説明

過給機用タービン及び過給機

【課題】エンジンが低速回転域にある場合でも、タービンホイールを十分に回転させる。
【解決手段】エンジンに備えられた複数の気筒の数に分割された複数のスクロール流路24a〜24dが設けられ、各スクロール流路の上流側と複数の気筒のそれぞれから延びる排気流路とは接続流路26a〜26dによってそれぞれ接続されている。複数の接続流路のうち複数の気筒において排気順序が連続しない気筒のそれぞれから延びる排気流路と接続された接続流路26a,26d又は26b,26c同士は第一ゲート孔28a,28bによってそれぞれ連通され、複数の接続流路26a〜26dは互いに第二ゲート孔30によって連通されている。そして、エンジンの低速回転域においては、切替ゲートバルブ40が第一ゲート孔28a,28b及び第二ゲート孔30を閉止するゲート閉止位置に位置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過給機用タービン及び過給機に係り、特に複数のスクロール流路を有して構成された過給機用タービン及びこれを備えた過給機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の過給機用タービンとしては、次のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、特許文献1に記載の例では、一対のスクロール流路を有するツインスクロールが備えられており、このツインスクロールの各スクロール流路には、4気筒エンジンにおいて排気順序が連続しない一対の気筒にそれぞれ接続されたマニホールドの排気流路が合流された状態でそれぞれ接続されている。
【0003】
また、ツインスクロールとマニホールドとの間には、上述の各スクロール流路と各排気流路とを接続する一対の接続流路を有する連通管が接続されており、この連通管の内部には、上述の一対の接続流路の連通状態を切り替えるための切替弁が設けられている。この切替弁は、一対の接続流路のうちウェイストゲート弁が設けられた方の接続流路側に傾動されて一対の接続流路を連通させるようになっている。
【0004】
さらに、一方のスクロール流路の上流側とタービン室の下流側とを接続するバイパス流路の入口は、ウェイストゲート弁によって開閉されるようになっており、このウェイストゲート弁と上述の切替弁とは、別々のアクチュエータによって作動されるようになっている。
【特許文献1】特開昭63−117124号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の例では、4気筒のエンジンに対してスクロール流路が二系統とされている。従って、エンジンが低速回転域にある場合には、各気筒から排出された排気ガスが各スクロール流路において十分に流速を高められず、タービンホイールを十分に回転させることができないため、エンジンの低速回転域において十分な過給圧を得られない虞がある。
【0006】
また、特許文献1に記載の例では、エンジンの回転数の上昇に伴い切替弁が一対の接続流路を連通させているときには、この切替弁が一対の接続流路のうちウェイストゲート弁が設けられた方の接続流路に突出してこの接続流路を狭めることになる。従って、一対の接続流路で互いに排気抵抗が異なり、一対のスクロール流路において排気ガスの流量が不均一になる。この結果、気筒間に背圧の不均一が生じ、例えば火花点火式のエンジンの場合には背圧が高いことに起因してノッキングなどの不具合が生じることでエンジンの本来の性能が阻害される等の虞がある。
【0007】
さらに、特許文献1に記載の例では、切替弁とウェイストゲート弁には、互いに異なるアクチュエータが用いられているので、コストアップとなると共に過給機用タービンが大型化するという不都合がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジンが低速回転域にある場合でも、タービンホイールを十分に回転させることができる過給機用タービンを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、複数のスクロール流路において排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができる過給機用タービンを提供することにある。
【0010】
さらに、本発明の他の目的は、コストダウンすることができると共に小型化することができる過給機用タービンを提供することにある。
【0011】
また、本発明のさらに他の目的は、エンジンの低速回転域においてもエンジンに十分な過給圧を供給することができる過給機を提供することにある。
【0012】
また、本発明のさらに他の目的は、エンジンの回転数が上昇しても、エンジンの本来の性能を阻害することを抑制することができる過給機を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、コストダウンすることができると共に小型化することができる過給機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の過給機用タービンは、エンジンに備えられた複数の気筒の数に分割された複数のスクロール流路を有するスクロール部と、前記複数の気筒のそれぞれから延びる排気流路と前記各スクロール流路の上流側とを接続する複数の接続流路を有すると共に、前記複数の接続流路のうち前記複数の気筒において排気順序が連続しない気筒のそれぞれから延びる排気流路と接続された接続流路同士を連通する第一ゲート孔と、前記複数の接続流路を互いに連通する第二ゲート孔とを有して構成された接続部と、前記各スクロール流路の下流側と接続されてタービンホイールが回転可能に収容されたタービン室を有するタービン部と、前記複数の接続流路と前記タービン室の下流側とを接続するバイパス流路を有するバイパス部と、前記第一ゲート孔及び前記第二ゲート孔を閉止するゲート閉止位置、前記第一ゲート孔を開放し前記第二ゲート孔を閉止する中間位置、及び、前記第一ゲート孔及び前記第二ゲート孔を開放するゲート開放位置に変位可能な切替ゲートバルブと、前記バイパス流路を開閉するウェイストゲートバルブとを有するバルブ機構と、前記切替ゲートバルブ及び前記ウェイストゲートバルブを作動させるためのアクチュエータと、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載の過給機用タービンでは、エンジンの低速回転域において、例えば、切替ゲートバルブがアクチュエータによって作動されることで第一ゲート孔及び第二ゲート孔を閉止するゲート閉止位置に位置され、ウェイストゲートバルブがアクチュエータによって作動されることでバイパス流路を閉止するバイパス流路開放位置に位置される。
【0016】
そして、このときには、エンジンに備えられた複数の気筒の数に分割された複数のスクロール流路が互いに独立した状態で複数の気筒のそれぞれから延びる排気流路と接続された状態となる。このため、エンジンの排気脈動が利用されると共に気筒間の排気干渉が抑制されつつ各気筒から排出された排気ガスがタービン室に導かれてタービンホイールが回転される。また、複数のスクロール流路は、エンジンに備えられた複数の気筒の数に分割された構成とされている(例えば、4気筒のエンジンに対してスクロール流路が四系統とされている)ので、スクロール流路の入口の断面積が従来の構成に比して小さくなる。従って、エンジンが低速回転域にある場合でも、各気筒から排出された排気ガスの流速が各スクロール流路において十分に高められ、タービンホイールが十分に回転される。
【0017】
このように、請求項1に記載の過給機用タービンによれば、エンジンが低速回転域にある場合でも、タービンホイールを十分に回転させることができる。
【0018】
なお、請求項1に記載の過給機用タービンでは、エンジンの中速回転域及び高速回転域においては、切替ゲートバルブ及びウェイストゲートバルブがアクチュエータによって次の如く作動される。
【0019】
すなわち、エンジンの中速回転域においては、例えば、ウェイストゲートバルブがバイパス流路を閉止するバイパス流路閉止位置に位置された状態で、切替ゲートバルブがアクチュエータによって作動されることで第一ゲート孔を開放し第二ゲート孔を閉止する中間位置に位置される。
【0020】
そして、このときには、複数のスクロール流路の上流側で排気順序が連続しない気筒のそれぞれから延びる排気流路同士が連通された状態となる。このため、各気筒に対するスクロール流路の入口の断面積はエンジンの低速回転域において切替ゲートバルブがゲート閉止位置に位置されている場合よりも大きくなるので、エンジンが中速回転域にある場合でも、各スクロール流路において排気ガスの流速が適切に調節されて、タービンホイールの回転数が適切に調節される。また、このときには、排気順序が連続しない気筒のそれぞれから延びる排気流路同士を連通させるため、気筒間の排気干渉が抑制され、また、エンジンの排気脈動がタービンホイールの回転のために有効に利用される。
【0021】
一方、エンジンの高速回転域においては、例えば、切替ゲートバルブがアクチュエータによって作動されることで第一ゲート孔及び第二ゲート孔を開放するゲート開放位置に位置され、ウェイストゲートバルブがアクチュエータによって作動されることでバイパス流路を開放するバイパス流路開放位置に位置される。
【0022】
そして、このときには、複数のスクロール流路の全てが互いに連通された状態となると共にバイパス流路が開通された状態となる。このため、各気筒に対するスクロール流路の入口の断面積はエンジンの中速回転域において切替ゲートバルブが中間位置に位置されている場合よりもさらに大きくなると共に排気ガスの一部はスクロール流路を迂回してタービン室の下流側に導かれるので、エンジンが高速回転域にある場合でも、各スクロール流路において排気ガスの流速が適切に調節されて、タービンホイールの回転数が適切に調節される。
【0023】
このように、請求項1に記載の過給機用タービンによれば、エンジンが中速回転域又は高速回転域にある場合でも、各スクロール流路において排気ガスの流速を適切に調節することができ、タービンホイールの回転数を適切に調節することができる。
【0024】
請求項2に記載の過給機用タービンは、請求項1に記載の過給機用タービンにおいて、前記切替ゲートバルブは、前記第一ゲート孔の貫通方向及び前記第二ゲート孔の貫通方向とそれぞれ直交する方向に移動可能とされている、ことを特徴とする。
【0025】
請求項2に記載の過給機用タービンによれば、切替ゲートバルブは、第一ゲート孔の貫通方向及び第二ゲート孔の貫通方向とそれぞれ直交する方向に移動可能とされている。従って、切替ゲートバルブが作動されてゲート開放位置に移動された場合でも、この切替ゲートバルブが接続流路に突出することがなく、複数の接続流路で互いに排気抵抗が異なることを抑制することができる。これにより、複数のスクロール流路において排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができる
【0026】
請求項3に記載の過給機用タービンは、請求項2に記載の過給機用タービンにおいて、前記第一ゲート孔、前記第二ゲート孔、前記バイパス流路の入口は、前記切替ゲートバルブの移動方向に沿って並んで配置され、前記ウェイストゲートバルブは、前記バイパス流路の入口を閉止するバイパス流路閉止位置と、前記第二ゲート孔に対する前記バイパス流路の入口側に位置して前記バイパス流路の入口を開放するバイパス流路開放位置とに変位されるように、前記切替ゲートバルブの移動方向に沿って移動可能とされ、前記切替ゲートバルブは、前記中間位置から前記ゲート開放位置に移動されるときには前記ウェイストゲートバルブと係止された状態で前記ウェイストゲートバルブを前記バイパス流路閉止位置から前記バイパス流路開放位置に移動させ、前記アクチュエータは、前記切替ゲートバルブを前記ゲート閉止位置と前記ゲート開放位置との間で移動させる駆動手段と、前記ウェイストゲートバルブを前記バイパス流路開放位置に対する前記バイパス流路閉止位置側に付勢する付勢手段と、を有して構成されている、ことを特徴とする。
【0027】
請求項3に記載の過給機用タービンでは、切替ゲートバルブが駆動手段によって移動されてゲート閉止位置、中間位置に位置されたときには、ウェイストゲートバルブが付勢手段によって付勢されることによりバイパス流路閉止位置に位置される。
【0028】
一方、切替ゲートバルブが駆動手段によって中間位置からゲート開放位置側に移動されるときには、切替ゲートバルブとウェイストゲートバルブとが係止されて、ウェイストゲートバルブが付勢手段の付勢力に抗してバイパス流路閉止位置からバイパス流路開放位置側に移動される。そして、切替ゲートバルブが駆動手段によって移動されてゲート開放位置に位置されたときには、ウェイストゲートバルブがバイパス流路開放位置に位置される。
【0029】
このように、請求項3に記載の過給機用タービンによれば、駆動手段によって切替ゲートバルブを移動させるだけで、これに連動させてウェイストゲートバルブをバイパス流路閉止位置とバイパス流路開放位置との間で移動させることができる。従って、アクチュエータを切替ゲートバルブ及びウェイストゲートバルブに共通の構成とすることができるので、これにより、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0030】
請求項4に記載の過給機用タービンは、請求項3に記載の過給機用タービンにおいて、前記駆動手段は、前記タービンホイールの回転力によって駆動されるコンプレッサの過給圧を利用して前記切替ゲートバルブを移動させる構成とされている、ことを特徴とする。
【0031】
請求項4に記載の過給機用タービンによれば、駆動手段は、タービンホイールの回転力によって駆動されるコンプレッサの過給圧を利用して切替ゲートバルブを移動させる構成とされている。従って、例えばモータ等の電動駆動装置を用いて切替ゲートバルブを移動させる構成に比して、より一層コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0032】
また、前記課題を解決するために、請求項5に記載の過給機は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機用タービンと、前記タービンホイールの回転力によって駆動されるコンプレッサと、を有し、前記コンプレッサの過給圧を前記エンジンに供給することを特徴とする。
【0033】
請求項5に記載の過給機によれば、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機用タービンを有することで、エンジンが低速回転域にある場合でも、タービンホイールを十分に回転させることができるので、エンジンの低速回転域においてもエンジンに十分な過給圧を供給することができる。
【0034】
また、請求項5に記載の過給機によれば、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機用タービンを有することで、複数のスクロール流路において排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができるので、例えば、気筒間に背圧の不均一が生じる等を抑制でき、エンジンの本来の性能が阻害されることを抑制することができる。
【0035】
さらに、請求項5に記載の過給機によれば、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機用タービンを有するので、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【発明の効果】
【0036】
以上詳述したように、本発明の過給機用タービンによれば、エンジンが低速回転域にある場合でも、タービンホイールを十分に回転させることができると共に、複数のスクロール流路において排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができ、しかも、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0037】
また、本発明の過給機によれば、エンジンの低速回転域においてもエンジンに十分な過給圧を供給することができると共に、エンジンの回転数が上昇しても、エンジンの本来の性能を阻害することを抑制することができ、しかも、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0039】
図1乃至図10には、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10が示されている。これらの図に示されるように、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10は、例えば4気筒エンジンに装備される過給機の一部を構成するものであり、スクロール部12、接続部14、タービン部16、バイパス部18、バルブ機構20、アクチュエータ22を有して構成されている。
【0040】
スクロール部12は、図2,図8,図9に示されるように、複数のスクロール流路24a〜24dを有して構成されている。スクロール流路24a〜24dは、エンジンに備えられた複数の気筒の数、すなわち、本実施形態においては、4系統に分割されている。スクロール流路24a,24bとスクロール流路24c,24dとは、過給機用タービン10の軸方向(Z方向)に並んで設けられており、スクロール流路24a,24dとスクロール流路24b,24cとは、過給機用タービン10の高さ方向(Y方向)に並んで設けられている。
【0041】
接続部14は、図10に示されるように、4気筒のエンジン80に備えられた気筒82a〜82dのそれぞれから延びるマニホールド84a〜84dとスクロール部12との間に設けられている。この接続部14は、マニホールド84a〜84dの排気流路86a〜86dと各スクロール流路24a〜24dの上流側とを接続する複数の接続流路26a〜26dを有して構成されている。この複数の接続流路26a〜26dは、過給機用タービン10の長さ方向(X方向)に延びて形成されている。
【0042】
そして、図10に示される複数の接続流路26a〜26dのうち気筒82a,82dのそれぞれから延びる排気流路86a,86dと接続された接続流路26a,26d同士は、図1に示されるように、過給機用タービン10の軸方向(Z方向)に沿って貫通された一方の第一ゲート孔28aによって連通されている。
【0043】
同様に、図10に示される複数の接続流路26a〜26dのうち気筒82b,82cのそれぞれから延びる排気流路86b,86cと接続された接続流路26b,26c同士は、過給機用タービン10の軸方向に沿って貫通された他方の第一ゲート孔28b(図4参照)によって連通されている。
【0044】
なお、エンジン80における気筒82a〜82dの排気は、気筒82a、気筒82c、気筒82d、気筒82bの順序で行われるようになっている。つまり、気筒82aと気筒82dは、排気順序が連続しないようになっており、気筒82bと気筒82cは、排気順序が連続しないようになっている。
【0045】
また、上述の複数の接続流路26a〜26dは、図6に示されるように、過給機用タービン10の高さ方向(Y方向)に沿って形成された第二ゲート孔30によって互いに連通されている。この第二ゲート孔30は、上述の第一ゲート孔28a,28bに対して接続流路26a〜26dの上流側に位置されている。
【0046】
タービン部16は、図2に示されるように、タービン室32を有して構成されている。このタービン部16には、各スクロール流路24a〜24dの下流側が接続されると共に、タービンホイール34が回転可能に収容されている。
【0047】
図7に示されるバイパス部18は、上述の複数の接続流路26a〜26dとタービン室32の下流側とを接続するバイパス流路36を有して構成されている。バイパス流路36の入口38は、上述の第二ゲート孔30に対して接続流路26a〜26dの上流側に位置されている。
【0048】
バルブ機構20は、図1に示されるように、接続流路26a,26bと接続流路26c,26dとの間に配置されており、図6に示されるように、第一ゲート孔28a,28b及び第二ゲート孔30の開閉を切り替えるための切替ゲートバルブ40と、バイパス流路36の入口38を開閉するためのウェイストゲートバルブ42と、バルブケース44とを有して構成されている。
【0049】
切替ゲートバルブ40は、上述の複数の接続流路26a〜26dの内壁面によって過給機用タービン10の長さ方向(X方向)に沿って移動可能に支持されている。つまり、この切替ゲートバルブ40は、第一ゲート孔28a,28bの貫通方向及び第二ゲート孔30の貫通方向とそれぞれ直交する方向に移動可能とされている。
【0050】
そして、この切替ゲートバルブ40は、第一ゲート孔28a,28b及び第二ゲート孔30を閉止するゲート閉止位置(図1,図2参照)と、第一ゲート孔28a,28bを開放し第二ゲート孔30を閉止する中間位置(図3,図4参照)と、第一ゲート孔28a,28b及び第二ゲート孔30を開放するゲート開放位置(図5,図6参照)とに変位可能とされている。
【0051】
ウェイストゲートバルブ42は、バルブケース44に形成された支持凹部46によって過給機用タービン10の長さ方向(X方向)、すなわち、切替ゲートバルブ40の移動方向と同じ方向に沿って移動可能に支持されている。
【0052】
そして、このウェイストゲートバルブ42は、バイパス流路36の入口38を閉止するバイパス流路閉止位置(図1〜図4参照)と、第二ゲート孔30に対するバイパス流路36の入口38側に位置してバイパス流路36の入口38を開放するバイパス流路開放位置(図5,図6参照)とに変位可能とされている。
【0053】
また、ウェイストゲートバルブ42は、切替ゲートバルブ40に対して接続流路26a〜26dの上流側に配置されており、且つ、切替ゲートバルブ40側に係止凹部48を有して構成されている。
【0054】
そして、このバルブ機構20では、切替ゲートバルブ40が中間位置(図3,図4参照)に位置されたときには、切替ゲートバルブ40が係止凹部48に入り込んでウェイストゲートバルブ42と係止されるようになっている。
【0055】
なお、このウェイストゲートバルブ42には、図1に示されるように、切替ゲートバルブ40を挟んだ両側に補助バルブ50が形成されている。この補助バルブ50は、ウェイストゲートバルブ42がバイパス流路閉止位置に位置されているときには、切替ゲートバルブ40と共に第二ゲート孔30を閉止する構成とされている。
【0056】
アクチュエータ22は、上述の切替ゲートバルブ40及びウェイストゲートバルブ42を作動させるためのものであり、図1に示されるように、上述のバルブ機構20と並んだ状態で接続流路26a,26bと接続流路26c,26dとの間に配置されている。
【0057】
ここで、図11には、このアクチュエータ22のより具体的な構成が示されている。この図に示されるように、アクチュエータ22は、駆動手段として駆動部52と、付勢手段としてのスプリング54とを有して構成されており、さらに、駆動部52は、ケース56、ダイヤフラム58及びロッド60を有して構成されている。
【0058】
ダイヤフラム58は、ケース56内に設けられてケース56内を二つの空間部62a,62bに区画しており、このうち一方の空間部62aには、後述するコンプレッサ72からの過給圧が供給されるようになっている。ロッド60は、一端側がダイヤフラム58に固定されると共に他端側がケース56及びウェイストゲートバルブ42を貫通して切替ゲートバルブ40に固定されている。
【0059】
スプリング54は、ロッド60と同軸状に設けられると共にケース56とウェイストゲートバルブ42との間に介在されており、ウェイストゲートバルブ42をケース56に対して切替ゲートバルブ40側、つまり、バイパス流路開放位置に対するバイパス流路閉止位置側に付勢している。
【0060】
そして、このアクチュエータ22では、タービンホイール34の回転力によって駆動されるコンプレッサ72の過給圧を利用して切替ゲートバルブ40を移動させると共に、この切替ゲートバルブ40の移動に連動させてウェイストゲートバルブ42を移動させる構成とされている。
【0061】
すなわち、エンジン80が低速回転域にあるときには、ダイヤフラム58が中立状態とされ、このときには、駆動部52が切替ゲートバルブ40をゲート閉止位置(図1,図2に示される位置)に規制する。このときには、切替ゲートバルブ40とウェイストゲートバルブ42とが係止されず、ウェイストゲートバルブ42は、スプリング54によって付勢されることによりバイパス流路閉止位置(図1,図2に示される位置)に位置される。
【0062】
一方、エンジン80が中速回転域にあるときには、コンプレッサ72の過給圧の上昇に伴いダイヤフラム58が他方の空間部62b側に膨張され、これに伴いロッド60が引き込まれて切替ゲートバルブ40を中間位置に位置(図3,図4に示される位置)させる。また、このときには、切替ゲートバルブ40とウェイストゲートバルブ42とが係止された状態となるが、ウェイストゲートバルブ42は、スプリング54によって付勢されることによりバイパス流路閉止位置に位置された状態に維持される。
【0063】
また、エンジン80が高速回転域にあるときには、コンプレッサ72の過給圧の上昇に伴いダイヤフラム58がさらに他方の空間部62b側に膨張され、これに伴いロッド60がさらに引き込まれて切替ゲートバルブ40を中間位置からゲート開放位置側に移動させる。
【0064】
また、切替ゲートバルブ40が中間位置からゲート開放位置側に移動されるときには、切替ゲートバルブ40とウェイストゲートバルブ42とが係止されて、ウェイストゲートバルブ42がスプリング54の付勢力に抗してバイパス流路閉止位置からバイパス流路開放位置側に移動される。そして、切替ゲートバルブ40がゲート開放位置(図5,図6に示される位置)に位置されたときには、ウェイストゲートバルブ42がバイパス流路開放位置(図5,図6に示される位置)に位置される。
【0065】
そして、上記構成からなる過給機用タービン10は、図11に示される如く、コンプレッサ72とで過給機70を構成している。コンプレッサ72は、タービンホイール34と一体回転可能に連結されたコンプレッサホイール74を有して構成されており、タービンホイール34の回転力によってコンプレッサホイール74が回転されると、これに伴って図10に示されるエンジン80に過給圧を供給する構成とされている。
【0066】
そして、上記構成からなる過給機用タービン10及びこれを備えた過給機70によれば、以下の特有な効果を奏する。以下に、過給機用タービン10及びこれを備えた過給機70の動作と併せてその効果について説明する。
【0067】
(エンジン80の低速回転域)
本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10では、エンジン80の低速回転域においては、図1,図2に示されるように、切替ゲートバルブ40がロッド60によって規制されることでゲート閉止位置に位置され、ウェイストゲートバルブ42がスプリング54によって付勢されることでバイパス流路開放位置に位置される。これにより、第一ゲート孔28a,28b、第二ゲート孔30及びバイパス流路36がいずれかも閉止される。
【0068】
そして、このときには、エンジン80に備えられた複数の気筒82a〜82dの数に分割された複数のスクロール流路24a〜24dが互いに独立した状態で複数の気筒82a〜82dのそれぞれから延びる排気流路86a〜86dと接続された状態となる。このため、エンジン80の排気脈動が利用されると共に気筒82a〜82d間の排気干渉が抑制されつつ各気筒82a〜82dから排出された排気ガスがタービン室32に導かれてタービンホイール34が回転される。
【0069】
また、複数のスクロール流路24a〜24dは、4気筒のエンジン80に対して四系統とされているので、スクロール流路24a〜24dの入口の断面積が例えば二系統とした場合の半分となる。つまり、図12のグラフから明らかなように、タービン流量特性が少流量側に適合されたものとなる。従って、エンジン80が低速回転域にある場合でも、各気筒82a〜82dから排出された排気ガスの流速が各スクロール流路24a〜24dにおいて十分に高められ、タービンホイール34が十分に回転される。
【0070】
このように、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、エンジン80が低速回転域にある場合でも、タービンホイール34を十分に回転させることができる
【0071】
(エンジン80の中速回転域)
一方、エンジン80の中速回転域においては、図3,図4に示されるように、ウェイストゲートバルブ42がスプリング54によって付勢されることでバイパス流路閉止位置に位置された状態で、切替ゲートバルブ40がロッド60によって引き込まれることで中間位置に位置される。これにより、バイパス流路36及び第二ゲート孔30が閉止された状態で、第一ゲート孔28a,28bが開放される。
【0072】
そして、このときには、複数のスクロール流路24a〜24dの上流側で排気順序が連続しない気筒82a,82dのそれぞれから延びる排気流路86a,86d同士又は気筒82b,82cのそれぞれから延びる排気流路86b,86c同士が連通された状態となる。このため、各気筒82a〜82dに対するスクロール流路24a〜24dの入口の断面積はエンジン80の低速回転域において切替ゲートバルブ40がゲート閉止位置に位置されている場合よりも大きくなる。つまり、図12のグラフから明らかなように、タービン流量特性が中流量側に適合されたものとなる。従って、エンジン80が中速回転域にある場合でも、各スクロール流路24a〜24dにおいて排気ガスの流速が適切に調節されて、タービンホイール34の回転数が適切に調節される。
【0073】
また、このときには、排気順序が連続しない気筒82a,82dのそれぞれから延びる排気流路86a,86d同士又は気筒82b,82cのそれぞれから延びる排気流路86b,86c同士を連通させるため、気筒82a,82d間又は気筒82b,82c間の排気干渉が抑制され、また、エンジン80の排気脈動がタービンホイール34の回転のために有効に利用される。
【0074】
(エンジン80の高速回転域)
さらに、エンジン80の高速回転域においては、図5,図6に示されるように、切替ゲートバルブ40がロッド60によってさらに引き込まれてゲート開放位置に位置される。また、ウェイストゲートバルブ42は、切替ゲートバルブ40と係止されて、スプリング54の付勢力に抗してバイパス流路開放位置に位置される。これにより、第一ゲート孔28a,28b、第二ゲート孔30及びバイパス流路36の入口38がいずれかも開放される。
【0075】
そして、このときには、複数のスクロール流路24a〜24dの全てが互いに連通された状態となると共にバイパス流路36が開通された状態となる。このため、各気筒82a〜82dに対するスクロール流路24a〜24dの入口の断面積はエンジン80の中速回転域において切替ゲートバルブ40が中間位置に位置されている場合よりもさらに大きくなる(タービン流量特性は多流量側に適合されたものとなる)と共に排気ガスの一部はスクロール流路24a〜24dを迂回してタービン室32の下流側に導かれる。従って、エンジン80が高速回転域にある場合でも、各スクロール流路24a〜24dにおいて排気ガスの流速が適切に調節されて、タービンホイール34の回転数が適切に調節される。
【0076】
このように、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、エンジン80が中速回転域又は高速回転域にある場合でも、各スクロール流路24a〜24dにおいて排気ガスの流速を適切に調節することができ、タービンホイール34の回転数を適切に調節することができる。
【0077】
しかも、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、切替ゲートバルブ40は、第一ゲート孔28a,28bの貫通方向(Z方向)及び第二ゲート孔30の貫通方向(Y方向)とそれぞれ直交する方向(X方向)に移動可能とされている。従って、切替ゲートバルブ40が作動されてゲート開放位置に移動された場合でも、この切替ゲートバルブ40が接続流路26a〜26dに突出することがなく、接続流路26aと接続流路26d又は接続流路26bと接続流路26cで互いに排気抵抗が異なることを抑制することができる。これにより、一対のスクロール流路24a,24d又は一対のスクロール流路24b,24cにおいて排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができる。
【0078】
さらに、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、切替ゲートバルブ40が第一ゲート孔28a,28bの貫通方向及び第二ゲート孔30の貫通方向とそれぞれ直交する方向に移動可能とされることで、図10に示されるように、複数の気筒82a〜82dにおいて排気順序が連続しない気筒82aと気筒82d、気筒82bと気筒82cをそれぞれ対称に配置できる。これにより、一対のマニホールド84a,84d及び一対のマニホールド84b,84cのそれぞれにおいて排気抵抗を均一にすることができる。
【0079】
また、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、アクチュエータ22の駆動部52によって切替ゲートバルブ40を移動させるだけで、これに連動させてウェイストゲートバルブ42をバイパス流路閉止位置とバイパス流路開放位置との間で移動させることができる。従って、アクチュエータ22を切替ゲートバルブ40及びウェイストゲートバルブ42に共通の構成とすることができるので、これにより、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0080】
また、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、アクチュエータ22の駆動部52は、タービンホイール34の回転力によって駆動されるコンプレッサ72の過給圧を利用して切替ゲートバルブ40を移動させる構成とされている。従って、例えばモータ等の電動駆動装置を用いて切替ゲートバルブ40を移動させる構成に比して、より一層コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0081】
このように、本発明の一実施形態に係る過給機用タービン10によれば、エンジン80が低速回転域にある場合でも、タービンホイール34を十分に回転させることができると共に、一対のスクロール流路24a,24d又は一対のスクロール流路24b,24cにおいて排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができ、しかも、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0082】
そして、本発明の一実施形態に係る過給機70によれば、上述の過給機用タービン10を有することで、エンジン80が低速回転域にある場合でも、タービンホイール34を十分に回転させることができるので、エンジン80の低速回転域においてもエンジン80に十分な過給圧を供給することができる。
【0083】
また、本発明の一実施形態に係る過給機70によれば、上述の過給機用タービン10を有することで、一対のスクロール流路24a,24d又は一対のスクロール流路24b,24cにおいて排気ガスの流量が不均一になることを抑制することができるので、例えば、気筒82a,82d間又は気筒82b,82c間に背圧の不均一が生じる等を抑制でき、エンジン80の本来の性能が阻害されることを抑制することができる。
【0084】
さらに、本発明の一実施形態に係る過給機70によれば、上述の過給機用タービン10を有するので、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0085】
このように、本発明の一実施形態に係る過給機70によれば、エンジン80の低速回転域においてもエンジン80に十分な過給圧を供給することができると共に、エンジン80の回転数が上昇しても、エンジン80の本来の性能を阻害することを抑制することができ、しかも、コストダウンすることができると共に小型化することができる。
【0086】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【0087】
例えば、上記実施形態において、過給機用タービン10は、4気筒のエンジン80に装備される過給機70の一部を構成するように構成されていたが、その他にも、例えば、4気筒以上の5気筒、6気筒、8気筒等の複数の気筒を有するエンジンに装備される過給機の一部を構成するように構成されていても良い。
【0088】
また、上記実施形態では、ウェイストゲートバルブ42に第二ゲート孔30を閉止するための補助バルブ50が形成されていたが、ウェイストゲートバルブ42から補助バルブ50が省かれた上で切替ゲートバルブ40のみによって第二ゲート孔30が閉止されるように構成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンの一部断面を含む平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンの一部断面を含む側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンの動作説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンの動作説明図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンの動作説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンの動作説明図である。
【図7】図1の7−7線断面図である。
【図8】図1の8−8線断面図である。
【図9】図2の9−9線断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンとエンジンとの接続状態を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る過給機とアクチュエータの構成を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る過給機用タービンのタービン流量特性を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
10 過給機用タービン
12 スクロール部
14 接続部
16 タービン部
18 バイパス部
20 バルブ機構
22 アクチュエータ
24a,24b,24c,24d スクロール流路
26a,26b,26c,26d 接続流路
28a,28b 第一ゲート孔
30 第二ゲート孔
32 タービン室
34 タービンホイール
36 バイパス流路
38 バイパス流路の入口
40 切替ゲートバルブ
42 ウェイストゲートバルブ
44 バルブケース
52 駆動部(駆動手段)
54 スプリング(付勢手段)
70 過給機
72 コンプレッサ
74 コンプレッサホイール
80 エンジン
82a,82b,82c,82d 気筒
84a,84b,84c,84d マニホールド
86a,86b,86c,86d 排気流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンに備えられた複数の気筒の数に分割された複数のスクロール流路を有するスクロール部と、
前記複数の気筒のそれぞれから延びる排気流路と前記各スクロール流路の上流側とを接続する複数の接続流路を有すると共に、前記複数の接続流路のうち前記複数の気筒において排気順序が連続しない気筒のそれぞれから延びる排気流路と接続された接続流路同士を連通する第一ゲート孔と、前記複数の接続流路を互いに連通する第二ゲート孔とを有して構成された接続部と、
前記各スクロール流路の下流側と接続されてタービンホイールが回転可能に収容されたタービン室を有するタービン部と、
前記複数の接続流路と前記タービン室の下流側とを接続するバイパス流路を有するバイパス部と、
前記第一ゲート孔及び前記第二ゲート孔を閉止するゲート閉止位置、前記第一ゲート孔を開放し前記第二ゲート孔を閉止する中間位置、及び、前記第一ゲート孔及び前記第二ゲート孔を開放するゲート開放位置に変位可能な切替ゲートバルブと、前記バイパス流路を開閉するウェイストゲートバルブとを有するバルブ機構と、
前記切替ゲートバルブ及び前記ウェイストゲートバルブを作動させるためのアクチュエータと、
を備えたことを特徴とする過給機用タービン。
【請求項2】
前記切替ゲートバルブは、前記第一ゲート孔の貫通方向及び前記第二ゲート孔の貫通方向とそれぞれ直交する方向に移動可能とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の過給機用タービン。
【請求項3】
前記第一ゲート孔、前記第二ゲート孔、前記バイパス流路の入口は、前記切替ゲートバルブの移動方向に沿って並んで配置され、
前記ウェイストゲートバルブは、前記バイパス流路の入口を閉止するバイパス流路閉止位置と、前記第二ゲート孔に対する前記バイパス流路の入口側に位置して前記バイパス流路の入口を開放するバイパス流路開放位置とに変位されるように、前記切替ゲートバルブの移動方向に沿って移動可能とされ、
前記切替ゲートバルブは、前記中間位置から前記ゲート開放位置に移動されるときには前記ウェイストゲートバルブと係止された状態で前記ウェイストゲートバルブを前記バイパス流路閉止位置から前記バイパス流路開放位置に移動させ、
前記アクチュエータは、
前記切替ゲートバルブを前記ゲート閉止位置と前記ゲート開放位置との間で移動させる駆動手段と、
前記ウェイストゲートバルブを前記バイパス流路開放位置に対する前記バイパス流路閉止位置側に付勢する付勢手段と、
を有して構成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の過給機用タービン。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記タービンホイールの回転力によって駆動されるコンプレッサの過給圧を利用して前記切替ゲートバルブを移動させる構成とされている、
ことを特徴とする請求項3に記載の過給機用タービン。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の過給機用タービンと、
前記タービンホイールの回転力によって駆動されるコンプレッサと、
を有し、
前記コンプレッサの過給圧を前記エンジンに供給することを特徴とする過給機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−150226(P2009−150226A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326231(P2007−326231)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】