遊技球、遊技機、及び不正な遊技球の回収方法
【課題】遊技球の不正な使用を防止する遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球1は、外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形であって、所定の第1データが記憶されたRFIDチップが内蔵されており、導体が、RFIDチップのアンテナとして動作する。遊技機は、遊技球1に内蔵されるRFIDチップに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを記憶する記憶手段と、遊技球1を搬送するための搬送経路4で所定個数の遊技球1を貯留するための遊技球貯留部5と、遊技球貯留部5で貯留された遊技球1のRFIDチップから第1データを読み取り、読み取った第1データと記憶手段に記憶されている第2データとの関連性を判別することで、当該遊技球1が自機において使用可能なものか否かを判断するRFID読取認証部7と、を備える。
【解決手段】遊技球1は、外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形であって、所定の第1データが記憶されたRFIDチップが内蔵されており、導体が、RFIDチップのアンテナとして動作する。遊技機は、遊技球1に内蔵されるRFIDチップに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを記憶する記憶手段と、遊技球1を搬送するための搬送経路4で所定個数の遊技球1を貯留するための遊技球貯留部5と、遊技球貯留部5で貯留された遊技球1のRFIDチップから第1データを読み取り、読み取った第1データと記憶手段に記憶されている第2データとの関連性を判別することで、当該遊技球1が自機において使用可能なものか否かを判断するRFID読取認証部7と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機やスマートボール等の弾球遊技機およびこの種の弾球遊技機において使用される、不正行為防止機能を有する遊技球に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製の遊技球を発射装置より打ち出して、釘が打ち込まれた盤面の遊技領域の入賞口に遊技球が入ることで遊技を行うパチンコ遊技機が広く知られている。この種のパチンコ遊技機では、遊技球が、球貸し機から球貯留皿に貯留された後、発射装置に供給される。そして、発射装置に供給された遊技球に対して遊技者が、適宜発射操作を行うことで、遊技球が遊技領域に向けて発射される。発射された遊技球は、遊技領域を経て遊技を終了した後、当該パチンコ遊技機の回収搬送路を経て、遊技場内に設けられる大規模な搬送路システムに回収される。
【0003】
遊技場に設置されるパチンコ遊技機では、不正行為の発生が問題となっている。不正行為には、さまざまな態様のものがあるが、その一つに、遊技球自体を正規のものではないものに変更するというものがある。例えば、正規の遊技球より径の小さい遊技球を使用する、正規の遊技球より径の大きい遊技球を使用する、偏心した遊技球を使用する、正規の遊技球の一部を削って使用する等がある。径の小さい遊技球や、その一部を削った遊技球を使用するのは、入賞口への入賞率を不正に高めるためである。また、径の大きい遊技球を使用するのは、入賞口付近に遊技球を停留させて、外部から電磁波を照射することにより、入賞検出用のセンサを誤作動させるためである。
【0004】
そのため、パチンコ遊技機において、様々な不正行為の防止策が講じられている。例えば、径の小さい遊技球を検出する技術として、特許文献1には、発射前の遊技球を整列させて待機流路に待機させておく際に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設ける技術が開示されている。また、特許文献2には、偽の遊技球を判別するために遊技球にICタグを利用する発明が開示されている。
【0005】
最近は、他店のパチンコ遊技機に使用される安価な遊技球(1円ぱちんこなど)を使用したり、中古のパチンコ遊技機から抜き取ったものを使用したり、或いは中古ルートなどで購入した遊技球を使用することで、本来使用されるべきではない遊技球による不正をはたらくケースも出てきている。
【0006】
そのため、外部からの遊技球の持ち込みへの対策として、封入式パチンコ遊技機が提案されている。封入式パチンコ遊技機は、遊技領域に発射されて遊技が終了した遊技球を、遊技機内部で回収し、回収した遊技球を再度発射装置に供給するようにしたものである。このような封入式パチンコ遊技機を設置することで、遊技球の不正な持ち込みを防止できる期待があるだけでなく、遊技場内の大規模な搬送路システムも不要になるため、遊技場にとっては遊技球の搬送に係わる設備投資やメンテナンスにかかる費用を削減できるというメリットがある。
【0007】
しかしながら、封入式パチンコ遊技機でも、遊技球の持ち込みを完全に防止することはできない。そのため、特許文献3に、封入式遊技機の遊技球にICタグを利用する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−22791号公報
【特許文献2】特開2007−185260号公報
【特許文献3】特開2009−261704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
封入式遊技機においては1台あたりの遊技球の数量が決まっており、同じ遊技球が1つの遊技機の中で循環するために、不正な遊技球が混入すると、従来以上に不正による被害が大きくなる。そのため、単に遊技球の大きさだけで不正な遊技球か否かを判定するだけではセキュリティ的に十分ではない。遊技球とパチンコ遊技機とを関連付けて管理することで不正な遊技球の判別をより確実に行うことが望まれる。
また、特許文献2、3に開示されるように、金属製の遊技球にICタグを埋め込むだけでは、アンテナが埋込位置のみとなってしまうため、埋込位置によっては、外部の読み取り装置のアンテナでうまく読み取れないことがある。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために、不正な使用を防止することが可能な遊技球及びこのような遊技球を用いた遊技機を提供することを、主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明の遊技球は、その外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形の遊技球であって、所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵されており、前記導体が、前記非接触ICモジュールのアンテナとして動作するものである。
第1データとして例えば当該遊技球を特定するためのデータを記憶させ、外部装置との無線通信を行うことで、当該遊技球が正規のものであるか否かを外部装置で判断することが可能となる。これにより、不正な遊技球の使用を防止できる。また、導体と非接触ICモジュールとを電気的に接続し、導体を非接触ICモジュールのアンテナとして動作させることで、無線通信におけるデータの送受信感度を向上させることができる。
【0012】
遊技球は、具体的には以下のように構成される。
(1)前記外表面が複数の多角形の面の組み合わせで形成されており、少なくとも1つの面と他の面との接続部分が前記導体で構成されている。
(2)前記外表面の導体と電気的に接続される導体面を有する窪み又は孔が形成されており、前記非接触ICモジュールは前記窪み又は孔に取り付けられ、且つ前記非接触ICモジュールの接点が前記導体面と導通しており、前記窪み又は孔の開口部分を含む前記外表面の全体が樹脂で覆われている。樹脂で保護することで、例えば弾球遊技時の衝撃から非接触ICモジュールを保護することができる。また、樹脂が透明である場合には、従来と同様に遊技球を金属色とすることができる。
(3)前記窪み又は孔のうち非接触ICモジュールの周囲に絶縁物が充填されている。
【0013】
本発明の遊技機は、上記の遊技球による遊技が可能な遊技機であって、前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを記憶する記憶手段と、前記遊技球を搬送するための搬送経路で所定個数の前記遊技球を貯留するための遊技球貯留部と、この遊技球貯留部で貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取り、読み取った第1データと前記記憶手段に記憶されている第2データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断する読取認証部と、を備える遊技機である。
このような構成の遊技機では、該遊技機で使用可能な遊技球の判別を容易に行え、遊技球の不正な使用を防止することができる。
【0014】
ある実施の態様では、前記遊技球貯留部は、前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、前記搬送経路中の前記遊技球の搬送を停止する。これにより、不正な遊技球による再遊技を防止することができる。そのために、例えば前記停止した前記遊技球を、物理的或いは電気磁気的な力により弾いて、所定の回収箱に回収するリジェクト部を更に備えてもよい。
また、遊技機は、前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、その旨を報知する報知手段を更に備えていてもよい。さらに、前記読取認証部が、前記非接触ICモジュールとの間で暗号通信を行うことで、不正に対するセキュリティが更に向上する。
【0015】
遊技球貯留部は、より具体的には以下のような構成とすることができる。
(1)周縁に凹部が形成された歯車形状の回転部を備え、前記凹部に前記遊技球が1個嵌り込み、前記回転部が回転することで、前記遊技球を1個ずつ前記搬送経路へ案内する。
(2)所定の駆動機構により上下動する係止部材を前記搬送経路上に有しており、前記係止部材が下に移動すると前記搬送経路上に前記遊技球が所定個数嵌る凹部を形成して該遊技球を貯留し、前記係止部材が上に移動すると前記凹部に貯留した前記遊技球を前記搬送経路へ案内する。
(3)前記搬送経路中に上下動する2枚の遮蔽板を有し、前記遮蔽板が順次上に移動して2枚の遮蔽板間に所定数の前記遊技球を貯留し、前記遮蔽板が下に移動すると貯留した前記遊技球を前記搬送経路へ案内する。
(1)の構成では、遊技球を1個ずつ貯留できる。(2)、(3)の構成では、1以上、複数個の遊技球の貯留が可能である。
【0016】
本発明の不正な遊技球の回収方法は、所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵された複数の遊技球を用いた遊技を可能にし、遊技後の遊技球を回収して次の遊技に用いる遊技機により実行される。この方法では、所定個数の回収後の前記遊技球を貯留して、貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取る。次いで、予め所定の記憶手段に記憶した、前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを、読み取った前記第1データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断し、使用不可であった場合に、貯留中の該遊技球を所定の回収箱へ回収させるための信号を出力する。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、遊技球の内部にデータを記憶した非接触ICモジュールを備え、遊技球の外表面の導体を非接触ICモジュールのアンテナとして動作させるようにしたので、遊技球が正規のものであるか否かを外部装置で容易に判断可能になり、不正な遊技球の使用を防止できる。また、外部装置との無線通信におけるデータの送受信感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態例、特に構成例1の遊技球の外観図である。
【図2】図2(a)は、構成例2の遊技球の外観図、図2(b)は、構成例2の遊技球の断面図である。
【図3】図3(a)は、構成例3の遊技球の外観図、図3(b)は、構成例3の遊技球の断面図である。
【図4】RFIDチップの搭載例示図である。
【図5】構成例4の遊技球の外観図である。
【図6】RFID読取機構の構成及び動作についての説明図である。
【図7】構成例1の遊技球貯留部の構成図である。
【図8】構成例2の遊技球貯留部の構成図である。
【図9】構成例3の遊技球貯留部の構成図である。
【図10】構成例4の遊技球貯留部の構成図である。
【図11】遊技球のID番号を遊技機の記憶装置に登録するときの処理手順を示す図である。
【図12】遊技中のID番号の照合処理の手順例を示す図である。
【図13】営業開始前の確認処理の手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<遊技球>
本実施形態による遊技球は、その外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形の遊技球であって、第1データ、例えばその遊技球を識別するためのID(IDentification)番号、遊技球の1個あたりの財的価値(例えば1個4円のようなデータ)、使用開始日、使用可能な有効期間、遊技機が封入式遊技機の場合には該封入式遊技機を識別するためのID番号、その他、遊技球の使用履歴等、遊技球に関するデータが記憶された非接触ICモジュールが内蔵されており、導体が、非接触ICモジュールのアンテナとして動作するものである。
【0020】
非接触ICモジュールとしては、RFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)チップを用いることができる。なお、本明細書において略球形とは、弾球遊技を支障なく行うことが可能なくらい球形に近い形状をいう。
遊技球の表面の導体は、内蔵されたRFIDチップのアンテナとして動作できるようにするため、使用周波数に応じたサイズに設計されている。このような構成にすることで、後述するRFID読取機構によるRFIDチップに記録されているデータの読み取りが、従来よりも容易かつ確実なものとなる。なお、データの記憶が可能で、無線通信が可能な非接触ICモジュールであれば、必ずしもRFIDでなくともよい。
【0021】
<遊技球の構成例1>
図1は、構成例1の遊技球1aの外観図である。遊技球1aは、その外表面が、多角形面(この構成例では五角形面11と六角形面12)の組み合わせで、略球形、この構成例ではサッカーボール形に形成されており、RFIDチップ2を内蔵している。遊技球1aの各面は、絶縁体或いは絶縁体と導体とを組み合わせたものである。絶縁体と導体とを組み合わせている場合には、例えば、一面が導体で他のすべての面が絶縁体で構成される。すべての面が絶縁体の場合には、各面の接着部分13に導体を用いる。導体の面、或いは各面の接着部分13の導体が、アンテナとなる。
【0022】
接着部分13を導体とする場合には、例えば合成樹脂により各々複数の五角形面11と六角形面12の各面をまず成型し、その後に各面の周囲を導体で接着して成型することで、遊技球1aを実現することができる。導体をアンテナとして利用できるように、RFIDチップ2と導体が電気的に接続される。RFIDチップ2と導体が電気的に接続されるために、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。
【0023】
<遊技球の構成例2>
図2(a)は、構成例2の遊技球1bの外観図、図2(b)は、遊技球1bの断面図である。遊技球1bは、金属の球体21の外表面の一部に凹部22を設けて、この凹部22にRFIDチップ2が取り付けられている。さらに遊技球2bの全体が透明樹脂23で覆われている。凹部22も透明樹脂23で埋められる。
この構成例においては、RFIDチップ2のアンテナとして、遊技球1bの球体21の部分が利用される。そのために、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。また、透明樹脂23により遊技球1bの表面がコーティングされているため、従来と同様に金属色とすることができる。透明樹脂23は硬質な樹脂であり、RFIDチップ2を遊技機内で弾かれる際の衝撃から保護することができる。
【0024】
<遊技球の構成例3>
図3(a)は、構成例3の遊技球1cの外観図、図3(b)は、遊技球1cの断面図である。遊技球1cは、金属の球体31の外表面の一部にRFIDチップ2を埋め込むための窪みとして嵌合部32を有し、嵌合部32の形状よりも僅かに小さく形成された蓋部33を埋め込んで固着することで形成される。蓋部33は、球体31と同じ素材により形成される。
【0025】
RFIDチップ2は、例えば図4に示すようにして遊技球1cに内蔵される。図4の例では、嵌合部32に基板34を設け、基板34上にRFIDチップ2をバンプ35を介して接続する。基板34には、RFIDチップ2を、それぞれ、球体31に接続するためのスルーホール36と、蓋部33の金属部分に接続するためのバネ接点37とを設ける。蓋部33は球体31から絶縁する必要があるため、球体31と接触する部分を絶縁体38でコーティングする。蓋部33を球体31に嵌め合わせて固定する。固定には絶縁性の接着剤などを適宜用いて、蓋部33が外れることないよう固着することが望ましい。この構成例においては、RFIDチップ2のアンテナとして遊技球1cの球体31部分の表面を利用することが出来るため、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。
【0026】
<遊技球の構成例4>
図5は、構成例4の遊技球1dの外観図である。遊技球1dは、金属の球体41の外表面から中心を貫通する孔42を有しており、この孔42にRFIDチップ2を内蔵する。孔42は、RFIDチップ2が設置された後に樹脂等の絶縁性の充填剤43により埋められる。RFIDチップ2は、構成例3と同様に、基板44にバンプ45を介して接続される。基板44には、RFIDチップ2を球体41と接続するためのスルーホール46が設けられる。このようにして、RFIDチップ2が球体41に接続される。
この構成例においても、RFIDチップ2のアンテナとして遊技球1dの球体41部分の表面を利用することが出来るため、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。また、遊技球1dの中心に比較的近い部分にRFIDチップ2を設置することができるので、偏心を抑えるための構成例としても有効である。
【0027】
<RFID読取機構>
遊技球1に内蔵されるRFIDチップ2からデータの読み取るRFID読取機構3について、図6を参照して説明する。遊技球1は、上記の遊技球の構成例1〜4に示す遊技球1a〜1dのいずれかの構成である。
【0028】
RFID読取機構3は、遊技球1が遊技機による遊技後に回収されて、次の遊技に用いられるまでに搬送される経路(以下、「搬送経路」という。)4上のどこに設けられていてもよい。RFID読取機構3は、搬送経路4の途中に、遊技球1を貯留するための遊技球貯留部5を有し、遊技球貯留部5で貯留された所定個数の遊技球1からアンテナ6によりRFIDチップ2に記憶されたデータを受信する。アンテナ6は、例えばU字型をしており、遊技球貯留部5を囲むように配置される。
【0029】
搬送経路4は、例えば、遊技後に回収されて次の遊技に用いるために、図外の発射装置に供給されるまでの経路である。搬送経路4は、発射装置側に遊技球1が案内されるような構成となっている。図6では、発射装置側に下りの傾斜が形成されて、遊技球1が図6の右上から左下に移動するようになっている。この他にも、傾斜を用いずに機械的、電気磁気的な力により、遊技球1が移動するような構成であってもよい。
【0030】
RFID読取認証部7は、アンテナ6に接続されており、アンテナ6により受信したRFIDチップ2からのデータの読み取りを行う。読み取ったRFIDチップ2からのデータにより、当該データが記憶されたRFIDチップ2を内蔵する遊技球1が、遊技場で管理する遊技球1であるか否かの判断を行う。そのためのRFID読取認証部7は、例えば遊技場で管理するすべての遊技球1のID番号を所定の記憶装置に記憶しており、アンテナ6を介して読み取ったID番号と記憶装置に記憶されたID番号とを比較することで、該遊技球1が遊技場で管理されているものであるか否かの判断が可能である。封入式遊技機の場合には、遊技機の固有の遊技球1であるので、該遊技機で管理する遊技球1であるか否かが判断される。
【0031】
遊技場で管理する遊技球1と判断された場合には、引き続き、次の遊技球1のRFIDチップ2からデータの読み取りが行われる。
遊技場で管理しない遊技球1と判断された場合には、その旨が遊技機制御部8に通知される。遊技機制御部8は、該通知を受信すると、報知部10による警告音や表示等により、不正な遊技球が混入していることを遊技場の管理者等に報知する。また、遊技機制御部8は、遊技機貯留部5の動作を停止させることで、遊技球1の搬送を中止して遊技を中止する。さらに、遊技機制御部8は、遊技球リジェクト部9に、遊技機貯留部5で停止されている不正な遊技球の回収を指示する。
遊技機リジェクト部9は、例えば、電磁ソレノイド等の駆動により、遊技機貯留部5で停止された不正な遊技球を物理的或いは電気磁気的な力により弾いて、所定の回収箱に回収する。
【0032】
なお、遊技球1とRFID読取認証部7との間の通信は、セキュリティ性を高めるために、必要に応じて暗号通信を行うようにしてもよい。また、RFID読取認証部7は発射装置に組み込んで一体化して構成してもよい。
【0033】
以下に、遊技球貯留部5の構成例を挙げる。図7〜10では、RFID読取認証部7までの構成を図示し、遊技機制御部8、遊技球リジェクト部9、及び報知部10に点いては図示を省略する。
<遊技球貯留部の構成例1>
図7に示す構成例1の遊技球貯留部5aは、搬送経路4の例えば弾球遊技機の発射装置の直前に設けられる。遊技球貯留部5aは、図外のモータで回転する歯車形状の回転部51を有し、歯車の凹部52に遊技球1が1個ずつ嵌まり込むようになっている。回転部51が回転することで、遊技球1が、発射装置まで運ばれる。アンテナ6は、回転部51を挟む位置に配置される。遊技球1は、歯車の凹部52に嵌り込んだときに、アンテナ6によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。遊技球1が不正なものと判断された場合には、回転部51の回転が停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0034】
<遊技球貯留部の構成例2>
図8に示す構成例2の遊技球貯留部5bは、搬送経路4の例えば弾球遊技機の発射装置の直前に設けられる。遊技球貯留部5bは、図外のモータで回転するカム形状の回転体61と、回転体61が回転することにより上下動する2つの係止部材62とを備える。回転体61により、係止部材62が下がると、搬送経路4に凹部ができて、遊技球1が凹部い嵌り係止される。回転体61により係止部材62が上がると、凹部がなくなり、遊技球1の搬送が再開されて遊技球1が発射装置まで搬送される。アンテナ6は、発射装置側の係止部材62を挟む位置に配置される。
遊技球1は、発射装置側の係止部材62が下がって係止したときに、アンテナ6に最も近づいて、アンテナ6によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。
遊技球1が不正なものと判断された場合には、2つの係止部材62が下がったまま回転体61の回転が停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0035】
<遊技球貯留部の構成例3>
構成例1、2では、遊技球1からデータを1個ずつ読み取るための遊技球貯留部5a、5bの構成について説明したが、この他に、複数の遊技球1からデータを読み取るための構成もある。
【0036】
図9は、このような構成例3の遊技球貯留部5cの構成の説明図である。図9に示す遊技球貯留部5cは、搬送経路4の例えば弾球遊技機の発射装置直前に設けられる。遊技球貯留部5cは、図外の駆動装置により上下動する係止部材71を備える。係止部材71が下がると、搬送経路4に凹部ができて、複数の遊技球1が係止される。係止部材71が上がると凹部がなくなり、遊技球1の搬送が再開されて、遊技球1が発射装置まで搬送される。アンテナ6は、係止部材71で係止される複数の遊技球1をすべて挟む位置に配置される。係止部材71の上下動は、例えば、構成例2の回転体61と同様の回転体を用いることで可能である。
【0037】
複数の遊技球1は、発射装置側の係止部材71が下がって係止したときに、アンテナ23によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。データの読み取りが終了して、すべての遊技球1に不正が発見されなかった場合に、係止部材71が上がるように制御される。1個でも遊技球1が不正なものと判断された場合には、係止部材71が下がったまま回転部225の回転が停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0038】
<遊技球貯留部の構成例4>
図10は、構成例3と同様に、複数の遊技球1から一度にデータを読み取るための構成例4の遊技球貯留部5dの構成の説明図である。
図10の遊技球貯留部5dは、搬送経路4に上下動する2枚の遮蔽板81を有する。遮蔽板81が上がると遊技球1が遮蔽板81で係止される。遮蔽板81が下がると、遊技球1の搬送が再開されて遊技球1が発射装置まで搬送される。アンテナ7は、遮蔽板81で係止される複数の遊技球1をすべて挟む位置に配置される。遮蔽板81は、図示しない制御装置により上下動が行われる。
【0039】
遮蔽板81は、発射装置側のものが先に上がり、所定の個数の遊技球1が滞留すると、他方の遮蔽板81が上がる。複数の遊技球1は、2枚の遮蔽板81が上がった状態でアンテナ7によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。データの読み取りが終了して、すべての遊技球1に不正が発見されなかった場合に、まず、発射装置側の遮蔽板81が下がり、次いで他方の遮蔽板81が下がるように制御される。
1個でも遊技球1が不正なものと判断された場合には、2枚の遮蔽板81が上がったまま停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0040】
構成例3、4のように複数の遊技球1を一度に読み出す構成の場合、RFID読取認証部7は、同じデータの遊技球1が複数ある場合にも不正な遊技球1が混入しているものと判断してもよい。構成例3、4のように複数の遊技球1を一度に読み出す構成は、複数のデータを同時に読み出すことができるアンチ・コリジョン機能を有するRFIDシステムを利用することで実現できる。
また、封入型遊技機では、すべての遊技球1のデータを一度に読み出す構成にすることも可能であり、その場合は、電源投入時にすべての遊技球1のデータを読み出して、不正な遊技球1の混入をチェックしたり、前日に読み出した状態と差異が無いか比較したりすることもできる。また、一度に読み出す数量を単位金額(例えば100円)に設定してもよい。
【0041】
以上のような遊技球1に内蔵されるRFIDチップ2へのデータの書き込みは、遊技球1の製造メーカ、遊技機メーカ、或いは遊技場で行われる。また、データの書き込みは、一度だけ許可するワンタイム方式の他に、複数回の書き込み可能にしてもよい。複数回の書き込み可能にする場合には、定期的にデータや暗号通信の鍵を変更するなどして、よりセキュリティ性を向上させることができる。
【0042】
[運用形態例]
<ID番号登録>
遊技球1に関するデータの遊技機への登録は、遊技機メーカ或いは遊技場で行うことになる。図11は、遊技場において遊技球1のID番号を遊技機の記憶装置に登録するときの処理手順を示す図である。この遊技機は封入型であり、使用する遊技球1の個数は50個である。
【0043】
まず、遊技機に遊技球1を投入して、発射装置により遊技球1を発射する(ステップ10、12)。遊技球1は、盤面の遊技領域を通過後に、回収されて搬送経路4を搬送される。RFID読取機構3は、搬送中の遊技球1のID番号を読み取る(ステップS14)。ID番号が読み取れなかった場合には、該遊技球を不正な遊技球としてリジェクトして(ステップS14:読取不可、ステップS26)、次の遊技球を発射する(ステップS12)。
【0044】
ID番号を読み取れた場合には、RFID読取機構3のRFID読取認証部7が、記憶装置に記憶されたID番号と読み取ったID番号とを照合して既に登録されているID番号に一致するか否かを判断する(ステップS14:読取可、ステップS16)。一致しない場合、該遊技球1がこの遊技機に登録されていないことを意味する。その場合、新たに登録するか否かを判断することになる。この遊技機は、50個の遊技球を用いる封入型遊技機なので、遊技機制御部8が、既登録の遊技球が50個以上であるか否かを、記憶装置に記憶されたID番号の数により確認する(ステップS16:不一致、ステップS18)。ID番号の数が50個以上であれば、この遊技機にこれ以上の遊技球1を登録することができないので、該遊技球をリジェクトして(ステップS18:Y、ステップS26)、次の遊技球を発射する(ステップS12)。ID番号の数が50個未満であれば、該遊技球1のID番号を記憶装置に記憶することでID番号を登録して(ステップS18:N、ステップS20)、次の遊技球を発射する(ステップS12)。
【0045】
記憶装置に記憶されたID番号と読み取ったID番号とが一致する場合、該ID番号が一致した回数を記録する(ステップS16:一致、ステップS22)。一致した回数が3回以上になれば、該ID番号の遊技球1が正当なものであると認識する。すべての遊技球1のID番号の一致回数が3回以上になるまで、遊技球1の発射が行われる(ステップS24:N、ステップS12)。すべての遊技球1のID番号の一致回数が3回以上になれば、該遊技機で使用する遊技球1のすべてのID番号の登録が終了する(ステップS24:Y)。登録の終了により、遊技を開始することができる。
【0046】
この処理では、所定数(50個)以上の遊技球1の登録を防止することができる。また、不正に持ち込まれた遊技球以外に、RFIDチップ2の異常や遊技球1の破損等の様々な要因でID番号が読取不可になった遊技球1の除外も可能になる。ID番号の照合を複数回行うことで、照合しやすい遊技球1が選抜されるので、遊技中であっても登録された遊技球1についての照合を、より確実に行うことができる。
【0047】
<遊技中の処理>
図12は、遊技中のID番号の照合処理の手順例を示す図である。
遊技が開始され、発射装置により発射された遊技球1は(ステップS30)、盤面の遊技領域を通過後に、回収されて搬送経路4に案内される。
RFID読取機構3は、搬送中の遊技球1のID番号を読み取る(ステップ32)。ID番号が読み取れなかった場合、遊技機制御部8は、不正な遊技球1が検知されたことを報知部10から報知させ、遊技球リジェクト部9により該遊技球を不正な遊技球としてリジェクトさせる(ステップS14:読取不可、ステップ36、ステップS38)。遊技球1のリジェクト後に、次の遊技球1が発射される(ステップS30)。
なお、この例ではリジェクト後に次の遊技球1を発射させて遊技を継続させるが、これに限らず、報知後或いはリジェクト後に一端遊技を中断させてもよい。
【0048】
ID番号が読み取れた場合には、RFID読取機構3のRFID読取認証部7が、記憶装置に記憶されたID番号と読み取ったID番号とを照合して、既に登録されているID番号に一致するか否かを判断する(ステップS32:読取可、ステップS34)。一致しない場合には、ID番号が読み取れ無かった場合と同様に、ステップS36、ステップS38の処理を行う。この場合も、遊技を継続させずに、、報知後或いはリジェクト後に一端遊技を中断させてもよい。
一致する場合には、遊技者により遊技が終了されない限り、或いは次に発射されるべき遊技球1が無くならない限り、次の遊技球1が発射される(ステップS34:一致、ステップS40:N、ステップS30)。
このような処理により、不正な遊技球を排除しつつ、遊技を行うことができる。
【0049】
<営業開始前確認>
封入型遊技機においては、通常、前日の営業日と当日の営業前とで、遊技球の入れ替えは行われない。そのために、遊技機の記憶装置に記憶された前日のID番号を、当日に読み取ったID番号と照合することで、営業開始前の不正の有無を確認することができる。図13は、そのような営業開始前の確認処理の手順例を示す図である。
【0050】
初めに発射装置により発射された遊技球1は(ステップS50)、盤面の遊技領域を通過後に、回収されて搬送経路4を搬送される。RFID読取機構3は、搬送中の遊技球1のID番号を読み取る(ステップ52)。
ID番号が読み取れた場合には、RFID読取機構3のRFID読取認証部7が、記憶装置に記憶される前日に登録されたID番号と読み取ったID番号とを照合して、一致するか否かを判断する(ステップS52:読取可、ステップS54)。
一致する場合には、一致したID番号にONフラグを付す(ステップS54:一致、ステップS56)。次いで、前日に登録されたすべてのID番号にONフラグが付されて、読み取ったID番号と前日に登録されたID番号とがすべて一致するか否かを確認する(ステップS58)。すべての一致が確認されない場合には、次の遊技球を発射する(ステップS58:N、ステップS50)。ID番号がすべて一致していれば、営業開始前確認処理を終了する(ステップS58:Y)。
【0051】
ステップS52で読取不可であった場合(ステップS52:読取不可)、又はステップS54でID番号が不一致であった場合(ステップS54:不一致)には、不正な遊技球1が検出されたと判断して、該遊技球をリジェクトする(ステップS60)。リジェクト後、新たな遊技球を登録する場合には、図11にある手順で処理を実行する。
【0052】
この発明により、遊技球1を封入式遊技機に用いると、よりセキュリティ性が高まる。遊技場にとっては安価な設備投資でセキュリティ性の高い封入式遊技機を導入できる。また、外見が金属の球状の物体にRFIDチップを使用して管理することが可能であるため、遊技球1に限らず金属球の管理に用いてもよい。
【0053】
[他の運用形態例]
本発明の遊技機によれば、以下のような運用形態例も可能である。
(1)遊技球1に内蔵されるRFIDチップ2に、使用開始日や使用可能な有効期間のような時刻関連データを記憶できる点は、上述した通りである。そこで、RFID読取機構3でこのような時刻関連データを読み取り、遊技機に新規に遊技球1を入れて稼働を開始してから一定期間稼働したことを図外の設定メモリに記憶されている基準時間データとの比較により検出し、アラーム信号を出力する。これにより、例えばRFIDチップ2の寿命を考慮し、「3ヶ月毎に全数交換を行う」等の運用が可能となる。
【0054】
(2)遊技球1に、RFIDチップ2が内蔵されていることの識別マークを付したり、RFIDチップ2に記憶させたデータ毎の色分けを行うことで、本来目的のために使用する遊技球かどうかを、RFID読取機構3によらずとも、視認又は機械読み取り可能にし、本来目的のための遊技球1であることが判明したときに、上述した遊技球リジェクト部9でそれをリジェクトできるようにする。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b、1c、1d…遊技球、2…RFIDチップ、3…RFID読取機構、4…搬送経路、5…遊技球貯留部、6…アンテナ、7…RFID読取認証部、8…遊技機制御部、9…遊技球リジェクト部、10…報知部、11…五角形面、12…六角形面、13…接着部分、21、31、41…球体、22…凹部、23…透明樹脂、32…嵌合部、33…蓋部、34、44…基板、35、45…バンプ、36、46…スルーホール、37…バネ接点、38…絶縁体、42…孔、43…充填剤、51…回転部、52…凹部、61…回転体、62、71…係止部材、81…遮蔽板
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機やスマートボール等の弾球遊技機およびこの種の弾球遊技機において使用される、不正行為防止機能を有する遊技球に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製の遊技球を発射装置より打ち出して、釘が打ち込まれた盤面の遊技領域の入賞口に遊技球が入ることで遊技を行うパチンコ遊技機が広く知られている。この種のパチンコ遊技機では、遊技球が、球貸し機から球貯留皿に貯留された後、発射装置に供給される。そして、発射装置に供給された遊技球に対して遊技者が、適宜発射操作を行うことで、遊技球が遊技領域に向けて発射される。発射された遊技球は、遊技領域を経て遊技を終了した後、当該パチンコ遊技機の回収搬送路を経て、遊技場内に設けられる大規模な搬送路システムに回収される。
【0003】
遊技場に設置されるパチンコ遊技機では、不正行為の発生が問題となっている。不正行為には、さまざまな態様のものがあるが、その一つに、遊技球自体を正規のものではないものに変更するというものがある。例えば、正規の遊技球より径の小さい遊技球を使用する、正規の遊技球より径の大きい遊技球を使用する、偏心した遊技球を使用する、正規の遊技球の一部を削って使用する等がある。径の小さい遊技球や、その一部を削った遊技球を使用するのは、入賞口への入賞率を不正に高めるためである。また、径の大きい遊技球を使用するのは、入賞口付近に遊技球を停留させて、外部から電磁波を照射することにより、入賞検出用のセンサを誤作動させるためである。
【0004】
そのため、パチンコ遊技機において、様々な不正行為の防止策が講じられている。例えば、径の小さい遊技球を検出する技術として、特許文献1には、発射前の遊技球を整列させて待機流路に待機させておく際に、正規な遊技球よりも径の小さい不正球の有無を監視する監視手段を設ける技術が開示されている。また、特許文献2には、偽の遊技球を判別するために遊技球にICタグを利用する発明が開示されている。
【0005】
最近は、他店のパチンコ遊技機に使用される安価な遊技球(1円ぱちんこなど)を使用したり、中古のパチンコ遊技機から抜き取ったものを使用したり、或いは中古ルートなどで購入した遊技球を使用することで、本来使用されるべきではない遊技球による不正をはたらくケースも出てきている。
【0006】
そのため、外部からの遊技球の持ち込みへの対策として、封入式パチンコ遊技機が提案されている。封入式パチンコ遊技機は、遊技領域に発射されて遊技が終了した遊技球を、遊技機内部で回収し、回収した遊技球を再度発射装置に供給するようにしたものである。このような封入式パチンコ遊技機を設置することで、遊技球の不正な持ち込みを防止できる期待があるだけでなく、遊技場内の大規模な搬送路システムも不要になるため、遊技場にとっては遊技球の搬送に係わる設備投資やメンテナンスにかかる費用を削減できるというメリットがある。
【0007】
しかしながら、封入式パチンコ遊技機でも、遊技球の持ち込みを完全に防止することはできない。そのため、特許文献3に、封入式遊技機の遊技球にICタグを利用する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−22791号公報
【特許文献2】特開2007−185260号公報
【特許文献3】特開2009−261704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
封入式遊技機においては1台あたりの遊技球の数量が決まっており、同じ遊技球が1つの遊技機の中で循環するために、不正な遊技球が混入すると、従来以上に不正による被害が大きくなる。そのため、単に遊技球の大きさだけで不正な遊技球か否かを判定するだけではセキュリティ的に十分ではない。遊技球とパチンコ遊技機とを関連付けて管理することで不正な遊技球の判別をより確実に行うことが望まれる。
また、特許文献2、3に開示されるように、金属製の遊技球にICタグを埋め込むだけでは、アンテナが埋込位置のみとなってしまうため、埋込位置によっては、外部の読み取り装置のアンテナでうまく読み取れないことがある。
【0010】
本発明は、このような問題を解決するために、不正な使用を防止することが可能な遊技球及びこのような遊技球を用いた遊技機を提供することを、主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明の遊技球は、その外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形の遊技球であって、所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵されており、前記導体が、前記非接触ICモジュールのアンテナとして動作するものである。
第1データとして例えば当該遊技球を特定するためのデータを記憶させ、外部装置との無線通信を行うことで、当該遊技球が正規のものであるか否かを外部装置で判断することが可能となる。これにより、不正な遊技球の使用を防止できる。また、導体と非接触ICモジュールとを電気的に接続し、導体を非接触ICモジュールのアンテナとして動作させることで、無線通信におけるデータの送受信感度を向上させることができる。
【0012】
遊技球は、具体的には以下のように構成される。
(1)前記外表面が複数の多角形の面の組み合わせで形成されており、少なくとも1つの面と他の面との接続部分が前記導体で構成されている。
(2)前記外表面の導体と電気的に接続される導体面を有する窪み又は孔が形成されており、前記非接触ICモジュールは前記窪み又は孔に取り付けられ、且つ前記非接触ICモジュールの接点が前記導体面と導通しており、前記窪み又は孔の開口部分を含む前記外表面の全体が樹脂で覆われている。樹脂で保護することで、例えば弾球遊技時の衝撃から非接触ICモジュールを保護することができる。また、樹脂が透明である場合には、従来と同様に遊技球を金属色とすることができる。
(3)前記窪み又は孔のうち非接触ICモジュールの周囲に絶縁物が充填されている。
【0013】
本発明の遊技機は、上記の遊技球による遊技が可能な遊技機であって、前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを記憶する記憶手段と、前記遊技球を搬送するための搬送経路で所定個数の前記遊技球を貯留するための遊技球貯留部と、この遊技球貯留部で貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取り、読み取った第1データと前記記憶手段に記憶されている第2データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断する読取認証部と、を備える遊技機である。
このような構成の遊技機では、該遊技機で使用可能な遊技球の判別を容易に行え、遊技球の不正な使用を防止することができる。
【0014】
ある実施の態様では、前記遊技球貯留部は、前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、前記搬送経路中の前記遊技球の搬送を停止する。これにより、不正な遊技球による再遊技を防止することができる。そのために、例えば前記停止した前記遊技球を、物理的或いは電気磁気的な力により弾いて、所定の回収箱に回収するリジェクト部を更に備えてもよい。
また、遊技機は、前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、その旨を報知する報知手段を更に備えていてもよい。さらに、前記読取認証部が、前記非接触ICモジュールとの間で暗号通信を行うことで、不正に対するセキュリティが更に向上する。
【0015】
遊技球貯留部は、より具体的には以下のような構成とすることができる。
(1)周縁に凹部が形成された歯車形状の回転部を備え、前記凹部に前記遊技球が1個嵌り込み、前記回転部が回転することで、前記遊技球を1個ずつ前記搬送経路へ案内する。
(2)所定の駆動機構により上下動する係止部材を前記搬送経路上に有しており、前記係止部材が下に移動すると前記搬送経路上に前記遊技球が所定個数嵌る凹部を形成して該遊技球を貯留し、前記係止部材が上に移動すると前記凹部に貯留した前記遊技球を前記搬送経路へ案内する。
(3)前記搬送経路中に上下動する2枚の遮蔽板を有し、前記遮蔽板が順次上に移動して2枚の遮蔽板間に所定数の前記遊技球を貯留し、前記遮蔽板が下に移動すると貯留した前記遊技球を前記搬送経路へ案内する。
(1)の構成では、遊技球を1個ずつ貯留できる。(2)、(3)の構成では、1以上、複数個の遊技球の貯留が可能である。
【0016】
本発明の不正な遊技球の回収方法は、所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵された複数の遊技球を用いた遊技を可能にし、遊技後の遊技球を回収して次の遊技に用いる遊技機により実行される。この方法では、所定個数の回収後の前記遊技球を貯留して、貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取る。次いで、予め所定の記憶手段に記憶した、前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを、読み取った前記第1データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断し、使用不可であった場合に、貯留中の該遊技球を所定の回収箱へ回収させるための信号を出力する。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、遊技球の内部にデータを記憶した非接触ICモジュールを備え、遊技球の外表面の導体を非接触ICモジュールのアンテナとして動作させるようにしたので、遊技球が正規のものであるか否かを外部装置で容易に判断可能になり、不正な遊技球の使用を防止できる。また、外部装置との無線通信におけるデータの送受信感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態例、特に構成例1の遊技球の外観図である。
【図2】図2(a)は、構成例2の遊技球の外観図、図2(b)は、構成例2の遊技球の断面図である。
【図3】図3(a)は、構成例3の遊技球の外観図、図3(b)は、構成例3の遊技球の断面図である。
【図4】RFIDチップの搭載例示図である。
【図5】構成例4の遊技球の外観図である。
【図6】RFID読取機構の構成及び動作についての説明図である。
【図7】構成例1の遊技球貯留部の構成図である。
【図8】構成例2の遊技球貯留部の構成図である。
【図9】構成例3の遊技球貯留部の構成図である。
【図10】構成例4の遊技球貯留部の構成図である。
【図11】遊技球のID番号を遊技機の記憶装置に登録するときの処理手順を示す図である。
【図12】遊技中のID番号の照合処理の手順例を示す図である。
【図13】営業開始前の確認処理の手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<遊技球>
本実施形態による遊技球は、その外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形の遊技球であって、第1データ、例えばその遊技球を識別するためのID(IDentification)番号、遊技球の1個あたりの財的価値(例えば1個4円のようなデータ)、使用開始日、使用可能な有効期間、遊技機が封入式遊技機の場合には該封入式遊技機を識別するためのID番号、その他、遊技球の使用履歴等、遊技球に関するデータが記憶された非接触ICモジュールが内蔵されており、導体が、非接触ICモジュールのアンテナとして動作するものである。
【0020】
非接触ICモジュールとしては、RFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」の略)チップを用いることができる。なお、本明細書において略球形とは、弾球遊技を支障なく行うことが可能なくらい球形に近い形状をいう。
遊技球の表面の導体は、内蔵されたRFIDチップのアンテナとして動作できるようにするため、使用周波数に応じたサイズに設計されている。このような構成にすることで、後述するRFID読取機構によるRFIDチップに記録されているデータの読み取りが、従来よりも容易かつ確実なものとなる。なお、データの記憶が可能で、無線通信が可能な非接触ICモジュールであれば、必ずしもRFIDでなくともよい。
【0021】
<遊技球の構成例1>
図1は、構成例1の遊技球1aの外観図である。遊技球1aは、その外表面が、多角形面(この構成例では五角形面11と六角形面12)の組み合わせで、略球形、この構成例ではサッカーボール形に形成されており、RFIDチップ2を内蔵している。遊技球1aの各面は、絶縁体或いは絶縁体と導体とを組み合わせたものである。絶縁体と導体とを組み合わせている場合には、例えば、一面が導体で他のすべての面が絶縁体で構成される。すべての面が絶縁体の場合には、各面の接着部分13に導体を用いる。導体の面、或いは各面の接着部分13の導体が、アンテナとなる。
【0022】
接着部分13を導体とする場合には、例えば合成樹脂により各々複数の五角形面11と六角形面12の各面をまず成型し、その後に各面の周囲を導体で接着して成型することで、遊技球1aを実現することができる。導体をアンテナとして利用できるように、RFIDチップ2と導体が電気的に接続される。RFIDチップ2と導体が電気的に接続されるために、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。
【0023】
<遊技球の構成例2>
図2(a)は、構成例2の遊技球1bの外観図、図2(b)は、遊技球1bの断面図である。遊技球1bは、金属の球体21の外表面の一部に凹部22を設けて、この凹部22にRFIDチップ2が取り付けられている。さらに遊技球2bの全体が透明樹脂23で覆われている。凹部22も透明樹脂23で埋められる。
この構成例においては、RFIDチップ2のアンテナとして、遊技球1bの球体21の部分が利用される。そのために、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。また、透明樹脂23により遊技球1bの表面がコーティングされているため、従来と同様に金属色とすることができる。透明樹脂23は硬質な樹脂であり、RFIDチップ2を遊技機内で弾かれる際の衝撃から保護することができる。
【0024】
<遊技球の構成例3>
図3(a)は、構成例3の遊技球1cの外観図、図3(b)は、遊技球1cの断面図である。遊技球1cは、金属の球体31の外表面の一部にRFIDチップ2を埋め込むための窪みとして嵌合部32を有し、嵌合部32の形状よりも僅かに小さく形成された蓋部33を埋め込んで固着することで形成される。蓋部33は、球体31と同じ素材により形成される。
【0025】
RFIDチップ2は、例えば図4に示すようにして遊技球1cに内蔵される。図4の例では、嵌合部32に基板34を設け、基板34上にRFIDチップ2をバンプ35を介して接続する。基板34には、RFIDチップ2を、それぞれ、球体31に接続するためのスルーホール36と、蓋部33の金属部分に接続するためのバネ接点37とを設ける。蓋部33は球体31から絶縁する必要があるため、球体31と接触する部分を絶縁体38でコーティングする。蓋部33を球体31に嵌め合わせて固定する。固定には絶縁性の接着剤などを適宜用いて、蓋部33が外れることないよう固着することが望ましい。この構成例においては、RFIDチップ2のアンテナとして遊技球1cの球体31部分の表面を利用することが出来るため、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。
【0026】
<遊技球の構成例4>
図5は、構成例4の遊技球1dの外観図である。遊技球1dは、金属の球体41の外表面から中心を貫通する孔42を有しており、この孔42にRFIDチップ2を内蔵する。孔42は、RFIDチップ2が設置された後に樹脂等の絶縁性の充填剤43により埋められる。RFIDチップ2は、構成例3と同様に、基板44にバンプ45を介して接続される。基板44には、RFIDチップ2を球体41と接続するためのスルーホール46が設けられる。このようにして、RFIDチップ2が球体41に接続される。
この構成例においても、RFIDチップ2のアンテナとして遊技球1dの球体41部分の表面を利用することが出来るため、良好な感度でRFIDチップ2からのデータの読み取りが可能になる。また、遊技球1dの中心に比較的近い部分にRFIDチップ2を設置することができるので、偏心を抑えるための構成例としても有効である。
【0027】
<RFID読取機構>
遊技球1に内蔵されるRFIDチップ2からデータの読み取るRFID読取機構3について、図6を参照して説明する。遊技球1は、上記の遊技球の構成例1〜4に示す遊技球1a〜1dのいずれかの構成である。
【0028】
RFID読取機構3は、遊技球1が遊技機による遊技後に回収されて、次の遊技に用いられるまでに搬送される経路(以下、「搬送経路」という。)4上のどこに設けられていてもよい。RFID読取機構3は、搬送経路4の途中に、遊技球1を貯留するための遊技球貯留部5を有し、遊技球貯留部5で貯留された所定個数の遊技球1からアンテナ6によりRFIDチップ2に記憶されたデータを受信する。アンテナ6は、例えばU字型をしており、遊技球貯留部5を囲むように配置される。
【0029】
搬送経路4は、例えば、遊技後に回収されて次の遊技に用いるために、図外の発射装置に供給されるまでの経路である。搬送経路4は、発射装置側に遊技球1が案内されるような構成となっている。図6では、発射装置側に下りの傾斜が形成されて、遊技球1が図6の右上から左下に移動するようになっている。この他にも、傾斜を用いずに機械的、電気磁気的な力により、遊技球1が移動するような構成であってもよい。
【0030】
RFID読取認証部7は、アンテナ6に接続されており、アンテナ6により受信したRFIDチップ2からのデータの読み取りを行う。読み取ったRFIDチップ2からのデータにより、当該データが記憶されたRFIDチップ2を内蔵する遊技球1が、遊技場で管理する遊技球1であるか否かの判断を行う。そのためのRFID読取認証部7は、例えば遊技場で管理するすべての遊技球1のID番号を所定の記憶装置に記憶しており、アンテナ6を介して読み取ったID番号と記憶装置に記憶されたID番号とを比較することで、該遊技球1が遊技場で管理されているものであるか否かの判断が可能である。封入式遊技機の場合には、遊技機の固有の遊技球1であるので、該遊技機で管理する遊技球1であるか否かが判断される。
【0031】
遊技場で管理する遊技球1と判断された場合には、引き続き、次の遊技球1のRFIDチップ2からデータの読み取りが行われる。
遊技場で管理しない遊技球1と判断された場合には、その旨が遊技機制御部8に通知される。遊技機制御部8は、該通知を受信すると、報知部10による警告音や表示等により、不正な遊技球が混入していることを遊技場の管理者等に報知する。また、遊技機制御部8は、遊技機貯留部5の動作を停止させることで、遊技球1の搬送を中止して遊技を中止する。さらに、遊技機制御部8は、遊技球リジェクト部9に、遊技機貯留部5で停止されている不正な遊技球の回収を指示する。
遊技機リジェクト部9は、例えば、電磁ソレノイド等の駆動により、遊技機貯留部5で停止された不正な遊技球を物理的或いは電気磁気的な力により弾いて、所定の回収箱に回収する。
【0032】
なお、遊技球1とRFID読取認証部7との間の通信は、セキュリティ性を高めるために、必要に応じて暗号通信を行うようにしてもよい。また、RFID読取認証部7は発射装置に組み込んで一体化して構成してもよい。
【0033】
以下に、遊技球貯留部5の構成例を挙げる。図7〜10では、RFID読取認証部7までの構成を図示し、遊技機制御部8、遊技球リジェクト部9、及び報知部10に点いては図示を省略する。
<遊技球貯留部の構成例1>
図7に示す構成例1の遊技球貯留部5aは、搬送経路4の例えば弾球遊技機の発射装置の直前に設けられる。遊技球貯留部5aは、図外のモータで回転する歯車形状の回転部51を有し、歯車の凹部52に遊技球1が1個ずつ嵌まり込むようになっている。回転部51が回転することで、遊技球1が、発射装置まで運ばれる。アンテナ6は、回転部51を挟む位置に配置される。遊技球1は、歯車の凹部52に嵌り込んだときに、アンテナ6によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。遊技球1が不正なものと判断された場合には、回転部51の回転が停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0034】
<遊技球貯留部の構成例2>
図8に示す構成例2の遊技球貯留部5bは、搬送経路4の例えば弾球遊技機の発射装置の直前に設けられる。遊技球貯留部5bは、図外のモータで回転するカム形状の回転体61と、回転体61が回転することにより上下動する2つの係止部材62とを備える。回転体61により、係止部材62が下がると、搬送経路4に凹部ができて、遊技球1が凹部い嵌り係止される。回転体61により係止部材62が上がると、凹部がなくなり、遊技球1の搬送が再開されて遊技球1が発射装置まで搬送される。アンテナ6は、発射装置側の係止部材62を挟む位置に配置される。
遊技球1は、発射装置側の係止部材62が下がって係止したときに、アンテナ6に最も近づいて、アンテナ6によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。
遊技球1が不正なものと判断された場合には、2つの係止部材62が下がったまま回転体61の回転が停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0035】
<遊技球貯留部の構成例3>
構成例1、2では、遊技球1からデータを1個ずつ読み取るための遊技球貯留部5a、5bの構成について説明したが、この他に、複数の遊技球1からデータを読み取るための構成もある。
【0036】
図9は、このような構成例3の遊技球貯留部5cの構成の説明図である。図9に示す遊技球貯留部5cは、搬送経路4の例えば弾球遊技機の発射装置直前に設けられる。遊技球貯留部5cは、図外の駆動装置により上下動する係止部材71を備える。係止部材71が下がると、搬送経路4に凹部ができて、複数の遊技球1が係止される。係止部材71が上がると凹部がなくなり、遊技球1の搬送が再開されて、遊技球1が発射装置まで搬送される。アンテナ6は、係止部材71で係止される複数の遊技球1をすべて挟む位置に配置される。係止部材71の上下動は、例えば、構成例2の回転体61と同様の回転体を用いることで可能である。
【0037】
複数の遊技球1は、発射装置側の係止部材71が下がって係止したときに、アンテナ23によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。データの読み取りが終了して、すべての遊技球1に不正が発見されなかった場合に、係止部材71が上がるように制御される。1個でも遊技球1が不正なものと判断された場合には、係止部材71が下がったまま回転部225の回転が停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0038】
<遊技球貯留部の構成例4>
図10は、構成例3と同様に、複数の遊技球1から一度にデータを読み取るための構成例4の遊技球貯留部5dの構成の説明図である。
図10の遊技球貯留部5dは、搬送経路4に上下動する2枚の遮蔽板81を有する。遮蔽板81が上がると遊技球1が遮蔽板81で係止される。遮蔽板81が下がると、遊技球1の搬送が再開されて遊技球1が発射装置まで搬送される。アンテナ7は、遮蔽板81で係止される複数の遊技球1をすべて挟む位置に配置される。遮蔽板81は、図示しない制御装置により上下動が行われる。
【0039】
遮蔽板81は、発射装置側のものが先に上がり、所定の個数の遊技球1が滞留すると、他方の遮蔽板81が上がる。複数の遊技球1は、2枚の遮蔽板81が上がった状態でアンテナ7によりRFIDチップ2に記憶されたデータが読み取られる。データの読み取りが終了して、すべての遊技球1に不正が発見されなかった場合に、まず、発射装置側の遮蔽板81が下がり、次いで他方の遮蔽板81が下がるように制御される。
1個でも遊技球1が不正なものと判断された場合には、2枚の遮蔽板81が上がったまま停止して、遊技球1の搬送が止まる。
【0040】
構成例3、4のように複数の遊技球1を一度に読み出す構成の場合、RFID読取認証部7は、同じデータの遊技球1が複数ある場合にも不正な遊技球1が混入しているものと判断してもよい。構成例3、4のように複数の遊技球1を一度に読み出す構成は、複数のデータを同時に読み出すことができるアンチ・コリジョン機能を有するRFIDシステムを利用することで実現できる。
また、封入型遊技機では、すべての遊技球1のデータを一度に読み出す構成にすることも可能であり、その場合は、電源投入時にすべての遊技球1のデータを読み出して、不正な遊技球1の混入をチェックしたり、前日に読み出した状態と差異が無いか比較したりすることもできる。また、一度に読み出す数量を単位金額(例えば100円)に設定してもよい。
【0041】
以上のような遊技球1に内蔵されるRFIDチップ2へのデータの書き込みは、遊技球1の製造メーカ、遊技機メーカ、或いは遊技場で行われる。また、データの書き込みは、一度だけ許可するワンタイム方式の他に、複数回の書き込み可能にしてもよい。複数回の書き込み可能にする場合には、定期的にデータや暗号通信の鍵を変更するなどして、よりセキュリティ性を向上させることができる。
【0042】
[運用形態例]
<ID番号登録>
遊技球1に関するデータの遊技機への登録は、遊技機メーカ或いは遊技場で行うことになる。図11は、遊技場において遊技球1のID番号を遊技機の記憶装置に登録するときの処理手順を示す図である。この遊技機は封入型であり、使用する遊技球1の個数は50個である。
【0043】
まず、遊技機に遊技球1を投入して、発射装置により遊技球1を発射する(ステップ10、12)。遊技球1は、盤面の遊技領域を通過後に、回収されて搬送経路4を搬送される。RFID読取機構3は、搬送中の遊技球1のID番号を読み取る(ステップS14)。ID番号が読み取れなかった場合には、該遊技球を不正な遊技球としてリジェクトして(ステップS14:読取不可、ステップS26)、次の遊技球を発射する(ステップS12)。
【0044】
ID番号を読み取れた場合には、RFID読取機構3のRFID読取認証部7が、記憶装置に記憶されたID番号と読み取ったID番号とを照合して既に登録されているID番号に一致するか否かを判断する(ステップS14:読取可、ステップS16)。一致しない場合、該遊技球1がこの遊技機に登録されていないことを意味する。その場合、新たに登録するか否かを判断することになる。この遊技機は、50個の遊技球を用いる封入型遊技機なので、遊技機制御部8が、既登録の遊技球が50個以上であるか否かを、記憶装置に記憶されたID番号の数により確認する(ステップS16:不一致、ステップS18)。ID番号の数が50個以上であれば、この遊技機にこれ以上の遊技球1を登録することができないので、該遊技球をリジェクトして(ステップS18:Y、ステップS26)、次の遊技球を発射する(ステップS12)。ID番号の数が50個未満であれば、該遊技球1のID番号を記憶装置に記憶することでID番号を登録して(ステップS18:N、ステップS20)、次の遊技球を発射する(ステップS12)。
【0045】
記憶装置に記憶されたID番号と読み取ったID番号とが一致する場合、該ID番号が一致した回数を記録する(ステップS16:一致、ステップS22)。一致した回数が3回以上になれば、該ID番号の遊技球1が正当なものであると認識する。すべての遊技球1のID番号の一致回数が3回以上になるまで、遊技球1の発射が行われる(ステップS24:N、ステップS12)。すべての遊技球1のID番号の一致回数が3回以上になれば、該遊技機で使用する遊技球1のすべてのID番号の登録が終了する(ステップS24:Y)。登録の終了により、遊技を開始することができる。
【0046】
この処理では、所定数(50個)以上の遊技球1の登録を防止することができる。また、不正に持ち込まれた遊技球以外に、RFIDチップ2の異常や遊技球1の破損等の様々な要因でID番号が読取不可になった遊技球1の除外も可能になる。ID番号の照合を複数回行うことで、照合しやすい遊技球1が選抜されるので、遊技中であっても登録された遊技球1についての照合を、より確実に行うことができる。
【0047】
<遊技中の処理>
図12は、遊技中のID番号の照合処理の手順例を示す図である。
遊技が開始され、発射装置により発射された遊技球1は(ステップS30)、盤面の遊技領域を通過後に、回収されて搬送経路4に案内される。
RFID読取機構3は、搬送中の遊技球1のID番号を読み取る(ステップ32)。ID番号が読み取れなかった場合、遊技機制御部8は、不正な遊技球1が検知されたことを報知部10から報知させ、遊技球リジェクト部9により該遊技球を不正な遊技球としてリジェクトさせる(ステップS14:読取不可、ステップ36、ステップS38)。遊技球1のリジェクト後に、次の遊技球1が発射される(ステップS30)。
なお、この例ではリジェクト後に次の遊技球1を発射させて遊技を継続させるが、これに限らず、報知後或いはリジェクト後に一端遊技を中断させてもよい。
【0048】
ID番号が読み取れた場合には、RFID読取機構3のRFID読取認証部7が、記憶装置に記憶されたID番号と読み取ったID番号とを照合して、既に登録されているID番号に一致するか否かを判断する(ステップS32:読取可、ステップS34)。一致しない場合には、ID番号が読み取れ無かった場合と同様に、ステップS36、ステップS38の処理を行う。この場合も、遊技を継続させずに、、報知後或いはリジェクト後に一端遊技を中断させてもよい。
一致する場合には、遊技者により遊技が終了されない限り、或いは次に発射されるべき遊技球1が無くならない限り、次の遊技球1が発射される(ステップS34:一致、ステップS40:N、ステップS30)。
このような処理により、不正な遊技球を排除しつつ、遊技を行うことができる。
【0049】
<営業開始前確認>
封入型遊技機においては、通常、前日の営業日と当日の営業前とで、遊技球の入れ替えは行われない。そのために、遊技機の記憶装置に記憶された前日のID番号を、当日に読み取ったID番号と照合することで、営業開始前の不正の有無を確認することができる。図13は、そのような営業開始前の確認処理の手順例を示す図である。
【0050】
初めに発射装置により発射された遊技球1は(ステップS50)、盤面の遊技領域を通過後に、回収されて搬送経路4を搬送される。RFID読取機構3は、搬送中の遊技球1のID番号を読み取る(ステップ52)。
ID番号が読み取れた場合には、RFID読取機構3のRFID読取認証部7が、記憶装置に記憶される前日に登録されたID番号と読み取ったID番号とを照合して、一致するか否かを判断する(ステップS52:読取可、ステップS54)。
一致する場合には、一致したID番号にONフラグを付す(ステップS54:一致、ステップS56)。次いで、前日に登録されたすべてのID番号にONフラグが付されて、読み取ったID番号と前日に登録されたID番号とがすべて一致するか否かを確認する(ステップS58)。すべての一致が確認されない場合には、次の遊技球を発射する(ステップS58:N、ステップS50)。ID番号がすべて一致していれば、営業開始前確認処理を終了する(ステップS58:Y)。
【0051】
ステップS52で読取不可であった場合(ステップS52:読取不可)、又はステップS54でID番号が不一致であった場合(ステップS54:不一致)には、不正な遊技球1が検出されたと判断して、該遊技球をリジェクトする(ステップS60)。リジェクト後、新たな遊技球を登録する場合には、図11にある手順で処理を実行する。
【0052】
この発明により、遊技球1を封入式遊技機に用いると、よりセキュリティ性が高まる。遊技場にとっては安価な設備投資でセキュリティ性の高い封入式遊技機を導入できる。また、外見が金属の球状の物体にRFIDチップを使用して管理することが可能であるため、遊技球1に限らず金属球の管理に用いてもよい。
【0053】
[他の運用形態例]
本発明の遊技機によれば、以下のような運用形態例も可能である。
(1)遊技球1に内蔵されるRFIDチップ2に、使用開始日や使用可能な有効期間のような時刻関連データを記憶できる点は、上述した通りである。そこで、RFID読取機構3でこのような時刻関連データを読み取り、遊技機に新規に遊技球1を入れて稼働を開始してから一定期間稼働したことを図外の設定メモリに記憶されている基準時間データとの比較により検出し、アラーム信号を出力する。これにより、例えばRFIDチップ2の寿命を考慮し、「3ヶ月毎に全数交換を行う」等の運用が可能となる。
【0054】
(2)遊技球1に、RFIDチップ2が内蔵されていることの識別マークを付したり、RFIDチップ2に記憶させたデータ毎の色分けを行うことで、本来目的のために使用する遊技球かどうかを、RFID読取機構3によらずとも、視認又は機械読み取り可能にし、本来目的のための遊技球1であることが判明したときに、上述した遊技球リジェクト部9でそれをリジェクトできるようにする。
【符号の説明】
【0055】
1、1a、1b、1c、1d…遊技球、2…RFIDチップ、3…RFID読取機構、4…搬送経路、5…遊技球貯留部、6…アンテナ、7…RFID読取認証部、8…遊技機制御部、9…遊技球リジェクト部、10…報知部、11…五角形面、12…六角形面、13…接着部分、21、31、41…球体、22…凹部、23…透明樹脂、32…嵌合部、33…蓋部、34、44…基板、35、45…バンプ、36、46…スルーホール、37…バネ接点、38…絶縁体、42…孔、43…充填剤、51…回転部、52…凹部、61…回転体、62、71…係止部材、81…遮蔽板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形の遊技球であって、
所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵されており、
前記導体が、前記非接触ICモジュールのアンテナとして動作する、
遊技球。
【請求項2】
前記外表面が複数の多角形の面の組み合わせで形成されており、少なくとも1つの面と他の面との接続部分が前記導体で構成されている、
請求項1記載の遊技球。
【請求項3】
前記外表面の導体と電気的に接続される導体面を有する窪み又は孔が形成されており、
前記非接触ICモジュールは前記窪み又は孔に取り付けられ、且つ前記非接触ICモジュールの接点が前記導体面と導通しており、
前記窪み又は孔の開口部分を含む前記外表面の全体が樹脂で覆われている、
請求項1記載の遊技球。
【請求項4】
前記窪み又は孔のうち前記非接触ICモジュールの周囲に絶縁物が充填されている、
請求項3記載の遊技球。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技球による遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを記憶する記憶手段と、
前記遊技球を搬送するための搬送経路で所定個数の前記遊技球を貯留するための遊技球貯留部と、
この遊技球貯留部で貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取り、読み取った第1データと前記記憶手段に記憶されている第2データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断する読取認証部と、を備える、
遊技機。
【請求項6】
前記遊技球貯留部は、前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、前記搬送経路中の前記遊技球の搬送を停止する、
請求項5記載の遊技機。
【請求項7】
前記停止した前記遊技球のうち、前記読取認証により使用不可とされた遊技球を特定し、特定した遊技球を所定の回収箱に回収するリジェクト機構を更に備える、
請求項6記載の遊技機。
【請求項8】
前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、その旨を報知する報知手段を更に備える、
請求項5乃至7のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項9】
前記読取認証部は、前記非接触ICモジュールとの間で暗号通信を行う、
請求項5乃至8のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項10】
前記遊技球貯留部は、周縁に凹部が形成された歯車形状の回転部を備え、前記凹部に前記遊技球が1個嵌り込むようになっており、前記回転部が回転することで、前記遊技球を1個ずつ前記搬送経路へ案内する、
請求項5乃至9のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項11】
前記遊技球貯留部は、所定の駆動機構により上下動する係止部材を前記搬送経路上に有しており、前記係止部材が下に移動すると前記搬送経路上に前記遊技球が所定個数嵌る凹部を形成して該遊技球を貯留し、前記係止部材が上に移動すると前記凹部に貯留した前記遊技球を前記搬送経路へ案内する、
請求項5乃至9のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項12】
前記遊技球貯留部は、前記搬送経路中に上下動する2枚の遮蔽板を有し、前記遮蔽板が順次上に移動して2枚の遮蔽板間に所定数の前記遊技球を貯留し、前記遮蔽板が下に移動すると貯留した前記遊技球を前記搬送経路上に搬送する、
請求項5乃至9のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項13】
所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵された複数の遊技球を用いた遊技を可能にし、遊技後の遊技球を回収して次の遊技に用いる遊技機により実行される方法であって、
所定個数の回収後の前記遊技球を貯留して、貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取り、
予め所定の記憶手段に記憶した、前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを、読み取った前記第1データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断し、使用不可であった場合に、貯留中の該遊技球を所定の回収箱へ回収させるための信号を出力する、
不正な遊技球の回収方法。
【請求項1】
その外表面の少なくとも一部が導体で構成された球形又は略球形の遊技球であって、
所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵されており、
前記導体が、前記非接触ICモジュールのアンテナとして動作する、
遊技球。
【請求項2】
前記外表面が複数の多角形の面の組み合わせで形成されており、少なくとも1つの面と他の面との接続部分が前記導体で構成されている、
請求項1記載の遊技球。
【請求項3】
前記外表面の導体と電気的に接続される導体面を有する窪み又は孔が形成されており、
前記非接触ICモジュールは前記窪み又は孔に取り付けられ、且つ前記非接触ICモジュールの接点が前記導体面と導通しており、
前記窪み又は孔の開口部分を含む前記外表面の全体が樹脂で覆われている、
請求項1記載の遊技球。
【請求項4】
前記窪み又は孔のうち前記非接触ICモジュールの周囲に絶縁物が充填されている、
請求項3記載の遊技球。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技球による遊技が可能な遊技機であって、
前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを記憶する記憶手段と、
前記遊技球を搬送するための搬送経路で所定個数の前記遊技球を貯留するための遊技球貯留部と、
この遊技球貯留部で貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取り、読み取った第1データと前記記憶手段に記憶されている第2データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断する読取認証部と、を備える、
遊技機。
【請求項6】
前記遊技球貯留部は、前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、前記搬送経路中の前記遊技球の搬送を停止する、
請求項5記載の遊技機。
【請求項7】
前記停止した前記遊技球のうち、前記読取認証により使用不可とされた遊技球を特定し、特定した遊技球を所定の回収箱に回収するリジェクト機構を更に備える、
請求項6記載の遊技機。
【請求項8】
前記読取認証部により前記遊技機が遊技に使用不可と判断された場合に、その旨を報知する報知手段を更に備える、
請求項5乃至7のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項9】
前記読取認証部は、前記非接触ICモジュールとの間で暗号通信を行う、
請求項5乃至8のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項10】
前記遊技球貯留部は、周縁に凹部が形成された歯車形状の回転部を備え、前記凹部に前記遊技球が1個嵌り込むようになっており、前記回転部が回転することで、前記遊技球を1個ずつ前記搬送経路へ案内する、
請求項5乃至9のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項11】
前記遊技球貯留部は、所定の駆動機構により上下動する係止部材を前記搬送経路上に有しており、前記係止部材が下に移動すると前記搬送経路上に前記遊技球が所定個数嵌る凹部を形成して該遊技球を貯留し、前記係止部材が上に移動すると前記凹部に貯留した前記遊技球を前記搬送経路へ案内する、
請求項5乃至9のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項12】
前記遊技球貯留部は、前記搬送経路中に上下動する2枚の遮蔽板を有し、前記遮蔽板が順次上に移動して2枚の遮蔽板間に所定数の前記遊技球を貯留し、前記遮蔽板が下に移動すると貯留した前記遊技球を前記搬送経路上に搬送する、
請求項5乃至9のいずれか1項記載の遊技機。
【請求項13】
所定の第1データが記憶された非接触ICモジュールが内蔵された複数の遊技球を用いた遊技を可能にし、遊技後の遊技球を回収して次の遊技に用いる遊技機により実行される方法であって、
所定個数の回収後の前記遊技球を貯留して、貯留された前記遊技球の前記非接触ICモジュールから前記第1データを読み取り、
予め所定の記憶手段に記憶した、前記遊技球に内蔵される非接触ICモジュールに記憶されている第1データと関連付けられた第2データを、読み取った前記第1データとの関連性を判別することで、当該遊技球が自機において使用可能なものか否かを判断し、使用不可であった場合に、貯留中の該遊技球を所定の回収箱へ回収させるための信号を出力する、
不正な遊技球の回収方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−100987(P2012−100987A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253873(P2010−253873)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(592104450)ジャパンネットワークシステム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(592104450)ジャパンネットワークシステム株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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