シャッター51L及び51Rの移動可能な範囲は同じであり、可動体50の中央(詳しくは、シャッター51L及び51Rをそれぞれ両側へ一杯に開いた状態におけるシャッター51Lの右端と51Rの左端の中点)である中間点までしか移動できない。同図(b)の0、50、100の数字は移動範囲を示す。100は中間点に相当する。シャッター51Lは左側の0から中央の100まで移動可能であり、シャッター51Rは右側の0から中央の100まで移動可能である。そして、インデックスセンサ57は、シャッター51L、51Rが「0」の位置に来たことを検知するものである。すなわち、図28(a)に示すように、シャッター51L、51Rが一杯に開いたとき(下限に達したとき)にその端が「0」の位置にある。2つのシャッター51L及び51Rの端がそれぞれ「0」の位置にあると、それらがそれぞれ左右に一杯に開き、液晶表示装置LCDが露出する(遊技者が画面を見ることができる)。図28(b)に示すように、シャッター51L、51Rが完全に閉じたとき(上限に達したとき)にその端(シャッター51Lの右端とシャッター51Rの左端のそれぞれ)が「100」の位置にある。2つのシャッター51L及び51Rの当該右端左端がそれぞれ「100」の位置に移動しそれらが完全に閉じると、液晶表示装置LCDは全く見えなくなる。
【0258】
ラック53aとピニオン53bは、回転力を直線の動きに変換する機構である。ピニオン53bは小口径の円形歯車であり、ラック53aは平板状の棒に歯切りをした(歯がつけられた)ものである。ステッピングモータ54によりピニオン53bに回転力を加えると、ラック53aの水平方向の移動に伴ってシャッター51L,51Rがラック53a上を水平方向に動く。図27によれば、ラック53aは可動体50のフレームに固定されているのに対し、ブラケット55は前扉130の図示しないフレームに取り付けられ、これにステッピングモータ54が取り付けられているから、シャッター51L,51Rは前扉130の左右に動く。
【0259】
ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。ステッピングモータのコイルに所定の順番で電流を流すことでモータの軸は回転し、逆の順番で電流を流すとモータの軸は逆回転する。
【0260】
図27及び図28に示した可動体はあくまで一例である。
【0261】
また、上記のインデックス56とインデックスセンサ57の位置関係及び可動要素51L,51Rの位置の定義はあくまで一例である。実施例3(実施例2でも同様)において、例えば、可動要素の移動範囲が−50から100までであり、インデックスセンサが−20,0,+20などの位置を検知するものであってもよい。ここで、マイナスの値は、可動要素51L,51Rの0の位置からさらに外側(マイナス側)に動くことを意味する。例えば、−50は、図27(b)の0の位置から、0と50の間に相当する距離分外側に(100の位置とは反対側に)動いた位置になる。
【0262】
実施例3(実施例1,2でも同様)では、可動要素51L,51Rの位置をインデックス56とインデックスセンサ57により検出していたが、他の位置検出手段(センサ)を使用するようにしてもよい。例えば、インデックス56とインデックスセンサ57に代えて磁石とリードスイッチの組み合わせを用いることができる。あるいは、スライド抵抗のようなポテンショメーターを、その作用部が可動要素51L,51Rの動きに連動するように設ければ、当該ポテンションメーターの抵抗値(あるいは電圧値)に基づき可動要素51L,51Rの位置を直接知ることができる(可動要素が特定の位置にあることだけではなく、可動要素がどの位置にあるかを知ることができる)。
【実施例4】
【0263】
実施例4の可動体は、回転灯装置(パトライト)である。これは可動要素(反射板)が全周にわたって回転するものであり、上限・下限を持たず運動の範囲は限定されない。しかし、角度0度〜360度に対して所定の座標(例えば0〜100)を対応付けることで、実施例4の可動体についても、実施例1〜実施例3と同様に本発明の実施の形態の制御を適用することができる。一定方向に回転する場合は座標が上限に達すると下限に戻る(100の次は0となる)という動作を繰り返す。また、実施例4の可動要素が一定範囲(一定角度の範囲)を往復運動することがある(セクタースキャン)。この往復運動は実施例1〜実施例3と同じであり、やはり本発明の実施の形態の制御を適用することができる。
【0264】
実施例4における可動体(役物)の具体的な構成との対応関係は次のとおりである。
前述の駆動系DRVは、実施例4の旋回駆動機構部68に相当する。
前述の可動要素YKは、実施例4の反射板64に相当する。
前述のインデックスYIは、実施例4の脚部68K又は回転基部68Dに相当する。
前述のセンサSENは、実施例4の回路基板70に設けられた図示しないセンサに相当する。
【0265】
図29〜図33では省略しているが、反射板64とともに回転する脚部68K又は回転基部68Dには図示しない突起が設けられており、当該突起がフォトインタラプタの発光素子と受光素子の間に割り込むことで検知信号が出力される(インデックスを切る)。
【0266】
図29は、実施例4に係る可動体60の取り付け状態を示す遊技機の正面図である。可動体(回転灯装置)60は、遊技機中央の上部、ゲーム表示部131の上に設けられている。
【0267】
図30〜図32には、本実施形態に係る回転灯装置60が示されている。図30〜図32において、回転灯装置60は、略白色の照射光を発する光源である白熱電球65と、この白熱電球65の周囲を旋回可能に設けられた反射板64とを備えたものとなっている。そして、回転灯装置60は、反射板64を旋回させることにより、白熱電球65が発する照射光を周囲に旋回させながら、当該照射光を周囲に照射するようになっている。
【0268】
回転灯装置60には、図30〜図32に示すように、白熱電球65及び反射板64に加えて、反射板64を旋回駆動するための旋回駆動機構部68と、旋回駆動機構部68を内部に収納するケース部61と、白熱電球65及び反射板64を内部に収納する風防部63と、ケース部61及び風防部63の間に介装されている接続部62とが設けられている。
【0269】
反射板64は、旋回駆動機構部68に回転自在に設けられるとともに、その回転軸の上に焦点が設けられている凹面鏡である。白熱電球65及び反射板64は、反射板64の焦点位置と、白熱電球65の発光するフィラメントの中心位置とがほぼ一致するように、回転灯装置60に取り付けられている。
【0270】
旋回駆動機構部68は、反射板64を旋回駆動する原動機として、電力で作動するモータ68A を有するものとなっている。
【0271】
この旋回駆動機構部68には、図31及び図32の如く、前述のモータ68A に加えて、モータ68A の出力軸に取り付けられたピニオンギア68B と、モータ68A の駆動力を減速するための減速ギア68C と、モータ68A の駆動力で回転駆動される回転基部68D と、モータ68A を支持する平板状の支持ベース板68E と、回転基部68D を下方から回転自在に支持するホルダ部68F とが設けられている。
【0272】
このうち、減速ギア68C は、大型の歯車と小型の歯車が同軸位置になるように一体化されたものであり、大型の歯車がモータ68A の取り付けられたピニオンギア68B と噛み合っている。
【0273】
回転基部68D は、平たい円形リング状に形成されたものである。この回転基部68D の円形リング状の内周縁部分には、減速ギア68C の小型の歯車と噛み合うための歯車部68G が設けられている。
【0274】
具体的に説明すると、円形リング状に形成された回転基部68D の内周縁部分は、モータ68A 側に突出する円筒状に形成され、この円筒状の外周面には、減速ギア68C の小型の歯車と噛み合う多数の歯が形成されている。回転基部68D の歯車部68G は、これらの歯により形成されたものとなっている。
【0275】
回転基部68D の外周縁近傍の部分には、図31の如く、複数の嵌合凹部68H が設けられている。一方、反射板64の回転基部68D 側に配置された端部は、円盤状に広がったターンテーブル部64A とされている。このターンテーブル部64A の回転基部68D 側を臨む面には、回転基部68D 側に複数設けられた嵌合凹部68H に対応して、複数の突起部64B が突設されている。反射板64は、その突起部64B のそれぞれが回転基部68D の対応するに嵌合され、これにより回転基部68D に対して回り止めされ、この状態で、回転基部68D にネジ留めされている。
【0276】
また、回転基部68D の内周面には、図31中下方を向いた突出面を備えた段付部68I が形成されている。一方、ホルダ部68F の外周面には、図31中上方を向いた突出上面を備えた鍔部68J が突設されている。そして、回転基部68D の段付部68I は、その内径D1(図32参照)がホルダ部68F 本体の外周面の直径D2(図32参照)よりも僅かに小さくなるように設定されている。これにより、回転基部68D は、ホルダ部68F に設けられた鍔部68J の上に段付部68I を載せると、この状態で、ホルダ部68F に回転自在に支持されるようになっている。
【0277】
そして、ホルダ部68F には、図32中上方の面から支持ベース板68E へ向かって延びる一対の脚部68K が設けられている。ホルダ部68F は、リング状の回転基部68D の内部に脚部68K を挿通させ、且つ、その鍔部68J に回転基部68D の段付部68I を支持させた状態で、脚部68K の先端が支持ベース板68E に接合されている。
【0278】
支持ベース板68E の風防部63側の面には、図31及び図32の如く、白熱電球65を支持するソケット67の基端が取り付けられている。このソケット67は、筒状の本体内部に図示しない一対の電極が形成されたものである。白熱電球65は、ソケット67の電極と電気的に接続して電力供給を受けるようになっている。
【0279】
ここで、反射板64の円盤状に広がったターンテーブル部64A 及びホルダ部68F には、中央部分にソケット67の先端部分を挿通させる挿通孔64C, 68Lが設けられている。
【0280】
白熱電球65は、ホルダ部68F の挿通孔68L 及び反射板64の挿通孔64C の内部に挿通されたソケット67の内部に、その電極部65A が嵌合するようになっている。
【0281】
ケース部61は、図30の如く、平面形状がU字形状に形成された底板部61D と、この底板部61D の周縁に沿って立設された側壁部61C とを備えた箱状に形成されたものであり、内部に旋回駆動機構部68を収納するようになっている。なお、底板部61D は、U字形状の半円形状に膨出した部分が他の部分から斜めに起き上がり、その断面形状が「へ」の字形に形成されたものである。
【0282】
ケース部61には、図30〜図32の如く、スロットマシン1にネジ留めするために、図32中上方の面及び側面のそれぞれから突出する複数の耳部61A が設けられている。これらの耳部61A の各々には、スロットマシン1の被取付部位に螺合させるための図示しないネジが略水平方向に挿通されるネジ挿通孔61B が形成されている。
【0283】
このケース部61の内部には、図31及び図32の如く、前述の旋回駆動機構部68に加えて、旋回駆動機構部68のモータ68A 及び白熱電球65を制御するための制御回路部が形成された回路基板70が収納されている。この回路基板70の制御回路部は、旋回駆動機構部68のモータ68A 及び白熱電球65への電力を入り切りするための図示しないスイッチング素子を備え、外部から指令信号、具体的には、スロットマシン1から演出指令信号を受信し、この演出指令信号に応じてモータ68A 及び白熱電球65を作動させるものとなっている。
【0284】
風防部63は、上方図32中上方となる一端側が開口された円筒状の側壁部63A と、この側壁部63A の他端側を塞ぐ半球状のドーム部63C とを備えた容器状に形成され、内部に白熱電球65及び反射板64を収納するようになっている。この風防部63の内法は、白熱電球65の周囲を反射板64が回転可能となるように設定されている。
【0285】
また、風防部63を形成する材料の材質は、白熱電球65が発する照射光を外部へ照射できるように、透明赤色の合成樹脂となっている。
【0286】
さらに、側壁部63A の開口に近接する内周面、換言すると、風防部63の開口に近接する内周面には、螺旋状に延びるネジ溝からなる雌ネジ部63B が形成されている。これにより、風防部63の開口近傍部分は、雌ネジ部63B を備えた雌ネジとなっている。そして、この雌ネジ部63B が、風防部63を接続部62に接続する接続部分(螺合部分)となっている。
接続部62は、ケース部61及び風防部63の間に介装されて、ケース部61及び風防部63を相互に接続するものである。
【0287】
この接続部62には、ケース部61に設けられている側壁部61C と対応する側壁部62A が形成されている。接続部62の側壁部62A は、その上端面の外周側が段差となった段付部62B を備えている。
【0288】
この接続部62の段付部62B に対応して、ケース部61の側壁部61C は、その上端面の内周側が段差となった段付部61D (図31にのみ示す)を備えている。
【0289】
また、接続部62の側壁部62A には、ケース部61と螺合するネジ62C (図31にのみ示す)を挿通させる挿通孔62D が形成されている複数の突起部62E が設けられている。
【0290】
接続部62は、その段付部62B をケース部61側の段付部61D の内側に嵌合させた状態で、その突起部62E の挿通孔62D に挿通されたネジ62C をケース部61に螺合させることにより、ケース部61に接続されている。
【0291】
また、接続部62には、風防部63の側壁部63A と対応する円筒状の側壁部62F が形成されている。この側壁部62F の外周面には、ネジ溝が形成され、これにより、側壁部62F が雄ネジとなっている。
【0292】
接続部62は、雄ネジとなっている側壁部62F の先端縁が風防部63の開口内部に嵌め込まれた状態で、風防部63及び接続部62の一方を他方に対して相対的に回転させ、雄ネジとなっている側壁部62F を風防部63の雌ネジ部63B に螺合することにより、風防部63との接続がなされるようになっている。
以上のように、ケース部61及び風防部63は、接続部62を介して相互に接続されるようになっている。
【0293】
ここで、前述した回転灯装置60に加えて、図33(A)に示すように、風防部63及び反射板64よりも大きいサイズの風防部63X 及び反射板64X を備えた回転灯装置60X 、及び、図5(A)に示すように、風防部63及び反射板64よりも小さいサイズの風防部63Y 及び反射板64Y を備えた回転灯装置60Y の三種類を製作するにあたり、ケース部61及び旋回駆動機構部68を共用することができる。
【0294】
すなわち、回転灯装置60X を製作する際には、図33(A)の如く、風防部63X 及び反射板64X に対応した接続部62X を介して風防部63X をケース部61に接続することができ、回転灯装置60X に対しても、回転灯装置60と同一種類のケース部61及び旋回駆動機構部68をそのまま利用できる。
【0295】
また、回転灯装置60Y を製作する際には、図33(B)の如く、風防部63Y 及び反射板64Y に対応した接続部62Y を介して風防部63Y をケース部61に接続することができ、回転灯装置60Y に対しても、回転灯装置60と同一種類のケース部61及び旋回駆動機構部68をそのまま利用できる。
【0296】
以上の説明において、スロットマシンを例に取り説明を加えたが、本発明の実施の形態は他の遊技機にも適用できる。例えば、パチンコ機等にも適用でき、スライド式の役物、回転灯装置などを備える遊技機全般に適用することができる。
【0297】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0298】
19 サブ基板
20、50、50’、60 可動体
59 可動体制御部
ANL 位置取得部
CONT 制御部
DRV 駆動手段
SEN センサ
YK 可動要素
YI インデックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた範囲において動くように構成された可動要素と、前記可動要素を動かすための駆動手段と、前記可動要素の位置校正を行うために前記可動要素とともに動くように設けられたインデックスと、前記インデックスによる作用を受けて検知信号を出力するセンサとを含む可動体と、
前記駆動手段へ駆動信号を出力して前記可動体の制御を行う制御部と、
前記センサの出力した検知信号に基づき前記可動要素の位置に係る校正信号を出力する位置取得部とを備え、
前記制御部は、
前記駆動信号に基づき前記可動要素の位置を求めるとともに、前記校正信号に基づき当該位置の校正を行い、
前記可動要素の目標位置を設定し、前記可動要素を前記目標位置へ向けて移動するように前記駆動手段を制御し、
前記位置取得部から前記校正信号を受けたとき、前記可動要素が第1方向へ移動していれば前記校正信号に基づき前記位置の校正を行い、
前記位置取得部から前記校正信号を受けたとき、前記可動要素が前記第1方向とは異なる第2方向へ移動していれば前記位置の校正を行わない、ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記位置取得部は、前記センサの検知信号に基づきHigh又はLowのいずれかの信号を前記校正信号として出力するものであり、
前記位置取得部において、前記校正信号がHighからLowに変化する前記検知信号の電圧Vlowと、LowからHighに変化する前記検知信号の電圧Vhighが同じでなく、前記可動要素を前記第1方向あるいは前記第2方向の一方へ移動させたことにより前記校正信号がHighからLowに変化するときの前記可動要素の位置x1と、前記第1方向あるいは前記第2方向の他方へ移動させたことにより前記校正信号がLowからHighに変化するときの前記可動要素の位置x2との差である位置の誤差Δが存在し、
前記制御部は、前記校正信号に基づき当該位置の校正を行うときに、前記誤差Δに基づき前記位置の補正を行うことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記位置取得部は、前記センサの検知信号を予め定められた間隔Tでサンプリングを行い、前記センサの検知信号の変化を前記サンプリングにより予め定められた回数だけ検知したとき前記校正信号を出力するものであり、
前記制御部は、前記校正信号に基づき当該位置の校正を行うときに、前記回数及び前記間隔Tに基づき前記位置の補正を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記可動要素の基準位置である原点が予め定められており、
前記第1方向は、前記原点へ向かう方向であることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−52139(P2013−52139A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192964(P2011−192964)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】