説明

遊技用装置

【課題】 遊技場の特色である遊技用装置同士並びに遊技者同士の間隔が狭く、これら隣接する遊技機の近傍を遊技者が移動するような環境にあっても、良好な情報(データ)の送受信を安定して実施できるようにすること。
【解決手段】 遊技を実施可能な遊技場内に近接配置され、遊技に関連する所定の処理或いは動作を行うとともに、遊技者が携行する情報端末と非接触にてデータの送受信を行う非接触通信手段315を具備する遊技用装置であって、前記情報端末には、該情報端末を識別可能な識別情報が付与され、前記非接触通信手段315において通信可能状態にある前記情報端末が検出された際に、該情報端末に付与されている前記識別情報の登録を行う通信対象登録手段310と、該通信対象登録手段310に登録が存在する状況においては、前記非接触通信手段315による他の情報端末との接続を禁止するための制御を行う制御手段313と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、遊技者が携行する携帯電話等の情報端末と非接触状態にて情報(データ)の送受を実施することのできる、例えば遊技場内の遊技島等に近接して配置される遊技用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス技術の進歩に伴い、情報端末、特に携帯電話の普及並びにその高機能化にはめざましいものがあり、これら携帯電話においてコンピュータネットワークであるインターネット等に接続して、これらインターネット上の各種情報を表示可能とされた携帯電話等が実用化されてきている。
【0003】また、これら情報端末の高機能化並びに高普及の状況を踏まえて、これら携帯電話等の情報端末に、遊技者や遊技場或いは遊技等に関する種々の情報(データ)を提供して情報端末の表示部に表示させたり情報端末に記憶させて、遊技者の利便性を向上させたいという要求があるが、これら情報(データ)の送受信のために、遊技者が所持する情報端末を遊技者が接続ケーブル等に接続するのは煩雑であることから、これら情報(データ)の送受信を電波や赤外線等の光を用いて非接触状態にて実施する試みが為されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常において遊技場内の遊技機は遊技島等に並列されて設置されているため、隣接して設置される遊技用装置同士並びに遊技者同士の間隔が狭いとともに、遊技者がこれら近接配置された遊技機の近傍を移動することから、出力電波や出力される赤外線を比較的小さなものとしても混信を生じやすいばかりか、前記の移動に伴なって情報端末との接続処理等が頻発して、良好な情報(データ)の送受信を安定して実施できないという問題があった。
【0005】よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、遊技場の特色である遊技用装置同士並びに遊技者同士の間隔が狭く、これら隣接する遊技機の近傍を遊技者が移動するような環境にあっても、良好な情報(データ)の送受信を安定して実施することのできる遊技用装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した問題を解決するために、本発明の遊技用装置は、遊技場内に配置され、遊技に関連する所定の処理或いは動作を行うとともに、遊技者が携行する情報端末と非接触にてデータの送受信を行う非接触通信手段を具備する遊技用装置であって、前記情報端末には、該情報端末を識別可能な識別情報が記憶され、前記非接触通信手段において通信可能状態にある前記情報端末が検出された際に、該情報端末に記憶されている前記識別情報の登録を行う通信対象登録手段と、該通信対象登録手段に登録が存在する状況においては、前記非接触通信手段による他の情報端末との接続を禁止するための制御を行う制御手段と、を具備することを特徴としている。この特徴によれば、前記通信対象登録手段に情報端末の識別情報が登録されている場合には、他の情報端末との接続処理や接続自体が前記制御手段により禁止されるようになることから、これら他の情報端末との接続処理や接続等により、登録されている情報端末との非接触通信への悪影響を排除でき、結果的に良好な情報(データ)の送受信を安定して実施することができる。
【0007】本発明の遊技用装置は、前記制御手段は、前記通信対象登録手段に登録されている前記情報端末との非接触通信が不能状態にある場合において、所定期間に亘って登録を保持し、所定期間の経過後において前記通信不能状態が継続している場合において前記通信対象登録手段における登録を抹消するための制御を行うことが好ましい。このようにすれば、登録されている情報端末との非接触通信において、一時的に通信不能状態が発生しても、即座に登録が抹消されて再度接続処理等が生じてしまったり、他の情報端末が誤って認識されてしまうことを回避でき、結果的に良好な情報(データ)の送受信をより安定して実施することができる。
【0008】本発明の遊技用装置は、配置されている複数の前記非接触通信手段における通信対象登録内容を収集・管理するとともに、複数の非接触通信手段における通信対象登録内容が重複する場合において、該当する非接触通信手段に、通信対象となる前記情報端末に該情報端末の識別情報の再送要求を送信させ、該再送要求に基づく識別情報の受信がなされない非接触通信手段に対応する前記制御手段に対し、通信対象登録手段の登録の抹消を指示する管理コンピュータを具備することが好ましい。このようにすれば、近接する非接触通信手段にて同一の情報端末が重複して登録されてしまうことの不都合を回避できる。
【0009】本発明の遊技用装置は、前記非接触通信手段は、電磁波或いは光を略垂直方向に指向性を有して出力可能な出力手段を有することが好ましい。このようにすれば、隣接して設置された非接触通信手段の出力手段より出力される電磁波或いは光が略垂直方向に指向性を有して出力されるようになるため、これら双方の電磁波或いは光が互いに干渉することを回避でき、良好な情報(データ)の送受信をより安定して実施することができる。
【0010】本発明の遊技用装置は、前記遊技者が所持する情報端末が携帯電話であって、前記非接触通信手段との通信を行う電磁波の周波数帯域が、前記携帯電話において通話に使用される電磁波の周波数帯域と異なるものとされていることが好ましい。このようにすれば、携帯電話による通話が実施されている状態であっても、情報(データ)の送受信を実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。尚、以下の実施例においては、遊技機としてパチンコ機を用いた例を示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の遊技機、例えばスロットマシンや遊技媒体であるパチンコ玉やコイン等が指触不能に封入されている封入式遊技機等の各種遊技機においても適用可能である。
(実施例)本実施例における遊技用装置は、図1に示すように、遊技場内に設置されている遊技島1に遊技機であるパチンコ機2に1対1に対応して設けられているカードユニット3と、これら遊技島に設置されている各カードユニット3とデータ通信可能に接続されて、該カードユニット3の管理や該カードユニット3を介して遊技者の所持する情報端末である簡易型携帯電話(PHS)端末30の識別情報である電話番号や該PHS端末30に配信される配信情報が登録された管理コンピュータ50(図5参照)と、から主に構成されている。
【0012】まず、本実施例に用いた前記遊技島1は、その前後面(後面は図示せず)に遊技機であるパチンコ機2と、該パチンコ機2の側部位置に1対1にて設置される前記カードユニット3と、が複数並設されており、該遊技島1の内部には、前記各パチンコ機2にパチンコ玉を供給する供給樋や、前記各パチンコ機2にて使用され、排出されたパチンコ玉を集めて前記供給樋に揚送する揚送装置等(図示略)が設けられているとともに、前記パチンコ機2の下部位置には、該側面より突設する態様にて繕板5が遊技島1を横断するように形成され、各パチンコ機2毎に対応して遊技者が着座可能な椅子6が対応す遊技機の前方位置に設置されている。
【0013】まず、本実施例に用いた前記遊技島1は、その前後面(後面は図示せず)に前記パチンコ機2と、該パチンコ機2の側部位置に1対1にて設置され、プリペイドカードによる遊技媒体であるパチンコ玉の貸し出しに関する処理を行うカードユニット3と、が複数並設されており、該遊技島1の内部には、前記各パチンコ機2にパチンコ玉を供給する供給樋や、前記各パチンコ機2にて使用され、排出されたパチンコ玉を集めて前記供給樋に揚送する揚送装置等(図示略)が設けられている。
【0014】次に、前記遊技島1に設置されるパチンコ機2は、図2に示すように、額縁状に形成されたガラス扉枠202を有し、該ガラス扉枠202の下部表面には打球供給皿203がある。打球供給皿203の上面所定箇所には、操作部14が設けられているとともに、打球供給皿203の下部には、打球供給皿203から溢れた景品玉を貯留する余剰玉受皿204と打球を発射する打球操作ハンドル(以下、操作ノブという)205とが設けられている。
【0015】前記操作部14の上面には、図3に示すように、遊技者により前記カードユニット3に設けられた後述するカード挿入口303に挿入された遊技用記録媒体であるプリペイドカード37より読み出された遊技用有価価値としての度数を表示する度数表示部17と、遊技の開始または前記打球供給皿に持玉が少なくなったか無くなった際に押圧操作されて、前記度数表示部17に残度数が存在する場合に所定数量のパチンコ玉の貸出を実施する貸出ボタン16と、遊技を終了する際に押圧操作されることにより、前記カードユニット3に挿入されているプリペイドカード37に新たな残度数が記録されて返却がなされる返却ボタン15と、が設けられており、これら各部は操作部14内部に設けられている操作基板18上に実装されている。
【0016】前記ガラス扉枠202の後方には、遊技盤206が着脱可能に取付けられている。また、遊技盤206の前面には遊技領域207が設けられている。この遊技領域207の中央付近には、「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示部209と、「普通図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報が可変表示される可変表示器210とが設けられている。また遊技盤206には、複数の入賞口224や通過ゲート211、始動入賞口214、可変入賞級装置216が設けられているとともに、遊技領域207の下部には、入賞しなかった打玉を回収するアウト口226が形成されている。
【0017】前記打球操作ノブ205の操作によって揺動されるハンマー(図示略)によって発射された打玉は、打球レールを通って遊技領域207に入り、その後、遊技領域207を流下していく。この際、発射勢いが弱すぎて前記遊技領域207に達しなかったパチンコ玉は、環流経路(図示略)を通じて前記余剰玉受皿204に環流されるようになっている。
【0018】また、前記遊技領域207に打ち込まれた打玉が通過ゲート211を通過すると、可変表示器210に停止表示されている普通図柄が可変開始するとともに、打玉が始動入賞口214に入賞すると、可変表示部209に表示される特別図柄がスクロールを始める。
【0019】可変表示器210の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば7)となった場合に、始動入賞口214に設けられた可動片215が所定時間開成して遊技者にとって有利な状態となる。
【0020】この始動入賞口214にパチンコ玉が入賞すると、可変表示部209において全特別図柄が可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、左,中,右の特別図柄が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置216に設けられた開閉板220が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過または打玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置216の大入賞口内に進入した打玉が特定入賞領域(Vポケット)に入賞して図示しないVカウントスイッチにより検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って前記第2の状態から前記第1の状態に制御する繰返し継続制御が行なわれる。この繰返し継続制御の上限回数は例えば15回と定められている。
【0021】これらパチンコ機2の構成を図5に基づいて説明すると、該パチンコ機2には、可変表示部209の表示制御を行う表示制御基板280等が搭載された可変表示制御ユニット229と、図示しない玉タンクに供給されたパチンコ玉の払出を実施する玉払出装置297に接続され、後述の遊技制御基板231から出力される賞球信号並びにカードユニット3より入出力される各種信号に基づきパチンコ玉の払出制御を行う払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された賞球制御基板237と、遊技効果ランプ等の制御を実施するランプ制御基板235と、スピーカから出力される音声制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された音声制御基板270と、前記操作ノブ205の操作に基づき打球供給皿に払い出されたパチンコ玉を遊技領域207に発射する打球発射装置の制御を行うマイクロコンピュータ等が搭載された発射制御基板291と、これら各部の制御を実施する遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板231、が設けられており、これらは図5に示すように接続されて、前述の打球供給皿203に払い出されたパチンコ玉を使用して遊技を実施可能とされている。
【0022】また、前記賞球制御基板237は、前記カードユニット3のカードユニット制御基板(図示略)に設けられたパチンコ機接続用ソケットに信号ケーブルを介して接続されており、後述の貸出完了信号(EXS)やパチンコ機レディー信号(PRDY)が前記カードユニット3に設けられた後述のマイクロプロセッシングユニット(MPU)313に出力されるようになっているとともに、前記カードユニット3のMPU313より出力される後述のカードユニットレディー信号(BRDY)や貸出要求完了確認信号(BRQ)が入力されるようになっている。
【0023】また、前記操作基板18は、前述の賞球制御基板の信号ケーブルとともに前記カードユニット3のパチンコ機接続用ソケット(図示略)に信号ケーブルを介して接続可能とされており、前記貸出ボタン16が操作されて遊技者による玉貸し操作がなされた場合に出力される貸出入力信号や、返却ボタン15が操作されて遊技者による後述のカード挿入口303に挿入されたプリペイドカード37の返却操作がなされた場合に出力される返却入力信号が前記カードユニット3のMPU313に出力されるようになっているとともに、該MPU313より出力される前記度数表示部17の表示制御信号が入力されるようになっている。
【0024】次に、本実施例に用いたカードユニット3を図4並びに図5に基づいて説明すると、該カードユニット3の前面には、図4に示すように、点灯によりカードユニット3の動作を報知する動作ランプ301と、対応するパチンコ機2が左右何れかのパチンコ機2であるかを点灯により報知する台指定ランプ302と、前記プリペイドカード37を挿入可能とされたカード挿入口303と、該カード挿入口303に挿入されているプリペイドカード37の排出を遊技者に報知するカードインジケータ304と、が設けられているとともに、その背面下部からは、カードユニット3下端部に内蔵されているブルートゥースモジュール315から出力される高周波電波を伝送可能な接続ケーブル22が導出されており、前記椅子6と遊技島側面との略中間位置に設置され、伝送されてきた高周波電波を所定方向である所定角度の上方向に出力する出力手段としてのアンテナモジュール20が、該接続ケーブル22によって接続されている。
【0025】このカードユニット3の構成を図5に基づいて説明すると、前記動作ランプ301や、台指定ランプ302や、カードインジケータ304に加えて、前記台指定ランプ302の切替を実施するディップスイッチ308と、前記カード挿入口303に連設され、挿入されるプリペイドカード37に記録されている後述の識別情報(ID)や遊技用有価価値である度数の読み出し並びに遊技により更新された新たな度数の書き込み等を行う磁気カードリーダライタ309と、前記挿入されたプリペイドカード37から読み出しおよび書き込まれる度数等を記憶するとともに、後述するMPU313が実行する制御内容等が記述された制御プログラムや各カードユニット3に対して個別に付与され、個々のカードユニット3を識別可能な識別情報(ユニットID)が記憶されているとともに、前記情報端末であるPHS端末30より送信されてくる識別情報としての電話番号が記憶・登録される通信対象登録手段としての記憶部310と、前記パチンコ機接続用ソケット(図示略)に接続され、前記パチンコ機2の賞球制御基板237や操作基板18との各種信号の入出力が行われるI/Oポート311と、前記管理コンピュータ50とのデータ通信を行うための通信手段である通信部312と、遊技者が所持する情報端末がブルートゥース搭載のPHS端末30である場合において、該PHS端末30とのデータ通信を、そのPHS端末30の通話用電波帯域(1.9GHz帯)とは異なる周波数の電波(2.47GHz帯)により非接触にて実施する非接触通信手段としてのブルートゥースモジュール315と、これら各部の制御や前記操作基板18に実装された度数表示部17の制御並びに前記ブルートゥースモジュール315における接続禁止等を行う前記MPU313と、を具備しており、これら各部は図5に示すように接続されている。
【0026】また、これら各カードユニット3は、前記管理コンピュータ50に接続された通信ケーブル48が通信用ソケットに接続されることで、該管理コンピュータ50とカードユニット3との間で各種データの送受が実施可能とされている。
【0027】また、これらカードユニット3のMPU313は、前記管理コンピュータ50から出力される各種の情報出力要求の受信において、該情報出力要求に含まれる前記ユニットIDが前記記憶部310に記憶されている自己のユニットIDに該当する場合に、受信した情報出力要求に対応する情報の返信を実施するようになっている。
【0028】また、各カードユニット3は、前記ブルートゥースモジュール315が新たにブルートゥース搭載の情報端末であるPHS端末30を検出した際に、新規検出の出力とともに、該新規検出したPHS端末30の電話番号を前記管理コンピュータ50に送信するようになっているとともに、該管理コンピュータ50よりカードユニット3のユニットIDが付与されて送信されてくる配信データを、前記ブルートゥースモジュール315を介してPHS端末30へ非接触にて送信するようになっている。
【0029】また、前記新規検出の出力に基づき、管理コンピュータ50は図11のカードユニット管理画面に示すように、各カードユニット毎の通信対象であるPHS端末30の電話番号を収集・管理するようになっており、これら登録電話番号に重複が発生している場合には、重複している各カードユニットに電話番号の再送要求を送信するようになっており、前記カードユニット3のMPU313は、この管理コンピュータ50からの再送要求に自己のユニットIDが含まれている場合において、前記ブルートゥースモジュール315を介してPHS端末30に電話番号の再送要求を送信し、PHS端末3から電話番号の返信があった場合において該受信した電話番号を自己のユニットIDとともに前記管理コンピュータ50に送信するようになっている。
【0030】この本実施例のカードユニット3に、前記接続ケーブル22を介して接続されているアンテナモジュール20について、図7を参照して説明すると、該アンテナモジュール20は、前述のように、椅子6と該椅子6が対応するパチンコ機2との略中間位置の床上に設置されていて、該アンテナモジュール20の内部には、前記ブルートゥースモジュール315より出力される2.47GHzの電波を放射可能な円盤状の平面アンテナ21と、該平面アンテナの外周を囲むように該平面アンテナ21と同心円状に上下に所定間隔にて離間させた状態にて配置された金属製でリング状の出力規制リング25とが内蔵されていて、図8に示すように、前記平面アンテナ21の上面方向に主に電波が放射されるとともに、前記出力規制リング25により、平面アンテナ21の外周側面方向の放射電波が反射或いは吸収されて、平面アンテナ21上面の所定角度範囲内に電波放射が集中してなされ、該所定角度範囲外には電波放射が殆どなされないようになっており、該アンテナモジュール20を前述のように床上に各パチンコ機2毎に設置することで、図8に示すように該アンテナモジュール20からの電波放射が略垂直方向となり、隣接するアンテナモジュール20同士の電波干渉が生じないようになっている。
【0031】尚、本実施例においては、アンテナモジュール20の設置位置を前述のうように、椅子6と該椅子6が対応するパチンコ機2との略中間位置の床上としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらアンテナモジュール20を、図13に示すように、椅子6の内部に設置したり、図14に示すように、遊技島1に設置されているパチンコ機2の下部位置に突設形成されている膳板5上に設けるとともに、該膳板5上に形成する際においては、遊技者が所持する携帯電話を載置可能なフォルダ24を設けるようにしても良い。
【0032】また、本実施例では、前記アンテナモジュール20を床上に配置しているが、垂直方向以外の隣接方法への電波の輻射を規制する目的で、適宜にアンテナモジュール20を床内部に埋め込むようにしても良い。
【0033】次いで、これらアンテナモジュール20を介して非接触のデータ通信を行う遊技者が所持するPHS端末30の構成を図10に基づき説明すると、アンテナ51を介して図示しないPHS基地局と1.9GHz帯の電波のやり取りを実施するための受信部61および送信部62およびアンテナスイッチ63を備えた送受信RFモジュール60と、この送受信RFモジュール60により受信された電波の復調および、前記送受信RFモジュール60により送信される電波の変調とを実施するπ/4シフトQPSK変復調モデム64と、前記カードユニット3に内蔵されているブルートゥースユニット315へブルートゥースの端末認証に使用されるブルートゥースIDや該PHS端末30の電話番号データ等の各種データ送信を非接触にて実施するとともに、該ブルートゥースユニット315より送信されてくる配信情報等の各種データの受信を行うブルートゥースユニット68と、該PHS端末30に固有とされた端末識別IDや電話番号デ−タとともに、前記カードユニット3のブルートゥースユニット315を介して前記管理コンピュータ50より送信されて前記ブルートゥースユニット68にて受信された配信情報等の各種データを記憶する不揮発性のフラッシュメモリ67と、このフラッシュメモリ67に記憶されている各種記憶内容等を表示する比較的大型のLCDパネル53とLCDドライバ69から成るLCDモジュ−ル70と、マイク55より入力される音声を適応差分量子化(ADPCM)方式にてデジタル化するとともに、前記π/4シフトQPSK変復調モデム64より出力されるADPCMデ−タを音声信号に変換するADPCMコ−デック72と、このADPCMコ−デック72に接続されたアンプ73およびマイクロスピ−カ52と、着信音や各種操作時における告知音を出力するサウンダやLED、バイブレ−タを駆動するドライバ71と、PHS端末30の前面に設けられ、電話番号等の入力が可能なテンキ−等の各種スイッチ群から成る入力部54と、外部機器とのシリアルデ−タ通信を行うための外部接続端子56と、これら各種のデバイスを制御するMPU65と、から構成され、前記MPU65内部には、MPU65が行う制御動作を記述したプログラムが記憶された内部ROM66を有している。
【0034】これら本実施例のPHS端末30は、前記カードユニット3のブルートゥースモジュール315の通信エリア内に入圏した場合に、自己の端末識別IDや電話番号デ−タを前記ブルートゥースモジュール315に送信するとともに、該ブルートゥースモジュール315より出力され、ブルートゥースユニット68にて受信された各種情報に基づいて前記LCDパネル53に所定のメッセージが表示されるようになっており、更には、該表示されたメッセージに基づいて利用者が前記入力部54を操作することで、該操作に基づく所定の返信情報が前記ブルートゥースユニット68よりブルートゥースモジュール315に出力されるようになっている。
【0035】これら本実施例において用いたブルートゥースユニット315、68間におけるデータ通信について、図9に基づき説明すると、まず前記カードユニット3に内蔵されているブルートゥースユニット315は、ISMバンドである2.47GHz帯の約1mW以下である微弱電波のやり取りを可能とするための受信部並びに送信部と送受信の切り替えを行うアンテナスイッチとを備えた送受信RFモジュール部35と、該送受信RFモジュール部35にて受信された電波の復調(逆拡散)および送信される電波の変調(拡散)とを実施するベースバンド信号処理ユニット42と、復調された受信データ並びに変調して出力する送信データの授受を前記MPU313との間において実施するホストインターフェイスユニット36とから構成されている。
【0036】また、同様に前記PHS端末30に搭載されているブルートゥースユニット68は、前記送受信RFモジュール部35と同一の機能を有する送受信RF部40と、前記ベースバンド信号処理ユニット42と同一の機能を有するベースバンド信号処理部38と、を内在し、1チップ化により小型化されたブルートゥースチップ41と、復調された受信データ並びに変調して出力する送信データの授受を前記MPU65との間において実施するインターフェイスIC39の、2つのICから構成され、前記PHS端末30内部に内蔵可能とされている。
【0037】これら双方のブルートゥースユニット315、68間では、前述のように約1mW以下という非常に微弱な空中線電力を用いるとともに、日本においては、電波産業会(ARIB)におけるT−66標準規格に示されるように、周波数拡散方式のスペクトラム拡散通信により、比較的高速のデータ通信を非接触にて実施可能とされている。
【0038】このように、遊技用装置を構成するカードユニット3と利用者が所持する携帯電話であるPHS端末30との間の非接触データ通信を、前記PHS端末30が図示しないPHS基地局との間において使用する電波帯域である1.9GHzと異なる周波数の電波である2.47GHzを用いて実施することは、前記カードユニット3とのデータ通信時においても、電話を受信することが可能となることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技用装置を構成する前記カードユニット3とPHS端末30とのデータ通信にPHS端末30の通話用の周波数を使用して実施しても良いし、本実施例において使用している2.4GHz帯のブルートゥース規格以外の非接触通信方式、例えば赤外線通信等を使用しても良い。
【0039】これら本実施例のカードユニット3にて使用されるプリペイドカード37は、前記カードユニット3の磁気カードリーダライタ309にてデータの書き込み並びに読み出しが実施可能な磁気テープが貼着された通常の磁気カードとされている。尚、本実施例においては、これらプリペイドカード37を、遊技場の所定箇所にて設置されるカード発行機(図示略)にて購入可能なプリペイドカ−ド(ビジタ−カ−ド)とした例を示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらプリペイドカード37を特定の会員に予め発行された会員カ−ドとして使用するようにしても良い。
【0040】上述のように構成されたカードユニット3においては、前記カード挿入口303にプリペイドカード37が挿入されることで、磁気カードリーダライタ309により該挿入されたプリペイドカード37に記録された度数が読み出され、記憶部310に記憶されるとともに、該記憶された度数に基づき前記パチンコ機2の遊技に使用されるパチンコ玉の貸出を行う貸出処理が実施可能とされている。
【0041】この貸出処理の制御状況を図6に基づき説明すると、まず前記パチンコ機2の賞球制御基板237は、該パチンコ機2の玉タンクに玉が供給されてパチンコ玉の払出が可能な状態となるとスタンバイ状態となり、前記PRDYをONとしてカードユニット3のMPU313に出力する(S1)。
【0042】このようにPRDYが出力されている状態において前記貸出ボタン16が操作されると、カードユニット3のMPU313は、前記BRDYをONとして前記賞球制御基板237に出力し(S2)、この状態において、更に前記BRQをONとして前記賞球制御基板237に出力する(S3)。
【0043】次いで、前記賞球制御基板237は、前記MPU313より出力されているBRDYを検出している状態においてBRQを検出すると、前記EXSをONとしてMPU313に出力する(S4)。
【0044】該EXSを検出したMPU313は、前記BRQの出力をOFFとし、該BRQのOFFを検出した賞球制御基板237は、玉払出装置297に玉払出信号を出力し、これに基づき1度数に該当する玉数(本実施例では25玉)の払出が実施されるとともに、該払出の終了に基づき、前記EXSの出力をOFFとする(S5)。
【0045】該EXSのOFFを検出したMPU313は、前記カードユニット3のカード挿入口303に挿入されているプリペイドカード37より読み出されて記憶部310に記憶されている度数から1度を減算するとともに、前記度数表示部17に表示されている度数から1度を減算して表示更新する(S6)。
【0046】MPU313は、これら(S3)〜(S6)の制御を、1回の貸出ボタン16の操作に基づいて貸し出される度数分繰返し実施し、これら制御が終了した後、BRDYをOFFとして、貸出処理を完了する(S7)。
【0047】このようにカードユニット3のMPU321からBRQが出力される回数に基づき、前記賞球制御基板237は1度分に該当する数量(25玉)のパチンコ玉の貸出を実施するようになっており、このようにして貸出されたパチンコ玉を使用して遊技者はパチンコ機2における遊技を実施できるようになっている。
【0048】尚、本実施例においては、前記S6の段階で記憶部310の度数並びに度数表示部17の度数から1度を減算するようにしているが、前記S3〜S5の処理を貸し出される度数分(例えば5度分の貸出であれば5回)繰返し実施した後、すなわち、貸し出される度数分のパチンコ玉が払い出された後、該貸し出された度数(例えば5度分の貸出であれば5度)を記憶部310の度数並びに度数表示部17の度数から減算するようにしても良い。
【0049】また、これら貸出処理により挿入されているプリペイドカード37より読み出された度数が「0」度となった際には、前記磁気カードリーダライタ309により、挿入されているプリペイドカード37に残度数「0」が記録されてカード挿入口303より排出されるようになっている。
【0050】また、本実施例のカードユニット3においては、挿入されているプリペイドカード37から読み出された度数が残存する場合に、返却ボタン15が入力されることで、前記記憶部310に記憶されているその時点での残存する度数を該挿入されているプリペイドカード37の記録内容に上書き更新して、カード挿入口303より排出する返却処理が実施されるようになっている。
【0051】以下に、本実施例の遊技用装置の動作について説明すると、まず、前記ブルートゥースユニット68を搭載したPHS端末30を所持する遊技者が、前記椅子6に着座して前記アンテナモジュール20の通信圏内に該PHS端末30が入圏した際には、前記カードユニット3は、ブルートゥースIDの送受等のブルートゥース規格に伴う通常の認証手続きを前記入圏したPHS端末30との間において実施するとともに、そのPHS端末5の電話番号をブルートゥースユニット315を介して非接触にて受信、入手する。
【0052】該入手したPHS端末30の電話番号データは、通信対象登録手段である前記記憶部310に通信対象の情報端末として登録されるとともに、カードユニット3に個別に付与されている前記ユニットIDとともに前記管理コンピュータ50に送信され、該管理コンピュータ50の表示画面に表示されるカードユニット管理画面に、図11に示すように表示される。
【0053】この際、何らかの理由により近接する複数のカードユニット3にて同一のPHS端末30の電話番号が誤って入手され、前記管理コンピュータ50に送信された場合には、管理コンピュータ50が送信されてきた電話番号と同一の電話番号の登録が存在しないかを比較して確認し、該比較において重複する電話番号が存在する場合には、各カードユニット3に対して、通信対象となるPHS端末30に対して識別情報となる電話番号の再送信を要求する再送要求を送信させる指示を順次送信する。
【0054】この指示に基づき、各カードユニット3は、PHS端末30に対して電話番号の再送信を要求する再送要求を送信し、該再送要求を受信したPHS端末30は、電話番号データの送信を実施する。この際、カードユニット3が接続されているアンテナモジュール20の通信圏内にPHS端末30が存在する場合においてのみPHS端末30からの電話番号データの再送信が実施されることから、これら再送信による確認を重複のあった各カードユニット3において順次実施することで、そのPHS端末30がどのカードユニット3に接続されているアンテナモジュール20の通信圏内に存在するのかを確実に特定できるようになる。
【0055】このようにしてPHS端末30が通信圏内に存在するアンテナモジュール20の特定がなされた場合には、管理コンピュータ50は、他のカードユニット3に対して記憶部310の通信対象登録を抹消する指示を出力する。
【0056】このように、管理コンピュータ50を設けて、通信対象登録の重複を管理するようにすることは、これら重複登録による非接触通信の不具合等を解消できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】このようにして、前記記憶部310に通信対象の情報端末としてPHS端末30の電話番号登録が存在する場合には、前記カードユニット3のMPU313は、前記ブルートゥースユニット315への他のPHS端末30等の新たな接続を禁止するようになっており、このようにすることで、例えば、ブルートゥース搭載の他のPHS端末30を所持する遊技者が、移動に伴いアンテナモジュール20の通信圏内に入圏しても、これら新たな端末の入圏に伴う接続処理等が実施されることがなく、既に登録されているPHS端末30との非接触通信が確保されることから、安定した非接触通信を実施できるようになる。
【0058】この新たに入圏した通信対象登録されたPHS端末30の電話番号に基づいて管理コンピュータ50は、通信対象登録されたPHS端末30の電話番号が会員登録されている電話番号であるかを会員データベースを検索して判定し、例えば図11のユニットID「0001」のカードユニット3に入圏登録されているPHS端末30のように、未登録の場合には、図12に示すように、「パーラーの情報を表示しますか?」のメッセージ並びに「只今会員募集中」のメッセージ等がPHS端末30に送信され、該メッセージの受信が着信音またはバイブレーションにより遊技者に報知される。
【0059】これら受信した前記メッセージは、図12に示すように、PHS端末30の表示画面に表示され、情報配信の可否入力を遊技者に促すとともに、会員登録を遊技者に促すようになっている。
【0060】この段階にて、遊技者が情報配信の可を選択した場合においては、会員へのサービスの種別や各種特典等の情報並びに会員登録の方法等の各種情報が前記管理コンピュータ50から、前記カードユニット3を介して配信されて表示されるようになる。
【0061】また、例えば図11におけるユニットID「0003」のカードユニット3に入圏登録されているPHS端末30のように、該PHS端末30が既に会員登録されている場合には、会員への提供情報、例えば会員限定のイベント情報や、貯玉等のデータが存在すれば貯玉データが配信されて表示されるようになっている。
【0062】また、本実施例において前記MPU313は、ブルートゥースユニット315を介してのPHS端末30との非接触通信が不通状態となっても、所定期間(本実施例では5秒間)は前記記憶部310の登録の抹消を実施せずに登録を保持し、前記所定期間である5秒間の経過後において前記非接触通信が不通状態である場合に、前記記憶部310の登録の抹消を実施するようになっており、このようにすることで、非接触通信に短時間の瞬断が生じても登録の抹消がなされて接続処理が頻発してしまうことを回避できるようになっている。
【0063】以上、本実施例のようにすれば、これらパチンコ機2等の遊技機が並設される遊技場の環境下においても、前述のように略垂直方向に電波を輻射するアンテナモジュール20を使用することで、隣接するカードユニット3の間において混信を生じることを著しく低減或いは皆無にできるばかりか、非接触通信を行う通信対象を1つのみ登録して、他の端末が入圏しても接続しないようにすることで、良好なデータの送受信をより安定して実施することができるようになる。
【0064】前記各実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。本発明の請求項1は、遊技場内に配置され、遊技に関連する所定の処理或いは動作を行うとともに、遊技者が携行する情報端末(PHS端末30)と非接触にてデータの送受信を行う非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)を具備する遊技用装置であって、前記情報端末(PHS端末30)には、該情報端末を識別可能な識別情報(電話番号)が記憶され、前記非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)において通信可能状態にある前記情報端末(PHS端末30)が検出された際に、該情報端末(PHS端末30)に記憶されている前記識別情報(PHS端末30)の登録を行う通信対象登録手段(記憶部310)と、該通信対象登録手段(記憶部310)に登録が存在する状況においては、前記非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)による他の情報端末(PHS端末30)との接続を禁止するための制御を行う制御手段(MPU313)と、を具備する。
【0065】本発明の請求項2は、前記制御手段(MPU313)は、前記通信対象登録手段(記憶部310)に登録されている前記情報端末(PHS端末30)との非接触通信が不能状態にある場合において、所定期間に渡って登録を保持し、所定期間の経過後において前記通信不能状態が継続している場合において前記通信対象登録手段(記憶部310)における登録を抹消するための制御を行うようになっている。
【0066】本発明の請求項3は、配置されている複数の前記非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)における通信対象登録内容(電話番号)を収集・管理するとともに、複数の非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)における通信対象登録内容(電話番号)が重複する場合において、該当する非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)に、通信対象となる前記情報端末(PHS端末30)に該情報端末の識別情報(電話番号)の再送要求を送信させ、該再送要求に基づく識別情報の受信がなされない非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)に対応する前記制御手段(MPU313)に対し、通信対象登録手段(記憶部310)の登録の抹消を指示する管理コンピュータ50を具備している。
【0067】本発明の請求項4は、前記非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)は、電磁波或いは光を略垂直方向に指向性を有して出力可能な出力手段(アンテナモジュール20)を有している。
【0068】本発明の請求項5は、前記遊技者が所持する情報端末が携帯電話(PHS端末30)であって、前記非接触通信手段(ブルートゥースモジュール315)との通信を行う電磁波の周波数帯域が、前記携帯電話(PHS端末30)において通話に使用される電磁波の周波数帯域と異なるものとされている。
【0069】以上、本発明の実施形態を図面により前記実施例にて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0070】例えば、前記実施例ではブルートゥースモジュール315をカードユニット3に設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらブルートゥースモジュール315を遊技機であるパチンコ機2や種々の情報を表示可能な表示装置やユニット構成とされた遊技島台等に直接設けたものでも良いし、更には前記カードユニット3を介さずに直接管理コンピュータとブルートゥースモジュール315を接続した構成としても良い。
【0071】また、前記実施例では各カードユニット3に接続された管理コンピュータ50を有しており、このようにすることは、該カードユニット3から遊技者の所持する情報端末に配信される配信情報の更新等を、該管理コンピュータ50にて簡便に実施できるばかりか、これら配信情報の管理も一元的に実施できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら管理コンピュータ50を適宜に設けずとも良い。
【0072】また、前記実施例ではプリペイドカード37に遊技用有価価値としての度数が記録されるようになっており、これら度数を読み出して貸出処理を実施できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記プリペイドカード37に予め付与されたIDに対応付けて度数等の遊技用有価価値を管理コンピュータ50に登録し、前記識別符号(ID)を読み出すことにより、前記管理コンピュータ50に登録されている遊技用有価価値を特定するようにしても良いし、セキュリティ向上のためにこれら管理コンピュータ50とプリペイドカード37の双方に遊技用有価価値を登録、記録しておき、使用時においてこれら双方のデータを比較して不正を防止するようにしても良い。
【0073】また、前記実施例では遊技用記録媒体として磁気カードであるプリペイドカード37を用いているが、本発明はこれらに限定されるものではなく、これを接触式もしくは非接触式のICカード等としても良いし、更には前記のように識別符号(ID)を用いて遊技用有価価値を特定する場合等には、記録媒体を特定可能な前記識別情報であるID等の情報を少なくとも読み取り可能に記録できるものであれば良く、例えばバーコード等の所定の情報記録シンボル等が読み取り可能にプリントされた媒体等であっても良い。
【0074】また、前記実施例では、遊技用有価価値の形態として発行金額100円に対して1単位とする度数を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技用有価価値を遊技者が金銭的に把握できるように金額と一致させるようにしても良いし、更にはこれら遊技用有価価値を所定のポイントや相当するパチンコ玉数やコイン数としても良く、その形態は任意に選択すれば良い。
【0075】また、前記実施例においては、遊技媒体としてパチンコ玉を用いているが、これら遊技媒体をコインや点数、更には後述する画像式のパチンコ機やスロットマシン等における画像にて形成されたパチンコ玉やコイン等としても良く、これら遊技媒体は遊技において使用される媒体であれば、本発明の遊技媒体に含まれるものであり、その形態が限定されるものではない。
【0076】また、前記実施例においては、遊技媒体であるパチンコ玉が外部に払い出される通常のパチンコ機2を用いているが、本発明はこれら通常のパチンコ機のみならず、コインを用いて遊技を行うスロットマシンや、パチンコ玉やコインが外部に排出されることなく遊技可能な封入式のパチンコ機やスロットマシン、さらにはこれら遊技媒体を用いずにデータ等により遊技可能な遊技機や、遊技盤やパチンコ玉が画像にて表示される画像式のパチンコ機や、リールが画像にて表示される画像式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これら遊技機が限定されるものではない。
【0077】また、前記実施例では、情報端末を識別可能な識別情報として電話番号を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら識別情報としては情報端末を識別可能なものであれば任意とされる。
【0078】また、前記実施例では、遊技者の所持する情報端末としてPHS端末30を例に説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら情報端末として通常の携帯電話や電子手帳やパームトップコンピュータ等のモバイルコンピュータであっても良い。
【0079】尚、本発明における遊技場とは、遊技を実施可能とされた店舗のみではなく、これら遊技を実施可能とされた領域や区域も含むものである。
【0080】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。
(a)請求項1の発明によれば、前記通信対象登録手段に情報端末の識別情報が登録されている場合には、他の情報端末との接続処理や接続自体が前記制御手段により禁止されるようになることから、これら他の情報端末との接続処理や接続等により、登録されている情報端末との非接触通信への悪影響を排除でき、結果的に良好な情報(データ)の送受信を安定して実施することができる。
【0081】(b)請求項2の発明によれば、登録されている情報端末との非接触通信において、一時的に通信不能状態が発生しても、即座に登録が抹消されて再度接続処理等が生じてしまったり、他の情報端末が誤って認識されてしまうことを回避でき、結果的に良好な情報(データ)の送受信をより安定して実施することができる。
【0082】(c)請求項3の発明によれば、近接する非接触通信手段にて同一の情報端末が重複して登録されてしまうことの不都合を回避できる。
【0083】(d)請求項4の発明によれば、隣接して設置された非接触通信手段の出力手段より出力される電磁波或いは光が略垂直方向に指向性を有して出力されるようになるため、これら双方の電磁波或いは光が互いに干渉することを回避でき、良好な情報(データ)の送受信をより安定して実施することができる。
【0084】(e)請求項5の発明によれば、携帯電話による通話が実施されている状態であっても、情報(データ)の送受信を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における遊技島を示す斜視図である。
【図2】本発明における実施例のパチンコ機を示す正面図である。
【図3】本発明の実施例におけるパチンコ機の操作部を示す上面図である。
【図4】本発明における実施例にて用いたカードユニットを示す一部破断斜視図である。
【図5】本発明の実施例における遊技用装置の構成並びにパチンコ機2の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例におけるパチンコ機の賞球制御基板とカードユニットとから出力される各信号の出力状況を示す図である。
【図7】本実施例において用いたアンテナモジュールの構成を示す一部破断斜視図である。
【図8】本実施例において用いたアンテナモジュールからの電波出力状況を示す側断面図である。
【図9】本実施例において用いたブルートゥースモジュールとブルートゥースユニットの構成を示す図である。
【図10】本実施例において用いたブルートゥースユニット搭載のPHS端末の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施例に用いた管理コンピュータにおけるカードユニット管理画面を示す図である。
【図12】本実施例において用いたPHS端末の表示画面を示す図である。
【図13】本発明におけるアンテナモジュールのその他の配置方法を示す図である。
【図14】本発明におけるアンテナモジュールのその他の配置方法を示す図である。
【符号の説明】
1 遊技島
2 パチンコ機(遊技機)
3 カードユニット(遊技用装置)
5 繕板
6 椅子
14 操作部
15 返却ボタン
16 貸出ボタン
17 度数表示部
18 操作基板
20 アンテナモジュール(出力手段)
21 平面アンテナ
22 接続ケーブル
24 フォルダ
25 出力規制リング
30 PHS端末(情報端末)
35 送受信RFモジュール部
36 ホストインターフェイスユニット
37 プリペイドカード
38 ベースバンド信号処理部
39 インターフェイスIC
40 送受信RF部
41 ブルートゥースチップ
42 ベースバンド信号処理ユニット
48 通信ケーブル
50 管理コンピュータ(配信用コンピュータ)
51 アンテナ
52 マイクロスピーカ
53 LCDパネル
54 入力部
55 マイク
56 外部接続端子
58 通信回線
60 送受信RFモジュール
61 受信部
62 送信部
63 アンテナスイッチ
64 変復調モデム
65 MPU
66 内部ROM
67 フラッシュメモリ
68 ブルートゥースユニット
69 LCDドライバ
70 LCDモジュール
71 ドライバ
72 ADPCMコーデック
73 アンプ
202 ガラス扉枠
203 打球供給皿
204 余剰玉受皿
205 打球操作ハンドル(操作ノブ)
206 遊技盤
207 遊技領域
209 可変表示部
210 可変表示器
211 通過ゲート
214 始動入賞口
215 可動片
216 可変入賞球装置
220 開閉板
224 入賞口
226 アウト口
231 遊技制御基板
235 ランプ制御基板
237 賞球制御基板
270 音声制御基板
280 表示制御基板
291 発射制御基板
297 玉払出装置
301 動作ランプ
302 台指定ランプ
303 カード挿入口
304 カードインジケータ
308 ディップスイッチ
309 磁気カードリーダライタ
310 記憶部
311 I/Oポート
312 通信部
313 マイクロプロセッシングユニット(MPU)
315 ブルートゥースモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技場内に配置され、遊技に関連する所定の処理或いは動作を行うとともに、遊技者が携行する情報端末と非接触にてデータの送受信を行う非接触通信手段を具備する遊技用装置であって、前記情報端末には、該情報端末を識別可能な識別情報が記憶され、前記非接触通信手段において通信可能状態にある前記情報端末が検出された際に、該情報端末に記憶されている前記識別情報の登録を行う通信対象登録手段と、該通信対象登録手段に登録が存在する状況においては、前記非接触通信手段による他の情報端末との接続を禁止するための制御を行う制御手段と、を具備することを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】 前記制御手段は、前記通信対象登録手段に登録されている前記情報端末との非接触通信が不能状態にある場合において、所定期間に亘って登録を保持し、所定期間の経過後において前記通信不能状態が継続している場合において前記通信対象登録手段における登録を抹消するための制御を行う請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】 配置されている複数の前記非接触通信手段における通信対象登録内容を収集・管理するとともに、複数の非接触通信手段における通信対象登録内容が重複する場合において、該当する非接触通信手段に、通信対象となる前記情報端末に該情報端末の識別情報の再送要求を送信させ、該再送要求に基づく識別情報の受信がなされない非接触通信手段に対応する前記制御手段に対し、通信対象登録手段の登録の抹消を指示する管理コンピュータを具備する請求項1または2に記載の遊技用装置。
【請求項4】 前記非接触通信手段は、電磁波或いは光を略垂直方向に指向性を有して出力可能な出力手段を有する請求項1〜3のいずれかに記載の遊技用装置。
【請求項5】 前記遊技者が所持する情報端末が携帯電話であって、前記非接触通信手段との通信を行う電磁波の周波数帯域が、前記携帯電話において通話に使用される電磁波の周波数帯域と異なるものとされている請求項1〜4のいずれかに記載の遊技用装置。

【図3】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2002−18082(P2002−18082A)
【公開日】平成14年1月22日(2002.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−205645(P2000−205645)
【出願日】平成12年7月6日(2000.7.6)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】